(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177940
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
G01D 5/12 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
G01D5/12 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096363
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英次
(72)【発明者】
【氏名】近藤 快人
(72)【発明者】
【氏名】長田 孝之
(72)【発明者】
【氏名】岩城 禄憲
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA46
2F077AA47
2F077CC02
2F077JJ01
2F077PP05
2F077VV02
2F077VV31
2F077WW08
(57)【要約】
【課題】精度の低下を抑制するセンサ装置を提供する。
【解決手段】センサ装置100は、目盛板G16の目盛が付された目盛面G16aと直交する軸部材G17の軸心AXを中心として指針G14と共に回動する磁石G18と、目盛板G16、指針G14及び磁石G18を覆う透明板G15とを有する計器G1の計測値を取得する。センサ装置100は、軸心AXに沿う軸心方向Z視において軸心AXと重なるように配置され、磁石G18の位置情報を取得するセンサ部21を有し、位置情報に基づいて計測値を取得するセンサ装置本体D1と、センサ装置本体D1を計器G1に取り付けるための取り付け部A1と、を備え、取り付け部A1は、軸心方向Z視においてセンサ部21と重ならないように透明板G15に固定される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目盛板の目盛が付された目盛面と直交する軸部材の軸心を中心として指針と共に回動する磁石と、前記目盛板、前記指針及び前記磁石を覆う透明板とを有する計器の計測値を取得するセンサ装置であって、
前記軸心に沿う軸心方向視において前記軸心と重なるように配置され、前記磁石の位置情報を取得するセンサ部を有し、前記位置情報に基づいて前記計測値を取得するセンサ装置本体と、
前記センサ装置本体を前記計器に取り付けるための取り付け部と、を備え、
前記取り付け部は、前記軸心方向視において前記センサ部と重ならないように前記透明板に固定されるセンサ装置。
【請求項2】
前記取り付け部は、
前記透明板と対向する対向部と、
前記対向部を基端とし、前記軸心に沿う軸心方向に沿って前記センサ装置本体から離れる方向へ突出する突出部と、を有し、
前記突出部を前記透明板に溶着することにより、前記取り付け部が前記透明板に固定される請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記センサ装置本体は、前記センサ部を収容する本体ケースを更に有し、
前記本体ケースは、前記軸心に沿う軸心方向における一方が開放する第1空間を含み、
前記取り付け部は、前記本体ケースと別体に構成され、少なくとも一部が前記第1空間に収容される請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記本体ケースは、前記センサ部を収容する第2空間を更に含み、
前記第1空間と前記第2空間とは分離されている請求項3に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記センサ装置本体は、前記センサ部を収容する本体ケースを更に有し、
前記取り付け部は、
前記本体ケースと別体に構成され、
前記軸心に沿う軸心方向において前記本体ケースに外嵌する嵌合部を更に有し、
前記本体ケースは、
前記嵌合部に嵌合される被嵌合部を含む請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記センサ装置本体は、前記透明板と対向する本体対向部を含み、前記センサ部を収容する本体ケースを更に有し、
前記取り付け部は、前記本体ケースと一体に構成され、前記本体対向部よりも突出する取り付け軸を含み、
前記取り付け軸が、前記透明板を貫通する貫通孔に嵌合することにより、前記本体ケースが前記透明板に固定される請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記センサ装置本体は、前記センサ部に供給する電気を生成する電池を収容する電池ケースを更に有し、
前記電池ケースは、前記本体ケースと分離可能であって、前記本体ケースの前記透明板から遠い側に配置される請求項3又は4に記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記センサ部は、磁気センサを含む請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、製造工場では自動化が進み、製品の組み立て、製品の検査等を行う装置としてロボット(ロボット装置)の利用が増加しつつある。このようなロボット装置には、ロボット装置の稼働状態を監視するための計器が多く取り付けられており、例えば、指針が指し示す目盛が作業者によって読み取られることによりロボット装置の稼働状況が監視される。しかしながら、計器は、工場に多数分散されて配置されることが多く、人手によって複数の計器の計測値を1つ1つ読み取る作業は煩雑である。このような課題を解決する技術として、特許文献1には、作業者の人手を介することなく、多数の計器からデータを収集し、外部機器へ送信する計器用センサが開示されている。この計器用センサは、計器の透明カバーに両面テープによって取り付けられ、計器用センサが備える撮影器が撮影した指針の画像を画像解析部が解析して指針の角度を取得し、指針の角度又はそれに応じた値のデータを外部機器へ送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される計器用センサのように、両面テープによって計器に取り付けられると、計器との間に両面テープが介在して、センサの精度が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、センサの精度の低下を抑制するセンサ装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るセンサ装置の特徴構成は、目盛板の目盛が付された目盛面と直交する軸部材の軸心を中心として指針と共に回動する磁石と、前記目盛板、前記指針及び前記磁石を覆う透明板とを有する計器の計測値を取得するセンサ装置であって、前記軸心に沿う軸心方向視において前記軸心と重なるように配置され、前記磁石の位置情報を取得するセンサ部を有し、前記位置情報に基づいて前記計測値を取得するセンサ装置本体と、前記センサ装置本体を前記計器に取り付けるための取り付け部と、を備え、前記取り付け部は、前記軸心方向視において前記センサ部と重ならないように前記透明板に固定される点にある。
【0007】
このような特徴構成とすれば、取り付け部がセンサ部と軸心方向視で重ならないため、センサ部を磁石に近付けることができる。また、取り付け部の寸法精度及び取り付け状態のバラツキの少なくとも一方によるセンサ部と磁石との間の距離のバラツキを低減できる。したがって、センサ部の精度の低下を抑制することができる。
【0008】
また、前記取り付け部は、前記透明板と対向する対向部と、前記対向部を基端とし、前記軸心に沿う軸心方向に沿って前記センサ装置本体から離れる方向へ突出する突出部と、を有し、前記突出部を前記透明板に溶着することにより、前記取り付け部が前記透明板に固定されると好適である。
