(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178309
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ソーラーカーポート及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
E04H 6/02 20060101AFI20241217BHJP
E04D 13/18 20180101ALI20241217BHJP
H02S 20/10 20140101ALN20241217BHJP
【FI】
E04H6/02 G
E04D13/18 ETD
H02S20/10 E
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024163407
(22)【出願日】2024-09-20
(62)【分割の表示】P 2023129476の分割
【原出願日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】P 2022127227
(32)【優先日】2022-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521003313
【氏名又は名称】しろくま電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100213403
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 いぶき
(72)【発明者】
【氏名】谷本 貫造
(72)【発明者】
【氏名】杉村 健吾
(57)【要約】
【課題】従来のソーラーカーポートに比べて強度及び耐久性が向上し、地盤に直接打設された支柱の位置ズレを調整できると共に、支柱の引抜強度が大幅に向上したソーラーカーポート、及び前記ソーラーカーポートを短時間で効率よく製造することができるソーラーカーポートの製造方法の提供。
【解決手段】地盤に打設された支柱と、前記支柱を配し、かつ前記支柱から延設された屋根部と、前記屋根部上に配された複数の太陽光パネルと、前記屋根部の支柱側の端部に取り付けた第1の取付金具と、前記支柱の屋根部側の端部に取り付けた第2の取付金具とを位置調整可能に接合する接合部と、前記支柱に対して互いに異なる複数方向から複数本の補強杭を打設して前記支柱を前記地盤に固定する固定部と、を有するソーラーカーポートである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に打設された支柱と、
前記支柱を配し、かつ前記支柱から延設された屋根部と、
前記屋根部上に配された複数の太陽光パネルと、
前記屋根部の支柱側の端部に取り付けた第1の取付金具と、前記支柱の屋根部側の端部に取り付けた第2の取付金具とを位置調整可能に接合する接合部と、
前記支柱に対して互いに異なる複数方向から複数本の補強杭を打設して前記支柱を前記地盤に固定する固定部と、
を有してなり、
前記固定部が、2個の案内管が設けられた第1の固定金具と、2個の案内管が設けられた第2の固定金具とを有することを特徴とするソーラーカーポート。
【請求項2】
前記屋根部が、複数の縦桟と該縦桟と互いに直交する複数の横桟とからなる架台を有する、請求項1に記載のソーラーカーポート。
【請求項3】
一の前記縦桟に対して2本の前記支柱が連結され、かつ2本の前記支柱の間にブレース構造を有する、請求項2に記載のソーラーカーポート。
【請求項4】
一の前記縦桟に対して1本の前記支柱が連結されている、請求項2に記載のソーラーカーポート。
【請求項5】
前記接合部は、前記第1の取付金具が横幅方向に長く形成した第1の長孔と、
前記第2の取付金具が回転方向に長く形成した第2の長孔と、を有し、
前記第1の長孔と前記第2の長孔とを位置調整した状態で前記第1の取付金具と前記第2の取付金具とを接合し、
締結具により前記第1の長孔と前記第2の長孔とを締結することにより前記支柱と前記屋根部とを連結する、請求項1に記載のソーラーカーポート。
【請求項6】
前記固定部は、前記支柱の略中央位置において、前記支柱に対して互いに異なる4方向から4本の補強杭を打設して前記支柱を前記地盤に固定する、請求項1に記載のソーラーカーポート。
【請求項7】
隣接する太陽光パネル同士の隙間に沿って設けた雨水受けを有する、請求項1に記載のソーラーカーポート。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のソーラーカーポートの製造方法であって、
前記支柱を前記地盤に直接打設する打設工程と、
前記屋根部の支柱側の端部に取り付けた第1の取付金具と、前記支柱の屋根部側の端部に取り付けた第2の取付金具とを位置調整可能に接合する接合工程と、
前記支柱に対して互いに異なる複数方向から複数本の補強杭を打設して前記支柱を前記地盤に固定する固定工程と、
