(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178091
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】キャパシタ部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/33 20060101AFI20241217BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
H01G4/33 102
H01G4/30 541
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024019397
(22)【出願日】2024-02-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-12-03
(31)【優先権主張番号】10-2023-0074866
(32)【優先日】2023-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 治鉉
(72)【発明者】
【氏名】郭 鉉想
(72)【発明者】
【氏名】李 晟煥
(72)【発明者】
【氏名】全 賢求
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB06
5E082EE05
5E082FF05
5E082FG03
5E082FG26
5E082FG27
(57)【要約】
【課題】単位面積当たりの容量に優れたキャパシタ部品を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態は、互いに対向する第1面及び第2面を有する基板、上記基板の第1面側に配置され、第1トレンチを含む第1インターレイヤ、上記第1トレンチに配置された第1トレンチキャパシタ、上記基板の第2面側に配置され、第2トレンチを含む第2インターレイヤ、上記第2トレンチに配置された第2トレンチキャパシタ、及び上記基板を貫通して上記第1トレンチキャパシタと第2トレンチキャパシタとを連結する貫通ビアを含むキャパシタ部品を提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1面及び第2面を有する基板と、
前記基板の第1面側に配置され、第1トレンチを含む第1インターレイヤと、
前記第1トレンチに配置された第1トレンチキャパシタと、
前記基板の第2面側に配置され、第2トレンチを含む第2インターレイヤと、
前記第2トレンチに配置された第2トレンチキャパシタと、
前記基板を貫通して前記第1トレンチキャパシタと第2トレンチキャパシタとを連結する貫通ビアと、
を含む、キャパシタ部品。
【請求項2】
前記第1トレンチキャパシタは、第1誘電体層及び前記第1誘電体層を間に挟んで配置される第1及び第2電極を含み、
前記第2トレンチキャパシタは、第2誘電体層及び前記第2誘電体層を間に挟んで配置される第3及び第4電極を含む、請求項1に記載のキャパシタ部品。
【請求項3】
前記貫通ビアは、前記第1電極と第3電極とを連結する第1貫通ビア及び前記第2電極と第4電極とを連結する第2貫通ビアを含む、請求項2に記載のキャパシタ部品。
【請求項4】
前記貫通ビアの内部は導電性物質で充填された、請求項1に記載のキャパシタ部品。
【請求項5】
前記第1インターレイヤを貫通し、前記第1トレンチを間に挟んで互いに離隔して配置される第1及び第2連結ビア、並びに前記第2インターレイヤを貫通し、前記第2トレンチを間に挟んで互いに離隔して配置される第3及び第4連結ビアをさらに含む、請求項3に記載のキャパシタ部品。
【請求項6】
前記第1及び第2電極は、それぞれ前記第1及び第2連結ビアの内部に延び、
前記第3及び第4電極は、それぞれ前記第3及び第4連結ビアの内部に延び、
前記第1貫通ビアは、前記第1連結ビアの内部に配置された前記第1電極と前記第3連結ビアの内部に配置された前記第3電極とを連結し、
前記第2貫通ビアは、前記第2連結ビアの内部に配置された前記第2電極と前記第4連結ビアの内部に配置された前記第4電極とを連結する、請求項5に記載のキャパシタ部品。
【請求項7】
前記第1トレンチキャパシタをカバーする第1カバーレイヤ、及び前記第2トレンチキャパシタをカバーする第2カバーレイヤをさらに含む、請求項1に記載のキャパシタ部品。
【請求項8】
前記第1インターレイヤと第1カバーレイヤは互いに異なる物質を含み、
前記第2インターレイヤと第2カバーレイヤは互いに異なる物質を含む、請求項7に記載のキャパシタ部品。
【請求項9】
前記第1面及び第2面は第1方向に互いに対向し、
前記第1インターレイヤは前記第1トレンチを複数個含み、
複数の前記第1トレンチは、前記第1方向と交差する第2方向に互いに離隔して配置され、
複数の前記第1トレンチは、それぞれ前記第1方向及び第2方向と交差する第3方向に延びる、請求項1に記載のキャパシタ部品。
【請求項10】
前記第1面及び第2面は第1方向に互いに対向し、
前記第1インターレイヤは前記第1トレンチを複数個含み、
複数の前記第1トレンチは、前記第1方向と交差する第2方向、並びに前記第1方向及び第2方向と交差する第3方向に互いに離隔して配置される、請求項1に記載のキャパシタ部品。
【請求項11】
前記第1トレンチキャパシタをカバーする第1カバーレイヤ及び前記第1カバーレイヤ上に配置され、前記第1電極及び第2電極とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極をさらに含む、請求項2に記載のキャパシタ部品。
