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特開2024-178246針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置
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  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図1
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図2A
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図2B
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図3A
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図3B
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図3C
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図3D
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図4
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図5
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図6
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図7A
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図7B
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図8
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図9
  • 特開-針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178246
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能な針ガード機構を備えた薬物送達装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20241217BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
A61M5/32 530
A61M5/32 500
A61M5/20 550
A61M5/32 510D
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024158877
(22)【出願日】2024-09-13
(62)【分割の表示】P 2022039981の分割
【原出願日】2016-02-26
(31)【優先権主張番号】62/121,758
(32)【優先日】2015-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スコット・アール・ギブソン
(72)【発明者】
【氏名】シェルドン・モバーグ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】薬物送達のための装置、方法及びシステムを提供する。
【解決手段】薬物貯蔵容器を収容するための筐体110であって、投与量送達部材は筐体の開口を通って延在する、筐体と、伸長位置と格納位置の間で筐体に対して移動可能な針ガード152であって、投与量送達部材の上記部分は、伸長位置にある針ガードによって取り囲まれており、投与量送達部材の上記部分は、針ガードが格納位置にあるときに露出されている、針ガードと、投与量送達部材を注射部位の身体組織に挿入している間、伸長位置から格納位置までの針ガードの移動に対する選択された閾値の抵抗力を与えるための干渉機構154であって、戻り止め機構は、筐体内の表面に付随した第1の部材と針ガードから延在する第2の部材とを備え、薬物送達装置が注射部位の方に押圧されると、第1の部材と第2の部材を互いに通り越して摺動させて針ガードを格納位置に移動させる、干渉機構とを備える。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達装置であって、
投与量送達部材を含む薬物貯蔵容器を搭載するように構成され、開口を備えた筐体であって、前記投与量送達部材の少なくとも挿入部分が前記筐体の前記開口を通って延在すべく構成されるようになっている、前記筐体と、
前記開口に近接して配置され、かつ伸長位置と格納位置の間で前記筐体に対して移動可能な針ガードであって、前記投与量送達部材の前記挿入部分は、前記伸長位置にある前記針ガードによって取り囲まれており、前記投与量送達部材の前記挿入部分は、前記針ガードが前記格納位置にあるときに少なくとも部分的に露出されている、前記針ガードと、
前記投与量送達部材を注射部位の身体組織に挿入している間、前記伸長位置から前記格納位置までの前記針ガードの移動に対する選択された閾値の抵抗力を与えるための干渉機構であって、前記干渉機構は、前記筐体の内面に付随した第1の部材と前記針ガードから延在する第2の部材とを備え、前記第1の部材と前記第2の部材は、互いに係合して前記針ガードを前記伸長位置に保持し、前記第1の部材と前記第2の部材の一方は、前記投与量送達部材の挿入中に前記薬物送達装置が前記注射部位の方に押圧されると、前記選択された閾値の抵抗力を超えた場合に移動して、前記第1の部材および前記第2の部材は摺動しながら互いを乗り越え、前記針ガードを前記格納位置に移動させる、前記干渉機構と
を備える、前記薬物送達装置。
【請求項2】
前記第1の部材と前記第2の部材の一方はカムを備え、前記第1の部材と前記第2の部材の他の一方はカム従動子を備える、請求項1に記載の薬物送達装置。
【請求項3】
前記カム従動子は前記カムに対して付勢されている、請求項2に記載の薬物送達装置。
【請求項4】
前記カム従動子は、前記カムに対向する前記カム従動子に付勢力を印加する可撓性アームを備える、請求項2から請求項3のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項5】
前記カム従動子は、前記可撓性アームの自由端に、または前記自由端に近接して配置された突起を更に備える、請求項4に記載の薬物送達装置。
【請求項6】
前記カム従動子は、前記可撓性アームの自由端に、または前記自由端に近接して配置された溝を更に備える、請求項4に記載の薬物送達装置。
【請求項7】
前記カムは、固定された連続型または分割型の円周ビードを備える、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項8】
前記カムは、固定された溝を備える、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項9】
前記針ガードは、前記格納位置において前記筐体に少なくとも部分的に入り込んでいる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項10】
前記第1の部材は前記カム部材を備え、前記第2の部材は前記カム従動子部材を備える、請求項2から請求項9のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項11】
前記第1の部材は前記カム従動子部材を備え、前記第2の部材は前記カム部材を備える、請求項2から請求項9のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項12】
前記薬物貯蔵容器はシリンジを備える、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項13】
薬物を放出するために前記薬物貯蔵容器内に移動可能に配置されたストッパを前記薬物貯蔵容器が更に備え、前記ストッパに作用するプランジャと、前記プランジャに力を及ぼして前記プランジャを前記ストッパに作用させて前記薬物を放出させるためのエネルギー源とを含む注射駆動機構を更に備える、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項14】
前記投与量送達部材は注射針またはカニューレを備える、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項15】
前記薬物貯蔵容器に貯蔵された薬物を更に備え、前記薬物は、TNF阻害剤、カルシトニン遺伝子関連ペプチド受容体に対する抗体、コロニー刺激因子、赤血球生成刺激剤、アペリン受容体アゴニスト、抗胸腺間質性リンパ球新生因子抗体、抗胸腺間質性リンパ球新生因子受容体抗体、ヒトタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型と結合する抗体、及びメタロプロテイアーゼの組織阻害剤からなる群から選択される、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2015年2月27日に出願された米国仮特許出願第62/121,758号に対して優先権を主張する。本仮特許出願の全ての内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示の分野
本開示は、薬物送達装置に関する。より具体的には、本開示は、針挿入の効果を発揮させるために患者または操作者が打ち勝つ必要のある針ガードの移動に対する抵抗力の閾値が調整可能である干渉機構を有する針ガード機構を備えた薬物送達装置に関する。
【背景技術】
【0003】
関節リウマチ、乾癬、脂質異常症、骨粗鬆症及び他の病状を治療するための生物学的製剤を非限定的に含む薬剤が、患者の皮下空間、筋内空間または皮内空間に送達され得る。シリンジ、注射器及び自動注射器などの薬物送達装置を使用して、かかる薬剤を注射によって送達することができる。
【0004】
注射器及び自動注射器(注射器)は、多くの種類の治療薬を送達するのに好ましい。その理由として、一つには、それらの注射器が、従来のシリンジが備えていない安全機能を搭載しているためである。例えば、注射器の取り扱い中に不注意による針の穿刺や意図しない投薬から保護することが望ましい。
【0005】
シリンジは、所定の位置に針シールドを嵌めた状態で輸送することができる。この針シールドは、注射針の無菌性を維持するための封止部として機能し、注射器の取り扱い中に不注意による針の穿刺や意図しない薬物注入からある程度保護する。しかしながら、薬物送達を可能とするためには針シールドを取り外す必要があり、それにより注射針が露出される。注射プロセスでは、針を配置し、薬剤を送達している間、針シールドが所定の位置に無い状態でシリンジを取り扱う必要があるため、注射する前に不注意による針の穿刺や意図しない送達といった安全上のリスクが存在する。
【0006】
露出された針によって生じるリスクから保護することが注射器において望ましい。図1に示すように、多くの注射器は、注射針24を取り囲む格納式の針ガード52を備えており、針シールド29が取り外された後に不注意による針の穿刺や意図しない投薬から保護するようになっている。針ガード52は、注射針24を露出させるための入力を必要とする。この入力は、挿入のために針を露出させるか、挿入しようとするユーザーの意図を表す。入力がない場合、針ガード52は、針24を覆って伸長された状態を保つ。
【0007】
