(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178226
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】鉛直方向表面上を移動するための装置、鉛直方向表面を清掃するためのツール、及び鉛直方向表面を清掃するためのシステム
(51)【国際特許分類】
B25J 15/06 20060101AFI20241217BHJP
B08B 13/00 20060101ALI20241217BHJP
B08B 1/32 20240101ALI20241217BHJP
B08B 1/40 20240101ALI20241217BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20241217BHJP
B25J 9/16 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
B25J15/06 M
B08B13/00
B08B1/32
B08B1/40
B08B3/02 F
B25J9/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024157217
(22)【出願日】2024-09-11
(62)【分割の表示】P 2024509141の分割
【原出願日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】63/233,876
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】524059076
【氏名又は名称】ヴェロボティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】レヴィタン イタイ
(72)【発明者】
【氏名】ゲノサー イド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高層建物の鉛直方向表面を清掃するための自動の装置、ツール及びシステムを提供する。
【解決手段】略鉛直方向表面上を移動するための装置であって、この装置は、フレームと、このフレームに接続され、第1の軸を中心として前記フレームに対して回転可能である第1のアームと、この第1のアームに接続された第1の真空吸着カップと、前記フレームに接続され、前記第1の軸と略平行である第2の軸を中心として前記フレームに対して回転可能である第2のアームと、この第2のアームに接続された第2の真空吸着カップと、前記第1の真空吸着カップ及び前記第2の真空吸着カップと流体連通している真空ポンプと、前記第1の真空吸着カップにおける真空の発生及び真空の解放を制御するための第1のバルブと、前記第2の真空吸着カップにおける真空の発生及び真空の解放を制御するための第2のバルブと、を含んでもよい。
【選択図】
図11A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略鉛直方向表面を清掃するためのシステムであって、
前記略鉛直方向表面上を移動するための装置であって、
清掃ツールコネクタ、
フレーム、
前記フレームに接続され、第1の軸を中心として前記フレームに対して回転可能である第1のアーム、
前記第1のアームに接続された第1の真空吸着カップ、
前記フレームに接続され、前記第1の軸と略平行である第2の軸を中心として前記フレームに対して回転可能である第2のアーム、
前記第2のアームに接続された第2の真空吸着カップ、
前記第1の真空吸着カップ及び前記第2の真空吸着カップと流体連通している真空ポンプ、
前記第1の真空吸着カップにおける真空の発生及び真空の解放を制御するための第1のバルブ、
前記第2の真空吸着カップにおける真空の発生及び真空の解放を制御するための第2のバルブ、並びに
コントローラであって、
前記第1のアーム及び前記第2のアームの回転、並びに
前記真空ポンプ、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの動作
を制御するためのコントローラ
を含む装置と、
前記清掃ツールコネクタに接続可能な清掃ツールであって、前記略鉛直方向表面を清掃するために、略鉛直方向に、前記装置に対して移動可能である清掃ツールと
を含むシステム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記装置を前記略鉛直方向表面上で所望の方向に移動させるために、前記第1のアーム及び前記第2のアームの回転、並びに前記真空ポンプ、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの動作を制御する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記装置はカメラを含み、前記コントローラは、前記カメラから受信された画像に基づいて、前記装置を前記略鉛直方向表面上で所望の方向に移動させる請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のアーム及び前記第2のアームは、互いに対して前記フレームの反対側に接続される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のアーム及び前記第1の真空吸着カップは、前記第1の軸と略平行である第3の軸を中心として互いに対して回転可能であり、
前記第2のアーム及び前記第2の真空吸着カップは、前記第2の軸と略平行である第4の軸を中心として互いに対して回転可能である
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のアーム及び前記第1の真空吸着カップは、前記第1の軸に略垂直である第5の軸を中心として互いに対して回転可能であり、
前記第2のアーム及び前記第2の真空吸着カップは、前記第2の軸に略垂直である第6の軸を中心として互いに対して回転可能である
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記装置は、
前記第1の真空吸着カップに配置された第1の組のセンサ、及び
前記第2の真空吸着カップに配置された第2の組のセンサ
を含み、
前記コントローラは、前記第1の組のセンサ及び前記第2の組のセンサからの出力信号に基づいて、前記第1の真空吸着カップ及び前記第2の真空吸着カップの前方の前記略鉛直方向表面の部分が真空吸着付着に適切であるか否かを判定する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記装置は、
前記フレームに接続されたサブフレーム
を含み、前記第1のアーム及び第2のアームは、前記サブフレームに接続されており、それぞれ、前記第1の軸及び前記第2の軸を中心として前記サブフレームに対して回転可能であり、
前記サブフレーム及び前記フレームは、前記第1の軸及び前記第2の軸に略垂直である第7の軸を中心として互いに対して回転可能である
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記装置が前記略鉛直方向表面上に配置されているときに前記フレームの略水平配向を維持するために、前記フレームを前記サブフレームに対して回転させる請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記清掃ツールコネクタは、
前記清掃ツールに接続可能な清掃ツールケーブル、及び
前記清掃ツールケーブルを交互に巻き取り送り出すための清掃ツールウインチ
を含み、前記コントローラは、前記清掃ツールを前記装置に対して前記略鉛直方向に移動させるように、前記清掃ツールウインチの動作を制御する
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記装置は、少なくとも前記清掃ツールの一部分を解放可能に受け入れるための筐体を含む請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記清掃ツールは、
第1の本体端部、第2の本体端部、及び前記第1の本体端部と前記第2の本体端部との間に延在する中央長手方向本体軸を有する本体、
前記本体を前記装置の前記清掃ツールコネクタのケーブルに接続するためのケーブルコネクタ、
前記第1の本体端部又は第2の本体端部のうちの1つにそれぞれ回転可能に接続された1つ又は2つのブラシ、
前記本体上に配置されたプロペラであって、前記清掃ツールを前記略鉛直方向表面に対して押し付けるための推力を生成するように、前記中央長手方向本体軸に略垂直であるプロペラ回転軸を中心として回転可能であるプロペラ、並びに
前記プロペラの回転を制御するための清掃ツールコントローラ
を含む請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記本体は、
前記略鉛直方向表面に面する本体前面、
前記本体前面に対向する本体後面、
前記本体前面及び前記本体後面を通して形成される開口部
を含み、前記プロペラは前記開口部内に配置されている
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロペラはフレーム内に配置され、前記フレームは、前記中央長手方向本体軸を中心として前記開口部内で回転可能であり、前記清掃ツールコントローラは、前記円形フレームの回転を制御する請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記清掃ツールは、
互いに対して前記中央長手方向本体軸の反対側で前記本体上に配置された第2のプロペラ及び第3のプロペラ
を含み、前記第2のプロペラ及び前記第3のプロペラは、前記清掃ツールを前記略鉛直方向表面から押し離すための推力を生成するように、それぞれ、前記中央長手方向本体軸に略垂直である第2のプロペラ回転軸及び第3のプロペラ回転軸を中心として回転可能である
請求項13又は請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2のプロペラ及び前記第3のプロペラは、それぞれ、前記本体前面及び前記本体後面を通して形成された第2の開口部及び第3の開口部内に配置されている請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記清掃ツールコントローラは、前記清掃ツールを前記略鉛直方向表面から押し離すように、前記第2のプロペラ及び前記第3のプロペラの回転を制御する請求項15又は請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記清掃ツールコントローラは、前記略鉛直方向表面上の障害物を乗り越えるように、前記第2のプロペラ及び前記第3のプロペラの回転を制御する請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記清掃ツールコントローラは、前記清掃ツールを前記略鉛直方向表面に対して安定させるように、前記第2のプロペラ及び前記第3のプロペラの回転を制御する請求項17又は請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記清掃ツールは、互いに対して前記開口部の反対側で前記本体前面上に配置された2つの封止部材を含む請求項13から請求項19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記略鉛直方向表面の上部に取り付け可能なベースユニットをさらに含み、前記ベースユニットは、
前記装置を固定するために前記装置に接続可能なベースユニットケーブル、及び
前記ベースユニットケーブルを巻き取り送り出すためのベースユニットウインチ
を含む請求項1から請求項20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記ベースユニットは、前記ベースユニットケーブルの巻き上げ及び送り出しのうちの少なくとも1つの間に前記ベースユニットケーブルの欠陥を検出するためのケーブル検査ユニットを含む請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛直方向表面上を移動するための装置、鉛直方向表面を清掃するためのツール、及び鉛直方向表面を清掃するためのシステムの分野に関し、より詳細には、その自動の装置、ツール、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、高層建物の鉛直方向表面、例えば超高層ビルの窓及び壁は、高層ビル清掃専門家によって手動で清掃される。手動清掃に関連する現在の困難としては、落下リスク、人間の労働の不正確さ、及び/又は人間の労働の利用不可能性を挙げることができる。高層建物の鉛直方向表面を清掃するための自動の装置、ツール及びシステムが長年にわたって必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明のいくつかの実施形態は、略鉛直方向表面上を移動するための装置であって、この装置は、フレームと、このフレームに接続され、第1の軸を中心として前記フレームに対して回転可能である第1のアームと、この第1のアームに接続された第1の真空吸着カップと、前記フレームに接続され、前記第1の軸と略平行である第2の軸を中心として前記フレームに対して回転可能である第2のアームと、この第2のアームに接続された第2の真空吸着カップと、前記第1の真空吸着カップ及び前記第2の真空吸着カップと流体連通している真空ポンプと、前記第1の真空吸着カップにおける真空の発生及び真空の解放を制御するための第1のバルブと、前記第2の真空吸着カップにおける真空の発生及び真空の解放を制御するための第2のバルブと、前記第1及び第2のアームの回転、並びに前記真空ポンプ、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの動作を制御するためのコントローラとを含んでもよい、装置を提供してもよい。
