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特開2024-178065粉粒体運搬車、及び粉粒体の運搬方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178065
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】粉粒体運搬車、及び粉粒体の運搬方法
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/22 20060101AFI20241217BHJP
   G06Q 10/083 20240101ALI20241217BHJP
【FI】
B60P3/22 B
G06Q10/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096580
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾原 歩希
(72)【発明者】
【氏名】井川 弘大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大輝
(72)【発明者】
【氏名】田中 遥子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】第1のサイロより粉粒体を積み込んで運搬し、第2のサイロに当該粉粒体を排出して荷卸しする粉粒体運搬車であって、いわゆる誤納品の発生を抑制することができる粉粒体運搬車を提供する。
【解決手段】車体2と、車体2に搭載され、粉粒体を積込み可能なタンク4と、タンク4内に空気を供給し、当該タンク4内に積み込まれた粉粒体を外部に排出可能なコンプレッサ5と、積込み側のサイロ(第1のサイロ)S1に設けられ、当該サイロS1に貯溜された粉粒体の種別情報(積込み側種別情報)を記憶した積込み側RFタグ(情報記録媒体)T1を読み取る読取装置90と、読取装置90によって読み取られた種別情報(積込み側種別情報)に基づき、粉粒体の種類を液晶画面(表示手段)71に表示する制御装置76とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のサイロより粉粒体を積み込んで運搬し、第2のサイロに当該粉粒体を排出して荷卸しする粉粒体運搬車であって、
車体と、
前記車体に搭載され、粉粒体を積込み可能なタンクと、
前記タンク内に空気を供給し、当該タンク内に積み込まれた粉粒体を外部に排出可能なコンプレッサと、
前記第1のサイロに設けられ、当該第1のサイロに貯溜された粉粒体の種別情報を記憶した情報記録媒体を読み取る読取装置と、
前記読取装置によって読み取られた前記種別情報に基づき、前記粉粒体の種類を表示手段に表示する制御装置とを備える、
ことを特徴とする粉粒体運搬車。
【請求項2】
第1のサイロより粉粒体を積み込んで運搬し、第2のサイロに当該粉粒体を排出して荷卸しする粉粒体運搬車であって、
車体と、
前記車体に搭載され、粉粒体を積込み可能なタンクと、
前記タンク内に空気を供給し、当該タンク内に積み込まれた粉粒体を外部に排出可能なコンプレッサと、
粉粒体の種別情報が入力され、入力された当該種別情報を一時的に記憶可能な制御装置とを備え、
前記制御装置は、
入力された前記種別情報に基づく粉粒体の種類が、先に入力された前記種別情報に基づく粉粒体の種類と一致するまで、前記空気によって前記タンク内より粉粒体が排出されるのを妨げる妨害制御を実行する、
ことを特徴とする粉粒体運搬車。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記妨害制御の実行中において、
前記粉粒体の種別情報の入力操作以外の特定の操作によって、前記妨害制御を強制的に解除する妨害解除制御を実行する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の粉粒体運搬車。
【請求項4】
粉粒体運搬車によって、第1のサイロより粉粒体を積み込んで運搬し、第2のサイロに当該粉粒体を排出して荷卸しする粉粒体の運搬方法であって、
前記第1のサイロには、当該第1のサイロに貯溜された粉粒体の種別情報を記憶した情報記録媒体が設けられ、
読取装置によって前記情報記憶媒体を読み取り、
当該読取装置によって読み取られた前記種別情報に基づき、前記粉粒体運搬車に備えられた制御装置の表示手段に、前記粉粒体の種類を表示する、
ことを特徴とする粉粒体の運搬方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体運搬車、及び当該粉粒体運搬車による粉粒体の運搬方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、バラセメントや炭酸カルシウムや石灰等の鉱産物、ポリ塩化ビニルやポリプロピレン等の樹脂ペレット、或いは、砂糖や小麦粉等の食品原料などの粉粒体を積み込んで運搬する粉粒体運搬車が知られている。
粉粒体運搬車は、主に、運搬物である粉粒体を一時的に積込み(収容)可能なタンクと、当該タンク内に所定の設定圧力からなる圧縮空気を供給可能なコンプレッサと、当該コンプレッサとエンジンとの間に介装されるPTOとを備えている。また、粉粒体運搬車は、上記タンクや上記コンプレッサ等からなる架装物の状態(例えば、タンク内の圧力やコンプレッサの回転数など)を表示するメータパネルを備えている。
そして、粉粒体運搬車は、積込み側のサイロにて粉粒体を積み込んだ後、荷卸し側のサイロまで移動(運搬)し、当該荷卸し側のサイロに到着した後、PTOが操作されてエンジンの駆動力がコンプレッサに伝達されることにより、タンク内に圧縮空気が供給され、荷卸し側のサイロ内に粉粒体を排出する(荷下ろしする)構成となっている(例えば、「特許文献1」を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6781522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えばバラセメントのような、複数の種類が存在する粉粒体においては、種類ごとに区別された複数のサイロが、積込み側、及び荷卸し側に各々隣接して配置されているのが一般的である。
そのため、積込み側において、ある種類の粉粒体が貯溜されているサイロ内より、当該粉粒体をタンク内に積み込んで運搬し、その後、荷卸し側において、別の種類の粉粒体が貯溜されているサイロ内に誤って荷卸しする、いわゆる誤納品が発生する虞があった。
【0005】
本発明は、以上に示した現状の問題点に鑑みてなされたものであり、第1のサイロより粉粒体を積み込んで運搬し、第2のサイロに当該粉粒体を排出して荷卸しする粉粒体運搬車、及び当該粉粒体運搬車による粉粒体の運搬方法であって、上記誤納品の発生を抑制することができる粉粒体運搬車、及び粉粒体の運搬方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、本発明の態様1に係る粉粒体運搬車は、第1のサイロより粉粒体を積み込んで運搬し、第2のサイロに当該粉粒体を排出して荷卸しする粉粒体運搬車であって、車体と、前記車体に搭載され、粉粒体を積込み可能なタンクと、前記タンク内に空気を供給し、当該タンク内に積み込まれた粉粒体を外部に排出可能なコンプレッサと、前記第1のサイロに設けられ、当該第1のサイロに貯溜された粉粒体の種別情報を記憶した情報記録媒体を読み取る読取装置と、前記読取装置によって読み取られた前記種別情報に基づき、前記粉粒体の種類を表示手段に表示する制御装置とを備えることを特徴とする。
このような構成を有することにより、本発明に係る粉粒体運搬車によれば、例えば積込み側に配置された第1のサイロにおいて、当該第1のサイロの蓋を開けて内部を確認するような大掛かりな作業を行う必要も無く、表示手段に表示された画像を視認するだけで、第1のサイロに貯溜されている粉粒体の種類を直ちに確認することができる。
従って、第1のサイロより粉粒体をタンク内に積み込む際に、予定していた種類と異なる種類の粉粒体を誤って積み込んでしまうのを、容易に防止することができ、例えば荷卸し側に配置された第2のサイロにおいて、予め決められている種類と異なる種類の粉粒体が誤って荷卸しされる(誤納品される)のを抑制することができる。
【0008】
また、本発明の態様2に係る粉粒体運搬車は、第1のサイロより粉粒体を積み込んで運搬し、第2のサイロに当該粉粒体を排出して荷卸しする粉粒体運搬車であって、車体と、前記車体に搭載され、粉粒体を積込み可能なタンクと、前記タンク内に空気を供給し、当該タンク内に積み込まれた粉粒体を外部に排出可能なコンプレッサと、粉粒体の種別情報が入力され、入力された当該種別情報を一時的に記憶可能な制御装置とを備え、前記制御装置は、入力された前記種別情報に基づく粉粒体の種類が、先に入力された前記種別情報に基づく粉粒体の種類と一致するまで、前記空気によって前記タンク内より粉粒体が排出されるのを妨げる妨害制御を実行することを特徴とする。
このような構成を有することにより、本発明に係る粉粒体運搬車によれば、例えば、第2のサイロにて入力された種別情報に基づく粉粒体の種類が、第1のサイロにて先に入力された前記種別情報に基づく粉粒体の種類と一致するまで、上記妨害制御を継続して実行することにより、予め決められている種類と異なる種類の粉粒体が、当該第2のサイロに誤って荷卸しされる(誤納品される)のを抑制することができる。
【0009】
また、本発明の態様3に係る粉粒体運搬車は、上記態様2において、前記制御装置は、前記妨害制御の実行中において、前記粉粒体の種別情報の入力操作以外の特定の操作によって、前記妨害制御を強制的に解除する妨害解除制御を実行することを特徴とする。
