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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178215
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】アニメーション制作システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 13/40 20110101AFI20241217BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20241217BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20241217BHJP
   A63F 13/60 20140101ALI20241217BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20241217BHJP
【FI】
G06T13/40
G06F3/0482
G06F3/04815
A63F13/60
A63F13/533
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024153969
(22)【出願日】2024-09-06
(62)【分割の表示】P 2020128296の分割
【原出願日】2020-07-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】724006285
【氏名又は名称】エイベックス・エンタテインメント株式会社
(72)【発明者】
【氏名】近藤 義仁
(72)【発明者】
【氏名】室橋 雅人
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アニメーション制作の負担を減らすアニメーション制作システムを提供する。
【解決手段】アニメーション制作システムは、仮想空間内に配置されたキャラクタ4-1、4-2を撮影する仮想的なカメラ3と、仮想空間内において撮影に利用可能なパラメータ項目62の一覧を表示するパラメータセットリスト6と、を備え、パラメータセットリストから選択したパラメータを、仮想空間内に適用して撮影を行う。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内に配置されたキャラクタを撮影する仮想的なカメラと、
前記仮想空間内において前記撮影に利用可能なパラメータセットの一覧を表示するパラメータリストと、を備え、
前記パラメータリストから選択したパラメータセットを前記仮想空間内に適用して前記撮影を行うこと、
を備えることを特徴とするアニメーション制作システム。
【請求項2】
請求項1に記載のアニメーション制作システムであって、
前記選択したパラメータセットは、前記カメラとキャラクタ若しくはオブジェクトの3DCGモデルとの配置に関するものであること、
を特徴とするアニメーション制作システム。
【請求項3】
請求項1に記載のアニメーション制作システムであって、
前記選択したパラメータセットは、前記カメラと背景モデルとの配置に関するものであること、
を特徴とするアニメーション制作システム。
【請求項4】
請求項1に記載のアニメーション制作システムであって、
前記選択したパラメータセットは、前記カメラ映像のエフェクトに関するものであること、
を特徴とするアニメーション制作システム。
【請求項5】
請求項1に記載のアニメーション制作システムであって、
前記パラメータセットを選択した際には、前記パラメータセットが適用された画像または映像が表示されること、
を特徴とするアニメーション制作システム。
【請求項6】
請求項1に記載のアニメーション制作システムであって、
前記パラメータリスト内のパラメータセットは、ネットワークを介して接続されるサーバから提供されていること、
を特徴とするアニメーション制作システム。
【請求項7】
請求項1に記載のアニメーション制作システムであって、
前記パラメータリスト内のパラメータセットは、ユーザが登録したものであること、
を特徴とするアニメーション制作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アニメーション制作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間内に仮想カメラを配置することが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-146651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アニメーション制作にあたっては、シーンの構図(例えば、カメラに対するキャラクタやオブジェクトの配置など)が重要であるが、制作者が仮想空間内でシーンの構図を考え、そのイメージ通りにキャラクタ等を配置することは必ずしも容易ではなく、ここで多くの時間を要する場合がある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、アニメーション制作の負担を減らすことのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、アニメーション制作システムであって、仮想空間内に配置されたキャラクタを撮影する仮想的なカメラと、前記仮想空間内において前記撮影に利用可能なパラメータセットの一覧を表示するパラメータリストと、を備え、前記パラメータリストから選択したパラメータセットを前記仮想空間内に適用して前記撮影を行うこと、を備えることを特徴とするアニメーション制作システムである。