針ガード24は、閾入力に達するまで、注射針を露出させ、かつ/または挿入しようとする力に抵抗することにより、意図しない投薬から保護することができる。従来技術の機構のいくつかは、この抵抗力を与えるように開発されている。例えば、図1(ばね60)に示すように、これらの機構の多くは、ばねを使用して抵抗力を与える。他の装置は、自動針挿入機構を利用して抵抗力を与える。しかしながら、ばねまたは自動針挿入機構を使用すると、薬物送達装置の複雑さが増大し、当該装置に更なる構成要素が加わる。自動針挿入機構の場合、特に、複雑さが増大し、従って、注射器の信頼性が低下し、薬物送達装置のコストが上昇する可能性がある。
【0008】
自動針挿入機構は、注射針を挿入するためのエネルギーを与える。これらの機構のいくつかは、1つ以上のばね(以下、ばね)を使用してもよい。このばねは、注射針を挿入するための位置エネルギーを与える。解放される前、ばねは位置エネルギーを貯える。ばねが圧縮されると、解放閾値に達するまで位置エネルギーが増加し、加速及び/または減速を受けると、位置エネルギーが運動エネルギーに変換される。有効質量を有する注射器が抵抗力を有するばねと接触するとき、運動エネルギーにより、注射システムの有効質量と当該有効質量の注射システムの速度との関数として慣性が決まる。この慣性により、針挿入の速度及び力が決まる。従って、ばねの位置エネルギーを調節して、針挿入の最適な速度及び力を与えることができる。自動針挿入機構の利点の1つは、針挿入プロセスを最適化できることである。
【0009】
従って、信頼性を向上させ、コストをより低くし、針挿入を最適化した薬物送達装置が望まれている。
【発明の概要】
【0010】
薬物送達装置であって、投与量送達部材を含む薬物貯蔵容器を収容するための筐体であって、当該投与量送達部材の少なくとも挿入部分は筐体の開口を通って延在する、筐体と;伸長位置と格納位置の間で筐体に対して移動可能な針ガードであって、投与量送達部材の挿入部分は、伸長位置にある針ガードによって取り囲まれており、投与量送達部材の挿入部分は、針ガードが格納位置にあるときに少なくとも部分的に露出されている、針ガードと;投与量送達部材を注射部位の身体組織に挿入している間、伸長位置から格納位置までの針ガードの移動に対する選択された閾値の抵抗力を与えるための干渉機構であって、戻り止め機構は、筐体内の表面に付随した第1の部材と針ガードから延在する第2の部材とを備え、第1の部材と第2の部材は、互いに係合して針ガードを伸長位置に保持し、第1の部材と第2の部材の一方は、投与量送達部材の挿入中に薬物送達装置が注射部位の方に押圧されると、選択された閾値の抵抗力を超えた場合に移動して、第1の部材と第2の部材を互いに通り越して摺動させて針ガードを格納位置に移動させる、干渉機構とを備える、薬物送達装置。
【0011】
更に、薬物の投与方法であって、筐体、ガード及び干渉機構を備えた送達装置を提供することであって、筐体は薬物貯蔵容器を収容し、薬物貯蔵容器は、筐体の開口を通って少なくとも部分的に延在する投与量送達部材を含み、ガードは、伸長位置と格納位置の間で筐体に対して移動可能であり、投与量送達部材は、伸長位置にあるガードによって隠され、投与量送達部材は、ガードが格納位置にあるときに露出され、干渉機構は、筐体内の表面に付随した第1の部材とガードから延在する第2の部材とを備え、第1の部材と第2の部材は、互いに係合してガードを伸長位置に保持する、提供することと;投与量送達部材を注射部位の身体組織に挿入するために当該身体組織に対してガードを押圧することであって、干渉機構は、伸長位置からの針ガードの移動に対する閾値の抵抗力を与え、第1の部材と第2の部材の一方は、閾値の抵抗力を超えた場合に移動して、ガードが筐体に向かって格納位置へと移動を開始すると共に第1の部材と第2の部材を互いに通り越して摺動させる、押圧することとを含む、方法。
【0012】
同一の参照番号は、各種実施形態の同一または類似の要素及び構造を識別するために各図面において使用される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来技術の薬物送達装置の部分断面における正面図である。
図2A】本開示に係る薬物送達装置の実施形態の部分断面における正面図である。
図2B】針挿入を完了した後の図2Bの薬物送達装置の部分断面における正面図である。
図3A】薬物送達装置の針ガード機構の実施形態及び針ガード機構の干渉機構の実施形態の断面を示す正面図である。
図3B図3Aに示した干渉機構のカム要素の実施形態を示す薬物送達装置の筐体の内部の断面図である。
図3C図3Aに示した干渉機構のカム要素の別の実施形態を示す薬物送達装置の筐体の内部の断面図である。
図3D図3Aに示した干渉機構のカム従動子の実施形態を示す針ガードの斜視図である。
図4】干渉機構の別の実施形態を示す薬物送達装置の針ガード機構の断面を示す正面図である。
図5】干渉機構の別の実施形態を示す薬物送達装置の針ガード機構の断面を示す正面図である。
図6】薬物送達装置の針ガード機構の別の実施形態及び針ガード機構の干渉機構の別の実施形態の断面を示す正面図である。
図7A】針ガード機構及び干渉機構の別の実施形態の断面ならびにその動作を示す正面図である。
図7B】針ガード機構及び干渉機構の別の実施形態の断面ならびにその動作を示す正面図である。
図8】従来の手動ばね式針挿入機構を備えた注射器の作用力対距離をプロットしたグラフである。
図9】従来の自動針挿入機構を備えた注射器の作用力対距離をプロットしたグラフである。
図10】干渉機構を有する針ガードを備えた本開示の薬物送達装置の実施形態の作用力対距離をプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
概要
本明細書において開示されるのは薬物送達装置である。各種実施形態において、薬物送達装置は、投与量送達部材を含む薬物貯蔵容器を搭載するように構成され、開口を備えた筐体であって、投与量送達部材の少なくとも挿入部分が筐体の前記開口を通って延在すべく構成されるようになっている、筐体と;開口に近接して配置され、かつ伸長位置と格納位置の間で筐体に対して移動可能な針ガードであって、投与量送達部材の挿入部分は、伸長位置にある針ガードによって取り囲まれており、投与量送達部材の挿入部分は、針ガードが格納位置にあるときに少なくとも部分的に露出されている、針ガードと;投与量送達部材を注射部位の身体組織に挿入している間、伸長位置から格納位置までの針ガードの移動に対する選択された閾値の抵抗力を与えるための干渉機構であって、干渉機構は、筐体の表面に付随した第1の部材と針ガードから延在する第2の部材とを備え、第1の部材と第2の部材は、互いに係合して針ガードを伸長位置に保持し、第1の部材と第2の部材の一方は、投与量送達部材の挿入中に薬物送達装置が注射部位の方に押圧されると、選択された閾値の抵抗力を超えた場合に移動して、第1の部材と第2の部材を互いに通り越して摺動させ、針ガードを格納位置に移動させる、干渉機構とを備える。
【0015】
本明細書において更に開示されるのは、薬物の投与方法である。この方法は、筐体、針ガード及び干渉機構を備えた送達装置を提供することであって、筐体は薬物貯蔵容器を収容し、薬物貯蔵容器は、筐体の開口を通って少なくとも部分的に延在する投与量送達部材を含み、針ガードは、伸長位置と格納位置の間で筐体に対して移動可能であり、投与量送達部材は、伸長位置にある針ガードによって隠され、投与量送達部材は、針ガードが格納位置にあるときに露出され、干渉機構は、筐体内の表面に付随した第1の部材と針ガードから延在する第2の部材とを備え、第1の部材と第2の部材は、互いに係合して針ガードを伸長位置に保持する、提供することと;投与量送達部材を注射部位の身体組織に挿入するために当該身体組織に対して針ガードを押圧することであって、干渉機構は、伸長位置からの針ガードの移動に対する閾値の抵抗力を与え、第1の部材と第2の部材の一方は、閾値の抵抗力を超えた場合に移動して、針ガードが筐体に向かって格納位置へと移動を開始すると共に第1の部材と第2の部材を互いに通り越して摺動させる、押圧することとを含む。
【0016】
本明細書においてなお更に開示されるのは、投与量の薬物を患者に送達するための投与量送達部材を含む薬物貯蔵容器を搭載するように構成された筐体と;投与量送達部材を延在させるための筐体の開口に近接して配置された針ガードであって、投与量送達部材を取り囲むための伸長位置と投与量送達部材を露出させるための格納位置との間で筐体に対して移動可能である、針ガードと;伸長位置から格納位置まで針ガードを移動させるために打ち勝つ必要のある選択された閾値の抵抗力を与える干渉機構であって、干渉機構は、筐体の表面に付随した第1の部材と針ガードに付随した第2の部材とを備え、第1の部材と第2の部材は、針ガードが伸長位置にあるときに互いに接触している、干渉機構とを備え、第1の部材と第2の部材の少なくとも一方は、伸長位置から格納位置の方に針ガードを押し付ける軸力を印加すると、可撓性アームが撓んで、付随した第1の部材及び/または第2の部材を他方から径方向に離して移動させて、第1の部材と第2の部材を互いに通り越して摺動させるように可撓性アームによって搬送される、薬物送達装置である。
【0017】
詳細な説明
図2Aは、本開示に係る携帯型薬物送達装置100の実施形態を示す。この装置は、針ガード152の移動に対する抵抗力の閾値を調整可能な針ガード機構150を備えており、針挿入、速度及び力の効果を発揮させ、最適化を行うようになっている。薬物送達装置100は、単回使用の使い捨て注射器として、または複数回使用の再利用可能な注射器として構成することができる。薬物送達装置100は、例えば、約1~200センチポアズの範囲をとることが可能な粘度を有するものを含む、任意の適切な医薬品または薬物を送達するように構成することができる。更に、薬物送達装置100は、自己投与するための自動注射器として構成することができるが、かかる装置を介護者または正式に訓練された医療提供者によって使用して注射することもできる。図2Aを参照すると、各種実施形態の薬物送達装置100は、薬物貯蔵装置120を保持する長尺のハウジングまたは外部筐体110を更に備えることができる。各種実施形態の薬物貯蔵装置120は、主容器122、内部に含まれる医薬品または薬物128を放出するために主容器122の内部チャンバ122cに移動可能に配置されたストッパ126、及び注射針124(図示)、カニューレまたは身体組織に侵入し、患者の身体に薬物を投与することが可能なその他の適切な投与量送達部材もしくは要素を備えることができる。いくつかの実施形態において、薬物貯蔵装置120は、従来のガラスまたはプラスチック製のシリンジまたはカートリッジを備えてもよい。着脱可能なシールド129を注射針124を覆って取り付けて、薬物送達装置100を使用する前に当該注射針を無菌の状態に維持することができる。薬物貯蔵装置120は、1回以上の投与量の医薬品または薬物128で予備充填されてもよい。
【0018】
各種実施形態において、筐体110の内面112は、1つ以上の支持部材114を備えており、注射針124の少なくとも挿入部分が筐体110の遠位端110deに画定された開口110oを通って延在した状態で外部筐体110内に薬物貯蔵装置120を固定的に保持することができる。
【0019】
図2Aを更に参照すると、薬物送達装置100の各種実施形態は、注射駆動機構130及び駆動トリガ機構140を更に備えることができる。注射駆動機構130は、筐体110内に配置することができ、いくつかの実施形態においては、プランジャ132及びプランジャ駆動ばね134を備えることにより、プランジャ132を推進して薬物貯蔵装置120の主容器122に挿通させて薬物の注入または投薬を行うようにしてもよい。プランジャ132及びプランジャ駆動ばね134は、ばね134の一端がプランジャ132のヘッド部材138と係合し、かつばね134の他端が駆動トリガ機構140と係合した状態でプランジャ132がプランジャ駆動ばね134を通って延在するように構成することができる。注射駆動機構130を起動する前、いくつかの実施形態において、プランジャ132は、プランジャ132のヘッド部材138と駆動トリガ機構140との間でばね134が圧縮された状態で、プランジャ132のヘッド部材が薬物貯蔵装置120の主容器122の開口122oに近接して配置されている状態にある。注射駆動機構130が駆動トリガ機構140によって起動されると、プランジャ駆動ばね134が伸長し、プランジャ132を推進して薬物貯蔵装置120の主容器122に挿通させ、主容器122を通るようにストッパ126を駆動して、注射針124を通して薬物128を放出する。