このような構成を有することにより、本発明に係る粉粒体運搬車によれば、例えば、予期せぬ不具合等によって、制御装置に粉粒体の種別情報を正常に入力することができず、第2のサイロにて入力された種別情報に基づく粉粒体の種類が、第1のサイロにて先に入力された前記種別情報に基づく粉粒体の種類と一致しないとして妨害制御が継続し、タンク内に積み込まれた粉粒体を外部に排出することができなくなるのを防止することができる。
【0010】
また、本発明の態様4に係る粉粒体の運搬方法は、粉粒体運搬車によって、第1のサイロより粉粒体を積み込んで運搬し、第2のサイロに当該粉粒体を排出して荷卸しする粉粒体の運搬方法であって、前記第1のサイロには、当該第1のサイロに貯溜された粉粒体の種別情報を記憶した情報記録媒体が設けられ、読取装置によって前記情報記憶媒体を読み取り、当該読取装置によって読み取られた前記種別情報に基づき、前記粉粒体運搬車に備えられた制御装置の表示手段に、前記粉粒体の種類を表示することを特徴とする。
このような構成を有することにより、本発明に係る粉粒体の運搬方法によれば、例えば積込み側に配置された第1のサイロにおいて、当該第1のサイロの蓋を開けて内部を確認するような大掛かりな作業を行う必要も無く、表示手段に表示された画像を視認するだけで、第1のサイロに貯溜されている粉粒体の種類を直ちに確認することができる。
従って、第1のサイロより粉粒体をタンク内に積み込む際に、予定していた種類と異なる種類の粉粒体を誤って積み込んでしまうのを、容易に防止することができ、例えば荷卸し側に配置された第2のサイロにおいて、予め決められている種類と異なる種類の粉粒体が誤って荷卸しされる(誤納品される)のを抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る粉粒体運搬車、及び粉粒体の運搬方法によれば、第1のサイロより積み込まれたある種類の粉粒体を、別の種類の粉粒体が貯溜されている第2のサイロ内に誤って荷卸しする、いわゆる誤納品の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る粉粒体運搬車の全体的な構成を示した側面図である。
図2】メータパネルの構成を示した正面図である。
図3】メータパネルを制御する制御装置の構成を示したブロック図である。
図4】各作業を実施する際の粉粒体運搬車の状態を示した図であって、(a)は積込み作業を実施する際の粉粒体運搬車の状態を示した側面図であり、(b)は荷卸し作業を実施する際の粉粒体運搬車の状態を示した側面図である。
図5】積込み側RFタグ及び荷卸し側RFタグに各々記憶されているタグ情報の内容を説明するための図である。
図6】粉粒体運搬車による粉粒体の積込み作業を行う場合の手順を経時的に順に示したフローチャートである。
図7】粉粒体の積込み作業において、積込み側RFタグのタグ情報を読み取った後の制御装置の制御手順を経時的に順に示したフローチャートである。
図8】粉粒体運搬車による粉粒体の荷卸し作業を行う場合の手順を経時的に順に示したフローチャートである。
図9】粉粒体の荷卸し作業において、荷卸し側RFタグのタグ情報を読み取った後の制御装置の制御手順を経時的に順に示したフローチャートである。
図10】粉粒体の荷卸し作業において、粉粒体を排出する際における制御装置の制御手順を経時的に順に示したフローチャートである。
図11】メータパネルにおける液晶画面の表示内容を説明するための図であって、(a)は積込み側RFタグのタグ情報が記憶された際の液晶画面の表示内容を示した図であり、(b)は積込み側RFタグと荷卸し側RFとで種別情報の種別が一致しない場合の液晶画面の表示内容を示した図であり、(c)は積込み側RFタグと荷卸し側RFとで種別情報の種別が一致する場合の液晶画面の表示内容を示した図であり、(d)はメインスイッチをON操作した後に荷卸し側RFタグを読み取った場合の液晶画面の表示内容を示した図である。
図12】本発明の別実施形態に係る粉粒体運搬車の構成を示した部分拡大側面図である。
図13】別実施形態に係る粉粒体運搬車による粉粒体の積込み作業を行う場合の手順を経時的に順に示したフローチャートである。
図14】別実施形態に係る粉粒体運搬車による粉粒体の荷卸し作業を行う場合の手順を経時的に順に示したフローチャートである。
図15】別実施形態に係る粉粒体運搬車による粉粒体の荷卸し作業において、積込み側タグ付きバンドを読み取った後の制御装置の制御手順を経時的に順に示したフローチャートである。
図16】別実施形態に係る粉粒体運搬車による粉粒体の荷卸し作業において、荷卸し側タグ付きバンドを読み取った後の制御装置の制御手順を経時的に順に示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の一実施形態について、図1乃至図16を用いて説明する。
なお、以下の説明においては便宜上、図1及び図4中に示す矢印の方向によって、粉粒体運搬車1の前後方向、及び上下方向を規定して記述する。
【0014】
[粉粒体運搬車1の全体構成]
先ず、本発明を具現化する粉粒体運搬車1の全体構成について、図1、及び図3乃至図5を用いて説明する。
【0015】
本実施形態における粉粒体運搬車1は、積込み側のサイロS1(図4(a)を参照)より粉粒体を積み込んで運搬し、荷卸し側のサイロS2(図4(b)を参照)に当該粉粒体を排出して荷卸しする作業車両である。
なお、上記「積込み側のサイロS1」は、本発明に係る「第1のサイロ」の一例であり、上記「荷卸し側のサイロS2」は、本発明に係る「第2のサイロ」の一例である。
【0016】
ここで、粉粒体運搬車1によって運搬される粉粒体としては、例えば、バラセメントや炭酸カルシウムや石灰等の鉱産物、ポリ塩化ビニルやポリプロピレン等の樹脂ペレット、或いは、砂糖や小麦粉等の食品原料などのような、粉状または細かい粒状のものを挙げることができる。
本実施形態における粉粒体運搬車1は、例えばバラセメントのような、複数の種類が存在する鉱産物を、運搬物である粉粒体とするものである。
【0017】
図1において、粉粒体運搬車1は、主に、進行方向(本実施形態においては、前後方向)に延びる車体2と、走行用駆動源であるエンジン3(図3を参照)と、車体2の上面に搭載され、粉粒体を積込み可能(収容可能)なタンク4と、タンク4内に空気(より具体的には、所定の設定圧力からなる圧縮空気)を供給し、当該タンク4内に積み込まれた粉粒体を外部に排出可能なコンプレッサ5と、コンプレッサ5に対してエンジン3の駆動力を伝達及び遮断可能なPTO6(図3を参照)とを備える。
また、粉粒体運搬車1は、各々のサイロS1・S2に設けられたRFタグT(図4(a)(b)を参照)の情報を読み取る読取装置90と、読取装置90によって読み取られた情報を処理する制御装置76(図3を参照)とを備える。
【0018】
なお、コンプレッサ5よりタンク4内に供給される空気については、本実施形態のように、圧縮空気に限定されるものではなく、例えば、加圧されることなく大気圧下にある空気等であってもよい。
【0019】
そして、本実施形態における粉粒体運搬車1においては、詳細は後述するが、読取装置90によって読み取られたRFタグTの情報に基づき、制御装置76によって各種処理を実行することにより、予め決められている種類と異なる種類の粉粒体が、荷卸し側のサイロS2に誤って荷卸しされる、いわゆる誤納品の発生を極力防止して抑制可能な構成となっている。
【0020】
タンク4及びコンプレッサ5は、粉粒体運搬車1に搭載された架装物であって、エンジン3の駆動力によってコンプレッサ5が駆動されることにより稼働される。
また、PTO6は、図3に示すように、エンジン3とコンプレッサ5とを連結する駆動連結機構部(図示せず)の間に設けられ、コンプレッサ5にエンジン3の駆動力を伝達する伝達状態と、コンプレッサ5へのエンジン3の駆動力の伝達を遮断する遮断状態とを切替え可能に構成されている。
【0021】
そして、図1に示すように、粉粒体運搬車1には、上記架装物の状態(本実施形態においては、後述するタンク本体41や排出管45の内部の圧力、及びコンプレッサ5の回転数など)、及び各サイロ(サイロS1またはサイロS2)に貯溜された粉粒体の種類などを表示可能なメータパネル7が備えられ、車体2の上面の側方に配置されている。
なお、メータパネル7の構成の詳細については、後述する。
【0022】
タンク4は、前後方向に延びる略中空円筒形状のタンク本体41、タンク本体41の上部において前後方向に離間して固設される複数(本実施形態においては3個)のマンホール形成筒42・42・42、及びタンク本体41の後端下部に設けられる円環状の排出口形成体43などを備える。
また、排出口形成体43の内周側には、タンク本体41の内側と外側とを連通する排出口(図示せず)が設けられており、タンク4は、当該排出口を開閉可能な略円錐テーパ状のハッチ44、及びハッチ44の突出端部に接続されて後方に延びる排出管45などを備えている。
なお、上記排出口と排出管45とは、ハッチ44の内部空間を介して連通されている。
【0023】
各マンホール形成筒42は、その内周部を介して、タンク本体41内への粉粒体の投入や、当該タンク本体41のメンテナンスを行うためのマンホールを構成するとともに、マンホール蓋46によって適宜開閉可能な構成となっている。
【0024】
排出管45は、ハッチ44とともに、剛性の高い鋼材によって形成されている。
排出管45の一端部(ハッチ44側の端部)には、例えばバタフライ弁等からなる開閉弁47が設けられており、タンク本体41の外部において、付属の操作レバー47aを用いて、開閉弁47の開閉操作を適宜実行可能な構成となっている。
【0025】
