(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178225
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】エンドエフェクタの従動運動を伴うロボット
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20241217BHJP
B25J 9/06 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/06 D
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024157091
(22)【出願日】2024-09-11
(62)【分割の表示】P 2022141797の分割
【原出願日】2016-03-11
(31)【優先権主張番号】62/132,066
(32)【優先日】2015-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/135,490
(32)【優先日】2015-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/137,458
(32)【優先日】2015-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/264,436
(32)【優先日】2015-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/275,884
(32)【優先日】2016-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514062448
【氏名又は名称】パーシモン テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PERSIMMON TECHNOLOGIES, CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ホシェク マルチン
(72)【発明者】
【氏名】リリストン レオナルド ティー
(72)【発明者】
【氏名】リプコン ヤコブ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】搬送時間の最小化によってサイクル時間の短縮ならびに関連設備のスループットおよび利用率の増大をもたらすエンドエフェクタ従動運動を伴うロボットを提供する。
【解決手段】ロボット駆動装置とロボットアームメカニズム30とを備えるロボット28において、ロボットアームメカニズムの第1のリンク(上腕)34は、第1の駆動軸においてロボット駆動装置に接続され、第2のリンク(前腕)36は、回転関節46で上腕に結合されて、回転関節周りに回転可能である。回転関節は、第2の駆動軸に結合される第1のバンド機構48によって駆動可能であり、エンドエフェクタ38は、回転関節56にで前腕に結合され、回転関節56周りに回転可能である。回転関節56は、第1の回転関節に結合される第2のバンド機構58によって駆動可能であり、第2のバンド機構は、可変伝達比を提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動装置と、
ロボットアームと、を備える装置であって、
前記駆動装置は、第1の回転軸周りに回転可能な第1の駆動軸と、第2の回転軸周りに回転可能な第2の駆動軸とを備え、前記第2の駆動軸は、前記第1の駆動軸と同軸であり、部分的に前記第1の駆動軸の内部にあり、前記第1の駆動軸内で軸方向に回転可能であり、
前記ロボットアームは、
前記第1の駆動軸において前記駆動装置に接続される上腕と、
前記上腕に結合される前腕と、
前記前腕に結合されるエンドエフェクタと、を備え、
前記前腕は、第1の回転関節において前記上腕に結合され、前記第1の回転関節周りに回転可能であり、前記第1の回転関節は、前記第2の駆動軸に結合される第1のバンド機構によって駆動可能であり、
前記エンドエフェクタは、第2の回転関節において前記前腕に結合され、前記第2の回転関節周りに回転可能であり、前記第2の回転関節は、前記第1の回転関節に結合される第2のバンド機構によって駆動可能であり、前記第2のバンド機構は、可変伝達比を提供するように構成される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的かつ非限定的実施形態は概して、エンドエフェクタを備えるロボットに関し、より具体的には、エンドエフェクタの従動運動を伴うロボットに関する。
【背景】
【0002】
半導体、LED(Light Emitting Diode)、太陽光、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、またはその他のデバイスの製造に関連付けられるものなどの用途のための真空、大気、および制御環境処理は、基板、および基板に関連付けられる運搬台を保管場所、処理場所、またはその他の場所へ、またはそこから搬送するために、ロボット技術および他の形態のオートメーションを利用する。基板のこのような搬送は、1枚以上の基板を搬送する単一のアームを用いて、または1枚以上の基板を各々搬送する複数のアームを用いて、個々の基板、基板の集団を動かしてもよい。製造の多くは、例えば、半導体製造に関連付けられるもののように、設置面積および容積が重要である清浄または真空環境内で行われる。さらに、自動搬送の多くは、搬送時間の最小化によってサイクル時間の短縮ならびに関連設備のスループットおよび利用率の増大がもたらされる場合に実施される。
【摘要】
【0003】
以降の摘要は、単に例として示されたものである。この摘要は特許請求の範囲を制限するものではない。
【0004】
一例では、少なくとも3つの駆動モータと、前記少なくとも3つの駆動モータにそれぞれ接続される少なくとも3つの同軸駆動軸とを有する駆動ユニットと;
ロボットアームと;
を備える搬送装置が提供される。ここで前記ロボットアームは、
前記少なくとも3つの同軸駆動軸のうちの第1の駆動軸に接続される上腕と;
第1の回転関節において前記上腕に連結される第1の前腕と;
前記第1の回転関節と同軸に配される第2の回転関節において前記上腕に連結される第2の前腕と;
第3の回転関節において前記第1の前腕に連結され、該第3の回転関節を中心に回動可能である、第1のエンドエフェクタと;
第4の回転関節において前記第2の前腕に連結され、該第4の回転関節を中心に回動可能である、第2のエンドエフェクタと;
を備え、
前記上腕、前記第1の前腕、前記第2の前腕のうちの少なくとも1つが、外径が非円形である少なくとも1つのプーリを有するバンド機構を備え、該バンド機構が、
前記第1~前記第4の回転関節のうちの1つと別の1つの間、又は、
前記第1~前記第4の回転関節のうちの1つと前記少なくとも3つの同軸駆動軸のうちの1つの間、
に位置し;
前記バンド機構は可変伝達比を提供するように構成され、ここで前記可変伝達比は、前記第1のエンドエフェクタの向きが、前記上腕に対する前記第1の前腕の位置の関数として予め定められた仕方で変化するように選択され、また前記可変伝達比は、前記上腕および前記第1の前腕が駆動されるときに、前記第1のエンドエフェクタ上の基準点が予め定められ且つ変化した向きで所定の経路に従うことができる仕方で選択される。
【0005】
別の例では、少なくとも3つの駆動モータと、前記少なくとも3つの駆動モータにそれぞれ接続される少なくとも3つの同軸駆動軸とを有する駆動ユニットと、ロボットアームとを備える搬送装置が提供される。ここで前記ロボットアームは、
前記少なくとも3つの同軸駆動軸のうちの第1の駆動軸に接続される上腕と;
第1の回転関節において前記上腕に連結される第1の前腕と;
前記第1の回転関節から間隔を空けて配される第2の回転関節において前記上腕に連結される第2の前腕と;
第3の回転関節において前記第1の前腕に連結され、該第3の回転関節を中心に回動可能である、第1のエンドエフェクタと;
第4の回転関節において前記第2の前腕に連結され、該第4の回転関節を中心に回動可能である、第2のエンドエフェクタと;
を備え、
前記上腕、前記第1の前腕、前記第2の前腕のうちの少なくとも1つが、外径が非円形である少なくとも1つのプーリを有するバンド機構を備え、該バンド機構が、
前記第1~前記第4の回転関節のうちの1つと別の1つの間、又は、
前記第1~前記第4の回転関節のうちの1つと前記少なくとも3つの同軸駆動軸のうちの1つの間、
に位置し;
前記バンド機構は可変伝達比を提供するように構成され、ここで前記可変伝達比は、前記第1のエンドエフェクタの向きが、前記上腕に対する前記第1の前腕の位置の関数として予め定められた仕方で変化するように選択され、また前記可変伝達比は、前記上腕および前記第1の前腕が駆動されるときに、前記第1のエンドエフェクタ上の基準点が予め定められ且つ変化した向きで所定の経路に従うことができる仕方で選択される。
【0006】
別の例では、少なくとも1つのモータと、該少なくとも1つのモータにそれぞれ接続される少なくとも1つの駆動軸とを有する駆動ユニットと、ロボットアームと
を備える搬送装置が提供される。ここで前記ロボットアームは、
前記少なくとも1つの駆動軸に接続される少なくとも1つの上腕と;
第1の回転関節において前記少なくとも1つの上腕に接続される第1の前腕と;
第2の回転関節において前記少なくとも1つの上腕に接続される第2の前腕と;
第3の回転関節において前記第1の前腕に接続され、該第3の回転関節を中心に回動可能である、第1のエンドエフェクタと;
第4の回転関節において前記第2の前腕に接続され、該第4の回転関節を中心に回動可能である、第2のエンドエフェクタと;
を備え、
前記少なくとも1つの上腕のうちの第1の上腕又は前記第1の前腕の少なくとも1つが、可変伝達比を提供するように構成されるメカニズムを内部に有し、ここで前記可変伝達比は、前記第1のエンドエフェクタの向きが、前記第1の上腕に対する前記第1の前腕の位置の関数として予め定められた仕方で変化するように選択され、また前記可変伝達比は、前記第1の上腕および前記第1の前腕が駆動されるときに、前記第1のエンドエフェクタ上の基準点が予め定められ且つ変化した向きで所定の経路に従うことができる仕方で選択される。
【0007】
別の例では、装置は駆動装置とロボットアームとを備える。前記駆動装置は、第1の回転軸周りに回転可能な第1の駆動軸と、第2の回転軸周りに回転可能な第2の駆動軸とを備え、前記第2の駆動軸は、前記第1の駆動軸と同軸であり、部分的に前記第1の駆動軸の内部にあり、前記第1の駆動軸内で軸方向に回転可能である。前記ロボットアームは、前記第1の駆動軸において前記駆動装置に接続される上腕と、前記上腕に結合される前腕と、前記前腕に結合されるエンドエフェクタと、を備え、前記前腕は、第1の回転関節において前記上腕に結合され、前記第1の回転関節周りに回転可能であり、前記第1の回転関節は、前記第2の駆動軸に結合される第1のバンド機構によって駆動可能であり、前記エンドエフェクタは、第2の回転関節において前記前腕に結合され、前記第2の回転関節周りに回転可能であり、前記第2の回転関節は、前記第1の回転関節に結合される第2のバンド機構によって駆動可能である。前記第2のバンド機構は、可変伝達比を提供するように構成される。
