IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本航空電子工業株式会社の特許一覧

特開2024-177951コネクタ、及び、コネクタとケーブルとを備えるケーブル付きコネクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177951
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】コネクタ、及び、コネクタとケーブルとを備えるケーブル付きコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/655 20060101AFI20241217BHJP
   H01R 13/6581 20110101ALI20241217BHJP
【FI】
H01R13/655
H01R13/6581
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096395
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】石井 一樹
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA09
5E021FB07
5E021FC02
5E021FC05
5E021LA09
5E021LA15
5E021LA21
(57)【要約】
【課題】バレルに対するスリーブの位置ずれを抑制可能な構造であって、バレルをかしめる際のスリーブの破損を防止可能な構造を有するコネクタを提供すること。
【解決手段】コネクタ12は、コネクタ本体14とスリーブ16とを備えている。コネクタ本体14は、本体部20とバレル30とを有している。バレル30は、前後方向(X方向)において本体部20の後方に位置している。スリーブ16は、主部50と突出部52とを有している。主部50は、直交平面(YZ平面)においてケーブル18にかしめられている。突出部52は、主部50から前方に延びており、ストッパ58を有している。ストッパ58は、主部50の前方に位置しており、直交平面において、主部50の外側に位置している。バレル30は、直交平面において主部50にかしめられており、ストッパ58は、バレル30の前方に位置している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルの前後方向における前端部に取り付けられるコネクタであって、
前記コネクタは、コネクタ本体と、スリーブとを備えており、
前記コネクタ本体は、本体部と、バレルとを有しており、
前記バレルは、前記本体部の後方に位置しており、
前記スリーブは、主部と、突出部とを有しており、
前記主部は、前記コネクタが前記ケーブルに取り付けられた被取付状態にあるとき、前記前後方向と直交する直交平面において前記ケーブルを囲んで前記ケーブルに固定されており、
前記突出部は、前記主部から前方に延びており、ストッパを有しており、
前記ストッパは、前記主部の前方に位置しており、前記コネクタが前記被取付状態にあるとき、前記直交平面において、前記主部の外側に位置しており、
前記コネクタが前記被取付状態にあるとき、前記バレルは、前記直交平面において前記主部を囲んで前記主部に固定されており、前記ストッパは、前記バレルの前方に位置している
コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記突出部は、前記主部の前端の前方にのみ位置している
コネクタ。
【請求項3】
請求項1記載のコネクタであって、
前記ケーブルは、編組と、外被とを備えており、
前記スリーブは、第1スリーブと、第2スリーブとを含んでおり、
前記コネクタが前記被取付状態にあるとき、前記第1スリーブは、前記外被を囲んで前記外被に固定されており、前記第2スリーブは、前記編組を囲んで前記編組に固定されており、
前記主部及び前記突出部は、前記第1スリーブに設けられている
コネクタ。
【請求項4】
請求項3記載のコネクタであって、
前記スリーブは、連結部を有しており、
前記連結部は、前記第1スリーブと前記第2スリーブとを互いに連結しており、
前記第2スリーブは、前記第1スリーブの前方に位置している
コネクタ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記突出部は、曲げ部を有している
コネクタ。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記突出部は、折り返し部を有している
コネクタ。
【請求項7】
請求項6記載のコネクタであって、
前記折り返し部は、前記突出部の前端に位置している
コネクタ。
【請求項8】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記突出部は、第1部位と、第2部位とを有しており、
前記第1部位は、前記主部から前方に延びており、
前記第2部位は、前記第1部位に繋がっており、前記直交平面において前記主部から離れつつ延びており、
前記第2部位は、前記ストッパを有している
コネクタ。
【請求項9】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記突出部は、第1部位と、2つの第2部位とを有しており、
前記第1部位は、前記主部から前方に延びており、
前記第2部位の夫々は、前記第1部位に繋がっており、前記直交平面において前記主部から離れつつ延びており、
前記2つの第2部位は、前記直交平面において互いに離れるように延びており、
前記第2部位の夫々は、前記ストッパを有している
コネクタ。
【請求項10】
コネクタとケーブルとを備えるケーブル付きコネクタであって、
前記コネクタは、前記ケーブルの前後方向における前端部に取り付けられており、
前記コネクタは、コネクタ本体と、スリーブとを備えており、
前記コネクタ本体は、本体部と、バレルとを有しており、
前記バレルは、前記本体部の後方に位置しており、
前記スリーブは、主部と、突出部とを有しており、
前記主部は、前記前後方向と直交する直交平面において前記ケーブルを囲んで前記ケーブルに固定されており、
前記突出部は、前記主部から前方に延びており、ストッパを有しており、
前記ストッパは、前記主部の前方に位置しており、前記直交平面において、前記主部の外側に位置しており、
前記バレルは、前記直交平面において前記主部を囲んで前記主部に固定されており、前記ストッパは、前記バレルの前方に位置している