【請求項12】
前記第1及び第2外部電極はそれぞれ複数個配置される、請求項11に記載のキャパシタ部品。
【請求項13】
前記基板の外表面のうち少なくとも一部をカバーするモールティング部をさらに含む、請求項1に記載のキャパシタ部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタ部品に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、スマートフォン、ウェアラブル装備などの携帯用IT製品の薄型化が進んでいる。これにより、全体的なパッケージの厚さを減らすための受動素子を薄型化する必要性も増大している。このため、積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multilayer ceramic capacitor)よりも薄い厚さを実現することができる薄膜シリコンキャパシタ(Thin Film Silicon Capacitor)に関する研究が盛んに行われている。
【0003】
このような薄膜シリコンキャパシタは、従来の積層セラミックキャパシタに比べて実装面積に対する容量が低いという欠点がある。よって、同一の実装面積に対して容量に優れた薄膜シリコンキャパシタに関する研究が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のいくつかの目的の一つは、単位面積当たりの容量に優れたキャパシタ部品を提供することである。
【0005】
但し、本発明の目的は上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、互いに対向する第1面及び第2面を有する基板、上記基板の第1面側に配置され、第1トレンチを含む第1インターレイヤ、上記第1トレンチに配置された第1トレンチキャパシタ、上記基板の第2面側に配置され、第2トレンチを含む第2インターレイヤ、上記第2トレンチに配置された第2トレンチキャパシタ、及び上記基板を貫通して上記第1トレンチキャパシタと第2トレンチキャパシタとを連結する貫通ビアを含むキャパシタ部品を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の様々な効果の一つとして、単位面積当たりの容量に優れたキャパシタ部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品を概略的に示す平面図である。
【
図2】
図1のI-I’線に沿った切断断面を概略的に示す断面図である。
【
図3】
図2のII-II’線に沿った切断断面を概略的に示す断面図である。
【
図6】本発明の他の一実施形態によるキャパシタ部品を概略的に示す平面図である。
【
図7】
図6のIII-III’線に沿った切断断面を概略的に示す断面図である。
【
図8】
図6のIV-IV’線に沿った切断断面を概略的に示す断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品の製造方法を説明するための主要工程の断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品の製造方法を説明するための主要工程の断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品の製造方法を説明するための主要工程の断面図である。
【
図12】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品の製造方法を説明するための主要工程の断面図である。
【
図13】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品の製造方法を説明するための主要工程の断面図である。
【
図14】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品の製造方法を説明するための主要工程の断面図である。
【
図15】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品の製造方法を説明するための主要工程の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張することができ、図面上の同じ符号で示される要素は同じ要素である。
【0010】
そして、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に示しているため、本発明は必ずしも図示したものに限定されない。なお、同じ思想の範囲内の機能が同一である構成要素については、同じ参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」と言うとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態によるキャパシタ部品100を概略的に示す平面図であり、
図2は、
図1のI-I’線に沿った切断断面を概略的に示す断面図であり、
図3は、
図2のII-II’線に沿った切断断面を概略的に示す断面図であり、
図4は
図3の変形例である。
【0012】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるキャパシタ部品100は、基板110、インターレイヤ121、122、トレンチキャパシタ140、160及び貫通ビア151、152を含むことができる。
【0013】