【0020】
他の実施形態において、薬物送達装置100の注射駆動機構130は、1つ以上のモーター及び/もしくはソレノイドならびに駆動トレーンもしくは動力伝達装置を含む電気的/機械的機構(図示せず)、または加圧気体もしくは液体(図示せず)を生成もしくは放出する機構を備えて、プランジャ132を推進することができる。こうした注射駆動機構は、当技術分野において周知である。更なる実施形態おいて、注射駆動機構130は、加圧気体または流体(図示せず)を生成または放出する機械的機構を備えてもよい。この機構は、ストッパ126に直接作用して主容器122を通るように当該ストッパを移動させて、当該主容器から注射針124を通して薬物128を放出する。こうした注射駆動機構は、当技術分野において周知である。
【0021】
図2Aを更に参照すると、駆動トリガ機構140は、筐体110内に配置することができ、筐体110の側面にある開口を通って延在する起動ボタン142、起動ボタン142から延在するプランジャ解放アーム144、及びプランジャ解放アーム144と筐体110の内面112との間に配置されたトリガばね148を備えることができる。起動ボタン142により、駆動トリガ機構140を患者または他の操作者によって作動させることが可能となり、それにより注射駆動機構130が起動される。プランジャ解放アーム144は、プランジャ保持位置とプランジャ解放位置の間で移動可能である。いくつかの実施形態において、プランジャ保持位置で、プランジャ解放アーム144は、戻り止め146を介してプランジャ143を所定の位置に保持する。戻り止め146は、プランジャ解放アーム144の突起146p、及びプランジャ132の側面に形成された凹部146rを備えてもよい。プランジャ解放位置で、プランジャ解放アーム144は、戻り止めの突起146pを戻り止めの凹部146rから外し、それによりプランジャ132を解放し、当該プランジャをプランジャ駆動ばね134によって推進させる。トリガばね148は、戻り止めの突起146pと凹部146rが係合した状態でプランジャ解放アーム144をプランジャ保持位置に維持する力を印加する。起動ボタン142が押されると、トリガばね148の力に打ち勝ち、プランジャ解放アーム144がプランジャ保持位置からプランジャ解放位置に移動され、それにより戻り止め146を外してプランジャ132を解放する。
【0022】
他の実施形態において、駆動トリガ機構140は、1つ以上のスイッチ、ばね及び/またはセンサを含む電気/機械的機構(図示せず)を備えて、注射駆動機構130を起動することができる。こうした電気的/機械的機構は、当技術分野において周知である。
【0023】
図2Aを更に参照すると、各種実施形態の針ガード機構150は、筐体110の遠位端110deにて移動可能に配置された針ガード152、及び戻り止めまたは干渉機構154を備える。針ガード152は、図1に示したばね60と同様のばね(図示せず)によって図2Aに示した位置に付勢することができる。干渉機構154は、針ガード152を収納及び解放し、図2Bに示すように薬物貯蔵装置120の注射針124を身体組織に挿入しようとする患者または操作者の作用力に対する調整可能または選択可能な閾値の抵抗力によって針ガード152を伸長位置に保持する。それにより、針挿入の速度及び力を最適化し、針シールド129が取り外された後に意図しない投薬を防止する。
【0024】
いくつかの実施形態の針ガード152は、不注意による針の穿刺から保護するために、筐体110の遠位端110deから延在する注射針124の挿入部分を取り囲むチューブ構造(伸長位置)を有することができる。針ガード152は、図2Bに示すように、筐体110内に収納され、引き戻されるように構成することができ、あるいは他のバージョンにおいて、筐体110を覆って引き戻される(図示せず)ように構成することができる。
【0025】
各種実施形態の干渉機構154は、筐体110に付随した第1の部材154、及び針ガード152に付随した第2の部材154を備えることができる。第1の部材154と第2の部材154の少なくとも一部は、互いに係合して、針ガード152を伸長位置に保持し、針ガード152の移動または解放に対する選択された閾値の抵抗力を与える。いくつかの実施形態において、第1の部材154と第2の部材154の一方は、患者または操作者が薬物送達装置100を注射部位の方に押圧することによって薬物送達装置100に印加された軸力が、選択された閾値の抵抗力に合致したか、それを超えたときに移動するように構成することができる。それにより、図2Bに示すように、第1の部材154と第2の部材154の他の一方が上記一方を通り越して摺動して針ガード152を解放させ、針ガードを筐体110に向かって格納位置へと引き戻して針挿入を行わせる。
【0026】
図3Aを参照すると、いくつかの実施形態において、干渉機構154は、オーバーセンターのカム機構254を備えることができる。このカム機構は、固定カム要素254c、及び1つ以上の弾性的に付勢されるカム従動子254fを含む。図3Bに示すように、固定カム要素254cは、筐体110の遠位端110deの開口110oに近接する筐体110の内面112に配置された円周ビード255を備えることができる。円周ビード255は、図3Bに示すように連続的とすることができ、あるいは図3Cに示すように分割することができる。図3Dに示すように、弾性的に付勢されるカム従動子254fの1つ以上は、針ガード152の近位端152peから延在する可撓性アーム256、及び可撓性アーム256の外側に向く面152oに配置された突起257を備えることができる。図3Aに示すように、1つ以上の可撓性アーム256は、それらの対応する突起257を、固定された円周ビードのカム要素255(または分割された実施形態における複数の要素)に対して付勢する。
【0027】
また図3Aに示すように、筐体110の固定カム要素254c及び針ガード152のカム従動子254fは、曲線状の(例えば、カム付きの、または球状の)外面(例えば、プロファイル)を備えて、薬物送達装置100の使用中における摺動の相互作用を容易にする。例えば、ユーザーが軸力Fを薬物送達装置100に印加すると、略等しくかつ逆向きの軸力が針ガード152に印加されて、針グアー(guar)152をその格納位置の方に押し付ける。しかしながら、カム要素254cとカム従動子254fの係合により、選択された閾値の抵抗力に打ち勝つまで引き戻しが実質的に阻止される。すなわち、図3Aのバージョンにおいて、当該閾値の抵抗力は、カム従動子254fを搬送している可撓性アーム256を固定カム要素254から離れるように歪ませ、それによりカム従動子254fの曲線状の外面が固定カム要素254cに対して、かつそれを越えて摺動できるようにするのに必要とされる力に等しい。図3Aにおいて、ユーザーによって印加される力はFとして示されており、これは、各カム従動子254fに軸力成分F及び径方向力成分Fを印加している固定カム要素254cに移る。従って、当該閾値の抵抗力に打ち勝つために、ユーザーによって印加される軸力Fは、可撓性アーム256の固有の抵抗性付勢力Fに打ち勝つのに十分な径方向力成分Fを生成する程度に十分大きくなければならない。可撓性アーム256の抵抗性付勢力Fは、主として、アーム256を構成する材料及びアーム256の幾可学的形状(例えば、アーム256の長さ、アーム256の幅、アーム256の厚さ、アームの断面形状など)に依存する。
【0028】
図4を参照すると、オーバーセンターのカム機構354の各種実施形態は、図3A~3Cに関して先に記載したような筐体110の内面112に配置された円周ビード255、及び針ガード152の近位端から延在する可撓性アーム356に形成された曲線状の溝357として構成された1つ以上の弾性的に付勢されるカム従動子356fを備えることができる。1つ以上の可撓性アーム356は、それらの対応する溝357を円周ビード255に対して付勢する。
【0029】
図5は、オーバーセンターのカム機構の一実施形態を示す。ここで、カム要素454cは、筐体110の遠位端110deの開口110oに近接する筐体110の内面112に形成された連続型または分割型の円周溝455を備える。この実施形態において、1つ以上の可撓性アーム256は、それらの対応する突起257を固定された円周溝455に対して付勢する。
【0030】
図6を参照すると、更なる実施形態において、針ガード152は、筐体110の外面113を覆って引き戻されるように構成することができる。こうした実施形態において、固定された連続型または分割型の円周ビード255は、筐体110の外面113に設けることができ、弾性的に付勢されるカム従動子254fの突起257は、可撓性アーム256の内面152iに設けることができる。
【0031】
図7A及び7Bを参照すると、なお他の実施形態において、針ガード152は、先に記載した固定された連続型または分割型の円周ビード255をその外面に備えることができ、筐体110は、可撓性アーム256及び突起257を含む1つ以上の弾性的に付勢されるカム従動子254fを備えることができる。
【0032】
干渉機構は、注射針が身体組織と接触した瞬間に所望の位置エネルギー及び運動エネルギーならびに所望の慣性を与えるように構成することができる。干渉機構に打ち勝つのに必要とされる力及び被駆動質量(装置及び患者/操作者)は、針ガードの解放時の位置エネルギーを表す。この位置エネルギーは、加速/減速を受けると、干渉機構が針ガードを解放するにつれて運動エネルギーに変換される。抵抗力を有する身体組織と注射針が接触するとき、運動エネルギーによって接近時の速度及び力が決まる。位置エネルギー及び運動エネルギーを最適化することにより、針挿入の速度及び力を、注射針が接触する瞬間において決めることができる。従って、自動針挿入機構と同等であり得るか、それよりも良好になり得るレベルまで患者の体感が最適化される。
【0033】
図2A~7Bを参照して上述の各実施形態は、針ガード152(例えば、図2A~6)または筐体110(例えば、図7A~7B)の一方のみに対して1つ以上の弾性的に付勢されるカム従動子を備えているが、他のバージョンは、針ガード152と筐体110の両方に対して弾性的に付勢される要素を備えることができる。例えば、あるバージョンにおいて、筐体110は、1つの可撓性アームによってそれぞれが搬送される、複数の分割型円周ビードを備えることができ、針ガード152は、1つの可撓性アームによってそれぞれが搬送される、対応する数のカム従動子を備えることができる。当然のことながら、他のバージョンにおいて、針ガード152は、1つの可撓性アームによってそれぞれが搬送される、複数の分割型円周ビードを備えることができ、筐体110は、1つの可撓性アームによってそれぞれが搬送される、対応する数のカム従動子を備えることができる。これらの代替的な構成において、筐体110の可撓性アーム及び針ガード152の可撓性アームは、干渉機構の抵抗力に打ち勝とうとする力に応答して同時に歪ませることができ、これにより、干渉機構の患者固有の調整の際により大きな柔軟性を提供することができる。
【0034】
図8は、従来の手動ばね式針挿入機構を備えた注射器の作用力対距離をプロットしたグラフである。時間と力がゼロから始まって、力は、(ゼロを超えるように針ガードのばねの残留力を調節して開始力を増加させることができるものの)約ゼロから上昇するように観察することができ、注射針が身体組織において現れるまでずっと基本的には線形に増加する。図8において、注射針を挿入するための力は、針ガードのばねの力に重畳する。従って、針挿入の間、患者または操作者は、針ガードのばねの力と注射針を身体組織に挿入するための力との両方に打ち勝つ作用力を与えている。注射針が完全な挿入深さに近づくと、第2の機構が現れて自動投薬を開始する。図8に示すように、この第2の機構は、作用力の急激な上昇と共に現れる。このことは、患者または操作者に更なるフィードバックを与え、従って作用力が増加した結果として投薬を開始するように選択可能であることを示す。ただし、患者または操作者にこの更なるフィードバックをかけなくても投薬は継続可能である。この上昇は、閾力に到達して投薬を実行するまで継続し、その時点で、力は送達に伴って減少する。
