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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178313
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】トイレ砂組成物
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/015 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
A01K1/015 B
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024163516
(22)【出願日】2024-09-20
(62)【分割の表示】P 2021561719の分割
【原出願日】2020-03-30
(31)【優先権主張番号】62/836,998
(32)【優先日】2019-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジェームス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】既存の悪臭制御技術に関連する欠点及び短所を克服する改善されたトイレ砂組成物を提供すること。
【解決手段】本明細書では、動物排泄物における悪臭を取り除くために使用できる、芳香剤と約0.5重量%~約5.0重量%の顆粒状悪臭吸着剤とを含む組成物及び方法を提供する。顆粒状悪臭吸収剤は、顆粒状モレキュラーシーブ又は顆粒状活性炭であってもよく、約0.4nm~約2.0nmの孔径及び約100m/g~約1500m/gの総表面積を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香剤と顆粒状悪臭吸着剤とを含む、悪臭制御用の動物用トイレ砂組成物であって、前記顆粒状悪臭吸着剤が、約0.05重量%~約5.0重量%の量で存在し、かつ約0.4nm~約2.0nmの孔径及び約100m/g~約1500m/gの総表面積を有し、前記顆粒状悪臭吸着剤が、悪臭を実質的に吸着し、前記芳香剤を実質的に放出する、動物用トイレ砂組成物。
【請求項2】
前記顆粒状悪臭吸着剤が、モレキュラーシーブ顆粒及び活性炭顆粒からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記顆粒状悪臭吸着剤が、約-8~約60のメッシュサイズを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記芳香剤が、約0.05重量%~約0.4重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記芳香剤がカプセル化されていない、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
吸収性基材を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記吸収性基材が、吸収性コアと前記吸収性コアを取り囲む別個の層とを含む吸収性顆粒を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記吸収性基材が粘土を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
前記吸収性基材が、膨潤粘土でコーティングされた非膨潤粘土コアを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
前記吸収性基材が、膨潤粘土でコーティングされた膨張パーライトコアを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項11】
前記膨潤粘土がナトリウムベントナイトである、請求項9又は10に記載の組成物。
【請求項12】
前記顆粒状悪臭吸着剤が、前記芳香剤よりも悪臭に対してより高い親和性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記顆粒状悪臭吸着剤が、前記悪臭の少なくとも25%を吸着する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記顆粒状悪臭吸着剤が、前記芳香剤の少なくとも40%を放出する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
悪臭を、芳香剤と顆粒状悪臭吸着剤とを含む組成物と接触させる工程を含む、周囲環境によい香りをもたらしながら前記悪臭を低減する又は取り除くための方法であって、前記顆粒状悪臭吸着剤が、約0.05重量%~約5.0重量%の量で存在し、約0.4nm~約2.0nmの孔径及び約100m/g~約1500m/gの総表面積を有する、方法。
【請求項16】
前記組成物が、顆粒状悪臭吸着剤を含まない対照組成物と比較して、知覚される芳香が同程度である、知覚される芳香が増加している、又は知覚される芳香が約60%未満低減しているものである、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2019年4月22日に出願された米国特許仮出願第62/836998号の優先権を主張するものであり、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
[0002]本開示は、概して、芳香剤と顆粒状悪臭吸収剤とを含む、悪臭制御用の動物用トイレ砂組成物に関する。より具体的には、本開示は、芳香剤と、特定の孔径及び表面積を有する顆粒状悪臭吸着剤とを含むトイレ砂組成物に関する。
【0003】
[背景技術]
[0003]動物用トイレは、ネコなどのペットが、尿及び糞便を排泄するため使用するものである。動物用トイレには、尿及び糞便を受容する、ペット用トイレ砂の層が収まっている。ペット用トイレ砂は吸収性材料及び/又は吸着性材料を含み、非凝集性又は凝集性であり得る。凝集性ペット用トイレ砂は、尿及び糞便がペット用トイレ砂に堆積された後に、粒子が塊の形成を促進する、トイレ砂製品である。この塊を、典型的には、トイレ砂用スコップの使用により動物用トイレから選り分けた後、廃棄する。非凝集性ペット用トイレ砂は、尿を吸収することで尿の悪臭を除去できる。しかし、トイレ砂の箱全体を空にせずに汚れた非凝集性ペット用トイレ砂を交換するのは難しい場合がある。ペットの尿及び糞便から悪臭を吸収するため、ペット用トイレ砂に脱臭剤を添加できる。
【0004】
[0004]芳香剤の添加は、ネコ用トイレ砂などの動物用トイレ砂における悪臭を抑制するために使用されることが多い。典型的には、添加された芳香剤の量が多いほど、悪臭制御又は悪臭のマスキング効果が向上する。しかしながら、様々な理由から、ネコ用トイレ砂などの強力に香り付けされた製品はペット又はペットの飼い主にとって望ましくない場合がある。したがって、知覚される芳香強度を増大させずに、動物用トイレ砂の悪臭制御性能を更に向上させることが求められている。
