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  • 特開-配達支援方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177946
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】配達支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20241217BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096389
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中西 陽平
(72)【発明者】
【氏名】福村 俊治
(72)【発明者】
【氏名】ニコル エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】檀野 隆一
(72)【発明者】
【氏名】木村 俊範
(72)【発明者】
【氏名】阿部 佳明
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】顧客が指定した場所に設置されているコインロッカーが満杯であるために、顧客に荷物を渡すことができない事態の発生を抑制できるようにすること。
【解決手段】配達支援方法は、顧客によって選択された複数の場所候補を制御装置に取得させること(S103)、場所候補に設置されているコインロッカーの空き状況を含むロッカー情報を制御装置に取得させること(S111)、ロッカー情報に基づいて、複数の場所候補の中から、満杯になっていないコインロッカーが設置されている場所候補を、荷物の配達先として制御装置に選択させること(S113)、及び、制御装置によって選択された配達先を、通信機から顧客に通知させること(S115)を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の配達サービスを受ける顧客によって指定された場所に設置されたコインロッカーに当該顧客の荷物を配達員が届けることを支援する配達支援方法であって、
前記顧客によって選択された前記荷物の受け取り場所の候補である複数の場所候補を制御装置に取得させることと、
前記場所候補に設置されている前記コインロッカーの空き状況を含むロッカー情報を前記制御装置に取得させることと、
前記ロッカー情報に基づいて、前記複数の場所候補の中から、満杯になっていない前記コインロッカーが設置されている場所候補を、荷物の配達先として前記制御装置に選択させることと、
前記制御装置によって選択された前記配達先を、通信機から前記顧客に通知させることと、を含む
配達支援方法。
【請求項2】
前記顧客は、前記場所候補を選ぶ際に、当該場所候補毎に優先順位を設定できるようになっており、
前記複数の場所候補を前記制御装置に取得させる場合、前記顧客によって設定された前記複数の場所候補の優先順位と前記複数の場所候補とを互いに関連づけて前記制御装置に取得させ、
前記配達先を前記制御装置に選択させる場合、前記複数の場所候補の中に、満杯になっていない前記コインロッカーが設置されている前記場所候補が2つ以上存在するときには、その中で優先順位が最も高い前記場所候補を前記配達先として前記制御装置に選択させる
請求項1に記載の配達支援方法。
【請求項3】
前記顧客に付与するインセンティブを前記制御装置に算出させることをさらに含み、
前記インセンティブを前記制御装置に算出させる場合、前記配達先として選択された前記場所候補の優先順位が低いほど前記インセンティブが高くなるように、当該インセンティブを前記制御装置に算出させる
請求項2に記載の配達支援方法。
【請求項4】
前記配達先を前記制御装置に選択させる場合、前記複数の場所候補の中に、満杯になっていない前記コインロッカーが設置されている場所候補が2つ以上存在するときには、その中で利用率が最も低い前記コインロッカーが設置されている前記場所候補を前記配達先として前記制御装置に選択させる
請求項1に記載の配達支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配達支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、無人輸送機を用いて配送元から配送先まで荷物を配送する制御装置を開示している。当該制御装置は、配送元から配送先までの配送経路上で障害が発生した場合、複数の配送方法の中から何れか1つを荷物の受取人に選択させる。そして、制御装置は、配送方法の選択結果に基づいて新たな配送先を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-119586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、様々な場所にコインロッカーが設置されている。