【0035】
図9は、従来の自動針挿入機構を備えた従来技術の注射器の作用力対距離をプロットしたグラフである。時間と力がゼロから始まって、力は、約ゼロ(この場合も、抵抗するばねの残留力を調節することによって開始力を付勢することができる)から上昇するように観察することができ、注射針が身体組織において現れるまで基本的には線形に増加する。図9において、注射針を挿入するための力は針ガードのばねの力から独立している。しかしながら、慣性効果が存在し、それにより、身体組織と密着するように注射器を維持するために打ち勝つべき更なる力として知覚されがちである。注射針が完全な挿入深さに近づくと、自動機構は、薬物容器に荷重を与え続けて、注射針を通して前容量を押し出す。針ガードが伸長して注射針を覆うのを防ぐために薬物送達中に打ち勝つ残留力が存在する。この残留力により、注射針が身体組織から押されがちになる場合もある。
【0036】
図10は、干渉機構を有する針ガードを備えた本開示の薬物送達装置の実施形態の作用力対距離をプロットしたグラフである。時間と力がゼロから始まって、針ガードが身体組織と最初に接触するときに必要とされる力が比較的急激に上昇する。この上昇は、干渉機構によって与えられる抵抗力打ち勝つ力を表す。この力の大きさは、針ガードの解放が生じるときに利用可能な慣性を調整するために干渉機構を介して選択的に調節され、従って、針挿入の体感を患者の好みに合わせることができる。調整は、干渉機構の要素の幾何学的形状、寸法及び弾性係数のうちの1つ以上を調節することによって行うことができる。投薬は、(ある特定の治療を受けている一部の患者が好むように)手動で、または自動で行うことができる。自動投薬の場合、投薬放出(すなわち、注射駆動装置の起動)は、図10に示すように別々に行うことも、針挿入と投薬の開始とが同時に行われるように挿入の始動と同時に行うことも可能である。
【0037】
図9及び10から理解できるように、従来の自動針挿入機構を備えた注射器は、針ガードの歪み及び針ガードのばねの圧縮によって高まる力を有する。ガードを解放するための力は比較的長い距離にわたって発生するため、患者または操作者には、注射針が作動位置に近いという明確な徴候が示されない。好ましい実施形態においては、ガードを解放するための力(抵抗力)が短い距離にわたって発生し、その結果、患者または操作者へのフィードバックがより強くなる。このことは、注射針が針挿入の位置に接近していることを示す。この作動事象の期間は、患者または操作者の体感を最適化するために針ガード機構の干渉機構を介して調節することができる。
【0038】
本明細書において携帯型薬物送達装置に関して針ガード機構が開示されたが、針ガード機構は、注射器及び自動注入装置を含む身体装着型(on-body)薬物送達装置において使用することもできる。この薬物送達装置は、患者の身体に着用される。
【0039】
上記の説明には、薬物送達装置と共に使用する各種のシステム及び方法が記載されている。薬物送達装置または方法は、以下に列挙する医薬品を使用することを更に含むことができることは明らかである。ただし、注意する点として、以下のリストは、全てを含むものとみなされるべきでもなく、限定的なものとみなされるべきでもないことである。医薬品は貯蔵部に収容される。いくつかの例において、貯蔵部は、医薬品を用いた治療のために充填されるか、予備充填される主容器である。主容器は、カートリッジまたは予備充填シリンジとすることができる。
【0040】
例えば、薬物送達装置、またはより具体的には薬物送達装置の貯蔵部は、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子で充填されてもよい。かかるG-CSF剤には、ニューポジェン(Neupogen)(登録商標)(フィルグラスチム)及びニューラスタ(Neulasta)(登録商標)(ペグフィルグラスチム)が含まれるが、これらに限定されることはない。様々な他の実施形態において、薬物送達装置は、赤血球生成刺激剤(ESA)などの各種の医薬製品と共に使用されてもよい。これらの製品は、液体でも凍結乾燥形態でもよい。ESAは、赤血球生成を刺激する任意の分子である。ESAには、エポジェン(Epogen)(登録商標)(エポエチンアルファ)、アラネスプ(Aranesp)(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、ダイネポ(Dynepo)(登録商標)(エポエチンデルタ)、ミルセラ(Mircera)(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、ヘマタイド(Hematide)(登録商標)、MRK-2578、INS-22、レタクリット(Retacrit)(登録商標)(エポエチンゼータ)、ネオレコルモン(Neorecormon)(登録商標)(エポエチンベータ)、サイラポ(Silapo)(登録商標)(エポエチンゼータ)、ビノクリット(Binocrit)(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファヘキサル、アブシームド(Abseamed)(登録商標)(エポエチンアルファ)、ラチオエポ(Ratioepo)(登録商標)(エポエチンシータ)、エポラチオ(Eporatio)(登録商標)(エポエチンシータ)、ビオポイン(Biopoin)(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ及びエポエチンデルタ、ならびに以下の特許または特許出願:米国特許第4,703,008号;米国特許第5,441,868号;米国特許第5,547,933号;米国特許第5,618,698号;米国特許第5,621,080号;米国特許第5,756,349号;米国特許第5,767,078号;米国特許第5,773,569号;米国特許第5,955,422号;米国特許第5,986,047号;米国特許第6,583,272号;米国特許第7,084,245号;及び米国特許第7,271,689号;ならびにPCT出願第WO91/05867号;PCT出願第WO95/05465号;PCT出願第WO96/40772号;PCT出願第WO00/24893号;PCT出願第WO01/81405号;及びPCT出願第WO2007/136752号に記載されているような分子またはその変異体もしくは類似体などがあり、これらの特許または特許出願のそれぞれは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0041】
ESAは、赤血球生成刺激タンパク質とすることができる。本明細書で使用する場合、「赤血球生成刺激タンパク質」は、例えば、エリスロポエチン受容体に結合し、それを二量化させることにより、当該受容体を直接的または間接的に活性化させる任意のタンパク質を意味する。赤血球生成刺激タンパク質には、エリスロポエチン及びエリスロポエチン受容体に結合し、当該受容体を活性化させるその変異体、類似体または誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、当該受容体を活性化させる抗体;またはエリスロポエチン受容体に結合し、当該受容体を活性化させるペプチドが含まれる。赤血球生成刺激タンパク質には、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ及びそれらの類似体、ペグ化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、模倣ペプチド(EMP1/ヘマタイドを含む)、ならびに模倣抗体が含まれるが、これらに限定されることはない。例示的な赤血球生成刺激タンパク質には、エリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチンアゴニスト変異体、及びエリスロポエチン受容体に結合し、当該受容体を活性化させるペプチドまたは抗体(米国公報第2003/0215444号及び米国公報第2006/0040858号に公表された化合物が含まれ、これらの公報のそれぞれは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)、ならびに以下の特許または特許出願:米国特許第4,703,008号;米国特許第5,441,868号;米国特許第5,547,933号;米国特許第5,618,698号;米国特許第5,621,080号;米国特許第5,756,349号;米国特許第5,767,078号;米国特許第5,773,569号;米国特許第5,955,422号;米国特許第5,830,851号;米国特許第5,856,298号;米国特許第5,986,047号;米国特許第6,030,086号;米国特許第6,310,078号;米国特許第6,391,633号;米国特許第6,583,272号;米国特許第6,586,398号;米国特許第6,900,292号;米国特許第6,750,369号;米国特許第7,030,226号;米国特許第7,084,245号;及び米国特許第7,217,689号;米国公報第2002/0155998号;米国公報第2003/0077753号;米国公報第2003/0082749号;米国公報第2003/0143202号;米国公報第2004/0009902号;米国公報第2004/0071694号;米国公報第2004/0091961号;米国公報第2004/0143857号;米国公報第2004/0157293号;米国公報第2004/0175379号;米国公報第2004/0175824号;米国公報第2004/0229318号;米国公報第2004/0248815号;米国公報第2004/0266690号;米国公報第2005/0019914号;米国公報第2005/0026834号;米国公報第2005/0096461号;米国公報第2005/0107297号;米国公報第2005/0107591号;米国公報第2005/0124045号;米国公報第2005/0124564号;米国公報第2005/0137329号;米国公報第2005/0142642号;米国公報第2005/0143292号;米国公報第2005/0153879号;米国公報第2005/0158822号;米国公報第2005/0158832号;米国公報第2005/0170457号;米国公報第2005/0181359号;米国公報第2005/0181482号;米国公報第2005/0192211号;米国公報第2005/0202538号;米国公報第2005/0227289号;米国公報第2005/0244409号;米国公報第2006/0088906号;及び米国公報第2006/0111279号;ならびにPCT公報第WO91/05867号;PCT公報第WO95/05465号;PCT公報第WO99/66054号;PCT公報第WO00/24893号;PCT公報第WO01/81405号;PCT公報第WO00/61637号;PCT公報第WO01/36489号;PCT公報第WO02/014356号;PCT公報第WO02/19963号;PCT公報第WO02/20034号;PCT公報第WO02/49673号;PCT公報第WO02/085940号;PCT公報第WO03/029291号;PCT公報第WO2003/055526号;PCT公報第WO2003/084477号;PCT公報第WO2003/094858号;PCT公報第WO2004/002417号;PCT公報第WO2004/002424号;PCT公報第WO2004/009627号;PCT公報第WO2004/024761号;PCT公報第WO2004/033651号;PCT公報第WO2004/035603号;PCT公報第WO2004/043382号;PCT公報第WO2004/101600号;PCT公報第WO2004/101606号;PCT公報第WO2004/101611号;PCT公報第WO2004/106373号;PCT公報第WO2004/018667号;PCT公報第WO2005/001025号;PCT公報第WO2005/001136号;PCT公報第WO2005/021579号;PCT公報第WO2005/025606号;PCT公報第WO2005/032460号;PCT公報第WO2005/051327号;PCT公報第WO2005/063808号;PCT公報第WO2005/063809号;PCT公報第WO2005/070451号;PCT公報第WO2005/081687号;PCT公報第WO2005/084711号;PCT公報第WO2005/103076号;PCT公報第WO2005/100403号;PCT公報第WO2005/092369号;PCT公報第WO2006/50959号;PCT公報第WO2006/02646号;及びPCT公報第WO2006/29094に開示されたような、エリスロポエチン分子、またはその変異体もしくは類似体が含まれ、これらの特許または特許出願のそれぞれは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0042】