【0009】
このような構成とすれば、突出部が溶着されることによって透明板に取り付け部が固定されるため、センサ装置本体の計器への取り付けに両面テープ、接着剤等の別資材を用いる必要がなくなる。
【0010】
また、前記センサ装置本体は、前記センサ部を収容する本体ケースを更に有し、前記本体ケースは、前記軸心に沿う軸心方向における一方が開放する第1空間を含み、前記取り付け部は、前記本体ケースと別体に構成され、少なくとも一部が前記第1空間に収容されると好適である。
【0011】
このような構成とすれば、本体ケースと別体の取り付け部が本体ケースに収容される。すなわち、取り付け部が本体ケースの内側に配置されるため、センサ装置の大型化を回避できる。
【0012】
また、前記本体ケースは、前記センサ部を収容する第2空間を更に含み、前記第1空間と前記第2空間とは分離されているであると好適である。
【0013】
このような構成とすれば、第1空間を侵入口として、第2空間に水、埃等が侵入することを防止できる。
【0014】
また、前記センサ装置本体は、前記センサ部を収容する本体ケースを更に有し、前記取り付け部は、前記本体ケースと別体に構成され、前記軸心に沿う軸心方向において前記本体ケースに外嵌する嵌合部を更に有し、前記本体ケースは、前記嵌合部に嵌合される被嵌合部を含むと好適である。
【0015】
このような構成とすれば、取り付け部が本体ケースに外嵌するため、取り付け部が本体ケースの被嵌合部によって隠れることなく、取り付け部に本体ケースを固定することができる。したがって、取り付け部への本体ケースの取り付け作業の作業効率が向上する。
【0016】
また、前記センサ装置本体は、前記透明板と対向する本体対向部を含み、前記センサ部を収容する本体ケースを更に有し、前記取り付け部は、前記本体ケースと一体に構成され、前記本体対向部よりも突出する取り付け軸を含み、前記取り付け軸が、前記透明板を貫通する貫通孔に嵌合することにより、前記本体ケースが前記透明板に固定されると好適である。
【0017】
このような構成とすれば、取り付け部が本体ケースと一体に構成されているため、別体の取り付け部を用いることなく、透明板にセンサ装置を容易に取り付けることができる。
【0018】
また、前記センサ装置本体は、前記センサ部に供給する電気を生成する電池を収容する電池ケースを更に有し、前記電池ケースは、前記本体ケースと分離可能であって、前記本体ケースの前記透明板から遠い側に配置されると好適である。
【0019】
このような構成とすれば、本体ケースを透明板に取り付けたまま、電池ケースに収容される電池の交換が可能である。
【0020】
また、前記センサ部は、磁気センサを含むと好適である。
【0021】
このような構成とすれば、センサ部として汎用の磁気センサを使用することにより、指針に非接触で計器の計測値を取得するセンサ装置を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1実施形態に係るセンサ装置と計器とを示す図である。
【
図4】
図3とは別の角度から見た本体部の分解斜視図である。
【
図7】第1実施形態に係る取り付け部を示す斜視図である。
【
図10】第1実施形態に係る取り付け部の変形例を示す斜視図である。
【
図11】
図10に示す取り付け部と本体部とを示す斜視図である。
【
図12】
図11に示す取り付け部が装着された本体部を示す図である。
【
図13】第2実施形態に係る取り付け部と本体部とを示す斜視図である。
【
図14】
図13とは別の角度から見た取り付け部と本体部とを示す斜視図である。
【
図15】第2実施形態に係る取り付け部の変形例を示す斜視図である。
【
図16】第3実施形態に係るセンサ装置の構成を示す斜視図である。
【
図17】
図16とは別の角度から見たセンサ装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係るセンサ装置について説明する。なお、後述する実施形態の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能である。また、後述する実施形態の各態様における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変形することが可能である。
【0024】
〔第1実施形態〕
以下、
図1を参照して、センサ装置100の概要について説明する。
図1は、センサ装置100と計器G1とを示す図である。
図1に示すように、センサ装置100は、計器G1に取り付けられ、計器G1の計測値を取得する。計器G1は、例えば、被検査装置の稼働状況を監視するために、被検査装置を備える工場に配置される。
【0025】
〔計器〕
計器G1は、アナログの計器である。本実施形態において、計器G1は、計器本体部G11の注入口から注入された空気等の流体Fの圧力を計測するための圧力計である。計器G1は、例えば「JIS7505-1アネロイド型圧力計-第1部:ブルドン管圧力系」に係るブルドン管型圧力計である。なお、計器G1は、アナログの計器であれば、圧力計に限定されない。
【0026】
図2に示すように、計器G1は、計器本体部G11と、筐体G12と、外枠G13と、指針G14と、透明板G15と、目盛板G16と、軸部材G17と、磁石G18とを備える。以下では、軸部材G17の軸心AXに沿う方向を軸心方向Zとして説明し、計器G1にセンサ装置100を取り付けた状態で、軸心方向Zの一方側(計器G1側)を「軸心方向一方側Z1」と称し、軸心方向他方向側(センサ装置100側)を「軸心方向他方側Z2」と称する。したがって、計器G1に対してセンサ装置100が配置される方向(積層方向)は、軸心方向他方側Z2に相当する。
【0027】
計器本体部G11は、指針G14、目盛板G16、軸部材G17及び磁石G18と共に筐体G12に収容される。計器本体部G11は、流体Fの圧力に相当する値(目盛板G16に付された目盛G161)を指針G14が指し示すように構成される。
【0028】
指針G14は、軸心方向Zにおいて透明板G15と目盛板G16との間に配置される。
【0029】
透明板G15は、透光性のガラス、透光性の樹脂等の板状の部材であって平坦面を有する。透明板G15は、外枠G13に嵌め込まれた状態で筐体G12に組み込まれる。筐体G12に組み込まれた状態において、透明板G15は、指針G14、目盛板G16、軸部材G17及び磁石G18を覆う。
【0030】
目盛板G16の透明板G15と対向する面には、流体Fの圧力に相当する値(計測値)を表すための目盛G161が付される。
【0031】
軸部材G17は、目盛板G16の目盛G161が付された目盛面G16aと直交するように配置される。軸部材G17は、軸心AXを中心に回動自在に筐体G12に支持される。軸部材G17は、計器本体部G11の注入口から流体Fが流入すると、軸心AXを中心として回動する。本実施形態において、軸部材G17は、軸心方向Zに沿って目盛板G16を貫通する。軸部材G17の一方の端部は計器本体部G11に接続され、他方の端部には指針G14が固定される。
【0032】
指針G14は、軸部材G17から径方向外側に向かって延在する。指針G14は、軸部材G17の回動に伴って回動する(指針G14が軸部材G17と共動する)。この結果、計器本体部G11に流入した流体Fの圧力に相当する目盛G161が指針G14の先端によって指し示めされる。作業者は、透明板G15を介して、指針G14が指し示す目盛G161(計器G1の計測値)を確認することができる。
【0033】
磁石G18は、指針G14と透明板G15との間において軸部材G17に固定される。磁石G18は、軸心AXを中心として、指針G14と共に回動する(磁石G18が指針G14と共動する)。磁石G18は、軸心方向Z視において、少なくとも2つの磁極を有する。本実施形態では、磁石G18は、軸心方向Z視において円形であり、半円状のN極と半円状のS極とがそれぞれ1つずつ配置される。