【0004】
本発明のいくつかの実施形態は、略鉛直方向表面を清掃するためのツールであって、このツールは、第1の本体端部、第2の本体端部、及びこの第1の本体端部と第2の本体端部との間に延在する中央長手方向本体軸を有する本体と、この本体をケーブルに接続するためのケーブルコネクタと、前記第1の本体端部又は第2の本体端部の1つにそれぞれ回転可能に接続された1つ又は2つのブラシと、前記本体上に配置された1つ以上のプロペラであって、この1つ以上のプロペラのうちの少なくとも1つは、前記ツールを前記略鉛直方向表面に対して押し付けるために、少なくとも、前記中央長手方向本体軸に略垂直である方向に推力を生成する1つ以上のプロペラと、前記1つ以上のプロペラの回転を制御するための清掃ツールコントローラとを含んでもよい、ツールを提供してもよい。
【0005】
本発明のいくつかの実施形態は、略鉛直方向表面を清掃するためのシステムであって、このシステムは、略鉛直方向表面上を移動するための装置であって、清掃ツールコネクタ、フレーム、このフレームに接続され、第1の軸を中心として前記フレームに対して回転可能である第1のアーム、この第1のアームに接続された第1の真空吸着カップ、前記フレームに接続され、前記第1の軸と略平行である第2の軸を中心として前記フレームに対して回転可能である第2のアーム、この第2のアームに接続された第2の真空吸着カップ、前記第1の真空吸着カップ及び前記第2の真空吸着カップと流体連通している真空ポンプ、前記第1の真空吸着カップにおける真空の発生及び真空の解放を制御するための第1のバルブ、前記第2の真空吸着カップにおける真空の発生及び真空の解放を制御するための第2のバルブ、並びに前記第1のアーム及び前記第2のアームの回転、並びに前記真空ポンプ、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの動作を制御するためのコントローラを含んでもよい装置と、前記清掃ツールコネクタに接続可能な清掃ツールであって、前記略鉛直方向表面を清掃するために、略鉛直方向に、前記装置に対して移動可能である清掃ツールとを含んでもよい、システムを提供してもよい。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態は、略鉛直方向表面を清掃するためのシステムであって、前記略鉛直方向表面の上部に取り付け可能なレールと、このレールに沿って移動可能であり、清掃ツールコネクタを含むスライダ(滑動部)と、前記清掃ツールコネクタに接続可能な清掃ツールであって、前記略鉛直方向表面を清掃するために、略鉛直方向に、前記スライダに対して移動可能である清掃ツールとを含んでもよい、システムを提供してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の実施形態をよりよく理解するために、及び実施形態をどのように実施することができるかを示すために、これより、純粋に例として、添付の図面が参照される。添付の図面では、全体にわたって同様の数字は対応する要素又はセクションを示す。
【0008】
【
図1F】
図1F及び
図1Gは、本発明のいくつかの実施形態に係る、略鉛直方向表面上を移動するための装置の3次元図である。
【
図1G】
図1F及び
図1Gは、本発明のいくつかの実施形態に係る、略鉛直方向表面上を移動するための装置の3次元図である。
【
図1H】
図1Hは、本発明のいくつかの実施形態に係る、フレームの水平安定化のためのサブフレームを含む、略鉛直方向表面上を移動するための装置の概略図である。
【
図1I】
図1Iは、本発明のいくつかの実施形態に係る、フレームの水平安定化のためのサブフレームを含む、略鉛直方向表面上を移動するための装置の3次元図である。
【
図2】
図2は、本発明のいくつかの実施形態に係る、鉛直方向表面上での動作中の装置の水平移動の概略図を示す。
【
図3】
図3は、本発明のいくつかの実施形態に係る、鉛直方向表面上での動作中の装置の鉛直方向移動の概略図を示す。
【
図4】
図4は、本発明のいくつかの実施形態に係る、フレームの水平安定化のためのサブフレームを含む装置の、鉛直方向表面上での動作中の装置の鉛直方向移動の概略図を示す。
【
図5A】
図5Aは、本発明のいくつかの実施形態に係る、ベースユニット、鉛直方向表面上を移動するための装置、及び略鉛直方向表面を有する建物の概略図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明のいくつかの実施形態に係るベースユニットのブロック図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明のいくつかの実施形態に係る、鉛直方向表面上を移動するための装置を収容するための区画を有するベースユニットのブロック図である。
【
図6A】
図6A、
図6B、及び
図6Cは、本発明のいくつかの実施形態に係る、ツールの本体の前面と後面との間に形成された開口部内に配置されたプロペラと、ツールの対向する本体側面に配置された2つの対向するプロペラとを含む鉛直方向表面清掃ツールの概略図である。
【
図6B】
図6A、
図6B、及び
図6Cは、本発明のいくつかの実施形態に係る、ツールの本体の前面と後面との間に形成された開口部内に配置されたプロペラと、ツールの対向する本体側面に配置された2つの対向するプロペラとを含む鉛直方向表面清掃ツールの概略図である。
【
図6C】
図6A、
図6B、及び
図6Cは、本発明のいくつかの実施形態に係る、ツールの本体の前面と後面との間に形成された開口部内に配置されたプロペラと、ツールの対向する本体側面に配置された2つの対向するプロペラとを含む鉛直方向表面清掃ツールの概略図である。
【
図7】
図7は、本発明のいくつかの実施形態に係る、鉛直方向表面上での動作中に障害物を乗り越える鉛直方向表面清掃ツールの概略図を示す。
【
図8】
図8は、本発明のいくつかの実施形態に係る、鉛直方向表面上での動作中に鉛直方向表面に対して所望の鉛直方向配向を維持する鉛直方向表面清掃ツールの概略図を示す。
【
図9】
図9は、本発明のいくつかの実施形態に係る、2つのプロペラを含む鉛直方向表面清掃ツールの3次元図である。
【
図10A】
図10A及び
図10Bは、本発明のいくつかの実施形態に係る、ツールの本体前面及び本体後面を通して形成される開口部内に配置される3つのプロペラを含む、鉛直方向表面清掃ツールの3次元図である。
【
図10B】
図10A及び
図10Bは、本発明のいくつかの実施形態に係る、ツールの本体前面及び本体後面を通して形成される開口部内に配置される3つのプロペラを含む、鉛直方向表面清掃ツールの3次元図である。
【
図11A】
図11Aは、本発明のいくつかの実施形態に係る、建物の鉛直方向表面を清掃するためのシステムの3次元図である。
【
図11B】
図11B及び
図11Cは、本発明のいくつかの実施形態に係る、略鉛直方向表面上を移動するための装置及び鉛直方向表面を清掃するためのツールの3次元図である。
【
図11C】
図11B及び
図11Cは、本発明のいくつかの実施形態に係る、略鉛直方向表面上を移動するための装置及び鉛直方向表面を清掃するためのツールの3次元図である。
【
図12】
図12は、本発明のいくつかの実施形態に係る、建物の鉛直方向表面を清掃するためのシステムの概略図である。
【0009】
図示の簡潔かつ明確さを考慮して、図に示される要素は必ずしも一定の縮尺で描かれてはいないことが理解されよう。例えば、要素のうちのいくつかのものの寸法は、明確さを考慮して、他の要素に対して誇張されている場合がある。さらに、適切であると考えられる場合、参照番号は、対応する又は類似の要素を示すために複数の図にわたって繰り返される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、本発明の様々な態様が記載される。説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために、特定の構成及び詳細が示される。しかしながら、当業者には、本発明は本明細書に提示される特定の詳細を伴わずに実施することができるということも明らかであろう。さらには、周知の特徴は、本発明を不明瞭にしないために省略又は簡略化することができる。特に図面に関しては、示される詳細は、例示のためであり、本発明の説明的議論のみを目的とし、本発明の原理及び概念的側面の最も有用で容易に理解される記載であると考えられるものを提供するために提示されているということが強調される。この点に関して、本発明の基本的な理解に必要であるよりも詳細に本発明の構造的詳細を示す試みはなされておらず、図面とともに行われる説明が、本発明のいくつかの形態が実際にどのように実施できるかを当業者に明らかにする。
【0011】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載されるか又は図面に示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、様々な方法で実施又は実行することができる他の実施形態、及び開示された実施形態の組み合わせに適用可能である。本明細書で用いられる表現及び用語は、記述説明の目的のためであり、限定するものと見なされるべきではないことも理解されたい。
【0012】
特に明記しない限り、以下の議論から明らかなように、本明細書全体にわたる議論において、「処理」、「計算」、「コンピューティング」、「算出」、「決定」、「向上」等の用語を利用することは、コンピューティングシステムのレジスタ及び/若しくはメモリ内の例えば電子的な物理量として表されたデータを、コンピューティングシステムのメモリ、レジスタ、若しくは他のこのような情報を保存、送信、若しくは表示するデバイス内の物理量として同様に表された他のデータに操作並びに/若しくは変換するコンピュータ若しくはコンピューティングシステム、若しくは同様の電子コンピューティングデバイスのアクション並びに/又はプロセスを指すことが理解される。開示されるモジュール又はユニットのいずれも、コンピュータプロセッサによって少なくとも部分的に実装されてもよい。
【0013】
これより、本発明のいくつかの実施形態に係る、略鉛直方向表面上を移動するための装置100の概略図である
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、及び
図1Eを参照する。本発明のいくつかの実施形態に係る、略鉛直方向表面上を移動するための装置100の3次元図である
図1F及び
図1Gも参照される。
【0014】
装置100は、例えば建物の壁及び/若しくは窓等の鉛直方向(vertical)(又は略鉛直方向)表面上を移動してもよい。装置100が移動してもよい略鉛直方向表面は、地面の法線に対してわずかに、例えば0~20度以上の角度で、傾斜していてもよい。装置100は、鉛直方向(又は略鉛直方向)表面上を水平方向及び/又は鉛直方向に移動してもよい。
【0015】
装置100は、フレーム105を含んでもよい。装置100は、ツールコネクタ107を含んでもよい。ツールコネクタ107は、フレーム105に接続されてもよく、又はその一部であってもよい。ツールコネクタ107は、ツールを装置100に接続してもよい。例えば、鉛直方向表面を清掃(cleaning)するためのツール(例えば、以下で説明されるツール600、900、1000等)が、ツールコネクタ107によって装置100に接続されてもよい。ツールコネクタ107を使用して装置100に接続されてもよい追加のツールとしては、カメラ(例えば、赤外線カメラ等)、検査ツール(例えば、ソーラーパネル検査ツール等)、プロジェクタ、ランプ、保持ツール、又は任意の他の好適なツールを挙げてもよい。
【0016】
装置100は、筐体(ハウジング)108を含んでもよい。筐体108は、(例えば、
図1F及び
図1Gに示されるように)フレーム105に接続されてもよく、又はその一部であってもよい。筐体108は、ツールコネクタ107の少なくとも一部を収容してもよい。筐体108は、ツールコネクタ107を使用して装置100に接続されるツールを解放可能に収容してもよい。
