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特開2024-178099CMSサーバ装置、CMSサーバプログラム及び端末プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178099
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】CMSサーバ装置、CMSサーバプログラム及び端末プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/166 20200101AFI20241217BHJP
   G06F 40/143 20200101ALI20241217BHJP
【FI】
G06F40/166
G06F40/143
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024047399
(22)【出願日】2024-03-25
(31)【優先権主張番号】P 2023096044
(32)【優先日】2023-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年12月25日に自社ウェブサイト及び自社プロダクトサイトにて掲載 https://www.fenrir-inc.com/jp/news/2023/12/25/nilto-2023/ https://www.nilto.com/
(71)【出願人】
【識別番号】505410069
【氏名又は名称】フェンリル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153246
【弁理士】
【氏名又は名称】伊吹 欽也
(72)【発明者】
【氏名】西田 剛
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109NH01
5B109NH03
5B109NH04
5B109NH11
5B109TB03
5B109VC03
(57)【要約】
【課題】CMSのウェブページ編集UIにおいて、コンテンツレイアウトの編集性を向上させる。
【解決手段】本発明に係るCMSサーバ装置は、ウェブサイトのコンテンツを管理するCMSサーバ装置であって、一の書式オブジェクトに、複数の書式要素の組み合わせを対応付けて設定する書式設定手段と、ウェブページのテキストを入力するテキスト入力手段と、入力されたテキストに書式オブジェクトが適用された場合、書式オブジェクトに対応付けられた複数の書式要素を組み合わせて、テキストを編集するテキスト編集手段と、を有する。
【選択図】図17

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブサイトのコンテンツを管理するCMSサーバ装置であって、
一の書式オブジェクトに、複数の書式要素の組み合わせを対応付けて設定する書式設定手段と、
ウェブページのテキストを入力するテキスト入力手段と、
入力された前記テキストに前記書式オブジェクトが適用された場合、該書式オブジェクトに対応付けられた前記複数の書式要素を組み合わせて、前記テキストを編集するテキスト編集手段と、
を有することを特徴とするCMSサーバ装置。
【請求項2】
複数の書式要素が対応付けられた第1の書式オブジェクト及び少なくとも一以上の書式要素が対応付けられた第2の書式オブジェクトは、互いに共通の書式要素が対応付けられ、且つ、非共通の書式要素が対応付けられること、
を特徴とする請求項1に記載のCMSサーバ装置。
【請求項3】
前記第1の書式オブジェクトに対応する第1のアイコン及び前記第2の書式オブジェクトに対応する第2のアイコンが配置された書式設定ツールを表示する書式設定ツール表示手段と、
を有することを特徴とする請求項2に記載のCMSサーバ装置。
【請求項4】
前記第1のアイコンは、前記第1の書式オブジェクトに対応付けられた前記複数の書式要素を示すアイコンであること、
を特徴とする請求項3に記載のCMSサーバ装置。
【請求項5】
前記書式設定ツール表示手段は、
特定アイコンが配置された前記書式設定ツールを表示し、
前記特定アイコンが適用された場合に、複数の書式要素が対応付けられた第3の書式オブジェクトに対応する第3のアイコンが配置された特定書式設定ツールを表示し、
前記テキスト編集手段は、
入力された前記テキストに前記第3の書式オブジェクトが適用された場合、該第3の書式オブジェクトに対応付けられた前記複数の書式要素を組み合わせて、前記テキストを編集すること、
を特徴とする請求項3に記載のCMSサーバ装置。
【請求項6】
前記ウェブページのデザインカンプデータを取得する取得手段と、
前記デザインカンプデータのデザインカンプ内に記述されたテキストを解析し、一のテキストに適用されている複数の書式要素の組み合わせを抽出する抽出手段と、
を有し、
前記書式設定手段は、一の書式オブジェクトに、前記抽出手段により抽出された複数の書式要素の組み合わせを対応付けて設定すること、
を特徴とする請求項1に記載のCMSサーバ装置。
【請求項7】
ウェブサイトのコンテンツを管理するCMSサーバ装置であって、
一のコンテンツフィールド毎に、入力言語の種類に応じた複数のコンテンツフィールドを設定する多言語設定手段と、
前記複数のコンテンツフィールド毎に、入力言語の種類に応じたテキストを入力するテキスト入力手段と、
前記複数のコンテンツフィールド毎に入力されたテキストを、入力言語の種類毎に、前記一のコンテンツフィールドに対応付けて記憶する記憶手段と、
を有することを特徴とするCMSサーバ装置。
【請求項8】
コンピュータに、
一の書式オブジェクトに、複数の書式要素の組み合わせを対応付けて設定する書式設定手段と、
ウェブページのテキストを入力するテキスト入力手段と、
入力された前記テキストに前記書式オブジェクトが適用された場合、該書式オブジェクトに対応付けられた前記複数の書式要素を組み合わせて、前記テキストを編集するテキスト編集手段と、
して機能させるためのCMSサーバプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
表示手段に、複数の書式要素が対応付けられた第1のアイコンが配置された書式設定ツールを表示する書式設定ツール表示手段と、
入力手段から、ウェブページのテキストを入力するテキスト入力手段と、
操作手段から、入力された前記テキストに前記書式設定ツールに配置された前記第1のアイコンが適用操作された場合、該第1のアイコンに対応付けられた前記複数の書式要素を組み合わせて、前記テキストを編集するテキスト編集手段と、
を有することを特徴とする端末プログラム。
【請求項10】
前記書式設定ツールは、さらに、少なくとも一以上の書式要素が対応付けられた第2のアイコンが配置され、
前記第1のアイコン及び前記第2のアイコンは、互いに共通の書式要素が対応付けられ、且つ、非共通の書式要素が対応付けられること、
を特徴とする請求項9に記載の端末プログラム。
【請求項11】
前記第1のアイコンは、前記複数の書式要素を示すアイコンであること、
を特徴とする請求項10に記載の端末プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CMSサーバ装置、CMSサーバプログラム及び端末プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業のウェブサイトにおいて、例えば製品サービス情報のページはマーケティング部門が管理し、会社概要やIR情報のページは広報部門が管理するといったように、コンテンツページごとに管理担当部門が異なることが少なくない。また、各部門にウェブ制作運用に対する知識を有する社員がいるとは限らないため、ページの更新・追加の際には、ウェブ制作運用を担当するシステム部門や外部制作会社に対して依頼をする企業もある。
【0003】