基板110は、第1方向DR1に互いに対向する第1面101及び第2面102を有することができる。基板110は、半導体物質、例えば、IV族半導体、III-V族化合物半導体又はII-IV族化合物半導体を含むことができる。例えば、IV族半導体はシリコン、ゲルマニウム又はシリコン-ゲルマニウムを含むことができる。基板110は、例えば、バルクウェハなどで提供されることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0014】
第1インターレイヤ121は、基板110の第1面101側に配置され、第1トレンチTR1を含むことができる。第2インターレイヤ122は、基板110の第2面102側に配置され、第2トレンチTR2を含むことができる。インターレイヤ121、122は、絶縁物質、例えば、酸化物、窒化物、又はそれらの組み合わせを含むことができる。インターレイヤ121、122は、例えば、基板110の酸化膜又は基板110の自然酸化膜(native oxide)を含むことができる。
【0015】
酸化物及び/又は窒化物を含むインターレイヤ121、122は、基板110に比べて高いエッチング速度を有することができ、エッチング量をより正確に制御することができる。これにより、エッチング工程等を通じてインターレイヤ121、122にトレンチTR1、TR2を形成することにより、基板110にトレンチTR1、TR2を形成するよりも、工程の容易性及び工程の正確性を確保することができる。
【0016】
第1トレンチTR1は、第1方向を基準に第1インターレイヤ121の一面から基板110の第1面101に向かって延びることができる。第2トレンチTR2は、第1方向を基準に第2インターレイヤ122の一面から基板110の第2面102に向かって延びることができる。
【0017】
第1及び第2トレンチTR1、TR2の個数や配置形態は特に限定する必要はない。第1及び第2トレンチTR1、TR2は、それぞれ少なくとも一つ以上配置されればよいが、第1インターレイヤ121は、第1トレンチTR1を複数個含むことが好ましく、第2インターレイヤ122は、第2トレンチTR2を複数個含むことが好ましい。第1及び第2トレンチTR1、TR2の第1方向への高さは特に限定する必要はなく、キャパシタ部品100のサイズや目標とする容量に応じて数十nmないしは数十μmであってもよい。
【0018】
第1及び第2トレンチTR1、TR2の断面は長方形の形態を有するものとして示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1及び第2トレンチTR1、TR2は円形、楕円形、台形など様々な形態の断面を有することもできる。また、第1及び第2トレンチTR1、TR2は、アスペクト比によりそれぞれ基板110の第1面101及び第2面102に向かって幅が減少するように傾斜した側面を有してもよく、第1及び第2トレンチTR1、TR2の底面は、それぞれ第1面及び第2面101、102に向かって凸状の曲面を有してもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】
図3を参照すると、複数の第1トレンチTR1は、第1方向DR1と交差する第2方向DR2に互いに離隔して配置されることができ、複数の第1トレンチTR1はそれぞれ、上記第1方向及び第2方向と交差する第3方向DR3に延びることができる。但し、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図4に示すように、一実施形態において、複数の第1トレンチTR1は第2方向DR2及び第3方向DR3に互いに離隔して配置されてもよい。また、第2トレンチTR2は、第1方向DR1に第1トレンチTR1と対称の関係にあり得るため、第1トレンチTR1の形態に関する上記説明は第2トレンチTR2にも同様に適用することができる。
【0020】
図2を参照すると、第1トレンチTR1には第1トレンチキャパシタ140が配置され、第2トレンチTR2には第2トレンチキャパシタ160が配置されることができる。第1及び第2トレンチキャパシタ140、160の形態は特に限定する必要はないが、例えば、第1トレンチキャパシタ140は、第1誘電体層143及び上記第1誘電体層を間に挟んで配置される第1及び第2電極141、142を含むことができ、第2トレンチキャパシタ160は、第2誘電体層163及び上記第2誘電体層を間に挟んで配置される第3及び第4電極161、162を含むことができる。
【0021】
第1電極141は第1インターレイヤ121の一面と複数の第1トレンチTR1の内壁をコンフォーマル(conformal)に覆うことができ、第3電極161は第2インターレイヤ122の一面と複数の第2トレンチTR2の内壁をコンフォーマルに覆うことができる。第1電極141と第2電極142が第1誘電体層143を間に挟んで互いに対向するように配置され、第3電極161と第4電極162が第2誘電体層163を間に挟んで互いに対向するように配置されることにより、MIM(Metal-Insulator-Metal)構造を有する第1及び第2トレンチキャパシタ140、160が形成されることができる。第1電極141と第2電極142との間に互いに異なる極性の電圧が印加され、第3電極161と第4電極162との間に互いに異なる極性の電圧が印加されることにより、第1及び第2トレンチキャパシタ140、160の容量が形成されることができる。
【0022】