薬物送達装置と共に使用するための他の医薬製品の例には、ベクティビックス(Vectibix)(登録商標)(パニツムマブ)、ザイゲバ(Xgeva)(商標)(デノスマブ)及びプロリア(Prolia)(商標)(デノスマブ)などの抗体;エンブレル(Enbrel)(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断剤)、ニューラスタ(登録商標)(ペグフィルグラスチム、ペグ化フィルグラスチム、ペグ化G-CSF、ペグ化hu-Met-G-CSF)、ニューポジェン(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、ならびにエヌプレート(Nplate)(登録商標)(ロミプロスチム)などの他の生物製剤;センシパー(Sensipar)(登録商標)(シナカルセト)などの小分子薬物が含まれてもよいが、これらに限定されることはない。薬物送達装置は、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質または鉄などの他の化学薬品、例えば、フェルモキシトール、鉄デキストラン、グリコン酸(glyconate)第二鉄及び鉄スクロースと共に使用されてもよい。医薬製品は、液体状であってもよく、または凍結乾燥形態から再構成されてもよい。
【0043】
特定の例示的なタンパク質の中には、以下に記載される特異タンパク質(その融合体、断片、類似体、変異体または誘導体を含む)がある。
【0044】
PCT公報第WO03/002713号に記載された抗体を非限定的に含む、完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に完全ヒト化モノクローナル抗体などのOPGL特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など(RANKL特異抗体、ペプチボディなどとも呼ばれる)。この公報は、OPGL特異抗体及び抗体関連タンパク質、特にこの公報に記載された配列を有するタンパク質、特に、限定されないが、この公報の図2に記載されたような配列番号2の軽鎖及び/またはこの公報の図4に記載されたような配列番号4の重鎖を有するOPGL特異抗体を含む、この公報において9H7;18B2;2D8;2E11;16E1及び22B3と指定されたタンパク質に関して、その全体が本明細書に組み込まれ、これらのタンパク質のそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0045】
ミオスタチン特異ペプチボディ、特に米国公報第2004/0181033号及びPCT公報第2004/058988号に記載されたものを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ及び関連タンパク質など。これらの公報は、特にミオスタチン特異ペプチボディに関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。このミオスタチン特異ペプチボディには、限定されないが、TN8-19-1からTN8-19-40、TN8-19con1及びTN8-19con2などの、配列番号305~351のファミリーを含むmTN8-19ファミリーのペプチボディ;配列番号357~383のmL2ファミリーのペプチボディ;配列番号384~409のmL15ファミリー;配列番号410~438のmL17ファミリー;配列番号439~446のmL20ファミリー;配列番号447~452のmL21ファミリー;配列番号453~454のmL24ファミリー;ならびに配列番号615~631のファミリーが含まれ、これらのそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0046】
PCT公報第WO2005/047331号すなわちPCT出願第PCT/US2004/03742号及び米国公報第2005/112694号に記載されたものを含む、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など、特にIL-4及び/またはIL-13を受容体と結合することによって仲介される作用を阻害するもの。これらの公報は、特にIL-4受容体特異抗体、特にこれらの公報に記載されたかかる抗体、特に、限定されないが、上記公報においてL1H1;L1H2;L1H3;L1H4;L1H5;L1H6;L1H7;L1H8;L1H9;L1H10;L1H11;L2H1;L2H2;L2H3;L2H4;L2H5;L2H6;L2H7;L2H8;L2H9;L2H10;L2H11;L2H12;L2H13;L2H14;L3H1;L4H1;L5H1;L6H1と指定されたものに関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれ、これらの抗体のそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0047】
米国公報第2004/097712号に記載されたものを非限定的に含む、インターロイキン1受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。この公報は、IL1-R1特異結合タンパク質、特にモノクローナル抗体、特に、限定されないが、上記公報において15CA、26F5、27F2、24E12及び10H7と指定されたものに関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれ、これらのモノクローナル抗体のそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0048】
PCT公報第03/057134号及び米国公報第2003/0229023号に記載されたものを非限定的に含む、Ang2特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。これらの公報のそれぞれは、特にAng2特異抗体及びペプチボディなど、特に、これらの公報に記載され、L1(N);L1(N)WT;L1(N)1KWT;2xL1(N);2xL1(N)WT;Con4(N)、Con4(N)1KWT、2xCon4(N)1K;L1C;L1C1K;2xL1C;Con4C;Con4C1K;2xCon4C1K;Con4-L1(N);Con4-L1C;TN-12-9(N);C17(N);TN8-8(N);TN8-14(N);Con1(N)を非限定的に含む配列のものに関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらのAng2特異抗体及びペプチボディなどには、PCT公報第2003/030833号に記載されたものなどのAng2特異抗体及び製剤も含まれ、このPCT公報は、同種のものに関して、特に、この公報に記載されたような各種順列における、Ab526;Ab528;Ab531;Ab533;Ab535;Ab536;Ab537;Ab540;Ab543;Ab544;Ab545;Ab546;A551;Ab553;Ab555;Ab558;Ab559;Ab565;AbF1AbFD;AbFE;AbFJ;AbFK;AbG1D4;AbGC1E8;AbH1C12;AblA1;AblF;AblK、AblP;及びAblPに関して、その全体が参照によって組み込まれ、これらのそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0049】
特に米国公報第2005/0074821号及び米国特許第6919426号に記載されたものを非限定的に含む、NGF特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。これらの公報及び特許は、この点について特にNGF特異抗体及び関連タンパク質に関して、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらのNGF特異抗体及び関連タンパク質は、特に、上記公報及び特許において4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11と指定されたNGF特異抗体を非限定的に含み、これらのそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0050】
米国特許第5789554号に記載されたものなどの、CD22特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。この特許は、CD22特異抗体及び関連タンパク質、特に、限定されないがヒト化及び完全ヒト抗体などのヒトCD22特異抗体に関して、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらのヒト化及び完全ヒト抗体は、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を非限定的に含み、特に、例えば、CAS登録番号501423-23-0のエプラツズマブにおけるヒトCD22特異完全ヒト化抗体を非限定的に含む、例えば、ヒト-マウスモノクローナルhLL2カッパ鎖にジスルフィド結合されたヒト-マウスモノクローナルhLL2ガンマ鎖の二量体などのヒトCD22特異IgG抗体を非限定的に含む;
【0051】
PCT公報第06/069202号に記載されたものなどの、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。この公報は、IGF-1受容体特異抗体及び関連タンパク質に関して、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらのIGF-1受容体特異抗体及び関連タンパク質は、上記公報においてL1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52と指定されたIGF-1特異抗体、及びIGF-1R結合断片、ならびにそれらの誘導体を非限定的に含み、これらのそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0052】
また、本発明の方法及び構成で使用するための抗IGF-1R抗体の非限定的な例には、以下に記載されたもののそれぞれ及び全てがある:
(i)米国公報第2006/0040358号(2006年2月23日公開)、米国公報第2005/0008642号(2005年1月13日公開)、米国公報第2004/0228859号(2004年11月18日公開)。これらの公報に記載されているように、例えば、抗体1A(DSMZ寄託番号DSMACC2586)、抗体8(DSMZ寄託番号DSMACC2589)、抗体23(DSMZ寄託番号DSMACC2588)及び抗体18を非限定的に含む;
