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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178015
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/20 20180101AFI20241217BHJP
【FI】
G06F8/20
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096491
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小関 祐司
(72)【発明者】
【氏名】平田 淳
(72)【発明者】
【氏名】久保 絵里
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376BC03
5B376BC14
5B376BC41
(57)【要約】      (修正有)
【課題】データ分析業務システムをクラウド上に構築しようとするユーザの希望に実用上十分に適合した最適なシステム構成を提案する情報処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】システム構成生成処理は、少なくとも作成対象のシステムが取り扱うデータのデータ構造及び当該データの分析手法及び当該データの探索方法を含む要件に関する特徴を抽出する構成特徴抽出処理と、予め用意されたデータ処理の流れを規定した複数種類のカタログの中から、抽出した要件の特徴に適合するカタログを抽出し、抽出したカタログのサービス構成要素毎に、要求された要件に適したクラウドサービスをそれぞれ抽出し、抽出したクラウドサービスを、抽出したカタログに従って組み合わせた1又は複数のシステム構成案を生成する構成生成処理と、生成した各システム構成案を提示する処理と、を実行する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
要求された要件に適合するクラウド上のシステム構成の構成案を提示する情報処理装置において、
前記要件は、少なくとも作成対象のシステムが取り扱うデータのデータ構造、当該データの分析手法及び当該データの探索方法を含み、
前記要件に関する特徴を抽出する構成特徴抽出部と、
予め用意されたデータ処理の流れを規定した複数種類のカタログの中から、前記構成特徴抽出部により抽出された前記要件の特徴に適合する前記カタログを抽出するカタログ抽出部と、
前記カタログ抽出部により抽出された前記カタログのサービス構成要素ごとに、要求された前記要件に適したクラウドサービスをそれぞれ抽出するクラウドサービス抽出部と、
前記クラウドサービス抽出部により抽出された前記クラウドサービスを、前記カタログ抽出部により抽出された前記カタログに従って組み合わせた1又は複数のシステム構成案を生成するシステム構成案生成部と、
前記システム構成案生成部により生成された各前記システム構成案を提示するシステム構成提示部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記システム構成案生成部は、
生成した前記システム構成案ごとに、当該システム構成案が前記要件に適合している度合を適合度としてそれぞれ算出し、
前記システム構成提示部は、
前記システム構成案生成部により生成された各前記システム構成案を、前記適合度の高い順に並べて提示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
各クラウドサービス事業者がそれぞれ提供している各種の前記クラウドサービスに関する情報が登録されたクラウドサービスデータベースを有し、
前記クラウドサービス抽出部は、
前記カタログ抽出部により抽出された前記カタログのサービス構成要素ごとに、要求された前記要件に適したクラウドサービスを、前記クラウドサービスデータベースに登録された前記クラウドサービスの中からそれぞれ抽出し、
各前記クラウドサービス事業者がそれぞれ提供している前記クラウドサービスに関する情報を収集し、前記クラウドサービスデータベースに登録された既存の前記クラウドサービスの更新を検知し又は新規の前記クラウドサービスを検知した場合に、検知内容に従って前記クラウドサービスデータベースにおける既存の前記クラウドサービスの登録情報を更新し又は新規の前記クラウドサービスを前記クラウドサービスデータベースに登録するクラウドサービスデータベース更新部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
既存の前記クラウドサービスが更新され又は新規の前記クラウドサービスの提供が開始された場合に、必要なユーザに所定の通知を送信するユーザ通知部をさらに備え、
前記ユーザ通知部は、
更新された既存の前記クラウドサービス又は新規の前記クラウドサービスを利用することで現在のシステムよりも要求する前記要件により適合したシステムを構築可能な前記ユーザに対して前記所定の通知を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザに対して、前記システム構成提示部が提示した前記システム構成案の中から当該ユーザが前記システム構成として適用した前記システム構成案を問い合わせる適用結果問合せ部と、
前記適用結果問合せ部が取得した前記ユーザがシステム構成として適用した前記システム構成案の前記適合度が所定の閾値未満であった場合に、当該システム構成案の前記カタログを新たに生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
要求された要件に適合するクラウド上のシステム構成の構成案を提示する情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
前記要件は、少なくとも作成対象のシステムが取り扱うデータのデータ構造、当該データの分析手法及び当該データの探索方法を含み、
前記要件に関する特徴を抽出する第1のステップと、
予め用意されたデータ処理の流れを規定した複数種類のカタログの中から、抽出した前記要件の特徴に適合する前記カタログを抽出する第2のステップと、
抽出した前記カタログのサービス構成要素ごとに、要求された前記要件に適したクラウドサービスをそれぞれ抽出する第3のステップと、
抽出した前記クラウドサービスを、抽出した前記カタログに従って組み合わせた1又は複数のシステム構成案を生成する第4のステップと、
生成した各前記システム構成案を提示する第5のステップと
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
前記第4のステップにおいて、前記情報処理装置は、
生成した前記システム構成案ごとに、当該システム構成案が前記要件に適合している度合を適合度としてそれぞれ算出し、
前記第5のステップにおいて、前記情報処理装置は、
生成した各前記システム構成案を、前記適合度の高い順に並べて提示する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記情報処理装置は、
各クラウドサービス事業者がそれぞれ提供している各種の前記クラウドサービスに関する情報が登録されたクラウドサービスデータベースを有し、
前記第3のステップにおいて、前記情報処理装置は、
抽出した前記カタログのサービス構成要素ごとに、要求された前記要件に適したクラウドサービスを、前記クラウドサービスデータベースに登録された前記クラウドサービスの中からそれぞれ抽出し、
前記情報処理装置は、
各前記クラウドサービス事業者がそれぞれ提供している前記クラウドサービスに関する情報を収集し、前記クラウドサービスデータベースに登録された既存の前記クラウドサービスの更新を検知し又は新規の前記クラウドサービスを検知した場合に、検知内容に従って前記クラウドサービスデータベースにおける既存の前記クラウドサービスの登録情報を更新し又は新規の前記クラウドサービスを前記クラウドサービスデータベースに登録する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記情報処理装置は、
既存の前記クラウドサービスが更新され又は新規の前記クラウドサービスの提供が開始された場合に、更新された既存の前記クラウドサービス又は新規の前記クラウドサービスを利用することで現在のシステムよりも要求する前記要件により適合したシステムを構築可能なユーザに対して所定の通知を送信する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項10】
ユーザに対して、提示した前記システム構成案の中から当該ユーザが前記システム構成として適用した前記システム構成案を問い合わせる第6のステップと、
取得した前記ユーザがシステム構成として適用した前記システム構成案の前記適合度が所定の閾値未満であった場合に、当該システム構成案の前記カタログを新たに生成する第7のステップと
を備えることを特徴とする請求項7に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置及び方法に関し、顧客から要求された条件に適合するクラウド上のシステム構成の構成案を提示するクラウド構成案提示装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウド技術の進歩に伴い、クラウドサービスを利用して業務システムを構築するケースが増えてきている。このような業務システムを構築するに際しては、その業務システムが行う業務の内容を十分に考慮した最適なシステム構成を検討する必要がある。
【0003】
なお、クラウドサービスを利用した情報システムの構築に関して、特許文献1には、クラウドサービスプロバイダのデータセンタ間通信を伴う複数のコンポーネントを組合せたシステムの構成について、ユーザ所望のコンポーネント要件に加えてデータセンタ間通信の要件にも配慮したシステム構成案を生成してユーザに提示し得るようになされたシステム構成案生成装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-219795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
各種業務システムのうち、特に、データ分析業務を行うデータ分析業務システムの場合、業務の内容だけでなく、取り扱うデータの構造、探索手法(アクセス手法)及び分析方法によって何通りものシステム構成が考えられるため、その中からそのとき構築しようとするデータ分析業務システムの業務内容に最も適合したシステム構成を抽出する際の判断が難しい。
【0006】
このため、例えば、クラウド上の業務システムのコンサルティングサービスを提供する事業者が顧客から業務システムの構成に関する相談を受けたとしても、その顧客の希望に実用上十分に適合した最適なシステム構成を提案し難いという問題があった。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、データ分析業務システムを構築しようとする顧客の希望に実用上十分に適合した最適なシステム構成を提案し得る情報処理装置及び方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明においては、要求された要件に適合するクラウド上のシステム構成の構成案を提示する情報処理装置において、前記要件は、少なくとも作成対象のシステムが取り扱うデータのデータ構造、当該データの分析手法及び当該データの探索方法を含み、前記要件に関する特徴を抽出する構成特徴抽出部と、予め用意されたデータ処理の流れを規定した複数種類のカタログの中から、前記構成特徴抽出部により抽出された前記要件の特徴に適合する前記カタログを抽出するカタログ抽出部と、前記カタログ抽出部により抽出された前記カタログのサービス構成要素ごとに、要求された前記要件に適したクラウドサービスをそれぞれ抽出するクラウドサービス抽出部と、前記クラウドサービス抽出部により抽出された前記クラウドサービスを、前記カタログ抽出部により抽出された前記カタログに従って組み合わせた1又は複数のシステム構成案を生成するシステム構成案生成部と、前記システム構成案生成部により生成された各前記システム構成案を提示するシステム構成提示部とを設けるようにした。
【0009】
また本発明においては、要求された要件に適合するクラウド上のシステム構成の構成案を提示する情報処理装置により実行される情報処理方法であって、前記要件は、少なくとも作成対象のシステムが取り扱うデータのデータ構造、当該データの分析手法及び当該データの探索方法を含み、前記要件に関する特徴を抽出する第1のステップと、予め用意されたデータ処理の流れを規定した複数種類のカタログの中から、抽出した前記要件の特徴に適合する前記カタログを抽出する第2のステップと、抽出した前記カタログのサービス構成要素ごとに、要求された前記要件に適したクラウドサービスをそれぞれ抽出する第3のステップと、抽出した前記クラウドサービスを、抽出した前記カタログに従って組み合わせた1又は複数のシステム構成案を生成する第4のステップと、生成した各前記システム構成案を提示する第5のステップとを設けるようにした。
【0010】
本発明の情報処理装置及び方法によれば、人間の判断を介在させることなく、要求された要件に適したシステム構成を提案することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、顧客の希望に実用上十分に適合する最適なシステム構成を提案し得る情報処理装置及び方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態によるシステム構成提案システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】(A)及び(B)は、分析カタログの説明に供する概念図である。