【0034】
〔センサ装置〕
センサ装置100は、磁石G18による磁界の方向と磁力の大きさとを検知することによって、磁石G18(指針G14の目盛板G16上)の位置を示す情報(以下、「位置情報」と称する)を取得し、取得した位置情報に基づいて計器G1の計測値を取得する。なお、センサ装置100は、指針G14に接触することなく、すなわち、指針G14に非接触で計測値を取得することができる。
【0035】
センサ装置100は、
図2に示すように、センサ装置本体D1と、取り付け部A1とを備える。取り付け部A1は、センサ装置本体D1を計器G1に取り付けるための部材である。本実施形態において、取り付け部A1は、センサ装置本体D1とは別体に構成される(
図6参照)。
【0036】
〔センサ装置本体〕
センサ装置本体D1は、本体部M1と、電池部B1と有する。本体部M1は、電池部B1よりも計器G1に近い側(軸心方向一方側Z1)に配置される。
【0037】
〔本体部〕
本体部M1は、計器G1の計測値を取得する。
図3に示すように、本体部M1は、本体ケース1と、センサ回路2と、無線回路3と、本体基板4とを有する。
【0038】
本体ケース1は、有底の円筒状(軸心方向Z視で円形)の本体筒部11と、本体筒部11の外周面から本体筒部11の径方向外側へ突出する本体凸部12とを有する。
【0039】
本体筒部11は、本体底面部111(本体対向部の一例)と、本体外周部112と、第1本体空間11S(
図3参照)とを含む。なお、第1本体空間11Sは、第2空間の一例である。
【0040】
図4に示すように、本体底面部111は、センサ装置本体D1が計器G1に取り付けられた状態において、透明板G15と対向する本体対向面111aを有する。なお、本体対向面111aは、軸心方向Zと直交する平面(平坦面)である。
【0041】
本体外周部112は、軸心方向Z視で円形であって、本体底面部111から本体対向面111aと直交する方向(軸心方向他方側Z2)へ延在する。
【0042】
図3に示すように、第1本体空間11Sは、本体底面部111と本体外周部112とによって区画される空間である。第1本体空間11Sは、本体対向面111aと対向する側(軸心方向他方側Z2)が開放する。第1本体空間11Sには、センサ回路2及び無線回路3が実装された本体基板4が収容される。
【0043】
なお、第1本体空間11Sは、液密状態に構成される。また、第1本体空間11Sには、例えば、絶縁性の第1充填部材P1が充填される(
図5参照)。これにより、本体部M1が防爆仕様とされる。なお、防爆仕様とは、センサ装置100の外部に設けられる可燃物(ガス、粉塵等)の着火源とならないように構成される仕様のことをいう。防爆仕様とする方法としては、第1本体空間11Sに第1充填部材P1を充填する以外に、電位差が発生する空間、部材表面等における絶縁距離の確保、ポッティング剤といった樹脂材料の対象部材への塗布、オーバーモールド等による方法等が挙げられる。第1本体空間11Sに第1充填部材P1を充填する場合、例えば、本体基板4は、実装されるセンサ回路2と無線回路3と共に第1充填部材P1に埋没される。なお、本体基板4に実装されるコネクタは、全部を第1充填部材P1に埋没させず、露出している端子の電位差が発生する端子間の空間、表面距離等を長くすることによって防爆仕様を形成してもよい。なお、上記の方法の少なくとも2つを組み合わせることによって、本体部M1を防爆仕様とすることもできる。
【0044】
本体凸部12は、凸部天面部121と、凸部外周部122と、第2本体空間12S(
図4参照)とを有する。なお、第2本体空間12Sは、第1空間の一例である。
【0045】
図3に示すように、凸部天面部121は、本体外周部112の本体対向面111aとは反対側の端面(軸心方向他方側Z2の端面)と同一平面上の凸部天面121tを有する。
【0046】
凸部外周部122は、本体外周部112と共に本体ケース1の外壁を構成する。凸部外周部122は、凸部天面部121から凸部天面121tと直交する方向(軸心方向一方側Z1)へ延在する。凸部外周部122は、本体外周部112と対向する第1縁部122a、第1縁部122aの両端から本体外周部112へ向けて延在する第2縁部122b及び第3縁部122cを有する。なお、第2縁部122b及び第3縁部122cとは互いに平行である。第1縁部122aは、軸心方向Z視で、本体筒部11の本体外周部112よりも曲率半径の大きい円弧状である。
【0047】
図4に示すように、第2本体空間12Sは、凸部天面部121と凸部外周部122と本体筒部11の本体外周部112とによって区画される空間である。第2本体空間12Sは、第1本体空間11Sが開放する側とは反対側(軸心方向一方側Z1)が開放する。
【0048】
図3及び
図4に示すように、第2本体空間12Sは、本体筒部11の本体外周部112によって第1本体空間11Sと分離される。これにより、第1本体空間11Sの液密状態の阻害が抑制される。
【0049】
また、
図3に示すように、凸部天面部121には、軸心方向Zに沿って凸部天面部121を貫通する第1ネジ孔121hと、凸部天面121tから軸心方向Zに沿って窪む底有の溝部121mとが形成される。なお、第1ネジ孔121hは、
図4を参照して説明した第2本体空間12Sと連通する。
【0050】
第1ネジ孔121hには、取り付け部A1と本体ケース1とを互いに固定するためのネジSが挿通される。
【0051】
溝部121mには、電池部B1(後述の電池ケース5)が有する突起52t(
図6参照)が嵌合する。
【0052】
図3~
図5に示すように、センサ回路2は、センサ部21(
図4参照)と、センサ制御部22(
図3参照)とを有する。
【0053】
図5に示すように、センサ部21は、センサ装置100が計器G1に取り付けられた状態において、軸心方向Z視で軸部材G17と重なる位置に配置される。センサ部21は、本体底面部111に対向する本体基板4の面41(以下、「第1面41」と称する)に実装される。なお、本実施形態において、本体基板4は、第1面41と第1面41とは反対側の第2面42との2層で構成される2層基板であるが、3層以上の多層基板であってもよい。本体基板4は、例えば、リジット基板、フレキシブル基板である。
【0054】
センサ部21は、磁気センサを含む。磁気センサは、
図2を参照して説明した磁石G18による磁界の方向と磁力の大きさとを示すデータを出力する。磁気センサとしては、ホール効果、MR効果、MI効果等をセンシング方式とする磁気センサが採用される。なお、磁気センサは、磁気センサと計器G1の磁石G18との間の距離、及び、磁石G18の磁力に基づいて、その使用が保証されていることを条件に選定される。
【0055】
図3に示すように、センサ制御部22は、本体基板4の第2面42に実装される。センサ制御部22は、センサ部21から出力されたデータに基づいて、
図2を参照して説明した磁石G18(指針G14)の位置情報を取得し、当該位置情報に基づいて計器G1の計測値を取得する。
【0056】
無線回路3は、本体基板4の第2面42に実装される。無線回路3は、アンテナ31を有する。取得した計測値を示すデータは、アンテナ31を介して外部機器(不図示)へ送信される。
【0057】
なお、本体基板4の第2面42には、本体基板4に形成されたパターンと電気的に接続されるレセプタクルRが実装される。レセプタクルRは、レセプタクルRに嵌合するプラグPと、一方の端部がプラグPに接続される電線Lと共に(
図6参照)、センサ装置100が備える接続部材Cを構成する。なお、電線Lは、他方の端部が電池部B1(後述の電池基板7)と電気的に接続される。
