(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178035
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】昆虫生産管理装置
(51)【国際特許分類】
A01K 67/033 20060101AFI20241217BHJP
G06T 7/11 20170101ALI20241217BHJP
G06T 7/62 20170101ALI20241217BHJP
【FI】
A01K67/033 502
G06T7/11
G06T7/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096525
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 浩平
(72)【発明者】
【氏名】久保田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】河合 重和
(72)【発明者】
【氏名】蔦岡 雅人
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096CA02
5L096FA54
5L096FA59
5L096FA64
(57)【要約】
【課題】昆虫の重量を測定する作業を省力化可能な昆虫生産管理装置を提供する。
【解決手段】複数のコオロギCの生産状況を管理する昆虫生産管理装置10であって、複数のコオロギCを含む画像データIDを取得する画像取得部11と、画像データIDに含まれるコオロギCを認識して、コオロギCのそれぞれにセグメンテーションSGを付与する昆虫認識部12と、コオロギCに付与されたセグメンテーションSGを取得し、セグメンテーションSGに基づいて、画像データIDに含まれるコオロギCのサイズに関するサイズ情報SIを取得するサイズ情報取得部13と、予め定義された、サイズ情報SIとコオロギCの個体体重との関係性であるサイズ-重量関係SWRを格納する記憶部17と、サイズ情報SIと、サイズ-重量関係SWRと、に基づいて、画像データIDに含まれるコオロギCの総重量を推定する重量推定部15と、を備えた昆虫生産管理装置10。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の昆虫の生産状況を管理する昆虫生産管理装置であって、
複数の前記昆虫を含む画像データを取得する画像取得部と、
前記画像データに含まれる前記昆虫を認識して、前記昆虫のそれぞれにセグメンテーションを付与する昆虫認識部と、
前記昆虫に付与された前記セグメンテーションを取得し、前記セグメンテーションに基づいて、前記画像データに含まれる前記昆虫のサイズに関するサイズ情報を取得するサイズ情報取得部と、
予め定義された、前記サイズ情報と前記昆虫の個体体重との関係性であるサイズ-重量関係を格納する記憶部と、
前記サイズ情報と、前記サイズ-重量関係と、に基づいて、前記画像データに含まれる前記昆虫の総重量を推定する重量推定部と、を備えた昆虫生産管理装置。
【請求項2】
前記サイズ-重量関係は、単調増加の関係であって、昆虫のサイズの増加量に対する前記昆虫の個体体重の増加の割合が固定値となる関係である、請求項1に記載の昆虫生産管理装置。
【請求項3】
前記サイズ-重量関係は、単調増加の関係であって、前記昆虫のサイズの増加量に対する前記昆虫の個体体重の増加の割合が前記昆虫のサイズに応じて異なる変数となる関係である、請求項1に記載の昆虫生産管理装置。
【請求項4】
前記サイズ-重量関係は、前記昆虫の飼育条件に応じて異なる関係性が定義されており、
前記重量推定部は、前記サイズ情報と、前記飼育条件と、前記サイズ-重量関係と、に基づいて、前記画像データに含まれる前記昆虫の総重量を推定する、請求項2または3に記載の昆虫生産管理装置。
【請求項5】
前記サイズ情報は、画素数により表され、
さらに、
前記昆虫の前記サイズ情報を実寸情報に変換する実寸情報変換部を備える、請求項1に記載の昆虫生産管理装置。
【請求項6】
さらに、
前記昆虫の個体体重を測定する重量測定部と、
前記重量測定部によって重量が測定された前記昆虫を個別に撮影する個別撮影部と、
前記重量測定部により測定された前記昆虫の個体体重と、前記個別撮影部により撮影された前記昆虫のサイズ情報と、に基づいて、前記サイズ-重量関係を更新する更新部と、を備える、請求項1に記載の昆虫生産管理装置。
【請求項7】
さらに、前記昆虫を飼育する飼育領域を有する飼育装置を備え、
前記画像取得部は、前記飼育領域で飼育される前記昆虫の画像を取得し、
前記飼育装置の外に、前記昆虫が1匹のみ通過可能な昆虫通路が配置されており、
前記重量測定部および前記個別撮影部は、前記昆虫通路に配置されている、請求項6に記載の昆虫生産管理装置。
【請求項8】
さらに、前記昆虫を飼育する飼育領域を有する飼育装置を備え、
前記画像取得部は、前記飼育領域で飼育される前記昆虫の画像を取得し、
