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特開2024-17815サービス提供システム、NFCタグシート、サービス提供方法、情報処理装置及びサービス提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017815
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】サービス提供システム、NFCタグシート、サービス提供方法、情報処理装置及びサービス提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20240201BHJP
   G06Q 30/0217 20230101ALI20240201BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240201BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
G06Q30/02 338
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120717
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】503173685
【氏名又は名称】北村 健
(74)【代理人】
【識別番号】100187322
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 直輝
(74)【代理人】
【識別番号】100213702
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 芳則
(72)【発明者】
【氏名】北村 健
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049BB08
5L049CC17
5L049CC19
(57)【要約】
【課題】サービスへのアクセスを容易とするサービス提供システム、NFCタグシート、サービス提供方法、情報処理装置及びサービス提供プログラムを提供すること。
【解決手段】サービス提供システムは、イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部を並設させたNFCタグシートと、NFC読取部から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供するサーバと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部を並設させたNFCタグシートと、
前記NFC読取部から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供するサーバと、
を備えるサービス提供システム。
【請求項2】
前記サービスは、前記NFC読取部毎の前記接続先情報に対応した第1のサービス及び第2のサービスを含み、
前記第1のサービスは、ユーザにイベント会場の施設利用を支援する機能を有し、
前記第2のサービスは、ユーザにイベント主体のコンテンツ利用を支援する機能を有する、
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
前記第1のサービスは、イベント終了後、予め定めたタイミングでインセンティブを付与するインセンティブ付与機能を有する請求項2に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
前記第1のサービスは、前記端末に、イベント会場における店舗の商品メニューの注文画面を表示させ、前記端末を介して注文された商品の提供の想定待ち時間を表示させ、及び、前記端末に商品の提供の準備が完了した旨の完了通知を表示させる処理を含む商品注文機能を有する請求項2に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
前記第1のサービスは、前記端末に、イベント会場の地図を表示させ、及び、イベント会場における施設の混雑情報を表示させる処理を含むマップ表示機能を有する請求項2に記載のサービス提供システム。
【請求項6】
前記第2のサービスは、前記端末に、イベント主体の導入コンテンツを表示させ、並びに、イベント主体の関連商品及び関連サービスの一方又は両方を表示させる処理を含む告知機能を有する請求項2に記載のサービス提供システム。
【請求項7】
前記第2のサービスは、前記端末にイベント主体の要求に応じた投票画面を表示させ、前記端末又はイベント会場の表示部に投票結果を表示させる処理を含む投票機能を有する請求項2に記載のサービス提供システム。
【請求項8】
前記第2のサービスは、前記端末を介してイベント主体に関連する商品の購入指示を受け付けて、前記端末から入力された会員情報が認証された場合に選択された商品の決済画面へ遷移させる商品販売機能を有する請求項2に記載のサービス提供システム。
【請求項9】
前記サービスは、前記NFC読取部毎の前記接続先情報に対応した前記第1のサービス、前記第2のサービス及び第3のサービスを含み、
前記第3のサービスは、前記第1のサービス及び前記第2のサービスを提供するためのサービスプログラムを前記端末に取得させるためのwebページを提供する機能である、
請求項2に記載のサービス提供システム。
【請求項10】
前記NFCタグシートは、
各々前記第1のサービス、前記第2のサービス及び前記第3のサービスを提供する第1のNFC読取部、第2のNFC読取部及び第3のNFC読取部を一方向に有し、
座席の背部に設置される、
請求項9に記載のサービス提供システム。
【請求項11】
前記第1のNFC読取部、前記第2のNFC読取部及び前記第3のNFC読取部は、同外形状に形成されて中央側に同一の図形を有し、前記第2のNFC読取部及び前記第3のNFC読取部には前記同一の図形の内側に異なるピクトグラムが配置される、請求項10に記載のサービス提供システム。
【請求項12】
前記サービスは、前記NFC読取部毎の前記接続先情報に対応した第1のサービス及び第2のサービスを含み、
前記第1のサービスは、前記第2のサービスを提供するためのサービスプログラムを前記端末に取得させるためのwebページを提供する機能である、
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項13】
イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部を並設させたNFCタグシートであって、
前記NFC読取部から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する、
NFCタグシート。
【請求項14】
NFCタグシートを用いたサービス提供方法であって、
前記NFCタグシートは、イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部を並設させており、
コンピュータが、前記NFC読取部から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する処理を実行する、サービス提供方法。
【請求項15】
イベント会場における自席の周囲に設置されたNFCタグシートにおいて各々視別可能に表示されて複数並設されたNFC読取部から、近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する情報処理装置。
【請求項16】
NFCタグシートを用いたサービス提供プログラムであって、
前記NFCタグシートは、イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部を並設させており、
前記NFC読取部から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する処理をコンピュータに実行させるためのサービス提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サービス提供システム、NFCタグシート、サービス提供方法、情報処理装置及びサービス提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、NFC(Near Field Communication)タグ等の電子タグを用いた近距離無線通信が多種多様な場で活用されている。例えば、特許文献1には、施設内に位置してURLを有する電子タグ(無線タグ)と、URLによってアドレス指定可能なwebページを提供するサーバとを備え、webページが無線タグとインタフェースをとる任意の端末(ポータブルメディアデバイス)に情報を表示し、任意の端末が来場者によって使用されるシステムが開示されている。当該施設はスポーツスタジアムを表しており、電子タグはスタジアム内に着座している間、来場者の手の届く所に搭載される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2015-502595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、端末は、電子タグの読み取りによってwebページの特定の階層へアクセスすることができるが、ユーザに複数のサービスを提供するためには端末が当該特定の階層へアクセスした後にユーザにサービスを選択するための操作を行わせる必要がある。従って、ユーザにとって端末への選択操作が煩わしい場合があり、ユーザ及び施設運営者にとってイベント等におけるサービス提供の合理化を図ることが容易ではない場合があった。
【0005】