【0017】
装置100は、ベースユニットコネクタ109を含んでもよい。ベースユニットコネクタ109は、フレーム105に接続されてもよく、又はその一部であってもよい。ベースユニットコネクタ109は、装置100を、例えば、ベースユニット(例えば、以下で説明される屋上ベースユニット500)に接続し、装置100をベースユニットに固定し、及び/又はベースユニットから装置100に少なくとも電力を供給してもよい。
【0018】
装置100は、第1のアーム110を含んでもよい。第1のアーム110は、フレーム105に接続されてもよく、第1の軸112を中心としてフレーム105に対して回転してもよい。いくつかの実施形態では、第1のアーム110は、その第1の端部110aにおいてフレーム105に接続される。装置100は、第1の軸112を中心として第1のアーム110を回転させるための第1のアクチュエータ114を含んでもよい。
【0019】
装置100は、第2のアーム120を含んでもよい。第2のアーム120は、フレーム105に接続されてもよく、第2の軸122を中心としてフレーム105に対して回転してもよい。第2の軸122は、第1の軸112と平行(又は略平行)であってもよい。いくつかの実施形態では、第2のアーム120は、その第1の端部120aにおいてフレーム105に接続される。装置100は、第2の軸122を中心として第2のアーム120を回転させるための第2のアクチュエータ124を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のアーム110及び第2のアーム120は、互いに対してフレーム105の反対(opposite)側に接続される。
【0020】
装置100は、第1の真空吸着カップ130を含んでもよい。第1の真空吸着カップ130は、第1アーム110に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の真空吸着カップ130は、第1のアーム110の第2の端部110bに接続される。第1の真空吸着カップ130は、1つ以上の第1の空洞134を含んでもよい。
【0021】
装置100は、第2の真空吸着カップ140を含んでもよい。第2の真空吸着カップ140は、第2のアーム120に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の真空吸着カップ140は、第2のアーム120の第2の端部120bに接続される。第2の真空吸着カップ140は、1つ以上の第2の空洞144を含んでもよい。
【0022】
装置100は、真空を発生するための真空ポンプ146を含んでもよい。装置100は、第1の真空吸着カップ130における真空の発生及び真空の解放(例えば、第1の真空吸着カップ130の1つ以上の第1の空洞134における真空の発生/解放)を制御するための第1のバルブ147を含んでもよい。装置100は、第2の真空吸着カップ140における真空の発生及び真空の解放(例えば、第2の真空吸着カップ140の1つ以上の第2の空洞144における真空の発生/解放)を制御するための第2のバルブ148を含んでもよい。いくつかの実施形態では、装置100は、第1の真空吸着カップ130において真空を発生するための第1の真空ポンプと、第2の真空吸着カップ140において真空を発生するための第2の真空ポンプとを含む(図示せず)。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の真空吸着カップ130及び第1のアーム110は、第1の軸112と平行(又は略平行)である第3の軸136を中心として互いに対して回転してもよい。装置100は、第3の軸136を中心として第1の真空吸着カップ130及び第1のアーム110を互いに対して回転させるための第3のアクチュエータ137を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の真空吸着カップ140及び第2のアーム120は、第2の軸122と平行(又は略平行)である第4の軸146を中心として互いに対して回転してもよい。装置100は、第4の軸146を中心として第1の真空吸着カップ140及び第2のアーム120を互いに対して回転させるための第4のアクチュエータ147を含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1の真空吸着カップ130及び第1のアーム110は、第1の軸112に垂直(又は略垂直)である第5の軸138を中心として互いに対して回転してもよい。装置100は、第5の軸138を中心として第1の真空吸着カップ130及び第1のアーム110を互いに対して回転させるための第5のアクチュエータ139を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の真空吸着カップ140及び第2のアーム120は、第2の軸122に垂直(又は略垂直)である第6の軸148を中心として互いに対して回転してもよい。装置100は、第6の軸148を中心として第2の真空吸着カップ140及び第2のアーム120を互いに対して回転させるための第6のアクチュエータ149を含んでもよい。
【0025】
装置100は、コントローラ150を含んでもよい。コントローラ150は、フレーム105に接続されるか、又はその上に配置されてもよい。コントローラ150は、(例えば、
図2、
図3、及び
図4に関して以下に説明されるように)鉛直方向表面上で所望の方向に装置100を移動させるために、真空ポンプ146、第1及び第2のバルブ147、148の動作、並びに第1及び第2のアーム110、120並びに第1及び第2の真空吸着カップ130、140の回転を制御してもよい。
【0026】
コントローラ150は、フレーム105に対する第1及び第2のアーム110、120の回転を制御してもよい。コントローラ150は、第1のアーム110及び第1の真空吸着カップ130の互いに対する回転を制御してもよい。コントローラ150は、第2のアーム120及び第2の真空吸着カップ140の互いに対する回転を制御してもよい。コントローラ150は、アクチュエータ114、124、137、139、147、149を制御して、装置100のそれぞれの構成要素を回転させてもよい。
【0027】
コントローラ150は、真空を発生させるように真空ポンプ146を制御してもよい。コントローラ150は、第1の真空吸着カップ130において真空を交互に発生及び解放し、第1の真空吸着カップ130を鉛直方向(又は略鉛直方向)表面に対して交互に付着及び脱着させるように、第1のバルブ147を制御してもよい。コントローラ150は、第2の真空吸着カップ140の1つ以上の空洞144において真空を交互に発生及び解放し、第2の真空吸着カップ140を鉛直方向(又は略鉛直方向)表面に対して交互に付着及び脱着させるように、第2のバルブ148を制御してもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、装置100は、1つ以上のカメラ152を含む。例えば、装置100は、カメラ152のアレイを含んでもよい。カメラ152は、(例えば、
図1Dに示されるように)装置100のフレーム105に接続されるか、又はその上に配置されてもよい。コントローラ150は、例えば、装置100を鉛直方向(又は略鉛直方向)表面上で所望の方向に移動させて、障害物を乗り越え、かつ/又は真空吸着付着(取り付け、attachment)に適切な鉛直方向(若しくは略鉛直方向)表面の部分を探すために、カメラ152からの画像に基づいて、真空ポンプ146、第1及び第2のバルブ147、148、第1及び第2のアーム110、120の回転、並びに第1及び第2の真空吸着カップ130、140の回転を制御してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、装置100は、第1の組のセンサ160及び第2の組のセンサ162を含む。例えば、第1の組のセンサ160は、第1の真空吸着カップ130内(例えば、第1の真空吸着カップ130の1つ以上の空洞134内)に配置されてもよく、第2の組のセンサ162は、第2の真空吸着カップ内(例えば、第2の真空吸着カップ140の1つ以上の空洞144内)に配置されてもよい。それぞれの第1及び第2の組のセンサ160、162は、距離センサ(例えば、ToFセンサ等)160a、162a、圧力センサ160c、162c、光学センサ160e、162e、又は任意の他の好適なセンサを含んでもよい。
【0030】
コントローラ150は、例えば、第1及び第2の組のセンサ160、162からの出力信号に基づいて、それぞれ第1及び第2の真空吸着カップ130、140の前方の鉛直方向表面の部分が真空吸着付着に適切である(例えば、十分に滑らかである)か否か、かつ/又は、それぞれ第1及び第2の真空吸着カップ130、140の付着を妨げうる障害物(例えば、窓枠等)を含むか否かを判定してもよい。コントローラ150は、例えば、障害物を乗り越え、かつ/又は真空吸着付着に適切な鉛直方向表面の部分を探すために、第1及び第2の組のセンサ160、162からの出力信号に基づいて、第1及び第2のバルブ147、148、並びに第1及び第2のアーム110、120並びに第1及び第2の真空吸着カップ130、140の回転を制御してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、装置100は通信ユニット166を含む。通信ユニット166は、フレーム105に接続されるか、又はその上に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、通信ユニット166は、モデム(変復調装置)及びアンテナを含む無線通信ユニットである。コントローラ150は、通信ユニット166を使用して情報を送信及び/又は受信してもよい。
【0032】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、フレーム105の水平安定化のためのサブフレーム170を含む、それぞれ、略鉛直方向表面上を移動するための装置100の概略図及び3次元図である、
図1H及び
図1Iを参照する。
【0033】
いくつかの実施形態では、装置100は、(たとえば、
図1H及び
図1Iに示されるような)サブフレーム170を含む。サブフレーム170は、フレーム105に接続されてもよい。サブフレーム170及びフレーム105は、第1の軸112及び第2の軸122に垂直(又は略垂直)である第7の軸172を中心として互いに対して回転してもよい。装置100は、サブフレーム170及びフレーム105を互いに対して回転させるための第7のアクチュエータ174を含んでもよい。
【0034】
第1のアーム110及び第2のアーム120は、サブフレーム170を介してフレーム105に接続されてもよい。例えば、第1のアーム110は、(例えば、その第1の端部110aにおいて)サブフレーム170に接続されてもよく、第1の軸112を中心としてサブフレーム170に対して回転してもよい。さらにこの例では、第2のアーム120は、(例えば、その第1の端部120aにおいて)サブフレーム170に接続されてもよく、第2の軸122を中心としてサブフレーム170に対して回転してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、装置100は、(例えば、
図1Fに示されるような)第3の組のセンサ176を含む。第3の組のセンサ176は、フレーム105に接続されるか、又はその上に配置されてもよい。第3の組のセンサ176は、1つ以上の加速度計センサ、1つ以上のジャイロセンサ、又は任意の他の好適なセンサ等の慣性センサを含んでもよい。装置100が第1及び/又は第2の真空吸着カップ130、140によって鉛直方向表面に付着されるか、又は鉛直方向表面に配置されているとき、コントローラ150は、実世界座標におけるフレーム105の水平(又は略水平)配向を維持するように、第3の組のセンサ176からの出力信号、アクチュエータ114、124、137、139、147、149のエンコーダからの出力信号、及び/又はカメラ152からの画像のうちの少なくとも1つに基づいて、サブフレーム170に対するフレーム105の回転を制御してもよい。例えば、
図4Bの
図100c-1~100c-4は、鉛直方向402における鉛直方向表面90上のサブフレーム170を有する装置100の動きを概略的に示す。
【0036】
いくつかの実施形態では、装置100は、第4の組のセンサ165を含む。第4の組のセンサ165及び/又はカメラ152からの出力信号に基づいて、コントローラ165は、(例えば、本明細書で説明するように)略鉛直方向表面上で装置100を移動させナビゲート(進路決定)するように、装置100の構成要素を制御してもよい。第4の組のセンサ165は、1つ以上の気圧計、1つ以上の全地球航法衛星システム(GNSS)センサ(例えば、全地球測位システム(GPS)センサ)、又は略鉛直方向表面上で装置100をナビゲートするために使用されてもよい任意の他の好適なセンサを含んでもよい。第4の組のセンサ165は、例えば、(例えば、
