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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177991
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】コンテンツ提供システムなど
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241217BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096453
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100183564
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 伸也
(72)【発明者】
【氏名】牧野 裕征
(72)【発明者】
【氏名】小柴 輝晃
(72)【発明者】
【氏名】内田 優雨
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】移動中の情景や状態を加味したコンテンツをユーザに提供するコンテンツ提供システムなどを提供する。
【解決手段】キーワード15bが対応付けられたコンテンツリスト15aを記憶したコンテンツ記憶部15と、地図を複数のエリアに区画した区画エリア9の地理情報を含む静的特性情報12aを記憶した静的特性記憶部12と、端末17の位置情報を取得する位置情報取得部1と、位置情報1aに対応する区画エリアの静的特性情報および対応する区画エリアに関する投稿されたSNS情報に基くホットワード21aを含む動的特性情報13aに基づいてエリア特性情報14aを決定する決定部29と、エリア特性情報およびキーワードに基づいて、対応するコンテンツリストを選択する選択部2と、選択されたコンテンツリストを端末に提供する提供部4とを備える、コンテンツ提供システム10。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーワードが対応付けられたコンテンツリストを記憶したコンテンツ記憶部と、
地図を複数のエリアに区画した区画エリアの地理情報を含む静的特性情報を記憶した静的特性記憶部と、
端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に対応する前記区画エリアの前記静的特性情報および対応する区画エリアに関する投稿されたSNS情報に基くホットワードを含む動的特性情報に基づいてエリア特性情報を決定する決定部と、
前記エリア特性情報および前記キーワードに基づいて、対応する前記コンテンツリストを選択する選択部と、
選択されたコンテンツリストを前記端末に提供する提供部とを備える、
コンテンツ提供システム。
【請求項2】
前記選択部が、前記端末を保持する移動体の状況を含む移動体情報にさらに基づいている、請求項1記載のコンテンツ提供システム。
【請求項3】
前記端末に表示する地図画面に表示するための、前記コンテンツリストに関連する表示要素を生成する生成部を備えている、請求項1または2記載のコンテンツ提供システム。
【請求項4】
地図を複数のエリアに区画した区画エリアの地理情報を含む静的特性情報と、前記区画エリアに関する投稿されたSNS情報に基くホットワードを含む動的特性情報とに基づいてエリア特性情報が設定されており、
端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に対応する前記エリア特性情報およびコンテンツリストに対応付けられたキーワードに基づいて、前記端末に提供するための対応する前記コンテンツリストを選択する選択部とを備えている、サーバ。
【請求項5】
サーバにより実行されるプログラムであって、
地図を複数のエリアに区画した区画エリアの地理情報を含む静的特性情報と、前記区画エリアに関する投稿されたSNS情報に基くホットワードを含む動的特性情報とに基づいてエリア特性情報が設定されており、
端末の位置情報を取得し、
前記位置情報に対応する前記エリア特性情報およびコンテンツリストに対応付けられたキーワードに基づいて、前記端末に提供するための対応する前記コンテンツリストを選択する選択部する、プログラム。
【請求項6】
コンピュータにより実行されるコンテンツ選択方法であって、
地図を複数のエリアに区画した区画エリアの地理情報を含む静的特性情報が予め設定されており、
ユーザの位置情報に対応する区画エリアの前記静的特性情報および前記位置情報に対応する前記区画エリアに関する投稿されたSNS情報に基くホットワードを含む動的特性情報に基づいてエリア特性情報を決定し、
前記エリア特性情報および前記コンテンツリストに対応付けられたキーワードに基づいて、前記端末に提供するための対応するコンテンツリストを選択する、コンテンツ決定方法。
【請求項7】
複数のエリアに区画されており、
前記区画エリアに関連するコンテンツリストが設定されており、
端末に表示される地図画面の前記区画エリアに表示するための、前記コンテンツリストに関連する表示要素を生成する生成部を備えている、サーバ。
【請求項8】
前記表示要素が前記地図画面に表示される道路に沿うように配置されている、請求項7記載のサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は現在位置に基づいたコンテンツをユーザに提供するコンテンツ提供システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、車両搭載型ナビゲーション装置が取得する現在位置情報に基づき、車両の現在位置に適した楽曲の選択を可能とする楽曲選択支援システムの発明を開示している。
【0003】
また、特許文献2は、始点から終点までの移動経路が含まれる、複数の領域にそれぞれ対応付けられた語句(それぞれの領域に含まれる位置の名称または属性)のうち、重要度の高い特徴的な語句を抽出し、当該語句に関連するコンテンツを選択する発明を開示している。
【0004】
さらに従来から、ユーザがいつも聴いている楽曲の好みを学習して、同じような楽曲を車内で再生することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-133618号公報