図3】ユーザデータベースの構成例を示す図表である。
図4】問合せ履歴データベースの構成例を示す図表である。
図5】(A)は構成生成条件ファイルを表す概念図、(B)は特徴抽出結果ファイルを表す概念図、(C)は構成生成結果ファイルを表す概念図である。
図6】分析カタログデータベースの構成例を示す図表である。
図7】クラウドサービスデータベースの構成例を示す図表である。
図8】構成生成条件設定画面の構成例を示す図である。
図9】構成生成結果表示画面の構成例を示す図である。
図10】適用結果登録画面の構成例を示す図である。
図11】システム構成生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
図12】構成特徴抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。
図13A】構成生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
図13B】構成生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
図14】適合度算出処理の処理手順を示すフローチャートである。
図15】構成特徴抽出部により抽出された顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムの特徴の説明に供する図である。
図16】適用結果登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
図17】クラウドサービスデータベース更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
図18A】ユーザ通知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図18B】ユーザ通知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図19】マネージドサービス更新通知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図20】第1の分析カタログデータベース更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
図21】第2の分析カタログデータベース更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0014】
(1)本実施の形態によるシステム構成提案システムの構成
図1において、1は全体として本実施の形態によるシステム構成提案システムを示す。このシステム構成提案システム1は、クライアント2及びシステム構成提案装置3を備えて構成される。
【0015】
クライアント2は、ユーザが使用するコンピュータ装置であり、CPU(Central Processing Unit)、主記憶装置、補助記憶装置、通信装置、入力装置及び表示装置などを備えた汎用のコンピュータ装置から構成される。クライアント2は、ネットワーク4を介してシステム構成提案装置3と接続される。
【0016】
システム構成提案装置3は、内部バス10を介して相互に接続されたCPU11、主記憶装置12、補助記憶装置13及びネットワークインタフェース14を備えた汎用のサーバ装置から構成される。CPU11は、システム構成提案装置3全体の動作制御を司るプロセッサである。また主記憶装置12は、例えばSRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の半導体メモリから構成され、CPU11のワーキングメモリとして利用される。
【0017】
補助記憶装置13は、例えばハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)などの大容量の不揮発性の記憶装置から構成され、各種プログラムや長期間保存が必要なデータなどを記憶保持するために利用される。補助記憶装置13に格納されたプログラムがシステム構成提案装置3の起動時や必要時に主記憶装置12に読み出され、主記憶装置12に読み出されたプログラムをCPU11が実行することにより、後述のようなシステム構成提案装置3全体としての各種処理が実行される。
【0018】
ネットワークインタフェース14は、例えばNIC(Network Interface Card)などから構成され、ネットワーク4を介したクライアント2との通信時におけるプロトコル制御を行う。
【0019】
(2)本実施の形態によるシステム構成提案機能
次に、システム構成提案装置3に搭載されたシステム構成提案機能について説明する。このシステム構成提案機能は、顧客がクラウド上に構築しようとするデータ分析業務システムについて、主としてそのデータ分析業務システムが取り扱うデータのデータ構造、当該データの探索方法及び当該データの分析手法の観点から、その顧客の要求に最も適合したシステム構成案を生成して提案する機能である。
【0020】
実際上、本システム構成提案システム1の場合、ユーザは、所定操作によりクライアント2に表示される図8について後述する構成生成条件設定画面40を用いて、そのとき構築しようとするデータ分析業務システムが取り扱うデータの構造(データ構造)や、探索方法(データ探索方法)及び分析手法(データ分析手法)といった、そのデータ分析業務システムの構成要件を構成生成条件として設定することができる。そして、このとき設定された構成生成条件を含むシステム構成生成要求がそのクライアント2からシステム構成提案装置3に送信される。
【0021】
システム構成提案装置3は、クライアント2からシステム構成生成要求が与えられると、そのシステム構成生成要求に含まれる構成生成条件に基づいて、予め記憶している複数の分析カタログの中からその顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムに適用可能な分析カタログをすべて抽出する。
【0022】
ここで「分析カタログ」とは、例えば図2(A)に示すように、データ分析業務を行う一連の処理の流れを表したテンプレート(雛形)であり、それぞれデータ収集、データ加工、データ保持又はデータ提供といった、幾つかの処理種別(以下、これをサービス区分と呼ぶ)の組合せ(順序を含む)を表す情報と、各サービス区分について予め設定されたクラウドサービス事業者の情報とから構成される。「各サービス区分について予め設定されたクラウドサービス事業者」の意味については後述する。例えば図2(A)は、データ収集の後に収集したデータに対して加工(データ加工)を行い、加工したデータを保持(データ保持)し、保持したデータを提供(データ提供)するという一連の処理の流れを規定した分析カタログ15を概念的に表している。
【0023】
なお、以下においては、分析カタログ15における各サービス区分のサービス(図2(A)のA~D)の1つ1つをそれぞれサービス構成要素16と呼ぶものとする。サービス区分の組合せパターンが同じであれば、各サービス区分におけるサービス構成要素16の数は、例えば図2(B)のように複数であってもよい。
【0024】
システム構成提案装置3は、このような分析カタログ15を予め複数種類保持しており、これら分析カタログ15の中からシステム構成生成要求に含まれる構成生成条件に適合する分析カタログをすべて抽出する。
【0025】
そしてシステム構成提案装置3は、抽出した各分析カタログ15の各サービス構成要素16に対して、そのサービス構成要素16のサービス区分についてその分析カタログ15で予め設定されたクラウドサービス事業者が提供している各種クラウドサービスの中からそのサービス構成要素16として適用可能なクラウドサービスをそれぞれ1つずつ当て嵌めるようにして、生成可能なすべてのクラウドサービスの組合せパターンのシステム構成案を生成する。
【0026】
またシステム構成提案装置3は、上述のようにして生成した各システム構成案について、顧客が設定した構成生成条件に適合している度合を適合度としてそれぞれ算出し、算出した適合度と併せて各システム構成案の詳細を、かかるシステム構成生成要求を送信してきたクライアント2に送信する。これにより、そのクライアント2に図9について後述する構成生成結果表示画面50が表示される。
【0027】
さらにシステム構成提案装置3は、この後、提案したシステム構成案を適用(そのシステム構成案のシステム構成を有するデータ分析業務システムを構築)したか否かを確認するための図10について後述する適用結果登録画面60を表示するよう、かかるシステム構成生成要求を送信してきたクライアント2に指示する。以下においては、この指示を適用結果登録画面表示指示と呼ぶものとする。
【0028】
そしてクライアント2は、この適用結果登録画面表示指示を受信すると、かかる適用結果登録画面60を表示する一方、この適用結果登録画面60上でユーザが入力した、そのユーザが提案を受けたシステム構成案を適用したか否かの情報と、適用した場合におけるそのシステム構成案の識別情報とをシステム構成提案装置3に送信する。かくして、システム構成提案装置3は、これらの情報に基づいて、必要に応じて新たな分析カタログ15を生成する。
【0029】
以上のような本実施の形態のシステム構成提案機能を実現するための手段として、図1に示すように、クライアント2には、構成生成条件入力部20、構成生成結果表示部21及び構成適用結果入力部22を備えたWebブラウザ23が実装されている。またシステム構成提案装置3の補助記憶装置13には、ユーザデータベース24、問合せ履歴データベース25、分析カタログデータベース26及びクラウドサービスデータベース27が格納されると共に、システム構成提案装置3の主記憶装置12には、補助記憶装置13から読み込まれた問合せ受付部28、構成特徴抽出部29、構成生成部30、適用結果登録部31、分析カタログデータベース更新部32、クラウドサービスデータベース更新部33及びユーザ通知部34が格納されている。
【0030】
クライアント2の構成生成条件入力部20は、顧客の所定操作に応じてネットワーク4を介してシステム構成提案装置3から必要な情報を収集して上述の構成生成条件設定画面40(図8)を表示する機能を有するプログラムである。また構成生成条件入力部20は、この構成生成条件設定画面40上で顧客が設定した構成生成条件を含むシステム構成生成要求を生成してシステム構成提案装置3に出力する。
【0031】
構成生成結果表示部21は、構成生成条件入力部20がシステム構成生成要求をシステム構成提案装置3に送信した後にシステム構成提案装置3から送信されてくる情報に基づいて、システム構成提案装置3により生成された1又は複数のシステム構成案が掲載された上述の構成生成結果表示画面50(図9)を表示する機能を有するプログラムである。
【0032】
また構成適用結果入力部22は、システム構成提案装置3からの要求に応じて上述の適用結果登録画面60(図10)を表示する機能を有するプログラムである。実際上、構成適用結果入力部22は、適用結果登録画面表示指示がシステム構成提案装置3から与えられると、適用結果登録画面60を表示する一方、この適用結果登録画面60上でユーザが入力した、そのユーザが提案を受けたシステム構成案を適用したか否かの情報と、適用した場合におけるそのシステム構成案の識別情報とをシステム構成提案装置3に送信する。
【0033】
一方、システム構成提案装置3のユーザデータベース24は、本システム構成提案システム1を利用する各ユーザに関する情報が格納されたデータベースである。このユーザデータベース24は、図3に示すように、ユーザID欄24A、ユーザメールアドレス欄24B及び通知要否欄24Cを備えたテーブル構造を有する。ユーザデータベース24では、図3の1つのレコード(行)が一人のユーザに対応する。
【0034】
そしてユーザID欄24Aには、対応するユーザに付与されたそのユーザに固有の識別情報(ユーザID)が格納され、ユーザメールアドレス欄24Bには、そのユーザの連絡先のメールアドレス(以下、これをユーザメールアドレスと呼ぶ)が格納される。
【0035】
また通知要否欄24Cには、そのユーザがそのとき利用しているクラウドサービスの内容が更新され又はそのユーザが構築したデータ分析業務システムに利用可能な新たなサービスが登場した場合に、その旨の通知(以下、これをマネージドサービス更新通知と呼ぶ)を希望するか否かの回答結果(必要な場合には「要」、不要の場合には「不要」)が格納される。
【0036】
従って、図3の例では、「A0001」というユーザIDが付与されたユーザのユーザメールアドレスは「a123.ab@△△△.com」であり、そのユーザがマネージドサービス更新通知を要求している(「要」)ことが示されている。
【0037】
問合せ履歴データベース25は、各ユーザからの問合せの内容(システム構成生成要求と共に送信されてきた構成生成条件の内容)を保存しておくために利用されるデータベースである。問合せ履歴データベースは、図4に示すように、ログID欄25A、ユーザID欄25B、問合せ実施日時欄25C、構成生成条件欄25D、特徴抽出結果欄25E、構成生成結果欄25F、構成案適用結果登録日時欄25G、適用構成案欄25H及び適用先欄25Iを備えたテーブル構造を有する。問合せ履歴データベース25では、図4の1つのレコードが一人のユーザからの1回の問合せに対応する。
【0038】
