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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178051
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】無線端末装置、火災警報器
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20241217BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G08B17/00 A
G08B25/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096550
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】菅原 隆行
(72)【発明者】
【氏名】永井 奨士
(72)【発明者】
【氏名】青山 啓一
(72)【発明者】
【氏名】森野 誠
(72)【発明者】
【氏名】博多 翔吾
(72)【発明者】
【氏名】三宅 貴明
(72)【発明者】
【氏名】大内田 洋
【テーマコード(参考)】
5C087
5G405
【Fターム(参考)】
5C087BB18
5C087BB76
5C087DD04
5C087EE10
5C087FF04
5C087GG70
5G405AA01
5G405AD05
5G405AD09
5G405BA07
5G405CA17
5G405CA19
(57)【要約】
【課題】消費電力を低減しながら信頼性の低下を抑制する技術を提供する。
【解決手段】通信部210は、通知信号を通信対象装置に送信するための送信動作と、通知信号を受信した通信対象装置から送信された応答信号を受信するための受信動作とを実行する。バッテリ220は、通信部210を動作させる。通信部210は、応答信号の受信に失敗した場合、通知信号を再送する再送動作と受信動作とを実行する。通信部210は、応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、再送動作を実行し、受信動作を停止する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通知信号を通信対象装置に送信するための送信動作と、前記通知信号を受信した前記通信対象装置から送信された応答信号を受信するための受信動作とを実行する通信部と、
前記通信部を動作させるためのバッテリとを備え、
前記通信部は、前記応答信号の受信に失敗した場合、前記通知信号を再送する再送動作と前記受信動作とを実行し、
前記通信部は、前記応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、前記再送動作を実行し、前記受信動作を停止する無線端末装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記送信動作と前記受信動作を定期的に実行し、
前記通信部は、定期的に送信した前記通知信号に対する前記応答信号の受信に失敗した場合、これまでの前記応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達していなければ、前記再送動作と前記受信動作とを実行し、
前記通信部は、定期的に送信した前記通知信号に対する前記応答信号の受信に失敗した場合、これまでの前記応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達していれば、前記再送動作を実行し、前記受信動作を停止する請求項1に記載の無線端末装置。
【請求項3】
前記受信動作の停止を決定するための前記規定回数が第1規定回数と定義され、前記第1規定回数よりも多い第2規定回数も定義され、
前記通信部は、前記応答信号の受信の失敗回数が前記第2規定回数に達すると、前記送信動作も停止する請求項2に記載の無線端末装置。
【請求項4】
外部からの操作を受けつける操作部をさらに備え、
前記操作部は、前記操作部が前記操作を受けつけた場合、前記送信動作と前記受信動作の少なくとも1つを再開する請求項3に記載の無線端末装置。
【請求項5】
通知信号を通信対象装置に送信するための送信動作と、前記通知信号を受信した前記通信対象装置から送信された応答信号を受信するための受信動作とを実行する通信部と、
前記通信部を動作させるためのバッテリとを備え、
前記通信部は、前記応答信号の受信に失敗した場合、前記通知信号を再送する再送動作と前記受信動作とを実行し、
前記通信部は、前記応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、前記通信対象装置へのユニキャストからブロードキャストに前記送信動作と前記再送動作を変更する無線端末装置。
【請求項6】
通知信号を通信対象装置に送信するための送信動作と、前記通知信号を受信した前記通信対象装置から送信された応答信号を受信するための受信動作とを第1期間の間隔で定期的に実行する通信部と、
前記通信部を動作させるためのバッテリとを備え、
前記通信部は、前記応答信号の受信に失敗した場合、前記通知信号を再送する再送動作と前記受信動作とを実行し、
前記通信部は、前記応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、前記第1期間を、前記第1期間よりも長い第2期間に変更する無線端末装置。
【請求項7】
通知信号を通信対象装置に送信するための送信動作と、前記通知信号を受信した前記通信対象装置から送信された応答信号を受信するための受信動作とを定期的に実行する通信部と、
前記通信部を動作させるためのバッテリとを備え、
前記通信部は、前記応答信号の受信に失敗した場合、前記通知信号を再送する再送動作と前記受信動作とを第1回数まで実行し、
