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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178114
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】落下保護システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20241217BHJP
   A62B 35/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
B66F9/24 S
A62B35/00 J
B66F9/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024084562
(22)【出願日】2024-05-24
(31)【優先権主張番号】18/324,436
(32)【優先日】2023-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ポラード, ジェラルド オレン
(72)【発明者】
【氏名】バジャー, アレクサンドル ゲオルゲ
(72)【発明者】
【氏名】ペイン, マクシミリアン クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】スウィーニー, ジュリー フランシーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ダナー, デーヴィッド アントン, ジュニア
(57)【要約】      (修正有)
【課題】全ての乗員の安全性を自動的に検証する落下保護システム及び方法を提供する。
【解決手段】システム及び方法が、リフトシステムの乗員バスケットに結合された安全アンカーと1以上のプロセッサを含むコントローラとを有する落下保護システムを含む。安全アンカーの各々は、安全キー240Aを受けるように構成されている。コントローラは、1以上のセンサからデータを受け取り、このデータに基づいて乗員バスケット内に配置された操作者の数を特定する。コントローラは、安全アンカーと動作可能に結合されている安全キーの数を特定することができ、安全アンカーと動作可能に結合されている安全キーの数を、乗員バスケット内に配置されている操作者の数と比較することができる。操作者の数が、安全アンカーに結合されている安全キーの数とは異なる場合、乗員バスケットの1以上の動作が禁止される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のセンサ(224)から受け取ったデータに基づいて、リフトシステム(100)の乗員バスケット(106)内に配置された操作者(702、704)の数を特定することであって、前記乗員バスケット(106)は複数の安全アンカー(214A~F)を備え、前記複数の安全アンカー(214A~F)の各々は安全キー(240)を受けるように構成されている、操作者(702、704)の数を特定すること、
前記複数の安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された安全キー(240)の数を特定すること、
前記乗員バスケット(106)内に配置された前記操作者(702、704)の数を、前記複数の安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された前記安全キー(240)の数と比較すること、及び
前記乗員バスケット(106)内に配置された前記操作者(702、704)の数が、前記複数の安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された前記安全キー(240)の数とは異なると判定したことに応じて、前記乗員バスケット(106)の1以上の動作を禁止することを含む、方法。
【請求項2】
前記複数の安全アンカー(214A~F)は、前記乗員バスケット(106)の内側部分(206)に配置された1以上の内部安全アンカー(214A~D)、及び前記乗員バスケット(106)の外側部分に配置された1以上の外部安全アンカー(214E~F)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記安全キー(240)のうちの少なくとも1つと動作可能に結合された前記複数の安全アンカー(214A~F)の各々の位置を特定すること、及び
前記安全キー(240)のうちの少なくとも1つと動作可能に結合された前記複数の安全アンカー(214A~F)の各々の前記位置を特定したことに応じて、前記乗員バスケット(106)の前記1以上の動作を制御することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記乗員バスケット(106)の前記1以上の動作は、前記乗員バスケット(106)を複数の異なる高さの間で垂直方向(108)に移動させること、前記乗員バスケット(106)を横方向(110)に移動させること、又は前記乗員バスケット(106)のゲート(210)のロッキングシステムの状態をアンロック状態に変更すること、のうちの1以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記乗員バスケット(106)内に配置された前記操作者(702、704)の数が、前記複数の安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された前記安全キー(240)の数とは異なると判定したことに応じて、警報を通信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記乗員バスケット(106)内に配置された前記操作者(702、704)の数が、前記乗員バスケット(106)の前記複数の安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された前記安全キー(240)の数と同じであると判定したことに応じて、前記乗員バスケット(106)の前記1以上の動作を許可することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された前記安全キー(240)の数が変化したと特定すること、
前記乗員バスケット(106)内に配置された前記操作者(702、704)の数が、前記乗員バスケット(106)の前記複数の安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された前記安全キー(240)の数とは異なると判定すること、及び
前記乗員バスケット(106)内に配置された前記操作者(702、704)の数が、前記複数の安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された前記安全キー(240)の数とは異なると判定したことに応じて、前記乗員バスケット(106)の前記1以上の動作を禁止することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1以上のセンサ(224)から受け取った前記データに少なくとも部分的に基づいて、前記乗員バスケット(106)内に配置された1以上の荷重(802)を特定すること、及び