本開示は、イベント会場においてサービスへのアクセスを容易としたサービス提供システム、NFCタグシート、サービス提供方法、情報処理装置及びサービス提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために本開示に係るサービス提供システムは、イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部を並設させたNFCタグシートと、前記NFC読取部から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供するサーバと、を備える。
【0007】
また、上記した目的を達成するために本開示に係るNFCタグシートは、イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部を並設させたNFCタグシートであって、前記NFC読取部から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する。
【0008】
また、上記した目的を達成するために本開示に係るサービス提供方法は、NFCタグシートを用いたサービス提供方法であって、前記NFCタグシートは、イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部を並設させており、コンピュータが、前記NFC読取部から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する処理を実行する。
【0009】
また、上記した目的を達成するために本開示に係る情報処理装置は、イベント会場における自席の周囲に設置されたNFCタグシートにおいて各々視別可能に表示されて複数並設されたNFC読取部から、近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する。
【0010】
また、上記した目的を達成するために本開示に係るサービス提供プログラムは、NFCタグシートを用いたサービス提供プログラムであって、前記NFCタグシートは、イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部を並設させており、前記NFC読取部から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記手段を用いる本開示のサービス提供システム、NFCタグシート、サービス提供方法、情報処理装置及びサービス提供プログラムによれば、イベント会場においてサービスへのアクセスを容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施形態に係るサービス提供システムの構成図である。
図2】NFCタグシートの平面図である。
図3】リダイレクト情報管理用テーブルの表示例である。
図4】アクセス解析用テーブルの表示例である。
図5】本開示の実施形態に係るエンドユーザ端末と情報処理装置との間の情報処理を示すフローチャートである。
図6】コンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
図7】初期設定機能を説明する図である。
図8】イベント会場における飲食物の注文機能を説明する図である。
図9】イベント会場におけるイベント主体に関する商品の注文機能を説明する図である。
図10】イベント主体に関する情報を提供する機能を説明する図である。
図11】投票機能を説明する図である。
図12】ファンクラブ入会の案内機能を説明する図である。
図13】フロアマップの表示機能を説明する図である。
図14】混雑状況確認機能を説明する図である。
図15】退場処理機能を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施形態について以下に説明する。なお、本開示において、「電子タグ」とはICタグ、RFタグ、無線タグとも呼ばれるものであり、無線電波を利用して非接触でタグ内のICチップのデータを読み書きするRFID(Radio Frequency Identification)技術を利用したタグである。「NFCタグ」は電子タグの規格の一つであり、13.56MHzの周波数を用い、通信距離が他のRFIDよりも比較的短い10cm程度の近距離無線通信を用いるタグである。以下の実施形態では、電子タグとしてNFCタグを用いた例を説明するが、電子タグはNFCタグに限定されるものではない。NFCタグと同程度の近距離無線通信を利用する他の電子タグを用いてもよい。
【0014】
<構成>
図1は、本開示の実施形態に係るサービス提供システム10のシステム構成図である。サービス提供システム10は、中継サーバとして機能する情報処理装置20と、施設における契約者の施設端末30と、webサーバ40と、エンドユーザ端末50とが、インターネット等の通信ネットワークNを介して接続されている。
【0015】
情報処理装置20は、NFCタグシート60を用いたサービスを提供するサービス事業者の管理下にある装置である。本実施形態の情報処理装置20はサーバを想定しているが、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話等の他の情報端末であってもよい
【0016】
情報処理装置20は、タグ設定部21、タグ情報取得部22、タグ情報管理部23、ページ制作部24、記憶部25を備える。
【0017】
タグ設定部21は、情報処理装置20が備えるライタ機能を用いて、施設端末30の契約者に提供するNFCタグシート60の設定を行う機能を有している。NFCタグシート60の初期設定は、主に契約者にNFCタグシート60を提供する前に行われる。タグ設定部21は、初期設定として、NFCタグシート60がNFC読取部61毎に有するICチップに、タグ保有情報70を記憶させる。タグ保有情報70としては、例えばNFCタグシート60のNFC読取部61を識別するためのタグID71(タグ識別子)、エンドユーザ端末50に情報処理装置20へアクセスさせるための第1URL情報72が含まれる。
【0018】
タグ情報取得部22は、NFCタグシート60からタグ保有情報70を読み取ったエンドユーザ端末50から、通信ネットワークNを介して当該タグ保有情報70を取得する機能を有する。エンドユーザ端末50側では、NFCタグシート60からタグ保有情報70を読み取ることで、タグ保有情報70に含まれる第1URL情報72を取得して、当該第1URL情報72に基づき情報処理装置20にアクセスする。そして、エンドユーザ端末50は、読み取ったタグ保有情報70のうちのタグID71を情報処理装置20に送信する。また、エンドユーザ端末50は、タグ保有情報70とともに、エンドユーザ端末50に記憶されているユーザ情報51を情報処理装置20に送信する。ユーザ情報51には、施設端末30を管理する契約者の会員であるか否かの情報(会員情報)等のユーザ属性情報が含まれる。ユーザ属性情報は後述するアクセス解析に用いられる情報である。なお、ユーザ情報51には、ユーザの住所、氏名、年齢、性別、等の個人情報の一部又は全部がユーザ属性情報に含まれていてもよい。
【0019】
タグ情報管理部23は、記憶部25を参照し、タグ情報取得部22により取得したタグ保有情報70と紐づいたリダイレクト情報251をエンドユーザ端末50に送信する機能を有している。リダイレクト情報251には、リダイレクト先のリダイレクトURL情報である第2URL情報251aと、リダイレクト先属性情報251bと、リダイレクト期間情報251cとが含まれる。また、タグ情報管理部23は、記憶部25に対して情報の編集(作成、変更、削除)が可能である。さらにタグ情報管理部23は、記憶部25に記憶された情報に基づいた解析処理も可能であり、ユーザ情報51に基づくアクセス解析を行うことが可能である。
【0020】
ページ制作部24は、契約者として認証された施設端末30から、リダイレクト情報251に含まれるリダイレクト先のページ内容を制作する機能を有する。契約者の認証は、例えば施設端末30が、契約者ごとに設定されている識別情報やパスワード情報の入力を受け付けることで行われる。リダイレクト先のページ内容の制作は、ページ制作部24がリダイレクト先のwebサーバ40にアクセスして、施設端末30からの操作に応じて行われる。例えばページ制作部24は、CMS(Contents Management System)を用いた制作を可能とする。なお、ページ内容の制作には、webページの構築、管理、更新等が含まれる。
【0021】
記憶部25は、タグ保有情報70、設置属性情報、リダイレクト情報251、アクセス解析情報、ユーザ情報がそれぞれ記憶されており、且つこれらの情報が相互に紐付けられたテーブルが記憶されている。記憶部25に記憶されているテーブルとしては、例えば本実施形態では、NFCタグシート60のNFC読取部61ごとのリダイレクト情報を管理するリダイレクト情報管理用テーブルと、NFC読取部61ごとのアクセス解析を示すアクセス解析用テーブルが記憶されている。
【0022】
施設端末30は、サービス事業者と契約した契約者の管理下にある情報処理端末である。本実施形態の施設端末30は、パーソナルコンピュータを想定しているが、サーバ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話等の他の情報端末であってもよい。
【0023】
webサーバ40は、一般のwebサーバを用いることができ、サービス事業者の管理下のサーバであってもよいし、他者の管理下のサーバであってもよい。また、webサーバ40の機能は、情報処理装置20の一部として備えられていてもよい。webサーバ40には、いわゆるwebページが記憶されている。webページには、テキスト、画像、動画、等のコンテンツ情報やアカウント認証機能、決算機能等の機能の一つ又は複数が含まれている。また、通信ネットワークNには、複数のwebサーバ40が接続されていてもよい。
