(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178062
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】測定装置、測定装置の起動方法、及び測定装置の起動プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 9/4401 20180101AFI20241217BHJP
【FI】
G06F9/4401
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096575
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】大橋 裕太
(72)【発明者】
【氏名】片岡 浩一
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AE21
5B376AE39
(57)【要約】
【課題】測定装置のユーザの利便性を高める測定装置、測定装置の起動方法、及び測定装置の起動プログラムを提供する。
【解決手段】測定装置10は、管理部11とタイマー12と起動処理部13とモジュール14、15とを備える。管理部11は、タイマー12にタイマー起動時刻を設定する。タイマー12は、タイマー起動時刻になったときに起動処理部13に起動信号を出力する。起動処理部13は、起動信号が入力されたときにモジュール14、15の起動を開始する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理部と、タイマーと、起動処理部と、モジュールとを備え、
前記管理部は、前記タイマーにタイマー起動時刻を設定し、
前記タイマーは、前記タイマー起動時刻になったときに前記起動処理部に起動信号を出力し、
前記起動処理部は、前記起動信号が入力されたときに前記モジュールの起動を開始する、測定装置。
【請求項2】
前記管理部は、ユーザが前記測定装置の使用を開始する使用開始時刻と、前記測定装置に取り外し可能に取り付けられているモジュールである取付モジュールのウォームアップ時間とを取得し、前記使用開始時刻から少なくとも前記ウォームアップ時間を差し引いた時刻を前記タイマー起動時刻として前記タイマーに設定する、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記管理部は、前記取付モジュールとして複数のモジュールが取り付けられている場合、前記使用開始時刻から、複数の前記取付モジュールのそれぞれのウォームアップ時間のうち最長のウォームアップ時間を少なくとも差し引いた時刻を前記タイマー起動時刻として前記タイマーに設定する、請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記起動処理部は、前記複数の取付モジュールのうち一部の取付モジュールだけの起動を開始する、請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記管理部は、前記測定装置の設置環境に基づいて、前記取付モジュールのウォームアップ時間を算出する、請求項2に記載の測定装置。
【請求項6】
前記管理部は、前記取付モジュールの過去のウォームアップ時間の実績に基づいて、前記取付モジュールのウォームアップ時間を算出する、請求項2に記載の測定装置。
【請求項7】
前記管理部は、所定スケジュールで定まる時刻を前記タイマー起動時刻として前記タイマーに設定する、請求項1から6までのいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項8】
前記起動処理部は、外部装置に接続可能な端子を備え、前記起動信号が入力されたときに前記端子から前記外部装置を起動する信号を出力する、請求項1から6までのいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項9】
管理部と、タイマーと、起動処理部と、モジュールとを備える測定装置の起動方法であって、
前記管理部が、前記タイマーにタイマー起動時刻を設定することと、
前記タイマーが、前記タイマー起動時刻になったときに起動信号を出力することと、
前記起動処理部が、前記起動信号が入力されたときに前記モジュールの起動を開始することと
を含む、測定装置の起動方法。
【請求項10】
モジュールと、管理部と、タイマー起動時刻になったときに起動信号を出力するタイマーと、前記起動信号が入力されたときに前記モジュールの起動を開始する起動処理部とを備える測定装置の起動プログラムであって、
前記タイマーに前記タイマー起動時刻を設定することを前記管理部に実行させる、測定装置の起動プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、測定装置、測定装置の起動方法、及び測定装置の起動プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、一定の測定精度を得るために必要とされるウォームアップの残り時間を表示する測定器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
測定装置のユーザは、測定装置を起動してからウォームアップが完了するまで待つ必要がある。待ち時間の発生は、ユーザの利便性を損なう。