そして、排出管45は、例えば粉粒体運搬車1が走行状態である平常時においては、開閉弁47が閉弁状態に操作されて閉塞される。
また、排出管45は、タンク本体41から粉粒体を排出する排出時においては、開閉弁47が開弁状態に操作されて開放される。
【0026】
なお、上記排出時において、排出管45の他端部(ハッチ44側との反対側の端部)には、例えばデリバリーホースからなる排出ホース8の一端部が着脱可能に接続されるとともに、当該排出ホース8の他端部は、荷卸し側のサイロS2に接続される。
【0027】
車体2の後端部には、軸方向を水平方向(本実施形態においては、左右方向)とするタンク用回動支軸21が設けられており、タンク本体41は、後端部における、ハッチ44に対して前側且つ下側において、当該タンク用回動支軸21を中心にして、後斜め上方に向かって傾動、即ちダンプするように、車体2と揺動可能に連結されている。
【0028】
また、車体2の前端部において、当該車体2の上面と、タンク本体41の前端部との間には、例えばテレスコ(登録商標)ピック式のリフトシリンダからなる傾動用アクチュエータ10が介装されており、当該傾動用アクチュエータ10が伸長することにより、タンク本体41が後斜め上方に向かって傾動(ダンプ)するように構成されている。
なお、車体2の適所には、傾動用アクチュエータ10に対して作動油圧を適宜供給可能な、油圧ポンプを含む油圧供給系(図示せず)が搭載されている。
【0029】
さらに、車体2の適所(本実施形態においては、車体2の前後方向中途部、且つ下部)には、タンク本体41の内部、及び排出管45の内部に圧縮空気を各々供給する、コンプレッサ5が搭載される。
また、コンプレッサ5と、タンク本体41及び排出管45とは、コンプレッサ5から後方に向かって延びるコンプレッサ配管51、並びに、当該コンプレッサ配管51の下流側(即ち、圧縮空気の流動方向の下流側)に設けられるエゼクタ配管52及びエア配管53によって連通されており、上記コンプレッサ配管51は、図示せぬ支持部材等を介して、車体2より支持されている。
【0030】
具体的には、コンプレッサ配管51は、下流側の端部において二股に分岐しており、一方の分岐部(以下、「第1分岐部51a」と記載する)が、エゼクタ配管52の上流側(即ち、圧縮空気の流動方向の上流側)の端部と接続されるとともに、他方の分岐部(以下、「第2分岐部51b」と記載する)が、エア配管53の上流側の端部と接続されている。
【0031】
そして、エゼクタ配管52の下流側の端部は、排出管45と接続されるとともに、エア配管53の下流側の端部は、タンク本体41と接続される。
これにより、コンプレッサ5と、タンク本体41及び排出管45とは、コンプレッサ配管51、エゼクタ配管52、及びエア配管53によって、圧縮空気を供給可能に連通される。
【0032】
なお、エゼクタ配管52の上流側には、コンプレッサ配管51から当該エゼクタ配管52の下流側へと向かう、圧縮空気の流動のみを許容する第1チェック弁54が、設けられている。
また、エア配管53の上流側には、コンプレッサ配管51から当該エア配管53の下流側へと向かう、圧縮空気の流動のみを許容する第2チェック弁55が、設けられている。
【0033】
排出口形成体43の上端部には、軸方向を水平方向(本実施形態においては、左右方向)とするハッチ用回動支軸48が設けられており、ハッチ44は、当該ハッチ用回動支軸48を介して、排出口形成体43と揺動可能に連結されるとともに、ハッチ用回動支軸48を中心として後斜め上方に向かって揺動することにより、排出口形成体43の内周側に設けられる、図示せぬ排出口を開放可能な構成となっている。
【0034】
また、排出口形成体43の周縁部には、複数のクランプ手段(図示せず)が各々等間隔に離間して配置されており、ハッチ44は、これらのクランプ手段によって、排出口形成体43に保持されることにより、上記排出口を確実に閉塞可能な構成となっている。
なお、上記のクランプ手段としては、例えば、粉粒体運搬車のハッチを保持するのに一般的に用いられる、従来周知のワンタッチ式のクランプ手段などを採用することができる。
【0035】
上記のハッチ用回動支軸48は、排出口形成体43の側端部(右端部または左端部)、或いは下端部等に設けられていてもよく、ハッチ44は、ハッチ用回動支軸48を中心として側方(右側または左側)、或いは後斜め下方に向かって揺動することにより、上記排出口を開放可能な構成としてもよい。
また、ハッチ44は、上記のクランプ手段やハッチ用回動支軸48を有すことなく、例えば複数のボルト等からなる締結部材を介して、排出口形成体43に対して着脱可能に、固定される構成としてもよい。
【0036】
エゼクタ配管52は、下流側に向かって圧縮空気を流動させ、排出管45内に当該圧縮空気を噴射することにより、当該排出管45からの粉粒体の排出作業を、助勢、及び促進させるものであり、その下流側の端部が、排出管45側に向って傾斜し、当該排出管45の周壁に挿入されることにより、排出管45の内部と連通する連通孔(図示せず)を形成する。
【0037】
なお、エゼクタ配管52は、図示しないが、可撓性を有するホース部材からなる中間配管部、並びに当該中間配管部の上流側の端部と接続される上流側配管部、及び下流側の端部と接続される下流側配管部などにより構成され、当該上流側配管部を介して、コンプレッサ配管51の第1分岐部51aと接続されるとともに、当該下流側配管部を介して、排出管45と接続される。
また、上記の上流側配管及び下流側配管は、剛性の高い鋼材によって形成されており、例えば、ワンタッチ操作でロック及びロック解除が可能な従来周知のカップリングからなるジョイント部材(図示せぬ)によって、上記の中間部材と着脱可能に接続される。
【0038】
一方、エア配管53は、下流側の端部が、タンク本体41の後端部の下部側に向って傾斜し、当該タンク本体41の周壁に挿入されることにより、タンク本体41の内部と連通する連通孔(図示せず)を形成するとともに、当該タンク本体41に固定(例えば溶接)される。
【0039】
ここで、タンク本体41の内部において、その内側壁下部には、エア配管53から流入された圧縮空気をタンク本体41内の前側へと導くための第1空気通路41aが、前後方向に長く伸びる扁平な空間部として画設されている。
また、タンク本体41の底部には、第1空気通路41aの側壁41a1によって支持されるようにして、通気性を有する板状のキャンバス41bが、略水平姿勢の状態で架設されている。
【0040】
そして、上記キャンバス41bと、タンク本体41の底面との間には、第2空気通路41cが、前後方向に長く延びる扁平な空間部として画設されており、第1空気通路41aと第2空気通路41cとは、側壁41a1の前部に設けられた複数の貫通孔41a2・41a2・・・を介して、互いに連通されている。
【0041】
このような内部構成からなるタンク本体41において、コンプレッサ配管51及びエア配管53を介して、コンプレッサ5から当該タンク本体41の後端部に圧縮空気が供給されると、供給された圧縮空気は、第1空気通路41a内を流動してタンク本体41の前側へと導かれ、複数の貫通孔41a2・41a2・・・を介して、第2空気通路41c内に流入された後、再び第2空気通路41c内を流動してタンク本体41の後側へと導かれるとともに、キャンバス41bの略全面を通して、タンク本体41内にて上方に向かって噴出される。
これにより、キャンバス41bを通して吹き上がり噴出する圧縮空気によって、タンク本体41の内部は加圧されることとなり、タンク本体41内に貯溜された粉粒体を排出管45側へ排出する際において、キャンバス41b上に存在する当該粉粒体の、タンク本体41の後方側へのスライド流動が助勢、及び促進され、排出管45側に向って粉粒体を効率よく排出できるようになっている。
【0042】
なお、上記のエゼクタ配管52と同様に、エア配管53は、図示しないが、可撓性を有するホース部材からなる中間配管部、並びに当該中間配管部の上流側の端部と接続される上流側配管部、及び下流側の端部と接続される下流側配管部などにより構成され、当該上流側配管部を介して、コンプレッサ配管51の第2分岐部51bと接続されるとともに、当該下流側配管部を介して、タンク本体41の後端部の下部側と接続される。
また、上記の上流側配管及び下流側配管は、剛性の高い鋼材によって形成されており、例えば、ワンタッチ操作でロック及びロック解除が可能な従来周知のカップリングからなるジョイント部材(図示せぬ)によって、上記の中間部材と着脱可能に接続される。
【0043】
読取装置90は、携帯式の端末装置であって、例えば本実施形態においては、スマートフォンによって構成されている。
なお、読取装置90の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、携帯電話や、タブレット式のコンピュータや、ノート型のコンピュータなど、他の汎用的な携帯式の端末装置によって構成されていてもよい。
【0044】
読取装置90には、所定のアプリケーションプログラムが予めダウンロードしてインストールされており、当該プログラムに基づき、RFタグTに記憶された情報を読み取るとともに、後述する各種処理を実行する。
【0045】
ここで、RFタグTは、本発明に係る情報記録媒体の一例であって、粉粒体の種類についての情報(以下、「種別情報」と記載)を記憶したものである。
なお、種別情報を記憶させる情報記憶媒体としては、RFタグTの他、例えば、バーコードなどの一次元コードや、QRコード(登録商標)などの二次元コードに代表されるコード媒体、或いは、ICチップやARマーカなどによって構成することも可能である。
【0046】
RFタグTは、例えば、図4(a)に示すように、積込み側のサイロS1において、当該サイロS1の底部と連通する導出管S1aの近傍に、予め配置されている。
