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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178138
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】端子位置決めデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
H01R13/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024094172
(22)【出願日】2024-06-11
(31)【優先権主張番号】18/332945
(32)【優先日】2023-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール デビッド ローマン ジュニア
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE14
5E087FF03
5E087FF12
5E087GG14
5E087GG26
5E087GG31
5E087GG32
5E087GG33
5E087GG34
5E087HH01
5E087MM05
5E087RR26
5E087RR29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】端子の適切な設置を保証するための改善された端子位置決めデバイスの提供。
【解決手段】電気コネクタ10は、端子ホルダ30と、端子位置決めデバイス100とを含む。端子ホルダ30は、その第1の側面から端子挿入方向Iに端子20を受け入れるように構成されている少なくとも1つの端子開口部32を画定する。端子位置決めデバイス100は、コネクタ10の一部分と当接する摺動面と、少なくとも1つの端子コンタクト面とを含む。端子位置決めデバイス100は、端子ホルダ30の第1の側面に隣接して配置されている。端子位置決めデバイス100は、デバイスが挿入方向において少なくとも1つの端子開口部32と重ならない第1の位置と、少なくとも1つの端子コンタクト面が挿入方向Iにおいて少なくとも1つの端子開口部と重なる第2の位置との間で、端子ホルダ30に対して、挿入方向Iに垂直な動作方向に移動可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタ(10)用の端子位置決めデバイス(100)であって、
- 前記電気コネクタ(10)の構成部品に対して動作方向(O)に摺動するように構成されている摺動面(101)と、
- 前記摺動面(101)に対して斜めに配向されており、前記電気コネクタ(10)の電気端子(20)と選択的に係合するように構成されている、少なくとも1つの勾配面(154)と、
- 開口部(110)であって、前記開口部(110)を通して前記電気端子(20)の一部分を受け入れるようにサイズ設定され、配置されている、開口部(110)と、
を備える、
端子位置決めデバイス(100)。
【請求項2】
前記デバイス(100)から前記動作方向に対して略垂直な方向に延出する複数の端子ロック(150)をさらに備え、
前記端子ロック(34)はそれぞれ、前記勾配面(154)を含む端子コンタクト面(154、156)を画定する、
請求項1に記載のデバイス(100)。
【請求項3】
前記端子コンタクト面(154、156)は、前記勾配面(154)に隣接する平面部分(156)をさらに含み、
前記平面部分(156)は、前記摺動面(101)と平行なコンタクト面を画定する、請求項2に記載のデバイス(100)。
【請求項4】
前記複数の端子ロック(150)は、前記動作方向(O)に延びる列に配置されている、
請求項2に記載のデバイス(100)。
【請求項5】
前記複数の端子ロック(150)は、複数の列に配置されており、各列は、前記動作方向(O)に延び、前記動作方向に垂直な方向において隣接する列から離隔されている、
請求項4に記載のデバイス(100)。
【請求項6】
上壁(102)と、底壁(104)と、前記上壁を前記底壁につなぐ少なくとも1つの壁(106)とをさらに備える、
請求項4に記載のデバイス(100)。
【請求項7】
前記端子ロック(150)の列は、前記上壁(102)または前記底壁(104)から延出する、
請求項6に記載のデバイス(100)。
【請求項8】
前記動作方向(O)に垂直な方向に延出するアクチュエータ(120)をさらに備える、
請求項1に記載のデバイス(100)。
【請求項9】
前記デバイス(100)の外面に画定されており、前記動作方向(O)における前記デバイスの移動範囲を制限するために前記電気コネクタ(10)とインタフェースするように構成されている機械的止め部(114)をさらに備える、