前記飼育装置の前記飼育領域に、前記昆虫が1匹のみ通過可能な昆虫通路が配置されており、
前記重量測定部および前記個別撮影部は、前記昆虫通路に配置されている、請求項6に記載の昆虫生産管理装置。
【請求項9】
さらに、
前記昆虫に付与された前記セグメンテーションを取得し、前記セグメンテーションに基づいて、前記画像データに含まれる前記昆虫の形状に関する形状情報を取得する形状情報取得部を備え、
前記重量推定部は、前記サイズ情報と、前記サイズ-重量関係と、前記形状情報と、予め定義された前記形状情報と前記昆虫の個体体重との関係性である形状-重量関係と、に基づいて、前記画像データに含まれる前記昆虫の総重量を推定する、請求項1に記載の昆虫生産管理装置。
【請求項10】
前記形状情報は、前記昆虫がはねを有するか否かに関する情報であり、
前記重量推定部は、前記昆虫が前記はねを有する場合には、前記形状-重量関係に基づいて、前記はねを有する場合における前記昆虫のサイズの増加量に対する前記昆虫の個体体重の増加の割合を、前記はねを有しない場合における前記昆虫のサイズの増加量に対する前記昆虫の個体体重の増加の割合より、小さな値とする、請求項9に記載の昆虫生産管理装置。
【請求項11】
前記形状情報は、前記昆虫の姿勢に関する情報であり、
前記重量推定部は、前記昆虫の前記姿勢が横向きである場合には、前記形状-重量関係に基づいて、前記姿勢が横向きである場合における前記昆虫のサイズの増加量に対する前記昆虫の個体体重の増加の割合を、前記姿勢が正立している場合における前記昆虫のサイズの増加量に対する前記昆虫の個体体重の増加の割合より、大きな値とする、請求項9に記載の昆虫生産管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昆虫生産管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、昆虫の一種であるコオロギを飼育するコオロギ用の飼育装置が記載されている。飼育装置においては、コオロギに水を与えるために、水を含んだ脱脂綿が置かれた容器を飼育容器内に設けることや、コオロギが物陰に隠れることができるように、軽く丸められた新聞紙を多数飼育容器内に設けること等が、記載されている。コオロギの成虫は、出荷時に、出荷用の段ボール箱に数えながら投入供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、コオロギの出荷時に、コオロギの総重量が求められる場合が考えられる。この場合、従来技術によれば、例えば、個々のコオロギの個体体重を個別に測定して足し算することが考えられる。しかし、この手法は煩雑であるので現実的ではない。
【0005】
また、出荷用の段ボール箱の空重量を予め測定しておき、すべてのコオロギが投入された後に、コオロギを含んだ段ボール箱の重量を測定し、段ボール箱の空重量を引き算することも考えられる。しかし、コオロギの出荷量が多い場合には、段ボール箱の重量を測定する作業が煩雑になる。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、昆虫の重量を測定する作業を省力化可能な昆虫生産管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
複数の昆虫の生産状況を管理する昆虫生産管理装置であって、
複数の前記昆虫を含む画像を取得する画像取得部と、
前記画像に含まれる前記昆虫を認識して、前記昆虫のそれぞれにセグメンテーションを付与する昆虫認識部と、
前記昆虫に付与された前記セグメンテーションを取得し、前記セグメンテーションに基づいて、前記画像に含まれる前記昆虫のサイズに関するサイズ情報を取得するサイズ情報取得部と、
予め定義された、前記サイズ情報と前記昆虫の個体体重との関係性であるサイズ-重量関係を格納する記憶部と、
前記サイズ情報と、前記サイズ-重量関係と、に基づいて、前記画像に含まれる前記昆虫の総重量を推定する重量推定部と、を備えた昆虫生産管理装置にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、複数の昆虫を含む画像を撮影することにより、画像に含まれる昆虫の総重量を推定することができる。これにより、昆虫の総重量を測定する作業を省力化することができる。以上のように、本発明の一態様によれば、昆虫の重量を測定する作業を省力化可能な昆虫生産管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1の昆虫生産管理装置の概略構造を示すブロック図。
【
図2】実施形態1の昆虫生産管理装置を示すブロック図。
【
図4】実施形態1の昆虫生産管理装置の動作を示すメインフロー。
【
図6】実施形態1に係る画像データについて、コオロギにセグメンテーションが付与された状態を示す模式図。
【