そこで、荷物の配達方法として、例えば、複数の場所の中で、荷物の受取人が選択した場所に設置されているコインロッカーまで配送員が荷物を届ける方法が考えられる。この場合、受取人が選択した場所のコインロッカーがすでに満杯である場合、配達員は、当該コインロッカーに荷物を収納できない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための配達支援方法は、荷物の配達サービスを受ける顧客によって指定された場所に設置されたコインロッカーに当該顧客の荷物を配達員が届けることを支援する方法である。当該配達支援方法は、前記顧客によって選択された前記荷物の受け取り場所の候補である複数の場所候補を制御装置に取得させることと、前記場所候補に設置されている前記コインロッカーの空き状況を含むロッカー情報を前記制御装置に取得させることと、前記ロッカー情報に基づいて、前記複数の場所候補の中から、満杯になっていない前記コインロッカーが設置されている場所候補を、荷物の配達先として前記制御装置に選択させることと、前記制御装置によって選択された前記配達先を、通信機から前記顧客に通知させることと、を含む。
【発明の効果】
【0006】
上記配達支援方法は、顧客が指定した場所に設置されているコインロッカーが満杯であるために、顧客に荷物を渡すことができない事態の発生を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態の配達支援方法において、配達支援装置と、複数の情報端末と、複数のコインロッカーとを示す概略構成図である。
図2図2は、第1実施形態の配達支援方法を構成する複数の処理の流れを示すシーケンス図である。
図3図3は、第1実施形態の配達支援方法において、配達先の決定処理を示すフローチャートである。
図4図4は、第2実施形態の配達支援方法において、配達先の決定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、配達支援方法の第1実施形態を図1から図3に従って説明する。
図1は、配達支援装置40と、複数の情報端末10と、複数のコインロッカー20とを図示している。
【0009】
<情報端末>
情報端末10は、荷物の配達サービスを受ける顧客が所有する電子機器である。情報端末10は、通信ネットワーク100を介して配達支援装置40と各種の情報の送受信が可能である。情報端末10としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末及びパーソナルコンピュータを挙げることができる。
【0010】
情報端末10は、ユーザインタフェース11と処理回路15とを備えている。ユーザインタフェース11は、表示画面と操作部とを有している。処理回路15の一例は電子制御装置である。処理回路15は、ユーザによって操作部が操作された場合、その操作に応じた処理を実行する。そして、処理回路15は、当該処理の実行結果を示す情報を通信ネットワーク100を介して配達支援装置40に送信させる。また、通信ネットワーク100を介して配達支援装置40から情報を情報端末10が受信した場合、処理回路15は、情報端末10が受信した情報をユーザインタフェース11の表示画面に表示させる。
【0011】
<コインロッカー>
コインロッカー20は、駅の構内や町中などのように様々な場所20Aに設置されている。コインロッカー20が設置されている場所20Aを「設置場所20A」という。
【0012】
コインロッカー20は、荷物を収納できる複数のボックス21を有している。すなわち、コインロッカー20は、複数のボックス21の集合体である。また、コインロッカー20は、ユーザインタフェース23と処理回路25とを有している。
【0013】
ユーザインタフェース23は、表示画面と操作部とを有している。コインロッカー20の利用者は、ボックス21内に荷物を収納する際に、表示画面の表示を見ながら操作部を操作する。これにより、ボックス21の扉が開くと、利用者はボックス21内に荷物を収納できる。また、利用者は、ボックス21内から荷物を取り出す際に、表示画面の表示を見ながら操作部を操作する。これにより、ボックス21の扉が開くと、利用者はボックス21内から荷物を取り出すことができる。
【0014】
処理回路25の一例は電子制御装置である。処理回路25は、利用者による操作部の操作に応じた処理を実行する。また、処理回路25は、コインロッカー20の利用状況を把握できる。例えば、処理回路25は、複数のボックス21のうち、利用されているボックス21の数、及び、利用されていないボックス21の数を把握している。つまり、処理回路25は、コインロッカー20の利用率を把握できる。ここでいう「利用率」は、利用されているボックス21の数を、コインロッカー20におけるボックス21の総数で割った値である。
【0015】