【0058】
プラグPがレセプタクルRに嵌合することによって、本体部M1と電池部B1とが電気的に接続される。この結果、電池部B1から本体部M1(センサ回路2及び無線回路3)へ電気が供給される。
【0059】
〔電池部〕
電池部B1は、本体部M1に電気を供給する。
図5に示すように、電池部B1は、電池ケース5と、電池6と、電池基板7と、蓋部8とを有する。電池6は、本体部M1(センサ部21)に供給するための電気を生成する。電池6は、例えば、3つのコイン型の電池で構成される。3つのコイン型の電池は、導電性の部材(端子)を介して、電池基板7と電気的に接続される。なお、コイン型の電池の数量は、3つに限定されず、2つ以下、又は、4つ以上であってもよい。
【0060】
図6に示すように、電池ケース5は、軸心方向Z視において、本体ケース1と略同等の外形寸法及び外形形状を有する。電池ケース5は、電池6と、電池基板7とを収容する(
図5参照)。電池ケース5は、本体ケース1と分離可能であって、本体ケース1の透明板G15から遠い側(軸心方向他方側Z2)に配置される。
【0061】
本実施形態において、電池ケース5は、電池筒部51と、電池筒部51の外周面から電池筒部51の径方向外側へ突出する電池凸部52とを有する。
【0062】
電池筒部51は、筒状であって、電池外周部511と、電池空間5Sとを含む。電池外周部511は、軸心方向Z視で円形である。
【0063】
電池空間5Sは、電池外周部511によって区画される空間である。電池空間5Sは、軸心方向Zの両端(軸心方向一方側Z1及び軸心方向他方側Z2)が開放する。電池空間5Sの一方(軸心方向一方側Z1)は、本体ケース1と結合することによって、本体ケース1に覆われ、他方(軸心方向他方側Z2)は、蓋部8に覆われる。あるいは、電池空間5Sの他方は、後述の第2充填部材P2によって閉塞されていてもよい。なお、電池ケース5と蓋部8とは一体であってもよいし、別体であってもよい。
【0064】
図5に示すように、電池空間5Sには、電池6、及び電池基板7が収容される。本実施形態において、電池空間5Sには、第1本体空間11Sと同様に、絶縁性の第2充填部材P2が充填される。これにより、電池部B1が防爆仕様とされる。なお、防爆仕様とする方法としては、電池空間5Sに第2充填部材P2を充填する以外に、電位差が発生する空間、部材表面等における絶縁距離の確保、ポッティング剤といった樹脂材料の対象部材への塗布、オーバーモールド等による方法等が挙げられる。なお、上記の方法の少なくとも2つを組み合わせることによって、電池部B1を防爆仕様とすることもできる。
【0065】
電池凸部52は、本体ケース1の溝部121mと係合するための突起52tを有する(
図6も参照)。突起52tは、電池凸部52の電池凸端面52a(本体ケース1と対向する側の端面)から軸心方向Zに沿って(軸心方向一方側Z1へ)突出する。突起52tが
図3を参照して説明した溝部121mに嵌ることによって、本体ケース1と電池ケース5とが互いに結合する(電池ケース5が本体ケース1に装着される)。
【0066】
また、
図5及び
図6に示すように、センサ装置100は、Oリング等の封止部材Mを更に備え、封止部材Mは、本体部M1(本体ケース1)と電池部B1(電池ケース5)との境界に配置される。これにより、電池空間5Sと第1本体空間11S(
図5参照)とを液密状態にすることができる。
【0067】
〔取り付け部〕
取り付け部A1は、絶縁体の材料で構成される。本実施形態において、取り付け部A1は、
図4を参照して説明した第2本体空間12Sに対応する外形寸法及び外形形状を有する。
【0068】
詳しくは、
図7~
図9に示すように、取り付け部A1は、略直方体形状であって、天面部91と、底面部92(対向部の一例)と、側面部93と、突出部94とを有する。
【0069】
また、
図7及び
図8に示すように、取り付け部A1には、ネジ等の締結部材が締結される第2ネジ孔9hが形成されている。第2ネジ孔9hは、取り付け部A1が第2本体空間12Sに収容された状態において、
図3を参照して説明した本体凸部12(凸部天面部121)に形成された第1ネジ孔121hと同軸となる位置に形成される。
【0070】
図5に示すように、取り付け部A1は、第2本体空間12Sに少なくとも一部(本実施形態では、突出部94が溶着された状態においてすべて)が収容される。取り付け部A1は、第2本体空間12Sに収容された状態において、軸心方向Z視において、軸部材G17と重ならない。上記のように、センサ部21は、センサ装置100が計器G1に取り付けられた状態において、軸心方向Z視で軸部材G17と重なる位置に配置される。すなわち、取り付け部A1は、軸心方向Zにおいて、軸部材G17とセンサ部21とのいずれにも重ならない位置に配置される。
【0071】
取り付け部A1は、天面部91が透明板G15から遠い側(軸心方向他方側Z2)、底面部92が透明板G15に近い側(軸心方向一方側Z1)となるように、第2本体空間12Sに収容される。底面部92は、取り付け部A1が第2本体空間12Sに収容された状態において、透明板G15と対向(又は接触)する取り付け対向面92aを有する。
【0072】
図7及び
図9に示すように、側面部93は、天面部91から底面部92まで延在する。側面部93は、短手方向において対向する2つの第1側面部931と、長手方向において対向する2つの第2側面部932とを含む。
【0073】
図8に示すように、第1側面部931の一方は、
図4を参照して説明した本体筒部11の本体外周部112に対応する形状(円弧形状)を有し、他方は、本体凸部12の第1縁部122aに対応する形状(第1側面部931の一方よりも曲率半径の大きい円弧形状)を有する。以下、第1側面部931の一方を「第1内側面部931a」と称し、他方を「第1外側面部931b」と称する。なお、取り付け部A1は、第1内側面部931aが本体外周部112に近い側、第1外側面部931bが本体外周部112から遠い側となるように、第2本体空間12Sに収容される(
図5参照)。
【0074】
本実施形態では、
図5に示すように、取り付け部A1が第2本体空間12Sに収容された状態において、天面部91は、第2本体空間12Sを区画する凸部天面部121に接触し、第1外側面部931bは、第2本体空間12Sを区画する凸部外周部122に接触し、第1内側面部931aは、本体筒部11の本体外周部112に接触する。また、第2側面部932も第2本体空間12Sを区画する凸部外周部122(
図3に示す第2縁部122b及び第3縁部122c)に接触する。
【0075】
図9に示すように、突出部94は、底面部92を基端とし、天面部91(センサ装置本体D1)から離れる方向(軸心方向一方側Z1に向かう方向)へ突出する。本実施形態において、突出部94は、透明板G15に溶着(本実施形態では、超音波溶着)される対象の部分である。突出部94が透明板G15に溶着されることにより、取り付け部A1が透明板G15に固定される。突出部94が透明板G15に溶着されると、底面部92の取り付け対向面92aは、突出部94が溶着された部分(溶着部)を介して透明板G15に接合される。なお、突出部94は連続する一つの形状であってもよいし、点在する複数の形状であってもよい。
【0076】
〔センサ装置の計器への取り付け方法〕
続いて、センサ装置100の計器G1への取り付け方法について
図6を参照して説明する。
【0077】
専用治具を用いるなどして、取り付け部A1を透明板G15の所定の位置に配置(位置決め)した後、透明板G15に突出部94(
図7及び
図9参照)を溶着することにより、取り付け部A1を透明板G15に固定する。
【0078】
その後、透明板G15に固定された取り付け部A1を第2本体空間12Sに収容するように本体ケース1(本体部M1)を配置する。
【0079】
