(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177982
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】自律移動体制御装置、自律移動体制御方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/46 20240101AFI20241217BHJP
G06Q 10/083 20240101ALI20241217BHJP
【FI】
G05D1/10
G06Q10/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096433
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】今井 連太郎
【テーマコード(参考)】
5H301
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301AA06
5H301AA10
5H301BB05
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC04
5H301CC06
5H301CC07
5H301CC10
5H301DD07
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG17
5H301KK02
5H301KK03
5H301KK08
5H301KK09
5H301KK18
5H301KK19
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】
自律移動体による配送時間の遅延を抑制可能な自律移動体制御装置を提供すること。
【解決手段】
自律移動体制御装置において、荷物を配送する自律移動体を制御するための自律移動体制御装置であって、3次元空間の位置を表す任意の基準系で規定された空間に存在する物体の状態と時間に関する情報を、固有識別子を用いて識別するフォーマットを用いて、前記自律移動体の配送位置を決定する制御手段と、前記空間に存在する物体の状態に関する空間状態情報を取得する空間状態情報取得手段と、を有し、前記制御手段は、前記空間状態情報取得手段により取得された前記空間状態情報と所定の要件に基づき、複数の配送位置候補の中から、所定の配送位置を決定することを特徴とする。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を配送する自律移動体を制御するための自律移動体制御装置であって、
3次元空間の位置を表す任意の基準系で規定された空間に存在する物体の状態と時間に関する情報を、固有識別子を用いて識別するフォーマットを用いて、前記自律移動体の配送位置を決定する制御手段と、
前記空間に存在する物体の状態に関する空間状態情報を取得する空間状態情報取得手段と、を有し、
前記制御手段は、前記空間状態情報取得手段により取得された前記空間状態情報と所定の要件に基づき、複数の配送位置候補の中から、所定の配送位置を決定することを特徴とする自律移動体制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記自律移動体の配送位置を決定する際に、前記自律移動体の移動経路も決定することを特徴とする請求項1に記載の自律移動体制御装置。
【請求項3】
前記複数の配送位置候補は、前記荷物の宛先の受取人によって設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の自律移動体制御装置。
【請求項4】
前記複数の配送先候補は、前記荷物の宛先の受取人によって優先順位を付けて設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の自律移動体制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記空間状態情報取得手段により取得された前記空間状態情報に基づき、前記自律移動体の出発前に、複数の配送位置候補情報の中から、所定の配送位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の自律移動体制御装置。
【請求項6】
前記空間状態情報取得手段により取得された前記空間状態情報は、前記配送位置までの経路空間に存在する物体の状態に関する情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の自律移動体制御装置。
【請求項7】
前記所定の要件は、
前記荷物の受取人が設定した優先順位情報、
天候情報、
前記配送位置候補の周辺の障害物情報、
配送経路における障害物又は通行人の混雑度の情報、
過去にその配送位置候補に配送が出来たかどうかの配送履歴情報、の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の自律移動体制御装置。
【請求項8】
前記自律移動体は前記自律移動体の周辺の空間状態を検出する検出手段を有し、前記検出手段による検出出力に基づき前記制御手段によって決定された前記配送位置又は配送経路を修正することを特徴とする請求項1に記載の自律移動体制御装置。
【請求項9】
前記空間状態情報を保持する保持手段を有し、
前記自律移動体は前記自律移動体の周辺の空間状態を検出する検出手段を有し、
前記保持手段は、前記検出手段により検出された前記空間状態に基づき、前記空間状態情報を更新して保持することを特徴とする請求項1に記載の自律移動体制御装置。
【請求項10】
前記制御手段は、受付所で外部の配送者から受け取った前記荷物を、前記自律移動体により前記配送位置まで配送することを特徴とする請求項1に記載の自律移動体制御装置。
【請求項11】
前記制御手段は、集合住宅の受付所で外部の配送者から受け取った前記荷物を、前記自律移動体により前記集合住宅の住人が指定した前記配送位置まで配送することを特徴とする請求項1に記載の自律移動体制御装置。
【請求項12】
前記空間状態情報は、撮像装置、測定装置またはネットワークを介して外部サーバーから取得されることを特徴とする請求項1に記載の自律移動体制御装置。
【請求項13】
前記制御手段は、前記荷物が配送位置付近に到着した後に、複数の配送位置候補の中から、所定の配送位置を決定することを特徴とする構成1に記載の自立移動体制御装置。
【請求項14】
荷物を配送する自律移動体を制御するための自律移動体制御方法であって、
3次元空間の位置を表す任意の基準系で規定された空間に存在する物体の状態と時間に関する情報を、固有識別子を用いて識別するフォーマットを用いて、前記自律移動体の配送位置を決定する制御ステップと、
前記空間に存在する物体の状態に関する空間状態情報を取得する空間状態情報取得ステップと、を有し、
前記制御ステップは、前記空間状態情報取得ステップにより取得された前記空間状態情報と所定の要件に基づき、複数の配送位置候補情報の中から、所定の配送位置を決定することを特徴とする自律移動体制御方法。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか1項に記載の自律移動体制御装置の各手段をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物配送に使用される自律移動体制御装置、自律移動体制御方法、及びコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
荷物の配送において、ドローンのような無人航空機を使った配送や、特定の敷地内での小型のロボットなどの自律移動体を使った配送などが検討されている。
【0003】