を含むことを特徴とするソーラーカーポートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーカーポート及びソーラーカーポートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーポートは、所定の駐車スペースにおいて自動車を雨又は日光等から保護するための屋根部と、前記屋根部を支えるための支柱とを備えている。
近年、上記のようなカーポートにおいて、屋根部上に複数の太陽光パネルを設置し太陽光発電を行うことができるソーラーカーポートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記提案のソーラーカーポートは、既存のカーポートの屋根部上に複数の太陽光パネルを設置した架台を更に設けているので、屋根部を支える支柱にかかる荷重が大きくなり、ソーラーカーポート全体の強度及び耐久性が低下してしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、従来のソーラーカーポートに比べて強度及び耐久性が向上し、地盤に直接打設された支柱の位置ズレを調整できると共に、支柱の引抜強度が大幅に向上したソーラーカーポート、及び前記ソーラーカーポートを短時間で効率よく製造することができるソーラーカーポートの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 地盤に打設された支柱と、
前記支柱を配し、かつ前記支柱から延設された屋根部と、
前記屋根部上に配された複数の太陽光パネルと、
前記屋根部の支柱側の端部に取り付けた第1の取付金具と、前記支柱の屋根部側の端部に取り付けた第2の取付金具とを位置調整可能に接合する接合部と、
前記支柱に対して互いに異なる複数方向から複数本の補強杭を打設して前記支柱を前記地盤に固定する固定部と、
を有することを特徴とするソーラーカーポートである。
<2> 前記屋根部が、複数の縦桟と該縦桟と互いに直交する複数の横桟とからなる架台を有する、前記<1>に記載のソーラーカーポートである。
<3> 一の前記縦桟に対して2本の前記支柱が連結され、かつ2本の前記支柱の間にブレース構造を有する、前記<2>に記載のソーラーカーポートである。
<4> 一の前記縦桟に対して1本の前記支柱が連結されている、前記<2>に記載のソーラーカーポートである。
<5> 前記接合部は、前記第1の取付金具が横幅方向に長く形成した第1の長孔と、
前記第2の取付金具が回転方向に長く形成した第2の長孔と、を有し、
前記第1の長孔と前記第2の長孔とを位置調整した状態で前記第1の取付金具と前記第2の取付金具とを接合し、
締結具により前記第1の長孔と前記第2の長孔とを締結することにより前記支柱と前記屋根部とを連結する、前記<1>から<4>のいずれかに記載のソーラーカーポートである。
<6> 前記固定部は、前記支柱の略中央位置において、前記支柱に対して互いに異なる4方向から4本の補強杭を打設して前記支柱を前記地盤に固定する、前記<1>から<5>のいずれかに記載のソーラーカーポートである。
<7> 隣接する太陽光パネル同士の隙間に沿って設けた雨水受けを有する、前記<1>から<6>のいずれかに記載のソーラーカーポートである。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載のソーラーカーポートの製造方法であって、
前記支柱を前記地盤に直接打設する打設工程と、
前記屋根部の支柱側の端部に取り付けた第1の取付金具と、前記支柱の屋根部側の端部に取り付けた第2の取付金具とを位置調整可能に接合する接合工程と、
前記支柱に対して互いに異なる複数方向から複数本の補強杭を打設して前記支柱を前記地盤に固定する固定工程と、
を含むことを特徴とするソーラーカーポートの製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、従来のソーラーカーポートに比べて強度及び耐久性が向上し、地盤に直接打設された支柱の位置ズレを調整できると共に、支柱の引抜強度が大幅に向上したソーラーカーポート、及び前記ソーラーカーポートを短時間で効率よく製造することができるソーラーカーポートの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明のソーラーカーポートの一例を示す概略側面図である。
【
図2】
図2は、本発明のソーラーカーポートの一例を示す概略平面図である。
【
図3】
図3は、ソーラーカーポート内に自動車を収容した状態を示す概略側面図である。
【
図4】
図4は、積雪によりソーラーカーポートに荷重が掛かる基本原理を説明する図である。
【
図5】
図5は、本発明のソーラーカーポートの他の一例を示す概略側面図である。
【
図6】
図6は、本発明のソーラーカーポートの他の一例を示す概略正面図である。
【
図7】
図7は、本発明のソーラーカーポートの他の一例を示す概略側面図である。
【
図8】
図8は、ソーラーカーポートにおける屋根部の支柱側の端部に取り付けた第1の取付金具と、支柱の屋根部側の端部に取り付けた第2の取付金具とを位置調整可能に接合する接合部を示す拡大図である。
