(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178097
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ベース歪み発生装置およびベース歪み感度計測システム
(51)【国際特許分類】
G01M 7/02 20060101AFI20241217BHJP
G01P 21/00 20060101ALN20241217BHJP
【FI】
G01M7/02 C
G01P21/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024041784
(22)【出願日】2024-03-16
(31)【優先権主張番号】202310262050.6
(32)【優先日】2023-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】何 聞
(72)【発明者】
【氏名】施 雅淇
(72)【発明者】
【氏名】李 群
(72)【発明者】
【氏名】周 杰
(72)【発明者】
【氏名】賈 叔仕
(57)【要約】 (修正有)
【課題】被測定センサのベース感度を検出するためのベース歪み発生装置を提供する。
【解決手段】ベースひずみ発生装置は、クランプ組立部品を設置し、ひずみ梁の中央部をクランプすることにより、取付け構造の位置を固定する。それによって、取付け構造に設置された被測定センサは、ひずみビームの振動により追加の加速度成分を生成しない。同時に、2組の磁気回路装置を設置し、磁気回路装置は歪みビームの両端に正弦波励振を与え、歪みビームの両端を前後に揺動させる。また、正弦波励振の強度と周波数を制御することにより、安定した振幅の振動を発生させることができ、異なる周波数や異なるベースひずみでのベースひずみ感度を測定することができる。これにより、被測定センサの設置位置においての変位がなくなり、被測定センサに追加の加速度出力が発生することがなくなり、ベースひずみ感度の測定精度が向上する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定センサのベース感度を測定するために使用されるベース歪み発生装置であって、
ベース、ひずみ梁、クランプ組立部品、ベースに固定して接続される二組の磁気回路装置を含み、
前記ひずみ梁は、その中央には被測定センサを固定して取り付けるための取付け構造が設けられており、
前記クランプ組立部品は、前記ベースに固定して連結され、前記ひずみ梁の中央部に前記取付け構造の位置を固定するに使用され、
前記磁気回路装置は、前記ひずみ梁の両端にそれぞれ一組が設けられ、前記磁気回路装置により前記ひずみ梁の両端に正弦波励振を与え、前記ひずみ梁の両端を往復運動させ、正弦波励起の方向は被測定センサの感応軸の方向と平行である、
ことを特徴とするベース歪み発生装置。
【請求項2】
前記クランプ組立部品と前記ひずみ梁の中央部とが線接触によりクランプされていることを特徴とする請求項1に記載のベース歪み発生装置。
【請求項3】
前記取付け構造は取付け穴が設けられ、前記取付け穴は前記ひずみ梁を貫通し、前記取付け穴の中心軸は正弦波励振の方向と平行であり、被測定センサが取付け穴に固定して取り付けられている場合、被測定センサの感応軸は取付け穴の中心軸と一致する、ことを特徴とする請求項2に記載のベース歪み発生装置。
【請求項4】
前記クランプ組立部品は、フレーム、固定ロッド、可動ネジを含み、
前記プレームは、底板と片持ちアームを備え、前記底板はベースに固定されており、
前記固定ロッドは、底板上に固定的に配置され、前記固定ロッドの上面はひずみ梁の下面と対向しており、前記固定ロッドの上面とひずみ梁の下面との間には隙間があり、
前記可動ネジは、片持ちアームにボルトで固定されており、前記可動ネジの取り付け方向は前記固定ロッドの中心軸と一致し、取り付け穴の中心軸と直交して交差しており、前記可動ネジの底面と前記ひずみ梁の上面とは対向配置されており、前記可動ネジの下面と前記ひずみ梁の上面との間に隙間があり、
前記可動ネジを回転させると、前記可動ネジと前記固定ロッドとが接近し、前記ひずみ梁が前記可動ネジと前記固定ロッドとの間に挟持される、
ことを特徴とする請求項3に記載のベース歪み発生装置。
【請求項5】
前記ひずみ梁の上面に第1の位置決め溝が設けられ、前記可動ネジは、前記ひずみ梁に近い側の端部に第1円錐部が設けられており、前記第1円錐部の最小直径は前記第1の位置決め溝の内径より小さく、前記第1円錐部の最大直径は前記第1の位置決め溝の内径より大きく、前記ひずみ梁がクランプされるとき、前記第1円錐部の少なくとも一部が前記第1の位置決め溝に挿入される、ことを特徴とする請求項4に記載のベース歪み発生装置。
【請求項6】
前記ひずみ梁の下面には第2の位置決め溝が設けられ、前記固定ロッドは、前記ひずみ梁に近い側の端部に第2円錐部が設けられており、前記第2円錐部の最小直径は第2の位置決め溝の内径より小さく、前記第2円錐部の最大直径は第2の位置決め溝の内径より大きく、ひずみ梁がクランプされるとき、前記第2円錐部の少なくとも一部が第2の位置決め溝に挿入される、ことを特徴とする請求項5に記載のベース歪み発生装置。
【請求項7】
前記クランプ組立部品は、第1のT形鋼、第2のT形鋼、閉鎖板、複数の第1の円弧片、複数の第2の円弧片、支持ブロックを含み、
前記第1のT形鋼は、互いに固定的に接続された第1の水平部分と第1の垂直部分を含み、
前記第2のT形鋼は、互いに固定的して接続された第2の水平部と第2の垂直部を含み、前記第1の水平部と前記第2の水平部は対向して配置され、前記第1の水平部と前記第2の水平部との間には隙間があり、前記第1の垂直部分と前記第2の垂直部分は対向して配置されており、前記第1の垂直部分と前記第2の垂直部分の間には隙間があり、
前記閉鎖板は、前記第1の垂直部分の上面および前記第2の垂直部分の上面を覆い、それぞれ前記第1の垂直部分の上面および前記第2の垂直部分の上面に固定して接続され、
前記第1の円弧片は、前記第1の垂直部分の前記第2の垂直部分に近い表面に固定して接続され、
前記第2の円弧片は、前記第2の垂直部分の前記第1の垂直部分に近い表面に固定して接続されており、各前記第1の円弧片は、その反対側に前記第2の円弧片を有し、前記第1の円弧片と前記第2の円弧片は同一の水平面上に位置し、
前記支持ブロックは、前記第1のT形鋼と前記第2のT形鋼との間に設置され、前記第1の水平部分と前記支持ブロックとの間に第1の距離が設けられ、前記第2の水平部分と前記支持ブロックとの間に第2の間隔が設けられており、