別の例では、装置は駆動装置とロボットアームとを備える。前記駆動装置は、第1の回転軸周りに回転可能な第1の駆動軸と、第2の回転軸周りに回転可能な第2の駆動軸と、第3の回転軸周りに回転可能な第3の駆動軸とを備え、前記第2の駆動軸は、前記第1の駆動軸と同軸であり、部分的に前記第1の駆動軸の内部にあり、前記第1の駆動軸内で軸方向に回転可能であり、前記第3の駆動軸は、前記第2の駆動軸と同軸であり、部分的に前記第2の駆動軸の内部にあり、前記第2の駆動軸内で軸方向に回転可能である。前記ロボットアームは、前記第1の駆動軸において前記駆動装置に接続される上腕と、前記上腕に結合される前腕と、前記前腕に結合される第1のエンドエフェクタと第2のエンドエフェクタと、を備え、前記前腕は、第1の回転関節において前記上腕に結合され、前記第1の回転関節周りに回転可能であり、前記第1の回転関節は、単数段バンド機構によって駆動可能であり、前記単数段バンド機構は、前記第3の駆動軸によって駆動可能な第1の肩プーリと、前記第1の回転関節を部分的に形成する第1の肘プーリと、前記第1の肩プーリと前記第1の肘プーリとの間で運動を伝達するように構成されるバンド、ベルト、またはケーブルとを備え、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタは、第2の回転関節において前記前腕に結合され、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタの向きは、2段バンド機構を介して制御される。前記2段バンド機構の第1段は、前記第2の駆動軸によって駆動可能な第2の肩プーリと、前記第1の回転関節を部分的に形成する第2の肘プーリと、前記第2の肩プーリと前記第2の肘プーリとの間で運動を伝達するように構成される上部バンド、ベルト、またはケーブルとを備える。前記2段バンド機構の第2段は、前記第2の肘プーリに結合される第3の肘プーリと、前記第1のエンドエフェクタに結合される第1の手首プーリと、前記第3の肘プーリと前記第1の手首プーリとの間で運動を伝達するように構成される第1の下部バンド、ベルト、またはケーブルとを備え、前記2段バンド機構の第2段は、前記第2の肘プーリに結合される第4の肘プーリと、前記第2のエンドエフェクタに結合される第2の手首プーリと、前記第4の肘プーリと前記第2の手首プーリとの間で運動を伝達するように構成される第2の下部バンド、ベルト、またはケーブルとをさらに備える。前記第1の肩プーリと前記第1の肘プーリとの間の運動、前記第2の肩プーリと前記第2の肘プーリとの間の運動、前記第3の肘プーリと前記第1の手首プーリとの間の運動、および前記第4の肘プーリと前記第2の手首プーリとの間の運動の少なくとも1つは、可変伝達比で行われる。
別の例では、装置は駆動装置と、第1のロボットアームと、第2のロボットアームとを備える。前記駆動装置は、第1の回転軸周りに回転可能な第1の駆動軸と、第2の回転軸周りに回転可能な第2の駆動軸と、第3の回転軸周りに回転可能な第3の駆動軸とを備え、前記第2の駆動軸は、前記第1の駆動軸と同軸であり、部分的に前記第1の駆動軸の内部にあり、前記第1の駆動軸内で軸方向に回転可能であり、前記第3の駆動軸は、前記第2の駆動軸と同軸であり、部分的に前記第2の駆動軸の内部にあり、前記第2の駆動軸内で軸方向に回転可能である。前記第1のロボットアームは、前記第1の駆動軸において前記駆動装置に接続される第1の上腕と、前記第1の上腕に結合される第1の前腕と、前記第1の前腕に結合される第1のエンドエフェクタと、を備え、前記第1の前腕は、第1の回転関節において前記第1の上腕に結合され、前記第1の回転関節は、第1のバンド機構を用いて前記第2の駆動軸によって駆動可能であり、前記第1のエンドエフェクタは、第3の回転関節において前記第1の前腕に結合され、前記第3の回転関節は、第3のバンド機構を用いて前記第1の回転関節によって駆動可能である。前記第2のロボットアームは、前記第3の駆動軸において前記駆動装置に接続される第2の上腕と、前記第2の上腕に結合される第2の前腕と、前記第2の前腕に結合される第2のエンドエフェクタと、を備え、前記第2の前腕は、第2の回転関節において前記第2の上腕に結合され、前記第2の回転関節は、第2のバンド機構を用いて前記第2の駆動軸によって駆動可能であり、前記第2のエンドエフェクタは、第4の回転関節において前記第2の前腕に結合され、前記第4の回転関節は、第4のバンド機構を用いて前記第2の回転関節によって駆動可能である。前記第1のバンド機構、前記第2のバンド機構、前記第3のバンド機構、および前記第4のバンド機構の少なくとも1つは、可変伝達比を有する。
前述の態様や他の特徴は以降の記述で説明されるが、次の添付図面を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【実施例の詳細説明】
【0073】
図1を参照すると、例示的実施形態の特徴を有する搬送装置10の上面図が示されている。これらの特徴を、図面に示す例示的実施形態を参照して説明するが、他の様々な実施形態によっても実現可能であることを理解されたい。また、任意の適切なサイズ、形状、または種類の要素や材料を使用可能である。本明細書ではマルチリンクロボットアームメカニズムを開示する。例えば、半導体ウェハ加工ツールにおける、並列の、例えば横方向にオフセットされたステーションへ、また同ステーションから材料を搬送するために使用できる3リンクロボットアームメカニズムを開示する。
【0074】
半導体ウェハ加工ツール10の例示的な配置を、
図1の上面図に概略的に示している。この特定の例において、このツールは4組の並列ステーション、例えば、1組のロードロック12と、3組のプロセスモジュールステーション14、16、18とを特徴とする。
図1の例に示すように、本3リンクアームメカニズムは、事前定義された経路、例えば実質的に直線の経路に沿って、事前定義されたエンドエフェクタの向き、例えば直線経路20に沿った向きで、ツール内の各ステーションにアクセスするように設計されている。これらの直線経路は、任意の面22において互いに平行であってもよく、互いに角度を成してもよい。別の態様では、線形、円形、または任意の適切な形状あるいは形状の組合せの、任意の適切な経路または経路の組合せを定義してもよい。
【0075】
図2は、ロボット駆動装置32に取り付けられた、開示する実施形態によるロボットアームメカニズム30の上面図を、
図3はその側面図を示している。このアームメカニズムは、第1のリンク(上腕)34、第2のリンク(前腕)36、および、基板40を支持する第3のリンク(エンドエフェクタ)38で構成されてもよい。ロボット28の例示的な内部機構を、
図3に概略的に示している。このアームメカニズムは、2本の同軸シャフト、例えば外側T1シャフト42および内側T2シャフト44を備える2軸スピンドルによって駆動してもよい。内側T2シャフト44は、外側T1シャフト42内で内側T2シャフト44が回転可能であるように、部分的に外側T1シャフト42の内部にあってもよい。ロボットアームメカニズムの第1のリンク34は、T1シャフト42に直接取り付けてもよい。第2のリンク36は、回転関節46を介して第1のリンク34に結合し、バンド機構48を用いてT2シャフト44によって駆動してもよい。バンド機構48は、肩プーリ50と、肘プーリ52と、バンド、ベルト、またはケーブル54とを備えてもよい。肩プーリ50はT2シャフト44に取り付けてもよく、肘プーリ52は第2のリンク36に取り付けてもよく、バンド、ベルト、またはケーブル54は2つのプーリ50、52間で運動を伝達してもよい。このベルト機構は一定の伝達比を特徴としてもよく、例えば、1:1の比率を便宜的に用いてもよい。ただし、他の任意の適切な機構を用いてもよい。第3のリンク38は、回転関節56を介して第2のリンク36に結合してもよく、第3のリンク38の向きを別のバンド機構58によって制約してもよい。バンド機構58は、肘プーリ60と、手首プーリ62と、バンド、ベルト、またはケーブル64とを備えてもよい。肘プーリ60は第1のリンク34に接続してもよく、手首プーリ62は第3のリンク38に接続してもよく、バンド、ベルト、またはケーブル64はこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。バンド機構は可変伝達比を特徴としてもよい。可変伝達比は、例えば、非円形の外形を有する少なくとも1つのプーリを用いて実現してもよい。例として、
図3を参照すると、手首プーリは非円形の外形を特徴としてもよい。非円形のプーリを用いるアームの例は、米国特許出願第13/833,732号(名称「不等リンク長を有するアームを有するロボット(Robot Having Arm With Unequal Link Lengths)」、2013年3月15日出願)に開示されている。この参照文献は参照することにより全体が本願に組み込まれる。
【0076】
可変伝達比は、第1のリンク34と第2のリンク36の相対位置の関数として、第3のリンク(エンドエフェクタ)38の向きを事前定義された方法で変更するように選択してもよい。第1のリンク34と第2のリンク36の相対位置は、2つのリンク間の狭角として便宜的に表現してもよい。あるいは、第3のリンク(エンドエフェクタ)38の向きは、リンク、シャフト等の相対位置の関数として、事前定義された方法で変更してもよい。例として、伝達比は、第1のリンクと第2のリンクがそれぞれ駆動されると、事前定義された(ただし必ずしも一定ではない)第3のリンク(エンドエフェクタ)の向きを保って、第3のリンク上の基準点(通常はエンドエフェクタの呼び中心70)が事前定義された経路をたどるように選択してもよい。例として、
図4に示すように、
図1のステーションのうちのいずれかへのアクセス経路として、経路72、74、76、78を選択してもよい。また、
図5に示すように、アームが隣のステーション82にアクセスできるように伝達比を選択してもよい。
図6および
図7に示すように、別の組のステーション86、88、または90、92にアクセスするようにアームメカニズムの向きを変更するために、T1シャフト42およびT2シャフト44を回転させてもよい。
【0077】
ロボットアームメカニズムの初期位置は、隣り合う並列ステーション間の対称軸上に示されているが、他の任意の初期位置を用いてもよいことに留意されたい。また、ロボットの駆動装置は、アームメカニズムの垂直上昇、例えば、エンドエフェクタが搬送するウェハの持ち上げや配置を容易にするための、追加の軸を特徴としてもよい。別の態様では、他の追加の回転軸および/またはアームを設けてもよい。別の態様では、T2シャフトに取り付けられた肩プーリと、第2のリンクに取り付けられた肘プーリとの間のバンド機構において、例えば少なくとも1つの非円形プーリを用いて、可変伝達比を特徴とする。アームの伸長がT1シャフトによって駆動され、T2シャフトは静止したままであるように、可変伝達比を選択する。別の態様では、事前定義された経路に沿ってロボットアームが伸長する際に、事前定義された運動プロファイルをT2シャフトがたどるように、可変伝達比を選択してもよい。別の態様では、第3のリンクの向きを制約するメカニズムは、追加のバンド機構を含む。
【0078】
例えば、
図8に概略的に示すように、第3のリンク102の向きは、バンド機構104によって制約してもよい。バンド機構104は、肘プーリ106と、手首プーリ114と、バンド、ベルト、またはケーブル116とを備えてもよい。肘プーリ106は、肘関節108(第1のリンクと第2のリンクの間の回転関節)と同軸であってもよく、第1のリンク110および第2のリンク112の2つのリンクに対して自由に回転してもよい。手首プーリ114は第3のリンク102に接続してもよい。バンド、ベルト、またはケーブル116は、2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。肘プーリの運動は、別のバンド機構118によって制約される。バンド機構118は、プーリ120と、プーリ124と、バンド、ベルト、またはケーブル126とを備えてもよい。プーリ120はT2シャフト122に取り付けられ、プーリ124は肘プーリ106に取り付けられ、バンド、ベルト、またはケーブル126はこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。2つのバンド機構は一定または可変の伝達比を特徴としてもよい。例として、2つのバンド機構が一定の比1:1を特徴とし、第2のリンクがT2シャフトに結合される場合、T1シャフトの駆動によってアームが伸長および収縮する際に、エンドエフェクタは一定の向きを保つ。
【0079】
開示する態様は、半導体ウェハ加工ツールにおける並列(横方向にオフセットされた)ステーションへの、また同ステーションからの材料搬送に用いてもよい、デュアルエンドエフェクタアームメカニズムにも同様に適用できる。ここで、半導体ウェハ加工ツール210の例示的な配置を、