【0024】
エンドユーザ端末50は、契約者のサービスを受ける一般顧客(エンドユーザ)が所有する情報処理端末である。本実施形態のエンドユーザ端末50はスマートフォンを想定しているが、サーバ、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯電話等の他の情報端末であってもよい。
【0025】
エンドユーザ端末50は、詳細は図示しないが、入力部、表示部、情報処理部、記憶部を備えている。情報処理装置20は、少なくともNFCタグシート60のNFC読取部61毎に対応するタグ保有情報70を編集可能なライタ機能を有し、エンドユーザ端末50はNFCタグシート60にかざす(接近させる)ことでタグ保有情報を取得可能なリーダ機能を有している。
【0026】
図2は、NFCタグシート60の平面図である。NFCタグシート60は、全体が略長矩形状であって湾曲容易な材料で形成される。NFCタグシート60は、図2に示す一方面側にユーザに対する表示面60aを有し、表示面60aとは反対側の他の一方面側に施設における構造体に対して取付可能な取付面60bを有する。本実施形態のNFCタグシート60は、取付面60bに貼着部を有しており、任意の構造物に対して取付面60bの貼着部を利用して貼り付け固定することができる。NFCタグシート60は、例えば契約者の施設内にある座席、テーブル又は壁面等の構造体に貼り付けることができる。本実施形態のNFCタグシート60は、座席の背部に設置される(図7等も参照)。
【0027】
NFCタグシート60は、表示面60aに各々視別可能に表示された複数のNFC読取部61を並設している。本実施形態のNFCタグシート60では、4つのNFC読取部61a~61d(61)が、NFCタグシート60の長尺方向である左右の一方向に並設されている。各NFC読取部61は、表示面60aにおいて上下方向に長尺な長矩形状の枠線である第一図形621、第一図形621の内部の略中央(すなわち、上下方向及び左右方向の略中央)に配置された円形枠状の線である第二図形622、第二図形622の内側にさらに表示された第三図形623を有する。第一図形621は実線により表示されている。第二図形622は、第一図形621よりも太い破線で示された円形状に形成された図形である。第三図形623は、NFC読取部61a~61d毎に割り当てられたサービス内容に関連した図形である。なお、本実施形態の第一図形621、第二図形622及び第三図形623は、線又は彩色による模様として形成されるが、凹凸形状により形成してもよい。
【0028】
また、NFC読取部61a~61dは、それぞれ異なる色に彩色されていてもよい。例えば、第一図形621の内側は、NFC読取部61aは灰色、NFC読取部61bは赤色、NFC読取部61cは緑色、NFC読取部61dは青色でそれぞれ彩色される。
【0029】
NFCタグシート60は、NFC読取部61が表示されるシート内部に、NFC読取部61に対応してアンテナ部63とアンテナ部63に接続されるIC64とを収容する。IC64は、タグ保有情報70(具体的には、タグID71及び第1URL情報72(接続先情報))を記憶する。NFC読取部61a、NFC読取部61b、NFC読取部61c及びNFC読取部61dは、第一図形621により同外形状に形成され、第一図形621の中央側に同一の第二図形622を有する。また、NFC読取部61b~61dには同一の第二図形622の内側に異なるピクトグラムが配置される。例えば、NFC読取部61aを第1のNFC読取部とし、NFC読取部61b~61dのいずれかを第2のNFC読取部及び第3のNFC読取部とすると、第1のNFC読取部、第2のNFC読取部及び第3のNFC読取部は、同外形状に形成されて中央側に同一の図形(622)を有し、第2のNFC読取部及び第3のNFC読取部には同一の図(623)形の内側に異なるピクトグラムが配置されるように構成される。
【0030】
情報処理装置20は、NFCタグシート60のNFC読取部61から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末(エンドユーザ端末50)に、接続先情報(第2URL情報251a)毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する。例えば、NFC読取部61b~61dのいずれか2つを第1のNFC読取部及び第2のNFC読取部とし、NFC読取部61aを第3のNFC読取部とすると、第1のNFC読取部(61b~61d)、第2のNFC読取部(61b~61d)及び第3のNFC読取部(61a)は、エンドユーザ端末50に、各々第1のサービス、第2のサービス及び第3のサービスを提供する。例えば、第1のサービスは、ユーザにイベント会場の施設利用を支援する機能を有するように構成され、第2のサービスは、ユーザにイベント主体Aのコンテンツ利用を支援する機能を有するように構成される。イベント主体Aは、例えば、イベントの出演者又は出演団体である。また、第3のサービスは、第1のサービス及び第2のサービスを提供するためのサービスプログラムを端末に取得させるためのwebページを提供する機能である。
【0031】
又は、接続先情報(第2URL情報)毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスは、NFC読取部毎の接続先情報に対応した第1のサービス及び第2のサービスを含むものとすると、一方の第1のサービス(ここでは、NFC読取部61aが提供するサービス)は、第2のサービス(ここでは、NFC読取部61b~61dが提供するサービス)を提供するためのプログラムを端末に取得させるためのwebページを提供する機能である、
【0032】
NFC読取部61a~61d(61)の各機能は、NFCタグシート60の用途に応じて任意に設定することができる。本実施形態において、NFC読取部61aは、上記第1のサービス及び第2のサービスを提供するためのサービスプログラムを端末に取得させるためのwebページを提供する機能を有し、その機能をユーザに容易に推測できる表示として文字による第三図形623を有する。なお、第三図形623は、文字以外の表示、例えばピクトグラムを含んでもよい。また、NFC読取部61b及びNFC読取部61cは、ユーザにイベント会場の施設利用を支援する機能を有する。NFC読取部61b及びNFC読取部61cは、それぞれ、第三図形623として飲み物の容器を表す絵及び星の絵が表示される。NFC読取部61dは、ユーザにイベント主体Aのコンテンツ利用を支援する機能を有する。
【0033】
NFCタグシート60は、イベント会場における自席の周囲に設置される(図7参照)。本実施形態のイベント会場は、音楽コンサートが開催される屋内野球場施設であるが、これに限らず、例えば展示場、ライブハウス、コンサートホール、スポーツ観戦施設等とすることができる。
【0034】
また、NFC読取部61aは、第二図形622の下方に二次元コード624を有する。二次元コードは、NFC読取部61aに対応して記憶された第1URL情報72と同じ情報がエンコードされている。エンドユーザ端末50は、二次元コード624を撮像してデコードすることによっても、プログラム(サービス提供プログラム)をエンドユーザ端末50に取得させるためのWebページのデータを取得することができる。
【0035】
ここで図3及び図4を参照すると、図3にはリダイレクト情報管理用テーブルの表示例が示されており、図4にはアクセス解析用テーブルの表示例が示されている。これらの表示例は、施設端末30の表示部に表示される。情報処理装置20のタグ情報管理部23は、施設端末30の操作に応じて記憶部25の情報を編集する。以下、主に図3及び図4に基づいて各種情報について詳しく説明する。
【0036】
図3に示すリダイレクト情報管理用テーブル80は、契約施設の座席ごとに設定されるNFCタグシート60の情報が示されている。リダイレクト情報管理用テーブル80の表示項目としては、NFCタグシート60のNFC読取部61毎に設定されたタグID81、リダイレクト設定82、更新予約設定83、設置属性84、リダイレクトURL85(第2URL情報251a)、リダイレクト先属性86、及び操作メニュー87を対応して含む。
【0037】
タグID81の欄には、タグ保有情報70のタグID71が表示される。リダイレクト設定82の欄では、対応するNFCタグシート60のNFC読取部61毎にリダイレクトURL85が設定されているか否かの情報(設定済又は未設定)が表示される。また、更新予約設定83の欄には、対応するNFC読取部61のリダイレクトURL85の更新予約が設定されているか否かの情報(設定済又は未設定)が表示されている。更新予約は後述する操作メニュー87における「設定変更」から設定可能である。また、更新予約の情報はリダイレクト期間情報ともいう。
【0038】
設置属性84の欄には、設置属性情報が表示される。設置属性情報は、NFC読取部61(即ち、NFCタグシート60)が貼り付けられている物や位置に関する情報(例えば、自席の階層、座席番号、等)である。当該設置属性情報は、例えば契約者の操作により、プルダウンメニューから選択したり、直接入力したりすることで設定が可能である。なお、選択操作は、例えばクリック操作やタッチ操作が使用される。
【0039】