ケーブル付きコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルに取り付けられるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、このタイプのコネクタが開示されている。
【0003】
図30を参照すると、特許文献1に開示されたコネクタ90は、ケーブル98に取り付けられている。コネクタ90は、編組加締め片(バレル)94を有するシールドシェル92と、スリーブ96とを備えている。図31を参照すると、ケーブル98は、編組984と、編組984を覆う外被982とを備えている。編組984の端部は、外被982から露出している。スリーブ96は、編組984にかしめられている。図32を参照すると、編組984の端部は、折り返されてスリーブ96を覆っている。図30を参照すると、バレル94の一部は、スリーブ96を覆う編組984にかしめられている。この結果、編組984は、スリーブ96を介してシールドシェル92に電気的に接続されている。
【0004】
一般に、スリーブ96は、ケーブル98に対して強くかしめられケーブル98に強固に固定される。一方、バレル94をスリーブ96に強くかしめると、電気的な接続に問題が生じる場合がある。このため、バレル94は、比較的弱くかしめられる。この結果、ケーブル98が強く引かれると、バレル94が開くように変形し、スリーブ96がケーブル98とともにバレル94に対して相対的に移動して位置ずれするおそれがある。一方、図31を参照すると、スリーブ96は、円筒形状の本体部962と、突出片(突出部)964とを有している。突出部964は、本体部962の外周面に設けられており、本体部962から突出している。図30を参照すると、ケーブル98に加わった力に起因してバレル94が開くように変形し、スリーブ96及びケーブル98が図30の右側に向かって移動したとしても、突出部964がバレル94の端部に突き当たり、ケーブル98の移動が停止する。即ち、スリーブ96のバレル94に対する位置ずれが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-086677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の突出部は、スリーブの外周面から外側に突出しているため、バレルが誤って突出部の上にかしめられるおそれがある。この場合、バレルがスリーブに十分に固定されないおそれがある。また、バレルをかしめる際に突出部に力が加わると、突出部が破損するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、バレルに対するスリーブの位置ずれを抑制可能な構造であって、バレルをかしめる際のスリーブの破損を防止可能な構造を有するコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1のコネクタとして、
ケーブルの前後方向における前端部に取り付けられるコネクタであって、
前記コネクタは、コネクタ本体と、スリーブとを備えており、
前記コネクタ本体は、本体部と、バレルとを有しており、
前記バレルは、前記本体部の後方に位置しており、
前記スリーブは、主部と、突出部とを有しており、
前記主部は、前記コネクタが前記ケーブルに取り付けられた被取付状態にあるとき、前記前後方向と直交する直交平面において前記ケーブルを囲んで前記ケーブルに固定されており、
前記突出部は、前記主部から前方に延びており、ストッパを有しており、
前記ストッパは、前記主部の前方に位置しており、前記コネクタが前記被取付状態にあるとき、前記直交平面において、前記主部の外側に位置しており、
前記コネクタが前記被取付状態にあるとき、前記バレルは、前記直交平面において前記主部を囲んで前記主部に固定されており、前記ストッパは、前記バレルの前方に位置している
コネクタを提供する。
【0009】
本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記突出部は、前記主部の前端の前方にのみ位置している
コネクタを提供する。
【0010】
本発明は、第3のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記ケーブルは、編組と、外被とを備えており、
前記スリーブは、第1スリーブと、第2スリーブとを含んでおり、
前記コネクタが前記被取付状態にあるとき、前記第1スリーブは、前記外被を囲んで前記外被に固定されており、前記第2スリーブは、前記編組を囲んで前記編組に固定されており、
前記主部及び前記突出部は、前記第1スリーブに設けられている
コネクタを提供する。
【0011】
本発明は、第4のコネクタとして、第3のコネクタであって、
前記スリーブは、連結部を有しており、
前記連結部は、前記第1スリーブと前記第2スリーブとを互いに連結しており、
前記第2スリーブは、前記第1スリーブの前方に位置している
コネクタを提供する。
【0012】
本発明は、第5のコネクタとして、第1から第4までのいずれかのコネクタであって、
前記突出部は、曲げ部を有している
コネクタを提供する。
【0013】
本発明は、第6のコネクタとして、第1から第4までのいずれかのコネクタであって、
前記突出部は、折り返し部を有している
コネクタを提供する。
【0014】
本発明は、第7のコネクタとして、第6のコネクタであって、
前記折り返し部は、前記突出部の前端に位置している
コネクタを提供する。
【0015】
本発明は、第8のコネクタとして、第1から第4までのいずれかのコネクタであって、
前記突出部は、第1部位と、第2部位とを有しており、
前記第1部位は、前記主部から前方に延びており、
前記第2部位は、前記第1部位に繋がっており、前記直交平面において前記主部から離れつつ延びており、
前記第2部位は、前記ストッパを有している
コネクタを提供する。
【0016】
本発明は、第9のコネクタとして、第1から第4までのいずれかのコネクタであって、
前記突出部は、第1部位と、2つの第2部位とを有しており、
前記第1部位は、前記主部から前方に延びており、
前記第2部位の夫々は、前記第1部位に繋がっており、前記直交平面において前記主部から離れつつ延びており、
前記2つの第2部位は、前記直交平面において互いに離れるように延びており、
前記第2部位の夫々は、前記ストッパを有している
コネクタを提供する。
【0017】
本発明は、第1のケーブル付きコネクタとして、