【特許文献2】特許第4929225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、位置情報/移動経路の通りに、自分の好みの通りのコンテンツがいわば機械的に選択されていた。しかしながら同じ経路を移動するにしても、例えば、季節の移り変わりのような人の感じる情緒は異なるだろうし、移動体の速度などの移動体の状態や天候・気温・時間(朝/昼/晩)などの周囲の環境状態も日々異なる。
一方で、都会と田舎では雰囲気が大きく異なるから、エリアの地理/地物のような地域性は尊重されるのが好ましい。
【0007】
そこで、本発明は、移動中の情景や状態を加味したコンテンツをユーザに提供するコンテンツ提供システムなどを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一つの態様のコンテンツ提供システムは、キーワードが対応付けられたコンテンツリストを記憶したコンテンツ記憶部と、地図を複数のエリアに区画した区画エリアの地理情報を含む静的特性情報を記憶した静的特性記憶部と、端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に対応する前記区画エリアの前記静的特性情報および対応する区画エリアに関する投稿されたSNS情報に基くホットワードを含む動的特性情報に基づいてエリア特性情報を決定する決定部と、前記エリア特性情報および前記キーワードに基づいて、対応する前記コンテンツリストを選択する選択部と、選択されたコンテンツリストを前記端末に提供する提供部とを備えることを特徴としている。
【0009】
・「位置情報」とは、移動体の現在地を示す情報である。「位置情報」は、例えば、緯度、経度で表される情報である。「位置情報」は、さらには高度を加えて表される情報であってもよく、「緯度、経度、高度」に換算できる別の指標値で表される情報であってもよい。。
【0010】
・「キーワード」は、例えば、コンテンツリストのイメージや雰囲気を示す語句、特徴を示す語句、コンテンツリスト内に含まれている語句、コンテンツリストに関連する語句、またはこれらの語句の共起語である。「キーワード」は、例示したこれらの語句に換算できる値で示される情報であってもよい。
【0011】
・「コンテンツリスト」とは、音声、画像、動画またはそれらの組み合わせからなるコンテンツの1つ以上を束にした情報である。、「コンテンツリスト」は、これらのコンテンツに換算できる値を含む情報であってもよい。
【0012】
・「静的特性情報」とは、特定の区画エリアに関連する地理・地物を示す語句/フレーズまたはそれらに関連する語句である。「静的特性情報」は、さらに、文化・歴史・人物、区画エリアに根付いているブランドイメージを示す語句/フレーズまたはそれらに関連する語句であってもよい。「静的特性情報」は、これらの語句に換算できる値を含む情報であってもよい。
例えば、地理とは、海陸・山川の分布、気候・生物・人口・都市・産業・交通などの状態、その土地の事情を示す語句/フレーズである。
例えば、地物とは、建物、樹木、岩石など、自然、人工に関わらず地上に物を示す語句/フレーズである。
【0013】
・「動的特性情報」とは、特定の区画エリアに関連するSNSの投稿、WEBページ、雑誌、テレビ・ラジオ番組、検索ワードの情報、または、それらに関連する情報である。「動的特性情報」は、これらの語句に換算できる値・データを含む情報であってもよい。
【0014】
・「エリア特性情報」とは、静的特性情報と動的特性情報とに基づいて取得される情報である。「エリア特性情報」は、例えば、静的特性情報と動的特性情報とを単に連結したり、自然言語処理を施したりするものであってもよい。自然言語処理としては、例えば、静的特性情報と動的特性情報とをそれぞれベクトル化した平均値を算出するものでもよい。
【0015】
(2)このようなコンテンツ提供システムは、前記選択部が、前記端末を保持する移動体の状況を含む移動体情報にさらに基づいているのが好ましい。
【0016】
・「移動体情報」とは、移動体の状態に関する情報である。「移動体情報」は、例えば、ドライブレコーダの画像、速度、加速度、ブレーキの回数・頻度、加速度、ワイパーの動作などの状態を示す情報である。また、「移動体情報」は、移動体の周囲の状態を示す情報であってもよく、例えば、温度、湿度、天候、渋滞などの状態を示す情報である。更に、「移動体情報」は、これらの情報に関連する情報であってもよく、これらの情報に換算できる値を含む情報であってもよい。
【0017】
(3)また前記端末に表示する地図画面に表示するための、前記コンテンツリストに関連する表示要素を生成する生成部を備えているのが好ましい。
【0018】
・「表示要素」とは、コンテンツリストに関連する情報を表示する要素である。「表示要素は」、例えば、前述したキーワード、選択されたコンテンツリストの選択された由来、すなわち静的特性情報、動的特性情報またはエリア特性情報に関する情報を文字/イラストにしたものであってもよい。更に、「表示要素」は、これらに関連する情報であってもよく、これらの情報に換算できる値を含む情報であってもよい。
【0019】
(4)本発明の他の態様のサーバは、地図を複数のエリアに区画した区画エリアの地理情報を含む静的特性情報と、前記区画エリアに関する投稿されたSNS情報に基くホットワードを含む動的特性情報とに基づいてエリア特性情報が設定されており、端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に対応する前記エリア特性情報およびコンテンツリストに対応付けられたキーワードに基づいて、前記端末に提供するための対応する前記コンテンツリストを選択する選択部とを備えていることを特徴としている。
【0020】
(5)本発明の他の態様のプログラムは、サーバにより実行されるプログラムであって、地図を複数のエリアに区画した区画エリアの地理情報を含む静的特性情報と、前記区画エリアに関する投稿されたSNS情報に基くホットワードを含む動的特性情報とに基づいてエリア特性情報が設定されており、端末の位置情報を取得し、前記位置情報に対応する前記エリア特性情報およびコンテンツリストに対応付けられたキーワードに基づいて、前記端末に提供するための対応する前記コンテンツリストを選択する選択部することを特徴としている。
【0021】