しかし、ドローンのような自律移動体による配送においては、配送先や、配送経路上の予期せぬ障害物や悪天候などの理由で、荷物を配送先に届けることが出来ずに、配送が遅延してしまうという問題があった。それに対し、特許文献1には複数の目標地点を現地で評価して選択させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現地で目標地点の評価を行うということは、配送先に実際に行ってみないと配送可能かどうかを判断することは出来ず、結局、配送時間が遅延してしまう場合があった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、自律移動体による配送時間の遅延を抑制可能な自律移動体制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の自律移動体制御装置は、
荷物を配送する自律移動体を制御するための自律移動体制御装置であって、
3次元空間の位置を表す任意の基準系で規定された空間に存在する物体の状態と時間に関する情報を、固有識別子を用いて識別するフォーマットを用いて、前記自律移動体の配送位置を決定する制御手段と、
前記空間に存在する物体の状態に関する空間状態情報を取得する空間状態情報取得手段と、を有し、
前記制御手段は、前記空間状態情報取得手段により取得された前記空間状態情報と所定の要件に基づき、複数の配送位置候補の中から、所定の配送位置を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、自律移動体による配送時間の遅延を抑制可能な自律移動体制御装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例に係る配送システムの全体構成の例を示す図である。
【
図2】
図1におけるユーザインターフェース21の構成例を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図1における配送システム制御装置等の内部構成例を示す機能ブロック図である。
【
図4】実施例に係る自律移動体12の構成例を示す斜視図である。
【
図5】(A)、(B)は実施例に係る自立移動体が利用する3次元マップを説明するための図である。
【
図6】(A)は地球の緯度/経度情報を示す図であり、
図6(B)は
図6(A)の所定の空間100を示す斜視図である。
【
図7】空間100内の空間情報を模式的に示した図である。
【
図8】(A)、(B)は実施例に係る配送先の例を示す図である。
【
図9】実施例に係る荷物配送時のシステム全体の流れを示すフローチャートである。
【
図11】実施例に係る荷物配送時の自律移動体制御装置側の動作を抜き出したフローチャートある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を、実施例を用いて説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各図において、同一の部材または要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
【0011】
図1は、本発明の実施例に係る配送システムの全体構成の例を示す図である。本実施例に係る配送システムでは、荷物を配送する外部の配送者(配送業者)30から受け付けた荷物を、自律移動体12によって所定の配送先(配送位置)15まで、安定的に配送をするために、配送システム制御装置10を有する。
【0012】
配送システム制御装置10は、変換情報保持装置13と共に、配送システム全体を管理する情報処理装置として機能している。又、配送システム制御装置10は、集合住宅の外部の配送者(配送業者)30からの荷物情報の受信、荷物の配送状況の管理、各住人の配送希望箇所の管理、などを行う。
【0013】
受付所14は、集合住宅の管理人または受付装置が、外部の配送者30から集合住宅に届いた荷物を受け取る場所である。
図1では受付所14が集合住宅外部の建物のように描かれているが、集合住宅の建物内の部屋やスペース等であっても良い。
【0014】
受付所14には不図示の端末装置があり、予め配送システム制御装置10から、届けられる予定の荷物の種類等を示す荷物情報を受信している。そして実際に荷物が届いた際に、荷物につけられている例えばQRコード(登録商標)等を読み取ることで、両者の照合を行い、集合住宅に荷物が到着したことを配送システム制御装置10に送信する。
【0015】
尚、荷物を受け取るのは前述のように集合住宅の管理人が行っても良いし、ロボットや専用の受付装置で受け取り、照合や通知を全自動で実施するようにしても良い。
【0016】
自律移動体待機所16は、後述する荷物配送用の自律移動体12が待機する場所である。受付所14と同様に、
図1では自律移動体待機所16が集合住宅外部の建物のように描かれているが、集合住宅の建物内の部屋やスペース等であっても良い。又、
図1では受付所14と自律移動体待機所16が別々に描かれているが、同一の場所であっても構わない。
【0017】
ここでは、後述する自律移動体制御装置11の指示に基づき、受付所14で配送業者から受け取った荷物を、後述する自律移動体12に搭載させる作業が管理人またはロボット等を用いて自動で行われる。
【0018】
自律移動体12に荷物の搭載が完了したのち、自律移動体12は、自律移動体制御装置11の指示に基づき、荷物を集合住宅内の住居の住人が指定した配送位置まで配送する。又、荷物の配送が完了したら、自律移動体12は、自律移動体制御装置11の指示に基づき、自律移動体待機所16へ帰還する。
【0019】
なお、自律移動体12は、自律移動体12が自律移動体待機所16に帰還した旨の情報を自律移動体制御装置11に通知する。
【0020】
変換情報保持装置13は、特定空間の位置と状態の情報(空間状態情報)を所定のフォーマットで保持する機保持手段として機能している。変換情報保持装置13は、配送システム制御装置10が配送先15の情報を入手する際の問い合わせ先として機能し、自律移動体制御装置11が配送先15までの配送経路を決定し自律移動体12に伝達するための情報等を提供する。
【0021】
自律移動体制御装置11は、後述する自律移動体12の動作を制御する装置である。自律移動体制御装置11は、配送システム制御装置10から荷物情報を取得し、変換情報保持装置13から配送先15の情報を取得する。
【0022】
自律移動体制御装置11は、これらの取得した情報に基づいて、自律移動体12が配送位置まで荷物を配送するための経路情報を生成する。そして、自律移動体制御装置11は、生成した経路情報を自律移動体12に対して通知すると共に自律移動体12に対して動作指示を行う。集合住宅の規模や住人の需要が大きい場合には、自律移動体制御装置11は、複数台の自律移動体12を同時に制御可能に構成される。
【0023】
更に、自律移動体制御装置11は、自律移動体待機所16で待機している自律移動体12に対して、受付所14に向かわせるよう指示する機能も有する。そして、受付所14で受け取った荷物とともに、自律移動体12を配送先15に向かわせる機能も有する。
【0024】
自律移動体制御装置11は、配送システム制御装置10が受取人20から配送先の詳細な位置指定などのリクエストを受け取った場合には、そのリクエストに対応可能な自律移動体12を選択する。更に、自律移動体制御装置11は、自律移動体12が移動する経路を生成して、自律移動体12により、リクエストされた配送先15まで荷物を配送させる。
【0025】
尚、
図1では配送システム制御装置10と自律移動体制御装置11を別のものとして定義しているが、夫々の役割を有する同一の装置として構成しても良い。
【0026】
自律移動体12は、荷物を配送先15である集合住宅内の住人の住居まで送るための手段であり、例えば小型のロボットやドローンである。自律移動体12は、自律移動体制御装置11の制御に基づき、人間による操作を必要とすることなく、移動可能なものである。