【
図9A】
図9Aは、第1の取付金具の一例を示す平面図である。
【
図9B】
図9Bは、第1の取付金具の一例を示す側面図である。
【
図9C】
図9Cは、第1の取付金具の一例を示す斜視図である。
【
図9D】
図9Dは、第1の取付金具の別の方向から見た一例を示す側面図である。
【
図10D】
図10Dは、第2の取付金具の別の方向から見た一例を示す側面図である。
【
図11】
図11は、屋根部に取り付けた第1の取付金具と支柱に取り付けた第2の取付金具とを接合する状態の一例を示す概略図である。
【
図12】
図12は、支柱に第1の固定金具及び第2の固定金具を取り付ける状態の一例を示す概略斜視図である。
【
図13】
図13は、支柱を補強杭で地盤に固定する状態の一例を示す概略部分拡大斜視図である。
【
図14】
図14は、第1の固定金具の一例を示す斜視図である。
【
図15】
図15は、第2の固定金具の一例を示す斜視図である。
【
図16】
図16は、第1の固定金具の一例を示す側面図である。
【
図17】
図17は、第2の固定金具の一例を示す側面図である。
【
図18】
図18の左図は補強杭の一例を示す上面図、
図18の右図は補強杭の一例を示す側面図である。
【
図19】
図19は、支柱を複数の補強杭で地盤に固定した状態の一例を示す概略図である。
【
図20】
図20は、ソーラーカーポートにおける雨水受けの一例を示す図である。
【
図21】
図21は、ソーラーカーポートにおける雨水受けの他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(ソーラーカーポート)
本発明の一実施形態に係るソーラーカーポートは、地盤に打設された支柱と、前記支柱を配し、かつ前記支柱から延設された屋根部と、前記屋根部上に配された複数の太陽光パネルと、前記屋根部の支柱側の端部に取り付けた第1の取付金具と、前記支柱の屋根部側の端部に取り付けた第2の取付金具とを位置調整可能に接合する接合部と、前記支柱に対して互いに異なる複数方向から複数本の補強杭を打設して前記支柱を前記地盤に固定する固定部と、を有し、隣接する前記太陽光パネル同士の隙間に沿って設けた雨水受けを有することが好ましく、更に必要に応じてその他の部材を有する。
【0010】
本発明の一実施形態に係るソーラーカーポートは、例えば、工場、病院、市役所、大学、コンビニ、ショッピングモール、スーパー、パチンコ店などの駐車場における上部空間(デッドスペース)を太陽光発電のために有効活用することができると共に、雨風、真夏の直射日光などから自動車及び駐車場の利用者を守ることができる。
【0011】
<支柱>
支柱は駐車場の地盤に直接打設される。即ち、杭を用いたり、穴を掘ったりすることなく、支柱自体をそのまま地盤に打設する。これにより、コンクリートが不使用となり、支柱の設置にかかる時間を大幅に短くでき、低コスト化を実現することができる。
前記支柱の打設は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、杭打機などを用いて行うことができる。
【0012】
前記支柱の材質、形状、大きさ、数、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記支柱の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、木材、セラミックスなどが挙げられる。これらの中でも、耐久性、強度の点から、金属が好ましい。前記金属としては、例えば、鉄、鉄鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などが挙げられる。
前記支柱の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中実若しくは中空の四角柱状又は円柱状、角筒状、角柱状などが挙げられる。なお、支柱には強度の向上を図るため、複数のリブを有することが好ましい。
前記支柱の大きさ、数及び構造としては、特に制限はなく、ソーラーカーポートの屋根部の大きさなどに応じて適宜選定することができる。
なお、前記支柱の地盤と接触する部分は、腐食防止加工を施すことが好ましい。
【0013】
<屋根部>
前記屋根部は、駐車スペースの上方に配置され、駐車スペースの全面を覆い、支柱によって支持されており、前記屋根部上には複数の太陽光パネルを配している。
前記屋根部の形状、大きさ、材質、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記屋根部の形状としては、地盤に打設された支柱と、前記支柱を配し、かつ前記支柱から延設されており、前記支柱を中央にして略Y字形状となっている。このような略Y字形状とすることにより、強度が向上し、自動車の収容スペースが増加するので、より多くの自動車を収容することができる。
【0014】