第1~第4電極141、142、161、162は、例えば、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、ドープされたポリシリコン、及び一部の他の適した伝導性材料やそれらの組み合わせを含むことができる。第1~第4電極141、142、161、162は、例えば、銅(Cu)、チタン(Ti)、チタン(Ti)窒化物、タンタル(Ta)及びタンタル(Ta)窒化物などを含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
第1及び第2誘電体層143、163は、例えば、シリコン酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、ニオブ酸化物、チタン酸化物、ランタン酸化物、タンタル酸化物、リチウム酸化物及びアルミニウム酸化物のうち一つ以上を含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、第1及び第2誘電体層143、163は、漏電特性を向上させるために複数の金属酸化物が積層された複合層として形成されてもよく、例えば、第1及び第2誘電体層143、163は、ジルコニウム酸化物-アルミニウム酸化物-ジルコニウム酸化物が順次積層された形態を有してもよい。
【0024】
一実施形態において、キャパシタ部品100は、第1トレンチキャパシタ140をカバーする第1カバーレイヤ131及び第2トレンチキャパシタ160をカバーする第2カバーレイヤ132を含むことができる。第1及び第2カバーレイヤ131、132は、基本的に第1及び第2トレンチキャパシタ140、160を保護する役割を果たすことができる。
図2~
図4を参照すると、第1トレンチTR1の内部の空き空間は第1カバーレイヤ131で満たされることができ、第2トレンチTR2の内部の空き空間は第2カバーレイヤ132で満たされることができる。
【0025】
カバーレイヤ131、132は、インターレイヤ121、122と同じ物質を含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではなく、必要に応じて第1インターレイヤ121と第1カバーレイヤ131は互いに異なる物質を含み、第2インターレイヤ122と第2カバーレイヤ132は互いに異なる物質を含むことができる。後述するように、第1カバーレイヤ131は第1誘電体層143と一体に形成されることができ、第2カバーレイヤ132は第2誘電体層163と一体に形成されることができるため、高誘電率を確保するためにカバーレイヤ131、132は、インターレイヤ121、122に比べて誘電定数の高い高誘電率物質を含むことができる。一例として、インターレイヤ121、122はシリコン酸化物を含むことができ、カバーレイヤ131、132はハフニウム酸化物を含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
図2を参照すると、貫通ビア151、152は、基板110を貫通して第1トレンチキャパシタ140と第2トレンチキャパシタ160とを連結する役割を果たすことができる。より具体的に、貫通ビア151、152は、第1電極141と第3電極161とを連結する第1貫通ビア151、及び第2電極142と第4電極162とを連結し、上記第1貫通ビアと離隔して配置される第2貫通ビア152を含むことができる。
【0027】
貫通ビア151、152の内部は導電性物質181、182で充填されることができ、これにより第1トレンチキャパシタ140と第2トレンチキャパシタ160とを並列に電気的に連結することができる。すなわち、キャパシタ部品100の容量は、並列に連結された第1及び第2トレンチキャパシタ140、160の個別容量の合計であるため、単位面積当たりの容量を改善することができる。
【0028】
貫通ビア151、152は、アスペクト比によって第1面101から第2面102に向かって幅が増加又は減少するように傾斜した側面を有することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。導電性物質181、182は、金属や他の適した伝導性物質を含めばよく、銅(Cu)、チタン(Ti)、チタン(Ti)窒化物などを含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】
一実施形態において、第1インターレイヤ121を貫通し、第1トレンチTR1を間に挟んで互いに離隔して配置される第1及び第2連結ビアCV1、CV2、並びに第2インターレイヤ122を貫通し、第2トレンチTR2を間に挟んで互いに離隔して配置される第3及び第4連結ビアCV3、CV4を含むことができる。貫通ビア151、152は、第1~第4連結ビアCV1、CV2、CV3、CV4を介して第1トレンチキャパシタ140と第2トレンチキャパシタ160とを連結することができる。
【0030】
具体的に、第1及び第2電極141、142はそれぞれ第1及び第2連結ビアCV1、CV2の内部に延び、第3及び第4電極161、162はそれぞれ第3及び第4連結ビアCV3、CV4の内部に延びることができる。このとき、第1貫通ビア151は、第1連結ビアCV1の内部に配置された第1電極141と第3連結ビアCV3の内部に配置された第3電極161とを連結することができ、第2貫通ビア152は、第2連結ビアCV2の内部に配置された第2電極142と第4連結ビアCV4の内部に配置された第4電極162とを連結することができる。一方、図示されてはいないが、貫通ビア151、152の上端と下端には、トレンチキャパシタ140、160と導電性物質181、182とを連結させる別途の導電性パッドが配置されてもよい。
【0031】
図2及び
