(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178082
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】データ管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241217BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
H04N1/00 E
H04N1/00 127Z
G06F3/12 355
G06F3/12 303
G06F3/12 357
G06F3/12 329
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023159187
(22)【出願日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2023096529
(32)【優先日】2023-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本田 卓也
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC42
5C062AF01
5C062AF14
5C062AF15
5C062BA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】設定項目を含むデータを情報処理装置と記憶部との間で同期させて管理するデータ管理システムにおいて、情報処理装置の仕様が変更された場合に、設定条件の変更箇所を少なくしたデータ管理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】クラウドサーバのプロセッサは、パラメータの設定が可能な設定項目を含むデータを、管理対象である情報処理装置である画像形成装置10A、10Bとの間で定期的に同期処理を行ってクラウドサーバ20内の第1の記憶部に記憶し、データの設定項目におけるパラメータの設定条件が記憶されているクラウドサーバ20内の第2の記憶部から設定条件を取得し、第1の記憶部に記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、第2の記憶部から取得した設定条件を満たすように、パラメータを変更する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
パラメータの設定が可能な設定項目を含むデータを、管理対象である情報処理装置との間で定期的に同期させて第1の記憶部に記憶し、
データの設定項目におけるパラメータの設定条件が記憶されている第2の記憶部から設定条件を取得し、
前記第1の記憶部に記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、前記第2の記憶部から取得した設定条件を満たすように、パラメータを変更する
データ管理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、起動時に前記第2の記憶部から設定条件を新たに取得する
請求項1に記載のデータ管理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1の記憶部、ユーザがパラメータを入力するためのアプリケーションプログラムが実行されている装置、前記情報処理装置のうちの少なくとも1つに、新たに取得した設定条件を送信する
請求項2に記載のデータ管理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第1の記憶部、ユーザがパラメータを入力するためのアプリケーションプログラムが実行されている装置、前記情報処理装置のうちの少なくとも1つに、新たに取得した設定条件にアクセスするためのアドレス情報を送信する
請求項2に記載のデータ管理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第1の記憶部に記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、前記第2の記憶部に対して前回取得時から設定項目が更新されているか問い合わせ、設定項目が更新されている場合には、前記第2の記憶部から設定条件を新たに取得する
請求項1に記載のデータ管理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第1の記憶部に記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、前記第2の記憶部に対して前回取得時から設定項目が更新されているか問い合わせ、設定項目が更新されていない場合には、前記第2の記憶部から設定条件を取得しない
請求項5に記載のデータ管理システム。
【請求項7】
管理対象である前記情報処理装置が複数であり、
前記プロセッサは、前記情報処理装置の仕様毎に定められている設定条件を前記第2の記憶部から取得し、当該設定条件を満たすようにパラメータを変更する、
請求項1に記載のデータ管理システム。
【請求項8】
パラメータの設定が可能な設定項目を含むデータを、管理対象である情報処理装置との間で定期的に同期させて第1の記憶部に記憶するステップと、
データの設定項目におけるパラメータの設定条件が記憶されている第2の記憶部から設定条件を取得するステップと、
前記第1の記憶部に記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、前記第2の記憶部から取得した設定条件を満たすように、パラメータを変更するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データ管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ジョブデータのジョブチケットに含まれる設定情報と、画像処理装置で処理が許可されない設定情報の組み合わせの情報を含んで構成される不許可情報と、画像処理装置で処理し得る設定情報を含んで構成される規定情報とから、画像処理装置で処理が許可される設定情報の組み合わせの情報を特定し、ジョブデータのジョブチケットに含まれる設定情報のうち、不許可情報に該当する組み合わせの情報が特定した組み合わせの情報に変更されたジョブチケットをジョブデータの送信元に送信する画像処理装置が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、画面データとともに設定画面における禁則処理を記述した禁則処理プログラムを操作パネル部に送信するコントローラと、コントローラから画面データを禁則処理プログラムとともに受信する通信制御部、受信された画面データに基づいて表示装置に設定画面を表示させる表示処理部、及び、禁則処理プログラムに従って設定画面における設定に対する禁則処理を行う禁則処理部を備える操作パネル部と、を備えた画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-030449号公報