【0027】
配送システム制御装置10は、自律移動体制御装置11、自律移動体12、受取人が操作するユーザインターフェース21、変換情報保持装置13、外部の配送者30に対してネットワークを通じて通信する。なお、配送システム制御装置10は、自律移動体制御装置11を介して自律移動体12と通信可能なように構成してもよい。
【0028】
尚、受取人20はユーザインターフェース21のGUIによって、具体的な居住空間の情報を見ながら、配送先を指定することができる。尚、上記の構成間の情報の送受信は、インターネットもしくはLAN(Local Area Network)等の他のネットワークシステムを介してなされる。
【0029】
次に、
図1における各装置の構成と機能に関して
図2を用いて詳細に説明する。
図2は、
図1におけるユーザインターフェース21の構成例を示す機能ブロック図であり、
図3は、
図1における配送システム制御装置等の内部構成例を示す機能ブロック図である。
【0030】
尚、
図2、
図3に示される機能ブロックの一部は、各装置の制御部等に含まれる不図示のコンピュータとしてのCPU等に、不図示の記憶媒体としてのメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行させることによって実現されている。
【0031】
しかし、それらの一部又は全部をハードウェアで実現するようにしても構わない。ハードウェアとしては、専用回路(ASIC)やプロセッサ(リコンフィギュラブルプロセッサ、DSP)などを用いることができる。又、
図2、
図3に示される夫々の機能ブロックは、同じ筐体に内蔵されていなくても良く、互いに信号路を介して接続された別々の装置により構成しても良い。
【0032】
図2における外部の配送者30とユーザインターフェース21は、ネットワーク等を介して夫々
図3に示される配送システム制御装置10と接続されている。又、外部の配送者30は、不図示のコンピュータとしてのCPUと記憶媒体としてのメモリを備えた端末装置を有する。
【0033】
又、ユーザインターフェース21は、受取人20によって利用される端末装置であり、操作部21-1、制御部21-2、表示部21-3、情報記憶部(メモリ/HDD)21-4、ネットワーク接続部21-5を備えている。
【0034】
操作部21-1は、タッチパネルやキーボタンなどで構成されており、データの入力のために用いられる。表示部21-3は例えば液晶画面などであり、データの表示のために用いられる。
【0035】
受取人20は表示部21-3に表示されたGUIメニューを介してサービスの選択、情報の入力、情報の確認を行うことができる。即ち、操作部21-1及び表示部21-3は、受取人20が実際に操作をするためのユーザインターフェースを提供している。
【0036】
制御部21-2にはコンピュータとしてのCPUが内蔵されており、記憶媒体としての情報記憶部(メモリ/HDD)21-4に記憶されたコンピュータプログラムに基づきユーザインターフェース21の各部の動作を制御する。
【0037】
即ち、制御部21-2は、操作部21-1、表示部21-3、情報記憶部(メモリ/HDD)21-4、ネットワーク接続部21-5等における処理を制御する。情報記憶部(メモリ/HDD)21-4は、必要な情報を保有しておくためのデータベースである。ネットワーク接続部21-5は、インターネットやLAN、無線LANなどを介して行われる通信を制御する。
【0038】
尚、ユーザインターフェース21は例えばスマートフォンのような端末であり、表示部21-3にユーザが必要とする情報を表示するとともに、操作部21-1からユーザである受取人20による操作を受け付けられるように構成されている。
【0039】
本実施例におけるユーザインターフェース21は、表示部21-3のブラウザ画面に例えば間取りと配送先の複数の候補を表示し、ユーザによる配送位置やその他の配送にかかわる選択的な入力を受け付けことができる。尚、ユーザインターフェース21は、配送システム制御装置10自身がその機能を兼ねていても良い。
【0040】
配送システム制御装置10は、
図3に示すように、固有識別子管理部10-1、制御部10-2、位置/経路情報管理部10-3、情報記憶部(メモリ/HDD)10-4、取得部10-5、受付部10-6、出力部10-7を有する。更に又、配送システム制御装置10は、ネットワーク接続部10-8、RTC10-9を備える。尚、ここでRTCはリアルタイムクロックの略である。
【0041】
位置/経路情報管理部10-3は、地形情報と緯度/経度情報の整合性を有する簡易的な地図情報を保持するとともに、ネットワーク接続部10-8を通して取得した所定の位置情報及び、所定の位置までの経路情報を管理する。
【0042】
また位置/経路情報管理部10-3は、前記位置経路情報を所定の間隔で区切るとともに、区切った場所の緯度/経度といった位置情報を生成する。固有識別子管理部10-1は、後述する変換情報保持装置13によって位置情報及び経路情報が固有識別子に変換された情報を管理する。
【0043】
制御部10-2には、コンピュータとしてのCPUが内蔵されており、記憶媒体としての情報記憶部(メモリ/HDD)10-4に記憶されたコンピュータプログラムに基づき配送システム制御装置10の各部の動作を制御する。
【0044】
即ち、制御部10-2は、位置情報、経路情報、固有識別子等の通信機能の制御を司り、固有識別子管理部10-1、位置/経路情報管理部10-3、情報記憶部(メモリ/HDD)10-4、ネットワーク接続部10-8等を制御する。
【0045】
又、制御部10-2は、ユーザインターフェース21にWEBページを提供するとともに、WEBページから取得した所定の位置情報を自律移動体制御装置11に送信する。更に又、制御部10-2は、自律移動体制御装置11から所定の配送経路情報を取得し、経路情報の各位置情報を変換情報保持装置13に送信する。
【0046】
そして、制御部10-2は、変換情報保持装置13から取得した固有識別子に変換された経路情報を、自律移動体制御装置11を通して、或いは直接自律移動体12に送信する。又、制御部10-2は現在時刻をRTC10-9より取得する。
【0047】
以上のように、配送システム制御装置10は、受取人20が指定する配送位置情報の取得し、その配送位置情報を自律移動体制御装置11に送信する。そして、自律移動体制御装置11によって生成された配送位置までの経路情報を取得し、当該経路情報を変換情報保持装置13に送信する。
【0048】
そして、変換情報保持装置13によって配送位置までの経路が固有識別子によって表現された経路情報を取得して、取得した固有識別子によって表現された経路情報を自律移動体制御装置11に送信する。
【0049】
図3に示すように、自律移動体制御装置11は、敷地情報管理部11-1、制御部11-2、位置/経路情報管理部11-3、情報記憶部(メモリ/HDD)11-4、ネットワーク接続部11-5、固有識別子管理部11-6を備える。
【0050】
敷地情報管理部11-1は、自律移動体の配送範囲にある構内の地図と間取り情報を保有している。具体的には、自律移動体の配送範囲内に存在する集合住宅の部屋の配置、各部屋の間取りの情報を記憶している。尚、上記の地図及び間取り情報は、地形や緯度/経度/高度、建物の間取りといった情報を含む3次元の地図情報である。
【0051】
また、敷地情報管理部11-1は、受取人に指定された所定の位置及び間取り情報に基づいて地図上のルートを示す経路情報を探索する。具体的には、上述の集合住宅の住人である荷物の受取人によって指定された所定の位置の情報と、記憶している受取人の部屋の間取りの情報と、に基づいて、自律移動体の現在位置から当該所定の位置までの経路を探索する。
【0052】
