(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178241
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
B65B 11/50 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
B65B11/50
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024158522
(22)【出願日】2024-09-12
(62)【分割の表示】P 2020218777の分割
【原出願日】2020-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2020103753
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000109727
【氏名又は名称】株式会社デュプロ
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 大史
(57)【要約】 (修正有)
【課題】フィルムの溶着不良を低減できる包装装置を提供する。
【解決手段】包装装置は、被包装物をフィルムで包装する。包装装置は、所定位置に搬送された被包装物よりも上流側において、被包装物を挟む2枚のフィルムを受け部4に押さえつける押さえ部材16と、押さえ部材16よりも上流側において、フィルムに接触してフィルム同士を熱溶着する溶着切断ヒータ10と、押さえ部材16および溶着切断ヒータ10を支持し、押さえ部材16および溶着切断ヒータ10がフィルムから離れた待機位置と、フィルムに接触した溶着位置との間を移動可能な支持部材と、を備える。押さえ部材16は、溶着切断ヒータ10に対して相対移動可能に支持部材20に支持される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物をフィルムで包装する包装装置であって、
所定位置に搬送された被包装物よりも上流側において、被包装物を挟む2枚のフィルムを受け部に押さえつける押さえ部材と、
前記押さえ部材よりも上流側において、フィルムに接触してフィルム同士を熱溶着するヒータと、
前記押さえ部材および前記ヒータを支持し、前記押さえ部材および前記ヒータがフィルムから離れた待機位置と、フィルムに接触した溶着位置との間を移動可能な支持部材と、
を備え、
前記押さえ部材は、前記ヒータに対して相対移動可能に前記支持部材に支持されることを特徴とする包装装置。
【請求項2】
被包装物をフィルムで包装する包装装置であって、
所定位置に搬送された被包装物よりも上流側において、被包装物を挟む2枚のフィルムを受け部に押さえつける押さえ部材と、
前記押さえ部材よりも上流側において、フィルムに接触してフィルム同士を熱溶着するヒータと、
前記押さえ部材および前記ヒータを支持し、前記押さえ部材および前記ヒータがフィルムから離れた待機位置と、フィルムに接触した溶着位置との間を移動可能な支持部材と、
を備え、
前記支持部材が前記待機位置にあるときの前記押さえ部材と受け部との距離は、前記ヒータと受け部との距離以下であることを特徴とする包装装置。
【請求項3】
前記押さえ部材がフィルムを押さえつけた状態で前記ヒータがフィルムに接触することを特徴とする請求項1または2に記載の包装装置。
【請求項4】
前記支持部材が前記待機位置にあるときの前記押さえ部材と受け部との距離は、前記ヒータと受け部との距離より短く構成され、
前記ヒータがフィルムから離間した後に前記押さえ部材が離間することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装装置。
【請求項5】
被包装物をフィルムで包装する包装装置であって、
所定位置に搬送された被包装物よりも上流側において、被包装物を挟む2枚のフィルムを互いに近づけるための押さえ部材と、
前記押さえ部材よりも上流側において、フィルムに接触してフィルム同士を熱溶着するヒータと、
前記押さえ部材および前記ヒータを支持し、前記ヒータがフィルムから離れた待機位置と、フィルムに接触した溶着位置との間を移動可能な支持部材と、
を備え、
前記支持部材が前記溶着位置にあるとき、前記押さえ部材と受け部との間に隙間があることを特徴とする包装装置。
【請求項6】
前記支持部材が前記溶着位置にあるとき、前記押さえ部材は、被包装物を挟む2枚のフィルムのうちの上側のフィルムに接触することを特徴とする請求項5に記載の包装装置。
【請求項7】
前記押さえ部材は、前記ヒータに対して相対移動可能に前記支持部材に支持されることを特徴とする請求項5または6に記載の包装装置。
【請求項8】
前記支持部材は、前記ヒータを支持する第1支持部材と、前記第1支持部材に対して相
対移動可能であり、前記押さえ部材を支持する第2支持部材と、を含み、
前記支持部材が前記溶着位置に移動するとき、前記第2支持部材に当接して前記押さえ部材を受け部との間に前記隙間がある状態で停止させる規制部材をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の包装装置。
【請求項9】
前記押さえ部材は回転自在なコロであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の包装装置。
【請求項10】
前記押さえ部材の押圧面は、低摩擦材により形成されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
配達する新聞が雨に濡れないようにポリエチレンなどのフィルムで包装する包装装置が新聞販売店で用いられている。たとえば特許文献1の包装装置は、2つのフィルムロールから引き出されたフィルムを重ね、その間に4つ折りされた新聞を挟み、新聞の周囲でフィルム同士を溶着して包装する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような従来の包装装置では、2つのフィルムロールから引き出されたフィルムは、新聞の挿入口を塞ぐためのシャッターによって受け部に押さえつけられ、これにより溶着切断ヒータの上流側において互いに密着する。しかしながら、2つのフィルムロールからのフィルムは、溶着切断ヒータの位置では互いに密着せず、したがって溶着切断ヒータによって切断されるものの、フィルム同士が溶着されないあるいは部分的にしか溶着されない場合がある。つまり、フィルムの溶着不良が生じる場合がある。
【0005】
このような課題は、包装装置が新聞を包装する場合に限らず、他の種類の被包装物を包装する場合にも生じうる。
【0006】