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アニメーション制作の負担を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態のアニメーション制作システムにおいてユーザが装着するHMDに表示される仮想空間の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るアニメーション制作システム300の全体構成例を示す図である。
図3】本実施形態にかかるHMD110の外観の模式図を示す図である。
図4】本実施形態に係るHMD110の機能構成例を示す図である。
図5】本実施形態に係るコントローラ210の外観の模式図を示す。
図6】本実施形態に係るコントローラ210の機能構成例を示す図である。
図7】本実施形態に係る画像生成装置310の機能構成例を示す図である。
図8】本実施形態のアニメーション制作システム300におけるパラメータリスト6からのパラメータセットの購入等について説明する図である。
図9】本実施形態のアニメーション制作システム300におけるパラメータリスト6からのパラメータセットの購入等について説明する図である。
図10】本実施形態のアニメーション制作システム300におけるパラメータリスト6からのパラメータセットの購入等について説明する図である。
図11】本実施形態のアニメーション制作システム300におけるパラメータリスト6からの保有パラメータセットについて説明する図である。
図12】本実施形態のアニメーション制作システム300におけるパラメータリスト6からの保有パラメータセットについて説明する図である。
図13】本実施形態のアニメーション制作システム300におけるパラメータリスト6からの保有パラメータセットについて説明する図である。
図14】本実施形態のアニメーション制作システム300におけるパラメータリスト6からの保有パラメータセットについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば以下のような構成を備える。
【0011】
[項目1]
仮想空間内に配置されたキャラクタを撮影する仮想的なカメラと、
前記仮想空間内において前記撮影に利用可能なパラメータセットの一覧を表示するパラメータリストと、を備え、
前記パラメータリストから選択したパラメータセットを前記仮想空間内に適用して前記撮影を行うこと、
を備えることを特徴とするアニメーション制作システム。
[項目2]
項目1に記載のアニメーション制作システムであって、
前記選択したパラメータセットは、前記カメラとキャラクタ若しくはオブジェクトの3DCGモデルとの配置に関するものであること、
を特徴とするアニメーション制作システム。
[項目3]
項目1に記載のアニメーション制作システムであって、
前記選択したパラメータセットは、前記カメラと背景モデルとの配置に関するものであること、
を特徴とするアニメーション制作システム。
[項目4]
項目1に記載のアニメーション制作システムであって、
前記選択したパラメータセットは、前記カメラ映像のエフェクトに関するものであること、
を特徴とするアニメーション制作システム。
[項目5]
項目1に記載のアニメーション制作システムであって、
前記パラメータセットを選択した際には、前記パラメータセットが適用された画像または映像が表示される こと、
を特徴とするアニメーション制作システム。
[項目6]
項目1に記載のアニメーション制作システムであって、
前記パラメータリスト内のパラメータセットは、ネットワークを介して接続されるサーバから提供されている こと、
を特徴とするアニメーション制作システム。
[項目7]
項目1に記載のアニメーション制作システムであって、
前記パラメータリスト内のパラメータセットは、ユーザが登録したものであること、
を特徴とするアニメーション制作システム。
【0012】
本発明の一実施形態に係るアニメーション制作システム300の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
<概要>