前記乗員バスケット(106)内に配置された前記操作者(702、704)の数から前記1以上の荷重(802)を区別することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
リフトシステムの乗員バスケット(106)と動作可能に結合された安全アンカー(214A~F)であって、前記安全アンカー(214A~F)の各々は、安全キー(240)を受けるように構成され、1以上の操作者(702、704)が、前記乗員バスケット(106)内に配置されるように構成された、安全アンカー(214A~F)、及び
1以上のセンサ(224)からデータを受け取るように構成された1以上のプロセッサを含むコントローラ(222)であって、前記1以上のセンサ(224)から受け取った前記データに基づいて、前記乗員バスケット(106)内に配置された操作者(702、704)の数を特定するように構成されたコントローラを備える(222)、落下保護システム(100)であって、
前記コントローラ(222)は、前記乗員バスケット(106)内に配置された前記操作者(702、704)の数を、前記安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された安全キー(240)の数と比較するように構成され、
前記コントローラ(222)は、前記乗員バスケット(106)内に配置された前記操作者(702、704)の数が、前記安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された前記安全キー(240)の数とは異なると判定したことに応じて、前記乗員バスケット(106)の1以上の動作を禁止するように構成されている、落下保護システム。
【請求項10】
前記乗員バスケット(106)は、前記1以上の操作者(702、704)を複数の異なる高さの間で移動させるために、前記複数の異なる高さの間で移動するように制御されるように構成されている、請求項9に記載の落下保護システム。
【請求項11】
前記乗員バスケット(106)内に配置された前記操作者(702、704)の数が、前記安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された前記安全キー(240)の数とは異なると判定したことに応じて、前記コントローラ(222)は、警報を通信するように通信デバイス(228)を制御するように構成されている、請求項9に記載の落下保護システム。
【請求項12】
前記乗員バスケット(106)内に配置された前記操作者(702、704)の数が、前記安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された前記安全キー(240)の数と同じであると判定したことに応じて、前記コントローラ(222)は、前記乗員バスケット(106)の前記1以上の動作を許可するように構成されている、請求項9に記載の落下保護システム。
【請求項13】
前記乗員バスケット(106)の前記1以上の動作は、前記乗員バスケット(106)を複数の異なる高さの間で垂直方向(108)に移動させること、前記乗員バスケット(106)を横方向(110)に移動させること、又は前記乗員バスケット(106)のゲート(210)のロッキングシステムの状態をアンロック状態に変更すること、のうちの1以上を含む、請求項9に記載の落下保護システム。
【請求項14】
前記1以上のセンサ(224)は、位置センサ、カメラ、圧力センサ、超音波センサ、衝突センサ、又は赤外線センサのうちの1以上を含む、請求項9に記載の落下保護システム。
【請求項15】
前記1以上のセンサ(224)は、前記乗員バスケット(106)と動作可能に結合されている、請求項9に記載の落下保護システム。
【請求項16】
前記コントローラ(222)は、前記1以上のセンサ(224)から受け取った前記データに少なくとも部分的に基づいて、前記乗員バスケット(106)内に配置された1以上の荷重(802)を特定するように構成され、前記コントローラ(222)は、前記乗員バスケット(106)内に配置された前記操作者(702、704)の数から前記1以上の荷重(802)を区別するように構成されている、請求項9に記載の落下保護システム。
【請求項17】
1以上のプロセッサ(222)を用いて、リフトシステム(100)の乗員バスケット(106)内に配置された乗員(702、704)の数を、前記乗員バスケット(106)の対応する安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された安全キー(240)の数と比較すること、及び
前記乗員の数(702、704)が、前記安全アンカー(214A~F)のうちの少なくとも1つと動作可能に結合された前記安全キーの数(240)とは異なると判定したことに応じて、前記乗員バスケット(106)の1以上の動作を禁止することを含む、方法。
【請求項18】
前記乗員バスケット(106)の前記1以上の動作は、前記乗員バスケット(106)を複数の異なる高さの間で垂直方向(108)に移動させること、前記乗員バスケット(106)を横方向(110)に移動させること、又は前記乗員バスケット(106)のゲート(210)のロッキングシステムの状態をアンロック状態に変更すること、のうちの1以上を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記乗員バスケット(106)内に配置された前記乗員(702、704)の数が、前記対応する安全アンカー(214A~F)と動作可能に結合された前記安全キー(240)の数とは異なると判定したことに応じて、警報を通信することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記安全キー(240)のうちの少なくとも1つと動作可能に結合された前記安全アンカー(214A~F)の各々の位置を特定すること、及び
前記安全アンカー(214A~F)の各々の前記位置を特定したことに応じて、前記乗員バスケット(106)の前記1以上の動作を制御することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施例は、広くは、人間落下保護システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リフトシステム(例えば、ブームリフトやシザーリフトなど)を使用する全ての人員が、乗員が落下し得ないようにリフトシステムに接続される落下保護ハーネスを着用することを必要とする規則が存在する。例えば、乗員がリフトから落下する場合、その落下距離は、操作者によって着用される保護ハーネスとリフトバスケットとの間で延在する安全ストラップの長さによって制限される。安全ストラップは、ストラップの一端(操作者のハーネスに繋がれているストラップの一端とは反対側)に配置された安全キーを有してよく、この安全キーは、リフトバスケットの1以上の安全アンカーに結合され得る。安全アンカーは、リフトシステムの制御システムと電気的に結合されてよく、確認プロセスでは、リフトシステムの移動が許可される前に、各安全キーが少なくとも1つの安全アンカーにしっかりと結合されていることを確認することが必要とされ得る。