従来よりウェブサイトの構築・管理・運用を行うためのCMS(Content Management System)が知られている(例えば、特許文献1参照)。通常CMSでは、直接コンテンツ編集するためのユーザーインターフェイス(以下編集UIという)を備えており、各管理担当部門などの編集者が専門的な知識を十分にもっていなくとも、ウェブデザイナーやエンジニアを介さずに、ウェブページの編集(更新・追加等)が可能になるため、分業体制で効率的なウェブサイト運用が可能である。特に編集者は、ウェブデザイナーによりデザイン設計されたテンプレート(デザインひな形)をベースに、ウェブページの追加・更新を行うため、ページごとにウェブデザイナーが意図していたデザインやユーザーインターフェイスに大きな乖離が生まれてしまうということも少ない。
【0004】
CMSにおいて、まずエンジニア(開発者)は、ウェブデザイナーによるページデザインカンプ(デザインの完成見本)を元に、ページレイアウト構成を抽出し、CMSで管理・編集しやすいようにモデル化された上述のテンプレートを開発する(コンテンツモデリング)。より具体的に、1つのテンプレートにおけるページレイアウト構成において、例えば、タイトル、サブタイトル、説明、関連リンク、メインビジュアル、本文・・といったコンテンツ要素を抽出し、編集者が抽出したコンテンツ要素を直接編集可能とする編集UIを設定する。編集者は、編集UIに沿ってコンテンツモデリングされたコンテンツ要素に対して編集(更新・追加等)を行うことで、ウェブデザイナーが意図していたデザインやユーザーインターフェイスに叶うウェブコンテンツが作成される(図1)。
【0005】
また、近年ではヘッドレスCMS(Headless CMS)と呼ばれる、ヘッドつまりフロントエンド(ビュワー)のないCMSも登場しつつある。ヘッドレスCMSは、コンテンツデータの管理・編集・配信に特化したシステムで、別途構築したフロントエンドとはAPIを介して連携することでウェブサイトを表示する。ヘッドレスCMSは、従来のCMSと比べ技術難易度は高いが、汎用性・セキュリティ・設計の柔軟性に優れている。フロントエンドとバックエンドが完全に切り離されているため、それぞれに影響されることなくシステム変更を行えたり、CMS機能を後付けできたり、高速なページ表示やサーバ負担低減などといったメリットがある。またヘッドレスCMSは、ウェブサイトだけでなく、アプリやスマートデバイス、デジタルサイネージなど、フロントエンドの異なる様々なチャネルにデータ配信する用途にも向いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2019-531524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、ウェブページにおいて特に「本文」(以下、本文パートという)のように、ページごとに見出しや段落、画像などのコンテンツ構成要素をどう組み合わせるかが異なるレイアウトは、通常リッチテキストで編集される。CMSはリッチテキストエディタを備えており、編集者が編集UIから本文パート内においてテキストの書式編集を行う場合、書式設定ツールバーから所望の書式要素を選択し、対象のテキストに対して、選択した書式適用する(図2)。しかしながら、従来のCMSにおけるリッチテキストエディタは、ウェブデザイナー、エンジニア及び編集者による効率的な分業体制の下、ページごとにコンテンツ構成要素の組み合わせ方が異なるレイアウトを編集するための機能が、必ずしも十分ではないという問題がある。
【0008】
例えば、従来のリッチテキストエディタは選択できる書式要素が固定化さているため、ウェブページデザインが与えられた書式の組み合わせではカバーできない場合に問題が発生する。例えば、引用ブロックで2種類の書式デザインを使い分けたり、独自のスタイルを適用したりすることはできない(図3(a))。こういったリッチテキストの仕様を超えたデザインは諦めるか、意図したデザインやスタイルを強引に実現しようとする場合、直接HTMLを記述する運用方法を課すなど、編集者に負担を強いているケースもある。
【0009】
また、デザインをしない編集者に編集UI(例えば、CMSのリッチテキストエディタ上の書式設定ツールバー)が最適化されていないという問題もある。例えば本文パート内のテキストを強調するケースを考えたとき、リッチテキストでは太字や下線、文字色など様々な書式手段が用意されている。編集者は、テキストをどのように強調するかについてウェブデザイナーの指示(例えば太字+下線+所定文字色)に従う必要があるものの、CMS上の編集UIからは指示を判断可能なものではないため、別途用意された資料(デザイン指針等)などを参照する手間がある。
【0010】
そして、ウェブデザイナーの指示が分かりにくかったり曖昧だった場合に、編集者が個々判断で書式設定ツールバーを用いて自由にテキストの書式編集を行った結果、例えば本文パート毎に適用された書式デザインがバラバラとなってしまい、ウェブサイト全体としてもウェブデザイナーのデザイン意図から乖離してしまう(図3(b))。
【0011】
また例えば、編集者がウェブデザイナーの指示に従った強調を行うとしても、まず対象のテキストを選択の上、書式設定ツールバーから太字を選択・適用し、下線を選択・適用し、文字色を選択・適用する編集操作といった複数段階の編集操作が必要となるため、操作性の点からも編集ミスが起こりやすいという問題もある。編集ミスが多発した場合についても、やはり書式デザインがバラバラとなった結果、ウェブデザイナーのデザイン意図から乖離してしまう。
【0012】
本発明は、上記の点に鑑み提案されたものであり、一つの側面から、CMSのウェブページ編集UIにおいて、コンテンツレイアウトの編集性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するため、本発明に係るCMSサーバ装置は、ウェブサイトのコンテンツを管理するCMSサーバ装置であって、一の書式オブジェクトに、複数の書式要素の組み合わせを対応付けて設定する書式設定手段と、ウェブページのテキストを入力するテキスト入力手段と、入力された前記テキストに前記書式オブジェクトが適用された場合、該書式オブジェクトに対応付けられた前記複数の書式要素を組み合わせて、前記テキストを編集するテキスト編集手段と、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施の形態によれば、一つに、CMSのウェブページ編集UIにおいて、コンテンツレイアウトの編集性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来のCMSによるウェブサイト制作フロー例を示す図である。
図2】従来のテキストの書式編集例を示す図である。
図3】従来のリッチテキストエディタに係る課題を説明する図である。
図4】本実施形態に係るCMSのネットワーク構成例を示す図である。
図5】本実施形態に係るCMSのアーキテクチャ構成例を示す図である。
図6】本実施形態に係るCMSサーバのハードウェア構成例を示す図である。
図7】本実施形態に係るCMSサーバのソフトウェア構成例を示す図である。
図8】本実施形態に係るCMSによるウェブサイト制作フロー例を示す図である。
図9】本実施形態に係る編集UI設定例1を示す図である。
図10】本実施形態に係る編集UI設定例2を示す図である。
図11】本実施形態に係る編集UI設定例3を示す図である。
図12】本実施形態に係る編集UI設定例4を示す図である。
図13】本実施形態に係る編集UI設定例5を示す図である。
図14】本実施形態に係る編集UI設定例6を示す図である。
図15】本実施形態に係るウェブコンテンツ作成例1を示す図である。
図16】本実施形態に係るウェブコンテンツ作成例2を示す図である。
図17】本実施形態に係るウェブコンテンツ作成例3を示す図である。
図18】本実施形態に係るウェブコンテンツ作成例4を示す図である。
図19】本実施形態に係る編集UI設定例1を示す図である。
図20】本実施形態に係る編集UI設定例2を示す図である。
図21】本実施形態に係るウェブコンテンツ作成例1を示す図である。
図22】本実施形態に係るウェブコンテンツ作成例2を示す図である。
