(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178004
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】露光装置、露光方法、および物品製造方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/207 20060101AFI20241217BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G03F7/207 H
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096467
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早川 崇志
(72)【発明者】
【氏名】今井 政樹
(72)【発明者】
【氏名】宮春 隆文
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA09
2H197CA08
2H197DA03
2H197DB11
2H197DB31
2H197DB34
2H197DC05
2H197DC13
2H197EA05
2H197HA03
(57)【要約】
【課題】フォーカス制御の高精度化に有利な技術を提供する。
【解決手段】基板を走査露光する露光装置は、前記基板を保持して移動するステージと、前記ステージの高さおよび傾きの少なくともいずれかを調整するための少なくとも1つのアクチュエータと、前記基板の面位置を計測する計測部と、前記計測部から得られた計測値に基づいて前記少なくとも1つのアクチュエータを制御する制御部とを有する。前記制御部は、前記計測部から得られる計測値の時系列データの微分値に基づいて、前記少なくとも1つのアクチュエータによる前記ステージの駆動量の制限値を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を走査露光する露光装置であって、
前記基板を保持して移動するステージと、
前記ステージの高さおよび傾きの少なくともいずれかを調整するための少なくとも1つのアクチュエータと、
前記基板の面位置を計測する計測部と、
前記計測部から得られた計測値に基づいて前記少なくとも1つのアクチュエータを制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記計測部から得られる計測値の時系列データの微分値に基づいて、前記少なくとも1つのアクチュエータによる前記ステージの駆動量の制限値を決定する、ことを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記制御部は、走査露光中、前記計測部から得られる計測値の時系列データの微分値に基づいて制限値を更新しながら、当該制限値を超えないよう前記少なくとも1つのアクチュエータによる前記ステージの駆動量を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記露光装置は、前記基板の複数のショット領域のそれぞれを走査露光するように構成され、
前記制御部は、1つのショット領域内で前記制限値を変化させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記1つのショット領域内の走査露光中において、前記計測部による第1の計測で得られた計測値の時系列データの微分値と、前記計測部による前記第1の計測の次に行われた第2の計測で得られた計測値の時系列データの微分値とが同符号である場合、前記制限値を増加させる、ことを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記1つのショット領域内の走査露光中において、前記計測部による第1の計測で得られた計測値の時系列データの微分値と、前記計測部による前記第1の計測の次に行われた第2の計測で得られた計測値の時系列データの微分値とが異符号である場合、前記制限値を低下させる、ことを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記1つのショット領域内での走査速度に応じて前記制限値の変更量を調整する、ことを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
【請求項7】
前記計測部は、前記ステージによって保持された前記基板のショット領域が露光位置に到達する前に、当該ショット領域の面位置を計測する、ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項8】
ステージによって保持された基板を走査露光する露光方法であって、
前記基板の面位置を計測する工程と、
前記計測により得られた計測値の時系列データの微分値を算出する工程と、
前記算出された微分値に基づいて、前記ステージの高さおよび傾きの少なくともいずれかを調整するための少なくとも1つのアクチュエータによる前記ステージの駆動量の制限値を決定する工程と、