そしてログID欄25Aには、対応する問合せのログに対して付与されたそのログに固有の識別子(ログID)が格納され、ユーザID欄25Bには、対応する問合せを行ってきたユーザのユーザIDが格納される。また問合せ実施日時欄25Cには、その問合せがあった日時(システム構成生成要求を受信した日時)が格納され、構成生成条件欄25Dには、かかる問合せに関連してクライアント2から送信されてきたシステム構成生成要求に含まれる構成生成条件が記録された図5(A)に示すようなファイル(以下、これを構成生成条件ファイルと呼ぶ)へのパスのパス名が格納される。
【0039】
さらに特徴抽出結果欄25Eには、かかる構成生成条件から抽出した、そのユーザがクラウド上に構築しようとするデータ分析業務システムが取り扱うデータのデータ構造、当該データの分析手法及び当該データの探索方法などに関する情報が記録された図5(B)に示すようなファイル(以下、これを特徴抽出結果ファイルと呼ぶ)へのパスのパス名が格納される。さらに構成生成結果欄25Fには、かかる特徴抽出結果に基づいてシステム構成提案装置3が生成した、その顧客のデータ分析業務システムのシステム構成案が記録された図5(C)に示すようなファイル(以下、これを構成生成結果ファイルと呼ぶ)へのパスのパス名が格納される。
【0040】
適用構成案欄25Hには、システム構成提案装置3が提案したシステム構成案のうちのいずれかのシステム構成案をその顧客に適用した場合に、そのシステム構成案の識別情報が格納される。なお、システム構成提案装置3が提案したシステム構成案を顧客に適用しなかった場合、適用構成案欄25Hには、「NULL」が格納される。
【0041】
また構成案適用結果登録日時欄25Gには、システム構成提案装置3がクライアント2に対して提案したシステム構成を適用したか否かの問合せに対する回答を得た日時が格納される。さらに適用先欄25Iには、対応する顧客の名称が格納される。なお、適用構成案欄25Hに「NULL」が格納されている場合、適用先欄25Iにも「NULL」が格納される。
【0042】
従って、図4の例では、ログIDが「00001」のログは、「A0001」というユーザIDが付与されたユーザが「2022-10-01 10:00:01」に行った問合せに関するログであり、その問合せにおいてそのユーザが設定した構成生成条件は「/aaa/20221001/C001.txt」というパス上にある構成生成条件ファイルFL1(図5(A))に記録されていることが示されている。また図4では、その構成生成条件から抽出したデータ分析業務システムの特徴は「/aaa/20221001/R001.txt」というパス上にある特徴抽出結果ファイルFL2に記録され、これらの情報に基づいてシステム構成提案装置3が生成したシステム構成案が「/aaa/20221001/G001.txt」というパス上にある構成生成結果ファイルFL3に記録されていることが示されている。さらに図4では、システム構成提案装置3が提案したシステム構成案のうちの「G0001」というシステム構成案が「X社」という顧客に適用されたことが示されている。
【0043】
分析カタログデータベース26は、予め作成されて登録された分析カタログ15(図2)が格納されたデータベースである。この分析カタログデータベース26は、図6に示すように、カタログID欄26A、登録年月欄26B、登録者欄26C、カタログ名欄26D、分析手法欄26E、事業者名欄26F、サービス構成要素欄26G、適用実績欄26H及び非機能要件欄26Iを備えて構成される。分析カタログデータベース26では、図6の1つのレコードが1つの分析カタログ15に対応する。
【0044】
そしてカタログID欄26Aには、対応する分析カタログ15に対して分析カタログデータベース26上で付与されたその分析カタログ15に固有の識別情報が格納され、登録年月欄26Bには、その分析カタログ15が分析カタログデータベース26に登録された年月が格納される。
【0045】
また登録者欄26Cには、その分析カタログ15を分析カタログデータベース26に登録した登録者の識別情報が格納され、カタログ名欄26Dには、その分析カタログ15に付与された名称が格納される。さらに分析手法欄26Eには、その分析カタログ15に適用可能な分析手法が格納され、事業者名欄26Fには、その分析カタログ15の各サービス区分について予め設定されたクラウドサービス事業者の名称が格納される。
【0046】
さらにサービス構成要素欄26Gには、その分析カタログ15を構成する各サービス構成要素16(図2)のサービス区分の名称が処理の順番に並べて格納され、適用実績欄26Hには、それまでにその分析カタログ15を利用して生成されたシステム構成を適用したすべての顧客の名称が格納される。
【0047】
さらに非機能要件欄26Iには、その分析カタログ15に非機能要件を適用可能であるか否かを表す情報(適用可能である場合には「可能」、適用不可の場合には「不可」)が格納される。「非機能要件」の詳細については後述する。なお図6は、非機能要件として「拡張性」についてのみ表したものであり、「可用性」や「移行性」などのこれ以外の非機能要件がある場合には(図8参照)、これら非機能要件のそれぞれに対応させて非機能要件欄26Iを設けるようにしてもよい。
【0048】
従って、図6の例の場合、「K0001」というカタログIDが付与された分析カタログ15は、「2022/04」に「A0001」という登録者によって「AAA」というカタログ名で分析カタログデータベース26に登録された分析カタログであることが示されている。また図6では、その分析カタログ15は、「XXX分析」及び「aaa分析」という分析手法を適用可能であり、「データ収集」、「データ加工」、「データ保持」及び「データ提供」の4つのサービス区分を有し、これらのサービス区分に対して「A Co.」というクラウドサービス事業者が提供するクラウドサービスを当て嵌めるべきことが示されている。さらに図6では、この分析カタログ15は、「A社」、「D社」及び「K社」への適用実績があり、非機能要件を適用可能(「可能」)であることも示されている。
【0049】
クラウドサービスデータベース27は、各クラウドサービス事業者がそれぞれ提供している各種クラウドサービスに関する情報が登録されたデータベースである。クラウドサービスデータベース27は、図7に示すように、サービスID欄27A、登録年月欄27B、更新年月欄27C、事業者欄27D、サービス区分欄27E、サービス名称欄27F、利用可否欄27G、データ構造欄27H、データ取扱単位欄27I、データ探索方法欄27J及び料金欄27Kを備えたテーブル構造を有する。クラウドサービスデータベース27では、図7の1つのレコードがいずれかのクラウドサービス事業者が提供する1つのクラウドサービスに対応する。
【0050】
そしてサービスID欄27Aには、対応するクラウドサービスに対してクラウドサービスデータベース27上で付与されたそのクラウドサービスに固有の識別子が格納される。また登録年月欄27Bには、そのクラウドサービスがクラウドサービスデータベース27に登録された年月が格納され、更新年月欄27Cには、そのクラウドサービスの情報が更新された場合のその更新の年月が格納される。
【0051】
また事業者欄27Dには、そのクラウドサービスを提供するクラウドサービス事業者の名称が格納され、サービス区分欄27Eには、そのクラウドサービスのサービス区分が格納される。さらにサービス名称欄27Fには、そのクラウドサービスの名称が格納され、利用可否欄27Gには、現在、そのクラウドサービスを利用可能か否かの情報が格納される。図7の場合、現在、そのクラウドサービスを利用可能な場合には「可能」、サービスの提供停止などにより利用できない場合には「不可」が格納される。
【0052】
さらにデータ構造欄27Hには、そのクラウドサービスが対応可能なデータのデータ構造が格納され、データ取扱単位欄27Iには、そのクラウドサービスを利用可能なデータの取扱い単位(データ取扱単位)が格納される。さらにデータ探索方法欄27Jには、そのクラウドサービスにおけるデータの探索方法(アクセス方法)が格納され、料金欄27Kには、そのクラウドサービスの単位時間当たりの利用料金が格納される。
【0053】
従って、図7の例の場合、「H0001」というサービスIDが付与されたクラウドサービスは、「2022/01」にクラウドサービスデータベースに登録された後に「2023/03」に更新された「A Co.」というクラウドサービス事業者が提供するクラウドサービスであり、そのサービス区分は「データ保持」、サービス名称は「AAAサービス」で、現在利用が「可能」であることが示されている。また図7では、そのクラウドサービスは、対応可能なデータ構造が「時系列、ログ、センサデータ」、データ取扱単位が「パラパラ、集計前」、データ探索方法が「全件アクセス」で、単位時間当たりの利用料金が「45円」であることも示されている。
【0054】
一方、システム構成提案装置3の問合せ受付部28は、クライアント2からの要求に応じて上述の構成生成条件設定画面40(図8)を表示するために必要な情報をそのクライアント2に送信したり、この結果としてその後クライアント2の構成生成条件入力部20から送信されてくる上述のシステム構成生成要求を受け付ける機能を有するプログラムである。
【0055】
問合せ受付部28は、受け付けたシステム構成生成要求に含まれる構成生成条件のデータを上述の構成生成条件ファイルFL1(図5(A))として補助記憶装置13(図1)に格納すると共に、その構成生成条件ファイルFL1へのパスのパス名を問合せ履歴データベース25(図4)の構成生成条件欄25Dに格納する。
【0056】
構成特徴抽出部29は、問合せ履歴データベース25に格納された構成生成条件から、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムが取り扱うデータのデータ構造や、そのデータのデータ探索方法及びデータ分析方法などの当該データ分析業務システムの特徴を抽出する機能を有するプログラムである。
【0057】
構成特徴抽出部29は、抽出したこれらの特徴のデータを上述の特徴抽出結果ファイルFL2(図5(B))として補助記憶装置13に格納すると共に、その特徴抽出結果ファイルFL2へのパスのパス名を問合せ履歴データベース25の特徴抽出結果欄25E(図4)に格納する。
【0058】
構成生成部30は、構成特徴抽出部29により抽出されたかかるデータ分析業務システムの特徴に基づいて、そのユーザに提案するデータ分析業務システムのシステム構成案を生成すると共に、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システム構成生成条件に対するこれらシステム構成案の適合度をそれぞれ算出する機能を有するプログラムである。
【0059】
構成生成部30は、生成した各システム構成案及びこれらシステム構成案の適合度を、問合せ受付部28を介してそのユーザのクライアント2に送信する。また構成生成部30は、これら各システム構成案の構成及び適合度の情報を上述の構成生成結果ファイルFL3(図5(C))として補助記憶装置13に格納すると共に、その構成生成結果ファイルFL3へのパスのパス名を問合せ履歴データベース25の構成生成結果欄25F(図4)に格納する。
【0060】
適用結果登録部31は、上述のようにシステム構成提案装置3が提案したシステム構成案を適用したか否かを所定のタイミングでユーザに問い合わせ、かかる問合せに対する回答をそのユーザから得られた場合には、その結果を問合せ履歴データベース25に登録する機能を有するプログラムである。
【0061】
実際上、適用結果登録部31は、ユーザから得られたかかる回答に基づいて、問合せ履歴データベース25の構成案適用結果登録日時欄25G、適用構成案欄25H及び適用先欄25Iにそれぞれ該当する情報を登録する。また適用結果登録部31は、この際、必要に応じて分析カタログデータベース26(図6)の対応するレコードの適用実績欄26H(図6)を更新する。
【0062】
分析カタログデータベース更新部32は、各クラウドサービス事業者のWebサイトなどをクローリングするなどして必要な情報を収集し、得られた情報に基づいて新たな分析カタログを生成して分析カタログデータベース26に登録する機能を有するプログラムである。また分析カタログデータベース更新部32は、例えばユーザに提案したシステム構成案のうち、そのユーザが適合度が低いシステム構成案を適用した場合に、これに応じて新たな分析カタログ15を生成して分析カタログデータベース26に登録する。
【0063】
クラウドサービスデータベース更新部33は、各クラウドサービス事業者のWebサイトをクローリングするなどして、これらクラウドサービス事業者が提供するクラウドサービスの更新情報や新規のクラウドサービスに関する情報を収集し、得られた情報に基づいて必要に応じてクラウドサービスデータベース27(図7)を更新する機能を有するプログラムである。
【0064】
実際上、クラウドサービスデータベース更新部33は、例えば使用料金の変更など、既存のクラウドサービスが更新されたことを検知した場合には、クラウドサービスデータベース27に格納されているそのクラウドサービスの情報を検知した内容に従って更新する。またクラウドサービスデータベース更新部33は、いずれかのクラウドサービス事業者から新規のクラウドサービスの提供が開始されたことを検知した場合には、そのクラウドサービスに関する必要な情報をクラウドサービスデータベース27に登録する。
【0065】
ユーザ通知部34は、クラウドサービスデータベース更新部33によりクラウドサービスデータベース27に登録された既存のクラウドサービスの内容が更新され又は新規のクラウドサービスがクラウドサービスデータベース27に登録された場合に、必要なユーザに上述のマネージドサービス更新通知を送信する機能を有するプログラムである。