図1Dに示されるように)装置100のフレーム105に接続されるか、又はその上に配置されてもよい。コントローラ150は、(例えば、本明細書で説明されるような)第1の組のセンサ160、第2の組のセンサ162、カメラ152、第3の組のセンサ176、第4の組のセンサ165、及び/又はアクチュエータ114、124、137、139、147、149のエンコーダのうちの少なくとも1つからの出力信号に基づいて、鉛直方向(又は略鉛直方向)表面上で装置100を移動させナビゲートするように、装置100の構成要素を制御してもよい。
【0037】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、鉛直方向表面90上での動作中の装置100の水平移動の概略図を示す
図2を参照する。
【0038】
図200a~
図200gは、鉛直方向表面90及び装置100の上面図を概略的に示す。
図2の
図200a~200gは、鉛直方向表面90上での水平方向202における装置100の移動を概略的に示す。
【0039】
図200aにおいて、装置100は、真空ポンプ146並びに第1及び第2のバルブ147、148のそれぞれの動作により、第1及び第2の真空吸着カップ130、140によって鉛直方向表面90に付着される。真空ポンプ146、第1及び第2のバルブ147、148、並びにコントローラ150は、明確さを考慮して、
図2には示されていない。この段階では、装置100は静止している。第2の真空吸着カップ140を鉛直方向表面90から脱着するために、コントローラ150は、第2の真空吸着カップ140の1つ以上の空洞144から圧力を解放し、第2のアーム120を、第2の軸122を中心として
図200aの矢印204によって示される第1の方向にフレーム105に対して回転させるように、第2のバルブ148を制御してもよい。この段階では、装置100は、真空ポンプ146及び第1のバルブ147の動作により、第1の真空吸着カップ130によって鉛直方向表面90に付着されている。
【0040】
コントローラ150はさらに、水平方向202に第1の真空吸着カップ130に隣接する(又は実質的に隣接する)ように第2の真空吸着カップ140を移動させるために、第1のアーム110(鉛直方向表面90に付着されている)を、第3の軸136を中心として
図200bの矢印206によって示される第1の方向に第1の真空吸着カップ130に対して回転させ、第2のアーム120を、
図200bの矢印208によって示される第2の方向にフレーム105に対して回転させてもよい。
【0041】
コントローラ150はさらに、(例えば、
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、及び
図1Eに関して上記で説明されたように)例えば、第2の組のセンサ162及び/又はカメラ152からの出力信号に基づいて、第2の真空吸着カップ140の前方の鉛直方向表面90の部分が真空吸着付着に適切であるか否か、又は障害物を含むか否かを判定してもよい。第2の組のセンサ162及びカメラ152は、明確さを考慮して
図2には示されていない。鉛直方向表面90の部分が真空吸着付着に適していない、又は障害物を含むとコントローラ150が判定する場合、コントローラ150は、フレーム105に対して及び/又は第2の真空吸着カップ140に対して第2のアーム120を回転させ、かつ/又はフレーム105に対して及び/又は第1の真空吸着カップ130に対して第1のアーム110を回転させて、鉛直方向表面90に対する第2の真空吸着カップ140の位置を変更し、真空吸着付着に適切であるか又は障害物を含まない鉛直方向表面90の別の部分を探してもよい。第2の真空吸着カップ140の前方の鉛直方向表面90の部分が真空吸着付着に適切であり、障害物を含まないと判定すると、コントローラ150は、第2のアーム120を、
図200cの矢印210によって示される第2の方向に回転させて、第2の真空吸着カップ140を鉛直方向表面90と接触させてもよい。コントローラ150はさらに、第2の真空吸着カップ140を鉛直方向表面90に付着させるために、第2の真空吸着カップ140内に真空を発生するように第2のバルブ148を制御してもよい。この段階で、
図200dに示すように、装置100は、真空ポンプ146並びに第1及び第2のバルブ147、148の動作により、それぞれ第1及び第2の真空吸着カップ130、140によって鉛直方向表面90に付着される。
【0042】
第1の真空吸着カップ132を鉛直方向表面90から脱着するために、コントローラ150は、第1の真空吸着カップ130から真空を解放し、第1のアーム110を、第1の軸112を中心として
図200eの矢印212によって示される第2の方向にフレーム105に対して回転させるように、第1のバルブ147を制御してもよい。この段階では、装置100は、真空ポンプ146及び第1のバルブ147の動作により、第2の真空吸着カップ140によって鉛直方向表面90に付着されている。
【0043】
コントローラ150はさらに、第2のアーム120を、
図200fの矢印214によって示される第1の方向に第2の真空吸着カップ140(鉛直方向表面90に付着されている)に対して回転させ、第1のアーム110を、
図200fの矢印216によって示される第2の方向に回転させて、第1の真空吸着カップ130を水平方向202に第2の真空吸着カップ140から離してもよい。
【0044】
コントローラ150はさらに、例えば、第1の組のセンサ160及び/又はカメラ152からの出力信号に基づいて、第1の真空吸着カップ130の前方の鉛直方向表面90の部分が真空吸着付着に適切であるか否か、又は障害物を含むか否かを判定してもよい。第1の組のセンサ160は、明確さを考慮して
図2には示されていない。第1の真空吸着カップ130の前方の鉛直方向表面90の部分が真空吸着付着に適切であると判定すると、コントローラ150は、第1のアーム110を、
図200gの矢印218によって示される第1の方向に回転させて、第1の真空吸着カップ130を鉛直方向表面90と接触させてもよい。コントローラ150はさらに、第1の真空吸着カップ130を鉛直方向表面90に付着させるために、第1の真空吸着カップ130内に真空を発生するように第1のバルブ147を制御してもよい。この段階で、装置100は、真空ポンプ146並びに第1及び第2の真空ポンプ147、148の動作により、それぞれ第1及び第2の真空吸着カップ130、140によって鉛直方向表面90に付着される。
【0045】
図2は、鉛直方向表面90上での水平方向の装置100の一回の移動サイクルの例を示すことに留意されたい。さらに、水平の動きの間、装置100は、必ずしも、各ステージを通って、又は
図2に図示及び説明されるものと全く同じ順序で移動する必要がない場合があることに留意されたい。
【0046】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、鉛直方向表面90上での動作中の装置100の鉛直方向移動の概略図を示す
図3を参照する。
【0047】
図3の
図300a~300dは、鉛直方向表面90及び装置100の正面図を概略的に示す。
図3の
図300a~300dは、鉛直方向表面90上での鉛直方向302における装置100の移動を概略的に示す。
【0048】
図300aでは、装置100は、真空ポンプ146並びに第1及び第2のバルブ147、148の動作により、それぞれ第1及び第2の真空吸着カップ130、140によって鉛直方向表面90に付着されている。この段階では、装置100は水平(又は略水平)である。真空ポンプ146、第1及び第2のバルブ147、148、並びにコントローラ150は、明確さを考慮して、
図3には示されていない。第1の真空吸着カップ130を鉛直方向表面90から脱着するために、コントローラ150は、第1の真空吸着カップ130から真空を解放し、第2のアーム120を、第6の148を中心として、例えば、
図300aの矢印304によって示される第1の方向に第2の真空吸着カップ140に対して回転させるように、第1のバルブ147を制御してもよい。この段階では、装置100は、真空ポンプ146及び第2のバルブ148の動作により、第2の真空吸着カップ140によって鉛直方向表面90に付着されている。
【0049】
コントローラ150はさらに、第1の組のセンサ160及び/又はカメラ152からの出力信号に基づいて、第1の真空吸着カップ130の前方の鉛直方向表面90の部分が真空吸着付着に適切であるか否か、又は障害物を含むか否かを判定してもよい。第1の組のセンサ160は、明確さを考慮して
図3には示されていない。第1の真空吸着カップ130の前方の鉛直方向表面90の部分が真空吸着付着に適切であり、障害物を含まないと判定すると、コントローラ150は、第1の真空吸着カップ130を鉛直方向表面90に付着させるために、第1の真空吸着カップ130内に真空を発生するように第1のバルブ147を制御してもよい。この段階で、装置100は、真空ポンプ146並びに第1及び第2のバルブ147、148の動作により、それぞれ第1及び第2の真空吸着カップ130によって鉛直方向表面90に付着される。
【0050】
第2の真空吸着カップ140を鉛直方向表面90から脱着するために、コントローラ150は、第2の真空吸着カップ140から真空を解放し、第1のアーム110を、第5の軸138を中心として
図300bの矢印306によって示される第2の方向に第1の真空吸着カップ130(鉛直方向表面90に付着されている)に対して回転させるように、第2のバルブ148を制御してもよい。この段階では、装置100は、真空ポンプ146及び第1のバルブ147の動作により、第1の真空吸着カップ130によって鉛直方向表面90に付着されている。第2の真空吸着カップ140の前方の鉛直方向表面90の部分が真空吸着付着に適切であり、障害物を含まないと判定すると、コントローラ150は、第2の真空吸着カップ140を鉛直方向表面90に付着させるために、第2の真空吸着カップ140内に真空を発生させるように第2のバルブ148を制御してもよい。この段階で、装置100は、真空ポンプ146並びに第1及び第2のバルブ147、148の動作により、それぞれ第1及び第2の真空吸着カップ130、140によって鉛直方向表面90に付着される。
【0051】
第1の真空吸着カップ130を鉛直方向表面90から脱着するために、コントローラ150は、第1のバルブ147を制御し、第2のアーム120を、
図300cの矢印308によって示される第1の方向に第2の真空吸着カップ140(例えば、鉛直方向表面90に付着されている)に対して回転させてもよい。この段階で、装置100は、真空ポンプ146及び第2のバルブ148の動作により、第2の真空吸着カップ140によって鉛直方向表面90に付着されている。第1の真空吸着カップ130の前方の鉛直方向表面90の部分が真空吸着付着に適切であり、障害物を含まないと判定すると、コントローラ150は、第1の真空吸着カップ130を鉛直方向表面90に付着させるために、第1の真空吸着カップ130内に真空を発生させるように第1のバルブ147を制御してもよい。この段階で、装置100は、真空ポンプ146並びに第1及び第2のバルブ147、148の動作により、それぞれ装置の第1及び第2の真空吸着カップ130、140によって鉛直方向表面90に付着される。この段階では、装置100は水平(又は略水平)である。
【0052】
図3は、鉛直方向表面90上での1つの鉛直方向の装置100の一回の移動サイクルの例を示すことに留意されたい。さらに、鉛直方向の動きの間、装置100は、必ずしも、各ステージを通って、又は
図3に図示及び説明されるものと全く同じ順序で移動する必要がない場合があることに留意されたい。さらに、装置100は、鉛直方向及び水平方向の両方に同時に移動してもよいことに留意されたい。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態に係る、フレーム105の水平安定化のためのサブフレーム170を含む装置100の、鉛直方向表面90上での動作中の鉛直方向移動の概略図を示す
図4も参照する。
【0054】
図4の
図400a~400dは、鉛直方向表面90及び装置100の正面図を示す。
図4の
図400a~400dは、サブフレーム170を含む装置100の、鉛直方向表面90上での鉛直方向402の移動を概略的に示す。
図4に示されるように、装置100のフレーム105は、装置100の鉛直方向移動の間、水平のままである。
【0055】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、ベースユニット500、鉛直方向表面上を移動するための装置100、及び鉛直方向表面90を有する建物80の概略図である
図5Aを参照する。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態に係るベースユニット500のブロック図である