前記通信部は、前記応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、前記第1回数を、前記第1回数よりも少ない第2回数に変更する無線端末装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の無線端末装置と、
火災の発生を検知する検知部とを備える火災警報器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信技術に関し、特に信号を送信すると当該信号に対する応答を受信する無線端末装置、火災警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
室内等に発生した熱や煙等の異常を検知するための警報システムには複数の警報器が含まれる。警報システムは、複数の警報器間で双方向通信することによって、互いに連動して警報動作を実行する。警報システムでは、監視中に複数の警報器間で定期的に信号をやり取りすることによって異常が生じていないかが確認される。監視中に複数の警報器間で定期的に信号をやり取りする定期送信における消費電力を低減するために、一定期間にわたって信号を受信できない場合に通信異常が確定される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-88957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
双方向通信可能な警報システムでは、例えば、電池駆動の複数の警報器(火災警報器)が電源駆動のゲートウエイに接続され、ゲートウエイは各火災警報器と無線通信を実行する。前述の定期送信として、火災警報器は通知信号(状態通知信号)をゲートウエイに定期的に送信し、通知信号を受信したゲートウエイは応答信号を火災警報器に送信する。火災警報器は、通知信号を送信したゲートウエイからの応答信号を受信しない場合、通知信号を再送する。通知信号の再送が繰り返されると、火災警報器の消費電力が増加して電池寿命が短くなる。一方、消費電力を低減するために通知信号の再送を停止した場合、警報システムの信頼性が低下する。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、消費電力を低減しながら信頼性の低下を抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の無線端末装置は、通知信号を通信対象装置に送信するための送信動作と、通知信号を受信した通信対象装置から送信された応答信号を受信するための受信動作とを実行する通信部と、通信部を動作させるためのバッテリとを備える。通信部は、応答信号の受信に失敗した場合、通知信号を再送する再送動作と受信動作とを実行し、通信部は、応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、再送動作を実行し、受信動作を停止する。
【0007】
本開示の別の態様もまた、無線端末装置である。この装置は、通知信号を通信対象装置に送信するための送信動作と、通知信号を受信した通信対象装置から送信された応答信号を受信するための受信動作とを実行する通信部と、通信部を動作させるためのバッテリとを備える。通信部は、応答信号の受信に失敗した場合、通知信号を再送する再送動作と受信動作とを実行し、通信部は、応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、通信対象装置へのユニキャストからブロードキャストに送信動作と再送動作を変更する。
【0008】
本開示のさらに別の態様もまた、無線端末装置である。この装置は、通知信号を通信対象装置に送信するための送信動作と、通知信号を受信した通信対象装置から送信された応答信号を受信するための受信動作とを第1期間の間隔で定期的に実行する通信部と、通信部を動作させるためのバッテリとを備える。通信部は、応答信号の受信に失敗した場合、通知信号を再送する再送動作と受信動作とを実行し、通信部は、応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、第1期間を、第1期間よりも長い第2期間に変更する。
【0009】
本開示のさらに別の態様もまた、無線端末装置である。この装置は、通知信号を通信対象装置に送信するための送信動作と、通知信号を受信した通信対象装置から送信された応答信号を受信するための受信動作とを定期的に実行する通信部と、通信部を動作させるためのバッテリとを備える。通信部は、応答信号の受信に失敗した場合、通知信号を再送する再送動作と受信動作とを第1回数まで実行し、通信部は、応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、第1回数を、第1回数よりも少ない第2回数に変更する。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、消費電力を低減しながら信頼性の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1に係る警報システムの構成を示す図である。
図2図1の火災警報器の構成を示す図である。
図3図3(a)-(b)は、図1の警報システムにおける動作概要を示す図である。
図4図4(a)-(b)は、図1の警報システムにおける別の動作概要を示す図である。
図5図2の火災警報器による動作手順を示すフローチャートである。
図6】実施例2に係る警報システムにおける動作概要を示す図である。
図7】実施例3に係る警報システムにおける動作概要を示す図である。
図8】実施例4に係る警報システムにおける動作概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施例1)