【0005】
本開示は、上述の点に鑑みてなされたものであり、測定装置のユーザの利便性を高める測定装置、測定装置の起動方法、及び測定装置の起動プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの実施形態に係る(1)測定装置は、管理部と、タイマーと、起動処理部と、モジュールとを備える。前記管理部は、前記タイマーにタイマー起動時刻を設定する。前記タイマーは、前記タイマー起動時刻になったときに前記起動処理部に起動信号を出力する。前記起動処理部は、前記起動信号が入力されたときに前記モジュールの起動を開始する。測定装置が自動的に起動を開始することによって、ユーザは、測定装置が起動を開始してから使用可能状態になるまでの期間の少なくとも一部において測定装置の設置場所に来なくてもよい。その結果、ユーザが時間を有効に活用できる。また、ユーザの利便性が向上する。
【0007】
一実施形態に係る(2)上記(1)に記載の測定装置において、前記管理部は、ユーザが前記測定装置の使用を開始する使用開始時刻と、前記測定装置に取り外し可能に取り付けられているモジュールである取付モジュールのウォームアップ時間とを取得し、前記使用開始時刻から少なくとも前記ウォームアップ時間を差し引いた時刻を前記タイマー起動時刻として前記タイマーに設定してよい。ウォームアップ時間に基づいてタイマー起動時刻が設定されることによって、ユーザが測定装置の使用開始を希望する時刻に合わせて起動を開始できる。その結果、ユーザの待ち時間が減少する。また、測定装置が使用可能状態になってからユーザが使用を開始するまでの時間が短縮される。つまり、測定装置が使用可能状態になっているにもかかわらずユーザに使用されていない時間が短縮される。その結果、測定装置の消費電力が低減される。
【0008】
一実施形態に係る(3)上記(2)に記載の測定装置において、前記管理部は、前記取付モジュールとして複数のモジュールが取り付けられている場合、前記使用開始時刻から、複数の前記取付モジュールのそれぞれのウォームアップ時間のうち最長のウォームアップ時間を少なくとも差し引いた時刻を前記タイマー起動時刻として前記タイマーに設定してよい。複数の取付モジュールのそれぞれのウォームアップ時間のうち最長のウォームアップ時間に基づいてタイマー起動時刻が設定されることによって、ユーザは、複数の取付モジュールのそれぞれのウォームアップ時間を把握する必要が無い。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0009】
一実施形態に係る(4)上記(3)に記載の測定装置において、前記起動処理部は、前記複数の取付モジュールのうち一部の取付モジュールだけの起動を開始してよい。一部の取付モジュールだけを自動で起動できることによって、不要なモジュールが起動しない。不要なモジュールが起動しないことによって、測定装置の消費電力が低減される。
【0010】
一実施形態に係る(5)上記(2)から(4)までのいずれか1つに記載の測定装置において、前記管理部は、前記測定装置の設置環境に基づいて、前記取付モジュールのウォームアップ時間を算出してよい。設置環境に基づいてウォームアップ時間が算出されることによって、ユーザは、取付モジュールのウォームアップ時間の変動の傾向を把握したりウォームアップ時間を予測したりする必要が無い。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0011】
一実施形態に係る(6)上記(2)から(5)までのいずれか1つに記載の測定装置において、前記管理部は、前記取付モジュールの過去のウォームアップ時間の実績に基づいて、前記取付モジュールのウォームアップ時間を算出してよい。過去のウォームアップ時間の実績に基づいてウォームアップ時間が算出されることによって、ユーザは、取付モジュールのウォームアップ時間の変動の傾向を把握したりウォームアップ時間を予測したりする必要が無い。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0012】
一実施形態に係る(7)上記(1)から(6)までのいずれか1つに記載の測定装置において、前記管理部は、所定スケジュールで定まる時刻を前記タイマー起動時刻として前記タイマーに設定してよい。所定スケジュールで定まる時刻がタイマー起動時刻としてタイマーに設定されることによって、タイマー起動時刻又は使用開始時刻の設定漏れが減少する。また、ユーザがタイマー起動時刻又は使用開始時刻を設定する作業が省略される。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0013】
一実施形態に係る(8)上記(1)から(7)までのいずれか1つに記載の測定装置において、前記起動処理部は、外部装置に接続可能な端子を備え、前記起動信号が入力されたときに前記端子から前記外部装置を起動する信号を出力してよい。測定装置が外部装置を起動できることによって、外部装置がタイマーを備えない場合であっても、ユーザは、外部装置がタイマーを備える場合と同様に外部装置を利用できる。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0014】