図5Bも参照する。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態に係る、鉛直方向表面上を移動するための装置100を収容するための区画530を有するベースユニット500のブロック図である
図5Cも参照する。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態は、ベースユニット500を提供してもよい。ベースユニット500は、鉛直方向表面90の上部、例えば建物80の屋根82に取り付けられてもよい。ベースユニット500は、鉛直方向(又は略鉛直方向)表面90上を移動する装置100を接続し、装置100を固定し、装置100に少なくとも電力を提供してもよい。例えば、ベースユニット500は、屋根82に恒久的に取り付けられてもよい。別の例では、ベースユニット500は屋根82に取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、ベースユニット500は、ベースユニット500の構成要素を制御するためのコントローラ510を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、ベースユニット500は、情報を送信及び受信するための通信サブユニット512を含む。例えば、通信サブユニット512は、装置100との間で情報を送信及び受信してもよい。いくつかの実施形態では、通信サブユニット512は、モデム及びアンテナを含む無線通信サブユニットである。
【0061】
いくつかの実施形態では、ベースユニット500は給電サブユニット514を含む。給電サブユニット514は、建物80の給電ラインに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、ベースユニット500は、建物80の給電ラインが故障した場合に電力を供給するための1つ以上の無停電電源(UPS)サブユニット515を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、ベースユニット500はケーブル516を含む。ケーブル516は、その第1の端部でベースユニット500に接続され、その第2の端部で装置100のツールコネクタ109に接続されてもよい。ケーブル516は、装置100をベースユニット500(従って、建物80の屋根82)に固定してもよい。例えば、装置100が建物80の鉛直方向表面90から意図せずに脱着した場合、ケーブル516は、装置100が地面に落下することを防止してもよい。いくつかの実施形態では、ケーブル516は、ベースユニット500の給電サブユニット514から及び/又はUPSサブユニット515から装置100に少なくとも電力を供給する。いくつかの実施形態では、ケーブル516は、装置100に通信チャネルを供給する。いくつかの実施形態では、ケーブル516は係留ケーブルである。いくつかの実施形態では、ベースユニット500は、装置100を固定するための、及び装置100に電力を供給するための異なるケーブルを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、ベースユニット500はウインチサブユニット518を含む。ウインチサブユニット518は、ケーブル516を交互に巻き取り送り出してもよい。いくつかの実施形態では、ベースユニット500は、ケーブル検査サブユニット520を含む。ケーブル検査サブユニット520は、ウインチサブユニット518に隣接して配置されてもよく、ウインチサブユニット518によるケーブル516の巻き上げ及び/又は巻き下げ中にケーブル516を検査してもよい。例えば、ケーブル検査サブユニット520は、その巻き取り及び/又は送り出し中にケーブル516の画像を取得し、その画像をコントローラ510に送信するためのカメラを含んでもよい。コントローラ510は、その画像に基づいて、ケーブル516が1つ以上の損傷セクションを含むか否かを判定してもよい。ケーブル516内の1つ以上の損傷セクションの判定に応じて、コントローラ510は、通信サブユニット512に、1人以上の許可された当事者に1つ以上のそれぞれの通知を送信させてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、装置100のコントローラ150は、ベースユニット500の構成要素を制御する。例えば、装置100のコントローラ150は、その通信ユニット166を使用して、ベースユニット500の通信サブユニット512に、ケーブル516を巻き取る又は送り出すコマンドを送信してもよい。通信サブユニット512によりコマンドを受信すると、ベースユニット500のコントローラ510は、それに応じてウインチサブユニット518を制御してもよい。装置100のコントローラ150及び通信ユニット166は、明確さを考慮して
図5A及び
図5Bには示されていない。
【0065】
いくつかの実施形態では、ベースユニット500は、(例えば、
図5Cに示されるように)装置100を収容するための区画530を含む。
図5Cの例では、ベースユニット500は、屋根82の縁部に隣接して位置決めされ、装置100を区画530に出入りさせる。装置100が使用されていないとき、装置100は、ベースユニット530の区画530内に収容されてもよい。装置100のコントローラ150は、例えば、装置100の構成要素及び/又はベースユニット500の構成要素を制御して、装置100をベースユニット500の区画530から出させるか、又は区画530に入らせてもよい。ベースユニット500は、区画530を開閉するためのドア532を含んでもよい。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態は、鉛直方向(又は略鉛直方向)表面を清掃するためのツール、例えば、以下に説明されるツール600、900及び100を提供してもよい。このツールは、本体と、本体に回転可能に接続されるか又は本体上に配置される1つ以上のブラシと、本体に接続されるか又は本体上に配置される1つ以上のプロペラとを含んでもよい。1つ以上のプロペラの少なくとも1つは、鉛直方向表面に対してツールを押し付けるように推力を生成してもよい。1つ以上のプロペラの少なくとも1つは、鉛直方向表面から離れるようにツールを押し付けるように推力を生成してもよい。1つ以上のプロペラのうちの少なくとも1つは、ツールの所望の鉛直方向配向を維持し、及び/又は鉛直方向表面に対してツールを安定させるように、推力を生成してもよい。鉛直方向(又は略鉛直方向)表面上での動作中に、ツールは、1つ以上のプロペラのうちの少なくとも1つによって生成される推力によって鉛直方向(又は略鉛直方向)表面に対して押し付けられてもよく、同時に、鉛直方向(又は略鉛直方向)表面に沿って垂直方向に移動され、そのブラシによって鉛直方向(又は略鉛直方向)表面を清掃してもよい。このツールは、鉛直方向(又は略鉛直方向)表面上の障害物を乗り越えてもよい。
【0067】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、鉛直方向表面清掃ツール600の本体610の前面612と後面613との間に形成された開口部内に配置されたプロペラ630と、鉛直方向表面清掃ツール600の対向する本体側面614、615上に配置される2つの対向するプロペラ635、638とを含む鉛直方向表面清掃ツール600の概略図である
図6A、
図6B、及び
図6Cを参照する。
【0068】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、
図6A、
図6B、及び
図6Cの鉛直方向表面清掃ツール600の3次元図である
図6Dを参照する。
【0069】
ツール600は、例えば、建物の壁及び/又は窓等の鉛直方向(又は略鉛直方向)表面を清掃してもよい。
【0070】
ツール600は、本体610を含んでもよい。本体610は、第1の本体端部610aと、第2の本体端部610bと、本体前面612(ツール600が動作しているときに鉛直方向表面に面する)と、本体後面613(ツール600が動作しているときに鉛直方向表面から離れる向きに面する)と、第1の長手方向本体側面614と、第2の長手方向本体側面615とを含んでもよい。少なくとも本体前面612(ツール600が動作しているときに鉛直方向表面に面する)は、平坦(又は略平坦)であってもよい。本体後面613(ツール600が動作しているときに鉛直方向表面から離れる向きに面する)は、平坦(又は略平坦)であってもよい。本体610は、平坦(又は略平坦)であってもよい。本体610は、第1の本体端部610aと第2の本体端部610bとの間に延在する中央長手方向本体軸616を含んでもよい。本体610は、第1の長手方向本体側面614と第2の長手方向本体側面615との間に延在する中央横方向本体軸617を含んでもよい。中央横方向本体軸617は、中央長手方向本体軸616に垂直であってもよい。
【0071】
ツール600は、本体610をケーブル70に接続するためのケーブルコネクタ618を含んでもよい。ケーブルコネクタ618は、例えば、本体610の第1の本体端部610aに配置されてもよい。ケーブル70は、例えば、鉛直方向表面上を移動することができる装置(例えば、上記で説明された装置100)、又は建物の屋根に搭載されるレール上を移動可能なスライダ(例えば、
図1010aに関して以下で説明されるスライダ1220)に接続されてもよい。ケーブル70は、鉛直方向表面に沿ってツール600の鉛直方向位置を調整するように、交互に巻かれるか又は巻かれてもよい。種々の実施形態では、装置100又はスライダ1220は、ケーブル70の巻き取り及び送り出しを制御する。
【0072】
ツール600は、1つ又は2つのブラシを含んでもよい。このブラシの各々は、第1及び第2の本体端部610a、610bの一方に接続されてもよい。ブラシは鉛直方向表面を清掃してもよい。例えば、ブラシは、鉛直方向表面から塵埃を取り除いてもよい。いくつかの実施形態では、ツール600は、第1の本体端部610aに接続された第1のブラシ620を含む。いくつかの実施形態では、第1のブラシ620は、中央長手方向本体軸616に垂直(又は略垂直)である第1のブラシ回転軸621を中心として本体610に対して回転してもよい。いくつかの実施形態では、装置100は、本体610の第2の端部610bに接続された第2のブラシ624を含む。いくつかの実施形態では、第2のブラシ624は、中央長手方向本体軸616に垂直(又は略垂直)である第2のブラシ回転軸625を中心として本体610に対して回転してもよい。
【0073】
ツール600は、第1のプロペラ630を含んでもよい。第1のプロペラ430は、本体610に接続されるか、又はその上に配置されてもよい。第1のプロペラ630は、本体前面612と本体後面613との間で本体610に形成された第1の開口部又はボア611a内に接続又は配置されてもよい。第1のプロペラ630は、中央長手方向本体軸616及び中央横方向本体軸617に垂直(又は略垂直)である第1のプロペラ回転軸631を中心として回転してもよい。ツール600は、第1のプロペラ630を回転させるための第1のモータ632を含んでもよい。第1のプロペラ630は、(例えば、
図6Aに示されるように)第1の方向633aに回転し、(例えば、
図7に示されるように)第1の方向634aに推力を生成し、ツール600を鉛直方向(又は略鉛直方向)表面に押し付けてもよい。第1のプロペラ630は、(例えば、
図6Aに示されるように)第2の方向633bに回転し、(例えば、
図7に示されるように)第2の方向634bに推力を生成し、ツール600を鉛直方向(又は略鉛直方向)表面から押し離してもよい。
【0074】
ツール600は、第1及び第2の長手方向本体側面614、615に接続されるか又はその上に配置される2つの対向するプロペラを含んでもよい。対向するプロペラ614、615は、例えば、ツール600の所望の鉛直方向配向を維持し、及び/又は鉛直方向(又は略鉛直方向)表面に対してツール600を安定させるように、第1及び第2の長手方向本体側面614、615に垂直な方向に推力を生成してもよい。
図6A~
図6Dの例では、ツール600は、第1の長手方向本体側面614に接続されるか又はその上に配置され、第1の長手方向本体側面614に垂直な方向に推力を生成するために、第1の長手方向本体側面614に垂直(又は略垂直)である第2のプロペラ軸636を中心として回転可能である第2のプロペラ635を含む。
図6A~
図6Dの同じ例において、ツール600は、第2の長手方向本体側面615に接続されるか又はその上に配置され、第2の長手方向本体側面615に垂直な方向に推力を生成するために、第2の長手方向本体側面615に垂直(又は略垂直)である第3のプロペラ軸639を中心として回転可能である第3のプロペラ638を含む。ツール600は、第2のプロペラ635を回転させるための第2のモータ636aと、第3のプロペラ638を回転させるための第3のモータ639aとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2のプロペラ636は、第1の長手方向本体側面614を通して形成された第2の開口部614a内に位置決めされ、第3のプロペラ638は、第2の長手方向本体側面615を通して形成された第3の開口部615a内に位置決めされる。第2及び第3のプロペラ635、638は、(例えば、