前記クランプ組立部品の使用時は、前記ひずみ梁の中央部分が前記第1の円弧片と前記第2の円弧片の間にクランプされ、前記ひずみ梁の底部が前記支持ブロックの上面に押し付けられ、前記ひずみ梁が前記支持ブロックにより支持されている、
ことを特徴とする請求項3に記載のベース歪み発生装置。
【請求項8】
前記クランプ組立部品は、さらに、溝、支持ビードを含み、
前記溝は、前記支持ブロックの上面に設けられ、
前記支持ビードは、前記溝に埋め込まれており、前記溝の表面は前記支持ビードの形状に一致し、
前記クランプ組立部品の使用状態において、前記支持ビードの上部と前記ひずみ梁の底面との間に点接触が形成され、前記支持ビードの底部と前記溝の表面との間に面接触が形成され、それによって、前記ひずみ梁が前記支持ブロックにより支持されている、
ことを特徴とする請求項7に記載のベース歪み発生装置。
【請求項9】
前記クランプ組立部品は、さらに、締付補助機構を含み、
前記締付補助機構は、前記第2垂直部の前記第1垂直部から遠く離れた側に設けられており、
前記第1のT形鋼が前記ベース上にねじ止め固定され、かつ、前記ひずみ梁の中央部が前記第1の円弧片と前記第2の円弧状片の間に位置するとき、前記締付補助機構が前記第2のT形鋼に接近する方向に移動されて締め付けられ、前記締付補助機構が第2の垂直部に押し付け、それによって、前記第2の円弧片が前記ひずみ梁の中央部に押し付けられ、前記第1の円弧片と前記第2の円弧片が前記ひずみ梁の中央部分をクランプする、
ことを特徴とする請求項8に記載のベース歪み発生装置。
【請求項10】
ベース歪み感度測定システムであって、請求項1~9に記載のベース歪み発生装置、被測定センサ、少なくとも2つのひずみゲージ、2つの変位センサ、制御装置を含み、
前記ベース歪み発生装置は、ベース、ひずみ梁、クランプ組立部品、二組の磁気回路装置を含み、
前記被測定センサは、前記ひずみ梁の中央部にある取付け構造により固定して設置され、
前記ひずみゲージは、前記ひずみ梁の中央部に固定して設置され、前記取付け構造の設定範囲内のひずみ値の測定に使用され、
前記変位センサは、各磁気回路装置に一つ設置されており、前記変位センサは前記ひずみ梁が静止しているときの前記ひずみ梁の両端の初期位置を測定するために使用され、前記ひずみ梁の両端の初期位置をゼロ変位点とした後、フィードバック制御を通じて、前記ひずみ梁の両端が変位ゼロ点の両側で常に同じ振幅で揺動するように維持し、
前記制御装置は、前記磁気回路装置、前記被測定センサ、前記ひずみゲージおよび前記変位センサにそれぞれ接続され、少なくとも前記磁気回路装置による正弦波励磁の大きさおよび周波数を制御し、前記ひずみゲージが出力するひずみ値を取得し、前記変位センサが出力する変位値を取得し、前記被測定センサが出力する加速度値を取得する、
ことを特徴とするベース歪み感度測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ計測技術の分野に関し、特に、ベースひずみ発生装置およびベースひずみ感度計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電型加速度センサは圧電感応素子の圧電効果を利用した慣性センサであり、主な構成要素はベース、圧電感応素子、質量ブロック(おもり)で構成され、その構造は圧縮型とシェア型(せん断型)に分けられる。
【0003】
圧電型加速度センサは、動作時に振動を受ける被測定物に固定する必要があり、その際、質量ブロックが圧電感応素子に交番応力を加える。測定時、圧縮型振動センサの受感部はセンサベース上に直接配置され、両者は面接触しているため、歪みによるベースの変形の影響は比較的大きくなる。
【0004】
圧電型加速度センサの取付け面が曲がっている場合、圧電型加速度センサのベースに歪みが生じ、内部の圧電素子に応力がかかり分極現象が発生し、誤出力が発生する。このため、ベース歪みに対して誤応答が発生し、この誤応答によって出力される加速度値とベース歪みとの比率をベース歪み感度と呼ぶ。
【0005】
中国国家規格「GB/T13823.6-1992 振動および衝撃センサの校正方法――ベース歪み感度測定」に従って、1500mm×76mm×12.5mmの鋼製梁を用いて、一端を固定しひずみ梁とする。ひずみ梁の固定端から40mmの位置に振動測定センサを設置し、振動測定センサの中心線がひずみ梁の表面に垂直となる。ひずみ梁の自由端に一定大きさの力を加えてひずみ梁を湾曲させると、測定対象の加速度センサのベースに一定量の曲げ応力εが発生する。その後、ひずみ梁を解放して、ひずみ梁をその固有振動数で振動させる。加速度センサは出力加速度αを生成する。取付け軸を中心に加速度センサを回転させ、これによって、生成された最大出力α
maxが得られ、ベース歪み感度は次のように定義される。
【数1】
【0006】
ベース歪み感度を測定するために現在使用されている方法は、ひずみ梁の一端を固定し、自由端に力を加えて、測定対象のセンサが取り付けられている場所に規定されたベース歪みの値を生じさせ、その後ひずみ梁を解放して、ひずみ梁をその固有振動数で振動させ、または、ひずみ梁の自由端に定常状態の励起を加えてひずみ梁を曲げる。然し、上記二つの方法では、測定センサをひずみ梁の固定端から40mm離して設置するため、振動時に測定センサの感応軸に付加的な加速度成分が発生し、その影響を受けてベース歪みの測定精度が低下してしまう。
【発明の概要】
【0007】
そこで、従来は、被測定センサをひずみ梁の固定端から40mm離れた位置に設置していたため、振動時に被測定センサの感応軸に加速度成分が付加的に発生し、その結果、ベース歪み感度の測定精度に影響を及ぼすという問題点があった。それを解決するため、ベース歪み発生装置およびベース歪み感度試験装置を提供することが必要である。
【0008】
まず、本願発明は、被測定センサのベース感度を検出するためのベース歪み発生装置を提供するものであり、前記ベース歪み発生装置は、以下の構成からなる:
ベース、
ひずみ梁であって、その中央には被測定センサを固定して取り付けるための取付け構造が設けられているひずみ梁、
【0009】
クランプ組立部品であって、組立部品で構成される挟み締め具であり、前記ベースに固定して連結され、ひずみ梁の中央部に前記取付け構造の位置を固定するに使用されるクランプ組立部品、
