IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

特開2024-178256水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法
<>
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図1
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図2
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図3
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図4
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図5
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図6
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図7
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図8
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図9
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図10
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図11
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図12
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図13
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図14
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図15
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図16
  • 特開-水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178256
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】水溶性繊維構造体を含む水溶性単位用量物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/04 20060101AFI20241217BHJP
   D06F 35/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
C11D17/04
D06F35/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024159733
(22)【出願日】2024-09-17
(62)【分割の表示】P 2023516674の分割
【原出願日】2021-10-12
(31)【優先権主張番号】63/092,856
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】シヴィク、マーク・ロバート
(72)【発明者】
【氏名】デノーム、フランク・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】サンダース、マイケル・デイヴィッド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】繊維性水溶性単位用量を作製するための方法を提供する。
【解決手段】繊維性水溶性単位用量30を作製するための方法であってa.繊維性ウェブ材料16を送達する工程であって、前記繊維性ウェブ材料は、繊維性ウェブ材料の連続する帯24の形態で送達される、工程と、b.前記繊維性ウェブ材料を横方向に切断して、横方向及び同一形状の繊維性水溶性単位用量の繰返しモザイクパターンを形成する工程と、を含み、前記繊維性水溶性単位用量がモザイク状になっており、横方向及び同一形状の繊維性水溶性単位用量の繰返しパターンを形成し、前記繊維性水溶性単位用量は、前記繊維性水溶性単位用量が切断される帯の長手方向軸又は横断方向軸のいずれにも平行でない軸に沿って対称である、繊維性水溶性単位用量を作製するための方法。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維性水溶性単位用量を作製するための方法であって、
a.繊維性ウェブ材料を送達する工程であって、前記繊維性ウェブ材料は、繊維性ウェブ材料の連続する帯の形態で送達される、工程と、
b.前記繊維性ウェブ材料を横方向に切断して、横方向及び同一形状の繊維性水溶性単位用量の繰返し入れ子パターンを形成する工程と、を含み、
前記繊維性水溶性単位用量が入れ子になっており、横方向及び同一形状の繊維性水溶性単位用量の繰返しパターンを形成する、
繊維性水溶性単位用量を作製するための方法。
【請求項2】
前記繊維性水溶性単位用量が、繊維性ウェブ材料の帯の長手方向縁部に対して平行な各繊維性水溶性単位用量の中心線に沿って対称ではない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記繊維性水溶性単位用量が、それらが切断される繊維性ウェブの帯に沿って長手方向に非対称である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記繊維性ウェブ材料が供給ロールから送達される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記繊維性水溶性単位用量が、前記繊維性ウェブの断面に沿って繰返しパターンを形成するように入れ子にされ、一方で繊維性材料の帯の長手方向縁部に対して平行な各繊維性水溶性単位用量の中心線に沿って対称ではない、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
各繊維性水溶性単位用量が、繊維性ウェブ材料の帯の前記長手方向軸に対する角度に沿って位置する各繊維性水溶性単位用量の中心線軸に沿って対称である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
隣接する繊維性水溶性単位用量が、共通の画定切断線を共有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記繊維性水溶性単位用量が、上部隆起及び下部隆起を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記繊維性水溶性単位用量が、1つ以上の隆起を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の隆起が、前記水溶性単位用量の形状に不可欠であり、1つ以上のミシン目によって輪郭が描かれる、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
水溶性繊維構造体及び1つ以上の粒子を含む水溶性単位用量物品の形態の、布地上に活性剤を送達する家庭用ケア組成物を作製するための方法が提供される。方法は、繊維構造体を送達する工程と、モザイク形状を使用して繊維構造体を切断して、ほぼ同一形状の繊維構造の繰返し入れ子パターンを形成する工程と、を含む。
【背景技術】
【0002】
水溶性単位用量物品は、布地又は硬質表面処理組成物を投入する便利で、効率的で、かつ清潔な方法を提供するので、消費者が望んでいる。水溶性単位用量物品は、計量された投入量の処理組成物を提供することにより、過剰投入又は過少投入が避けられる。繊維性水溶性単位用量物品に対する消費者の関心がますます高まってきている。このような物品に関連する技術は、消費者が達成しようとする作業を行うことを可能にする物品と共に、所望の活性剤を供給するという面から進化し続けている。
【0003】
繊維性水溶性単位用量を作製するプロセスは、より大きなウェブから用量を切断することを必要とする。このプロセスは、かなりの量のスクラップを生成する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、高速製造プロセスにより容易に適合させることができる形状を入れ子にする方法を見つけることが望ましい。驚くべきことに、スクラップを最小限にしながら、繊維性ウェブ内に入れ子にすることができる反復非対称製品を利用することによって、反復パターンを有するモザイク状の形状を作り出すことができることが見出された。更に、モザイク状の形状パターンは、最終製品に組み込まれるか、又は水溶性単位用量物品の製造を妨げる不必要又は望ましくない断片を軽減する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的及び利点は、以下の説明において部分的に記載されるか、又は説明から明らかであり得るか、又は本発明の実施を通して習得され得る。
【0006】
本発明は、繊維性水溶性単位用量を作製するための改善された方法を提供し、方法は、繊維性ウェブ材料の連続帯の形態で送達される繊維性ウェブ材料を送達する工程と、吸収性ウェブ材料を横方向に切断して、横方向のほぼ同一形状の繊維性水溶性単位用量の繰返し入れ子パターンを形成する工程と、を含む。繊維性水溶性単位用量は入れ子になっており、横方向及び同一形状の繊維性水溶性単位用量の繰返しパターンを形成する。
【0007】
本発明は、繊維性水溶性単位用量を作製するための方法を更に提供し、方法は、繊維性ウェブ材料の連続帯の形態で送達される繊維性ウェブ材料を送達する工程と、吸収性ウェブ材料を横方向に切断して、横方向のほぼ同一形状の繊維性水溶性単位用量の繰返し入れ子パターンを形成する工程と、を含む。繊維性水溶性単位用量は入れ子になっており、横方向の繰返しパターンを形成し、一般に同一形状の繊維性水溶性単位用量である。繊維性水溶性単位用量は、それらが切断される繊維性ウェブの帯に沿って長手方向に非対称である。
【0008】
本方法は、その特定の実施形態を参照することによって以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】材料のプライを作製するプロセスである。
図2】繊維性単一単位用量のモザイク状パターンを示す繊維性材料の帯である。
図3】繊維性単一単位用量の代替モザイク状パターンを示す繊維性材料の帯である。
図4】繊維性単一単位用量の代替モザイク状パターンを示す繊維性材料の帯である。
図5】繊維性単一単位用量の代替モザイク状パターンを示す繊維性材料の帯である。
図6】繊維性単一単位用量の代替モザイク状パターンを示す繊維性材料の帯である。
図7】繊維性単一単位用量の代替モザイク状パターンを示す繊維性材料の帯である。
図8】繊維性単一単位用量がモザイク状ではない繊維性材料の帯を表す図である。
図9】新しい設計を具現化する蓋を有する容器の斜視図を示す図である。
図10】新しい設計を具現化する蓋を有する容器の正面図を示す図である。
図11】新しい設計を具現化する蓋を有する容器の側面図を示す図である。
図12】新しい設計を具現化する蓋を有する容器の側面図を示す図である。
図13】新しい設計を具現化する蓋を有する容器の背面図を示す図である。
図14】新しい設計を具現化する蓋を有する容器の上面図を示す図である。
図15】新しい設計を具現化する蓋を有する容器の底面図を示す図である。
図16】蓋が開いた状態の図9図15の容器を示す図である。
図17図2に示される繊維性水溶性単位用量で充填された図16の容器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
定義
本発明の特徴点及び利点は、本発明の幅広い表現を与えるよう意図される例を含む以下の記述から明らかになる。様々な修正が本明細書及び本発明の実施から当業者には明白となるであろう。この範囲は開示される特定の形態に限定されるようには意図されず、本発明は、特許請求の範囲によって定義されるような本発明の趣旨及び範囲内に含まれる全ての修正、均等物、及び代替物を網羅する。
【0011】
本明細書で使用される場合、「the」、「a」及び「an」を含む冠詞は、特許請求の範囲又は明細書において使用されるとき、特許請求又は記載されているものの1つ以上を意味すると理解される。
【0012】
本明細書で使用される場合、「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含む(including)」という用語は、非限定的であることを意味する。
【0013】
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語は、単に別の成分の不純物若しくは意図しない副産物としての成分の完全な欠如又はその最小量のいずれかを指す。ある構成成分「を実質的に含まない/が実質的にない」組成物とは、当該組成物が、当該組成物の約0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、0.05重量%、又は0.01重量%未満、又は更には0重量%しか当該構成成分を含まないことを意味する。
【0014】
用語「含む」は、用語「含む」が「からなる」又は「から本質的になる」ことを意味する実施形態も含むことを理解すべきである。
【0015】
本明細書で使用される場合、「皮脂」は、皮脂腺の油性分泌物、及び皮脂腺の油性分泌物を複製することを意図した任意の人工組成物を指す。代表的な皮脂としては、欧州特許第1482907号に記載の人工皮脂、欧州特許第0142830号に記載の人工皮脂、D4265-14による人工皮脂、及びCFT PCS-132として販売されている人工皮脂が挙げられるが、これらに限定されない。CFT PCS-132は、18%の遊離脂肪酸、32%の牛脂(ステアリン酸/オレイン酸トリグリセリド)、4%の脂肪酸トリグリセリド、12%の炭化水素混合物、18%のラノリン(ワックスエステル、C13~C24)、12%のCutina(ワックス及びワックスエステル)、及び4%のコレステロールの推定組成を有する。
【0016】
引用される特許文献及びその他の文献は全て、関連部分において、あたかもそれが本明細書に完全に再び述べられているかのように参照により組み込まれる。いかなる特許文献又はその他の文献の引用も、引用される特許文献及びその他の文献が本発明に対する先行技術であると認めるものではない。
【0017】
本明細書において、特に明記されない限り、全ての濃度及び比率は、組成物の重量を基準とする。
【0018】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値制限は、全てのより低い数値制限を、あたかもそのようなより低い数値制限が本明細書に明示的に記載されているかのよう含むことが理解されるべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値制限は、全てのより高い数値制限を、あたかもそのようなより高い数値制限が本明細書に明示的に記載されているかのように含むものとする。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、そのような広い数値範囲内に入るあらゆる狭い数値範囲を含み、あたかもそのような狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのようである。
【0019】
本発明は、長手方向に非対称な形状を有する繊維性水溶性単位用量を作製するための改善された方法を提供する。繊維性水溶性単位用量は、それらが切断される繊維性ウェブに沿って長手方向に非対称である。本方法は、ウェブ材料の無駄が実質的に0であるような方法で、繊維性ウェブ材料の連続帯からこのような繊維性水溶性単位用量を大量生産するための技術を提供する。
【0020】
本方法の一実施形態によれば、繊維性ウェブ材料は、連続帯又は一連の隣接帯の形態で、例えば供給ロールから、機械方向の流れで送達される。換言すれば、材料の帯の平行な側部は機械方向にある。吸収性ウェブ材料は、横方向に切断されて、横方向及び概ね同一形状の繊維性水溶性単位用量の繰返し入れ子パターンを形成する。繊維性水溶性単位用量は、繊維性ウェブの断面に沿って繰返しパターンを形成するという点で入れ子になっている。繊維性水溶性単位用量は、材料帯の長手方向又は各繊維性水溶性単位用量の長手方向中心線に沿って非対称である。