前記少なくとも1つのアクチュエータにより、前記制限値以下に制限された駆動量で前記ステージを駆動し、その後、前記基板を露光する工程と、
を有することを特徴とする露光方法。
【請求項9】
請求項8に記載の露光方法に従い基板を露光する工程と、
前記露光された基板を現像する工程と、
を含み、前記現像された基板から物品を製造する、ことを特徴とする物品製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置、露光方法、および物品製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
露光装置を用いて、基板の被露光領域の全体にわたって良好な回路パターンの転写を可能にするためには、被露光領域の全体を縮小投影レンズ系の許容焦点深度内に確実に位置づける必要がある。そのためには、基板表面の縮小投影レンズ系の焦平面、即ちマスクの回路パターン像がフォーカスする平面、に対する位置と傾きを高精度に検出し、基板表面の位置と傾きを調整するフォーカス駆動が重要となってくる。
【0003】
ステップ・アンド・スキャン方式では、走査中に逐次基板上のスリット露光領域を結像面に合致させる必要がある。そこで、ステップ・アンド・スキャン方式では、いわゆる先読み方式が採用される。この先読み方式では、走査方向手前側に配置したフォーカス・レベリングセンサ(以下「先読みセンサ」という。)によりスリット露光領域の手前側で基板のフォーカス・レベリングずれを計測する。その計測結果に基づいてフォーカス・レベリング駆動を行うことにより、計測した地点がスリット露光領域に達するまでにその地点の基板表面を投影光学系の結像面に合致させる。このような先読み方式では、離散的に得られる計測値に基づいてフォーカス・レベリング駆動の駆動量が算出されていく。
【0004】
ところが、基板には、形成されたパターンに起因する段差(プロセス段差)以外に、基板自身の局所的なたわみ、基板を保持するためのチャックによる吸着段差、異物による段差などが存在しうる。その場合、先読みセンサによって算出した駆動量が大きくなることがある。プロセス段差ではない段差に追従しようとすると、フォーカス・レベリングの追従精度がかえって低下するという問題が生じる。すなわち、ステップ・アンド・スキャン方式では、ステップ・アンド・リピート方式と異なり、走査露光中に逐次フォーカス・レベリングのための計測と駆動を繰り返すため、フォーカス・レベリング駆動による駆動量が露光精度に影響を及ぼすことになる。そこで、従来技術では、離散的に得られるフォーカス・レベリング駆動量に対して制限値を設けることで、フォーカス・レベリング追従精度の向上を図ろうとしていた。
【0005】
一方、この駆動量の制限は、駆動パターンによっては(例えば、走査速度が遅い場合)、過剰な制限となってしまう場合があった。そのような課題に対し、特許文献1では、基板ステージが走査する際の走査方向の速度、加速度、ジャーク(加速度の変化率)、または、基板ステージの位置に応じて制限値を変化させ、過剰な駆動制限による弊害を回避することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したような従来技術がある一方で、基板外周部の反りや、プロセス段差によっては、フォーカス駆動またはレベリング駆動時に基板ステージが一方向に連続的に駆動される場合がある。そのような場合、走査速度が速い場合であっても、基板ステージには大きな偏差が生じないため、フォーカス駆動またはレベリング駆動の駆動量の制限値を許容できる場合がある。
【0008】
しかし、従来技術では、フォーカス駆動またはレベリング駆動における基板ステージの駆動量の制限値は固定されていた。そのため、基板ステージが追従できるような場合にも駆動量の制限がかかってしまい、フォーカス誤差が生じていた。
【0009】
本発明は、例えば、フォーカス制御の高精度化に有利な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によれば、基板を走査露光する露光装置であって、前記基板を保持して移動するステージと、前記ステージの高さおよび傾きの少なくともいずれかを調整するための少なくとも1つのアクチュエータと、前記基板の面位置を計測する計測部と、前記計測部から得られた計測値に基づいて前記少なくとも1つのアクチュエータを制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記計測部から得られる計測値の時系列データの微分値に基づいて、前記少なくとも1つのアクチュエータによる前記ステージの駆動量の制限値を決定する、ことを特徴とする露光装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、例えば、フォーカス制御の高精度化に有利な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】実施形態における基板ステージの駆動制御を説明する図。