(6)本発明の他の態様のコンテンツ選択方法は、コンピュータにより実行されるコンテンツ選択方法であって、地図を複数のエリアに区画した区画エリアの地理情報を含む静的特性情報が予め設定されており、ユーザの位置情報に対応する区画エリアの前記静的特性情報および前記位置情報に対応する前記区画エリアに関する投稿されたSNS情報に基くホットワードを含む動的特性情報に基づいてエリア特性情報を決定し、前記エリア特性情報および前記コンテンツリストに対応付けられたキーワードに基づいて、前記端末に提供するための対応するコンテンツリストを選択することを特徴としている。
【0022】
(7)本発明の他の態様のサーバは、複数のエリアに区画されており、前記区画エリアに関連するコンテンツリストが設定されており、端末に表示される地図画面の前記区画エリアに表示するための、前記コンテンツリストに関連する表示要素を生成する生成部を備えていることを特徴としている。
【0023】
(8)このようなサーバは、前記表示要素が前記地図画面に表示される道路に沿うように配置されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
コンテンツ提供システムなどは、状況に対応して異なるコンテンツを提供することができる。またユーザがコンテンツに飽きるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】コンテンツ提供システムの一実施形態を示す概略図である。
図2】コンテンツ提供システムの一実施形態を示す機能ブロック図である。
図3】静的特性情報データベースのデータ構造の一例を示す概略図である。
図4】動的特性情報データベースのデータ構造の一例を示す概略図である。
図5】コンテンツリストのデータ構造の一例を示す概略図である。
図6】サーバのハードウェア構成の一例を示す概略図である。
図7】端末のハードウェア構成の一例を示す概略図である。
図8】サーバの処理の流れの一実施形態を示すフローチャートである。
図9】エリア特性キーワードデータベースのデータ構造の一例を示す概略図である。
図10】表示要素のデータ構造の一例を示す概略図である。
図11】端末で表示される地図画面の一例を示す概略図である。
図12】端末で表示される地図画面の他の例を示す概略図である。
図13】端末または移動体で表示される地図画面の一例を示す概略図である。
図14図13において地点Aを拡大した地図画面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[1.概略説明]
(はじめに)
本実施形態に係るコンテンツ提供システムは、概略すると、比較的に長いスパンで所定の地域(エリア)に定着している地理・地物や、今後定着するであろうエリアの地理・地物などからなるエリアの特性を化体するような静的特性情報と、前記エリアに関連する時限的に話題とされているムーブメント/流行など、いわば「旬」となっている動的特性情報と、楽曲のコンテンツリストとを、例えば言語解析によりマッチングし、地域性に旬を加味したコンテンツリストを前記エリアに位置する人/車などに提供するものである。
すなわち、「今!その地域なら!」で選択されたコンテンツを提供するというものである。このため、同じエリアであったとしても、例えば、日々、地域性(場所)を考慮しつつ、旬(時間)の要素が取り入れられた異なるコンテンツリストを提供することができる。従ってユーザを飽きさせない。
【0027】
(コンテンツ提供システム10)
まず、図1を用いてコンテンツ提供システム(以下、単にシステムという。)を説明する。図1にはシステム10を示している。システム10では、例えば、提供すべきコンテンツリストを選択するサーバ11と、地図の所定のエリアを区画している区画エリア9(図2参照)の特性を示す静的特性情報12aを記憶する静的特性記憶部12(外部サーバ)と、区画エリア9内の旬な特性を示す動的特性情報13a(図2参照)を記憶する動的特性記憶部13(外部サーバ)と、エリア特性情報14a(図2参照)を決定・記憶する決定サーバ14(外部サーバ)と、コンテンツ記憶部15(外部サーバ)と、外部機関から天候などの情報を受ける外部装置16(外部サーバ)と、コンテンツリストを受ける端末17/移動体18とを備えており、それぞれが通信ネットワーク19を介して通信可能に接続されている。
【0028】
[2.各構成]
(サーバ11)
図2にシステム10の機能ブロック図の一実施形態を示す。図2に示しているサーバ11は、例えば、提供するコンテンツリスト15aを選択する選択部2を主として備えている。
また本実施形態では、コンテンツリスト15aを抽出する抽出部3と、選択されたコンテンツリスト15aを端末17に提供する提供部4とを備えている。
さらに端末17に表示する地図画面に表示するための、コンテンツリスト15aに関連する表示要素6を生成する生成部5を備えている。さらに生成部5により生成された表示要素6の地図画面8(図13参照)における表示位置を制御する表示制御部40を備えている。
【0029】
(選択部2)
選択部2は、端末17から送信される位置情報1aに対応する区画エリア9におけるエリア特性情報14aおよびコンテンツキーワード15bに基づいて、端末17に提供するコンテンツリスト15aを選択する。
【0030】
(抽出部3)
抽出部3は、選択したコンテンツリスト15aを抽出し、サーバ11に保存する。
【0031】
(提供部4)
提供部4は、選択したコンテンツリスト15aを端末17に提供する。
【0032】
(生成部5)
生成部5は、端末17に表示する地図画面8に表示するための表示要素6を生成する。
【0033】
(表示制御部40)
表示制御部40は、表示要素6の地図画面8における表示位置を決定する。
【0034】
(区画エリア9)
区画エリア9は、地図を所定の形状・大きさのエリアに区画している。所定のエリアを閉じるように区画されたエリアであればよい。本実施形態では、複数の正方形からなるメッシュ状に地図を区画している。なお各メッシュの形状は、矩形状や三角形状にしてもよく、円形状や楕円形状にしてもよい。さらに区画エリア9の形状を全て同じ形状で揃えなくてもよい。
区画エリア9の大きさについて、地図における位置に対応して、面積を異にしてもよい。例えば、同じ風景が続くエリア、人口が少ないエリア、同じような地理・地物が続くエリアなどでは大きくしてもよい。反対に、風景の変化が大きいエリア、観光地、人口が多いエリア、橋・建物・ランドマークとなる建物など地物が集中しているエリアでは小さくしてもよい。