幾つかの実施形態に係る(9)測定装置の起動方法は、管理部と、タイマーと、起動処理部と、モジュールとを備える測定装置によって実行される。前記起動方法は、前記管理部が、前記タイマーにタイマー起動時刻を設定することを含む。前記起動方法は、前記タイマーが、前記タイマー起動時刻になったときに起動信号を出力することを含む。前記起動方法は、前記起動処理部が、前記起動信号が入力されたときに前記モジュールの起動を開始することを含む。
【0015】
幾つかの実施形態に係る測定装置の起動プログラムは、モジュールと、管理部と、タイマー起動時間になったときに起動信号を出力するタイマーと、前記起動信号が入力されたときに前記モジュールの起動を開始する起動処理部とを備える測定装置によって実行される。前記起動プログラムは、前記タイマーに前記タイマー起動時刻を設定することを前記管理部に実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本開示に係る測定装置、測定装置の起動方法、及び測定装置の起動プログラムによれば、測定装置のユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】一実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】測定装置のタイマーを設定する手順例を示すフローチャートである。
【
図5】測定装置が起動する手順例を示すフローチャートである。
【
図6】他の実施形態に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
測定対象を測定するために装置が用いられることがある。常時稼働している装置でなければ、測定しない間において装置は停止している。したがって、測定のために装置が起動される。装置は、測定の精度を高めるためにウォームアップされる必要がある。装置を起動してウォームアップが完了した後で測定が開始できるようになる。装置が測定に用いるモジュールを挿抜可能に構成される場合、取り付けられているモジュールに応じて装置のウォームアップにかかる時間が異なることがある。そうすると、装置を起動して測定を開始できるようになる時期を把握することは難しい。
【0019】
以下、本開示に係る実施形態が、比較例と対比しながら説明される。
【0020】
(比較例)
図1に示されるように、比較例に係る測定装置90は、起動処理部91と、複数の測定モジュール92とを備える。起動処理部91は、測定装置90のユーザから起動操作を受け付けたときに、各測定モジュール92の起動を開始する。各測定モジュール92は、起動を開始してウォームアップを実行する。ウォームアップにかかる時間は、ウォームアップ時間とも称される。起動の開始からウォームアップ時間が経過してウォームアップが完了する。各測定モジュール92は、ウォームアップを完了することによって、所定精度の測定を実行可能になる。測定装置90のユーザは、測定モジュール92のウォームアップが完了した後で、測定モジュール92を用いて測定対象の測定を実行する。
【0021】
測定装置90が起動していない状態は、スリープ状態又は停止状態とも称される。測定装置90が起動するときにウォームアップを実行する状態は、ウォームアップ状態とも称される。測定装置90がウォームアップを完了して使用可能になった状態は、使用可能状態とも称される。測定装置90は、ユーザから停止操作を受け付けたときに、各測定モジュール92のシャットダウンを実行して各測定モジュール92を停止させ、スリープ状態に戻る。
【0022】
比較例に係る測定装置90のユーザは、測定装置90を用いた測定を実行するために、測定装置90のウォームアップが完了するまで待つ必要がある。ユーザは、あらかじめ定めた時刻に測定を開始する場合、以下の手順を実行する。
(1)ユーザは、測定に用いる測定モジュール92のウォームアップ時間を確認する。ユーザは、複数の測定モジュール92を測定に用いる場合、各測定モジュール92のウォームアップ時間を確認し、最大のウォームアップ時間を確認する。
(2)ユーザは、測定を開始する時刻から1つの測定モジュール92のウォームアップ時間又は複数の測定モジュール92のウォームアップ時間のうち最大のウォームアップ時間だけ前の時刻に、起動処理部91に起動操作を入力する。
(3)ユーザは、測定装置90がウォームアップを実行して使用可能状態になるのを待って、測定装置90を用いた測定を開始する。
【0023】
上述してきたように、比較例に係る測定装置90のユーザは、各測定モジュール92のウォームアップ時間を確認して、少なくともウォームアップ時間だけ前の時刻に測定装置90に起動操作を入力する必要がある。測定装置90において測定モジュール92が挿抜可能である場合、ユーザは、どの測定モジュール92が測定装置90に取り付けられているかを確認する必要もある。つまり、ユーザが測定を開始する前の作業に時間がかかる。測定を開始する前の作業に時間がかかることによって、ユーザの利便性が損なわれる。
【0024】
そこで、ユーザの利便性を向上するために、ユーザがウォームアップ時間を確認したりウォームアップ時間が経過するまで待ったりする作業を省くことが求められる。
【0025】
以下、ユーザの利便性を向上できる測定装置10(
図2参照)が説明される。
【0026】
(測定装置10の構成例)