【
図4】実施形態における基板ステージの駆動制御を説明する図。
【
図6】実施形態における基板ステージの駆動制御を説明する図。
【
図7】固定された制限値によってデフォーカスが発生する従来技術を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、実施形態における露光装置100の構成を示す図である。本明細書および図面においては、水平面をXY平面とするXYZ座標系において方向が示される。一般には、基板104はその表面が水平面(XY平面)と平行になるように基板ステージ105の上に置かれる。よって以下では、基板ステージ105の基板載置面に沿う平面内で互いに直交する方向をX軸およびY軸とし、X軸およびY軸に垂直な方向をZ軸とする。また、以下では、XYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸にそれぞれ平行な方向をX方向、Y方向、Z方向といい、X軸まわりの回転方向、Y軸まわりの回転方向、Z軸まわりの回転方向をそれぞれθX方向、θY方向、θZ方向という。
【0015】
露光装置100は、原版であるマスク102と基板104とを走査しながらマスク102のパターンを基板104に転写する。露光装置100は、露光領域を矩形又は円弧スリット形状とし、マスク102と基板104とを相対的に走査して露光するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(スキャナー)である。露光装置100は、
図1に示すように、投影光学系101と、マスクステージ103と、基板ステージ105と、照明光学系106と、主制御部127と、計測部MUとを有する。
【0016】
図1において、投影光学系101の光軸AXはZ方向に延び、投影光学系101の像面はZ方向と垂直な関係にある。マスク102は、マスクステージ103によって保持される。マスク102のパターンは、投影光学系101の倍率(例えば、1/4、1/2、1/5)で投影され、投影光学系101の像面に像を形成する。
【0017】
基板104は、例えば、その表面にレジスト(感光剤)が塗布された基板である。基板104には、先の露光処理で形成された同一のパターン構造を有する複数のショット領域が配列されている。基板ステージ105は、基板104を保持して移動するステージであって、基板104を吸着(固定)するチャックを有する。基板ステージ105は、ステージの高さおよび傾きの少なくともいずれかを調整するための少なくとも1つのアクチュエータを含みうる。例えば、基板ステージ105は、X方向およびY方向のそれぞれに水平移動可能なXYステージと、投影光学系101の光軸AXと平行な方向であるZ方向(基板104の高さ方向)に移動可能なZステージとを含む。更に、基板ステージ105は、θX方向およびθY方向に回転可能なレベリングステージと、θZ方向に回転可能な回転ステージとを含みうる。このように、基板ステージ105は、マスク102のパターンの像を基板104のショット領域に一致させるための6軸駆動系を構成している。基板ステージ105のX方向、Y方向およびZ方向の位置は、基板ステージ105に配置されたバーミラー123と、干渉計124とによって常に計測されている。
【0018】
計測部MUは、基板104の面位置(高さ方向の位置)および傾きを計測する機能を有する。本実施形態では、計測部MUは、基板ステージ105によって保持された基板104のショット領域の計測対象箇所の高さ方向の位置を計測することができる。計測部MUは、光源110、コリメータレンズ111、スリット部材112、投光側光学系113、投光側ミラー114、受光側ミラー115、受光側光学系116、ストッパ絞り117、補正光学系118、光電変換素子119を2つずつ含みうる。計測部MUの計測結果に基づいて、基板ステージ105の高さおよび傾きが制御されうる。
【0019】
光源110は、ランプまたは発光ダイオードで構成されうる。コリメータレンズ111は、光源110からの光を、断面の強度分布がほぼ均一な平行光に変換する。スリット部材112は、一対のプリズム(プリズム形状の部材)を互いの斜面が相対するように貼り合わせて構成される。その貼り合わせ面には、複数の開口(本実施形態では、6個のピンホール)がクロムなどの遮光膜を用いて形成されている。投光側光学系113は、両側テレセントリック系であって、スリット部材112の6個のピンホールを通過した光のそれぞれを、投光側ミラー114を介して、基板104のショット領域の6個の計測対象箇所に導光する。
【0020】
投光側光学系113に対して、ピンホールが形成された平面(貼り合わせ面)と基板104の表面を含む平面とは、シャインプルーフの条件を満たすように設定されている。本実施形態において、投光側光学系113からの光の基板104への入射角(光軸AXとのなす角)Φは、70度以上である。投光側光学系113を通過した6個の光は、基板上の互いに独立した各計測対象箇所に入射して結像する。また、投光側光学系113からの光は、基板上の6個の計測対象箇所が互いに独立して観察可能なように、X方向からXY平面内でθ度(例えば、22.5度)回転した方向から入射する。