本発明はこうした状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、フィルムの溶着不良を低減できる包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の包装装置は、被包装物をフィルムで包装する包装装置であって、所定位置に搬送された被包装物よりも上流側において、被包装物を挟む2枚のフィルムを受け部に押さえつける押さえ部材と、押さえ部材よりも上流側において、フィルムに接触してフィルム同士を熱溶着するヒータと、押さえ部材およびヒータを支持し、押さえ部材およびヒータがフィルムから離れた待機位置と、フィルムに接触した溶着位置との間を移動可能な支持部材と、を備える。押さえ部材は、ヒータに対して相対移動可能に支持部材に支持される。
【0008】
本発明の別の態様もまた、包装装置である。この装置は、被包装物をフィルムで包装す
る包装装置であって、所定位置に搬送された被包装物よりも上流側において、被包装物を挟む2枚のフィルムを受け部に押さえつける押さえ部材と、押さえ部材よりも上流側において、フィルムに接触してフィルム同士を熱溶着するヒータと、押さえ部材およびヒータを支持し、押さえ部材およびヒータがフィルムから離れた待機位置と、フィルムに接触した溶着位置との間を移動可能な支持部材と、を備える。支持部材が待機位置にあるときの押さえ部材と受け部との距離は、ヒータと受け部との距離以下である。
【0009】
本発明のさらに別の態様もまた、包装装置である。この装置は、被包装物をフィルムで包装する包装装置であって、所定位置に搬送された被包装物よりも上流側において、被包装物を挟む2枚のフィルムを互いに近づけるための押さえ部材と、押さえ部材よりも上流側において、フィルムに接触してフィルム同士を熱溶着するヒータと、押さえ部材およびヒータを支持し、ヒータがフィルムから離れた待機位置と、フィルムに接触した溶着位置との間を移動可能な支持部材と、を備える。支持部材が溶着位置にあるとき、押さえ部材と受け部との間に隙間がある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フィルムの溶着不良を低減できる包装装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】
図1の包装装置の幅方向の中央における縦断面図である。
【
図3】
図2の溶着切断ユニットを下流側から見た斜視図である。
【
図4】
図2の溶着切断ユニットを幅方向から見た図である。
【
図5】
図5(a)~(f)は、溶着切断ユニットの動作を時系列で説明する図である。
【
図6】
図2の制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図2の制御部による特徴的な制御に関する動作を説明するフローチャートである。
【
図8】
図8(a)~(f)は、溶着切断ユニットの動作を時系列で説明する図である。
【
図9】変形例に係る溶着切断ユニットと受け部を示す図である。
【
図10】別の変形例に係る溶着切断ユニットと受け部を示す図である。
【
図11】さらに別の変形例の課題を説明するための図である。
【
図12】さらに別の変形例に係る溶着切断ユニットを下流側から見た斜視図である。
【
図13】
図12の溶着切断ユニットを幅方向から見た図である。
【
図14】
図14(a)~(f)は、本変形例に係る溶着切断ユニットの動作を時系列で説明する図である。
【
図15】
図15(a)、(b)は、さらなる変形例に係るを溶着切断ユニットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0013】
図1は、実施の形態に係る包装装置1の斜視図である。包装装置1は、平坦形状の被包装物を包装するフィルムに包装する装置である。本実施の形態では、包装装置1が被包装物としての新聞Sを包装する場合について説明する。
【0014】
4つ折りされた新聞Sは、短辺側が幅方向を向いた状態で挿入口2から包装装置1内に
挿入される。挿入口2には、挿入される新聞Sの下面と幅方向(左右)両側をガイドするガイド板2aが設けられ、ユーザが手で挿入しやすくなっている。本実施の形態ではユーザが新聞Sを手で挿入するようになっているが、ガイド板2aに代えて新聞Sを1部ずつ自動的に供給する装置を設けて自動供給としてもよい。
【0015】
挿入された新聞Sは、上側のフィルムロールR1および下側のフィルムロールR2のそれぞれから引き出されるフィルムに上下に挟まれた状態で包装装置1内を矢印方向に搬送されるとともに、新聞Sの周囲でフィルム同士が熱溶着されて包装され、排出口43から排出されて受け板44に順次積載される。
【0016】
本明細書において、挿入口2から排出口43までの新聞Sの搬送経路における挿入口2側を上流側、排出口43側を下流側という。
【0017】
包装装置1の上面の幅方向の一方側に、操作パネル45が設けられている。操作パネル45は、包装処理に関する各種入力を受け付ける入力部として機能するとともに、各種情報を表示する表示部として機能する。包装装置1の挿入口2側の側面の幅方向の一方側に、包装装置1に電源を投入するための電源スイッチ46が設けられている。
【0018】
図2は、包装装置1の幅方向の中央における縦断面図である。
図2では包装装置1の右側に挿入口2が形成され、左側に排出口43が形成されている。挿入口2はシャッター3で塞がれている。シャッター3は幅方向に延在する板状の部材である。シャッター3は支点3aを中心に回動可能である。
【0019】
シャッター3は、
図2では不図示の付勢手段によって上流側に向けて(
図2では反時計回り方向に)付勢されている。これにより、シャッター3の下端は、シャッター3の下方の受け部4の上面4aに圧接される。なお、付勢手段を設けずに、自重によりシャッター3が受け部4の上面4aに圧接するようにしてもよい。新聞Sが挿入口2から挿入されると、新聞Sの先端に押されてシャッター3は
図2における時計回り方向に回動され、シャッター3と受け部4の上面4aとの間に隙間ができる。新聞Sはその隙間を通って下流側にさらに挿入される。
【0020】
シャッター3の下流側(
図2における左側)における受け部4の上方には、溶着切断ユニット5が配置されている。
図2では、溶着切断ユニット5の構成部品のうちの溶着切断ヒータ10のみ図示している。溶着切断ユニット5は、溶着切断ヒータ10の下端が受け部4の上面4aから離間した待機位置(
図2の位置)と、下端が受け部4の上面4aに到達した溶着位置との間を移動可能に構成される。溶着切断ヒータ10は、たとえば、熱伝導率が良好で軽量のアルミニウムあるいはアルミニウム合金で形成される。溶着切断ヒータ10の下端は鋭角に形成されている。溶着切断ヒータ10にはラバーヒータ(不図示)が焼き付け固着されており、このラバーヒータに通電することにより加熱できる。
【0021】
溶着切断ユニット5の上方にはフィルムロールR1が、下方にはフィルムロールR2が支持されている。フィルムロールR1,R2は、芯体(たとえば紙管)に長尺のポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルムを巻回したものである。フィルムロールR1からはフィルムF1が引き出され、ガイド31、32に掛けられ、その先端は溶着切断ユニット5の下方に位置する。フィルムロールR2からフィルムF2が引き出され、ガイド33に掛けられ、その先端は溶着切断ユニット5の下方に位置する。フィルムF1,F2は、4つ折りされた新聞Sの長辺の長さよりも若干幅広に形成されている。フィルムF1、F2の先端同士は前回の包装作業で溶着され、溶着ラインFxを形成した状態になっている。