図7】実施形態1の昆虫生産管理装置において、はねの有無に関する形状-重量関係が加味された、サイズ-重量関係を示すグラフ。
【
図8】実施形態1の昆虫生産管理装置において、コオロギの姿勢に関する形状-重量関係が加味された、サイズ-重量関係を示すグラフ。
【
図9】実施形態2の昆虫生産管理装置の概略構造を示すブロック図。
【
図10】実施形態2の飼育装置を示す模式的断面図であって、(a)は、
図10(b)のXa-Xa線断面図であり、(b)は、
図10(a)のXb-Xb線断面図である。
【
図11】実施形態2の昆虫生産管理装置を示すブロック図。
【
図12】実施形態2の昆虫生産管理装置において、飼料の種類に関する情報が加味された、サイズ-重量関係を示すグラフ。
【
図13】実施形態3の飼育装置を示す模式的断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
本発明は、複数の昆虫の生産状況を管理する昆虫生産管理装置である。本形態に係る昆虫は、特に限定されず、成長する際に完全変態するものであっても良いし、不完全変態をするものであっても良い。不完全変態をする昆虫は、幼虫と成虫の形状が類似しており、蛹である期間を経ることなく脱皮を繰返すことにより、幼虫から成虫に変態するものをいう。不完全変態をする昆虫としては、例えば、直翅目を好適に用いることができる。直翅目としては、例えば、コオロギ、イナゴ、バッタ等を例示することができる。本形態においては、コオロギCが例示される。なお、以下の説明において、複数の同一部材については一部の構成について符号を付し、他の構成については符号を省略する場合がある。
【0011】
1.昆虫生産管理装置10の概要
図1~
図2を参照して、昆虫生産管理装置10の概要について説明する。
図1に示すように、昆虫生産管理装置10は、コオロギCを飼育する飼育装置20を備える。昆虫生産管理装置10は、入力装置31を介して作業者から種々の情報を取得する。また、昆虫生産管理装置10は、教示装置32を介して作業者に情報を教示する。入力装置31は、特に限定されず、キーボード、マウス、ジョイスティック、音声入力装置等、任意の装置を適宜に選択できる。教示装置32は、特に限定されず、液晶ディスプレイ、タブレット端末等、任意の装置を適宜に選択できる。
【0012】
図2に示すように、昆虫生産管理装置10は、画像取得部11と、昆虫認識部12と、サイズ情報取得部13と、形状情報取得部14と、重量推定部15と、実寸情報変換部16と、記憶部17と、を備える。本形態においては、画像取得部11は飼育装置20に配置されている。ただし、画像取得部11は、飼育装置20に飼育されたコオロギCを撮影可能であれば、飼育装置20の外部に配置されていても良い。
【0013】
記憶部17は、画像データID、サイズ情報SI、サイズ-重量関係SWR、形状情報SHI、および形状-重量関係SHWRを格納する。記憶部17は特に限定されず、半導体メモリ、ハードディスクドライブ等、任意の記憶媒体を適宜に選択できる。
【0014】
2.飼育装置20およびコオロギC
図3に示すように、飼育装置20は、コオロギCを飼育するために用いられる。飼育装置20の形状は特に限定されず、任意の形状を適宜に採用できる。本形態に係る飼育装置20は、上方に開口した箱状に形成されている。飼育装置20の内部は、コオロギCが収容されて飼育される飼育領域20aとされる。飼育装置20の飼育領域20a内には、コオロギCに水を与える給水手段(図示せず)と、餌を与える給餌手段と、が配置されている。
【0015】
飼育装置20の内部には、所定の形状に形成された基準物体21が配置されている。基準物体21は、画像取得部11によって撮影されたコオロギCに関するサイズ情報SIを、実寸情報に変換する際に用いられる。基準物体21のうち特定の部分が、所定の寸法に形成されている。基準物体21の形状は特に限定されず、立方体形状、直方体形状、球形状、板状等、任意の形状を採用しうる。本形態では球形状が採用されている。これは、基準となる寸法を直径とすることにより、基準物体21の撮影角度を任意とすることができるからである。基準物体21を構成する材料は特に限定されず、樹脂、金属、木材等、任意の材料を適宜に選択できる。基準物体21は、本形態の昆虫生産管理装置10のために作製されたものでも良いし、予め寸法が定められた市販製品を適用しても良い。基準物体21としては、例えばゴルフボールを用いても良い。ただし、基準物体21は省略しても良い。
【0016】
コオロギCは、体の表面の組織を更新する生態、所謂「脱皮」を繰り返しながら体格を増して複数段階で成長することが知られている。そこで、本例では、便宜上、脱皮の生態から定まる1単位期間を「1齢」とする。
【0017】