【0021】
受光側光学系116は、両側テレセントリック系である。基板104の各計測対象箇所で反射された6個の光(反射光)は、受光側ミラー115を介して、受光側光学系116に入射する。ストッパ絞り117は、受光側光学系116の内部に配置され、6個の各計測対象箇所に対して共通に設けられている。ストッパ絞り117は、基板104に形成されているパターンによって発生する高次の回折光(ノイズ光)を遮断する。
【0022】
受光側光学系116を通過した光は、その光軸が互いに平行となっている。補正光学系118は、6個の補正レンズを含み、受光側光学系116を通過した6個の光を、光電変換素子119の光電変換面(受光面)に対して、互いに同一の大きさを有するスポット光として再結像する。また、受光側光学系116、ストッパ絞り117及び補正光学系118は、本実施形態では、基板上の各計測対象箇所と光電変換素子119の光電変換面とが互いに共役となるように倒れ補正を行っている。従って、基板上の各計測対象箇所の局所的な傾きに起因する光電変換面でのピンホール像の位置の変化はなく、各計測対象位置の光軸AXと平行な方向での高さの変化に応じて、光電変換面でピンホール像が変化する。ここで、光電変換素子119は、例えば、6個の1次元CCDラインセンサによって構成されうるが、2次元センサを複数個配置することにより構成されてもよい。
【0023】
上述したように、マスク102は、マスクステージ103によって保持される。マスクステージ103は、投影光学系101の光軸AXに対して垂直な面内で、X方向(矢印103aの方向)に一定速度で走査される。この際、マスクステージ103は、マスクステージ103のY方向の位置が常に目標位置を維持するように走査(補正駆動)される。マスクステージ103のX方向およびY方向の位置は、マスクステージ103に配置されたバーミラー120と干渉計121とによって常に計測されている。
【0024】
照明光学系106は、エキシマレーザなどのパルス光を発生する光源からの光を用いて、マスク102を照明する。照明光学系106は、ビーム整形光学系、オプティカルインテグレータ、コリメータレンズ、ミラーおよびマスキングブレードなどを含み、遠紫外領域のパルス光を効率的に透過または反射する。ビーム整形光学系は、入射光の断面形状(寸法)を予め定められた形状に整形する。オプティカルインテグレータは、光の配光特性を均一にしてマスク102を均一な照度で照明する。マスキングブレードは、チップサイズに対応する矩形の照明領域を規定する。かかる照明領域で部分照明されたマスク102のパターンは、投影光学系101を介して、基板104に投影される。
【0025】
主制御部127は、CPUやメモリなどを含み、露光装置100の各部を統括的に制御する。主制御部127は、マスク102のパターンからの光を基板104の所定領域に結像させるために、マスク102を保持するマスクステージ103や基板104を保持する基板ステージ105を制御する。例えば、主制御部127は、基板ステージ105を介して、基板104のXY面内の位置(X方向およびY方向の位置、および、θZ方向の回転位置)、ならびに、Z方向の位置(θX方向およびθY方向それぞれの回転位置)を調整する。同様に、主制御部127は、マスクステージ103を介して、マスク102のXY面内の位置(X方向およびY方向の位置、および、θZ方向の回転位置)、ならびに、Z方向の位置(θX方向およびθY方向それぞれの回転位置)を調整する。また、主制御部127は、マスクステージ103と基板ステージ105とを、投影光学系101に対して同期させて走査する。このように、主制御部127は、基板ステージ105により基板104を走査しながら基板104のショット領域のそれぞれを露光領域において露光する露光処理を制御する。
【0026】
マスクステージ103を矢印103aの方向に走査する場合、基板ステージ105は、矢印105aの方向に、投影光学系101の倍率(縮小倍率)だけ補正した速度で走査する。マスクステージ103の走査速度は、照明光学系106におけるマスキングブレードの走査方向の幅、及び、基板104の表面に塗布されたレジストの感度に基づいて、生産性が有利となるように決定される。
【0027】
マスク102のパターンのXY面内での位置合わせは、マスクステージ103の位置、基板ステージ105の位置、及び、基板ステージ105に対する基板104上の各ショット領域の位置に基づいて行われる。マスクステージ103の位置及び基板ステージ105の位置のそれぞれは、上述したように、干渉計121及び124によって計測される。基板ステージ105に対する基板104上の各ショット領域の位置は、アライメントスコープ(不図示)で基板ステージ105に設けられたマークの位置及び基板104に形成されたアライメントマークの位置を検出することにより得られる。
【0028】