コネクタとケーブルとを備えるケーブル付きコネクタであって、
前記コネクタは、前記ケーブルの前後方向における前端部に取り付けられており、
前記コネクタは、コネクタ本体と、スリーブとを備えており、
前記コネクタ本体は、本体部と、バレルとを有しており、
前記バレルは、前記本体部の後方に位置しており、
前記スリーブは、主部と、突出部とを有しており、
前記主部は、前記前後方向と直交する直交平面において前記ケーブルを囲んで前記ケーブルに固定されており、
前記突出部は、前記主部から前方に延びており、ストッパを有しており、
前記ストッパは、前記主部の前方に位置しており、前記直交平面において、前記主部の外側に位置しており、
前記バレルは、前記直交平面において前記主部を囲んで前記主部に固定されており、前記ストッパは、前記バレルの前方に位置している
ケーブル付きコネクタを提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明のスリーブによれば、突出部は、主部の外周面から外側に突出するのではなく、主部から前方に向かって延びている。突出部のストッパは、主部及びバレルの前方に位置しており、主部の外周面を超えて外側に突出している。このように形成されたストッパは、スリーブの位置ずれを抑制できる。また、バレルがストッパの上にかしめられたとしても、ストッパは、ケーブルに向かって移動し、これにより、突出部の破損を防止できる。即ち、本発明によれば、バレルに対するスリーブの位置ずれを抑制可能な構造であって、バレルをかしめる際のスリーブの破損を防止可能な構造を有するコネクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態によるケーブル付きコネクタを対象物とともに示す斜視図である。ケーブル付きコネクタの一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図2図1のケーブル付きコネクタのケーブルを示す斜視図である。
図3図1のケーブル付きコネクタのコネクタを、ケーブルに取り付ける前の形状で示す斜視図である。
図4図3のコネクタを、ケーブルに取り付けたときの形状で示す斜視図である。第2スリーブがかしめる編組の輪郭を破線で描画している。
図5図4のコネクタのスリーブを示す斜視図である。スリーブは、図2のケーブルにかしめられている。隠れた第2スリーブの輪郭、及び、コネクタの仮想的な中心軸を破線で描画している。
図6図4のコネクタのコネクタ本体及びスリーブを示す斜視図である。コネクタ本体のバレルは、図5のスリーブにかしめられている。コネクタの仮想的な中心軸を破線で描画している。
図7図4のコネクタのスリーブを示す上面図である。
図8図4のコネクタのスリーブを示す前面図である。突出部の第1部位と第2部位との間の境界部を破線で描画している。
図9図4のコネクタのスリーブの第1変形例を示す斜視図である。コネクタの仮想的な中心軸を破線で描画している。
図10図9のスリーブを示す上面図である。
図11図9のスリーブを示す前面図である。突出部の第1部位と第2部位との間の境界部を破線で描画している。
図12図4のコネクタのスリーブの第2変形例を示す斜視図である。コネクタの仮想的な中心軸を破線で描画している。
図13図12のスリーブを示す上面図である。
図14図12のスリーブを示す前面図である。突出部の第1部位と第2部位との間の境界部を破線で描画している。
図15図4のコネクタのスリーブの第3変形例を示す斜視図である。コネクタの仮想的な中心軸を破線で描画している。
図16図15のスリーブを示す上面図である。
図17図15のスリーブを示す前面図である。突出部の第1部位と第2部位との間の境界部を破線で描画している。
図18図4のコネクタのスリーブの第4変形例を示す斜視図である。コネクタの仮想的な中心軸を破線で描画している。
図19図18のスリーブを示す上面図である。
図20図18のスリーブを示す前面図である。突出部の第1部位と第2部位との間の境界部を破線で描画している。
図21図4のコネクタのスリーブの第5変形例を示す斜視図である。コネクタの仮想的な中心軸を破線で描画している。
図22図21のスリーブを示す上面図である。
図23図21のスリーブを示す前面図である。突出部の第1部位と第2部位との間の境界部を破線で描画している。
図24図4のコネクタのスリーブの第6変形例を示す斜視図である。コネクタの仮想的な中心軸を破線で描画している。
図25図24のスリーブを示す上面図である。
図26図24のスリーブを示す前面図である。
図27図4のコネクタのスリーブの第7変形例を示す斜視図である。コネクタの仮想的な中心軸を破線で描画している。
図28図27のスリーブを示す上面図である。
図29図27のスリーブを示す前面図である。突出部の隠れた第1部位の上端の位置を破線で描画している。
図30】特許文献1のケーブル付きコネクタを示す側面図である。
図31図30のケーブル付きコネクタを示す斜視図である。ケーブル付きコネクタのスリーブは、ケーブルにかしめられている。
図32図31のケーブル付きコネクタを示す斜視図である。ケーブルの編組がスリーブの上に折り返されている。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に示されるように、本発明の実施の形態によるケーブル付きコネクタ10は、コネクタ12と、ケーブル18とを備えている。コネクタ12は、ケーブル18に取り付けられている。即ち、本実施の形態のコネクタ12は、ケーブル18に取り付けられるコネクタ12である。
【0021】
図2を参照すると、本実施の形態のケーブル18は、2本の電線72と、導電体からなる編組76と、絶縁体からなる外被78とを備えている。編組76は、銅等の金属からなる細線を網状に編んで形成されている。電線72の夫々は、導電体からなる芯線73と、絶縁体からなる被覆74とを備えている。被覆74の夫々は、芯線73を覆っている。芯線73の夫々の前後方向における前端は、被覆74から露出している。本実施の形態の前後方向は、X方向である。本実施の形態において、前方は+X方向であり、後方は-X方向である。本発明において、前後方向等の位置関係を示す用語は、地面に対する絶対的な位置関係を示すものではなく、図示したケーブル18が延びる方向を前後方向と規定したときの相対的な位置関係を示すものに過ぎない。
【0022】