図10の上面図に概略的に示している。この特定の例において、このツールは4組の並列ステーション、例えば、1組のロードロック220と、3組のプロセスモジュールステーション230と、搬送室またはモジュール232とを特徴とする。
【0080】
図10の例に示すように、本実施形態のアームメカニズムは、事前定義された経路236、例えば実質的に直線の経路に沿って、事前定義されたエンドエフェクタの向き、例えば直線経路に沿った向きで、ツール内の各ステーションにアクセスするように設計してもよい。
【0081】
図11は、ロボット駆動装置252に取り付けられたロボットアームメカニズム250の上面図を、
図12はその側面図を示している。このアームメカニズムは、第1のリンク(上腕)254、第2のリンク(前腕)256、枢動エンドエフェクタA258、および枢動エンドエフェクタB260で構成されてもよい。ロボットの例示的な内部機構を、
図11および
図12に概略的に示している。このアームメカニズムは、3本の同軸シャフト、例えば外側T1シャフト262、T2シャフト264、および内側T3シャフト266を備える3軸スピンドルによって駆動してもよい。T2シャフト264は部分的に外側T1シャフト262の内部にあってもよく、内側T3シャフト266は部分的にT2シャフト264の内部にあってもよい。ロボットアームメカニズムの第1のリンクは、T1シャフトに直接取り付けてもよい。第2のリンクは、回転関節(肘関節)を介して第1のリンクに結合し、バンド機構を用いてT3シャフトによって駆動してもよい。このバンド機構は、第1の肩プーリと、第1の肘プーリと、バンド、ベルト、またはケーブルとを備えてもよい。第1の肩プーリはT3シャフトに取り付けてもよく、第1の肘プーリは第2のリンクに取り付けてもよく、バンド、ベルト、またはケーブルはこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。このバンド機構は一定または可変の伝達比を特徴としてもよく、例えば、1:1の比率を便宜的に用いてもよい。ただし、他の任意の適切な機構を用いてもよい。エンドエフェクタAは、回転関節(手首関節)を介して第2のリンクに結合してもよく、エンドエフェクタAの向きを2段バンド機構によって制御してもよい。このバンド機構の第1段は、第2の肩プーリと、第2の肘プーリと、バンド、ベルト、またはケーブルとを備えてもよい。第2の肩プーリはT2シャフトに接続してもよく、バンド、ベルト、またはケーブルはこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。このバンド機構の第1段は一定または可変の伝達比を特徴としてもよく、例えば、1:1の比率を便宜的に用いてもよい。バンド機構の第2段は、第3の肘プーリと、第1の手首プーリと、バンド、ベルト、またはケーブルとを備えてもよい。第3の肘プーリは第2の肘プーリに接続してもよく、第1の手首プーリはエンドエフェクタAに接続してもよく、バンド、ベルト、またはケーブルはこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。このバンド機構の第2段は可変伝達比を特徴としてもよい。可変伝達比は、例えば、非円形の外形を有する少なくとも1つのプーリを用いて実現してもよい。例として、
図11および
図12を参照すると、手首プーリは非円形の外形を特徴としてもよい。非円形のプーリを用いるアームの例は、米国特許出願第13/833,732号(名称「不等リンク長を有するアームを有するロボット(Robot Having Arm With Unequal Link Lengths)」、2013年3月15日出願)に開示されている。この参照文献は参照することにより全体が本願に組み込まれる。非円形のプーリを用いるアームの別の例は、米国仮特許出願第62/132,066号(名称「2自由度3リンクロボットアームメカニズム(2-Degree-of-Freedom 3-Link Robot Arm Mechanisms)」、2015年3月12日出願)に開示されている。この参照文献は参照することにより全体が本願に組み込まれる。
【0082】
可変伝達比は、第1のリンクと、第2のリンクと、T2シャフトとの相対位置の関数として、エンドエフェクタAの向きを事前定義された方法で変更するように選択してもよい。例えば、
図13Aから
図13Cに示すように、エンドエフェクタAがステーションへの経路をたどるように、または、同じく
図13Aから
図13Cに示すように、T2シャフトの運動に応じて側方に折り畳まれるように、可変伝達比を選択してもよい。同様に、エンドエフェクタBは、回転関節(手首関節)を介して第2のリンクに結合してもよく、エンドエフェクタBの向きを2段バンド機構によって制御してもよい。このバンド機構の第1段は、エンドエフェクタAと共通である。このバンド機構の第2段は、第4の肘プーリと、第2の手首プーリと、バンド、ベルト、またはケーブルとを備えてもよい。第4の肘プーリは第2の肘プーリに接続してもよく、第2の手首プーリはエンドエフェクタBに接続してもよく、バンド、ベルト、またはケーブルはこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。このバンド機構の第2段は、
図11および
図12に示すように交差状に構成されてもよく、可変伝達比を特徴としてもよい。可変伝達比は、例えば、非円形の外形を有する少なくとも1つのプーリを用いて実現してもよい。例として、
図11および
図12を参照すると、手首プーリは非円形の外形を特徴としてもよい。可変伝達比は、第1のリンクと、第2のリンクと、T2シャフトとの相対位置の関数として、エンドエフェクタBの向きを事前定義された方法で変更するように選択してもよい。例えば、
図13Aから
図13Cに示すように、エンドフェクタBがステーションへの経路をたどるように、または、同じく
図13Aから
図13Cに示すように、T2シャフトの運動に応じて側方に折り畳まれるように、可変伝達比を選択してもよい。
【0083】
アームメカニズムは、
図13Aから
図13Cにおいて左側のステーションにアクセスする際は右利き(肩関節から手首関節への線の右側に肘関節が位置する)、
図13Aから
図13Cにおいて右側のステーションにアクセスする際は左利きとして示されているが、別の実施形態では、左側のステーションにアクセスする際は左利き、右側のステーションにアクセスする際は右利きであるように構成してもよい。
【0084】
さらに別の実施形態では、第2のリンクをT2シャフトによって駆動してもよく、エンドエフェクタの向きをT3シャフトによって制御してもよい。
図14Aおよび
図14Bを参照すると、ロボット駆動装置302に取り付けられたロボットアームメカニズム300の上面図と側面図がそれぞれ示されている。ロボットの例示的な内部機構も含まれている。アームメカニズムは、左側リンケージ304および右側リンケージ306で構成されてもよい。このアームメカニズムは、3本の同軸シャフト、例えば外側T1シャフト308、T2シャフト310、および内側T3シャフト312を備える3軸スピンドルによって駆動してもよい。T2シャフト310は部分的に外側T1シャフト308の内部にあってもよく、内側T3シャフト312は部分的にT2シャフト310の内部にあってもよい。左側リンケージは、第1の左側リンク(上腕)314、第2の左側リンク(前腕)316、および第3の左側リンク(エンドエフェクタ)318で構成されてもよい。第1の左側リンクは、T1シャフトに直接取り付けてもよい。第2の左側リンクは、回転関節を介して第1の左側リンクに結合し、バンド機構を用いてT2シャフトによって制約してもよい。このバンド機構は、第1の肩プーリと、左側肘プーリと、バンド、ベルト、またはケーブルとを備えてもよい。第1の肩プーリはT2シャフトに取り付けてもよく、左側肘プーリは第2のリンクに取り付けてもよく、バンド、ベルト、またはケーブルはこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。バンド機構は可変伝達比を特徴としてもよい。ただし、他の任意の適切な機構を用いてもよい。第3の左側リンクは、回転関節を介して第2の左側リンクに結合してもよく、第3の左側リンクの向きを別のバンド機構によって制約してもよい。このバンド機構は、左側肘プーリと、左側手首プーリと、バンド、ベルト、またはケーブルとを備えてもよい。左側肘プーリは第1の左側リンクに接続してもよく、左側手首プーリは第3の左側リンクに取り付けてもよく、バンド、ベルト、またはケーブルはこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。バンド機構は可変伝達比を特徴としてもよい。可変伝達比は、例えば、非円形の外形を有する少なくとも1つのプーリを用いて実現してもよい。例として、
図14Aおよび
図14Bを参照すると、手首プーリは非円形の外形を特徴としてもよい。可変伝達比は、第1の左側リンクと第2の左側リンクの相対位置の関数として、第3の左側リンク(エンドエフェクタ)の向きを事前定義された方法で変更するように選択してもよい。第1の左側リンクと第2の左側リンクの相対位置は、2つのリンク間の狭角として便宜的に表現してもよい。例えば、2つのバンド機構の伝達比は、第1の左側リンクがT1シャフトによって駆動され、T2シャフトが静止したままである場合、事前定義された(例えば一定の)第3の左側リンク(エンドエフェクタ)の向きを保って、第3の左側リンク上の基準点(通常はエンドエフェクタの呼び中心)が事前定義された経路をたどるように選択してもよい。
【0085】
例として、
図15Aから
図15Cに示すように、
図10のステーションの1つへのアクセス経路として経路を選択してもよい。再び
図14Aおよび
図14Bを参照すると、右側リンケージは、左側リンケージの鏡像として実質的に構成してもよい。右側リンケージは、第1の右側リンク(上腕)320、第2の右側リンク(前腕)322、および第3の右側リンク(エンドエフェクタ)324で構成されてもよい。第1の右側リンクは、T3シャフトに直接取り付けてもよい。第2の右側リンクは、回転関節を介して第1の右側リンクに結合し、バンド機構を用いてT2シャフトによって制約してもよい。このバンド機構は、第2の肩プーリと、右側肘プーリと、バンド、ベルト、またはケーブルとを備えてもよい。第2の肩プーリはT2シャフトに取り付けてもよく、右側肘プーリは第2のリンクに取り付けてもよく、バンド、ベルト、またはケーブルはこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。左側リンケージと同様に、ベルト機構は可変伝達比を特徴としてもよい。ただし、他の任意の適切な機構を用いてもよい。
【0086】
右側リンケージの残りの構成要素は、左側リンケージの鏡像として実質的に構成してもよく、右側リンケージの動作は、左側リンケージの動作を鏡像化したものと実質的に同等である。さらに、T1、T2、およびT3シャフトを同期して回転させて、アームメカニズムの向きを変更して別の組のステーションにアクセスさせてもよい。
【0087】
左側リンケージは、
図15Aから
図15Cにおいて左利き(肩関節から手首関節への線の左側に肘関節が位置する)、右側リンケージは、
図15Aから
図15Cにおいて右利きとして示されているが、別の実施形態においてこのメカニズムは、左側リンケージは右利き、右側リンケージは左利きであるように構成してもよい。
【0088】
さらに別の実施形態では、右側上腕をT2シャフトによって駆動してもよく、左右の前腕の向きをT3シャフトによって制約してもよい。
【0089】
開示する態様は、半導体ウェハ加工ツールにおける並列(横方向にオフセットされた)ステーションへの、また同ステーションからの材料搬送に用いてもよい、デュアルエンドエフェクタロボットアームメカニズムにも同様に適用できる。半導体ウェハ加工ツール410の例示的な配置を、