【0035】
(静的特性記憶部12)
静的特性記憶部12は、本実施形態では、外部のデータサーバであり、区画エリア9毎に静的特性情報12aを記憶している。静的特性情報12aは、静的特性データベース(以下、静的特性DBという。)20に整理されている。
【0036】
(静的特性DB20)
図3は静的特性DB20のデータ構造の一例を示す概略図である。図に示す静的特性DB20は、区画エリア9毎に静的特性情報12aを記憶している。静的特性情報12aは、区画エリアに対応するID9aと、地理・地物を含むエリア特性キーワード20aと、感情特性キーワード20bとからなる。感情特性キーワード20bは、感情特性キーワード20bでクラスタリングされている。
【0037】
本実施形態では、例えば、多量の楽曲を形態素解析により最小単位に分類し、感情特性を示す語句を抽出している。抽出された語句は、ベクトル化された後に、クラスタリングされ、図示しない感情特性データベース(以下、感情特性DBという。)に整理されている。例えば、かっこいい、上手・・・などをクールというグループに分類し、弱い、さみしい・・・などは悲しいというグループに分類することより、感情特性を分類している。
【0038】
(形態素解析)
本実施系形態では、例えば、MeCab(メカブ)などの形態素解析エンジンを用いている。形態素解析は、文章を自然言語で意味を持つ最小の単位に分類することができる。形態素解析では、分類した形態素の品詞情報を取得することができる。
【0039】
(ベクトル化)
本実施形態では、文言または文章のベクトル化として、例えば、形態素解析した単語を数値表現にしたデータを入力データとして、word2vecなどのアルゴリズムによってベクトルを取得している。ベクトル化は、word2vecの他、例えば、GloVe、WordNet、あるいはfastTextのアルゴリズムを用いることにより算出することができる。
【0040】
(クラスタリング)
本実施形態では、クラスタリングとして、例えば、k平均法(k-means法)を用いている。なお他の公知の手法を用いてもよい。
【0041】
(エリア特性キーワード20a)
本実施形態では、エリア特性キーワード20aは、例えば、地図、さらにはWEBサイト、掲示板、電子化された公文書・書籍などから抽出され、図示しない地理(地物)情報データベースに整理されている。なお、エリア特性キーワード20aとして、例えば、地理(地物)などの電子化された書籍から1つ以上の特徴語を抽出したものとしてもよい。
【0042】
(特徴語)
特徴語は、例えば、TF-IDFの手法で抽出することができる。TF-IDFによる手法は、例えば、よく出てくる語句は重要な語句という仮説をもとに語句を抽出する手法である。なお他の公知の手法を用いてもよい。
【0043】
図3では、水辺や城がある区画エリアにおいて、エリア特性キーワード20aとして、水、城、文化が抽出されている。なお抽出の元となる語句や文章などはクローリングによりインターネット上から取得してもよい。
本実施形態では、地理(地物)情報DBは1年毎にデータを更新している。なお所定の間隔で、例えば、月単位でまたは2年以上の間隔でデータを更新してもよい。
また本実施形態におけるエリア特性キーワード20aの数は、3個であるが、3個未満でもよいし、3個を超えてもよい。
【0044】
(感情特性キーワード20b)
感情特性キーワード20bは、楽曲に対する感性特性を示すキーワードが記憶された図示しない感情特性データベースから取得される。図3では、エリア特性キーワード20aとしての水、城、文化について、それぞれ静か、閑静、荘厳の感情特性キーワード20bが付与されている。
【0045】
また本実施形態では、1つのエリア特性キーワード20aに感情特性キーワード20bを1つ対応させているが、複数の感情特性キーワード20bを対応させてもよい。その際に、感情特性キーワード20bのそれぞれに重みを付してもよい。
【0046】
(動的特性記憶部13)
動的特性記憶部13は、本実施形態では、外部のデータサーバである。動的特性記憶部13は、区画エリア9毎に動的特性情報13aを記憶している。動的特性情報13aは動的特性データベース(以下、動的特性DBという。)21に整理されている。
【0047】
本実施形態では、図示しないクローラサーバにより、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)情報が掲載されるサーバから、掲載された投稿の情報を収集する。クローラサーバは、収集した投稿から位置に関する語句および特徴語を含むスポット情報を抽出する。本実施形態では、過去24時間の投稿を収集し、スポット情報を抽出している。抽出したスポット情報のうち頻出した特徴語をホットワードとしている。なお、例えば、月単位、週単位、日単位、時間単位、若しくは分単位の比較的短時間毎にホットワードを設定してもよい。さらになお特徴語でなくとも、頻出した語句をホットワードとして設定してもよい。ホットワードは1つ以上でもよい。
【0048】
SNSとしては、例えば、Twitter(登録商標)、FACEBOOK(登録商標)、INSTAGRAM(登録商標)、YouTube(登録商標)、LINE(登録商標)が挙げられる。SNSは、広義に解釈し、ブログ、若しくは電子掲示板を含んでもよい。SNSでは、例えば、ユーザが投稿したメッセージが掲載される。例えば、SNSでは、レストラン、観光名所といった様々なスポットに対する投稿者の感想や感情が投稿されることがある。また、SNSでは、例えば、事件および事故の発生、ならびに渋滞に関連するメッセージが投稿されることもある。
【0049】
(語句の抽出方法)
本実施形態では、文章からの語句の抽出としては、例えば、機械学習が用いられる。抽出する語句がどのキーワード種類に属するか推論することを機械学習する。学習を施した学習済モデルは、初見の語句であっても、どのキーワード種類に該当するか類推して分類することができる。前記学習済モデルは、語句の類推の自信の度合いとして類似の程度を点数化して同時に示す機能を有しており、その点数が低すぎる場合には採用しないように学習させることもできる。
【0050】
(抽出に関する学習済モデルの生成手法)