【特許文献2】特許第5286240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パラメータの設定が可能な設定項目を含むデータを、管理対象である情報処理装置との間で定期的に同期させて記憶部に記憶し、情報処理装置の設定を変更する際に、記憶部に記憶されているデータの設定項目を変更することにより、情報処理装置の設定を変更するデータ管理システムが考えられる。
【0006】
データの設定項目には、情報処理装置の仕様毎にパラメータに設定条件がある。データ管理システム、データ管理システムにおいてパラメータを入力するためのアプリケーション、及び、情報処理装置等は、設定条件から外れたパラメータが入力された場合に、パラメータの入力を受け付けないように構成される。
【0007】
そのため、管理対象である情報処理装置の仕様が変更されると、データ管理システム、アプリケーション、及び、情報処理装置等の複数の箇所で、新しい仕様に対応した設定条件に変更する必要が生じる。
【0008】
本発明の目的は、設定項目を含むデータを情報処理装置と記憶部との間で同期させて管理するデータ管理システムにおいて、情報処理装置の仕様が変更された場合に、関係する装置及びアプリケーションについて個々に設定条件を変更する場合と比較して、設定条件の変更箇所を少なくしたデータ管理システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1態様のデータ管理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、パラメータの設定が可能な設定項目を含むデータを、管理対象である情報処理装置との間で定期的に同期させて第1の記憶部に記憶し、データの設定項目におけるパラメータの設定条件が記憶されている第2の記憶部から設定条件を取得し、前記第1の記憶部に記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、前記第2の記憶部から取得した設定条件を満たすように、パラメータを変更する。
【0010】
第2態様のデータ管理システムは、第1態様のデータ管理システムにおいて、前記プロセッサは、起動時に前記第2の記憶部から設定条件を新たに取得する。
【0011】
第3態様のデータ管理システムは、第2態様のデータ管理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第1の記憶部、ユーザがパラメータを入力するためのアプリケーションプログラムが実行されている装置、前記情報処理装置のうちの少なくとも1つに、新たに取得した設定条件を送信する。
【0012】
第4態様のデータ管理システムは、第2態様のデータ管理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第1の記憶部、ユーザがパラメータを入力するためのアプリケーションプログラムが実行されている装置、前記情報処理装置のうちの少なくとも1つに、新たに取得した設定条件にアクセスするためのアドレス情報を送信する。
【0013】
第5態様のデータ管理システムは、第1態様のデータ管理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第1の記憶部に記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、前記第2の記憶部に対して前回取得時から設定項目が更新されているか問い合わせ、設定項目が更新されている場合には、前記第2の記憶部から設定条件を新たに取得する。
【0014】
第6態様のデータ管理システムは、第5態様のデータ管理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第1の記憶部に記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、前記第2の記憶部に対して前回取得時から設定項目が更新されているか問い合わせ、設定項目が更新されていない場合には、前記第2の記憶部から設定条件を取得しない。
【0015】
第7態様のデータ管理システムは、第1態様のデータ管理システムにおいて、管理対象である前記情報処理装置が複数であり、前記プロセッサは、前記情報処理装置の仕様毎に定められている設定条件を前記第2の記憶部から取得し、当該設定条件を満たすようにパラメータを変更する。
【0016】
第8態様のプログラムは、パラメータの設定が可能な設定項目を含むデータを、管理対象である情報処理装置との間で定期的に同期させて第1の記憶部に記憶するステップと、データの設定項目におけるパラメータの設定条件が記憶されている第2の記憶部から設定条件を取得するステップと、前記第1の記憶部に記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、前記第2の記憶部から取得した設定条件を満たすように、パラメータを変更するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
第1態様のデータ管理システムによれば、情報処理装置の仕様が変更された場合に、関係する装置及びアプリケーションについて個々に設定条件を変更する場合と比較して、設定条件の変更箇所を少なくすることができる。
【0018】
第2態様のデータ管理システムによれば、プロセッサの起動の度に、設定条件を更新できる。
【0019】
第3態様のデータ管理システムによれば、第1の記憶部、アプリケーション、及び、情報処理装置のうちの少なくとも1つについて、プロセッサの起動の度に、設定条件を更新できる。
【0020】
第4態様のデータ管理システムによれば、第1の記憶部、アプリケーション、及び、情報処理装置のうちの少なくとも1つについて、プロセッサの起動の度に、設定条件を更新できる。
