(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178236
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ロータ
(51)【国際特許分類】
F16C 27/06 20060101AFI20241217BHJP
F16C 35/077 20060101ALI20241217BHJP
F16C 19/16 20060101ALI20241217BHJP
F16F 15/08 20060101ALI20241217BHJP
D01B 9/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
F16C27/06 B
F16C35/077
F16C19/16
F16F15/08 Y
D01B9/00
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024158100
(22)【出願日】2024-09-12
(62)【分割の表示】P 2022515553の分割
【原出願日】2020-09-09
(31)【優先権主張番号】19196413.9
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】500336306
【氏名又は名称】ロックウール アクティーゼルスカブ
【住所又は居所原語表記】Hovedgaden 584, 2640 Hedehusene, DENMARK
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソレンセン,ジェンズ ジョーレン
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンバーグ,ゴーム
(57)【要約】 (修正有)
【課題】人造ガラス質繊維(MMVF)の製造において使用するための採糸装置のためのロータ、および人造ガラス質繊維(MMVF)の製造方法に関する。
【解決手段】採糸装置のためのロータであって、ロータハウジングと、それぞれの軸受座内にそれぞれが着座した少なくとも2つの玉軸受を各軸受アセンブリが備える第1および第2の軸受アセンブリと、第1の軸受アセンブリと第2の軸受アセンブリとの間に回転可能に装着された実質的に水平なシャフトとを備え、複数の弾性ダンパが環状リングに配置され、各弾性ダンパは、第1の端部において軸受座に解放可能に接続され、第2の端部においてロータハウジングの内部壁に解放可能に接続されることを特徴とするロータ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
採糸装置のためのロータであって、
ロータハウジングと、
それぞれの軸受座内にそれぞれが着座した少なくとも2つの玉軸受を各軸受アセンブリが備える第1および第2の軸受アセンブリと、
前記第1の軸受アセンブリと前記第2の軸受アセンブリとの間に回転可能に装着された実質的に水平なシャフトとを備え、
複数の弾性ダンパが環状リングに配置され、各弾性ダンパは、第1の端部において前記軸受座に接続され、第2の端部において前記ロータハウジングの内部壁に接続されることを特徴とするロータ。
【請求項2】
各弾性ダンパは錐台であり、好ましくは、各弾性ダンパは円錐台形である、請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
複数の円錐台形の弾性ダンパを備え、各ダンパは、前記ロータハウジングの内部壁に隣接する前記ダンパの面においてより大きな直径を有し、前記軸受座に隣接する前記ダンパの面においてより小さな直径を有し、および/または、前記ダンパもしくは各ダンパは、ゴムダンパ、シリコーンダンパ、ネオプレンゴムダンパのいずれかである、請求項1または2に記載のロータ。
【請求項4】
前記複数の弾性ダンパは、約4000RPM~13000RPMの前記ロータの作業回転速度に適合される、請求項1から3のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項5】
前記ロータハウジングは、前記ロータハウジングのベースにおいて、前記ロータハウジングの上部表面より大きい壁厚を有し、好ましくは、前記ロータハウジングは、前記ロータハウジングの上部表面における壁厚より約5mm大きいベース壁厚を有し、および/または、前記ロータハウジングの内部プロファイルは非対称であり、および/または、前記軸受座は実質的に円筒形であり、前記ロータハウジングは実質的に円筒形であり、前記軸受座の中心軸は、前記ロータハウジングの中心軸からオフセットされている、請求項1から4のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項6】
前記ダンパもしくは各ダンパは、約55のショアA硬度を有し、および/または、前記ダンパリング剛性は、約5・105から約106N/mの間である、請求項1から5のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項7】
各ダンパは、前記軸受座に解放可能に接続するためのねじ山付きスクリュを備え、および/または、各ダンパは、前記ロータハウジングを通ってスクリュと解放可能に接続するためのねじ山付き開口を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項8】
環状に配置された約10個~約24個の円錐台形ダンパを備え、好ましくは、前記ダンパは、実質的に環状の軸受アセンブリ周りで互いに等距離である、請求項1から7のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項9】
前記軸受もしくは各軸受は、ハイブリッドアンギュラ玉軸受であり、および/または、前記玉軸受もしくは各玉軸受の内径は、約60mm~約75mmであり、および/または前記軸受は、セラミック材料製であり、および/または、2つのアンギュラコンタクト軸受間の距離は約20mmである、請求項1から8のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項10】
前記環状の軸受座と前記ロータハウジングの内部表面との間のクリアランスは、約14
mmであり、および/または、2つのアンギュラ玉軸受は、内部軸方向スペーサリングおよび外部軸方向スペーサリングによって離隔され、好ましくは、前記外部スペーサリングの幅は、前記内部スペーサリングの幅より小さく、より好ましくは、前記外部スペーサリングの幅は、前記内部スペーサリングの幅より約16μm~61μm小さい、請求項1から9のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項11】
シャフト直径(Dshaft)とシャフト長さ(Lshaft)との間の関係は、約101mm~1325mmのシャフト長さの範囲について、および20mm以上のシャフト直径の範囲について、および3*106N/m以下の座剛性(ダンパリング剛性)について、Dshaft(Lshaft)≧0.12*Lshaft-32mmとして定義される、請求項1から10のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項12】
前記シャフトの外部断面直径は、約100mmであり、および/または、前記シャフトは、約70mmの軸受座直径を有し、および/または、前記シャフトの長さは、約955mmであり、および/または、前記第1の軸受アセンブリの中心点と前記第2の軸受アセンブリの中心点との間の前記シャフトの長さは、約590mmである、請求項1から11のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項13】