本開示を具体的に説明する前に、概要を述べる。本実施例は、集合住宅、戸建住宅、オフィス、病院等の施設に設置される警報システムに関する。警報システムでは、ゲートウエイに複数の火災警報器が接続される。ゲートウエイは各火災警報器と無線通信を実行する。火災警報器は、火災の発生を検知すると検知結果をゲートウエイに送信する。ゲートウエイは、検知結果を受信すると、鳴動を実行する火災警報器を1つ以上選択し、選択した1つ以上の火災警報器に鳴動の指示を送信する。火災警報器は、鳴動の指示を受信すると鳴動を実行する。
【0014】
このような警報システムにおいて異常が生じていないかを確認するために、前述のごとく、火災警報器は通知信号をゲートウエイに定期的に送信し、通知信号を受信したゲートウエイは応答信号を火災警報器に送信する。火災警報器は、通知信号を送信したゲートウエイからの応答信号を受信しない場合、通知信号を再送する。通知信号の再送が繰り返されると、火災警報器の消費電力が増加して電池寿命が短くなる。一方、消費電力を低減するために通知信号の再送を停止した場合、警報システムの信頼性が低下する。消費電力を低減しながら信頼性の低下を抑制するために、本実施例に係る火災警報器は、応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、通知信号の再送を継続するが、応答信号を受信するための動作を停止する。
【0015】
図1は、警報システム1000の構成を示す。警報システム1000は、ゲートウエイ100と総称される第1ゲートウエイ100a、第2ゲートウエイ100b、火災警報器200と総称される第1火災警報器200aから第6火災警報器200fを含む。ゲートウエイ100の数は「2」に限定されず、火災警報器200の数は「6」に限定されない。
【0016】
警報システム1000は、住宅、オフィス、商業施設等の施設に適用され、火災を検知し、火災が発生したことを報知するシステムである。複数の火災警報器200は、例えば、住宅用火災警報器であり、火災検知センサを備える。複数の火災警報器200は、例えば、施設の天井等に設置されるが、壁等に設置されてもよい。
【0017】
第1ゲートウエイ100aには、第1火災警報器200aから第6火災警報器200fが接続され、第1ゲートウエイ100aと各火災警報器200は無線通信を実行する。また、第2ゲートウエイ100bにも、複数の火災警報器200(図示せず)が接続され、第2ゲートウエイ100bと各火災警報器200(図示せず)は無線通信を実行する。ゲートウエイ100と火災警報器200のそれぞれにはアドレスが割り当てられており、信号の送信元と送信先を指定するためにアドレスが使用される。例えば、第1ゲートウエイ100aは、第1ゲートウエイ100aのアドレスと、第1火災警報器200aから第6火災警報器200fのそれぞれのアドレスとを記憶し、第1火災警報器200aは、第1火災警報器200aと第1ゲートウエイ100aのアドレスとを記憶する。
【0018】
第1ゲートウエイ100aは、第1火災警報器200aに信号を送信する場合、送信元アドレスとして第1火災警報器200aのアドレス、送信先アドレスとして第1火災警報器200aのアドレスを信号に含める。第1火災警報器200aは信号を受信する。第1火災警報器200aは、信号に含まれた送信先アドレスが第1火災警報器200aのアドレスである場合に当該信号を処理し、送信先アドレスが第1火災警報器200aのアドレスでない場合に当該信号を破棄する。
【0019】
第1火災警報器200aは、第1ゲートウエイ100aに信号を送信する場合、送信元アドレスとして第1火災警報器200aのアドレス、送信先アドレスとして第1ゲートウエイ100aのアドレスを信号に含める。第1ゲートウエイ100aは信号を受信する。第1ゲートウエイ100aは、信号に含まれた送信先アドレスが第1ゲートウエイ100aのアドレスである場合に当該信号を処理し、送信先アドレスが第1ゲートウエイ100aのアドレスでない場合に当該信号を破棄する。他のゲートウエイ100と他の火災警報器200においても同様の処理がなされる。火災警報器200を「通信端末装置」と呼ぶ場合、ゲートウエイ100は「通信対象装置」と呼ばれる。
【0020】
このような構成を有する警報システム1000において、「定期監視」と「火災検知」がなされる。「定期監視」とは、警報システム1000において異常が生じていないことを確認するための処理である。「定期監視」では、火災警報器200が通知信号を送信し、通知信号を受信したゲートウエイ100が応答信号を送信する。「定期監視」は定期的、例えば24時間毎に実行される。
【0021】
「火災検知」とは、1つ以上の火災警報器200が火災の発生を検知した場合に1つ以上の火災警報器200が警報を報知するための処理である。「火災検知」では、火災の発生を検知した火災警報器200が検知結果をゲートウエイ100に送信し、ゲートウエイ100は検知結果に含まれた送信元アドレスをもとに、鳴動させる火災警報器200を特定する。アドレスと、鳴動させる火災警報器200の情報との対応関係はゲートウエイ100に予め記憶されている。ゲートウエイ100は、特定した火災警報器200に鳴動の指示を送信し、鳴動の指示を受信した火災警報器200は鳴動する。
【0022】
図2は、火災警報器200の構成を示す。火災警報器200は、通信部210、制御部212、火災検知センサ214、ブザー216、操作部218、バッテリ220を含む。火災検知センサ214には公知の技術が使用されればよい。例えば、火災検知センサ214は、光学式の煙検知センサであってもよく、光の乱反射を利用して火災の際の煙を検知することで火災を検知してもよい。例えば、火災検知センサ214は、熱検知センサであってもよく、火災の際の熱を検知することで火災を検知してもよい。例えば、火災検知センサ214は、一酸化炭素検知センサであってもよく、火災の際の燃焼によって発生する一酸化炭素の濃度を検知することで火災を検知してもよい。例えば、火災検知センサ214は、赤外線検知センサであってもよく、火災の際の燃焼によって放射される赤外線を検知することで火災を検知してもよい。