コオロギCが孵化してから最初に脱皮する(第1回目の脱皮)までの期間における、当該コオロギCの齢を「1齢」とすることができる。この場合、コオロギCの第1回目の脱皮から次回の脱皮(第2回目の脱皮)までの期間における、当該コオロギCの齢が「2齢」となり、コオロギCの第2回目の脱皮から次回の脱皮(第3回目の脱皮)までの期間における、当該コオロギCの齢が「3齢」となる。このように、脱皮の生態を有する昆虫においては、第(M-1)回目の脱皮後から第M回目の脱皮までに期間における、当該生物の齢を「M齢」とすることができる(ただし、Mを自然数とする。)。コオロギCは、幼虫の段階では、はね22が形成されておらず、成虫になるとはね22が形成される。
【0018】
図3に示すように、飼育装置20の側壁の上端部には、画像取得部11が、ステー11aを介して取付けられている。画像取得部11によって、飼育装置20の飼育領域20a内で飼育される複数のコオロギCを含む画像データIDを取得可能に構成されている。
【0019】
3.昆虫生産管理装置10の動作
図4~
図8を参照して、昆虫生産管理装置10の動作について説明する。
図4に、昆虫生産管理装置10の動作に係るメインフローを示す。昆虫生産管理装置10が起動すると、画像取得部11によって飼育装置20の飼育領域20a内で飼育される複数のコオロギCの画像データIDが取得される(S1)。画像取得部11は、複数のコオロギCと、基準物体21と、を同じ画像データID内に撮影する。撮影された画像データIDは記憶部17に送信されて記憶部17に格納される。
【0020】
図5に、画像データIDの一例を示す。ただし、画像データIDに含まれるコオロギCの匹数、形状、サイズ、姿勢等は以下の記載に限定されない。
図5に示される画像データIDには、5匹のコオロギC1~C5と、1つの基準物体21と、が含まれる。5匹のコオロギC1~C5のうち、4匹のコオロギC1,C3,C4,C5には、はね22が形成されておらず、1匹のコオロギC2には、はね22が形成されている。また、5匹のコオロギC1~C5のうち、
図5の左下に位置するコオロギC4は、横向きの姿勢、すなわち、飼育装置20の底面に対して横倒しの状態で撮影されており、他のコオロギC1,C2,C3,C5は、飼育装置20の底面に対して正立した状態で撮影されている。
図5の右下に位置するコオロギC5は、他のコオロギC1,C2,C3,C4に比べて、体長寸法がやや大きく、体幅寸法がやや小さい。以下の説明において、複数のコオロギC1~C5を区別しないで記載する場合には、コオロギCと記載する場合がある。
【0021】
次に、昆虫認識部12は、画像データIDに含まれるコオロギCを認識して、コオロギCのそれぞれにセグメンテーションSG1~SG5を付与する(S2)。
図6に示すように、画像データIDに含まれる複数のコオロギC1~C5には、それぞれ、セグメンテーションSG1~SG5が付与される。セグメンテーションSG1~SG5は、コオロギCの外形を覆う閉じた線で構成される。閉じた線は、特に限定されず、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形でもよいし、円形状、楕円形状でもよい。本形態では、コオロギC1~C5の外形は、六角形のセグメンテーションSG1~SG5で囲まれている。
【0022】
図6に示される画像データIDにおいて、はね22を有するコオロギC2のセグメンテーションSG2は、はね22を有しないコオロギC1,C3,C4,C5のセグメンテーションSG1,SG3,SG4,SG5に比べて、やや縦長な形状となっている。また、横向きのコオロギC4のセグメンテーションSG4は、正立しているコオロギC1,C2,C3,C5のセグメンテーションSG1,SG2,SG3,SG5に比べて、やや幅狭な形状になっている。
図6の右下に位置するコオロギC5のセグメンテーションSG5は、他のコオロギC1~C4のセグメンテーションSG1~SG4に比べて、縦長、且つ幅狭な形状になっている。以下の説明において、各セグメンテーションSG1~SG5を区別しない場合、セグメンテーションSGと記載する場合がある。
【0023】
図4に戻って、次に、サイズ情報取得部13は、コオロギCに付与されたセグメンテーションSGを取得し、セグメンテーションSGに基づいて、画像データIDに含まれるコオロギCのサイズに関するサイズ情報SIを取得する(S3)。サイズ情報SIは画素数により表される。サイズ情報SIとしては、コオロギCの体長、体幅、面積、体積等を含む。
【0024】
コオロギCの体長については、セグメンテーションSGの長手方向についての画素数により表される。また、コオロギCの体幅については、セグメンテーションSGの長手方向と交差する方向についての画素数により表される。面積については、セグメンテーションSGを構成する閉じた線で囲まれた領域内の画素数により表される。体積については、面積を表す画素数に加えて厚み方向の画素数により表される。
【0025】
次に、形状情報取得部14は、コオロギCに付与されたセグメンテーションSGを取得し、セグメンテーションSGに基づいて、画像データIDに含まれるコオロギCの形状に関する形状データを取得する(S4)。形状データは、特に限定されず、例えば、コオロギCがはね22を有するか否かに関する情報、コオロギCの姿勢に関する情報等が例示される。