【0003】
[0003] しかし、既存の検証システムでは、乗員バスケットの移動が許可されているかどうかを判断するときに、乗員バスケット内に配置された乗員の数を考慮することができない。更に、既存の検証システムは、リフトバスケットのゲートのロックシステムを制御することができない。例えば、持ち上げられたリフトバスケット内に配置されている乗員は、乗員がリフトバスケットにしっかりと固定されているかどうかにかかわらず、リフトバスケットのゲートを開けることができる。既存のシステムは、乗員が安全ストラップをリフトバスケットのアンカーに接続することを覚えていることに依存している。更に、既存のシステムでは、アンカーへの安全キーの接続が正しくなかったり、又は故障したりした場合に、それを特定したり、及び/又は乗員に伝えたりすることができない。例えば、乗員は、リフトバスケットの安全アンカーにしっかり固定されていると信じていても、キーがアンカーから外れていることがあり得る。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 全ての乗員の安全性を自動的に検証する落下保護システム及び方法が必要とされている。更に、リフトバスケット内に配置された乗員の数を特定することができ、乗員の数と、安全ストラップを介して乗員に繋がれている安全キーとリフトバスケットの安全アンカーとの間の接続の状態とに基づいて、リフトシステムの動作を許可及び/又は禁止することができる落下保護システムが必要とされている。
【0005】
[0005] このような必要性を念頭において、本開示の特定の複数の実施例は、1以上のセンサから受け取ったデータに基づいて、リフトシステムの乗員バスケット内に配置された乗員の数を特定する落下保護システム及び方法を提供する。乗員バスケットはまた、複数の安全アンカーも含む。複数の安全アンカーの各々は、安全キーを受けることができる。該方法はまた、1以上のプロセッサを有するリフトシステムのコントローラによって、対応する安全アンカーと動作可能に結合されている安全キーの数を特定し、乗員の数を使用されている安全キーの数と比較することも含む。
【0006】
[0006] 一実施例では、乗員の数が、使用されている安全キーの数と同じである場合、リフトシステム及び/又はリフトシステムの乗員バスケットの動作が許可される。例えば、リフトシステムを制御して、乗員バスケットを垂直方向及び/又は水平方向に移動させたり、バスケットのゲートのロッキングシステムの状態をアンロック状態に変更して、ゲートを乗員によって開閉可能にしたりするなどである。
【0007】
[0007] 代替的に、乗員の数が、対応するアンカーと動作可能に結合されている安全キーの数とは異なるとコントローラによって判定された場合、リフトシステム及び/又はリフトシステムの乗員バスケットの動作は禁止される。例えば、乗員バスケットは任意の方向に移動することが禁止され、乗員バスケットのゲートのロッキングシステムの状態をロック状態に変更して、乗員バスケットの乗員がゲートを開けることを禁止するなどである。
【0008】
[0008] 少なくとも1つの実施例では、コントローラが、乗員バスケット内に配置された1以上のセンサから検知されたデータを受け取る。センサは、乗員検出器センサと呼ばれてよく、位置センサ、カメラ(例えば、スチルカメラ、ビデオカメラ、人間工学的カメラなど)、圧力センサ、超音波センサ、衝突センサ、赤外線センサなどを含み得る。例えば、コントローラは、1以上のセンサから検知されたデータを受け取り、そのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、リフトシステムの乗員バスケット内に配置された乗員の数を特定し得る。
【0009】
[0009] 少なくとも1つの実施例では、コントローラの1以上のプロセッサが、安全キーのうちの少なくとも1つと動作可能に結合された複数の安全アンカーの各々の位置を特定し得る。例えば、コントローラは、安全キーが、乗員バスケットの内部領域内に配置された内部安全アンカーに結合されていると判定し得る。代替的に、コントローラは、安全キーが乗員バスケットのバスケットフレームの外側に配置された外部安全アンカーに結合されていると判定し得る。安全キーが結合されている安全アンカーの位置に基づいて、リフトシステムの異なる動作が制御され得る(例えば、許可され又は禁止される)。例えば、少なくとも1つの安全キーが、外部安全アンカーに結合されている場合、ゲートロックシステムは、アンロック状態に変更され、乗員はゲートを開閉することが許可され得るが、乗員バスケットの1以上の方向(例えば、垂直、水平、径方向など)への移動は禁止され得る。別の一実施例として、外部安全アンカーに結合されている安全キーが存在しない場合、ゲートロッキングシステムは、ロック状態(例えば、乗員がゲートを開くことができない)に維持され得るが、乗員バスケットは、1以上の方向へ移動するように制御されることが許可され得る。
【0010】
[0010] 少なくとも1つの実施例では、コントローラの(1以上の)プロセッサが、対応する安全アンカーと動作可能に結合されている安全キーの数が変化したと判定し得る。例えば、コントローラは、以前は安全アンカーにしっかりと繋がれていた乗員が、もはやどの安全アンカーにも固定されていないと判定し得る。一実施例では、操作者が、安全アンカーから安全キーを手動で分離したかもしれない。別の一実施例では、安全キーと安全アンカーとの間の接続に不具合が生じたかもしれない。安全キーが安全アンカーから分離され、安全キーが別の安全アンカーに再取り付けされていないことに応じて、リフトシステムの動作は禁止され得る。
【0011】
[0011] 少なくとも1つの実施例では、コントローラの(1以上の)プロセッサが、1以上のセンサから検知されたデータを受け取り、乗員に対応する検知されたデータを、乗員バスケットの他の荷重に対応するデータなどの他の検知されたデータから区別し得る。
【0012】
[0012] 本開示の特定の複数の実施例は、乗員バスケットと動作可能に結合された安全アンカーを含む落下保護システムを提供する。安全アンカーの各々は、安全キーを受けるように構成されている。1以上のオペレータは、乗員バスケット内に配置され得る。1以上のプロセッサを有するコントローラは、乗員バスケットの1以上のセンサから検知されたデータを受け取り、乗員バスケット内に配置された操作者の数を特定する。コントローラは、操作者の数を、安全アンカーと動作可能に結合されている安全キーの数と比較する。対応する安全アンカーと動作可能に結合されている安全キーの数が、操作者の数とは異なる場合、乗員バスケット及び/又はリフトシステムの動作は禁止される。代替的に、安全アンカーに結合されている安全キーの数が、操作者の数と同じである場合、乗員バスケット及び/又はリフトシステムの動作は許可される。
【0013】