図8に関して以下で説明されるように)ツール600の所望の鉛直方向配向を維持し、及び/又は、例えば、鉛直方向(若しくは略鉛直方向)表面に対してツール600を安定させるように、例えば、突風に応答して、ツール600を安定させてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、ツール600は、液体タンク650と、本体610に接続されるか又はその上に配置される液体ディスペンサ652とを含む。液体タンク650は、液体(例えば、窓清掃液)を収容してもよい。液体ディスペンサ652は、鉛直方向表面(例えば、窓)上で液体タンク650から液体を分注してもよい。いくつかの実施形態では、ツール600は、第1の本体端部610aに接続されるか又はその上に配置されるスキージ(squeegee)654を含む。スキージ654は、鉛直方向表面から液体を掃き出して(取り除いて)もよい。いくつかの実施形態では、スキージ654は、第1のスキージ位置654aと第2のスキージ位置654bとの間で、中央横方向フレーム軸616と平行であるスキージ回転軸655を中心として回転してもよい。第1のスキージ位置654aでは、スキージ654は鉛直方向表面に接触し、そこから液体を掃き出してもよい。第2の位置654bでは、スキージ654は鉛直方向表面と接触しなくてもよい。
【0076】
ツール600は、コントローラ660を含んでもよい。コントローラ660は、ツール600のプロペラ630、636及び638を制御して、それぞれの方向に所望の推力を発生させてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、ツール600は、第1の本体端部610aにおいて本体610に接続されるか又はその上に配置される第1の組のセンサ662を含む。いくつかの実施形態では、ツール600は、第2の本体端部610bにおいて本体610に接続されるか又はその上に配置される第2の組のセンサ664を含む。それぞれの第1及び第2の組のセンサ662、664は、1つ以上の距離センサ(例えば、ToFセンサ)及び1つ以上の光学センサのうちの少なくとも1つを含む。コントローラ660は、第1及び第2の組のセンサ662、664からの出力信号に基づいて障害物を検出し、(例えば、
図7に関して以下で説明されるように)検出された障害物を乗り越えるようにツール600の少なくとも第1のプロペラ630を制御してもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、ツール600は、本体610に接続されるか又はその上に配置される第3の組のセンサ666を含む。第3の組のセンサ666は、例えば、1つ以上の加速度計、1つ以上のジャイロ等の慣性センサを含んでもよい。コントローラ666は、(例えば、
図8に関して以下で説明されるように)ツール600の所望の鉛直方向配向を維持し、かつ/又は、例えば、鉛直方向(若しくは略鉛直方向)表面に対してツール600を安定させるように、第3の組のセンサからの出力信号に基づいて、ツール600の少なくとも第2及び第3のプロペラ635、638を制御してもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、ツール600は、本体610に接続されるか又はその上に配置される通信ユニット668を含む。通信ユニット668は、情報を送信及び受信してもよい。いくつかの実施形態では、通信ユニット668は、モデム及びアンテナを含む無線通信ユニットである。例えば、通信ユニット668は、装置100、スライダ1220及び/又はベースユニット500との間で情報を送信及び受信してもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、ツール600は電源669を含む。いくつかの実施形態では、電源669は、蓄電池(再充電可能バッテリ)を含む。種々の実施形態では、ツール600は、(例えば、ケーブル70又は専用給電ケーブルを介して)装置100又はスライダ1220から電力を受け取る。
【0081】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、鉛直方向表面90上での動作中に障害物92を乗り越えるツール600の概略図を示す
図7を参照する。
【0082】
図7の
図700a~700dは、障害物92を有する鉛直方向表面90及びツール600の側面図を概略的に示す。
図7の
図700a~700dは、障害物92を乗り越えるツール600を概略的に示す。
【0083】
図700aでは、ツール600は、第1の方向633aに回転する第1のプロペラ630によって生成される推力634aによって鉛直方向表面90に押し付けられている。ツール600は、ケーブル70を送り出すことによって鉛直方向(例えば、下向き)702に移動させられている。鉛直方向表面90は、ツール600の鉛直方向移動を妨げうる障害物92を含んでもよい。例えば、障害物92は窓枠等であってもよい。ツール600のコントローラ660は、第1及び/又は第2の組のセンサ662、664からの出力信号に基づいて障害物92を検出してもよい。ツール600がケーブル70を巻き上げることによって鉛直方向表面90上で上方に(例えば、
図7に示される鉛直方向702とは反対の鉛直方向に)移動されているとき、障害物92は、ツール600が接続されるウインチのモータによって生成されるトルク値に基づいてさらに検出されてもよい。例えば、所定の閾値より高いトルクは、ツール600が障害物92により上方に移動できないことを示してもよい。コントローラ660並びに第1及び第2の組のセンサ662、664は、明確さを考慮して
図7には示されていない。
【0084】
障害物92を検出すると、コントローラ160は、
図700bに示されるように、第1のプロペラ630を第2の方向633bに回転するように制御して、ツール600を鉛直方向表面90から略水平方向704に押し離す推力634bを生成してもよい。
【0085】
ツール600は、
図700cに示されるように、ケーブル70をさらに送り出すことによって鉛直方向702にさらに移動されて、障害物92を乗り越えてもよい。
【0086】
コントローラ660はさらに、第1及び/又は第2の組のセンサ662、664からの出力信号に基づいて、鉛直方向表面90上にツール600の鉛直方向移動を妨げうる障害物がないことを判定してもよい。判定すると、コントローラ660はさらに、
図700dに示されるように、第1のプロペラ630を第1の方向633aに回転するように制御して、ツール600を鉛直方向表面90に押し付ける推力634aを生成してもよい。ツール600は、ケーブル70を送り出すことによって垂直方向702にさらに移動されてもよい。
【0087】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、鉛直方向表面90上での動作中に鉛直方向表面90に対して所望の鉛直方向配向を維持するツール600の概略図を示す
図8を参照する。
【0088】
図8の
図800a~800cは、鉛直方向表面90及びツール600の正面図を概略的に示す。
図8の
図800a~800cは、鉛直方向表面90に対して所望の鉛直方向配向を維持するツール600を概略的に示す。
【0089】
図800aでは、ツール600は、第1のプロペラ630によって生成される推力によって鉛直方向表面90に付着される。ツール600は、
図800aに示されるように、所望の垂直軸706と位置合わせされる(aligned)。
【0090】
ツール600は、例えば、
図800bに示されるように、例えば、突風により、所望の垂直軸706に対して、例えば、略水平方向708に変位させられる場合がある。コントローラ660は、第3の組のセンサ666からの出力信号に基づいて、ツール600の変位を判定してもよい。コントローラ660及び第3の組のセンサ666は、明確さを考慮して
図8には示されていない。
【0091】
コントローラ660はさらに、第2及び第3のプロペラ635、638の回転を制御し、
図800bに示されるように、それぞれの方向に推力635a、638aを生成し、
図800cに示されるように、ツール600を所望の垂直軸706と位置合わせし、かつ/又は、例えば、鉛直方向(若しくは略鉛直方向)表面に対してツール600を安定させてもよい。
【0092】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、2つのプロペラを含む鉛直方向表面清掃ツール900の概略図である
図9を参照する。
【0093】
ツール900は本体910を含んでもよい。本体910は、第1の本体端部910aと、第2の本体端部910bと、本体前面912(ツール900が動作しているときに鉛直方向表面に面する)と、平坦な本体後面913(ツール900が動作しているときに鉛直方向表面から離れる向きに面する)と、第1の長手方向本体側面914と、第2の長手方向本体側面915とを含んでもよい。本体910は、第1の本体端部910aと第2の本体端部910bとの間に延在する中央長手方向本体軸916を含んでもよい。少なくとも本体前面912(ツール900が動作しているときに鉛直方向表面に面する)は、平坦(又は略平坦)であってもよい。本体後面913は、平坦(又は略平坦)であってもよい。本体910は、平坦(又は略平坦)であってもよい。
【0094】
ツール900は、本体910をケーブル70(例えば、
図6A~
図6Dに関して上記で説明されたケーブル70)に接続するためのケーブルコネクタ918を含んでもよい。ケーブルコネクタ918は、例えば、本体910の第1の本体端部910aに配置されてもよい。
【0095】
ツール900は、1つ又は2つのブラシ、例えば、第1の本体端部910aに接続された第1のブラシ920及び第2の本体端部910bに接続された第2のブラシ924(例えば、それぞれ、
図6A~
図6Dに関して上記で説明された第1及び第2のブラシ620、624等)を含んでもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、ツール900は、鉛直方向表面に対してツール900を押し付ける、又はツール900を鉛直方向表面から押し離し、ツール900の所望の鉛直方向配向を維持するように推力を生成するための第1のプロペラ940及び第2のプロペラ945を含む。第1のプロペラ940及び第2のプロペラ945は、本体910に接続されるか、又はその上に配置されてもよい。
【0097】
例えば、第1のプロペラ940は、第1の長手方向本体側面914の一部である第1の窪み943内に接続又は配置されてもよい。第1のプロペラ940は、第1のフレーム(例えば、円形フレーム)941内に接続又は配置されてもよい。第1のプロペラ940は、中央長手方向本体軸916に垂直(又は略垂直)である第1のプロペラ回転軸942を中心として回転してもよい。第1のフレーム941は、中央長手方向本体軸916と平行(又は略平行)である第1のフレーム回転軸944を中心として、本体910に対して回転してもよい。ツール900は、第1のプロペラ回転軸942を中心として第1のプロペラ940を回転させるための第1のモータ(明確さを考慮して
図9には図示せず)を含んでもよい。ツール900は、第1の円形フレーム回転軸944を中心として第1の円形フレーム941を回転させるための第2のモータ(明確さを考慮して
図9には図示せず)を含んでもよい。
【0098】
この例では、第2のプロペラ945は、第2の長手方向本体側面915の一部である第2の窪み948内に接続又は配置されてもよい。第2のプロペラ945は、第2のフレーム(例えば、円形フレーム)946内に接続又は配置されてもよい。第2のプロペラ945は、中央長手方向本体軸916に垂直(又は略垂直)である第2のプロペラ回転軸947を中心として回転してもよい。第2のフレーム946は、中央長手方向本体軸916と平行(又は略平行)である第2の円形フレーム回転軸949を中心として本体910に対して回転してもよい。ツール900は、第2のプロペラ回転軸947を中心として第2のプロペラ945を回転させるための第3のモータ(明確さを考慮して
図9には図示せず)を含んでもよい。ツール900は、第2の円形フレーム回転軸949を中心として第2の円形フレーム946を回転させるための第4のモータ(明確さを考慮して
図9には図示せず)を含んでもよい。
【0099】
ツール900は、コントローラ960を含んでもよい。コントローラ960は、ツール900を鉛直方向表面に押し付ける、又はツール900を鉛直方向表面から押し離す、(例えば、
図7に関して上記で説明されたように)障害物を乗り越え、ツール900の所望の鉛直方向配向を維持し、かつ/又は(例えば、