【0023】
通信部210は、ゲートウエイ100との間の無線通信を実行する。制御部212は、火災警報器200の動作を制御し、例えば、通信部210において受信した信号を処理したり、通信部210から送信すべき信号を生成したりする。そのため、制御部212は、通信対象となるゲートウエイ100のアドレスを記憶する。ブザー216は、ブザー音を鳴動可能である。火災警報器200は、ブザー216を含まず、火災検知センサ214を含む構成、つまり検知機能と通信機能を有する構成であってもよい。このような火災警報器200は、火災の検知を警報可能な感知器であるともいえる。
【0024】
操作部218は、ユーザが操作可能なインターフェースであり、例えば釦である。操作部218はユーザからの操作、つまり外部からの操作を受けつけると、ユーザからの操作を制御部212に出力する。操作部218が受けつける操作に関しては後述する。制御部212は、操作部218からの操作に応じて処理を実行する。バッテリ220は、火災警報器200に電力を供給する。そのため、バッテリ220は通信部210を含む火災警報器200の各構成を動作させる。
【0025】
以下では、図1の第1ゲートウエイ100aと第1火災警報器200aを例示して、警報システム1000の動作、特に定期監視を説明するが、他のゲートウエイ100と他の火災警報器200も同様に動作する。
【0026】
図3(a)-(b)は、警報システム1000における動作概要を示す。図3(a)は、第1ゲートウエイ100aと第1火災警報器200aとの間における「定期監視」の基本動作を示す。電源駆動である第1ゲートウエイ100aは送信動作(TX)を実行する期間以外の期間において受信動作(RX)を実行する。第1火災警報器200aの通信部210は、送信動作(TX)を実行し、通知信号を第1ゲートウエイ100aに送信する。第1ゲートウエイ100aは、受信動作を実行することによって、第1火災警報器200aから送信された通知信号を受信する。第1ゲートウエイ100aは、通知信号を受信すると、第1火災警報器200aに異常がないことを確認する。第1ゲートウエイ100aは、通知信号を受信すると、送信動作を実行し、通知信号に対応する応答信号を第1火災警報器200aに送信する。第1火災警報器200aの通信部210は、送信動作の実行後に受信動作(RX)を実行し、第1ゲートウエイ100aから送信された応答信号を受信する。制御部212は、通信部210が応答信号を受信すると、第1ゲートウエイ100aとの通信に異常がないことを確認する。
【0027】
図3(b)は、図3(a)と同様の「定期監視」において、第1ゲートウエイ100aが通知信号の受信に失敗する場合を示す。第1ゲートウエイ100aは受信動作を実行する。第1火災警報器200aの通信部210は、送信動作を実行し、通知信号を第1ゲートウエイ100aに送信する。第1ゲートウエイ100aは、通知信号の受信に失敗するので、応答信号を送信しない。そのため、第1火災警報器200aの通信部210は、送信動作の実行後に受信動作を実行しても、応答信号を受信しない。
【0028】
通信部210は、応答信号の受信に失敗した場合、受信動作に続いて再送動作(TX)を実行し、通知信号を第1ゲートウエイ100aに再送する。第1ゲートウエイ100aは、通知信号の受信に失敗するので、応答信号を送信しない。そのため、第1火災警報器200aの通信部210は、再送動作の実行後に受信動作を実行しても、応答信号を受信しない。このように通信部210は、送信動作と受信動作との組合せにおいて応答信号の受信に失敗した場合、送信動作と受信動作との組合せに続いて、再送動作と受信動作との組合せを実行する。通信部210は、受信動作において応答信号を受信すると再送動作を停止するが、受信動作において応答信号を受信するまで再送動作と受信動作との組合せを実行する。前述のごとく、再送動作と受信動作との組合せを繰り返すことによって、第1火災警報器200aの消費電力が増加する。
【0029】
第1火災警報器200aの消費電力が増加を抑制するために、通信部210は、応答信号の受信の失敗回数が規定回数、例えば「3回」に達すると、再送動作を実行し、受信動作を停止する。つまり、通信部210は、再送動作を実行し、通知信号を第1ゲートウエイ100aに再送する。一方、通信部210は、再送回数の実行後に受信動作を実行しない。通信部210は、予め定められた回数だけ、再送動作を実行し、通知信号を第1ゲートウエイ100aに繰り返し再送する。
【0030】
図4(a)-(b)は、警報システム1000における別の動作概要を示す。図4(a)では、図3(a)に示される「定期監視」の基本動作が定期的、例えば24時間毎に繰り返される。図4(a)では、通知信号を定期的に送信すべき期間、例えば24時間を「T1」と示す。つまり、第1火災警報器200aの通信部210は、送信動作と受信動作の組合せを「T1」毎に実行する。通信部210は、送信動作により通知信号を第1ゲートウエイ100aに送信し、受信動作により応答信号を第1ゲートウエイ100aから受信する。
【0031】
図4(b)は、図4(a)と同様の「定期監視」において第1ゲートウエイ100aが通知信号の受信に失敗する場合を示す。ここでは、各通知信号の送信に対して再送の最大回数を「2回」とする。第1火災警報器200aの通信部210は、送信動作と受信動作の組合せを「T1」毎に実行し、送信動作により通知信号を第1ゲートウエイ100aに送信する。
【0032】