ベースに固定して接続される二組の磁気回路装置であって、ひずみ梁の両端にそれぞれ一組の磁気回路装置が設けられ、その磁気回路装置によりひずみ梁の両端に正弦波励振を与え、ひずみ梁の両端を往復運動させ、正弦波励起の方向は被測定センサの感応軸の方向と平行である、二組の磁気回路装置。
【0010】
一方、本願発明は、以下の構成を含むベース歪み感度測定システムも提供する。
【0011】
前記ベースひずみ発生装置であって、ベース、ひずみ梁、クランプ組立部品および二組の磁気回路装置を含み、
被測定センサであって、ひずみ梁の中央にある取付け構造に固定して設置される。
【0012】
少なくとも二つのひずみゲージであって、ひずみ梁の中央に固定して設置され、取付け構造の設定範囲内のひずみ値の測定に使用される。
【0013】
二つの変位センサであって、各磁気回路装置に一つずつ固定して設置されており、ひずみ梁静止時のひずみ梁両端の初期位置を測定するために使用される。ひずみ梁の両端の初期位置を変位ゼロ点とした後、フィードバック制御により、ひずみ梁の両端は運動時常に変位ゼロ点の両側で等幅振動するように維持する。
【0014】
制御装置であって、前記磁気回路装置、被測定センサ、ひずみゲージおよび変位センサにそれぞれ接続され、少なくとも磁気回路装置による正弦波励振の大きさおよび周波数を制御し、ひずみゲージが出力するひずみ値、変位センサが出力する変位値、被測定センサが出力する加速度値を取得する。
【0015】
本願は、ベースひずみ発生装置およびベースひずみ感度測定システムに関する。クランプ組立部品を設けることによって、ベースひずみ発生装置をひずみ梁の中央部に締め付けられ、取付け構造の位置が固定され、取付け構造に設置される被測定センサは、ひずみ梁の振動により追加の加速度成分を生成することはない。それと同時に、二組の磁気回路装置が歪み梁の両端に正弦波励振を与え、歪み梁の両端を往復運動させ、また、正弦波励振の大きさと周波数を制御することにより、安定した振幅の振動を発生させることができ、異なる周波数や異なるベース歪みでのベース歪み感度を測定することができる。この方案により、被測定センサの設置位置の変位が発生することがなく、被測定センサに追加の加速度出力が発生することがなくなり、ベース歪み感度の測定精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本出願の一部を構成する添付図面は、本出願のさらなる理解を提供し、本出願の他の特徴、目的および利点が明らかになるようにするために含まれている。本願の概略的な実施形態の図面およびその説明は、本願を説明するために使用されるものであり、本願を不当に限定するものではない。
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態によるベース歪み発生装置の概略構成図である。
【
図2】
図1に示される実施形態において提供されるベース歪み発生装置のクランプ組立部品の概略構造図である。
【
図3】
図1に示される実施形態において提供されるベース歪み発生装置のクランプ状態におけるクランプ組立部品およびひずみ梁の概略構造図である。
【
図4】本願の別の実施形態によって提供されるベース歪み発生装置の概略構造図である。
【
図5】
図4に示された実施形態においてベース歪み発生装置の閉鎖板を取り外した後の概略構造図である。
【
図6】
図4に示される実施形態によって提供されるベース歪み発生装置のクランプ組立部品、溝、および支持ビードの間の位置関係を示す概略図である。
【
図7】
図1および
図4に示す実施形態によって提供されるベース歪み発生装置の磁気回路装置の1つの斜視図(
図4のBの拡大図)である。
【
図8】
図1および
図4に示す実施形態によって提供されるベース歪み発生装置の一方の磁気回路装置の封止板を取り外した後の斜視図(
図4のBの拡大図)である。
【
図9】
図1および
図4に示す実施形態によって提供されるベース歪み発生装置の磁気回路装置の1つの斜視図(
図4のBの拡大図)である。
【
図10】
図1および
図4に示す実施形態によって提供されるベース歪み発生装置の一方の磁気回路装置の別の角度から見た斜視図(
図4のBの拡大図)である。
【
図11】
図1および
図4に示す実施形態によって提供されるベース歪み発生装置の一方の磁気回路装置における変位センサ取付け孔の設置位置を示す模式図(
図4のBの拡大図)である。
【
図12】
図1および
図4に示す実施形態によって提供されるベース歪み発生装置の一方の磁気回路装置における測定体の設置位置を示す模式図(
図4のBの拡大図)である。
【
図13】
図1および
図4に示した実施形態によって提供される基礎歪み発生装置の磁気回路装置のコイルボビンおよびコイル巻線溝の概略構成図である(
図4のB部の拡大図)。
【
図14】
図1および
図4に示した実施形態によって提供されるベース歪み発生装置の磁気回路装置の磁力線の説明図である。
【
図15】本願の一実施形態によって提供されるベースひずみ感度試験システムのフレーム構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本出願の目的、技術的解決策および利点をより明確にするために、以下で図面および実施形態を参照して本願をさらに詳細に説明する。ここで説明される特定の実施形態は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明を限定するために使用されるものではないことを理解されたい。
【0019】
本出願は、被測定センサ300のベース歪み感度を測定するためのベース歪み生成装置100を提供する。
【0020】
図1および
図4に示すように、本出願の一実施形態においては、ベース歪み発生装置100は、ベース110、ひずみ梁120、クランプ組立部品130、および磁気回路装置140を含む。
【0021】
ひずみ梁120の中央部には、被測定センサ300を固定し設置するための取付け構造121が設けられている。クランプ組立部品130は、ベース110に固定接続され、ひずみ梁120の中央部分をクランプして取り付け構造121の位置を固定するために使用される。磁気回路装置140は二組設けられており、それぞれベース110に固定し接続されており、ひずみ梁120の両端にそれぞれ一組ずつ設けられている。ひずみ梁120の端部は、ひずみ梁120の両端を揺動させるための正弦波励振を提供し、正弦波励振の方向は、被測定センサ300の感応軸の方向と平行である。
【0022】
具体的には、被測定センサ300は圧電加速度センサであってもよい。
【0023】