請求項1に記載のデバイス(100)。
【請求項10】
電気コネクタ(10)であって、
前記電気コネクタ(10)は、
● 端子ホルダ(30)であって、前記端子ホルダの第1の側面から端子挿入方向(I)に端子(20)を受け入れるように構成されている少なくとも1つの端子開口部(32)を画定する、端子ホルダ(30)と、
● 前記端子ホルダ(30)の前記第1の側面に隣接して配置されている、端子位置決めデバイス(100)とを備え、

前記端子位置決めデバイス(100)は、
前記コネクタの一部分に当接する摺動面(101)と、
少なくとも1つの端子コンタクト面(154、156)とを画定し、

前記端子位置決めデバイス(100)は、
前記デバイス(100)が前記挿入方向において前記少なくとも1つの端子開口部(32)と重ならない第1の位置と、
前記少なくとも1つの端子コンタクト面(154、156)が前記挿入方向(I)において前記少なくとも1つの端子開口部(32)と重なる第2の位置との間で、
前記端子ホルダ(30)に対して、前記挿入方向(I)に垂直な動作方向(O)に移動可能である、

電気コネクタ(10)。
【請求項11】
空洞(14)を画定するコネクタ本体(12)をさらに備え、
前記端子ホルダ(30)は前記空洞(14)内に配置されており、前記端子位置決めデバイス(100)は前記端子ホルダ(30)の前記第1の側面と前記コネクタ本体(12)の内壁(15)との間に配置されており、
前記デバイス(100)の前記摺動面(101)は前記内壁(15)に当接する、
請求項10に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの端子コンタクト面(154、156)は、
前記摺動面(101)に対して斜めに配向されている勾配面(154)と、
前記摺動面(101)に対して平行であり前記勾配面(154)に隣接する平面部分(156)であって、前記平面部分(156)は前記端子ホルダ(30)の前記第1の側面に当接する、平面部分(156)とを含む、
請求項10に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項13】
前記端子位置決めデバイス(100)は、前記動作方向(O)に垂直な方向に延出する複数の端子ロック(150)を含み、前記端子ロック(150)はそれぞれ、前記勾配面(154)および前記平面部分(156)を含む端子コンタクト面を画定する、
請求項12に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項14】
前記複数の端子ロック(150)は、前記動作方向(O)に延びる列に配置されている、
請求項13に記載の電気コネクタ(10)。
【請求項15】
前記端子ホルダ(30)の前記少なくとも1つの端子開口部(32)内に配置されている少なくとも1つの端子(20)をさらに備え、
前記少なくとも1つの端子コンタクト面(154、156)は、前記端子位置決めデバイス(100)の前記第2の位置で、前記挿入方向(I)において前記少なくとも1つの端子(20)と当接する、
請求項10に記載の電気コネクタ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関し、より詳細には端子位置決めデバイスおよび関連するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気コネクタシステムは、しばしば組立誤差を生じる。これら誤差は、例えば、対応するハウジング内でのコネクタの端子の不正確なまたは不十分な挿入を含む。その結果、電気コネクタは、部分的に着座している端子をコネクタシステムの組立中または嵌合中に確実に検出する、端子位置保証(TPA:terminal position assurance)デバイスまたはコンポーネントをしばしば実装する。これにより、操作者は、コネクタ組立工程中またはコネクタ嵌合工程中に端子配置の問題を識別し、改善して、コネクタの損傷、および/または接続失敗もしくは信頼性の低い接続を回避できる。
【0003】