図3に示すように、第1連結ビアCV1の内壁には第1電極141が配置され、第1連結ビアCV1の内部のうち第1電極141が配置された空間を除いた部分は第1カバーレイヤ131で満たされることができる。第2連結ビアCV2の内壁には第2電極142が配置され、第2連結ビアCV2の内部のうち第2電極142が配置された空間を除いた部分は第1カバーレイヤ131で満たされることができる。
【0032】
また、後述する工程により、第2連結ビアCV2は、第1誘電体層143及び第2電極142が形成された後に形成されることができるため、第2連結ビアCV2の第1方向への高さは、第1連結ビアCV1の第1方向への高さよりも大きいことができる。すなわち、第1連結ビアCV1の一端は、第2連結ビアCV2の一端よりも第1面101に隣接したレベルに配置されることができる。ここで、第1連結ビアCV1の一端及び第2連結ビアCV2の一端は、第1面101と離隔した端部を意味する。同じ観点から、第4連結ビアCV4の第1方向への高さは、第3連結ビアCV3の第1方向への高さよりも大きいことができる。すなわち、第3連結ビアCV3の一端は、第4連結ビアCV4の一端よりも第2面102に隣接したレベルに配置されることができる。ここで、第3連結ビアCV3の一端及び第4連結ビアCV4の一端は、第2面102と離隔した端部を意味する。
【0033】
一方、
図3に示すように、第1連結ビアCV1及び第2連結ビアCV2は、それぞれ第3方向DR3に延びた形態を有することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図4に示すように、第1連結ビアCV1及び第2連結ビアCV2はそれぞれ複数個配置されることができ、複数の第1連結ビアCV1は第3方向DR3に互いに離隔して配置されることができ、複数の第2連結ビアCV2は第3方向DR3に互いに離隔して配置されることができる。
【0034】
第1カバーレイヤ131上には、第1電極141及び第2電極142とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極161、162が配置されることができる。第1外部電極161は、第1カバーレイヤ131内に配置された第1配線レイヤ171を介して第1電極141と電気的に連結されることができ、第2外部電極162は、第1カバーレイヤ131内に配置された第2配線レイヤ172を介して第2電極142と電気的に連結されることができる。外部電極161、162及び配線レイヤ171、172を形成する材料は特に限定する必要はなく、金属や他の適した伝導性材料を含めばよい。
【0035】
配線レイヤ171、172の個数、サイズ及びアスペクト比等は特に限定する必要はなく、第1外部電極161と第2外部電極162の下面が共面をなす(coplanar)ように配置できればよい。但し、後述する工程により、第2電極142の端部は、第1電極141の端部よりも外部電極161、162の下面に隣接したレベルに配置されることができるため、第2配線レイヤ172の第1方向への高さは、第1配線レイヤ171の第1方向への高さよりも小さいことができる。
【0036】
図5は、
図2の変形例である。
図5を参照すると、一実施形態によるキャパシタ部品100’は、基板110の外表面のうち少なくとも一部をカバーするモールティング部190を含むことができる。より好ましくは、モールディング部190は、基板110、インターレイヤ121、122、及びカバーレイヤ131、132の外側面と第2カバーレイヤ132の下面とをカバーすることができる。モールディング部190は、基板110、インターレイヤ121、122、及びカバーレイヤ131、132などを保護する役割を果たすことができる。モールディング部190は、例えば、エポキシ樹脂などの樹脂をトランスファーモールディング(transfer molding)して形成することができる。
【0037】
図6は、本発明の他の一実施形態によるキャパシタ部品100’’を概略的に示す平面図であり、
図7は、
図6のIII-III’線に沿った切断断面を概略的に示す断面図であり、
図8は、
図6のIV-IV’線に沿った切断断面を概略的に示す断面図である。
【0038】
図6~
図8を参照すると、第1外部電極161’’及び第2外部電極162’’はそれぞれ複数個配置されることができる。
図7に示すように、複数の第1外部電極161’’は一つの第1電極141と連結されることができる。また、
図8に示すように、複数の第2外部電極162’’は一つの第2電極142と連結されることができる。このように、第1外部電極161’’及び第2外部電極162’’の個数を増やすことにより、第1外部電極161’’の間の第3方向への間隔及び第2外部電極162’’の間の第3方向への間隔を狭めてキャパシタ部品100’’のESLを低減させることができる。
【0039】
図9~
図15は、本発明の一実施形態によるキャパシタ部品の製造方法を説明するための主要工程の断面図である。以下、
図9~
図15を参照して、本発明の一実施形態によるキャパシタ部品100の例示的な製造方法について説明する。
【0040】
まず、
図9を参照すると、基板110を設けた後、レーザドリル等で貫通ビア151、152を形成することができる。次に、貫通ビア151、152の内部にめっき法又はスパッタリング法などで導電性物質181、182を蒸着することができる。
【0041】
次に、