[0013] 本開示の特定の複数の実施例は、1以上のプロセッサを用いて、リフトシステムの乗員バスケット内に配置された乗員の数を、乗員バスケットの対応する安全アンカーと動作可能に結合された安全キーの数と比較することを含む方法を提供する。乗員の数が、対応する安全アンカーと動作可能に結合されている安全キーの数とは異なると判定したことに応じて、乗員バスケットの動作は禁止される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】[0014] 本開示の一実施例によるリフトシステムの一実施例を示す。
図2】[0015] 本開示の一実施例によるリフトシステムの乗員バスケットの上面図を示す。
図3】[0016] 本開示の一実施例による図2で示されている乗員バスケットのコントローラの概略図を示す。
図4】[0017] 本開示の一実施例によるリフトシステムの構成要素の回路の概略図を示す。
図5】[0018] 本開示の一実施例による乗員バスケットの安全アンカーと動作可能に結合された安全キーの部分図を示す。
図6】[0019] 本開示の一実施例による方法のフローチャートを示す。
図7A】[0020] 本開示の一実施例による乗員バスケット内に配置された乗員の第1の実施例を示す。
図7B】[0021] 本開示の一実施例による乗員バスケット内に配置された乗員の第2の実施例を示す。
図8】[0022] 本開示の一実施例による乗員バスケット内に配置された乗員の第3の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0023] 上記の概要、ならびに特定の実施例の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことによってより良く理解されるだろう。本明細書で使用されるときに、「一(a)」又は「1つの(an)」に続く単数形の要素又はステップは、複数の当該要素又はステップを必ずしも除外しないと理解されたい。なお、「一実施例」に言及する際には、本明細書に記載の特徴が組み込まれた追加の実施例の存在が除外されるという解釈は意図していない。更に、特定の条件を有する1以上の要素を「含む、備える(comprising)」又は「有する(having)」実施例は、(そうではないと明示的に述べられていない限り、)かかる条件を有しない追加の要素を含み得る。
【0016】
[0024] 図1は、一実施例によるリフトシステム100を示す。リフトシステムは、ベース102と乗員バスケット106を含む。アーム104が、ベースとバスケットとの間で延在する。他の複数の実施例では、リフトシステムが、異なる高さの間で乗員及び/又は機器を移動させるシザーリフトシステムなどであってよい。図示されている一実施例では、リフトシステムがブームリフトシステムであり、アーム104は、地表と複数の異なる高さとの間で垂直方向108に、及び水平方向又は横方向110に、乗員バスケット106を移動させるように制御される。更に、ベース102は、水平方向110にリフトシステムを移動させるように制御され得る車輪を含む。
【0017】
[0025] 図2は、一実施例による乗員バスケット106の上面図を示す。乗員バスケット106は、ジョイント202においてアーム(図2では示されていない)に結合されたバスケットフレーム204を含む。乗員バスケット106は、バスケットフレームの内側の内部領域206を含む。例えば、1以上の乗員及び/又は機器が、バスケットフレーム204の内部領域206内に配置されてよく、乗員及び/又は機器を異なる高さに移動させることができる。
【0018】
[0026] 乗員バスケット106は、回転方向212において開位置と閉位置(図2で示されている)との間で移動するように配置されたゲート210を含む。別の一実施例では、ゲートが、代替的な1つの配置を有し得る。それによって、ゲートは、開位置と閉位置との間で1以上の異なる方向に移動する。
【0019】
[0027] リフトシステム100はまた、制御システム220も含む。図示されている一実施例では、制御システムが、乗員バスケット106内に配置されるが、代替的な複数の実施例では、制御システム又は制御システム220の1以上の構成要素が、ベース102などのリフトシステムの他の位置に配置され得る。
【0020】
[0028] 図3は、制御システム220の一実施例の概略図を示す。制御システム220は、1以上のマイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、集積回路などの、1以上のプロセッサを有するコントローラ222を含む。一実施例では、コントローラが、単一のプロセッサ又は複数のプロセッサを含み得る。全ての動作は、各プロセッサによって実行され得るか、又は、各プロセッサが、1以上(又は全て)の他のプロセッサとは異なる少なくとも1つの動作を実行し得る。
【0021】
[0029] 制御システム220は、1以上のセンサ224を含み、及び/又は1以上のセンサ224と動作可能に結合され得る。1以上の実施例では、1以上のセンサ224が、位置センサ、カメラ(例えば、スチルカメラ、ビデオカメラ、人間工学的カメラなど)、圧力センサ、超音波センサ、衝突センサ、赤外線センサなどを含み得る。1以上のセンサ224は、乗員バスケット106の1以上の位置に配置されてよく、乗員バスケット106と動作可能に結合されてよく、バスケットの外側に配置されてよく、又はそれらの任意の組み合わせであってよい。一実施例では、1以上のセンサが、乗員検出器センサを呼ばれ得る。例えば、センサは、非限定的に、バスケットの内側にいる乗員の数、乗員バスケット106の内部領域206内の乗員の各々の位置(例えば、各他の乗員に対する、ゲート210に対するなど)、乗員バスケット106の外側に配置されている乗員の数(例えば、バスケットフレーム204の外側に移動した乗員など)、バスケット内の機器の位置、他の荷重の重量、乗員及び他の荷重の総重量などの、乗員バスケット内に配置された乗員及び/又は他の荷重(例えば、機器や材料など)に関連付けられたデータを検知するか又は他の方法で検出し得る。
【0022】
[0030] 制御システム220はまた、1以上の入力及び/又は出力デバイス226(図3では「(1以上の)I/Oデバイス」として示されている)も含む。リフトシステムは、タッチスクリーン、ジョイスティック、キーボード、スイッチ、ホイール、マイクロフォン、ディスプレイ、モニタ、スピーカー、ライトなどを表し得る、入力/出力デバイス226から命令信号を受信することによって手動で操作され得る。
【0023】
[0031] 1以上の実施例では、制御システム220が、本明細書で説明される信号を無線で通信し得るか又は有線接続を介して通信することができる、送受信ハードウェア(例えば、アンテナ、ワイヤ、ケーブル、モデム、コーデックなど)を表す、通信デバイス228を含み得る。通信デバイスは、乗員バスケット106内に配置された1以上の乗員及び/又は操作者、リフトシステム100のベース102に近接して配置された1以上の操作者、コントロールセンター(図示せず)にいる1以上の操作者などと、通信し得る。
【0024】
[0032] 制御システム220はまた、リフトシステムの1以上のシステム及び/又は構成要素に電力(例えば、推進負荷や補助負荷など)を提供し得る、1以上のバッテリや燃料電池などを表し得る電力デバイス230も含む。