これらの恩恵を踏まえて、TPAコンポーネントを利用するコネクタに対する需要が高まっている。しかし、その実装に欠点がないわけではない。例えば、TPAデバイスが存在すると、製造コストおよび組立コスト、ならびに全体的なコネクタの複雑性が上がる。さらに、これらコンポーネントはコネクタ内の広い空間を占めることが多い。またさらに、これらは端子の最適な位置決めを保証しないことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、電気コネクタで端子の適切な設置を保証するための改善されたシステムおよび方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態において、電気コネクタは、端子ホルダと、端子位置決めデバイスとを含む。端子ホルダは、その第1の側面から端子挿入方向に端子を受け入れるように構成されている、少なくとも1つの端子開口部を画定する。端子位置決めデバイスは、コネクタの一部分と当接する摺動面と、少なくとも1つの端子コンタクト面とを含む。端子位置決めデバイスは、端子ホルダの第1の側面に隣接して配置されており、端子位置決めデバイスが挿入方向において少なくとも1つの端子開口部と重ならない第1の位置と、少なくとも1つの端子コンタクト面が挿入方向において少なくとも1つの端子開口部と重なる第2の位置との間で、端子ホルダに対して、挿入方向に垂直な動作方向に移動可能である。
【0006】
添付図面を参照して、本発明が以下より例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態による、開放位置の端子位置決めデバイスと部分的挿入位置の端子とを含む電気端子の部分的側方断面図である。
図2】端子位置決めデバイスが閉鎖位置にあり、端子が部分的挿入位置にある、図1のコネクタの他の側方断面図である。
図3】端子が完全挿入位置すなわち完全設置位置にある、図2のコネクタの他の側方断面図である。
図4】本開示の一実施形態による端子位置決めデバイスの正面斜視図である。
図5図4の端子位置決めデバイスの一部分の詳細図である。
図6】端子位置決めデバイスが開放位置にある、図1図3の電気コネクタの断面図である。
図7】端子位置決めデバイスが閉鎖位置にある、図6の電気コネクタの断面図である。
図8】端子位置決めデバイスが開放位置にある、図1図3の電気コネクタの裏面断面図である。
図9】端子位置決めデバイスが閉鎖位置にある、図8の電気コネクタの裏面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の例示的実施形態が、添付の図面を参照して以下に詳細に説明され、同様の参照符号は同様の要素を意味する。但し、本開示は多数の異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これら実施形態は、本開示が完全で完成したものとなり、本開示の概念を当業者に完全に伝達するように、提供される。
【0009】
以下の詳細な説明においては、説明の都合上、開示される実施形態の完全な理解をもたらすために多数の具体的詳細が記載される。しかし、1つまたは複数の実施形態はこれら具体的詳細がなくとも実施できることが明らかになるであろう。他の例において、よく知られている構造体およびデバイスは、図面を簡略化するために概略的に示されている。
【0010】
本開示の実施形態は、端子を電気コネクタ内で位置決めしてロックするように構成されている、端子位置決めデバイスを含む。一実施形態において、少なくとも1つの端子開口部を画定する端子ホルダと、端子ホルダの第1の側面から開口部の少なくとも1つに挿入方向に設置されている少なくとも1つの端子と、端子ホルダの第1の側面に隣接して配置されている端子位置決めデバイスとを含む電気コネクタが提供される。端子位置決めデバイスは、端子ホルダに対して、端子の挿入方向に垂直な動作方向に移動可能である。端子位置決めデバイスは、端子に向かう方向に本体から延在する端子ロック突出部を有する、本体を含む。端子ロック突出部は、上記デバイスの動作方向に対して斜めに延在する傾斜部を画定する。
上記デバイスは、端子ロック突出部が端子から動作方向にずれている第1の初期位置と、端子ロック突出部が端子と動作方向に少なくとも部分的に整列している第2の位置との間で移動可能である。
【0011】
図1図3を全体として参照して、本開示の実施形態は、例示的電気コネクタ10に実装されるものとして説明される。代表的コネクタ10は、例えば相手側コネクタを嵌合方向Mに挿入できる受入空洞すなわち開口部14を画定する本体12(例えば成形ポリマー体)を含む。本体12は、1つまたは複数の導電端子20と、端子ホルダ30と、任意選択のピン保護デバイス40と、本開示の一実施形態による端子位置決めデバイス100とを収容する。例示的コネクタ10において、端子20は後方装入されるか、または端子ホルダ30の後部内へと挿入方向Iに設置される。
【0012】
各端子20は、嵌合端21(例えばピン)と、接続端22(例えば図6および図7に示すような圧着部)とを含む。各端子20は、ロック要素またはロック機構24をさらに画定する。例示的端子20のロック要素24は、その上面から延出し、コネクタ10の対応するロック機構と係合するようにサイズ設定されかつ位置決めされている。より具体的には、端子ホルダ30は、コネクタ10の空洞14内に固定的に配置されており、端子20のうちの1つを収容するようにそれぞれサイズ設定されている複数の開口部32を含む。端子ホルダ30は、各開口部32に延在する片持ち式ロックアームなどの、主要端子ロック34を画定する。各端子ロック34は、端子が端子ホルダ30内の所定の深さまで十分に挿入された後、各端子20のロック要素24と係合するように動作する。