そして敷地情報管理部11-1は、その探索結果に基づき、経路情報を生成すると共に、探索結果の経路情報を位置/経路情報管理部11-3に送信する。
【0053】
制御部11-2は、コンピュータとしてのCPUと、コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体としてのメモリを内蔵し、自律移動体制御装置11内の各部における処理を制御する。
【0054】
位置/経路情報管理部11-3は、ネットワーク接続部11-5を介して取得した自律移動体12の位置情報を管理するとともに、敷地情報管理部11-1に前記位置情報を送信し、敷地情報管理部11-1から取得した探索結果としての経路情報を管理する。
【0055】
制御部11-2は、外部システムの要求に従って、位置/経路情報管理部11-3で管理されている前記経路情報を所定のデータ形式に変換するとともに、外部システムに送信する。このように、本実施例の自律移動体制御装置11は、ユーザに指定された配送位置情報に基づいて経路を探索し、経路情報を所定のデータ形式で出力できるように構成されている。
【0056】
図3において、変換情報保持装置13は、位置/経路情報管理部13-1、固有識別子管理部13-2、制御部13-3、フォーマットデータベース13-4、情報記憶部(メモリ/HDD)13-5を有する。更に又、変換情報保持装置13は、ネットワーク接続部13-6、RTC(リアルタイムクロック)13-7を備える。
【0057】
位置/経路情報管理部13-1は、ネットワーク接続部13-6を通して取得した所定の位置情報を管理するとともに、制御部13-3の要求に従って前記位置情報を制御部13-3に送信する。
【0058】
制御部13-3は、コンピュータとしてのCPUと、コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体としてのメモリを内蔵し、変換情報保持装置13における固有識別子変換機能の制御を司り、変換情報保持装置13内の各部における処理を制御する。
【0059】
制御部13-3は、位置/経路情報管理部13-1から取得した位置情報と、フォーマットデータベース13-4で管理されているフォーマットの情報に基づいて、位置情報を固有識別子に変換し、固有識別子管理部13-2に送信する。
【0060】
上記のフォーマットは、所定の位置を起点とした空間に識別子(以下、固有識別子)を割り振り、固有識別子に関連付けて空間を管理するものであり、所定の位置情報を基に、該当する固有識別子や空間内の情報を取得することができる。
【0061】
言い換えると、上記のフォーマットは、自律移動体の配送範囲である3次元空間を、所定の基準で分割した分割空間のそれぞれに、固有の識別子を割り振って(関連付けて)管理するものである。また、この分割空間には、分割空間内に存在する物体等の空間情報が含まれている。
【0062】
本実施例では、このようなフォーマットで3次元空間が管理されていることにより、例えば受取人20によって指定された配送位置及び配送位置までの経路は、その配送位置及び経路上の位置に対応する分割空間に対応付けられた固有識別子によって特定される。
【0063】
このように特定された固有識別子を自律移動体制御装置11に送信することで、自律移動体制御装置11は、自律移動体12を経路に沿って配送位置まで自律移動させることが可能となる。また、分割空間のそれぞれに含まれる空間情報に基づいて、自律移動体制御装置11は、現在時刻において最適な経路を探索することが可能となる。
【0064】
即ち、本実施例の自律移動体制御装置11は、3次元空間の位置を表す任意の基準系で規定された空間に存在する物体の状態と時間に関する情報を、固有識別子を用いて識別するフォーマットを用いて、自律移動体12の配送位置を決定している。
【0065】
固有識別子管理部13-2は、制御部13-3にて変換した固有識別子を管理するとともにネットワーク接続部13-6を通じて外部に送信する。
【0066】
フォーマットデータベース13-4は、前記フォーマットの情報を管理するとともに、制御部13-3の要求に従って、前記フォーマットの情報を制御部13-3に送信する。又、ネットワーク接続部13-6を通じて取得した前記空間内の情報を、フォーマットを用いて管理する。
【0067】
変換情報保持装置13は、自身に接続された外部の機器、装置、ネットワークにより取得された前記空間に関する情報を、前記固有識別子と紐づけて管理する。そして自身に接続された外部の機器、装置、ネットワークに対して前記固有識別子及びそれに紐づく前記空間に関する情報を提供する。又、制御部13-3は現在時刻をRTC13-7より取得することが可能となっている。
【0068】
以上のように、変換情報保持装置13には、3次元空間の位置を表す任意の基準系で規定された空間に存在する物体の状態と時間に関する情報が格納されている。又、変換情報保持装置13は、所定の位置情報を基に、固有識別子や空間内の情報を収集し、その情報を自身に接続された外部の機器、装置、ネットワークが共有できる状態に管理、提供する機能を有する。
【0069】
自律移動体12は、
図3に示すように、検出部12-1、制御部12-2、方向制御部12-3、情報記憶部(メモリ/HDD)12-4、ネットワーク接続部12-5、駆動部12-6を備える。
【0070】
検出部12-1は、自律移動体12の周囲に存在する物体を検出することで自律移動体の周辺の空間状態を検出する検出手段として機能している。検出部12-1は、例えば撮像素子のような撮像手段と、例えば視差を有する複数の撮像素子を用いた測距機能を有する。
【0071】
そして、撮像手段と前記測距機能を使って、周辺の地形・建物の壁などの障害物に関する検出情報(以下、検出情報)を取得する。更に又、検出部12-1は、検出情報から自己位置を推定する自己位置推定機能を有する。
【0072】
尚、前述の測距機能及び自己位置推定機能は、自律移動体12に設置されたLiDAR(Light Detection And Ranging)を用いた測距や、測距した物体の点群情報を基にした自己位置推定機能を併用しても良い。或いは、夫々片方の使用で実現しても良い。
【0073】
また検出部12-1は、GPS(Global Positioning System)などの自己位置検出機能と、例えば地磁気センサーなどの方向検出機能も有する。方向検出機能としては、IMU(Inertial Measurement Unit)などの慣性計測装置を用いて角速度を測定し、回転量を算出して方向を検出するようにしても良い。
【0074】
又、前記IMUは加速度の測定結果から算出した移動量を活用することで、回転量と合わせて自己位置推定を行うことも可能である。検出部12-1が取得した検出情報と自己位置推定情報と方向検出情報を基に、制御部12-2はサイバー空間に3次元マップを作成することができる。
【0075】
サイバー空間の3次元マップは、現実世界の地物位置と等価な空間情報をデジタルデータとして表現可能なものである。このサイバー空間の3次元マップ内には、現実世界に存在する自律移動体12や、その周辺の地物情報が、デジタルデータとして空間的に等価な情報として保持されている。従って自律移動体12は、このデジタルデータを基に効率的な移動が可能である。
【0076】
又、自律移動体12は、例えば情報記憶部(メモリ/HDD)12-4に、機械学習などを行った学習結果データを保有しており、撮影画像から物体検出することができる。前記検出情報に関しては、ネットワーク接続部12-5を経由して、外部のシステムから取得して、3次元マップに反映することもできる。
【0077】
制御部12-2は、コンピュータとしてのCPUと、コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体としてのメモリを内蔵する。又、制御部12-2は、自律移動体12の移動、方向転換、自律走行機能の制御を司り、検出部12-1、方向制御部12-3、情報記憶部(メモリ/HDD)12-4、ネットワーク接続部12-5、駆動部12-6等を制御する。