マスク102のパターンのZ方向の位置合わせ、即ち、投影光学系101の像面への位置合わせは、計測部MUの計測結果に基づいて、基板ステージ105(に含まれるレベリングステージ)を制御することで実現される。
【0029】
図2は、ステップ・アンド・スキャン時のフォーカス・レベリング駆動の様子を示したものである。計測部MUは、露光領域の面位置を先読み方式で計測するフォーカスセンサ(先読みセンサ)として機能する。先読み方式とは、基板ステージ105によって保持された基板104のショット領域が投影光学系101の下の露光位置に到達する前に、当該ショット領域の面位置を計測する方式をいう。第Nショット領域に露光を行う際、基板ステージ105を+Y方向に走査させることで、スリット露光領域201が第Nショット領域の全領域を通過し、第Nショット領域が露光される。先読みセンサは、X方向に並んで配置された3つのセンサ202、203、204を含みうる。これらのセンサを用いて、スリット露光領域より-Y方向の位置におけるX方向に並んで配置された3点の位置を計測することにより、スリット露光領域より先の領域のフォーカス・レベリングずれが計測される。各センサの計測値をZ202、Z203、Z204、とすると、フォーカス(Z)ずれΔFc、レベリング(θY)ずれΔLvは、次式により求められる。
【0030】
ΔFc=(Z202+Z203+Z204)/3 … (1)
ΔLv=(Z202-Z204)/D … (2)
ただし、Dは、センサ202と204の基板上でのX方向の距離を表す。
【0031】
このようにして、3点の計測値の平均値からフォーカスずれ(ΔFc)が算出され、2点の計測値(Z202とZ204)の差分値からレベリングずれ(ΔLv)が算出される。走査によってスリット露光領域201が到達するより前に、フォーカスずれ及びレベリングずれの計測が続けられ、その計測結果は主制御部127に送信される。なお、ΔFc、ΔLvの算出式は、式(1)、(2)に限定されない。また、第(N+1)ショット領域では走査方向が逆になるため、スリット露光領域201は-Y方向に走査されることになる。-Y方向に走査する際は、先読みセンサ205、206、207によって、スリット露光領域より+Y方向の領域を計測することになる。
【0032】
主制御部127は、先読みセンサによって計測され送信されたフォーカス・レベリングずれに基づいて、スリット露光領域を投影レンズ4の結像面に合致させるための目標軌跡を逐次生成する。ここで、先読みセンサによる計測は、ショット領域内で一定間隔(例えば、0.5mmピッチ)で行われ、計測毎にフォーカス・レベリング駆動が行われる。ΔFc、ΔLvの値を使って生成される目標軌跡をそれぞれFc(y)、Lv(y)とする。ここで、yは基板ステージ105のY方向(走査方向)の位置を示す。また、(y)はyの関数であることを表している。これらの関数Fc(y)、Lv(y)は直線、2次関数、三角関数など任意の関数である。
【0033】
Fc(y)、Lv(y)は、基板の局所的なたわみ、基板を保持するためのチャックによる吸着段差、ゴミによる段差などにより、局所的に変化の大きい値となることがある。したがって、Fc(y)、Lv(y)を指令値としてそのまま印加すると、基板ステージ105に対する駆動指令値は大きな高周波成分を含みうる。しかし、フォーカス・レベリング駆動機構の追従性能(追従周波数)には上限があるので、それを超える高周波数で駆動しようとしても追従しきれなくなる。このような状態になると、局所的な段差に追従しきれないばかりでなく、その後の露光領域においても露光表面が結像面から大きくずれてしまうという問題が生じうる。
【0034】
従来技術では、基板ステージ105の駆動量に対して制限を設け、一定の値を超える目標値が与えられた場合は、基板ステージ105の駆動量を制限する機能を持たせていた。このように、駆動量を制限することで、基板ステージ105が追従できない目標値に対して、あえて追従しないようにする。これによりフォーカス誤差を低減していた。
【0035】
しかし、基板外周部における基板の反りや、プロセス段差等によっては、フォーカス・レベリングの計測値が一方向に単調増加又は単調減少する場合がある。目標値が単調増加又は単調減少のようにランプ状に変化する場合では、駆動量が制限値を超える値であっても、駆動指令値に高周波成分が含まれず、基板ステージ105が目標値に追従可能となる場合がある。そのような場合、駆動量の制限は過剰な制限となってしまい、本来追従可能であるのにも関わらず、駆動制限によって、ベストフォーカス面からずれた位置に駆動してしまい、デフォーカスの要因となってしまう可能性がある。
【0036】