【0066】
実際上、ユーザ通知部34は、更新された既存のクラウドサービス又は新規のクラウドサービスを利用することで現在のデータ分析業務システムよりも顧客が要求する要件(構成生成条件)により適合したデータ分析業務システムを構築可能なユーザを検索する。そしてユーザ通知部34は、そのようなユーザが存在し、かつそのユーザが上述のマネージドサービス更新通知を希望している場合には、そのユーザに対してマネージドサービス更新通知を送信する。
【0067】
(3)クラウドに表示される各種画面の構成
(3-1)構成生成条件設定画面
図8は、所定操作によりクライアント2に表示させ得る構成生成条件設定画面40の画面構成例を示す。この構成生成条件設定画面40は、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムの構成生成条件を設定するための画面である。
【0068】
実際上、構成生成条件設定画面40は、図8に示すように、業務概要領域41、データ構造設定領域42、データ探索方法設定領域43、データ分析手法設定領域44、データ取扱単位設定領域45、登録ファイル指定領域46及び非機能要件設定領域47と、システム構成生成ボタン48とを備えて構成される。
【0069】
そして業務概要領域41内には、業務概要テキストボックス41Aが設けられており、この業務概要テキストボックス41A内に、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムの業務概要が表示される。この場合の「業務概要」としては、かかるデータ分析業務システムが取り扱うデータのデータ構造、データ探索方法及びデータ分析手法の各情報を含むことが要求される。
【0070】
本実施の形態においては、かかる業務概要を、システム構成提案装置3を保有し、システム構成提案サービスを提供する事業者の担当者が事前に顧客からヒアリングを行って入力することを想定しているが、ユーザがかかる業務概要を業務概要テキストボックス41Aに直接入力するようにしてもよい。
【0071】
またデータ構造設定領域42には、幾つかのデータ構造をそれぞれ表す文字列42Aと、これらの文字列42Aにそれぞれ対応させて設けられたチェックボックス42Bとが表示される。そしてデータ構造設定領域42では、これらのチェックボックス42Bの中から所望するチェックボックス42Bをクリックして、そのチェックボックス42Bの表示形態を選択済みの表示形態(図8では「■」であり、以下、同様。)に遷移させることによって、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムで取り扱う予定のデータのデータ構造として、そのチェックボックス42Bに対応するデータ構造を設定することができる。
【0072】
さらにデータ探索方法設定領域43には、幾つかのデータ探索方式をそれぞれ表す文字列43Aと、これらの文字列43Aにそれぞれ対応させて設けられたチェックボックス43Bとが表示される。そしてデータ探索方法設定領域43では、これらのチェックボックス43Bの中から所望するチェックボックス43Bをクリックして、そのチェックボックス43Bの表示形態を選択済みの表示形態に遷移させることによって、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムで取り扱う予定のデータのデータ探索方法として、そのチェックボックス43Bに対応するデータ探索方法を設定することができる。
【0073】
一方、データ分析手法設定領域44には、幾つかのデータ分析手法をそれぞれ表す文字列44Aと、これらの文字列44Aにそれぞれ対応させて設けられたチェックボックス44Bとが表示される。そしてデータ分析手法設定領域44では、これらのチェックボックス44Bの中から所望するチェックボックス44Bをクリックして、そのチェックボックス44Bの表示形態を選択済みの表示形態に遷移させることによって、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムで取り扱う予定のデータのデータ分析手法として、そのチェックボックス44Bに対応するデータ分析手法を設定することができる。
【0074】
またデータ取扱単位設定領域45には、幾つかのデータの取扱単位それぞれ表す文字列45Aと、これらの文字列45Aにそれぞれ対応させて設けられたチェックボックス45Bとが表示される。そしてデータ取扱単位設定領域45では、これらのチェックボックス45Bの中から所望するチェックボックス45Bをクリックして、そのチェックボックス45Bの表示形態を選択済みの表示形態に遷移させることによって、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムで取り扱う予定のデータの取扱単位として、そのチェックボックス45Bに対応するデータ取扱単位を設定することができる。
【0075】
登録ファイル指定領域46は、顧客が事前にデータ分析業務システムを試作したときに得られたアクセスログやテストデータなどのファイルが存在する場合に、そのファイルを参考情報として指定してシステム構成提案装置3に提供できるようにするための領域である。実際上、登録ファイル指定領域46にはファイル選択ボタン46Aが設けられており、このファイル選択ボタン46Aをクリックすることにより表示される図示しない登録ファイル一覧の中から、かかるファイルを指定することができる。そして、このとき指定された各ファイルのファイル名やデータ種別が選択ファイル一覧46Bに表示される。
【0076】
非機能要件設定領域47は、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムについて、機能以外の要件(以下、これを非機能要件と呼ぶ)を設定するための領域である。顧客は、この非機能要件設定領域47において、利用するクラウドサービスの提供事業者や、構築したデータ分析業務システムを利用する際の予算(利用)、及び、構築しようとするデータ分析業務システムの合計の利用時間を設定したり、可用性、拡張性、移行性、運用・保守性及びセキュリティの有無などに関する要件を設定することができる。
【0077】
そしてユーザは、構成生成条件設定画面40の業務概要領域41、データ構造設定領域42、データ探索方法設定領域43、データ分析手法設定領域44、データ取扱単位設定領域45、登録ファイル指定領域46及び非機能要件設定領域47において必要事項の設定を行った後にシステム構成生成ボタン48をクリックすることによって、このときこの構成生成条件設定画面40を用いて設定した構成生成条件を含む上述のシステム構成生成要求をシステム構成提案装置3に送信させることができる。なお、登録ファイル指定領域46でファイルが指定された場合には、このファイルのデータも構成生成条件としてシステム構成提案装置3に送信される。
【0078】
(3-2)構成生成結果表示画面
一方、図9は、上述のようにしてクライアント2からシステム構成提案装置3に送信された構成生成条件に基づいてシステム構成提案装置3により生成されたシステム構成案が表示される構成生成結果表示画面50を示す。
【0079】
この構成生成結果表示画面50は、上述の構成生成条件設定画面40のシステム構成生成ボタン48をクリックした後、システム構成提案装置3により生成された各システム構成案に関する情報がシステム構成提案装置3からクライアント2に送信されると、構成生成条件設定画面40に代えてそのクライアント2に表示される。
【0080】
この構成生成結果表示画面50は、システム構成特徴領域51、生成システム構成案一覧領域52及びシステム構成図表示領域53を備えて構成される。
【0081】
そしてシステム構成特徴領域51には、システム構成提案装置3がクライアント2から与えられた構成生成条件から抽出した、対応する顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムの特徴が自然言語により箇条書きで表示される。
【0082】
また生成システム構成案一覧領域52には、かかる構成生成条件の下でシステム構成提案装置3が生成した各システム構成案の概要が一覧表示される。具体的に、生成システム構成案一覧領域52には、各システム構成案の識別番号(「構成No.」)、生成時刻(「生成時刻」)、顧客の要求に対する適合度(「適合度」)、そのシステム構成案を構成する各サービス構成要素16(図2)のサービス区分(「サービス構成要素」)、これらのサービス構成要素16にそれぞれ利用する各クラウドサービスの名称(「利用するサービス名称」)、そのデータ分析業務システムを利用する際の単位時間当たりの料金(「コスト」)、及び、そのシステム構成案のシステム構成の元となった分析カタログ15(図2)の適用実績(「カタログの適用実績」)が表形式で一覧表示される。この際、かかる各システム構成案は、適合度が高いものから順番に並べて表示される。
【0083】
また生成システム構成案一覧領域52には、一覧表示された各システム構成案にそれぞれ対応させて表示ボタン52Aが表示される。そして、この表示ボタン52Aをクリックすることによって、そのシステム構成案に基づくシステム構成の構成図(以下、これをシステム構成図と呼ぶ)53Aがシステム構成図表示領域53に表示される。
【0084】
このシステム構成図53Aでは、システムを構成するサービス構成要素16にそれぞれ対応するボックス53AXが、処理の流れに従って線で接続された形態で表示される。そして各ボックス53AX内には、対応するサービス構成要素16に利用するクラウドサービスの名称がそれぞれ表示される。
【0085】
(3-3)適用結果登録画面
他方、図10は、システム構成提案装置3がシステム構成案をユーザに提示後、所定のタイミングでシステム構成提案装置3からそのユーザのクライアント2に送信される上述の適用結果登録画面表示指示に従って表示される適用結果登録画面60の構成例を示す。
【0086】
この適用結果登録画面60は、システム構成提案装置3がシステム構成案を提示したユーザに対して、提示したシステム構成案のうちのどのシステム構成案を適用したかを問い合わせるための画面であり、システム構成生成履歴領域61及び構成生成結果表示領域62を備えて構成される。
【0087】
そしてシステム構成生成履歴領域61には、対応するユーザからの問合せに応じてシステム構成提案装置3がこれまでに行ったシステム構成案の生成の履歴が一覧表示される。具体的に、システム構成生成履歴領域61には、そのユーザがシステム構成提案装置3に対して行った各問合せについて、その問合せに付与された識別情報(「問合せID」)と、その問合せが行われた時刻(「問合せ実施時刻」)と、システム構成提案装置3から提案されたシステム構成案のうちのそのユーザが適用したシステム構成案の識別情報(「適用した構成案」)と、そのシステム構成案を適用した顧客の顧客名(「適用先」)とが表形式で一覧表示される。以下においては、この表をシステム構成生成履歴表61Aと呼ぶ。
【0088】
なお、システム構成提案装置3から提案されたシステム構成案のうちのそのユーザが適用したシステム構成案の識別情報については、そのユーザがそのシステム構成案を登録していない場合には表示されない。つまり、この場合、図10のシステム構成生成履歴表61Aにおける「適用した構成案」の欄が空欄となる。
【0089】
またシステム構成生成履歴領域61には、そのユーザがシステム構成提案装置3に対して行った各問合せにそれぞれ対応させて表示ボタン61AXが表示される。そして、この表示ボタン61AXをクリックすると、対応する問合せに対して過去にクライアント2に表示された構成生成結果表示画面50(図9)のシステム構成特徴領域51、生成システム構成案一覧領域52及びシステム構成図表示領域53に表示された内容と同様の内容が構成生成結果表示領域62に表示される。
【0090】
これによりユーザは、システム構成提案装置3から提案されたシステム構成案のうちのそのユーザが適用したシステム構成案を登録していない問合せ(以下、これを適用構成案未登録問合せと呼ぶ)について、そのとき適用したシステム構成案の識別番号(「構成No.」)を確認することができる。
【0091】
かくしてユーザは、適用構成案未登録問合せについては、上述のようにして、そのとき適用したシステム構成案の識別番号を確認し、その識別番号をシステム構成生成履歴領域61に表示されたシステム構成生成履歴表61Aにおける適用構成案未登録問合せに対応するレコードの「適用した構成案」の欄に入力した後に登録ボタン61Bをクリックすることにより、適用構成案未登録問合せについてそのユーザが適用したシステム構成案を登録することができる。この場合、この情報がクライアント2からシステム構成提案装置3に通知されて問合せ履歴データベース25(図4)の適用構成案欄25H(図4)、適用先欄25I(図4)に登録され、さらにその時点の日時が構成案適用結果日時欄25Gに格納される。
【0092】
(4)システム構成提案機能に関する各種処理
次に、本実施の形態のシステム構成提案機能に関連してシステム構成提案装置3において実行される各種処理の具体的な処理内容について説明する。以下においては、各処理の処理主体をプログラム(「~部」)として説明するが、実際上は、そのプログラムに基づいてCPU11(図1)がその処理を実行することは言うまでもない。
【0093】
(4-1)システム構成提案処理
図11は、クライアント2から送信されてきた上述のシステム構成生成要求を受信したシステム構成提案装置3において実行される一連の処理(以下、これをシステム構成提案処理と呼ぶ)の流れを示す。システム構成提案装置3は、この図11に示す処理手順に従って、受信したシステム構成生成要求に含まれる構成生成条件に適合するシステム構成案を生成してその生成結果をそのクライアント2に送信する。