図2に示されるように、本開示の一実施形態に係る測定装置10は、管理部11と、タイマー12と、起動処理部13と、測定モジュール14と、発生モジュール15とを備える。測定モジュール14及び発生モジュール15は、単にモジュールとも総称される。以下、本開示において測定モジュール14又は発生モジュール15を区別する必要が無い場合、測定モジュール14又は発生モジュール15は、単にモジュールと記載される。測定装置10は、タイマー12に設定された時刻になったときにモジュールの起動を開始するように構成される。
【0027】
<モジュール>
モジュールは、測定装置10に取り付けられている。モジュールは、測定装置10に着脱可能に構成されてよい。モジュールは、測定装置10に取り付けられたり、測定装置10から取り外されたりしてよい。測定装置10に取り付けられているモジュールは、取付モジュールとも称される。取付モジュールは、測定装置10から取り外し可能に取り付けられてよい。
【0028】
測定装置10は、発生モジュール15を備えずに測定モジュール14だけを備えてもよい。測定装置10は、測定モジュール14を備えずに発生モジュール15だけを備えてもよい。測定装置10は、1台のモジュールだけを備えてもよいし、複数のモジュールを備えてもよい。
【0029】
モジュールは、起動してからウォームアップを完了するまでに、所定のウォームアップ時間を必要とする。モジュールのウォームアップ時間は、モジュールの種類又は型番等の違いに応じて互いに異なってもよい。モジュールのウォームアップ時間は、モジュールを起動するときの温度又は湿度等の環境に応じて変化することがある。モジュールは、モジュール自身のウォームアップ時間を、外部からのウォームアップ時間の問い合わせに応じて出力できるように構成されてもよい。モジュールは、モジュール自身の種類又は型番等を識別するための情報を、外部からの問い合わせに応じて出力できるように構成されてもよい。
【0030】
測定モジュール14は、例えば、測定対象から射出される光の強度若しくは波長、測定対象に流れる電流、測定対象に印加されている電圧、又は、測定対象の温度等の種々の物理量を測定できるセンサを含んでよい。
【0031】
発生モジュール15は、例えば、測定対象に光を入射する光源モジュール、測定対象に電圧を印加する電圧源モジュール、又は、測定対象に電流を流す電流源モジュール等を含んでよい。
【0032】
<管理部11>
管理部11は、モジュールのウォームアップ時間とユーザが測定を開始する時刻とに基づいてタイマー12に時刻を設定する。管理部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成されてよい。管理部11は、プロセッサに所定のプログラムを実行させることによって所定の機能を実現してもよい。管理部11は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等の専用回路を含んで構成されてもよい。
【0033】
管理部11は、記憶部を備えてもよい。記憶部は、管理部11の動作に用いられる各種情報、又は、管理部11の機能を実現するためのプログラム等を格納してよい。記憶部は、管理部11のワークメモリとして機能してよい。記憶部は、例えば半導体メモリ等で構成されてよい。記憶部は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリを含んで構成されてよい。記憶部は、管理部11に含まれてもよいし、管理部11と別体として構成されてもよい。
【0034】
管理部11は、タイマー12又はモジュールと、有線又は無線で通信可能に接続するための通信デバイスを備えてよい。通信デバイスは、例えば、LAN(Local Area Network)又はRS-232C若しくはRS-485等の通信インタフェースを備えてよい。通信デバイスは、これらに限られず、他の種々の通信インタフェースを含んで構成されてよい。
【0035】
管理部11は、ユーザからの入力を受け付ける入力デバイスを備えてよい。入力デバイスは、例えば、キーボード又は物理キーを含んでもよいし、タッチパネル若しくはタッチセンサ又はマウス等のポインティングデバイスを含んでもよい。
【0036】
管理部11は、設定内容等を表示する表示デバイスを備えてよい。表示デバイスは、例えば液晶ディスプレイ等の種々のディスプレイを含んでよい。
【0037】
<タイマー12>
タイマー12は、設定された時刻になったときに、起動処理部13に対して起動信号を出力する。タイマー12は、測定装置10がシャットダウンしている状態においても動作する。タイマー12は、電子機器として構成されてよい。タイマー12は、測定装置10がシャットダウンしている状態において、バックアップのバッテリーから供給される電力によって動作してもよいし、測定装置10の電源から供給される電力によって動作してもよい。タイマー12は、機械的に動作するように構成されてもよい。
【0038】
<起動処理部13>
起動処理部13は、測定装置10がシャットダウンしている状態である場合に、タイマー12から起動信号が入力されたときに、起動処理部13自身を起動する。起動処理部13は、タイマー12から起動信号が入力される場合に限られず、例えばユーザが電源ボタンを押すこと等を含むユーザの操作によって起動信号が入力されたときに、起動処理部13自身を起動してもよい。起動処理部13は、管理部11等を含む測定装置10のシステムも起動する。起動処理部13は、起動処理部13自身が起動した後、取付モジュールを起動する。測定装置10に複数のモジュールが取り付けられている場合、起動処理部13は、複数の取付モジュールのそれぞれを起動する。