【0025】
[0033] 図2に戻ると、1以上の実施例では、乗員及び/又は機器が乗員バスケット106の内部領域206の内外へ移動することを可能にするためなどに、ゲート210が閉位置から開位置へ移動され得る。一実施例では、乗員バスケット106が地表を離れる又は地表から離れるように移動する前に、乗員バスケット106の内部領域206内に乗員及び/又は機器を封じ込めるためなどに、ゲート210が閉位置に移動され得る。別の一実施例では、(例えば、建物、航空機システム、設備機器などの、構造物に対して保守を行うために)乗員バスケット106が高い位置へ移動された後で、ゲート210が開位置へ移動して、乗員が乗員バスケット106の内部領域206から出ることを可能にし得る。例えば、乗員は、乗員バスケットが到達することができない場所にある、修理中の構造物の一部分に移動する必要があり得る。
【0026】
[0034] 乗員バスケット106はまた、バスケットフレーム204の周りの異なる位置に配置された複数の安全アンカー214A~Eも含む。図示されている一実施例では、乗員バスケット106が、バスケットフレーム204の内部位置(例えば、乗員バスケットの内部領域206内)に配置された4つの安全アンカー214A~D、及びバスケットフレーム204の外部位置(例えば、バスケットフレームの外側)に配置された2つの安全アンカー214E~Fを含む。安全アンカー214A~Fの各々は、1以上の乗員を乗員バスケット106に固定する又は留める安全キーなどの相手側部品を受け入れるように成形及び/又はサイズ決定され得る。例えば、安全ストラップ又はランヤード(図示せず)の第1の端部は、乗員のうちの少なくとも1人と動作可能に結合され(例えば、ハーネスやカラビナなどによって乗員に取り付けられ)てよく、安全ストラップの第2の端部は、安全キーと動作可能に結合され得る。
【0027】
[0035] 図4は、本開示の一実施形態による、乗員バスケット106及び/又は乗員バスケットの1以上のシステム若しくは構成要素の動作を制御することに関連付けられた回路の概略図を示す。コントローラ222は、リレー236を介して、(1以上の)入力/出力デバイス226、バスケットゲートのロッキングシステム232(例えば、ゲートが開閉され得るかどうかを制御し得る電気及び/又は機械ロッキングシステム)、1以上のセンサ224(乗員検出器センサなど)、1以上のリフトシステムモータ234(例えば、リフトシステム100の乗員バスケット及び/又はベース102の移動を制御するモータ)、及び電力デバイス230と、電気的に結合されている。1以上のリフトシステムモータ234、電力デバイス230、及びリレー236はまた、電気接地238とも電気的に結合される。図4で示されている概略図は、例示目的だけのものである。別の一実施例では、回路が、代替的な1つの構成を有してよく、1以上の更なる電気部品を含んでよく、図示されている1以上の部品を欠いていてもよいなどである。
【0028】
[0036] 図示されている一実施例では、コントローラ222がまた、第1の安全アンカー214A及び第2の安全アンカー214Bとも電気的に結合される。他の複数の実施例では、コントローラが、乗員バスケット106の3つ以上の安全アンカーと電気的に結合され得る。第1の安全アンカー214Aは、第1の安全キー240Aと嵌合結合され、第2の安全アンカー214Bは、第2の安全キー240Bと嵌合結合されている。
【0029】
[0037] 図5は、本開示の一実施例による、第1の安全アンカー214Aと嵌合係合した安全キー240Aの部分拡大図を示す。安全キー240Aは、安全ストラップ244又は安全ランヤードの第1の端部と動作可能に結合されている。安全ストラップ244の第2の端部は、乗員バスケット106(図示せず)の乗員242と固定又は結合され得る。乗員又は操作者が、安全キー240Aを介して乗員バスケット106の安全アンカーに固定されている間、乗員の安全性は、乗員が安全キーを介して安全アンカーに固定されていない又は繋がれていない場合と比較して高まる。
【0030】
[0038] 図6は、本開示の一実施例による、リフトシステムの乗員バスケットの動作を制御するためなどの方法のフローチャート600を示す。該方法は、1以上のプロセッサを含むコントローラ222によって、1以上のセンサ224からデータ602を受け取ることを含む。コントローラは、センサデータに少なくとも部分的に基づいて、リフトシステムの乗員バスケット内に配置され又は位置決めされた操作者又は乗員の数を特定604し得る。コントローラはまた、乗員バスケットの対応する安全アンカーと動作可能に結合された安全キーの数も特定606し得る。一実施例として、安全アンカーの各々は、単一の安全キーを受けるように配置され得る。別の一実施例では、1以上の安全アンカーが、2つ以上の異なる安全キーを受けるように配置され得る。
【0031】
[0039] 本方法はまた、乗員バスケット内に配置された操作者の数を、対応する安全アンカーに結合された安全キーの数と比較して、コントローラ222によって、操作者の数が安全キーの数と同じであるかどうかを判定608することも含む。操作者の数が、安全キーの数と同じである場合、方法は610へ進み、乗員バスケットの移動又は動作が許可される。例えば、コントローラが、乗員バスケット内に2人の乗員が配置され、2つの安全キーが対応する安全アンカーに結合されていると判断した場合、コントローラは、乗員バスケットを地表から離れるように上昇させ、乗員バスケットを地表に向けて又はより低い高さに向けて移動させ、乗員バスケットを横又は水平方向に移動させ、バスケットのゲートを開けることを許可すること(例えば、図4で示されているバスケットゲートロッキングシステム232の状態を変更して、操作者がゲートを開閉することを許可すること)などができる。
【0032】
[0040] 代替的に、コントローラ222が、オペレータの数が安全キーの数とは異なると判定した場合、方法は612へ進み、乗員バスケットの移動又は動作が禁止される。例えば、コントローラが、乗員バスケット内に2人の乗員が配置されているが、1つだけの安全キーが対応する安全アンカーに結合されていると判断したときに、コントローラは、乗員バスケットが異なる高さへ上昇又は下降することを禁止し、バスケットのゲートが開かれることなどを禁止し得る(例えば、バスケットゲートロッキングシステム232の状態がロック状態であってよく、操作者はゲートを開けることができない)などである。一実施例では、通信デバイス228などによって、警報が通信614され得る。警報は、乗員バスケットの乗員に通信される音声、視覚、及び/又は物理的警報であってよい。任意選択的に、警報は、乗員バスケットの乗員が乗員バスケットに適正に固定されていないことをコントロールセンターにいる1以上の操作者に通知するためなどに、コントロールセンターに無線で通信され得る。
【0033】