端子ロック34は、係合すると、端子20が端子開口部32から挿入方向Iとは逆の方向へ取り除かれるのを防止する。
【0013】
図1および図2を参照すると、端子20は、端子ホルダ30内に部分的にだけ設置または挿入されている。結果として、端子ロック34は、端子20のロック要素24と係合していない。この位置において、端子20は、(例えば嵌合中に)後方にさらにずらされるおそれがあり、場合によっては端子ホルダ30から完全に脱離される。さらに、図1および図2に示す部分的に設置された端子20は、相手側コネクタと同一のワイプ(wipe)または導電性コンタクト領域を提供しない。
【0014】
しかし、図3に示すように、端子ロック34を通過するのに十分な深さまで端子20が開口部32に挿入された後、ロックは、垂直下方へ弾性的に片寄り、端子のロック要素24と挿入方向Iとは逆の方向に対向する。この状態において、端子20が端子ホルダ30から脱離することは防止される一方で、端子20は必ずしもこの最適位置(すなわちその最前方位置)に維持されない。具体的には、図3から分かるように、端子ロック34とロック要素24との間に間隙33が存在する。結果として、端子20は、端子ホルダ30にロックされたままでありながらも、そのような間隙がなくなるまで(例えば嵌合中に)後方にずらすことができる。
本開示の実施形態による端子位置決めデバイス100は、図1および図2に示す部分的端子挿入状態を防止し、各端子をその端子ホルダ内に最適に位置決めし、図3に示すように使用中にそのような位置を維持するように、動作する。
【0015】
端子位置決めデバイス100の例示的構成が、図4および図5に示されている。端子位置決めデバイス100は、略水平の上壁102と、略水平の底壁104と、2つの垂直な側壁106とを有する、フレームを含む。いくつかの実施形態では、中間支持部108が設けられており、垂直方向において上壁102および底壁104からゼロでない距離で、側壁106間に架け渡されている。結果として、中間支持部108の両側に、2つのスロットすなわち開口部110が画定されている。開口部110は、例えば、図1図3に示すように、端子ホルダ30の挿入側すなわち後部から後方に延びる端子20の部分を、開口部110を通して受け入れるように構成(すなわちサイズ設定および配置)されている。
【0016】
端子位置決めデバイス100は、少なくとも1つの端子ロック突出部または端子ロック150をさらに含む。例示的実施形態において、デバイス100は、各ロックが列に沿って均等に離隔されている、2列の複数の端子ロック150を画定する。端子ロック150の間隔は、コネクタ10の各端子20の間隔に対応する。例示的実施形態において、各端子ロック150は、上壁102および底壁104のそれぞれから延出する歯状突起部または歯状突出部152と、勾配面もしくは勾配部分または傾斜面もしくは傾斜部分154、および平面支え面もしくは平面支え部分または平面ロック面もしくは平面ロック部分156を含む端子コンタクト面とを含む。例えば、端子ロック150の突起部152が上壁102から垂直下方に延出する図5を参照されたい。
勾配面すなわち傾斜部分154は、突起部152から、上壁102から離れる方向に延出する。具体的には、勾配面154は、デバイス100の摺動面または支え面(例えばデバイス100の裏面101および/または平面154)に対して斜めに延出する。傾斜の方向は、デバイス100の動作方向Oに対して反対向きである。コンタクト面の平面支え部分156は、勾配部分154に直接的に隣接して形成されている。平面支え部分156は、デバイス100の表面101’および/もしくは裏面101、ならびに/または端子ホルダ30の後面36に対して概して平行であってもよく、デバイス100が動作方向Oへ移動するとき、端子ホルダ30に対する支え面として働く。図6および図7を参照されたい。
さらに、平面または平面部分156は、デバイス100の閉鎖位置において機械的止め部として働き、挿入方向Iとは逆の方向への端子の移動を防止する。図3図7、および図9を参照されたい。
【0017】
再び図4および図5を参照すると、デバイス100は、1対の戻り止めまたはラッチング突出部114を備える。例示的実施形態において、1つの戻り止め114が、上壁102および底壁104のそれぞれに形成されている。空隙空間すなわち開口部118が、各戻り止め114の直下(または直上)に形成されており、戻り止め114が形成されるばね状梁を形成している。これにより、例えば圧迫力を受けるとき、開口部118の方向に各戻り止め114の弾性が生じる。図8および図9に対してより詳細に記載されるように、戻り止め114は、使用するデバイス100の位置を制御するために使用される。