前記屋根部の材質としては、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等の金属材料、又は金属材料以外の硬質樹脂などが挙げられる。
前記硬質樹脂材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合(ABS)樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹(PMMA)樹脂などが挙げられる。
【0015】
前記屋根部の構造としては、前記屋根部上に複数の太陽光パネルを配することができれば特に制限はなく、種々の構造の部材を適宜選択することができ、例えば、平板状の屋根部であってもよく、複数の縦桟と該縦桟と互いに直交する複数の横桟とからなる架台を有するものであってもよい。これらの中でも、軽量化を図れる点から、架台が好ましい。また、架台の上に複数の太陽光パネルを配すると、前記架台と前記複数の太陽光パネルと共に屋根部を構成し、雨、風等を受ける機能を果たす。また、架台が太陽光パネルの端部に位置するため、裏面側からも光が入射し易いので、両面発電が可能となる。
【0016】
前記屋根部が架台を有する場合には、一の前記縦桟に対して2本の支柱が連結され、かつ2本の支柱の間にブレース構造を有することが好ましい。なお、複数の縦桟には、それぞれ2本の支柱が連結され、かつ2本の支柱の間にブレース構造を有することが好ましい。
前記ブレース構造とは、「筋交」とも呼ばれ、ソーラーカーポートの変形を防ぐために、隣接する2本の支柱間に形成された四角形の対角線に設けられる。
前記ブレース構造は左右両側の屋根部の荷重を繋ぎ伝達する役割を果たし、両サイドの屋根部の荷重のモーメントを相殺する結果、応力を軽減することができるので、支柱の数を減らすことができる。
【0017】
また、前記屋根部が架台を有する場合には、一の前記縦桟に対して1本の支柱が連結されることが好ましい。架台の一の縦桟に対して1本の支柱を連結することにより、工期の短縮とコスト削減を図ることができる。架台の一の縦桟に対して1本の支柱を連結させる場合、支柱の固定部は、前記支柱の略中央位置において、前記支柱に対して互いに異なる4方向から4本の補強杭を打設して前記支柱を前記地盤に固定することが好ましい。
【0018】
<太陽光パネル>
前記太陽光パネルは、前記屋根部上に配され、太陽光発電を行うものである。
前記太陽光パネルは、複数の太陽電池素子と、太陽電池素子の受光面側に配置される第1保護部材と、太陽電池素子の裏面側に配置される第2保護部材とを備える。
前記複数の太陽電池素子は、第1保護部材及び第2保護部材により挟持されると共に、充填材により封止されている。また、太陽電池パネルは、太陽電池素子の電極に取り付けられて隣接する太陽電池素子同士を接続する配線材等を備える。
【0019】
太陽光パネルは、内部にセルと呼ばれる複数の太陽電池素子が搭載されている。また、太陽光パネルの裏面側にはパネルの端から引き出されるリード線と太陽光パネルから電流を出力するための電力線との接続部を内蔵する端子ボックスが接着剤等により取り付けられている。
太陽電池素子は、太陽光を受光することでキャリアを生成する光電変換部を備える。光電変換部には、例えば、受光面上に受光面電極が、裏面上に裏面電極がそれぞれ形成される。
【0020】
光電変換部は、例えば、結晶系シリコン(c-Si)、ガリウム砒素(GaAs)、インジウム燐(InP)等の半導体基板と、基板上に形成された非晶質半導体層と、非晶質半導体層上に形成された透明導電層とを有する。
具体的には、n型単結晶シリコン基板の受光面上にi型非晶質シリコン層、p型非晶質シリコン層、及び透明導電層を順に形成した構造が挙げられる。透明導電層は酸化インジウム(In2O3)、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物に、錫(Sn)やアンチモン(Sb)等をドープした透明導電性酸化物から構成されることが好ましい。
【0021】
電極は、例えば、複数のフィンガー部、及び複数のバスパー部からなる。
フィンガー部は、透明導電層上の広範囲に形成される細線状の電極であり、バスパー部は、フィンガー部からキャリアを収集する電極である。配線材は、バスパー部に取付られる。
【0022】
前記第1保護部材には、例えば、ガラス基板や樹脂基板、樹脂フィルム等の透光性を有する部材を用いることができる。これらの中でも、耐火性、耐久性等の観点から、ガラス基板が好適である。
前記第2保護部材には、前記第1保護部材と同じ部材を用いることができ、また裏面側からの光の入射を想定しない場合には透光性を有さない部材を用いることもできる。
前記第1保護部材及び第2保護部材共に、透光性を有するガラス基板を用いることができる。前記充填材としては、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂を用いることができる。
【0023】
太陽光パネルの端縁にはフレームが設けられている。前記フレームは、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属製枠であって、軽量化の観点からアルミニウムが好ましい。