本実施形態において、クランプ組立部品130を設置し、ひずみ梁120の中央部分をクランプすることにより、取付け構造121の位置が固定され、さらに、取付け構造121に配置された被測定センサ300は、ひずみ梁120の振動により追加の加速度成分を生成しない。同時に、二組の磁気回路装置140がひずみ梁120の両端に正弦波励振を与え、ひずみ梁120の両端を往復運動させる。また、正弦波励振の大きさと周波数を制御することにより、安定した振幅の振動を発生させることができ、異なる周波数や異なるベース歪みでのベース歪み感度を測定することができる。これにより、被測定センサ300の設置位置の位置ずれがなくなり、被測定センサ300に追加の加速度出力が発生することがなくなり、ベース歪み感度の測定精度が向上する。
【0024】
図1および
図2に示すように、本発明の一実施形態では、二組の磁気回路装置140と取付け構造121との間の距離は、ひずみ梁120の長さ方向において等しい。
【0025】
本実施形態では、磁気回路装置140を二組配置することにより、ひずみ梁120の両端に同時に同じ正弦波励振を印加することにより、被測定センサ300のベースの両側に均一な曲げ力が加わり、これにより、ベースに均一なひずみが発生し、測定精度が向上する。
【0026】
図2および
図6に示すように、本発明の一実施形態では、クランプ組立部品130とひずみ梁120の中間部とは、線接触の方式で互いにクランプされる。
【0027】
本実施形態において、線接触を設置する目的は、ひずみ梁120の中央部の曲げ変化に影響を与えることなくひずみ梁120をクランプすることである。
【0028】
図2に示すように、本出願の一実施形態では、取付け構造121は取付け穴を設ける。取付け穴はひずみ梁120を貫通する。取付け穴の中心軸は正弦波励振方向と平行する。被測定センサ300が取付け穴に固定される際、被測定センサ300の感応軸は取付け穴の中心軸と一致する。
【0029】
本実施形態では、取付け穴を用いて被測定センサ300を固定し、被測定センサ300のネジ穴をひずみ梁120の取付け穴に合わせて固定ねじで取り付けるだけであるため、取付け構造が簡単であり、ひずみ梁120の変形には影響することはない。そして、被測定センサ300のベースはひずみ梁120と直接接触しているため、ひずみ梁120の変形が被測定センサ300のベースによりよく伝達され、被測定センサ300のベース歪み測定の精度が向上する。
【0030】
もちろん、取付け構造121の具体的な形態は限定されず、被試験センサ300のベースがひずみ梁120に完全に接触できるようにクランプまたは差し込み回転などを使用することができる。
【0031】
本出願の一実施形態では、ひずみ梁120の延長方向に垂直して、複数の取付け構造121を設けて、複数の被測定センサ300を同時に検出することができる。
【0032】
図2に示すように、本出願の一実施形態では、クランプ組立部品130は、フレーム131、固定ロッド132、および可動ネジ134を含む。
【0033】
フレーム131は、底板131aと片持ちアーム131bとを備え、底板131aはベース110に固定されている。固定ロッド132は、底板131a上に固定的に設置されている。固定ロッド132の上面はひずみ梁120の下面と対向しており、固定ロッド132の上面とひずみ梁120の下面との間には隙間がある。
【0034】
可動ネジ134は片持ちアーム131bに螺合されており、可動ネジ134は、固定ロッド132の中心軸と一致しており、取付け穴の中心軸と直交して交差している。可動ネジ134の下面とひずみ梁120の上面とは対向配置されており、可動ネジ134の下面とひずみ梁120の上面との間には隙間がある。
【0035】
可動ネジ134が回転すると、可動ネジ134と固定ロッド132とが接近し、ひずみ梁120が可動ネジ134と固定ロッド132との間に挟持される。
【0036】
本実施形態では、固定ロッド132および可動ネジ134は、ひずみ梁120の両側の位置をそれぞれ制限するために設けられており、そして、可動ネジ134および固定ロッド132の中心軸と取付け穴の中心軸との相対位置を規定することにより、取付け穴の位置はひずみ梁120の両端の振動の影響を受けて変位を生じることがないため、被測定センサ300の感応軸に追加の加速度成分が発生することはない。
【0037】
図3に示すように、本発明の一実施形態では、ひずみ梁120の上面に第1の位置決め溝122が設けられ、可動ネジ134は、ひずみ梁120に近い側の端部に第1円錐部134aを備える。第1円錐部134aの最小直径は第1の位置決め溝122の内径より小さく、第1円錐部134aの最大直径は第1の位置決め溝122の内径より大きい。ひずみ梁120がクランプされると、第1円錐部134aの少なくとも一部が第1の位置決め溝122に挿入される。
【0038】
ひずみ梁120の下面には第2の位置決め溝123が設けられ、固定ロッド132のひずみ梁120側に近い側の端部に第2円錐部132aが設けられている。第2円錐部132aの最小直径は第2の位置決め溝123の内径より小さく、第2円錐部132aの最大直径は第2の位置決め溝123の内径より大きい。ひずみ梁120がクランプされると、第2円錐部132aの少なくとも一部が第2の位置決め溝123に挿入される。
【0039】
本実施形態では、第1円錐部134aと第1の位置決め溝122との協働、及び、第2円錐部132aと第2の位置決め溝123との協働により、可動ネジ134、固定ロッド132及びひずみ梁120が相互に結合される。線接触は、ひずみ梁120の曲げに対するクランプ組立部品130の影響を可能な限り低減することができる。
【0040】
図4および
図6に示すように、本出願の一実施形態では、クランプ組立部品130は、第1のT形鋼135、第2のT形鋼136、複数の第1の円弧片138b、複数の第2の円弧片138c及び支持ブロック138dを含む。
【0041】
第1のT形鋼135は、互いに固定して連結された第1の水平部分136aと第1の垂直部分136bとを含む。
【0042】
第2のT形鋼136は、互いに固定して連結された第2の水平部分137aと第2の垂直部分137bとを含む。 第1の水平部分136aと第2の水平部137aは対向して配置されており、第1の水平部分136aと第2の水平部137aとの間には間隔がある。第1の垂直部136bと第2の垂直部137bとは対向して配置されており、第1の垂直部136bと第2の垂直部137bとの間には間隔がある。
【0043】