前記軸受座または各軸受座の重量は、3kg以下である、請求項1から12のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の少なくとも3つのロータのセットを備える採糸装置であって、各ロータは、異なる実質的に水平な軸周りで回転するように装着され、前記ロータが回転しているとき、前記セット内の第1のロータの周部上に流し込まれるメルトが後続のロータのそれぞれの周部上に連続的に投入され、繊維が前記ロータから排出されるように配置される、採糸装置。
【請求項15】
人造ガラス質繊維(MMVF)の製造の方法であって、
異なる実質的に水平な軸周りで回転するようにそれぞれが装着された、請求項1から13のいずれか一項に記載の少なくとも3つのロータのセットを備える採糸装置を提供するステップであって、各ロータが駆動手段を有する、ステップと、
前記ロータを回転させるステップと、
人造ガラス質繊維(MMVF)を形成するためにミネラルメルトを提供するステップであって、前記メルトは、前記第1のロータの前記周部上に流し込まれる、ステップと、
形成された繊維を収集するステップとを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善されたロータに関し、詳細には、人造ガラス質繊維(MMVF)の製造において使用するための採糸装置のためのロータ、および人造ガラス質繊維(MMVF)の製造の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
採糸装置または(カスケード)スピナとして知られる紡糸デバイスが、絶縁材料を生産するための、たとえば石材もしくは岩石のミネラルメルトまたはスラグメルトもしくはガラスメルトから防音材料または断熱材料を提供するためのMMVFの製造に使用される。採糸装置は、ウェブ状の絶縁製品を生産するために、紡糸ホイールの上で溶融材料または溶岩を紡糸するためのロータのセットを有する。溶融石材または溶岩(「メルト」)が第1のロータからセットの残りのロータに連続的に投入され、ロータのそれぞれが回転するにつれて各ホイールから繊維が排出される。これらの繊維は、ストーンウール絶縁製品など絶縁製品の製造のために収集され、ロータのセットから取り去られる。
【0003】
スピナ内のロータは、非常に高速で動作する。スピナの高速および高加速の力を制御することにより、繊維、したがって生み出される絶縁の物理特性および性能特性が制御される。紡糸デバイスの速度および加速を増大することにより、紡糸される繊維を、改善された非常に望ましい断熱特性を有するより細い、より柔らかいものにすることができることが判明している。繊維がより細い場合、紡糸される繊維における伝導はより小さく、絶縁製品がより細い繊維製である場合、より多くの空気が絶縁製品内に保持されることが判明している。
【0004】
知られているスピナは、良好な断熱特性のために必要とされる非常に細い繊維を達成するために、約150km/s2の高速および加速度で動作する。各ロータホイールは、駆動端(DE)および非駆動端(NDE)のそれぞれにおける軸受間に懸吊された回転シャフトを備える。NDEにおけるシャフトは、ロータを越えて溶融材料が導かれるホイールへ通っているため、ロータのNDEおよびDEは、シャフトのそれぞれの端部から等距離ではない。シャフトのNDEは、事実上、軸受上に張り出し、ロータのNDEは、最も高い荷重を有することが判明している。紡糸中のDEおよびNDEにおけるロータメカニクスの振動は、ロータの各端部に着座した軸受に対する著しい摩耗、およびロータハウジングとスピナ本体との間に配置されたダンパに対する摩耗を引き起こす。知られているデバイスは、セット内の1つのロータから他のロータへ渡される振動を低減するために、ロータハウジングとスピナ本体との間に配置されたダンパを使用する。
【0005】
振動吸収手段として、ばねを使用することが知られている。米国特許第2,556,317号は、ラジアル圧縮ばねまたはゴムクッションが機械の軸受要素と静止フレームとの間で半径方向に配置された遠心分離器のための軸受アセンブリを開示している。WO2014/000799は、電気コンプレッサ/タービン発電機のためのばね減衰要素を開示している。減衰要素は、半径方向力を加えるために板ばねが受け取られる凹部を有するばね鋼リングである。
【0006】
しかし、採糸装置の紡糸のスケールおよび速度は、使用される軸受に対して非常に高い荷重を加え、その結果、摩耗した軸受を頻繁に交換することを必要とする。典型的には、本発明のロータが使用される4ホイールスピナは、1時間あたり5~6トンのストーンウールを生産し、その結果、保守による「ダウンタイム」の削減は、生産することができる製品の体積を著しく増大する。
【0007】
採糸スピナ内のロータは、それぞれが実質的に水平な軸周りに配置され、その結果、重力が不釣り合いを助長するのでロータ軸受に対する摩耗が助長され、これは軸受に対する変わりやすい摩耗をもたらす。各ロータに加えられる力の不釣り合いは、メルトがロータホイール上に投入されることによって引き起こされることも判明している。ロータメカニクスの不均一な摩耗、または溶融材料が導かれるロータアセンブリの外面の摩耗があると、不釣り合いが悪化する。一例は、ロータ上の固化したメルトの層の堆積、いわゆる「フリーズライニング」であり、これは不均一なものとなり得、不釣り合いを引き起こすエリア内で脱離し得る。これらの要因の組合せにより、既存のスピナ内で使用される軸受は、望ましいものよりはるかに早く摩耗し、保守のためにスピナを生産から外すことを必要とする。したがって、平均故障間隔を増大するためにロータ構成および動力学を改善することが著しく求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ロータの軸受に対する摩耗を引き起こす不釣り合いおよび高い回転力に関連する上記の問題に対処する、採糸装置のための改善されたロータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様では、本発明は、採糸装置のためのロータであって、ロータハウジングと、それぞれの軸受座内にそれぞれが着座した少なくとも2つの玉軸受を各軸受アセンブリが備える第1および第2の軸受アセンブリと、第1の軸受アセンブリと第2の軸受アセンブリとの間に回転可能に装着された実質的に水平なシャフトと、環状リングに配置された複数の弾性ダンパとを備え、各弾性ダンパは、第1の端部において軸受座に解放可能に接続され、第2の端部においてロータハウジングの内部壁に解放可能に接続される、ロータを提供する。
【0010】
本発明の文脈では、「ロータ」は、回転アセンブリを指すと理解され、「シャフト」は、回転出力を伝達するために使用される長い円筒形の回転棒を指すと理解され、「ダンパ」は、振動を抑制または吸収するためのデバイスと理解され、ロータハウジングの「内部壁」は、ロータのシャフトに向かって面する壁と理解されることを理解されたい。
【0011】
好ましくは、各弾性ダンパは錐台であり、より好ましくは、各弾性ダンパは円錐台形である。
【0012】