【0094】
実際上、システム構成提案装置3では、かかるシステム構成生成要求を受信すると、この図11に示すシステム構成提案処理が開始される。そして、まず、問合せ受付部28(図1)が、そのシステム構成生成要求を受け付け、受け付けたシステム構成生成要求に含まれる構成生成条件を問合せ履歴データベース25(図4)に登録する(S1)。
【0095】
具体的に、問合せ受付部28は、問合せ履歴データベース25の未使用のレコードを確保し、そのシステム構成生成要求に対して付与した新たなログIDをそのレコードのログID欄25A(図4)に格納する。また問合せ受付部28は、そのシステム構成生成要求を送信してきたユーザのユーザIDをそのレコードのユーザID欄25B(図4)に格納すると共に、現在の日時をそのレコードの問合せ実施日時欄25C(図4)に格納する。
【0096】
さらに問合せ受付部28は、そのとき受信した構成生成条件の情報をファイル化して構成生成条件ファイルFL1(図5(A))として補助記憶装置13(図1)に格納すると共に、その構成生成条件ファイルFL1へのパスのパス名を、かかるレコードの構成生成条件欄25D(図4)に格納する。そして問合せ受付部28は、この後、構成特徴抽出部29を呼び出す。
【0097】
構成特徴抽出部29は、問合せ受付部28により呼び出されると、問合せ履歴データベース25にパス名が格納されたパス上の構成生成条件ファイルFL1を読み出す。また構成特徴抽出部29は、読み出した構成生成条件ファイルFL1に記録された構成生成条件から、そのとき構築するデータ分析業務システムのシステム構成の特徴を抽出する構成特徴抽出処理を実行する(S2)。
【0098】
具体的に、構成特徴抽出部29は、かかる構成生成条件ファイルFL1に記録された構成生成条件から、顧客が要求するデータ分析業務システムのシステム構成の特徴としてそのデータ分析業務システムが取り扱うデータのデータ構造や、データ探索方法、データ分析方法、データ取扱単位成及び非機能要件を抽出する。
【0099】
そして構成特徴抽出部29は、抽出したかかる特徴の情報をファイル化して特徴抽出結果ファイルFL2(図5(B))として補助記憶装置13に格納すると共に、その特徴抽出結果ファイルFL2へのパスのパス名を、ステップS1で確保したレコードの特徴抽出結果欄25E(図4)に格納する。また構成特徴抽出部29は、この後、構成生成部30(図1)を呼び出す。
【0100】
構成生成部30は、構成特徴抽出部29により呼び出されると、問合せ履歴データベース25の対応する特徴抽出結果欄25Eにパス名が格納されたパス上の特徴抽出結果ファイルFL2を読み出す。また構成生成部30は、その特徴抽出結果ファイルFL2に記録されている特徴に適合したシステム構成案をすべて生成すると共に、これらシステム構成案の適合度をそれぞれ算出する構成生成処理を実行する(S3)。
【0101】
この際、構成生成部30は、生成及び算出したシステム構成案及びその適合度の情報をファイル化して構成生成結果ファイルFL3(図5(C))として補助記憶装置13に格納する。また構成生成部30は、その構成生成結果ファイルFL3へのパスのパス名をステップS1で確保したレコードの構成生成結果欄25F(図4)に格納する。
【0102】
さらに構成生成部30は、生成及び算出した各システム構成案及びその適合度を、ネットワークインタフェース及びネットワークを順次介してクライアント2の構成生成結果表示部21(図1)に送信する(S4)。これにより、これらシステム構成案及びその適合度に基づいて図9について上述した構成生成結果表示画面50が表示される。以上によりこのシステム構成提案処理が終了する。
【0103】
(4-2)構成特徴抽出処理
図12は、システム構成提案処理(図11)のステップS2において構成特徴抽出部29(図1)により実行される構成特徴抽出処理の具体的な処理内容を示す。構成特徴抽出部29は、この図12に示す処理手順に従って、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムのシステム構成の特徴を抽出する。
【0104】
実際上、構成特徴抽出部29は、まず、問合せ履歴データベース25にパス名が格納されたパス上にある構成生成条件ファイルFL1(図5(A))に記録された構成生成条件のうち、図8について上述した構成生成条件設定画面40における業務概要領域41の業務概要テキストボックス41Aに自然言語で入力された業務概要に対して形態素解析、構文解析、意味解析及び文脈解析といった既存の自然言語処理を行うことにより、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムが取り扱うデータのデータ構造、データ取扱単位、データ探索方法及びデータ分析方法を抽出する(S10)。
【0105】
続いて、構成特徴抽出部29は、かかる構成生成条件ファイルFL1に記録された構成生成条件のうち、構成生成条件設定画面40のデータ構造設定領域42(図8)、データ探索方法設定領域43(図8)、データ分析手法設定領域44(図8)及びデータ取扱単位設定領域45(図8)においてそれぞれチェックボックス42B,43B,44B,45Bで選択された、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムが取り扱うデータのデータ構造、データ取扱単位、データ探索方法及びデータ分析方法をそれぞれ抽出する(S11)。
【0106】
次いで、構成特徴抽出部29は、構成生成条件設定画面40の登録ファイル指定領域46でファイルが指定された場合には、構成生成条件としてクライアント2から送信されてきたそのファイルのデータから、顧客が試作したデータ分析業務システムが取り扱ったデータのデータ構造、データ取扱単位、データ探索方法及びデータ分析方法をそれぞれ抽出する(S12)。
【0107】
なお、このように登録ファイルから顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムが取り扱うデータのデータ構造等を抽出するのは、例えばPoC(Proof of Cocept)などの試しに実行した結果をシステム構成案を生成する際の特徴量として加味できるようにし、ステップS10及びステップS11で抽出した内容と差異がないかを確認できるようにするためである。
【0108】
例えば、ユーザにより指定されたファイルがSQLのログファイルであった場合、構成特徴抽出部29は、ステップS10で抽出したデータ探索方法及びステップS11で抽出したデータ探索方法を併せてさらに条件句部分で絞り込みすることにより、データ探索方法を抽出する。また、ユーザにより指定されたファイルがテストデータファイルであった場合、構成特徴抽出部29は、データの形態や、データの繰返しの有無及び時系列データかどうかなどのデータ構造に関する情報を抽出する。
【0109】
続いて、構成特徴抽出部29は、かかる構成生成条件ファイルFL1に記録された構成生成条件のうち、構成生成条件設定画面40の非機能要件設定領域47(図8)において選択された、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムの各種の非機能要件の設定内容をそれぞれ抽出する(S13)。
【0110】
次いで、構成特徴抽出部29は、顧客がクラウド上に構築しようとするデータ分析業務システムについてステップS10~ステップS13で抽出した取り扱うデータのデータ構造、取扱単位、探索方法及び分析方法と、非機能要件との各情報をファイル化して特徴抽出結果ファイルFL2(図5(B))として補助記憶装置13(図1)に格納し、これと併せてその特徴抽出結果ファイルFL2へのパスのパス名を問合せ履歴データベース25(図4)の対応するレコードの特徴抽出結果欄25E(図4)に格納する(S14)。そして構成特徴抽出部29は、この後、この構成特徴抽出処理を終了して構成生成部30を呼び出す。
【0111】
(4-3)構成生成処理
(4-3-1)メイン処理
図13A及び図13Bは、システム構成生成処理(図11)のステップS3において構成生成部30(図1)により実行される構成生成処理の具体的な処理内容を示す。構成生成部30は、この図13A及び図13Bに示す処理手順に従って、構成特徴抽出部29が抽出した特徴を有するデータ分析業務システムのシステム構成案を生成する。
【0112】
実際上、構成生成部30は、構成特徴抽出部29により呼び出されるとこの図13A及び図13Bに示す構成生成処理を開始する。そして構成生成部30は、まず、問合せ履歴データベース25(図4)から対応する特徴抽出結果ファイルFL2へのパスのパス名を読み出すと共に、そのパス上にある特徴抽出結果ファイルFL2を補助記憶装置13から読み出す(S20)。
【0113】
続いて、構成生成部30は、読み出した特徴抽出ファイルFL2から構成特徴抽出部29が抽出したかかる特徴のうちの少なくとも1つの特徴を含む分析カタログ15(図2)を分析カタログデータベース26(図6)からすべて抽出する(S21)。
【0114】
具体的に、構成生成部30は、例えば、かかる特徴抽出ファイルFL2の内容が図5(B)のようなものであった場合、構成特徴抽出部29が抽出したかかる特徴において、データ分析手法として「XXX分析」及び「aaa分析」が含まれているため、分析カタログデータベース26(図6)の分析手法欄26Eに「XXX分析」及び「aaa分析」の少なくとも一方が格納されている分析カタログ15をすべて抽出する。よって、図6の例では、少なくともカタログIDが「K0001」、「K0002」及び「K0003」の各分析カタログ15が抽出されることになる。
【0115】
同様に、構成特徴抽出部29が抽出した特徴において、必要なサービス区分として「データ収集」、「データ加工」、「データ保管」及び「データ提供」が含まれていた場合には(例えば、図8の業務概要欄41を参照)、分析カタログデータベース26(図6)のサービス構成要素欄26Gに「データ収集」、「データ加工」、「データ保管(データ保持)」及び「データ提供」の少なくとも1つが格納されている分析カタログ15をすべて抽出する。よって、図6の例では、少なくともカタログIDが「K0001」、「K0002」、「K0003」及び「K0004」の各分析カタログ15が抽出されることになる。
【0116】
次いで、構成生成部30は、ステップS21で抽出した分析カタログ15の中からステップS23以降が未処理の分析カタログ15を1つ選択する(S22)。また構成生成部30は、ステップS22で選択した分析カタログ(以下、これを選択分析カタログと呼ぶ)15におけるサービス構成要素16(図2)の中からステップS24以降が未処理のサービス構成要素16を1つ選択する(S23)。
【0117】
次いで、構成生成部30は、ステップS23で選択したサービス構成要素(以下、これを選択サービス構成要素と呼ぶ)16のサービス区分(データ収集、データ加工、データ保持又はデータ提供など)に合致し、かつ、そのデータ区分が構成特徴抽出部29により抽出された対応する特徴(データ構造、データ探索方法、データ分析方法又はデータ取扱単位)の抽出結果に適合する利用可能なクラウドサービスをクラウドサービスデータベース27(図7)から抽出する(S24)。
【0118】
例えば、そのときの選択分析カタログ15が図2(A)に示すような処理の流れの分析カタログであり、そのときの選択サービス構成要素16が「C」のサービス構成要素であるものとする。また顧客がクラウド上に構築しようとするデータ分析業務システムのデータ取扱単位が図5(A)で示したように「大きな塊」、「集計前」、「集計済み」及び「掛け合わせ無し」であり、クラウドサービスデータベース27に格納された各クラウドサービスの概要が図7に示すようなものであったとする。
【0119】
この場合、構成生成部30は、選択サービス構成要素16である図2の「C」のサービス構成要素16のサービス区分が「データ保持」であるため、クラウドサービスデータベース27に登録されているクラウドサービスの中からサービス区分が「データ保持」で、かつ「データ取扱単位」が「大きな塊」、「集計前」及び「集計済み」(並びに「掛け合わせ無し」)であるサービス構成要素16をすべて抽出する。図7の例では、図7に表記された範囲内においてこれらの要件を満たすクラウドサービスとしてサービスIDが「H0002」のクラウドサービスがあるため、この例では少なくとも「H0002」のクラウドサービスがステップS24で抽出されることになる。
【0120】
次いで、構成生成部30は、選択分析カタログ15のすべてのサービス構成要素16について該当するクラウドサービスを抽出し終えたか否かを判断する(S25)。そして構成生成部30は、この判断で否定結果を得るとステップS23に戻り、この後、ステップS23で選択するサービス構成要素16をステップS24が未処理の他のサービス構成要素16に順次切り替えながらステップS23~ステップS25の処理を繰り返す。
【0121】
そして構成生成部30は、やがて選択分析カタログ15のすべてのサービス構成要素16について、適用可能なクラウドサービスを抽出し終えることによりステップS25で肯定結果を得ると、選択分析カタログ15の各サービス構成要素16についてそれぞれ抽出した各クラウドサービスを組み合わせて構築可能なシステム構成をすべて生成する(S26)。
【0122】
この後、構成生成部30は、ステップS26で生成したシステム構成の中からステップS28以降が未処理のシステム構成を1つ選択する(S27)。そして構成生成部30は、ステップS27で選択したシステム構成(以下、これを選択システム構成と呼ぶ)の適合度を、続くステップS28~ステップS30の処理により算出する。