前記フレームは、太陽光パネルの端縁を保護すると共に、隣り合う太陽光パネル同士の固定などに利用される。前記フレームは、複数のフレームを組み合わせて構成され、太陽光パネルの四方を囲んでいる。
【0024】
<接合部>
前記接合部は、前記屋根部の支柱側の端部に取り付けた第1の取付金具と、前記支柱の屋根部側の端部に取り付けた第2の取付金具とを位置調整可能に接合する。これにより、支柱に位置ズレが生じた場合でも、容易に屋根部と支柱とを連結することができ、位置決め作業に要する手間や労力を低減できる。
【0025】
前記第1の取付金具を前記屋根部の支柱側の端部に取り付ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第1の取付金具の第1の取付片の第1の固定孔により前記屋根部の縦桟の端部にボルトとナットにより固定する方法、第1の取付金具の第1の取付片を屋根部の縦桟の端部に溶接する方法などが挙げられる。
前記第2の取付金具を前記支柱の屋根部側の端部に取り付ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第2の取付金具の第2の取付片の第2の固定孔により前記支柱の屋根部側の端部にボルトとナットにより固定する方法、第2の取付金具の第2の取付片を前記支柱の屋根部側の端部に溶接する方法などが挙げられる。
【0026】
前記第1の取付金具が横幅方向に長く形成した第1の長孔を有し、前記第2の取付金具が回転方向に長く形成した第2の長孔を有し、前記第1の長孔と前記第2の長孔とを位置調整した状態で前記第1の取付金具と前記第2の取付金具とを接合し、締結具により前記第1の長孔と前記第2の長孔とを締結することにより前記支柱と前記屋根部とを連結する。
前記締結具としては、例えば、ボルトとナット、ネジ、リベットなどが挙げられる。
なお、本発明において「接合」、「連結」あるいは「取付」とは、複数の部材のそれぞれに設けられた一又は複数の長孔にボルトを挿通し、このボルトをナットで固定することによってなされるが、これと同様に組み立てや解体を容易とする手法であればその他の種々の手法を採用することもできる。あるいは、強度を増加させるなど適宜必要な場合には溶接などの手法を採用してもよい。
【0027】
前記第1の取付金具の複数の第1の長孔は、前後方向(横幅方向)に長く形成した長孔であり、前記第1の取付金具と前記第2の取付金具の接合部の前後方向(横幅方向)における位置調整をすることができる。
前記第2の取付金具の複数の第2の長孔は、左右方向(回転方向)に長く形成した長孔であり、前記第1の取付金具と前記第2の取付金具の接合部の左右方向(回転方向)における位置調整をすることができる。
前記第1の長孔及び第2の長孔は複数設けられている。
【0028】
前記第1の取付金具及び前記第2の取付金具の材質、形状、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第1及び第2の取付金具の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、木材、セラミックスなどが挙げられる。これらの中でも、金属が好ましい。前記金属としては、鉄、鉄鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などが挙げられる。
前記第1及び第2の取付金具の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円盤状、角盤状などが挙げられる。
前記第1及び第2の取付金具の大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0029】
<固定部>
前記固定部は、前記支柱に対して互いに異なる複数方向から複数本の補強杭を打設して前記支柱を前記地盤に固定する。前記固定部を有することにより、前記支柱を地盤に直接杭打ちした際に、支柱の引抜強度が向上する。その結果、支柱の数を減らすことができる。
前記固定部は、前記支柱の略中央位置において、前記支柱に対して互いに異なる4方向から4本の補強杭を打設して前記支柱を前記地盤に固定することが、更に引抜強度が向上する点から好ましい。4本の補強杭は支柱を中心として放射状に均等に配設されることがより好ましい。
具体的には、支柱に第1の固定金具と第2の固定金具を取付け、前記第1及び第2の固定金具に設けられた案内管に補強杭を挿入し、打設させて、前記支柱を地面に固定する。
前記第1及び第2の固定金具は前記支柱の端部以外の部位に取り付けられることが好ましく、前記支柱の略中央位置に取り付けられることがより好ましい。
【0030】