通信部210は、受信動作において応答信号の受信に失敗した場合、これまでの応答信号の受信の失敗回数が規定回数(以下、「第1規定回数」という)に達していなければ、再送動作と受信動作との組合せを実行する。第1規定回数は例えば「6回」であり、これは図3(b)の「3回」に相当する。通信部210は、再送動作において通知信号を第1ゲートウエイ100aに再送してから受信動作を実行する。再送動作と受信動作との組合せは最大回数を上限として応答信号を受信するまで繰り返す。
【0033】
通信部210は、受信動作において応答信号の受信に失敗した場合、これまでの応答信号の受信の失敗回数が第1規定回数に達していれば、再送動作を実行し、受信動作を停止する。通信部210は、再送動作において通知信号を第1ゲートウエイ100aに再送してから受信動作を実行しない。そのため、第1規定回数は、受信動作の停止を決定するための規定回数といえる。
【0034】
図4(b)において、第1火災警報器200aの通信部210は、1つの目の通知信号に対して、送信動作・受信動作、再送動作・受信動作、再送動作・受信動作を実行する。再送の最大回数「2回」に達したので、通信部210は再送動作をさらに実行しない。通信部210は、1つの目の通知信号を送信してから「T1」経過後に、2つ目の通知信号に対して、送信動作・受信動作、再送動作・受信動作、再送動作・受信動作を実行する。再送の最大回数「2回」に達したので、通信部210は再送動作をさらに実行しない。この段階において、応答信号の受信の失敗回数が第1規定回数「6回」に達する。通信部210は、2つの目の通知信号を送信してから「T1」経過後に、3つ目の通知信号に対して、送信動作・受信動作を実行する。応答信号の受信の失敗回数が第1規定回数「6回」に達しているので、通信部210は、再送動作を実行してから、さらに再送動作を実行する。一方、通信部210は受信動作を実行しない。
【0035】
さらに、通信部210は、第1規定回数よりも多い第2規定回数を定義してもよい。通信部210は、応答信号の受信の失敗回数が第2規定回数に達すると、送信動作も停止する。第2規定回数は例えば「7回」である。図4(b)において、通信部210は、3つの目の通知信号を送信してから「T1」経過後において、応答信号の受信の失敗回数が第2規定回数「7回」に達しているので、送信動作も停止し、4つ目の通知信号を送信しない。以上の説明における応答信号の受信の失敗回数は、通信部210が応答信号を受信した場合に「0」に戻される。
【0036】
図2の操作部218は、ユーザからの操作を受けつけた場合、制御部212は、通信部210に送信動作と受信動作の少なくとも1つを再開させる。例えば、受信動作が停止し、送信動作が停止していない場合、操作部218が操作を受けつけると、制御部212は、受信動作を再開させる。また、送信動作と受信動作が停止している場合、操作部218が操作を受けつけると、制御部212は、送信動作と受信動作とを再開させる。その際、応答信号の受信の失敗回数は、「0」に戻される。
【0037】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0038】
以上の構成による火災警報器200の動作を説明する。図5は、火災警報器200による動作手順を示すフローチャートである。ここでは、フローチャートを明瞭にするために、送信動作を省略する。通信部210は、応答信号の受信に失敗しなければ(S12のN)、ステップ12に戻る。通信部210は、応答信号の受信に失敗すれば(S12のY)、再送動作と受信動作を実行する(S14)。通信部210は、応答信号の受信に失敗しなければ(S16のN)、ステップ12に戻る。
【0039】
通信部210は、応答信号の受信に失敗した場合(S16のY)、失敗回数が第1規定回数に達していなければ(S18のN)、ステップ14に戻る。通信部210は、失敗回数が第1規定回数に達した場合(S18のY)、再送動作を実行する(S20)。通信部210は、応答信号の受信に失敗しなければ(S22のN)、ステップ12に戻る。通信部210は、応答信号の受信に失敗した場合(S22のY)、失敗回数が第2規定回数に達していなければ(S24のN)、ステップ20に戻る。通信部210は、失敗回数が第2規定回数に達した場合(S24のY)、動作を停止する(S26)。
【0040】
本実施例によれば、応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると再送動作を実行し、受信動作を停止するので、火災警報器200の消費電力を低減しながら信頼性の低下を抑制できる。また、応答信号の受信に失敗した場合、これまでの応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達していなければ、再送動作と受信動作とを実行し、これまでの応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達していれば、再送動作を実行し、受信動作を停止するので、火災警報器200の消費電力を低減しながら信頼性の低下を抑制できる。また、応答信号の受信の失敗回数が第2規定回数に達すると、送信動作も停止するので、火災警報器200の消費電力を低減できる。また、操作部218が操作を受けつけた場合、送信動作と受信動作の少なくとも1つを再開するので、火災警報器200を通常状態に復旧できる。
【0041】
本開示の一態様の概要は、次の項目により示されてもよい。
(項目1)
通知信号を通信対象装置(100)に送信するための送信動作と、前記通知信号を受信した前記通信対象装置(100)から送信された応答信号を受信するための受信動作とを実行する通信部(212)と、
前記通信部(212)を動作させるためのバッテリ(220)とを備え、
前記通信部(212)は、前記応答信号の受信に失敗した場合、前記通知信号を再送する再送動作と前記受信動作とを実行し、
前記通信部(212)は、前記応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、前記再送動作を実行し、前記受信動作を停止する無線端末装置(200)。