【0123】
具体的に、構成生成部30は、まず、ステップS20で取得した、構築しようとするデータ分析業務システムの特徴のうちの非機能要件を元に、選択システム構成における各データ区分のサービス構成要素16(図2)の数を決定する(S28)。
【0124】
例えば、構成生成部30は、可用性が「要」となっている場合には、障害に備えて各サービス区分のサービス構成要素16に適用するクラウドサービス数をそれぞれ2以上に決定する。また構成生成部30は、拡張性が「要」となっている場合には、当初は利用しない(クラウドサービスを当て嵌めない)ものの「データ加工」のサービス区分のサービス構成要素16の数を2つに決定し、他のサービス区分のサービス構成要素16の数を1つに決定する。
【0125】
続いて、構成生成部30は、選択システム構成を有するデータ分析業務システムを構築して使用する際の費用を算出する(S29)。
【0126】
具体的に、構成生成部30は、その選択システム構成において各サービス構成要素16にそれぞれ当て嵌めたクラウドサービスの単位時間当たりの料金をクラウドサービスデータベース27(図7)からそれぞれ取得し、これらを集計することにより、その選択システム構成のデータ分析業務システムの単位時間当たりの使用料金を算出する。また構成生成部30は、問合せ履歴データベース25(図4)における対応するレコードの構成生成条件欄25D(図4)を参照して、構成生成条件が格納された構成生成条件ファイルFL1へのパスのパス名を読み出し、その構成生成条件ファイルFL1を読み込む。
【0127】
そして構成生成部30は、この構成条件生成ファイルに記録された利用時間(図8の構成生成条件設定画面40の非機能要件設定領域47で設定された利用時間)を読み出し、上述のようにして算出した選択システム構成のデータ分析業務システムの単位時間当たりの使用料金に利用時間を乗算するようにして、その選択システム構成のデータ分析業務システムを構築して使用した場合の合計の費用を算出する。
【0128】
次いで、構成生成部30は、ステップS28で決定したクラウドサービス数及びサービス構成要素数と、ステップS29で算出した費用とに基づいて顧客が設定した構成生成条件に対する選択システム構成の適合度を算出する(S30)。このステップS30における構成生成部30の具体的な処理(以下、これを適合度算出処理と呼ぶ)の流れについては後述する。
【0129】
そして構成生成部30は、選択システム構成についてステップS28で決定したクラウドサービス数及びサービス構成要素数と、ステップS29で算出した費用と、ステップS30で算出した適合度とを含む、図9について上述した構成生成結果表示画面50において選択システム構成について表示する各種情報を1つのシステム構成案の詳細情報として構成生成結果ファイルFL3に記録する。また構成生成部30は、その構成生成結果ファイルFL3へのパスのパス名を問合せ履歴データベース25(図4)における対応するレコードの構成生成結果欄25F(図4)に格納する。なお、構成生成部30は、2回目以降のステップS31では、上述の構成生成結果表示画面50(図9)において選択システム構成について表示する各種情報を構成生成結果ファイルFL3に記録する(S31)。
【0130】
この後、構成生成部30は、ステップS26で生成したすべてのシステム構成についてステップS27~ステップS31の処理を実行し終えたか否かを判断する(S32)。そして構成生成部30は、この判断で否定結果を得るとステップS27に戻り、この後、ステップS27で選択するシステム構成をステップS28以降が未処理の他のシステム構成に順次切り替えながらステップS27~ステップS32の処理を繰り返す。この繰返し処理により、ステップS26で生成された各システム構成についての必要な情報がそれぞれシステム構成案の詳細情報として順次構成生成結果ファイルFL3に順次記録される。
【0131】
そして構成生成部30は、やがてステップS26で生成したすべてのシステム構成についてステップS27~ステップS31の処理を実行し終えることによりステップS32で肯定結果を得ると、ステップS21で抽出したすべての分析カタログ15についてステップS23~ステップS32の処理を実行し終えたか否かを判断する(S33)。
【0132】
そして構成生成部30は、この判断で否定結果を得るとステップS22に戻り、この後、ステップS22で選択する分析カタログ15をステップS23以降が未処理の他の分析カタログ15に順次切り替えながらステップS22~ステップS33の処理を繰り返す。
【0133】
そして構成生成部30は、やがてステップS21で抽出したすべての分析カタログ15についてステップS23~ステップS32の処理を実行し終えることによりステップS33で肯定結果を得ると、以上のようにして生成した構成生成結果ファイルFL3へのパスのパス名を問合せ受付部28(図1)に通知し(S34)、この後、この構成生成処理を終了する。
【0134】
なお、構成生成部30からその構成生成結果ファイルFL3へのパスのパス名が通知された問合せ受付部28は、この構成生成結果ファイルFL3を補助記憶装置13(図1)から読み出してネットワークインタフェース14(図1)及びネットワーク4(図1)を順次介して対応する問合せを行ったクライアント2に送信する。この結果、この構成生成結果ファイルFL3に記録された情報に基づいて、図9について上述した構成生成結果表示画面50がそのクライアント2に表示される。
【0135】
(4-3-2)適合度算出処理
図14は、上述した構成生成処理のステップS30において構成生成部30により実行される適合度算出処理の具体的な処理の流れを示す。
【0136】
ここでは、選択分析カタログ15自体の適合度をF1、各サービス構成要素16(図2)にそれぞれ適用したクラウドサービスの組合せの適合度をF2、費用の適合度をF3として、次式
【数1】
により選択システム構成の適合度Fを算出するものとする。また、この例での評価項目は、F1~F3の3つであるため、(1)式の評価項目数は3となる。よって、この例では、適合度Fが0~1の範囲で算出され、適合度Fが1に近ければ近いほど適合度合いが高いことを意味する。
【0137】
構成生成部30は、構成生成処理のステップS30に進むとこの図14に示す適合度算出処理を開始し、まず、そのときの選択分析カタログ15自体の適合度F1を算出する(S40)。具体的に、構成生成部30は、次式
【数2】
により選択分析カタログ15自体の適合度F1を算出する。
【0138】
ここで、(2)式における右辺の括弧内の第1項の分母は、顧客が要求する分析手法の要素数(個数)であり、当該第1項の分子は、選択分析カタログ15の各分析手法に対する顧客が要求する分析手法の一致数である。また、かかる括弧内の第2項の分母は、顧客が要求するサービス構成要素16の個数であり、当該第2項の分子は、選択分析カタログ15の各サービス構成要素と、顧客が要求する各サービス構成要素16との一致数である。
【0139】
例えば、構成特徴抽出部29により抽出された、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムの特徴が図15に示すようなものであり、分析カタログデータベース26に格納された各分析カタログ15の内容が図6に示すようなものであったとする。
【0140】
この場合、選択分析カタログ15が「K0001」であるものとすると、(2)式の括弧内の第1項の分母は、図15からも明らかなように、顧客が要求する分析手法が「xxx分析」及び「aaa分析」の2つであるため「2」である。また、選択分析カタログ15の分析手法も「xxx分析」及び「aaa分析」であるため(図6参照)、これらと顧客が要求する分析手法とは「xxx分析」及び「aaa分析」の2つが一致する。よって、(2)式の括弧内の第1項の分子も「2」となる。
【0141】
また、(2)式の括弧内の第2項の分母は、図15からも明らかなように、顧客が要求するサービス構成要素16が「集計」、「データ加工」及び「データ保管」の3つであるため「3」である(図6参照)。また、選択分析カタログ15のサービス構成要素16は、「データ収集」、「データ加工」、「データ保持」及び「データ提供」であるため(図6参照)、これらと顧客が要求するサービス構成要素16とは「集計」、「データ加工」及び「データ保管」の3つすべてが一致する。よって、(2)式の括弧内の第2項の分子も「3」となる。
【0142】
従って、この例では、選択分析カタログ自体の適合度F1が、次式
【数3】
のように「1」と算出されることになる。
【0143】
続いて、構成生成部30は、選択分析カタログ15の各サービス構成要素16にそれぞれ当て嵌めたこれらクラウドサービスの組合せの適合度F2を算出する(S41)。具体的に、構成生成部は、次式
【数4】
により、選択分析カタログ15の各サービス構成要素16にそれぞれ当て嵌めたクラウドサービスごとの点数Pをそれぞれ算出し、次式
【数5】
のように、選択分析カタログ15を構成する各サービス構成要素16の(4)式で算出した点数Pの総和を、選択分析カタログ15を構成するサービス構成要素16の数で除算することにより、クラウドサービスの組合せの適合度F2を算出する。
【0144】
ここで、(4)式における右辺の括弧内の第1項の分母は、顧客が要求するデータ構造の要素数(個数)であり、当該第1項の分子は、選択サービス構成要素16のデータ構造と、顧客が要求するデータ構造との一致数である。また、かかる括弧内の第2項の分母は、顧客が要求するデータ取扱単位の要素数(個数)であり、当該第2項の分子は、選択サービス構成要素16のデータ取扱単位と、顧客が要求するデータ取扱単位との一致数である。さらに、かかる括弧内の第3項の分子は、顧客が要求するデータ探索方法の要素数であり、当該第3項の分子は、選択サービス構成要素16のデータ探索方法と、顧客が要求するデータ探索方法との一致数である。
【0145】
例えば、構成特徴抽出部29により抽出された、顧客がクラウド上に構築しようとしているデータ分析業務システムの特徴が図15に示すようなものであり、選択システム構成を構成するあるサービス構成要素16に当て嵌められたクラウドサービスが図7におけるサービスIDが「H0001」のクラウドサービスであるものとする。
【0146】
この場合、(4)式の括弧内の第1項の分母は、図15からも明らかなように、顧客が要求するデータ構造が「xx秒毎に発生するセンサデータ」、「yy時間毎に出力するログデータ」のように、「時系列」、「センサデータ」及び「ログデータ」の3つである。また、かかるクラウドサービスのデータ構造も「時系列」、「ログ」及び「センサデータ」であるため(図6参照)、これらと顧客が要求するデータ構造とは「時系列」、「ログ」及び「センサデータ」の3つすべてが一致する。
【0147】
また(4)式の括弧内の第2項の分母は、図15からも明らかなように、顧客が要求するデータ取扱単位が「集計前」及び「大きな塊」の2つであるため「2」である。また、かかるクラウドサービスのデータ取扱単位は「パラパラ」及び「集計前」であるため(図6参照)、これらと顧客が要求するデータ取扱単位とは「集計前」の1つのみが一致する。よって、(4)式の括弧内の第2項の分子は「1」となる。
【0148】
さらに(4)式の括弧内の第3項の分母は、図15からも明らかなように、顧客が要求するデータ探索方法が「全件探索」及び「パーテイション単位で分かれているデータを探索(パーテイションアクセス)」の2つであるため「2」である。またかかるクラウドサービスのデータ探索方法は「全件アクセス」であるため(図6参照)、これらと顧客が要求するデータ探索方法と「全件アクセス(全件探索)」のみが一致する。よって、(4)式の括弧内の分子は「1」となる。
【0149】
従って、この例では、選択分析カタログのあるサービス構成要素16に当て嵌めたクラウドサービスの点数Pが、次式
【数6】
のように「0.67」と算出されることになる。
【0150】
そして構成生成部30は、これと同様にして選択分析カタログ15を構成する各サービス構成要素16にそれぞれ当て嵌められたクラウドサービスごとに点数Pをそれぞれ算出し、その総和を(5)式のように選択分析カタログ15を構成するサービス構成要素16の数(例えば図2(B)の例では「5」)で除算することにより、クラウドサービスの組合せの適合度F2を算出する。
【0151】
次いで、構成生成部30は、費用の適合度F3を算出する(S42)。具体的に、構成生成部30は、次式
【数7】
により費用の適合度F3を算出する。なお、(7)式では、稼動可能時間が希望稼動時間よりも大きい場合に適合度F3が「1」を超えてしまうため、このような場合には適合度F3を「1」として取り扱う(適合度F3の上限は「1」)。
【0152】
続いて、構成生成部30は、ステップS40で算出した適合度F1、ステップS41で算出した適合度F2及びステップS42で算出した適合度F3を用いて、上述の(1)式により選択システム構成の適合度Fを算出する(S43)。そして、構成生成部30は、この後、この適合度算出処理を終了して図13A及び図13Bの構成生成処理に戻る。
【0153】
(4-4)適用結果登録処理
他方、図16は、適用結果登録部31(図1)により定期的に実行される適用結果登録処理の処理手順を示す。適用結果登録部31は、この図16に示す処理手順に従って、上述のシステム構成生成要求を送信してきたユーザに対し、システム構成提案装置3が提案したシステム構成案を適用したか否かを問い合わせ、その結果を問合せ履歴データベース25(図4)に登録する。
【0154】