図23】本実施形態に係る多言語コンテンツ機能例を示す図である。
図24】別実施形態に係る編集UI自動設定を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
[実施形態1]
<システム構成>
(ネットワーク構成)
図4は、本実施形態に係るCMSのネットワーク構成例を示す図である。また図5は、本実施形態に係るCMSのアーキテクチャ構成例を示す図である。本実施形態に係るCMS(Content Management System)100は、CMSサーバ10、エンジニア(開発者)又はウェブデザイナーの有するシステム設定端末20、及びコンテンツ編集者の有する編集者端末30を含み、ネットワーク50を介して接続されている。
【0017】
CMSサーバ10は、ウェブサイトの構築・管理・運用を行うためのSaaS(Software as a Service)型コンテンツ管理システムのサーバ装置である。CMSサーバ10は、例えば、ユーザ管理、各種のシステム設定、編集UIを介したウェブページのコンテンツ生成、文書や画像等のコンテンツデータ管理、ウェブサイト管理などを行う。ウェブデザイナーによるデザイン監修の下、エンジニアにより構築されたウェブサイトのフロントエンドが、ウェブサーバ(非図示)を介してウェブサイトの訪問者に公開される。
【0018】
但し、CMSサーバ10がヘッドレスCMSである場合、ヘッドレスCMSはコンテンツデータの管理・編集・配信に特化したシステムであるため、CMS側にフロントエンドを含まない。ウェブデザイナーによるデザイン監修の下、エンジニアにより別途構築されたフロントエンドとCMSサーバ10側とがAPI(Application Programming Interface)を介して連携し、訪問者にウェブサイトを表示する仕組みである(デカップルド・アーキテクチャ)。
【0019】
システム設定端末20は、エンジニア又はウェブデザイナーが各種のシステム設定等を行うための情報端末装置である。システム設定端末20は、例えばスマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータなどにより実現され、CMSサーバ10にアクセスするための所定のアプリケーションプログラム(例えば汎用ウェブブラウザや専用アプリ等)が予めインストールされる。
【0020】
編集者端末30は、編集者がウェブコンテンツの作成や編集を行うための情報端末装置である。編集者端末30は、例えば表示手段、入力手段、操作手段を有するスマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータなどにより実現され、CMSサーバ10にアクセスするための所定のアプリケーションプログラム(例えば汎用ウェブブラウザや専用アプリ等)が予めインストールされる。
【0021】
ネットワーク50は、有線、無線を含む通信ネットワークである。ネットワーク50は、例えば、インターネット、公衆回線網、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などを含む。
【0022】
(ハードウェア構成)
図6は、本実施形態に係るCMSサーバのハードウェア構成例を示す図である。CMSサーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶装置14、及び通信装置15を有する。
【0023】
CPU11は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM12は、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM13は、CPU11での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。記憶装置14は、各種データ及びプログラムを格納・保存する。通信装置15は、ネットワーク50を介して他装置との通信を行う。
【0024】
(ソフトウェア構成)
図7は、本実施形態に係るCMSサーバのソフトウェア構成例を示す図である。CMSサーバ10は、主な機能部として、編集UI設定部101、編集UI部102及び記憶部103を有する。編集UI設定部101は、コンテンツ要素設定部101a及び書式設定部101bを含む。編集UI部102は、テキスト入力部102a、書式設定ツール表示部102b及びテキスト編集部102cを含む。
【0025】
コンテンツ要素設定部101aは、システム設定端末20による設定操作に応じて、コンテンツモデリングにより抽出されたコンテンツ要素を、CMS内の編集UIにウェブページのページレイアウト構成要素として設定する機能を有している。
【0026】
書式設定部101bは、システム設定端末20による設定操作に応じて、一の書式オブジェクトに、複数の書式要素の組み合わせを対応付けて設定する機能を有している。
【0027】
テキスト入力部102aは、編集者端末30による入力操作に応じて、ウェブページのテキストを入力する機能を有している。
【0028】
書式設定ツール表示部102bは、編集者端末30の表示画面に、書式オブジェクトに対応するオブジェクトアイコン(単に、アイコンともいう)が配置された書式設定ツールを表示する機能を有している。
【0029】
テキスト編集部102cは、編集者端末30による選択操作に応じて、編集画面に表示されたテキストに書式設定ツール上に配置された一の書式オブジェクトが適用された場合、一の書式オブジェクトに対応付けられた複数の書式要素を組み合わせて、当該テキストを編集する機能を有している。
【0030】
記憶部103は、CMSとしてウェブサイトを構築・管理・運用を行うために必要な各種DBを記憶する機能を有している。
【0031】
なお、これら各機能部は、本発明に係る機能部であって、CMSサーバ10がウェブサイトを構築・管理・運用を行うために必要な各種機能部を他にも備えていることは言うまでもない。また各機能部は、CMSサーバ10を構成するコンピュータのCPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるプログラムによって実現されるものである。これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読替えてもよい。また、CMSサーバ10における記憶部103の各種DBは、ネットワーク50上の外部記憶装置に配置することも可能である。また、上記コンピュータプログラム及びアプリケーションプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に格納されていてもよい。
【0032】
本実施形態に係るCMS100はSaaS型コンテンツ管理システムである。このため、システム設定端末20及び編集者端末30側は、例えば汎用ウェブブラウザや専用アプリ等を介してCMSサーバ10の有する上記機能部による機能サービスが提供される。つまり、例えばウェブブラウザがCMSサーバ10から表示データを受信し、ウェブブラウザがCMSサーバ10に入力データや操作データを送信し、またレスポンスデータとしての表示データをウェブブラウザ画面上に表示する。一方、SaaS型コンテンツ管理システムではなく、スタンドアローン型コンテンツ管理システムとして構成される場合には、システム設定端末20及び編集者端末30側が、CMSサーバ10の有する上記機能部を有することも可能である。
【0033】
<CMSによるウェブサイト制作迄のフロー例>
図8は、本実施形態に係るCMSによるウェブサイト制作フロー例を示す図である。ウェブサイト制作は、一般にウェブディレクター、ウェブデザイナー、エンジニア、及び編集者等、各担当者間の分業により実現される。但し、例えばウェブディレクター及びウェブデザイナー、ウェブデザイナー及びエンジニアなどは、人員やスキル等に応じて分担作業を兼任する場合もある。
【0034】
S1「サイト設計」:ウェブディレクターは、ウェブサイト全体の構成や導線を検討し、サイトマップを作成する。
【0035】