図8に関して上記で説明されたように)ツール900を、例えば、鉛直方向(若しくは略鉛直方向)表面に対して安定させるためのための推力を生成するように、第1及び第2のプロペラ940、945の回転並びに第1及び第2のフレーム941、946の回転を制御してもよい。従って、第1及び第2のプロペラ940、945は、ツール600の第1、第2、及び第3のプロペラ630、635、638に取って代わってもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、ツール900は、本体910に(例えば、第1の本体端部910aにおいて)接続されるか又はその上に配置される第1の組のセンサと、本体910に(例えば、第2の本体端部910bにおいて)接続されるか又はその上に配置される第2の組のセンサとを含む。それぞれの第1及び第2の組のセンサは、1つ以上の距離センサ(例えば、ToFセンサ)及び1つ以上の光学センサのうちの少なくとも1つを含んでもよい。第1及び第2の組のセンサは、
図6A~
図6Cに関して上記で説明された第1及び第2の組のセンサ662、664と同様であってもよい。第1及び第2の組のセンサは、明確さを考慮して
図9には示されていない。コントローラ960は、第1及び第2の組のセンサからの出力信号に基づいて障害物を検出し、(例えば、
図7に関して上記で説明されたように)検出された障害物を乗り越えるように、第1及び第2のプロペラ940、945の回転並びに第1及び第2の円形フレーム941、946の回転を制御してもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、ツール900は、本体910に接続されるか又はその上に配置される第3の組のセンサを含む。第3の組のセンサは、例えば、1つ以上の加速度計、1つ以上のジャイロ等の慣性センサを含んでもよい。第3の組のセンサは、
図6A~
図6Cに関して上記で説明された第3の組のセンサ666と同様であってもよい。この第3の組のセンサは、明確さを考慮して
図9には示されていない。コントローラ960は、ツール900の所望の鉛直方向配向を維持し、かつ/又は(例えば、
図8に関して上記で説明されたように)、例えば、鉛直方向(若しくは略鉛直方向)表面に対してツール900を安定させるように、第3の組のセンサからの出力信号に基づいて、第1及び第2のプロペラ940、945の回転並びに第1及び第2の円形フレーム941、946の回転を制御してもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、ツール900は、液体タンク、液体ディスペンサ、及びスキージ(例えば、
図6A~
図6Cに関して上記で説明された液体タンク650、液体ディスペンサ652、及びスキージ654)を含む。いくつかの実施形態では、ツール900は、通信ユニット(例えば、
図6A~
図6Cに関して上記で説明された通信ユニット668等)を含む。いくつかの実施形態では、ツール900は、電源(例えば、電源669等)を含む。様々な実施形態では、ツール900は、(例えば、ケーブル70又は専用給電ケーブルを介して)装置100又はスライダ1220から電力を受け取る。
【0103】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、ツール1000の本体前面及び本体後面を通して形成される開口部内に配置される3つのプロペラを含む、鉛直方向表面清掃ツール1000の3次元図である
図10A及び
図10Bを参照する。
図10A及び
図1Bは、ツール1000の異なる斜視図を示す。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態に係る、
図10A~
図10Bの線AAに沿った鉛直方向表面清掃ツール1000の部分断面図である
図10Cも参照される。
【0105】
ツール1000は本体1010を含んでもよい。本体1010は、第1の本体端部1010aと、第2の本体端部1010bと、本体前面1012(ツール1000が動作しているときに鉛直方向表面に面する)と、本体後面1013(ツール1000が動作しているときに鉛直方向表面から離れる向きに面する)と、第1の長手方向本体側面1014と、第2の長手方向本体側面1015とを含んでもよい。本体1010は、第1の本体端部1010aと第2の本体端部1010bとの間に延在する中央長手方向本体軸1016を含んでもよい。本体1010は、平坦(又は略平坦)であってもよい。少なくとも本体前面1012(ツール1000が動作しているときに鉛直方向表面に面する)は、平坦(又は略平坦)であってもよい。本体後面1013は、平坦(又は略平坦)であってもよい。
【0106】
ツール1000は、本体1010をケーブル70(例えば、
図6A~
図6Dに関して本明細書中上記で説明されたケーブル70)に接続するためのケーブルコネクタ1018を含んでもよい。ケーブルコネクタ1018は、例えば、本体1010の第1の端部1010aに配置されてもよい。
【0107】
ツール900は、1つ又は2つのブラシ、例えば、第1の本体端部1010aに接続された第1のブラシ1020と、第2の本体端部1010bに接続された第2のブラシ1024(例えば、それぞれ、
図6A~
図6Dに関して上記で説明された第1及び第2のブラシ620、624等)とを含んでもよい。
【0108】
ツール1000は、ツール1000を鉛直方向表面に対して押し付けるように本体前面及び本体後面1012、1013に垂直(又は略垂直)である第1の方向に推力を生成するための第1のプロペラ1030を含んでもよい。第1のプロペラ1030は、本体1010に接続されるか、又はその上に配置されてもよい。例えば、第1のプロペラ1030は、本体前面及び本体後面1012、1013を通して形成される第1の開口部又はボア1011aに接続又は配置されてもよい。第1のプロペラ1030は、フレーム(例えば、円形フレーム)1031内に接続又は配置されてもよい。第1のプロペラ1030は、中央長手方向本体軸1016に垂直(又は略垂直)である第1のプロペラ回転軸1032を中心として回転し、ツール1000を鉛直方向表面に押し付ける推力を生成してもよい。フレーム1031は、中央長手方向本体軸1016を中心として本体1010に対して第1の開口部1011a内で回転してもよい。円形フレーム回転軸1034を中心とする円形フレーム1031及び第1のプロペラ1030の回転は、例えば、中央長手方向本体軸1016に対してツール1000を安定させてもよい。ツール1000は、第1のプロペラ回転軸1032を中心として第1のプロペラ1030を回転させるための第1のモータ1030aを含んでもよい。
【0109】
ツール1000は、第2のプロペラ1040及び第3のプロペラ1045を含んでもよい。第2及び第3のプロペラ1040、1045は、本体1010に接続されるか、又はその上に配置されてもよい。第2及び第3のプロペラ1040、1045は、本体前面及び本体後面1012、1013を通して形成される、それぞれ第2の開口部若しくはボア1011b及び第3の開口部若しくはボア1011c内に接続又は配置されてもよい。第2及び第3のプロペラ1040、1045は、互いに対して中央長手方向本体軸1016の反対(opposing)側に配置されてもよい。第2のプロペラ1040は、中央長手方向本体軸1016に垂直(又は略垂直)である第2のプロペラ回転軸1041を中心として回転してもよい。第3のプロペラ1045は、中央長手方向本体軸1016に垂直(又は略垂直)である第3のプロペラ回転軸1046を中心として回転してもよい。第2及び第3のプロペラ1040、1045は、平坦な本体表面1013に垂直(又は略垂直)であり、第1の方向と反対である第2の方向に推力を生成し、ツール1000を鉛直方向(又は略鉛直方向)表面から押し離してもよい。ツール1000は、第2のプロペラ1040を回転させるための第2のモータ1040aと、第3のプロペラ1045を回転させるための第3のモータ1045aとを含んでもよい。第2及び第3のプロペラ1040、1045の協調動作は、例えば、ツール1000が意図せずに中央長手方向本体軸1016を中心として反転する場合に、例えば、ツール1000を中央長手方向本体軸1016に対して反転させてもよい。
【0110】
ツール1000はコントローラ1050を含んでもよい。コントローラ1050は、(例えば、鉛直方向表面を清掃するために)ツール1000を鉛直方向表面に対して押し付ける、(例えば、
図7に関して上記で説明されたように障害物を乗り越えるために)ツール1000を鉛直方向表面から押し離す、(例えば、
図8に関して上記で説明されたように)ツール1000を安定化させ、かつ/又はツール1000の所望の鉛直方向配向を維持するための推力を生成するように、第1、第2及び第3のプロペラ1030、1040、1045の回転、並びに円形フレーム1031の回転を制御してもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、ツール1000は、第1の本体端部1010aにおいて本体1010に接続されるか又はその上に配置される第1の組のセンサ1052と、第2の本体端部1010bにおいて本体1010に接続されるか又はその上に配置される第2の組のセンサ1054とを含む。それぞれの第1及び第2の組のセンサ1052、1054は、1つ以上の距離センサ(例えば、ToFセンサ)及び1つ以上の光学センサのうちの少なくとも1つを含んでもよい。第1及び第2の組のセンサ1052、1054は、
図6A~
図6Cに関して上記で説明された第1及び第2の組のセンサ662、664と同様であってもよい。コントローラ1050は、第1及び第2の組のセンサ1052、1054からの出力信号に基づいて障害物を検出し、(例えば、
図7に関して上記で説明されたように)検出された障害物を乗り越えるように第1、第2及び第3のプロペラ1030、1040、1045の回転並びに第1の円形フレーム1031の回転を制御してもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、ツール1000は、本体1010に接続されるか又はその上に配置される第3の組のセンサ1056を含む。第3の組のセンサ1056は、例えば、1つ以上の加速度計、1つ以上のジャイロ等の慣性センサを含んでもよい。第3の組のセンサ1056は、
図6A~
図6Cに関して上記で説明された第3の組のセンサ666と同様であってもよい。コントローラ1050は、(例えば、
図8に関して上記で説明されたように)ツール1000を安定させ、かつ/又はツール1000の所望の鉛直方向配向を維持するように、第1、第2、及び第3のプロペラ1030、1040、1045の回転並びに円形フレーム1031の回転を制御してもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、ツール1000は、液体タンク、液体ディスペンサ、及びスキージ(例えば、
図6A~
図6Cに関して上記で説明された液体タンク650、液体ディスペンサ652、及びスキージ654等)を含む。いくつかの実施形態では、ツール1000は、通信ユニット(例えば、
図6A~
図6Cに関して上記で説明された通信ユニット668等)を含む。いくつかの実施形態では、ツール1000は、電源(例えば、電源669等)を含む。様々な実施形態では、ツール900は、(例えば、ケーブル70又は専用給電ケーブルを介して)装置100又はスライダ1220から電力を受け取る。
【0114】
ツール1000の1つの利点は、ツール1000が(例えば、上述のツール600、900と比較して)比較的大きい第1のプロペラ1030を有することである。比較的大きい第1のプロペラ1030は、より小さいプロペラと比較して、より効率的である場合があり、より少ない毎分回転数でより多くの空気流を生成する場合がある。
【0115】
いくつかの実施形態では、ツール1000は、(例えば、
図10B及び
図10Cに示すように)1つ以上の封止(sealing)部材1060を含む。封止部材1060は、例えば、(鉛直方向表面90に面する)本体前面1012上に配置されてもよい。例えば、ツール1000は、(例えば、
図10Bに示されるように)互いに対して第1のプロペラ1030/第1の開口部1011aの反対側で本体前面1012上に配置された2つの封止部材1060を含んでもよい。封止部材1060は、例えば、剛毛(例えばブラシ剛毛等)を含んでもよい。封止部材1060は、例えば、第1の開口部1011a内に陰圧を生成してもよい。この陰圧は、例えば、鉛直方向表面からの塵埃の清掃を向上させるために、例えば、真空清掃効果を提供してもよい。陰圧は、例えば、陰圧が生成されない場合と比較して、第1のプロペラ1030によって生成される雑音を低減させてもよい。
【0116】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、建物の鉛直方向表面を清掃するためのシステム1100の3次元図である
図11Aを参照する。
【0117】