【0021】
第5態様のデータ管理システムによれば、最新の設定条件に基づいて、パラメータを設定できる。
【0022】
第6態様のデータ管理システムによれば、不要な通信を抑えることができる。
【0023】
第7態様のデータ管理システムによれば、管理対象である情報処理装置が複数あって、それぞれの情報処理装置の仕様が異なる場合においても、個々に設定条件を変更する場合と比較して、設定条件の変更箇所を少なくすることができる。
【0024】
第8態様のプログラムによれば、情報処理装置の仕様が変更された場合に、関係する装置及びアプリケーションについて個々に設定条件を変更する場合と比較して、設定条件の変更箇所を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示の一実施形態の情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】クラウドサーバと画像形成装置との間で行われる同期処理を説明するための図である。
【
図3】上記実施形態におけるクラウドサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】上記実施形態におけるクラウドサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図5】上記実施形態の情報処理システムにおけるシステムデータ辞書の一例を示す図である。
【
図6】上記実施形態の情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図7】上記実施形態における情報処理システムにおけるシステム起動時の処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図8】上記実施形態における情報処理システムにおける設定変更時の処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図9】本開示の第二実施形態の情報処理システムにおけるシステムデータ辞書の一例を示す図である。
【
図10】本開示の第二実施形態における情報処理システムにおけるシステム起動時の処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図11】上記実施形態における情報処理システムにおける実デバイスの状態をフォームに表示する処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
[第一実施形態]
図1は、本開示の第一実施形態の情報処理システムのシステム構成を示す図である。
図2は、クラウドサーバ20と画像形成装置10A、10Bとの間で行われる同期処理を説明するための図である。
【0028】
図1に示すように、本開示の第一実施形態の情報処理システムは、拠点Aに設置された2台の画像形成装置10A、10Bとクラウドサーバ20とが、インターネット30を介して接続された構成となっている。そして、画像形成装置10A、10Bは、拠点A内においてネットワーク40により相互に接続されている。なお、画像形成装置10A、10Bは、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。なお、以後の説明において、画像形成装置10A、10Bを特に区別しない場合は、単に画像形成装置10と称する。
【0029】
図2に示すように、クラウドサーバ20は、インターネット30により接続された物理デバイス内に格納されている設定情報、履歴情報、状態情報、装置情報、宛先表等の各種データを、物理デバイスとの間で同期して保持するデジタルシャドウと呼ばれるサービスを提供している。
【0030】
具体的には、クラウドサーバ20は、画像形成装置10の設定情報、履歴情報、状態情報、装置情報、宛先表等の各種データを、画像形成装置10との間で同期処理を行いつつ記憶している。クラウドサーバ20は、本開示の技術におけるデータ管理システムの一例である。
【0031】
このようなサービスによれば、ある装置を管理する端末装置が、管理対象の装置と直接接続できない場合でもその装置の状態の確認や、設定変更等の管理を行うことができる。例えば、外部の端末装置60が画像形成装置10Aの設定情報を変更しようとする場合について説明する。先ず、外部の端末装置60がクラウドサーバ20内の画像形成装置10Aの設定情報を変更する。すると、画像形成装置10Aは、クラウドサーバ20との間で同期処理を実行した際に、更新された設定情報を取得して自装置の設定情報を変更する。
【0032】
つまり、このようなサービスを利用することにより、外部の端末装置60は、拠点Aに設定された画像形成装置10と接続できない場合でも、画像形成装置10の状態の確認、設定情報の更新等を実行することができるようになる。
【0033】
次に、クラウドサーバ20について詳細に説明する。
図3は、本実施形態におけるクラウドサーバ20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0034】
図3に示すように、クラウドサーバ20は、CPU(Central Processing Unit)21、メモリ22、ハードディスクドライブ等の記憶装置23、外部の装置等との間でデータの送受信を行う通信インタフェース(以下、IFと略す)24、及び、制御バス25を有する。CPU21、メモリ22、記憶装置23、及び、通信IF24は、制御バス25を介して互いに接続されている。
【0035】
CPU21は、メモリ22又は記憶装置23に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、クラウドサーバ20の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU21は、メモリ22又は記憶装置23内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、これに限定されるものではない。この制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、このプログラムをCD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくは、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、この制御プログラムを、通信IF24に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【0036】