【0026】
次に、重量推定部15は、記憶部17からサイズ-重量関係SWRおよび形状-重量関係SHWRを取得し、サイズ-重量関係SWRと、サイズ情報SIと、形状-重量関係SHWRと、形状情報SHIと、に基づいて、画像データIDに含まれるコオロギCの総重量を推定する(S5)。
【0027】
サイズ-重量関係SWRは、予め定義された、サイズ情報SIと、コオロギCの個体体重との関係性である。また、形状-重量関係SHWRは、予め定義された、形状情報SHIと昆虫の個体体重との関係性である。上記したように、サイズ-重量関係SWR、および形状-重量関係SHWRは記憶部17に格納されている。ただし、形状-重量関係SHWRは省略されても良い。
【0028】
本形態に係るサイズ-重量関係SWRは、コオロギCのサイズの増加量に対するコオロギCの個体体重の増加の割合が固定値となる関係である。換言すると、コオロギCのサイズが大きくなるにしたがってコオロギCの個体体重が一定の割合で増加する関係である。つまり、コオロギCのサイズと、コオロギCの個体体重とが、正の線形の関係(一定の単調増加の関係)を有する。ただし、サイズ-重量関係SWRは、昆虫のサイズの増加量に対する昆虫の個体体重の増加の割合が昆虫のサイズに応じて異なる変数となる関係であっても良い。
【0029】
本形態に係る形状-重量関係SHWRは、コオロギCがはね22を有する場合には、はね22を有する場合におけるコオロギCのサイズの増加量に対するコオロギCの個体体重の増加の割合を、はね22を有しない場合におけるコオロギCのサイズの増加量に対するコオロギCの個体体重の増加の割合より、小さな値とするものである。
【0030】
コオロギCがはね22を有する場合、はね22の分だけ昆虫のサイズは大きく認定される。しかし、はね22自体の重量は、コオロギCの体に比べて軽いので、はね22を含んだサイズに認定されたコオロギCの体重は、実際の体重に比べて大きく推定される可能性がある。そこで、はね22の有無を検出し、コオロギCがはね22を有する場合には、はね22の分だけコオロギCの体重を小さく推定することにより、コオロギCの重量推定精度を向上させることができる。
【0031】
図7に、コオロギCのはね22の有無に関する、形状-重量関係SHWRが加味されたサイズ-重量関係SWRの一例を表すグラフを示す。
図7のグラフは、コオロギCのサイズに対する、コオロギCの重量の変化を示す。上記したように、本形態に係るサイズ-重量関係SWRは、コオロギCのサイズが大きくなるにしたがって、一定の割合でコオロギCの重量が増加する関係である。
【0032】
上記したように、コオロギCのはね22は、コオロギCが成虫になると形成される。このため、はね22の有無による形状-重量関係SHWRに基づいて、サイズ-重量関係SWRは、コオロギCの成長段階が成虫に至る領域において、コオロギCがはね22を有する場合と、コオロギCがはね22を有しない場合と、に分岐する。コオロギCがはね22を有しない場合、サイズ-重量関係SWRは、コオロギCのサイズが大きくなるにしたがって、一定の割合でコオロギCの重量が増加する関係を維持する。一方、コオロギCがはね22を有する場合、コオロギCのサイズの増加量に対するコオロギCの個体体重の増加の割合は、はね22を有しない場合におけるコオロギCのサイズの増加量に対するコオロギCの個体体重の増加の割合より、小さな値となっている。
【0033】
また、本形態に係る形状-重量関係SHWRは、コオロギCの姿勢が横向きである場合には、姿勢が横向きである場合におけるコオロギCのサイズの増加量に対するコオロギCの個体体重の増加の割合を、姿勢が正立している場合におけるコオロギCのサイズの増加量に対するコオロギCの個体体重の増加の割合より、大きな値とするものである。
【0034】
図8に、コオロギCの姿勢に関する、形状-重量関係SHWRを加味したサイズ-重量関係SWRの一例を表すグラフを示す。飼育装置20内において、コオロギCが正立した姿勢でいるか、横向きの姿勢でいるかは、コオロギCのサイズとは無関係である。このため、
図8に示すように、コオロギCが横向きである場合におけるグラフは、サイズの全領域にわたって定義されている。
【0035】
コオロギCが横向きである場合、コオロギCが正立している場合に比べて昆虫のサイズは小さく認定される。そこで、コオロギCの姿勢を検出し、コオロギCが横向きである場合には、コオロギCの体重を大きく推定することにより、コオロギCの重量推定精度を向上させることができる。
【0036】
重量推定部15は、さらに、算出されたコオロギCの総重量を、画像データIDに含まれるコオロギCの匹数で除することにより、コオロギCの平均体重を算出することができる。なお、画像データIDに含まれるコオロギCの匹数は、コオロギCの外形を囲うセグメンテーションSGの個数を数えることにより容易に求めることができる。