【0042】
(項目2)
前記通信部(212)は、前記送信動作と前記受信動作を定期的に実行し、
前記通信部(212)は、定期的に送信した前記通知信号に対する前記応答信号の受信に失敗した場合、これまでの前記応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達していなければ、前記再送動作と前記受信動作とを実行し、
前記通信部(212)は、定期的に送信した前記通知信号に対する前記応答信号の受信に失敗した場合、これまでの前記応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達していれば、前記再送動作を実行し、前記受信動作を停止する項目1に記載の無線端末装置(200)。
【0043】
(項目3)
前記受信動作の停止を決定するための前記規定回数が第1規定回数と定義され、前記第1規定回数よりも多い第2規定回数も定義され、
前記通信部(212)は、前記応答信号の受信の失敗回数が前記第2規定回数に達すると、前記送信動作も停止する項目2に記載の無線端末装置(200)。
【0044】
(項目4)
外部からの操作を受けつける操作部(218)をさらに備え、
前記操作部(218)は、前記操作部(218)が前記操作を受けつけた場合、前記送信動作と前記受信動作の少なくとも1つを再開する項目3に記載の無線端末装置(200)。
【0045】
(実施例2)
次に実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様にゲートウエイ100と火災警報器200とを含む警報システム1000に関する。実施例2でも火災警報器200の消費電力を低減しながら信頼性の低下を抑制することを目的とする。本実施例に係る火災警報器200は、応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、通知信号の送信先を変更する。実施例2に係る警報システム1000の構成は図1と同様のタイプであり、火災警報器200の構成は図2と同様のタイプである。ここではこれまでとの差異を中心に説明する。
【0046】
図6は、警報システム1000における動作概要を示す。図6では、通知信号を定期的に送信すべき期間を「T1」と示し、各通知信号の送信に対して再送の最大回数を「2回」とする。つまり、第1火災警報器200aの通信部210は、送信動作と受信動作の組合せを「T1」毎に実行し、送信動作により通知信号を第1ゲートウエイ100aに送信する。
【0047】
通信部210は、受信動作において応答信号の受信に失敗した場合、これまでの応答信号の受信の失敗回数が規定回数(以下、「第3規定回数」という)に達していなければ、再送動作と受信動作との組合せを実行する。第3規定回数は例えば「6回」である。通信部210は、再送動作において通知信号を第1ゲートウエイ100aに再送してから受信動作を実行する。再送動作と受信動作との組合せは最大回数を上限として応答信号を受信するまで繰り返す。
【0048】
通信部210は、受信動作において応答信号の受信に失敗した場合、これまでの応答信号の受信の失敗回数が第3規定回数に達していれば、第1ゲートウエイ100aへのユニキャストからブロードキャストに送信動作と再送動作を変更する。ユニキャストからブロードキャストへの切替は、通知信号に含める宛先アドレスを第1ゲートウエイ100aのアドレスからブロードキャストアドレスに変更することによってなされる。ブロードキャストアドレスとは、不特定のゲートウエイ100を対象とするためのアドレスである。通信部210は、ブロードキャストにより通知信号を送信または再送する。また、通信部210は、通知信号を第1ゲートウエイ100aに送信または再送してから受信動作を実行する。再送動作と受信動作との組合せは最大回数を上限として応答信号を受信するまで繰り返す。
【0049】
図6において、第1火災警報器200aの通信部210は、1つの目の通知信号に対して、送信動作・受信動作、再送動作・受信動作、再送動作・受信動作を実行する。再送の最大回数「2回」に達したので、通信部210は再送動作をさらに実行しない。通信部210は、1つの目の通知信号を送信してから「T1」経過後に、2つ目の通知信号に対して、送信動作・受信動作、再送動作・受信動作、再送動作・受信動作を実行する。再送の最大回数「2回」に達したので、通信部210は再送動作をさらに実行しない。この段階において、応答信号の受信の失敗回数が第3規定回数「6回」に達する。
【0050】
通信部210は、応答信号の受信の失敗回数が第3規定回数「6回」に達すると、通知信号の送信を第1ゲートウエイ100aへのユニキャストからブロードキャストに切りかえる。通信部210は、2つの目の通知信号を送信してから「T1」経過後に、3つ目の通知信号に対して、ブロードキャストにより送信動作を実行するとともに、受信動作を実行する。通知信号は第2ゲートウエイ100bに受信され、第2ゲートウエイ100bは応答信号を第1火災警報器200aに送信する。第1火災警報器200aの通信部210は受信動作により第2ゲートウエイ100bからの応答信号を受信する。通信部210は、応答信号を受信したので通知信号を再送しないが、仮に応答信号を受信せずに通知信号を再送する場合、通知信号もブロードキャストにより再送する。以上の説明における応答信号の受信の失敗回数は、通信部210が応答信号を受信した場合に「0」に戻される。
【0051】
本実施例によれば、応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、ゲートウエイ100へのユニキャストからブロードキャストに送信動作と再送動作を変更するので、いずれかのゲートウエイ100に通知信号が受信される可能性を向上できる。また、いずれかのゲートウエイ100に通知信号が受信される可能性が向上するので、信頼性の低下を抑制できる。