前記第1の固定金具及び前記第2の固定金具の材質、形状、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第1及び第2の固定金具の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、木材、セラミックスなどが挙げられる。これらの中でも、強度の点から金属が好ましい。前記金属としては、例えば、鉄、鉄鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などが挙げられる。
前記第1及び第2の固定金具の大きさ及び形状としては、支柱の形状及び大きさに応じて適宜選択することができる。
前記第1及び第2の固定金具の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0031】
前記第1及び第2の固定金具を前記支柱に取り付ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第1及び第2の固定金具の取付孔と支柱に設けた取付孔によりボルトとナットで固定する方法、第1及び第2の固定金具を支柱に溶接する方法などが挙げられる。
【0032】
前記第1及び第2の固定金具は、それぞれ案内管が設けられている。前記案内管は補強杭を地中に打ち込む際に、補強杭を地中に所定の角度で傾斜させて打ち込めるように案内する役割を果たす。案内管は互いに異なる角度で傾斜している。前記案内管は前記第1及び第2の固定金具に溶接、又は取付片を介して設けられる。
前記案内管の第1又は第2の固定金具に設ける個数は1個以上が好ましく、2個以上がより好ましい。前記案内管の配置は、支柱に対して互いに異なる方向であることが好ましく、前記案内管に補強杭が挿入された場合に、複数の補強杭が互いに交差する方向であることがより好ましい。
前記補強杭の材質、形状、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。補強杭の材質は、金属、樹脂、又はその他の材質とすることができる。前記補強杭は、円柱状、角柱状、円筒状、角筒状等であって、所定の長さを有する長尺状の棒材である。
【0033】
<雨水受け>
前記雨水受けは、隣接する前記太陽光パネル同士の隙間に設けられる。雨水受けにより隣接する太陽光パネル同士の隙間から漏れてくる雨滴を集めて屋根部の下方に導くことができ、ソーラーカーポートにおける水漏れの発生を防止することができる。
雨水受けは、隣接する太陽光パネル同士の隙間に沿って設けてもよく、隙間を跨って設けてもよい。隙間を跨って雨水受けを設けると、気温等の変化によって太陽光パネルが熱膨張し、隙間が変化する場合にも対応することができる。
なお、雨水受けに受けられた雨水は、雨水受け中を流れて雨水受けの端部に設けた水抜き孔から樋を伝わって排出される。
【0034】
<その他の部材>
前記その他の部材としては、例えば、化粧カバー、補強部材などが挙げられる。
化粧カバーは、屋根部上に配された太陽光パネルの外周に取り付け、フレーム及び雨水受けなどが見えないように隠して意匠性を高めることができる。
補強部材は支柱と連結され、屋根部を支える部材である。
【0035】
(ソーラーカーポートの製造方法)
本発明の一実施形態に係るソーラーカーポートの製造方法は、本発明の一実施形態に係るソーラーカーポートを製造する方法であって、支柱を地盤に直接打設する打設工程と、前記屋根部の支柱側の端部に取り付けた第1の取付金具と、前記支柱の屋根部側の端部に取り付けた第2の取付金具とを位置調整可能に接合する接合工程と、前記支柱に対して互いに異なる複数方向から複数本の補強杭を打設して前記支柱を前記地盤に固定する固定工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
【0036】
本発明の一実施形態に係るソーラーカーポートの製造方法は、支柱をそのまま地盤に打設するので、コンクリートが不使用となり、支柱の設置にかかる時間が大幅に短くでき、コスト的に極めて有利である。また、打設時に支柱の位置ズレが生じた場合には、前記屋根部の支柱側の端部に取り付けた第1の取付金具と、前記支柱の屋根部側の端部に取り付けた第2の取付金具とにより位置調整可能であるため、極めて効率よくソーラーカーポートを製造することができる。更に、固定工程により固定部を設けることにより、支柱を地面に直接杭打ちした際に、支柱の引抜強度が向上するので、支柱の数を減らすことができる。
【0037】
ここで、本発明のソーラーカーポートの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状などは本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状などにすることができる。
【0038】
<第1の実施形態>
図1は、本発明のソーラーカーポートの一例を示す概略側面図、
図2は本発明のソーラーカーポートの一例を示す概略平面図である。
図1及び
図2に示すソーラーカーポート10は、地盤18に打設された一対の支柱11,11の複数を中央に配し、前記支柱から左右両方向に延設された屋根部12と、前記屋根部上に配された複数の太陽光パネル13と、を有する。
【0039】