リダイレクトURL85の欄には、リダイレクト情報251のうちのリダイレクトURL情報(251a)が表示される。また、リダイレクト先属性86の欄には、リダイレクト情報251のうちのリダイレクト先属性情報が表示される。当該リダイレクト先属性情報は、リダイレクト先のwebページ内容に対応した情報であり、例えば契約者の操作により、プルダウンメニューから選択したり、直接入力したりすることで設定が可能である。本実施形態では、リダイレクト先属性情報として、NFC読取部61aに対応した「サービスプログラム」、NFC読取部61bに対応した「店舗情報」、NFC読取部61cに対応した「施設情報」、NFC読取部61dに対応した「イベントサービス」を提供するためのwebページが予め設定されており、プルダウンメニューから選択することも可能である。
【0040】
リダイレクト先属性情報は、リダイレクトURL85と紐づいており、リダイレクト先属性86を選択することで、自動的にリダイレクトURL85も設定される。また、設置属性情報とリダイレクト情報も紐づいており、設置属性を選択することで、自動的にリダイレクト情報(リダイレクトURL85、リダイレクト先属性情報)も設定される。したがって、契約者は、施設端末30を介して、まず設置属性(本実施形態では座席番号)を選択することでリダイレクトURL情報及びリダイレクト先属性情報が自動設定させることができる。さらに、リダイレクトURL情報を変更したい場合には、リダイレクト先属性86の設定を変更することで、当該リダイレクト先属性86に紐づいたリダイレクトURL85に変更することもできる。
【0041】
また、リダイレクトURL情報が設定されているNFC読取部61については、タグID81に対応して「設定変更」ボタン及び「設定削除」ボタンが表示される。「設定変更」ボタンを選択すると、図示しない詳細な設定画面がポップアップ表示され、NFCタグシート60に紐づいた詳細設定が可能である。詳細設定としては、例えば更新予約設定があり、日時を指定して、図3に表示されている現在のリダイレクトURL85から新たなリダイレクトURL85への変更設定が可能である。この更新予約設定を行うと、記憶部25内のNFCタグシート60に紐づいたリダイレクト期間情報が設定され、図3の更新予約設定83の欄の表示が設定済となる。そして、タグ情報管理部23は、設定した更新予約の期間に達すると新たなリダイレクトURL85に切り替える。また、「設定削除」ボタンが選択されると、タグ情報管理部23は記憶部25内の該当するNFCタグシート60に紐づいた各情報を削除し、図3のタグID81の欄を除く各欄の表示を空欄とする。
【0042】
一方、リダイレクトURL情報が設定されていないタグIDの60については、「新規設定」ボタンが表示される(不図示)。「新規設定」ボタンが選択されると、図示しないが新規設定画面がポップアップ表示され、タグID81ごとに紐づいた新規設定が可能である。新規設定画面は、設置属性、リダイレクトURL、リダイレクト先属性の設定が可能であったり、上記詳細設定画面と同様に更新予約設定が可能であったりする。
【0043】
また、記憶部25には、図示しないが設置属性情報、リダイレクトURL情報、リダイレクト先属性情報のマスタ情報や、これらの各情報の紐付け設定の情報も記憶されている。タグ情報管理部23は、情報処理装置20又は施設端末30の操作に応じて、マスタ情報や紐づけ設定について新規登録又は編集等が可能である。
【0044】
図4に示すアクセス解析用テーブル90では、表示項目として、リダイレクト情報管理用テーブル80と同様にタグID91、設置属性92、リダイレクトURL93、リダイレクト先属性がある他、コンタクト数がある。また、表示期間の表示もある。リダイレクト情報管理用テーブル80と同じ表示項目(具体的には、タグID91、設置属性92、リダイレクトURL93、リダイレクト先属性94)については説明を省略する。
【0045】
「表示期間」は、アクセス解析の対象となる情報を絞り込む期間であり、例えば施設端末30からの操作に応じて設定可能である。タグ情報管理部23は、設定された「表示期間」に該当する情報を記憶部25から抽出してアクセス解析を行い、コンタクト数95の欄に結果を表示する。
【0046】
コンタクト数95の欄には、アクセス解析情報が表示される。アクセス解析情報としては、対応するNFC読取部61のタグ保有情報70を取得したエンドユーザ端末50の数を示すコンタクト数95がある。さらにそのコンタクト数95の内訳として、ユーザ属性情報に基づいて契約者の会員数と非会員数がタグ情報管理部23により算出され、それぞれ表示されている。なお、コンタクト数95の合計は、「表示期間」における累計としてもよいし、特定のイベントの開催日における1日の累計としてもよい。また、「ユーザ属性情報確認」ボタンは、ユーザ属性情報に基づく詳細情報を表示するための選択ボタンである。
【0047】
図3及び図4の表示例で示したように、各種情報はNFCタグシート60のタグ保有情報70(具体的にはタグID71)に紐づいて記憶部25に記憶されている。
【0048】
また、施設端末30を介して図3及び図4に示されている1つのリダイレクトURL85,93が選択されると、ページ制作部24がリダイレクトURL先のwebページについてCMSを用いたページ制作用画面を施設端末30に表示する。具体的なページ制作用画面は特に限定されるものでなく、CMSを用いたページ制作を行える画面であればよい。
【0049】
<処理の流れ>
次に、本開示の実施形態に係るサービス提供システム10の動作について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0050】
図5のフローチャートは、エンドユーザ端末50と情報処理装置20との間の情報処理のフローチャートを示している。なお、このフローチャートは1つのエンドユーザ端末50を対象として動作を説明しているが、エンドユーザ端末50が複数存在する場合には、エンドユーザ端末50毎に同じ動作を行うことが可能である。
【0051】
ステップS01において、エンドユーザ端末50は、NFCタグシート60に対するリード機能を用いて、1つのNFCタグシート60からタグ保有情報70を取得する。
【0052】
次のステップS02において、エンドユーザ端末50は、取得したタグ保有情報70に含まれる第1URLを用いて、通信ネットワークNを情報処理装置20にアクセスする。このとき、エンドユーザ端末50は、取得したタグ保有情報とエンドユーザ端末50が有するユーザ属性情報を情報処理装置20に送信する。
【0053】
ステップS03において、情報処理装置20は、記憶部25に記憶されているリダイレクト情報管理用テーブル80を参照して、エンドユーザ端末50から取得したタグ保有情報70に含まれるタグID81に紐づいたリダイレクトURL情報(第2URL情報)を取得する。
【0054】
ステップS04において、情報処理装置20は、リダイレクトURL情報をエンドユーザ端末50に送信する。
【0055】
また、ステップS05において、情報処理装置20は、ステップS02にてエンドユーザ端末50から送信されたユーザ情報を、共に送信されたタグ保有情報70(例えばタグID71)と紐づけて記憶部25に記憶する。情報処理装置20側の処理はこれで終了する。
【0056】
一方、ステップS06において、エンドユーザ端末50は、情報処理装置20から取得したリダイレクトURL情報を用いてリダイレクト先のwebサーバ40にアクセスする。
【0057】
ステップS07において、エンドユーザ端末50は、リダイレクト先のwebページを表示する。エンドユーザ端末50側の処理はこれで終了する。
【0058】
次に、情報処理装置20と施設端末30の間の情報処理について、上述した図3及び図4の表示例を参照して説明する。
【0059】
まず、施設端末30は、情報処理装置20の例えばNFCタグ管理用のポータルサイトにアクセスして、契約者としてログイン(認証)する。ポータルサイトでは、リダイレクト情報管理用テーブル80とアクセス解析用テーブル90の表示を選択でき、リダイレクト情報管理用テーブル80を選択すると図3に示した表示例のページに進み、アクセス解析用テーブル90を選択すると図4に示した表示例のページに進む。
【0060】
リダイレクト情報管理用テーブル80では、施設端末30からの操作に応じて、タグ情報管理部23が、各タグID81に紐づいた設置属性情報、リダイレクト情報(リダイレクトURL情報、リダイレクト先属性情報、リダイレクト期間情報)の設定や編集を行う。このとき、タグ情報管理部23は、設置属性84が選択されると、予め当該設置属性84に紐づけられているリダイレクトURL情報、リダイレクト先属性情報を自動的に設定する。また、タグ情報管理部23は、リダイレクト先属性86が選択されると、予め当該リダイレクト先属性86に紐づけられているリダイレクトURL85を自動的に設定する。
【0061】
このように記憶部25には、リダイレクト情報管理用テーブル80として、タグID81に紐づいて設置属性情報や、リダイレクト情報(リダイレクトURL情報、リダイレクト先属性情報、リダイレクト期間情報)が記憶されている。つまり、契約者は多数のNFCタグシート60を管理する場合でも各NFCタグシート60がどこに又は何に設置されているか、そのNFCタグのリダイレクト先がどのような種類のwebページであるかを容易に把握することができる。これより、契約者は複数のNFCタグシート60の読取部に対応した各種の情報を容易に管理することができる。
【0062】
また、設置属性情報とリダイレクト情報(リダイレクトURL情報、リダイレクト先属性情報)が紐づいていたり、リダイレクト先属性情報とリダイレクトURL情報が紐づいていたりすることで、契約者は煩雑なURLを手入力することなく、タグIDに紐づいたリダイレクトURLを設定していくことができる。これにより多数のNFCタグシート60を一括で管理する場合であっても、効率的に設定や編集を行うことができる。
【0063】