図4は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現されるクラウドサーバ20の機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施形態のクラウドサーバ20は、制御部51、データ送受信部52、第1の記憶部53、及び、第2の記憶部54を有する。
【0037】
制御部51は、クラウドサーバ20の全体動作の制御処理、及び、端末装置60等の外部端末に対して画像形成装置10の設定情報のパラメータ等を入力するためのアプリケーションの提供等を行う。また、制御部51は、後述のデジタルシャドウを管理するフレームワークとしての機能を有する。データ送受信部52は、外部の装置との間でデータの送受信を行う。
【0038】
第1の記憶部53は、画像形成装置10等の管理対象の機器との間で同期処理を行って各種情報を記憶するデジタルシャドウとして機能を有する。第2の記憶部54は、後述のシステムデータ辞書を記憶する共用ストレージとしての機能を有する。以後の説明では、第1の記憶部53をデジタルシャドウ、第2の記憶部54を共用ストレージと呼称する場合がある。
【0039】
なお、本実施形態では、デジタルシャドウ及び共用ストレージは共にクラウドサーバ20に搭載されているものとしているが、インターネット30に接続されている他の機器に対して個別もしくは共通に搭載してもよい。
【0040】
上記の情報処理システムにおいて、設定情報の各設定項目には、画像形成装置10等の管理対象の機器の仕様毎にパラメータに設定条件がある。
【0041】
クラウドサーバ20、クラウドサーバ20においてパラメータを入力するためのアプリケーション、及び、画像形成装置10等の管理対象の機器は、設定条件から外れたパラメータが入力された場合に、パラメータの入力を受け付けないように構成される。
【0042】
そのため、画像形成装置10等の管理対象の機器の仕様が変更されると、クラウドサーバ20、アプリケーション、及び、画像形成装置10等の複数の箇所で、新しい仕様に対応した設定条件に変更する必要が生じる。
【0043】
そこで、本実施形態の情報処理システムでは、以下において説明するような制御が行われることにより、画像形成装置10等の管理対象の機器の仕様が変更された場合に、関係する装置及びアプリケーションについて個々に設定条件を変更する場合と比較して、設定条件の変更箇所を少なくすることができるようにしている。以後の説明では、画像形成装置10等の機器を実デバイスと呼称する場合がある。
【0044】
すなわち、制御部51は、パラメータの設定が可能な設定項目を含むデータを、実デバイスとの間で定期的に同期させてデジタルシャドウに記憶し、データの設定項目におけるパラメータの設定条件が記憶されている共用ストレージから設定条件を取得し、デジタルシャドウに記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、共用ストレージから取得した設定条件を満たすように、パラメータを変更する。
【0045】
具体的には、本実施形態の情報処理システムでは、設定情報の設定項目毎に設定条件を記憶したシステムデータ辞書(System Data Dictionary)を用いて、設定情報の管理が行われる。このシステムデータ辞書は、端末装置60等の外部機器により編集され、共用ストレージに記憶される。
【0046】
また、基本的に、システムデータ辞書は、実デバイスの機種毎に用意される。また、システムデータ辞書は、同一機種であっても制御ソフトウェアのバージョンが異なる場合には、バージョン毎に用意される。
【0047】
ただし、例えば、同系列の機種の場合には、システムデータ辞書の内容が同じになる場合がある。また、制御ソフトウェアのバージョンが異なったとしても、設定情報の内容に変更が無い場合には、システムデータ辞書の内容が同じになる場合がある。このように、共通でシステムデータ辞書を使用できるものについては、1つのシステムデータ辞書のみ記憶するようにしてもよい。
【0048】
ここで、本実施形態の情報処理システムにおけるシステムデータ辞書について説明する。
図5は、システムデータ辞書の一例を示す図である。
【0049】
図5に示すように、システムデータ辞書は、設定項目毎に、「SDD-ID」、「設定名称」、「アクセス権」、「内部データ」、「外部インタフェース(以下、IFと略す)」、「データ型」、「値域」、「有効条件」、「組み合わせ」、及び、「一意性」の情報を有する。
【0050】
「SDD-ID」は、設定項目毎に付与されるIDを示す情報である。「設定名称」は、当該設定項目の名称を示す情報である。「アクセス権」は、当該設定項目にアクセス可能な対象を示す情報である。「内部データ」は、当該設定項目の内部データを示す情報である。「外部IF」は、当該設定項目が利用する外部IFを示す情報である。
【0051】
「データ型」は、当該設定項目のデータ形式を示す情報である。「値域」は、当該設定項目において設定可能なデータの値の範囲を示す情報である。「有効条件」は、当該設定項目を有効化する条件を示す情報である。「組み合わせ」は、当該設定項目と組み合わせて使用されるデータを示す情報である。「一意性」は、当該設定項目のパラメータに対する一意性の要・不要を示す情報である。
【0052】
「設定名称」、「アクセス権」、「内部データ」、及び、「外部IF」の情報は、設定項目の内容を示す設定項目情報である。また、「データ型」、「値域」、「有効条件」、「組み合わせ」、及び、「一意性」の情報は、各設定項目のパラメータを設定する際の設定条件である。
【0053】
次に、本実施形態の情報処理システムの機能構成について説明する。
図6は、本実施形態の情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【0054】
図6に示すように、クラウドサーバ20は、デジタルシャドウDS、デジタルシャドウを管理するフレームワークDF、及び、共用ストレージSSとしての機能を有する。また、クラウドサーバ20は、実デバイスRDのパラメータ等を入力するためのアプリケーションAPPの提供を行う。
【0055】
例えば、実デバイスRDとして画像形成装置10Aの制御ソフトウェアのバージョンが更新され、設定情報の設定項目毎の設定条件の仕様が変化した場合、例えば管理ユーザ等により新たな仕様書に基づいて、新たなシステムデータ辞書SDDが作成され、共用ストレージSSに格納される。