S2「ウェブページデザイン」:ウェブデザイナーは、各ウェブページをデザインし、デザインカンプやリソースを作成する(例えば図1参照)。
【0036】
S3「インフラ構築」:エンジニアは、サーバやネットワーク環境を準備し、CMSサーバ10を設置・構築する(例えば図4参照)。なおヘッドレスCMSの場合には、加えてフロントエンドのためのサーバ(CMSサーバ10と同サーバ内又は別サーバ等)を準備する。
【0037】
S4「コンテンツモデリング」:エンジニアは、ウェブデザイナーによるページデザインを元に、CMSで管理するコンテンツの内容を抽出しモデル化する。具体的に、ウェブページのページレイアウト構成において、例えば、タイトル、サブタイトル、説明、関連リンク、メインビジュアル、本文・・といったコンテンツ要素を抽出する(例えば図1参照)。
【0038】
S5「編集UI設定」:エンジニアは、上記モデルに従ってCMS内の編集UIを設定する。具体的に、ウェブページのページレイアウト構成において、抽出したコンテンツ要素を編集者が直接編集可能とする編集UIを設定(定義)する(例えば図1参照)。
【0039】
S6「フロントエンド開発」:エンジニアは、ウェブデザイナーによるページデザインに沿ったコーディングを行い、CMSの出力を流し込む処理を実装する。
【0040】
S7「コンテンツ作成」:編集者は、編集UIに沿って各々のウェブページ編集(更新・追加等)を行い、ウェブコンテンツを作成する(例えば図2参照)。
【0041】
<編集UI設定例>
上記S5に示したように、エンジニアは、編集者がコンテンツモデリングされたコンテンツ要素を直接編集可能なように、CMS内の編集UIを設定する。ここで、ウェブページにおいて特に本文パートのように、ページごとに見出しや段落、画像などのコンテンツ構成要素をどう組み合わせるかが異なるレイアウトは、リッチテキストエディタによりリッチテキストで編集されるが、本実施形態に係る編集UI設定においては、従来の固定化された書式設定ツールバーとは異なり、リッチテキストエディタにおける書式設定ツールバーの書式構成を柔軟に設定可能としたものである。以下、S5「編集UI設定」について詳しく説明する。
【0042】
図9は、本実施形態に係る編集UI設定例1を示す図である。エンジニアは、システム設定端末20を用いてCMSサーバ10にアクセス・ログインし、まずウェブページのページレイアウト構成に適用されるモデル設定画面を表示する。エンジニアは、ウェブページのページレイアウト構成において、ウェブデザイナーによるページデザインを元にコンテンツモデリングされたコンテンツ要素を設定する。
【0043】
具体的に、エンジニアは、入力フィールド一覧105の中から各々のコンテンツ要素に合う型の入力フィールド部品(コンテンツ要素の入力欄)を選択し、ドロップアンドドラッグ操作により、ページレイアウト構成フィールド106にこれを配置・設定することができる。図9の場合、一例として、タイトル要素に対応した「1行テキスト」、サブタイトル要素に対応した「1行テキスト」、説明要素に対応した「複数行テキスト」、本文要素に対応した「フレキシブルテキスト」が、ページレイアウト構成フィールド106に配置・設定されている。
【0044】
CMSサーバ10(コンテンツ要素設定部101a)は、ページレイアウト構成フィールド106に配置・設定された入力フィールド部品の情報を、記憶部103の所定のDBに保存する。
【0045】
図10は、本実施形態に係る編集UI設定例2を示す図である。次にエンジニアは、ウェブページのページレイアウト構成を設定した後、各々の入力フィールド部品の書式制御設定、即ち、リッチテキストエディタにおける書式設定ツールバーの書式構成を設定する。例えば各々の入力フィールド部品のうち本文要素に対応した「フレキシブルテキスト」107が選択されると、「フレキシブルテキスト」107において現在有効設定されている書式構成情報108が表示される。エンジニアは、「フレキシブルテキスト」107に対して現在有効設定されている書式構成を変更する場合、「ビルダーを開く」109を押下する。
【0046】
図11は、本実施形態に係る編集UI設定例3を示す図である。エンジニアは、「フレキシブルテキスト」内において有効とする書式要素を、編集者が利用可能なテキストエディタの書式オブジェクトとして設定(追加・削除)することができる。より具体的に、書式要素一覧111の中から「フレキシブルテキスト」内において有効とする書式要素を選択し、ドロップアンドドラッグ操作により、書式設定ツールバー110の上に当該書式のオブジェクトアイコンとして設定(追加・削除)する。
【0047】
編集者は、編集UI上において「フレキシブルテキスト」内のテキストに対して書式設定を行う場合、書式設定ツールバー110にここで設定された書式を適用することができる。従ってエンジニアは、ウェブデザイナーによるページデザインや別途用意された資料(デザイン指針等)を元に、有効とする書式のみを選択し設定する。逆に、ウェブデザイナーのデザイン意図にそぐわない無効としたい書式については、編集者が利用不可にすべく書式設定ツールバー110から除外する。なお、設定(追加・削除)可能な書式は、一例として図11に示す書式要素一覧111の通りである。
【0048】
CMSサーバ10(書式設定部101b)は、入力フィールド部品(例えば「フレキシブルテキスト」)内における書式設定ツールバー110の上に設定(追加・削除)された書式のオブジェクトアイコンの情報を、記憶部103の所定DBに保存する。
【0049】
図12は、本実施形態に係る編集UI設定例4を示す図である。次に書式設定ツールバー110上のオブジェクトアイコンに対応付ける複数の書式設定について説明する。書式設定ツールバー110上のオブジェクトアイコン115が選択されると、選択されたオブジェクトアイコン115の書式要素設定欄116が画面右方に表示される。
【0050】
例えば、図12に示すオブジェクトアイコン115は、書式設定ツールバー110上デフォルトとしていわゆる通常の「強調」の書式要素が設定されていることから、書式要素設定欄116のデザイン書式117において、「太字」に有効設定を示すチェックが付いている。これは、編集者が「フレキシブルテキスト」内のテキストを選択し、書式設定ツールバー110上のオブジェクトアイコン115を適用した場合、当該テキストを「太字」の書式に編集可能を意味している。
【0051】
ここで、書式要素設定欄116のデザイン書式117において、さらに「アンダーライン」に有効設定を示すチェックが付された場合、オブジェクトアイコン115に対して「アンダーライン」の書式要素が対応付けられて設定される。また書式要素設定欄116の文字色書式118において、さらに「文字色」に有効設定を示すチェックされ且つ指定色が入力された場合、オブジェクトアイコン115に対して指定文字色の書式要素が対応付けられて設定される。このような場合、編集者が「フレキシブルテキスト」内のテキストを選択し、書式設定ツールバー110上のオブジェクトアイコン115を適用した場合、当該テキストは、「太字」、「アンダーライン」及び指定文字色に編集されることを意味している。
【0052】
ここで、ウェブデザイナーのデザイン意図として、例えばテキストを「強調」書式にするには、そのテキストは必ず「太字」、「アンダーライン」及び指定文字色で強調したいというケースを考える。このような場合、通常は編集者がウェブデザイナーの指示に従った強調を行うとしても、まず対象のテキストを選択の上、書式設定ツールバーから太字を選択・適用し、下線を選択・適用し、文字色を選択・適用する編集操作といった複数段階の編集操作が必要となる。
【0053】
しかしながら、本実施形態に係る書式設定ツールバー110において、「強調」書式を示すオブジェクトアイコン115は、複数の書式「太字」、「アンダーライン」及び指定文字色を同時に組み合わせて対応付けて設定することが可能であるため、編集者はウェブデザイナーのデザイン意図する通りの「強調」書式を、且つ一の操作により適用可能である。操作性の点からも編集者により書式編集ミスも防止可能である。