また、図4に示すアクセス解析用テーブル90では、施設端末30からの操作に応じて「表示期間」が設定されると、設定された「表示期間」に応じてユーザ情報に基づくアクセス解析を行う。本実施形態では、タグ情報管理部23はアクセス解析として、契約者の会員及び非会員のユーザ属性値に応じたアクセス解析を行う。具体的には、タグ情報管理部23は、「表示期間」においてタグID91ごとに、NFCタグシート60(NFC読取部61)から情報を取得した会員数及び非会員数を内訳として含めた合計のコンタクト数を算出して、アクセス解析用テーブル90に表示する。このように、NFCタグシート60ごとにユーザ情報に基づくアクセス解析を行うことで、契約者はNFCタグシート60へのアクセス状況を容易に把握でき、NFCタグシート60を効率的に運用することができるようになる。特に会員、非会員等のユーザ属性情報に応じたアクセス解析を行うことで、より詳細にNFCタグの状況を把握することができる。
【0064】
そして、施設端末30の操作によって、リダイレクト情報管理用テーブル80又はアクセス解析用テーブル90に含まれているリダイレクトURL85,93が選択されると、ページ制作部24はリダイレクトURL先のwebページについてCMSを用いたページ制作用画面に表示する。これにより、契約者はNFCタグシート60ごとにwebページを別途用意したり、編集したりすることなく、情報処理装置20を介して直接的に各NFCタグシート60のNFC読取部61に対応したwebページの制作を行うことができることから、より効率的にNFCタグシート60(電子タグ)に関する情報を管理することができる。
【0065】
(プログラム)
図6は、コンピュータ101の構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ101は、CPU102、主記憶装置103、補助記憶装置104、インタフェース105を備える。CPU102はGPUであっても構わない。
【0066】
ここで、実施形態に係る情報処理装置20を構成する各機能を実現するためのプログラムの詳細について説明する。
【0067】
情報処理装置20は、コンピュータ101に実装される。そして、情報処理装置20の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置104に記憶される。CPU102は、プログラムを補助記憶装置104から読みだして主記憶装置103に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU102は、プログラムに従って、上記した記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置103に確保する。
【0068】
NFCタグシート60を用いた本実施形態のサービス提供プログラムは、具体的には、コンピュータ101において、NFCタグシート60が、イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部(61)を並設させており、NFC読取部(61)から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザのエンドユーザ端末50(情報端末)に、接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する機能を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0069】
なお、補助記憶装置104は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース105を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。
【0070】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置104に既に記憶される他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0071】
次に図7図15を参照して、サービス提供システム10の使用例について以下説明する。本実施形態のNFCタグシート60は、野球場において開催される音楽イベントにおいて、参加者自身の座席の周囲に設置される。ここでは、NFCタグシート60は、前列の座席S3の背部後方面に設置される。
【0072】
図7は、NFCタグシート60を使用するためのエンドユーザ端末50の初期設定機能を説明する図である。ステップS11で、エンドユーザ端末50は、ユーザの操作によってNFC読取部61aに接近又は近接すると、NFC読取部61aに記憶されるタグID71及び第1URL情報72を読み込んで、第1URL情報72で指定された情報処理装置20にアクセスする。情報処理装置20は、前述のリダイレクト機能によりNFC読取部61aに対応した第2URL情報251aのwebサーバ40にアクセスする。
【0073】
ステップS12で、エンドユーザ端末50は、第2URL情報251aによってアクセスされるwebサーバ40として、NFC読取部61b~61dに対応したサービスを提供するためのプログラムをエンドユーザ端末50に取得させるためのサーバにアクセスし、ブラウザを自動で起動させ、第2URL情報251aのサーバから取得したwebページを表示する。エンドユーザ端末50はステップS12でアクセスしたwebページから、サービス提供プログラムを取得して実行することができる。
【0074】
ステップS13で、サービス提供プログラムを実行したエンドユーザ端末50は、画面の下部に表示されたメニューのWiFiアイコン501の選択指示を受け付けると、施設内のWi-Fiへの接続画面を表示する。エンドユーザ端末50は、ユーザによりWi-Fiの選択を受け付けて通信を確立する。
【0075】
なお、ステップS14に示すように、エンドユーザ端末50は、Wi-Fi以外の無線通信手段を用いて通信する際に、トラフィックの逼迫等により通信速度の低下が見込まれる場合又は低下している場合、例えば画面の上部に「通信速度が不安定です。施設のWiFiに接続することを推奨します」等のアラート502をポップアップ表示してWi-Fiへの接続切り替えをユーザに促してもよい。
【0076】
図8は、イベント会場における飲食物の注文機能を説明する図である。ステップS21で、エンドユーザ端末50は、ユーザによってNFC読取部61bに接近又は近接すると、NFC読取部61bに記憶されるタグID71及び第1URL情報72を読み込んで、第1URL情報72で指定された情報処理装置20にアクセスする。情報処理装置20は、前述のリダイレクト機能によりNFC読取部61bに対応した第2URL情報251aのwebサーバ40にアクセスする。
【0077】
ステップS22で、エンドユーザ端末50は、第2URL情報251aによってアクセスされるwebサーバ40として、イベントの施設内にある飲食店に対して飲食物の注文を行うためのwebサーバにアクセスして、webページを表示部に表示する。このwebページでは、施設内の飲食店のリスト及び商品のリストが提供される。エンドユーザ端末50は、表示部の表示を介して、飲食店の選択指示、及び、飲食物の選択指示を受け付けて購入処理を行う。飲食物の購入は、任意の代金決済手段により実行することができ、例えば、クレジットカード又は電子マネーを用いることができる。
【0078】
商品が注文されると、オンライン注文を受け付けたwebサーバ40は、ステップS23で、店舗S1の施設端末30に注文情報(商品、数量、クーポン情報、等を含めることができる)を送信する。施設端末30は、注文情報を受信すると、所属する店舗S1に注文内容を通知する。施設端末30は、店舗S1における注文の込み具合(例えば、注文の未処理件数、等)から想定待ち時間を算出する。想定待ち時間は、例えば、予め設定された商品の種類ごとの準備時間に基づいて、注文の未処理件数に、商品の提供迄に要する時間をそれぞれ乗じて得た合計時間を現在時刻に加算して算出することができる。想定待ち時間は、注文の未処理件数に、商品の提供迄に要する時間をそれぞれ乗じて得た合計時間を稼働中の従業員数で割った時間を、現在時刻に加算して算出してもよい。施設端末30は、算出した想定待ち時間、又は、想定提供可能時刻をエンドユーザ端末50に通知する。
【0079】
なお、施設端末30は、注文された商品の提供準備が完了した場合又は完了間近となった場合、店舗従業員による施設端末30への入力指示を介して又は自動で「準備完了」の通知をエンドユーザ端末50に行ってもよい。
【0080】
ステップS24で、エンドユーザ端末50は、施設端末30から注文した商品の「準備完了」の通知を受信する。エンドユーザ端末50は、商品提供までの想定待ち時間のカウントダウンを表示してもよい。
【0081】
ステップS25で、ユーザが店舗S1で商品を受け取る。なお、注文者の照合は、ユーザがエンドユーザ端末50に表示される注文番号又はユーザの固有番号を提示して施設端末30と連携するリーダにより読み取らせる、又は、ユーザがエンドユーザ端末50に表示される注文番号又はユーザの固有番号を店舗S1の店員に伝えることにより行うことができる。
【0082】
このように、図8では、飲食物の注文は、決済を含めて自席で行うことができるため、ユーザは商品の提供準備が整ってから店舗S1に取りに行けばよい。従って、ユーザは、商品の注文を容易に行うことができ、イベント会場の混雑も緩和することができる。
【0083】
図9は、イベント会場におけるイベント主体Aに関する商品の注文機能を説明する図である。ステップS31で、エンドユーザ端末50は、ユーザによってNFC読取部61dに接近又は近接すると、NFC読取部61dに記憶されるタグID71及び第1URL情報72を読み込んで、第1URL情報72で指定された情報処理装置20にアクセスする。情報処理装置20は、前述のリダイレクト機能によりNFC読取部61dに対応した第2URL情報251aのwebサーバ40にアクセスする。ステップS31では、エンドユーザ端末50は、webサーバ40から取得した「ARTIST&GOODS」のwebページを表示部に表示する。