本発明は、軸受に対する摩耗を低減し、その結果、ロータは、スピナによって加えられる高速および著しい荷重に耐えることができる。複数の弾性ダンパの環状配置は、本発明の高速スピナにおいて発生する不安定に対して特によく適している。本発明は、タービンに使用され、知られている解決策に勝る著しい改善である。たとえば、弾性のリング形のばねまたはダンパは、本発明によって達成される改善された平均故障間隔を達成するほど軸受を十分に保護しない。本発明の「柔らかい」サスペンションは、軸受/ロータの平均故障間隔を著しく増大し、その結果、保守時間を削減することによって採糸装置の効率を改善する。軸受座に、およびロータハウジングの内部壁に弾性ダンパを解放可能に接続することにより、ダンパは、圧縮でも引張りでも働き、軸受の平均故障間隔の著しい増大をもたらすようになる。本発明ダンパの固有振動数に伴う潜在的な問題を回避し、ばねを使用するとき、たとえばばねが1つの端部で接触を失った場合発生し得る作用の喪失を回避する。
【0013】
複数の円錐台形ダンパを使用することにより、ロータ速度が軸受にとっての臨界超過速度に達するときでさえ、軸受に対する荷重を著しく低減することができることが判明している。例として、本発明の柔らかいサスペンションがある場合とない場合での13500RPMでのテストは、2760Nから192Nの動荷重の低減を示した。
【0014】
複数の円錐台形ダンパは、紡糸ロータの高速/高加速および不釣り合いによって生成される振動の改善された吸収を提供することによって、軸受の内部摩耗を最小限にする。事実上、各ダンパは、軸受アセンブリに加えられる静荷重にも動荷重にも耐えるために最も必要とされる場合、より弾性の材料を提供するように配置され形作られる。錐台、円錐形、または円錐台形のダンパが、軸受サスペンションにおいて静荷重にも動荷重にもより良好に耐えることが実証されている。シャフトが高速で回転しているとき、たとえばメルトが流し込まれる、または繊維が排出されるとき発生する不釣り合いは、軸受アセンブリに加えられる力に従って伸長または収縮する弾性ダンパによって吸収される。本発明の解決策は、採糸装置と共に使用することに特に適しており、環状リングに配置されるゴムの体積および剛性を最適化し、軸受の寿命を延ばすように慎重に構成されている。最適な選択は、スピナの制約内でゴムの体積を最大化し、一方、サスペンションを可能な限り「柔らかい」ものにすることであることが判明している。
【0015】
任意選択で、各弾性ダンパは円筒形である。代替として、各弾性ダンパは、角錐の錐台である。しかし、好ましくは、各弾性ダンパは、回転対称である。
【0016】
スピナの軸受座におけるダンパの装着しやすさは、ダンパが回転対称を有することによって、すなわちダンパがそれらの中心軸周りで回転対称であることによって改善される。
【0017】
好ましくは、ロータは、軸受座とロータハウジングの内部壁との間で環状リングを形成する複数の円錐台形の弾性ダンパを備える。
【0018】
好ましくは、ロータは、複数の円錐台形の弾性ダンパを備え、各ダンパは、ロータハウジングの内部壁においてより大きな直径を有し、軸受座においてより小さな直径を有する。
【0019】
好ましくは、各ダンパは、軸受座に解放可能に接続するためのねじ山付きスクリュを備え、および/または、各ダンパは、ロータハウジングを通ってスクリュと解放可能に接続するためのねじ山付き開口を備える。
【0020】
好ましくは、ロータハウジングは、ダンパ内のねじ山付き開口によって受け取られ得る少なくとも1つのねじ山付きスクリュをさらに備える。
【0021】
各ダンパの解放可能な接続は、早く好都合な交換を可能にし、ロータの保守の効率を改善する。
【0022】
好ましくは、ロータハウジングは、ロータハウジングのベースにおいて、ロータハウジングの上部表面より大きな壁厚を有する。
【0023】
好ましくは、ロータハウジングは、ベース壁厚が約2mm~約3mm増大され、ロータハウジングの上部壁厚がそれに応じて減少される点で、増大したベース壁厚および減少した上部壁厚を有し、より好ましくは、ロータハウジングは、約2.2mm~約2.7mm増大されたベース壁厚を有し、ロータハウジングの上部壁厚はそれに応じて減少され、最も好ましくは、ロータハウジングは、約2.5mm増大されたベース壁厚と、ロータハウジングの標準的な壁厚に比較したとき約2.5mm減少されたロータハウジングの上部壁厚とを有する。
【0024】
好ましくは、軸受座は実質的に円筒形であり、ロータハウジングは実質的に円筒形であり、軸受座の中心軸は、ロータハウジングの中心軸からオフセットされている。
【0025】
「ベース壁厚」は、使用時に床に最も近いエリアにおけるロータハウジング壁の厚さを指すことを理解されたい。「上部壁厚」は、使用時に床から最も遠いエリアにおけるロータハウジング壁の厚さを指す。
【0026】
好ましくは、ロータハウジングの内部プロファイルは非対称である。
【0027】
ロータハウジングのベースにおける、より大きな壁厚は、事実上ホイールを持ち上げ、張出し作用、すなわち張り出すホイールに対する重力の作用を補償し、その結果、ロータを所望の位置に調整することによって紡糸プロセスにおける潜在的な問題を低減することが判明している。たとえば、潜在的な問題は、様々な補助設備、たとえば空気ノズルまたはバインダ供給ノズルがホイールと位置合わせされないとき生じる。
【0028】
好ましくは、環状の軸受座とロータハウジングの内部表面との間のクリアランスは、約10mm~約18mm、より好ましくは、約12mm~約16mm、最も好ましくは、約14mmである。
【0029】
環状の軸受座とロータハウジングの内部面との間のクリアランスを増大することによって、環状の軸受座とロータハウジングの内部表面との間に留まっている屑/スラグによる故障の危険が著しく低減されることが判明している。クリアランス内に屑/スラグ留まっている場合、サスペンションはもはや動くことができなくなり、軸受が損傷する。本発明の構成は、この故障原因が解消されることを確実にする。
【0030】
好ましくは、各ダンパの高さは、約20mm~約30mmであり、より好ましくは、各ダンパの高さは、約22mm~約27mmであり、最も好ましくは、各ダンパの高さは、約25mmである。
【0031】
好ましくは、各ダンパの外部面は、約18mm~約22mmの直径を有し、より好ましくは、各ダンパの外部面は、約19mm~約21mmの直径を有し、最も好ましくは、各ダンパの外部面は、約20mmの直径を有する。
【0032】
ダンパの「外部」面は、ロータハウジングに隣接する面を指すことを理解されたい。
【0033】
好ましくは、各ダンパの内部面は、約25mm~約29mmの直径を有し、より好ましくは、各ダンパの内部面は、約26mm~約28mmの直径を有し、最も好ましくは、各ダンパの内部面は、約27mmの直径を有する。
【0034】
ダンパの「内部」面は、軸受座に隣接する面を指すことを理解されたい。
【0035】
好ましくは、各ダンパの総体積は、約35,000mm3~約45,000mm3であり、より好ましくは、各ダンパの総体積は、約39,000mm3~約44,000mm3であり、最も好ましくは、各ダンパの総体積は、約43,000mm3である。
【0036】
好ましくは、当該ダンパまたは各ダンパは、ゴムダンパである。
【0037】
任意選択で、当該ダンパまたは各ダンパは、シリコーンダンパである。
【0038】
好ましくは、当該ダンパまたは各ダンパは、ネオプレンゴムダンパである。
【0039】
好ましくは、当該ダンパまたは各ダンパは、40~60のショアA硬度を有し、より好ましくは、当該ダンパまたは各ダンパは、約55のショアA硬度を有する。
【0040】
好ましくは、ダンパリング剛性は、約5・105N/m~106N/mであり、より好ましくは、ダンパリング剛性は、106N/m以下である。