(ii)PCT公報第06/138729号(2006年12月28日公開)、PCT公報第05/0169709号(2005年2月24日公開)、ならびにLu et al.(2004),J.Biol.Chem.279:2856-2865。これらの文献に記載されているように、抗体2F8、A12及びIMC-A12を非限定的に含む;
(iii)PCT公報第07/012614号(2007年2月1日公開)、PCT公報第07/000328号(2007年1月4日公開)、PCT公報第06/013472号(2006年2月9日公開)、PCT公報第05/058967号(2005年6月30日公開)及びPCT公報第03/059951号(2003年7月24日公開);
(iv)米国公報第2005/0084906号(2005年4月21日公開)。この公報に記載されているように、抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3及び抗体7H2HMを非限定的に含む;
(v)米国公報第2005/0249728号(2005年11月10日公開)、米国公報第2005/0186203号(2005年8月25日公開)、米国公報第2004/0265307号(2004年12月30日公開)及び米国公報第2003/0235582号(2003年12月25日公開)、ならびにMaloney et al.(2003),Cancer Res.63:5073-5083。これらの文献に記載されているように、抗体EM164、表面が再構成されたEM164、ヒト化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2及び、huEM164 v1.3を非限定的に含む;
(vi)米国特許第7037498号(2006年5月2日発行)、米国公報第2005/0244408号(2005年11月30日公開)及び米国公報第2004/0086503号(2004年5月6日公開)、ならびにCohen, et al.(2005),Clinical Cancer Res.11:2063-2073、例えば、抗体CP-751、871。これらの文献に記載されているように、ATCC受け入れ番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793を有するハイブリドーマによって生成された抗体、ならびに抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2及び4.17.3、のそれぞれを非限定的に含む;
(vii)米国公報第2005/0136063号(2005年6月23日公開)及び米国公報第2004/0018191号(2004年1月29日公開)。これらの公報に記載されているように、抗体19D12、ならびにATCCの下の番号PTA-5214で寄託されたプラスミド15H12/19D12HCA(γ4)におけるポリヌクレオチドによってコード化された重鎖及びATCCの下の番号PTA-5220で寄託されたプラスミド15H12/19D12LCF(κ)におけるポリヌクレオチドによってコード化された軽鎖を含む抗体を非限定的に含む;
(viii)米国公報第2004/0202655号(2004年10月14日公開)。この公報に記載されているように、抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4及びPINT-12A5を非限定的に含み、これらのそれぞれ及び全ては、特にIGF-1受容体を標的とする上記抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質などに関して、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0053】
B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など(「B7RP-1」、文献においてはB7H2、ICOSL、B7h及びCD275とも呼ばれる)、特にB7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特にB7RP-1の第1免疫グロブリン様ドメインにあるエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、特に、B7RP-1と、特に活性化T細胞におけるその天然受容体であるICOSとの相互作用を阻害するもの、特に、上記の点の全てにおいて、米国公報第2008/0166352号及びPCT公報第WO07/011941号に開示されたもの。これらの公報は、このような抗体及び関連タンパク質に関して、その全てが参照によって本明細書に組み込まれる。このような抗体及び関連タンパク質は、上記公報において以下のように指定された抗体:16H(配列番号1の軽鎖可変配列及び配列番号7の重鎖可変配列を内部に有する);5D(配列番号2の軽鎖可変配列及び配列番号9の重鎖可変配列を内部に有する);2H(配列番号3の軽鎖可変配列及び配列番号10の重鎖可変配列を内部に有する);43H(配列番号6の軽鎖可変配列及び配列番号14の重鎖可変配列を内部に有する);41H(配列番号5の軽鎖可変配列及び配列番号13の重鎖可変配列を内部に有する);ならびに15H(配列番号4の軽鎖可変配列及び配列番号12の重鎖可変配列を内部に有する)を非限定的に含み、これらのそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって個別にかつ具体的に本明細書に組み込まれる;
【0054】
特にヒト化モノクローナル抗体などの、IL-15特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など、特に、米国公報第2003/0138421号;米国公報第2003/023586号;及び米国公報第2004/0071702号;ならびに米国特許第7153507号のそれぞれに記載されたものなどの抗体。これらの公報及び特許は、IL-15特異抗体及び関連タンパク質に関して、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらのIL-15特異抗体及び関連タンパク質は、特に、例えば、HuMaxIL-15抗体、及び例えば、146B7などの関連タンパク質を非限定的に含むペプチボディを含む;
【0055】
IFNガンマ特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など、特にヒトIFNガンマ特異抗体、特に、例えば、米国公報第2005/0004353号に記載されたものなどの完全ヒト抗IFNガンマ抗体。この公報は、IFNガンマ特異抗体、特に、例えば、この公報において1118;1118;1119;1121;及び1121と指定された抗体に関して、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらの抗体のそれぞれの重鎖及び軽鎖の全配列、ならびにこれらの重鎖及び軽鎖の可変領域及び相補性決定領域の配列は、それぞれ、上記公報及びThakur et al.(1999),Mol.Immunol.36:1107-1115に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる。加えて、上記公報に記載されたこれらの抗体の特性に関する説明も、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。具体的な抗体には、上記公報に開示されているように、配列番号17の重鎖及び配列番号18の軽鎖を有するもの;配列番号6の重鎖可変領域及び配列番号8の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号19の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの;配列番号10の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号32の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの;配列番号30の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号21の重鎖及び配列番号22の軽鎖を有するもの;配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号16の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号21の重鎖及び配列番号33の軽鎖を有するもの;ならびに配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号31の軽鎖可変領域を有するものが含まれる。企図される具体的な抗体は、上記米国公報に開示されている抗体1119であり、この抗体は、その米国公報に開示されている配列番号17の完全重鎖を有し、かつその米国公報に開示されている配列番号18の完全軽鎖を有する;
【0056】
TALL-1特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など、ならびに米国公報第2003/0195156号及び米国公報第2006/0135431号に記載されたものなどの他のTALL特異抗体。これらの公報のそれぞれは、TALL-1結合タンパク質、特に表4及び5Bの分子に関して、その全体が完全に参照によって本明細書に組み込まれ、これらの分子のそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって個別にかつ具体的に本明細書に組み込まれる;
【0057】
米国特許第6756480号に記載されたものなどの、甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。この特許は、特にPTHと結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0058】
米国特許第6,835,809号に記載されたものなどの、トロンボポエチン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。この特許は、特にTPO-Rと結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0059】
肝細胞成長因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。これらのHGF特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質には、米国公報第2005/0118643号及びPCT公報第WO2005/017107号に記載された肝細胞成長因子/分散(HGF/SF)を無効にする完全ヒトモノクローナル抗体、米国特許第7220410号に記載されたhuL2G7、ならびに米国特許第5686292号及び米国特許第6468529号ならびにPCT公報第WO96/38557号に記載されたOA-5d5などの、HGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするものが含まれ、これらの公報及び特許のそれぞれは、特にHGFと結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0060】
米国特許第7,521,048号に記載されたものなどの、TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。この特許は、特にTRAIL-R2と結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0061】
米国公報第2009/0234106号に記載されたものを非限定的に含む、アクチビンA特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。この公報は、特にアクチビンAと結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0062】