図1は、本実施形態のアニメーション制作システム300においてユーザが装着するヘッドマウントディスプレイ(HMD)に表示される仮想空間の一例を示す図である。本実施形態のアニメーション制作システム300では、仮想空間1に仮想的なキャラクタ4と仮想的なカメラ3、背景モデル5、オブジェクト(例えば、椅子や机などの物。不図示)を配置し、カメラ3を用いてキャラクタ4と背景モデル5、オブジェクトを撮影する。また、仮想空間1にはカメラマン2(撮影者キャラクタ)が配置され、カメラマン2によりカメラ3が仮想的に操作される。本実施形態のアニメーション制作システム300では、ユーザは、図1に示すように仮想空間1をTPV(Third Person View;三人称視点)で俯瞰しながらキャラクタ4やカメラ3を配置したり、カメラマン2としてFPV(First Person View;一人称視点)でキャラクタ4を撮影したり、FPVでキャラクタ4の演技を行ったりしながら、アニメーションを制作していく。また、仮想空間1内には複数のキャラクタ4(図1の例では、キャラクタ4-1およびキャラクタ4-2)を配置することができ、ユーザは、キャラクタ4に憑依しながら演技を行うことができる。複数のキャラクタ4が配置されている場合には、ユーザは、各キャラクタ4(たとえば、キャラクタ4-1および4-2)に憑依する対象を切り替えることもできる。すなわち、本実施形態のアニメーション制作システム300では、一人が何役もの役割(ロール)を果たすことができる。また、カメラマン2としてカメラ3を仮想的に操作しながら撮影を行うことができるので、自然なカメラワークを実現することが可能となり、撮影される動画の表現を豊かにすることができる。
【0014】
<全体構成>
図2は、本発明の一実施形態に係るアニメーション制作システム300の全体構成例を示す図である。アニメーション制作システム300は、例えば、HMD110、コントローラ210及びホストコンピュータとして機能する画像生成装置310を含んで構成することができる。アニメーション制作システム300には、HMD110やコントローラ210の位置、向き及び傾き等を検出するための赤外線カメラ(図示せず)等を追加することもできる。これらの装置は、相互に、有線又は無線手段により接続することができる。例えば、各々の装置にUSBポートを備え、ケーブルで接続することで通信を確立することもできるし、他に、HDMI、有線LAN、赤外線、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)等の有線又は無線により通信を確立することもできる。画像生成装置310は、PC、ゲーム機、携帯通信端末等、計算処理機能を有する装置であればよい。
【0015】
<HMD110>
図3は、本実施形態に係るHMD110の外観の模式図を示す。図4は、本実施形態に係るHMD110の機能構成例を示す図である。
【0016】
HMD110はユーザの頭部に装着され、ユーザの左右の眼前に配置されるよう表示パネル120を備える。表示パネルとしては、光学透過型と非透過型のディスプレイが考えられるが、本実施形態では、より没入感を提供可能な非透過型の表示パネルを例示する。表示パネル120には、左目用画像と右目用画像とが表示され、両目の視差を利用することにより立体感のある画像をユーザに提供することができる。左目用画像と右目用画像とを表示することができれば、左目用ディスプレイと右目用ディスプレイとを個別に備えることも可能であるし、左目用及び右目用の一体型のディスプレイを備えることも可能である。
【0017】
HMD110の筐体部130は、センサ140を備える。センサ140は、ユーザの頭部の向きや傾きといった動きを検出するために、図示しないが、例えば、磁気センサ、加速度センサ、もしくはジャイロセンサのいずれか、またはこれらの組み合わせを備えることができる。ユーザの頭部の垂直方向をY軸とし、Y軸と直交する軸のうち、表示パネル120の中心とユーザとを結ぶ、ユーザの前後方向に相当する軸をZ軸とし、Y軸及びZ軸と直交し、ユーザの左右方向に相当する軸をX軸とするとき、センサ140は、X軸まわりの回転角(いわゆる、ピッチ角)、Y軸まわりの回転角(いわゆる、ヨー角)、Z軸まわりの回転角(いわゆる、ロール角)を検出することができる。
【0018】
センサ140に代えて、またはセンサ140に加えて、HMD110の筐体部130は、複数の光源150(例えば、赤外光LED、可視光LED)を備えることもできる。HMD110の外部(例えば、室内等)に設置されたカメラ(例えば、赤外光カメラ、可視光カメラ)がこれらの光源を検出することで、特定の空間におけるHMD110の位置、向き、傾きを検出することができる。または、同じ目的で、HMD110に、HMD110の筐体部130に設置された光源を検出するためのカメラを備えることもできる。
【0019】
HMD110の筐体部130は、アイトラッキング・センサを備えることもできる。アイトラッキング・センサは、ユーザの左目及び右目の視線方向及び注視点を検出するために用いられる。アイトラッキング・センサとしては様々な方式が考えられるが、例えば、左目および右目に弱い赤外光を照射してできる角膜上の反射光の位置を基準点とし、反射光の位置に対する瞳孔の位置により視線方向を検出し、左目及び右目の視線方向の交点を注視点として検出する方法などが考えられる。
【0020】
<コントローラ210>
図5は、本実施形態に係るコントローラ210の外観の模式図を示す。図6は、本実施形態に係るコントローラ210の機能構成例を示す図である。
【0021】
コントローラ210により、仮想空間内において、ユーザが所定の入力を行うことをサポートすることができる。コントローラ210は、左手用220及び右手用230のコントローラのセットとして構成することができる。左手用コントローラ220及び右手用コントローラ230は、各々操作用トリガーボタン240、赤外線LED250、センサ260、ジョイスティック270、メニューボタン280を有することができる。