その後、本体ケース1の第1ネジ孔121h(
図3参照)及び取り付け部A1の第2ネジ孔9h(
図7参照)にネジSを軸心方向他方側Z2から軸心方向一方側Z1へ向けて挿通し、本体ケース1と取り付け部A1とを共締めする。これにより、取り付け部A1と本体ケース1とが互いに固定される。
【0080】
なお、取り付け部A1に固定する本体ケース1には、電池ケース5が装着されていてもよいし、装着されていなくてもよく、本体部M1に電池部B1が未装着な場合は、取り付け部A1に本体ケース1(本体部M1)を固定した後、本体ケース1に電池ケース5(電池部B1)を装着してもよい。
【0081】
以上により、センサ装置100の透明板G15への取り付けが完了する。その後、センサ装置100が取り付けられた透明板G15を、
図1に示すように、計器G1に組み付けることにより、計器G1へのセンサ装置100の取り付けが完了する。なお、センサ装置100が取り付けられた透明板G15の計器G1への組み付けは、計器G1による計測値の計測対象である被検査装置に計器G1が取り付けられた状態でもよいし、被検査装置から計器G1が取り外された状態であってもよい。また、透明板G15は、電池部B1が本体部M1に装着される前に、計器G1に組み付けられてもよい。
【0082】
〔第1実施形態の変形例〕
図10及び
図11に示すように、取り付け部A1は、底面部92が側面部93よりも軸心方向Zと直交する方向へ突出する鍔部921を有してもよい。鍔部921は、軸心方向Z視において、底面部92より一回り大きい形状(相似形状)を有する。突出部94は、第1実施形態と配置される位置及び形状が同じであって、鍔部921の外縁よりも内側に形成されている。
【0083】
上記のように取り付け部A1が構成される場合、
図11に示すように、本体ケース1の形状(本体凸部12の形状)も鍔部921の形状に応じて変更されることが好ましい。詳しくは、
図12に示すように、本体凸部12の電池ケース5が装着される側とは反対側(軸心方向一方側Z1)の端面(以下、「本体凸部端面12t」と称する)を、本体底面部111の本体対向面111aよりも電池ケース5が装着される側(軸心方向他方側Z2)へ後退させる。すなわち、本体ケース1には、本体対向面111aと本体凸部端面12tとの間に第1段差d1が形成される。第1段差d1の高さH1は、軸心方向Zにおける鍔部921の長さL1と等しく(略等しいも含む)に設定される。このため、取り付け部A1が第2本体空間12Sに収容された状態において、鍔部921の取り付け対向面92aは、本体対向面111aとの間に段差がなく、取り付け対向面92aと本体対向面111aとはフラット(面一)になる。なお、取り付け対向面92aは、鍔部921の透明板G15と対向する面であって、電池ケース5が装着される側とは反対側の端面である。上記のように、突出部94が透明板G15に溶着されると、取り付け対向面92a(鍔部921の部分も含む)は、溶着された部分を介して透明板G15と接合する。
【0084】
〔第2実施形態〕
続いて、
図13及び
図14を参照して、第2実施形態に係るセンサ装置100について説明する。第2実施形態では、取り付け部A1及び本体ケース1の形状が第1実施形態と異なり、軸心方向Zにおいて、取り付け部A1が本体ケース1に外嵌する。なお、以下では、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明し、第1実施形態と同一の構成についての詳細な説明は省略する。
【0085】
〔本体ケース〕
図13及び
図14に示すように、本実施形態に係る本体ケース1には、外壁に沿って第2段差d2が形成されており、本体ケース1は、第2段差d2の段上(本体ケース1の外側)の段上壁部1aと、第2段差d2の段下(本体ケース1の内側)の段下壁部1b(被嵌合部の一例)とを有する。
【0086】
段上壁部1aは、本体ケース1の外壁の最も外側の面(以下、「外面1g」と称する)を構成する。段上壁部1aは、本体ケース1の電池ケース5が結合される側(軸心方向他方側Z2)に配置される。
【0087】
段下壁部1bは、本体ケース1の電池ケース5が結合される側とは反対側(軸心方向一方側Z1)に配置される。段下壁部1bは、段上壁部1aよりも本体ケース1の内側となるように構成される。段下壁部1bには、取り付け部A1が外嵌(嵌合)される。
【0088】
また、本実施形態において、本体ケース1は、外嵌した取り付け部A1の軸心方向Zに沿った方向への移動を規制するための少なくとも一つの凹部1c(係止部の一例)を更に有する。凹部1cは、段下壁部1bの本体筒部11側に形成された窪みによって構成される。
【0089】
また、
図13に示すように、本体ケース1の本体底面部111は、本体対向面111aよりも電池ケース5が結合される側(軸心方向他方側Z2)へ後退させた後退部111kを更に有する。後退部111kは、軸心方向Z視において、本体対向面111aの外周を囲む円環状に形成される。すなわち、本体対向面111aは、軸心方向Z視において、本体筒部11よりも一回り小さい円形状である。
【0090】
〔取り付け部〕
取り付け部A1は、軸心方向Z視における外形寸法及び外形形状が本体ケース1と同一(略同一も含む、以下同様)に構成される。詳しくは、取り付け部A1の底面部92は、軸心方向Z視で段下壁部1b(後退部111k)と外形寸法及び外形形状が同一に構成される。
【0091】
本実施形態において、取り付け部A1の側面部93(嵌合部の一例)は、軸心方向Zにおいて本体ケース1に外嵌する。詳しくは、側面部93は、軸心方向Z視で段上壁部1aと外形寸法及び外形形状が同一に構成される。側面部93は、底面部92の外縁を基端として、軸心方向Zに沿って延在する。したがって、取り付け部A1が本体ケース1の段下壁部1bに外嵌すると、軸心方向Zと直交する方向において、側面部93の外面と本体ケース1の外面1gとの間には段差がなく、フラットになる(面一になる)。
【0092】
また、本実施形態において、取り付け部A1の底面部92には、底面部92を貫通する嵌合孔92hが形成される。軸心方向Z視において、嵌合孔92hの外形寸法及び外形形状の各々は、後退部111kによって囲まれる本体対向面111aの形状(円形)及び寸法に対応し、嵌合孔92hには、本体対向面111aが嵌合してもよい。なお、嵌合孔92hは、軸心方向Z視において、本体対向面111aよりも大きい形状を有していてもよい。また、嵌合孔92hは、その中心が、軸心方向Z視において、本体筒部11の中心に一致(略一致も含む、以下同様)する。
【0093】
更に、取り付け部A1は、本体ケース1の凹部1cに係止される少なくとも一つの爪部95を更に有する。
【0094】
爪部95は、軸心方向Zと直交する方向に沿って弾性変形可能に構成される。爪部95は、その弾性力を利用して凹部1cに嵌合する(スナップフィット)。爪部95が凹部1cに嵌ると、軸心方向Zにおいて、取り付け部A1に対する本体ケース1の移動が規制される。これにより、取り付け部A1に外嵌した本体ケース1の脱落が抑制される。本実施形態において、
図14に示すように、爪部95は、3つ設けられ、3つの爪部95は、本体筒部11に嵌合する側面部93に配置される。3つの爪部95は、軸心方向Z視で、略等間隔(軸心AXを中心として90度間隔)に配置される。なお、上述の本体ケース1の凹部1cの位置及び数量は、爪部95の位置及び数量に対応して設けられる。
【0095】
また、取り付け部A1は、底面部92から軸心方向Zに沿って(側面部93が延在する方向と同一の方向へ)延伸する筒状の延伸部96を更に有する。
【0096】
延伸部96には、第3ネジ孔96hが形成される。第3ネジ孔96hは、取り付け部A1が外嵌する本体ケース1の第1ネジ孔121hと同軸となる位置に形成される。本体ケース1の第1ネジ孔121h(