図16の上面図に概略的に示している。この特定の例において、このツールは4組の並列ステーション、例えば、搬送室416に結合された、1組のロードロック412と3組のプロセスモジュールステーション414とを特徴とする。
【0090】
図16の例に示すように、開示しているアームメカニズムは、事前定義された経路、例えば実質的に直線の経路418、420に沿って、事前定義されたエンドエフェクタの向き、例えば直線経路418、420に沿った向きで、ツール内の各ステーションにアクセスしてもよい。
【0091】
図17は、ロボット駆動装置454に取り付けられた、ある実施形態による例示的なロボットアームメカニズム452を備えるロボット50の側面図を示している。このアームメカニズムは、第1のリンク(上腕)456、第2のリンク(前腕)A458、エンドエフェクタA460、第2のリンク(前腕)B462、およびエンドエフェクタB464で構成されてもよい。
図17のロボット450の例示的な内部機構を、
図18Aおよび
図18Bに概略的に示している。このアームメカニズムは、3本の同軸シャフト、例えば外側T1シャフト470、T2シャフト472、および内側T3シャフト474を備える3軸スピンドル454によって駆動してもよい。ロボットアームメカニズムの第1のリンク456は、T1シャフト470に直接取り付けてもよい。第2のリンクA458は、回転関節(肘関節)480を介して第1のリンク456に結合し、バンド機構482を用いてT3シャフト474によって駆動してもよい。バンド機構482は、肩プーリA484と、肘プーリA486と、バンド、ベルト、またはケーブル488とを備えてもよい。肩プーリA484はT3シャフト474に取り付けてもよく、肘プーリA486は第2のリンクA458に取り付けてもよく、バンド、ベルト、またはケーブル488はこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。このバンド機構は一定または可変の伝達比を特徴としてもよく、例えば、1:1の比率を便宜的に用いてもよい。ただし、他の任意の適切な機構を用いてもよい。同様に、第2のリンクB462は、回転関節(肘関節)480を介して第1のリンク456に結合し、バンド機構483を用いてT2シャフト472によって駆動してもよい。エンドエフェクタA460は、回転関節(手首関節)490を介して第2のリンクA458に結合してもよく、エンドエフェクタA460の向きを別のバンド機構492によって制約してもよい。このバンド機構は、肘プーリ494と、手首プーリ496と、バンド、ベルト、またはケーブル498とを備えてもよい。肘プーリ494は第1のリンクに接続してもよく、手首プーリ496はエンドエフェクタA460に接続してもよく、バンド、ベルト、またはケーブル498はこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。バンド機構は可変伝達比を特徴としてもよい。可変伝達比は、例えば、非円形の外形を有する少なくとも1つのプーリを用いて実現してもよい。例として、
図18Aおよび
図18Bを参照すると、手首プーリは非円形の外形を特徴としてもよい。非円形のプーリを用いるアームの例は、米国特許出願第13/833,732号(名称「不等リンク長を有するアームを有するロボット(Robot Having Arm With Unequal Link Lengths)」、2013年3月15日出願)に開示されている。この参照文献は参照することにより全体が本願に組み込まれる。非円形のプーリを用いるアームの別の例は、米国仮特許出願第62/132,066号(名称「2自由度3リンクロボットアームメカニズム(2-Degree-of-Freedom 3-Link Robot Arm Mechanisms)」、2015年3月12日出願)に開示されている。この参照文献は参照することにより全体が本願に組み込まれる。非円形のプーリを用いるアームの別の例は、米国仮特許出願第62/135,490号(名称「2つのエンドエフェクタを備えるアームメカニズム(Arm Mechanisms with Two End Effectors)」、2015年3月19日出願)に開示されている。この参照文献は参照することにより全体が本願に組み込まれる。
【0092】
可変伝達比は、第1のリンク456と第2のリンクA458の相対位置の関数として、エンドエフェクタA460の向きを事前定義された方法で変更するように選択してもよい。例えば、
図19Aから
図19Cに示すように、エンドエフェクタA460がステーションへの経路をたどるように、可変伝達比を選択してもよい。
【0093】
同様に、エンドエフェクタB464は、回転関節(手首関節)502を介して第2のリンクB462に結合してもよく、エンドエフェクタB464の向きをさらに別のバンド機構504によって制約してもよい。バンド機構504は、肘プーリ506と、手首プーリ508と、バンド、ベルト、またはケーブル510とを備えてもよい。肘プーリ506は第1のリンク456に接続してもよく、手首プーリ508はエンドエフェクタB464に接続してもよく、バンド、ベルト、またはケーブル510はこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。バンド機構は可変伝達比を特徴としてもよい。可変伝達比は、例えば、非円形の外形を有する少なくとも1つのプーリを用いて実現してもよい。例として、
図18Aおよび
図18Bを参照すると、手首プーリは非円形の外形を特徴としてもよい。可変伝達比は、第1のリンクと第2のリンクBの相対位置の関数として、エンドエフェクタBの向きを事前定義された方法で変更するように選択してもよい。例えば、
図19Aから
図19Cに示すように、エンドエフェクタBがステーションへの経路をたどるように、可変伝達比を選択してもよい。
【0094】
このロボットの典型的な動作を
図19から
図21に示している。
図19Aから
図19Cは、収縮位置にあるロボット450が、エンドエフェクタAによって左側ステーション530にアクセスし、エンドエフェクタBによって同じステーションにアクセスしている図である。これによって、ロボットは左側ステーションにおいて迅速な材料交換を実行できる。同様に、
図20Aから
図20Cは、ロボット450がエンドエフェクタAおよびBによってステーションB532にアクセスしている図である。これによって、ロボットはステーションBにおいて迅速な材料交換を実行できる。最後に、
図21Aから
図21Cは、ロボットがエンドエフェクタ460、464両方を伸長させて、左側ステーション530および右側ステーション532に同時にアクセスしてもよいことを示している。さらに、T1、T2、およびT3シャフトを同期して回転させて、アームメカニズムの向きを変更して別の組のステーションまたは任意の適切な場所の組合せにアクセスさせてもよい。
【0095】
図17から
図21の例において、同軸状に構成された複数の肘関節を備えるロボットアームメカニズムを示している。ただし、
図22の例示的ロボット450'において概略的に示すように、これらの肘関節は2つの別々の関節542、544としてオフセットされた状態540で構成してもよい。さらに別の例示的実施形態を、
図23Aおよび
図23Bに概略的に示している。
図23Aは、駆動装置602と、共通の上腕604と、前腕A606と、前腕B608とを備えるロボット600を示している。前腕A606と前腕B608とは共通の肘610を有する。ここで、ロボット600は、前腕608の上面に手首関節において搭載されたエンドエフェクタと、前腕606の上面に手首関節において搭載されたエンドエフェクタとを備える。このロボット600は、ロボット450と同様の方法で駆動および利用してもよい。
図23Bは、駆動装置602と、共通の上腕604と、前腕A606'と、前腕B608とを備えるロボット600'を示している。前腕A606'と前腕B608とは共通の肘610を有する。ここで、ロボット600'は、前腕608の上面に手首関節において搭載されたエンドエフェクタと、前腕606'の下面に手首関節において搭載されたエンドエフェクタとを備える。このロボット600'は、ロボット450と同様の方法で駆動および利用してもよい。
【0096】
図24は、ロボット駆動装置704に取り付けられた、ある実施形態によるロボットアームメカニズム702を備えるロボットの側面図を示している。このアームメカニズムは、リンケージA706およびリンケージB708で構成されてもよい。
図24のロボット700の例示的な内部機構を、
図25Aおよび
図25Bに概略的に示している。このアームメカニズムは、3本の同軸シャフト、例えば外側T1シャフト710、T2シャフト712、および内側T3シャフト714を備える3軸スピンドル704によって駆動してもよい。T2シャフト712は部分的に外側T1シャフト710の内部にあってもよく、内側T3シャフト714は部分的にT2シャフト712の内部にあってもよい。リンケージA706は、第1のリンク(上腕)716、第2のリンク(前腕)718、および第3のリンク(エンドエフェクタA)720で構成されてもよい。第1のリンクは、T3シャフト714に直接取り付けてもよい。第2のリンクは、回転関節722を介して第1のリンクに結合し、バンド機構724を用いてT2シャフト712によって制約してもよい。バンド機構724は、肩プーリと、肘プーリと、バンド、ベルト、またはケーブルとを備えてもよい。肩プーリはT2シャフト712に取り付けてもよく、肘プーリは第2のリンク718に取り付けてもよく、バンド、ベルト、またはケーブルはこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。バンド機構は可変伝達比を特徴としてもよい。ただし、他の任意の適切な機構を用いてもよい。リンケージAの第3のリンク720は、回転関節726を介して第2のリンク718に結合してもよく、第3のリンク720の向きを別のバンド機構728によって制約してもよい。バンド機構728は、右側肘プーリと、手首プーリと、バンド、ベルト、またはケーブルとを備えてもよい。右側肘プーリは第1のリンク716に接続してもよく、手首プーリは第3のリンク720に接続してもよく、バンド、ベルト、またはケーブルはこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。バンド機構は可変伝達比を特徴としてもよい。可変伝達比は、例えば、非円形の外形を有する少なくとも1つのプーリを用いて実現してもよい。例として、
図25Aおよび
図25Bを参照すると、手首プーリは非円形の外形を特徴としてもよい。可変伝達比は、第1のリンクと第2のリンクの相対位置の関数として、リンケージAの第3のリンク(エンドエフェクタA)の向きを事前定義された方法で変更するように選択してもよい。第1のリンクと第2のリンクの相対位置は、2つのリンク間の狭角として便宜的に表現してもよい。例として、リンケージA706の2つのバンド機構の伝達比は、第1のリンクがT3シャフトによって駆動され、T2シャフトが静止したままである場合、事前定義された(例えば一定の)第3の右側リンク(エンドエフェクタA)の向きを保って、第3のリンク上の基準点(通常はエンドエフェクタAの呼び中心)が事前定義された経路をたどるように選択してもよい。
【0097】
例として、
図26Aから
図26Cに示すように、
図16のステーションのうちのいずれかへのアクセス経路として経路を選択してもよい。再び
図25Aおよび
図25Bを参照すると、リンケージB708は、第1のリンク(上腕)732、第2のリンク734(前腕)、および第3の左側リンク(エンドエフェクタB)736で構成されてもよい。第1のリンク732は、T1シャフト710に直接取り付けてもよい。第2のリンク734は、回転関節738を介して第1のリンク732に結合し、バンド機構740を用いてT2シャフト712によって制約してもよい。このバンド機構は、別の肩プーリと、肘プーリと、バンド、ベルト、またはケーブルとを備えてもよい。別の肩プーリはT2シャフト712に取り付けてもよく、肘プーリは第2のリンク734に取り付けてもよく、バンド、ベルト、またはケーブルはこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。右側リンケージAと同様に、バンド機構は可変伝達比を特徴としてもよい。ただし、他の任意の適切な機構を用いてもよい。リンケージBの残りの構成要素は、リンケージAと同様に構成してもよく、リンケージBの動作は、T1シャフト710がT3シャフト714の役割を担うことを除いて、リンケージAの動作と実質的に同等である。