【0021】
隣接する繊維性水溶性単位用量は、繊維性水溶性単位用量間に吸収性材料の無駄がないように、共通の画定切断線を共有する。各パッドは、クロッチ部及び背部に対して長手方向に非対称である。例えば、1つの特定の実施形態では、パッドの後部分は、パッドの最も広い幅を画定する耳部を含み、より小さい幅のクロッチ区域が耳部及び後部分から長手方向に延在する。
【0022】
繊維性水溶性単位用量は、各繊維性水溶性単位用量がウェブ材料の横方向幅よりも小さい長手方向長さを有するように、繊維性ウェブ材料の帯にわたって画定される。しかしながら、この実施形態では、繊維性水溶性単位用量の入れ子対は、繊維性ウェブ材料の横方向幅に等しい組み合わされた入れ子長手方向長さを有する。
【0023】
繊維性水溶性単位用量は、上部隆起及び下部隆起を含む。上部隆起及び下部隆起は、繊維性水溶性単位用量と繊維性水溶性単位用量を収容する容器との間の相互作用を変化させることを含む、1つ以上の可能な複数の目的を果たす。上部隆起、下部隆起、又はその両方は、布地を前処理するために利用され得る。
【0024】
本方法は、その特定の実施形態を参照することによって以下でより詳細に説明される。
【0025】
繊維性水溶性単位用量物品
本明細書で使用するとき、という句「水溶性単位用量物品」、「水溶性繊維状構造体」、及び「水溶性繊維状要素」という句は、単位用量物品、繊維状構造体、及び繊維状要素が水と混和性であることを意味する。換言すれば、単位用量物品、繊維状構造体、又は繊維状要素は、周囲条件で水と均質な溶液を形成することができる。本明細書で使用される場合、「周囲条件」は、23℃±1.0℃及び相対湿度50%±2%を意味する。水溶性単位用量物品は、水性洗浄条件で約20マイクロメートル未満又は約50マイクロメートル未満の懸濁平均粒径で分散可能である不溶性材料を含有していてもよい。
【0026】
繊維性水溶性単位用量は、2018年1月26日に出願された、米国特許出願第15/880,594号、2018年1月26日に出願された同第15/880,599号、及び、2018年1月26日に出願された同第15/880,604号に見出される開示のいずれかを含むことができ、それら全体が参照により組み込まれている。
【0027】
これら繊維性水溶性単位用量物品は、様々な洗浄条件下、例えば、低温、少ない水量及び/又は短い洗浄サイクル若しくは消費者が洗濯機に、特に高い吸水能を有する品目を入れすぎた場合のサイクルの下で溶解することができると同時に、(今日の液体製品と同様の性能で)対象とする消費者基材に対して、意図する効果を発揮するために十分な活性剤を送達する。更に、本明細書に記載の水溶性単位用量物品は、活性剤を含む繊維を紡糸することによって、経済的に製造することができる。本明細書に記載の水溶性単位用量物品は、改善された洗浄性能も有する。
【0028】
繊維性水溶性単位用量物品の表面は、印刷領域を含み得る。印刷領域は、物品の表面の約10%~約100%を網羅し得る。印刷区域は、インク、顔料、染料、青味剤、又はこれらの混合物を含み得る。印刷区域は、不透明、半透明、又は透明であってもよい。印刷領域は、単色又は複数の色を含み得る。印刷領域は、物品の1つを超える側面上に存在し得、説明の文章及び/又は図形を含み得る。水溶性単位用量物品の表面は、嫌悪剤、例えば、苦味剤を含んでいてよい。好適な苦味剤としては、ナリンギン、スクロース八酢酸、塩酸キニーネ、安息香酸デナトニウム、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意の好適な濃度の嫌悪剤が使用され得る。好適な濃度としては、1~5000ppm、又は更には100~2500ppm、又は更には250~2000ppmが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書に開示される水溶性単位用量物品は、水溶性繊維状構造体及び1つ以上の粒子を含む。水溶性繊維状構造体は、複数の繊維状要素、例えば複数のフィラメントを含み得る。1つ以上の粒子、例えば1つ以上の活性剤含有粒子は、構造体全体にわたって分布し得る。水溶性単位用量物品は、相互に絡み合っているか、ないしは別の方法で互いに関連付けられて繊維状構造体を形成する複数の2つ以上及び/又は3つ以上の繊維状要素と、当該繊維状構造体全体にわたって分布し得る1つ以上の粒子と、を含み得る。
【0030】
繊維性水溶性単位用量物品は、本明細書に記載の厚さ試験法によって測定したとき、0.01mm超、及び/又は0.05mm超、及び/又は0.1mm超、及び/又は約100mm以下、及び/又は約50mm以下、及び/又は約20mm以下、及び/又は約10mm以下、及び/又は約5mm以下、及び/又は約2mm以下、及び/又は約0.5mm以下、及び/又は約0.3mm以下の厚さを呈し得る。
【0031】
繊維性水溶性単位用量物品は、本明細書に記載の坪量試験法に従って測定したとき、約500グラム/m~約5,000グラム/m、又は約1,000グラム/m~約4,000グラム/m、又は約1,500グラム/m~約3,500グラム/m、又は約2,000グラム/m~約3,000グラム/mの坪量を有し得る。
【0032】
繊維性水溶性単位用量物品は、水溶性繊維構造体と、当該構造体全体にわたって分布する複数の粒子とを含んでよく、当該水溶性繊維構造体は、組成上の観点から、同一又は実質的に同一の複数の繊維要素を含む。水溶性繊維状構造体は、2つ以上の異なる繊維状要素を含み得る。繊維状要素の相違点の非限定的な例は、直径、長さ、質感、形状、剛性、弾性の違いなどの物理的な違い;架橋レベル、溶解度、融点、Tg、活性剤、フィラメント形成材料、色、活性剤の濃度、坪量、フィラメント形成材料の濃度、繊維状要素上の任意コーティングの存在、生分解性であるか否か、疎水性であるか否か、接触角などの化学的な違い;意図される使用条件に繊維要素が曝されたときに、繊維要素がその物理的構造を失うかどうかの違い;意図される使用条件に繊維要素が曝されたときに、繊維要素の形態が変化するかどうかの違い、及び意図される使用条件に繊維要素が曝されたときに、繊維要素がその活性剤のうちの1つ以上を放出する速度の違いであり得る。繊維状構造体内の2つ以上の繊維状要素は、異なる活性剤を含み得る。これは、異なる活性剤、例えばアニオン性界面活性剤及びカチオン性ポリマーが、互いに不適合であり得る場合にあり得る。異なる繊維状要素を使用するとき、得られる構造体は、異なる湿潤、吸水、及び溶解度の特徴を呈し得る。
【0033】
繊維性水溶性単位用量物品は、異なる領域、例えば坪量、密度、キャリパー(caliper)、及び/又は湿潤の特徴の異なる領域を呈し得る。繊維性水溶性単位用量物品は、端封点で圧縮され得る。繊維性水溶性単位用量物品は、その表面の1つ以上に織り目(texture)を含み得る。繊維性水溶性単位用量物品の表面は、非ランダムな反復パターンなどのパターンを含み得る。繊維性水溶性単位用量物品は、開口部を含み得る。繊維性水溶性単位用量物品は、構造体における繊維状要素の他の領域とは異なる、繊維状要素の離散領域を有する繊維状構造体を含み得る。繊維性水溶性単位用量物品は、そのまま使用され得るか、又は1つ以上の活性剤でコーティングされ得る。
【0034】
繊維性水溶性単位用量物品は、1つ以上のプライを含み得る。繊維性水溶性単位用量物品は、少なくとも2つの、及び/又は少なくとも3つの、及び/又は少なくとも4つの、及び/又は少なくとも5つのプライを含み得る。繊維状プライは、繊維状構造体であり得る。各プライは、1つ以上の層、例えば、1つ以上の繊維状要素層、1つ以上の粒子層、及び/又は1つ以上の繊維状要素/粒子混合層を含み得る。層は、封止され得る。特に、粒子層及び繊維状要素/粒子混合物層は、粒子が漏出しないように封止され得る。水溶性単位用量物品は、複数のプライを含んでいてよく、各プライは、1つの層が繊維要素層であり、1つの層が繊維要素/粒子混合層である2つの層を含み、複数のプライは一緒に封止される(例えば、縁部で)。封止は、粒子の漏出を阻止することに加えて、単位用量物品がその元の構造を維持するために役立ち得る。しかしながら、水溶性単位用量物品を水に添加した際、単位用量物品は溶解して、粒子を洗浄液中に放出する。
【0035】
繊維要素及び/又は粒子は、異なる活性剤を含む2つ以上の領域を水溶性単位用量物品に提供するように、当該物品内、単一プライ内、又は複数のプライ内に配置され得る。例えば、物品の1つの領域は、漂白剤及び/又は界面活性剤を含んでいてよく、物品の別の領域は、柔軟剤を含んでいてよい。
【0036】
本明細書に記載の水溶性単位用量物品は、水溶性繊維構造体と、(a)約10重量%~約80重量%のアルキルアルコキシル化サルフェート及び(b)約0.5重量%~約20重量%のレオロジー変性剤を含む1つ以上のレオロジー変性粒子を含んでいてよい。本明細書に記載の粒子は、(上記の界面活性剤に加えて)1つ以上の追加の活性剤を含んでよい。
【0037】
レオロジー変性粒子は、
(a)約10重量%~約80重量%のアルキルアルコキシル化サルフェートと、
(b)約0.5重量%~約20重量%の、アルコキシル化アミン、好ましくはアルコキシル化ポリアミン、より好ましくは四級化又は非四級化アルコキシル化ポリエチレンイミンからなる群から選択されるレオロジー変性剤であって、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンが、ポリアルキレンイミンコアにおける少なくとも1つの窒素原子に結合している1以上のアルコキシ側鎖を有するポリアルキレンイミンコア、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EOxPOyEOx)トリブロックコポリマーであって、x及びxのそれぞれは約2~約140の範囲であり、yは約15~約70の範囲であるトリブロックコポリマー、及びこれらの混合物を有する、レオロジー変性剤と、を含んでいてよい。
【0038】
本明細書で使用するとき、用語「レオロジー変性剤」は、濃縮界面活性剤の粘度及び弾性を実質的に低下させるように、濃縮界面活性剤、好ましくは中間状態の相構造を有する濃縮界面活性剤と相互作用する材料を意味する。好適なレオロジー変性剤としては、ソルビトールエトキシレート、グリセロールエトキシレート、ソルビタンエステル、タローアルキルエトキシル化アルコール、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EOxPOyEOx)トリブロックコポリマーであって、x及びxのそれぞれは約2~約140の範囲であり、yは約15~約70の範囲であるトリブロックコポリマー、アルコキシル化アミン、アルコキシル化ポリアミン、ポリエチレンイミン(polyethyleneimine、PEI)、PEIのアルコキシル化変異型、好ましくはエトキシル化PEI、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。レオロジー変性剤は、約2,000ダルトン~約8,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)と組み合わせて、上記のポリマーの1つ、例えば、エトキシル化PEIを含んでいてよい。
【0039】
本明細書で使用するとき、用語「機能性レオロジー変性剤」は、追加の洗剤機能性を有するレオロジー変性剤を意味する。場合によっては、本明細書で以下に記載される分散剤ポリマーが、機能性レオロジー変性剤としても機能し得る。機能性レオロジー変性剤は、組成物の約0.5重量%~約20重量%、好ましくは約1重量%~約15重量%、より好ましくは約2重量%~約10重量%の濃度で本発明の洗剤粒子中に存在し得る。
【0040】
理論に束縛されるものではないが、機能性レオロジー変性剤は、中間相界面活性剤、特にアルコール系アニオン性サルフェート界面活性剤の分子構造と相互作用することができ、当該中間相は、固相界面活性剤よりも多くの水を有し、洗浄溶液に特有のミセル相よりも少ない水を有すると考えられる。換言すれば、中間相界面活性剤は、水溶性繊維構造体及び粒子を含む繊維性水溶性単位用量物品の成功使用において達成され得る、固体からミセル相への移行状態を表し、この中間状態のレオロジーが粘稠又は粘着性でありすぎる場合、不十分な局所希釈及び/又は不十分な剪断の状況下で、布地に望ましくない残渣が生じる場合がある。当該中間相の粘度及び弾性を実質的に低減することにより、レオロジー変性剤が分散を支援するので、布地に残渣が形成されるリスクが軽減する。更に、形成され得る任意の残渣、例えば、塊状ゲルについては、レオロジー変性剤がその持続性を低減することができる。正味の効果は、洗浄を通して布地に残存する界面活性剤残渣の発生を軽減することである。
【0041】
アルコキシル化アミン:アルコキシル化アミンは、濃縮界面活性剤混合物のpH範囲にわたって部分的に若しくは完全にプロトン化されていてもよく、プロトン化されていなくてもよい。あるいは、アルコキシル化アミンは、部分的に又は完全に四級化されていてもよい。アルコキシル化アミンは、四級化されていなくてもよい。アルコキシル化アミンは、エトキシレート(EO)基を含んでいてよい。
【0042】
アルコキシル化アミンは、直鎖状、分枝状、又はこれらの組み合わせであってよく、好ましくは分枝状であってよい。
【0043】
アルコキシル化アミンは、N,N,N’,N’-テトラ(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(ヒドロキシアルキルアミンの種類としても記載される)などの2つ以上のアミン部分を含有していてよい。N,N,N’,N’-テトラ(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミンは、キレート剤としても機能する。
【0044】
アルコキシル化アミンは、アルコキシル化ポリアルキレンイミンを含むアルコキシル化アミンを含んでいてよい(又はであってもよい)。アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、アルコキシル化ポリエチレンイミン(PEI)であってよい。
【0045】
典型的に、アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマーは、ポリアルキレンイミン骨格鎖を含む。ポリアルキルイミンは、C2アルキル基、C3アルキル基、又はこれらの混合物、好ましくはC2アルキル基を含んでいてよい。アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマーは、ポリエチレンイミン(「PEI」)骨格鎖を有していてよい。
【0046】
アルコキシル化PEIは、エトキシル化前に測定したとき、約400~約1000、又は約500~約750、又は約550~約650、又は約600の重量平均分子量を有するポリエチレンイミン骨格鎖を含んでいてよい。
【0047】
本明細書に記載のポリマーのPEI骨格鎖は、アルコキシル化前に、以下の一般実験式:
【0048】
【化1】
を有し得、
式中、Bは、分岐によるこの構造の連続を表す。いくつかの態様では、n+mは、8、又は10、又は12、又は14、又は18、又は22以上である。
【0049】
アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマーは、アルコキシル化窒素基を含む。アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマーは、独立して、アルコキシル化窒素1個当たり平均して、約50以下、又は約40以下、又は約35以下、又は約30以下、又は約25以下、又は約20以下のアルコキシレート基を含んでいてよい。アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマーは、独立して、アルコキシル化窒素1個当たり平均して、少なくとも約5、又は少なくとも約10、又は少なくとも約15、又は少なくとも約20のアルコキシレート基を含んでいてよい。
【0050】
アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、好ましくはアルコキシル化PEIは、エトキシレート(EO)基、プロポキシレート(PO)基、又はこれらの組み合わせを含んでいてよい。アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、好ましくはアルコキシル化PEIは、エトキシレート(EO)基を含んでいてよい。アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、好ましくはアルコキシル化PEIは、プロポキシレート(PO)基を含んでいなくてよい。
【0051】
アルコキシル化アミン、好ましくはアルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、より好ましくはアルコキシル化PEIは、アルコキシル化窒素1個当たり平均して、約1~50のエトキシレート(EO)基及び約0~5のプロポキシレート(PO)基を含んでいてよい。アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、好ましくはアルコキシル化PEIは、アルコキシル化窒素1個当たり平均して、約1~50のエトキシレート(EO)基を含んでいてよく、かつプロポキシレート(PO)基を含まない。アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、好ましくはアルコキシル化PEIは、アルコキシル化窒素1個当たり平均して、約10~30のエトキシレート(EO)基、好ましくは約15~25のエトキシレート(EO)基を含んでいてよい。
【0052】
好適なポリアミンとしては、低分子量、水溶性、かつ軽度にアルコキシル化されたエトキシル化/プロポキシル化ポリアルキレンアミンポリマーが挙げられる。「軽度にアルコキシル化された」とは、本発明のポリマーが、窒素1個当たり平均して約0.5~約20、又は0.5~約10のアルコキシル化を生じさせることを意味する。ポリアミンは「実質的に非荷電」であってもよく、これはpH10又はpH7でポリアルキレンアミンポリマーの主鎖中に存在する約40個の窒素ごとに約2個以下の正電荷が存在することを意味する。しかしながら、ポリマーの電荷密度はpHと共に変化し得ることが認識されている。
【0053】
PEI600 EO20などの好適なアルコキシル化ポリアルキレンイミンは、BASF(Ludwigshafen,Germany)から入手可能である。
【0054】
エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EOxPOyEOx)トリブロックコポリマー:エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EOxPOyEOx)トリブロックコポリマーにおいて、x1及びx2のそれぞれは約2~約140の範囲であり、yは約15~約70の範囲である。エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EOxPOyEOx)トリブロックコポリマーは、好ましくは、20~70、好ましくは30~60、より好ましくは45~55のプロピレンオキシド単位の平均プロピレンオキシド鎖長を有する。
【0055】
好ましくは、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EOxPOyEOx)トリブロックコポリマーは、約1000~約10,000ダルトン、好ましくは約1500~約8000ダルトン、より好ましくは約2000~約7000ダルトン、更により好ましくは約2500~約5000ダルトン、最も好ましくは約3500~約3800ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0056】
好ましくは、各エチレンオキシドブロック又は鎖は、独立して、2~90、好ましくは3~50、より好ましくは4~20のエチレンオキシド単位の平均鎖長を有する。
【0057】
好ましくは、コポリマーは、コポリマーの10重量%~90重量%、好ましくは15重量%~50重量%、最も好ましくは15重量%~25重量%の複合エチレン-オキシドブロックを含む。最も好ましくは、総エチレンオキシド含量は、2つのエチレンオキシドブロックに等しく分けられる。本明細書において等しく分けられるとは、各エチレンオキシドブロックが平均でエチレンオキシド単位の総数の40%~60%、好ましくは45%~55%、更により好ましくは48%~52%、最も好ましくは50%を含み、両エチレンオキシドブロックの%が合計100%になることを意味する。いくつかのエチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EOxPOyEOx)トリブロックコポリマーであって、x及びxのそれぞれは、約2~約140の範囲であり、yは、約15~約70の範囲であるトリブロックコポリマーは、洗浄性を改善する。
【0058】
好ましくは、コポリマーは、約3500~約3800ダルトンの重量平均分子量、45~55のプロピレンオキシド単位のプロピレンオキシド含量、並びにエチレンオキシドブロック当たり4~20のエチレンオキシド単位のエチレンオキシド含量を有する。
【0059】
好ましくは、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EOxPOyEOx)トリブロックコポリマーは、1000~10,000ダルトン、好ましくは1500~8000ダルトン、より好ましくは2000~7500ダルトンの重量平均分子量を有する。好ましくは、コポリマーは、コポリマーの10重量%~95重量%、好ましくは12重量%~90重量%、最も好ましくは15重量%~85重量%の複合エチレン-オキシドブロックを含む。いくつかのエチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EOxPOyEOx)トリブロックコポリマーであって、x及びxのそれぞれは約2~約140の範囲であり、yは約15~約70の範囲であるトリブロックコポリマーは、溶解を改善する。
【0060】
好適なエチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシドトリブロックコポリマーは、BASF社からPluronic PEシリーズとして又はDow Chemical社からTergitol Lシリーズとして市販されている。特に好適な材料は、Pluronic PE 9200である。
【0061】
アルキルアルコキシル化サルフェート:アルキルアルコキシル化サルフェート(alkylalkoxylated sulfate、AAS)は、アルキルエトキシル化サルフェート(alkylethoxylated sulfate、AES)、好ましくは約0.5~約3.0の平均エトキシル化度を有するエトキシル化C12~C18アルキルサルフェートであってよい。
【0062】
典型的に、アルキルアルコキシル化サルフェートのレオロジー変性剤に対する重量比は、4:1~40:1の範囲である。アルキルアルコキシル化サルフェートのレオロジー変性剤に対する重量比は、アルキルアルコキシル化サルフェートのアルコール前駆体の分子量、アルコキシル化度、及びブレンドされた界面活性剤系中のLAS/AESのブレンド比に依存し得る。例えば、約1.0(例えば、NaAES)のエトキシル化度、約1/3のNaLAS/NaAESブレンド比、及び12個~15個の炭素鎖長ブレンドを有するAE1アルコール前駆体の場合、機能性レオロジー変性剤/NaAES質量比は、溶解を改善するために少なくとも約4%であり得、例えば5%~10%であってもよい。14個~15個の炭素鎖長ブレンドを有するより高MWのアルコール前駆体の場合、好ましい機能性レオロジー変性剤/NaAE1S質量比は、少なくとも約9%、例えば9%~20%であり得る。機能性レオロジー変性剤の濃度は、広範囲の可能なアニオン性界面活性剤材料及びそのブレンド比にわたって製品の溶解を維持するように調整することができる。
【0063】
NaAES界面活性剤の質量に対するレオロジー変性剤(rheology modifier、RM)の質量は、以下の関係に従うことができる、RM/NaAES≧f(alc)/(a(LAS/AES)+b)(式中、f(alc)は、AES界面活性剤を作製するために使用されるアルコールの構造及び分子量の関数であり、(LAS/AES)は、界面活性剤ペースト中のLASのAESに対するブレンド比であり、aは~30であり、bは~2である)。主にC12~C15の直鎖状アルコールエトキシレート(C25AE1)の基準ブレンドについては、f(alc)は~1.0であり、主にC14~C15の直鎖状アルコールエトキシレート(C45AE1)の基準ブレンドについては、f(alc)は~1.2である。上記指針は、エトキシル化度及びエトキシル化アルコール前駆体のAES界面活性剤への任意の分岐構造に更に依存する。上記指針は、ガイダンス比として表すことができ、≧1の値は、改善された溶解を示し得、<1の値は、より悪い溶解を示し得る。ガイダンス比は、(RM/NaAES)/(f(alc)/(30(LAS/AES)+2))である。
【0064】
粒子は、約15重量%~約60重量%、若しくは20重量%~40重量%のアルキルアルコキシル化サルフェート、又は30重量%~80重量%、若しくは更には50重量%~70重量%のアルキルアルコキシル化サルフェートを含んでいてよい。
【0065】
粒子は、アルキルベンゼンスルホネート、例えば、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(linear alkylbenzene sulfonate、LAS)を含んでいてよい。粒子は、1重量%~50重量%のアルキルベンゼンスルホネート、又は5重量%~30重量%のアルキルベンゼンスルホネートを含んでいてよい。
【0066】
粒子は、D50が約150マイクロメートル超~約1700マイクロメートル未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D50が約212マイクロメートル超~約1180マイクロメートル未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D50が約300マイクロメートル超~約850マイクロメートル未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D50が約350マイクロメートル超~約700マイクロメートル未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D20が約150マイクロメートル超であり、D80が約1400マイクロメートル未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D20が約200マイクロメートル超であり、D80が約1180マイクロメートル未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D20が約250マイクロメートル超であり、D80が約1000マイクロメートル未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D10が約150マイクロメートル超であり、D90が約1400マイクロメートル未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D10が約200マイクロメートル超であり、D90が約1180マイクロメートル未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D10が約250マイクロメートル超であり、D90が約1000マイクロメートル未満になるような粒径分布を有し得る。
【0067】
粒子は、ビーズ様洗剤又はその誘導体において使用され得る。粒子は、D50が約1mm超~約4.75mm未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D50が約1.7mm超~約3.5mm未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D20が約1mm超であり、D80が約4.75mm未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D20が約1.7mm超であり、D80が約3.5mm未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D10が約1mm超であり、D90が約4.75mm未満になるような粒径分布を有し得る。粒子は、D10が約1.7mm超であり、D90が約3.5mm未満になるような粒径分布を有し得る。
【0068】
粒径分布は、本出願人らの粒度分布試験法に従って測定される。
【0069】
粒子は、約10重量%~約80重量%、好ましくは約20重量%~約60重量%、好ましくは約30重量%~約50重量%の洗剤ビルダーを含んでいてよい。
【0070】
粒子は、約2重量%~約40重量%、好ましくは約5重量%~約30重量%、好ましくは約10重量%~約20重量%の緩衝剤を含んでいてよい。
【0071】
粒子は、約2重量%~約20重量%、好ましくは約5重量%~約10重量%のキレート剤を含んでいてよい。
【0072】
粒子は、約2重量%~約20重量%、好ましくは約5重量%~約10重量%の分散剤ポリマーを含んでいてよい。
【0073】
粒子は、0.5重量%~15重量%の可溶性フィルム又は繊維構造化ポリマーを含んでいてよい。可溶性フィルム又は繊維構造化ポリマーの例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、変性デンプン又はセルロースポリマー、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。このようなポリマーは、可溶性繊維又はフィルム材料、例えば、パウチ材料を含む単位用量製品を含む製品リサイクル流に存在することがあり、この場合、当該リサイクル材料を本粒子に組み込むことが有利である。
【0074】
粒子は、500g/L未満の密度を有し得る。粒子は、450g/L未満、例えば、50g/L~450g/L、100g/L~400g/L、150g/L~350g/L、200g/L~400g/L、250g/L~400g/L、又は300g/L~400g/Lなどの密度を有し得る。
【0075】
粒子は、250g/L~400g/Lの密度を有し得るが、D10が約300マイクロメートルより大きく、D90が約1100マイクロメートル未満であるような粒度分布を有し得る。粒子は、D10が300~500マイクロメートルであるような粒径分布を有し得る。
【0076】
出願人らは、望ましいサイズ分布内に入る低密度粒子を使用することによって、界面活性剤の溶解速度及び利用可能性を大幅に増加させながら、より高密度の粒子と同様のレベルの界面活性剤を送達することができることを見出した。
【0077】
加えて、低密度高活性粒子の使用は、増加した量の粒子の使用を可能にし、それによって、総完成パッド重量百分率の関数としてより高いレベルの粒子百分率を送達する。
【0078】
更に、表5に示すように、低密度粒子を使用することにより、LAS界面活性剤を全繊維製品の20%超、例えば20%~40%まで大幅に増加させることができる。
【0079】
レオロジー変性粒子は、例えば米国特許出願公開第2007/0196502号に開示されているように、層組成物でコーティング又は少なくとも部分的にコーティングされていてよい。好ましくは、層組成物は、非界面活性剤活性物質を含む。より好ましくは、当該非界面活性剤活性物質は、ビルダー、緩衝剤、及び分散剤ポリマーからなる群から選択される。更により好ましくは、当該非界面活性剤活性物質は、ゼオライトA、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及び可溶性ポリカルボキシレートポリマーからなる群から選択される。これは、活性物質(非限定的な例としてはAES)が冷水及び/又は高硬度洗浄水条件下で洗浄するのに好適である場合に特に有利である。層中に活性物質が存在すると、冷水及び/又は硬度耐性化学物質の初期溶解が促進される。理論に束縛されるものではないが、より早い順序で冷水及び硬度耐性化学物質が溶解すると、より多くの従来の洗浄活性物質(非限定的な例としてはLAS界面活性剤)を保護することができ、その結果、優れた全体的な洗浄性能をもたらすと仮定される。