【0041】
「ダンパリング剛性」は、環状に配置された総数のダンパの総剛性と理解される。
【0042】
ダンパリング剛性が低すぎる場合、これは、ホイールを望ましいものより大きい程度で垂れ下がらせることになり、一方、ダンパリング剛性が高すぎる場合、軸受の寿命が短縮されることになることが判明している。さらに、ダンパリング剛性が低すぎる場合、ロータが望ましいものより大きく動き、モータに対するカップリングまたは部品間の接触に対して著しい動きがあるので、これは損傷を引き起こす可能性がある。ダンパリング剛性を最適化することによって、ロータの振動および不釣り合いを正確に補償し、軸受に対する摩耗を低減し、ロータの寿命を増大することができる。厳しいテストにより、より大きな体積のより柔らかいゴムの方が、より小さな体積のより剛性の高いゴムより、より効果的に動作することが示されている。本発明のダンパリング剛性は、約4000RPM~13000RPMの作業回転速度に対して最適化されている。軸受寿命は、標準的な動作条件下でどれだけ長く玉軸受が持ちこたえるとユーザが期待することができるかというものであり、これは、軸受荷重の量に依存することが判明しており、回転数で計算され、その結果、1回転当たりの時間、および軸受が連続回転している時間の割合が軸受寿命を決定するために使用されることを理解されたい。
【0043】
好ましくは、第1の軸受アセンブリは、ロータの非駆動端にあり、10個~24個のダンパを備え、より好ましくは、第1の軸受アセンブリは、ロータの非駆動端にあり、20個のダンパを備える。好ましくは、第2の軸受アセンブリは、ロータの駆動端にあり、10個~24個のダンパを備え、より好ましくは、第2の軸受アセンブリは、ロータの駆動端にあり、18個のダンパを備える。
【0044】
本発明の「柔らかい」サスペンションにおけるゴムの体積、およびダンパの数は、摩耗に耐えるように慎重に選択されている。すべてのロータサイズについて、必要とされる寿命を提供し、一方、不釣り合いが補償されることを確実にするために、最適な数のゴムダンパが使用される。
【0045】
好ましくは、ロータは、環状に配置された約10個~約24個の円錐台形ダンパを備える。より好ましくは、ロータは、実質的に環状の軸受アセンブリ周りで互いに等距離で、環状に配置された約10個~約24個の円錐台形ダンパを備える。
【0046】
好ましくは、当該軸受または各軸受は、玉軸受、より好ましくは、アンギュラコンタクト玉軸受である。
【0047】
好ましくは、当該軸受または各軸受は、鋼ライニングと、セラミック材料製の玉とを有するハイブリッドアンギュラ玉軸受である。
【0048】
好ましくは、当該玉軸受または各玉軸受の内径は、約40mm~約80mmであり、より好ましくは、当該玉軸受または各玉軸受の直径は、約60mm~約70mmであり、最も好ましくは、当該玉軸受または各玉軸受の直径は、約70mmである。
【0049】
小さい直径は、軸受の寿命を増大するが、小さすぎる直径は、ホイールをシャフト上に嵌装することに鑑みて問題である(シャフト上の接触面が小さくなりすぎる)。
【0050】
好ましくは、軸受アセンブリは、離隔されて設けられた2つのアンギュラコンタクト玉軸受を備える。
【0051】
好ましくは、2つのアンギュラコンタクト軸受間の距離は、約10mm~約30mmであり、より好ましくは、2つのアンギュラコンタクト軸受間の距離は、約15mm~約25mmであり、最も好ましくは、2つのアンギュラコンタクト軸受間の距離は、約20mmである。
【0052】
好ましくは、各アンギュラコンタクト玉軸受の接触角は、約15°である。
【0053】
好ましくは、軸受アセンブリは、内部軸方向スペーサリングおよび外部軸方向スペーサリングによってそれぞれが離隔される2つのアンギュラ玉軸受を備える。
【0054】
ロータが使用されているとき、ロータのシャフトと軸受座との間に著しい温度差があることが判明している。冷えているとき、シャフトは、より小さな直径、および軸受に対する圧力方向に関するより大きな圧力角を有することになる。温かいとき、シャフトは、より大きな直径に伸長することになり、軸受に対する圧力角は、減少することになる。内部軸方向スペーサリングおよび外部軸方向スペーサリングを備えるように軸受アセンブリを構成することにより、予想される温度差が可能になり、その結果、玉軸受は、「がたつく」ことがなく、またははるかに大きな圧力が加えられ、しかし所望の位置にある。
【0055】
好ましくは、外部スペーサリングの幅は、内部スペーサリングの幅より小さい。
【0056】
好ましくは、外部スペーサリングの幅は、内部スペーサリングの幅より約10μm~約70μm小さく、より好ましくは、外部スペーサリングの幅は、内部スペーサリングの幅より約61μm小さい。
【0057】
好ましくは、当該スペーサリングまたは各スペーサリングは鋼である。
【0058】
好ましくは、シャフトは、実質的に円筒形である。
【0059】
好ましくは、シャフトの外部断面直径は、約80mm~約120mm、より好ましくは、約100mmである。
【0060】
直径を増大することにより、シャフトがより剛性になり、それによりシステムの動的挙動に肯定的な影響を及ぼすが、重量およびコストに否定的な影響を及ぼすので、本発明のシャフトの直径は折衷案である。本システムのために直径を30mmで選択した場合、シャフトの可撓性は、シャフトが12,000RPMの臨界速度で回転し、決定的に曲がることを意味することになる。
【0061】
好ましくは、シャフト直径(Dshaft)とシャフト長さ(Lshaft)との間の関係は、約101mm~約1325mmのシャフト長さの範囲について、および20mm以上のシャフト直径の範囲について、および3*106N/m以下の座剛性(ダンパリング剛性)について、Dshaft(Lshaft)≧0.12*Lshaft-32mmとして定義される。
【0062】
シャフトの「太さ」とも称される断面直径を増大することによって、回転しているときシャフトによって生成される振動が著しく低減される。振動を低減することによって、可動部品に対する摩耗、およびデバイスの不釣り合いが低減され、その結果、平均故障間隔が増大される。
【0063】
好ましくは、第1の軸受アセンブリの中心点と第2の軸受アセンブリの中心点との間のシャフトの長さは、約530mm~約590mm、より好ましくは、約590mmである。
【0064】
好ましくは、シャフトの全長は、約800mm~約1200mm、好ましくは、約1000mmである。
【0065】
好ましくは、シャフトは鋼である。
【0066】
好ましくは、当該軸受座または各軸受座の重量は、約1.5kg~約3.5kg、好ましくは、約2kg~約3kgであり、より好ましくは、各軸受座の重量は約3kgである。
【0067】
軸受座の質量を削減することにより、振動、その結果軸受に対する摩耗が減少し、その結果、軸受の寿命および平均故障間隔が増大されることが判明している。
【0068】
好ましくは、軸受座は、ダンパ、好ましくは円錐台形ダンパをそれぞれが受け取る複数の実質的に円筒形凹部を有する環状リングである。任意選択で、軸受座は、ダンパ、好ましくは円錐台形ダンパをそれぞれが受け取る複数の切頭円筒形凹部を有する環状リングである。
【0069】
軸受座の重量を最小限にすることによって、軸受に対する荷重が低減される。軸受座の形状および構成は、ダンパを確実に保持し、一方、保守のために、また玉軸受にアクセスするために、ダンパの容易な除去を可能にする。
【0070】
好ましくは、ロータの最大回転速度は、約13,000RPMである。