【0022】
操作用トリガーボタン240は、コントローラ210のグリップ235を把持したときに、中指及び人差し指でトリガーを引くような操作を行うことを想定した位置に240a、240bとして配置される。コントローラ210の両側面から下方にリング状に形成されるフレーム245には、複数の赤外線LED250が備えられ、コントローラ外部に備えられるカメラ(図示せず)により、これらの赤外線LEDの位置を検出することで、特定の空間におけるコントローラ210の位置、向き及び傾きを検出することができる。
【0023】
また、コントローラ210は、コントローラ210の向きや傾きといった動きを検出するために、センサ260を内蔵することができる。センサ260として、図示しないが、例えば、磁気センサ、加速度センサ、もしくはジャイロセンサのいずれか、またはこれらの組み合わせを備えることができる。さらに、コントローラ210の上面には、ジョイスティック270及びメニューボタン280を備えることができる。ジョイスティック270は、基準点を中心に360度方向に動かすことができ、コントローラ210のグリップ235を把持したときに、親指で操作されることが想定される。メニューボタン280もまた同様に、親指で操作されることが想定される。さらに、コントローラ210は、コントローラ210を操作するユーザの手に振動を与えるためのバイブレータ(図示せず)を内蔵することもできる。ボタンやジョイスティックを介したユーザの入力内容やセンサ等を介したコントローラ210の位置、向き及び傾きといった情報を出力するため、また、ホストコンピュータからの情報を受信するために、コントローラ210は、入出力部及び通信部を有する。
【0024】
ユーザがコントローラ210を把持し、各種ボタンやジョイスティックを操作することの有無、及び赤外線LEDやセンサにより検出される情報によって、システムはユーザの手の動きや姿勢を決定し、仮想空間内において擬似的にユーザの手を表示させ、動作させることができる。
【0025】
<画像生成装置310>
図7は、本実施形態にかかる画像生成装置310の機能構成図を示す図である。画像生成装置310としては、HMD110やコントローラ210から送信された、ユーザ入力情報やセンサ等により取得されたユーザの頭部動きやコントローラの動きや操作に関する情報を記憶し、所定の計算処理を行い、画像を生成するための機能を有する、PC、ゲーム機及び携帯通信端末等といった装置を使用することができる。画像生成装置310は、例えば、HMD110やコントローラ210等の周辺装置との有線による接続を確立するための入出力部320を備えることができ、赤外線、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)等無線による接続を確立するための通信部330を備えることができる。入出力部320及び/又は通信部330を介して、HMD110及び/又はコントローラ210から受信された、ユーザの頭部の動きやコントローラの動きや操作に関する情報は、制御部340において、ユーザの位置、視線、姿勢等の動作、発話、操作等を含めた入力内容として検出され、ユーザの入力内容に応じて、記憶部350に格納された制御プログラムを実行することで、キャラクタ4の制御を行い、画像を生成するといった処理がなされる。制御部340は、CPUで構成することもできるが、画像処理に特化したGPUをさらに設けることで、情報処理と画像処理を分散化し、全体の処理の効率化を図ることもできる。画像生成装置310はまた、他の計算処理装置と通信を行い、他の計算処理装置に情報処理や画像処理を分担させることもできる。
【0026】
制御部340は、HMD110及び/又はコントローラ210から受信された、ユーザの頭部の動きやユーザの発話、また、コントローラの動きや操作に関する情報を検出するユーザ入力検出部410と、記憶部350のキャラクタデータ格納部450に格納されたキャラクタ4に対して、制御プログラム格納部460に格納された制御プログラムを実行するキャラクタ制御部420と、キャラクタ制御に応じて、仮想空間1に配置された仮想的なカメラ3の制御を行うカメラ制御部440と、キャラクタ制御に基づいてカメラ3が仮想空間1を撮影した画像を生成する画像生成部430と、を有する。ここでキャラクタ4の動きの制御については、HMD110やコントローラ210を介して検出されたユーザ頭部の向きや傾き、手の動きといった情報を、人間の身体の関節の動きや制約に則って作成されたボーン構造の各部の動きに変換し、予め格納されたキャラクタデータに対して、ボーン構造を関連付けることで、ボーン構造の動きを適用させることで実現される。カメラ3の制御は、たとえば、キャラクタ4の手の動きに応じて、カメラ3についての各種設定(たとえば、カメラ3の仮想空間1内での位置、カメラ3の視線方向、焦点位置、ズームなど)を変更することにより行われる。
【0027】
記憶部350は、上述のキャラクタデータ格納部450に、キャラクタ4のイメージデータのほか、キャラクタ4の属性等キャラクタ4に関連する情報を格納する。また、制御プログラム格納部460は、仮想空間におけるキャラクタ4の動作や表情を制御し、カメラ3などのオブジェクトを制御するためのプログラムを格納する。画像データ格納部470は、画像生成部430で生成された画像を格納する。背景データ格納部480は、背景モデル5に関連する情報を格納する。パラメータデータ格納部490は、パラメータリスト上で購入したパラメータセットまたはユーザが登録したパラメータセットを格納する。