抽出に関する学習済モデルの生成手法を説明する。例えば、「景観に関する語句」、「歴史に関する語句」、「人物に関する語句」などの分類するキーワード種類と対応する複数のデータ、もしくはいずれにも対応しないデータを、キーワード種類ラベル情報とペアにした形式で学習データとして予め用意する。本件であつかうのは言語データ(文字データ)であり、これをベクトル化する。類似する学習データのベクトルが学習済モデルに入力されると、学習済モデルはその入力ベクトルの分類種類への適合の確信度を計算して出力する。結果として出力されるベクトルは、分類種類の類似の程度を示す数値(確信度)である。一方、類似しない複数の学習データが入力された場合には、対応する分類が学習データに該当しないことを表すベクトルを生成する。その出力結果について、入力されたデータの全てに対してペアになっているラベル情報への確信度が上がるよう、前記学習済モデルの修正、最適化を行う。
【0051】
(その他の抽出方法)
抽出方法について、特徴量や共起語を抽出してもよい。なお、抽出された語句から景観に関する語句など所定のカテゴリーの語句をさらに抽出してもよい。
【0052】
(共起語)
共起語は、主軸となる単語に対して、関連性が強く一緒に用いられる頻度が高い単語のことである。主軸となる単語の周囲によく現れる単語とも言え、1つ以上存在する。例えば、主軸となる単語として特徴語を用いることができる。
【0053】
(動的特性DB21)
図4は動的特性DB21のデータ構造の一例を示す概略図である。図に示す動的特性DB21は、区画エリア9毎に動的特性情報13aを記憶している。動的特性情報13aは、区画エリアに対応するID9aと、区画エリアに対応するホットワード21aとからなる。
図では所定の区画エリアのSNSの投稿で、お祭りがある、おいしいレストランが開店したという情報が多く投稿されている場合を示している。その際に、ホットワード21aとして、賑やか、儚い、美味、楽しい、祭り、食事が、抽出されている。なお抽出の元となる文章などはクローリングによりインターネット上から取得してもよい。
またホットワード21aの数は、3個未満でもよいし、3個を超えてもよい。
【0054】
本実施形態では、静的特性情報12aと動的特性情報13aの区画エリアは、同じ大きさ、同じ形状である。なお大きさ/形状が異なるようにしてもよい。その場合、位置情報1aに基づいて適切な区画エリアが選択される。
【0055】
(決定サーバ14)
決定サーバ14は、静的特性情報12aおよび動的特性情報13aに基づいてエリア特性情報14aを決定する決定部29と、決定されたエリア特性情報14aが整理されているエリア特性データベース(以下、エリア特性DBという。)22とを備えている。本実施形態では、決定部29は、静的特性情報12aおよび動的特性情報13aを統合している。エリア特性DB22については後述する。
【0056】
(コンテンツ記憶部15)
コンテンツ記憶部15は、本実施形態では外部のデータサーバであり、コンテンツリスト15aを記憶している。
コンテンツリスト15aは、1つ以上の楽曲、動画などからなる。コンテンツリスト15aには、キーワード15bが設定されている。キーワード15bは、コンテンツリスト15aを特徴付けるものであり、1つ以上のキーワードからなる。キーワードは語句を含み分節、文章であってもよい。
【0057】
(コンテンツリストデータベース23)
図5はコンテンツリストデータベース(以下、コンテンツリストDBという。)のデータ構造の一例を示す概略図である。図に示すコンテンツリストDB23は、コンテンツリスト15aと、コンテンツリスト15aに対応するキーワード15bが設定されている。本実施形態では、キーワード15bとして、例えば、音楽のジャンル、前述した感情特性DBで分類された感情特性が記載されている。
【0058】
(外部装置16)
外部装置16(図1参照)は、天候、渋滞情報などの外部情報16aをサーバ11に提供する外部サーバである。
【0059】
(端末17)
端末17は、位置情報取得部1を備えている。端末17は、本実施形態においては、例えば、パソコン(パーソナルコンピュータ)やスマートフォンである。なお、携帯電話、タブレット型端末などでもよい。またドライブレコーダ、ナビゲーション装置でもよい。さらに端末17は、ドライブレコーダ、ナビゲーション装置と連携して動作してもよい。
【0060】
(位置情報取得部1)
位置情報取得部1は、端末17の位置情報を取得する機能を有する。例えば、位置情報取得部1は、GPS(Global Positioning System)センサを用いて、位置情報を取得する。なお、GPSセンサ以外の測位方法、例えば、WiFi測位、ビーコン測位を用いてもよい。
【0061】
(表示部17a)
表示部17a(図7参照)としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、有機EL(EL:Electroluminescence)などの画面を表示する装置が用いられる。
【0062】
(移動体18)
移動体18には端末17が搭載される。移動体18は、例えば、自動車、オートバイ、自転車、およびスノーモービルの車両、飛行機または船である。また移動体18としては、端末17を保持する人であってもよい。本実施形態では、移動体18は自動車である。
【0063】
(通信ネットワーク19)
通信ネットワーク19は、例えば、インターネットの通信網であり、その他、携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0064】
(移動体情報24)
移動体情報24は、移動体18の状態を示す情報である。端末17またはドライブレコーダ、ナビゲーション装置からサーバ11へ送信される。
【0065】
[3.ハードウェア構成]
次に図6および図7用いて、サーバ11、12、13、14、15、16および端末17のそれぞれのハードウェア構成を説明する。
【0066】
(サーバ11、12、13、14、15、16のハードウェア構成)
サーバ11のハードウェア構成を説明する。サーバ12、13、14、15、16のハードウェア構成はサーバ11のハードウェア構成とほぼ同じであるので、説明を省略する。
【0067】
図6に示すように、本実施形態のサーバ11では、例えば、コンピュータを用いている。サーバ11はCPU(またはGPU)30を備えたものである。そのCPU30には、例えば、メモリ(以下、記憶部という。)31と、記憶デバイス32などを接続/読み込むための接続ポート33と、ネットワークを介して外部と通信するための通信回路34とがバスライン35を介して接続されている。記憶部31には、システム10を処理するためのプログラム36(36a)が記憶されている。またブラウザプログラム37、さらにはOS38(オペレーティングシステム)が記憶されていてもよい。プログラム36(36a)は、記憶デバイス32によりサーバ11にインストールされる。