2本の電線72は、前後方向と直交する直交平面(YZ平面)において編組76に覆われており、これにより、電磁的にシールドされている。編組76は、直交平面において外被78に覆われている。編組76の前端は、外被78から露出している。電線72の前端は、編組76から露出している。本実施の形態のケーブル18は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、ケーブル18の構造は、必要に応じて変形可能である。例えば、電線72の数は1でもよいし、3以上でもよい。
【0023】
図1を参照すると、コネクタ12は、ケーブル18の前後方向における前端部に取り付けられている。即ち、本実施の形態のコネクタ12は、ケーブル18の前後方向における前端部に取り付けられるコネクタ12である。以下、本実施の形態のコネクタ12(図1参照)について説明する。
【0024】
本実施の形態のコネクタ12は、金属製のフロントシェル13と、金属製のコネクタ本体14と、金属製のスリーブ16とを備えている。本実施の形態のフロントシェル13、コネクタ本体14及びスリーブ16の夫々は、1枚の金属板を折り曲げて形成されている。本実施の形態のコネクタ12は、上述の3つの部材を備えている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、コネクタ12は、上述の3つの部材に加えて、別の部材を更に備えていてもよい。一方、コネクタ12は、フロントシェル13を備えていなくてもよい。コネクタ本体14は、複数の金属板を接合して形成されていてもよい。
【0025】
図3図1と併せて参照すると、本実施の形態のコネクタ12は、前後方向において前方に位置する対象物80と前後方向に沿って接続可能である。コネクタ本体14は、本体部20と、バレル30とを有している。バレル30は、前後方向において本体部20の後方に位置している。詳しくは、本実施の形態の本体部20は、コネクタ本体14の前端に位置している。本体部20は、コネクタ12がケーブル18に取り付けられた被取付状態にあるとき、電線72(図2参照)の露出した芯線73(図2参照)を受容する。本実施の形態のバレル30は、コネクタ本体14の後端に位置している。本体部20及びバレル30は、互いに一体に形成されている。
【0026】
本実施の形態のコネクタ本体14は、コネクタ12のバックシェルである。本体部20及びバレル30の夫々は、バックシェルの一部である。コネクタ本体14の本体部20は、フロントシェル13によって覆われている。フロントシェル13は、コネクタ本体14の本体部20とともに対象物80と接続可能である。但し、本発明は、これに限られない。例えば、フロントシェル13が設けられていない場合、本体部20のみが対象物80と接続可能であってもよい。
【0027】
図1を参照すると、本実施の形態の対象物80は、フロントシェル13及びコネクタ本体14を受容して保持する外部ハウジングである。本実施の形態の対象物80は、フロントシェル13及びコネクタ本体14を保持した状態で相手側コネクタ(図示せず)と嵌合可能である。即ち、本実施の形態のコネクタ12は、前後方向において前方に位置する相手側コネクタと前後方向に沿って嵌合可能である。フロントシェル13及びコネクタ本体14を保持した対象物80が相手側コネクタと嵌合すると、ケーブル18に接続された電子機器(図示せず)は、相手側コネクタに接続された相手側電子機器(図示せず)と電気的に接続する。但し、本発明は、これに限られない。例えば、対象物80は、相手側電子機器に接続された相手側コネクタであってもよい。
【0028】
図3を参照すると、本実施の形態のスリーブ16は、第1スリーブ42と、第2スリーブ46とを含んでいる。第1スリーブ42及び第2スリーブ46の夫々は、コネクタ12がケーブル18(図5参照)に取り付けられていない取付前状態にあるとき、前後方向と直交する上下方向において下方に開いた形状を有している。本実施の形態の上下方向は、Z方向である。本実施の形態において、上方は+Z方向であり、下方は-Z方向である。
【0029】
詳しくは、第1スリーブ42及び第2スリーブ46の夫々は、2つの側板を有している。第1スリーブ42及び第2スリーブ46の夫々において、2つの側板は、前後方向及び上下方向の双方と直交する横方向におけるスリーブ16の両側に夫々位置している。2つの側板の上端は、互いに繋がっており、2つの側板の下端は、横方向において互いに離れている。本実施の形態の横方向は、Y方向である。
【0030】
図4及び図5を参照すると、コネクタ12をケーブル18に取り付ける際、第1スリーブ42は、ケーブル18の外被78にかしめられて固定され、第2スリーブ46は、ケーブル18の編組76にかしめられて固定される。即ち、コネクタ12が被取付状態にあるとき、第1スリーブ42は、直交平面(YZ平面)において外被78を囲んで外被78に固定されており、第2スリーブ46は、直交平面において編組76を囲んで編組76に固定されている。
【0031】
本実施の形態によれば、第2スリーブ46を編組76にかしめた後、編組76は後方に折り返され、これにより、第2スリーブ46は、直交平面(YZ平面)において編組76に覆われる。特に、本実施の形態によれば、コネクタ12が被取付状態にあるとき、第2スリーブ46は、直交平面において編組76を覆っており且つ折り返された編組76によって完全に覆われている。この構造によれば、第2スリーブ46を編組76に確実に接触できる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、折り返された編組76は、直交平面において第2スリーブ46を部分的に覆っていてもよい。また、編組76は、後方に折り返されていなくてもよい。換言すれば、第2スリーブ46の外周面は、編組76に覆われていなくてもよい。
【0032】
本実施の形態によれば、コネクタ12が被取付状態にあるとき、第1スリーブ42及び第2スリーブ46の夫々は、前後方向と平行な中心軸AXの周りを囲む隙間のない円筒形状を有しており、前後方向に沿って延びている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1スリーブ42及び第2スリーブ46の夫々は、直交平面(YZ平面)において六角形状等の多角形状を有していてもよい。また、コネクタ12が被取付状態にあるとき、第1スリーブ42及び第2スリーブ46の夫々の継ぎ目は、僅かに開いていてもよい。
【0033】