【0037】
次に、実寸情報変換部16は、記憶部17からコオロギCのサイズ情報SIを取得する。実寸情報変換部16は、画像データIDに含まれる基準物体21の寸法に基づいて、サイズ情報SIを実寸情報に変換する(S6)。実寸情報変換部16は、例えば、コオロギCの体長を表す画素数、またはコオロギCの体幅を表す画素数を、mmや、cmで表される長さ寸法に変換する。また、実寸情報変換部16は、例えば、コオロギCの外形を囲うセグメンテーションSGの閉じた線内の面積を表す画素数を、mm2や、cm2で表される面積に変換する。また、実寸情報変換部16は、コオロギCの外形を囲うセグメンテーションSGの閉じた線内の体積を表す画素数を、mm3や、cm3で表される体積に変換する。ただし、実寸情報変換部16は、省略可能である。また、変換される単位は任意であり、mm、mm2、mm3、cm、cm2、cm3等に限られない。
【0038】
次に、教示装置32は、画像データIDに含まれるコオロギCの総重量、コオロギCの実寸情報、コオロギCの平均体重等を、作業者に教示する(S7)。以上により、昆虫生産管理装置10の動作が終了する。
【0039】
4.本形態の作用効果
続いて、本形態の作用効果について説明する。本形態に係る昆虫生産管理装置10は、複数のコオロギCの生産状況を管理する昆虫生産管理装置10であって、複数のコオロギCを含む画像データIDを取得する画像取得部11と、画像データIDに含まれるコオロギCを認識して、コオロギCのそれぞれにセグメンテーションSGを付与する昆虫認識部12と、コオロギCに付与されたセグメンテーションSGを取得し、セグメンテーションSGに基づいて、画像データIDに含まれるコオロギCのサイズに関するサイズ情報SIを取得するサイズ情報取得部13と、予め定義された、サイズ情報SIとコオロギCの個体体重との関係性であるサイズ-重量関係SWRを格納する記憶部17と、サイズ情報SIと、サイズ-重量関係SWRと、に基づいて、画像データIDに含まれるコオロギCの総重量を推定する重量推定部15と、を備える。
【0040】
本形態によれば、複数のコオロギCを含む画像を撮影することにより、画像に含まれるコオロギCの総重量を推定することができる。これにより、コオロギCの総重量を測定する作業を省力化することができる。
【0041】
また、本形態によれば、サイズ情報SIは、画素数により表され、さらに、昆虫のサイズ情報SIを実寸情報に変換する実寸情報変換部16を備える。これにより、画素数により表されるサイズ情報SIからコオロギCの総重量を出力できるとともに、画素数により表されるサイズ情報SIからコオロギCの個体実寸を出直できる。
【0042】
本形態に係る昆虫生産管理装置10は、さらに、コオロギCに付与されたセグメンテーションSGを取得し、セグメンテーションSGに基づいて、画像に含まれるコオロギCの形状に関する形状情報SHIを取得する形状情報取得部14を備え、重量推定部15は、サイズ情報SIと、サイズ-重量関係SWRと、形状情報SHIと、予め定義された形状情報SHIとコオロギCの個体体重との関係性である形状-重量関係SHWRと、に基づいて、画像に含まれるコオロギCの総重量を推定する。
【0043】
本形態によれば、サイズ情報SIに加えて、形状情報SHIも考慮することにより、コオロギCの総重量の推定精度を向上させることができる。
【0044】
本形態によれば、形状情報SHIは、コオロギCがはね22を有するか否かに関する情報であり、重量推定部15は、昆虫がはね22を有する場合には、形状-重量関係SHWRに基づいて、はね22を有する場合におけるコオロギCのサイズの増加量に対する昆虫の個体体重の増加の割合を、はね22を有しない場合におけるコオロギCのサイズの増加量に対するコオロギCの個体体重の増加の割合より、小さな値とする。
【0045】
コオロギCがはね22を有する場合、はね22の分だけ昆虫のサイズは大きく認定される。しかし、羽根自体の重量は、コオロギCの体に比べて軽いので、はね22を含んだサイズに認定されたコオロギCの体重は、実際の体重に比べて大きく推定される可能性がある。そこで、はね22の有無を検出し、コオロギCがはね22を有する場合には、はね22の分だけ昆虫の体重を小さく推定することにより、コオロギCの重量推定精度を向上させることができる。
【0046】
本形態によれば、形状情報SHIは、コオロギCの姿勢に関する情報であり、重量推定部15は、コオロギCの姿勢が横向きである場合には、形状-重量関係SHWRに基づいて、姿勢が横向きである場合におけるコオロギCのサイズの増加量に対するコオロギCの個体体重の増加の割合を、姿勢が正立している場合におけるコオロギCのサイズの増加量に対するコオロギCの個体体重の増加の割合より、大きな値とする。
【0047】
コオロギCが横向きである場合、コオロギCが正立している場合に比べてコオロギCのサイズは小さく認定される。そこで、コオロギCの姿勢を検出し、コオロギCが横向きである場合には、コオロギCの体重を大きく推定することにより、コオロギCの重量推定精度を向上させることができる。