端子位置決めデバイス100は、その表面101’から前方向に延出する、少なくとも1つ、例示される実施形態では2つの、アクチュエータ120をさらに含む。図1から分かるように、アクチュエータ120は、コネクタ10の空洞14を通って延び、ユーザがデバイス100を動作方向O(または逆方向)に機械的に付勢する手段を提供する。
【0018】
端子位置決めデバイス100の機能が、図2および図3を参照して以下より説明される。図2は、部分的挿入位置すなわち部分的設置位置にある端子20、およびロック位置すなわち閉鎖位置にあるデバイス100の図解を提供し、端子ロック150と端子20の後面26との間に存在する干渉を示す。図3は、完全挿入位置にある端子20を図解する。示すように、端子ロック150の平面156は、端子20の後面26に当接している。端子の前部分27は、端子ホルダ30の対向する端面35に対して当接している。これにより端子20は、その最前方位置、すなわち理想的位置にある。結果として、デバイス100により加えられる一定の挿入力によって、端子ワイプが最大化され、運動(例えば振動によるものなど)が最小化される。
【0019】
第1の位置、すなわち開放位置のデバイス100が、図6に示されている。この位置において、端子20は、コネクタ10の組み立て中に隣接する端子ロック150の間に形成された間隙を少なくとも部分的に通して、端子ホルダ30に自由に挿入されるかまたは設置される。図示のように、各端子20は、そのそれぞれの開口部32に部分的にだけ設置されるかまたは挿入される。端子位置決めデバイス100は、図6に示す開放位置から、示されている動作方向Oに摺動可能である。具体的には、デバイス100は、端子ホルダ30の後面36とコネクタ本体12の対向する内壁または内面15との間で摺動可能に保持されている。デバイス100が方向Oに付勢されるにつれて、各端子ロック150は、傾斜面154を先頭にして、各端子20の後端面26と係合する。
デバイス100が方向Oにさらに付勢されるにつれて、端子20は、傾斜面154を介して挿入方向Iに押し込まれる。図7は、各端子20の後面26が各端子ロック150の平面156との当接に達したデバイス100の第2の位置、すなわち閉鎖位置を示す。端子20は、最終的な完全に着座した位置に達しているか、またはほぼ達しており、デバイス100との継続的な係合によってそこに保持され続ける。
【0020】
図8は、第1の位置、すなわち開放位置にあるデバイス100の裏面断面図である。端子20の端部は、端子から動作方向O(またはその逆方向)にずれている端子ロック150により妨げられることなく、デバイス100の開口部110を通って延びる。デバイス100の戻り止め114は、コネクタ本体12の類似の突出要素18に対して当接され、従って、開放位置を識別するための確実停止をユーザに提供する。これは、端子20が干渉することなくコネクタ本体12/端子ホルダ30に自由に設置される、デバイス100の装入位置ともみなされ得る。デバイス100を動作方向Oに付勢することによって、戻り止め114は、圧迫されて、デバイスが図9に示す閉鎖位置に移動するときに、それぞれの対応する突出要素18を通過する。
この動作中、完全に着座していないいかなる端子20も、上述のように、完全着座位置に押し込まれるか、または完全着座位置により近づく。戻り止め114と要素18との係合によってもたらされる抵抗は、機械的感触をユーザに提供する。より具体的には、デバイス100が開放位置から閉鎖位置に移動されたため、従ってデバイスにさらなる力を加える必要がないという示唆が提供される。当然ながら、ユーザが閉鎖位置を超えてデバイス100を付勢することを防ぐようにデバイス100の移動を制限するために、追加の戻り止めまたは機械的止め部がさらに設けられていてもよい。例えば、図9に示すように、デバイス100の側壁106が、コネクタ本体12の対向する内壁に対して当接されてもよい。デバイス100は、この第2の位置、ロック位置、または閉鎖位置に留まり、それにより端子20の位置が確実に最適化されたままとなり、特に高振動用途または高衝撃用途におけるコネクタの性能を向上させてもよい。
【0021】
本開示の実施形態は、端子ホルダ30を含む例示的電気コネクタ10の文脈で説明されているが、実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、別個の端子ホルダを有しないコネクタを含めて、他の形態および/または他の特徴を有するコネクタと共に使用されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】