【0078】
方向制御部12-3は、複数ある駆動部12-6の出力を変更することで、自律移動体12を傾ける方向、移動方向、速度等の変更を行う。駆動部12-6は、モータなどの駆動装置からなり、自律移動体12の推進力を発生させる。
【0079】
自律移動体12は前記3次元マップ内に前記自己位置及び検出情報、物体検出情報を反映し、周辺の地形・建物・障害物・物体から一定の間隔を保った経路を生成し、自律走行を行うことができる。即ち、自律移動体12は検出手段としての検出部12-1による検出出力に基づき制御手段によって決定された配送位置又は配送経路を移動中に自身で修正することができる。
【0080】
次に本実施例における自律移動体12の本体構成について
図4を用いて説明する。
図4は、実施例に係る自律移動体12の構成例を示す斜視図である。尚、本実施例においては、プロペラを有する無人航空機(ドローン)として説明するがこの限りではなく、自律移動体12は車輪を有する走行体であっても良く、自律的に移動可能なものであればどのような形態であっても良い。
【0081】
図4において、自律移動体12には、
図3で説明したように、検出部12-1、制御部12-2、方向制御部12-3、情報記憶部(メモリ/HDD)12-4、ネットワーク接続部12-5、駆動部12-6が設けられている。駆動部12-6はプロペラを含み、自律移動体12に少なくとも2つ以上の駆動部12-6が設けられている。
【0082】
そして、方向制御部12-3は、前述のように、複数ある駆動部12-6の出力変更や、軸の回転駆動による駆動部12-6の方向変更により、自律移動体12の移動方向を変更する。更に、駆動部12-6は、プロペラの回転軸の回転により自律移動体12の前進、後退等を行う。尚、
図4を用いて説明した構成は1例であって、これに限定するものではなく、同等の効果を実行できる構造であれば良い。
【0083】
以上のように、自律移動体12は、例えばSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)技術を搭載した移動体である。又、自律移動体12は、検出部12-1により検出した検出情報や、インターネットを介して取得した外部サーバー等の外部システムの検出情報を基に、指定された所定の経路を自律移動できるように構成されている。
【0084】
自律移動体12は細かく指定された地点をトレースするようなトレース移動も可能であるし、大まかに設定された地点を通過しながらその間の空間においては自身で経路情報を生成し、移動することも可能である。
【0085】
更に、自律移動体12は、検出部12-1で配送物に貼付された伝票情報を読み取り、ネットワーク接続部を通して自律移動体制御装置11に配送物を識別するための個体情報を送り、荷物の認証及び配送位置を問い合わせる機能を有する。個体情報は、配送物(荷物)を識別できればよく、固有の配送番号であってもよいし、住所や以下に示す固有識別子との組み合わせであってもよい。
【0086】
自律移動体12は、配送物の伝票情報として印刷される固有識別子の表示形態に応じて、固有識別子を検出する。例えば、固有識別子がバーコードもしくはQRコード(登録商標)で示される場合、それらが検出できる1Dスキャナや撮像素子による画像認識を行う。
【0087】
尚、これらは、前述した情報記憶部12-4にて機械学習などを行った学習結果データを利用して、撮像画像などから検出することができる。ここで、伝票情報として印刷される固有識別子は、受取人20が指定した配送位置に対応する分割空間を示す固有識別子を含むものである。
【0088】
以上の構成により、本実施例において自律移動体12は、配送物の認証を配送システム制御装置10に問合せしつつ、認証結果に基づいて配送システム制御装置10により提供された前記固有識別子を用いた経路情報を基に、自律移動を行う。
【0089】
次に、
図5(A)、(B)を参照して本実施例で用いるサイバー空間の3次元マップについて詳細に説明する。
図5(A)、(B)は実施例に係る自立移動体が利用する3次元マップを説明するための図であり、
図5(A)は、現実世界における自律移動体12とその周辺の地物情報として存在する柱99の空間的位置関係を示した図である。
【0090】
自律移動体12の位置は、自律移動体12のGPS(不図示)等によって取得された緯度経度の位置情報から自律移動体12内の位置α0の同一位置として特定される。又、自律移動体12の方位は、電子コンパス(不図示)等によって取得された方位αYと自律移動体12の移動方向12Yの差分によって特定される。
【0091】
又、例えば柱99の位置は、予め測定された位置情報から頂点99-1の位置として特定される。また自律移動体12の測距機能によって、自律移動体12のα0から頂点99-1までの距離を取得することが可能である。
【0092】
図5(A)において、自律移動体12の移動方向12Y方向をXYZ座標系のY軸とし、α0を原点とした場合に、頂点99-1の座標を(Wx,Wy,Wz)として示すことができる。サイバー空間の3次元マップでは、この様に取得された情報がデジタルデータとして管理され、
図5(B)のような空間情報として再構成可能である。
【0093】
図5(B)は自律移動体12と柱99を、任意のP0を原点とするXYZ座標系空間にマッピングした状態を示している。即ち、P0を現実世界の所定の緯度経度に設定し、現実世界の方位北をY軸方向に取ることで、この任意のXYZ座標系空間において、自律移動体12をP1とし、柱99をP2として夫々表現することができる。
【0094】
具体的には、α0の緯度経度とP0の緯度経度から、この空間におけるα0の位置をP1として、又、同様に柱99の位置をP2として管理することができる。尚、本実施例では自律移動体12のGPS等によって取得した緯度経度情報を用いて位置を特定しているが、それに限らず、自律移動体12の周辺環境をカメラやLiDARなどの検出部12-1でセンシングして、位置を特定しても良い。
【0095】
尚、3次元マップ内の座標系の方向は、電位コンパス等によって取得した方位から特定しても良いし、自律移動体12の周辺環境をカメラやLiDARなどの検出部12-1でセンシングし、周辺環境の面や線の形状情報などから方向を特定しても良い。
【0096】
例えば、自律移動体12の周囲にある壁面98をカメラでセンシングし壁面を認識する。認識した壁面に沿った方向をY軸方向にとることで、この任意のXYZ座標系空間を特定することが可能になる。更に、
図5の例では、自律移動体12と柱99をサイバー空間の3次元マップで表現しているが、無論、対象物が複数あっても同様に扱うことが可能である。
【0097】
以上のように、3次元空間に現実世界の自己位置や物体をマッピングしたものが本実施例における3次元マップである。
【0098】
図4に戻って、自律移動体12の制御部12-2は、例えば情報記憶部12-4に機械学習などを行った学習結果データを保有することで、検出部12-1で取得した撮影画像から物体検出をすることができる。
【0099】
更に、制御部12-2は、ネットワーク接続部12-5を経由して外部のシステムから前記検出情報を取得して、3次元マップに反映することもできる。加えて、制御部12-2は、取得した周囲の物体情報と作成した3次元マップから、指定された配送先15まで周囲の物体と衝突することなく航行し荷物を置くことが可能かの判断までを行う。
【0100】
尚、前述した前記自律移動体制御装置11で行う経路生成は、主に事前に取得している集合住宅内の3次元情報をもとに大まかに経路を生成する。それに対し、自律移動体12が行う自律航行の経路生成は、自律移動体12自身と周辺障害物との位置関係をより正確に検出し、それらに接触しないように移動するために詳細な経路を生成する。