【0071】
好ましくは、ロータの回転速度は、約6,000RPM~約13,000RPMである。
【0072】
好ましくは、ロータは、冷却システムをさらに備える。
【0073】
好ましくは、冷却システムは、少なくとも1つの流体入口と、少なくとも1つの流体出口とを備え、それらの間の少なくとも1つのチャネルが、ロータの少なくとも1つの軸受座を通過している。
【0074】
本発明の冷却システムは、軸受座間の温度変化(ΔT)を実質的に一定にすることを可能にする。したがって、玉軸受の温度を低減することができる。また、冷却システムは、ゴムダンパの温度が低く保たれることを確実にし、その結果、最大温度は、約50~60°Cで維持される。
【0075】
好ましくは、ロータは、水冷される。
【0076】
好ましくは、ロータは、空気流システムをさらに備える。
【0077】
好ましくは、ロータは、空気流パージシステムをさらに備える。
【0078】
本発明は、過酷な環境内で動作し、軸受は、開いたハウジング設計により比較的露出される。システムを通る空気流は、望ましくない屑および汚染物質を当該軸受または各軸受周りから除去するために使用し、軸受の不均一な摩耗を低減し、ロータの性能を最適化することができることが判明している。
【0079】
好ましくは、各ロータは、駆動手段を備える。
【0080】
好ましくは、ロータハウジングは、実質的に円筒形である。
【0081】
より好ましくは、ロータハウジングは、2つの組合せ部品を備える実質的に円筒形である。好ましくは、2つの組合せ部品は、実質的に対称である。より好ましくは、ロータハウジングは、2つの半円筒形のシェルを備える。好ましくは、2つの半円筒形のシェルは、互いに組み合わさり、実質的に円筒形のハウジングを形成する。好ましくは、各シェルは、円筒の長手方向半体の形状を有する。
【0082】
容易かつ好都合に開くことができる開いたハウジングを提供することにより、保守の時間および複雑さが低減され、その結果、保守のためにデバイスが動作していない「ダウンタイム」もまた削減される。
【0083】
さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載の少なくとも3つのロータのセットを備える採糸装置であって、各ロータは、異なる実質的に水平な軸周りで回転するように装着され、ロータが回転しているとき、セット内の第1のロータの周部上に流し込まれるメルトが後続のロータのそれぞれの周部上に連続的に投入され、繊維がロータから排出されるように配置される、採糸装置を提供する。
【0084】
好ましくは、採糸装置は、本明細書に記載の4つのロータのセットを備える。
【0085】
好ましくは、各後続のロータは、セット内の先行するロータより大きい加速を与えることができるようにサイズ設定される。
【0086】
好ましくは、各ロータは、ホイールに取り付けられる。
【0087】
好ましくは、第1のロータは、約184mmの直径を有する第1のホイールに取り付けられ、第1のホイールは、約25km/s2~約36km/s2の加速場で、約5,000RPM~約6,000RPMで回転可能である。
【0088】
好ましくは、第2のロータは、約234mmの直径を有する第2のホイールに取り付けられ、第2のホイールは、約46km/s2~約217km/s2の加速場で、約6,000RPM~約13,000RPMで回転可能である。
【0089】
好ましくは、第3のロータは、約314mmの直径を有する第3のホイールに取り付けられ、第3のホイールは、約62km/s2~約291km/s2の加速場で、約6,000RPM~約13,000RPMで回転可能である。
【0090】
好ましくは、第4のロータは、約332mmの直径を有する第4のホイールに取り付けられ、第4のホイールは、約65km/s2~約308km/s2の加速場で、約6,000RPM~約13,000RPMで回転可能である。
【0091】
好ましくは、採糸装置は、コレクタをさらに備え、より好ましくは、当該ロータまたは各ロータから繊維を収集し、それらをロータのセットから取り去るためのチャンバを備える。
【0092】
好ましくは、採糸装置は、少なくとも1つの温度センサをさらに備え、任意選択で、高温計を備える。
【0093】
さらなる態様では、本発明は、人造ガラス質繊維(MMVF)の製造の方法であって、異なる実質的に水平な軸周りで回転するようにそれぞれが装着された、本明細書に記載の少なくとも3つのロータのセットを備える採糸装置を提供するステップであって、各ロータが駆動手段を有する、ステップと、ロータを回転させるステップと、人造ガラス質繊維(MMVF)を形成するためにミネラルメルトを提供するステップであって、メルトは、第1のロータの周部上に流し込まれる、ステップと、形成された繊維を収集するステップとを含む方法を提供する。
【0094】
わかりやすさと簡潔な説明のために、本明細書では、特徴について同じまたは別々の実施形態の一部として述べる。しかし、本発明の範囲は、記載の特徴のすべてまたは一部の組合せを有する実施形態を含むことができることを理解されたい。
【0095】
次に、例として添付の図面を参照して本発明について述べる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【
図1】本発明によるロータの長手方向断面図である。
【
図2】スピナハウジングなしで示されている、本発明による4つのロータを備える右位置スピナの斜視図である。
【
図3】
図1のロータの非駆動端(NDE)における軸受アセンブリの斜視図である。
【
図4a】ダンパが示されていない、本発明によるロータの軸受アセンブリの軸受座の斜視図である。
【
図4b】
図4aに示されている軸受座の一区間の斜視図である。
【
図5a】
図3の軸受アセンブリに示されている円錐台形ダンパを通る断面図である。
【
図5b】
図5aの円錐台形ダンパの断面の斜視図である。
【
図6a】本発明によるロータの非駆動端(NDE)における軸受アセンブリの代替実施形態の斜視図である。
【
図6b】
図6aに示されている軸受座の一区間の斜視図である。
【
図7】軸受アセンブリとロータハウジングとの間のより大きなクリアランスを示すロータの非駆動端(NDE)における軸受アセンブリを通る断面図である。
【
図8a】除去されたロータハウジングの半分を示す本発明のロータの斜視図である。
【
図8b】本発明のロータハウジング、軸受座、およびダンパのNDEの平面図である。
【
図9】
図9a、
図9b、および
図9cは、温度差による軸受予荷重の好ましい減少を例示する、本発明のロータ内の一対のアンギュラコンタクト玉軸受を通る概略断面図(原寸に比例しない)であり、
図9bは、冷えているときのシャフトを示し、
図9cは、温かいときのシャフトを示す。
【
図10】冷却およびエアパージシステムを示す本発明のロータの外部斜視図である。
【
図11】グリースラビリンスを示すDE軸受座の断面図である。
【
図12】装着されたホイールを有する4つのロータすべてを示す本発明の右位置スピナの正面図である。
【
図13】13000RPMの最大ロータ速度での様々なシャフト直径、座の質量、シャフト長さ、および座ゴム剛性(ダンパリング剛性)についてNDE軸受座についての寿命をシミュレーションするロータ4の5Dサーフェスコンタープロットの背面図である。
【
図14】座の質量(Mseat kg)、中間区間のシャフト直径(Dshaft mm)、座中心間のシャフト長さ(Lshaft mm)、および座ゴム剛性(Kseat N/m)を示す、
図13の5Dサーフェスコンタープロットの上から見た図である。