【0022】
溶着切断ユニット5および受け部4の下流側には、搬送ベルト34、35が設けられる
。搬送ベルト34、35はいずれも、幅方向に新聞Sの長辺よりも短い間隔をあけて2本ずつ配置される。搬送ベルト34は搬送ベルト35の上方に配置される。モータM1が回転すると、駆動伝達機構37を介して搬送ベルト35駆動力が付与される。また、モータM1が回転すると、不図示の駆動伝達機構を介して搬送ベルト34に駆動力が付与される。搬送ベルト34,35がフィルムF1,F2越しに新聞Sを挟み込んだ状態で周回駆動することにより、フィルムF1,F2とともに新聞Sが下流側に搬送される。
【0023】
搬送ベルト34,35の幅方向の両側に、サイド溶着ヒータ41と、受け部42が設けられる。サイド溶着ヒータ41、受け部42はそれぞれ、搬送ベルト34、35に沿って長く形成される。
【0024】
サイド溶着ヒータ41は、下端が受け部42から離間した待機位置(
図2の位置)と、下端が受け部42に到達した溶着位置との間を移動可能に構成される。サイド溶着ヒータ41は、たとえば、溶着切断ヒータ10と同様に、ラバーヒータが焼き付け固定された軽量のアルミニウムあるいはアルミニウム合金で形成され、下端は鋭角に形成されている。
【0025】
溶着切断ユニット5の上流側に第1センサ50、溶着切断ユニット5の下流側かつ受け部4の上流側に第2センサ52、排出口43の近傍に第3センサ54が配置される。センサ50,52,54により、それぞれの位置において新聞Sの先端または後端を検出できる。
【0026】
制御部60は、包装装置1を統括的に制御する。具体的には制御部60は、各機構を駆動するモータM1などのアクチュエータ類、フィルムを溶着するためのヒータ類、操作パネル45への情報の表示を制御する。たとえば制御部60は、センサ50,52,54による新聞Sの検出結果に基づいて、搬送ベルト34,35の周回駆動を開始および停止させる。
【0027】
以上のように構成された包装装置1の動作を説明する。新聞Sが挿入口2から挿入されると搬送ベルト34,35の周回駆動が開始する。新聞Sがシャッター3を押しのけて搬送ベルト34,35に到達すると、新聞Sは搬送ベルト34,35によって搬送され、新聞Sの後端が溶着切断ユニット5を通過した所定位置(以下、包装処理位置という)で停止する。溶着切断ユニット5(溶着切断ヒータ10)とサイド溶着ヒータ41が待機位置から溶着位置に下降し、ヒータ10,41と受け部4,42との間にフィルムF1,F2を挟み、フィルムF1,F2を熱溶着する。サイド溶着ヒータ41を待機位置まで上昇させる。搬送ベルト34,35の周回駆動を再開して搬送を再開する。溶着切断ユニット5(溶着切断ヒータ10)は溶着位置にあるので、その溶着位置でフィルムF1,F2は切断される。
【0028】
フィルムF1,F2は、幅方向の両側はサイド溶着ヒータ41により溶着され、上流側(すなわち新聞Sの後端側)は溶着切断ユニット5により溶着されつつ切断され、さらに下流側(新聞Sの先端側)は前回の包装処理で溶着されている。したがって、これらの動作により、新聞Sの周囲でフィルムF1,F2が溶着され、新聞Sの包装物が得られる。
【0029】
包装された新聞Sは、搬送ベルト34,35に搬送されて排出口43から排出される。新聞Sの排出後、搬送ベルト34,35の周回駆動が停止される。溶着切断ユニット5は待機位置に上昇する。
【0030】
以上が包装装置1の基本構成とその動作である。続いて、溶着切断ユニット5の構成をさらに詳細に説明する。
【0031】
図3は、
図2の溶着切断ユニット5を下流側から見た斜視図である。
図4は溶着切断ユニット5を幅方向から見た図である。溶着切断ユニット5は、溶着切断ヒータ10と、複数の押さえ部材16と、支持部材20と、を備える。支持部材20は、第1支持部材22と、2つの第2支持部材24と、を含む。
【0032】
第1支持部材22は、幅方向に長い部材であり、溶着切断ヒータ10を支持する。溶着切断ヒータ10は、幅方向に長い板状の部材である。溶着切断ヒータ10の幅方向の長さは、フィルムF1,F2の幅よりも長い。溶着切断ヒータ10は、特に限定しないが、本実施の形態では幅方向に垂直な断面形状は逆L字形状である。
【0033】
2つの第2支持部材24は、幅方向に長い部材である。2つの第2支持部材24は、幅方向に互いに間隔をあけて第1支持部材22に支持される。幅方向に互いに間隔をあけることで、それらの間に、たとえば新聞Sを検出するためのセンサの光軸を通すことができる。2つの第2支持部材24はそれぞれ、幅方向に一列に並ぶ複数の押さえ部材16を支持する。本実施の形態の押さえ部材16は、幅方向と平行な回転軸を中心にして回転自在に支持された回転体である。図示の例では、押さえ部材16は円柱状のコロである。好ましくは、複数の押さえ部材16は、それらが設けられる幅方向の範囲Rは、4つ折りされた新聞Sの長辺の長さよりも長くなるように配置される。
【0034】
第2支持部材24の幅方向の両端には上下方向に延びる縦長の長孔24aが形成される。支柱26は、第1支持部材22から突出する。支柱26は、抜けが防止された状態で、長孔24aに挿通されている。これにより、第2支持部材24は支柱26にガイドされつつ第1支持部材22に対して上下方向に相対移動できる。第2支持部材24は、一端が第2支持部材24に固定され、他端が第1支持部材22に固定されるバネ28によって下方すなわちフィルムF1,F2に向かって付勢されている。したがって、第2支持部材24に支持される複数の押さえ部材16は、第1支持部材22ひいては溶着切断ヒータ10に対して上下方向に相対移動でき、またフィルムF1,F2に向かって付勢されている。
【0035】
複数の押さえ部材16は、包装処理位置にある被包装物よりも上流側においてフィルムを受け部4に押さえつけるように支持部材20に支持される。溶着切断ヒータ10は、押さえ部材16よりも上流側においてフィルムに接触するよう支持部材20に支持される。受け部4の上面4aは平坦な水平面であり、押さえ部材16を受ける上面4aの部分の高さ位置と、溶着切断ヒータ10を受ける上面4aの部分の高さ位置とは同じである。
【0036】
第1支持部材22の幅方向の両端には、ブラケット30が固定されている。ブラケット30には、上下に延びる支持軸18が挿通されている。支持軸18の下端には、シャッター押さえ12が一体に形成されている。ブラケット30とシャッター押さえ12との間にはバネ14が介装されており、バネ14の弾性力によりシャッター押さえ12は下方に付勢される。シャッター押さえ12は、
図3、4では不図示のシャッター3に上方から当接し、シャッター3を上流側(
図2における反時計回り方向)に付勢する。
【0037】
以上が溶着切断ユニット5の詳細な構成である。続いて、溶着切断ユニット5の動作を説明する。