図10のように、基板110の第1面101側及び第2面102側にそれぞれ第1インターレイヤ121及び第2インターレイヤ122を形成することができる。インターレイヤ121、122は、絶縁物質を蒸着して形成するか、又は基板110の酸化膜で形成することができる。その後、マスクパターンとエッチング装備を用いてインターレイヤ121、122の一部をエッチングし、第1方向DR1を基準に基板110に向かって延びる第1トレンチTR1及び第2トレンチTR2を形成することができる。また、第1貫通ビア151上に形成されたインターレイヤ121、122の一部を第1導電性物質181が露出するまでエッチングすることにより、第1及び第2連結ビアCV1、CV2を形成することができる。
【0042】
次に、
図11のように、ALD(Atomic Layer Deposition)又はAVD(Atomic Vapor Deposition)工程などを用いて第1電極141及び第3電極161を形成することができる。第1電極141は、第1インターレイヤ121の一面、第1トレンチTR1の内壁、及び第1連結ビアCV1の内壁に沿ってコンフォーマルに形成されることができ、第3電極161は、第2インターレイヤ122の一面、第2トレンチTR2の内壁及び第2連結ビアCV2の内壁に沿ってコンフォーマルに形成されることができる。
【0043】
次に、
図12のように、インターレイヤ121、122と同一又は異なる絶縁物質を第1及び第2インターレイヤ121、122上にそれぞれ蒸着して第1カバーレイヤ131及び第2カバーレイヤ132の一部を形成することができる。このとき、第1電極141及び第3電極161上に配置された第1及び第2カバーレイヤ131、132は、その後、容量を形成する誘電体層としての役割を果たすことができる。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、インターレイヤ121、122上にカバーレイヤ131、132とは異なる物質を別途蒸着して誘電体層を形成してもよい。
【0044】
次に、
図13のように、第1及び第2トレンチTR1、TR2の内部に満たされたカバーレイヤ131、132の一部と第2貫通ビア152上に蒸着されたカバーレイヤ131、132の一部をエッチングすることができる。このとき、第2貫通ビア152上に蒸着されたカバーレイヤ131、132の一部を、第2導電性物質182が露出するまでエッチングして第2及び第4連結ビアCV2、CV4を形成することができる。
【0045】
次に、
図14のように、ALD(Atomic Layer Deposition)又はAVD(Atomic Vapor Deposition)工程などを用いて第2電極142及び第4電極162を形成することができる。このとき、第1電極141と第2電極142との間に配置された第1カバーレイヤは、第1誘電体層143としての役割を果たすことができ、第3電極161と第4電極162との間に配置された第2カバーレイヤは、第2誘電体層163としての役割を果たすことができる。これにより、第1誘電体層143と第1カバーレイヤ131は一体に形成されることができ、第2誘電体層163と第2カバーレイヤ132は一体に形成されることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
次に、
図15のように、予め設計された分だけ絶縁物質をさらに蒸着してカバーレイヤ131、132を形成することができる。最後に、
図2のように、カバーレイヤ131、132の一部をエッチングして第1電極141と連結される第1配線レイヤ171、及び第2電極142と連結される第2配線レイヤ172を形成し、第1及び第2配線レイヤ171、172上にそれぞれ第1及び第2外部電極161、162を形成することにより、
図2のキャパシタ部品100を製造することができる。
【0047】
但し、本発明はこれに限定されるものではなく、基板110の第1面101上に第1インターレイヤ121、第1トレンチキャパシタ140、及び第1カバーレイヤ131を形成した後に、基板110を裏返して第2インターレイヤ122、第2トレンチキャパシタ160、及び第2カバーレイヤ132を形成してもよく、具体的な工程及びそれらの順序は、各構成の配置形態などによって変わり得る。
【0048】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定するものとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【0049】
また、「一実施形態」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態で説明された事項が他の一実施形態に説明されていなくても、他の一実施形態においてその事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連する説明と理解することができる。
【0050】
本発明において、「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結された場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【符号の説明】
【0051】
100:キャパシタ部品
110:基板
121、122:インターレイヤ
131、132:カバーレイヤ
140、160:トレンチキャパシタ
151、152:貫通ビア
141:第1電極
161:第3電極
142:第2電極
162:第4電極
143:第1誘電体層
163:第2誘電体層
161、162:外部電極
171、172:配線レイヤ
181、182:導電性物質
190:モールディング部
TR1、TR2:トレンチ
CV1、CV2、CV3、CV4:連結ビア