図7に、フォーカス・レベリングの計測値が同一方向に単調増加する場合に、従来の駆動方法で駆動量の制限を行ったときの基板ステージ105の駆動軌跡を示す。横軸は時間t、縦軸は基板ステージ105の位置(高さおよび傾き)を示している。破線701は、先読みセンサによって計測される面位置の、ベストフォーカス面からのずれ量(誤差)を示している。破線701は、計測部MUから得られる計測値の時系列データであると理解されてもよい。実線703は、基板ステージ105の駆動軌跡を示している。従来技術では、基板ステージ105のフォーカス・レベリングの駆動量には固定された制限値による制限がかかるため、制限値よりも大きな計測値d(705)が計測された場合、基板ステージの駆動量は、dよりも小さいLimit702に制限される。Limit702を超える計測値d(705)が一方向に連続して計測された場合、Limit702による制限によって、基板ステージ105は駆動軌跡703のようになり、デフォーカス704が発生する。
【0037】
図7のように、同一方向に先読みセンサの計測値が単調増加又は単調減少する場合は、駆動指令値に高周波成分が含まれず、基板ステージ105が追従可能となるため、目標値に追従する駆動量の制限値を可変にすることが適切である。本実施形態では、先読みセンサから得られる計測値の時系列データの微分値を算出し、該微分値に基づいて、少なくとも1つのアクチュエータ(6軸駆動系)による基板ステージ105の駆動量の制限値を決定する。例えば、微分値の符号と大きさに基づいて、駆動量の制限値が可変にされる。そうすることで、過剰な駆動制限による弊害を回避することができる。以下では、その具体例を説明する。なお、以下の説明では、計測値の時系列データの微分値のことを、「計測値の微分値」と略記する場合がある。
【0038】
図3を参照して、第1実施形態における基板ステージ105の駆動制御について説明する。
図3において、横軸は時間t、縦軸は基板ステージ105の位置(高さおよび傾き)を示している。破線301は、先読みセンサによって計測される面位置の、ベストフォーカス面からの誤差を示している。破線301は、計測部MUから得られる計測値の時系列データを表すグラフであると理解されてもよい。実線302は、基板ステージ105の駆動軌跡を示している。駆動軌跡上の位置303~308は、計測毎に行われるフォーカス・レベリング駆動の目標位置である。基板ステージ105が位置303から位置304へ移動する際、主制御部127は、先読みセンサによって得られた計測値に基づいて基板ステージ105の駆動量を算出する。算出された駆動量がLimitA(309)を超えた場合、基板ステージ105の駆動量はLimitA(309)に制限され、基板ステージ105は目標値である位置304へ移動する。同様に、基板ステージ105が位置304から位置305へ移動する際、主制御部127は、先読みセンサによって得られた計測値に基づいて基板ステージ105の駆動量を算出する。ここで、ベストフォーカス面からのずれをΔFcとし、基板ステージ105の駆動量の微分値ΔZを次式から求める。なお、基板ステージ105の駆動量の微分値とは、計測値の微分値と同義である。
【0039】
ΔZ(n)=(ΔFc(n)-ΔFc(n-1))/T … (3)
ただし、Tはフォーカス・レベリング駆動時間であり、これは先読みセンサの計測ピッチと走査速度から求めることができる。また、nはフォーカス・レベリング駆動の回数を示す。
【0040】
主制御部127は、1つのショット領域内の走査露光中において、第1の計測で得られた計測値の微分値と、該第1の計測の次に行われた第2の計測で得られた計測値の微分値とを比較する。例えば、ΔZ(n)を位置303から位置304へ駆動する際の駆動量の微分値、ΔZ(n+1)を位置304から位置305へ駆動する際の駆動量の微分値とする。この場合、両者の微分値は同符号、すなわち、それぞれの微分値の符号が一致することが分かる。微分値の符号が一致する場合、基板ステージ105は一方向に駆動する。基板ステージ105が一方向に駆動する場合、基板ステージ105には大きな偏差が発生しない。そのため、駆動量の制限値を、LimitAよりも大きいLimitB(310)に増加させることが可能である。同様に、位置305から位置306への駆動、位置306から位置307への駆動、位置307から位置308への駆動のときも、制限値をLimitBにしてよい。一方向に基板ステージ105を駆動する際には制限値を増加させることにより、実線302で示される基板ステージ105の駆動軌跡のデフォーカス量を、従来技術における基板ステージの駆動軌跡311のデフォーカス量より小さくすることが可能になる。
【0041】
次に、
図4を参照して、先読みセンサの計測値が単調増加から単調減少に転じる場合における基板ステージ105の駆動制御について説明する。横軸は時間t、縦軸は基板ステージ105の位置を示している。破線401は、先読みセンサによって計測される面位置の、ベストフォーカス面からの誤差を示している。破線401は、計測部MUから得られる計測値の時系列データを表すグラフであると理解されてもよい。実線402は、基板ステージ105の駆動軌跡を示している。基板ステージ105が位置403から位置404へ移動する際の駆動量の制限値はLimitA(411)にされている。その後、基板ステージ105が位置404から位置405、位置405から位置406、位置406から位置407へ駆動する際は、一方向に駆動が行われる。そのため、主制御部127は、駆動量の制限値をLimitA(411)からそれより大きいLimitB(412)に増加させる。