【0068】
(端末17のハードウェア構成)
本実施形態の端末17では、例えば、コンピュータを用いている。図7に示すように、端末17のバスライン35には表示部17aが接続されている。また端末17のコンピュータの記憶部31には、システム10を処理するための端末プログラム39が記憶されている。さらにブラウザプログラム37、さらにはOS38(オペレーティングシステム)が記憶されていてもよい。プログラム39は、記憶デバイス32により端末17にインストールされる。
【0069】
本実施形態では、プログラム36(36a)および端末プログラム39は、それぞれOS38およびブラウザプログラム37の機能を利用して協働して動作してもよい。なおプログラム36(36a)および端末プログラム39として、それぞれブラウザプログラム37、OS38を利用せず、単独で動作するようにしてもよい。
【0070】
上述したプログラム36(36a)および端末プログラム39のハードウェア構成では、図2の機能ブックス図に示す機能を、例えば、CPU30とプログラム36(36a)および端末プログラム39とを用いて実現するようにしているが、その一部または全部をマイコンなどの論理回路、あるいは、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)を用いてシーケンス制御してもよい。
【0071】
[4.プログラム]
(システム10の処理を示すフローチャート)
図8は、システム10における決定サーバ14、サーバ11および端末17でそれぞれ用いられるプログラム36a、36、39の処理の一実施形態を示すフローチャートである。なおフローチャートにはコンテンツ選択方法10cが示されている。
【0072】
(S1:静的特性情報・動的特性情報の取得)
決定サーバ14のCPU30(図6参照)は、静的特性情報12aおよび動的特性情報13aを取得する。
【0073】
(S2:エリア特性情報14aの決定)
静的特性情報12aおよび動的特性情報13aに基づいてエリア特性情報14aを決定する。エリア特性情報14aは区画エリア9毎にエリア特性DB22に整理されている。
【0074】
(エリア特性DB22)
図9はエリア特性DB22のデータ構造の一例を示す概略図である。図に示すエリア特性DB22は、区画エリアID9aに対応するエリア特性キーワード20a、感情特性キーワード20bおよびホットワード21aとからなる。本実施形態では、静的特性情報12aおよび動的特性情報13aを統合している。
【0075】
(エリア特性情報14aのその他)
エリア特性情報14aの取得において、エリア特性キーワード20a、感情特性キーワード20bおよびホットワード21aをそれぞれベクトル化し、平均ベクトルを算出し、エリア特性情報14aとしてもよい。また平均ベクトルに近い語句を1つ以上取得して、エリア特性情報14aとしてもよい。
なお静的特性情報12aと動的特性情報13aとで、キーワード数の比率を異にして、ベクトル化において、エリア特性情報14aにおける重みを変化させてもよい。
【0076】
(エリア特性情報14aの小括)
エリア特性情報14aは、静的特性情報12aと動的特性情報13aとに基づいて取得されるものである。すなわち比較的に長いスパンで所定の地域(エリア)に定着している地理・地物や、今後定着するであろうエリアの地理・地物などからなるエリアの特性を化体するような静的特性情報12aに、前記エリアに関連する時限的に話題とされているムーブメント/流行など、いわば「旬」となっている動的特性情報13aを取り入れたものであり、それらに換算できる値・データを含む概念である。
【0077】
(S3:位置情報1aの送信)
図8に戻って、端末17または自動車18のドライブレコーダなどから位置情報1aをサーバ11に送信する。
【0078】
(S4:位置情報1aの取得)
サーバ11は位置情報1aを取得する。
【0079】
(S5:位置情報1aに対応するエリア特性情報14aを取得)
位置情報1aに対応する区画エリア9のエリア特性情報14aを決定サーバ14から取得する。またコンテンツ記憶部15からキーワード15b(図5参照)を取得する。
【0080】
(S6:マッチング)
エリア特性情報14aのエリア特性キーワード20a、感情特性キーワード20bおよびホットワード21aと、コンテンツリスト15aのキーワード15bとをマッチングする。
【0081】
本実施系形態では自然言語処理を用いてマッチングしている。例えば、エリア特性キーワード20a、感情特性キーワード20bおよびホットワード21aをそれぞれベクトル化し、平均ベクトルを求める。一方で、キーワード15bをベクトル化する。キーワード15bが複数の場合は、それぞれをベクトル化し、平均ベクトルを算出する。エリア特性情報14aの平均ベクトルと、キーワード15bのベクトル/平均ベクトルの類似度を算出する。類似度の最も高いキーワード15bのコンテンツリスト15aが選択される。
【0082】
(コサイン類似)
本実施形態では、単語または文章の類似について、コサイン類似を用いている。2つのベクトルのコサインを計算し、コサインの値を類似度としている。コサイン類似は、ベクトル同士がなす角度の近さを表し、1に近ければ近いほどより類似している。コサイン類似は、0に近ければ近いほどより類似していないことを表している。
【0083】
(マッチングのその他)
エリア特性情報14aとコンテンツリスト15aの類似度について、エリア特性キーワード20a、感情特性キーワード20bおよびホットワード21aから共起語を取得し、またキーワード15bから共起語を取得し、両者の共起語のうち重なる語句が多いほど類似度が高いとしてもよい。また両者の共起語について、コサイン類似により類似度を算出し、類似度の最も高いキーワード15bのコンテンツリスト15aを選択してもよい。
【0084】
(S7:コンテンツリスト15aの抽出)
選択したコンテンツリスト15aをサーバ11が抽出し、記憶部31に保存する。
【0085】
(S8:コンテンツリスト15aの提供)
抽出したコンテンツリスト15aを端末17/自動車18に提供する。
【0086】
(S9:抽出されたコンテンツリスト15aの取得)