図5(a)~(f)は、溶着切断ユニット5の動作を時系列で説明する図である。
図5(a)では、溶着切断ユニット5は待機位置にある。この状態で新聞Sが包装装置1に挿入される。待機位置は、挿入される新聞Sに押さえ部材16および溶着切断ヒータ10が接触しない高さである。待機位置では、押さえ部材16は溶着切断ヒータ10よりも受け部4の上面4aの近くに位置する。具体的には、待機位置では、押さえ部材16と受け部4の上面4aとの距離L1は、溶着切断ヒータ10と受け部4の上面4aとの距離L2よりも短くなっている。本実施の形態では、押さえ部材16の下端は、溶着切断ヒータ10
の下端と同じ高さか溶着切断ヒータ10の下端よりも下方に位置する。挿入された新聞Sは、
図5(a)では不図示の搬送ベルト35,36によって下流側に搬送され、包装処理位置で停止する。
【0038】
図5(b)では、支持部材20が下降(すなわち受け部4に向かって移動)し、それに伴って押さえ部材16および溶着切断ヒータ10が下降する。このとき、押さえ部材16と溶着切断ヒータ10とは互いに対して相対移動せずに下降する。
【0039】
図5(c)では、支持部材20がさらに下降している。押さえ部材16は受け部4に到達しており、したがって押さえ部材16はこれ以上は下降しない。なお、受け部4の材質は特に問わないが、少なくとも押さえ部材16によって下方に押し付けられてもその部分が実質的に変形しないすなわち凹まない材料である。一方、溶着切断ヒータ10は、ブラケットの下降に伴って下降する。つまり、押さえ部材16は、溶着切断ヒータ10に対して相対移動している。フィルムF1,F2は、溶着切断ヒータ10の上流側はシャッター3によって受け部4に押さえつけられ、溶着切断ヒータ10の下流側は押さえ部材16によって受け部4に押さえつけられる。したがって、溶着切断ヒータ10によって溶着されるべき位置、すなわち溶着切断ヒータ10の下方の位置において、フィルムF1,F2は互いに密着している。
【0040】
図5(d)では、溶着切断ヒータ10は受け部4に到達している。すなわち、溶着切断ヒータ10は溶着位置に到達している。溶着切断ヒータ10は、互いに密着しているフィルムF1,F2に接触し、それらを熱溶着する。
【0041】
図5(e)に示すように新聞Sが下流に搬送されると、溶着切断ヒータ10の溶着位置でフィルムF1,F2は切断される。このとき、フィルムF1,F2は受け部4に押さえつけられているが、押さえ部材16は回転自在であるため、フィルムF1,F2は押さえ部材16と受け部4との間をすり抜けることができる。
【0042】
図5(f)に示すように、溶着切断ユニット5は待機位置に向けて上昇する。具体的には、まず溶着切断ヒータ10が受け部4から離間し、その後に押さえ部材16が受け部4から離間する。
【0043】
以上が溶着切断ユニット5の動作である。続いて、制御部60について、その特徴的な制御を中心により詳細に説明する。
【0044】
図6は、制御部60の機能構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPU・メモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0045】
制御部60は、新聞Sの搬送を制御する搬送制御部62と、溶着切断ユニット5を制御する溶着制御部64と、各種のデータを記憶する記憶部66と、を含む。
【0046】
搬送制御部62は、第1センサ50が新聞Sの先端を検出すると、搬送ベルト34、35の周回を開始させる。搬送制御部62は、第1センサ50が新聞Sの後端を検出してから所定のタイミングで搬送ベルト34、35の周回を停止させる。所定のタイミングは、搬送ベルト34、35の移動量に応じたパルスを出力する不図示のパルス出力部が所定数Nのパルスを出力したタイミングである。所定数Nは、記憶部66に記憶される。
【0047】
溶着切断ユニット5よりも下流側に設けられる第2センサ52の検出結果に基づいて搬送ベルト34、35の周回を停止させることも考えられるが、そうすると新聞Sが溶着切断ユニット5から比較的遠く離れた位置で停止し、新聞Sの後端から溶着位置までが長くなり、フィルムF1,F2を無駄に消費してしまう。そのため、搬送制御部62は、溶着切断ユニット5よりも上流側に設けられる第1センサ50の検出結果に基づいて搬送ベルト34,35の周回を停止させる。
【0048】
ところで、フィルムF1,F2に挟まれた新聞Sは比較的滑りやすく、搬送ベルト34、35の周回を停止させたとき、新聞Sは慣性力により搬送ベルト34、35を滑ってから停止する。したがって、所望の位置で新聞Sを停止させるには、慣性力によって滑る距離を考慮する必要がある。なお、新聞Sが厚いほどすなわち重いほど、当然に慣性力は大きくなり、したがって停止させるときに滑る距離は長くなる。
【0049】
薄いすなわち軽い新聞Sに合わせたタイミングで搬送ベルト34、35の周回を停止させると、厚い新聞Sを入れた場合には溶着切断ユニット5から比較的遠く離れた位置で停止し、新聞Sの後端から溶着位置までが長くなる。この場合、フィルムF1,F2を無駄に消費して不経済であり、また新聞Sの長さに対してフィルムが長くなりすぎるため見栄えや取扱性も低下する。そこで搬送制御部62は、厚い新聞Sに合わせたタイミングで搬送ベルト34、35の周回を停止させる。これにより、フィルムF1,F2の無駄な消費を低減できる。また、新聞Sの長さに対してフィルムが長くなりすぎることがなく、良好な見栄えおよび取扱性を確保できる。
【0050】
ただし、厚い新聞Sに合わせた場合に薄い新聞Sを入れると、溶着切断ユニット5を通過しないうちにその薄い新聞Sが停止する可能性がある。この場合、搬送制御部62は、新聞Sを「再搬送」する、すなわち搬送ベルト34、35を再度周回させて溶着切断ユニット5よりも下流に新聞Sを搬送する。
【0051】
具体的には、搬送制御部62は、搬送ベルト34、35の周回を停止させた後においても第2センサ52が新聞Sを検出している場合、新聞Sが溶着切断ユニット5を通過しないうちに停止したものと判断して再搬送を実行する。
【0052】
搬送制御部62は、再搬送を実行した場合、その次の新聞Sの包装の際には、第1センサ50が新聞Sの後端を検出してからの搬送ベルト34、35の周回を停止させるタイミングを遅らせる。具体的には、搬送制御部62は、搬送ベルト34、35の周回を停止させるタイミングを決める所定数Nを1パルスインクリメントする。つまり、所定数N=N+1とする。これにより、搬送ベルト34、35の周回を停止させるタイミングが新聞Sの厚みに合わせて最適化されていく。搬送制御部62は、包装装置1が再起動されたり、不図示のリセットボタンが押下されたりすると、所定数Nを初期値に戻す。
【0053】
続いて、上述した特徴的な制御に関する動作を説明する。
図7は、その動作を説明するフローチャートである。
図7の処理は、ユーザが包装装置1に新聞Sを挿入するたびに実行される。
【0054】