【0098】
このロボットの典型的な動作を
図26から
図28に示している。
図26Aから
図26Cは、収縮位置にあるロボット700が、エンドエフェクタA720によって左側ステーション532にアクセスし、エンドエフェクタB736によって同じステーションにアクセスしている図である。これによって、ロボット700は左側ステーション532において迅速な材料交換を実行できる。同様に、
図27Aから
図27Cは、ロボット700がエンドエフェクタA720およびB736によってステーション534にアクセスしている図である。これによって、ロボットはステーション534において迅速な材料交換を実行できる。さらに、
図28Aから
図28Cは、ロボットが両方のエンドエフェクタを伸長させて、左側ステーションおよび右側ステーションに同時にアクセスしてもよいことを示している。さらに、T1、T2、およびT3シャフトを同期して回転させて、アームメカニズムの向きを変更して別の組のステーションまたは任意の適切な位置にアクセスさせてもよい。
【0099】
あるいは、
図29Aおよび
図29Bに示すように、このアームメカニズムは、4本の同軸シャフト、例えば、
図29の例に示すような外側T1シャフト752、T2シャフト754、T3シャフト756、および内側T4シャフト758を備える4軸スピンドル750によって駆動してもよい。この特定の例においてT1シャフト752はリンケージAの第1のリンク760に接続してもよく、T2シャフト754はリンケージAの第2のリンク762を駆動してもよく、T3シャフト756はリンケージBの第2のリンク764を駆動してもよく、T4シャフト758はリンケージBの第1のリンク766に接続してもよい。ただし、4本のシャフトの任意の適切な構成を用いてもよい。
【0100】
さらに別の例示的実施形態を、
図30Aおよび
図30Bに概略的に示している。
図30Aは、駆動装置782と、図示のように入れ子になっているアームA784とアームB786とを備えるロボット780を示している。ロボット780は、ロボット700、750等と同様の特徴を有し、同様に駆動してもよい。ここで、ロボット780は、一方の前腕の上面に手首関節において搭載されたエンドエフェクタと、他方の前腕の上面に手首関節において搭載されたエンドエフェクタとを備える。このロボット780は、他のロボットと同様の方法で駆動および利用してもよい。
図30Bは、駆動装置782と、図示のように入れ子になっているアームA784'とアームB786とを備えるロボット780'を示している。ロボット780'は、ロボット700、750等と同様の特徴を有し、同様に駆動してもよい。ここで、ロボット780'は、一方の前腕の上面に手首関節において搭載されたエンドエフェクタと、他方の前腕の下面に手首関節において搭載されたエンドエフェクタとを備える。このロボット780'は、他のロボットと同様の方法で駆動および利用してもよい。
【0101】
開示する態様は、半導体ウェハ加工ツールにおける並列(横方向にオフセットされた)ステーションへの、また同ステーションからの材料搬送に用いてもよい、デュアルエンドエフェクタロボットアームメカニズムにも同様に適用できる。半導体ウェハ加工ツール810の例示的な配置を、
図31の上面図に概略的に示している。この特定の例において、このツールは4組の並列ステーション、例えば、搬送室816に結合された、1組のロードロック812と3組のプロセスモジュールステーション814とを特徴とする。
【0102】
図31の例に示すように、本アームメカニズムは、事前定義された経路、例えば実質的に直線の経路818、820に沿って、事前定義されたエンドエフェクタの向き、例えば直線経路818、820に沿った向きで、ツール内の各ステーションにアクセスしてもよい。
【0103】
図32は、ロボット駆動装置854に取り付けられた、ある実施形態による例示的なロボットアームメカニズム852を備えるロボット850の側面図を示している。このアームメカニズムは、第1のリンク(上腕)856、第2のリンク(前腕)A858、エンドエフェクタA860、第2のリンク(前腕)B862、およびエンドエフェクタB864で構成されてもよい。
図32のロボット850の例示的な内部機構を、
図33Aおよび
図33Bに概略的に示している。このアームメカニズムは、3本の同軸シャフト、例えば外側T1シャフト870、T2シャフト872、および内側T3シャフト874を備える3軸スピンドル854によって駆動してもよい。ロボットアームメカニズムの第1のリンク856は、T1シャフト870に直接取り付けてもよい。第2のリンクA858は、回転関節(肘関節)880を介して第1のリンク856に結合し、バンド機構882を用いてT3シャフト874によって駆動してもよい。バンド機構882は、肩プーリA884と、肘プーリA886と、バンド、ベルト、またはケーブル888とを備えてもよい。肩プーリA884はT3シャフト874に取り付けてもよく、肘プーリA886は第2のリンクA858に取り付けてもよく、バンド、ベルト、またはケーブル888はこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。このバンド機構は一定または可変の伝達比を特徴としてもよく、例えば、1:1の比率を便宜的に用いてもよい。ただし、他の任意の適切な機構を用いてもよい。同様に、第2のリンクB862は、回転関節(肘関節)880を介して第1のリンク856に結合し、バンド機構883を用いてT2シャフト872によって駆動してもよい。エンドエフェクタA860は、支持構造861および回転関節(手首関節)890を介して第2のリンクA858に結合してもよい。
図32の例に示すように、支持構造861は、第2のリンクA858の下で回転関節890に取り付けてもよく、動作中に、例えば、第2のリンクA858および第2のリンクB862との機械的干渉を避けるような形状であってもよい。支持構造861は、エンドエフェクタA860または回転関節890と統合された、あるいは他の任意の適切な方法で実装された、1つまたは複数の構成要素によって形成されてもよい。エンドエフェクタA860の向きは、バンド機構892によって制約してもよい。このバンド機構は、肘プーリ894と、手首プーリ896と、バンド、ベルト、またはケーブル898とを備えてもよい。肘プーリ894は第1のリンクに接続してもよく、手首プーリ896はエンドエフェクタA860を備える支持構造861に接続してもよく、バンド、ベルト、またはケーブル898はこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。バンド機構は可変伝達比を特徴としてもよい。可変伝達比は、例えば、非円形の外形を有する少なくとも1つのプーリを用いて実現してもよい。例として、
図33Aおよび
図33Bを参照すると、手首プーリは非円形の外形を特徴としてもよい。非円形のプーリを用いるアームの例は、米国特許出願第13/833,732号(名称「不等リンク長を有するアームを有するロボット(Robot Having Arm With Unequal Link Lengths)」、2013年3月15日出願)に開示されている。この参照文献は参照することにより全体が本願に組み込まれる。非円形のプーリを用いるアームの別の例は、米国仮特許出願第62/132,066号(名称「2自由度3リンクロボットアームメカニズム(2-Degree-of-Freedom 3-Link Robot Arm Mechanisms)」、2015年3月12日出願)に開示されている。この参照文献は参照することにより全体が本願に組み込まれる。非円形のプーリを用いるアームの別の例は、米国仮特許出願第62/135,490号(名称「2つのエンドエフェクタを備えるアームメカニズム(Arm Mechanisms with Two End Effectors)」、2015年3月19日出願)に開示されている。この参照文献は参照することにより全体が本願に組み込まれる。非円形のプーリを用いるアームの別の例は、米国仮特許出願第62/137,458号(名称「2つのエンドエフェクタを備えるロボットアームメカニズム(Robot Arm Mechanisms with Two End Effectors)」、2015年3月24日出願)に開示されている。この参照文献は参照することにより全体が本願に組み込まれる。
【0104】
可変伝達比は、第1のリンク856と第2のリンクA858の相対位置の関数として、エンドエフェクタA860の向きを事前定義された方法で変更するように選択してもよい。例えば、
図34Aから
図34Cに示すように、エンドエフェクタA860がステーションへの経路をたどるように、可変伝達比を選択してもよい。エンドエフェクタB864は、回転関節(手首関節)902を介して第2のリンクB862に結合してもよく、エンドエフェクタB864の向きをさらに別のバンド機構904によって制約してもよい。バンド機構904は、肘プーリ906と、手首プーリ908と、バンド、ベルト、またはケーブル910とを備えてもよい。肘プーリ906は第1のリンク856に接続してもよく、手首プーリ908はエンドエフェクタB864に接続してもよく、バンド、ベルト、またはケーブル910はこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。バンド機構は可変伝達比を特徴としてもよい。可変伝達比は、例えば、非円形の外形を有する少なくとも1つのプーリを用いて実現してもよい。例として、
図33Aおよび
図33Bを参照すると、手首プーリは非円形の外形を特徴としてもよい。
【0105】
可変伝達比は、第1のリンクと第2のリンクBの相対位置の関数として、エンドエフェクタBの向きを事前定義された方法で変更するように選択してもよい。例えば、
図34Aから
図34Cに示すように、エンドエフェクタBがステーションへの経路をたどるように、可変伝達比を選択してもよい。このロボットの典型的な動作を
図34および
図35に示している。
図34Aから
図34Cは、左側ステーション530の前において収縮位置にあるロボット850が、エンドエフェクタAによって左側ステーション530にアクセスし、エンドエフェクタBによって同じステーションにアクセスしている図である。これによって、ロボットは左側ステーションにおいて迅速な材料交換を実行できる。さらに
図34Aから
図34Cを参照すると、エンドエフェクタA860を、所望の経路、例えば実質的に直線の経路820に沿って、左側ステーション530へと伸長させてもよい。これは、T3シャフト874を時計回りに回転させ、T1シャフト870の回転をT3シャフト874の回転と協調させることで、エンドエフェクタA860が所望の直線経路820をたどるようにして行う。同時に、T2シャフト872をT1シャフト870と同期して回転させることで、エンドエフェクタB864が第2のリンクB862上で折り畳まれたままにしてもよい。同様に、エンドエフェクタA860を、所望の経路、例えば実質的に直線の同じ経路820に沿って、左側ステーション530から収縮させてもよい。これは、T3シャフト874を反時計回りに回転させ、T1シャフト870の回転をT3シャフト874の回転と協調させることで、エンドエフェクタA860が所望の直線経路820をたどるようにして行う。ここでも、T2シャフト872をT1シャフト870と同期して回転させることで、エンドエフェクタB864が第2のリンクB862上で折り畳まれたままにしてもよい。次に、エンドエフェクタB864を、所望の経路、例えば実質的に直線の経路820に沿って、左側ステーション530へと伸長させてもよい。これは、T2シャフト872を時計回りに回転させ、T1シャフト870の回転をT2シャフト872の回転と協調させることで、エンドエフェクタB864が所望の直線経路820をたどるようにして行う。同時に、T3シャフト874をT1シャフト870と同期して回転させることで、エンドフェクタA860が第2のリンクA858上で折り畳まれたままにしてもよい。さらに、エンドエフェクタB864を、所望の経路、例えば実質的に直線の同じ経路820に沿って、左側ステーション530から収縮させてもよい。これは、T2シャフト872を反時計回りに回転させ、T1シャフト870の回転をT2シャフト872の回転と協調させることで、エンドエフェクタB864が所望の直線経路820をたどるようにして行う。ここでも、T3シャフト874をT1シャフト870と同期して回転させることで、エンドエフェクタA860が第2のリンクA858上で折り畳まれたままにしてもよい。さらに、T1、T2、およびT3シャフトを同期して回転させて、アームメカニズムの向きを変更して別の場所、例えば右側ステーション532にアクセスさせてもよい。