【0028】
図8-14は、本実施形態のアニメーション制作システム300におけるパラメータリスト6からのパラメータセットの購入等について説明する図である。なお、本実施形態のパラメータリストに含まれるパラメータ種別等は、図8等に示されるものに限定されず、いずれか1つ以上を備えるように構成してもよいし、その他のパラメータ種別が含まれていてもよい。
【0029】
まず、図8に示されるように、ユーザは、パラメータリスト6を仮想空間1上で開き、例えばパラメータショップリスト内でカメラ3とキャラクタ4との配置に関するパラメータセット(例えば、Parameter CC2)を選択する。パラメータリスト6は、パラメータ種別タブ61、パラメータ項目62、スクロールバー63、ボタン64を含むものである。
【0030】
パラメータ種別タブ61は、例えば、図8に例示されるような、カメラ3とキャラクタ4との配置パラメータ(Camera × Character)、キャラクタ4と背景モデル5との配置パラメータ(Character × Background)、エフェクト設定パラメータ(Effect)があり得る。エフェクトには、例えば、ブルーム(Bloom)エフェクト、被写界深度(Depth of Field)エフェクト、ビネッティング(Vignetting)エフェクト、カラーグレーディング(Color Grading)エフェクト、カラーカーブ(Color Curve)エフェクト、ディフュージョンフィルター(Diffusion Filter)などが含まれ得る。そして、エフェクト設定パラメータは、例えば大きさや色などのパラメータなどが含まれ得る。なお、パラメータ種別はこれに限らず、カメラ3とオブジェクトとの配置パラメータ、キャラクタ4とオブジェクトとの配置パラメータ、カメラ3自体の設定(例えば、ズームの倍率など)などのように、パラメータを有するものであればどのようなものであってもよい。
【0031】
パラメータ項目62は、パラメータ種別タブ61の選択に応じて変更され、各種別に対応したリストが表示される。本リスト内に表示される項目は、例えばクラウドサーバ等のネットワークを介して接続されるサーバから取得したデータであってもよい。図8では、カメラ3とキャラクタ4との配置パラメータのリストが例示されており、一例として各項目に構図サンプル画像と名前が表記されている構成であるが、これに限らず、例えば、金額や構図設定などが表示されていてもよい。また、表示項目が多い場合には、例えばスクロールバー63をスライドさせたりして、全ての項目を確認可能にしてもよいし、五十音順や金額順などのソートが可能であってもよい。なお、各項目は単体のパラメータセットに限らず、同一または異なるパラメータ種別の複数のパラメータをひとまとめにしたセットとして販売してもよい。
【0032】
ボタン64は、様々な用途のボタンを配置することが可能であり、図8では、パラメータセット購入ボタン(SHOP)、保有パラメータセットリスト(MY LIST)、前のウインドウ表示に戻るボタン(BACK)が例示されている。
【0033】
次に、図9に示されるように、ユーザは、仮想空間1内の仮想右手21Rによりパラメータ項目62のうちの1つを選択すると、例えば、項目データ7(例えば、項目に関する詳細説明や、購入時の金額等)を表示してもよい。
【0034】
そして、例えば、項目データ7の内容を確認した後に、項目データ7上の購入決定ボタン(BUY)またはコントローラ210の決定動作が割り当てられたボタンの押下により、購入手続きを行うようにしてもよい。
【0035】
上述の通り、図8、9に基づきパラメータセットの購入について説明したが、レンタルについても、支払い後の利用期間が制限される点を除き、実質的に同様の構成であり得る。
【0036】
次に、パラメータリスト6では、カメラワークに関するパラメータが提供されてよい。図10に示されるように、ユーザは、パラメータリスト6を仮想空間1上で開き、例えば保有パラメータセットリスト内で、カメラ3とキャラクタ4との配置に関するパラメータセット(例えば、Parameter CC2)を選択することができる。パラメータセットには、カメラ3の固定位置を設定してもよいし、カメラ3が移動することを前提として、位置の変化(ドリー及びトラックを含む。水平移動でなくてもよい。)を設定することもできる。また、パラメータセットには、パン、チルト、ロール、ズームなどのカメラ3の機能を設定することもできる。
【0037】
次に、図11に示されるように、ユーザは、仮想空間1内の仮想右手21Rによりパラメータ項目62のうちの1つを選択すると、例えば、項目データ7(例えば、項目に関する詳細説明等)を表示してもよい。
【0038】
そして、例えば、項目データ7の内容を確認した後に、項目データ7上の決定ボタン(OK)またはコントローラ210の決定動作が割り当てられたボタンの押下により、選択したパラメータセットを仮想空間内1に適用するようにしてもよい。図12には、適用後の配置が例示されている。また、保有パラメータリスト内に、制作者が作成したパラメータセットを登録することも可能である。
【0039】