【0048】
(実施形態2)
次に、
図9~
図11を参照して、実施形態2について説明する。
図9に示すように、本形態の昆虫生産管理装置40は、飼育装置20の外に、コオロギCが1匹のみ通過可能な昆虫通路41が配置されている。昆虫通路41は、コオロギCの個体体重を測定する重量測定部42と、重量測定部42によって重量が測定されたコオロギCを個別に撮影する個別撮影部43と、を備える。
【0049】
図10に、飼育装置20と、昆虫通路41と、を示す。
図10(a)に示すように、飼育装置20の側壁から外方に突出して、昆虫通路41が配置されている。昆虫通路41は中空に形成されており、少なくとも1匹のコオロギCが通過可能に設定されている。昆虫通路41の断面形状は特に限定されず、四角形状、円形状、長円形状等、任意の形状に形成することができる。本形態では、四角形状に形成されている。
【0050】
図10(b)に示すように、昆虫通路41の内部空間は、飼育装置20の飼育領域20aと連通している。昆虫通路41は、飼育装置20の側壁から突出する第1横行路41aおよび第2横行路41bと、第1横行路41aの端部と第2横行路41bの端部とを連結する縦行路41cと、を備える。
【0051】
コオロギCは、矢線Aに示すように、飼育領域20aから第1横行路41aへ侵入することが可能であるが、第1横行路41aから飼育領域20aへは侵入できない構成となっている。例えば、第1横行路41aのうち飼育領域20aへの開口部分には、図示しないセンサによりコオロギCを検知して、1匹のコオロギCのみを通過させるための扉(図示せず)が形成されている。
【0052】
また、矢線Bに示すように、第2横行路41bから飼育領域20aへは侵入可能であるが、飼育領域20aから第2横行路41bへは侵入できない構成となっている。例えば、第2横行路41bのうち飼育領域20aへの開口部分には、図示しないセンサによりコオロギCを検知して、1匹のコオロギCのみを通過させるための扉(図示せず)が形成されている。
【0053】
上記のように、コオロギCは、第1横行路41aから第2横行路41bにのみ通行可能なので、縦行路41cにおいては、コオロギCは、矢線Cに示す方向にのみ進むことができる構成となっている。縦行路41cの底壁41dには、コオロギCの個体体重を測定可能な重量測定部42が配置されている。重量測定部42は、公知のロードセル等を適用することができる。重量測定部42の上部は縦行路41cの内部に露出しており、コオロギCが重量測定部42の上部に乗ることができるようになっている。これにより、コオロギCの個体体重を、重量測定部42によって測定可能になっている。
【0054】
縦行路41cの天井壁のうち、重量測定部42と対向する部分には個別撮影部43が配置されている。個別撮影部43は、公知のCCDカメラ等を適用することができる。個別撮影部43は、コオロギCが重量測定部42において個体体重が測定されたとき、コオロギCを撮影する構成とされる。これにより、1匹のコオロギCの、個体体重と、サイズ情報SIと、を取得することができる。
【0055】
本形態においては、飼育装置20内に基準物体21が配置されていない点で、実施形態1と異なっている。ただし、飼育装置20内に基準物体21を配置しても良い。
【0056】
図11に示すように、本形態の昆虫生産管理装置40は、重量測定部42により測定されたコオロギCの個体体重と、個別撮影部43により撮影されたコオロギCのサイズ情報SIと、に基づいて、サイズ-重量関係SWRを更新する更新部44を備える。更新部44は、更新したサイズ-重量関係SWRを、記憶部17に格納する。また、本形態は、実寸情報変換部16を備えない点で、実施形態1と相違する。ただし、実寸情報変換部16を備える構成としても良い。
【0057】
本形態の記憶部17は、コオロギCの飼育条件BCが格納されている。飼育条件BCは特に限定されず、コオロギCに与えられる飼料の種類、コオロギCが隠れる隠れ場所の設置場所、隠れ場所の個数、コオロギCに飼料を与える給餌手段の設置場所、給餌手段の個数、コオロギCに水を与える給水手段の設置場所、給水手段の個数、飼育装置20内の湿度、飼育装置20内の明るさ、飼育装置20内に設置された照明装置の色調、飼育装置20における音または振動の大きさ等が例示される。
【0058】
本形態の重量測定部42は、サイズ情報SIと、飼育条件BCと、サイズ-重量関係SWRと、に基づいて、画像に含まれる昆虫の総重量を推定する。
【0059】
本形態のサイズ-重量関係SWRは、コオロギCのサイズの増加量に対するコオロギCの個体体重の増加の割合がコオロギCのサイズに応じて異なる変数となる関係である。
【0060】