【0056】
フレームワークDFは、デジタルシャドウDSに記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、共用ストレージSSから取得したシステムデータ辞書SDDを満たすように、パラメータを変更する。
【0057】
パラメータの変更について、フレームワークDFが自発的にパラメータを変更する場合には、システムデータ辞書SDDに含まれる設定条件を満たす範囲で、パラメータを変更する。
【0058】
また、アプリケーションAPPを介してユーザの入力に基づいてパラメータを変更する場合において、設定条件から外れたパラメータが入力された場合は、設定条件から外れたパラメータが入力されたことをユーザに通知して修正を促し、設定条件を満たすパラメータをユーザに再入力させた上で、パラメータを変更するようにしてもよい。
【0059】
また、アプリケーションAPPを介してユーザの入力に基づいてパラメータを変更する場合において、設定条件から外れたパラメータが入力された場合は、フレームワークDFにおいて設定条件を満たすようにユーザが入力したパラメータを修正した上で、パラメータを変更するようにしてもよい。この場合、例えば、上限値を超えた数値が入力された場合は上限値に修正する、半角入力が必要な項目で全角入力された場合は半角に修正する、等の処理を行なってもよい。
【0060】
情報処理システムにおいてパラメータを変更する際には、デジタルシャドウDS、フレームワークDF、アプリケーションAPP、及び、実デバイスRDは、共用ストレージSSのシステムデータ辞書SDDを共通に参照し、各々の箇所において、システムデータ辞書SDDの中から必要な情報を用いて処理を行なう。
【0061】
例えば、アプリケーションAPPは、「設定名称」、「アクセス権」、及び、「値域」等の情報を用いて、ユーザに新たなパラメータを入力させる。また、フレームワークDFは、「データ型」、及び、「一意性」等の情報を用いて、デジタルシャドウDSに記憶させる設定情報の正確性を確認する。
【0062】
また、フレームワークDFによりデジタルシャドウDSに記憶されている設定情報を実デバイスRDに同期させる処理が行われた場合、実デバイスRDは、新たなパラメータの書き込みの際に、「内部データ」、「外部IF」、「データ型」、「値域」、「有効条件」、「組み合わせ」、及び、「一意性」等の情報を用いて、実デバイスRDに記憶させる設定情報の正確性を確認する。
【0063】
なお、本実施形態においては、実デバイスRD、すなわち画像形成装置10の設定値は、「パラメータの設定が可能な設定項目を含むデータ」の一例であり、実デバイスRD、すなわち画像形成装置10は、「管理対象である情報処理装置」の一例である。また、システムデータ辞書SDDに記憶されている各項目が、「設定条件」の一例である。また、実デバイスRDの設定値が「パラメータ」の一例であり、実デバイスRDの設定値を変更することが「パラメータを変更する」一例である。
【0064】
本実施形態の情報処理システムのクラウドサーバ20において、フレームワークDFは、起動時に共用ストレージSSからシステムデータ辞書SDDを新たに取得するようにしてもよい。
【0065】
この場合、フレームワークDFは、デジタルシャドウDS、アプリケーションAPPが実行されている装置(本実施形態ではフレームワークDF)、実デバイスRDのうちの少なくとも1つに、新たに取得したシステムデータ辞書SDDを送信するようにしてもよいし、新たに取得したシステムデータ辞書SDDにアクセスするためのアドレス情報を送信するようにしてもよい。
【0066】
また、フレームワークDFは、デジタルシャドウDSに記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、共用ストレージSSに対して前回取得時から設定項目が更新されているか問い合わせ、設定項目が更新されている場合には、共用ストレージSSから設定条件を新たに取得し、設定項目が更新されていない場合には、共用ストレージSSから設定条件を取得しないようにしてもよい。
【0067】
次に、本実施形態の情報処理システムの処理の流れについて、シーケンス図を参照して説明する。最初に、
図7を参照して、本実施形態における情報処理システムにおけるシステム起動時の処理の流れについて説明する。
【0068】
フレームワークDFが管理している実デバイスRDにおいて仕様変更があった場合、
図7に示すように、ステップ1において、例えば管理ユーザ等のユーザにより、新たな仕様に則したシステムデータ辞書SDDが作成される。
【0069】
次に、ステップ2において、システムデータ辞書SDDが作成された端末装置PCから、システムデータ辞書SDDが共用ストレージSSに送信され、共用ストレージSSに保存される。
【0070】
次に、ステップ3において、フレームワークDFは、起動時に共用ストレージSSからシステムデータ辞書SDDを新たに取得し、フレームワークDF内に保存する。
【0071】
次に、ステップ4aにおいて、アプリケーションAPPは、起動時にフレームワークDF経由でシステムデータ辞書SDDを新たに取得し、アプリケーションAPP内に保存する。また、ステップ4bにおいて、デジタルシャドウDSは、起動時にフレームワークDF経由でシステムデータ辞書SDDを新たに取得し、デジタルシャドウDS内に保存する。また、ステップ4cにおいて、実デバイスRDは、起動時にフレームワークDF経由でシステムデータ辞書SDDを新たに取得し、実デバイスRD内に保存する。
【0072】
なお、ステップ4a、4b、4cの処理は順不同であり、処理の順番は問わない。また、ステップ4a、4b、4cのうちの複数の処理を同時並列的に行ってもよい。
【0073】
次に、
図8を参照して、本実施形態における情報処理システムにおける設定変更時の処理の流れについて説明する。
【0074】
設定変更時には、例えば管理ユーザ等のユーザにより端末装置PCを介してアプリケーションAPPが起動され、
図8に示すように、ステップ5において、アプリケーションAPPの処理により端末装置PCにおいて設定の入力フォームが表示される。
【0075】
次に、ステップ6において、ユーザはアプリケーションAPPの入力フォームにおいて新たな設定値を入力する。
【0076】
次に、ステップ7において、アプリケーションAPPは、ステップ4aにおいて取得したシステムデータ辞書SDDに基づいて、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致しているか判定する。