搬送制御部62は、再搬送フラグFlagに0を設定する(S10)。後述するように、再搬送フラグFlagは再搬送が実行された場合に1に設定される。
【0055】
第1センサ50が新聞Sを検出すると(S12)、搬送制御部62は搬送ベルト34、35の周回を開始させる(S14)。第1センサ50が新聞Sを検出しなくなると(S16)、所定数Nのパルス(たとえば30msec相当のパルス)が出力されるまで待機す
る(S18のN)。搬送制御部62は、所定数Nのパルスが出力されたら(S18のY)、搬送ベルト34、35の周回を停止させる(S20)。
【0056】
第1センサ50が新聞Sを検出しなくなってから、すなわちS16の処理が実行されてから所定時間(たとえば120msec)経過するまで待機し(S22のN)、所定時間経過したら次のステップに進む(S22のY)。
【0057】
第2センサ52が新聞Sを検出していない場合、すなわち新聞Sが溶着切断ユニット5を既に通過している場合(S24のN)、S26~32はスキップされ、S34に進む。
【0058】
第2センサ52が新聞Sを検出している場合、すなわち新聞Sが溶着切断ユニット5を通過しないうちに停止している場合(S24のY)、搬送制御部62は、再搬送フラグFlagに1を設定し(S26)、搬送ベルト34、35の周回(すなわち再搬送)を開始する(S28)。
【0059】
所定パルス(たとえば5mm相当のパルス)が出力されるまでに第2センサ52が新聞Sを検出しなくなった場合(S30のY)、搬送制御部62は搬送ベルト34、35の周回を停止(すなわち再搬送を終了)する(S32)。
【0060】
所定パルス(たとえば5mm相当のパルス)が出力された後も第2センサ52が新聞Sを検出し続けている場合(S30のN)、搬送制御部62は搬送ベルト34、35の周回を停止(すなわち再搬送を終了)し(S48)、操作パネル45にジャムエラーを表示し(S50)、処理は終了する。
【0061】
溶着制御部64は、溶着切断ユニット5を下降させてフィルムF1,F2を熱溶着させる(S34)。搬送制御部62は、搬送ベルト34、35の周回を開始する(S36)。第3センサ54が新聞Sを検出し(S38)、その後、第3センサ54が新聞Sを検出しなくなる(すなわち新聞Sが排出される)と(S40)、搬送制御部62は搬送ベルト34、35の周回を停止させる(S42)。
【0062】
再搬送を実行した(再搬送フラグFlag=1である)場合(S44のY)、所定数Nを1パルスインクリメントすなわちN=N+1とし(S46)、処理は終了する。なお、S12からS16までの時間が通常時よりも異常に長い場合、何らかの原因(たとえば新聞Sが斜めに入れられていたり、新聞Sが折れ曲がっていたり、など)によってフィルムF1,F2が搬送ベルト34、35に対して著しく滑っていることも考えられる。この場合、第1センサ50を通過した後も著しく滑りながら搬送され、その結果、S24において第2センサ52により検出される可能性がある。このような例外的な場合にまで所定数Nをインクリメントすると、その後の新聞Sの包装でのフィルムの使用量が増えて不経済であるため、この場合はインクリメントしなくてもよい。
【0063】
再搬送を実行しなかった(再搬送フラグFlag=0である)場合(S44のN)、S46はスキップされ、処理は終了する。
【0064】
続いて本実施の形態が奏する効果について説明する。
【0065】
本実施の形態によれば、包装処理位置に搬送された被包装物よりも上流側において、被包装物を挟む2枚のフィルムが押さえ部材16によって受け部に押さえつけられ、さらにその上流側において、溶着切断ヒータ10によってフィルムF1,F2が熱溶着される。すなわち、溶着切断ヒータ10よりも下流側においてフィルムF1,F2が受け部4に押さえつけられる。これにより、溶着切断ヒータ10により溶着する位置では、溶着される
べきフィルムF1,F2は密着し、したがって溶着不良の発生が抑止される。
【0066】
また、本実施の形態によれば、溶着切断ヒータ10よりも押さえ部材16の方が先にフィルムF1,F2に接触する。すなわち、押さえ部材16によってフィルムF1,F2が受け部4に押さえつけられている状態で、溶着切断ヒータ10がフィルムF1,F2に接触する。これにより、そうではない場合と比べて、より一層、溶着不良の発生が抑止される。
【0067】
本実施の形態では、上述のように、押さえ部材16がフィルムF1,F2を押さえつけた状態で溶着切断ヒータ10をフィルムF1,F2に接触させるが、このような構成において、押さえ部材16をフィルムF1,F2から離間させた後に溶着切断ヒータ10をフィルムF1,F2から離間させようとすると、溶着切断ユニットの構成が複雑になる。これに対し本実施の形態では、溶着切断ヒータ10をフィルムF1,F2から離間させた後に押さえ部材16をフィルムF1,F2から離間させるため、上述のように構成が複雑になる問題が生じない。
【0068】
また、本実施の形態によれば、押さえ部材16は回転自在な回転体であるため、押さえ部材16でフィルムF1,F2を押さえつけた状態で、新聞Sを搬送できる。
【0069】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0070】
(変形例1)
実施の形態では、溶着切断ヒータ10の上流側および下流側の両方においてフィルムF1,F2を受け部4に押さえつける場合について説明したが、少なくとも溶着切断ヒータ10の下流側を押さえつければ、上流側は押さえつけなくてもよい。つまり、シャッター3によりフィルムF1,F2を受け部4に押さえつけなくてもよい。
【0071】
(変形例2)
実施の形態および上述の変形例では、第2支持部材24はバネによって下方に付勢されており、これにより押さえ部材16がフィルムF1,F2を押さえつける場合について説明したが、これに限られず、第2支持部材24および押さえ部材16の自重により、押さえ部材16がフィルムF1,F2を押さえつけてもよい。
【0072】
(変形例3)
実施の形態および上述の変形例では、押さえ部材16が回転自在に支持された回転体である場合について説明したが、押さえ部材16の押圧面が低摩擦材により形成されていれば、押さえ部材16は回転しない部材であってもよい。この場合、押さえ部材16は、たとえば、低摩擦材であるポリアセタール樹脂やナイロン樹脂により形成されてもよいし、低摩擦材であるテフロン(登録商標)によりコーティングされてもよい。本変形例によれば、実施の形態と同様に、押さえ部材16でフィルムF1,F2を受け部4に押さえつけた状態で、新聞Sを搬送できる。
【0073】
(変形例4)
実施の形態および上述の変形例では、押さえ部材16が溶着切断ヒータ10に対して上下方向に相対移動可能に第1支持部材22に支持される場合について説明したが、これには限定されず、押さえ部材16は溶着切断ヒータ10に対して相対移動不能に、すなわち溶着切断ヒータ10に対する相対位置が固定された状態で第1支持部材22に支持されて
もよい。この場合、受け部4は、押さえ部材16によって下方に押し下げられるとその部分が変形する、すなわち下方に凹むように構成される。受け部4は、たとえば、軟質なスポンジ材により構成される。