抽出したコンテンツリスト15aを端末17/自動車18が取得する。
【0087】
[5.他の実施形態]
次にシステム10の他の実施形態を説明する。以下に説明する変形例および他の実施形態は、前述したシステム10とほぼ同様であるので、同じ部分には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0088】
(システム10の変形例1)
システム10の変形例を説明する。変形例1では、サーバ11で端末17に提供すべきコンテンツリスト15aを選択するが、抽出はしない。このためサーバ11に抽出部3を備えていない。コンテンツリスト15aはコンテンツ記憶部15から端末17に提供される。
【0089】
(システム10の変形例2)
システム10の変形例を説明する。変形例2では、サーバ11で端末17に提供すべきコンテンツリスト15aを抽出するが、そのまま端末17に送信しないで、提供部4により再生したデータをストリーミング送信する。
【0090】
(第2実施形態)
次にシステム10の他の実施形態を説明する。図2に戻って、第2実施形態にかかるシステム10aでは、端末17/自動車18から移動体情報24がサーバ11に送信されている。サーバ11は移動体情報24に基づいて抽出したコンテンツリスト15aの再生順を決定する(図8の二点鎖線の記載(工程S10)参照)。
【0091】
移動体情報24は、例えば、所定時間における、速度、ブレーキ回数などのパラメータからなる。パラメータの値に応じて得点が設定されている。パラメータの値と得点は、移動体情報データベース(移動体情報DB)25に整理されている。
【0092】
(移動体情報DB25)
図10は移動体情報DB25のデータ構造の一例を示す概略図である。図に示す移動体情報DB25は、符号26aは速度範囲が0-10km/h、符号26bは速度範囲が10-20km/h、・・・の範囲にあることを示す。符号27aはブレーキ回数0-5回、符号27bは6-10回・・・であることを示し、それらの下の欄には、対応する得点25aがそれぞれ記載されている。本実施形態では、ドライブがスムーズな要素が加点され、スムーズなドライブを妨げる要素が減点される。なお他の条件に基づいて加点・減点するようにしてもよい。
現在の移動体情報24の各パラメータから得点を取得し、合計し、現在の移動体情報24の得点とする。
【0093】
(コンテンツリスト得点データベース28)
図11はコンテンツリスト得点データベース(コンテンツリスト得点DB)28のデータ構造の一例を示す概略図である。図に示すコンテンツリスト得点DB28において、符号28aはコンテンツリストのID、符号28bは得点を示す。
コンテンツリスト15aの得点は、例えば、ドライブがスムーズである、スムーズでない、どちらでもない、の3つの軸で構成されている。なおコンテンツのジャンルや、天候などの要素の軸を設けてもよい。
【0094】
現在の移動体情報の得点とコンテンツリストの得点の差を算出し、差が小さい順にコンテンツリスト15aを並び替える。
【0095】
(変形例3)
第2実施形態10aの変形例を説明する。変形例3ではコンテンツリスト15aの再生順を決定するコンテンツリスト15aの並び替えの工程(工程S10参照)が、サーバ11ではなく、端末17/移動体18で実行されている。
【0096】
(変形例4)
第2実施形態10aのさらなる変形例を説明する。変形例4のサーバ11は、外部サーバ16から外部情報16aを取得している。外部情報16aは天候、警報、渋滞情報、緊急地震速報などの外部機関から受け取る情報である。外部情報について、図示しない得点表から得点を算出し、移動体情報24(図10参照)に加減する。
【0097】
(第3実施形態)
次にシステム10のさらに他の実施形態を説明する。図2に戻って、第3実施形態にかかるシステム10bは、端末17/移動体18に表示される表示部17aの地図画面8(図13参照)に、コンテンツリスト15aに関連する表示要素6を生成する生成部5を備えている。
【0098】
(生成部5、表示要素6)
生成部5は、表示部17aの地図画面8における各区画エリア9についてエリア特性情報14aでマッチングされたコンテンツリスト15aのキーワード15bを取得する。取得したキーワード15bは、例えば、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)と呼ばれる自然言語処理モデルを使って感情分析をする。感情分析には学習済みモデルを使用する。感情分析の結果は、ポジティブ/ネガティブの得点として示される。得られた得点に基づいて、字体、文字の大きさ、色などを決定し、表示要素6を生成する。
得点と、字体、大きさ、色については、例えば、表示要素データベース(表示要素DB)7に整理されている。
なお他の公知の手法を用いて、キーワード15bをパラメータ化してもよい。
【0099】
(表示要素DB7)
図12は表示要素DBのデータ構造の一例を示す概略図である。図に示す表示要素DB7は、得点7a、字体7b、大きさ7c、色7dからなる。なお大きさについては、ポジティブ/ネガティブで大小を選択するのではなく、対応する区画エリア9の範囲が大きいほど字体を大きくしてもよい。
【0100】
(その他)
その他の感情分析の手法として、日本語評価極性辞書を使用し、ポジティブ/ネガティブの得点を取得してもよい。
【0101】
(地図画面8)
図13は端末17/移動体18で表示される地図画面8の一例を示す概略図である。図では、区画エリアに対応するコンテンツリストのキーワード15bから生成された表示要素6を表示している。表示要素6は、地図画面8の地図上において、地図としての見やすさを妨げないように配置される。例えば、国道、幹線道路を避けた位置である(符号6a:二点鎖線参照)。なお図では、地図画面8を円形枠内に示しているが、矩形状の枠内に示してもよい。
【0102】
また道路に沿うように配置することで、表示要素6と道路とが交差するなどして、地図としての見やすさを損なうのを防止することができる。道路に沿うようにとは、道路の側方でもよいし、道路の上に重なるように配置してもよい。符号8aで示す道路についていえば、道路の上ではあるが、道路の延びる方向に表示要素6bが配置されるので、地図としての見やすさを損なうのを防止することができる。
【0103】
