(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177968
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ダイカストマシン
(51)【国際特許分類】
B22D 17/32 20060101AFI20241217BHJP
B22D 17/20 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
B22D17/32 B
B22D17/32 E
B22D17/20 F
B22D17/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096414
(22)【出願日】2023-06-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (展示日) 2022年11月10日 (展示会名) 2022日本ダイカスト展示会
(71)【出願人】
【識別番号】000222587
【氏名又は名称】東洋機械金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】北川 智浩
(57)【要約】
【課題】装置全体をシンプルなものにして、コストを低減できるダイカストマシンを提供する。
【解決手段】
ダイカストマシン10を射出機構30と、油圧動作機構32と、電動加圧機構34とで構成する。また、電動加圧機構34を電動サーボモータ60と、電動サーボモータ60に駆動されるボールネジ62と、ボールネジ62によって押し出される加圧ピストン64とで構成する。加圧ピストン64をボールネジ62のネジ軸68またはナット70に直列で接続し、射出工程の増圧工程においてのみ、ネジ軸68またはナット70によって加圧ピストン64を射出シリンダ42内に押し出して作動油Oを増圧させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出機構と、油圧動作機構と、電動加圧機構とを有するダイカストマシンであって、
前記射出機構は、キャビティに溶湯金属を射出する射出プランジャを有しており、
前記油圧動作機構は、前記射出プランジャを収容する射出シリンダと、前記射出シリンダに作動油を送る油圧ポンプとを有しており、
前記電動加圧機構は、電動サーボモータと、前記電動サーボモータに駆動されるボールネジと、前記ボールネジによって押し出される加圧ピストンとを有しており、
前記ボールネジは、ネジ軸と、ナットとを有しており、
前記加圧ピストンは、前記ネジ軸または前記ナットに直列で接続されており、前記ネジ軸または前記ナットによって前記射出シリンダ内に押し出されて前記作動油を増圧するようになっており、
前記加圧ピストンによる増圧は、増圧工程においてのみ実施される
ダイカストマシン。
【請求項2】
前記ネジ軸または前記ナット、および、前記加圧ピストンは、上下方向に移動するようになっている
請求項1に記載のダイカストマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶湯金属を金型内に射出して成形品を成形するダイカストマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従前から用いられているダイカストマシンにおいては、熔解炉で溶融された金属溶湯を1ショット毎にラドルで計量して汲み上げ、汲み上げられた金属溶湯を射出スリーブの給湯口に給湯し、射出スリーブ内に進退可能に設けられた射出プランジャの前進動作によって金型のキャビティ内へ金属溶湯を射出充填することにより、成形体の成形が行われている。
【0003】
金型のキャビティ内へ金属溶湯を射出する射出工程においては、低速射出工程と、それに続く高速射出工程とからなっており、高速射出工程においては、プラスチック製品を成形する射出成形機の射出速度よりも1桁ほど速い高速の射出速度で金型内に金属溶湯を射出充填する必要がある。
【0004】
さらに、高速射出工程の終了後、射出プランジャによりキャビティ内の成形材料の圧力を上昇させる増圧工程が実施される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のダイカストマシンでは、電動サーボモータでボールネジを動かすことによって射出ピストンを摺動させ、射出シリンダ内の作動油の圧力を高めるようになっており、電動サーボモータは、増圧工程だけでなく低速射出工程や高速射出工程でも動作するようになっていた。