【0074】
図8(a)~(f)は、変形例に係る溶着切断ユニット5の動作を時系列で説明する図である。
図8(a)~(f)はそれぞれ、
図5(a)~(f)に対応する。
図8(c)では、
図5(c)と異なり、押さえ部材16は受け部4に到達した後も受け部4を下方に凹ませながら下降している。押さえ部材16は特に、溶着切断ヒータ10に対して相対移動せず、溶着切断ヒータ10に対する相対位置が固定された状態で下降する。
【0075】
本変形例によれば、実施の形態と同様の効果を奏することができる。
(変形例5)
実施の形態および上述の変形例では、受け部4の上面4aは平坦な水平面であり、押さえ部材16を受ける上面4aの部分の高さ位置と、溶着切断ヒータ10を受ける上面4aの部分の高さ位置とが同じである場合について説明したが、これには限定されない。
【0076】
図9は、変形例に係る溶着切断ユニット5と受け部4を示す図である。
図9は
図5(a)に対応する。本変形例では、受け部4の上面4aは、押さえ部材16を受ける上面4aの部分4aaの高さ位置が、溶着切断ヒータ10を受ける上面4aの部分4abの高さ位置よりも高くなっている。本変形例では、溶着切断ユニット5が待機位置にあるときの押さえ部材16の下端の高さ位置と、溶着切断ヒータ10の下端の高さ位置とは同じである。受け部4の上面4aの部分4aaの高さ位置が部分4abの高さ位置よりも高いため、押さえ部材16と受け部4の上面4aとの距離L1は、溶着切断ヒータ10と受け部4の上面4aとの距離L2よりも短くなる。なお、溶着切断ユニット5が待機位置にあるときにおいて、押さえ部材16と受け部4の上面4aの部分4aaとの距離L1が、溶着切断ヒータ10と受け部4の上面4aの部分4abとの距離L2よりも短ければ、押さえ部材16の下端は溶着切断ヒータ10の下端よりも高い位置にあってもよい。
【0077】
本変形例によれば、実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0078】
(変形例6)
実施の形態および上述の変形例では、溶着切断ユニット5が待機位置にあるときの押さえ部材16と受け部4の上面4aとの距離L1が溶着切断ヒータ10と受け部4の上面4aとの距離L2よりも短い場合について説明したが、距離L1と距離L2とが同じであってもよい。
【0079】
図10は、別の変形例に係る溶着切断ユニット5と受け部4を示す図である。
図10は
図5(a)に対応する。本変形例では、受け部4の上面4aは平坦な水平面であり、溶着切断ユニット5が待機位置にあるときの押さえ部材16の下端の高さ位置と溶着切断ヒータ10の下端の高さ位置とは同じであり、したがって、距離L1と距離L2とは同じである。この場合、押さえ部材16と溶着切断ヒータ10は同時に受け部の上面4aに到達する。
【0080】
本変形例によれば、溶着切断ヒータ10よりも下流側においてフィルムF1,F2が受け部4に押さえつけられるため、溶着切断ヒータ10により溶着する位置では、溶着されるべきフィルムF1,F2は密着し、したがって溶着不良の発生が抑止される。
【0081】
(変形例7)
実施の形態では、
図5に示されるように、押さえ部材16が押し付けられても受け部4が変形しない場合について説明した。つまり、受け部4が、バネ28により押し付けられ
る押さえ部材16により変形しない程度の剛性を有する場合について説明した。これに対し、本変形例では、溶着切断ヒータ10を受け部4に確実に圧接させるために受け部4を弾性材で形成する。
【0082】
図11(a)、(b)は、本変形例の課題を説明するための図である。受け部4が弾性材で形成される場合、押さえ部材16が受け部4に押し付けられると、
図11(a)に示されるように押さえ部材16とフィルムF1,F2とともに受け部4は沈み込む、その分、フィルムF1,F2は引っ張られる。
図11(b)に示されるようにフィルムF1,F2が引っ張られた状態で溶着切断ヒータ10が下降してきてフィルムF1,F2に接触すると、幅方向において少なくとも部分的に、フィルムF1,F2が熱溶着される前に切断されうる。つまり、幅方向において少なくとも部分的にフィルムF1,F2が溶着されない(すなわち非溶着部分を含む)溶着不良が生じうる。
【0083】
本変形例では、受け部4を弾性材で形成した場合における上述の課題を解決する。以下、実施の形態との相違点を中心に具体的に説明する。
【0084】
【0085】
本変形例の溶着切断ユニット5は、押さえ部材16を1つのみ含む。本変形例の押さえ部材16は、実施の形態のそれよりも幅方向に長く、好ましくは、幅方向の範囲Rが4つ折りされた新聞Sの長辺の長さよりも長くなるように形成される。押さえ部材16は、回転自在に支持されたコロであってもよく、低摩擦材により形成される場合は回転しない部材であってもよい。
【0086】
本変形例の支持部材20は、第2支持部材24を1つのみ備える。本変形例の第2支持部材24は、実施の形態のそれよりも幅方向に長く、特に押さえ部材16よりも幅方向に長く形成される。また、第2支持部材24は、押さえ部材16の幅方向外側(押さえ部材16の幅方向の中央から遠い方)に、押さえ部材16よりも下方に突出する突出部24bを有する。ここでは、押さえ部材16の幅方向の両側に突出部24bを有する。つまり、2つの突出部24bを有する。第2支持部材24は、幅方向中央に、たとえば新聞Sを検出するためのセンサの光軸を通すための切り欠きまたは開口を有していてもよい。
【0087】
本変形例では、包装装置1はさらに、突出部24bと同数の規制部材48を備える。規制部材48は、溶着時に下降してくる溶着切断ユニット5の突出部24bを受ける部材であり、平面視で押さえ部材16部材よりも幅方向外側であって、突出部24bの下方に設けられる。規制部材48は、好ましくは、エラストマ(たとえばシリコンゴムやウレタン)などの緩衝性を有する材料で形成される。規制部材48は、受け部4上ではなく、たとえば包装装置1の筐体フレーム(不図示)に固定される。
【0088】
図14(a)~(f)は、本変形例に係る溶着切断ユニット5の動作を時系列で説明する図である。
図14(a)~(f)はそれぞれ、
図5(a)~(f)に対応する。
【0089】
図14(c)では、突出部24bが規制部材48の上面48aに当接(着座)しており、したがって第2支持部材24ひいては押さえ部材16の下降は記載される。つまり、第2支持部材24ひいては押さえ部材16はそこで停止する。この例では、突出部24bは押さえ部材16よりも下方に突出しており、規制部材48は受け部4の上面4aよりも上方に突出している。このため押さえ部材16は、受け部4の上面4aに当接せず、上面4aとの間にわずかな隙間Gをあけた状態で停止している。ここでは隙間Gを誇張して描い
ているが、実際にはたとえば1mm~2mm程度の隙間である。押さえ部材16は、少なくともフィルムF1に接触しており、フィルムF1をフィルムF2に向かって、つまりフィルムF1がフィルムF2に近づくように、フィルムF1を下方に押し付けている。
【0090】