図14参照)及び第3ネジ孔96hにネジSを挿通し、本体ケース1と取り付け部A1とを共締めする。これにより、取り付け部A1に本体ケース1がより強固に固定される。なお、この場合、取り付け部A1の爪部95と本体ケース1の凹部1cは、引っ張れば破壊することなく係止を解除可能なハーフロック形状であってもよい。また、本体ケース1に取り付け部A1が外嵌された状態において、延伸部96は、底面部92とは反対側の端面が、第2本体空間12S(
図13参照)を区画する凸部天面部121に接触してもよい。
【0097】
〔センサ装置の計器への取り付け方法〕
第2実施形態に係るセンサ装置100の計器G1への取り付け方法では、第1実施形態と同様に、取り付け部A1を15に溶着する。この後、取り付け部A1に本体ケース1を取り付けるが、取り付け部A1と本体ケース1(本体部M1)との固定方法が第1実施形態と異なる。詳しくは、第2実施形態に係る方法では、取り付け部A1に対して本体ケース1を内嵌、すなわち、本体ケース1に対して取り付け部A1を外嵌し、取り付け部A1の爪部95を本体ケース1の凹部1cに係止させることにより、取り付け部A1に本体ケース1を固定する。また、必要に応じて、本体ケース1の第1ネジ孔121h(
図14参照)及び第3ネジ孔96hにネジSを挿通し、本体ケース1と取り付け部A1とを共締めする。
【0098】
〔第2実施形態の変形例〕
図15に示すように、取り付け部A1は、底面部92が突出部94よりも取り付け部A1の外側に突出する鍔部921を有してもよい。鍔部921は、軸心方向Z視において、取り付け部A1に固定された本体ケース1よりも外側に延在する。鍔部921は、例えば、軸心方向Z視において、本体ケース1よりも、1mm以上5mm以下大きく構成されていることが好ましい。また、鍔部921は、軸心方向Z視において目盛板G16に付された目盛G161に重ならないことも好ましい。また、第2実施形態の変形例として、鍔部921を設けずに、第2実施形態に係る取り付け部A1よりも、突出部94が形成される位置を取り付け部A1の内側にしてもよい。
【0099】
〔第3実施形態〕
続いて、
図16及び
図17を参照して、第3実施形態に係るセンサ装置100について説明する。第3実施形態では、取り付け部A1が本体ケース1と一体に構成される点が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。なお、以下では、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明し、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成についての詳細な説明は省略する。
【0100】
〔本体ケース〕
本実施形態では、
図16及び
図17に示すように、本体ケース1の本体凸部12の形状が、第1実施形態及び第2実施形態と異なる。詳しくは、本体凸部12は、取り付け部A1を収容する第2本体空間12Sを有さず、2つの窪み部12kを更に有する。
【0101】
窪み部12kは、本体凸部12の窪む部分で構成される。詳しくは、窪み部12kは、本体凸部12の凸部対向面12aから軸心方向Zに沿って電池ケース5が結合される側(軸心方向他方側Z2)へ窪む部分で構成される。なお、凸部対向面12aは、センサ装置100が透明板G15に取り付けられた状態において、本体凸部12の透明板G15に対向する面であり、本体底面部111の本体対向面111aと同一平面である。
【0102】
2つの窪み部12kは、凸部対向面12aを挟んで対向する。2つの窪み部12kの各々には、2つの取り付け軸97の各々が配置される。2つの取り付け軸97は、本体ケース1と一体に構成される。2つの取り付け軸97は、軸心方向Z視においてセンサ部21(
図4参照)と重ならない位置に配置される。なお、本実施形態において、2つの取り付け軸97は、取り付け部A1を構成する(取り付け部A1に含まれる)。
【0103】
〔取り付け軸〕
2つの取り付け軸97の各々は、2つの窪み部12kの各々の底壁(電池ケース5が配置される側の壁)から軸心方向Zに沿って(軸心方向一方側Z1へ)延在する。取り付け軸97は、軸心方向Zにおいて凸部対向面12a(本体底面部111)よりも突出する。
【0104】
取り付け軸97は、軸心方向Zに沿って2つに分割された分割片971を含み、2つの分割片971は、接近又は離間する方向(軸心方向Zと直交する方向)に弾性変形可能である。分割片971の先端には、互いに対向する分割片971の各々の先端部から離間する方向へ突出する突出片972を有する。なお、突出片972は、分割片971の少なくとも1つに形成されていればよい。
【0105】
取り付け軸97の各々は、その弾性力を利用して、透明板G15に形成された2つの取り付け孔151hの各々に嵌合する(スナップフィット)。
【0106】
2つの取り付け孔151hの各々は、軸心方向Zに沿って透明板G15を貫通するように形成される。なお、軸心方向Z視において、取り付け孔151hの形状は、軸心方向Z視における取り付け軸97の分割片971が弾性変形した状態で突出片972が通過可能であり、且つ、突出片972が通過した後に分割片971の弾性変形が復帰した状態で突出片972が通過不可能な形状であり、例えば、矩形である。
【0107】
取り付け孔151hに嵌合した取り付け軸97は、分割片971の突出片972が透明板G15の目盛板G16と対向する面(軸心方向一方側Z1の面)に接触する。
【0108】
〔支持軸〕
また、
図17に示すように、本実施形態では、取り付け部A1は、2つの取り付け軸97に加え、1つの支持軸98を含む。支持軸98は、本体ケース1と一体に構成される。支持軸98は、本体ケース1のうちの本体対向面111a(本体筒部11の軸心方向一方側Z1の端面)上に配置され、本体対向面111aから軸心方向Zに沿って取り付け軸97が延出する方向(軸心方向一方側Z1)へ延在する。支持軸98も軸心方向Z視においてセンサ部21(
図4参照)と重ならない位置に配置される。
【0109】
支持軸98は、透明板G15に形成された支持孔152hに嵌合する。支持孔152hは、軸心方向Zに沿って透明板G15を貫通するように形成される。なお、軸心方向Z視において、支持孔152hの形状は、支持軸98の形状に対応しており、例えば、円形であり、支持孔152hと支持軸98との隙間は小さいことが好ましい。
【0110】
〔センサ装置の計器への取り付け方法〕
第3実施形態に係るセンサ装置100の計器G1への取り付け方法では、本体ケース1の透明板G15への取り付け方法が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。詳しくは、第3実施形態に係る方法では、支持軸98を支持孔152hに嵌合し、2つの取り付け軸97の各々は、互いに接近する方向へ弾性変形した状態で透明板G15の取り付け孔151hの各々に挿通された後、元の状態に復帰(離間)させる。これにより、分割片971の突出片972が、軸心方向Zにおいて透明板G15(透明板G15の軸心方向一方側Z1の面)に接触し、本体ケース1(本体部M1)の透明板G15への取り付けが完了する。
【0111】
〔実施形態の効果〕
以上のように構成されるセンサ装置100は、以下のような効果を奏する。
【0112】
第1~第3実施形態によれば、取り付け部A1がセンサ部21と軸心方向Z視で重ならないため、センサ部21と磁石G18との間に取り付け部A1が介在することがない。したがって、センサ部21を磁石G18に近付けることができる。また、取り付け部A1の寸法精度及び取り付け状態のバラツキの少なくとも一方によるセンサ部21と磁石G18との間の距離のバラツキを低減できる。したがって、センサ部21の精度の低下を抑制することができる。
【0113】