【0007】
しかしながら、電動サーボモータおよびボールネジで射出ピストンを摺動させようとすると、装置全体が大がかりになり、ダイカストマシン全体のコストが高くなるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置全体をシンプルなものにして、コストを低減できるダイカストマシンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面によれば、
射出機構と、油圧動作機構と、電動加圧機構とを有するダイカストマシンであって、
前記射出機構は、キャビティに溶湯金属を射出する射出プランジャを有しており、
前記油圧動作機構は、前記射出プランジャを収容する射出シリンダと、前記射出シリンダに作動油を送る油圧ポンプとを有しており、
前記電動加圧機構は、電動サーボモータと、前記電動サーボモータに駆動されるボールネジと、前記ボールネジによって押し出される加圧ピストンとを有しており、
前記ボールネジは、ネジ軸と、ナットとを有しており、
前記加圧ピストンは、前記ネジ軸または前記ナットに直列で接続されており、前記ネジ軸または前記ナットによって前記射出シリンダ内に押し出されて前記作動油を増圧するようになっており、
前記加圧ピストンによる増圧は、増圧工程においてのみ実施される
ダイカストマシンが提供される。
【0010】
好適には、
前記ネジ軸または前記ナット、および、前記加圧ピストンは、上下方向に移動するようになっている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るダイカストマシンによれば、ボールネジを構成するネジ軸またはナットに直列で接続された加圧ピストンが射出シリンダ内に押し出されて作動油を増圧するようになっている。これにより、ボールネジで射出シリンダ自体を摺動させる必要がなくなることから、装置全体をシンプルなものにして、コストを低減できるダイカストマシンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係るダイカストマシン10の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係るダイカストマシン10における電動加圧機構34の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係るダイカストマシン10の射出工程における射出プランジャ38の移動速度の変化と、射出シリンダ42内圧の変化と、電動サーボモータ60速度の変化とを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(ダイカストマシン10の構成)
本実施形態に係るダイカストマシン10は、
図1に示すように、大略、金型装置12と、射出装置14とを備えている。
【0014】
金型装置12は、大略、固定ダイプレート20に装着された固定金型22と、移動ダイプレート24に装着された移動金型26とを備えており、固定金型22と移動金型26とが型閉されることでキャビティ28が構成される。
【0015】
射出装置14は、大略、射出機構30と、油圧動作機構32と、電動加圧機構34とを有している。
【0016】
射出機構30は、射出スリーブ36と、射出プランジャ38と、射出ピストン40と、射出シリンダ42とを有している。
【0017】
射出スリーブ36は、固定ダイプレート20に対して一体に設けられており、金属溶湯が供給される給湯口43がその上部に形成された筒状の部材である。
【0018】
射出プランジャ38は、射出スリーブ36内において進退可能に設けられた略棒状の部材である。
【0019】
射出ピストン40は、射出プランジャ38の後端側(金属溶湯に接する端とは反対側の端)に形成されており、作動油Oによって押圧される部分である。
【0020】
射出シリンダ42は、射出ピストン40が進退する筒状の部材であり、作動油Oが充填されている。射出ピストン40から見て、射出工程で当該射出ピストン40が移動する方向にある射出ピストン40内の空間をアウト側A、その反対側のイン側Bと呼ぶ。
【0021】