また、RFタグTは、例えば、図4(b)に示すように、荷卸し側のサイロS2において、当該サイロS2の天井部と連通する受入管S2aの近傍に、予め配置されている。
【0047】
そして、積込み側のサイロS1の近傍に配置されたRFタグT(以下、適宜「積込み側RFタグT1」と記載する)には、当該サイロS1に貯溜された粉粒体の種別情報が記憶されている。
また、荷卸し側のサイロS2の近傍に配置されたRFタグT(以下、適宜「荷卸し側RFタグT2」と記載する)には、当該サイロS2に貯溜され得る粉粒体の種別情報が記憶されている。
【0048】
ここで、上記種別情報は、連番の各管理コードと、当該管理コードに対応する粉粒体の種類(種別)とのペアによって構成されており、上記管理コードは、積込み側と荷卸し側との間で、予め割り振られた範囲に設定されている。
【0049】
例えば、図5に示すように、積込み側においては、1~100の管理コードが割り振られており、積込み側RFタグT1には、1~100の何れかの管理コードと、当該管理コードに対応する種別とからなる種別情報が記憶されている。
また、荷卸し側においては、101~200の管理コードが割り振られており、荷卸し側RFタグT2には、101~200の何れかの管理コードと、当該管理コードに対応する種別とからなる種別情報が記憶されている。
【0050】
そして、読取装置90は、各RFタグTから読み取った種別情報に基づき、管理コードによって、積込み側と荷卸し側との違いを判別するとともに、粉粒体の種別を把握する。
【0051】
制御装置76は、後述するメータパネル7に設けられ、当該メータパネル7の作動を制御するCPU(Central Processing Unit)として機能するものである。
また、制御装置76は、読取装置90によって読み取られたRFタグTの種別情報に基づき、いわゆる誤納品の発生を防止するべく、各種処理を実行する。
なお、制御装置76の詳細については、メータパネル7とともに後述する。
【0052】
[メータパネル7の構成]
次に、メータパネル7の構成について、図2及び図3を用いて説明する。
【0053】
メータパネル7は、粉粒体運搬車1(図1を参照)において、粉粒体の投入、及び排出等を行う際に用いられるものであり、タンク4及びコンプレッサ5によって構成される架装物の状態(タンク本体41や排出管45の内部の圧力、及びコンプレッサ5の回転数など)や、粉粒体の種別に関する情報(図12を参照)などを表示する。
また、メータパネル7は、コンプレッサ5の回転数の上限値及び下限値のうち、少なくとも一方を設定する際に用いられるものである。
【0054】
メータパネル7は、例えば図2に示すように、表示画面である液晶画面71と、当該液晶画面71の側方において上から順に配置されるメインスイッチ72、回転数調整スイッチ73、画面切り替えスイッチ74、及び確認スイッチ75と、メータパネル7の作動を制御する制御装置76(図3を参照)などを備える。
【0055】
液晶画面71は、本発明に係る表示手段の一例であって、積込み側RFタグT1の種別情報に基づき粉粒体の種別を表示し、また、荷卸し側RFタグT2の種別情報に基づき、当該種別情報による粉粒体の種別が、積込み側RFタグT1の種別情報による粉粒体の種別と一致しているか否かを表示する。
また、液晶画面71は、画面切り替えスイッチ74によってメータ画面に切替えられることにより、架装物の状態、即ちタンク本体41内の圧力計の計測値、排出管45内の圧力計の測定値、及びエンジン3(図3を参照)の駆動力によって駆動されるコンプレッサ5の回転数を表示する。
さらに、液晶画面71は、画面切り替えスイッチ74によってメンテナンス画面に切替えられることにより、コンプレッサ5の通算稼働時間、本日のコンプレッサ5の稼働時間、コンプレッサ5の温度、及びエラー表示やエラー履歴などを表示する。
【0056】
なお、本発明に係る表示手段については、本実施形態の液晶画面71に限定されるものではなく、例えば、読取装置90であるスマートフォンの表示画面等によって構成されていてもよい。
【0057】
メインスイッチ72は、上側または下側に操作レバーを傾倒すことによりON状態またはOFF状態に切替わるとともに、当該状態を維持する、オルタネイト動作型のトグルスイッチによって構成されている。
【0058】
本実施形態においては、メインスイッチ72の操作レバーを上側に傾倒すると、回転数調整スイッチ73を用いてコンプレッサ5の回転数を調整可能な状態(ON状態)に切替わるとともに、その後、次の操作(操作レバーを下側に傾倒する操作)が行われるまで、当該状態を維持する。
また、メインスイッチ72の操作レバーを下側に傾倒すると、回転数調整スイッチ73を用いてコンプレッサ5の回転数を調整不可能な状態(OFF状態)に切替わるとともに、その後、次の操作(操作レバーを上側に傾倒する操作)が行われるまで、当該状態を維持する。
【0059】
回転数調整スイッチ73は、非操作時においては、水平姿勢となるニュートラル位置にて付勢された状態(OFF状態)に、操作レバーが常に復帰するようになっており、操作時においては、上側または下側に操作レバーを傾倒している間に限り、コンプレッサ5の回転数を調整するON状態に切替わる、モーメンタリ動作型のトグルスイッチによって構成されている。
【0060】
本実施形態においては、回転数調整スイッチ73の操作レバーを上側に傾倒すると、コンプレッサ5の回転数が増加する。
また、回転数調整スイッチ73の操作レバーを下側に傾倒すると、コンプレッサ5の回転数が減少する。
なお、コンプレッサ5の回転数を、連続して大幅に変更する(増加させる、または減少させる)場合には、操作レバーを上側または下側に傾倒させた状態を保持することで、行うことができる。
【0061】
画面切り替えスイッチ74は、非操作時においては、水平姿勢となるニュートラル位置にて付勢された状態(OFF状態)に、操作レバーが常に復帰するようになっており、操作時においては、上側に操作レバーを傾倒することにより、液晶画面71の表示内容を切替えるON状態となる、モーメンタリ動作型のトグルスイッチによって構成されている。
【0062】
本実施形態においては、画面切り替えスイッチ74の操作レバーを上側に傾倒する度に、架装物の状態(タンク本体41や排出管45の内部の圧力、及びコンプレッサ5の回転数など)を表示するメータ画面と、コンプレッサ5の回転数を調整する際に表示されるメンテナンス画面とに、表示画面が交互に切替わる。
【0063】
確認スイッチ75は、非操作時においては、下側に傾倒した姿勢となるニュートラル位置にて付勢された状態(OFF状態)に、操作レバーが常に復帰するようになっており、操作時においては、上側に操作レバーを傾倒してオン操作することにより、液晶画面71を点灯させるON状態となる、モーメンタリ動作型のトグルスイッチによって構成されている。
【0064】
本実施形態においては、例えば、タンク4に粉粒体を投入する積込み作業時や、粉粒体運搬車1のメンテナンス作業時などのように、エンジン3の駆動が停止している場合、確認スイッチ75の操作レバーを上側に傾倒することにより液晶画面71を点灯させ、その後、所定時間の経過を待って当該液晶画面71を消灯するようになっている。
また、上記所定時間の経過を待たずに、一旦ニュートラル位置に復帰した操作レバーを再び上側に傾倒すると、液晶画面71を強制的に消灯するようになっている。
【0065】
一方、例えば、タンク4より粉粒体を排出する荷受け作業時などのように、エンジン3が駆動しており、後述するPTOスイッチ12(図3を参照)がオン操作されている場合には、確認スイッチ75の操作レバーがニュートラル位置に復帰した後においても、上記所定時間の経過に関わらず、継続して液晶画面71を点灯させるようになっている。
また、例えば粉粒体運搬車1の走行時などのように、エンジン3が駆動しており、PTOスイッチ12がオフ操作されている場合には、確認スイッチ75の操作レバーを上側に傾倒している間に限り、液晶画面71を継続して点灯させるようになっている。
【0066】
なお、本実施形態における確認スイッチ75は、モーメンタリ動作型のトグルスイッチにより構成されているが、これに限定されることはなく、例えば、オルタネイト動作型のトグルスイッチにより構成されていてもよい。
【0067】
制御装置76は、図3に示すように、上述した液晶画面71、メインスイッチ72、回転数調整スイッチ73、画面切り替えスイッチ74、及び確認スイッチ75と電気的に接続されている。
また、制御装置76は、ワイヤハーネス77(図2を参照)等を介して、メータパネル7の外部に配置されるキースイッチ11、PTOスイッチ12、及び供給電源(図示せず)と電気的に接続されている。
さらに、制御装置76は、近距離無線通信(NFC)によって、読取装置90と無線接続が可能に構成されている。
【0068】
なお、制御装置76と読取装置90との間の通信については、例えば、LPWA(Low Power Wide Area)、Bluetooth(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)等、様々な通信規格を採用することができる。
【0069】
ここで、キースイッチ11は、エンジン3が駆動状態となるON状態と、エンジン3が停止状態となるOFF状態とを切替え操作するためのスイッチである。
キースイッチ11は、一般的に、エンジン3が停止状態であり、且つ運転席内の電装機器が非通電状態である停止モード、エンジン3が停止状態であり、且つ運転席内の電装機器が通電状態であるアクセサリーモード、及びエンジン3が駆動状態であり、且つ運転席内の電装機器が通電状態である運転モードからなる3種類のモードに切替え可能である。