【0101】
ここで、変換情報保持装置13内で管理されている3次元空間の管理フォーマットに関して、
図6(A)、(B)、
図7を用いて詳細に説明する。
図6(A)は地球の緯度/経度情報を示す図であり、
図6(B)は
図6(A)の所定の空間100を示す斜視図である。又、
図6(B)において所定の空間100の中心を中心101とする。
図7は空間100内の空間情報を模式的に示した図である。
【0102】
図6(A)、
図6(B)に示すように、フォーマットデータベース13-4が管理するフォーマットは、地球の空間を緯度/経度/高さを起点とした範囲によって決定される3次元の空間に分割し、各空間に固有識別子を紐づけて管理可能としたものである。
【0103】
例えばここでは所定の3次元の空間として空間100を表示する。空間100は、例えば北緯20度、東経140度、高さHを中心101に規定され、緯度方向の幅をD、経度方向の幅をW、高さ方向の幅をTと規定された分割空間である。又、地球の空間を前記緯度/経度/高さを起点とした範囲によって決定される空間に分割した1つの空間である。
【0104】
図6(A)においては便宜上、空間100のみを表示しているが、フォーマットの規定においては前述のとおり空間100と同じように規定された空間が緯度/経度/高さ方向に並んで配置されているものとする。
【0105】
そして配置された各分割空間は夫々緯度/経度によって水平位置を定義されているとともに、高さ方向にも重なりを持ち、高さによって高さ方向の位置を定義されているものとする。
【0106】
尚、
図6(B)において前記緯度/経度/高さの起点として、前記分割空間の中心101を設定しているが、これに限定されるものではなく、例えば空間の角部や、底面の中心を前記起点としても良い。又、形状も略直方体であればよく、地球のような球体表面上に敷き詰める場合を考えた時は、直方体の底面よりも天面のほうをわずかに広く設定したほうが、より隙間なく配置できる。
【0107】
図7において前記空間100を例にすると、変換情報保持装置13には空間100の範囲に存在又は進入可能な物体の種別と時間制限に関する情報(空間情報)が夫々固有識別子と関連付けてフォーマット化されて保存されている。又、フォーマット化された空間情報は、過去から未来といった時系列に保管されている。
【0108】
即ち、変換情報保持装置13は、緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在又は進入可能な物体の種別に関する空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマット化し保存している。但し、本実施例における3次元空間は、緯度/経度/高さで規定されるものに限定されず、任意の基準系(座標系)で規定されたものであっても良い。
【0109】
又、前記空間情報は、例えば集合住宅の監視カメラなどの変換情報保持装置13に通信可能に接続された外部システムなどにより入力された情報に基づき周期的に或いはイベント発生時に更新可能である。即ち、空間状態情報は、例えば自律移動体自身に搭載されたカメラ等の撮像装置やRiDAR等の測定装置またはネットワークを介して外部サーバー等から取得することができる。
【0110】
又、自律移動体の移動経路に設けられた撮像装置やRiDAR等の測定装置から空間状態情報を取得しても良い。又、空間状態情報は、変換情報保持装置13に通信可能に接続された他の外部システムと情報共有される。
【0111】
以上のように、本実施形態では、緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在又は進入可能な物体の種別と時間制限に関する情報(以下、空間情報)を固有識別子と関連付けてフォーマット化してデータベースに保存している。そしてフォーマット化された空間情報によって時空間を管理可能としている。
【0112】
そのため、自律移動体制御装置11が配送先15やその間の経路空間の最新の状況を確認することができる。尚、自律移動体12の経路生成に利用するフォーマット化され管理された時空間は、全世界共通のものでも集合住宅固有のものでも良い。
【0113】
全世界共通のものを利用すれば集合住宅側の管理コストを減らすことが出来るというメリットがあり、集合住宅固有のものを利用すれば集合住宅内のプライバシーが担保出来るというメリットがある。
【0114】
図8(A)、(B)は実施例に係る配送先の例を示す図である。配送先15は、例えば、
図8の点線のエリアで示されるような、住居の入り口のドアの前(
図8(A))やベランダ(バルコニー)(
図8(B))などを指定可能である。
【0115】
この配送先15は、ユーザインターフェース21を用いて住人である受取人によって位置が指定され、前記変換情報保持装置13内の空間情報の固有識別子として管理される。配送先15を複数設定することで、自律移動体制御装置11が天候、経路の混雑度、配送先15の状況等に基づき、最適な配送経路と配送場所を決定することが出来る。
【0116】
尚、本実施例では、これらの複数の配送先15は、住人である受取人が配送の優先順位を付けて設定することが出来るようになっている。即ち、複数の配送先候補は、前記荷物の宛先の受取人によって設定可能である。それにより、出来るだけ住人の希望通りの場所に荷物を配送することが出来るという効果がある。
【0117】
尚、配送先15は、住人である受取人が、全ての荷物に対して一律に同じ場所と優先順位を設定することができる。即ち、複数の配送先候補は、荷物の宛先の受取人によって優先順位を付けて設定可能である。尚、荷物の宛先の受取人によって優先順位を荷物ごとに個別に設定出来るようにしても良い。
【0118】
次に、本実施形態に係る集合住宅内配送システムの荷物配送の流れ、即ち、荷物を配送する自律移動体を制御するための自律移動体制御方法について説明する。
図9は、実施例に係る荷物配送時のシステム全体の流れを示すフローチャート、
図10は
図9の続きのフローチャート、
図11は、実施例に係る荷物配送時の自律移動体制御装置側の動作を抜き出したフローチャートである。
【0119】
尚、各装置の制御部内のコンピュータとしてのCPUがメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって
図9~
図11のシーケンスにおける各ステップの動作が順次行われる。
【0120】
先ず、ステップS091において、CPUにより、誰宛てにどんな荷物が送られてくるのかという荷物情報を、配送システム制御装置10が配送業者から受信する。尚、配送システム制御装置10は、届いた荷物を照合するための情報として、荷物情報を予め受付所14に送付しているものとする。
【0121】
ステップS092において、CPUにより、配送システム制御装置10は、受信した荷物情報の宛先に基づき、配送システム制御装置10に予め登録されている宛先の住人の配送希望箇所である配送先15を照合する。
【0122】
この配送先15は前述したように住人が優先順位付きで予め登録したものであり、複数の配送先のエリアが別々の固有識別子と紐づいている。従って、ステップS092では、照合された配送先のエリアの固有識別子と荷物情報が、配送システム制御装置10から自律移動体制御装置11に送信される。
【0123】
一方、自律移動体制御装置11側のステップS111では、CPUにより、自律移動体制御装置11は、ステップS092により送信された、荷物情報と、配送希望箇所の情報(配送先のエリアの固有識別子)を配送システム制御装置から受信する。
【0124】
ステップS093において、荷物が集合住宅に到着すると、受付所14で集合住宅管理人または受付装置が荷物を照合した上で配送業者から荷物を受け取り、荷物が集合住宅に届いたことを受付所14からCPUにより、配送システム制御装置10に連絡する。