【0084】
ステップS32で、エンドユーザ端末50の表示部には、「ARTIST&GOODS」のwebページの機能選択画面が表示される。機能選択画面では、複数の機能を選択するためのアイコン511~514が表示される。例えば、アイコン511には「ウェルカムムービーを見る」が、アイコン512には「アーティスト情報」が、アイコン513には「グッズ情報」が、それぞれ表示される。エンドユーザ端末50は、ユーザにより、アイコン513の「グッズ情報」の選択を受け付ける。
【0085】
ステップS33で、エンドユーザ端末50は、第2URL情報251aによってアクセスされるwebサーバ40として、イベントの施設内にあるグッズ販売を行っている店舗S2の商品の注文を行うためのサーバにアクセスして、webページを表示部に表示する。このwebページでは、施設内の店舗S2のリスト及び商品のリストが提供される。エンドユーザ端末50は、表示部の表示を介して、店舗S2の選択指示、及び、商品の選択指示を受け付けて購入処理を行う。商品の購入は、任意の代金決済手段により実行することができ、例えば、クレジットカード又は電子マネーを用いることができる。
【0086】
商品が注文されると、オンライン注文を受け付けたwebサーバ40は、ステップS34で、店舗S2の施設端末30に注文情報(商品、数量、クーポン情報、等を含めることができる)を送信する。施設端末30は、注文情報を受信すると、所属する店舗S2に注文内容を通知する。施設端末30は、前述のステップS23と同様に、店舗S2における注文の込み具合から想定待ち時間を算出する。施設端末30は、算出した想定待ち時間、又は、想定提供可能時刻をエンドユーザ端末50に通知する。
【0087】
なお、施設端末30は、注文された商品の提供準備が完了した場合又は完了間近となった場合、店舗従業員による施設端末30への入力指示を介して又は自動で「準備完了」の通知をエンドユーザ端末50に行ってもよい。
【0088】
ステップS35で、エンドユーザ端末50は、施設端末30から注文した商品の「準備完了」の通知を受信する。エンドユーザ端末50は、商品提供までの想定待ち時間のカウントダウンを表示してもよい。
【0089】
ステップS36で、ユーザが店舗S2で商品を受け取る。なお、注文者の照合は、ユーザがエンドユーザ端末50に表示される注文番号又はユーザの固有番号を提示して施設端末30と連携するリーダにより読み取らせる、又は、ユーザがエンドユーザ端末50に表示される注文番号又はユーザの固有番号を店舗S2の店員に伝えることにより行うことができる。
【0090】
このように、図9でも、商品の注文は、決済を含めて自席で行うことができるため、ユーザは商品の提供準備が整ってから店舗S2に取りに行けばよい。従って、ユーザは、商品の注文を容易に行うことができ、イベント会場の混雑も緩和することができる。
【0091】
以上、図8及び図9では、NFC読取部61a又はNFC読取部61dが提供可能なサービス(サービスプログラムを端末に取得させるためのwebページを提供する機能を第3のサービスとした場合の第1のサービス、又は、同機能を第1のサービスとした場合の第2のサービス)は、エンドユーザ端末50に、イベント会場における店舗S1(又は店舗S2)の商品メニューの注文画面を表示させ、エンドユーザ端末50を介して注文された商品の提供の想定待ち時間等を表示させ、及び、エンドユーザ端末50に商品の提供の準備が完了した旨の「完了通知」を表示させる処理を含む商品注文機能を有する構成について説明した。
【0092】
図10は、イベント主体Aに関する情報を提供する様子を説明する図である。ステップS41で、エンドユーザ端末50は、ユーザによってNFC読取部61dに接近又は近接すると、NFC読取部61dに記憶されるタグID71及び第1URL情報72を読み込んで、第1URL情報72で指定された情報処理装置20にアクセスする。情報処理装置20は、前述のリダイレクト機能によりNFC読取部61dに対応した第2URL情報251aのwebサーバ40にアクセスする。ステップS41では、エンドユーザ端末50は、webサーバ40から取得した「ARTIST&GOODS」のwebページを表示部に表示する。
【0093】
ステップS42で、エンドユーザ端末50の表示部には、「ARTIST&GOODS」のwebページの機能選択画面が表示される。エンドユーザ端末50は、ユーザにより、アイコン511の「ウェルカムムービーを見る」の選択を受け付ける。
【0094】
すると、ステップS43~S45に示すように、エンドユーザ端末50は、表示部にイベントの出演者のウェルカムムービーを表示させ(S43)、イベント記念Tシャツ等のイベントグッズ販売の案内(S44)、及び出演者のファンクラブへの入会案内(S45)の動画コンテンツ又は静止画コンテンツを順に表示する。なおファンクラブへの入会案内のコンテンツには、入会特典情報(例えば、オリジナルマグカップのプレゼント)の告知を含んでもよい。
【0095】
以上、図10では、NFC読取部61dが提供可能なサービス(サービスプログラムを端末に取得させるためのwebページを提供する機能を第3のサービスとした場合、及び、同機能を第1のサービスとした場合の第2のサービス)は、エンドユーザ端末50に、イベント主体Aの導入コンテンツ(例えば、出演者のウェルカムムービー)を表示させ、並びに、イベント主体Aの関連商品及び関連サービスの一方又は両方の案内を表示させる処理を含む告知機能を有する構成について説明した。
【0096】
このように、図10では、開演前の待ち時間等にイベントのウェルカムムービーをエンドユーザ端末50に表示させるため、来場者を飽きさせることなくイベントにおける体験を充実させることができる。また、イベントに関連する商品又はファンクラブの情報の告知が行われることで、来場者へ商品購入又はファンクラブ入会への興味を惹き易くすることができる。
【0097】
図11は、投票機能を説明する図である。サービス提供システム10は、NFCタグシート60の各NFC読取部61a~61dは、NFCタグシート60が設置される座席S3毎に対応した固有のタグID71(81,91)と紐づいているため、イベント会場の座席S3(自席)の位置と連携させた、又は、自席のNFC読取部61a~61dの読取により紐づいたエンドユーザ端末50の所有者の情報(例えば、ユーザの趣向等の属性)と連携させた投票企画又は抽選企画の実施をすることが出来る。
【0098】
ステップS51で、出演者(A)は、イベント会場の参加者に対して投票を行う旨の告知を行う。例えば、出演者は、「アンコールの曲はみんなの投票で決めたいと思います。自席のタグシートの青いエリアにスマホを近づけて下さい。」等の呼びかけを、イベントの参加者に行う。
【0099】
ステップS52で、エンドユーザ端末50は、ユーザによってNFC読取部61dに接近又は近接すると、NFC読取部61dに記憶されるタグID71及び第1URL情報72を読み込んで、第1URL情報72で指定された情報処理装置20にアクセスする。情報処理装置20は、前述のリダイレクト機能によりNFC読取部61dに対応した第2URL情報251aのwebサーバ40にアクセスする。なお、ステップS51により出演者(A)が呼びかけを行った場合、出演者又は出演者と協働する他の操作者が施設端末30を操作して又は自動により、NFC読取部61dに対応した第2URL情報251aを書き替える。従って、NFC読取部61dは、イベントの進行状況に連動して接続可能なwebページを切り替え、その進行状況に連動したサービスを提供する機能を備える。
【0100】
ステップS53で、エンドユーザ端末50は、イベントの出演者に対してアンコールでリクエストしたい曲のリストを表示部に表示する。エンドユーザ端末50は、ユーザからの入力操作により、リクエストする曲の選択を受け付けると、選択された曲を示すデータをwebサーバ40に送信する。
【0101】
ステップS54で、イベント会場に設置された施設端末30は、webサーバ40から複数のエンドユーザ端末50から送信された曲の投票結果201を取得して、表示部に表示する。施設端末30は、出演者(A)に投票結果201を表示する。出演者は、施設端末30の表示部又は施設端末30と連携する外部機器の表示部等に表示された投票結果201(図11の例では、曲名「A」~「E」の投票結果201が棒グラフで表示される)を確認して、次に演奏する曲を決定することができる。投票結果201は、イベント会場に設置される大型スクリーン等に表示してもよい。出演者は、例えば、投票結果201において「B」の曲の投票が多いことから、曲「B」を演奏する。
【0102】
以上、図11では、NFC読取部61dが提供可能なサービス(サービスプログラムを端末に取得させるためのwebページを提供する機能を第3のサービスとした場合、及び、同機能を第1のサービスとした場合の第2のサービス)は、エンドユーザ端末50にイベント主体Aの要求に応じた投票画面を表示させ、エンドユーザ端末50又はイベント会場の表示部等に投票結果201を表示させる処理を含む投票機能を有する構成について説明した。
【0103】
図12は、ファンクラブ入会の案内機能を説明する図である。ステップS61で、エンドユーザ端末50は、ユーザによってNFC読取部61dに接近又は近接すると、NFC読取部61dに記憶されるタグID71及び第1URL情報72を読み込んで、第1URL情報72で指定された情報処理装置20にアクセスする。情報処理装置20は、前述のリダイレクト機能によりNFC読取部61dに対応した第2URL情報251aのwebサーバ40にアクセスする。ステップS61では、エンドユーザ端末50は、webサーバ40から取得した「ARTIST&GOODS」のwebページを表示部に表示する。