油圧動作機構32は、射出プランジャ38の低速射出工程および高速射出工程に用いる作動油Oを射出シリンダ42に供給して射出ピストン40に作用させるための機構であり、大略、油配管44と、油圧ポンプ46と、複数の制御弁48と、低速側流量調節弁50と、高速側流量調節弁52と、アキュームレータ54と、圧力センサ56と、制御手段58とを有している。
【0022】
油配管44は、油圧ポンプ46で加圧された作動油Oをアキュームレータ54や低速側流量調節弁50および高速側流量調節弁52を介して射出シリンダ42に送り、また、射出シリンダ42から出てきた作動油Oを、制御弁48を介して元に戻すための流路を構成する。
【0023】
油圧ポンプ46は、射出プランジャ38の低速射出工程および高速射出工程に必要な圧力まで作動油Oを加圧するためのものである。
【0024】
制御弁48は、油圧ポンプ46から吐出された作動油Oをアキュームレータ54に送る流路をオンオフするための第1制御弁48aと、射出プランジャ38を開始位置に戻す際に射出シリンダ42のイン側Bからの作動油Oを油圧ポンプ46側に戻すとともに油圧ポンプ46から吐出された作動油Oを射出シリンダ42のアウト側Aに供給する流路をオンオフするための第2制御弁48bとを備えている。
【0025】
低速側流量調節弁50は、低速射出工程において、アキュームレータ54等から射出シリンダ42のイン側Bに供給する作動油Oの流量を調整するための弁である。
【0026】
高速側流量調節弁52は、高速射出工程において、アキュームレータ54等から射出シリンダ42のイン側Bに供給する作動油Oの流量を調整するための弁である。
【0027】
アキュームレータ54は、油圧ポンプ46で加圧された作動油Oを一時的に貯留するための容器である。
【0028】
圧力センサ56は、射出シリンダ42のイン側B内における作動油Oの圧力を測定するための器具である。
【0029】
制御手段58は、低速射出工程・高速射出工程・増圧工程および射出プランジャ38の戻し工程を実施するにあたって、射出ピストン40の位置情報や圧力センサ56からの圧力信号を検知しつつ、油圧ポンプ46、制御弁48、低速側流量調節弁50、高速側流量調節弁52を動作させる役割を有している。なお、この制御手段58は、電動加圧機構34の制御も行うようになっている。
【0030】
本実施形態に係る電動加圧機構34について
図2を用いて詳しく説明する。電動加圧機構34は、射出シリンダ42のイン側B内に送られた作動油Oをさらに加圧するための機構であり、大略、電動サーボモータ60と、ボールネジ62と、加圧ピストン64と、複数のガイドバー66(
図2では1本のみを描いている)とを有している。なお、ボールネジ62は、ネジ軸68とナット70とで構成されている。
【0031】
電動サーボモータ60は、ベルト等(ギアでもよい)を介してボールネジ62のネジ軸68を回転させて、当該ネジ軸68に対してからナット70を摺動させる役割を有している。
【0032】
本実施形態では、電動サーボモータ60は、サーボモータマウント72に固定されている。サーボモータマウント72には、回転するネジ軸68を保持するネジ軸ベアリング74が形成されており、さらに、各ガイドバー66の一端を保持するガイドバー第1保持部76も形成されている。また、電動サーボモータ60の回転軸77とネジ軸68の端部との間には駆動ベルト78が架け渡されており、この駆動ベルト78によって電動サーボモータ60の回転軸77における回転力がネジ軸68に伝達される。
【0033】
ボールネジ62のナット70は中間保持部材80に固定されており、この中間保持部材80は、ガイドバー66が挿通されるガイドバー挿通孔82を有している。ガイドバー挿通孔82にガイドバー66を挿通することにより、中間保持部材80がガイドバー66にガイドされつつ、ナット70が所定の方向(図中下方向)にぶれることなく進退できるようになっている。また、中間保持部材80がガイドバー66によってガイドされているので、加圧ピストン64が所定の方向(図中下方向)にぶれることなく進退できるようになっている。
【0034】
また、ガイドバー66の他端は、先端保持部材84によって保持されている。この先端保持部材84には、ナット70に取り付けられた加圧ピストン64が挿通される加圧ピストン挿通孔86が形成されている。さらに、射出シリンダ42には、加圧ピストン64がガイドされる加圧ピストンガイド孔88が形成されている。
【0035】