図14図13の地図画面8の地点Aを拡大した地図画面8である。符号8bに示すように道路が南北に延びている場合には、表示要素6cを縦書きにしてもよい。縦書きで表示する際には、例えば、表示要素6cを付すための道路8bが、所定の角度以上に立ち上がっている場合(南北方向に立ち上がる)、縦書きに表示するようにしてもよい。本実施形態では、例えば、45°を超えると、表示要素6を縦書きに表示している。
【0104】
(表示位置)
生成部5により生成された表示要素6の地図画面8における表示位置は、表示制御部40(図2参照)により処理される。表示制御部40は、地図情報8の例えば、道路の位置を読み込み、次いで、表示要素6の表示位置を決定する。
例えば、表示画面8における区画エリア9において、ユーザに対し案内/表示すべき道路が少なくて、表示要素6を表示するための余裕がある場合は、道路に重ならない位置、いわば空白の部位に表示要素6a(図13の二点鎖線参照)を表示する。
またユーザに案内/表示すべき道路が多く、表示要素6を表示するための空白の部位が小さい場合は、表示要素6bを道路に沿って表示する。
さらにユーザに対し案内/表示すべき道路が多すぎて、表示要素6を表示すると煩雑になる場合は、表示要素6を表示しない。地図画面8を拡大または拡縮した画面で、空白の部分が生じる場合に表示してもよい。 なお、表示制御部40をサーバ11ではなく、端末17に設けてもよい。
【0105】
[6.その他]
前述の実施形態に、その他として記載した事項を、それぞれを適宜に組み合わせて用いることができる。
外部サーバ12、13、14、15、16は、それぞれの機能をまとめて、1つまたは2つの外部サーバとしてもよいし、サーバ11に1つ以上の外部サーバをまとめてもよい。
【0106】
[7.まとめ]
(1)システム10(サーバ11、プログラム36、コンテンツ選択方法10c)は、キーワード15bが対応付けられたコンテンツリスト15aを記憶したコンテンツ記憶部15と、地図を複数のエリアに区画した区画エリア9の地理情報を含む静的特性情報12aを記憶した静的特性記憶部12と、端末17の位置情報を取得する位置情報取得部1と、位置情報1aに対応する区画エリアの静的特性情報および対応する区画エリアに関する投稿されたSNS情報に基くホットワード21aを含む動的特性情報13aに基づいてエリア特性情報14aを決定する決定部29と、エリア特性情報およびキーワードに基づいて、対応するコンテンツリストを選択する選択部2と、選択されたコンテンツリストを端末に提供する提供部4とを備えることを特徴としている。
【0107】
このため比較的に長い時間間隔で所定の地域(エリア)に定着している地理・地物や、今後定着するであろうエリアの地理・地物などからなるエリアの特性を化体するような静的特性情報と、前記エリアに関連する時限的に話題とされているムーブメント/流行など、いわば「旬」となっている動的特性情報と、楽曲のコンテンツリストとを、例えば言語解析によりマッチングし、所定のエリアにおける地域性・旬を加味したコンテンツリストを前記エリアに位置する人/車などに提供することができる。
【0108】
(2)このようなシステム10において、選択部2が、端末17を保持する移動体18の状況を含む移動体情報24にさらに基づいているので、端末17を保持するユーザの状況にマッチしたコンテンツリストを提供することができる。例えば、コンテンツリスト15aについて優先度を伴って選択すれば、再生順を変更することができる。
【0109】
(3)また端末17に表示する地図画面8に表示するための、コンテンツリスト15aに関連する表示要素6を生成する生成部5を備えているので、地図画面8に表示情報を可視化することができ、移動を楽しむことができる。
【0110】
(4)本発明のサーバは、地図が複数のエリアに区画されており、所定の区画エリアに関連するコンテンツリスト15aが設定されており、端末17に表示される地図画面8の区画エリアに表示するための、コンテンツリスト15aに関連する表示要素6を生成する生成部5を備えていることを特徴としている。
このため地図画面8に表示要素を可視化することができるので、移動を楽しむことができる。表示要素6が表示されている区画エリアについて、想像することができる。区画エリア9を移動すると流れる楽曲を想像することができる。
【0111】
(5)このようなサーバは、表示要素6が地図画面8に表示される道路8aに沿うように配置されているので、地図の見やすさを損なうのを防止している。また道路8aに沿うように表示要素6aが配置されているので、道路8aを移動すると流れるであろう楽曲を想像できる。
【符号の説明】
【0112】
1 位置情報取得部
1a 位置情報
2 選択部
3 抽出部
4 提供部
5 生成部
6 表示要素
6a 表示要素
6b 表示要素
6c 表示要素
7 表示要素データベース(表示要素DB)
7a 得点
7b 字体
7c 大きさ
7d 色
8 地図画面
8a 道路
8b 道路
9 区画エリア
9a 区画エリアID
10 コンテンツ供給システム(システム)
10a コンテンツ供給システム(システム)
10b コンテンツ供給システム(システム)
10c コンテンツ選択方法
11 サーバ
12 静的特性記憶部(サーバ)
12a 静的特性情報
13 動的特性記憶部(サーバ)
13a 動的特性情報
14 決定サーバ(サーバ)
14a エリア特性情報
15 コンテンツ記憶部(サーバ)
15a コンテンツリスト
15b キーワード
16 外部装置(サーバ)
16a 外部情報
17 端末
17a 表示部
18 移動体(自動車)
19 通信ネットワーク
20 静的特性データベース(静的特性DB)
20a エリア特性キーワード
20b 感情特性キーワード
21 動的特性データベース(動的特性DB)
21a ホットワード
22 エリア特性情報データベース(エリア特性DB)
23 コンテンツリストデータベース(コンテンツリストDB)
24 移動体情報
25 移動体情報データベース(移動体情報DB)
25a 得点
26a、26b 速度範囲
27a、27b ブレーキ回数
28 コンテンツリスト得点データベース(コンテンツリスト得点DB)
28a コンテンツリストID
28b 得点
29 決定部
30 CPU
31 メモリ
32 記録デバイス
33 接続ポート
34 通信回路
35 バスライン
36 プログラム
37 ブラウザプログラム
38 OS
39 端末プログラム
40 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14