実際上、適用結果登録部31は、定期的にこの図16の適用結果登録処理を開始し、まず、問合せ履歴データベース25(図4)を参照して、構成案適用結果登録日時欄25G(図4)に「NULL」が格納されているレコードを検索し(S50)、そのようなレコードを検出できたか否かを判断する(S51)。そして適用結果登録部31は、この判断で否定結果を得ると、この適用結果登録処理を終了する。
【0155】
これに対して、適用結果登録部31は、ステップS51の判断で肯定結果を得ると、そのレコードの構成生成結果欄25F(図4)に格納されたパス名のパス上にある構成生成結果ファイルFL3(図5(C))を補助記憶装置13から読み出す。また適用結果登録部31は、読み出した構成生成結果ファイルFL3のデータを、図10について上述した適用結果登録画面60の表示指示と一緒にそのレコードのユーザID欄25B(図4)に格納されたユーザIDが付与されたユーザのクライアント2にネットワークインタフェース14(図1)を介して送信する(S52)。この結果、かかる適用結果登録画面60がそのクライアント2に表示される。
【0156】
この後、適用結果登録部31は、かかる適用結果登録画面60上でユーザが入力した回答がそのクライアント2から送信してくるのを待ち受ける(S53)。そして適用結果登録部は、やがてかかる回答がそのクライアント2から送信されてくると、その回答に基づいて、そのユーザに提案したシステム構成案のうちのいずれかのシステム構成案をそのユーザが適用したか否かを判断する(S54)。
【0157】
そして適用結果登録部31は、この判断で否定結果を得ると、問合せ履歴データベース25における対応するレコードの適用案適用結果登録日時欄25G(図4)には回答を得た日時を格納し、適用構成案欄25H(図4)及び適用先欄25I(図4)にそれぞれ「NULL」を格納し(S55)、この後、この適用結果登録処理を終了する。
【0158】
これに対して、適用結果登録部31は、ステップS54の判断で肯定結果を得ると、そのユーザが適用したシステム構成案の識別情報をかかる回答から抽出し、抽出した識別情報を問合せ履歴データベース25における対応するレコードの適用構成案欄25Hに格納する。また適用結果登録部31は、そのときの日時を適用案適用結果登録日時欄25Gに格納すると共に、そのユーザの顧客名を適用先欄25Iに格納する(S56)。さらに、そのユーザの顧客名を分析カタログデータベースの適用実績欄26Hにも格納する。そして適用結果登録部31は、この後、この適用結果登録処理を終了する。
【0159】
(4-5)クラウドサービスデータベース更新処理
一方、図17は、クラウドサービスデータベース更新部33により定期的に実行されるクラウドサービス更新処理の処理手順を示す。クラウドサービスデータベース更新部33は、この図17に示す処理手順に従って、クラウドサービス事業者が提供するクラウドサービスの内容(料金を含む)が変更された場合や、新たなクラウドサービスの提供が開始された場合又は既存のクラウドサービスの提供が終了した場合などにクラウドサービスデータベース27(図7)を更新する。
【0160】
実際上、クラウドサービスデータベース更新部33は、このクラウドサービスデータベース更新処理を開始と、まず、クローリングなどにより各クラウドサービス事業者のWebサイトからそのクラウドサービス事業者が提供する各クラウドサービスに関する情報を収集する(S60)。
【0161】
続いて、クラウドサービスデータベース更新部33は、収集した各クラウドサービスに関する各種情報と、クラウドサービスデータベース27に登録されている各クラウドサービスの各種情報とを比較して、これらの間に差分があるか否かを判断する(S61)。そしてクラウドサービスデータベース更新部33は、この判断で否定結果を得ると、このクラウドサービスデータベース更新処理を終了する。
【0162】
これに対して、クラウドサービスデータベース更新部33は、ステップS51の判断で肯定結果を得ると、ステップS61で検出した差分が、既にクラウドサービスデータベース27に登録されている情報との差分であるか否かを判断する(S62)。
【0163】
この判断で肯定結果を得ることは、既にクラウドサービスデータベース27に登録されている既存のクラウドサービスの内容に変更があったことを意味する。かくして、このときクラウドサービスデータベース更新部33は、クラウドサービスデータベース27に登録されているそのクラウドサービスの情報をステップS60で取得した新たな内容に更新する(S63)。なお、この変更には、既存のクラウドサービスの提供が終了した場合にクラウドサービスデータベース27の利用可否欄27G(図7)の値を「可能」から「不可」に変更することを含む。そしてクラウドサービスデータベース更新部33は、この後、このクラウドサービスデータベース更新処理を終了する。
【0164】
これに対して、ステップS62で否定結果を得ることは、未だクラウドサービスデータベース27に登録されていない新たなクラウドサービスが検出されたことを意味する。かくして、このときクラウドサービスデータベース更新部33は、ステップS60で取得したそのクラウドサービスに関する必要な情報をクラウドサービスデータベース27に追加登録し(S64)、この後、このクラウドサービスデータベース更新処理を終了する。
【0165】
(4-6)ユーザ通知処理
他方、図18A及び図18Bは、ユーザ通知部34(図1)により実行されるユーザ通知処理の処理手順を示す。ユーザ通知部34は、この図18A及び図18Bに示す処理手順に従って、クラウドサービスの内容が変更され又は新規のクラウドサービスの提供が開始された場合に、データ分析業務システムのシステム構成を見直した方が良いと思われるユーザに対してマネージドサービス更新通知を送信する。
【0166】
実際上、ユーザ通知部34は、システム構成提案装置3の電源が投入されるとこのユーザ通知処理を開始し、まず、クラウドサービスデータベース27(図7)を監視し(S70)、クラウドサービスデータベース27に登録されているクラウドサービスの内容が更新(削除を含まず)され又は新たなクラウドサービスが登録されたか否かを判断する(S71)。
【0167】
そしてユーザ通知部34は、この判断で否定結果を得るとステップS70に戻り、この後、ステップS71で肯定結果を得るまでステップS70-ステップS71-ステップS70のループを繰り返す。
【0168】
そしてユーザ通知部34は、やがてクラウドサービスデータベース27に登録されているいずれかのクラウドサービスの内容が更新され又は新規のクラウドサービスが登録されたことを検知すると、クラウドサービスデータベース27から更新され又は追加されたクラウドサービスに対応するレコードの情報を取得する(S72)。
【0169】
またユーザ通知部34は、ユーザデータベース24(図3)を参照して、上述のマネージドサービス更新通知を要求しているユーザ(通知要否欄24Cに「要」が格納されているレコードに対応するユーザ)をすべて特定する(S73)。
【0170】
続いて、ユーザ通知部34は、ステップS73で特定したユーザの中からステップS75以降が未処理のユーザを一人選択し(S74)、選択したユーザ(以下、これを選択ユーザと呼ぶ)のユーザID及びメールアドレスをユーザデータベース24から取得する(S75)。
【0171】
次いで、ユーザ通知部34は、問合せ履歴データベース25(図4)のレコードの中から、ステップS75で取得したユーザIDがユーザID欄25B(図4)に格納されたすべてのレコードの情報をそれぞれ取得する(S76)。
【0172】
またユーザ通知部34は、取得した各レコードの情報に基づいて、選択ユーザが、以前にシステム構成案を提案したことあり、かつそのシステム構成案のいずれかを適用したユーザ(以下、これを第1タイプのユーザと呼ぶ)、又は、以前にシステム構成案を提案したが、いずれかのシステム構成案を適用したか否かを未だ問い合わせていないユーザ(以下、これを第2タイプのユーザと呼ぶ)であるか否かを判断する(S77)。
【0173】
前者の判断は、適用構成案欄25Hにいずれかのシステム構成案の識別情報が格納されているか否かに基づいて行うことができる。また後者の判断は、構成生成結果欄25F(図4)に何らかのパス名が格納され、かつ、構成案適用結果登録日時欄25G、適用構成案欄25H、適用先欄25Iが「NULL」であるか否かに基づいて行うことができる。
【0174】
そしてユーザ通知部34は、この判断で否定結果を得るとステップS74に戻り、この後、ステップS74で選択する該当するユーザをステップS75以降が未処理の他のユーザに順次切り替えながら、ステップS74以降の処理を繰り返す。
【0175】
またユーザ通知部34は、ステップS77の判断で肯定結果を得ると、選択ユーザが第1タイプのユーザである場合には、その選択ユーザが適用したシステム構成案に、ステップS71で検出した更新又は追加されたクラウドサービスと同じサービス区分のクラウドサービスを利用しているか否かを判断する。またユーザ通知部34は、選択ユーザが第2タイプのユーザである場合には、その選択ユーザに提案したシステム構成案のいずれかが、ステップS71で検出した更新又は追加されたクラウドサービスと同じサービス区分のクラウドサービスを利用しているか否かを判断する(S78)。
【0176】
そしてユーザ通知部34は、この判断で否定結果を得るとステップS74に戻り、この後、ステップS74で選択する該当するユーザをステップS75以降が未処理の他のユーザに順次切り替えながら、ステップS74以降の処理を繰り返す。
【0177】
これに対して、ユーザ通知部34は、ステップS78の判断で肯定結果を得ると、その選択ユーザに対して必要に応じてマネージドサービス更新通知を送信するマネージドサービス更新通知処理を実行する(S79)。
【0178】
この後、ユーザ通知部34は、ステップS73で特定したすべてのユーザについてステップS74以降の処理を実行し終えたか否かを判断する(S80)。そしてユーザ通知部34は、この判断で否定結果を得るとステップS74に戻り、この後、ステップS74で選択するユーザをステップS75以降が未処理の他の該当するユーザに順次切り替えながらステップS74以降の処理を繰り返す。
【0179】
そしてユーザ通知部34は、やがてステップS73で特定したすべてのユーザについてステップS75~ステップS79の処理を実行し終えることによりステップS80で肯定結果を得ると、ステップS70に戻って、この後、ステップS70以降の処理を繰り返す。
【0180】
図19は、図18BのステップS79におけるユーザ通知部34の具体的な処理内容を示す。ユーザ通知部34は、ユーザ通知処理(図18A及び図18B)のステップS79に進むと、この図19に示すマネージドサービス更新通知処理を開始する。
【0181】
そしてユーザ通知部34は、まず、問合せ履歴データベース25(図4)を参照して、選択ユーザが第1タイプのユーザである場合には、その選択ユーザが適用したシステム構成案の構成情報を取得する。またユーザ通知部34は、選択ユーザが第2タイプのユーザである場合には、その選択ユーザに提案したシステム構成案のうち、ステップS71で検出した更新又は追加されたクラウドサービスと同じサービス区分のクラウドサービスを利用しているシステム構成案の構成情報を取得する(S90)。
【0182】
具体的に、ユーザ通知部34は、選択ユーザが第1タイプのユーザである場合には、問合せ履歴データベース25のレコードのうち、ユーザID欄25B(図4)に選択ユーザのユーザIDが格納されたレコードを特定する。またユーザ通知部34は、特定したレコードの構成生成結果欄25Fにパス名が格納されたパス上にある構成生成結果ファイルFL3(図5(C))を読み出し、読み出した構成生成結果ファイルFL3から、選択ユーザが適用したシステム構成案の構成情報を取得する。
【0183】
またユーザ通知部34は、選択ユーザが第2タイプのユーザである場合には、問合せ履歴データベース25のレコードのうち、ユーザID欄25B(図4)に選択ユーザのユーザIDが格納されたレコードを特定する。またユーザ通知部34は、特定したレコードの構成生成結果欄25Fにパス名が格納されたパス上にある構成生成結果ファイルFL3(図5(C))を読み出し、読み出した構成生成結果ファイルFL3からステップS71で検出した更新又は追加されたクラウドサービスと同じサービス区分のクラウドサービスを利用しているシステム構成案の構成情報を取得する。
【0184】
続いて、ユーザ通知部34は、ステップS90で取得した上述のシステム構成案の構成情報に基づいて、そのシステム構成案における更新/追加クラウドサービスと同じサービス区分のクラウドサービスを更新/追加クラウドサービスに置き換えた場合のその適用クラウド構成案の適合度を図13A及び図13Bについて上述した構成生成処理のステップS28~ステップS30と同様にして算出する(ステップS91~ステップS93)。
【0185】
またユーザ通知部34は、この後、ステップS91~ステップS93で算出した適合度が、元のかかるシステム構成案の適合度よりも向上している(高くなっている)か否かを判断する(S94)。そしてユーザ通知部34は、この判断で否定結果を得ると、このマネージドサービス更新通知処理を終了する。
【0186】
これに対して、ユーザ通知部34は、この判断で肯定結果を得ると、かかるシステム構成案における更新/追加クラウドサービスと同じサービス区分のクラウドサービスを更新/追加クラウドサービスに置き換えた場合のその適用クラウド構成案に関する必要な情報をステップS91で構成情報を取得した構成生成結果ファイルFL3に記録する(S95)。
【0187】
またユーザ通知部34は、クラウドサービスに更新があり、より適合度の高いシステム構成案を作成可能である旨のマネージドサービス更新通知を選択ユーザに送信し(S96)、この後、このマネージドサービス更新通知処理を終了する。