【0080】
レオロジー変性粒子の作製プロセス
アルキルアルコキシル化サルフェートアニオン性洗浄界面活性剤とレオロジー変性剤、好ましくは機能性レオロジー変性剤との混合物を含む濃縮水性ペーストを使用して、ペースト凝集プロセスに従ってレオロジー変性洗剤粒子を作製することができる。ペースト凝集プロセスは、(a)粉末原材料を混合造粒機内に添加する工程であって、当該粉末原材料が、1つ以上の乾燥ビルダー、緩衝剤、分散剤ポリマー又はキレート剤成分、必要な粉末プロセス助剤、及び凝集プロセスからリサイクルされた微粉を含み得る、工程と、(b)濃縮界面活性剤と機能性レオロジー変性剤とのプレミックスを含むペーストを添加する工程と、(c)当該混合造粒機を稼働させて、当該ペーストに当該粉末を分散させ、凝集体を形成するのに好適な混合流れ場を提供する工程と、任意選択的に、(d)追加の粉末成分を添加して、凝集体を少なくとも部分的にコーティングし、その表面のべたつきを少なくする工程と、(e)任意選択的に、得られた凝集体を流動床乾燥機内で乾燥させて、過剰な水分を除去する工程と、(f)任意選択的に、流動床冷却器内で凝集体を冷却する工程と、(g)好ましくは、工程e及び/又はfの流動床から水簸(elutriation)することによって、凝集体の粒径分布から任意の過剰な微粒子を除去し、微粉を工程aに戻してリサイクルする工程と、(h)好ましくはふるい分類によって、凝集体の粒径分布から過剰なオーバーサイズ粒子を除去することと、(i)当該オーバーサイズ粒子を粉砕し、粉砕された粒子を工程a、e、又はfにリサイクルする工程とを含む。ペースト凝集プロセスは、バッチプロセス又は連続プロセスであってよい。
【0081】
上記の好ましい実施形態の変形例は、工程(b)の予混合界面活性剤ペーストとは別の流れに追加のLAS補助界面活性剤を添加することを含み得る。プロセスのオプションとしては、工程(a)において、予め中和されたLASを固体粉末として添加すること、工程(b)において、補助材料として中和又は部分的に中和されたLASペーストを添加すること、又は工程(b)において、補助材料として液体酸前駆体(HLAS)を添加することが挙げられる。後者の場合、凝集プロセス中にHLASを有効に中和するために、工程(a)で添加された粉末中に十分な遊離アルカリが存在しなければならない。あるいは、HLASの中和を別個の前処理工程で行ってもよく、まずHLASをアルカリ緩衝剤粉末成分及び他の任意の固体キャリアと予混合して、粉末形態のLAS及びアルカリ緩衝剤粉末の中和されたプレミックスを形成し、次いで、上記の工程(a)で当該プレミックスを添加する。
【0082】
以下の表に示されるように、驚くべきことに、粒子凝集プロセス中に粒子形態のLASを別個の界面活性剤スラリーに添加することによって、1より大きい、例えば、1.01~3.0、1.05~2.5、1.1~2.0、1.2~1.8などのLAS対AES比を有する粒子を作り出すことができることが見出された。これらの粒子は、容易に入手可能なLASの量を増加させながら、より低い密度を達成することができる。以下の表に示されるように、LASを含むウェブと組み合わされる場合、総製品LAS対AES比は、1.0超、例えば、1.01~3.0、1.05~2.5、1.1~2.0、1.2~1.8などであり得る。
【0083】
あるいは、アルキルアルコキシル化サルフェートアニオン性洗浄界面活性剤とレオロジー変性剤との混合物を含む濃縮水性ペースト、押出プロセスを使用してもよい。押出プロセスは、当該技術分野において周知である。
【0084】
あるいは、レオロジー変性洗剤粒子を作製するために、レオロジー変性剤を凝集プロセスにおいて結合剤として使用してもよい。
【0085】
驚くべきことに、レオロジー変性粒子は、レオロジー変性剤を含まない同じ粒子と比較して、より微細かつより強力である。
【0086】
pH調整剤
単一単位用量は、洗浄液のpHを8を超えるpHに増加させる1つ以上の塩基pH調整剤を含んでもよい。好適な塩基pH調整剤としては、硫酸イオン、リン酸二水素イオン、フッ化物イオン、亜硝酸イオン、酢酸イオン、炭酸水素イオン、硫化水素イオン、アンモニア、炭酸イオン、水酸化物イオン、及びこれらの組み合わせを含む化合物が挙げられるが、これらに限定されない。塩基性pH調整剤の包含は、例えばクエン酸などの酸性pH調整剤の包含を排除しない。単一単位用量は、洗浄液の最終pHが、例えば、8.2、8.4、8.6、8.8、9、9.2、9.4、9.6、9.8、10、10.2、10.4、10.6、10.8、11、11.2、11.4、11.6、11.8、12、12.2、12.4、12.6、12.8又は13などの8を超えるという条件で、酸性pH調整剤を含んでもよい。
【0087】
濃縮界面活性剤ペースト
濃縮界面活性剤ペーストは、他の成分と組み合わせてレオロジー変性粒子を形成することができる中間組成物である。濃縮界面活性剤組成物は、以下の成分、即ち、アルキルアルコキシル化サルフェート界面活性剤を含んでもよい界面活性剤系;本明細書に記載のレオロジー調整剤;有機溶媒系、並びに水を含んでも、これらから本質的になるものであっても、又はこれらからなるものであってもよい。これら成分は、以下により詳細に記載される。
【0088】
濃縮界面活性剤組成物は、組成物の約70重量%~約90重量%の界面活性剤系であって、界面活性剤系は、約50%から、又は約60%から、又は約70%から、又は約80%から、約100%までのアルキルアルコキシル化サルフェート界面活性剤を含む、界面活性剤系と;組成物の約0.1重量%~約25重量%のレオロジー改質剤と;組成物の約5重量%未満の有機溶媒系と;水と、を含み得る。ペーストの界面活性剤系は、好ましくは、LAS補助界面活性剤を含む。LASが界面活性剤系に含まれる場合、LAS:AESの比は、約0~約1、好ましくは約0.2~約0.7、より好ましくは約0.25~約0.35、更により好ましくは0.3~約0.6であり得る。
【0089】
固体キャリア:好適な固体キャリアとしては、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物などの無機塩が挙げられる。他の好ましい固体キャリアとしては、ゼオライトなどのアルミノケイ酸塩、微粉末形態の乾燥分散剤ポリマー、及び吸収剤グレードのヒュームド又は沈降シリカ(例えば、Evonik Industries AGによって商標名SN340で市販されている沈降親水性シリカ)が挙げられる。固体キャリア材料の混合物を使用してもよい。
【0090】
繊維構造体
繊維状構造体は、1つ以上の繊維状要素を含む。繊維状要素は、互いに関連付けられて構造体を形成することができる。繊維状構造体は、構造体内及び又は構造体上に粒子を含み得る。繊維状構造体は、均質、層状、単一、ゾーン形、又は他の点で望ましいとおりであってよく、異なる活性剤が様々な前述の部分を画定する。
【0091】
繊維状構造体は、1つ以上の層を含み得、層は、共にプライを形成する。
【0092】
繊維要素
繊維状要素は、水溶性であり得る。繊維状要素は、1つ以上のフィラメント形成材料及び/又は界面活性剤などの1つ以上の活性剤を含み得る。1つ以上の活性剤は、意図される使用条件に繊維状要素及び/又は繊維状要素を含む繊維状構造体が曝されたときなどに、繊維状要素から放出可能であり得る。
【0093】
本発明の繊維状要素は、好適な紡糸方法操作(例えばメルトブロー、スパンボンディング、エレクトロスピニング及び/又は回転紡糸など)を介して、繊維状要素形成組成物とも称されるフィラメント形成組成物から紡糸され得る。
【0094】
本明細書で使用するとき、「フィラメント形成組成物」及び/又は「繊維状要素形成組成物」は、メルトブローイング及び/又はスパンボンディングなど、本発明の繊維状要素を製造するために好適な組成物を意味する。フィラメント形成組成物は、1つ以上のフィラメント形成材料であって、材料を繊維状要素へと紡糸するために好適なものにする特性を呈する材料を含む。フィラメント形成材料は、ポリマーを含み得る。1つ以上のフィラメント形成材料に加えて、フィラメント形成組成物は、1つ以上の活性剤、例えば、界面活性剤を含み得る。更に、フィラメント形成組成物は、1種以上の極性溶媒(水など)を含み得、この極性溶媒中に、1つ以上の、例えば全てのフィラメント形成材料及び/又は1つ以上の、例えば全ての活性剤が、繊維状要素(フィラメント形成組成物に由来するフィラメントなど)を紡糸する前に、溶解及び/又は分散される。
【0095】
フィラメント形成組成物は、2つ以上の異なるフィラメント形成材料を含み得る。したがって、繊維状要素は、単成分(1種のフィラメント形成材料)、及び/又は二成分などの多成分であり得る。2つ以上の異なるフィラメント形成材料をランダムに組み合わせて繊維状要素を形成し得る。2つ以上の異なるフィラメント形成材料は、シースコア型の二成分繊維状要素などのように規則正しく結合して繊維状要素を形成し得、これは、本開示の目的において、異なるフィラメント形成材料のランダムな混合物であるとはみなされない。二成分繊維状要素は、サイドバイサイド、シースコア、海島型などの任意の形態であり得る。
【0096】
繊維状要素は、アルキルアルコキシル化サルフェートを実質的に含んでいなくてよい。各繊維性要素は、乾燥繊維性要素基準で、約0重量%、又は約0.1重量%、又は約5重量%、又は約10重量%、又は約15重量%、又は約20重量%、又は約25重量%、又は約30重量%、又は約35重量%、又は約40重量%~約0.2重量%、又は約1重量%、又は約5重量%、又は約10重量%、又は約15重量%、又は約20重量%、又は約25重量%、又は約30重量%、又は約35重量%、又は約40重量%、又は約50重量%のアルキルアルコキシル化サルフェートを含み得る。繊維状要素の各々におけるアルキルアルコキシル化サルフェートの量は、その加工安定性及びフィルム溶解性に影響を及ぼさないように十分に少量である。アルキルアルコキシル化サルフェートは、水に溶解すると、特定の濃度範囲、例えば30~60重量%で高度に粘稠な六角の相を経ることがあり、その結果、ゲル状物質が生じる。したがって、繊維要素に相当量組み込まれた場合、アルキルアルコキシル化サルフェートは、水溶性単位用量物品の水への溶解を著しく減速させ得、更により悪いことには、後で溶解していない固体が残る。それに対応して、このような界面活性剤の大部分は、粒子に配合される。
【0097】
繊維状要素は各々、少なくとも1つのフィラメント形成材料及び活性剤、好ましくは界面活性剤を含有し得る。界面活性剤は比較的低い親水性を有し得るが、その理由は、このような界面活性剤は、希釈されたときに粘稠なゲル様の六方晶相を形成する可能性が低いためである。フィラメントの形成においてこのような界面活性剤を使用することにより、洗浄中のゲル形成を有効に低減することができ、ひいては、溶解がより速くなり得、洗浄における残渣が少なくなるか又はなくなり得る。界面活性剤は、例えば、非アルコキシル化C6~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルサルフェート(AS)、C6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。界面活性剤は、C6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)であってよい。LAS界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、市販の直鎖アルキルベンゼンをスルホン化することによって容易に入手することができる。使用することができる例示的なC~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネートとしては、C~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はアンモニウムの塩、例えば、C11~C18又はC11~C14直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム、カリウム、マグネシウム、及び/又はアンモニウムの塩が挙げられる。C12直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩又はカリウム塩、例えば、C12直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、即ち、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを、第1の界面活性剤として使用され得る。
【0098】
繊維状要素は、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で少なくとも約5重量%、及び/又は少なくとも約10重量%、及び/又は少なくとも約15重量%、及び/又は少なくとも約20重量%、及び/又は約80重量%未満、及び/又は約75重量%未満、及び/又は約65重量%未満、及び/又は約60重量%未満、及び/又は約55重量%未満、及び/又は約50重量%未満、及び/又は約45重量%未満、及び/又は約40重量%未満、及び/又は約35重量%未満、及び/又は約30重量%未満、及び/又は約25重量%未満のフィラメント形成材料と、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約20重量%超、及び/又は少なくとも約35重量%、及び/又は少なくとも約40重量%、及び/又は少なくとも約45重量%、及び/又は少なくとも約50重量%、及び/又は少なくとも約55重量%、及び/又は少なくとも約60重量%、及び/又は少なくとも約65重量%、及び/又は少なくとも約70重量%、及び/又は約95重量%未満、及び/又は約90重量%未満、及び/又は約85重量%未満、及び/又は約80重量%未満、及び/又は約75重量%未満の活性剤、好ましくは界面活性剤と、を含み得る。繊維状要素は、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約80重量%超の界面活性剤を含み得る。
【0099】
好ましくは、各繊維状要素は、十分に高い総界面活性剤含有量、例えば、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で少なくとも約30重量%、又は少なくとも約40重量%、又は少なくとも約50重量%、又は少なくとも約60重量%、又は少なくとも約70重量%の第1の界面活性剤を特徴とし得る。
【0100】
繊維状要素中に存在するフィラメント形成材料の総濃度は、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約5重量%~約80重量%未満であり得、繊維状要素中に存在する界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約20重量%超~約95重量%であり得る。
【0101】
繊維状要素の1つ以上は、他のアニオン性界面活性剤(即ち、AS及びLAS以外)、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの追加の界面活性剤を含み得る。
【0102】
他の好適なアニオン性界面活性剤としては、C~C20直鎖状又は分岐状アルキルスルホネート、C~C20直鎖状又は分岐状アルキルカルボキシレート、C~C20直鎖状又は分岐状アルキルホスフェート、C~C20直鎖状又は分岐状アルキルホスホネート、C~C20アルキルN-メチルグルコースアミド、C~C20メチルエステルスルホネート(MES)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0103】