[0041] 一実施例では、コントローラ222が、少なくとも1つの安全キーと動作可能に結合された安全アンカーの各々の場所を特定してよく、使用中の安全アンカーの位置を特定したことに応じて、乗員バスケットの移動を禁止又は許可してよい。例えば、図7Aは、本開示の一実施例による、乗員バスケット106の乗員の第1の実施例700を示す。第1の乗員702及び第2の乗員704は、リフトシステムの乗員バスケット106内に配置されている。第1の乗員702は、第1の乗員に結合された第1の端部と、第1の安全キー240Aに結合された第2の端部と、の間で延在する第1の安全ストラップ740Aに繋がれている。図示されている一実施例では、第1の乗員702が、第1の安全キー240Aを介して、第3の安全アンカー214Cにしっかりと固定されている。更に、第2の乗員704は、第2の乗員に結合された第1の端部と、第2の安全キー240Aに結合された第2の端部と、の間で延在する第2の安全ストラップ740Bに繋がれている。第2の乗員は、第2の安全キー240Bを介して、第1の安全アンカー214Aにしっかりと固定されている。
【0034】
[0042] 制御システム220は、2人の乗員(例えば、第1及び第2の乗員702、704)が乗員バスケット106内に配置され、2つの安全キーが2つの対応する安全アンカー(例えば、第1及び第3の内部安全アンカー214A、214C)と動作可能に結合されていると特定し得る。乗員の数が、安全アンカーに結合されている安全キーの数と同じであることに基づいて、乗員バスケットの移動が許可され得る。
【0035】
[0043] 一実施例では、制御システム220のコントローラ222が、第1及び第2の乗員702、704が固定されている安全アンカーの場所を特定し、使用中の安全アンカーの位置に基づいて、乗員バスケット106の移動を許可及び/又は制御し得る。例えば、コントローラは、第1及び第3の安全アンカー214A、214Cが内部アンカーであると特定し得る。第1及び第3の安全アンカー214A、214Cが内部安全アンカーであると判定したことに応じて、コントローラは、乗員バスケット106を上昇下降させることが許可され得るが、コントローラは、ゲート210がロック状態にあるように制御し得る。
【0036】
[0044] 代替的な一実施例では、図7Bが、乗員バスケット106内に配置された乗員の第2の実施例750を示す。第1の乗員702は、第1の安全キー240Aを介して、第3の安全アンカー214Cに固定され、第2の乗員704は、第2の安全キー240Bを介して、第5の安全アンカー214Eに固定されている。例えば、コントローラ222は、第1の乗員702が内部安全アンカー(例えば、214C)にしっかりと固定され、第2の乗員704が外部安全アンカー(例えば、214E)にしっかりと固定されていると特定し得る。第2の乗員704が外部安全アンカーに固定されている判定したことに応じて、コントローラは、ゲート210のロッキング状態をロック状態からアンロック状態に変更することが許可され得る。例えば、ゲート210はアンロックされてよく、第1及び/又は第2の乗員702、704は、乗員バスケット106のゲート210を開閉することが許可され得る。一実施例では、ゲートがアンロック状態にある間、コントローラは、乗員バスケット106の他の移動を禁止し得る。例えば、コントローラは、ゲート210がアンロック状態にある間、乗員のうちの1人がリフトシステムモータ234(図4で示されている)を制御して、乗員バスケット106を上昇下降させることを禁止し得る。
【0037】
[0045] 図7A及び図7Bの示されている複数の実施形態では、乗員バスケット内に配置されている乗員の数が、対応する安全アンカーと動作可能に結合されている安全キーの数と一致するか又は同じである。例えば、第1及び第2の実施例700、750における第1及び第2の乗員702、704は、乗員バスケット106に適正に固定されている。別の一実施例では、図8が、本開示の一実施例による、乗員バスケット106内に配置されている乗員の第3の実施例800を示す。図示されている一実施例では、第1の乗員702が、第1の安全キー240Aを介して、第3の安全アンカー214Cに固定されている。しかし、第2の乗員704は、他の安全アンカーのうちのいずれにも固定されていない。コントローラ222は、乗員の数(例えば、2人)が、安全アンカーに結合されている安全キーの数(例えば、1つ)とは異なると判定し、乗員バスケット106及び/又はリフトシステム100の移動又は他の動作を禁止し得る。例えば、ゲート210は、ロック状態のままであり及び/若しくはロック状態に変更され、乗員はゲートを開けることができず、乗員はリフトモータを制御して乗員バスケットを(例えば、垂直及び/若しくは水平方向に)移動させることができず、並びに/又はリフトシステム100のベース102を移動させることなどができない場合がある。
【0038】
[0046] 1以上の実施例では、コントローラ222が、リフトシステム100の使用中に乗員の数と使用されている安全キーの数とを継続的に監視し得る。例えば、コントローラは、乗員の数が、対応する安全アンカーに結合されている安全キーの数と同じであると判定したことに応じて、乗員バスケットが地表から離れるように移動することを許可し得る。更に、コントローラは、使用されている安全キーの数が変化したと判定し得る。一実施例では、乗員バスケット106がある高さに持ち上げられ、乗員バスケット106の垂直方向の移動が停止された後で、コントローラが、第2の乗員704が第2の安全キー240Bを第1の安全アンカー214Aから切り離したが、第2の安全キー240Bが安全アンカーのいずれにも接続されていないと特定し得る。一実施例では、第2の乗員704が、第2の安全キー240Bを第1の安全アンカー214Aから手動で分離することができ、第2の安全キー240Bを異なる安全アンカーに取り付け忘れた可能性がある。別の一実施例では、第2の安全キー240Bと第1の安全アンカー214Aとの間の接続に不具合が生じた可能性がある。例えば、安全キー及び/又は安全アンカーの1以上の構成要素が、不具合を生じたか、又はさもなければキーとアンカーとの間の接続を損なった可能性がある。コントローラは、乗員のうちの1人が乗員バスケット106にしっかりと固定されていないことを示す警報を、乗員バスケット106の乗員に通信してよく、第2の乗員704が安全アンカーのうちの1つにしっかりと固定されるまで、乗員バスケット106の任意の移動又は動作を禁止し得る。
【0039】
[0047] 1以上の実施例では、コントローラ222が、乗員バスケット106の1以上のセンサ224から検知されたデータを受け取り得る。データは、乗員バスケット106の乗員及び乗員バスケット内に配置された1以上の荷重802に関連付けられたデータを含み得る。一実施例では、荷重が、構造又はシステムを修理するためなどの、乗員によって使用され得る機器及び/又は材料であり得る。コントローラは、乗員(及び乗員の数)に対応するデータを、1以上の荷重802に対応するデータから区別し得る。例えば、コントローラは、荷重に関連付けられたデータから乗員に関連付けられたデータを区別又は分離し、データが乗員に対応する(及びデータが荷重に対応しない)ことに基づいて、乗員バスケット(又はリフトシステム)の移動又は動作を許可又は禁止し得る。
【0040】
[0048] 更に、本開示は、以下の条項による複数の実施例を含む。
[0049] 条項1.