【0106】
図35Aから
図35Cは、ロボット850がエンドエフェクタAおよびBによって右側ステーション532にアクセスしている図である。これによって、ロボットは右側ステーション532において迅速な材料交換を実行できる。
図35Aから
図35Cにおいて、エンドエフェクタA860を、所望の経路、例えば実質的に直線の経路818に沿って、右側ステーション532へと伸長させてもよい。これは、T3シャフト874を反時計回りに回転させ、T1シャフト870の回転をT3シャフト874の回転と協調させることで、エンドエフェクタA860が所望の直線経路818をたどるようにして行う。同時に、T2シャフト872をT1シャフト870と同期して回転させることで、エンドエフェクタB864が第2のリンクB862上で折り畳まれたままにしてもよい。同様に、エンドエフェクタA860を、所望の経路、例えば実質的に直線の同じ経路818に沿って、右側ステーション532から収縮させてもよい。これは、T3シャフト874を時計回りに回転させ、T1シャフト870の回転をT3シャフト874の回転と協調させることで、エンドエフェクタA860が所望の直線経路818をたどるようにして行う。ここでも、T2シャフト872をT1シャフト870と同期して回転させることで、エンドエフェクタB864が第2のリンクB862上で折り畳まれたままにしてもよい。次に、エンドエフェクタB864を、所望の経路、例えば実質的に直線の経路818に沿って、右側ステーション532へと伸長させてもよい。これは、T2シャフト872を反時計回りに回転させ、T1シャフト870の回転をT2シャフト872の回転と協調させることで、エンドエフェクタB864が所望の直線経路818をたどるようにして行う。同時に、T3シャフト874をT1シャフト870と同期して回転させることで、エンドエフェクタA860が第2のリンクA858上で折り畳まれたままにしてもよい。さらに、エンドエフェクタB864を、所望の経路、例えば実質的に直線の同じ経路818に沿って、右側ステーション532から収縮させてもよい。これは、T2シャフト872を時計回りに回転させ、T1シャフト870の回転をT2シャフト872の回転と協調させることで、エンドエフェクタB864が所望の直線経路818をたどるようにして行う。ここでも、T3シャフト874をT1シャフト870と同期して回転させることで、エンドエフェクタA860が第2のリンクA858上で折り畳まれたままにしてもよい。
【0107】
図34および
図35の動作および運動は例であり、アームメカニズムは他の所望の動作および適切な運動を行ってもよい。例えば、シャフト870、872、および874のいくつかまたは全ての回転は、他のエンドエフェクタ、例えばエンドエフェクタB864の伸長および収縮中に、収縮したエンドエフェクタ、例えばエンドエフェクタA860の運動量が最小になるように定義し協調させてもよい。別の例として、なめらかな運動経路を達成し、運動の全体的な所要時間を短縮するために、伸長、収縮、回転等の個々の動きを融合および/または重複させてもよい。
【0108】
図32および
図33の例は、第2のリンクA858の下で回転関節890に支持構造861が取り付けられているロボットアームメカニズムを示している。ただし支持構造861は、
図36に概略的に示すように、第2のリンクA858の上で回転関節890に取り付けられてもよい。
図36の例示的実施形態の例示的な内部機構を、
図37Aおよび
図37Bに概略的に示している。あるいは、支持構造861は任意の適切な方法で回転関節90に取り付けてもよく、任意の適切な形状を有してもよい。
【0109】
図32から
図37の例は、同じ長さの第2のリンクA858と第2のリンクB862を備えるロボットアームメカニズムを示している。ただし、第2のリンクA858と第2のリンクB862の全体長および関節間長さは、任意の適切な長さであってもよい。同様に、
図32から
図37の例においてエンドエフェクタA860とエンドエフェクタB864は同じ長さで示されているが、これらのエンドエフェクタは任意の適切な長さであってもよい。
【0110】
図32から
図37の例示的な実施形態はバンド機構882および883を備えているが、一定または可変の伝達比を有する他の任意の適切な単数段または複数段の伝達機構を用いてもよい。これにはチェーンや歯車が含まれるが、それらに限定されない。同様に、チェーンや歯車等の、適切な可変伝達比を有する他の任意の適切な単数段または複数段の伝達機構を、バンド機構892および904の代わりに採用してもよい。さらに、本明細書で開示する任意の実施形態において、歯車と同様にチェーンを(例えば、バンド、ベルト、またはケーブルの代わりにまたはそれらと組み合わせて)用いてもよい。
【0111】
図36および
図37に示す適切な機構の一例では、ロボット850'は、ブリッジを有するエンドエフェクタ860'を備えている。このブリッジは、
図32に示すように手首関節の下面ではなく、手首関節の上面に取り付けられている。
図38Aおよび
図38Bに示す別の適切な機構の例では、ロボット850''はオフセットされた肩関節897、899を備えている。
【0112】
半導体ウェハ加工ツール1010の例示的な配置を、
図39の上面図に概略的に示している。この例において、このツールは4組の並列ステーション1012、例えば、搬送室1014に結合された、1組のロードロックと3組のプロセスモジュールステーション1012とを特徴とする。
図40は、ロボット駆動装置1056に取り付けられた、例示的な2自由度3リンクロボットアームメカニズム1054を備えるロボット1050の側面図を示している。アームメカニズム1054は、第1のリンク(上腕)1058、第2のリンク(前腕)1060、および第3のリンク(エンドエフェクタ)1062で構成されてもよい。
図40のロボット1050の例示的な内部機構を、
図41Aおよび
図41Bに概略的に示している。このアームメカニズムは、2本の同軸シャフト、例えば外側T1シャフト1066および内側T2シャフト1068を備える2軸スピンドル1064によって駆動してもよい。
図41Aおよび
図41Bに示すように、エンドエフェクタ1062の向きは、バンド機構1068によって制約してもよい。バンド機構1068は、肘プーリ1070と、手首プーリ1072と、バンド、ベルト、またはケーブルとを備えてもよい。肘プーリ1070は第1のリンク1058に接続してもよく、手首プーリ1072はエンドエフェクタ1062に接続してもよく、バンド、ベルト、またはケーブルはこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。バンド機構は可変伝達比を特徴としてもよい。可変伝達比は、例えば、非円形の外形を有する少なくとも1つのプーリを用いて実現してもよい。例として、
図41Aおよび
図41Bを参照すると、手首プーリ1072は非円形の外形を特徴としてもよく、肘プーリ1070は実質的に円形の外形を有してもよい。可変伝達比は、第1のリンクと第2のリンクの相対位置の関数として、エンドエフェクタの向きを事前定義された方法で変更するように選択してもよい。例えば、
図39に示すように、エンドエフェクタがステーションへの経路をたどるように、可変伝達比を選択してもよい。
【0113】
前述のような機能を提供する可変伝達比を有する例示的な機構について説明する。例として、
図42Aから
図45を参照されたい。アームメカニズムの適切な幾何形状、すなわち関節間リンク長およびエンドエフェクタ長は、ステーションの場所、エンドエフェクタに必要とされるリーチ、および作業空間内の制約や障害物(これによって、収縮姿勢のアームメカニズムの許容旋回半径を決定してもよい)から便宜的に求めてもよい。
【0114】
第3のリンク1062の例示的な長さを決定するには、以下のように行う。第3のリンクの長さ、すなわちL3は、手首関節1080の回転軸と、第3のリンク上の基準点1082(通常はエンドエフェクタの呼び中心)との間の距離として便宜的に定義してもよい。エンドエフェクタがステーションへと伸長する際、事実上3つの制約がある。すなわち、1)第3のリンク上の基準点(通常はエンドエフェクタの呼び中心)の位置が、ステーションの場所と実質的に整列している必要がある、2)エンドエフェクタが所望の向きになっている必要がある、例えば、ステーションへのアクセス経路に沿った直線方向を指していてもよい、3)手首関節が、ステーションへの経路上の障害物と衝突しないように、十分に後退している必要がある。前述の制約は、例えば制約に従う最小値として、第3のリンク(エンドエフェクタ)の長さの決定に用いてもよい。例として、以下の式を用いてもよい。
【0115】
【0116】
ここで、XstnおよびYstnはそれぞれ、ロボットを中心とするデカルト座標系(すなわち、ロボット中心(肩関節)が(0,0))におけるステーションの場所のx軸オフセットおよびy軸オフセットであり、Rsは、収縮したロボットアームメカニズムが自由に回転可能な円形空間を定義する、許容旋回半径Rsである。
【0117】
第2のリンクの例示的な長さを決定するには、以下のように行う。第2のリンクの関節間長さ、すなわちL2は、肘関節の回転軸と、手首関節の回転軸との間の距離として定義してもよい。
図39の例示的配置のように、複数組の並列ステーションを備える半導体ウェハ加工ツールの場合、前腕の長さを、並列ステーションの対称軸からのステーションの場所のオフセット、すなわちステーションの場所間の距離の半分と同じ、または必要な場合はそれより長くなるように、便宜的に選択してもよい。
【0118】
【0119】
アームメカニズムのエンドエフェクタが、肘関節を伸長させすぎることなく、必要とされるステーションへの伸長を達成するには、L2をXstnより大きくする必要がある場合がある。
【0120】
第1のリンクの例示的な長さを決定するには、以下のように行う。第1のリンクの関節間長さ、すなわちL1は、肩関節の回転軸と、肘関節の回転軸との間の距離として定義してもよい。L2およびL3の値を与えて、例えば、アームメカニズムが収縮したときに許容旋回半径内に収まるように、第1のリンクの長さを決定してもよい。
【0121】
【0122】
ここで、Rwは、エンドエフェクタによって搬送されるウェハ等の円形ペイロードの半径である。
【0123】
例として、x軸オフセットXstnを388.6mm、y軸オフセットYstnを1,030.2mmとして、ステーションの場所を選択してもよい。収縮したロボットアームメカニズムが自由に回転可能な円形空間を定義する許容旋回半径Rsは、例えば605.8mmとして選択してもよい。アームメカニズムによって搬送されるペイロードは、例えば、半径Rwが150mmである円形ウェハであってもよい。前述の例示的な指針に基づいて、適切な例示的アームメカニズムの幾何形状、すなわち関節間リンク長およびエンドエフェクタ長は、L3=565.5mm、L2=397.6mm>Xstn=388.6mm、およびL1=287.9mmのように決定してもよい。
【0124】
図40および