閉鎖板138aは、第1の垂直部136bの上面及び第2の垂直部137bの上面を覆い、そして、閉鎖板138aは、第1の垂直部136bの上面と第2の垂直部137bの上面にそれぞれ固定的に接続されている。
【0044】
複数の第1の円弧片138bが、第1の垂直部136bの第2の垂直部137bに近い側の表面には、固定し接続されている。第2の垂直部137bの第1垂直部136bに近い側の表面には、複数の第2の円弧片138cが固定して接続されている。第1の円弧片138bは、それぞれこれに対向配置された第2の円弧片138cを有しており、第1の円弧片138bと対向配置された第2の円弧片138cは同一水平面上に位置している。
【0045】
支持ブロック138dは、第1のT形鋼135と第2のT形鋼136との間に設けられる。 第1の水平部分136aと支持ブロック138dとの間に第1の距離が設けられ、第2の水平部分137aと支持ブロック138dとの間に第2の距離が設けられる。
【0046】
クランプ組立部品の使用中、ひずみ梁120の中央部分は第1の円弧片138bと第2の円弧片138cとの間にクランプされ、ひずみ梁120の底部は支持ブロック138dの上面に接触する。支持ブロック138dがひずみ梁120を支持するようにする。
【0047】
具体的には、第1のT形鋼135は45番鋼であり、第2のT形鋼136は45番鋼であってもよい。45番鋼は、炭素含有量が0.4%以上の中炭素鋼で、硬度が低く、加工が容易な高品質の炭素構造用鋼である。
【0048】
クランプ組立部品130が使用されているとき、4つの円弧片はひずみ梁120と接触して線接触を形成する。円弧片は、円弧状の縁を有するシート状の構造体として構成されるが、円弧片の形状は、円形片の半分、すなわち半円片であってもよい。
【0049】
本実施形態においては、円弧片を円筒形やその他の形状ではなく、円弧状の縁を有するシート状の構造として設置する。これは、クランプ組立部品130の内部に手を入れて、ひずみ梁120の中央部に設けられた被測定センサ300を取り外すのに便利だからである。
【0050】
特別な説明が必要なのは、第1の間隔は第2の間隔と等しくてもよいが、しかしながら、ベースひずみ発生装置の実際の使用中、クランプ組立部品130とひずみ梁120がクランプされると、第2のT形鋼136の位置は微調整されるため、第2の間隔は、微視的な観点から見た第2の間隔と等しくないということである。ただし、第1の間隔と第2の間隔はそれほど大差がなく、その差はミリメートルレベルである。
【0051】
図6に示すように、本発明の一実施形態では、クランプ組立部品は溝139aと支持ビード139bをさらに含む。
【0052】
溝139aは、支持ブロック138dの上面に設けられている。溝139aには支持ビード139bが埋め込まれている。溝139aの溝面は支持ビード139bの形状と一致している。
【0053】
クランプ組立部品130が使用中の状態では、支持ビード139bの上部とひずみ梁120の底面との間に点接触が形成され、支持ビード139bの底部と溝139aの溝面との間に面接触が形成され、支持ブロック138dがひずみ梁120を支持する。
【0054】
本実施形態においては、溝139aと支持ビード139bを設置することにより、ひずみ梁120の中央部がクランプされているとき、支持ビード139bと支持ブロック138dとの協働作用により、ひずみ梁120が支持され、そして、ひずみ梁120の中央部分自体の曲げ変化には影響を与えない。
【0055】
図5に示すように、本出願の一実施形態では、クランプ組立部品はさらに、締め付け補助機構139cを含む。
【0056】
締付け補助機構139cは、第2垂直部137bの第1垂直部136bから遠く離れた側に設けられている。
【0057】
第1のT形鋼135がベース110上に締め付け固定され、第1の円弧片138bと第2の円弧片138cとの間にひずみ梁120の中央部が配置されると、締付補助機構139cが第2のT形鋼136に近づく方向に移動して締付けられ、締付補助機構139cが第2垂直部137bに押し付けられる。これにより、第2の円弧片138cがひずみ梁120の中央部に押し付けられ、第1の円弧片138bと第2の円弧片138cとがひずみ梁120の中央部を挟持する。
【0058】
具体的には、締付補助機構139cは、板状の構造を有している。
【0059】
第1のT形鋼135の第1水平部分136aには複数の円形貫通孔が設けられており、第1のT形鋼135はこの円形貫通孔を介してベースにボルト止めされる。
【0060】
支持ブロック138dには複数の円形の貫通孔が設けられており、支持ブロック138dはこれらの円形の貫通孔を介してベースにボルト止めされている。
【0061】
第2のT形鋼136には複数のボルト調整用貫通孔137cが設けられている。ボルト調整用貫通孔137cは短冊状であり、ボルト調整用貫通孔137cの長さの範囲内でボルト調整用貫通孔137cの長さ方向に沿ってスライドして調整することによって、第2T型鋼136の設置位置を微調整することができる。ボルト調整用貫通孔137cの長さ方向は、第2のT形鋼136が支持ブロック138dに近づく方向、または遠ざかる方向と同じである。
【0062】
締付補助機構139cには複数の円形の貫通孔が設けられており、クランプ組立部品には、前記締付補助機構139cと組み合わせて使用するための複数のねじをさらに含む。各ネジは、締付補助機構139cの円形の貫通孔に挿入されており、これらのネジを締め付けることにより、ネジの端部が第2の垂直部137bの表面に押し付けられるまで、締付補助機構139cが第2のT形鋼136に徐々に接近する。これにより、締付補助機構139cが第2水平部137aに押し付けられ、第2T形鋼136及び第2の円弧片138cがひずみ梁120に接近し、第2の円弧片138cがひずむ梁120に押し付けられ、ひずみ梁120は第1の円弧片138bと第2の円弧片138cとによって挟持される。
【0063】
設置するとき、支持ブロック138dはベース110にボルトで固定され、その位置が固定される。
【0064】
この実施形態におけるクランプ組立部品130およびひずみ梁120をクランプするための詳細な操作ステップは次のとおりである。
【0065】
S100では、第1のT形鋼135と支持ブロック138dとの相対位置を決定し、決定後、第1のT形鋼135のボルトを締めて、第1のT形鋼135をベース110に固定する。そして、支持ブロック138dのボルトを締めて、第1のT形鋼135をベース110に固定する。第1のT形鋼135と支持ブロック138dを固定することにより、第2のT形鋼136の位置のその後の微調整のための基準として位置基準が提供される。