【0054】
なお、オブジェクトアイコン115に複数の書式「太字」、「アンダーライン」及び指定文字色が同時に組み合わせて対応付けて設定された場合、オブジェクトアイコン115に設定されたその書式(さらにはデザイナー意図)が編集者にとって視覚的に容易に把握可能とするため、図12に示すオブジェクトアイコン115のように、書式要素設定欄116のアイコン119の中から例えば「太字」、「アンダーライン」及び指定文字色の書式が適用された「B(強調マーク)」、即ち設定された書式を反映したアイコンを選択し表示することができる。
【0055】
CMSサーバ10(書式設定部101b)は、オブジェクトアイコン115に対応付けて設定された書式「太字」、「アンダーライン」及び指定文字色の情報を、記憶部103の所定DBに保存する。
【0056】
図13は、本実施形態に係る編集UI設定例5を示す図である。続いて、書式設定ツールバー110上に新たに追加したオブジェクトアイコンに対応付ける複数の書式設定について説明する。上述したように、エンジニアは、書式要素一覧111の中から書式要素を選択し、ドロップアンドドラッグ操作により、書式設定ツールバー110の上に当該書式のオブジェクトアイコンとして設定(追加・削除)することができる(図11)。例えば、図13に示すオブジェクトアイコン121は、書式要素一覧111の中から、書式設定ツールバー110の上に「見出し2(h2)」の書式のオブジェクトアイコン121が設定(追加)されたものである。書式設定ツールバー110上にオブジェクトアイコン121が追加されると、選択されたオブジェクトアイコン121の書式要素設定欄122が画面右方に表示される。オブジェクトアイコン121は、デフォルトとして「見出し2(h2)」の書式のオブジェクトアイコンであることから、書式要素設定欄122のHTMLタグ123において、見出しタグの「h2」が初期入力されている。
【0057】
ここで、書式要素設定欄122の配置書式124において、「配置」及び「中央揃え」に有効設定を示すチェックが付された場合、オブジェクトアイコン121に対して「中央揃え」の書式要素が対応付けられて設定される。また、書式要素設定欄122のデザイン書式125において、さらに「イタリック」及び「アンダーライン」に有効設定を示すチェックされた場合、オブジェクトアイコン121に対して「イタリック」及び「アンダーライン」の書式要素が対応付けられて設定される。このような場合、編集者が「フレキシブルテキスト」内のテキストを選択し、書式設定ツールバー110上のオブジェクトアイコン121を適用した場合、当該テキストは、HTMLタグ「h2」、「中央揃え」、「イタリック」及び「アンダーライン」に編集されることを意味している。
【0058】
最後に、エンジニアは、書式要素設定欄122の書式名126において、初期名「見出し2」を「特別見出し2」などに変更する。書式設定ツールバー110の上に、同様のHTMLタグ「h2」を示すオブジェクトアイコン127が他に既に存在するため、オブジェクトアイコン121と書式名としても区別させるためである。
【0059】
このように本実施形態に係る書式設定ツールバー110のオブジェクトアイコン121は、複数の書式HTMLタグ「h2」、「中央揃え」、「イタリック」及び「アンダーライン」が同時に組み合わせて対応付けて設定されているため、編集者はウェブデザイナーのデザイン意図する特別な「h2」書式を、一の操作により適用可能である。操作性の点からも編集者により書式編集ミスも防止可能である。また編集者には通常の「h2」書式を適用する場合にはオブジェクトアイコン127を選択し、特別な「h2」書式を適用する場合にはオブジェクトアイコン121を選択させることができるので、テキストを「h2」書式にする場合には必ずこれら2パターンの何れかの書式デザインにしたいというウェブデザイナーのデザイン意図にも叶う。
【0060】
なお、オブジェクトアイコン121に複数の書式HTMLタグ「h2」、「中央揃え」「イタリック」及び「アンダーライン」が同時に組み合わせて対応付けて設定された場合、オブジェクトアイコン121に設定されたその書式(さらにはデザイナー意図)が編集者にとって視覚的に容易に把握可能とするため、図13に示すオブジェクトアイコン121は、書式要素設定欄122のアイコン128の中から、「h2」、「中央揃え」、「イタリック」及び「アンダーライン」の書式が適用された「h2(h2マーク)」、即ち設定された書式を反映したアイコン(書式要素を簡単な図柄や記号などで示したもの)を選択し表示することができる。
【0061】
CMSサーバ10(書式設定部101b)は、オブジェクトアイコン121に対応付けて設定された書式「h2」、「中央揃え」「イタリック」及び「アンダーライン」の情報を、記憶部103の所定DBに保存する。
【0062】
図14は、本実施形態に係る編集UI設定例6を示す図である。続いて、書式設定ツールバー110上からのオブジェクトアイコン削除について説明する。上述したように、エンジニアは、ドロップアンドドラッグ操作により、書式設定ツールバー110の上に配置されている既存のオブジェクトアイコンを削除することができる。編集者は、「フレキシブルテキスト」内のテキストに対して書式設定を行う場合、書式設定ツールバー110にここで設定された書式を適用することができる。従ってエンジニアは、ウェブデザイナーによるページデザインや別途用意された資料(デザイン指針等)を元に、ウェブデザイナーのデザイン意図にそぐわないような書式のオブジェクトアイコンについては、編集者が利用不可にすべく書式設定ツールバー110から除外する。
【0063】
<コンテンツ作成例>
次にS7「コンテンツ作成」について詳しく説明する。編集者は、エンジニアにより設定された編集UI(レイアウト構成)に沿って各々のウェブページ編集(更新・追加等)を行い、ウェブコンテンツを作成する(例えば図2参照)。
【0064】
図15は、本実施形態に係るウェブコンテンツ作成例1を示す図である。編集者は、編集者端末30を用いてCMSサーバ10にアクセス・ログインし、表示画面上にウェブページのコンテンツ作成画面を表示する。編集者がエンジニアにより予め設定されたウェブページのページ編集UIに沿ってコンテンツ(例えば商品紹介記事)を入力することで、一枚のウェブページが完成する。より具体的に、編集者は、「1行テキスト」にタイトル文、「1行テキスト」にサブタイトル文、「複数行テキスト」に説明文、「フレキシブルテキスト」132に本文を記入する。次に編集者は、例えば「フレキシブルテキスト」132内に記入した本文テキストを、リッチテキストエディタ(例えば書式設定ツールバー)によりリッチテキストで編集する。
【0065】
図16は、本実施形態に係るウェブコンテンツ作成例2を示す図である。図16(a)に示されるように、まず編集者は「フレキシブルテキスト」内に記入した本文テキストのうち「2023新作ハンドバック」を選択の上、書式設定ツールバー110上のオブジェクトアイコン127を押下する。上述したように本実施形態に係る書式設定ツールバー110のオブジェクトアイコン127は、通常の「h2」が設定されている。この結果、図16(b)に示されるように、テキスト「2023新作ハンドバック」は「h2」の書式に編集される。
【0066】
図17は、本実施形態に係るウェブコンテンツ作成例3を示す図である。図17(a)に示されるように、次いで編集者は「フレキシブルテキスト」内に記入した本文テキストのうち「新作イベントのご案内」を選択の上、書式設定ツールバー110上のオブジェクトアイコン121を押下する。上述したように本実施形態に係る書式設定ツールバー110のオブジェクトアイコン121は、特別な「h2」、「中央揃え」「イタリック」及び「アンダーライン」が同時に組み合わせて対応付けて設定されている(記憶部103の所定DBの保存情報)。この結果、図17(b)に示されるように、テキスト「新作イベントのご案内」は「h2」、「中央揃え」「イタリック」及び「アンダーライン」の書式に編集される。
【0067】