【0104】
ステップS62で、エンドユーザ端末50の表示部には、「ARTIST&GOODS」のwebページの機能選択画面が表示される。エンドユーザ端末50は、ユーザにより、アイコン513の「グッズ情報」の選択を受け付ける。
【0105】
ステップS63で、エンドユーザ端末50は、第2URL情報251aによってアクセスされるwebサーバ40として、イベントの施設内にある店舗又はオンラインショップにおいてグッズ販売を行っている店舗から商品を購入するためのサーバにアクセスして、webページを表示部に表示する。このwebページでは、ファンクラブ会員限定の商品を含む商品のリストが提供される。エンドユーザ端末50は、ユーザによる商品の選択指示及び購入指示(例えば、購入ボタンの選択)を受け付けて購入処理を開始する。
【0106】
ステップS64で、エンドユーザ端末50は、施設端末30又はステップS61でアクセスしたwebサーバ40と連携するファンクラブの会員管理サーバによる会員資格の認証確認を行う。会員資格の認証確認がされている場合は、決済情報の入力又は確認をユーザに促す画面を表示して、ユーザに購入確定処理を行わせる。一方、エンドユーザ端末50は、上記会員資格の認証確認がされていない場合は、会員資格を認証するためのログイン画面(例えば、ID521及びパスワード522の入力を促す画面)及び/又は会員への新規入会を促す画面を表示する。なお、このとき、エンドユーザ端末50は、表示部に「入会し、ログインしないと購入できません」のメッセージを表示する。
【0107】
図12では、NFC読取部61dが提供可能なサービス(サービスプログラムを端末に取得させるためのwebページを提供する機能を第3のサービスとした場合、及び、同機能を第1のサービスとした場合の第2のサービス)は、エンドユーザ端末50を介してイベント主体Aに関連する商品の購入指示を受け付けて、エンドユーザ端末50から入力された会員情報が認証された場合に選択された商品の決済画面へ遷移させる商品販売機能を有する構成について説明した。従って、イベントの主催者は、イベントの来場者(又は参加者)にファンクラブへの入会を促進することができる。
【0108】
図13は、フロアマップの表示機能を説明する図である。ステップS71で、エンドユーザ端末50は、ユーザによってNFC読取部61cに接近又は近接すると、NFC読取部61cに記憶されるタグID71及び第1URL情報72を読み込んで、第1URL情報72で指定された情報処理装置20にアクセスする。情報処理装置20は、前述のリダイレクト機能によりNFC読取部61cに対応した第2URL情報251aのwebサーバ40にアクセスする。ステップS71では、エンドユーザ端末50は、webサーバ40から取得した「EVENT&ARENA」のwebページを表示部に表示する。
【0109】
ステップS72で、エンドユーザ端末50の表示部には、「EVENT&ARENA」のwebページの機能選択画面が表示される。機能選択画面では、複数の機能を選択するためのアイコン531~533が表示される。例えば、アイコン531には「フロアマップ」が、アイコン532には「トイレ空き情報」が、アイコン533には「規制退場のお願い」が、それぞれ表示される。エンドユーザ端末50は、ユーザにより、アイコン531の「フロアマップ」の選択を受け付ける。
【0110】
ステップS73で、エンドユーザ端末50は、第2URL情報251aによってアクセスされるwebサーバ40として、イベント会場の地図データを記憶したサーバにアクセスして、イベント会場の地図541を表示部に表示する。地図541には、エンドユーザ端末50の現在位置542もアイコンで示されている。また、ステップS73の地図541は、現在位置542の周辺エリアが拡大して示されている。
【0111】
ステップS74の地図541は、ステップS73のエンドユーザ端末50に表示された地図541を縮小して示している。エンドユーザ端末50は、ユーザにより地図541の表示範囲を拡大又は縮小させる操作(例えば、ピンチイン操作又はピンチアウト操作)により、地図の表示範囲を任意に切り替えて、イベント会場の施設を把握したり、イベント会場内の自身の現在位置542を把握することができる。このように、イベント会場の地図をエンドユーザ端末50に容易に取得させる仕組みを導入することで、紙の地図を配布する場合に比べて来場者に会場の地図を容易に提供することができる。また、紙の地図の印刷を廃止又は削減することができるため、資源を節約することができる。
【0112】
図14は、混雑状況確認機能を説明する図である。ステップS81で、エンドユーザ端末50は、ユーザによってNFC読取部61cに接近又は近接すると、NFC読取部61cに記憶されるタグID71及び第1URL情報72を読み込んで、第1URL情報72で指定された情報処理装置20にアクセスする。情報処理装置20は、前述のリダイレクト機能によりNFC読取部61cに対応した第2URL情報251aのwebサーバ40にアクセスする。ステップS81では、エンドユーザ端末50は、webサーバ40から取得した「EVENT&ARENA」のwebページを表示部に表示する。
【0113】
ステップS82で、エンドユーザ端末50の表示部には、「EVENT&ARENA」のwebページの機能選択画面が表示される。機能選択画面では、複数の機能を選択するためのアイコン531~533が表示される。エンドユーザ端末50は、ユーザにより、アイコン532の「トイレ空き情報」の選択を受け付ける。
【0114】
ステップS83で、エンドユーザ端末50は、第2URL情報251aよってアクセスされるwebサーバ40として、イベント会場の2階の地図541a(541)及び3階の地図541b(541)を表示するとともに、トイレ543に関する情報(図14では、トイレの場所、男性用又は女性用の別、及び、混雑情報)を表示する。ステップS83の地図541は、階毎の全体図として表示される。また、各階の地図541(541a,541b)は左右に配置され、エンドユーザ端末50は、ユーザにより画面表示を左右に移動させる操作(例えば、スワイプ操作)を受け付けると、地図541をスライド移動させて他の階の地図541に表示を切り替えることができる。
【0115】
図14では、地図541に表示されるトイレ543の混雑情報として、「空」(空いている状態)、「やや混」(やや混んでいる状態)、及び「混」(混んでいる状態)のいずれかを用いることができる。なお、混雑情報の検出は、各トイレ543に取り付けた人感センサ(焦度センサ、投受光センサ、等)を用いて行うことができる。
【0116】
図14では、NFC読取部61cが提供可能なサービス(サービスプログラムを端末に取得させるためのwebページを提供する機能を第3のサービスとした場合の第1のサービス、又は、同機能を第1のサービスとした場合の第2のサービス)は、エンドユーザ端末50に、イベント会場の地図541を表示させ、及び、イベント会場における施設の混雑情報を表示させる処理を含むマップ表示機能を有する構成について説明した。なお、図14では施設の混雑情報としてトイレ543の混雑情報を確認する例について説明したが、施設は前述した店舗S1,S2であってもよい。これにより、来場者は、自席にいながらイベント会場の施設の確認及び混雑状況を確認し、当該施設のうち空いている施設の選択を容易に行うことができる。そのため、会場全体において、混雑の隔たりを低減することができ、イベントの進行及び運営を円滑に行うことができる。
【0117】
図15は、退場処理機能を説明する図である。ここでは、イベントが終了した後のサービス提供システム10を用いた退場処理について説明する。ステップS91で、館内放送を通じて、参加者に対する規制退場の協力の案内が行われる。例えば、案内として「規制退場に協力頂けた場合、インセンティブとしてプレゼントが当たる「スペシャルガチャ」に挑戦できる」旨の音声が流される。
【0118】
ステップS92で、エンドユーザ端末50は、ユーザによってNFC読取部61cに接近又は近接すると、NFC読取部61cに記憶されるタグID71及び第1URL情報72を読み込んで、第1URL情報72で指定された情報処理装置20にアクセスする。情報処理装置20は、前述のリダイレクト機能によりNFC読取部61cに対応した第2URL情報251aのwebサーバ40にアクセスする。ステップS31では、エンドユーザ端末50は、webサーバ40から取得した「EVENT&ARENA」のwebページを表示部に表示する。
【0119】
ステップS93で、エンドユーザ端末50の表示部には、「ARTIST&GOODS」のwebページの機能選択画面が表示される。エンドユーザ端末50は、ユーザにより、アイコン533の「規制退場協力でガチャに挑戦」の選択を受け付ける。
【0120】
ステップS94で、エンドユーザ端末50、表示部に、「規制退場にご協力出スペシャルガチャに挑戦!」のメッセージ551、「もう少しお待ち下さい」のメッセージ552を表示する。
【0121】
ステップS95で、ユーザが位置する席の退場タイミングになると、館内放送を通じて、ガチャの挑戦(つまり、景品の獲得のために抽選)が可能になった旨及び退出が可能になった旨の案内が行われる。参加者に対する規制退場の協力の案内が行われる。エンドユーザ端末50は、GPS受信機等を用いて求めた現在の位置が自席に位置する場合に、表示部に挑戦ボタン553を表示する。従って、ユーザは、自席から移動しない状態、すなわち規制退場に協力している場合に、ガチャに挑戦(つまり、景品の獲得のために抽選)することができる。挑戦ボタン553の選択指示を受け付けると、エンドユーザ端末50は表示部に表示する画像をステップS96の画像に遷移させる。
【0122】