米国特許第6,803,453号及び米国公報第2007/0110747号に記載されたものを非限定的に含む、TGFベータ特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。これらの特許及び公報のそれぞれは、特にTGFベータと結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0063】
PCT公報第WO2006/081171号に記載されたものを非限定的に含む、アミロイドベータタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など。この公報は、特にアミロイドベータタンパク質と結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。企図される1つの抗体は、上記公報に記載されているように、配列番号8を含む重鎖可変領域及び配列番号6を有する軽鎖可変領域を有する抗体である;
【0064】
米国公報第2007/0253951号に記載されたものを非限定的に含む、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など。この公報は、特にc-Kit及び/または他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0065】
米国公報第2006/0002929号に記載されたものを非限定的に含む、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など。この公報は、特にOX40L及び/またはOX40L受容体の他のリガンドと結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;ならびに
【0066】
他の例示的なタンパク質。このようなタンパク質には、アクティベース(Activase)(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);アラネスプ(登録商標)(ダルベポエチンアルファ);エポジェン(登録商標)(エポエチンアルファまたはエリスロポエチン);GLP-1、アボネックス(Avonex)(登録商標)(インターフェロンベータ-1a);ベキサール(Bexxar)(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);ベータセロン(Betaseron)(登録商標)(インターフェロンベータ);キャンパス(Campath)(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);ディネポ(登録商標)(エポエチンデルタ);ベルケイド(Velcade)(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);エンブレル(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断剤);エプレックス(Eprex)(登録商標)(エポエチンアルファ);アービタックス(Erbitux)(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);ジェノトロピン(Genotropin)(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);ハーセプチン(Herceptin)(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);ヒューマトロープ(Humatrope)(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);ヒュミラ(Humira)(登録商標)(アダリムマブ);インスリン溶液;インフェルゲン(Infergen)(登録商標)(インターフェロン・アルファコン-1);ナトレコール(Natrecor)(登録商標)(ネシリチド;遺伝子組み換えヒトBタイプナトリウム利尿ペプチド(hBNP);キネレット(Kineret)(登録商標)(アナキンラ);リューカイン(Leukine)(登録商標)(サルグラモスチム、rhuGM-CSF);リンホシド(Lympho Cide)(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22mAb);ベンリスタ(Benlysta)(商標)(リンフォスタットB(Lymphostat B)、ベリムマブ、抗BlySmAb);メタライズ(Metalyse)(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体);ミルセラ(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ);マイロターグ(Mylotarg)(登録商標)(ゲムツズマブ・オゾガマイシン);ラプティバ(Raptiva)(登録商標)(エファリズマブ);シムジア(Cimzia)(登録商標)(セルトリズマブ・ペゴル、CDP870);ソリリス(Soliris)(商標)(エクリズマブ);パキセリズマブ(抗C5補体);ヌマックス(Numax)(登録商標)(MEDI-524);ルセンティス(Lucentis)(登録商標)(ラニビズマブ);パノレックス(Panorex)(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);トラビオ(Trabio)(登録商標)(レルデリムマブ);セラシムhR3(ニモツズマブ);オムニターグ(ペルツズマブ、2C4);オシデム(Osidem)(登録商標)(IDM-1);オバレックス(Ova Rex)(登録商標)(B43.13);ヌヴィオン(Nuvion)(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブ・メルタンシン(huC242-DM1);ネオレコルモン(登録商標)(エポエチンベータ);ニューメガ(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);ニューラスタ(登録商標)(ペグ化フィルグラスチム、ペグ化G-CSF、ペグ化hu-Met-G-CSF);ニューポジェン(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF);オルソクローンOKT3(Orthoclone OKT3)(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体)、プロクリット(Procrit)(登録商標)(エポエチンアルファ);レミケード(Remicade)(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);レオプロ(Reopro)(登録商標)(アブシキシマブ、抗GPlIb/Ilia受容体モノクローナル抗体);アクテムラ(Actemra)(登録商標)(抗IL6受容体mAb);アバスチン(Avastin)(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);リツキサン(Rituxan)(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20mAb);タルセバ(Tarceva)(登録商標)(エルロチニブ);ロフェロン-A(Roferon-A)(登録商標)-(インターフェロンアルファ-2a);シムレクト(Simulect)(登録商標)(バシリキシマブ);プレクシージュ(Prexige)(登録商標)(ルミラコキシブ);シナジス(Synagis)(登録商標)(パリビズマブ);146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7153507号参照);タイサブリ(Tysabri)(登録商標)(ナタリズマブ,抗α4インテグリンmAb);バロティム(Valortim)(登録商標)(MDX-1303,抗炭疽菌防御抗原mAb);アブスラックス(ABthrax)(商標);ベクティビックス(登録商標)(パニツムマブ);ゾレア(Xolair)(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSAmAb);IL-1トラップ(ヒトIgG1のFc部分及び(タイプI受容体と受容体アクセサリータンパク質)双方のIL-1受容体成分の細胞外ドメイン);VEGFトラップ(IgG1のFcに融合したVEGFR1のIgドメイン);ゼナパックス(Zenapax)(登録商標)(ダクリズマブ);ゼナパックス(登録商標)(ダクリズマブ,抗IL-2RαmAb);ゼヴァリン(Zevalin)(登録商標)(イブリツモマブ・チウキセタン),ゼチーア(Zetia)(エゼチミブ),オレンシア(Orencia)(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFFアンタゴニスト);CNTO148(ゴリムマブ、抗TNFαmAb);HGS-ETR1(マパツムマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4mAb及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3mAb;抗C.ディフィシル毒素A及び毒素BCmAb MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22dsFv-PE38複合体(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25mAb(HuMax-TAC);抗CD3mAb(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30mAb(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38mAb(HuMaxCD38);抗CD40LmAb;抗CriptomAb;抗CTGF特発性肺線維症フェーズIフィブロゲン(FG-3019);抗CTLA4mAb;抗eotaxin1mAb(CAT-213);抗FGF8mAb;抗ガングリオシドGD2mAb;抗ガングリオシドGM2mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepCmAb(HuMaxHepC);抗IFNαmAb(MEDI-545、MDX-1103);抗IGF1RmAb;抗IGF-1RmAb(HuMax-Inflam);抗IL12mAb(ABT-874);抗IL12/IL23mAb(CNTO1275);抗IL13mAb(CAT-354);抗IL2RamAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);抗LLY抗体;BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβmAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38複合体(CAT-5001);抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβmAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAKmAb;抗VEGFR/Flt-1mAb;抗ZP3mAb(HuMax-ZP3);NVS抗体♯1;ならびにNVS抗体♯2などがある。
【0067】