加圧ピストン64はその先端部が油圧動作機構32における射出シリンダ42のイン側B内に出没可能に挿設されており、ボールネジ62のナット70が図中下方向に移動することで当該加圧ピストン64がイン側Bに入っていき、イン側Bに充填された作動油Oを加圧するようになっている。
【0036】
このように、本実施形態に係る電動加圧機構34では、ボールネジ62のナット70に対して中間保持部材80を介して加圧ピストン64の端が直列で接続されており、ナット70と加圧ピストン64とが直列になっており、当該加圧ピストン64が射出シリンダ42内に押し出されて作動油Oを増圧するようになっている。これにより、射出ピストン40自体を摺動させる必要がなくなることから、装置全体をシンプルなものにして、コストを低減できるダイカストマシン10を提供できる。
【0037】
また、ボールネジ62のナット70に対して加圧ピストン64の端が直列で接続されることにより、例えば2本のボールネジの間に加圧ピストンを押圧する可動プレートを架設して、可動プレートを介してボールネジによる押圧力を加圧ピストンに与える構造に比べて、ボールネジが駆動させる必要のある重量(駆動重量)を軽くすることができるので慣性力が小さくなることから加圧ピストンによる作動油Oの圧力のオーバーシュートを回避できる。
【0038】
また、本実施形態では、ボールネジ62と加圧ピストン64とが上下方向に移動するように配置されている。これにより、電動加圧機構34およびダイカストマシン10全体の横幅方向の寸法を縮めることができ、比較的幅が狭い場所にも配置できるダイカストマシン10を提供することができる。
【0039】
(本実施形態に係るダイカストマシン10の射出工程)
次に、本実施形態に係るダイカストマシン10を使用して成形体を成形する手順における射出工程について
図3を用いて説明する。
【0040】
本実施形態に係るダイカストマシン10においても、射出工程は、低速射出工程と、高速射出工程と、増圧工程とに分かれている。
【0041】
射出工程に入る前に、油圧動作機構32の制御弁48を動作させて、油圧ポンプ46の吐出側をアキュームレータ54に接続するとともに、油圧ポンプ46の吸込側を作動油タンク(図示せず)に接続する。また、低速側流量調節弁50および高速側流量調節弁52は共に流量ゼロの状態に閉じておく。
【0042】
然る後、油圧ポンプ46を作動させて、所定の圧力の作動油Oをアキュームレータ54に充填させておく。これとともに、別途用意した金属溶湯を射出スリーブ36に充填しておく。
【0043】
低速射出工程を開始する。油圧動作機構32における低速側流量調節弁50を開き、アキュームレータ54(および油圧ポンプ46)からの作動油Oを射出シリンダ42のイン側Bに供給して、射出プランジャ38を所定の速度で移動させて溶湯金属をキャビティ28に充填していく。この低速射出工程は、数秒(1から2秒)程度続く。
【0044】
然る後、高速射出工程に入る。油圧動作機構32における低速側流量調節弁50に加えて高速側流量調節弁52を開き、作動油Oを射出シリンダ42のイン側Bに供給して、射出プランジャ38を所定の速度で移動させて溶湯金属をキャビティ28に充填していく。高速射出工程は、100分の数秒程度続く。なお、高速射出工程が完了した時に、低速側流量調節弁50および高速側流量調節弁52を閉じる。
【0045】
ところで、本実施形態に係るダイカストマシン10の射出工程は、電動加圧機構34の動作に特徴がある。すなわち、上述した高速射出工程が完了したタイミングで電動加圧機構34の加圧ピストン64による作動油Oの加圧準備が完了しているように、増圧工程の開始に先立って電動サーボモータ60の動作を開始させて、ナット70および加圧ピストン64の動作を開始させておく。
【0046】
なぜならば、電動加圧機構34の電動サーボモータ60が動作を始めた直後は、当該電動サーボモータ60とボールネジ62のネジ軸68との間のベルトが少し伸びることや、ネジ軸68とナット70との間のバックラッシュや駆動重量による慣性力等により、電動サーボモータ60の回転力がネジ軸68を介して十分にナット70に伝わらず、当該回転力が十分にナット70に伝わるのは電動サーボモータ60が動作を始めてから少し時間が経過してからになるからである。この時間を「準備動作時間」という。
【0047】