第1~第2実施形態によれば、突出部94が溶着されることによって透明板G15に取り付け部A1が固定されるため、センサ装置本体D1の計器G1への取り付けに両面テープ、接着剤等の別資材を用いる必要がなくなる。例えば、同じ仕様の両面テープを使用した場合であっても、センサ装置本体が透明板を押し付ける力によって両面テープが弾性変形し、センサ部と磁石との間の距離が変化し、センサ装置の精度が低下するおそれがある。しかしながら、第1~第2実施形態によれば、センサ装置本体D1を計器G1に取り付けるために、両面テープを使用する必要がない。このため、センサ部21と磁石G18との間の距離が変化することを抑制することができる。この結果、センサ装置100の精度の低下を抑制することができる。
【0114】
また、センサ装置100は、透明板G15(計器G1)と共に被検査装置に対して鉛直方向の上側に取り付けられる場合に限られず、被検査装置に対して様々な方向に取り付けられる。このため、両面テープによって計器にセンサ装置を取り付ける構成においては、センサ装置の自重が両面テープの貼り付け面に、常時作用して、センサ装置が透明カバーから脱落するおそれがある。しかしながら、第1~第2実施形態によれば、溶着によって透明板G15に固定された取り付け部A1に本体ケース1を固定(圧入又は外嵌に加え、ネジSによって締結)することにより、センサ装置100が透明板G15に取り付けられる。したがって、センサ装置100を計器G1に取り付けるために両面テープを使用する必要がなく、センサ装置100の計器G1からの脱落を抑制することができる。
【0115】
また、両面テープを使用せずに、接着剤によってセンサ装置本体を透明板に取り付ける方法もあるが、この方法では、接着剤を硬化させるために時間が必要である。更に、接着剤が透明板の表面に広がって指針が指し示す目盛の視認性が害されるおそれがある。また、軸心方向視においてセンサ部と重なる位置に接着剤が広がり、センサ部と磁石との間の距離に変化が生じ、センサ装置の精度が低下するおそれがある。しかしながら、上記の実施形態によれば、接着剤を使用する必要もない。
【0116】
また、上記のように、センサ部21と磁石G18との間の距離の変化を抑制できることから、第1~第2実施形態のように、センサ部21が磁気センサICである場合、磁気センサICによって取得された計器G1の計測値を補正するための補正値を、検査システムが備える他のセンサ装置と共有することができる。なお、他のセンサ装置とは、計器G1と同種類の計器(透明板の厚みが透明板G15と等しい計器(略等しいも含む、以下同様))であって、磁気センサICと磁石との間の距離が、センサ装置100のセンサ部21と計器G1の磁石G18と等しい計器である。つまり、本実施形態によれば、検査システムにおける複数のセンサ装置の磁気センサICと当該磁気センサICが磁界の向き及び大きさを検知する対象の磁石との間の距離を均一化でき、複数のセンサ装置の間において、補正値(磁気センサICの取得したデータを補正するための値)を共有することができる。これにより、複数のセンサ装置ごとに補正値を取得する作業を省略することができ、計測値の取得作業の効率化を図ることができる。
【0117】
第1~第2実施形態において説明したように、透明板G15に溶着される突出部94は、本体ケース1とは別体の取り付け部A1の底面部92から透明板G15へ向けて突出する。このため、突出部94の溶着方法として、超音波による溶着(以下、「超音波溶着」という)を利用することが可能である。超音波溶着では、取り付け部A1及び透明板G15の材料特性と、突出部94の形状と、超音波溶着を実施する装置の諸条件(周波数、溶着時間、ホーン形状等)とによって、取り付け部A1を透明板G15に固定する固定強度を設定することができる。このため、取り付け部A1及び透明板G15の材料特性に応じて、突出部94の形状、超音波溶着装置の諸条件を調整することにより、所望の強度となるように、取り付け部A1を透明板G15に固定することが可能になる。また、諸条件を調整することによって、透明板G15への取り付け部A1の固定を短時間で行うこともできる。
【0118】
なお、本体ケース1に溶着の対象となる溶着部を形成し、当該溶着部に対して超音波溶着することによって本体ケース1を透明板G15に固定する方法では、超音波の照射によって、本体ケース1に収容されるセンサ回路2及び無線回路3の少なくとも一方が損壊するおそれがある。あるいは、本体ケース1の第1本体空間11Sに充填される第1充填部材P1及び電池空間5Sに充填される第2充填部材P2の少なくとも一方に亀裂が生じ、センサ装置100の防爆性能、防水性特等が低下するおそれがある。しかしながら、第1~第2実施形態では、本体ケース1ではなく、本体ケース1とは別体の取り付け部A1の突出部94を超音波溶着した後、本体ケース1を取り付け部A1に固定するため、本体ケース1に収容されるセンサ回路2及び無線回路3の少なくとも一方の損壊、あるいは、本体ケース1に充填される第1充填部材P1、及び、電池ケース5に充填される第2充填部材P2の少なくとも一方の亀裂によるセンサ装置100の防爆性能、防水性特等の低下を防止することができる。
【0119】
第1実施形態によれば、本体ケース1と別体の取り付け部A1が本体ケース1(第2本体空間12S)に収容される。すなわち、取り付け部A1が本体ケース1の内側に配置されるため、センサ装置100の大型化を回避できる。
【0120】
また、第1実施形態によれば、取り付け部A1が第2本体空間12Sに収容された状態において、天面部91が第2本体空間12Sを区画する凸部天面部121に接触し、第1外側面部931bが第2本体空間12Sを区画する凸部外周部122に接触し、第1内側面部931aが本体筒部11の本体外周部112に接触し、第2側面部932も第2本体空間12Sを区画する凸部外周部122に接触する。したがって、軸心方向Zに直交する方向(略直交する方向も含む、以下同様)において、取り付け部A1に対する本体ケース1の移動を規制することができる。また、取り付け部A1の天面部91が第2本体空間12Sを区画する凸部天面部121に接触するため、取り付け部A1に対して本体ケース1が離れる方向への移動も規制することができる。
【0121】
また、第1実施形態では、取り付け部A1と本体ケース1とがネジSで共締めされるため、取り付け部A1に対する本体ケース1の軸心方向Zにおける移動が規制される。この場合、取り付け部A1は、天面部91、第1外側面部931b、第1内側面部931a、及び、第2側面部932のすべてが、第2本体空間12Sを区画する壁に接触する必要はない。なお、本体ケース1と取り付け部A1とを固定する方法は、ネジSを用いる方法に限定されない。例えば、取り付け部A1を第2本体空間12Sに圧入することによって本体ケース1と取り付け部A1とを固定してもよいし、本体ケース1と取り付け部A1とが離間を拒む方向(互いに接近する方向)に本体ケース1と取り付け部A1とが係合する構造によって、本体ケース1と取り付け部A1とを固定してもよい。
【0122】
第1実施形態によれば、第2本体空間12Sが第1本体空間11Sと分離されているため、第2本体空間12Sを侵入口として、第1本体空間11Sに水、埃等が侵入することを防止できる。これにより、第1本体空間11Sの液密状態の阻害が抑制される。なお、第1実施形態において説明した第1ネジ孔121hは、Oリング等の封止部材Mよりも、本体ケース1の外側に配置されると好適である。これにより、第1本体空間11Sへの水、埃等の侵入を更に効果的に防止できる。
【0123】
第2実施形態によれば、取り付け部A1が本体ケース1に外嵌するため、取り付け部A1が本体ケース1の段下壁部1bによって隠れることなく、取り付け部A1に本体ケース1を固定することができる。したがって、取り付け部A1への本体ケース1の取り付け作業の作業効率が向上する。