【0042】
次に、基板ステージ105が位置407から位置408へ駆動する際、基板ステージ105の駆動量の微分値は異符号となる。すなわち、微分値の符号が反転する。駆動方向が反転すると、基板ステージの指令値に高周波成分が含まれ、その場合、追従特性が低下する可能性がある。したがって、微分値の符号が反転する場合は、主制御部127は、駆動量の制限値をLimitB(412)からLimitA(411)に低下させる。その後、基板ステージ105が位置408から位置409、位置409から位置410へ駆動する際は、単調減少となるため、主制御部127は、駆動量の制限値を再び制限値LimitBに増加させる。
【0043】
このように、本実施形態によれば、駆動量の微分値に基づいて制限値を動的に変化する。例えば、基板ステージ105の駆動方向が単調増加から単調減少に転じる際には、駆動量の制限値を、動的にかつ適切に変更することが可能となる。これにより、駆動量の制限による弊害を取り除くことができ、追従できない駆動指令値に対して、適切に制限をかけることが可能となる。
【0044】
図5は、本実施形態における露光方法のフローチャートである。
S501で、主制御部127は、露光対象ショットの露光処理を開始する。
S502で、主制御部127は、先読みセンサを用いた計測により、先読みセンサによって計測される面位置の、ベストフォーカス面からのずれ量のデータを得る(フォーカス・レベリング計測)。
S503で、主制御部127は、S502での計測結果と基板ステージ105の現在値との差から駆動量を算出し、算出された駆動量をフォーカス・レベリング駆動に要する時間で割って微分値を算出する。
S504で、主制御部127は、S502での計測が初回の計測であるか否かを判定する。該計測が初回である場合、処理はS507に進む。S507では、主制御部127は、駆動量の制限値をLimitAに設定する。該計測が初回ではない場合、処理はS505に進む。
【0045】
S505では、主制御部127は、今回のS503で得られた微分値の符号と前回の計測から得られた微分値の符号とを比較する。両者の微分値が同符号である場合、処理はS506へ進む。両者の微分値が異符号である場合、処理はS507へ進む。S506では、主制御部127は、駆動量の制限値をLimitAよりも大きいLimitBに設定する。S507では、主制御部127は、駆動量の制限値をLimitAに設定する。LimitA及びLimitBは、基板ステージ105を決められたパターンで駆動させ、生じた制御偏差からデフォーカスが発生しないように決定される。
【0046】
S508で、主制御部127は、S506またはS507で設定された制限値に基づいて、基板ステージ105の位置の目標値を算出する。
S509で、主制御部127は、S508によって制限値以下に制限された駆動量で基板ステージ105を駆動させ、その後、基板104を露光する。
S510で、主制御部127は、ショット領域全域の露光処理が完了したか否かを判定する。ショット領域全域の露光処理が完了していない場合、次の領域のフォーカス計測を実施すべく処理はS502に戻る。ショット領域全域の露光処理が完了した場合、このショット領域の処理は完了となる。次のショット領域について、本処理が実行される。
【0047】
以上説明した処理フローによれば、主制御部127は、走査露光中、計測部MUから得られる計測値の時系列データの微分値に基づいて制限値を更新しながら、当該制限値を超えないよう基板ステージ105の駆動量を決定する。露光装置100は、基板104の複数のショット領域のそれぞれを走査露光するように構成されており、主制御部127は、1つのショット領域内で駆動量の制限値を変化させることができる。
【0048】
<第2実施形態>
図6を参照して、第2実施形態における基板ステージの駆動制御について説明する。
図6において、横軸は時間t、縦軸は基板ステージ105の位置を示している。破線601は、先読みセンサによって計測される面位置の、ベストフォーカス面からのずれ量(誤差)を示している。破線701は、計測部MUから得られる計測値の時系列データを表すグラフであると理解されてもよい。実線602は、基板ステージ105の駆動軌跡を示している。ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置においては、生産性の向上をねらって、加速中に露光処理を行う手法が用いられる場合がある。その場合、露光中に基板ステージ105の走査方向の速度が変化する。先読みセンサの計測は一定間隔(例えば0.5mmピッチ)で行われるため、走査速度が変わると、フォーカス・レベリング駆動の周期も変化する。例えば、走査速度が遅くなれば、2点間の計測時間間隔が長くなるため、フォーカス・レベリング駆動の時間は長くなる。一方、走査速度が速くなれば、2点間の計測時間間隔が短くなるため、フォーカス・レベリング駆動の時間は短くなる。また、フォーカス・レベリング駆動の時間によって、基板ステージ105が追従可能な駆動量が変わってくる。例えば、基板ステージ105が位置603から位置604へ駆動する際のフォーカス・レベリング駆動時間をTとする。露光中に走査速度が上がっていくと、位置604から位置605の駆動時間はT’、位置605から位置606の駆動時間はT”となる(T>T’>T”)。ここで、位置604からベストフォーカス面への駆動量と、位置605からベストフォーカス面への駆動量とが等しい場合、それぞれの微分値は後者の方が大きくなる。そのような場合、主制御部127は、位置605から位置606の微分値に応じて、LimitC(609)を設定する(LimitB>LimitC)。