増圧工程における増圧の立ち上り時間が遅いとキャビティ28に充填された溶湯金属の凝固が進んでしまい、完成した成形品の品質を低下させる懸念がある。
【0048】
このため、もし、高速射出工程が完了したタイミングで電動サーボモータ60の動作を開始させると、増圧工程に入ってから油圧を所定の圧力まで高める速さは電動サーボモータの加速性に依存することから、油圧を所定の圧力まで高める速さ(つまり、増圧の立ち上がり時間)を十分に担保することが難しい。
【0049】
また、増圧の立ち上がり時間を速めるために大型・高出力な電動サーボモータを装備すると、今度はダイカストマシン全体のコストアップにつながってしまう。
【0050】
さらに言えば、電動サーボモータの加速性に依存して増圧の立ち上がり時間を速めようとすると、油圧が所定の圧力になるまで加速を続けていき、所定の圧力になるころに電動サーボモータを急減速させる必要があり、この加速から急減速の流れによって油圧が突出して所定の圧力よりも高くなってしまうオーバーシュートが生じやすくなる。
【0051】
この点、本実施形態に係る電動加圧機構34では、上述のように、増圧工程の開始に先立って電動サーボモータ60の動作を開始させて、ナット70および加圧ピストン64の動作を開始させておくことにより、増圧が必要となる高速射出工程の完了時点で準備動作時間が経過しているので、電動サーボモータ60の任意の速度で増圧を開始できる。
【0052】
これにより、比較的小型・低出力の電動サーボモータ60を使用して増圧工程に入ってから油圧を所定の圧力まで高める速さを十分に担保でき、かつ、電動サーボモータ60の非加速状態から減速を行うことができるので作動油Oの圧力がオーバーシュートする可能性も低減できる。
【0053】
なお、増圧工程の開始に先立って電動サーボモータ60の動作を開始するタイミングは、準備動作時間に依存するので、当該開始のタイミングは、低速射出工程中であってもよいし、高速射出工程中でもよい。もちろん、電動サーボモータ60の動作を開始すると加圧ピストン64が動いた分だけ低速側流量調節弁50や高速側流量調節弁52を通って射出シリンダ42内に流入する作動油Oの量を減らすことになる。
【0054】
(変形例1)
上述した実施形態に係るダイカストマシン10では、低速射出工程および高速射出工程において、射出シリンダ42のイン側Bに流入する作動油Oの流量を調節するいわゆる「イン絞り」の例を示したが、これに変えて、射出シリンダ42のアウト側Aから流出する作動油Oの流量を調節するいわゆる「アウト絞り」としてもよい。この「アウト絞り」の場合、低速側流量調節弁50や高速側流量調節弁52は、射出シリンダ42のアウト側Aに接続された油配管44に取り付けられる。
【0055】
(変形例2)
また、上述した実施形態に係るダイカストマシン10では、電動加圧機構34におけるボールネジ62を構成するナット70に加圧ピストン64を直列で接続し、電動サーボモータ60でネジ軸68を回転させることによってナット70および加圧ピストン64を上下方向に移動させるようになっていたが、これに変えて、ネジ軸68に加圧ピストン64を直列で接続し、電動サーボモータ60でナット70を回転させることによってネジ軸68および加圧ピストン64を上下方向に移動させてもよい。
【0056】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0057】
10…ダイカストマシン、12…金型装置、14…射出装置、20…固定ダイプレート、22…固定金型、24…移動ダイプレート、26…移動金型、28…キャビティ、30…射出機構、32…油圧動作機構、34…電動加圧機構、36…射出スリーブ、38…射出プランジャ、40…射出ピストン、42…射出シリンダ、43…給湯口、44…油配管、46…油圧ポンプ、48…制御弁、48a…第1制御弁、48b…第2制御弁、50…低速側流量調節弁、52…高速側流量調節弁、54…アキュームレータ、56…圧力センサ、58…制御手段、60…電動サーボモータ、62…ボールネジ、64…加圧ピストン、66…ガイドバー、68…ネジ軸、70…ナット、72…サーボモータマウント、74…ネジ軸ベアリング、76…ガイドバー第1保持部、77…回転軸、78…駆動ベルト、80…中間保持部材、82…ガイドバー挿通孔、84…先端保持部材、86…加圧ピストン挿通孔、88…加圧ピストンガイド孔
O…作動油、A…射出ピストン40のアウト側、B…射出ピストン40のイン側