【0039】
起動信号は、電流信号又は電圧信号等の電気信号であってよい。起動信号は、物理キー又は物理ボタン等の機械的な起動スイッチを押下する形態で入力されてもよい。起動信号は、機械的な起動スイッチを押下したときに生じる電気信号を再現した信号であってもよい。起動信号は、これらの例に限られず種々の形態で入力されてよい。本開示に係る測定装置10において、起動信号は、電気信号として入力されるとする。
【0040】
起動処理部13は、電子回路として構成されてよい。起動処理部13は、例えばCPU等のプロセッサを含んで構成されてよいし、FPGA等の専用回路を含んで構成されてもよい。
【0041】
(測定装置10の動作例)
測定装置10は、
図3に示されるように複数の状態に遷移する。測定装置10が起動していない状態は、スリープ状態又は停止状態とも称される。測定装置10は、起動を開始してウォームアップを実行する。測定装置10がウォームアップを実行する状態は、ウォームアップ状態とも称される。ウォームアップ時間が経過したときに測定装置10のウォームアップが完了する。測定装置10のウォームアップが完了することによって測定装置10が使用可能になる。測定装置10が使用可能になった状態は、使用可能状態とも称される。測定装置10がウォームアップ状態又は使用可能状態である状態は、起動状態とも総称される。測定装置10は、測定装置10が起動状態である場合においてユーザから停止操作を受け付けたときに、モジュールのシャットダウンを実行してモジュールを停止させ、スリープ状態に戻る。
【0042】
本開示に係る測定装置10は、タイマー12を用いることによって、ユーザが起動操作を入力しなくても自動的にタイマー起動によって起動を開始する。以下、測定装置10がタイマー起動する動作が説明される。
【0043】
<タイマー起動時刻の設定>
測定装置10の管理部11は、測定装置10が起動状態である場合において、タイマー12に起動信号を出力させる時刻を設定する。タイマー12に起動信号を出力させる時刻は、タイマー起動時刻とも称される。管理部11は、モジュールのウォームアップ時間を考慮してタイマー起動時刻を設定してもよいしウォームアップ時間を考慮せずにタイマー起動時刻を設定してもよい。
【0044】
<<ウォームアップ時間を考慮する場合>>
ユーザは、測定装置10の使用を開始する時刻を設定する。ユーザが測定装置10の使用を開始する時刻は、使用開始時刻とも称される。管理部11は、使用開始時刻の設定を取得する。管理部11は、入力デバイスによって、ユーザが使用開始時刻を設定する入力を受け付けてよい。
【0045】
管理部11は、測定装置10に取り付けられている取付モジュールのウォームアップ時間を取得する。管理部11は、取付モジュールと通信してウォームアップ時間を取得してよい。管理部11は、モジュールが測定装置10に取り付けられたときにそのモジュールのウォームアップ時間を取得して記憶部に格納しておき、記憶部から取付モジュールのウォームアップ時間を取得してもよい。
【0046】
管理部11は、取付モジュールを識別し、モジュールとウォームアップ時間との関係を特定するテーブル又はデータベース等から、識別した取付モジュールのウォームアップ時間を取得してもよい。モジュールとウォームアップ時間との関係を特定するテーブル又はデータベース等は、モジュールの製造元又は販売元によってあらかじめ準備されていてもよい。管理部11は、モジュールとウォームアップ時間との関係を特定するテーブル又はデータベース等をあらかじめ記憶部に格納してもよい。
【0047】
管理部11は、取付モジュールの種類又は型番等の識別子を取得することによって取付モジュールを識別してよい。管理部11は、取付モジュールと通信して取付モジュールの識別子を取得してよい。管理部11は、ユーザの入力によって取付モジュールの識別子を取得してもよい。
【0048】
管理部11は、取付モジュールを識別せずに、取付モジュールのウォームアップ時間だけを取得してもよい。
【0049】
管理部11は、使用開始時刻とウォームアップ時間とに基づいて、タイマー起動時刻を算出する。具体的に、管理部11は、ユーザによって設定された使用開始時刻から、少なくとも取付モジュールのウォームアップ時間を差し引いた時刻を、タイマー起動時刻として算出する。管理部11は、使用開始時刻からウォームアップ時間だけ差し引く場合、使用開始時刻からウォームアップ時間だけ前の時刻をタイマー起動時刻として算出する。
【0050】
管理部11は、測定装置10に複数のモジュールが取り付けられている場合、各取付モジュールのウォームアップ時間のうち最長のウォームアップ時間を決定する。管理部11は、使用開始時刻から、最長のウォームアップ時間を少なくとも差し引いた時刻を、タイマー起動時刻として算出する。管理部11は、使用開始時刻から最長のウォームアップ時間だけ差し引く場合、使用開始時刻から最長のウォームアップ時間だけ前の時刻をタイマー起動時刻として算出する。
【0051】