【0077】
ステップ7における判定の結果、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致していない場合には、ステップ7aにおいて、アプリケーションAPPは、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致していないことをユーザに通知し、再度パラメータを入力させる。
【0078】
ステップ7における判定の結果、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致している場合には、ステップ7bにおいて、アプリケーションAPPは、フレームワークDFに対してパラメータの変更を指示する。
【0079】
次に、ステップ8において、フレームワークDFは、最終的な確認として、再度共用ストレージSSに保存されているシステムデータ辞書SDDにアクセスし、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致しているか判定する。その後、フレームワークDFは、ユーザが入力したパラメータを、アプリケーションAPP、デジタルシャドウDS、及び、実デバイスRDと共有する。
【0080】
次に、ステップ9において、アプリケーションAPPは、ステップ4aにおいて取得したシステムデータ辞書SDDに基づいて、フレームワークDFから受信したユーザが入力したパラメータが設定条件に合致しているか判定する。
【0081】
ステップ9における判定の結果、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致していない場合には、ステップ9aにおいて、アプリケーションAPPは、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致していないことをユーザに通知し、再度パラメータを入力させる。
【0082】
ステップ9における判定の結果、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致している場合には、ステップ9bにおいて、アプリケーションAPPは、デジタルシャドウDSに対してパラメータの変更を指示する。
【0083】
次に、ステップ10において、デジタルシャドウDSは、ステップ4bにおいて取得したシステムデータ辞書SDDに基づいて、アプリケーションAPPから受信したユーザが入力したパラメータが設定条件に合致しているか判定する。
【0084】
ステップ10における判定の結果、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致していない場合には、ステップ10aにおいて、デジタルシャドウDSは、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致していないことをフレームワークDF及びアプリケーションAPPを経由してユーザに通知し、再度パラメータを入力させる。
【0085】
ステップ10における判定の結果、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致している場合には、ステップ10bにおいて、デジタルシャドウDSは、実デバイスRDに対してパラメータの変更を指示する。
【0086】
次に、ステップ11において、実デバイスRDは、ステップ4cにおいて取得したシステムデータ辞書SDDに基づいて、デジタルシャドウDSから受信したユーザが入力したパラメータが設定条件に合致しているか判定する。
【0087】
ステップ11における判定の結果、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致していない場合には、ステップ11aにおいて、実デバイスRDは、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致していないことをフレームワークDF及びアプリケーションAPPを経由してユーザに通知し、再度パラメータを入力させる。
【0088】
ステップ11における判定の結果、ユーザが入力したパラメータが設定条件に合致している場合には、ステップ11bにおいて、実デバイスRDは、ユーザが入力したパラメータのデータ書込を行い、データ書込の成功又は失敗の結果を、フレームワークDF及びアプリケーションAPPを経由してユーザに通知し、処理を終了する。
【0089】
続いて、本開示の第二実施形態の情報処理システムについて、
図9~
図11を参照しながら説明する。
【0090】
[第二実施形態]
第二実施形態のクラウドサーバ20は、
図10に示されるように、管理対象である画像形成装置10が複数であり、画像形成装置毎に対応する複数のデジタルシャドウDSの機能を有する。複数の画像形成装置10は、それぞれ仕様が異なる。一例として、画像形成装置10Aは、製品仕様として通信IF24を有した状態で出荷される。一方、画像形成装置10Bは、出荷時において通信IF24を有しておらず、拠点Aに設置された後にユーザによって通信IF24が取り付けられる。本実施形態の説明では、画像形成装置10の仕様として、通信IF24を出荷時において備えていた場合を「Native実装」と称し、出荷後、ユーザによって通信IF24が取り付けられた場合を「Plugin実装」と称する。なお、
図10には、実デバイスRD1及び実デバイスRD3のそれぞれが、画像形成装置10Aとして示されているが、これらは互いに同じ製品仕様とされている。
【0091】
なお、本実施形態に係るその他の構成は、第一実施形態のデータ管理システムに係る構成と同様であり、具体的な説明を省略する。
【0092】
図9は、本実施形態に係るデータ管理システムのシステムデータ辞書SDDの一例を示す図である。本実施形態に係るシステムデータ辞書SDDは、「SDD-ID」、「RD実装方式」、「変換ルール」、「内部データID」、「内部データ取得IF」の項目を有する。
【0093】
「RD実装方式」は、画像形成装置10が通信IF24の実装方式によって、「変換ルール」、「内部データID」、「内部データ取得IF」の参照する値を変化させることを規定する情報である。
【0094】
例えば、