図13には、エフェクトの保有パラメータセットリストが例示されており、一例としてフレアのパラメータセット(例えば、フレアの大きさや色など)が示されている。そして、例えば図14に示されるように、ユーザが仮想空間1内の仮想右手21Rによりパラメータ項目62のうちの1つを選択すると、サンプルウインドウ8が仮想空間1内で開き、選択したエフェクトが適用されたカメラ3からの映像が表示されてもよい。サンプルウインドウ8については、エフェクト設定パラメータを購入等する際にも表示されてもよく、購入等前にエフェクト適用後の映像や画像を確認することが可能となる。
【0040】
なお、本実施形態では、エフェクトはレンダリングされた動画像に対してかけられるものとしたが、仮想空間1内に配置可能なエフェクトをパラメータリストに提示するようにしてもよい。例えば、フォグ素材、フレア素材、雨素材などをオブジェクトと、その見た目又は挙動を定義するエフェクトとをセットにしてパラメータリスト6に提示することができる。この場合、図13に示すフレアのパラメータセットに代えて、フレア素材についてのパラメータセット(オブジェクトを含む。)をパラメータリストに提示することができる。そして、図14に示すようにユーザが仮想空間1内の仮想右手21Rによりパラメータ項目62のうちの1つを選択すると、例えば、フレア素材に係るオブジェクトが仮想空間1内に配置され、当該オブジェクトによりフレア効果が仮想空間1内にもたらされるようにすることができる。
【0041】
パラメータセットには、ライティングに関するパラメータを設定することもできる。すなわち、どこに光源(ライト)を配置するか、ライトの色調の設定、輝度の設定や輝度の変化(ストロボライトのような表現)、ライトの方向の設定や変化などをパラメータとしてパラメータセットに含めることができる。
【0042】
本実施形態のアニメーション制作システム300によれば、制作者は自ら準備せずとも各種パラメータセットを取得することができるため、シーンの構図を検討する時間などを少なくすることが可能である。また、制作者だけでは想定していなかった構図等で撮影することが可能となり、アニメーション動画の表現の幅が広がる。したがって、アニメーション制作の負担を減らすとともに、アニメーション動画により豊かな表現を与えることができる。
【0043】
カメラ3やライティング、キャラクタ4の動作など、時系列的な変化を伴うパラメータについては、パラメータセットには時間情報を含めることができる。時間情報は開始時点からの相対的な時刻(t=+10秒等)とすることができる。パラメータの経時的変化の指定については、変化開始時点における第1設置値と、変化終了時点における第2設定値とを含め、線形あるいは所定の時間に応じた関数によるに変化をさせるようにすることができる。ユーザは、複数のパラメータセットを連結して使用することもできる。また、経時要素を含むパラメータセットについては、変化開始時点や終了時点を個別に変更するようにしてもよいし、変化にかかる時間を指定して指定された時間で変化が行われるようにパラメータを自動補正するようにしてもよい。
【0044】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0045】
たとえば、本実施形態では、画像生成装置310は1台のコンピュータであるものとしたが、これに限らず、HMD110またはコントローラ210に画像生成装置310の全部または一部の機能を備えるようにしてもよい。また、画像生成装置310と通信可能に接続する他のコンピュータに画像生成装置310の一部の機能を備えるようにすることができる。
【0046】
また、本実施形態では、仮想現実(VR;Virtual Reality)による仮想空間を想定していたが、これに限らず、拡張現実(AR;Augumented Reality)空間あるいは複合現実(MR;Mixed Reality)空間であっても本実施形態のアニメーション制作システム300はそのまま適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 仮想空間
2 カメラマン
3 カメラ
4 キャラクタ
110 HMD
120 表示パネル
130 筐体部
140 センサ
150 光源
210 コントローラ
220 左手用コントローラ
230 右手用コントローラ
235 グリップ
240 トリガーボタン
250 赤外線LED
260 センサ
270 ジョイスティック
280 メニューボタン
300 アニメーション制作システム
310 画像生成装置
320 入出力部
330 通信部
340 制御部
350 記憶部
410 ユーザ入力検出部
420 キャラクタ制御部
430 画像生成部
440 カメラ制御部
450 キャラクタデータ格納部
460 プログラム格納部
470 画像データ格納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-10-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内に配置されたオブジェクトを撮影する仮想的なカメラのカメラワークを指定するパラメータを記憶するパラメータをユーザに指定させ、
指定された前記パラメータに基づいて前記カメラを制御すること、
を特徴とするアニメーション制作システム。