図41に示す例示的なアームメカニズムについて考える。このアームメカニズムでは、エンドエフェクタの向きを、例えば、円形肘プーリおよび非円形手首プーリを備えるバンド機構によって制約してもよい。前述の例示的なステーションの場所およびアームメカニズムの幾何形状を想定すると、手首プーリは、
図42Aの線1102によって示す外形を有してもよい(明確さのために、同図では外形の半分を示している)。第3のリンク(エンドエフェクタ)に対する手首プーリの相対的な向きを実線矢印1104で示している。矢印1104は、手首関節の軸(中心)から第3のリンクの縦軸に沿ってエンドエフェクタの中心を指している。比較のために、円形肘を線1106によって示している。
【0125】
図42Bから
図42Eは、
図42Aに従って定義された手首プーリ外形を有する、前述の例示的なアームメカニズムのエンドエフェクタ1062の向きを、第1のリンク1058に対する第2のリンク1060の相対角度(すなわち、第1のリンクと第2のリンク間の相対角度)の関数として制約する方法を示している。
【0126】
図43は、前述のプーリの外形例と同じアーム幾何形状に用いてもよく、同じまたは類似の運動をもたらすであろうプーリの外形を示している。ここで、エンドエフェクタの向き1120は黒い矢印で示され、肘プーリの外形1124および手首プーリの外形1122は非円形として示されている。
【0127】
2つの非円形プーリを用いてエンドエフェクタの向きを制約するバンド、ベルト、またはケーブル機構を設けてもよい。例えば、この機構は単一エンドエフェクタ構成(
図42Aから
図42E等)と2エンドエフェクタ構成(
図32および
図36等)の両方に適用してもよく、この場合、実質的に同じ運動力学が全てのものに適用されてもよい。この追加の例において、上腕に接続された肘プーリは非円形であり、エンドエフェクタに接続された手首プーリも非円形である。これは、肘プーリが円形であり、手首プーリが非円形である特別な場合のプーリ外形例に対する代替として設けてもよい。例として、各プーリの外形を
図43に示している。
図42Aと同様に、各非円形プーリの半分のみを示している。ここで、各外形は、前述の非円形プーリの例と同じアーム幾何形状(リンク長さ)に対して生成されたものである。
【0128】
図44に、ロボットアームメカニズムのエンドエフェクタが直線経路に沿って前述の例示的ステーションへと伸長する際の、ロボットアームメカニズムの段階的な運動の例を示している。ロボットアームメカニズムのエンドエフェクタに
図44の例示的運動をさせるには、ロボット駆動装置のシャフトを
図45のグラフ1150に示すように駆動してもよい。グラフ1150は、経時的なT1シャフト位置1152および経時的なT2シャフト位置1154を示している。
【0129】
図46に、エンドエフェクタが、今回は共通の経由点1204の周囲で融合する2つのセグメント1200、1202によって形成される経路に沿って同じ例示的ステーションへと伸長する際の、ロボットアームメカニズムの段階的な運動の別の例を示している。
図46の例示的運動を達成するには、ロボット駆動装置のシャフトを
図47のグラフ1250に示すように回転させてもよい。グラフ1250は、経時的なT1シャフト位置1252および経時的なT2シャフト位置1254を示している。
【0130】
図45および
図47において、ロボット駆動装置のシャフトの角度のゼロ点は、次のように定義する。アームメカニズムが折り畳み姿勢(収縮姿勢)で、第3のリンク(エンドエフェクタ)がx軸に沿っている(すなわち3時の方向を指している)とき、T1シャフトの角度は0度であり、T2シャフトの角度は180度である。このとき、第1のリンクの角度は0度であり、第2のリンクの角度は180度であり、第3のリンク(エンドエフェクタ)の角度は0度である。
【0131】
図48は、ロボット駆動装置1312に取り付けられた、2つのエンドエフェクタを備える例示的なロボットアームメカニズム1310を備える、ロボット1300の側面図を示している。このアームメカニズムは、第1のリンク1314(上腕)、第2のリンク1316(前腕)A、第3のリンク1318(エンドエフェクタ)A、第2のリンク1320(前腕)B、および第3のリンク1322(エンドエフェクタ)Bで構成されてもよい。
【0132】
図48のロボットの例示的な内部機構を、
図49Aおよび
図49Bに概略的に示している。このアームメカニズムは、3本の同軸シャフト、例えば外側T1シャフト1340、T2シャフト1342、および内側T3シャフト1344を備える3軸スピンドルによって駆動してもよい。いくつかの実施形態において、T2シャフト1342は部分的に外側T1シャフト1340の内部にあってもよく、内側T3シャフト1344は部分的にT2シャフト1342の内部にあってもよい。エンドエフェクタAの向きは、バンド機構によって制約してもよい。このバンド機構は、肘プーリと、手首プーリと、バンド、ベルト、またはケーブルとを備えてもよい。肘プーリは第1のリンクに接続してもよく、手首プーリはエンドエフェクタAを備える支持構造に接続してもよく、バンド、ベルト、またはケーブルはこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。バンド機構は可変伝達比を特徴としてもよい。可変伝達比は、例えば、非円形の外形を有する少なくとも1つのプーリを用いて実現してもよい。例として、
図49を参照すると、手首プーリは非円形の外形を特徴としてもよく、肘プーリは実質的に円形の外形を有してもよい。同様に、エンドエフェクタBの向きは、別のバンド機構によって制約してもよい。このバンド機構は、肘プーリと、手首プーリと、バンド、ベルト、またはケーブルとを備えてもよい。肘プーリは第1のリンクに接続してもよく、手首プーリはエンドエフェクタBに接続してもよく、バンド、ベルト、またはケーブルはこれらの2つのプーリ間で運動を伝達してもよい。ここでも、バンド機構は可変伝達比を特徴としてもよい。可変伝達比は、例えば、非円形の外形を有する少なくとも1つのプーリを用いて実現してもよい。例として、
図49Aおよび
図49Bを参照すると、手首プーリは非円形の外形を特徴としてもよく、肘プーリは実質的に円形の外形を有してもよい。可変伝達比は、第1のリンクと、対応する第2のリンクとの相対位置の関数として、2つのエンドエフェクタ各々の向きを事前定義された方法で変更するように選択してもよい。例えば、
図39に示すように、エンドエフェクタがステーションへの経路をたどるように、可変伝達比を選択してもよい。例を以下に示す。
【0133】
図48および
図49のアームメカニズムの適切な幾何形状、すなわち関節間リンク長およびエンドエフェクタ長は、
図40の例示的な2自由度3リンクロボットアームメカニズムに関する前述の指針と同じものに基づいて決定してもよい。
【0134】
同様に、
図40および
図41に示す例示的なアームメカニズムについて考える。このアームメカニズムでは、エンドエフェクタの向きを、例えば、円形肘プーリおよび非円形手首プーリを備えるバンド機構によって制約してもよい。前に選択した例示的なステーションの場所およびアームメカニズムの幾何形状を想定すると(X
stn=388.6mm、Y
stn=1,030.2mm、L1=287.9mm、L2A=L2B=L2=397.6mm、およびL3A=L3B=L3=565.5mm)、
図40に関して前に説明した同じ外形を、2つの手首プーリに用いてもよい。
【0135】
図50に、エンドエフェクタAが直線経路1440に沿って前述の例示的ステーションへと伸長する際の、ロボットアームメカニズムの段階的な運動の例を示している。この特定の例において、エンドエフェクタBおよび第2のリンクBは、ロボットアームメカニズムの許容旋回半径内に留まるように、第1のリンクの上に折り畳まれたままになっている。ロボットアームメカニズムに
図50の例示的運動をさせるには、ロボット駆動装置のシャフトを
図51のグラフ1490に示す例示的な運動プロファイルに従って駆動してもよい。グラフ1490は、経時的なT1シャフト位置1492、経時的なT2シャフト位置1494、および経時的なT3シャフト位置1496を示している。
【0136】
図52に、エンドエフェクタAが、今回は共通の経由点1544の周囲で融合する2つのセグメント1540、1542によって形成される経路に沿って同じ例示的ステーションへと伸長する際の、ロボットアームメカニズムの段階的な運動の別の例を示している。この例において、第2のリンクB、したがってエンドエフェクタBの運動は、エンドエフェクタB上で搬送されるペイロードの運動の範囲を制限するように制御される。
図52の例示的運動を達成するには、ロボット駆動装置のシャフトを
図53のグラフ1640に示すように回転させてもよい。グラフ1640は、経時的なT1シャフト位置1642、経時的なT2シャフト位置1644、および経時的なT3シャフト位置1646を示している。
【0137】
図51および
図53において、ロボット駆動装置のシャフトの角度のゼロ点は、次のように定義する。アームメカニズムが折り畳み姿勢(収縮姿勢)で、第3のリンク(エンドエフェクタ)AおよびBがx軸に沿っている(すなわち3時の方向を指している)とき、T1シャフトの角度は0度であり、T2シャフトおよびT3シャフトの角度は180度である。このとき、第1のリンクの角度は0度であり、第2のリンクAおよびBの角度は180度であり、第3のリンク(エンドエフェクタ)AおよびBの角度は0度である。
【0138】
一態様では、装置は駆動装置とロボットアームとを備える。前記駆動装置は、第1の回転軸周りに回転可能な第1の駆動軸と、第2の回転軸周りに回転可能な第2の駆動軸とを備え、前記第2の駆動軸は、前記第1の駆動軸と同軸であり、部分的に前記第1の駆動軸の内部にあり、前記第1の駆動軸内で軸方向に回転可能である。前記ロボットアームは、前記第1の駆動軸において前記駆動装置に接続される上腕と、前記上腕に結合される前腕と、前記前腕に結合されるエンドエフェクタと、を備え、前記前腕は、第1の回転関節において前記上腕に結合され、前記第1の回転関節周りに回転可能であり、前記第1の回転関節は、前記第2の駆動軸に結合される第1のバンド機構によって駆動可能であり、前記エンドエフェクタは、第2の回転関節において前記前腕に結合され、前記第2の回転関節周りに回転可能であり、前記第2の回転関節は、前記第1の回転関節に結合される第2のバンド機構によって駆動可能である。前記第2のバンド機構は、可変伝達比を提供するように構成される。
【0139】
別の態様では、前記第1のバンド機構は、前記第2の駆動軸に取り付けられる肩プーリと、前記前腕に結合される第1の肘プーリと、前記肩プーリと前記第1の肘プーリとの間に配置され前記肩プーリと前記第1の肘プーリとの間で運動を伝達するバンド、ベルト、またはケーブルとを備える。
【0140】
別の態様では、前記第2のバンド機構は、前記上腕に結合される第2の肘プーリと、前記エンドエフェクタに結合される手首プーリと、前記第2の肘プーリと前記手首プーリとの間に配置され前記第2の肘プーリと前記手首プーリとの間で運動を伝達するバンド、ベルト、またはケーブルとを備える。
【0141】
別の態様では、前記第2の肘プーリと前記手首プーリの少なくとも1つは、非円形の外形を有し、前記可変伝達比を提供する。
【0142】
別の態様では、前記可変伝達比は、前記上腕および前記前腕の相対位置の関数として、前記エンドエフェクタの向きを事前定義された方法で変更するように選択される。
【0143】
別の態様では、前記第1の駆動軸と前記第2の駆動軸の1つ以上は、前記ロボットアームの垂直移動を容易にするために軸方向に移動可能である。
【0144】