【0066】
S200では、第2のT形鋼136のボルト調整用貫通孔137cにボルトを挿入し、ただし締め付け作業は行わない。
【0067】
S300では、第1の円弧片138bと第2の円弧片138cとの間にひずむ梁120を配置し、中央の位置を調整し、ひずみ梁120の中央部が第1の円弧片138bと第2円弧片138cとの間に位置し、ひずみ梁120の下面が支持ビード139bの頂部に当接する。また、任意選択で、第1の円弧片138bは2枚であり、第2の円弧片138cは2枚である。
【0068】
S400では、締付補助機構139cのネジを第2のT形鋼136に近づく方向に締めて、締付補助機構139cが第2のT形鋼136の第2の垂直部137bに押し付けられるようにする。締付補助機構139cは、第2のT形鋼136の第2の垂直部137bに押し付けられることによって、第2のT形鋼136上の第2の円弧片138cがひずみ梁120に押し付けられるようになり、ひずみ梁120は、第1の円弧片138bと第2の円弧片138cとの間に挟まれている。このとき、第2のT形鋼136はA方向上での位置微調整が生じる。
【0069】
S500では、第2のT形鋼136のボルト調整用貫通穴137c中のボルトを締めて、第2のT形鋼136の位置を固定する。
【0070】
図7、8、9および10に示すように、本出願の一実施形態では、磁気回路モジュールは、第1の磁石143a、第2の磁石143b、コイルボビン145a、磁気ヨーク144、および駆動コイル146を含む。
【0071】
第2の磁石143bは、前記第1の磁石143aと平行かつ対向して設けられている。第1の磁石143aと第2の磁石143bとの間には間隔が設けられている。コイルボビン145aは、第1磁石143aと第2磁石143bとの間の間隔に配置されており、中空部分を有する矩形枠状に構成されている。
【0072】
磁気ヨーク144は、コイルボビン145aの中空部分に配置されている。コイルボビン145aには、駆動コイル146が巻回されている。
【0073】
第1の磁石143aと第2の磁石143bは共に磁性を有しており、磁気ヨーク144は透磁性材料で構成されており、磁気回路装置140の使用時には、駆動コイル146に正弦波電流が供給され、第1の磁石143aと磁気ヨーク144との間に第1の空隙磁界が形成され、第2の磁石143bと磁気ヨーク144との間に第2の空隙磁界が形成され、駆動コイル146は、磁場の方向に垂直なアンペア力を受ける。
【0074】
具体的には、駆動コイル146は、磁場の方向に垂直なアンペア力によって駆動される。したがって、コイルボビン145aは、磁力線と直交する方向に水平移動する。
【0075】
図13に示すように、本発明の一実施形態では、コイルボビン145aは、外枠と内枠とを備える。コイルボビン145aの外枠にはコイル巻線溝145bが設けられている。コイル巻線溝145bは、駆動コイル146を収容するために使用される。
【0076】
具体的には、コイル巻線溝145bには、駆動コイル146が収容されており、通電状態では、駆動コイル146には規則的に変化する定常状態の正弦波電流と接続され、駆動コイル146に流れる電流は正弦波電流となる。
図14に示す本実施形態を例として説明すると、磁力線の方向は水平、すなわちX軸に沿っている(磁力線の方向は
図14に示されている)ので、駆動コイル146は磁力線に垂直な定常状態の正弦波アンペア力を受けることになる。すなわち、Y軸方向にアンペア力(アンペア力の方向は
図10に示す)であり、これによって、コイルボビン145および駆動コイル146は前後に移動することができる。
【0077】
図14に示すように、本発明の一実施形態では、第1の磁石143aの磁気ヨーク144に近い側がN極であり、第1の磁石143aのヨーク144から遠い側がS極である。第2の磁石143bの磁気ヨーク144に近い側がN極であり、第2の磁石143bの磁気ヨーク144から遠い側がS極である。
【0078】
具体的には、左側の磁力線2の方向は、磁石のN極から磁気ヨーク144に流れ、その後磁石のS極に戻り、反時計回りの閉ループを形成する。右側の磁力線3は、磁石のN極から磁気ヨーク144に流れ、その後磁石のS極に戻り、時計回りの閉ループを形成する。
【0079】
図9および
図10に示すように、本願の一実施形態では、磁気回路モジュールは、T字型固定ブロック150をさらに含む。
【0080】
T字型固定ブロック150は、コイルボビン145aとひずみ梁120の自由端との間に配置される。
【0081】
T字型固定ブロック150は、互いに直交して配置された水平連結板と垂直連結板とを含む。
【0082】
垂直連結板とひずみ梁120の自由端は、ボルト締めによって接続される。水平連結板の下面はコイルボビン145aに固定して接続される。
【0083】
具体的には、ひずみ梁120の自由端は、ひずみ梁120の両端であり、ひずみ梁120と磁気回路装置140とが接続されている端部である。
【0084】
T字型固定ブロック150とひずみ梁120はボルト締めによって接続される。
【0085】
図7に示すように、本発明の一実施形態では、磁気回路モジュールは、加圧板147、第1側磁気伝導板141a、第2側磁気伝導板141b、第1の保護板140a、第2の保護板140b、および封止板149dを含む。
【0086】
加圧板147、第1側磁気伝導板141a、第2側磁気伝導板141b、第1の保護板140a、第2の保護板140bおよび封止板149dにより磁気回路装置140が構成される。
【0087】
具体的には、第1側磁気伝導板141aと第2側磁気伝導板141bは互いに平行に配置され、第1側磁気伝導板141aと第2側磁気伝導板141bはともに加圧板147に対して垂直で固定して接続されている。第1側磁気伝導板141aと第2側磁気伝導板141bは共に封止板149dに対して垂直であり、封止板149dに固定して接続されている。第1の保護板140aと第2保護板140bは、互いに平行に配置されており、第1の保護板140aと第2の保護板140bは、ともに加圧板147に対して垂直であり、加圧板147に固定して接続されている。第1の保護板140aおよび第2の保護板140bは、いずれも封止板149dに対して垂直であり、封止板149dに固定して接続されている。
【0088】