図14(d)では、溶着切断ヒータ10は受け部4に到達している。すなわち、溶着切断ヒータ10は溶着位置に到達している。溶着切断ヒータ10は、フィルムF1,F2に接触し、それらを熱溶着する。なお、受け部4は、弾性変形して、溶着切断ヒータ10の下端とともに沈み込んでいる。
【0091】
本変形例によれば、押さえ部材16は受け部4に押し付けられないため、押さえ部材16が受け部4に沈み込むことはなく、押さえ部材16によってフィルムF1,F2が引っ張られる事態は生じない。
【0092】
また、本変形例では、溶着切断ヒータ10が受け部4に沈み込む。押さえ部材16によりフィルムF1,F2が受け部4に押し付けられている場合、溶着切断ヒータ10が受け部4に沈み込むと押さえ部材16と溶着切断ヒータ10との間でフィルムF1,F2が引っ張られ、やはり溶着不良が生じうる。これに対し、本変形例では押さえ部材16と受け部4の上面4aとの間にはフィルムF1,F2が動きうる隙間Gがあり、また通常、押さえ部材16の下流側にはある程度の弛みが存在するため、溶着切断ヒータ10が沈み込むことによる影響は、その弛みが押さえ部材16と受け部4の上面4aとの間の隙間Gを通って上流側に引き戻されることで吸収される。これにより、溶着切断ヒータ10が受け部4に沈み込むことによる溶着不良の発生が抑止される。
【0093】
続いて、さらなる変形例について説明する。
図15(a)、(b)は、さらなる変形例を説明する図である。
図15(a)、(b)はそれぞれ、
図14(c)に対応する。
図15(a)では、規制部材48の上面48aが受け部4の上面4aがよりも下方に位置し、その分、押さえ部材16よりも下方に突出する突出部24bの突出量が多くなっている。
図15(b)では、第2支持部材24は突出部24bを有していないが、その分、受け部4の上面4aからの規制部材48の突出量が多くなっている。いずれにしろ、これらの変形例においても、押さえ部材16は受け部4の上面4aとの間にわずかな隙間Gをあけた状態で停止する。
【0094】
また、別のさらなる変形例として、押さえ部材16は溶着切断ヒータ10に対して相対移動不能に、すなわち溶着切断ヒータ10に対する相対位置が固定された状態で第1支持部材22に支持されてもよい。この場合、押さえ部材16は、当該押さえ部材16の下端と溶着切断ヒータ10の下端との上下方向の距離が距離Gとなるように第1支持部材22に支持されればよい。この変形例においても、押さえ部材16は受け部4の上面4aとの間にわずかな隙間Gをあけた状態で停止する。
【0095】
続いて、隙間Gの大きさについて言及する。溶着の際に、溶着位置においてフィルムF1,F2が必ずしも密着しないまでも、フィルムF1とフィルムF2とが離間しすぎないようにすることで、フィルムの溶着不良が生じるのを抑止する効果、すなわち実施の形態において押さえ部材16を受け部4に押し付けたことによる効果と同じあるいは近い効果を得られる。そうすると、隙間Gは、広くても、押さえ部材16がフィルムF1に接触する幅であることが必要である。これにより、押さえ部材16によって少しでもフィルムF1がフィルムF2に近づけられ、溶着不良の発生が抑止される。また、隙間Gは、溶着切断ユニット5が待機位置にあるときの押さえ部材16と受け部4の上面4aとの間の隙間よりも当然に狭い。また、隙間Gは、新聞Sが通過できない隙間、つまり新聞Sの厚み(たとえば最大35mm)よりも狭い隙間であってもよい。
【0096】
また、上述したように、溶着不良を生じさせないためには、押さえ部材16と受け部4の上面4aとの間をフィルムF1,F2が動ける必要がある。したがって、隙間Gは、狭くとも、フィルムF1とフィルムF2の厚みの合計以上であることが必要である。
【0097】
これらの条件を満たす隙間Gの大きさとして、隙間Gは、たとえば、フィルムF1とフィルムF2の厚みの合計以上、かつ、2mm以下であってもよく、具体的には1mmであってもよい。
【0098】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0099】
1 包装装置、 10 溶着切断ヒータ、 16 押さえ部材、 20 支持部材、 22 第1支持部材、 24 第2支持部材、 F1,F2 フィルム、 S 新聞。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を2枚のフィルムで挟んで搬送し、所定の包装処理位置で停止した前記被包装物の上流側でフィルムを溶着切断して包装する包装装置であって、
搬送される被包装物を検知するセンサと、
前記2枚のフィルムで挟まれた被包装物を搬送する搬送手段と、
前記被搬送物の上流側で前記フィルムに接触してフィルム同士を熱溶着するヒータと、
前記被包装物が前記センサで検知された後、前記包装処理位置で停止するように前記搬送手段の駆動を停止させ、その後前記ヒータをフィルムに接触させる制御部と、を有し、
前記制御部は、前記センサによる被包装物の検知タイミングをトリガとして、所定の搬送駆動量だけ前記搬送手段を駆動後停止させた際の前記被包装物の停止位置に基づいて、前記センサで検知されてから、前記被包装物が前記包装処理位置で停止するまでの、前記搬送手段の搬送駆動量の合計を変更可能な包装装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記センサによる被包装物の検知タイミングをトリガとして、所定の搬送駆動量だけ前記搬送手段を駆動後停止させた際の前記被包装物の停止位置が、前記被包装物が前記ヒータを通過完了した位置であるか否かを判定し、該判定の結果、
前記停止位置が、前記被包装物が前記ヒータを通過完了した位置であると判定した場合は、前記被包装物が既に前記包装処理位置に達したものとして、前記ヒータをフィルムに接触させ、
前記停止位置が、前記被包装物が前記ヒータを通過完了した位置ではないと判定した場合は、前記搬送手段を再度駆動して、前記被包装物が前記ヒータを通過完了するまで前記被包装物を再搬送し、該再搬送後により前記被包装物が前記包装処理装置に達したものとして、前記ヒータをフィルムに接触させる請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記被包装物が前記ヒータを通過完了しないまま、前記再搬送による搬送駆動量が所定量を超えた場合、前記搬送手段の駆動を停止させ、エラー発生をユーザに報知する請求項2に記載の包装装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記再搬送を行った場合、その次の被包装物の包装の際には、前記所定の搬送駆動量を所定量だけ増加させる請求項2または3に記載の包装装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記再搬送を行うたびに、前記所定の搬送駆動量を増加させる請求項4に記載の包装装置。
【請求項6】