【0052】
本開示の一態様の概要は、次の項目により示されてもよい。
(項目5)
通知信号を通信対象装置(100)に送信するための送信動作と、前記通知信号を受信した前記通信対象装置(100)から送信された応答信号を受信するための受信動作とを実行する通信部(212)と、
前記通信部(212)を動作させるためのバッテリ(220)とを備え、
前記通信部(212)は、前記応答信号の受信に失敗した場合、前記通知信号を再送する再送動作と前記受信動作とを実行し、
前記通信部(212)は、前記応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、前記通信対象装置(100)へのユニキャストからブロードキャストに前記送信動作と前記再送動作を変更する無線端末装置(200)。
【0053】
(実施例3)
次に実施例3を説明する。実施例3は、これまでと同様にゲートウエイ100と火災警報器200とを含む警報システム1000に関する。実施例3でも火災警報器200の消費電力を低減しながら信頼性の低下を抑制することを目的とする。本実施例に係る火災警報器200は、応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、定期的に送信する通知信号の間隔を長くする。実施例3に係る警報システム1000の構成は図1と同様のタイプであり、火災警報器200の構成は図2と同様のタイプである。ここではこれまでとの差異を中心に説明する。
【0054】
図7は、警報システム1000における動作概要を示す。図7では、通知信号を定期的に送信すべき第1期間を「T1」と示し、各通知信号の送信に対して再送の最大回数を「2回」とする。つまり、第1火災警報器200aの通信部210は、送信動作と受信動作の組合せを「T1」毎に実行し、送信動作により通知信号を第1ゲートウエイ100aに送信する。
【0055】
通信部210は、受信動作において応答信号の受信に失敗した場合、これまでの応答信号の受信の失敗回数が規定回数(以下、「第4規定回数」という)に達していなければ、再送動作と受信動作との組合せを実行する。第4規定回数は例えば「6回」である。通信部210は、再送動作において通知信号を第1ゲートウエイ100aに再送してから受信動作を実行する。再送動作と受信動作との組合せは最大回数を上限として応答信号を受信するまで繰り返す。
【0056】
通信部210は、受信動作において応答信号の受信に失敗した場合、これまでの応答信号の受信の失敗回数が第4規定回数に達していれば、通知信号の送信間隔を第1期間から第2期間に変更する。第2期間は第1期間よりも長い期間であり、例えば30時間である。図7において第2期間は「T2」と示される。通信部210は、送信動作と受信動作の組合せを「T2」毎に実行し、送信動作により通知信号を第1ゲートウエイ100aに送信する。再送動作と受信動作との組合せは最大回数を上限として応答信号を受信するまで繰り返す。
【0057】
図7において、第1火災警報器200aの通信部210は、1つの目の通知信号に対して、送信動作・受信動作、再送動作・受信動作、再送動作・受信動作を実行する。再送の最大回数「2回」に達したので、通信部210は再送動作をさらに実行しない。通信部210は、1つの目の通知信号を送信してから「T1」経過後に、2つ目の通知信号に対して、送信動作・受信動作、再送動作・受信動作、再送動作・受信動作を実行する。再送の最大回数「2回」に達したので、通信部210は再送動作をさらに実行しない。この段階において、応答信号の受信の失敗回数が第4規定回数「6回」に達する。
【0058】
通信部210は、応答信号の受信の失敗回数が第4規定回数「6回」に達すると、通知信号の送信間隔を第1期間「T1」から第2期間「T2」に変更する。通信部210は、2つの目の通知信号を送信してから「T2」経過後に、3つ目の通知信号に対して、送信動作・受信動作、再送動作・受信動作、再送動作・受信動作を実行する。再送の最大回数「2回」に達したので、通信部210は再送動作をさらに実行しない。以上の説明における応答信号の受信の失敗回数は、通信部210が応答信号を受信した場合に「0」に戻される。
【0059】
本実施例によれば、応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、第1期間を、第1期間よりも長い第2期間に変更するので、火災警報器200の消費電力を低減しながら信頼性の低下を抑制できる。
【0060】
本開示の一態様の概要は、次の項目により示されてもよい。
(項目6)
通知信号を通信対象装置(100)に送信するための送信動作と、前記通知信号を受信した前記通信対象装置(100)から送信された応答信号を受信するための受信動作とを第1期間の間隔で定期的に実行する通信部(212)と、
前記通信部(212)を動作させるためのバッテリ(220)とを備え、
前記通信部(212)は、前記応答信号の受信に失敗した場合、前記通知信号を再送する再送動作と前記受信動作とを実行し、
前記通信部(212)は、前記応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、前記第1期間を、前記第1期間よりも長い第2期間に変更する無線端末装置(200)。
【0061】
(実施例4)
次に実施例4を説明する。実施例4は、これまでと同様にゲートウエイ100と火災警報器200とを含む警報システム1000に関する。実施例4でも火災警報器200の消費電力を低減しながら信頼性の低下を抑制することを目的とする。本実施例に係る火災警報器200は、応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、再送の最大回数を小さくする。実施例4に係る警報システム1000の構成は図1と同様のタイプであり、火災警報器200の構成は図2と同様のタイプである。ここではこれまでとの差異を中心に説明する。