上述したように、起動処理部13は、測定装置10がシャットダウンしている状態である場合に、タイマー12から起動信号が入力されたときに、起動処理部13自身を起動する。起動処理部13が起動処理部13自身を起動するためにかかる時間は、起動時間とも称される。管理部11は、起動時間を更に考慮してタイマー起動時刻を設定してもよい。例えば、管理部11は、使用開始時刻からウォームアップ時間を差し引いた時刻から更に起動時間を差し引いた時刻を、タイマー起動時刻として算出してよい。
【0052】
管理部11は、算出したタイマー起動時刻をタイマー12に設定する。
【0053】
<<ウォームアップ時間を考慮しない場合>>
ユーザは、タイマー起動時刻を設定する。管理部11は、タイマー起動時刻の設定を取得する。管理部11は、入力デバイスによって、ユーザがタイマー起動時刻を設定する入力を受け付けてよい。管理部11は、ユーザによって設定されたタイマー起動時刻をタイマー12に設定する。
【0054】
管理部11は、ウォームアップ時間を考慮しない場合においても、起動時間を考慮してタイマー起動時刻をタイマー12に設定してよい。例えば、管理部11は、ユーザによって設定されたタイマー起動時刻から起動時間を差し引いた時刻を算出してタイマー12に設定してよい。
【0055】
<タイマー12による起動>
ユーザは、タイマー起動時刻をタイマー12に設定した後で測定装置10をシャットダウンしてよい。測定装置10は、シャットダウンしてスリープ状態に遷移する。測定装置10がスリープ状態である場合においても、タイマー12は動作する。タイマー12は、設定されたタイマー起動時刻になったときに、起動信号を起動処理部13に出力する。起動処理部13は、起動信号が入力された場合、測定装置10の起動を開始し、取付モジュールのウォームアップを実行する。
【0056】
取付モジュールのウォームアップ時間が経過することで、取付モジュールのウォームアップが完了する。管理部11は、取付モジュールのウォームアップが完了したことを表示してユーザに通知してもよい。ユーザは、使用開始時刻になったときに取付モジュールのウォームアップが完了したとみなして測定装置10の使用を開始してもよい。
【0057】
<測定装置10の起動方法の手順例>
測定装置10は、
図4に例示されるフローチャートの手順を含む、測定装置10の起動方法を実行してもよい。
図4に例示される手順は、測定装置10が起動状態である場合において、タイマー12にタイマー起動時刻を設定する手順である。測定装置10の起動方法は、測定装置10の管理部11を構成するプロセッサに実行させる測定装置10の起動プログラムとして実現されてもよい。測定装置10の起動プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されてよい。
【0058】
測定装置10の管理部11は、使用開始時刻を設定する(ステップS1)。例えば、管理部11は、ユーザから使用開始時刻の入力を受け付けてよい。
【0059】
管理部11は、取付モジュールを識別する(ステップS2)。管理部11は、識別した取付モジュールのウォームアップ時間を取得する(ステップS3)。具体的に、管理部11は、識別した取付モジュールに関連づけられているウォームアップ時間を取得してよい。管理部11は、測定装置10に複数のモジュールが取り付けられている場合、各取付モジュールを識別し、各取付モジュールのウォームアップ時間を取得する。
【0060】
管理部11は、取付モジュールを識別せずに、取付モジュールのウォームアップ時間だけを取得してもよい。つまり、管理部11は、ステップS2の手順を実行しなくてもよい。
【0061】
管理部11は、使用開始時刻と取付モジュールのウォームアップ時間とに基づいてタイマー起動時刻を算出する(ステップS4)。具体的に、管理部11は、使用開始時刻から少なくとも取付モジュールのウォームアップ時間を差し引いた時刻をタイマー起動時刻として算出する。管理部11は、測定装置10に複数のモジュールが取り付けられている場合、各取付モジュールのウォームアップ時間のうち最長のウォームアップ時間を決定し、使用開始時刻から最長のウォームアップ時間を少なくとも差し引いた時刻をタイマー起動時刻として算出する。
【0062】
管理部11は、算出したタイマー起動時刻をタイマー12に設定する(ステップS5)。管理部11は、ステップS5の手順の実行後、
図4のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0063】
タイマー12にタイマー起動時刻が設定された後で、測定装置10がシャットダウンされてスリープ状態になっているとする。測定装置10は、
図5に例示されるフローチャートの手順を含む、測定装置10の起動方法を更に実行してもよい。
図5に例示される手順は、タイマー12にタイマー起動時刻が設定されている場合におけるタイマー起動の手順である。
【0064】
測定装置10のタイマー12は、測定装置10がスリープ状態になっている間も動作し続け、タイマー起動時刻になったら起動する(ステップS11)。具体的に、タイマー12は、タイマー起動時刻になったら起動信号を起動処理部13に出力する。
【0065】
測定装置10の起動処理部13は、起動信号が入力された場合、起動処理部13自身を起動し、測定装置10がスリープ状態から起動状態に復帰した後に取付モジュールを起動する(ステップS12)。取付モジュールは、ウォームアップを実行する(ステップS13)。この場合、測定装置10は、ウォームアップ状態に遷移する。
【0066】