コインロッカー20は、配達支援装置40と通信する機能を有している。すなわち、コインロッカー20は通信機27を有している。通信機27は、通信ネットワーク100を介して配達支援装置40から受信した情報を処理回路25に出力する。また、通信機27は、処理回路25から出力された情報を、通信ネットワーク100を介して配達支援装置40に送信する。
【0016】
<配達支援装置>
配達支援装置40は、通信機41と制御装置45とを備えている。
通信機41は、通信ネットワーク100を介して外部の通信機器と情報の送受信を行うための配達支援装置40のインタフェースである。通信機41は、通信ネットワーク100を介して受信した情報を制御装置45に出力する。通信機41は、制御装置45が出力した情報を、情報端末10又はコインロッカー20に通信ネットワーク100を介して送信する。
【0017】
制御装置45の一例は電子制御装置である。この場合、制御装置45は、CPU46と第1メモリ47と第2メモリ48とを有している。第1メモリ47は、CPU46によって実行される制御プログラムを記憶している。第2メモリ48には、CPU46の演算結果、及び、通信機41が受信した情報などが記憶される。
【0018】
CPU46が第1メモリ47の制御プログラムを実行することにより、制御装置45は、複数のコインロッカー20の中から、荷物を収納するコインロッカー20を選択する。制御装置45は、選択したコインロッカー20が設置されている設置場所20Aを、荷物の配達先として設定する。そして、制御装置45は、設定した配達先、及び当該配達先に設置されているコインロッカー20から荷物を取り出すために必要な情報を顧客に通知する。こうした一連の処理の具体的な内容については後述する。コインロッカー20から荷物を取り出すために必要な情報は、例えば、荷物が収納されているボックス21の番号及びパスワードを含んでいる。
【0019】
<配達支援方法>
図2を参照し、配達支援方法について説明する。この配達支援方法は、顧客によって指定された設置場所20Aに設置されたコインロッカー20に荷物を配達員が届けることを支援するための方法である。
【0020】
ステップS101において、配達支援装置40の通信機41は、顧客への配達物があることを顧客の情報端末10に送信する。
情報端末10が当該情報を受信すると、情報端末10の処理回路15はステップS201の処理を実行する。ステップS201において、処理回路15は、複数の設置場所20Aの中から、場所候補を顧客に選択させるための処理を実行する。場所候補とは、顧客が荷物の受け取りを希望する設置場所20Aである。
【0021】
例えばステップS201において、処理回路15は、場所候補を顧客に選択させるための画面をユーザインタフェース11の表示画面に表示させる。その表示画面を見ながら顧客がユーザインタフェース11の操作部を操作することにより、顧客は、複数の場所候補を選択する。すると、処理回路15は、顧客による操作部の操作によって選択された複数の場所候補を取得する。
【0022】
本実施形態では、上記のように場所候補を顧客に選択させる場合、選択された複数の場所候補の各々に優先順位を顧客が設定できるようになっている。
そこで、ステップS203において、情報端末10の処理回路15は、顧客によるユーザインタフェース11の操作部の操作結果に基づいて、複数の場所候補の優先順位を設定する。
【0023】
そしてステップS205において、情報端末10は、場所候補及び優先順位に関する情報を配達支援装置40に送信する。
配達支援装置40の通信機41が、場所候補及び優先順位に関する情報を情報端末10から受信すると、配達支援装置40の制御装置45は、ステップS103の処理を実行する。ステップS103において、制御装置45は、顧客によって選択された複数の場所候補を取得する。また、制御装置45は、顧客によって設定された複数の場所候補の優先順位を取得する。そして、制御装置45は、複数の場所候補の優先順位と複数の場所候補とを互いに関連づけて第2メモリ48に記憶する。
【0024】
次のステップS105において、配達支援装置40の通信機41は、顧客への配達物である荷物の大きさに関する情報を、場所候補に設置されているコインロッカー20に送信する。複数の場所が場所候補として設定されている場合、通信機41は、当該情報を複数のコインロッカー20に送信する。
【0025】
また、ステップS107において、通信機41は、コインロッカー20の空き状況を確認するための指令を複数のコインロッカー20に送信する。
コインロッカー20の通信機27が、ステップS105及びS107で配達支援装置40から送信された情報を受信すると、コインロッカー20では、ステップS301の処理が実行される。ステップS301において、通信機27は、配達支援装置40から受信した情報に対する返答として、ロッカー情報を送信する。ロッカー情報は、コインロッカー20の空き状況を含む。空き状況の一例は、コインロッカー20の利用率である。また、ロッカー情報は、顧客への配達物である荷物を収納できる容量を有するボックス21が空いているか否かに関する情報も含んでいる。
【0026】