【
図15】13000RPMの最大ロータ速度でのNDE座の変位(ΔxseatNDE)をシミュレーションするロータ4の5Dおよびコンタープロットである。
【発明を実施するための形態】
【0097】
図1を参照すると、ロータ1の長手方向断面が示されており、シャフト2が、実質的に水平になるようにロータ1の駆動端(DE)3と非駆動端(NDE)4との間に長手方向に配置されている。シャフト2は、約100mmの外径および約70mmの軸受座直径を有する中空円筒形の鋼シャフトである。代替実施形態では、シャフト外径は、約100mm~約120mmであり、軸受座直径は、約50mm~約100mmである。DE3における軸受の中心点とNDE4における軸受の中心点との間のシャフト2の長さは、約530mm~590mmである。図の実施形態の場合、シャフト2の長さは、約590mmである。NDE4では、シャフト2は、第1の軸受アセンブリ5を越えて「張り出し」、シャフト2の全長は、約955mmである。第2の軸受アセンブリ6は、DE3に配置される。両NDE4およびDE3のための軸受アセンブリ5、6は同一である(ホイールへの冷却水供給のような重要でない細部を除く)が、NDE4の軸受アセンブリ5について、
図3から
図5に関してより詳細に述べる。第1および第2の軸受アセンブリ5、6は、それぞれが「柔らかい」サスペンションに隣接して配置され、それぞれの第1および第2の柔らかいサスペンションは、互いに独立して働く。NDE4は、複数の軸受アセンブリ5を備えてもよく、各軸受アセンブリ5に対する静荷重が低減されるので、これは軸受寿命を増大することになる。
【0098】
図2を参照すると、右位置スピナの4つのロータの斜視図が、スピナ本体なしで示されており、第1のロータ1a、第2のロータ1b、第3のロータ1c、および第4のロータ1dが示されている。右位置は、右側の第4のロータ1dの位置を指す。変形形態(図示せず)は、左位置スピナであり、これは、
図2に示されている右位置スピナの鏡像であるが、第4のロータ1dが左側に配置されている。第1のロータ1aは、6000RPMの最大速度を有し、第1のモータ30aに接続される。第2のロータ1bは、6000~13000RPMの最大速度範囲を有し、第2のモータ30bに接続される。第3のロータ1cは、6000~13000RPMの最大速度範囲を有し、第3のモータ30cに接続される。第4のロータ1dは、6000~13000RPMの最大速度範囲を有し、第4のモータ30dに接続される。それぞれ第2、第3、および第4のロータに取り付けられたホイール13b、13c、13dが示されている。各モータ30a、30b、30c、30d、およびそれぞれのモータシャフトは、スピナ本体において固定される。
図1に示されているロータシャフト2は、やはり固定されているロータハウジング12内に可撓に装着される。可撓性のラメラカップリング32が各モータの駆動端および各ロータの駆動端のシャフト同士を接続し、いくらかの半径方向の位置ずれを可能にする。しかし、本カップリングの最大許容可能な半径方向の位置ずれは、1.3mmである。したがって、カップリングは、DE3におけるシャフト2の許容可能な変位に対して制限を設ける。
図8aを参照すると、スピナに動力供給しスピナを冷却するために、モータ30a、30b、30c、30dとロータ1、1b、1c、1dとの間にさらなる接続がある。
【0099】
図3、
図4a、および
図4bを参照すると、軸受アセンブリ5がより詳細に示されており、環状の軸受座8内に保持された2つの玉軸受7を備える。軸受座8は、その外部表面周りに等距離で離隔された複数の凹部9aを有し、それらの間にダンパ座9bが等距離で離隔されている、
図4aおよび
図4bに示されているステンレス鋼本体を有する。
図4bを参照すると、各ダンパ座9bは、ダンパ11が固定されるねじ山付き穴9cを有する。
図4bに示されているように、凹部9aは、切頭円筒形凹部である。軸受座8は、軸受座8によって保持される構成要素を支持するために最小限の材料を用いて3kgの非常に低い質量を有する。また、軸受座8は、座質量を削減するために、アルミニウムラビリンスリング10を備える。
【0100】
図3および
図4aを参照すると、各ダンパ座9bは、軸受座9bおよび軸受座8から突出する円錐台形ダンパ11の1つの端部を支持する。
図5a、
図5bおよび
図5cに示されているように、ダンパ11は、第1の小さい方の内部端面またはタップエンドにねじ山付き金属スクリュ11aを有する円錐台形である。内部端面は、約20mmの直径を有する。第2の外部端面または穴端にさらなる金属インサート11bがあり、これは、ゴムダンパ11内に部分的に入る中央のねじ山付き開口11cを有する。外部端面は、約27mmの直径を有し、ダンパ11の長さは、約25mmである。
図3および
図4bを参照すると、ダンパ11は、スクリュ接続によって軸受座8に接続され、それにより、ダンパ11のねじ山付きスクリュ11aは、軸受座8内のねじ山付き穴9cと係合する。同様に、ダンパ11の外部端面は、ダンパ11をロータハウジングに接続するためのねじ山付きスクリュまたはボルト(図示せず)と係合するためのねじ山付き開口11cを備える。ダンパ11は、約55のショアA硬度および約106N/mのダンパリング剛性を有するネオプレンゴム製である。図の実施形態は、NDE4における軸受アセンブリ/サスペンションのためのものであるが、約106N/mのダンパリング剛性は、DE3においても実質的に同様であることを理解されたい。代替実施形態では、ダンパは円筒形であるが、
図3に示されている好ましい実施形態では、ロータ4について、軸受座8周りで互いに等距離で離隔された20個の円錐台形ダンパ11がある。各ダンパ11は、環状配置において、隣接するダンパ11に接触しない。
図3に示されている実施形態は、4つのロータを有する採糸装置の第4のロータのためのものである。代替実施形態では、
図6aに示されているように、ロータは、互いに等距離の約12個の~約22個の円錐台形ダンパ11’を有する。
【0101】
図6aおよび
図6bは、軸受座8’周りで互いに等距離で離隔された12個の実質的に円筒形のダンパ11を有する第3および第4のロータのための第1の軸受アセンブリ5’および軸受座8’の代替実施形態を示し、各ダンパ11は、約55のショアA硬度、および約106N/mのダンパリング剛性を有している。ダンパ11は、スクリュ接続によって軸受座8’に接続され、ダンパ11のねじ山付きスクリュは、軸受座8’内のねじ山付き穴と係合している。同様に、ダンパ11の他方の端部は、ダンパ11をロータハウジングに接続するためのボルトと係合するためのねじ山付き開口を備える。軸受座8’は、玉軸受内部鋼リング16’と、座質量を削減するために使用されるアルミニウムラビリンスリング10’とをさらに備える。
【0102】
図1、
図2、および
図7を参照すると、ダンパ11は、環状の軸受リングを形成するように、軸受座8とロータハウジング12との間に配置される。
図7に示されているように、本発明のロータハウジング12は、両NDE4およびDE(図示せず)において、軸受アセンブリ5とハウジング12の内部表面との間に約14mmのクリアランスを有する。使用時には、ロータ1は、NDE4における第1の軸受アセンブリ5からシャフト2にさらに沿って位置13において高強度鋼ホイールに取り付けられることになる。
図2を参照すると、ホイール13a、13b、13c、13dは、シャフト2の第1の端部に配置され、反対側の端部は、可撓性カップリングによって高速モータ30a、30b、30c、30dに接続される。ホイール13a、13b、13c、13d間には、比較的狭い空間がある。