【0070】
なお、本実施形態において、「エンジン3がON状態に切替わる」とは、「エンジン3が運転モードに切替わる」ことを意味し、「エンジン3がOFF状態に切替わる」とは、「エンジン3が停止モード、またはアクセサリーモードに切替わる」ことを意味する。
【0071】
また、PTOスイッチ12は、オン操作することにより、PTO6の状態を、エンジン3の駆動力をコンプレッサ5に伝達する伝達状態に切替え、またオフ操作することにより、コンプレッサ5への当該駆動力の伝達を遮断する遮断状態に切替えることを可能とするスイッチである。
【0072】
さらに、供給電源(図示せず)は、粉粒体運搬車1に搭載されるバッテリであって、確認スイッチ75等を介して、制御装置76と電気的に接続されるとともに、当該制御装置76を介して、液晶画面71に電力を供給する。
【0073】
そして、制御装置76は、メータパネル7の作動を制御するための所定のプログラムや、読取装置90によって読み取られたRFタグTの種別情報に基づき、各種処理を実行するための所定のプログラムなどが予め格納されている記憶部76aと、当該プログラムに基づき各種演算処理を実行する演算部76bとを備え、キースイッチ11、PTOスイッチ12、及び各種スイッチ72~75を操作することにより入力される指示信号(電気信号)や、読取装置90より送信される種別情報に基づき、メータパネル7に所定の作動を実行させる。
【0074】
なお、本実施形態においては、制御装置76によって、読取装置90によって読み取られたRFタグTの種別情報に基づき、誤納品の発生を防止するべく各種処理を実行する構成としているが、これに限定されるものではなく、例えば、読取装置90によって当該各種処理を実行することとしてもよい。
この場合、読取装置90に内蔵されたCPUが、本発明に係る制御装置として機能する。
【0075】
[積込み作業の作業手順]
次に、本実施形態における粉粒体運搬車1において、タンク4に粉粒体を投入する積込み作業を行う場合の作業手順について、図4(a)、図6図7、及び図11(a)を用いて説明する。
【0076】
図4(a)、及び図6において、先ず始めに、目的地である積込み側のサイロS1に粉粒体運搬車1が到着すると(ステップS101)、作業者は、キースイッチ11を操作してエンジン3をOFF状態に切替えて停止させ、粉粒体運搬車1を所定位置に停車させる(ステップS102)。
【0077】
粉粒体運搬車1を停車させると、作業者は、確認スイッチ75をオン操作する。
これにより、停止状態にあるメータパネル7は一時的に起動され、液晶画面71が点灯する(ステップS103)。
なお、メータパネル7は、その後放置されると、所定時間の経過を待って再び停止状態となり、液晶画面71が消灯する。
【0078】
メータパネル7が起動すると、作業者は、当該メータパネル7(より具体的には、制御装置76)と読取装置90との間で、無線接続を行う(ステップS104)。
【0079】
メータパネル7と読取装置90との間で無線接続が完了すると、作業者は、当該読取装置90を用いて積込み側RFタグT1を読み取り(ステップS105)、種別情報を取得する。
すると、取得した種別情報に基づき、読取装置90は、当該種別情報を制御装置76に送信し、当該種別情報を受信した制御装置76は、所定の処理を実行して、後述する妨害制御を開始する。
なお、上記ステップS105における制御装置76の制御手順については、後述する。
【0080】
積込み側RFタグT1を読み取った後、作業者は、ハッチ44を閉じた状態で各マンホール蓋46を開き、積込み側のサイロS1の排出口と繋がる導出管S1aを、マンホール形成筒42によって構成されるマンホール内に挿入し、所望容量の粉粒体をタンク本体41内に投入する(ステップS106)。
【0081】
所望容量の粉粒体がタンク本体41内に投入されると、作業者は、上記マンホール内より導出管S1aを抜き出してマンホール蓋46を閉じ、キースイッチ11を操作してエンジン3をON状態に切替えて起動させ、粉粒体運搬車1を発進させる(ステップS107)。
これにより、積込み作業を行う場合の、一連の作業手順が終了する。
【0082】
なお、上記ステップS106を行うタイミングについては、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記ステップS102の終了後、上記ステップS103の終了後、或いは、上記ステップS104の終了後など、何れのタイミングで行ってもよい。
また、上記ステップS104、及び上記ステップS105を行うことなく、積込み作業を行うことも可能である。
【0083】
<上記ステップS105における制御装置76の制御手順>
ここで、上述したステップS105における制御装置76の制御手順について、図7を用いて説明する。
【0084】
読取装置90を用いて積込み側RFタグT1を読み取ると、当該読取装置90は、取得した種別情報が積込み側の種別情報であるか否かを判断する(ステップS151)。
この際の判断は、種別情報に含まれる管理コードに基づき実行される。
【0085】
その結果、取得した種別情報が積込み側の種別情報でない(即ち、荷卸し側の種別情報である)と判断した場合(NO判定)、読取装置90は、制御装置76への種別情報の送信を禁止する(ステップS152)。
【0086】
一方、取得した種別情報が積込み側の種別情報であると判断した場合(YES判定)、読取装置90は、既に別の積込み側の種別情報を取得しているか否かを判断する(ステップS153)。
【0087】
その結果、既に別の積込み側の種別情報を取得していると判断した場合(YES判定)、読取装置90は、制御装置76への種別情報の送信を禁止する(ステップS152)。
【0088】
一方、既に別の積込み側の種別情報を取得していないと判断した場合(NO判定)、読取装置90は、制御装置76に種別情報を送信する(ステップS154)。
【0089】
読取装置90からの種別情報を受信した制御装置76は、記憶部76aにおいて、当該種別情報を一時的に記憶する(ステップS155)。
このように、制御装置76は、読取装置90によって粉粒体の種別情報が入力され、入力された当該種別情報を記憶部76aにて一時的に記憶可能である。
【0090】
そして、制御装置76は、記憶した種別情報に基づき、粉粒体の種類(種別)を液晶画面71に表示する(ステップS156)。
例えば、図11(a)に示すように、種別情報に含まれる粉粒体の種別が、早強ポルトランドセメントである場合、メータパネル7の液晶画面71には、「早強H」と表示される。
【0091】
また、図7に示すように、制御装置76は、液晶画面71に種別を表示するのと同時に、妨害制御を開始する(ステップS157)。
ここで、上記「妨害制御」とは、コンプレッサ5からタンク4に供給される空気(本実施形態においては、所定の設定圧力からなる圧縮空気)によって、当該タンク4内より粉粒体が排出されるのを妨げる制御である。
つまり、妨害制御の実行中においては、たとえ回転数調整スイッチ73が操作されたとしても、制御装置76は、コンプレッサ5の回転数が増減するのを禁止する。
その結果、コンプレッサ5によってタンク4に供給される圧縮空気の圧力が、所定の設定圧力に到達するのを妨げられ、コンプレッサ5の回転数は、エンジン3のアイドリング回転数と略同等に維持されることとなる。
【0092】
なお、妨害制御の手法については、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、電気的に開閉操作可能な開閉弁を排出管45に設け、当該開閉弁を閉操作することにより、タンク4から荷卸し側のサイロS2への粉粒体の排出を機械的に不能とすることとしてもよい。
【0093】
上記ステップS156、及びステップS157が終了することにより、上述したステップS105における、読取装置90及び制御装置176の一連の制御手順は終了する。
【0094】
[荷卸し作業の作業手順]
次に、本実施形態における粉粒体運搬車1において、タンク4内の粉粒体を排出する荷卸し作業を行う場合の作業手順について、図4(b)、図8乃至図10、及び図11(b)(c)(d)を用いて説明する。
【0095】
図4(b)、及び図8において、先ず始めに、目的地である荷卸し側のサイロS2に粉粒体運搬車1が到着すると(ステップS201)、作業者は、エンジン3の起動状態を維持したまま、粉粒体運搬車1を所定位置に停車させる(ステップS202)。
【0096】
粉粒体運搬車1を停車させると、作業者は、PTOスイッチ12をオン操作する。
これにより、PTO6(図3を参照)は伝達状態(コンプレッサ5にエンジン3の駆動力を伝達可能な状態)に切替わり、コンプレッサ5が作動する。
また、所定時間の経過によって停止状態であったメータパネル7は、制御装置76を介して供給電源(図示せず)と電気的に接続され、再び起動される(ステップS203)。
【0097】
メータパネル7が起動すると、作業者は、排出管45の下流側の端部に排出ホース8を接続し、当該排出ホース8を介して、タンク本体41と、荷卸し側のサイロS2の受入管S2aとを接続する(ステップS204)。
【0098】
その後、作業者は、メータパネル7(より具体的には、制御装置76)と読取装置90との間で、無線接続を行う(ステップS205)。
【0099】
メータパネル7と読取装置90との間で無線接続が完了すると、作業者は、当該読取装置90を用いて荷卸し側RFタグT2を読み取り(ステップS206)、種別情報を取得する。
すると、取得した種別情報に基づき、読取装置90は、当該種別情報を制御装置76に送信する。また、当該種別情報を受信した制御装置76は、所定の演算処理を実行し、その演算結果に基づき、上述した妨害制御を解除、または継続する。