ロモソズマブ、ブロソズマブまたはBPS804(ノバルティス)などを非限定的に含むスクレロスチン抗体も含めることができる。更に、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ブロダルマブ、ビズピプラント、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIXまたはXGEVAなどの治療薬を含めることができる。加えて、例えば、米国特許第8,030,547号、米国公報第2013/0064825号、WO2008/057457、WO2008/057458、WO2008/057459、WO2008/063382、WO2008/133647、WO2009/100297、WO2009/100318、WO2011/037791、WO2011/053759、WO2011/053783、WO2008/125623、WO2011/072263、WO2009/055783、WO2012/0544438、WO2010/029513、WO2011/111007、WO2010/077854、WO2012/088313、WO2012/101251、WO2012/101252、WO2012/101253、WO2012/109530及びWO2001/031007などの、ヒトタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)と結合するモノクローナル抗体(IgG)を薬物送達装置に含めることができる。
【0068】
タリモジーン・ラハーパレプベックまたは黒色腫もしくは他の癌の治療用の別の腫瘍溶解性HSVも含めることができる。腫瘍溶解性HSVの例には、タリモジーン・ラハーパレプベック(米国特許第7,223,593号及び米国特許第7,537,924号);OncoVEXGALV/CD(米国特許第7,981,669号);OrienX010(Lei et al.(2013),World J.Gastroenterol.,19:5138-5143);G207,1716;NV1020;NV12023;NV1034及びNV1042(Vargehes et al.(2002),Cancer Gene Ther.,9(12):967-978)が含まれるが、これらに限定されることはない。
【0069】
TIMPも含まれる。TIMPは、内因的なメタロプロテイアーゼの組織阻害剤(TIMP)であり、多くの自然過程において重要である。TIMP-3は、各種細胞によって発現され、細胞外マトリックス中に存在する。これは、主な軟骨分解メタロプロテイアーゼを全て阻害し、関節リウマチや変形性関節症などの結合組織の多くの分解性疾患、ならびに癌及び心血管疾患に関与し得る。TIMP-3のアミノ酸配列及びTIMP-3をコードするDNAの核酸配列は、2003年5月13日に発行された米国特許第6,562,596号において開示されており、この特許の開示は参照によって本明細書に組み込まれる。TIMP変異体についての記載は、米国公報第2014/0274874号及びPCT公報第WO2014/152012号において見出すことができる。
【0070】
ヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体に拮抗する抗体、ならびにCGRP受容体及び他の頭痛の原因となる標的物を標的とする二重特異性抗体分子も含まれる。これらの分子に関する更なる情報は、PCT出願第WO2010/075238号において見出すことができる。
【0071】
加えて、二重特異性T細胞誘導抗体(bispecific T cell engager antibody:BiTe)、例えば、ブリノツモマブ(Blinotumomab)を薬物送達装置に使用することができる。あるいは、APJ大分子アゴニスト、例えば、アペリンまたはその類似体を薬物送達装置に含めることができる。そのような分子に関する情報は、PCT公報第WO2014/099984号において見出すことができる。
【0072】
ある実施形態において、医薬品には、治療上有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)またはTSLP受容体抗体が含まれる。そのような実施形態に使用され得る抗TSLP抗体の例には、米国特許第7,982,016号及び8,232,372号、ならびに米国公報第2009/0186022号に記載されているものが含まれるが、これに限定されることはない。抗TSLP受容体抗体の例には、米国特許第8,101,182号に記載されているものが含まれるが、これに限定されることはない。特に好ましい実施例において、医薬品は、米国特許第7,982,016号内でA5と指定された治療上有効量の抗TSLP抗体を含む。
【0073】
薬物送達装置、針ガード機構、システム、方法及びそれらの要素を例示的な実施形態に関して説明したが、それらは当該実施形態に限定されることはない。むしろ、添付された特許請求の範囲は、薬物送達装置、針ガード機構、システム、方法及びそれらの要素の均等物の有効範囲及び適用範囲から逸脱せずに当業者によってなされ得る他の変形物及びその実施形態を含むように広く解釈されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達装置であって、
投与量送達部材を含む薬物貯蔵容器を搭載するように構成され、開口を備えた筐体であって、前記投与量送達部材の少なくとも挿入部分が前記筐体の前記開口を通って延在すべく構成されるようになっている、前記筐体と、
前記開口に近接して配置され、かつ伸長位置と格納位置の間で前記筐体に対して移動可能な針ガードであって、前記格納位置が前記伸長位置に近く、前記投与量送達部材の前記挿入部分は、前記伸長位置にある前記針ガードによって取り囲まれており、前記投与量送達部材の前記挿入部分は、前記針ガードが前記格納位置にあるときに少なくとも部分的に露出されている、前記針ガードと、
前記投与量送達部材を注射部位の身体組織に挿入している間、前記伸長位置から前記格納位置までの前記針ガードの移動に対する選択された閾値の抵抗力を与えるための干渉機構であって、前記干渉機構は、第1の部材の近傍の前記筐体の内面の一部の径方向内側に配置された当該第1の部材と前記針ガードから延在する第2の部材とを備え、前記第1の部材と前記第2の部材は、互いに係合して前記針ガードを前記伸長位置に保持し、前記第1の部材は、前記針ガードを前記格納位置に移動でき投与量送達部材の挿入が可能となるように前記針ガードが注射部位の方に押圧されるとき、前記第1の部材と前記第2の部材との間で相対的な摺動が可能となるよう、前記選択された閾値の抵抗力を超えた場合に、前記筐体の少なくとも一部に対して動く、前記干渉機構と
を備える、前記薬物送達装置。
【請求項2】
前記第1の部材と前記第2の部材の一方はカムを備え、前記第1の部材と前記第2の部材の他の一方はカム従動子を備える、請求項1に記載の薬物送達装置。
【請求項3】
前記カム従動子は前記カムに対して付勢されている、請求項2に記載の薬物送達装置。
【請求項4】
前記カム従動子は、前記カムに対向する前記カム従動子に付勢力を印加する可撓性アームを備える、請求項2から請求項3のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項5】
前記カム従動子は、前記可撓性アームの自由端に、または前記自由端に近接して配置された突起を更に備える、請求項4に記載の薬物送達装置。
【請求項6】
前記カム従動子は、前記可撓性アームの自由端に、または前記自由端に近接して配置された溝を更に備える、請求項4に記載の薬物送達装置。
【請求項7】
前記カムは、固定された連続型または分割型の円周ビードを備える、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項8】
前記カムは、固定された溝を備える、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項9】
前記針ガードは、前記格納位置において前記筐体に少なくとも部分的に入り込んでいる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項10】
前記第1の部材は前記カム部材を備え、前記第2の部材は前記カム従動子部材を備える、請求項2から請求項9のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項11】
前記第1の部材は前記カム従動子部材を備え、前記第2の部材は前記カム部材を備える、請求項2から請求項9のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項12】
前記薬物貯蔵容器はシリンジを備える、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項13】
薬物を放出するために前記薬物貯蔵容器内に移動可能に配置されたストッパを前記薬物貯蔵容器が更に備え、前記ストッパに作用するプランジャと、前記プランジャに力を及ぼして前記プランジャを前記ストッパに作用させて前記薬物を放出させるためのエネルギー源とを含む注射駆動機構を更に備える、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項14】
前記投与量送達部材は注射針またはカニューレを備える、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項15】
前記薬物貯蔵容器に貯蔵された薬物を更に備え、前記薬物は、TNF阻害剤、カルシトニン遺伝子関連ペプチド受容体に対する抗体、コロニー刺激因子、赤血球生成刺激剤、アペリン受容体アゴニスト、抗胸腺間質性リンパ球新生因子抗体、抗胸腺間質性リンパ球新生因子受容体抗体、ヒトタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型と結合する抗体、及びメタロプロテイアーゼの組織阻害剤からなる群から選択される、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項16】
前記第1の部材は、前記針ガードと分離している、請求項1に記載の薬物送達装置。
【請求項17】
前記針ガードは、前記格納位置に移動するとき、前記第1の部材に対して移動するように構成されている、請求項1に記載の薬物送達装置。
【請求項18】
薬物送達装置であって、
開口を備えた筐体と、
近位端、遠位端、投与量送達部材を含む薬物貯蔵容器であって、前記投与量送達部材が、前記薬物貯蔵容器の前記遠位端に配置されており、前記投与量送達部材が、薬物送達の間に前記筐体の前記開口を通って延在するように構成された挿入部分を有する、前記薬物貯蔵容器と、
前記開口に近接して配置され、かつ伸長位置と格納位置の間で前記筐体に対して移動可能な針ガードであって、前記格納位置が前記伸長位置に近く、前記投与量送達部材の前記挿入部分は、前記伸長位置にある前記針ガードによって取り囲まれており、前記投与量送達部材の前記挿入部分は、前記針ガードが前記格納位置にあるときに少なくとも部分的に露出されている、前記針ガードと、
前記針ガードを遠位方向に押すように構成された針ガードバイアス部材であって、前記針ガードバイアス部材の少なくとも一部が薬剤貯蔵容器の近位端より遠位にある、当該針ガードバイアス部材と、
前記投与量送達部材を注射部位の身体組織に挿入している間、前記伸長位置から前記格納位置までの前記針ガードの移動に対する選択された閾値の抵抗力を与えるための干渉機構であって、前記干渉機構は、前記筐体の内部に配置された第1の部材と前記針ガードから延在する第2の部材とを備え、前記第1の部材と前記第2の部材は、互いに係合して前記針ガードを前記伸長位置に保持し、前記第1の部材は、前記針ガードを前記格納位置に移動でき投与量送達部材の挿入が可能となるように前記針ガードが注射部位の方に押圧されるとき、前記第1の部材と前記第2の部材との間で相対的な摺動が可能となるよう、前記選択された閾値の抵抗力を超えた場合に、前記筐体の少なくとも一部に対して動く、前記干渉機構と
を備える、前記薬物送達装置。
【請求項19】
前記第1の部材と前記第2の部材の一方はカムを備え、前記第1の部材と前記第2の部材の他の一方はカム従動子を備える、請求項18に記載の薬物送達装置。
【請求項20】
前記針ガードは、前記格納位置において前記筐体に少なくとも部分的に入り込んでいる、請求項18または請求項19に記載の薬物送達装置。