支柱11は、ステンレス鋼製であり、駐車場の地盤18に打設される。即ち、杭を用いたり、穴を掘ったりすることなく、支柱自体を杭としてそのまま地盤に打設する。これにより、コンクリートが不使用となり、支柱の設置にかかる時間が大幅に少なくて済み、コスト的に有利である。
【0040】
図1に示すように、屋根部12は、複数の縦桟14と、複数の横桟15とからなる架台を有している。架台上に複数の太陽光パネル13が配されている。
架台は、等間隔に配置された4本の縦桟14上に、左右4本ずつ(合計8本)の横桟15が等間隔で配置され、複数の縦桟14と複数の横桟15は、互いに直交している。
図1に示すように、1本の縦桟14には、2本の支柱11,11が連結されており、図示を省略しているが、奥側に位置する3本の縦桟14にもそれぞれ2本の支柱11,11が連結されている。
複数の縦桟14は、支柱11側が下方に位置するように傾斜しており、架台上に配される太陽光パネル13も同様に傾斜している。
【0041】
図1中16はブレース構造であり、荷重がかかることによるソーラーカーポートの変形を防ぐために、1本の縦桟14に連結された2本の支柱11,11の間に形成された四角形の対角線に設けられる。ブレース構造16は左右両側の屋根部の荷重を繋ぎ伝達する役割を果たし、左右両サイドの屋根部の荷重のモーメントを相殺する結果、応力を軽減することができるので、支柱の数を減らすことができる。
17は補強部材であり、支柱11と連結され、屋根部12を支えている。
【0042】
図3に示すように、ソーラーカーポート10には、左右両方向に延設した屋根部13の下に2台の自動車100を並べて収容することができ、奥側にも4台の自動車を収容することができ、合計6台の自動車を収容することができる。
【0043】
ソーラーカーポートにおいては、太陽光パネル面に強風を受けた場合、積雪により太陽光パネル面の荷重が増加した場合、又は地震が発生した場合などの種々の外的負荷が生じた場合でも倒壊しない強度を確保することが必要である。
【0044】
ここで、
図4は、積雪によりソーラーカーポートに荷重が掛かる基本原理を説明する図である。
積雪荷重によるモーメント:M=S・L(Nm)・・・数式(1)
ただし、前記数式(1)中、Lは支点となる支柱部分から作用点までの距離(m)、Sは積雪荷重(N)である。
応力度:σ=M/Z(N/mm
2)・・・数式(2)
ただし、前記数式(2)中、Zは検討部材の断面係数(mm
3)、Mは積雪荷重によるモーメントを表す。
したがって、本発明の一実施形態に係るソーラーカーポートは前後を対象型とすることにより、積雪荷重によるモーメントMと逆方向のモーメントを働かせることにより、応力を相互に相殺することができ、応力を軽減することができるので、支柱の数を減らすことができる。
【0045】
<第1の実施形態の変形例1>
図5は本発明のソーラーカーポートの他の一例を示す概略側面図、
図6は本発明のソーラーカーポートの他の一例を示す概略正面図である。
図5及び
図6に示すソーラーカーポート50は、地盤18に打設された1本の支柱51と、1本の支柱51を中央に配し、支柱51から左右両方向に延設された屋根部52と、前記屋根部上に配された複数の太陽光パネル54と、を有する。なお、
図5中55は筋交、18は地盤、100は自動車である。
このソーラーカーポート50は屋根部52の架台の一の縦桟53に対して1本の支柱51を連結することにより、ソーラーカーポート全体の支柱の数を減らすことができ、工期の短縮とコスト削減を図ることができる。
【0046】
<第1の実施形態の変形例2>
図7は、本発明のソーラーカーポートの他の一例を示す概略側面図である。この
図7のソーラーカーポート60は、地盤18に打設された1本の支柱61と、1本の支柱61から一方向に延設された屋根部62と、前記屋根部上に配された複数の太陽光パネル64と、を有する。なお、
図7中65は筋交、18は地盤、100は自動車である。
このソーラーカーポート60は、片側だけに屋根部62を有するので、省スペース化が図れ、狭い敷地の有効利用が実現できる。
【0047】
<第2の実施形態>
図8は、ソーラーカーポートにおける屋根部の支柱側の端部に取り付けた第1の取付金具と、支柱の屋根部側の端部に取り付けた第2の取付金具とを位置調整可能に接合する接合部を示す図である。
接合部19において、支柱11と屋根部の縦桟14とが連結される。
第1の取付金具20及び第2の取付金具24は、いずれも鉄製の円盤状であり、互いに接合させることにより、支柱11の回転方向及び前後方向の位置ズレを調整することができる。
【0048】
図9Aは、第1の取付金具の一例を示す平面図、
図9Bは、第1の取付金具の側面図、
図9Cは、第1の取付金具の斜視図、
図9Dは、第1の取付金具の別の方向から見た側面図である。
この第1の取付金具20は、第1の長孔21と、第1の取付片22と、第1の固定孔23とを有している。第1の取付金具20は、第1の取付片22の第1の固定孔23により屋根部の縦桟14の端部にボルトとナットにより固定される。