また書式設定ツールバー110上、オブジェクトアイコン121は、「h2」、「中央揃え」、「イタリック」及び「アンダーライン」の書式が適用された「h2(h2マーク)」、即ち設定された書式を反映したアイコンで表示されているため、編集者にとって、オブジェクトアイコン121に設定されたその書式(さらにはデザイナー意図)が視覚的に容易に把握可能である。また書式設定ツールバー110上にある同じ「h2」を示すオブジェクトアイコン127との差異も容易に把握できる。
【0068】
また編集者は、テキストを「h2」の書式に編集したい場合、書式設定ツールバー110上に通常の「h2」書式を示すオブジェクトアイコン127及び特別な「h2」書式を示すオブジェクトアイコン121の何れから選択可能であるため、同じ同系の「h2」書式でも異なる2種類の書式デザインを使い分けることができる。同時に書式デザインはウェブデザイナーの意図するデザインを妨げない。またオブジェクトアイコン121は、複数の書式HTMLタグ「h2」、「中央揃え」、「イタリック」及び「アンダーライン」が同時に組み合わせて対応付けて設定されているため、編集者はウェブデザイナーのデザイン意図する特別な「h2」書式を、一の操作により適用可能である。操作性の点からも編集者により書式編集ミスも防止可能である。
【0069】
なお、通常の「h2」書式を示すオブジェクトアイコン127及び特別な「h2」書式を示すオブジェクトアイコン121は、同じ同系の「h2」書式であるため、共通の書式要素「h2」を有すると共に、非共通の書式要素「中央揃え」、「イタリック」及び「アンダーライン」を有する。これにより書式設定ツールバー110上に同系書式であっても適用書式が異なったオブジェクトアイコンが併存可能となり、2種類の書式デザインを使い分けたり、独自のスタイルを適用したりすることができる。
【0070】
図18、本実施形態に係るウェブコンテンツ作成例4を示す図である。次いで図18(a)に示されるように、編集者は「フレキシブルテキスト」内に記入した本文テキストのうち「開催日:2023/4/1 於:弊社大会議ホール 時間:10-17時」を選択の上、書式設定ツールバー110上のオブジェクトアイコン115を押下する。上述したように本実施形態に係る書式設定ツールバー110のオブジェクトアイコン115は、「太字」、「アンダーライン」及び指定文字色が同時に組み合わせて対応付けて設定されている(記憶部103の所定DBの保存情報)。この結果、図18(b)に示されるように、テキスト「新作イベントのご案内」は「太字」、「アンダーライン」及び指定文字色の書式に編集される。
【0071】
なお、書式設定ツールバー110上、オブジェクトアイコン115は、「太字」、「アンダーライン」及び指定文字色の書式が適用された「B(強調)」、即ち設定された書式を反映したアイコンで表示されているため、編集者にとって、オブジェクトアイコン115に設定されたその書式(さらにはデザイナー意図)が視覚的に容易に把握可能である。同時に書式デザインはウェブデザイナーの意図するデザインを妨げない。またオブジェクトアイコン121は、複数の書式「太字」、「アンダーライン」及び指定文字色が同時に組み合わせて対応付けて設定されているため、編集者はウェブデザイナーのデザイン意図する強調書式を、一の操作により適用可能である。操作性の点からも編集者により書式編集ミスも防止可能である。
【0072】
[実施形態2]
上述したように「フレキシブルテキスト」内においては、「フレキシブルテキスト」内にのみ有効とする書式要素を、編集者が利用可能なテキストエディタの書式オブジェクトとして設定(追加・削除)することができた。本実施形態においては、編集者が「フレキシブルテキスト」(親フレキシブルテキスト)の中にさらに「フレキシブルテキスト」(子フレキシブルテキスト)を設定可能とするとともに、設定した「フレキシブルテキスト」(子フレキシブルテキスト)内においてのみ有効とする書式要素を、編集者が利用可能なテキストエディタの書式オブジェクトとして設定(追加・削除)することができる(ネスト機能という)。以下詳しく説明する。
【0073】
(ネスト機能の利用例1)
ウェブページにヒント表示や注意表示のためのボックスを配置し、配置したボックスの中でのみ適用可能な専用の書式要素(書式オブジェクト)を用意する。即ち配置したボックスの種類ごとに、それぞれボックス内でのみ有効な専用の書式ツールバーを設定する。
【0074】
<編集UI設定例>
図19は、本実施形態に係る編集UI設定例1を示す図である。図11と比較すると、本実施形態に係る書式要素一覧111-2の中には、「ネスト」書式要素141が追加されている。ネスト(nest)とは、あるものの中に、それと同じ形や種類の(一回り小さい)ものが入っている状態、ある構造の内部に同じ構造が含まれている構造をいう。
【0075】
「フレキシブルテキスト」(親フレキシブルテキスト)内においてさらに「フレキシブルテキスト」(子フレキシブルテキスト)を設定可能にする場合、エンジニアは、書式要素一覧111-2の中から「ネスト」書式要素141を選択し、ドロップアンドドラッグ操作により、書式設定ツールバー110-2の上に当該書式のオブジェクトアイコン142、及び、オブジェクトアイコン143を設定(追加)する。
【0076】
書式設定ツールバー110-2の上に当該書式のオブジェクトアイコン142、及び、オブジェクトアイコン143が設定されると、オブジェクトアイコン142に対応する書式設定ツールバー144、及び、オブジェクトアイコン143に対応する書式設定ツールバー145が表示される。
【0077】
図20は、本実施形態に係る編集UI設定例2を示す図である。なお、非図示の画面において、書式のオブジェクトアイコン142、及び、オブジェクトアイコン143のデフォルト要素プロパティを「コールアウト」に、そしてそれぞれの要素名「ネスト」を「コールアウト(ヒント)」、「コールアウト(注意)」を変更してある。
【0078】
エンジニアは、書式要素一覧111-2の中から「フレキシブルテキスト」(子フレキシブルテキスト)内において有効とする任意の書式要素を選択し、ドロップアンドドラッグ操作により、書式設定ツールバー144の上に、例えば書式要素「h2」のオブジェクトアイコン146、及び、書式要素「番号なしリスト」のオブジェクトアイコン147を、設定(追加)することができる。また書式設定ツールバー145の上に、例えば書式要素「h2」のオブジェクトアイコン146、及び、書式要素「番号付きリスト」のオブジェクトアイコン148を、設定(追加)することができる。即ち、書式設定ツールバー110の特定書式要素(「ネスト」書式要素141)に、書式設定ツールバー144、145に設定(追加)された複数のオブジェクトアイコン146、147、148の情報が対応付けられる。
【0079】
なお言うまでもなく、書式設定ツールバー144、145のオブジェクトアイコン146、147、148には複数の書式が同時に組み合わせて対応付けて設定されることも可能である。例えば書式設定ツールバー144のオブジェクトアイコン146には「h2」「番号なしリスト」に加え、「中央揃え」「イタリック」及び「アンダーライン」が同時に組み合わせて対応付けて設定されうる。
【0080】
CMSサーバ10(書式設定部101b)は、入力フィールド部品「フレキシブルテキスト」内における書式設定ツールバー110-2の上に設定(追加)された書式のオブジェクトアイコン142、及び、オブジェクトアイコン143の情報を、記憶部103の所定DBに保存する。さらにCMSサーバ10(書式設定部101b)は、書式のオブジェクトアイコン142に対応付けて書式設定ツールバー144の上に設定(追加)された書式のオブジェクトアイコン146、及び、オブジェクトアイコン147の情報を、記憶部103の所定DBに保存する。またCMSサーバ10(書式設定部101b)は、書式のオブジェクトアイコン143に対応付けて書式設定ツールバー145の上に設定(追加)された書式のオブジェクトアイコン146、及び、オブジェクトアイコン148の情報を、記憶部103の所定DBに保存する。
【0081】
<コンテンツ作成例>