なお、上記ステップS206における制御装置76の制御手順については、後述する。
【0100】
上記ステップS206において、妨害制御が解除されると、作業者は、メインスイッチ72を上側に傾倒させて(ON操作して)、コンプレッサ5の回転数を調整可能な状態(ON状態)とするとともに、回転数調整スイッチ73を上側または下側に適宜傾倒させて、当該コンプレッサ5の回転数を増加させ、所定の設定圧力からなる圧縮空気をタンク本体41内に供給する。
これにより、タンク本体41内に積み込まれた粉粒体は、荷卸し側のサイロS2に排出される(ステップS207)。
なお、上記ステップS207における制御装置76の制御手順については、後述する。
【0101】
上記ステップS207において、予め設定された所定量の粉粒体が、タンク本体41内から荷卸し側のサイロS2に排出されると、作業者は、PTOスイッチ12をオフ操作する。
これにより、PTO6は遮断状態(コンプレッサ5へのエンジン3の駆動力を伝達不能な状態)に切替わり、コンプレッサ5が停止する。
また、制御装置76は、PTOスイッチ12のオフ操作によって、記憶部76aに一時的に記憶されていた積込み側種別情報をリセットする。
さらに、メータパネル7は、供給電源との接続を遮断され、再び停止状態となる(ステップS208)。
【0102】
その後、作業者は、排出管45、及び荷卸し側のサイロS2の受入管S2aより排出ホース8を取り外し、当該排出ホース8を所定の場所に戻した後、粉粒体運搬車1を発進させる(ステップS209)。
これにより、荷卸し作業を行う場合の、一連の作業手順が終了する。
【0103】
なお、上記ステップS204を行うタイミングについては、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記ステップS202の終了後、且つ上記ステップS203の実行前のタイミングで行ってもよい。
【0104】
<上記ステップS206における制御装置76の制御手順>
ここで、上述したステップS206における制御装置76の制御手順について、図9を用いて説明する。
【0105】
読取装置90を用いて荷卸し側RFタグT2を読み取ると、当該読取装置90は、取得した種別情報が荷卸し側の種別情報であるか否かを判断する(ステップS261)。
この際の判断は、種別情報に含まれる管理コードに基づき実行される。
【0106】
その結果、取得した種別情報が荷卸し側の種別情報でない(即ち、積込み側の種別情報である)と判断した場合(NO判定)、読取装置90は、前述した積込み作業におけるステップS153以降のステップを実行する(図7を参照)。
【0107】
一方、取得した種別情報が荷卸し側の種別情報であると判断した場合(YES判定)、読取装置90は、制御装置76に種別情報を送信する(ステップS262)。
【0108】
読取装置90からの種別情報を受信した制御装置76は、当該種別情報(以下、適宜「荷卸し側種別情報」と記載)における粉粒体の種類(種別)が、記憶部76aに記憶されている種別情報(以下、適宜「積込み側種別情報」と記載)における粉粒体の種類(種別)と一致するか否かを判断する(ステップS263)。
【0109】
その結果、荷卸し側種別情報による種別が、積込み側種別情報による種別と一致しないと判断した場合(NO判定)、制御装置76は、前述した妨害制御を継続する(ステップS264)。
また、制御装置76は、例えば図11(b)に示すように、荷卸し側種別情報による種別が、積込み側種別情報による種別と一致しない旨を、液晶画面71に表示する(ステップS265)。
【0110】
一方、荷卸し側種別情報による種別が、積込み側種別情報による種別と一致すると判断した場合(YES判定)、制御装置76は、妨害制御を解除して、コンプレッサ5の回転数の増加を許可する(ステップS266)。
また、制御装置76は、例えば図11(c)に示すように、荷卸し側種別情報による種別が、積込み側種別情報による種別と一致する旨を、液晶画面71に表示する(ステップS267)。
【0111】
なお、読取装置90による荷卸し側RFタグT2の読み取りが実行されない限り、妨害制御が継続されるのは言うまでもない。
【0112】
このように、制御装置76は、入力された種別情報(荷卸し側種別情報)に基づく粉粒体の種類が、先に入力された種別情報(積込み側種別情報)に基づく粉粒体の種類と一致するまで、コンプレッサ5からタンク4に供給される空気(圧縮空気)によって、タンク4内より粉粒体が排出されるのを妨げる妨害制御を実行する。
【0113】
上記ステップS265、またはステップS267が終了することにより、上述したステップS206における、読取装置90及び制御装置76の一連の制御手順は終了する。
【0114】
<上記ステップS207における制御装置76の制御手順>
次に、上述したステップS207における制御装置76の制御手順について、図10を用いて説明する。
【0115】
メインスイッチ72を上側に傾倒させる(ON操作する)と(ステップS271)、制御装置76は、読取装置90からの荷卸し側種別情報を、既に受信しているか否かを判断する(ステップS272)。
【0116】
その結果、既に荷卸し側種別情報を受信していると判断され(YES判定)、当該荷卸し側種別情報に基づき、妨害制御が解除されている場合、制御装置76は、回転数調整スイッチ73によるコンプレッサ5の回転数の増減操作を許可する(ステップS273)。
【0117】
一方、未だ荷卸し側種別情報を受信していないと判断され(NO判定)、妨害制御が継続している場合、その後、読取装置90によって荷卸し側RFタグT2が読み取られると(ステップS274)、制御装置76は、当該妨害制御を解除することなく、例えば図11(d)に示すように、液晶画面71にエラー表示を表示する(ステップS275)。
即ち、本実施形態においては、コンプレッサ5の回転数を調整可能な状態とするメインスイッチ72をON操作した後に、読取装置90によって荷卸し側RFタグT2を読み取ると、妨害制御を解除することなく継続し、液晶画面71にエラー表示を表示する制御となっている。
【0118】
ここで、例えば、メインスイッチ72のON操作によって、コンプレッサ5の回転数を、エンジン3のアイドリング回転数から所定の最低回転数(例えば、700rpm)まで一気に増加させるように、メータパネル7が制御されている場合、先にメインスイッチ72がON操作されていると、読み取られた荷卸し側種別情報に基づき妨害制御が解除された瞬間に、コンプレッサ5の回転数が当該最低回転数まで増加することとなり、予期せぬ問題を引き起こす要因となる虞がある。
【0119】
本実施形態においては、このような問題点を回避するべく、メインスイッチ72をON操作した後に、読取装置90によって荷卸し側RFタグT2が読み取られると(ステップS274)、制御装置76は、液晶画面71にエラー表示を表示して(ステップS275)、荷卸し側RFタグT2の読み取りを、一時的に不可能な状態とする制御となっている。
【0120】
上記ステップS273、またはステップS275が終了することにより、上述したステップS207における、制御装置76の一連の制御手順は終了する。
【0121】
ところで、本実施形態においては、上記ステップS272におけるNO判定によって妨害制御が継続された場合(即ち、荷卸し側RFタグT2が未だ読み取られておらず、回転数調整スイッチ73の操作が許可されていない場合)、或いは、上記ステップS263におけるNO判定によって妨害制御が継続された場合(荷卸し側種別情報による種別が、積込み側種別情報による種別と一致せず、回転数調整スイッチ73の操作が許可されていない場合)であっても、緊急操作として、例えば特定の押圧釦を同時押しするなど、読取装置90による粉粒体の種別情報の入力操作以外の操作によって、妨害制御を強制的に解除可能な制御となっている。
即ち、制御装置76は、妨害制御の実行中において、粉粒体の種別情報の入力操作以外の特定の操作によって、当該妨害制御を強制的に解除する妨害解除制御を実行する構成となっている。
【0122】
このような構成を有することにより、本実施形態における粉粒体運搬車1によれば、例えば、予期せぬ不具合等によって、制御装置76に粉粒体の種別情報を正常に読み取り入力することができず、荷卸し側のサイロS2にて読み取り入力された種別情報(より具体的には、荷卸し側種別情報)に基づく粉粒体の種類が、積込み側のサイロS1にて先に入力された種別情報(より具体的には、積込み側種別情報)に基づく粉粒体の種類と一致しないとして妨害制御が継続し、タンク4内に積み込まれた粉粒体を外部に排出することができなくなるのを防止することができる。
【0123】
[粉粒体運搬車101(別実施形態)の構成]
次に、本発明の別実施形態における粉粒体運搬車101の構成について、図12を用いて説明する。
【0124】
別実施形態における粉粒体運搬車101は、前述した本実施形態における粉粒体運搬車1と略同等な構成を有する一方、粉粒体の種別情報を記憶する媒体が、タグ付きバンドBからなる点について、当該粉粒体運搬車1と相違する。
よって、以下の説明については、主に本実施形態における粉粒体運搬車1との相違点について記載し、当該粉粒体運搬車1と同等な構成についての説明は省略する。
【0125】
粉粒体運搬車101は、主に、車体102、エンジン(図示せず)、タンク104、コンプレッサ(図示せず)、及びPTO(図示せず)と、タグ付きバンドBの情報を読み取る読取装置190と、読取装置190によって読み取られた情報を処理する制御装置176とを備える。
【0126】
ここで、上記の車体102、エンジン、タンク104、コンプレッサ、PTO、及び読取装置190の構成については、前述した本実施形態における車体2、エンジン3、タンク4、コンプレッサ5、PTO6、及び読取装置90の構成と同等であるため、説明の記載は省略する。