図1に示されている第4のロータの例の場合、ホイールは、約50kgの重量、約332mmの直径、約25mmの外部壁厚、および約15mmの側壁厚を有する実質的に円筒形である。ホイールの外部壁は湾曲した表面であり、側壁は、円形であり、シャフト2の長さに実質的に直交することを理解されたい。
図2を参照すると、典型的には、ホイール3のホイール直径は、約314mmであり、約50kgの質量を有する。第4のロータの好ましい実施形態の場合、ホイールは、NDE軸受アセンブリ5の中心線から約47mmであり、約6000RPM~約13000RPMで回転する。ロータハウジング12は軸受を支持し、シャフト2の中間部を覆う。しかし、本発明を理解しやすいように、ホイールは、
図1に示されていない。
【0103】
図2および
図8aを参照すると、各ロータハウジング12は、そのそれぞれが半円筒形シェルである2つの対称組合せ部品を備え、その結果、それら2つの部品が組み合わさるとき、実質的に円筒形のハウジング12が形成される。ロータハウジング12の各半体は、スクリュ33によってハウジングの隣接する半体に保持される。
図8aは、各ダンパ(図示せず)をロータハウジングに保持するスクリュ11dをも示す。ロータハウジング12は、管およびワイヤを支持するブラケット35をさらに備える。ロータハウジング12の各端部4、5におけるゴムリング34は、ロータ1をスピナ内に装着するために使用される。
【0104】
図8bを参照すると、好ましい実施形態では、ロータハウジング12は、ロータハウジング12の上部壁厚に比べて、ハウジング12のベースにおいて約5mmのより大きい壁厚を有し、これは、事実上、張出し作用を補償するようにホイールを持ち上げる。ロータハウジング12の内部プロファイルは、非対称である。
図8bを参照すると、NDE4の上部におけるダンパ11’は、約2.5mm伸ばされている。NDE4の底部におけるダンパ11’’は、約2.5mm圧縮されている。環状ロータハウジング12の中心軸に関する環状装着リング/軸受座8の中心軸のオフセット配置は、軸受7のサスペンション、シャフト2、およびロータハウジング12内のホイール13に対する重力の作用に対抗し、その結果、ロータ1の重心は、所望の位置にある。
【0105】
図3および
図6bを参照すると、各環状の軸受座8の内部表面は、所望の速度および故障前寿命を達成するように選択された永久潤滑型超精密ハイブリッドアンギュラコンタクト玉軸受7である2つのハイブリッド玉軸受7を支持する。DE3およびNDE4のそれぞれにおけるこれら2つの軸受7は、ロータ1の各端部において、それらの間にほとんど空間がない状態で共に近接して嵌装される。
【0106】
図9a、
図9b、および
図9cを参照すると、これらの軸受は、2つの鋼軸受リング16、17間のセラミック玉軸受7である。軸受7は、1400Nまでの荷重に耐えるように選択されている。ロータ4のホイールにおける動荷重の不釣り合いは、約560g・cmであると決定されており、軸受座およびダンパサスペンションの構成は、この不釣り合いを補償するように最適化された。アンギュラコンタクト玉軸受7は、約70mmの直径を有するが、代替実施形態では、軸受直径は、60mm、65mm、70mm、または75mmのいずれかである。
【0107】
図9a、
図9b、および9cの実施形態では、玉軸受7は、70mmの直径を有する。玉軸受7の対のそれぞれは、シャフト2に隣接する玉軸受7の回転内部表面間の内部スペーサリング14と、シャフト2から最も遠い玉軸受7の回転内部表面間の外部スペーサリング15とによって軸方向に離隔される。玉軸受7は、鋼シャフト2上に装着された玉軸受内部鋼リング16と、玉軸受外部鋼リング17との間で保持される。アンギュラコンタクト玉軸受7はそれぞれ、玉軸受7間の中心線周りで対称であるアンギュラ接触(圧力)角βを有する。接触角βは、回転中、圧力方向である。接触角βは、鋼シャフト2の温度に応じて変わることになる。
【0108】
図9bを参照すると、シャフト2がより冷えている場合、シャフトがより小さい直径に収縮することになるので、接触角βは増大することになる。
図9cを参照すると、シャフト2がより温かい場合、シャフトがより大きな直径に伸長することになるので、接触角βは減少する。
図9bに示されているように、シャフト2は、冷えているとき、より小さな直径Rcを有し、圧力角βはより大きくなる。外部スペーサリング15は、幅Wcを有し、玉軸受内部鋼リング16にも玉軸受外部鋼リング17にも接触せず、玉軸受7の動き/がたつきのためのより大きい範囲がある。しかし、
図9cに示されているように、シャフト2は、温かいとき、より大きな直径RHを有し、圧力角βは小さくなる。シャフトの増大した直径は、軸受の玉7が、外部軸受座17を外部スペーサリング15と接触するまで互いに向かって押すことをも意味する。したがって、軸受アセンブリ5、6は、約10°Cである、ロータが使用されているときの予想される温度差による軸受予荷重を低減するように構成されている。
【0109】
図9bおよび
図9cを参照すると、外部スペーサリング15は、内部スペーサリング14より短いことが有利であることが判明している。典型的には、ロータ3およびロータ4について70mmの軸受直径の場合、外部スペーサリング15の幅は、内部スペーサリング14より約61μm小さい。70mmの軸受直径についてロータ2の場合、外部スペーサリング15の幅は、内部スペーサリング14より約16μm小さい。
【0110】
図3および
図10に示されているように、環状の軸受座8は、エンドリング18によって囲まれる。
【0111】
図10に示されているように、ロータ1は、両DE軸受アセンブリ6およびNDE軸受アセンブリ5のための冷却システムを有する。NDE冷却流体入口20およびNDE冷却流体出口21は、ロータ1のNDE4から熱を取り去るように冷却流体が流れるチャネルによって接続される。DE冷却流体入口23およびDE冷却流体出口24もまた、ロータ1のDE3から熱を取り去るようにチャネルによって接続される。ホイール(図示せず)を水冷するための流体入口25も提供される。図の実施形態では、冷却流体は水である。軸受温度は、すべて約50°Cで維持することができることがテストを通じて示されている。
【0112】
図10を参照すると、ロータ1は、DEエアパージ入口26およびNDEエアパージ入口27をさらに備える。エアパージシステムは、汚染物質をロータ1から洗い流す。ロータ1は、NDE4における加速度計28、およびDE3における加速度計29と、DE3における高温計30、およびNDE4における高温計31とをさらに備える。
【0113】
図10および
図11を参照すると、エアパージシステムは、スピナが使用されているとき、汚染物質をロータから洗い流す。また、ロータは、軸受7から熱せられた水を取り去るための冷却水出口24を有する水冷システムを備える。定期的な整備中にスピナを洗浄するとき、水が軸受6を汚染する可能性があることが判明している。したがって、本発明は、
図11に示されているように、スピナの洗浄中、軸受7を汚染する水を妨げるために、グリースラビリンス38をさらに備える。
図11は、スピナ内にロータ1を装着するためのゴムリング34を備えるDE4の軸受アセンブリ6を示す。図のDE3の場合、DEラビリンスグリース入口38aおよびNDEラビリンスグリース入口38bがある。NDEラビリンスグリース入口38bは、同様のグリースラビリンスを有するNDE4にグリースを搬送する。スピナが整備中のためロータが静止しているとき、ラビリンス38は、グリースで封止され、洗浄中、軸受7を汚染する水を妨げる。リング39を封止することにより、それら自体のグリースで永久潤滑される軸受7内にラビリンスグリースが流れ込むことが防止される。