図3図5と併せて参照すると、本実施の形態のスリーブ16は、第1スリーブ42及び第2スリーブ46に加えて、連結部44を有している。連結部44は、前後方向に沿って延びており、第1スリーブ42と第2スリーブ46とを互いに連結している。第2スリーブ46は、第1スリーブ42の前方に位置している。連結部44を設けることで、第1スリーブ42及び第2スリーブ46を互いに一体に形成でき、第1スリーブ42及び第2スリーブ46を外被78及び編組76に夫々かしめ易い。
【0034】
本実施の形態のスリーブ16は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、スリーブ16の構造は、様々に変形可能である。例えば、スリーブ16は、第2スリーブ46のみを有していてもよい。また、第1スリーブ42及び第2スリーブ46は、互いに別体の部材であってもよい。この場合、連結部44を設ける必要はない。
【0035】
第1スリーブ42及び第2スリーブ46の夫々は、コネクタ12が取付前状態にあるとき、互いに別体な円筒であってもよい。この場合、ケーブル18を第1スリーブ42及び第2スリーブ46の内部に挿入して、第1スリーブ42及び第2スリーブ46を、外被78及び編組76を夫々囲むように配置してもよい。その後、第1スリーブ42及び第2スリーブ46を、外被78及び編組76に夫々かしめてもよい。
【0036】
図3を参照すると、本実施の形態のバレル30は、第1スリーブ42に対応する第1バレル(バレル)32と、第2スリーブ46に対応する第2バレル(バレル)36とを含んでいる。即ち、本実施の形態のコネクタ本体14は、2つのバレル32,36を有している。2つのバレル32,36は、前後方向において本体部20の後方に位置しており、コネクタ12が取付前状態にあるとき、上方に開いた形状を有している。
【0037】
図4及び図6を参照すると、コネクタ12をケーブル18に取り付ける際、第1バレル32は、第1スリーブ42にかしめられて固定され、第2バレル36は、編組76を介して第2スリーブ46にかしめられて固定される。即ち、コネクタ12が被取付状態にあるとき、第1バレル32は、直交平面(YZ平面)において第1スリーブ42を囲んで第1スリーブ42に固定されており、第2バレル36は、直交平面において第2スリーブ46を囲んで第2スリーブ46に固定されている。
【0038】
コネクタ12が被取付状態にあるとき、第2バレル36及び第2スリーブ46は、第2スリーブ46を覆う編組76を挟み込んで編組76に接触しており、これにより、コネクタ本体14は、ケーブル18の編組76と電気的に接続されている。即ち、コネクタ12が被取付状態にあるとき、コネクタ本体14は、編組76と同じグランド電位を有しており、ケーブル18の露出した芯線73(図2参照)を電磁的にシールドする。
【0039】
本実施の形態において、第2バレル36は、編組76を介して第2スリーブ46をかしめている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第2スリーブ46が編組76に覆われていない場合、第2バレル36は、第2スリーブ46に直接的にかしめられていてもよい。また、第2スリーブ46が第1スリーブ42と別体の部材であって円筒形状を有している場合、第2スリーブ46を直交平面(YZ平面)における編組76の内側に挿入してもよく、第2バレル36は、第2スリーブ46を編組76とともにかしめていてもよい。
【0040】
本実施の形態の第1バレル32及び第2バレル36の夫々は、コネクタ12が被取付状態にあるとき、中心軸AXの周りを囲む隙間のない円筒形状を有しており、前後方向に沿って延びている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1バレル32及び第2バレル36の夫々は、直交平面(YZ平面)において六角形状等の多角形状を有していてもよい。また、コネクタ12が被取付状態にあるとき、第1バレル32及び第2バレル36の夫々の継ぎ目は、僅かに開いていてもよい。
【0041】
図3を参照すると、本実施の形態のバレル30は、第1バレル32及び第2バレル36に加えて、中間部34を有している。中間部34は、前後方向に沿って延びており、第1バレル32と第2バレル36とを互いに連結している。第2バレル36は、第1バレル32の前方に位置している。中間部34を設けることで、第1バレル32及び第2バレル36を互いに一体に形成でき、第1バレル32及び第2バレル36を第1スリーブ42及び第2スリーブ46に夫々かしめ易い。
【0042】
本実施の形態のバレル30は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、バレル30の構造は、様々に変形可能である。例えば、スリーブ16が第2スリーブ46のみを有している場合、バレル30は、第2バレル36のみを有していてもよい。即ち、コネクタ本体14は、1つのバレルのみを有していてもよい。一方、コネクタ本体14は、3つ以上のバレルを有していてもよい。
【0043】
以下、本実施の形態のスリーブ16について、更に詳しく説明する。
【0044】
図4及び図5を参照すると、本実施の形態のスリーブ16は、主部50と、2つの突出部52とを有している。後述するように、突出部52は、バレル30に対するスリーブ16の位置ずれを抑制するための部位である。本実施の形態において、主部50及び突出部52は、第1スリーブ42に設けられている。この構造によれば、第2スリーブ46を編組76で覆い易い。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第2スリーブ46を編組76で覆わない場合や、スリーブ16が第2スリーブ46のみを有している場合、主部50及び突出部52を第2スリーブ46に設けてもよい。
【0045】
図5を参照すると、主部50が第1スリーブ42及び第2スリーブ46のいずれに設けられていても、主部50は、コネクタ12が被取付状態にあるとき、直交平面(YZ平面)においてケーブル18を囲んでケーブル18に固定されている。突出部52の夫々は、主部50から前方に延びており、ストッパ58を有している。ストッパ58は、主部50の前方に位置しており、コネクタ12が被取付状態にあるとき、直交平面において、主部50の外側に位置している。図6を参照すると、コネクタ12が被取付状態にあるとき、バレル32は、直交平面において主部50を囲んで主部50に固定されており、突出部52のストッパ58は、バレル32の前方に位置している。
【0046】