図9では、画像形成装置10Aのように「Native実装」により通信IFを有する場合、デジタルシャドウDSに送信するデータのうちSDD-02の情報については、変数「Data_C」の値を、内部装置から参照して送信することが規定されている。より具体的には、後述する情報処理システムの処理の流れにおいて、デジタルシャドウDSからSDD-02のデータが要求された場合には、実デバイスRDは、「Data_C」の値を内部装置から参照して送信することが規定されている。
【0095】
一方、画像形成装置10Bのように「Plugin実装」により通信IF24を有する場合、デジタルシャドウに送信するデータとしては、SDD-02の情報については「Data_ver」の値によって異なる値を送信することが規定されている。より具体的には、後述する情報処理システムの処理の流れにおいて、デジタルシャドウDSからSDD-02のデータが要求された場合には、実デバイスRDは、「Data_ver」の値によって異なる値を送信することが規定されている。また
図9においては、「Data_ver」の値が12を超える場合、外部ポートWから取得した値を「Data_W」の値として送信することが規定されている。また、「Data_ver」の値が12以下である場合、外部ポートWから取得した値を整数型に変換してから「Data_W」の値として送信することが規定されている。
【0096】
ここで上述の通り、本実施形態においては、システムデータ辞書SDDには、画像形成装置10の仕様に応じて異なる値を参照して送信することが規定されている。通信IF24の実装方式は、本実施形態における「情報処理装置の仕様」の一例である。また、通信IF24の実装方式に応じて、デジタルシャドウDSに送付するデータを変える規定は、本実施形態における「設定条件」の一例である。また、デジタルシャドウDSに送付する際に実デバイスRDで参照するデータは、本実施形態における「パラメータ」の一例である。すなわち、画像形成装置10の通信IF24の実装方法毎にデジタルシャドウDSに送信するデータの参照先を変更することは、本実施形態における、「情報処理装置の仕様毎に、第2の記憶部に定められている設定条件を用いてパラメータを変更する」ことに相当する。
【0097】
また言い換えれば、
図9における「RD実装方式」「変換ルール」、「内部データ取得IF」の項目は、本実施形態における「情報処理装置の仕様」、「設定条件」、「パラメータ」のそれぞれの一例である。
【0098】
なお、システムデータ辞書SDDには、クラウドサーバ20と通信する画像形成装置10の仕様が全て含まれるように規定されていることが好ましい。
【0099】
本実施形態の情報処理システムの処理の流れは、
図10に示されるシーケンス図のように、第一実施形態に係る処理の流れにおけるステップ4b、4cを除いて同様である。なお、
図10において、RD1、RD2、及びRD3は、それぞれ異なる実デバイスRDを指し、DS1、DS2、及びDS3は、それぞれRD1、RD2、及びRD3と対応するデジタルシャドウDSを指す。以後の説明において、複数の実デバイスRD及びデジタルシャドウDSを区別する場合は、符号の末尾に1から3の数字を付して示す。
【0100】
そして本実施形態に係るステップ4b1、4b2、4b3は、第一実施形態に係るステップ4bに相当する。また、本実施形態に係るステップ4c1、4c2、4c3は、第一実施形態に係るステップ4cに相当する。
【0101】
なお、ステップ4a、4b1、4b2、4b3、4c1、4c2、4c3の処理は順不同であり、処理の順番は問わない。また、ステップ4a、4b1、4b2、4b3、4c1、4c2、4c3のうちの複数の処理を同時並列的に行ってもよい。
【0102】
次に、
図11を参照して、本実施形態における情報処理システムにおける実デバイスRDの状態をフォームに表示する処理の流れについて説明する。なお、本実施形態におけるステップ1からステップ4までは、第一実施形態に係る情報処理システムの処理の流れと同様であるため、図示及び説明を省略している。なお、
図11において、デジタルシャドウDS及び実デバイスRDは、それぞれ一つずつ表示されているが、これは複数のデジタルシャドウDS及び複数の実デバイスRDのうちいずれかが示されている。
【0103】
例えば管理ユーザ等のユーザにより端末装置PCを介してアプリケーションAPPが起動されると、
図11に示すように、ステップ5において、アプリケーションAPPの処理により端末装置PCにおいて設定の入力フォームが表示される。
【0104】
次に、ステップ6において、アプリケーションAPPは、フレームワークDFに対してデジタルシャドウDSからデータの取得を指示する。
【0105】
次に、ステップ7において、フレームワークDFは、デジタルシャドウDSに提供を支持する。
【0106】
次に、ステップ8において、デジタルシャドウDSは、ステップ4bにおいて取得したシステムデータ辞書SDDに含まれるSDD-ID名のデータを実デバイスRDに要求する。
【0107】
次に、ステップ9において、実デバイスRDは、ステップ4cにおいて取得したシステムデータ辞書SDDの内部データIDに基づいて、要求されたSDD-ID名のデータの変換ルール及び内部データを取得するインタフェース(内部データ取得IF)を変更する。言い換えれば、実デバイスRDは、実デバイスRDの仕様に応じて、変換ルール及び内部データ取得IFを変更する。
【0108】
次に、ステップ10において、実デバイスRDは、ステップ9において取得したSDD-ID名のデータとして、通信IF24の実装方式に応じたデータをデジタルシャドウDSに応答する。言い換えれば、実デバイスRDは、通信IF24の実装方式に応じて、実デバイスRDから取得したデータの設定条件を変更する。
【0109】
次に、ステップ11において、デジタルシャドウDSは、ステップ10において取得したSDD-ID名のデータを、フレームワークDFに応答する。
【0110】
そして、フレームワークDFは、アプリケーションAPPに、デジタルシャドウDSから取得したデータを応答し、アプリケーションAPPは、端末装置PCの画面に、デジタルシャドウDSから取得したデータを表示する。
【0111】
(作用及び効果)
本実施形態のデータ管理システムでは、プロセッサは、画像形成装置10の仕様毎に、システムデータ辞書SDDに定められている変換ルールに基づいて、参照するデータの参照先を変更する。
【0112】
本実施形態のデータ管理システムによれば、管理対象である画像形成装置10が複数あって、それぞれの画像形成装置10の仕様が異なる場合においても、個々に設定条件を変更する場合と比較して、設定条件の変更箇所を少なくすることができる。
【0113】
〈変形例〉