また、本発明のいくつかの実施形態に係る、鉛直方向表面90上を移動するための装置100及び鉛直方向表面90を清掃するためのツール1110の3次元図である
図11B及び
図11Cも参照される。
【0118】
システム1100は、(例えば、
図1A~1I、
図2、
図3、
図4に関して上記で説明されたような)鉛直方向表面上を移動するための装置100と、(例えば、
図5A、
図5B及び
図5Cに関して上記で説明されたような)ベースユニット500と、鉛直方向表面を清掃するための清掃ツール1110(例えば、
図6A~
図6D、
図7、
図8、
図9及び
図10A~
図10Bに関して上記で説明されたツール600、ツール900又はツール1000等)を含んでもよい。ツール600は、清掃ツール1110として
図11A、
図11B、及び
図11Cに示されるが、清掃ツール1110は、ツール600、900、1000のうちのいずれか1つ、又は鉛直方向表面を清掃するための任意の他の好適なツールを含んでもよい。
【0119】
図11Aは、屋根82、並びに壁及び窓を含む鉛直方向表面90を有する建物80と、建物80上で動作し、その鉛直方向表面90を清掃するシステム1100との3次元図を示す。
図11Aは、(例えば、
図1A~
図1I、
図2、
図3、
図4に関して上記で説明されたような)建物80の鉛直方向表面90に付着された装置100を示す。装置100は、(例えば、
図2、
図3、
図4に関して上記で説明されたように)鉛直方向表面上を水平及び垂直方向に移動してもよい。
図11Aはさらに、(例えば、
図5A~
図5Bに関して上記で説明されたような)建物80の屋根82上に取り付けられ、ケーブル516を使用して装置100をベースユニット500/屋根82に固定し、及び/又は少なくとも電力を装置100に供給するベースユニット500を示す。
図11Aはさらに、(例えば、
図6A~
図6D、
図7、
図8、及び
図9に関して上記で説明されたように)装置100に接続され、建物80の鉛直方向表面90に対して鉛直方向に移動され、鉛直方向表面90を清掃することが可能な清掃ツール1110を示す。
【0120】
図11B及び
図11Cは、鉛直方向表面90に付着された装置100、及び装置100に接続され鉛直方向表面90を清掃するツール1110の3次元図を示す。
【0121】
ツール1110は、ケーブル180を使用して、装置100に接続されてもよい。ケーブル180は、その第1の端部でツール1110のケーブルコネクタに接続され、その第2の端部で装置100のツールコネクタのウインチ182に接続されてもよい。ウインチ182は、鉛直方向表面90に対するツール1110の垂直位置を調整するように、ケーブル180を交互に巻き取り送り出してもよい。
【0122】
装置100の筐体108は、ツール1110の少なくとも一部分を解放可能に受け入れてもよい。いくつかの実施形態では、装置100は、ツールが筐体108内に受け入れられている時にツール1110の蓄電池を充電するための電力インターフェース184を含む。いくつかの実施形態では、ツール1110は、(例えば、ケーブル180又は他のケーブルを介して)装置100から電力を受け取る。いくつかの実施形態では、装置100は、ツール1110が筐体108内に受け入れられている時にツール1110の液体タンクを満たすように、液体容器186を含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、装置100のコントローラ150は、システム1000の構成要素を制御する。例えば、コントローラ150は、建物80の鉛直方向表面90の清掃計画を記憶してもよく、その清掃計画に従ってシステム100の構成要素を制御してもよい。コントローラ150は、明確さを考慮して
図11A~
図11Cには示されていない。
【0124】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、建物の鉛直方向表面を清掃するためのシステム1200の概略図である
図12を参照する。
【0125】
システム1200は、1つ以上のレール1210を含んでもよい。レール1210は、建物80の屋根82に取り付けられてもよい。システム1200は、スライダ1220を含んでもよい。スライダ1220は、レール1210に接続されてもよく、例えば、水平方向に、レール1210上を滑動してもよい。
【0126】
システム1200は、鉛直方向表面を清掃するためのツール1225(例えば、
図6A~
図6D、
図7、
図8、
図9及び
図10A~
図10Bに関して上記で説明されたようなツール600、ツール900、ツール1000、又は鉛直方向表面を清掃するための任意の他の適切なツール等)を含んでもよい。
【0127】
ツール1225は、ケーブル1230を使用してスライダ1220に接続されてもよい。ケーブル1230は、その第1の端部でツール1225のケーブルコネクタに接続され、その第2の端部でスライダ1220のウインチ1222に接続されてもよい。ウインチ1222は、鉛直方向表面90に対するツール1225の垂直位置を調整するように、ケーブル1230を交互に巻き取り送り出してもよい。
【0128】
スライダ1220は、コントローラ1240を含んでもよい。コントローラ1240は、システム1200の構成要素を制御してもよい。例えば、コントローラ1240は、建物80の鉛直方向表面90の清掃計画を記憶してもよく、その清掃計画に従ってシステム1200の構成要素を制御してもよい。
【0129】
以上の説明において、一実施形態は、本発明の一例又は実施態様である。「1つの実施形態」、「一実施形態」、「特定の実施形態」又は「いくつかの実施形態」の様々な登場は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すものではない。本発明の様々な特徴は、単一の実施形態の文脈で説明されることがあるが、その特徴は、別々に又は任意の適切な組み合わせで提供されてもよい。逆に、本発明は、明確にするために別個の実施形態の文脈で本明細書に記載されることがあるが、本発明は、単一の実施形態で実施されてもよい。本発明の特定の実施形態は、上で開示された異なる実施形態からの特徴を含むことができ、特定の実施形態は、上で開示された他の実施形態からの要素を組み込むことができる。特定の実施形態の文脈における本発明の要素の開示は、特定の実施形態のみでの使用を限定するものとはみなされない。さらには、本発明は様々な方法で実行又は実施することができ、本発明は上記の説明で概説したもの以外の特定の実施形態で実施することができることを理解されたい。
【0130】
本発明は、上記の図又は対応する説明に限定されるものではない。例えば、フローは、図示された各ボックスや状態を通って移動する必要はなく、また、図示され説明されたものと全く同じ順序で移動する必要もない。本明細書で使用される技術用語及び科学用語の意味は、特に定義されていない限り、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものである。本発明は限られた数の実施形態に関して説明されてきたが、これらは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ好ましい実施形態の一部を例示するものであると解釈されるべきである。他の可能な変形例、変更例、及び応用例も、本発明の範囲内である。従って、本発明の範囲は、これまで説明してきた内容によって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びその法的な均等物によって限定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略鉛直方向表面を清掃するための装置であって、
本体であって、
第1の本体端部、第2の本体端部、及び前記第1の本体端部と前記第2の本体端部との間に延在する長手方向軸、
前記略鉛直方向表面に面する本体前面、
前記本体前面に対向して位置決めされた本体後面、並びに
前記本体前面と前記本体後面との間に前記本体を通して形成された開口部
を含む本体と、
前記本体の前記開口部内に配置されたプロペラであって、前記本体前面及び前記長手方向軸に略垂直であるプロペラ回転軸を中心として回転可能であるプロペラと、
前記本体をケーブルに接続するためのケーブルコネクタと、
前記プロペラの回転を制御するためのコントローラと
を含む、装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記装置を前記略鉛直方向表面に対して押し付けるための推力を生成するように、前記プロペラの回転を制御する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
互いに対して前記長手方向軸の反対側で前記本体上に配置された第2のプロペラ及び第3のプロペラを含む請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のプロペラは第2のプロペラ回転軸を中心として回転可能であり、前記第3のプロペラは、第3のプロペラ回転軸を中心として回転可能であり、前記第2のプロペラ回転軸及び前記第3のプロペラ回転軸は、前記本体前面及び前記長手方向軸に略垂直である請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第2のプロペラは第2のプロペラ回転軸を中心として回転可能であり、前記第3のプロペラは、第3のプロペラ回転軸を中心として回転可能であり、前記第2のプロペラ回転軸及び前記第3のプロペラ回転軸は、前記本体前面に略平行であり、かつ前記長手方向軸に略垂直である請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記装置を前記略鉛直方向表面に対して押し付けるための推力を生成するように、前記プロペラ、前記第2のプロペラ及び前記第3のプロペラのうちの少なくとも1つの回転を制御する請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記装置を前記略鉛直方向表面から押し離すための推力を生成するように、前記プロペラ、前記第2のプロペラ及び前記第3のプロペラのうちの少なくとも1つの回転を制御する請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記略鉛直方向表面上の障害物を乗り越えるように、前記プロペラ、前記第2のプロペラ及び前記第3のプロペラのうちの少なくとも1つの回転を制御する請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記装置の前記本体上に配置された1つ以上のセンサからの出力信号に基づいて障害物を検出する請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記1つ以上のセンサは、1つ以上の距離センサ及び1つ以上の光学センサのうちの少なくとも1つを含む請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記コントローラは、前記装置を前記略鉛直方向表面に対して安定させるように、前記プロペラ、前記第2のプロペラ及び前記第3のプロペラのうちの少なくとも1つの回転を制御する請求項3に記載の装置。
【請求項12】
前記コントローラは、前記略鉛直方向表面に対する前記装置の所望の鉛直方向配向を維持するように、前記プロペラ、前記第2のプロペラ及び前記第3のプロペラのうちの少なくとも1つの回転を制御する請求項3に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、前記装置の前記本体上に配置された1つ以上のセンサを含み、前記コントローラは、前記1つ以上のセンサからの出力信号に基づいて前記プロペラ、前記第2のプロペラ及び前記第3のプロペラのうちの少なくとも1つの回転を制御する請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記1つ以上のセンサは1つ以上の慣性センサを含む請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記装置が意図せずに前記長手方向軸を中心として反転する場合に、前記コントローラは、前記装置を前記長手方向軸を中心として反転して戻すように、前記プロペラ、前記第2のプロペラ及び前記第3のプロペラのうちの少なくとも1つの回転を制御する請求項3に記載の装置。
【請求項16】
前記本体前面上に配置された1つ以上の封止部材を含む請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記1つ以上の封止部材は、前記開口部内に陰圧を生成し、前記プロペラが回転しているときに、前記略鉛直方向表面の真空清掃効果を提供する請求項16に記載の装置。
【請求項18】
1つ又は2つのブラシを含み、前記1つ又は2つのブラシの各々は、前記第1の本体端部又は第2の本体端部の一方に回転可能に接続されている請求項1に記載の装置。
【外国語明細書】