配達支援装置40の通信機41が、複数のコインロッカー20からロッカー情報を受信すると、制御装置45はステップS111の処理を実行する。
ステップS111において、制御装置45は、通信機41が受信したロッカー情報を取得する。例えば、制御装置45は、ロッカー情報を第2メモリ48に記憶させる。
【0027】
ステップS113において、制御装置45は、複数の場所候補の中から1つの場所候補を荷物の配達先として決定するための決定処理を実行する。配達先の決定処理の詳細については後述する。
【0028】
次のステップS115において、通信機41は、配達先に関する情報を情報端末10に送信する。つまり、通信機41は、制御装置45によって選択された配達先を顧客に通知する。配達先に関する情報は、配達先として設定した設置場所20Aと、当該設置場所20Aに設置されたコインロッカー20から荷物を取り出すために必要な情報とを含んでいる。
【0029】
また、ステップS117において、制御装置45は、顧客に付与するインセンティブを算出する。例えば、制御装置45は、配達先として選択された場所候補に対する優先順位が低いほどインセンティブが高くなるように、インセンティブを算出する。インセンティブの一例は、買い物などの各種のサービスで利用できるポイントである。そしてステップS119において、通信機41は、制御装置45によって算出されたインセンティブに関する情報を情報端末10に送信する。
【0030】
ステップS115及びステップS119で配達支援装置40から送信された情報を情報端末10が受信すると、情報端末10の処理回路15はステップS207の処理を実行する。ステップS207において、処理回路15は、配達先とインセンティブとを顧客に報知する報知処理を実行する。例えば、処理回路15は、報知処理において、配達先とインセンティブとをユーザインタフェース11の表示画面に表示させる。
【0031】
<配達先の決定処理>
図3を参照し、上記ステップS113の配達先の決定処理について説明する。
ステップS11において、配達支援装置40の制御装置45は、ロッカー情報を送信してきた複数のコインロッカー20の中で、満杯ではないコインロッカー20を探す。満杯ではないコインロッカー20とは、利用率が100%ではないコインロッカー20である。一方、利用率が100%であるコインロッカー20を「満杯のコインロッカー20」ともいう。
【0032】
次のステップS13において、制御装置45は、顧客によって設定された優先順位に基づいて、満杯ではないコインロッカー20の中から1つのコインロッカー20を選択する。例えば、満杯ではないコインロッカー20の数が複数である場合、制御装置45は、満杯ではない複数のコインロッカー20の中で、優先順位が最も高いコインロッカー20を選択する。また例えば、満杯ではないコインロッカー20の数が1つのみである場合、制御装置45は、当該コインロッカー20を選択する。
【0033】
続くステップS15において、制御装置45は、ステップS13で選択したコインロッカー20の設置場所20Aを配達先として選択する。その後、制御装置45は当該決定処理を終了する。
【0034】
<本実施形態の作用及び効果>
(1-1)配達支援装置40から配達物があることを顧客が通知されると、顧客は、自身の情報端末10を操作することによって複数の場所候補を選択する。複数の場所候補に関する情報が情報端末10から配達支援装置40に送信されると、配達支援装置40の制御装置45は、顧客が選択した複数の場所候補を取得する。
【0035】
また、配達支援装置40の制御装置45は、空き状況を複数のコインロッカー20に確認する。コインロッカー20の通信機27は、空き状況を含むロッカー情報を配達支援装置40に送信する。これにより、配達支援装置40の制御装置45は、複数のコインロッカー20の中で、満杯となっていないコインロッカー20を把握できる。
【0036】
制御装置45は、顧客が選択した複数の場所候補の中から、満杯となっていないコインロッカー20が設置されている場所候補を配達先として選択する。そして、制御装置45が決定した配達先に関する情報を通信機41が顧客の情報端末10に送信する。
【0037】
荷物の配達員は、配達先として決定された設置場所20Aに向かう。そして、配達員は、当該設置場所20Aのコインロッカー20のボックス21に荷物を収納する。これにより、配達先として決定された設置場所20Aまで顧客が行くことにより、当該顧客は、自身の荷物をコインロッカー20のボックス21から取り出す。すなわち、顧客は、配達先で荷物を受け取ることができる。
【0038】
したがって、配達支援方法によれば、顧客が指定した設置場所20Aに設置されているコインロッカー20が満杯であるために、顧客に荷物を渡すことができない事態の発生を抑制できる。
【0039】