なお、本実施形態の説明において、デジタルシャドウDS及び実デバイスRDは、いずれもステップ4b及びステップ4cにおいてシステムデータ辞書SDDを取得しているが、本実施形態に係るデータの取得方法は、これに限られない。例えば、システムデータ辞書SDDを取得するデバイスは、デジタルシャドウDSの一方のみでもよい。すなわち、
図10に示されるステップ4cは、省略されてもよい。この場合、実デバイスRDの仕様に応じて、デジタルシャドウDSが、変換ルールに含まれる内部データについて、内部データ取得IFに記載のインタフェースから取得する指示を実デバイスRDに送信する。
【0114】
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態の情報処理システムについて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されず、適宜変更することもできる。
【0115】
例えば、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0116】
また、上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0117】
[付記]
以下に、本開示の好ましい形態について付記する。
【0118】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
パラメータの設定が可能な設定項目を含むデータを、管理対象である情報処理装置との間で定期的に同期させて第1の記憶部に記憶し、
データの設定項目におけるパラメータの設定条件が記憶されている第2の記憶部から設定条件を取得し、
前記第1の記憶部に記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、前記第2の記憶部から取得した設定条件を満たすように、パラメータを変更する
データ管理システム。
【0119】
(((2)))
前記プロセッサは、起動時に前記第2の記憶部から設定条件を新たに取得する
(((1)))に記載のデータ管理システム。
【0120】
(((3)))
前記プロセッサは、前記第1の記憶部、ユーザがパラメータを入力するためのアプリケーションプログラムが実行されている装置、前記情報処理装置のうちの少なくとも1つに、新たに取得した設定条件を送信する
(((2)))に記載のデータ管理システム。
【0121】
(((4)))
前記プロセッサは、前記第1の記憶部、ユーザがパラメータを入力するためのアプリケーションプログラムが実行されている装置、前記情報処理装置のうちの少なくとも1つに、新たに取得した設定条件にアクセスするためのアドレス情報を送信する
(((2)))に記載のデータ管理システム。
【0122】
(((5)))
前記プロセッサは、前記第1の記憶部に記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、前記第2の記憶部に対して前回取得時から設定項目が更新されているか問い合わせ、設定項目が更新されている場合には、前記第2の記憶部から設定条件を新たに取得する
(((1)))から(((4)))のいずれか1に記載のデータ管理システム。
【0123】
(((6)))
前記プロセッサは、前記第1の記憶部に記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、前記第2の記憶部に対して前回取得時から設定項目が更新されているか問い合わせ、設定項目が更新されていない場合には、前記第2の記憶部から設定条件を取得しない
(((5)))に記載のデータ管理システム。
【0124】
(((7)))
管理対象である前記情報処理装置が複数であり、
前記プロセッサは、前記情報処理装置の仕様毎に定められている設定条件を前記第2の記憶部から取得し、当該設定条件を満たすようにパラメータを変更する、
(((1)))から(((6)))のいずれか1に記載のデータ管理システム。
【0125】
(((8)))
パラメータの設定が可能な設定項目を含むデータを、管理対象である情報処理装置との間で定期的に同期させて第1の記憶部に記憶するステップと、
データの設定項目におけるパラメータの設定条件が記憶されている第2の記憶部から設定条件を取得するステップと、
前記第1の記憶部に記憶されているデータの設定項目のパラメータを変更する際に、前記第2の記憶部から取得した設定条件を満たすように、パラメータを変更するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0126】
以下に、付記の構成による効果について記載する。
【0127】
(((1)))のデータ管理システムによれば、情報処理装置の仕様が変更された場合に、関係する装置及びアプリケーションについて個々に設定条件を変更する場合と比較して、設定条件の変更箇所を少なくすることができる。
【0128】
(((2)))のデータ管理システムによれば、プロセッサの起動の度に、設定条件を更新できる。
【0129】
(((3)))のデータ管理システムによれば、第1の記憶部、アプリケーション、及び、情報処理装置のうちの少なくとも1つについて、プロセッサの起動の度に、設定条件を更新できる。
【0130】
(((4)))のデータ管理システムによれば、第1の記憶部、アプリケーション、及び、情報処理装置のうちの少なくとも1つについて、プロセッサの起動の度に、設定条件を更新できる。
【0131】
(((5)))のデータ管理システムによれば、最新の設定条件に基づいて、パラメータを設定できる。
【0132】
(((6)))のデータ管理システムによれば、不要な通信を抑えることができる。
【0133】
(((7)))のデータ管理システムによれば、管理対象である情報処理装置が複数あって、それぞれの情報処理装置の仕様が異なる場合においても、個々に設定条件を変更する場合と比較して、設定条件の変更箇所を少なくすることができる。
【0134】
(((8)))のプログラムによれば、情報処理装置の仕様が変更された場合に、関係する装置及びアプリケーションについて個々に設定条件を変更する場合と比較して、設定条件の変更箇所を少なくすることができる。
【符号の説明】
【0135】
10A、10B 画像形成装置
20 クラウドサーバ
21 CPU
22 メモリ
23 記憶装置
24 通信IF
25 制御バス
30 インターネット
40 ネットワーク
51 制御部
52 データ送受信部
53 第1の記憶部
54 第2の記憶部
60 端末装置