【0049】
このように、本実施形態によれば、主制御部127は、1つのショット領域内での走査速度に応じて駆動量の制限値の変更量を調整することができる。これにより、追従誤差を生じさせず、高精度にベストフォーカス面に駆動することが可能となる。
【0050】
<物品製造方法の実施形態>
本発明の実施形態に係る物品製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品製造方法は、基板に塗布された感光剤に上記の露光装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板を露光する工程)と、かかる工程で潜像パターンが形成された基板を現像する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
【0051】
本明細書の開示は、少なくとも以下の露光装置、露光方法、および物品製造方法を含む。
(項目1)
基板を走査露光する露光装置であって、
前記基板を保持して移動するステージと、
前記ステージの高さおよび傾きの少なくともいずれかを調整するための少なくとも1つのアクチュエータと、
前記基板の面位置を計測する計測部と、
前記計測部から得られた計測値に基づいて前記少なくとも1つのアクチュエータを制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記計測部から得られる計測値の時系列データの微分値に基づいて、前記少なくとも1つのアクチュエータによる前記ステージの駆動量の制限値を決定する、ことを特徴とする露光装置。
(項目2)
前記制御部は、走査露光中、前記計測部から得られる計測値の時系列データの微分値に基づいて制限値を更新しながら、当該制限値を超えないよう前記少なくとも1つのアクチュエータによる前記ステージの駆動量を決定する、ことを特徴とする項目1に記載の露光装置。
(項目3)
前記露光装置は、前記基板の複数のショット領域のそれぞれを走査露光するように構成され、
前記制御部は、1つのショット領域内で前記制限値を変化させる、
ことを特徴とする項目2に記載の露光装置。
(項目4)
前記制御部は、前記1つのショット領域内の走査露光中において、前記計測部による第1の計測で得られた計測値の時系列データの微分値と、前記計測部による前記第1の計測の次に行われた第2の計測で得られた計測値の時系列データの微分値とが同符号である場合、前記制限値を増加させる、ことを特徴とする項目3に記載の露光装置。
(項目5)
前記制御部は、前記1つのショット領域内の走査露光中において、前記計測部による第1の計測で得られた計測値の時系列データの微分値と、前記計測部による前記第1の計測の次に行われた第2の計測で得られた計測値の時系列データの微分値とが異符号である場合、前記制限値を低下させる、ことを特徴とする項目3または4に記載の露光装置。
(項目6)
前記制御部は、前記1つのショット領域内での走査速度に応じて前記制限値の変更量を調整する、ことを特徴とする項目3から5のいずれか1項目に記載の露光装置。
(項目7)
前記計測部は、前記ステージによって保持された前記基板のショット領域が露光位置に到達する前に、当該ショット領域の面位置を計測する、ことを特徴とする項目1から6のいずれか1項目に記載の露光装置。
(項目8)
ステージによって保持された基板を走査露光する露光方法であって、
前記基板の面位置を計測する工程と、
前記計測により得られた計測値の時系列データの微分値を算出する工程と、
前記算出された微分値に基づいて、前記ステージの高さおよび傾きの少なくともいずれかを調整するための少なくとも1つのアクチュエータによる前記ステージの駆動量の制限値を決定する工程と、
前記少なくとも1つのアクチュエータにより、前記制限値以下に制限された駆動量で前記ステージを駆動し、その後、前記基板を露光する工程と、
を有することを特徴とする露光方法。
(項目9)
項目8に記載の露光方法に従い基板を露光する工程と、
前記露光された基板を現像する工程と、
を含み、前記現像された基板から物品を製造する、ことを特徴とする物品製造方法。
【0052】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0053】
100:露光装置、101:投影光学系、102:マスク、103:マスクステージ、104:基板、105:基板ステージ、106:照明光学系、127:主制御部