好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化脂肪族アルコールが挙げられる。非イオン性界面活性剤は、式R(OCOHのエトキシル化アルコール及びエトキシル化アルキルフェノールから選択され得、式中、Rは、約8個~約15個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカル、及びアルキル基が約8個~約12個の炭素原子を含有するアルキルフェニルラジカルからなる群から選択され、nの平均値は、約5~約15である。本明細書で有用な非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、C~C18アルキルエトキシレート、例えば、Shell製のNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤、アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であり得る、C~C12アルキルフェノールアルコキシレート、C12~C18アルコール及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC~C12アルキルフェノール縮合物(Pluronic(登録商標))(BASF)など);C14~C22中鎖分枝鎖状アルコール、BA、C14~C22中鎖分岐状アルキルアルコキシレート(BAE、式中、xは1~30である);アルキル多糖類;具体的にはアルキルポリグリコシド;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、並びにエーテル末端処理ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性洗浄性界面活性剤としては、アルキルポリグルコシド及びアルキルアルコキシル化アルコールも挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤としては、商標名Lutensol(登録商標)としてBASFから販売されているものも挙げられる。
【0104】
カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、これは26個以下の炭素原子を有し得、アルコキシレート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;ポリアミンカチオン性界面活性剤;カチオン性エステル界面活性剤;及びアミノ界面活性剤、例えば、アミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤としてはまた、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0105】
好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、以下の一般式を有する、四級アンモニウム化合物であり、
(R)(R)(R)(R)N
式中、Rは、直鎖状又は分枝状、置換又は非置換のC6~18アルキル又はアルケニル部分であり、R及びRは、独立して、メチル又はエチル部分から選択され、Rは、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチル部分であり、Xは、電荷的中性を提供するアニオンであり、好適なアニオンとしては、例えばクロリドのようなハロゲン化物、硫酸塩、及びスルホン酸塩である。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノ-C6~18アルキルモノ-ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリドである。非常に好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノ-C8~10アルキルモノ-ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリド、モノ-C10~12アルキルモノ-ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリド、及びモノ-C10アルキルモノ-ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリドである。
【0106】
双性イオン性界面活性剤の好適な例としては、複素環式二級及び三級アミンの誘導体を含む、二級及び三級アミンの誘導体;四級アンモニウム、四級ホスホニウム、又は三級スルホニウム化合物の誘導体;アルキルジメチルベタイン、ココジメチルアミドプロピルベタイン、並びにスルホ及びヒドロキシベタインを含むベタイン;C~C18(例えば、C12~C18)アミンオキシド;N-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネート(アルキル基はC~C18であり得る)が挙げられる。
【0107】
好適な両性界面活性剤としては、二級若しくは三級アミンの脂肪族誘導体、又は脂肪族基が直鎖状若しくは分岐状であり得、脂肪族置換基のうちの1つが少なくとも約8個の炭素原子若しくは約8個~約18個の炭素原子を含有し、脂肪族置換基のうちの少なくとも1つがアニオン性水可溶化基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有する、複素環式二級及び三級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。好適な両性界面活性剤としては、サルコシネート、グリシナート、タウリネート、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0108】
繊維状要素は、アニオン性界面活性剤のみを含有する界面活性剤系、例えば、単一のアニオン性界面活性剤又は2つ以上の異なるアニオン性界面活性剤の組み合わせのいずれかを含み得る。代替的に、繊維状要素は、例えば、1つ以上のアニオン性界面活性剤と1つ以上の非イオン性界面活性剤との組み合わせ、又は1つ以上のアニオン性界面活性剤と1つ以上の双性イオン性界面活性剤との組み合わせ、又は1つ以上のアニオン性界面活性剤と1つ以上の両性界面活性剤との組み合わせ、又は1つ以上のアニオン性界面活性剤と1つ以上のカチオン性界面活性剤との組み合わせ、又は上記の種類の界面活性剤の全て(即ち、アニオン性、非イオン性、両性、及びカチオン性)の組み合わせを含有する複合界面活性剤系を含み得る。
【0109】
一般に、繊維状要素は、長さが平均直径を大きく上回る、例えば、長さと平均直径との比が少なくとも約10である細長い微粒子である。繊維状要素は、フィラメント又は繊維であり得る。フィラメントは、繊維よりも相対的に長い。フィラメントは、約5.08cm(2インチ)以上、及び/又は約7.62cm(3インチ)以上、及び/又は約10.16cm(4インチ)以上、及び/又は約15.24cm(6インチ)以上の長さを有し得る。繊維は、約5.08cm(2インチ)未満、及び/又は約3.81cm(1.5インチ)未満、及び/又は約2.54cm(1インチ)未満の長さを有し得る。
【0110】
1つ以上のフィラメント形成材料及び活性剤は、約2.0以下、及び/又は約1.85以下、及び/又は約1.7未満、及び/又は約1.6未満、及び/又は約1.5未満、及び/又は約1.3未満、及び/又は約1.2未満、及び/又は約1未満、及び/又は約0.7未満、及び/又は約0.5未満、及び/又は約0.4未満、及び/又は約0.3未満、及び/又は約0.1超、及び/又は約0.15超、及び/又は約0.2超の、活性剤に対するフィラメント形成材料の合計濃度の重量比で繊維状要素中に存在し得る。1つ以上のフィラメント形成材料及び活性剤は、約0.2~約0.7の活性剤に対するフィラメント形成材料の合計濃度の重量比で繊維状要素中に存在し得る。
【0111】
繊維状要素は、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約10重量%~約80重量%未満のフィラメント形成材料、例えばポリビニルアルコールポリマー、デンプンポリマー、及び/又はカルボキシメチルセルロースポリマーと、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約20重量%超~約90重量%の活性剤、例えば、界面活性剤と、を含み得る。繊維状要素は、可塑剤(例えば、グリセリン)及び/又は更なるpH調整剤(例えば、クエン酸)を更に含み得る。繊維状要素は、約2.0以下の、活性剤に対するフィラメント形成材料の重量比を有し得る。フィラメント形成材料は、ポリビニルアルコール、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、及び他の好適なポリマー、特にヒドロキシル含有ポリマー及びこれらの誘導体からなる群から選択され得る。フィラメント形成材料は、約100,000g/モル~約3,000,000g/モルの重量平均分子量の範囲であり得る。この範囲では、フィラメント形成材料は、繊維作製方法において繊維の細径化が阻害されるほど弾性ではないように、伸長レオロジーを提供し得ると考えられる。
【0112】
1つ以上の活性剤は、意図される使用条件に繊維状要素及び/又は繊維状要素を含む繊維状構造体が曝されたときに、放出可能であり得る及び/又は放出され得る。繊維状要素中の1つ以上の活性剤は、界面活性剤、有機ポリマー化合物、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0113】
繊維状要素は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定したとき、約300μm未満、及び/又は約75μm未満、及び/又は約50μm未満、及び/又は約25μm未満、及び/又は約10μm未満、及び/又は約5μm未満、及び/又は約1μm未満の直径を呈し得る。繊維状要素は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定したとき、約1μm超の直径を呈し得る。繊維状要素の直径を利用して、繊維状要素中に存在する1つ以上の活性剤の放出速度、及び/又は繊維状要素の物理的構造の劣化及び/又は変化の速度を制御することができる。
【0114】
繊維状要素は、互いに適合性又は不適合である2つ以上の異なる活性剤を含み得る。繊維状要素は、繊維状要素内の活性剤、及び繊維状要素の外面上の活性剤、例えば繊維状要素の活性剤コーティングを含み得る。繊維状要素の外面上の活性剤は、繊維状要素内に存在する活性剤と同じであってもよく、又はこれと異なっていてもよい。異なる場合、活性剤は互いに相溶性又は非相溶性であってもよい。1つ以上の活性剤は、繊維状要素全体に均一に分布又は実質的に均一に分布され得る。1つ以上の活性剤は、繊維状要素内に離散領域として分布され得る。
【0115】
活性剤
本明細書に記載の水溶性単位用量物品は、1つ以上の活性剤を含有してもよい。活性剤は、(上述のように)繊維要素中に、(上述のように)粒子中に、又は物品中に、プレミックスとして存在してよい。プレミックスは、例えば、水性吸収剤と組み合わされた活性剤のスラリーであり得る。活性剤は、界面活性剤、構造化剤、ビルダー、有機ポリマー化合物、酵素、酵素安定剤、漂白系、増白剤、色相剤、キレート剤、抑泡剤、コンディショニング剤、保湿剤、香料、香料マイクロカプセル、充填剤又はキャリア、アルカリ性系、pH制御系、緩衝剤、アルカノールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0116】
界面活性剤
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。これら界面活性剤は、上により詳細に記載されている。
【0117】
酵素
好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、酵素カクテルであり、これは、例えば、プロテアーゼ及び1つ以上の非プロテアーゼ酵素(例えば、アミラーゼ又は上に列挙したもののいずれかと組み合わせたリパーゼなど)を含み得る。
【0118】
洗剤組成物中に存在するとき、上記の追加の酵素は、当該組成物の約0.00001重量%~約2重量%、約0.0001重量%~約1重量%、又は更には約0.001重量%~約0.5重量%の酵素タンパク質濃度で存在していてよい。本明細書に開示される組成物は、リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、マンナナーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る、約0.001重量%~約1重量%の酵素(補助剤として)を含み得る。
【0119】
プロテアーゼ
好ましくは、酵素組成物は1つ以上のプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、例えば、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に修飾された変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。
【0120】
ビルダー
好適なビルダーとしては、アルミノケイ酸塩(例えば、ゼオライトA、ゼオライトP及びゼオライトMAPなどのゼオライトビルダー)、ケイ酸塩、リン酸塩、例えば、ポリリン酸塩(例えば、トリ-ポリリン酸ナトリウム)、特にそのナトリウム塩;炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及び炭酸ナトリウム又はセスキ炭酸塩以外の炭酸塩鉱物;有機モノ-、ジ-、トリ-、及びテトラカルボキシレート、特に、酸、ナトリウム、カリウム、又はアルカノールアンモニウム塩形態の水溶性非界面活性剤カルボキシレート、並びに脂肪族及び芳香族の種類を含むオリゴマー又は水溶性低分子量ポリマーカルボキシレート、並びにフィチン酸からなる群から選択され得る。追加の好適なビルダーは、クエン酸、乳酸、脂肪酸、ポリカルボキシレートビルダー、例えば、アクリル酸のコポリマー、アクリル酸及びマレイン酸のコポリマー、並びにアクリル酸及び/又はマレイン酸、並びに様々な種類の追加の官能基を有する他の好適なエチレン系モノマーのコポリマーから選択され得る。あるいは、組成物はビルダーを実質的に含まなくてもよい。
【0121】
高分子系分散剤
好適なポリマーとしては、ポリアクリレート、ポリアクリル酸-マレイン酸コポリマー、及びそのスルホン化修飾物、例えば、疎水変性スルホン化アクリル酸コポリマーなどのポリマーカルボキシレートが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーは、セルロース系ポリマー、ポリエステル、ポリテレフタレート、ポリエチレングリコール、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EOxPOyEOx)トリブロックコポリマーであって、x及びxのそれぞれは、約2~約140の範囲であり、yは、約15~約70の範囲であるトリブロックコポリマー、ポリエチレンイミン、これらの任意の修飾された変異型、例えば、グラフト化ビニル及び/又はアルコール部分を有するポリエチレングリコール、並びにこれらの任意の組み合わせであってよい。場合によっては、分散剤ポリマーは、上記のとおりレオロジー変性剤としても機能し得る。
【0122】
好適なポリエチレンイミンポリマーとしては、プロポキシル化ポリアルキレンイミン(例えば、PEI)ポリマーが挙げられる。プロポキシル化ポリアルキレンイミン(例えば、PEI)ポリマーは、エトキシル化されてもよい。プロポキシル化ポリアルキレンイミン(例えば、PEI)ポリマーは、内側ポリエチレンオキシドブロックと外側ポリプロピレンオキシドブロックとを有し得、エトキシル化度及びプロポキシル化度は、特定の限界値を上回りも下回りもしない。ポリエチレンブロックのポリプロピレンブロックに対する比(n/p)は、約0.6から、又は約0.8から、又は約1から、最大約10、又は最大約5、又は最大約3であってよい。n/p比は、約2であり得る。プロポキシル化ポリアルキレンイミンは、約200g/モル~約1200g/モル、又は約400g/モル~約800g/モル、又は約600g/モルの重量平均分子量(アルコキシル化前に測定したとき)を有するPEI骨格鎖を有し得る。プロポキシル化ポリアルキレンイミンの分子量は、約8,000~約20,000g/モル、又は約10,000~約15,000g/モル、又は約12,000g/モルであってよい。
【0123】
好適なプロポキシル化ポリアルキレンイミンポリマーは、以下の構造の化合物を含み得る:
【0124】
【化2】
(式中、EOは、エトキシレート基であり、POは、プロポキシレート基である)。上に示す化合物は、EO:POのモル比が10:5(例えば、2:1)であるPEIである。他の同様の好適な化合物は、約10:5又は約24:16のモル比で存在するEO及びPO基を含んでいてよい。