また、上記の制御装置176は、メータパネル107に設けられており、これらの制御装置176及びメータパネル107の構成についても、前述した本実施形態における制御装置76及びメータパネル7の構成と同等であるため、説明の記載は省略する。
【0127】
なお、本別実施形態においては、読取装置190を設けることなく、制御装置176に対して、粉粒体の種別情報を手入力によって直接的に入力する構成であってもよい。
【0128】
タグ付きバンドBは、本発明に係る情報記録媒体の一例であって、粉粒体の種類についての種別情報を記憶したものである。
タグ付きバンドBは、対象物に対して着脱可能に装着するバンド部Baと、上記種別情報を記憶させた記憶媒体Bbとを有する。
【0129】
上記記憶媒体Bbは、本別実施形態においてはRFタグからなるが、これに限定されるものではなく、例えば、バーコードなどの一次元コードや、QRコード(登録商標)などの二次元コードに代表されるコード媒体、或いは、ICチップやARマーカなどによって構成することも可能である。
【0130】
タグ付きバンドBは、例えば、タンク104の排出管145に接続される排出ホース108の先端部に、着脱可能に装着される。
また、タグ付きバンドBは、荷卸し側のサイロS2において、当該サイロS2の天井部と連通する受入管S2aの先端部に、予め装着されている。
【0131】
そして、排出ホース108の先端部に装着されるタグ付きバンドB(以下、適宜「積込み側タグ付きバンドB1」と記載する)には、タンク104に積み込まれた粉粒体、即ちサイロS1(図4(a)を参照)に貯溜された粉粒体の種別情報が記憶されている。
また、荷卸し側のサイロS2において、受入管S2aの先端部に装着されたタグ付きバンドB(以下、適宜「荷卸し側タグ付きバンドB2」と記載する)には、当該サイロS2に貯溜され得る粉粒体の種別情報が記憶されている。
【0132】
なお、各タグ付きバンドBの記憶媒体Bbに記憶された種別情報の構成については、前述した本実施形態における各RFタグTに記憶された種別情報(図5を参照)の構成と同等であるため、説明の記載は省略する。
【0133】
[積込み作業の作業手順(別実施形態)]
次に、別実施形態における粉粒体運搬車101において、タンク104に粉粒体を投入する積込み作業を行う場合の作業手順について、図12及び図13を用いて説明する。
【0134】
先ず始めに、目的地である積込み側のサイロS1(図4(a)を参照)に粉粒体運搬車101が到着すると(ステップS301)、作業者は、キースイッチ(図示せず)を操作してエンジンをOFF状態に切替えて停止させ、粉粒体運搬車101を所定位置に停車させる(ステップS302)。
【0135】
粉粒体運搬車101を停車させると、作業者は、タンク104内に積み込む予定の、粉粒体の種別情報が記憶された積込み側タグ付きバンドB1を、排出ホース108に装着する(ステップS303)。
【0136】
その後、作業者は、ハッチ144を閉じた状態で各マンホール蓋(図示せず)を開き、積込み側のサイロS1の排出口と繋がる導出管S1a(図4(a)を参照)を、マンホール形成筒(図示せず)によって構成されるマンホール内に挿入し、所望容量の粉粒体をタンク本体141内に投入する(ステップS304)。
【0137】
所望容量の粉粒体がタンク本体141内に投入されると、作業者は、上記マンホール内より導出管S1aを抜き出してマンホール蓋を閉じ、キースイッチを操作してエンジンをON状態に切替えて起動させ、粉粒体運搬車101を発進させる(ステップS305)。
これにより、積込み作業を行う場合の、一連の作業手順が終了する。
【0138】
なお、上記ステップS303を行うタイミングについては、本別実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記ステップS304の終了後に行ってもよい。
【0139】
このように、別実施形態における積込み作業の作業手順においては、前述した本実施形態における積込み作業の作業手順と比べて、略同じ手順からなる一方、メータパネル7と読取装置90との無線接続作業(前述したステップS104を参照)、及び読取装置90による積込み側RFタグT1の読み取り作業(前述したステップS105を参照)に代替して、排出ホース108への積込み側タグ付きバンドB1の装着作業(上記ステップS303を参照)のみを行うこととしている。
従って、作業者にとって、積込み作業の作業手順の簡素化を図ることができる。
【0140】
[荷卸し作業の作業手順(別実施形態)]
次に、別実施形態における粉粒体運搬車101において、タンク104内の粉粒体を排出する荷卸し作業を行う場合の作業手順について、図11(a)(b)(c)、図12図14乃至図16を用いて説明する。
【0141】
図12、及び図14において、先ず始めに、目的地である荷卸し側のサイロS2に粉粒体運搬車101が到着すると(ステップS401)、作業者は、エンジンの起動状態を維持したまま、粉粒体運搬車101を所定位置に停車させる(ステップS402)。
【0142】
粉粒体運搬車101を停車させると、作業者は、PTOスイッチをオン操作する。
これにより、PTOは伝達状態に切替わり、コンプレッサが作動する。
また、メータパネル107は、制御装置176を介して供給電源と電気的に接続されて、起動する(ステップS403)。
【0143】
メータパネル107を起動させると、作業者は、排出管145の下流側の端部に排出ホース108を接続し、当該排出ホース108を介して、タンク本体141と、荷卸し側のサイロS2の受入管S2aとを接続する(ステップS404)。
【0144】
その後、作業者は、メータパネル107(より具体的には、制御装置176)と読取装置190との間で、無線接続を行う(ステップS405)。
【0145】
メータパネル107と読取装置190との間で無線接続が完了すると、作業者は、当該読取装置190を用いて積込み側タグ付きバンドB1を読み取り(ステップS406)、種別情報を取得する。
すると、読取装置190は、読み取った種別情報を制御装置176に送信し、当該種別情報を受信した制御装置176は、所定の処理を実行して、当該種別情報を一時的に記憶する。
なお、上記ステップS406における制御装置176の制御手順については、後述する。
【0146】
積込み側タグ付きバンドB1を読み取った後、作業者は、続いて読取装置190を用いて、荷卸し側タグ付きバンドB2を読み取り(ステップS407)、種別情報を取得する。
すると、読取装置190は、読み取った種別情報を制御装置176に送信する。また、当該種別情報を受信した制御装置176は、所定の演算処理を実行し、その演算結果に基づき、前述した妨害制御を解除、または継続する。
なお、上記ステップS407における制御装置176の制御手順については、後述する。
【0147】
上記ステップS407において、妨害制御が解除されると、作業者は、メインスイッチ172を上側に傾倒させて(ON操作して)、コンプレッサの回転数を調整可能な状態(ON状態)とするとともに、回転数調整スイッチ173を上側または下側に適宜傾倒させて、当該コンプレッサの回転数を増加させ、所定の設定圧力からなる圧縮空気をタンク本体141内に供給する。
これにより、タンク本体141内に積み込まれた粉粒体は、荷卸し側のサイロS2に排出される(ステップS408)。
なお、上記ステップS408における、制御装置176の制御手順については、前述した本実施形態における、ステップS207を実行する際の制御装置76の制御手順(図10を参照)と同等であるため、説明の記載は省略する。
【0148】
上記ステップS408において、予め設定された所定量の粉粒体が、タンク本体141内から荷卸し側のサイロS2に排出されると、作業者は、PTOスイッチをオフ操作する。
これにより、PTOは遮断状態に切替わり、コンプレッサが停止する(ステップS409)。
【0149】
PTOスイッチがオフ操作されると、メータパネル107は、供給電源との接続を遮断され、再び停止状態となる。
また、この際、制御装置176は、上記ステップS406によって一時的に記憶されていた種別情報をリセットするとともに、前述した妨害制御を開始する(ステップS410)。
【0150】
なお、上記ステップS410によって開始される妨害制御は、上述したように、上記ステップS407の演算結果によってのみ解除可能である。
つまり、本別実施形態においては、殆ど常に妨害制御が実行された状態となっている。
【0151】
メータパネル107が停止状態となった後、作業者は、排出管145、及び荷卸し側のサイロS2の受入管S2aより排出ホース108を取り外し、当該排出ホース8を所定の場所に戻した後、粉粒体運搬車101を発進させる(ステップS411)。
これにより、荷卸し作業を行う場合の、一連の作業手順が終了する。
【0152】
なお、上記ステップS406及び上記ステップS407を行う手順については、本実施形態に限定されるものではなく、先にステップS407を行った後に、ステップS406を行ってもよい。
本別実施形態においては、後述するステップS461~S463に示すようように、先にステップS406を行い、読取装置190によって積込み側タグ付きバンドB1を読み取るため、当該積込み側タグ付きバンドB1の種別情報が制御装置176の記憶部に記憶されるが、先にステップS407を行い、読取装置190によって荷卸し側タグ付きバンドB2を読み取る場合には、当該荷卸し側タグ付きバンドB2の種別情報が制御装置176の記憶部に記憶される。
【0153】
<上記ステップS406における制御装置176の制御手順>