【0114】
図12を参照すると、使用時、4つのロータ1a、1b、1c、1dを備える採糸装置が人造ガラス質繊維(MMVF)を製造するために使用される。各ロータ1a、1b、1c、1dは、異なる実質的に水平な軸周りで回転するように装着され、各ロータ1a、1b、1c、1dは、駆動手段を有し、これは、4つのロータ1すべてに動力供給するための単一の駆動手段であってもよい。好ましい実施形態では、第2のロータは、14個のネオプレンゴムダンパを有する非駆動端におけるサスペンションリングの軸受アセンブリを備え、非駆動端における第3および第4のロータは、20個のネオプレンゴムダンパを有する軸受アセンブリを有する。第2のロータは、駆動端軸受アセンブリにおいて12個のネオプレンゴムダンパを備え、第3および第4のロータは、駆動端軸受アセンブリにおいて18個のネオプレンゴムダンパを有する。
【0115】
各右位置ロータ1a、1b、1c、1dは、可撓性カップリングによって1つの端部において接続された高速モータを有し、ホイールは、ロータ1a、1b、1c、1dの反対側の端部に配置される。
図12に示されている実施形態では、ロータ1およびロータ3は、反時計方向に回転し、ロータ2およびロータ4は、時計方向に回転する。第1のロータ1aのホイールは、約184mmの直径を有し、第2のロータ1bのホイールは、約234mmの直径を有し、第3のロータ1cのホイールは、約314mmの直径を有し、第4のロータ1dのホイールは、約332mmの直径を有する。各装着されたホイールの外部表面間の空間は様々であり、第1および第4のロータ1a、1dのホイール間で約228mmの最も大きな距離、ならびに第1および第2のロータ1a、1b間で約17mmの最も小さい距離である。
【0116】
図12を参照すると、ロータ1a、1b、1c、1dが回転すると共に、石材もしくは岩石の溶融ミネラルメルトまたはスラグもしくはガラスメルトが、入口36を通って、第1のロータ1aのホイールの周部上に流し込まれ、メルトを紡糸し、MMVFを排出する。次いで、メルトは、残りのロータ1b、1c、1dのホイールに連続的に投入され、毎回、繊維が形成および収集される。同時に、各連続的なロータ1a、1b、1c、1dのホイールにメルトが渡されるとき、スピナを通り、ホイールに沿った高圧空気流により、ホイールから繊維が収集のために除去される。
【0117】
本発明による典型的な4ロータ採糸装置の場合、ホイール1は、1時間ごとのストーンウール生産の約5%を生産し、ホイール2は、約25%を生産し、ホイール3は、約40%を生産し、ホイール4は、約30%を生産する。本発明のロータを使用する製造は、玉軸受7が交換を必要とするまで約4000時間の間継続することができ、これは、知られているデバイスに勝る著しい増大である。どちらも560g・cmの不釣り合いで動作する、最大速度(9300RPM)で動作する従来技術のスピナを13000RPMで動作する本発明によるスピナと比較する耐久テストは、603時間から4000時間を超える改善を示した。さらなるテストは、本発明によるスピナについて約15000時間の平均故障間隔を見出した。
【0118】
図13を参照すると、本発明の改善されたロータのための最適なパラメータを評価するために、シャフト長さ(Lshaft)、シャフト直径(Dshaft)、ダンパリング剛性(Kseat)、軸受座質量(Mseat)、および軸受直径の範囲についてシミュレーションを行った。軸受寿命(L10)およびロータシャフト変位(Δx)に対するこれらの値の効果を、5Dプロットに示した。
【0119】
図13は、70mmの軸受直径を有するNDE座についての13000RPMの最大ロータ速度におけるロータ4についての5Dコンタープロットの背面図である。各ピークの高さ(L10)は、時間単位の軸受寿命または基本定格寿命(Basic Life Rating)を表す。使用されている軸受寿命統計は、玉軸受の90%が残存すると予想することができるときの回転における時間量の尺度である。
【0120】
図13に示されているように、本発明の最適な構成は、3617時間の最大化された軸受寿命を可能にする。シミュレーションは、軸受座中心間のシャフト長さ(Lshaft)および軸受座におけるゴム剛性(Kseat)と共にプロットされたシャフト直径(Dshaft)および軸受座質量(Mseat)の範囲を考慮している。
図13の5Dプロットに示されている各立方体は、シャフト長さ(Lshaft)およびシャフト直径(Dshaft)を引数とする寿命(L10)の関数の3Dプロットを象徴する。各3Dサブプロットには、3Dサブプロットの位置によって示されるゴム剛性(Kseat)および軸受座質量(Mseat)定数がある。
【0121】
図14は、
図13に示されているロータ4の5Dリフェースおよびコンタープロットの上から見た図を示す。プロットの各方形は、101mm、407mm、713mm、1019mm、および1325mmの増分で101から1325mmのシャフト長さ範囲を、また20mm、58mm、95mm、133mm、および170mmの増分で20から170mmのシャフト直径範囲を示す。ゴム剛性(Kseat)の範囲は、104N/mから108N/m、軸受座質量(Mseat)は、1.5から12.0kgである。
【0122】
図13および
図14を参照すると、軸受座におけるゴム剛性(Kseat)は、約106N/m以下で最適化される。また、軸受座質量(Mseat)は可能な限り低いことが好ましく、本発明の軸受座の低減された3kgの質量の場合、軸受寿命が改善する。また、座質量(Mseat)が、たとえば約1.5kgへ大きく低減された場合、軸受寿命の増大を達成するために、軸受座におけるゴム剛性(Kseat)を低減することが必要になることになることが判明した。また、本発明について590mmのシャフト長さ(Lshaft)および100mmのシャフト直径(Dshaft)の場合、軸受寿命の改善が達成されることが示されている。60mmの軸受直径を有する本発明のさらなる実施形態について調査しており、本発明は、6183時間の最大軸受寿命を達成することができることが判明した。
【0123】
図15を参照すると、70mmの軸受直径を有するNDE座について13000RPMの最大ロータ速度でのNDE座の変位(ΔxseatNDE)をプロットする、ロータ4についての5Dサーフェスコンタープロットが示されている。図のように、15mmの最大許容可能な変位(ΔxseatNDEmax)の場合、座ゴム剛性は、105N/mである。したがって、最大許容可能な軸受座変位を超えることを回避するために、座ゴム剛性(ダンパリング剛性)は、105N/mより大きくすべきであると結論された。
【0124】
本明細書内では、「約」という用語は、プラスまたはマイナス20%、より好ましくは、プラスまたはマイナス10%、さらにより好ましくは、プラスまたはマイナス5%、最も好ましくは、プラスまたはマイナス2%を意味する。
【0125】
本明細書内では、「実質的に」という用語は、プラスまたはマイナス20%、より好ましくは、プラスまたはマイナス10%、さらにより好ましくは、プラスまたはマイナス5%、最も好ましくは、プラスまたはマイナス2%の偏差を意味する。
【0126】
上記の実施形態は、例として与えられているにすぎず、当業者なら当然ながら、特許請求の範囲から逸脱することなく多数の変形をなすことができることを理解するであろう。