【0125】
汚れ除去ポリマー
好適な汚れ放出ポリマーは、以下の構造(I)、(II)、又は(III)のうちの1つによって定義される構造を有する:
(I) -[(OCHR-CHR-O-OC-Ar-CO-]
(II) -[(OCHR-CHR-O-OC-sAr-CO-]
(III) -[(OCHR-CHR-OR
(式中、
a、b及びcは、1~200であり、
d、e及びfは、1~50であり、
Arは、1,4-置換フェニレンであり、
sArは、5位がSOMeで置換されている1,3-置換フェニレンであり、
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ-、ジ-、トリ-、若しくはテトラ-アルキルアンモニウム(アルキル基は、C~C18アルキル又はC~C10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの混合物であり、
、R、R、R、R、及びRは、独立して、H又はC~C18n-若しくはイソ-アルキルから選択され、
は、直鎖若しくは分岐C~C18アルキル、又は直鎖若しくは分岐C~C30アルケニル、又は5~9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC~C30アリール基、又はC~C30アリールアルキル基である。
【0126】
好適な汚れ遊離ポリマーは、Rhodiaによって供給されているRepel-o-tex SF、SF-2及びSRP6を含むRepel-o-texポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマーである。他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、Clariantによって供給されているTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325を含むTexcareポリマーが挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Marloquestポリマー(例えば、Sasolにより供給されているMarloquest SLなど)である。
【0127】
セルロース系ポリマー
好適なセルロース系ポリマーとしては、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるものが挙げられる。セルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。一態様では、カルボキシメチルセルロースは、0.5~0.9のカルボキシメチル置換度及び100,000Da~300,000Daの分子量を有する。
【0128】
アミン
アミンの非限定的な例としては、ポリエーテルアミン、ポリアミン、オリゴアミン、トリアミン、ジアミン、ペンタミン、テトラアミン、又はこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。好適な追加のアミンの具体的な例としては、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0129】
漂白剤
漂白触媒以外の好適な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、及びこれらの混合物が挙げられる。概して、漂白剤を用いる場合、本発明の洗剤組成物は、洗剤組成物の約0.1重量%~約50重量%、又は更には約0.1重量%~約25重量%の漂白剤を含み得る。
【0130】
漂白触媒
好適な漂白触媒としては、イミニウムカチオン及びポリイオン、イミニウム双性イオン、変性アミン、変性アミンオキシド、N-スルホニルイミン、N-ホスホニルイミン、N-アシルイミン、チアジアゾールジオキシド、ペルフルオロイミン、環状糖ケトン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
光沢剤
本開示に好適な市販の蛍光増白剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、ベンゾキサゾール、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン-5,5-ジオキシド、アゾール、5及び6員環の複素環、並びに他の様々な物質の誘導体を含むがこれらに限定されない、サブグループに分類することができる。
【0132】
蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(増白剤15、BASFによって商標名Tinopal AMS-GXとして市販されている)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ビス-ヒドロキシエチル)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(BASFによって商標名Tinopal UNPA-GXとして市販されている)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ヒドロキシエチル-N-メチルアミノ)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(BASFによって商標名Tinopal 5 BM-GXとして市販されている)からなる群から選択され得る。より好ましくは、蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウムである。
【0133】
増白剤は、粒子状の形態で、又は好適な溶媒、例えば非イオン性界面活性剤、プロパンジオールとのプレミックスとして添加されてもよい。
【0134】
布地色調剤
布地調色剤(場合により補色剤、青味剤、又はホワイトニング剤とも称される)は、典型的には、青色又は紫色の色合いを布地に与える。色相剤は、単独又は組み合わせのいずれかで使用され、特定の色相の色合いを作り出し、かつ/又は異なる種類の布地に色合いを付けることができる。これは、例えば赤と緑-青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることによりもたらされ得る。色相剤は、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、前金属化した(premetallized)アゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物を含むが、これらに限定されない任意の既知の染料の化学分類から選択され得る。
【0135】
好適な布地色相剤としては、染料、染料-粘土共役体、並びに有機及び無機顔料が挙げられる。また、好適な染料としては、小分子染料及びポリマー染料も挙げられる。好適な小分子染料としては、例えば、青色、紫色、赤色、緑色、又は黒色に分類され、単独で又は組み合わせのいずれかで所望の色合いをもたらす、直接染料、塩基性染料、反応染料若しくは加水分解した反応性染料、溶媒染料、又は分散染料のカラーインデックス(C.I.)分類に分類される染料からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。好適なポリマー染料としては、共有結合している(結合していると称されることもある)色原体(染料-ポリマー結合体)を含有するポリマー、例えば、ポリマーの主鎖に共重合した色原体を有するポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。好適なポリマー染料としてはまた、Liquitint(登録商標)(Milliken、Spartanburg,South Carolina,USA)の名称で販売されている布地直接着色剤、少なくとも1種の反応染料と、ヒドロキシル部分、一級アミン部分、二級アミン部分、チオール部分、及びこれらの混合部分からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーと、から形成される染料-ポリマー結合体からなる群から選択されるポリマー染料も挙げられる。また、好適なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)バイオレットCT、Megazyme(Wicklow,Ireland)により商品名AZO-CM-CELLULOSE、商品コードS-ACMCとして販売されているC.I.リアクティブブルー19と結合体化されているCMCなどのリアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッドの染料に共有結合しているカルボキシメチルセルロース(CMC)、アルコキシル化トリフェニル-メタンポリマー着色剤、アルコキシル化チオフェンポリマー着色剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料も挙げられる。
【0136】
前述の布地色相剤は、組み合わせて使用されてもよい(布地色相剤の任意の混合物が使用されてもよい)。
【0137】
カプセル化剤
封入体は、コアと、内面及び外面を有するシェルとを含んでいてよく、当該シェルが当該コアを封入する。コアは、あらゆる洗濯ケア助剤を含むことができるが、典型的には、コアは、香料;増白剤;色調染料;防虫剤;シリコーン;ワックス;着香剤;ビタミン;布地柔軟化剤;スキンケア剤、一態様では、パラフィン;酵素;抗菌剤;漂白剤;感覚剤;及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでもよく、当該シェルは、ポリエチレン;ポリアミド、任意に他のコ-モノマーを含有するポリビニルアルコール;ポリスチレン;ポリイソプレン;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリアクリレート;アミノプラスト(一態様では、当該アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン、及び/又はポリ尿素ウレタンを含んでもよく、一態様では、当該ポリ尿素は、ポリオキシメチレン尿素及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含んでもよい);ポリオレフィン;多糖類、(一態様では、当該多糖類は、アルギン酸塩及び/又はキトサンを含んでもよい);ゼラチン;シェラック;エポキシ樹脂;ビニルポリマー;水不溶性無機材料;シリコーン;並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み得る。
【0138】
好ましい封入剤は、香料を含む。好ましい封入剤は、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含んでいてもよいシェルを含む。他の好ましいカプセルは、ポリアクリレート系シェルを含む。好ましい封入剤は、コア材とシェルとを含み、当該シェルは、当該コア材を少なくとも部分的に取り囲むことが開示されている。当該封入剤の少なくとも75%、85%、又は更には90%は、0.2MPa~10MPaの破壊強度、及び封入された有益剤の初期総量に対して0%~20%、又は更には10%若しくは5%未満の有益剤漏出率を有し得る。当該封入剤の少なくとも75%、85%、若しくは更には90%が、(i)1マイクロメートル~80マイクロメートル、5マイクロメートル~60マイクロメートル、10マイクロメートル~50マイクロメートル、若しくは更には15マイクロメートル~40マイクロメートルの粒径を有し得、及び/又は(ii)当該封入剤の少なくとも75%、85%、若しくは更には90%が、30nm~250nm、80nm~180nm、又は更には100nm~160nmの粒子壁厚を有し得るものが好ましい。ホルムアルデヒドスカベンジャーは、封入剤と共に、例えばカプセルスラリー中で用いてもよく、及び/又は封入剤を組成物に添加する前、添加している間、若しくは添加した後に組成物に添加してもよい。
【0139】
好適なカプセルは、既知のプロセスを使用して作製することができる。あるいは、好適なカプセルは、Encapsys LLC(Appleton,Wisconsin USA)から購入することができる。好ましい態様では、組成物は、好ましくは封入剤に加えて、付着助剤を含んでもよい。好ましい付着助剤は、カチオン性及び非イオン性ポリマーからなる群から選択される。好適なポリマーとしては、カチオンデンプン、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルホルムアルデヒド、ローカストビーンガム、マンナン、キシログルカン、タマリンドガム、ポリエチレンテレフタレート、並びに任意にアクリル酸及びアクリルアミドを含む群から選択される1つ以上のモノマーと共にジメチルアミノエチルメタクリレートを含有するポリマーが挙げられる。
【0140】
香料
香料及び香料成分の非限定的な例としては、アルデヒド、ケトン、エステルなどが挙げられるが、これらに限定されない。他の例としては、様々な天然抽出物及び天然エキスが挙げられ、これらは、オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ムスク、パチョリ、バルサムエキス、ビャクダン油、パイン油、シーダーなどの成分の複雑な混合物を含むことができる。最終的な香料は、そのような成分の非常に複雑な混合物を含むことができる。仕上げた香料は、洗剤組成物の約0.01重量%~約2重量%の範囲の濃度で含まれ得る。
【0141】
移染防止剤
移染防止剤は、洗浄プロセス中のある布地から別の布地への染料の移動を阻害するのに有効である。概して、このような移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドン及びN-ビニルイミダゾールのコポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物を挙げることができる。使用する場合、これらの剤は、組成物の約0.0001重量%~約10重量%、いくつかの例では、組成物の約0.01重量%~約5重量%、他の例では、組成物の約0.05重量%~約2重量%の濃度で使用されてもよい。
【0142】
キレート剤
好適なキレート剤としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。このようなキレート剤は、ホスホネート、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、スクシネート、多官能的に置換された芳香族キレート剤、2-ピリジノール-Nーオキシド化合物、ヒドロキサム酸、カルボキシメチルイヌリン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。キレート剤は、酸の形態、又は、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びその置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物を含む、塩の形態で存在することができる。本明細書で使用するのに好適な他のキレート剤は、市販のDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto、Akzo-Nobel、DuPont、Dowからのキレート剤、BASF及びNalcoからのTrilon(登録商標)シリーズ、BASF、DOW、及びNippon Shokubaiから入手可能なマレイン酸及びアクリル酸のコポリマーである。
【0143】
抑泡剤
泡の形成を低減又は抑制するための化合物を、水溶性単位用量物品に組み込んでもよい。泡の抑制は、いわゆる「高濃度洗浄プロセス」において、また前側投入方式の洗濯機において、特に重要である場合がある。抑泡剤の例としては、モノカルボン脂肪酸及びその中の可溶性塩、パラフィンなどの高分子量炭化水素、脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18~C40ケトン(例えば、ステアロン)、N-アルキル化アミノトリアジン、好ましくは融点が約100℃未満であるワックス状炭化水素、シリコーン抑泡剤、並びに二級アルコールが挙げられる。