(1-2)顧客は、複数の設置場所20Aの中から場所候補を選択する場合、場所候補毎の優先順位を設定できる。優先順位に関する情報は情報端末10から配達支援装置40に送信される。そのため、配達支援装置40の制御装置45は、複数の場所候補の優先順位と複数の場所候補とを互いに関連づけた状態で取得できる。そして、制御装置45は、複数の場所候補の中に、満杯になっていないコインロッカー20が設置されている場所候補が2つ以上存在する際には、その中で優先順位が最も高い場所候補を配達先として選択する。したがって、配達支援方法によれば、比較的優先順位の高い場所候補を配達先として設定できる。
【0040】
(1-3)配達支援方法によれば、複数のコインロッカー20の利用状況を考慮して配達先が設定される。そのため、優先順位が比較的低い場所候補が配達先として設定されることがある。優先順位が比較的低い場所候補が配達先として設定されると、優先順位が比較的高い場所候補が配達先として設定される場合と比較して、配達支援方法によるサービスに対する顧客の満足感が低くなりやすい。
【0041】
この点、配達支援方法によれば、本サービスを用いた顧客に対してインセンティブが付与される。詳しくは、配達支援装置40の制御装置45は、配達先として選択された場所候補の優先順位が低いほどインセンティブが高くなるように、当該インセンティブを算出する。これにより、優先順位が比較的低い場所候補が配達先として設定された場合であっても、本サービスに対する顧客の満足感が低くなることを抑制できる。
【0042】
(第2実施形態)
配達支援方法の第2実施形態を図4に従って説明する。なお、第2実施形態では、配達先の決定処理の内容が第1実施形態と異なっている。以下の説明においては、第1実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0043】
図4を参照し、上記ステップS113の配達先の決定処理について説明する。
ステップS11において、配達支援装置40の制御装置45は、ロッカー情報を送信してきた複数のコインロッカー20の中で、満杯ではないコインロッカー20を探す。
【0044】
次のステップS13Aにおいて、制御装置45は、満杯ではないコインロッカー20の中から、利用率が最も低いコインロッカー20を選択する。続くステップS15において、制御装置45は、ステップS13Aで選択したコインロッカー20が設定されている設置場所20Aを配達先として選択する。その後、制御装置45は当該決定処理を終了する。
【0045】
本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1-1)及び(1-3)と同等の作用及び効果に加え、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(2-1)制御装置45は、満杯になっていないコインロッカー20が設置されている場所候補が2つ以上存在する際には、利用率が最も低いコインロッカー20が設置されている場所候補を配達先として選択する。したがって、配達支援方法によれば、複数のコインロッカー20において利用の偏りが発生することを抑制できる。
【0046】
(変更例)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0047】
・複数の実施形態において、顧客へのインセンティブの付与は必須ではない。
・第2実施形態において、複数の場所候補に対して顧客に優先順位を設定させることは必須ではない。
【0048】
・制御装置45は、CPUとROMとを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。すなわち、制御装置45は、以下(a)、(b)及び(c)の何れかの構成であればよい。
【0049】
(a)制御装置45は、コンピュータプログラムに従って各種処理を実行する一つ以上のプロセッサを備えている。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含んでいる。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含んでいる。
【0050】
(b)制御装置45は、各種処理を実行する一つ以上の専用のハードウェア回路を備えている。専用のハードウェア回路としては、例えば、特定用途向け集積回路、すなわちASIC又はFPGAを挙げることができる。なお、ASICは、「Application Specific Integrated Circuit」の略記であり、FPGAは、「Field Programmable Gate Array」の略記である。
【0051】
(c)制御装置45は、各種処理の一部をコンピュータプログラムに従って実行するプロセッサと、各種処理のうちの残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備えている。
【符号の説明】
【0052】
10…情報端末、20…コインロッカー、20A…設置場所、27…通信機、40…配達支援装置、41…通信機、45…制御装置、100…通信ネットワーク。
図1
図2
図3
図4