図1を参照すると、本実施の形態のケーブル付きコネクタ10は、以上に説明した構造を有している。詳しくは、主部50は、直交平面(YZ平面)においてケーブル18を囲んでケーブル18に固定されている。突出部52の夫々は、主部50から前方に延びており、ストッパ58を有している。ストッパ58は、主部50の前方に位置しており、直交平面において、主部50の外側に位置している。バレル32は、直交平面において主部50を囲んで主部50に固定されており、突出部52のストッパ58は、バレル32の前方に位置している。
【0047】
一般に、スリーブ16は、ケーブル18に対して強くかしめられケーブル18に強固に固定される。一方、バレル30をスリーブ16に強くかしめると、電気的な接続に問題が生じる場合がある。例えば、コネクタ12の伝送特性が劣化する場合がある。このため、バレル30は、比較的弱くかしめられる。この結果、スリーブ16がケーブル18とともにバレル30に対して相対的に移動して位置ずれするおそれがある。特に、ケーブル18が後方に向かって強く引かれた場合、スリーブ16が位置ずれするおそれがある。
【0048】
一方、本実施の形態のスリーブ16は、突出部52を有している。突出部52は、主部50から前方に向かって延びている。突出部52のストッパ58は、主部50及びバレル32の前方に位置しており、直交平面(YZ平面)において主部50の外周面を超えて外側に突出している。このように形成されたストッパ58は、スリーブ16がケーブル18とともに後方に向かって移動した場合、バレル32の前端に突き当たる。この結果、スリーブ16の位置ずれを抑制できる。
【0049】
仮に、位置ずれ抑制用の突出部52が主部50の外周面から外側に突出している場合、バレル32が誤って突出部52の上にかしめられるおそれがある。この場合、バレル32がスリーブ16に十分に固定されないおそれがある。また、バレル32をかしめる際に突出部52に力が加わると、突出部52が破損するおそれがある。
【0050】
一方、本実施の形態によれば、バレル32がストッパ58の上にかしめられたとしても、ストッパ58は、ケーブル18に向かって移動する。ストッパ58が大きく移動しても、突出部52は、柔らかな外被78に受け止められる。この結果、突出部52の破損を防止できる。即ち、本実施の形態によれば、バレル30に対するスリーブ16の位置ずれを抑制可能な構造であって、バレル30をかしめる際のスリーブ16の破損を防止可能な構造を有するコネクタ12を提供できる。
【0051】
図6を参照すると、本実施の形態の突出部52は、直交平面(YZ平面)において弾性変形可能である。この構造によれば、突出部52の破損を防止し易い。また、例えば、バレル32をかしめる際にストッパ58の後端に力が加わった場合でも、バレル32をかしめた後に突出部52が初期形状に戻り、これにより、スリーブ16の位置ずれが抑制される。
【0052】
図4図7及び図8を参照すると、本実施の形態によれば、主部50に2つの突出部52が設けられている。即ち、本実施の形態の突出部52の数は2である。2つの突出部52は、連結部44の横方向における両側に夫々位置しており、所定平面(XZ平面)について互いに対称な形状を有している。この構造によれば、スリーブ16の位置ずれをバランスよく、より確実に抑制できる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、2つの突出部52は、所定平面について互いに非対称な形状を有していてもよい。突出部52の数は、1であってもよく、3以上であってもよい。
【0053】
以下、突出部52のうちの1つについて説明する。以下の説明は、突出部52のうちの他の1つについても適用可能である。
【0054】
図7に示されるように、本実施の形態によれば、突出部52は、主部50の前端の前方にのみ位置している。この配置によれば、突出部52の破損をより確実に防止できる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、突出部52は、部分的に主部50の前端の後方に位置していてもよい。
【0055】
図8図7と併せて参照すると、本実施の形態の突出部52は、第1部位53と、第2部位54とを有している。第1部位53は、主部50から前方に延びている。第2部位54は、第1部位53に繋がっており、直交平面(YZ平面)において主部50から外側に離れつつ延びている。第2部位54は、折り返し部57と、前述したストッパ58とを有している。即ち、本実施の形態の突出部52は、ストッパ58に加えて、折り返し部57を有している。
【0056】
第2部位54は、境界部55において第1部位53と繋がっている。境界部55は、第1部位53の前端部の横方向における両縁のうちの連結部44から離れた縁に位置している。折り返し部57は、境界部55に繋がっており、連結部44に向かって折り返されている。詳しくは、折り返し部57は、主部50から直交平面(YZ平面)における外側に離れるようにして円弧状に折り返されている。ストッパ58は、直交平面において主部50の外側に位置しており、折り返し部57から連結部44に近づきつつ延びている。
【0057】
本実施の形態の突出部52は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、突出部52の構造は、様々に変形可能である。以下、突出部52の7つの変形例について、本実施の形態との相違点を説明する。図6を参照すると、7つの変形例のコネクタのいずれも、スリーブを除いてコネクタ12と同じ構造を有している。7つの変形例のいずれによっても、バレル30に対するスリーブの位置ずれを抑制可能な構造であって、バレル30をかしめる際のスリーブの破損を防止可能な構造を有するコネクタを提供できる。
【0058】
図9を参照すると、第1の変形例によるスリーブ16Aは、主部50と、2つの突出部52Aとを有している。スリーブ16Aは、突出部52Aを除いてスリーブ16(図4参照)と同じ構造を有している。主部50及び突出部52Aは、第1スリーブ42Aに設けられている。2つの突出部52Aは、連結部44の横方向における両側に夫々位置しており、所定平面(XZ平面)について互いに対称な形状を有している。以下、突出部52Aのうちの1つについて説明する。以下の説明は、突出部52Aのうちの他の1つについても適用可能である。
【0059】
図11図10と併せて参照すると、本変形例の突出部52Aは、第1部位53Aと、第2部位54Aとを有している。第1部位53Aは、主部50から前方に延びている。第2部位54Aは、第1部位53Aに繋がっており、直交平面(YZ平面)において主部50から外側に離れつつ延びている。第2部位54Aは、折り返し部57Aと、ストッパ58Aとを有している。即ち、本変形例の突出部52Aは、折り返し部57Aと、ストッパ58Aとを有している。