【0125】
尚、このフローでは集合住宅に荷物が届く前に、予め配送業者から荷物情報を受信できる前提になっている。しかし、荷物の到着と荷物情報の受信が同時であっても良いし、届いた荷物を受付所14で確認し配送システム制御装置10に荷物情報として登録するようにしても良い。届いた荷物は自律移動体待機所16に送られる。
【0126】
次にステップS094及びステップS112において、CPUにより、自律移動体制御装置11は受信した配送先15の情報を変換情報保持装置13に照合する。そして、CPUは、自律移動体待機所16から配送先15までの、現在の空間の状態情報を変換情報保持装置13から取得する。
【0127】
現在の空間の状態情報(空間状態情報)とは、具体的には、天候情報、集合住宅内の工事状況などを含めた配送経路の障害物の情報、配送経路の人の混雑度の情報、既に置かれている別の荷物も含めた配送先15の障害物の情報等である。
【0128】
尚、ステップS094及びステップS112は、空間に存在する物体の状態に関する空間状態情報を取得する空間状態情報取得ステップ(空間状態情報取得手段)として機能している。尚、空間状態情報は、配送位置までの経路空間に存在する物体の状態に関する情報を含む。
【0129】
次いでステップS095及びステップS113において、CPUにより、自律移動体制御装置11は、取得した現在の空間の情報と、住人が登録(設定)した優先順位と、荷物情報とに基づき、配送可能な配送先15と配送経路を決定する。尚、ここで、ステップS095及びステップS113は制御ステップ(制御手段)として機能している。
【0130】
又、制御ステップでは、3次元空間の位置を表す任意の基準系で規定された空間に存在する物体の状態と時間に関する情報を、固有識別子を用いて識別するフォーマットを用いて、自律移動体の配送位置を決定している。
【0131】
即ち、住人の設定した優先順位の高い配送先15の順に、自律移動体12が当該荷物を搭載して航行可能な配送経路があるかを、変換情報保持装置13から取得した天候と障害物と混雑度等の空間の情報に基づき判断し、配送先15と配送経路を決定する。
【0132】
又、本実施例の制御ステップ(制御手段)においては、空間状態情報取得ステップにより取得された空間状態情報と所定の要件に基づき、複数の配送位置候補の中から、所定の配送位置を決定している。
【0133】
具体的には、例えば、以下のような複数の要件の少なくとも1つを満たすようにして配送先15と配送経路を選択する。
【0134】
例えば、自律移動体12と荷物が雨や雪等の天候の影響を受けることがない、配送中に障害物と接触する危険が少ない、配送中に通行人の真上を航行する必要が無い、荷物を配置可能である等のいずれかの要件を満たすようにする。或いは過去の配送履歴(配送位置毎の配送成功実績が有るか、配送成功率等)の要件を満たすようにしても良い。
【0135】
即ち、上記要件は、荷物の受取人が設定した優先順位情報、天候情報、配送位置候補の周辺の障害物情報、配送経路における障害物又は通行人の混雑度の情報、過去にその配送先移動候補に配送が出来たかどうかの配送履歴情報、の少なくとも1つを含む。
【0136】
本実施例では、このように、空間状態情報取得手段により取得された前記空間状態情報に基づき、自律移動体12の出発前に、複数の配送位置候補情報の中から、配送の実現性や安全性が高い配送先15と配送経路を決定することができる。
【0137】
即ち、自律移動体の配送位置(配送先15)を決定する際に、自律移動体の移動経路も決定している。従って、配送中の障害による配送時間の遅延等を抑制できるとともに、集合住宅内配送システムが自律移動体12を効率的に運用できるという効果がある。
【0138】
また、配送システムは、荷物が配送位置付近に到着した後に配送経路と配送位置(配送先)を決定することで、配送中の障害発生の可能性および配送位置の変更を余儀なくされる可能性を大幅に低減できる。
【0139】
なお、本実施形態では集合住宅を一例として説明しているが、ほかにも、例えば、いわゆる一戸建てや一軒家のような住宅、またはオフィスビルや工場のような建物であっても、複数の配送位置が設定されていれば、本システムを適用可能である。
【0140】
更に、配送中の経路変更の可能性も減り、自律移動体12の航行時間も抑制することができ、自律移動体12が航行中に通行人や障害物に接触する、搭載している荷物を落とす、といった事故の可能性を減らせるという安全性向上の効果もある。
【0141】
ステップS096及びステップS114において、CPUは、ステップS095で決定された配送先15と配送経路の情報を、自律移動体制御装置11から自律移動体12に伝達する。
【0142】
ステップS097において、CPUは、荷物が搭載された自律移動体12により、伝達された配送先15に向かって自律移動体待機所16から自律航行を開始させる。この自律航行は、前述したように、伝達された大まかな配送経路に沿いながら、自律移動体12が、検出部12-1を用いて、自身と周辺障害物との位置関係をより正確に検出しつつ、障害物に接触せずに移動するためにより詳細な経路を生成しながら行われる。
【0143】
尚、荷物の自律移動体12への搭載は、自律移動体待機所16で集合住宅の管理人が搭載するようにしても良いし、自律移動体12自身や別の設備によって自動で搭載するようにしても良い。更に、自律移動体12が自律移動体待機所16から出発して、受付所14で荷物を搭載するようにしても良い。
【0144】
ステップS098及びステップS115において、CPUにより、自律移動体12が配送先15まで到達出来たかどうかを判定する。Noと判定された場合にはステップS099に進み、Yesと判定された場合はステップS100に進む。尚、ステップS098における判定は自律移動体12が自律航行するために使用している検出部12-1のカメラ等の情報を元に、制御部12-2によって行われる。
【0145】
ステップS098及びステップS115でNoと判定された場合は、ステップS099及びS116において、CPUにより、配送経路及び配送先15を別の候補に変更する。尚、ステップS098で到達できないと判定されるのは、例えば天候の変化や障害物や経路の混雑度の変化などにより、配送先15までの自律航行が不可能と判断される場合などである。
【0146】
具体的には、自律移動体12が無人航空機である場合、雨や強風などにより自律航行が困難なケースや、予定配送経路に通行人が多く通行人の真上を航行するのは安全性の観点で避けるべきと判断されるケースなどである。
【0147】
ステップS099及びステップS116において、CPUにより自律移動体12は、配送できなかったことを、配送できなかった理由とともに自律移動体制御装置11に連絡する。尚、この時、自律移動体12から自律移動体制御装置11への連絡は、自律移動体12が自律移動体制御装置11の付近まで戻って実施しても良いし、自律航行不可能と判断した場所においてネットワーク接続部12-5によって遠隔で実施しても構わない。
【0148】
ステップS099及びステップS116の処理後に、ステップS094及びステップS112に戻り、CPUにより、自律移動体制御装置11は、再び変換情報保持装置13に照合し、自律移動体待機所16から配送先15までの現在の空間の情報を取得する。
【0149】
又、その情報に基づき、ステップS095及びステップS113で、CPUにより配送先15と配送経路の決定をし、ステップS096及びステップS114でCPUにより自律移動体12へ伝達をする。
【0150】
ステップS100及びS117では、CPUにより、配送先15に到達出来た自律移動体12が、配送先15に荷物を置けるかどうかを判定する。具体的には、自律移動体12の検出部12-1のカメラ等の情報と、予め取得した壁や障害物などの空間に存在する物体に関する情報とを照合し、制御部12-2において判定を行う。