取付モジュールは、ウォームアップ時間が経過した後、ウォームアップを完了して使用が開始される(ステップS14)。この場合、測定装置10は、使用可能状態に遷移する。ユーザは、使用可能状態になった測定装置10を使用して測定を開始する。測定装置10は、ステップS14の手順の実行後、
図5のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0067】
<小括>
以上述べてきたように、本開示に係る測定装置10は、タイマー12を用いて自動的に起動を開始する。つまり、ユーザが測定装置10に触れて起動操作を入力しなくても、測定装置10の起動が開始される。一方で、比較例として、ユーザが測定装置10の設置場所まで来て、測定装置10に起動操作を入力して、ウォームアップが完了するまで待機する場合が考えられる。比較例の場合において、測定装置10の設置場所におけるユーザの待機時間が長くなる。しかし、本開示に係る測定装置10によれば、測定装置10が自動的に起動を開始することによって、ユーザは、測定装置10が起動を開始してから使用可能状態になるまでの期間の少なくとも一部において測定装置10の設置場所に来なくてもよい。ユーザは、測定装置10が確実に使用可能状態になっていると推定される時刻になってから測定装置10の設置場所に来てもよい。その結果、ユーザが時間を有効に活用できる。また、ユーザの利便性が向上する。
【0068】
本開示に係る測定装置10は、ユーザが設定した使用開始時刻と取付モジュールのウォームアップ時間とに基づいてタイマー起動時刻を算出し、タイマー12にタイマー起動時刻を設定できる。測定装置10は、ウォームアップ時間に基づいてタイマー起動時刻を設定することによって、ユーザが測定装置10の使用開始を希望する時刻に合わせて起動を開始できる。その結果、ユーザの待ち時間が減少する。また、測定装置10が使用可能状態になってからユーザが使用を開始するまでの時間が短縮される。つまり、測定装置10が使用可能状態になっているにもかかわらずユーザに使用されていない時間が短縮される。その結果、測定装置10の消費電力が低減される。
【0069】
測定装置10は、取付モジュールを識別し、識別した取付モジュールのウォームアップ時間を取得できる。つまり、ユーザが取付モジュールのウォームアップ時間を把握する必要が無い。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0070】
本開示に係る測定装置10は、測定装置10に複数のモジュールが取り付けられている場合であっても、複数の取付モジュールのそれぞれのウォームアップ時間のうち最長のウォームアップ時間に基づいてタイマー起動時刻を設定し、複数の取付モジュールの起動を開始できる。したがって、ユーザは、複数の取付モジュールのそれぞれのウォームアップ時間を把握する必要が無い。その結果、ユーザの利便性が向上する。また、測定装置10が使用可能状態になってからユーザが使用を開始するまでの時間が短縮される。つまり、測定装置10が使用可能状態になっているにもかかわらずユーザに使用されていない時間が短縮される。その結果、測定装置10の消費電力が低減される。
【0071】
(他の実施形態)
測定装置10の他の実施形態が説明される。
【0072】
<外部装置の起動>
測定装置10は、タイマー起動する際に、起動処理部13から外部装置を起動してもよい。
図6に示されるように、他の実施形態に係る測定装置10は、
図2に示される構成に加えて、起動処理部13が外部の測定装置20を起動するための信号を出力できるように構成されてよい。つまり、起動処理部13は、外部装置に接続可能な端子を備え、タイマー12から起動信号が入力されたときに端子から外部装置を起動する信号を出力してよい。外部の測定装置20は、測定装置10と同様に構成され、測定装置10の起動処理部13と同様の構成に信号が入力されたときに測定装置20の起動を開始してもよい。
【0073】
起動処理部13が外部の測定装置20を起動するための信号は、Wake-on-LANを利用して出力されてよい。起動処理部13は、タイマー12が出力する起動信号を外部の測定装置20に出力してもよい。この場合、外部の測定装置20は、起動処理部13から起動信号が入力されたときに起動を開始できるように構成されるとする。起動処理部13は、これらの例に限られず、外部の測定装置20を起動するための何らかの信号を出力してよい。外部の測定装置20は、起動処理部13から何らかの信号が入力されたときに起動を開始できるように構成されるとする。
【0074】
測定装置10の起動処理部13が外部の測定装置20を起動できることによって、外部の測定装置20がタイマー12を備えない場合であっても、ユーザは、外部の測定装置20がタイマー12を備える場合と同様に外部の測定装置20を利用できる。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0075】
<ウォームアップ時間の算出>
モジュールのウォームアップ時間は、常に一定であるとは限らない。モジュールのウォームアップ時間は、例えばモジュールが設置されている環境に応じて異なることがある。
【0076】