別の態様では、装置は駆動装置とロボットアームとを備える。前記駆動装置は、第1の回転軸周りに回転可能な第1の駆動軸と、第2の回転軸周りに回転可能な第2の駆動軸と、第3の回転軸周りに回転可能な第3の駆動軸とを備え、前記第2の駆動軸は、前記第1の駆動軸と同軸であり、部分的に前記第1の駆動軸の内部にあり、前記第1の駆動軸内で軸方向に回転可能であり、前記第3の駆動軸は、前記第2の駆動軸と同軸であり、部分的に前記第2の駆動軸の内部にあり、前記第2の駆動軸内で軸方向に回転可能である。前記ロボットアームは、前記第1の駆動軸において前記駆動装置に接続される上腕と、前記上腕に結合される前腕と、前記前腕に結合される第1のエンドエフェクタと第2のエンドエフェクタと、を備え、前記前腕は、第1の回転関節において前記上腕に結合され、前記第1の回転関節周りに回転可能であり、前記第1の回転関節は、単数段バンド機構によって駆動可能であり、前記単数段バンド機構は、前記第3の駆動軸によって駆動可能な第1の肩プーリと、前記第1の回転関節を部分的に形成する第1の肘プーリと、前記第1の肩プーリと前記第1の肘プーリとの間で運動を伝達するように構成されるバンド、ベルト、またはケーブルとを備え、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタは、第2の回転関節において前記前腕に結合され、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタの向きは、2段バンド機構を介して制御される。前記2段バンド機構の第1段は、前記第2の駆動軸によって駆動可能な第2の肩プーリと、前記第1の回転関節を部分的に形成する第2の肘プーリと、前記第2の肩プーリと前記第2の肘プーリとの間で運動を伝達するように構成される上部バンド、ベルト、またはケーブルとを備える。前記2段バンド機構の第2段は、前記第2の肘プーリに結合される第3の肘プーリと、前記第1のエンドエフェクタに結合される第1の手首プーリと、前記第3の肘プーリと前記第1の手首プーリとの間で運動を伝達するように構成される第1の下部バンド、ベルト、またはケーブルとを備え、前記2段バンド機構の第2段は、前記第2の肘プーリに結合される第4の肘プーリと、前記第2のエンドエフェクタに結合される第2の手首プーリと、前記第4の肘プーリと前記第2の手首プーリとの間で運動を伝達するように構成される第2の下部バンド、ベルト、またはケーブルとをさらに備える。前記第1の肩プーリと前記第1の肘プーリとの間の運動、前記第2の肩プーリと前記第2の肘プーリとの間の運動、前記第3の肘プーリと前記第1の手首プーリとの間の運動、および前記第4の肘プーリと前記第2の手首プーリとの間の運動の少なくとも1つは、可変伝達比で行われる。
【0145】
別の態様では、前記第3の肘プーリと前記第1の手首プーリの少なくとも1つは、非円形の外形を有し、前記2段バンド機構に前記可変伝達比を提供する。
【0146】
別の態様では、前記第4の肘プーリと前記第2の手首プーリの少なくとも1つは、非円形の外形を有し、前記2段バンド機構に前記可変伝達比を提供する。
【0147】
別の態様では、前記第1の下部バンド、ベルト、またはケーブルと、前記第2の下部バンド、ベルト、またはケーブルとの少なくとも1つは交差状に構成される。
【0148】
別の態様では、前記可変伝達比は、前記上腕、前記前腕、および前記第2の駆動軸の相対位置の関数として、前記第1のエンドエフェクタおよび前記第2のエンドエフェクタの向きを事前定義された方法で変更するように選択される。
【0149】
別の態様では、前記第1の回転関節は、前記第1の肩プーリから前記第1の手首プーリへと延在する想像線の右側と、前記第1の肩プーリから前記第1の手首プーリへと延在する想像線の左側とのいずれかにある。
【0150】
別の態様では、装置は駆動装置と、第1のロボットアームと、第2のロボットアームとを備える。前記駆動装置は、第1の回転軸周りに回転可能な第1の駆動軸と、第2の回転軸周りに回転可能な第2の駆動軸と、第3の回転軸周りに回転可能な第3の駆動軸とを備え、前記第2の駆動軸は、前記第1の駆動軸と同軸であり、部分的に前記第1の駆動軸の内部にあり、前記第1の駆動軸内で軸方向に回転可能であり、前記第3の駆動軸は、前記第2の駆動軸と同軸であり、部分的に前記第2の駆動軸の内部にあり、前記第2の駆動軸内で軸方向に回転可能である。前記第1のロボットアームは、前記第1の駆動軸において前記駆動装置に接続される第1の上腕と、前記第1の上腕に結合される第1の前腕と、前記第1の前腕に結合される第1のエンドエフェクタと、を備え、前記第1の前腕は、第1の回転関節において前記第1の上腕に結合され、前記第1の回転関節は、第1のバンド機構を用いて前記第2の駆動軸によって駆動可能であり、前記第1のエンドエフェクタは、第3の回転関節において前記第1の前腕に結合され、前記第3の回転関節は、第3のバンド機構を用いて前記第1の回転関節によって駆動可能である。前記第2のロボットアームは、前記第3の駆動軸において前記駆動装置に接続される第2の上腕と、前記第2の上腕に結合される第2の前腕と、前記第2の前腕に結合される第2のエンドエフェクタと、を備え、前記第2の前腕は、第2の回転関節において前記第2の上腕に結合され、前記第2の回転関節は、第2のバンド機構を用いて前記第2の駆動軸によって駆動可能であり、前記第2のエンドエフェクタは、第4の回転関節において前記第2の前腕に結合され、前記第4の回転関節は、第4のバンド機構を用いて前記第2の回転関節によって駆動可能である。前記第1のバンド機構、前記第2のバンド機構、前記第3のバンド機構、および前記第4のバンド機構の少なくとも1つは、可変伝達比を有する。
【0151】
別の態様では、前記第1のバンド機構は、前記第1の駆動軸に取り付けられる第1の肩プーリと、前記第1の前腕に取り付けられる第1の肘プーリと、前記第1の肩プーリと前記第1の肘プーリとの間で運動を伝達するように構成される第1のバンド、ベルト、またはケーブルとを備える。
【0152】
別の態様では、前記第1の肩プーリと前記第1の肘プーリの少なくとも1つは、非円形の外形を有し、前記第1のバンド機構に前記可変伝達比を提供する。
【0153】
別の態様では、前記第3のバンド機構は、前記第1の肘プーリと共に動作可能な第2の肘プーリと、前記第1のエンドエフェクタに結合される第1の手首プーリと、前記第2の肘プーリと前記第1の手首プーリとの間で運動を伝達するように構成される第3のバンド、ベルト、またはケーブルとを備える。
【0154】
別の態様では、前記第2の肘プーリと前記第1の手首プーリの少なくとも1つは、非円形の外形を有し、前記第3のバンド機構に前記可変伝達比を提供する。
【0155】
別の態様では、前記第2のバンド機構は、前記第3の駆動軸に取り付けられる第2の肩プーリと、前記第2の前腕に取り付けられる第3の肘プーリと、前記第2の肩プーリと前記第3の肘プーリとの間で運動を伝達するように構成される第2のバンド、ベルト、またはケーブルとを備える。
【0156】
別の態様では、前記第2の肩プーリと前記第3の肘プーリの少なくとも1つは、非円形の外形を有し、前記第2のバンド機構に前記可変伝達比を提供する。
【0157】
別の態様では、前記第4のバンド機構は、前記第3の肘プーリと共に動作可能な第4の肘プーリと、前記第2のエンドエフェクタに結合される第2の手首プーリと、前記第4の肘プーリと前記第2の手首プーリとの間で運動を伝達するように構成される第4のバンド、ベルト、またはケーブルとを備える。
【0158】
別の態様では、前記第4の肘プーリと前記第2の手首プーリの少なくとも1つは、非円形の外形を有し、前記第4のバンド機構に前記可変伝達比を提供する。
【0159】
別の態様では、前記可変伝達比は、前記第1の上腕および前記第1の前腕の相対位置の関数として、前記第1のエンドエフェクタの向きを事前定義された方法で変更するように選択される。
【0160】
別の態様では、前記第1のバンド機構の伝達比および前記第3のバンド機構の伝達比は、前記第1の上腕が前記第1の駆動軸によって駆動され、前記第2の駆動軸が静止している場合、前記第1のエンドエフェクタの事前定義された向きを保って、前記第1のエンドエフェクタの中心点が事前定義された経路をたどるように選択される。
【0161】
別の態様では、前記可変伝達比は、前記第2の上腕および前記第2の前腕の相対位置の関数として、前記第2のエンドエフェクタの向きを事前定義された方法で変更するように選択される。
【0162】
別の態様では、前記第2のバンド機構の伝達比および前記第4のバンド機構の伝達比は、前記第2の上腕が前記第3の駆動軸によって駆動され、前記第2の駆動軸が静止している場合、前記第2のエンドエフェクタの事前定義された向きを保って、前記第2のエンドエフェクタの中心点が事前定義された経路をたどるように選択される。
【0163】
なお、前述した説明は単なる例に過ぎないことにも注意されたい。種々の変形および修正を当業者が考えることができる。例えば、特許請求の範囲にある種々の従属請求項に記載の特徴は、任意の適切な組合せで互いに組合せ可能である。加えて、前述した様々な実施形態からの特徴を選択的に組み合わせて新たな実施形態とすることも可能である。したがって本明細書は、添付の特許請求の範囲に含まれる変更や修正、変形等の全ての事項を包含するものである。
【手続補正書】
【提出日】2024-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ユニット及びロボットアームを備える装置であって、
前記駆動ユニットは、第1の回転軸を中心に回転可能な第1の駆動軸と、第2の回転軸を中心に回転可能な第2の駆動軸と、第3の回転軸を中心に回転可能な第3の駆動軸とを有し、前記第2の駆動軸は、前記第1の駆動軸と同軸で部分的に前記第1の駆動軸内にあって前記第1の駆動軸内で軸回転可能であり、前記第3の駆動軸は、前記第2の駆動軸と同軸で部分的に前記第2の駆動軸内にあって前記第2の駆動軸内で軸回転可能であり、
前記ロボットアームは、前記第1の回転軸において前記駆動ユニットに連結される上腕と、第1の回転関節において前記上腕に連結され、前記第1の回転関節を中心に回転可能な前腕と、第2の回転関節で前記前腕に連結されるエンドエフェクタとを有し、
前記第1の回転関節は、第1のバンド機構を用いて前記第2の駆動軸によって制御され、前記第1のバンド機構は、前記第2の駆動軸に取り付けられた肩プーリと、前記前腕に取り付けられた第1の肘プーリと、第1のベルト又はバンド又はケーブルとを有し、前記第1のベルト又はバンド又はケーブルは、前記肩プーリと前記第1の肘プーリとの間で運動を伝達するように構成され、
前記エンドエフェクタの向きは第2のバンド機構によって拘束され、前記第2のバンド機構は、前記上腕に取り付けられた第2の肘プーリと、前記エンドエフェクタに取り付けられた手首プーリと、第2のベルト又はバンド又はケーブルとを有し、前記第2のベルト又はバンド又はケーブルは、前記第2の肘プーリと前記手首プーリとの間で運動を伝達するように構成され、
前記肩プーリと前記第1の肘プーリとの間で伝達される運動と、前記第2の肘プーリと前記手首プーリとの間で伝達される運動の少なくとも一方は可変伝達比である、
装置。
【請求項2】
前記肩プーリと前記第1の肘プーリのうちの一方が、前記可変伝達比を提供するために非円形の外形を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の肘プーリと前記手首プーリのうちの一方が、前記可変伝達比を提供するために非円形の外形を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記エンドエフェクタの向きが、前記上腕と前記前腕の相対位置の関数として予め定義されたように変化するように、前記可変伝達比が選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記上腕と前記前腕の前記相対位置は、前記上腕と前記前腕との間の角度によって表現される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記上腕が前記第1の駆動軸によって駆動され、前記第2の駆動軸が静止しているとき、前記エンドエフェクタが所定の方向を向きつつ前記エンドエフェクタの呼び中心にある基準点が所定の経路を辿るように、前記可変伝達比が選択される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記所定の経路は、半導体ウェハ加工ツールのプロセスモジュールステーションへのアクセス経路となるように選択される、請求項6に記載の装置。