【0060】
第2部位54Aは、境界部55Aにおいて第1部位53Aと繋がっている。境界部55Aは、第1部位53Aの前端部の横方向における両縁のうちの連結部44に近い縁に位置している。折り返し部57Aは、境界部55Aに繋がっており、連結部44から離れるように折り返されている。詳しくは、折り返し部57Aは、主部50から直交平面(YZ平面)における外側に離れるようにして円弧状に折り返されている。ストッパ58Aは、直交平面において主部50の外側に位置しており、折り返し部57Aから、連結部44から離れつつ延びている。
【0061】
図12を参照すると、第2の変形例によるスリーブ16Bは、主部50と、2つの突出部52Bとを有している。スリーブ16Bは、突出部52Bを除いてスリーブ16(図4参照)と同じ構造を有している。主部50及び突出部52Bは、第1スリーブ42Bに設けられている。2つの突出部52Bは、連結部44の横方向における両側に夫々位置しており、所定平面(XZ平面)について互いに対称な形状を有している。以下、突出部52Bのうちの1つについて説明する。以下の説明は、突出部52Bのうちの他の1つについても適用可能である。
【0062】
図14図13と併せて参照すると、本変形例の突出部52Bは、第1部位53Bと、2つの第2部位54Bとを有している。第1部位53Bは、主部50から前方に延びている。第2部位54Bの夫々は、第1部位53Bに繋がっており、直交平面(YZ平面)において主部50から外側に離れつつ延びている。2つの第2部位54Bは、直交平面において互いに離れるように延びている。第2部位54Bの夫々は、折り返し部57Bと、ストッパ58Bとを有している。即ち、本変形例の突出部52Bは、2つの折り返し部57Bと、2つのストッパ58Bとを有している。
【0063】
第2部位54Bの夫々は、境界部55Bにおいて第1部位53Bと繋がっている。2つの境界部55Bは、第1部位53Bの前端部の横方向における両縁に夫々夫々位置している。折り返し部57Bの夫々は、境界部55Bに繋がっている。折り返し部57Bのうちの1つは、折り返し部57(図8参照)と同様に、連結部44に近づくように折り返されている。折り返し部57Bのうちの他の1つは、折り返し部57A(図11参照)と同様に、連結部44から離れるように折り返されている。ストッパ58Bの夫々は、ストッパ58(図8参照)又はストッパ58A(図11参照)と同様に折り返し部57Bから延びており、直交平面において主部50の外側に位置している。
【0064】
図15を参照すると、第3の変形例によるスリーブ16Cは、主部50と、2つの突出部52Cとを有している。スリーブ16Cは、突出部52Cを除いてスリーブ16(図4参照)と同じ構造を有している。主部50及び突出部52Cは、第1スリーブ42Cに設けられている。2つの突出部52Cは、連結部44の横方向における両側に夫々位置しており、所定平面(XZ平面)について互いに対称な形状を有している。より具体的には、突出部52Cの夫々は、スリーブ16Cの中心軸AXと直交する直交方向に沿って見ると、L字形状を有している。以下、突出部52Cのうちの1つについて説明する。以下の説明は、突出部52Cのうちの他の1つについても適用可能である。
【0065】
図17図16と併せて参照すると、本変形例の突出部52Cは、第1部位53Cと、第2部位54Cとを有している。第1部位53Cは、主部50から前方に延びている。第2部位54Cは、第1部位53Cに繋がっており、直交平面(YZ平面)において主部50から外側に離れつつ延びている。第2部位54Cは、曲げ部56Cと、ストッパ58Cとを有している。即ち、本変形例の突出部52Cは、曲げ部56Cと、ストッパ58Cとを有している。
【0066】
第2部位54Cは、境界部55Cにおいて第1部位53Cと繋がっている。境界部55Cは、第1部位53Cの前端部の横方向における両縁のうちの連結部44から離れた縁に位置している。曲げ部56Cは、境界部55Cに繋がっており、主部50から直交平面(YZ平面)における外側に離れるようにして曲げられている。ストッパ58Cは、曲げ部56Cに繋がっており、直交平面において主部50の外側に位置している。
【0067】
図18を参照すると、第4の変形例によるスリーブ16Dは、主部50と、2つの突出部52Dとを有している。スリーブ16Dは、突出部52Dを除いてスリーブ16(図4参照)と同じ構造を有している。主部50及び突出部52Dは、第1スリーブ42Dに設けられている。2つの突出部52Dは、連結部44の横方向における両側に夫々位置しており、所定平面(XZ平面)について互いに対称な形状を有している。より具体的には、突出部52Dの夫々は、スリーブ16Dの中心軸AXと直交する直交方向に沿って見ると、L字形状を有している。以下、突出部52Dのうちの1つについて説明する。以下の説明は、突出部52Dのうちの他の1つについても適用可能である。
【0068】
図20図19と併せて参照すると、本変形例の突出部52Dは、第1部位53Dと、第2部位54Dとを有している。第1部位53Dは、主部50から前方に延びている。第2部位54Dは、第1部位53Dに繋がっており、直交平面(YZ平面)において主部50から外側に離れつつ延びている。第2部位54Dは、曲げ部56Dと、ストッパ58Dとを有している。即ち、本変形例の突出部52Dは、曲げ部56Dと、ストッパ58Dとを有している。
【0069】
第2部位54Dは、境界部55Dにおいて第1部位53Dと繋がっている。境界部55Dは、第1部位53Dの前端部の横方向における両縁のうちの連結部44に近い縁に位置している。曲げ部56Dは、境界部55Dに繋がっており、主部50から直交平面(YZ平面)における外側に離れるようにして曲げられている。ストッパ58Dは、曲げ部56Dに繋がっており、直交平面において主部50の外側に位置している。
【0070】
図21を参照すると、第5の変形例によるスリーブ16Eは、主部50と、2つの突出部52Eとを有している。スリーブ16Eは、突出部52Eを除いてスリーブ16(図4参照)と同じ構造を有している。主部50及び突出部52Eは、第1スリーブ42Eに設けられている。2つの突出部52Eは、連結部44の横方向における両側に夫々位置しており、所定平面(XZ平面)について互いに対称な形状を有している。より具体的には、突出部52Eの夫々は、スリーブ16Eの中心軸AXと直交する直交方向に沿って見ると、T字形状を有している。以下、突出部52Eのうちの1つについて説明する。以下の説明は、突出部52Eのうちの他の1つについても適用可能である。