図21は、本実施形態に係るウェブコンテンツ作成例1を示す図である。編集者は、上述したように編集UI上において「フレキシブルテキスト」150内のテキストに対して書式設定を行う場合、書式設定ツールバー110-2に設定された書式を適用することができる。また図21(a)に示される書式設定ツールバー110-2の場合には、オブジェクトアイコン142、及び、オブジェクトアイコン143が設定(追加)されている。
【0082】
編集者が書式設定ツールバー110-2上のオブジェクトアイコン142を押下すると、編集UI上において「フレキシブルテキスト」(親フレキシブルテキスト)150内に「フレキシブルテキスト」(子フレキシブルテキスト)151を作成することができる。そして編集者は「フレキシブルテキスト」151内のテキストに対して書式設定を行う場合には、オブジェクトアイコン142に対応する書式設定ツールバー144に設定された書式を適用することができる。
【0083】
ここで、書式設定ツールバー110-2上のオブジェクトアイコン142は、「コールアウト(ヒント)」(ヒント表示用のボックスレイアウト・フレキシブルテキスト)を作成するために設定されたオブジェクトアイコン(ネスト要素)である。そして「フレキシブルテキスト」151内でのみ有効な書式設定ツールバー144の書式要素は、書式要素「h2」のオブジェクトアイコン146、及び、書式要素「番号なしリスト」のオブジェクトアイコン147を有する。言い換えれば「コールアウト(ヒント)」(ヒント表示用のボックスレイアウト・フレキシブルテキスト)においては、ウェブデザイナーのデザイン意図に従って書式要素「h2」、及び、書式要素「番号なしリスト」の書式のみを有効とするようエンジニアにより設定されたものである。
【0084】
図21(a)に示されるように、編集者は「フレキシブルテキスト」151内に記入した本文テキストを選択の上、書式設定ツールバー144上のオブジェクトアイコン146、及び、オブジェクトアイコン147を押下する。本実施形態に係る書式設定ツールバー144のオブジェクトアイコン146には「h2」が対応付けて設定され、オブジェクトアイコン147には「番号なしリスト」が対応付けて設定されている。本文テキストにこれら書式が適用された結果、図21(b)に示されるように、ヒント表示用のボックスレイアウト内に記入された本文テキストは、「h2」及び「番号なしリスト」の書式に編集される。
【0085】
また、編集者が書式設定ツールバー110-2上のオブジェクトアイコン143を押下すると、編集UI上において「フレキシブルテキスト」150内に「フレキシブルテキスト」152を作成することができる。また編集者は「フレキシブルテキスト」152内のテキストに対して書式設定を行う場合、オブジェクトアイコン143に対応する書式設定ツールバー145に設定された書式を適用することができる。
【0086】
ここで、書式設定ツールバー110-2上のオブジェクトアイコン143は、「コールアウト(注意)」(注意表示用のボックスレイアウト・フレキシブルテキスト)を作成するために設定されたオブジェクトアイコン(ネスト要素)である。そして「フレキシブルテキスト」152内でのみ有効な書式設定ツールバー145の書式要素は、書式要素「h2」のオブジェクトアイコン146、及び、書式要素「番号付きリスト」のオブジェクトアイコン148を有する。言い換えれば「コールアウト(注意)」(注意表示用のボックスレイアウト・フレキシブルテキスト)においては、ウェブデザイナーのデザイン意図に従って書式要素「h2」、及び、書式要素「番号付きリスト」の書式のみを有効とするようエンジニアにより設定されたものである。
【0087】
図21(a)に示されるように、編集者は「フレキシブルテキスト」152内に記入した本文テキストを選択の上、書式設定ツールバー145上のオブジェクトアイコン146、及び、オブジェクトアイコン148を押下する。本実施形態に係る書式設定ツールバー145のオブジェクトアイコン146には「h2」が対応付けて設定され、オブジェクトアイコン148には「番号付きリスト」が対応付けて設定されている(記憶部103の所定DBの保存情報)。本文テキストにこれら書式が適用された結果、図21(b)に示されるように、注意表示用のボックスレイアウト内に記入された本文テキストは、「h2」及び「番号付きリスト」の書式に編集される。
【0088】
(ネスト機能の利用例2)
会話形式のレイアウトを実現するため、会話の登場人物ごとに会話形式のレイアウトを配置し、配置した会話の登場人物ごとに、それぞれレイアウト内でのみ有効な専用の書式ツールバーを設定する。
【0089】
<コンテンツ作成例>
図22は、本実施形態に係るウェブコンテンツ作成例2を示す図である。図22(a)に示される書式設定ツールバー110-3の場合には、書式設定ツールバー110-3上のオブジェクトアイコン155、及び、オブジェクトアイコン156が設定(追加)されている。
【0090】
編集者は書式設定ツールバー110-3上のオブジェクトアイコン155を押下すると、編集UI上において「フレキシブルテキスト」(親フレキシブルテキスト)150内に「フレキシブルテキスト」(子フレキシブルテキスト)157を作成することができる。また編集者は書式設定ツールバー110-3上のオブジェクトアイコン156を押下すると、編集UI上において「フレキシブルテキスト」(親フレキシブルテキスト)150内に「フレキシブルテキスト」(子フレキシブルテキスト)158を作成することができる。
【0091】
書式設定ツールバー110-3上のオブジェクトアイコン155は、「会話(西田)」(会話形式のレイアウト・フレキシブルテキスト)を作成するために設定されたオブジェクトアイコン(ネスト要素)である。そして「フレキシブルテキスト」157内でのみ有効な
書式設定ツールバー159の書式要素は、書式要素「強調」のオブジェクトアイコン160、及び、書式要素「斜体」のオブジェクトアイコン161を有する。また書式設定ツールバー110-3上のオブジェクトアイコン156は、「会話(田中)」(会話形式のレイアウト・フレキシブルテキスト)を作成するために設定されたオブジェクトアイコン(ネスト要素)である。そして「フレキシブルテキスト」158内でのみ有効な書式設定ツールバー162の書式要素は、書式要素「強調」のオブジェクトアイコン160、及び、書式要素「斜体」のオブジェクトアイコン161を有する。つまり「会話(西田)」及び「会話(田中)」(会話形式のレイアウト・フレキシブルテキスト)においては、ウェブデザイナーのデザイン意図に従って書式要素「強調」、及び、書式要素「斜体」の書式のみを有効とするようエンジニアにより設定されている。
【0092】
図22(a)に示されるように、編集者は「フレキシブルテキスト」157内に記入した本文テキストを選択の上、書式設定ツールバー159上のオブジェクトアイコン160、及び、オブジェクトアイコン161を押下する。本実施形態に係る書式設定ツールバー159のオブジェクトアイコン146には「強調」が対応付けて設定され、オブジェクトアイコン147には「斜体」が対応付けて設定されている。本文テキストにこれら書式が適用された結果、図22(b)に示されるように、(会話形式のレイアウト内に記入された本文テキストは、「強調」及び「斜体」の書式に編集される。
【0093】
また図22(a)に示されるように、編集者は「フレキシブルテキスト」158内に記入した本文テキストを選択の上、書式設定ツールバー162上のオブジェクトアイコン160、及び、オブジェクトアイコン161を押下する。本文テキストにこれら書式が適用された結果、図22(b)に示されるように、(会話形式のレイアウト内に記入された本文テキストは、「強調」及び「斜体」の書式に編集される。
【0094】
[実施形態3]
(多言語コンテンツ機能)
エンジニアは1つのコンテンツフィールド(入力フィールド部品)毎ごとに、予め多言語入力設定をしておく。コンテンツ作成時において、編集者はコンテンツフィールドにデータを入力してページコンテンツを作成していくが、多言語入力設定されたコンテンツフィールドについては、当該コンテンツフィールドに対応付けて複数種類の言語データ(翻訳データ)を入力することができる。