図12には、飼育条件BCとして、飼料Aを与えた場合におけるサイズ-重量関係SWRと、飼料Aとは異なる飼料Bを与えた場合におけるサイズ-重量関係SWRと、を示す。本形態のサイズ-重量関係SWRは、上記したように、コオロギCのサイズの増加量に応じて、コオロギCの個体体重の増加の割合が変化する構成となっている。つまり、コオロギCのサイズと、コオロギCの個体体重とが、単調増加の非線形の関係を有する。
【0061】
図12に示すように、飼料Aを与えた場合、飼料Bを与えた場合に比べて、同じサイズにおけるコオロギCの重量が重い傾向となっている。詳細には、a1とb1とが同じサイズであり、a2とb2とが同じサイズであり、a3とb3とが同じサイズとなっている。この場合において、重量に関しては、a1>b1、a2>b2、a3>b3という関係になっている。ただし、飼育条件BCとして飼料と異なる条件を採用した場合には、サイズ-重量関係SWRの変化の仕方が、飼料を飼育条件BCとした場合と異なっていても良い。
【0062】
続いて、本形態の作用効果について説明する。本形態においては、サイズ-重量関係SWRは、コオロギCのサイズの増加量に対する昆虫の個体体重の増加の割合がコオロギCのサイズに応じて異なる変数となる関係である。これにより、コオロギCの総重量の推定精度を向上させることができる。
【0063】
また、本形態によれば、サイズ-重量関係SWRは、コオロギCの飼育条件BCに応じて異なる関係性が定義されており、重量推定部15は、サイズ情報SIと、飼育条件BCと、サイズ-重量関係SWRと、に基づいて、画像に含まれるコオロギCの総重量を推定する。これにより、コオロギCの総重量の推定精度を向上させることができる。
【0064】
本形態の昆虫生産管理装置40は、さらに、コオロギCの個体体重を測定する重量測定部42と、重量測定部42によって重量が測定された昆虫を個別に撮影する個別撮影部43と、重量測定部42により測定された昆虫の個体体重と、個別撮影部43により撮影された昆虫のサイズ情報SIと、に基づいて、サイズ-重量関係SWRを更新する更新部44と、を備える。これにより、サイズ-重量関係SWRを最新の状態に更新することができるので、コオロギCの総重量の推定精度を向上させることができる。
【0065】
本形態に係る昆虫生産管理装置40は、さらに、コオロギCを飼育する飼育領域20aを有する飼育装置20を備え、画像取得部11は、飼育領域20aで飼育される昆虫の画像を取得し、飼育装置20の外に、コオロギCが1匹のみ通過可能な昆虫通路41が配置されており、重量測定部42および個別撮影部43は、昆虫通路41に配置されている。これにより、コオロギCの個体体重を精度よく測定することができるとともに、コオロギCのサイズ情報SIを精度よく取得することができる。
【0066】
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0067】
(実施形態3)
続いて、
図13を参照して実施形態3について説明する。
図13に示すように、本形態の飼育装置50は、飼育装置50の飼育領域20a内に、昆虫通路51を備える。飼育装置50の側壁の内面(飼育領域20a側の面)には、内方に突出する板状の昆虫通路51が形成されている。昆虫通路51の、飼育装置50の側壁からの突出寸法は、1匹のコオロギCが通過可能な大きさに設定されている。
【0068】
昆虫通路51には、コオロギCの個体体重を測定する重量測定部42が配置されている。重量測定部42の上部は、昆虫通路51の上面に露出している。これにより、昆虫通路51を通過するコオロギCの個体体重を測定することができる。
【0069】
飼育装置50の側壁の内面には、昆虫通路51の上方であって、且つ、重量測定部42の上方の位置に、重量測定部42によって重量が測定されたコオロギCを個別に撮影する個別撮影部43が配置されている。個別撮影部43は、重量測定部42の上部を常時撮影する構成としても良いし、コオロギCが重量測定部42の上を通過したことを図示しないセンサが検知したときに、コオロギCを撮影可能に構成されていても良い。
【0070】
本形態によれば、飼育装置50が大型化することを抑制できる。
【0071】
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
【0072】
実施形態1に係る重量測定部42は、サイズ情報SIと、飼育条件BCと、サイズ-重量関係SWRと、に基づいて、画像に含まれる昆虫の総重量を推定する構成としても良い。
【符号の説明】
【0073】
10,40:昆虫生産管理装置、11:画像取得部、12:昆虫認識部、13:サイズ情報取得部、14:形状情報取得部、15:重量推定部、16:実寸情報変換部、17:記憶部、20,50:飼育装置、20a:飼育領域、21:基準物体、41,51:昆虫通路、42:重量測定部、43:個別撮影部、44:更新部、BC:飼育条件、C,C1,C2,C3,C4,C5:コオロギ、ID:画像データ、SG,SG1,SG2,SG3,SG4,SG5:セグメンテーション、SHI:形状情報、SHWR:形状-重量関係、SI:サイズ情報、SWR:サイズ-重量関係