【0071】
図23図22と併せて参照すると、本変形例の突出部52Eは、第1部位53Eと、2つの第2部位54Eとを有している。第1部位53Eは、主部50から前方に延びている。第2部位54Eの夫々は、第1部位53Eに繋がっており、直交平面(YZ平面)において主部50から外側に離れつつ延びている。2つの第2部位54Eは、直交平面において互いに離れるように延びている。第2部位54Eの夫々は、曲げ部56Eと、ストッパ58Eとを有している。即ち、本変形例の突出部52Eは、2つの曲げ部56Eと、2つのストッパ58Eとを有している。
【0072】
第2部位54Eの夫々は、境界部55Eにおいて第1部位53Eと繋がっている。2つの境界部55Eは、第1部位53Eの前端部の横方向における両縁に夫々位置している。曲げ部56Eの夫々は、境界部55Eに繋がっており、主部50から直交平面(YZ平面)における外側に離れるようにして曲げられている。ストッパ58Eの夫々は、曲げ部56Eに繋がっており、直交平面において主部50の外側に位置している。
【0073】
図24を参照すると、第6の変形例によるスリーブ16Fは、主部50と、2つの突出部52Fとを有している。スリーブ16Fは、突出部52Fを除いてスリーブ16(図4参照)と同じ構造を有している。主部50及び突出部52Fは、第1スリーブ42Fに設けられている。2つの突出部52Fは、連結部44の横方向における両側に夫々位置しており、所定平面(XZ平面)について互いに対称な形状を有している。以下、突出部52Fのうちの1つについて説明する。以下の説明は、突出部52Fのうちの他の1つについても適用可能である。
【0074】
図26図25と併せて参照すると、本変形例の突出部52Fは、第1部位53Fと、第2部位54Fとを有している。第1部位53Fは、主部50から前方に延びている。第2部位54Fは、第1部位53Fに繋がっており、直交平面(YZ平面)において主部50から離れつつ延びている。第2部位54Fは、折り返し部57Fと、ストッパ58Fとを有している。即ち、本変形例の突出部52Fは、折り返し部57Fと、ストッパ58Fとを有している。
【0075】
折り返し部57Fは、第1部位53Fの前端に繋がっており、突出部52Fの前端に位置している。折り返し部57Fは、後方に向かって折り返されている。詳しくは、折り返し部57Fは、主部50から直交平面(YZ平面)における外側に離れるようにして円弧状に折り返されている。ストッパ58Fは、直交平面において主部50の外側に位置しており、折り返し部57Fの後端から主部50の前端まで、後方に向かって延びている。
【0076】
図27を参照すると、第7の変形例によるスリーブ16Gは、主部50と、1つの突出部52Gとを有している。スリーブ16Gは、第1スリーブ42Gと、第2スリーブ46とを有しており、連結部44(図4参照)を有していない。即ち、第1スリーブ42Gと、第2スリーブ46とは、互いに別体の部材である。スリーブ16Gは、上述の相違点を除いてスリーブ16(図4参照)と同じ構造を有している。主部50及び突出部52Gは、第1スリーブ42Gに設けられている。
【0077】
図28図29と併せて参照すると、本変形例の突出部52Gは、第1部位53Gと、第2部位54Gとを有している。第1部位53Gは、主部50から前方に延びている。第2部位54Gは、第1部位53Gに繋がっており、直交平面(YZ平面)において主部50から離れつつ延びている。第2部位54Gは、折り返し部57Gと、ストッパ58Gと、延長部59Gとを有している。即ち、本変形例の突出部52Gは、折り返し部57Gと、ストッパ58Gと、延長部59Gとを有している。
【0078】
折り返し部57Gは、第1部位53Gの前端に繋がっており、突出部52Gの前端に位置している。折り返し部57Gは、後方に向かって折り返されている。詳しくは、折り返し部57Gは、主部50から直交平面(YZ平面)における外側に離れるようにして円弧状に折り返されている。ストッパ58Gは、直交平面において主部50の外側に位置している。ストッパ58Gは、直交平面における外側に向かって円弧状に張り出しつつ、折り返し部57Gの後端から主部50の前端まで後方に向かって延びている。延長部59Gは、ストッパ58Gの後端から後方に延びており、直交平面において主部50を部分的に覆っている。
【0079】
図27図6と併せて参照すると、本変形例によれば、第1バレル32は、主部50及び延長部59Gにかしめられる。即ち、コネクタ12が被取付状態にあるとき、バレル32は、直交平面(YZ平面)において主部50を囲んで主部50及び延長部59Gの両方に固定されている。このとき、ストッパ58Gは、バレル32の前方に位置しており、直交平面において、主部50及び延長部59Gの両方の外側に位置している。このように形成されたストッパ58Gは、スリーブ16Gの位置ずれを抑制できる。
【0080】
以上、様々な変形例を説明したが、本発明は、これに限定されない。以上に説明した変形例は、前述した実施の形態と同様に様々に変形可能であり、組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0081】
10 ケーブル付きコネクタ
12 コネクタ
13 フロントシェル
14 コネクタ本体
16,16A,16B,16C,16D,16E,16F,16G スリーブ
18 ケーブル
20 本体部
30 バレル
32 第1バレル(バレル)
34 中間部
36 第2バレル(バレル)
42,42A,42B,42C,42D,42E,42F,42G 第1スリーブ
44 連結部
46 第2スリーブ
50 主部
52,52A,52B,52C,52D,52E,52F,52G 突出部
53,53A,53B,53C,53D,53E,53F,53G 第1部位
54,54A,54B,54C,54D,54E,54F,54G 第2部位
55,55A,55B,55C,55D,55E 境界部
56C,56D,56E 曲げ部
57,57A,57B,57F,57G 折り返し部
58,58A,58B,58C,58D,58E,58F,58G ストッパ
59G 延長部
AX 中心軸
72 電線
73 芯線
74 被覆
76 編組
78 外被
80 対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32