[0050] 1以上のセンサから受け取ったデータに基づいて、リフトシステムの乗員バスケット内に配置された操作者の数を特定することであって、前記乗員バスケットは複数の安全アンカーを備え、前記複数の安全アンカーの各々は安全キーを受けるように構成されている、操作者の数を特定すること、
[0051] 前記複数の安全アンカーと動作可能に結合された安全キーの数を特定すること、
[0052] 前記乗員バスケット内に配置された前記操作者の数を、前記複数の安全アンカーと動作可能に結合された前記安全キーの数と比較すること、及び
[0053] 前記乗員バスケット内に配置された前記操作者の数が、前記複数の安全アンカーと動作可能に結合された前記安全キーの数とは異なると判定したことに応じて、前記乗員バスケットの1以上の動作を禁止することを含む、方法。
【0041】
[0054] 条項2.
前記複数の安全アンカーは、前記乗員バスケットの内側部分に配置された1以上の内部安全アンカー、及び前記乗員バスケットの外側部分に配置された1以上の外部安全アンカーを含む、条項1に記載の方法。
【0042】
[0055] 条項3.
[0056] 前記安全キーのうちの少なくとも1つと動作可能に結合された前記複数の安全アンカーの各々の位置を特定すること、及び
[0057] 前記複数の安全アンカーの各々の前記位置を特定したことに応じて、前記乗員バスケットの前記1以上の動作を制御することを更に含む、条項1又は2に記載の方法。
【0043】
[0058] 条項4.
前記乗員バスケットの前記1以上の動作は、前記乗員バスケットを複数の異なる高さの間で垂直方向に移動させること、前記乗員バスケットを横方向に移動させること、又は前記乗員バスケットのゲートのロッキングシステムの状態をアンロック状態に変更すること、のうちの1以上を含む、条項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0044】
[0059] 条項5.
前記乗員バスケット内に配置された前記操作者の数が、前記複数の安全アンカーと動作可能に結合された前記安全キーの数とは異なると判定したことに応じて、警報を通信することを更に含む、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【0045】
[0060] 条項6.
前記乗員バスケット内に配置された前記操作者の数が、前記乗員バスケットの前記複数の安全アンカーと動作可能に結合された前記安全キーの数と同じであると判定したことに応じて、前記乗員バスケットの前記1以上の動作を許可することを更に含む、条項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【0046】
[0061] 条項7.
[0062] 前記複数の安全アンカーと動作可能に結合された前記安全キーの数が変化したと特定すること、
[0063] 前記乗員バスケット内に配置された前記操作者の数が、前記乗員バスケットの前記複数の安全アンカーと動作可能に結合された前記安全キーの数とは異なると判定すること、及び
[0064] 前記乗員バスケット内に配置された前記操作者の数が、前記複数の安全アンカーと動作可能に結合された前記安全キーの数とは異なると判定したことに応じて、前記乗員バスケットの前記1以上の動作を禁止することを更に含む、条項6に記載の方法。
【0047】
[0065] 条項8.
[0066] 前記1以上のセンサから受け取った前記データに少なくとも部分的に基づいて、前記乗員バスケット内に配置された1以上の荷重を特定すること、及び
[0067] 前記乗員バスケット内に配置された前記操作者の数から前記1以上の荷重を区別することを更に含む、条項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【0048】
[0068] 条項9.
[0069] リフトシステムの乗員バスケットと動作可能に結合された安全アンカーであって、前記安全アンカーの各々は、安全キーを受けるように構成され、1以上の操作者が、前記乗員バスケット内に配置されるように構成された、安全アンカー、及び
[0070] 1以上のセンサからデータを受け取るように構成された1以上のプロセッサを含むコントローラであって、前記1以上のセンサから受け取った前記データに基づいて、前記乗員バスケット内に配置された操作者の数を特定するように構成されたコントローラを備える、落下保護システムであって、
[0071] 前記コントローラは、前記乗員バスケット内に配置された前記操作者の数を、前記安全アンカーと動作可能に結合された安全キーの数と比較するように構成され、
[0072] 前記コントローラは、前記乗員バスケット内に配置された前記操作者の数が、前記安全アンカーと動作可能に結合された前記安全キーの数とは異なると判定したことに応じて、前記乗員バスケットの1以上の動作を禁止するように構成されている、落下保護システム。
【0049】
[0073] 条項10.
前記乗員バスケットは、前記1以上の操作者を複数の異なる高さの間で移動させるために、前記複数の異なる高さの間で移動するように制御されるように構成されている、条項9に記載の落下保護システム。
【0050】
[0074] 条項11.
前記乗員バスケット内に配置された前記操作者の数が、前記安全アンカーと動作可能に結合された前記安全キーの数とは異なると判定したことに応じて、前記コントローラは、警報を通信するように通信デバイスを制御するように構成されている、条項9又は10に記載の落下保護システム。
【0051】
[0075] 条項12.
前記乗員バスケット内に配置された前記操作者の数が、前記安全アンカーと動作可能に結合された前記安全キーの数と同じであると判定したことに応じて、前記コントローラは、前記乗員バスケットの前記1以上の動作を許可するように構成されている、条項9から11のいずれか一項に記載の落下保護システム。
【0052】
[0076] 条項13.