ここで、上述したステップS406における制御装置176の制御手順について、図15を用いて説明する。
【0154】
読取装置190を用いて積込み側タグ付きバンドB1を読み取ると、読取装置190は、当該積込み側タグ付きバンドB1から取得した種別情報(以下、適宜「積込み側種別情報」と記載)を制御装置176に送信する(ステップS461)。
【0155】
読取装置190からの種別情報を受信した制御装置176は、記憶部において、当該種別情報を一時的に記憶する(ステップS462)。
このように、制御装置176は、読取装置190によって粉粒体の種別情報(積込み側種別情報)が入力され、入力された当該種別情報を記憶部にて一時的に記憶可能である。
【0156】
そして、制御装置176は、記憶した種別情報に基づき、粉粒体の種類(種別)を液晶画面171に表示する(ステップS463)。
例えば、図11(a)に示すように、種別情報に含まれる粉粒体の種別が、早強ポルトランドセメントである場合、メータパネル107の液晶画面171には、「早強H」と表示される。
なお、本別実施形態においては、ステップS463を実行することなく、粉粒体の種類(種別)を液晶画面171に表示しなくてもよい。
【0157】
上記ステップS463が終了することにより、上述したステップS406における、読取装置190及び制御装置176の一連の制御手順は終了する。
【0158】
<上記ステップS407における制御装置176の制御手順>
次に、上述したステップS407における制御装置176の制御手順について、図16を用いて説明する。
【0159】
読取装置190を用いて荷卸し側タグ付きバンドB2を読み取ると、読取装置190は、当該荷卸し側タグ付きバンドB2から取得した種別情報(以下、適宜「荷卸し側種別情報」と記載)を制御装置176に送信する(ステップS471)。
【0160】
読取装置190からの種別情報を受信した制御装置176は、当該種別情報(荷卸し側種別情報)における粉粒体の種類(種別)が、記憶部に記憶されている種別情報(積込み側種別情報)における粉粒体の種類(種別)と一致するか否かを判断する(ステップS472)。
【0161】
その結果、荷卸し側種別情報による種別が、積込み側種別情報による種別と一致しないと判断した場合(NO判定)、制御装置176は、妨害制御を継続する(ステップS473)。
また、制御装置176は、例えば図11(b)に示すように、荷卸し側種別情報による種別が、積込み側種別情報による種別と一致しない旨を、液晶画面171に表示する(ステップS474)。
【0162】
一方、荷卸し側種別情報による種別が、積込み側種別情報による種別と一致すると判断した場合(YES判定)、制御装置176は、妨害制御を解除して、コンプレッサの回転数の増加を許可する(ステップS475)。
また、制御装置176は、例えば図11(c)に示すように、荷卸し側種別情報による種別が、積込み側種別情報による種別と一致する旨を、液晶画面171に表示する(ステップS476)。
【0163】
なお、読取装置190による荷卸し側タグ付きバンドB2の読み取りが実行されない限り、妨害制御が継続されるのは言うまでもない。
【0164】
このように、制御装置176は、入力された種別情報(荷卸し側種別情報)に基づく粉粒体の種類が、先に入力された種別情報(積込み側種別情報)に基づく粉粒体の種類と一致するまで、コンプレッサからタンク104に供給される空気(圧縮空気)によって、タンク104内より粉粒体が排出されるのを妨げる妨害制御を実行する。
【0165】
上記ステップS474、またはステップS476が終了することにより、上述したステップS407における、読取装置190及び制御装置176の一連の制御手順は終了する。
【0166】
ところで、本別実施形態における荷卸し作業の作業手順においても、前述した本実施形態における荷卸し作業の作業手順と同様に、上記ステップS464によって妨害制御が開始された後、或いは、上記ステップS472におけるNO判定によって妨害制御が継続された場合(荷卸し側種別情報による種別が、積込み側種別情報による種別と一致せず、回転数調整スイッチ173の操作が許可されていない場合)であっても、緊急操作として、例えば特定の押圧釦を同時押しするなど、読取装置190による粉粒体の種別情報の入力操作以外の操作によって、妨害制御を強制的に解除可能な制御となっている。
【0167】
以上のように、本実施形態における粉粒体運搬車1は、積込み側のサイロ(第1のサイロ)S1より粉粒体を積み込んで運搬し、荷卸し側のサイロ(第2のサイロ)S2に当該粉粒体を排出して荷卸しする粉粒体運搬車である。
【0168】
そして、粉粒体運搬車1は、車体2と、車体2に搭載され、粉粒体を積込み可能なタンク4と、タンク4内に空気(本実施形態においては、所定の設定圧力からなる圧縮空気)を供給し、当該タンク内に積み込まれた粉粒体を外部に排出可能なコンプレッサと、タンク4内に所定の設定圧力からなる圧縮空気を供給し、当該タンク4内に積み込まれた粉粒体を外部に排出可能なコンプレッサ5と、積込み側のサイロS1に設けられ、当該積込み側のサイロS1に貯溜された粉粒体の種別情報(積込み側種別情報)を記憶した積込み側RFタグ(情報記録媒体)T1を読み取る読取装置90と、読取装置90によって読み取られた前記種別情報(積込み側種別情報)に基づき、前記粉粒体の種類を液晶画面(表示手段)71に表示する制御装置76とを備える構成となっている。
【0169】
また、本実施形態における粉粒体の運搬方法は、粉粒体運搬車1によって、積込み側のサイロ(第1のサイロ)S1より粉粒体を積み込んで運搬し、荷卸し側のサイロ(第2のサイロ)S2に当該粉粒体を排出して荷卸しする粉粒体の運搬方法である。
【0170】
そして、積込み側のサイロS1には、当該積込み側のサイロS1に貯溜された粉粒体の種別情報(積込み側種別情報)を記憶した積込み側RFタグ(情報記録媒体)T1が設けられており、読取装置90によって積込み側RFタグT1を読み取り、当該読取装置90によって読み取られた前記種別情報(積込み側種別情報)に基づき、粉粒体運搬車1に備えられた制御装置76の液晶画面(表示手段)71に、前記粉粒体の種類を表示する構成となっている。
【0171】
なお、本実施形態における粉粒体の運搬方法において、読取装置90については、前述したように、粉粒体運搬車1の専用機器として備えられた携帯式の端末装置(スマートフォン)に限定されるものではなく、例えば、粉粒体運搬車1を使用するもの(作業者または会社等)が個別に所有している、携帯式の端末装置(スマートフォン)などであってもよい。
【0172】
このような構成を有することにより、本実施形態における粉粒体運搬車1、及び粉粒体の運搬方法によれば、例えば積込み側のサイロS1において、当該サイロS1の蓋を開けて内部を確認するような大掛かりな作業を行う必要も無く、液晶画面71に表示された画像を視認するだけで、積込み側のサイロS1に貯溜されている粉粒体の種類を直ちに確認することができる。
【0173】
従って、積込み側のサイロS1より粉粒体をタンク4内に積み込む際に、予定していた種類と異なる種類の粉粒体を誤って積み込んでしまうのを、容易に防止することができ、例えば荷卸し側のサイロS2において、予め決められている種類と異なる種類の粉粒体が誤って荷卸しされる(誤納品される)のを抑制することができる。
【0174】
また、本実施形態における粉粒体運搬車1、及び別実施形態における粉粒体運搬車101は、積込み側のサイロ(第1のサイロ)S1より粉粒体を積み込んで運搬し、荷卸し側のサイロ(第2のサイロ)S2に当該粉粒体を排出して荷卸しする粉粒体運搬車である。
【0175】
そして、粉粒体運搬車1(101)は、車体2(102)と、車体2(102)に搭載され、粉粒体を積込み可能なタンク4(104)と、タンク4(104)内に空気(圧縮空気)を供給し、当該タンク4(104)内に積み込まれた粉粒体を外部に排出可能なコンプレッサ5と、粉粒体の種別情報が入力され、入力された当該種別情報を一時的に記憶可能な制御装置76(176)とを備えている。
また、制御装置76(176)は、入力された前記種別情報(例えば、荷卸し側種別情報)に基づく粉粒体の種類が、先に入力された前記種別情報(例えば、積込み側種別情報)に基づく粉粒体の種類と一致するまで、上記空気(圧縮空気)によってタンク4(104)内より粉粒体が排出されるのを妨げる妨害制御を実行する構成となっている。
【0176】
このような構成を有することにより、本実施形態における粉粒体運搬車1、及び別実施形態における粉粒体運搬車101によれば、例えば、荷卸し側のサイロS2にて入力された種別情報(荷卸し側種別情報)に基づく粉粒体の種類が、積込み側のサイロS1にて先に入力された種別情報(積込み側種別情報)に基づく粉粒体の種類と一致するまで、上記妨害制御を継続して実行することにより、予め決められている種類と異なる種類の粉粒体が、当該荷卸し側のサイロS2に誤って荷卸しされる(誤納品される)のを抑制することができる。
【0177】
以上、本発明を具現化する一実施形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、及び範囲内の全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0178】
1、101 粉粒体運搬車
2、102 車体
4、104 タンク
5 コンプレッサ
71 液晶画面(表示手段)
76、176 制御装置
90 読取装置
S1 積込み側のサイロ(第1のサイロ)
S2 荷卸し側のサイロ(第2のサイロ)
T1 積込み側RFタグ(情報記録媒体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16