【0144】
更なる好適な消泡剤は、フェニルプロピルメチル置換ポリシロキサンに由来するものである。
【0145】
洗剤組成物は、シリコーン樹脂及び変性シリカである一次充填剤と組み合わせたアリール又はアルキルアリール置換基を有する有機変性シリコーンポリマーから選択される抑泡剤を含んでもよい。洗剤組成物は、組成物の約0.001重量%~約4.0重量%のこのような抑泡剤を含んでいてよい。
【0146】
洗剤組成物は、a)約80~約92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、ステアリン酸オクチル中約5~約14%のMQ樹脂、及び約3~約7%の変性シリカの混合物、b)約78~約92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、ステアリン酸オクチル中約3~約10%のMQ樹脂、約4~約12%の変性シリカの混合物;又はc)これらの混合物、から選択される抑泡剤を含んでよく、百分率は、消泡剤の重量によるものである。
【0147】
増泡剤
高起泡性が望ましい場合、C10~C16アルカノールアミドなどの増泡剤を使用してよい。いくつかの例としては、C10~C14モノエタノール及びジエタノールアミドが挙げられる。必要に応じて、MgCl、MgSO、CaCl、CaSOなどの水溶性マグネシウム及び/又はカルシウム塩を、洗剤組成物の約0.1重量%~約2重量%の濃度で添加して、追加の泡をもたらし、脂除去性能を増強することもできる。
【0148】
コンディショニング剤
好適なコンディショニング剤としては、高融点脂肪族化合物が挙げられる。本明細書において有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好適なコンディショニング剤としては、非イオン性ポリマー及びコンディショニングオイル、例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステルも挙げられる。
【0149】
好適なコンディショニング剤としては、概ねシリコーン(例えば、シリコーンオイル、ポリオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折率のシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)、若しくはこれらの組み合わせを特徴とするコンディショニング剤、又は他の方法で本明細書の水性界面活性剤マトリックス中に液体の分散粒子を形成するコンディショニング剤が挙げられる。
【0150】
布地強化ポリマー
好適な布地強化ポリマーは、典型的には、カチオン性に帯電され、かつ/又は高分子量を有する。布地強化ポリマーは、ホモポリマーであってもよく、又は2つ以上の種類のモノマーから形成されてもよい。ポリマーのモノマー重量は、概して、5,000~10,000,000、典型的には少なくとも10,000、好ましくは100,000~2,000,000の範囲である。好ましい布地強化ポリマーは、組成物の意図される用途のpH(このpHは、概して、pH3~pH9、好ましくはpH4~pH8の範囲)において、少なくとも約0.2meq/gm、好ましくは少なくとも0.25meq/gm、より好ましくは少なくとも0.3meq/gmであり、ただしまた、好ましくは5meq/gm未満、より好ましくは3meq/gm未満、最も好ましくは2meq/gm未満でもある、カチオン電荷密度を有する。布地強化ポリマーは、天然に由来するものであっても又は合成に由来するものであってもよい。
【0151】
真珠光沢剤
真珠光沢剤の非限定的な例としては、以下が挙げられる:雲母、二酸化チタンコーティングした雲母、オキシ塩化ビスマス、魚のうろこ、アルキレングリコールのモノエステル及びジエステル。真珠光沢剤は、エチレングリコールジステアレート(EGDS)であってもよい。
【0152】
衛生及び悪臭
好適な衛生及び悪臭活性剤としては、リシノール酸亜鉛、チモール、Bardac(登録商標)などの四級アンモニウム塩、ポリエチレンイミン(BASF製のLupasol(登録商標)など)及びその亜鉛錯体、銀及び銀化合物、特に、Ag又はナノ銀分散体をゆっくり放出するように設計されたものが挙げられる。
【0153】
緩衝系
本明細書に記載の水溶性単位用量物品は、水性クリーニング操作において使用している間、洗浄水が約7.0~約12、いくつかの例では約7.0~約11のpHを有するように配合され得る。推奨される使用濃度でpHを制御する技法としては、緩衝剤、アルカリ、又は酸の使用が挙げられ、これらは当業者には公知である。これらの技術としては、炭酸ナトリウム、クエン酸若しくはクエン酸ナトリウム、乳酸若しくは乳酸塩、モノエタノールアミン若しくは他のアミン、ホウ酸若しくはホウ酸塩、及び当該技術分野において既知の他のpH調整化合物の使用が挙げられるが、これらに限定されない。
【0154】
本明細書の洗剤組成物は、動的な洗浄中pHプロファイルを含んでもよい。このような洗剤組成物では、(i)水と接触した約3分後に洗浄液のpHが10を超え、(ii)水と接触した約10分後に洗浄液のpHが9.5未満になり、(iii)水と接触した約20分後に洗浄液のpHが9.0未満になり、そして(iv)所望により、洗浄液の平衡pHが約7.0~約8.5の範囲になるように、ワックスで覆われたクエン酸粒子を他のpH制御剤と共に使用してもよい。
【0155】
作製方法
図1に例示されるように、フィラメント形成組成物35の溶液が提供される。フィラメント形成組成物は、1つ以上のフィラメント形成材料と、所望により1つ以上の活性剤とを含んでいてよい。フィラメント形成組成物35は、複数の紡糸口金45を含む1つ以上のダイブロックアセンブリ40を通過して、1つ以上のフィラメント形成材料と所望により1つ以上の活性剤とを含む複数の繊維要素30を形成する。複数のダイブロックアセンブリ40を用いて、繊維要素30の異なる層を紡糸することができ、異なる層の繊維要素30は互いに異なる組成を有するか、又は互いに同じである。所与のプライにおいて3つ、4つ、又は任意の他の整数の層を形成するために、直列に配置された2つ以上のダイブロックアセンブリを提供することができる。機械方向MDに移動しているベルト50上に繊維要素30を堆積させて、第1のプライ10を形成することができる。
【0156】
ダイブロックアセンブリ40とベルト50との間の繊維要素30の流れに粒子を導入することができる。粒子受け部からベルトフィーダー41又は任意にスクリューフィーダーに、粒子を供給することができる。所望の粒子塊をプロセスに送達するように、ベルトフィーダー41を設定及び制御することができる。ベルトフィーダーは、空気流中の粒子を繊維要素30内に懸濁させ、方向付けるエアナイフ42を供給して、その後ベルト50上に堆積する繊維要素30及び粒子が混合在された粒子-繊維層を形成することができる。
【0157】
水溶性製品を形成するために、第1のプライ10を提供することができる。第2のプライ15は、第1のプライ10とは別個に提供され得る。第1のプライ10及び第2のプライ15は、互いに重ね合わせられる。重ね合わせられるとは、重ね合わせられたプライの間に追加のプライ又は他の材料、例えば活性剤が配置されていてもよいという条件で、一方が他方の上又は下に配置されることを意味する。第1プライ10の一部を第2のプライ15の一部に接合させて、水溶性製品5を形成することができる。各プライは1つ以上の層を含んでいてよい。
【0158】
粒子-繊維層
粒子-繊維層は、いくつかの方法で配置され得る。粒子のクラスターは、層内に分布したポケット内に分布し得、このようなポケットは、繊維要素の層の間に形成され得、粒子の各クラスター内の接触ネットワーク及び多孔性は、従来の粒子パッキングの物理学によって支配されるが、クラスターは層内で実質的に拡張される。粒子は、繊維構造体全体にわたって比較的均質に分布してよく、局所的な粒子クラスターを実質的に含まず、パッキングは、個々の粒子のスケールで実質的に拡張され、粒子間接触がより少なく、粒子間孔が大きくなる。理論に束縛されるものではないが、繊維要素及び粒子を含む層を含む水溶性単位用量物品は、AESなどの粘着性界面活性剤が、拡張構造を有する粒子に隔離された場合、水の拡張構造への迅速な吸水及び粘着性界面活性剤を有する粒子間の接触の減少の両方によって単位用量物品の分散及び溶解を改善すると考えられる。
【0159】
パウチ。単一の単位用量は、パウチの形態であってもよい。組成物は、単位用量の形態、錠剤の形態、又は好ましくは水溶性フィルム(パウチ又はポッドとして知られているもの)内に保持されている液体/固体(任意に顆粒)/ゲル/ペーストの形態のいずれかで提供され得る。組成物は、単一区画パウチ又は多区画パウチに封入することができる。多区画パウチは、欧州特許出願公開第2133410(A)号により詳細に記載されている。シェーディング若しくは非シェーディングの染料若しくは顔料、又はその他の美容剤も、1つ以上の区画で用いてよい。
【0160】
パウチを形成するための好適なフィルムは、水に可溶性であるか、又は分散性であり、20マイクロメートルの最大孔径を有するガラスフィルタを用いた後に本明細書で示される方法によって測定する場合に、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更に少なくとも95%の水溶性/分散性を有する:
予め秤量した400mlビーカーに、50グラム±0.1グラムのパウチ材料を入れ、245mL±1mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した磁気撹拌器で30分間激しく撹拌する。次に、混合物を、上記で定義した孔径(最大20マイクロメートル)のひだ付き定性焼成ガラスフィルタにより濾過する。任意の従来の方法によって、回収した濾液から水を乾燥させ、残った材料の重量を決定する(これが溶解画分又は分散画分である)。次に、溶解度又は分散率の百分率を計算し得る。好ましいフィルム材料は、ポリマー材料である。フィルム材料は、例えば、当該技術分野において公知であるとおり、ポリマー材料を注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形することによって得ることができる。パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラガムなどの天然ガムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量、好ましくは、約1000~1,000,000、より好ましくは、約10,000~300,000、更により好ましくは、約20,000~150,000を有してもよい。また、ポリマーの混合物をパウチ材料として使用してもよい。これは、その用途及び必要とされる要求に応じて、区画又はパウチの機械的特性及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物としては、例えば、1つのポリマーの水溶性が別のポリマーよりも高い、及び/又は1つのポリマーの機械的強度が別のポリマーよりも高い、混合物が挙げられる。また、異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、約10,000~40,000、好ましくは20,000前後の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーと、約100,000~300,000、好ましくは150,000前後の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーとの混合物も、好適である。また、例えば、ポリラクチド及びポリビニルアルコールを混合することによって得られ、典型的には約1~35重量%のポリラクチドと、約65~99重量%のポリビニルアルコールとを含む、ポリラクチドとポリビニルアルコールとのポリマーブレンドなどの、加水分解により分解可能な水溶性のポリマーブレンドを含むポリマーブレンド組成物も、本明細書において好適である。本明細書において使用するのに好ましいものは、約60%~約98%加水分解され、好ましくは約80%~約90%加水分解され、材料の溶解特性が改善されたポリマーである。
【0161】
当然のことながら、異なるフィルム材料及び/又は異なる厚さのフィルムを、本発明の区画の作製に用いてよい。異なるフィルムを選択する利点は、得られる区画が、異なる溶解性又は放出特性を示し得ることである。
【0162】
最も好ましいフィルム材料は、MonoSol照会番号M8630、M8900、H8779(出願人らの同時係属出願照会番号44528及び11599に記載)として公知のPVAフィルム、米国特許第6,166,117号及び同第6,787,512号に記載のPVAフィルム、並びに相当する溶解度及び変形特性を有するPVAフィルムである。
【0163】
また、本明細書のフィルム材料は、1つ以上の添加剤含有成分を含んでもよい。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール及びこれらの混合物を添加することは有益であり得る。他の添加剤としては、洗浄水に送達される機能性洗剤添加剤、例えば、有機ポリマー分散剤などが挙げられる。
【0164】
苦味剤は、パウチ内部の組成物に組み込むことによって、及び/又はフィルム上にコーティングすることによって、パウチ又はポッドに組み込まれてもよい。
【0165】
洗濯方法
本発明はまた、本発明による物品を使用する洗濯方法であって、本発明による少なくとも1つの物品を、洗浄される洗濯物と一緒に洗濯機に入れる工程と、洗浄又はクリーニング操作を行う工程とを含む、洗濯方法を包含する。具体的には、方法は、皮脂が付着した布地を得る工程と、洗浄工程で布地を処理する工程と、を含むことができ、洗浄工程は、布地を洗浄液と接触させることを含む。この洗浄液は、水溶性単位用量及び洗剤を水中で300~800倍、好ましくは400~700倍に希釈することによって調製され、この洗浄液は、pH8以上からなる。
【0166】
任意の好適な洗濯機が使用され得る。例としては、自動洗濯機、手動洗浄操作、又はこれらの混合、好ましくは自動洗濯機が挙げられる。
【0167】
当業者は、関連の洗浄操作に好適な機械を認識するであろう。本発明の物品は、布地添加剤、布地柔軟剤、すすぎ助剤などの他の組成物と共に使用され得る。
【0168】
洗浄温度は、5℃~90℃であってよく、例えば30℃以下であってよい。洗浄プロセスは、5~50分の持続時間を有する少なくとも1回の洗浄サイクルを含み得る。自動洗濯機は回転ドラムを含み得、少なくとも1回の洗浄サイクル中、ドラムは、15~40rpm、好ましくは20~35rpmの回転速度を有する。
【0169】
布地は、綿、ポリエステル、綿/ポリエステル混紡、又はこれらの混合物であってよく、好ましくは綿であり得る。
【0170】
水溶性繊維構造体と、構造体全体に分散された1つ以上のレオロジー改質粒子とを含む水溶性単位用量物品は、例えば、バター、牛肉、草、茶、スパゲッティ、皮脂、ワイン、及び布地に付与され得る任意の他の種類の染みなどの1つ以上の種類の染みを除去し得る。
【0171】
作製方法
繊維性水溶性単位用量を作製する方法を、ここで、その特定の実施形態を参照して詳細に説明する。実施形態は、本発明の説明のために提供されるものであり、本発明を限定することを意味するものではない。例えば、一実施形態の一部として説明又は例示される特長は、別の実施形態に使用されて、更なる実施形態を生み出してもよい。本発明は、本発明の範囲及び精神内に入るこれら及び他の修正及び変形を含むことが意図される。
【0172】
本方法は、繊維性材料のウェブから繊維性水溶性単位用量構造体を製造するのに特に適しており、繊維性水溶性単位用量は、例えば、パーソナルクレンジング、食器類、及び洗濯などの様々な洗浄作業における使用を意図している。本発明は、繊維性ウェブ材料のいかなる特定のタイプ又は組成にも限定されず、上述のものに加えて、当業者に既知の任意の好適な繊維性ウェブ材料を用いて実施されてもよい。繊維性ウェブ材料は、繊維性ウェブ内で組み合わされる繊維及び粒子の任意の構造及び組み合わせを含んでもよい。繊維構造体及び粒子組成物は、本文書の先のセクションに詳述されている。
【0173】