【0062】
図8は、警報システム1000における動作概要を示す。図8では、通知信号を定期的に送信すべき第1期間を「T1」と示し、各通知信号の送信に対して再送の最大回数を「2回」とする。つまり、第1火災警報器200aの通信部210は、送信動作と受信動作の組合せを「T1」毎に実行し、送信動作により通知信号を第1ゲートウエイ100aに送信する。
【0063】
通信部210は、受信動作において応答信号の受信に失敗した場合、これまでの応答信号の受信の失敗回数が規定回数(以下、「第5規定回数」という)に達していなければ、再送動作と受信動作との組合せを実行する。第5規定回数は例えば「6回」である。通信部210は、再送動作において通知信号を第1ゲートウエイ100aに再送してから受信動作を実行する。再送動作と受信動作との組合せは最大回数を上限として応答信号を受信するまで繰り返す。
【0064】
通信部210は、受信動作において応答信号の受信に失敗した場合、これまでの応答信号の受信の失敗回数が第5規定回数に達していれば、再送の最大回数を「2回」から「1回」に変更する。再送の最大回数「2回」を「第1回数」と呼ぶ場合、再送の最大回数[1回」は「第2回数」と呼ばれる。第2回数は第1回数よりも少なくされる。通信部210は、送信動作と受信動作の組合せを「T1」毎に実行し、送信動作により通知信号を第1ゲートウエイ100aに送信する。再送動作と受信動作との組合せは第2回数を上限として応答信号を受信するまで繰り返す。
【0065】
図8において、第1火災警報器200aの通信部210は、1つの目の通知信号に対して、送信動作・受信動作、再送動作・受信動作、再送動作・受信動作を実行する。再送の最大回数「2回」に達したので、通信部210は再送動作をさらに実行しない。通信部210は、1つの目の通知信号を送信してから「T1」経過後に、2つ目の通知信号に対して、送信動作・受信動作、再送動作・受信動作、再送動作・受信動作を実行する。再送の最大回数「2回」に達したので、通信部210は再送動作をさらに実行しない。この段階において、応答信号の受信の失敗回数が第5規定回数「6回」に達する。
【0066】
通信部210は、応答信号の受信の失敗回数が第5規定回数「6回」に達すると、再送の最大回数を第1回数「2回」から第2回数「1回」に変更する。通信部210は、2つの目の通知信号を送信してから「T1」経過後に、3つ目の通知信号に対して、送信動作・受信動作、再送動作・受信動作を実行する。再送の最大回数「1回」に達したので、通信部210は再送動作をさらに実行しない。以上の説明における応答信号の受信の失敗回数は、通信部210が応答信号を受信した場合に「0」に戻される。
【0067】
本実施例によれば、応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、第1回数を、第1回数よりも少ない第2回数に変更するので、再送回数の減少により消費電力を低減できる。
【0068】
本開示の一態様の概要は、次の項目により示されてもよい。
(項目7)
通知信号を通信対象装置(100)に送信するための送信動作と、前記通知信号を受信した前記通信対象装置(100)から送信された応答信号を受信するための受信動作とを定期的に実行する通信部(212)と、
前記通信部(212)を動作させるためのバッテリ(220)とを備え、
前記通信部(212)は、前記応答信号の受信に失敗した場合、前記通知信号を再送する再送動作と前記受信動作とを第1回数まで実行し、
前記通信部(212)は、前記応答信号の受信の失敗回数が規定回数に達すると、前記第1回数を、前記第1回数よりも少ない第2回数に変更する無線端末装置(200)。
【0069】
(項目8)
項目1から7のいずれか1項に記載の無線端末装置(200)と、
火災の発生を検知する検知部(214)とを備える火災警報器(200)。
【0070】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0071】
実施例1から実施例4のうちの任意の2つ以上が組み合わされてもよい。実施例1から実施例4では、第1規定回数、第3規定回数、第4規定回数、第5規定回数がいずれも「6回」とされる。実施例1から実施例4を組み合わせる場合、第1規定回数、第3規定回数、第4規定回数、第5規定回数は互いに異なった値にされてもよい。例えば、第1規定回数<第3規定回数<第4規定回数<第5規定回数とされる。通信部210は、応答信号の失敗回数が第1規定回数に達すると、再送動作と受信動作の組合せを再送動作だけに変更し、応答信号の失敗回数が第3規定回数に達すると、ユニキャストをブロードキャストに変更する。通信部210は、応答信号の失敗回数が第4規定回数に達すると、第1期間を第2期間に変更し、応答信号の失敗回数が第5規定回数に達すると、第1回数を第2回数に変更する。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【0072】
実施例1から実施例4において、警報システム1000には火災警報器200が含まれる。しかしながらこれに限らず例えば、火災警報器200は、火災の検知機能のみを有していてもよい。また、火災警報器200の代わりに、火災に限定されず、水害、地震、ガス漏れ、不完全燃焼によるCO(一酸化炭素)の発生を検知するセンサであってもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【符号の説明】
【0073】
100 ゲートウエイ(通信対象装置)、 200 火災警報器(無線端末装置)、 210 通信部、 212 制御部、 214 火災検知センサ、 216 ブザー、 218 操作部、 220 バッテリ、 1000 警報システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8