前記制御部は、ユーザによる所定の操作に応じて前記所定の搬送駆動量を初期値に戻す請求項4または5に記載の包装装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記被包装物が前記ヒータを通過完了しないまま、前記再搬送による搬送駆動量が所定量を超えた場合は、前記所定の搬送駆動量の増加は行わない請求項4から6のいずれかに記載の包装装置。
【請求項8】
前記ヒータの下流側に設けられ、前記被包装物を検知可能な第2センサを有し、
前記制御部は、前記被包装物を前記停止位置で停止させたとき、
前記被包装物を前記第2センサが検知していない場合に、前記停止位置は前記被包装物が前記ヒータを通過完了した位置であると判定し、
前記被包装物を前記第2センサが検知している場合に、前記停止位置は前記被包装物が前記ヒータを通過完了した位置であると判定する
請求項2から7のいずれかに記載の包装装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
2枚のフィルムに挟まれた新聞は比較的滑りやすく、搬送を停止させたとき、新聞は慣性力により滑ってから停止する。したがって、所望の位置で新聞を停止させるには、慣性力によって滑る距離を考慮する必要がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明はこうした状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、所望の位置で新聞を停止させることができる包装装置を提供することにある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の包装装置は、被包装物を2枚のフィルムで挟んで搬送し、所定の包装処理位置で停止した前記被包装物の上流側でフィルムを溶着切断して包装する包装装置であって、搬送される被包装物を検知するセンサと、前記2枚のフィルムで挟まれた被包装物を搬送する搬送手段と、前記被搬送物の上流側で前記フィルムに接触してフィルム同士を熱溶着するヒータと、前記被包装物が前記センサで検知された後、前記包装処理位置で停止するように前記搬送手段の駆動を停止させ、その後前記ヒータをフィルムに接触させる制御部と、を有し、前記制御部は、前記センサによる被包装物の検知タイミングをトリガとして、所定の搬送駆動量だけ前記搬送手段を駆動後停止させた際の前記被包装物の停止位置に基づいて、前記センサで検知されてから、前記被包装物が前記包装処理位置で停止するまでの、前記搬送手段の搬送駆動量の合計を変更可能である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明によれば、所望の位置で新聞を停止させることができる包装装置を提供できる
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された態様を以下記載する。
[態様1]
被包装物をフィルムで包装する包装装置であって、
所定位置に搬送された被包装物よりも上流側において、被包装物を挟む2枚のフィルムを受け部に押さえつける押さえ部材と、
前記押さえ部材よりも上流側において、フィルムに接触してフィルム同士を熱溶着するヒータと、
前記押さえ部材および前記ヒータを支持し、前記押さえ部材および前記ヒータがフィルムから離れた待機位置と、フィルムに接触した溶着位置との間を移動可能な支持部材と、
を備え、
前記押さえ部材は、前記ヒータに対して相対移動可能に前記支持部材に支持されることを特徴とする包装装置。
[態様2]
被包装物をフィルムで包装する包装装置であって、
所定位置に搬送された被包装物よりも上流側において、被包装物を挟む2枚のフィルムを受け部に押さえつける押さえ部材と、
前記押さえ部材よりも上流側において、フィルムに接触してフィルム同士を熱溶着するヒータと、
前記押さえ部材および前記ヒータを支持し、前記押さえ部材および前記ヒータがフィルムから離れた待機位置と、フィルムに接触した溶着位置との間を移動可能な支持部材と、
を備え、
前記支持部材が前記待機位置にあるときの前記押さえ部材と受け部との距離は、前記ヒータと受け部との距離以下であることを特徴とする包装装置。
[態様3]
前記押さえ部材がフィルムを押さえつけた状態で前記ヒータがフィルムに接触することを特徴とする態様1または2に記載の包装装置。
[態様4]
前記支持部材が前記待機位置にあるときの前記押さえ部材と受け部との距離は、前記ヒータと受け部との距離より短く構成され、
前記ヒータがフィルムから離間した後に前記押さえ部材が離間することを特徴とする態様1から3のいずれかに記載の包装装置。
[態様5]
被包装物をフィルムで包装する包装装置であって、
所定位置に搬送された被包装物よりも上流側において、被包装物を挟む2枚のフィルムを互いに近づけるための押さえ部材と、
前記押さえ部材よりも上流側において、フィルムに接触してフィルム同士を熱溶着するヒータと、
前記押さえ部材および前記ヒータを支持し、前記ヒータがフィルムから離れた待機位置と、フィルムに接触した溶着位置との間を移動可能な支持部材と、
を備え、
前記支持部材が前記溶着位置にあるとき、前記押さえ部材と受け部との間に隙間があることを特徴とする包装装置。
[態様6]
前記支持部材が前記溶着位置にあるとき、前記押さえ部材は、被包装物を挟む2枚のフィルムのうちの上側のフィルムに接触することを特徴とする態様5に記載の包装装置。
[態様7]
前記押さえ部材は、前記ヒータに対して相対移動可能に前記支持部材に支持されることを特徴とする態様5または6に記載の包装装置。
[態様8]
前記支持部材は、前記ヒータを支持する第1支持部材と、前記第1支持部材に対して相
対移動可能であり、前記押さえ部材を支持する第2支持部材と、を含み、
前記支持部材が前記溶着位置に移動するとき、前記第2支持部材に当接して前記押さえ部材を受け部との間に前記隙間がある状態で停止させる規制部材をさらに備えることを特徴とする態様7に記載の包装装置。
[態様9]
前記押さえ部材は回転自在なコロであることを特徴とする態様1から8のいずれかに記載の包装装置。
[態様10]
前記押さえ部材の押圧面は、低摩擦材により形成されることを特徴とする態様1から8のいずれかに記載の包装装置。
これらの態様により解決される課題は以下の通りである。
特許文献1に記載されるような従来の包装装置では、2つのフィルムロールから引き出されたフィルムは、新聞の挿入口を塞ぐためのシャッターによって受け部に押さえつけられ、これにより溶着切断ヒータの上流側において互いに密着する。しかしながら、2つのフィルムロールからのフィルムは、溶着切断ヒータの位置では互いに密着せず、したがって溶着切断ヒータによって切断されるものの、フィルム同士が溶着されないあるいは部分的にしか溶着されない場合がある。つまり、フィルムの溶着不良が生じる場合がある。
このような課題は、包装装置が新聞を包装する場合に限らず、他の種類の被包装物を包装する場合にも生じうる。
本発明はこうした状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、フィルムの溶着不良を低減できる包装装置を提供することにある。