繊維性水溶性単位用量材料は、様々な従来の方法及び技術を用いることによってウェブ構造に形成されてもよい。例えば、吸収性ウェブは、乾式形成技術、エアレイイング技術、湿式形成技術、発泡体形成技術など、並びにこれらの組み合わせで形成されてもよい。このような技術を実行するための方法及び装置は、当該技術分野において周知である。
【0174】
本方法の態様は、繊維性ウェブ材料又は繊維要素の供給を送達することを含む。図1に示すように、第1の紡糸ビームを使用して繊維要素の第1の層を紡糸し、形成ベルト上に回収する。次いで、繊維の第1の層を有する形成ベルトを、粒子添加システムで改造された第2の紡糸ビームの下を通過させる。粒子添加システムは、第2の紡糸ビームから繊維要素の直下にある形成ベルト上のランディングゾーンに向かって粒子を実質的に注入することができる。好適な粒子添加システムは、振動、ベルト又はスクリューフィーダーなどの粒子フィーダー、及びエアナイフ又は他の流動化搬送システムなどの射出システムから組み立てられ得る。横断方向における粒子の一貫した分布を支援するために、好ましくは、粒子が複合構造体の全幅にわたって送達されることを確実にするために、粒子を紡糸ダイとほぼ同じ幅にわたって供給する。好ましくは、粒子フィーダーは、粒子供給材料の破壊を最小限に抑えるために、出口を除いて完全に取り囲まれる。第2の紡糸ビーム下の形成ベルト上において粒子及び繊維要素が共衝突することによって、粒子パッキングが拡張され、繊維が粒子間孔に実質的に浸透する複合構造体が作り出される。
【0175】
図1に例示されるように、フィラメント形成組成物35の溶液が提供される。フィラメント形成組成物は、1つ以上のフィラメント形成材料と、所望により1つ以上の活性剤とを含んでいてよい。フィラメント形成組成物35は、複数の紡糸口金45を含む1つ以上のダイブロックアセンブリ40を通過して、1つ以上のフィラメント形成材料と所望により1つ以上の活性剤とを含む複数の繊維要素30を形成する。複数のダイブロックアセンブリ40を用いて、繊維要素30の異なる層を紡糸することができ、異なる層の繊維要素30は互いに異なる組成を有するか、又は互いに同じである。所与のプライにおいて3つ、4つ、又は任意の他の整数の層を形成するために、直列に配置された2つ以上のダイブロックアセンブリを提供することができる。機械方向MDに移動しているベルト50上に繊維要素30を堆積させて、第1のプライ10を形成することができる。
【0176】
ダイブロックアセンブリ40とベルト50との間の繊維要素30の流れに粒子を導入することができる。粒子受け部からベルトフィーダー41又は任意にスクリューフィーダーに、粒子を供給することができる。所望の粒子塊をプロセスに送達するように、ベルトフィーダー41を設定及び制御することができる。ベルトフィーダーは、空気流中の粒子を繊維要素30内に懸濁させ、方向付けるエアナイフ42を供給して、その後ベルト50上に堆積する繊維要素30及び粒子が混合在された粒子-繊維層を形成することができる。
【0177】
水溶性製品を形成するために、第1のプライ10を提供することができる。第2のプライ15は、第1のプライ10とは別個に提供され得る。第1のプライ10及び第2のプライ15は、互いに重ね合わせられる。重ね合わせられるとは、重ね合わせられたプライの間に追加のプライ又は他の材料、例えば活性剤が配置されていてもよいという条件で、一方が他方の上又は下に配置されることを意味する。第1プライ10の一部を第2のプライ15の一部に接合させて、水溶性製品5を形成することができる。各プライは1つ以上の層を含んでいてよい。
【0178】
繊維要素を作製するために、好ましくは約45%~60%の固形分含有量を有する水溶液を、図1に示すように1つ以上の紡糸ビームを通して加工する。
【0179】
好適な紡糸ビームは、細長化空気流を有するキャピラリーダイと、形成ベルト上で衝突する前に細長化した繊維を実質的に乾燥させるのに好適な乾燥空気流とを含む。
【0180】
図2を参照すると、繊維性ウェブ材料16は、リボン又は帯24の形態で供給される。上述したように、繊維性ウェブ材料16は、ロールから供給されてもよく、又はインライン製造作業から直接供給されてもよい。繊維性ウェブ材料24の帯は、機械方向18に搬送され、帯24の対向する平行な側面によって画定される機械方向側面20を有する。ウェブ材料24の帯はまた、帯24の「幅」とみなすことができる横方向寸法22を有する。図2は、ウェブ材料24の単一の帯を示すが、吸収性ウェブ材料は、複数の隣接する帯24の形態で供給されてもよいことを理解されるべきである。繊維性水溶性単位用量30が本発明による帯に画定された後、複数の繊維性水溶性単位用量は、その後の個々の包装のために分離することができる。
【0181】
更に図2を参照すると、繊維性ウェブ材料の帯24は、横方向22に切断されて、繊維性水溶性単位用量30の繰返し入れ子パターンを形成する。繊維性水溶性単位用量30は、帯24の長手方向軸22及びの機械方向18に対する角度に沿って位置する各繊維性水溶性単位用量30の中心線軸32に沿って対称であるように配向される。繊維性水溶性単位用量は、機械方向18に沿って帯の長手方向縁部に平行な長手方向中心線34を有する。繊維性水溶性単位用量は、繊維性水溶性単位用量の長手方向中心線34に沿って非対称である。繊維性水溶性単位用量はまた、繊維性水溶性単位用量の横断方向中心線に沿って非対称であってもよく、横断方向軸は、材料の帯の横断方向軸に平行である。繊維性水溶性単位用量30は、各繊維性水溶性単位用量30の個々の中心線軸32など、繊維性水溶性単位用量が切断される帯の長手方向軸又は横断方向軸のいずれにも平行でない軸に沿って対称であってもよい。繊維性水溶性単位用量は、上部隆起36及び下部隆起38を含む。上部隆起36及び下部隆起38は、複数の目的のうちの1つ以上を果たす。製造プロセス中、上部隆起36及び下部隆起38は、入れ子式モザイクパターンを形成するように機能する。上部隆起36、下部隆起38、又はその両方は、水溶性単位用量の形状と一体であってもよく、1つ以上のミシン目42によって輪郭が描かれる。
【0182】
図2を参照すると、個々の繊維性水溶性単位用量30を画定するために、横方向切断で繊維性ウェブ材料の帯24を切断するプロセスが示されており、これは、繊維性水溶性単位用量30の入れ子形状に対応するパターンで画定された刃を有する、従来の概略的に示された回転ナイフ又はロールによって実施され得る。これに関して、将来開発される方法及び装置を含む任意の適切なカッター機構を利用することができることを理解されるべきである。従来のカッター機構及び装置は、当該技術分野において周知であり、回転ナイフ、ダイカッター、ウォーターカッター、レーザーカッターなど、並びにこれらの組み合わせを含むことができる。本発明による方法は、いかなる特定の切断方法又は装置によっても限定されない。
【0183】
再び図2を参照すると、隣接する入れ子式繊維性水溶性単位用量30は、入れ子式繊維性水溶性単位用量30間の吸収性材料の無駄が最小限になるように、共通の画定切断線44を共有することが分かり得る。図2の実施形態では、材料の無駄が最小限であるか又は全くない。従来の入れ子パターンでは、典型的には、隣接する単位用量の間に約5%~約35%の材料の無駄がある。本発明は、無駄が最小限、望ましくは約20%未満、より望ましくは無駄が0である入れ子構成を包含する。ウェブ材料を無駄にすることなく長手方向に非対称な繊維性水溶性単位用量を大量生産する能力は、重要な特徴である。
【0184】
本発明による横方向入れ子式繊維性水溶性単位用量30、特に本明細書に記載されるような長手方向非対称繊維性水溶性単位用量を画定するために、膨大な数の形状及び構成が可能であることが理解されるべきである。繊維性水溶性単位用量30は、一般に、同一形状を有し、繊維性材料の帯の長手方向軸34に対して非対称である。繊維性水溶性単位用量のモザイク形状が交互になり、交互の繊維性水溶性単位用量は、共通の画定する切れ目又はコードを共有するので、隣接する繊維性水溶性単位用量間で繊維性材料の無駄が実質的に存在しない。本発明の範囲内の繊維性水溶性単位用量構成の特定の実施形態を図2~7に示す。しかしながら、そのような実施形態は説明目的のためだけのものであり、本発明はいかなる特定の構成にも限定されないことを理解されるべきである。
【0185】
図3~7は、入れ子式繊維性水溶性単位用量30の代替パターンを表す。図3に示すように、単位用量は、共通の画定切断線44を共有する。
【0186】
本発明は、本明細書に記載の本発明の説明を読んだ後、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく当業者に示唆することができる、本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な他の実施形態、修正形態、及び均等物を包含することを理解されるべきである。
【0187】
図8に示されるように、非モザイク式設計の使用は、単位用量30間の無駄及び空間46の著しい増加をもたらす。これは、単位用量に隣接する各角に見られる単一単位用量間の間隙によって証明される。
【0188】
図9図15は、新しい設計を具体化する蓋を有する容器の実施形態を示す。
【0189】
図9は、新しい設計を具現化する蓋を有する容器の斜視図を示す。
【0190】
図10は、新しい設計を具現化する蓋を有する容器の正面図を示す。
【0191】
図11は、新しい設計を具現化する蓋を有する容器の側面図を示す。
【0192】
図12は、新しい設計を具現化する蓋を有する容器の側面図を示す。
【0193】
図13は、新しい設計を具現化する蓋を有する容器の背面図を示す。
【0194】
図14は、新しい設計を具現化する蓋を有する容器の上面図を示す。
【0195】
図15は、新しい設計を具現化する蓋を有する容器の底面図を示す。
【0196】
図16は、蓋が開いた状態の図9図15の容器を示す。
【0197】
図17は、図2に示される繊維性水溶性単位用量で充填された図16の容器を示す。
【0198】
繊維性水溶性単位用量は、図9~17の容器に収容されてもよい。驚くべきことに、上部隆起及び下部隆起を示す長手方向中心線に沿って非対称な形状を有することによって、繊維性水溶性単位用量は、パッケージ内で移動しにくくなることが見出された。別の言い方をすれば、上部隆起及び下部隆起は、パッケージトレイの両側に同時に圧力をかけることによって繊維性水溶性単位用量をロックするのに役立つ。更に、それらの構造に起因して、上部隆起及び下部隆起は、繊維単位用量全体の形状に影響を与えることなく、衝撃からの潜在的なショックの圧縮及び吸収を可能にする。更に、上部隆起及び下部隆起の使用は、繊維性水溶性単位用量の底部角部とトレイの底部との間の間隙の生成を可能にし得る。この間隙は、包装が濡れた場合に、繊維性水溶性単位用量を保護し得る。
【0199】
上部隆起又は下部隆起の各々は、取り外しを容易にするためにミシン目が付けられ得る。あるいは、上部隆起及び下部隆起は、使用者によって繊維性水溶性単位用量から切断されてもよい。隆起は、布地上のスポットを前処理するために使用されてもよい。上部隆起及び下部隆起は、前処理の間に付着され得るか、又は前処理の目的のために繊維性水溶性単位用量から分離され得る。加えて、上部隆起は、ユーザにピンチポイントを提供することによって、パッケージからの取り外しを容易にする。
【0200】
A.繊維性水溶性単位用量を作製するための方法であって、
a.繊維性ウェブ材料を送達する工程であって、繊維性ウェブ材料は、繊維性ウェブ材料の連続する帯の形態で送達される、工程と、
b.吸収性ウェブ材料を横方向に切断して、横方向及び概して同一形状の繊維性水溶性単位用量の繰返し入れ子パターンを形成する工程と、を含み、
繊維性水溶性単位用量は入れ子になっており、横方向及び概して同一形状の繊維性水溶性単位用量の繰返しパターンを形成する、繊維性水溶性単位用量を作製するための方法。
B.繊維性水溶性単位用量が、繊維性ウェブ材料の帯の長手方向縁部に対して平行な各繊維性水溶性単位用量の中心線に沿って対称ではない、パラグラフAに記載の方法。
C.繊維性水溶性単位用量が、それらが切断される繊維性ウェブの帯に沿って長手方向に非対称である、パラグラフA又はBに記載の方法。
D.繊維性ウェブ材料が供給ロールから送達される、パラグラフA~Cのいずれか1つに記載の方法。
E.繊維性水溶性単位用量が、繊維性ウェブの断面に沿って繰返しパターンを形成するように入れ子にされ、一方で繊維性材料の帯の長手方向縁部に対して平行な各繊維性水溶性単位用量の中心線に沿って対称ではない、パラグラフA~Dのいずれか1つに記載の方法。
F.各繊維性水溶性単位用量が、繊維性ウェブ材料の帯の長手方向軸に対する角度に沿って位置する各繊維性水溶性単位用量の中心線軸に沿って対称である、パラグラフA~Eのいずれか1つに記載の方法。
G.隣接する繊維性水溶性単位用量が、共通の画定切断線を共有する、パラグラフA~Fのいずれか1つに記載の方法。
H.繊維性水溶性単位用量が、上部隆起及び下部隆起を含む、パラグラフA~Gのいずれか1つに記載の方法。
I.繊維性水溶性単位用量が、1つ以上の隆起を含む、パラグラフA~Hのいずれか1つに記載の方法。
J.1つ以上の隆起が、水溶性単位用量の形状に不可欠であり、1つ以上のミシン目によって輪郭が描かれる、パラグラフIに記載の方法。
【0201】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0202】
明瞭にする目的のために、総「重量%」値は、100重量%を超えない。
【0203】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0204】
本発明の特定の実施例及び/又は実施形態について図示し説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-09-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維性水溶性単位用量を作製するための方法であって、
a.繊維性ウェブ材料を送達する工程であって、前記繊維性ウェブ材料は、繊維性ウェブ材料の連続する帯の形態で送達される、工程と、
b.前記繊維性ウェブ材料を横方向に切断して、横方向及び同一形状の繊維性水溶性単位用量の繰返しモザイクパターンを形成する工程と、を含み、
前記繊維性水溶性単位用量がモザイク状になっており、横方向及び同一形状の繊維性水溶性単位用量の繰返しパターンを形成し、
前記繊維性水溶性単位用量は、前記繊維性水溶性単位用量が切断される帯の長手方向軸又は横断方向軸のいずれにも平行でない軸に沿って対称である、
繊維性水溶性単位用量を作製するための方法。
【請求項2】
前記繊維性水溶性単位用量が、それらが切断される繊維性ウェブの帯に沿って長手方向に非対称である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記繊維性ウェブ材料が供給ロールから送達される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記繊維性水溶性単位用量が、前記繊維性ウェブの断面に沿って繰返しパターンを形成するようにモザイク状にされ、一方で繊維性材料の帯の長手方向縁部に対して平行な各繊維性水溶性単位用量の中心線に沿って対称ではない、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
各繊維性水溶性単位用量が、繊維性ウェブ材料の帯の長手方向軸に対する角度に沿って位置する各繊維性水溶性単位用量の中心線軸に沿って対称である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
隣接する繊維性水溶性単位用量が、共通の画定切断線を共有する、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記繊維性水溶性単位用量は、一方の長手方向端部に形成された第1の凸部と、反対側の長手方向端部に形成された第2の凸部とを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の凸部及び前記第2の凸部が、互いに前記水溶性単位用量の形状に不可欠である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記繊維性水溶性単位用量が容器内に配置されるとき、前記第1の凸部及び前記第2の凸部が、前記容器の2つの対向する面に同時に接触するように構成されている、請求項7又は8に記載の方法。
【外国語明細書】