第1の取付金具20の第1の長孔21は、前後方向(横幅方向)に長く形成した長孔であり、
図9A中矢印a方向(横幅方向)の位置を調整可能である。
【0049】
図10Aは、第2の取付金具の一例を示す平面図、
図10Bは、第2の取付金具の側面図、
図10Cは、第2の取付金具の斜視図、
図10Dは、第2の取付金具の別の方向から見た側面図である。
この第2の取付金具24は、第2の長孔25と、第2の取付片26と、第2の固定孔27とを有している。第2の取付金具24は、第2の取付片26の第2の固定孔27により支柱11の屋根部側の端部にボルトとナットにより固定される。
第2の取付金具24の第2の長孔25は、回転方向に長く形成した長孔であり、
図10A中矢印b方向(回転方向)の位置を調整可能である。
【0050】
図11に示すように、第1の取付金具20の第1の長孔21と第2の取付金具24の第2の長孔25とが略直交するように第1の取付金具20と第2の取付金具24とを接合し、第1の長孔21と第2の長孔25とにボルト28を挿入し、ボルト28をナット29で締結することにより支柱11と屋根部12の縦桟14とを連結する。
第1の長孔21と第2の長孔25とは互いに交差する方向を向いて接合されるので、支柱が多少位置ズレしていても、支柱の位置ズレを交差する第1の長孔及び第2の長孔によって吸収でき、支柱と屋根部とを容易に連結することができる。
【0051】
<第3の実施形態>
図12は、支柱に第1の固定金具及び第2の固定金具を取り付ける状態を示す概略斜視図、
図13は、支柱を補強杭で地盤に固定する状態を示す概略部分拡大斜視図である。
支柱11の略中央位置において、第1の固定金具41と第2の固定金具42とが支柱にボルトとナットにより取り付けられている。
第1の固定金具41及び第2の固定金具42は、いずれも鉄製の略コの字形状であり、支柱11に強固に取り付けられている。
第1の固定金具41及び第2の固定金具42にはそれぞれ2個、合計4個の案内管43が設けられている。4個の案内管43は補強杭を地中に打ち込む際に、補強杭44を地中に所定の角度で傾斜させて打ち込めるように案内する役割を果たす。4本の補強杭44は支柱11を中心として放射状に均等に配設されている。
【0052】
図14は、第1の固定金具の一例を示す斜視図、
図15は、第2の固定金具の一例を示す斜視図、
図16は、第1の固定金具の一例を示す側面図、
図17は、第2の固定金具の一例を示す側面図である。
第1の固定金具41及び第2の固定金具42は略コの字形状であり、それぞれ2つの案内管43を有し、4つの第1の取付孔45において支柱11にボルトとナットにより取り付けられる。また、第1の固定金具41と第2の固定金具42とは4つの第2の取付孔46で支柱11を介してボルトとナットにより互いに接合される。
【0053】
図18の左図は補強杭の一例を示す上面図、
図18の右図は補強杭の一例を示す側面図である。補強杭44は、円柱状の金属製であって、所定の長さを有する長尺状の棒材である。
図19は、支柱を複数の補強杭で地盤に固定した状態を示す概略図である。補強杭44が第1の固定金具41及び第2の固定金具42に設けられた案内管43に挿通されて地盤に打ち込まれることにより固定部47を形成し、支柱11の引抜きを防止できる。
【0054】
<第4の実施形態>
図20は、ソーラーカーポートにおける雨水受けの一例を示す図である。屋根部上に配された複数の太陽光パネル13と、隣接する前記太陽光パネル同士の間に雨水受け30を設ける。この雨水受け30によって、隣接する太陽光パネル13同士の隙間31から漏れてくる雨滴を集めて傾斜屋根の下方に導くことができ、水漏れの発生を防止することができる。
雨水受け30は、
図20に示すように隣接する太陽光パネル同士の隙間31に沿って設けてもよく、
図21に示すように隣接する太陽光パネル13同士の隙間31を跨って設けてもよい。
図21に示すように隣接する太陽光パネル13同士の隙間31を跨って雨水受け30を設けると、太陽光の照射によって太陽光パネルが熱膨張し、隙間の大きさが変化する場合にも対応することができる。
【0055】
以上、本発明について、本実施形態を用いて説明したが、本実施形態は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、組み合わせ、置き換え、変更を行うことができる。またこのような変形を行ったものも発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
10 ソーラーカーポート
11 支柱
12 屋根部
13 太陽光パネル
14 縦桟
15 横桟
16 ブレース構造
17 補強部材
18 地盤
19 接合部
20 第1の取付金具
21 第1の長孔
22 第1の取付片
23 第1の固定孔
24 第2の取付金具
25 第2の長孔
26 第2の取付片
27 第2の固定孔
28 ボルト
29 ナット
30 雨水受け
31 隙間
41 第1の固定金具
42 第2の固定金具
43 案内管
44 補強杭
45 第1の取付孔
46 第2の取付孔
47 固定部