【0151】
ステップS100及びS117で、問題無く荷物が置けると判定した場合には、ステップS101に進み、CPUにより、自律移動体12は、そのまま配送先15に荷物を置く。ステップS100及びS117で、荷物を置けないと判定した場合には、S099及びS116に進み、前述のように、CPUにより、配送先15を別の候補に変更する。
【0152】
ここで、荷物が置けないと判定される場合は、例えば配送先15周辺の障害物の位置変化などの原因で、配送先15に荷物を置くことが不可能と判断される場合などである。
【0153】
ステップS102及びステップS118において、CPUにより、配送先15に荷物を届け終わった自律移動体12が自律移動体待機所16に帰還したことが確認されると、ステップS103及びステップS119に進む。ステップS103及びステップS119では、CPUにより、配送完了情報、即ち、どんな荷物をどんな手段でどこにいつ配送したのか、という情報を自律移動体制御装置11が配送システム制御装置10に連絡する。
【0154】
更にそれに伴って、配送システム制御装置10から配送業者や配送先15の住人(受取人)に配送完了の連絡をするようにしても良い。
【0155】
ステップS104及びステップS120では、CPUにより、配送中取得情報、即ち、配送中に配送経路上で取得した経路上の障害物等の情報を自律移動体制御装置11が自律移動体12から取得し、変換情報保持装置13に連絡する。
【0156】
尚、配送中取得情報は、例えば最新の天候情報や、配送経路の障害物や混雑度等の理由で配送出来なかったという情報や、配送先15の周辺に障害物があって荷物を置くことが出来なかったという情報などの少なくとも1つを含む。
【0157】
このように本実施例では、自律移動体12は自律移動体の周辺の空間状態を検出する検出手段を有し、保持手段は、検出手段により検出された空間状態に基づき、空間状態情報を更新して保持している。
【0158】
それにより、配送経路を決定する際に利用する空間情報をタイムリーに最新のものに更新することができ、自律移動体12が荷物を配送先15に届けられずに再配送をする場合が減り、配送効率を向上することができる。
【0159】
以上、本発明をその好適な実施例に基づいて詳述してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。尚、本発明は、以下の組み合わせを含む。
【0160】
(構成1)荷物を配送する自律移動体を制御するための自律移動体制御装置であって、3次元空間の位置を表す任意の基準系で規定された空間に存在する物体の状態と時間に関する情報を、固有識別子を用いて識別するフォーマットを用いて、前記自律移動体の配送位置を決定する制御手段と、前記空間に存在する物体の状態に関する空間状態情報を取得する空間状態情報取得手段と、を有し、前記制御手段は、前記空間状態情報取得手段により取得された前記空間状態情報と所定の要件に基づき、複数の配送位置候補の中から、所定の配送位置を決定することを特徴とする自律移動体制御装置。
【0161】
(構成2)前記制御手段は、前記自律移動体の配送位置を決定する際に、前記自律移動体の移動経路も決定することを特徴とする構成1に記載の自律移動体制御装置。
【0162】
(構成3)前記複数の配送位置候補は、前記荷物の宛先の受取人によって設定可能であることを特徴とする構成1又は2に記載の自律移動体制御装置。
【0163】
(構成4)前記複数の配送先候補は、前記荷物の宛先の受取人によって優先順位を付けて設定可能であることを特徴とする構成1~3のいずれか1つに記載の自律移動体制御装置。
【0164】
(構成5)前記制御手段は、前記空間状態情報取得手段により取得された前記空間状態情報に基づき、前記自律移動体の出発前に、複数の配送位置候補情報の中から、所定の配送位置を決定することを特徴とする構成1~4のいずれか1つに記載の自律移動体制御装置。
【0165】
(構成6)前記空間状態情報取得手段により取得された前記空間状態情報は、前記配送位置までの経路空間に存在する物体の状態に関する情報を含むことを特徴とする構成1~5のいずれか1つに記載の自律移動体制御装置。
【0166】
(構成7)前記所定の要件は、前記荷物の受取人が設定した優先順位情報、天候情報、前記配送位置候補の周辺の障害物情報、配送経路における障害物又は通行人の混雑度の情報、過去にその配送位置候補に配送が出来たかどうかの配送履歴情報、の少なくとも1つを含むことを特徴とする構成1~6のいずれか1つに記載の自律移動体制御装置。
【0167】
(構成8)前記自律移動体は前記自律移動体の周辺の空間状態を検出する検出手段を有し、前記検出手段による検出出力に基づき前記制御手段によって決定された前記配送位置又は配送経路を修正することを特徴とする構成1~7のいずれか1つに記載の自律移動体制御装置。
【0168】
(構成9)前記空間状態情報を保持する保持手段を有し、
前記自律移動体は前記自律移動体の周辺の空間状態を検出する検出手段を有し、
前記保持手段は、前記検出手段により検出された前記空間状態に基づき、前記空間状態情報を更新して保持することを特徴とする構成1~8のいずれか1つに記載の自律移動体制御装置。
【0169】
(構成10)前記制御手段は、受付所で外部の配送者から受け取った前記荷物を、前記自律移動体により前記配送位置まで配送することを特徴とする構成1~9のいずれか1つに記載の自律移動体制御装置。
【0170】
(構成11)前記制御手段は、集合住宅の受付所で外部の配送者から受け取った前記荷物を、前記自律移動体により前記集合住宅の住人が指定した前記配送位置まで配送することを特徴とする構成1~10のいずれか1つに記載の自律移動体制御装置。
【0171】
(構成12)前記空間状態情報は、撮像装置、測定装置またはネットワークを介して外部サーバーから取得されることを特徴とする構成1~11のいずれか1つに記載の自律移動体制御装置。
【0172】
(構成13)前記制御手段は、前記荷物が配送位置付近に到着した後に、複数の配送位置候補の中から、所定の配送位置を決定することを特徴とする構成1~12のいずれか1つに記載の自立移動体制御装置。
【0173】
(方法)荷物を配送する自律移動体を制御するための自律移動体制御方法であって、3次元空間の位置を表す任意の基準系で規定された空間に存在する物体の状態と時間に関する情報を、固有識別子を用いて識別するフォーマットを用いて、前記自律移動体の配送位置を決定する制御ステップと、前記空間に存在する物体の状態に関する空間状態情報を取得する空間状態情報取得ステップと、を有し、前記制御ステップは、前記空間状態情報取得ステップにより取得された前記空間状態情報と所定の要件に基づき、複数の配送位置候補情報の中から、所定の配送位置を決定することを特徴とする自律移動体制御方法。
【0174】
(プログラム)構成1~13のいずれか1つに記載の自律移動体制御装置の各手段をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
【0175】
尚、上記実施例における制御の一部又は全部を実現するために、上述した実施例の機能を実現するコンピュータプログラムをネットワーク又は各種記憶媒体を介して自律移動体制御装置等に供給するようにしてもよい。そしてその自律移動体制御装置等におけるコンピュータ(又はCPUやMPU等)がそのプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。その場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。
【符号の説明】
【0176】
10:配送システム制御装置
11:自律移動体制御装置
12:自律移動体
13:変換情報保持装置
14:受付所
15:配送先(配送位置)
16:自律移動体待機所
21:ユーザインターフェース