モジュールが設置されている環境は、設置環境とも称される。管理部11は、モジュールのウォームアップ時間を設置環境に基づいて算出してよい。設置環境は、測定装置10が設置されている場所の外気温又は湿度等の情報を含んでよい。モジュール設置環境は、これらの例に限られず、モジュールのウォームアップ時間の長さに影響を及ぼす情報を含んでよい。測定装置10は、設置環境に含まれる外気温又は湿度等の種々の情報を取得するためのセンサを更に備えてよい。
【0077】
例えば、管理部11は、モジュールの温度が測定に適した温度になるようにウォームアップが実行されるモジュールについて、モジュールが設置されている場所の外気温に基づいてウォームアップ時間を算出してよい。この場合、管理部11は、モジュールのウォームアップ時間を、あらかじめ定められた値として取得する代わりに、外気温の関数としてウォームアップ時間を算出できる数式として取得してよい。また、管理部11は、モジュールのウォームアップ時間を、外気温とウォームアップ時間との関係を表すテーブルとして取得してよい。
【0078】
管理部11は、モジュールの過去のウォームアップ時間の実績に基づいて、そのモジュールのウォームアップ時間を算出してもよい。例えば、管理部11は、過去のウォームアップ時間の平均値を、そのモジュールのウォームアップ時間として算出してよい。管理部11は、直近に実行した所定回数のウォームアップにおけるウォームアップ時間の平均値を、そのモジュールのウォームアップ時間として算出してよい。
【0079】
管理部11は、1日の中の時間帯に応じたウォームアップ時間の変動の傾向に基づいて、測定装置10の使用開始時刻に合わせてウォームアップ時間を算出してもよい。管理部11は、1年の中の季節的な変動に応じたウォームアップ時間の変動の傾向に基づいて、測定装置10の使用日に合わせてウォームアップ時間を算出してもよい。
【0080】
以上述べてきたように、管理部11は、モジュールのウォームアップ時間が一定でない場合であっても、設置環境又は過去の実績に基づいてウォームアップ時間を算出できる。変動するウォームアップ時間が算出されることによって、ユーザは、取付モジュールのウォームアップ時間の変動の傾向を把握したりウォームアップ時間を予測したりする必要が無い。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0081】
<タイマー12のスケジュール機能>
タイマー12は、1つのタイマー起動時刻を設定できるように構成されてよい。この場合、測定装置10は、設定されたタイマー起動時刻になったときに1回だけ自動で起動を開始する。ユーザは、測定装置10の使用を終了する毎に、タイマー起動時刻又は使用開始時刻を設定してよい。タイマー12は、複数のタイマー起動時刻を設定できるように構成されてよい。タイマー12に複数のタイマー起動時刻が設定できることによって、タイマー起動時刻又は使用開始時刻の設定漏れが減少する。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0082】
タイマー12は、所定スケジュールで定まる時刻をタイマー起動時刻として設定できるように構成されてよい。所定スケジュールは、所定周期に基づくスケジュールであってよい。例えば、管理部11は、毎日決まった時刻に測定装置10が使用開始状態になるためのタイマー起動時刻をタイマー12に設定してよい。例えば、管理部11は、1週間の決まった曜日の決まった時刻に測定装置10が使用開始状態になるためのタイマー起動時刻をタイマー12に設定してよい。所定スケジュールで定まる時刻がタイマー起動時刻としてタイマー12に設定できることによって、タイマー起動時刻又は使用開始時刻の設定漏れが減少する。また、ユーザがタイマー起動時刻又は使用開始時刻を設定する作業が省略される。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0083】
<モジュールの個別起動>
測定装置10は、複数のモジュールが取り付けられている場合に、各取付モジュールを別のタイミングで起動できるように構成されてよい。例えば、起動処理部13は、複数の取付モジュールのうち1つの取付モジュールだけ、又は、一部の取付モジュールだけを起動できるように構成されてよい。この場合、タイマー12は、起動対象の取付モジュールに対応する起動信号を出力する。タイマー12は、複数の起動対象のそれぞれに対応するタイマー起動時刻を設定できるように構成されてよい。
【0084】
測定装置10は、1つの取付モジュール毎に1つの起動処理部13を備えてもよい。測定装置10は、取付モジュールを同時に起動するグループに分けてよい。測定装置10は、同時に起動するグループ毎に1つの起動処理部13を備えてもよい。つまり、測定装置10は、複数の起動処理部13を備えてもよい。タイマー12は、複数の起動処理部13のそれぞれに異なるタイミングで起動信号を出力してよい。タイマー12は、複数の起動処理部13のそれぞれに対応するタイマー起動時刻を設定できるように構成されてよい。
【0085】
一部の取付モジュールだけを自動で起動できることによって、不要なモジュールが起動しない。不要なモジュールが起動しないことによって、測定装置10の消費電力が低減される。
【0086】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0087】
10 測定装置(11:管理部、12:タイマー、13:起動処理部、14:測定モジュール、15:発生モジュール)
20 測定装置