【0124】
また、第2実施形態によれば、取り付け部A1が本体ケース1に対して外嵌するため、取り付け部A1に対する本体ケース1の軸心方向Zと直交する方向への移動が規制される。
【0125】
また、第2実施形態によれば、取り付け部A1の嵌合孔92hに本体対向面111aが嵌合する形状とした場合、取り付け部A1に対する本体ケース1の軸心方向Zと直交する方向への移動が規制される。
【0126】
また、第2実施形態では、センサ装置100が透明板G15に取り付けられた状態において、センサ部21を収容する本体筒部11の本体対向面111aが嵌合孔92hを介して透明板G15に接触する。したがって、嵌合孔92hが設けられない構成と比べて、透明板G15に接触する本体ケース1の面積を増大させることができる。この結果、透明板G15にセンサ装置100をより安定して取り付けることができる。更に、センサ部21と磁石G18とをより近接して配置することができ、センサ部21の精度の低下を抑制することができる。
【0127】
また、第2実施形態では、取り付け部A1の嵌合孔92hに本体対向面111aが嵌合する形状とし、嵌合孔92hの中心が、軸心方向Z視において、本体筒部11の中心と一致させることが可能である。このため、取り付け部A1に対する本体ケース1(センサ装置本体D1)の位置決めが容易になり、計器G1に対してセンサ部21を所期の位置に容易に配置することができる。
【0128】
第3実施形態によれば、取り付け部A1が本体ケース1と一体に構成されているため、別体の取り付け部A1を用いることなく、透明板G15にセンサ装置100を容易に取り付けることができる。また、透明板G15に対して本体ケース1を押し付けるだけで本体ケース1を透明板G15に取り付ける(固定する)ことができる。したがって、例えば、電池部B1が装着された本体ケース1であっても透明板G15に容易に固定することができる。
【0129】
また、第3実施形態によれば、透明板G15への本体ケース1の取り付け方法として溶着を用いる必要もないことから、本体ケース1を透明板G15に簡便に取り付けることができる。
【0130】
また、第3実施形態によれば、本体ケース1が透明板G15に取り付けられた状態において、センサ部21を収容する本体筒部11の本体対向面111aが透明板G15により確実に接触する。この結果、透明板G15にセンサ装置100をより安定して取り付けることができる。更に、センサ部21と磁石G18とをより近接して配置することができ、センサ部21の感度の低下を抑制することができる。
【0131】
第1~第3実施形態によれば、電池6を収容する電池ケース5が本体ケース1と分離可能であり、本体ケース1の透明板G15から遠い側に配置される。このため、本体ケース1を透明板G15に取り付けたまま、電池ケース5に収容される電池6の交換が可能である。例えば、センサ装置100を使用する工場において、電池6(又は電池部B1)のみを保守部品として常備し、保守作業の1つとして電池6の交換作業を組み入れることにより、長時間にわたる稼働の停止を回避することができる。なお、第1~第3実施形態では、本体部M1と電池部B1とがそれぞれ防爆仕様とされているため、防爆エリア内で電池6を交換することも可能である。
【0132】
第1~第3実施形態によれば、センサ部21として汎用の磁気センサを使用することにより、指針G14に非接触で計器G1の計測値を取得するセンサ装置100を容易に実現することができる。
【0133】
第1実施形態及び第2実施形態の変形例で説明したように、取り付け部A1が鍔部921を有することにより、透明板G15との接合する部分の面積が増大する。特に、第1実施形態の変形例では、取り付け部A1の透明板G15と対向する部分(鍔部921)の軸心方向Zに沿った投影面積(接合面積)が、取り付け部A1の第2本体空間12Sに収容される部分(鍔部921以外の部分)の軸心方向Zに沿った投影面積よりも大きくなる。これにより、透明板G15に対する取り付け部A1の固定強度(透明板G15に対するセンサ装置100の取り付け強度)を向上させることができる。また、取り付け強度の向上を目的としたセンサ装置100(本体ケース1)の大型化を回避することができる。この結果、指針G14の視認性が損なわれることも抑制される。あるいは、センサ装置100の大型化を回避しつつ、取り付け強度の向上を目的とする本体筒部11の外壁の薄化を回避することができ、難燃性の低下も回避できる。また、取り付け部A1が鍔部921を有することにより、センサ装置100の外部から突出部94が溶着した跡が見え難く、センサ装置100の美観が損なわれることを回避できる。
【0134】
〔その他の実施形態〕
(a)第1実施形態及び第2実施形態において、取り付け部A1と本体ケース1とがネジSによって共締めされたが、取り付け部A1と本体ケース1とは共締めされなくてもよい。この場合、第1実施形態において、取り付け部A1は、本体ケース1の第2本体空間12Sに圧入されることが好ましい。
【0135】
(b)第1実施形態において、第1本体空間11Sに第1充填部材P1が充填されたが、第1本体空間11Sには、第1充填部材P1が充填されなくてもよい。また、第2本体空間12Sについても同様に、第2充填部材P2が充填されなくてもよい。
【0136】
(c)第2実施形態において説明した本体ケース1は、本体ケース1の外面1gよりも本体ケース1の内側(1段内側)となるように形成される段下壁部1bを省略してもよい。この場合、取り付け部A1が外嵌された本体ケース1の外面1gと取り付け部A1の外面とはフラットとはならず、取り付け部A1の外面は、本体ケース1の外面1gよりも外側に位置する。
【0137】
(d)第2実施形態で説明した取り付け部A1は延伸部96を有したが、取り付け部A1は、延伸部96を省略することも可能である。
【0138】
(e)第3実施形態で説明した2つの取り付け軸97の各々と取り付け孔151hの各々との間(隙間)、及び、支持軸98と支持孔152hとの間(隙間)には、パッキン、その他のシール部材を配置してもよい。これにより、計器G1の液密状態を維持することができる。
【0139】
(f)第3実施形態で説明した支持軸98は、支持孔152hに圧入してもよい。これにより、透明板G15に対する本体ケース1のガタツキを防止することができる。
【0140】
(g)第3実施形態で説明した取り付け軸97及び支持軸98の各々の数量は、本体ケース1を透明板G15に安定して取り付けできる限り特に限定されない。取り付け軸97は1、又は3つ以上であってもよく、支持軸98も省略、又は2つ以上であってもよい。この場合、窪み部12k、取り付け孔151h、及び、支持孔152hの各々の数量も、取り付け軸97、及び、支持軸98の数量に応じて変更される。
【0141】
(h)センサ部21は、磁力の大きさ(例えば、磁束密度)のみを示すデータを出力してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明は、センサ装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0143】
1 :本体ケース
1b :段下壁部(被嵌合部)
5 :電池ケース
6 :電池
11S :第1本体空間(第2空間)
12S :第2本体空間(第1空間)
21 :センサ部
92 :底面部(対向部)
93 :側面部(嵌合部)
94 :突出部
97 :取り付け軸
100 :センサ装置
111 :本体底面部(本体対向部)
151h :取り付け孔(貫通孔)
A1 :取り付け部
AX :軸心
D1 :センサ装置本体
G1 :計器
G14 :指針
G15 :透明板
G16 :目盛板
G16a :目盛面
G161 :目盛
G17 :軸部材
G18 :磁石
Z :軸心方向