さらに、制限板148bも備えており、制限板148bは磁気ヨーク144の上方に位置しており、制限板148bは保護ボックス5の上部に配置されている。制限板148bの第1の側は、第1側磁気伝導板141aに固定して接続されており、制限板148bの第2の側は、第2側磁気伝導板141bに固定して接続されている。通電状態では、コイルボビン145aがひずみ梁120の自由端を駆動して揺動する。正弦波電流の周波数と大きさを制御してひずみ梁120を異なる周波数で揺動させ、制限板148bを使用して揺動の範囲を制限するためのものであり、これにより、過剰な揺動範囲によって引き起こされる過度の応力による損傷から装置を保護する。
【0089】
図9に示すように、本発明の一実施形態では、歪み発生装置は、第1の凸台149aと第2の凸台149bをさらに含む。第1の凸台149aは板状である。第2の凸台149bは板状である。
【0090】
第1の凸台149aと第2の凸台149bは平行であり、第1の凸台149aと第2の凸台149bとの間には間隔が設けられ、第1の凸台149aは第1側磁気伝導板141aに固定して連結されており、第2の凸台149bは第2側磁気伝導板141bに肯定して連結されている。
【0091】
具体的には、第1の凸台149aの高さは第1側磁気伝導板141aの高さよりも低く、第2の凸台149bの高さは第2側磁気伝導板141bの高さよりも低い。第1の凸台149aは、板状で在り、第1側磁気伝導板141aと密着して第1側磁気伝導板141aと平行に配置され、第2の凸台149bは、板状で在り、第2側磁気伝導板141bと密着して第2側磁気伝導板141bと平行に配置されている。
【0092】
なお、ここでの高さとは高さ方向の長さを指し、高さ方向とは封止板149dがT字型固定ブロック150に向かう方向を指す。
【0093】
コイルボビン145aは、第1の磁石143aと第2の磁石143bとの間に位置する。コイルボビン145aの内部には、磁気ヨーク144が設けられている。コイルボビン145aと第1の磁石143aとの間には、一定の磁気ギャップ1が存在する。
図14に示すように、コイルボビン145aと第2の磁石143bとの間には、一定の磁気ギャップ1が存在する。磁気ヨーク144とベースとの間には一定の磁気ギャップ1があり、第1の磁石143aと第2の磁石143bは平行である。
図9に示すように、第1の磁石143aは第1の凸台149aに近接して配置され、第1の磁石143aは第1側磁気伝導板141aの内面に当接し、第2の磁石143bは第2の凸台149bに近接して配置され、第2の磁石143bは第2側磁気伝導板141bの内面に当接し、コイルボビン145aは第1の磁石143aと第2の磁石143bとの間に位置し、磁気ヨーク144はコイルボビン145aの中空に設置される。磁気ヨーク144は磁気伝導性材料で作られている。
【0094】
具体的には、コイルボビン145aは、中空部分を有する矩形枠状に構成されている。第1の磁石143aと第2の磁石143bはともに磁性を有し、磁気ヨーク144は非磁性であり、磁気伝導性材料からなる。通電後、磁気ヨーク144の中央部は磁気を伝導して磁場を形成することができる。第1の磁石143aと磁気ヨーク144との間に第1のエアギャップ磁界が形成され、第2の磁石143bと磁気ヨーク144との間に第2のエアギャップ磁界が形成され、コイルボビン145aは、第1のエアギャップ磁界と第2ギャップ磁界との間に位置し、したがって、コイルボビン145aと加圧板147との間、コイルボビン145aと第1の磁石143aとの間、コイルボビン145aと第2の磁石143bとの間、コイルボビン145aと磁気ヨーク144との間に間隔がある。
【0095】
また、
図14に示すように、正弦波電流の作用により、第1の磁石143aとコイルボビン145aとの間、および第2の磁石143bとコイルボビン145aとの間にはアンペア力が発生し、第1の磁石と磁気ヨークとの間には左側磁力線2、第2の磁石143bと磁気ヨークとの間には右側磁力線3が存在する。
【0096】
本願の一実施形態では、第1側磁気伝導板141aの内面は凸面として設置され、第2側磁気伝導板141bの内面は凸面として設置されている。
【0097】
具体的には、第1の磁石143aは第1側磁気伝導板141aの内面に吸着され、第2の磁石143bは第2側磁気伝導板141bの内面に吸着される。
【0098】
具体的には、第1の磁石143a、第2の磁石143bと磁気ヨーク144との間に間隔が予め設定されており、第1の磁石143aは第1側磁気伝導板141aの内面に固定され、第2の磁石143bは第2側磁気伝導板141bの内面に固定されている。
【0099】
図7に示すように、本発明の一実施形態では、歪み発生装置はカバー板148aをさらに含む。
【0100】
カバー板148aは、T字形固定ブロック150に固定して接続される。
【0101】
具体的には、カバー板148aは、磁気回路装置140の内部に密閉空間を形成し、磁気回路装置140を覆い、磁気回路装置140内への異物の落下を防止するために用いられる。
【0102】
T字型固定ブロック150はカバー板148aに埋め込まれており、T字型固定ブロック150の水平連結板はカバー板148aに固定して接続されており、したがって、ひずみ梁120が揺動すると、カバー板148aおよびT字形固定ブロック150もひずみ梁120の揺動に連動して運動する。
【0103】
図10に示すように、本発明の一実施形態では、歪み発生装置は、第1の磁気ヨーク固定板142aと第2の磁気ヨーク固定板142bとをさらに含む。
【0104】
第1の磁気ヨーク固定板142aと第2の磁気ヨーク固定板142bは平行である。
【0105】
第1の磁気ヨーク固定板142aは、ボルトによって第1の保護板140aの内面に固定して接続されており、第2の磁気ヨーク固定板142bは、第2の保護板140bの内面にボルトにより固定して接続されている。これによって、磁気ヨーク144の取り付け位置が固定される。
【0106】
具体的には、第1の保護板140aは第1の磁気ヨーク固定板142aの外面を覆っており、第1の保護板140aは第1の磁気ヨーク固定板142aに直接接続されていない。第1の保護板140aの一側はボルトにより第1側磁気伝導板141aに固定接続され、第1の保護板140aの他側はボルトにより第2側磁気伝導板141bに固定接続される。第1の磁気ヨーク固定板142aの一側はボルトを介して第1側磁気伝導板141aに固定接続され、第1の磁気ヨーク固定板142aの他側はボルトを介して第2側磁気伝導板141bに固定接続される。第2の磁気ヨーク固定板142bの一側はボルトを介して第1側磁気伝導板141aに固定接続され、第2の磁気ヨーク固定板142bの他側はボルトを介して第2側磁気伝導板141bに固定接続される。