【0188】
(4-7)分析カタログデータベース更新処理
(4-7-1)第1の分析カタログデータベース更新処理
図20は、分析カタログデータベース更新部32(図1)により定期的に実行される第1の分析カタログデータベース更新処理を示す。分析カタログデータベース更新部32は、この図20に示す処理手順に従って、必要に応じて新たな分析カタログ15(図2)を生成し、生成した分析カタログ15を分析カタログデータベース26(図6)に登録する。
【0189】
実際上、分析カタログデータベース更新部32は、この第1の分析カタログデータベース更新処理を開始すると、まず、クローリングにより各クラウドサービス事業者のWebサイト、及び、データ分析処理に関する記事や論文が掲載されたWebサイトなどから分析カタログ15を生成するために必要な情報を収集する(S100)。
【0190】
例えば、分析カタログデータベース更新部32は、データ分析処理の新たな処理の流れを表す情報がいずれかのWebサイトに掲載されていた場合などに、その情報を収集する。
【0191】
続いて、分析カタログデータベース更新部32は、ステップS100で収集した情報に基づいて生成可能な分析カタログ15をすべて生成し(S101)、この後、ステップS101において少なくとも1つの分析カタログ15を生成できたか否かを判断する(S102)。そして分析カタログデータベース更新部32は、この判断で否定結果を得ると、この分析カタログデータベース更新処理を終了する。
【0192】
これに対して、分析カタログデータベース更新部32は、ステップS102の判断で肯定結果を得ると、ステップS101で生成した分析カタログ15の中からステップS104以降の処理が未処理の分析カタログ15を1つ選択する(S103)。
【0193】
また分析カタログデータベース更新部32は、選択した分析カタログ15が既に分析カタログデータベース26に存在するか否かを判断する(S104)。この判断は、ステップS103で選択した分析カタログ15を分析カタログデータベース26に既に登録されている既存の分析カタログ15と順次比較することにより行われる。
【0194】
そして分析カタログデータベース更新部32は、この判断で肯定結果を得るとステップS106に進む。これに対して、分析カタログデータベース更新部32は、ステップS104の判断で否定結果を得るとステップS103で選択した分析カタログ15を分析カタログデータベース26に新規登録する(S105)。
【0195】
この後、分析カタログデータベース更新部32は、ステップS101で生成したすべての分析カタログ15についてステップS102以降の処理を実行し終えたか否かを判断する(S106)。
【0196】
そして分析カタログデータベース更新部32は、この判断で否定結果を得るとステップS103に戻り、この後、ステップS103で選択する分析カタログ15をステップS104以降が未処理の他の分析カタログ15に順次切り替えながらステップS103~ステップS106の処理を繰り返す。この繰返し処理により、ステップS101で生成された分析カタログ15のうち、それまで分析カタログデータベース26に登録されていなかった新規の分析カタログ15が順次分析カタログデータベース26に登録される。
【0197】
そして分析カタログデータベース更新部32は、ステップS101で生成したすべての分析カタログ15についてステップS104以降の処理を実行し終えることによりステップS106で肯定結果を得ると、この第1の分析カタログデータベース更新処理を終了する。
【0198】
(4-7-2)第2の分析カタログデータベース更新処理
一方、図21は、システム構成提案装置3が提案し、ユーザが適用したシステム構成案の識別情報が問合せ履歴データベース25(図4)のいずれかのレコードの適用構成案欄25Hに格納された場合に分析カタログデータベース更新部32(図1)により実行される第2の分析カタログデータベース更新処理を示す。
【0199】
分析カタログデータベース更新部32は、この図21に示す処理手順に従って、適合度が低いシステム構成案をユーザが適用した場合に、そのシステム構成案に基づいて新たな分析カタログ15を生成して分析カタログデータベース26(図6)に登録する。
【0200】
実際上、分析カタログデータベース更新部32は、問合せ履歴データベース25(図4)のいずれかのレコードの適用構成案欄25H(図4)にシステム構成案の識別情報が格納されるとこの第2の分析カタログデータベース更新処理を開始する。
【0201】
そして分析カタログデータベース更新部32は、まず、そのシステム構成案の適合度を取得する(S110)。具体的に、分析カタログデータベース更新部32は、そのレコードの構成生成結果欄25F(図4)にパス名が格納されたパス上にある構成生成結果ファイルFL3(図5(C))を読み込み、読み込んだ構成生成結果ファイルFL3からそのシステム構成案の適合度を取得する。
【0202】
続いて、分析カタログデータベース更新部32は、ステップS110で取得した適合度が予め設定された閾値未満であるか否かを判断する(S111)。そして分析カタログデータベース更新部32は、この判断で否定結果を得ると、この第2の分析カタログデータベース更新処理を終了する。
【0203】
これに対して、分析カタログデータベース更新部32は、ステップS111の判断で肯定結果を得ると、ステップS110で読み込んだ構成生成結果ファイルFL3から、そのシステム構成案の分析カタログ15を新たに生成して分析カタログデータベース26に登録するために必要な情報を取得する(S112)。
【0204】
また分析カタログデータベース更新部32は、ステップS112で取得した情報を分析カタログデータベース26に格納するようにして、その分析カタログ15を分析カタログデータベース26に登録する(S113)。そして分析カタログデータベース更新部32は、この後、この第2の分析カタログデータベース更新処理を終了する。
【0205】
このように、適合度が低いシステム構成案をユーザが適用した場合に、そのシステム構成案に基づいて新たな分析カタログ15を生成して分析カタログデータベース26に登録することにより、今後、同様のシステム構成を希望するユーザに対してシステム構成案を提示する際のそのシステム構成を有するシステム構成案の適合度を高くすることができる。
【0206】
これにより構成生成結果表示画面50(図9)の生成システム構成案一覧領域52において、そのシステム構成を有するシステム構成案の表示順位をより高くすることができ、かくしてユーザが希望するシステム構成を有するシステム構成案をより優先的にそのユーザに提示することができる。
【0207】
(5)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態のシステム構成提案装置3は、顧客がクラウド上に構築しようとするデータ分析業務システムにおける当該データ分析業務システムが取り扱うデータのデータ構造、当該データの分析手法及び当該データの探索方法などの特徴を抽出し、抽出した特徴に適合する分析カタログ15を分析カタログデータベース26から抽出する。またシステム構成提案装置3は、抽出した分析カタログのサービス構成要素16ごとに、構成生成条件に適したクラウドサービスをそれぞれ当て嵌めることで生成可能なシステム構成案をすべて生成し、生成したこれらのシステム構成案をクライアント2に表示させる。
【0208】
従って、本システム構成提案装置3によれば、人間の判断を介在させることなく、設定された構成生成条件に適したシステム構成案を提案することができるため、顧客の希望に実用上十分に適合した最適なシステム構成を提案することができる。
【0209】
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、問合せ受付部28、構成特徴抽出部29、構成生成部30、適用結果登録部31、分析カタログデータベース更新部32、クラウドサービスデータベース更新部33及びユーザ通知部34を、1台のサーバ装置から構成されるシステム構成提案装置3に搭載するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらのプログラムを分散型コンピューティングシステムを構成する複数のコンピュータ装置に分散して実装するようにしてもよい。
【0210】
また上述の実施の形態においては、図18A及び図18Bについて上述したユーザ通知処理のステップS79において、更新され又は新規に追加されたクラウドサービスを利用したシステム構成案が元のシステム構成案よりも適合度が向上している場合にのみ、マネージドサービス更新通知を対応するユーザに送信するマネージドサービス更新通知処理を実行するようにした場合について述べたが(図19参照)、本発明はこれに限らず、かかるステップS79において、マネージドサービス更新通知処理を実行することなく、直ちに現在利用しているクラウドサービスが更新され又は利用可能な新規のクラウドサービスの提供が開始された旨の通知を対応するユーザに送信するようにしてもよい。
【0211】
さらに上述の実施の形態においては、上述の(1)式、(2)式及び(4)式において、括弧内の加算する各要素を同等に取り扱うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、各要素に重み付けを行うようにしてもよい。同様に上述の(5)式において、分析カタログを構成する各サービス構成要素の点数Pに重み付けするようにしてもよい。
【0212】
さらに上述の実施の形態においては、システム構成提案装置3が生成したシステム構成案をすべて構成生成結果表示画面50に表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば適合度の上位所定個数のシステム構成案のみを構成生成結果表示画面50に表示したり、適合度が予め定められた閾値以上のシステム構成案のみを構成生成結果表示画面50に表示するようにしてもよい。
【0213】
さらに上述の実施の形態においては、構成生成条件、特徴抽出結果及び構成生成結果を問合せデータベース25に格納せずに別ファイルにファイル化し、問合せデータベース25にはそのファイルへのパスのパス名を格納するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これら構成生成条件、特徴抽出結果及び構成生成結果を問合せデータベース25にそのまま格納するようにしてもよい。
【0214】
さらに上述の実施の形態においては、クライアント2の構成生成条件入力部20、構成生成結果表示部21及び構成適用結果入力部22がシステム構成提案装置3からの情報に基づいて図8図10について上述した構成生成条件設定画面40、構成生成結果表示画面50又は適用結果登録画面60を生成して表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これら構成生成条件設定画面40、構成生成結果表示画面50又は適用結果登録画面60の画面データをシステム構成提案装置3側で生成し、クライアント2の構成生成条件入力部20、構成生成結果表示部21及び構成適用結果入力部22側ではその画面データに基づいて構成生成条件設定画面40、構成生成結果表示画面50又は適用結果登録画面60を表示するだけとするようにしてもよい。
【0215】
さらに上述の実施の形態においては、予め用意されたデータ処理の流れを規定した複数種類のカタログの中から、構成特徴抽出部により抽出された要件の特徴に適合するカタログを抽出するカタログ抽出部と、カタログ抽出部により抽出されたカタログのサービス構成要素ごとに、要求された要件に適したクラウドサービスをそれぞれ抽出するクラウドサービス抽出部と、クラウドサービス抽出部により抽出されたクラウドサービスを、カタログ抽出部により抽出されたカタログに従って組み合わせた1又は複数のシステム構成案を生成するシステム構成案生成部とを1つのプログラム(構成生成部30)により構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらカタログ抽出部、クラウドサービス抽出部及びシステム構成案生成部をそれぞれ別々のプログラムとして構成するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0216】
本発明は、要求された要件に適合するクラウド上のシステム構成の構成案を提示するシステム構成提案装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0217】
1……システム構成提案システム、2……クライアント、3……システム構成提案装置、11……CPU、15……分析カタログ、16……サービス構成要素、24……ユーザデータベース、25……問合せ履歴データベース、26……分析カタログデータベース、27……クラウドサービスデータベース、28……問合せ受付部、29……構成特徴抽出部、30……構成生成部、31……適用結果登録部、32……分析カタログデータベース更新部、33……クラウドサービスデータベース更新部、34……ユーザ通知部、40……構成生成条件設定画面、50……構成生成結果表示画面、60……適用結果登録画面、FL1……構成生成条件ファイル、FL2……特徴抽出結果ファイル、FL3……構成生成結果ファイル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図13A
図13B
図14
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図18A
図18B
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図21