ステップS96で、エンドユーザ端末50は、抽選のスタートボタン554を表示する。スタートボタン554が選択されると、エンドユーザ端末50は、表示部に表示する画像をステップS97の画像に遷移させるとともに、抽選(ガチャ)を開始させる。ステップS97で、エンドユーザ端末50は、抽選の結果を表示する。抽選の結果、景品が当選した場合、エンドユーザ端末50は、景品ID555を表示する。
【0123】
ステップS98で、エンドユーザ端末50は、ユーザが店舗S2等で商品を受け取る。なお、注文者の照合は、ユーザがエンドユーザ端末50に表示される景品ID555を提示して施設端末30と連携するリーダにより読み取らせる、又は、ユーザがエンドユーザ端末50に表示される景品ID555の内容を店舗S2の店員に伝えることにより行うことができる。
【0124】
このように、図15では、NFC読取部61cが提供可能なサービス(サービスプログラムを端末に取得させるためのwebページを提供する機能を第3のサービスとした場合の第1のサービス、又は、同機能を第1のサービスとした場合の第2のサービス)は、イベント終了後、予め定めたタイミングでインセンティブを付与するインセンティブ付与機能を有する構成について説明した。これにより、イベントの会場内又は会場外における混雑を緩和して、来場者を安全に退場させることができる。
【0125】
以上、本実施形態では、イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部61を並設させたNFCタグシートと、NFC読取部61から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末(50)に、接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供するサーバ(40)と、を備えるサービス提供システム10について説明した。ユーザは、自席の周辺の容易に手の届く範囲に複数のNFC読取部61が機能に応じて配置されているため、エンドユーザ端末50を対象のサービスと紐づくNFC読取部61に近づけるだけで、任意のサービスと関連するwebページ等をエンドユーザ端末50に簡易且つ素早く表示させることができる。従って、ユーザは、イベント会場においてサービスへのアクセスを容易に行うことができる。
【0126】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0127】
なお、イベント主体は、イベントの種類に応じて、作品(例えば、映画、演劇等の作品)、選手、選手が所属するチーム、又はイベント主催者等としてもよい。
【0128】
また、イベント会場の付近では複数のエンドユーザ端末50からの通信が集中するため、イベント会場において利用可能な無線通信環境(例えば、Wi-Fi)を予め準備して、トラフィックの輻輳対策をしておくとよい。
【0129】
本実施形態の構成を例示すると以下のとおりである。
[1]
イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部を並設させたNFCタグシートと、
前記NFC読取部から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供するサーバと、
を備えるサービス提供システム。
[2]
前記サービスは、前記NFC読取部毎の前記接続先情報に対応した第1のサービス及び第2のサービスを含み、
前記第1のサービスは、ユーザにイベント会場の施設利用を支援する機能を有し、
前記第2のサービスは、ユーザにイベント主体のコンテンツ利用を支援する機能を有する、
[1]に記載のサービス提供システム。
[3]
前記第1のサービスは、イベント終了後、予め定めたタイミングでインセンティブを付与するインセンティブ付与機能を有する[2]に記載のサービス提供システム。
[4]
前記第1のサービスは、前記端末に、イベント会場における店舗の商品メニューの注文画面を表示させ、前記端末を介して注文された商品の提供の想定待ち時間を表示させ、及び、前記端末に商品の提供の準備が完了した旨の完了通知を表示させる処理を含む商品注文機能を有する[2]に記載のサービス提供システム。
[5]
前記第1のサービスは、前記端末に、イベント会場の地図を表示させ、及び、イベント会場における施設の混雑情報を表示させる処理を含むマップ表示機能を有する[2]に記載のサービス提供システム。
[6]
前記第2のサービスは、前記端末に、イベント主体の導入コンテンツを表示させ、並びに、イベント主体の関連商品及び関連サービスの一方又は両方を表示させる処理を含む告知機能を有する[2]に記載のサービス提供システム。
[7]
前記第2のサービスは、前記端末にイベント主体の要求に応じた投票画面を表示させ、前記端末又はイベント会場の表示部に投票結果を表示させる処理を含む投票機能を有する[2]に記載のサービス提供システム。
[8]
前記第2のサービスは、前記端末を介してイベント主体に関連する商品の購入指示を受け付けて、前記端末から入力された会員情報が認証された場合に選択された商品の決済画面へ遷移させる商品販売機能を有する[2]に記載のサービス提供システム。
[9]
前記サービスは、前記NFC読取部毎の前記接続先情報に対応した前記第1のサービス、前記第2のサービス及び第3のサービスを含み、
前記第3のサービスは、前記第1のサービス及び前記第2のサービスを提供するためのサービスプログラムを前記端末に取得させるためのwebページを提供する機能である、
[2]に記載のサービス提供システム。
[10]
前記NFCタグシートは、
各々前記第1のサービス、前記第2のサービス及び前記第3のサービスを提供する第1のNFC読取部、第2のNFC読取部及び第3のNFC読取部を一方向に有し、
座席の背部に設置される、
[9]に記載のサービス提供システム。
[11]
前記第1のNFC読取部、前記第2のNFC読取部及び前記第3のNFC読取部は、同外形状に形成されて中央側に同一の図形を有し、前記第2のNFC読取部及び前記第3のNFC読取部には前記同一の図形の内側に異なるピクトグラムが配置される、[10]に記載のサービス提供システム。
[12]
前記サービスは、前記NFC読取部毎の前記接続先情報に対応した第1のサービス及び第2のサービスを含み、
前記第1のサービスは、前記第2のサービスを提供するためのサービスプログラムを前記端末に取得させるためのwebページを提供する機能である、
[1]に記載のサービス提供システム。
[13]
イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部を並設させたNFCタグシートであって、
前記NFC読取部から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する、
NFCタグシート。
[14]
NFCタグシートを用いたサービス提供方法であって、
前記NFCタグシートは、イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部を並設させており、
コンピュータが、前記NFC読取部から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する処理を実行する、サービス提供方法。
[15]
イベント会場における自席の周囲に設置されたNFCタグシートにおいて各々視別可能に表示されて複数並設されたNFC読取部から、近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する情報処理装置。
[16]
NFCタグシートを用いたサービス提供プログラムであって、
前記NFCタグシートは、イベント会場における自席の周囲に設置され、各々視別可能に表示された複数のNFC読取部を並設させており、
前記NFC読取部から近距離無線通信により接続先情報を取得したユーザの端末に、前記接続先情報毎に対応してwebページの表示を伴った異なるサービスを提供する処理をコンピュータに実行させるためのサービス提供プログラム。
【符号の説明】
【0130】
10 サービス提供システム
20 情報処理装置
21 タグ設定部
22 タグ情報取得部
23 タグ情報管理部
24 ページ制作部
25 記憶部
30 施設端末
40 webサーバ
50 エンドユーザ端末
51 ユーザ情報
60 NFCタグシート
60a 表示面
60b 取付面
61(61a~61d) NFC読取部
63 アンテナ部
64 IC
70 タグ保有情報
71 タグID
72 第1URL情報
80 リダイレクト情報管理用テーブル
81 タグID
82 リダイレクト設定
83 更新予約設定
84 設置属性
85 リダイレクトURL
86 リダイレクト先属性
87 操作メニュー
90 アクセス解析用テーブル
91 タグID
92 設置属性
93 リダイレクトURL
94 リダイレクト先属性
95 コンタクト数
101 コンピュータ
102 CPU
103 主記憶装置
104 補助記憶装置
105 インタフェース
201 投票結果
251 リダイレクト情報
251a 第2URL情報
251b リダイレクト先属性情報
251c リダイレクト期間情報
501 WiFiアイコン
502 アラート
511~514 アイコン
521 ID
522 パスワード
531~533 アイコン
541(541a,541b) 地図
542 現在位置
543 トイレ
551,552 メッセージ
553 挑戦ボタン
554 スタートボタン
555 景品ID
621 第一図形
622 第二図形
623 第三図形
624 二次元コード
A イベント主体
N 通信ネットワーク
S1,S2 店舗
S3 座席
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15