前記乗員バスケットの前記1以上の動作は、前記乗員バスケットを複数の異なる高さの間で垂直方向に移動させること、前記乗員バスケットを横方向に移動させること、又は前記乗員バスケットのゲートのロッキングシステムの状態をアンロック状態に変更すること、のうちの1以上を含む、条項9から12のいずれか一項に記載の落下保護システム。
【0053】
[0077] 条項14.
前記1以上のセンサは、位置センサ、カメラ、圧力センサ、超音波センサ、衝突センサ、又は赤外線センサのうちの1以上を含む、条項9から13のいずれか一項に記載の落下保護システム。
【0054】
[0078] 条項15.
前記1以上のセンサは、前記乗員バスケットと動作可能に結合されている、条項9から14のいずれか一項に記載の落下保護システム。
【0055】
[0079] 条項16.
前記コントローラは、前記1以上のセンサから受け取った前記データに少なくとも部分的に基づいて、前記乗員バスケット内に配置された1以上の荷重を特定するように構成され、前記コントローラは、前記乗員バスケット内に配置された前記操作者の数から前記1以上の荷重を区別するように構成されている、条項9から15のいずれか一項に記載の落下保護システム。
【0056】
[0080] 条項17.
[0081] 1以上のプロセッサを用いて、リフトシステムの乗員バスケット内に配置された乗員の数を、前記乗員バスケットの対応する安全アンカーと動作可能に結合された安全キーの数と比較すること、及び
[0082] 前記乗員の数が、前記対応する安全アンカーと動作可能に結合された前記安全キーの数とは異なると判定したことに応じて、前記乗員バスケットの1以上の動作を禁止することを含む、方法。
【0057】
[0083] 条項18.
前記乗員バスケットの前記1以上の動作は、前記乗員バスケットを複数の異なる高さの間で垂直方向に移動させること、前記乗員バスケットを横方向に移動させること、又は前記乗員バスケットのゲートのロッキングシステムの状態をアンロック状態に変更すること、のうちの1以上を含む、条項17に記載の方法。
【0058】
[0084] 条項19.
前記乗員バスケット内に配置された前記乗員の数が、前記安全アンカーのうちの少なくとも1つと動作可能に結合された前記安全キーの数とは異なると判定したことに応じて、警報を通信することを更に含む、条項17又は18に記載の方法。
【0059】
[0085] 条項20.
[0086] 前記安全キーのうちの少なくとも1つと動作可能に結合された前記安全アンカーの各々の位置を特定すること、及び
[0087] 前記安全アンカーの各々の前記位置を特定したことに応じて、前記乗員バスケットの前記1以上の動作を制御することを更に含む、条項17から19のいずれか一項に記載の方法。
【0060】
[0088] 本明細書で説明されるように、本開示の複数の実施例は、高架プラットフォーム上に立っている操作者に安全を提供するため、静止プラットフォームの上のアイテム(例えば、機器やシステムなど)の移動を可能にするため、構造物(例えば、飛行機又は任意の他の構造物)と干渉することなしに、高架プラットフォームを1つの位置から別の1つの位置へ移動させることを可能にするためなどに、載せる位置と降ろす位置との間で安全レールシステムを移動させるためのシステム及び方法を提供する。
【0061】
[0089] 本開示の実施例の説明のために、上部、底部、下方、中央、横方向、水平、垂直、前方向などの空間及び方向に関する様々な用語が使用される場合があるが、かかる用語は図面中で示す向きに関するものとして使用されているにすぎないことを理解されたい。これらの向きを反転、回転、又はその他の方法で変更してもよく、その結果、上部が下部となったり、下部が上部となったり、水平が垂直となったりする。
【0062】
[0090] 本明細書で使用されるときに、タスク又は動作を実施する「ように構成される」構造物、限定事項、又は要素は、特にタスク又は動作に対応するように、構造的に形成、構成、又は適合されている。分かり易くするため、かつ誤解を避けるために言うと、タスク又は動作を実施するために改変されることが可能であるだけの対象物は、本明細書における、タスク又は動作を実施する「ように構成/設定」されているものではない。
【0063】
[0091] 上記の説明は、限定ではなく、例示を意図するものであることを理解するべきである。例えば、上述した例(及び/又はそれらの態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、多くの改変を加えて、本開示の様々な実施例の教示に特定の状況又は材料に適合させることができる。本明細書で説明される材料の寸法及び種類は、本開示の様々な実施例の態様を規定することを意図しているが、複数の実施例は、決して限定のためのものではなく、例示的な実施例である。上記の説明を精査すれば、当業者には、他の多くの例が自明となろう。本開示の様々な実施例の範囲は、添付の特許請求の範囲、並びに、こうした特許請求の範囲が認められる均等物の全範囲に関連して決定されるべきである。付随する特許請求の範囲及び本明細書の発明を実施するための形態では、「含む(including)」及び「そこで(in which)」という語は、それぞれ、「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」という語の平易な英語(plain English)の同義語として使用されている。更に、「第1の(first)」、「第2の(second)」、及び「第3の(third)」などの用語は、単に符号として使用されており、それらの対象物に数的要件を課すことを意図するものではない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズプラスファンクション形式で記述されておらず、かかる特許請求の範囲の限定が、更なる構造を欠く機能の記述が後続する、「~のための手段(means for)」という言い回しを明示的に使用しない限り、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることを意図するものではない。
【0064】
[0092] ここに記載した説明で実施例を使用しているのは、ベストモードを含む本開示の様々な実施例を開示するためと、当業者が任意のデバイスまたはシステムを作成及び使用すること、並びに組み込まれた任意の方法の実施することを含めて本開示の様々な実施例を実施することを可能にするためである。本開示の様々な例の特許性の範囲は、特許請求の範囲によって規定されるものであり、当業者が想起するその他の例を含み得る。かかる他の実施例は、実施例が特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、又は、実施例が、特許請求の範囲の文言とごくわずかな相違しかない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
【外国語明細書】