【0095】
図23は、本実施形態に係る多言語コンテンツ機能例を示す図である。図23の場合、1行テキストのコンテンツフィールドには予め「日本語」タブ171、「English」タブ172、「中国語」タブ173に示されるように、3つの多言語入力設定がなされている。まず編集者は「日本語」タブ171のコンテンツフィールド174に、日本語データを入力の上、「English」タブ172によりコンテンツフィールド175に切り替え表示する。次に編集者は「English」タブ172のコンテンツフィールド175に、英語によるデータ(日本語データの英翻訳データ)を入力する。また編集者は「中国語」タブ173のコンテンツフィールド(非図示)に、中国語によるデータ(日本語データの中国語翻訳データ)を入力する。
【0096】
CMSサーバ10は、コンテンツフィールドに対応する多言語コンテンツデータとして、それぞれ日本語データ、英語によるデータ、及び中国語によるデータを、記憶部103の所定DBに保存する。CMSサーバ10がヘッドレスCMSである場合には、CMSサーバ10は当該1行テキストのコンテンツフィールドに対応する多言語コンテンツデータとして、日本語データ、英語によるデータ、及び中国語によるデータを、別途構築されたフロントエンドにAPIを介して送信することで、訪問者に日本語、英語、及び中国語の3言語対応の当該1行テキストを表示する。
【0097】
これにより、多言語対応のウェブサイト作成に際し、
・特定のワード(特に重要なワード等)については正確な翻訳ワードで表現したい場合に、自動翻訳よりも適切な言語データ(翻訳データ)を表示することができる。
・コンテンツフィールド毎に複数の言語入力の要否設定(指定)が可能なので、編集者は言語入力の要設定(要指定)されたコンテンツ(フィールド)のワードのみ翻訳すればよく、それ以外の言語(例えばウェブサイトページ内の全言語ワード)を翻訳する必要はないため、編集者の翻訳負担を軽減できる。
【0098】
<総括>
本実施形態に係るCMS100において、編集UIにおけるリッチテキストエディタ(例えば書式設定ツールバー)の書式構成を柔軟に設定可能である。また書式オブジェクト(例えば書式設定ツールバー上のオブジェクトアイコン)に、予め複数の書式要素を対応付けて設定できる。また編集UIの書式設定ツールバー上、オブジェクトアイコンは、設定された一以上の書式を反映したアイコンで表示されている。デザイナーではない編集者にとって必要なのは、どんなスタイリングでも柔軟に実現できる編集UIではなく、ワンボタンでデザイナーの意図する指示通りにデザイン・スタイリングできる編集UIである。
【0099】
これにより、編集者はウェブデザイナーの意図する通りの書式デザインの組み合わせを、且つ一の操作により適用可能である。また編集者は同系書式でも2種類の書式デザインを使い分けたり、独自のスタイルを適用したりすることができる。またウェブデザイナーのデザイン意図にそぐわないような書式は編集者が利用不可とすべく除外することができる。また編集者により書式デザインがウェブデザイナーのデザイン意図から乖離することもない。また編集者の編集性が向上し、書式編集ミスも低減できる。また編集者はオブジェクトアイコンに設定されたその書式(さらにはデザイナー意図)を視覚的に一見して容易に把握可能である。
【0100】
以上本実施形態によれば、CMSのウェブページ編集UIにおいて、コンテンツレイアウトの編集性を向上させることが可能である。なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。即ち具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【0101】
(補足)
・上述の実施形態に示したように(例えば図10-14参照)、エンジニアは、まずページレイアウト構成フィールド106に入力フィールド部品を配置・設定することで、書式設定ツールバー上に書式のオブジェクトアイコンを配置した。また、一のオブジェクトアイコンに対して複数の書式要素を組み合わせて設定した。ここで別の実施形態として、これら設定を自動化することも可能である。これによりエンジニア負担をより低減させる。
【0102】
図24は、本実施形態に係る編集UI自動設定を説明する図である。まずCMSサーバ10は、デザイナーによるデザインカンプデータを取得する。次にCMSサーバ10は、取得したデザインカンプデータを解析し、デザインカンプ内に記述された各々のテキストに適用されている書式要素を抽出する。また特に一のテキストに対して複数の書式が同時に適用されている場合には、複数の書式の組み合わせとして書式要素を抽出する。またデザインカンプ内の各々のテキストに適用されていない書式要素は抽出しない。
【0103】
最後にCMSサーバ10は、書式設定ツールバー上に、書式要素のオブジェクトアイコンを配置するとともに、オブジェクトアイコンに抽出した書式要素を対応付けて設定する。複数の書式の組み合わせが抽出されている場合には、オブジェクトアイコンには複数の書式の組み合わせを対応付けて設定する。更に書式設定ツールバー上に配置されるアイコンは、上述の通り、設定された書式を反映したアイコンであることが望ましい。
【0104】
なお、デザインカンプデータは、タグ形式のデータが望ましいが、画像データであっても解析可能であればよい。タグ形式のデータであれば、タグにより適用されている書式が容易に特定可能であり、画像データであれば、画像解析処理によりテキストに適用されている書式が特定可能である。
【0105】
・ヘッドレスCMSの場合には、フロントエンドが分離しているため、本実施形態に係る編集UIにより編集された書式が、訪問者が閲覧するウェブサイト上の書式とそのまま必ずしも完全一致しない場合もある(ヘッドレスCMSにおけるリッチテキスト上での表示と最終的な表示がリンクしない場合もある)。従ってヘッドレスCMSの場合に、本実施形態に係る編集UIは、あくまで編集者が見やすく直感的に編集できるようにした書式編集のUIとして機能するものであるが、一定以上程度まではフロントエンドの表示に近づけことができるため、ヘッドレスCMSにおける編集UXは改善しえる。
【0106】
・本実施形態において、書式適用される対象は「テキスト」であるが、図11の書式要素一覧111によれば、書式要素として、「画像」「動画」などもある。「画像」「動画」は、書式設定ツールバー上、「画像」「動画」を挿入するための機能ボタンとして配置されるが、挿入された「画像」「動画」に対しても、例えば、画像等の配置位置(左、中央及び右揃え)、サイズなど、複数の書式を適用することが可能である。従ってこの場合、CMSサーバ10は、ウェブページのコンテンツとして入力されたコンテンツ(テキスト、画像、動画等)に対して複数の書式要素を組み合わせて設定することができる。
【0107】
(付記)
ウェブサイトのコンテンツを管理するCMSサーバ装置であって、
一の書式オブジェクト(例えば書式設定ツールバーの上に当該書式のオブジェクトアイコン)に、複数の書式要素(例えば「h2」、「中央揃え」、「イタリック」及び「アンダーライン」)の組み合わせを対応付けて設定する書式設定手段(例えば、図12、13)と、
ウェブページのコンテンツを入力するコンテンツ入力手段と、
入力された前記コンテンツに前記書式オブジェクトが適用された場合、該書式オブジェクトに対応付けられた前記複数の書式要素を組み合わせて、前記コンテンツを編集するコンテンツ編集手段と、
を特徴とするCMSサーバ装置。
【符号の説明】
【0108】
10 CMSサーバ
20 システム設定端末
30 編集者端末
50 ネットワーク
100 CMS
101 編集UI設定部
101a コンテンツ要素設定部
101b 書式設定部
102 編集UI部
102a テキスト入力部
102c 書式設定ツール表示部
102d テキスト編集部
103 記憶部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24