【0107】
第2の保護板140bについても同様である。第2の保護板140bは第2の磁気ヨーク固定板142bに直接接続されていない。第2の保護板140bの一側はボルトにより第1側磁気伝導板141aに固定接続され、第2の保護板140bの他側はボルトにより第2側磁気伝導板141bに固定接続される。
【0108】
第1の磁気ヨーク固定板142aおよび第2の磁気ヨーク固定板142bは、いずれも磁気伝導性材料からなり、磁気伝導性を有する。
【0109】
本実施形態では、駆動コイル146に交流電流が供給されることにより、コイルボビン145がひずみ梁120の両端を駆動して揺動させる。コイルボビンとひずみ梁120との間に接続板を配置することにより、動力を伝達する。そして、ひずみ梁120の両端はそれぞれT字型固定ブロック150に挿入され、T字型固定ブロック150はひずみ梁120の端部にのみ動力を加える。
【0110】
この出願は、ベース歪み感度試験システム10も提供する。
【0111】
図15に示すように、本願の一実施形態では、ベース歪み感度試験システム10は、上述のベース歪み発生装置100、被測定センサ300、少なくとも2つのひずみゲージ400、2つの変位センサ500、及び制御装置200を含む。ベース歪み発生装置は、ベース110、ひずみ梁120、クランプ組立部品130、および二つの磁気回路装置140を含む。
【0112】
被測定センサ300は、ひずみ梁120の中央の取付け構造上に固定して設置される。
【0113】
少なくとも2つのひずみゲージ400がひずみ梁120の中央部に固定して設置される。ひずみゲージ400は、取付け構造121の設定範囲内のひずみ値を測定するために使用される。
【0114】
各磁気回路装置140には、変位センサ500が固定して設置されている。変位センサ500を用いて、ひずみ梁120が静止しているときのひずみ梁120の両端の初期位置を測定し、ひずみ梁120の両端の初期位置をひずみ梁120の両端の変位のゼロ点とする。その後、フィードバック制御を使用することによって、ひずみ梁120の両端は変位ゼロ点の両側で常に一定の振幅で揺動する。
【0115】
制御装置200は、磁気回路装置140、被測定センサ300、ひずみゲージ400、変位センサ500とそれぞれ接続されている。制御装置200は、少なくとも磁気回路装置140による正弦波励磁出力の大きさ及び周波数の制御、ひずみゲージ400によるひずみ値の取得、変位センサ500による変位値の取得、被測定センサ300によって出力される加速度値の取得に用いられる。
【0116】
具体的には、磁気回路装置140の封止板149dには、変位センサ500を取り付けるための変位センサ取付け孔149eが設けられている。変位センサ500は渦電流センサであり、非接触測定が可能である。コイルボビン145aには、変位センサ500と併用される測定体149cが取り付けられる。ひずみ梁120の両端にはそれぞれ変位センサ500が設けられている。変位センサ500は、ひずみ梁120が静止しているときにひずみ梁120の両端の初期位置を測定する。フィードバック制御により、ひずみ梁120の揺動時の振幅を変位ゼロ点の両側で等振幅とする。変位センサ500が具体的に検出するのは、変位センサ500の探針と測定体149cとの間の距離である。
【0117】
ひずみゲージ400は2個または4個設けることができ、2個の場合はハーフブリッジ回路、4個の場合はフルブリッジ回路となる。ひずみゲージ400がひずみ梁120の中央部に設置される場合、ひずみゲージ400は被測定センサ300の近くに配置される。任意選択で、2つのひずみゲージ400がある場合、2つのひずみゲージ400は、ひずみ梁120の中央部の被測定センサ300を中心として対称的に配置される。
【0118】
上述の実施形態の技術的特徴は、任意の方法で組み合わせることができ、各方法ステップの実行順序は限定されないが、説明を簡潔にするために、上記の実施形態における技術的特徴のすべての可能な組み合わせが説明されているわけではない。ただし、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書の範囲に含まれるものとみなすべきである。
【0119】
上述の実施形態は、本願のいくつかの実施形態を表現するだけであり、それらの説明は比較的具体的かつ詳細であるが、本願の特許範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者にとって、本出願の概念から逸脱することなくいくつかの修正および改良を行うことができ、これらはすべて本出願の保護範囲内に含まれることに留意されたい。したがって、本出願の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定されるべきである。
【符号の説明】
【0120】
100、ベース歪み発生装置、
110、ベース、
120、ひずみ梁、
121、取付け構造、
122、第1の位置決め溝、
123、第2の位置決め溝、
130、クランプ組立部品、
131、フレーム、
131a、底板、
131b、片持ちアーム、
132、固定ロッド、
132a、第2円錐部、
134、可動ネジ、
134a、第1円錐部、
135、第1のT形鋼、
136a、第1の水平部分、
136b、第1の垂直部分、
136、第2のT形鋼、
137a、第2の水平部分、
137b、第2の垂直部分、
137c、ボルト調整用貫通孔、
138a、閉鎖板、
138b、第1の円弧片、
138c、第2の円弧片、
138d、支持ブロック、
139a、溝、
139b、支持ビード、
139c、締付補助機構、
140、磁気回路装置、
140a、第1の保護板、
140b、第2の保護板、
141a、第1側磁気伝導板、
141b、第2側磁気伝導板、
142a、第1の磁気ヨーク固定板、
142b、第2の磁気ヨーク固定板、
143a、第1の磁石、
143b、第2の磁石、
144、磁気ヨーク、
145a、コイルボビン、
145b、コイル巻線溝、
146、駆動コイル、
147、加圧板、
148a、カバー板、
148b、制限板、
149a、第1の凸台、
149b、第2の凸台、
149c、測定体、
149d、封止板、
149e、変位センサ取付け孔、
150、T字型固定ブロック、
1、磁気ギャップ、
2、左側磁力線、
3、右側磁力線、
10、ベース歪み感度試験システム、
200、制御装置、
300、被測定センサ、
400、ひずみゲージ、
500、変位センサ
【外国語明細書】