【0005】
[0005]大量の芳香剤を添加せずに悪臭制御を向上させる1つの方法は、活性炭などの強力な悪臭吸着剤を使用することである。しかしながら、一般に、吸着剤は悪臭ではなく芳香剤と優先的に相互作用して芳香を吸着し得るため、芳香剤を粉末活性炭などの強力な吸着剤と協調させて存在させることはできない。結果として、悪臭強度は変化せず又は増加し得るが、芳香強度は減少することになる。
【0006】
[0006]米国特許第5,782,409号に記載されている、芳香剤と吸着性材料との協調性のなさを克服するための1つの方法は、芳香剤と悪臭吸着剤とを物理的に分離することによるものである。しかしながら、このような分離は必要とされることは不便であり、非経済的で非効率的である。他の方法は、芳香剤をカプセル化又はエンローブすることによる。しかしながら、カプセル化は、効率的でタイミングのよい送達及び物理的安定性に関する課題も有し得る。
【0007】
[0007]したがって、本開示の目的は、既存の悪臭制御技術に関連する前述の欠点及び短所を克服する改善されたトイレ砂組成物を提供することである。
【0008】
[発明の概要]
[0008]本開示は、概して、芳香剤と顆粒状悪臭吸着剤とを含む動物用トイレ砂組成物であって、顆粒状悪臭吸着剤が、約0.05重量%~約5.0重量%の量で存在し、約0.4nm~約2.0nmの孔径及び約100m/g~約1500m/gの総表面積を有し、顆粒状悪臭吸着剤が、悪臭を実質的に吸着し、芳香剤を実質的に放出する、動物用トイレ砂組成物に関する。
【0009】
[0009]本開示の別の態様は、概して、悪臭を、芳香剤と顆粒状悪臭吸着剤とを含む組成物と接触させる工程を含む、周囲環境によい香りをもたらしながら動物用トイレ砂における悪臭を低減又は取り除くための方法であって、顆粒状悪臭吸着剤が、約0.05重量%~約5.0重量%の量で存在し、約0.4nm~約2.0nmの孔径及び約100m/g~約1500m/gの総表面積を有する、方法に関する。
【0010】
[0010]多くの追加の特徴及び利点が、本明細書を考慮することで明らかとなるであろう。更に、本明細書で使用される言語は、専ら読みやすさ及び指示を目的として選択されており、本発明の主題の範囲を限定するものではないことを留意されたい。
【0011】
[発明を実施するための形態]
[0011]本開示及び添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、別段の指示がない限り、複数の指示対象を含むことを留意しなければならない。したがって、例えば、「顆粒(a granule)」又は「顆粒(the granule)」への言及は、2つ以上の顆粒を含む。
【0012】
[0012]用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含んでいる(comprising)」は、排他的なものではなく、他を包含し得るものとして解釈されるべきである。同様にして、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は全て、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限りは他を包含し得るものであると解釈される。
【0013】
[0013]しかしながら、本明細書で開示される組成物及び方法は、具体的には開示されていない任意の要素が存在しない場合がある。したがって、「含む/備える(comprising)」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されている構成要素「から本質的になる(consisting essentially of)」実施形態、及び「からなる(consisting of)」実施形態の開示を含む。「から本質的になる(consisting essentially of)」は、実施形態が、特定された構成要素を50重量%超、特定された構成成分を少なくとも75重量%、特定された構成要素を少なくとも85重量%、特定された構成要素を少なくとも95重量%、又は特定された構成要素を少なくとも99重量%含むことを意味する。
【0014】
[0014]「X及び/又はY」の文脈で使用される用語「及び/又は」は、「X」、又は「Y」、又は「X及びYの両方」と解釈されるべきである。本明細書で使用する場合、用語「例」及び「~など」は、その後に用語の列挙が続く場合は特に、単に例示的かつ説明的なものにすぎず、排他的又は網羅的なものとみなされるべきではない。別途記載のない限り、本明細書で開示される任意の実施形態を、本明細書で開示される任意の別の実施形態と組み合わせることができる。
【0015】
[0015]本明細書に記載する全ての百分率は、別途記載のない限り、組成物の総重量によるものである。本明細書で使用するとき、「約(about)」、「およそ(approximately)」、及び「実質的に(substantially)」は、例えば、参照される数の-10%~+10%の範囲内、参照される数の-5%~+5%の範囲内、参照される数の-1%~+1%の範囲内、又は参照される数の-0.1%~+0.1%の範囲内、の数の範囲内の数を指すものと理解される。本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数(integers)、整数(Whole numbers)、又は分数を含むと理解されるべきである。更に、これらの数値範囲は、この範囲内の任意の数又は数の部分集合を対象とする請求項をサポートすると解釈されたい。例えば、1~10という開示は、1~8、3~7、1~9、3.6~4.6、3.5~9.9などの範囲をサポートするものと解釈されたい。
【0016】
[0016]用語「ペット」及び「動物」は、本明細書において同義的に使用され、動物用トイレを使用できる任意の動物を意味する。非限定的な例としては、ネコ、イヌ、ラット、フェレット、ハムスター、ウサギ、イグアナ、ブタ、及び鳥が挙げられる。ペットは、任意の好適な動物であり得、本開示は、特定のペット動物に限定されない。
【0017】
[0017]用語「トイレ砂」は、動物の尿などの水分及び/若しくは液体に対する収着特性を有する、かつ/又は動物の尿及び/若しくは糞便からの悪臭を減少させる任意の物質を意味する。「凝集性トイレ砂」又は「凝集性脱臭剤」は、水分と接触した際に凝集体を形成する。動物用トイレ中で、凝集体は、水分と接触していない他のトイレ砂又は脱臭剤とは明確に区別される。「凝集剤」は、濡れたときに隣接する粒子を結合させる。したがって、「凝集性」トイレ砂では、消費者は特定の開口部を有するトイレ砂用スコップを使用してペットの排泄物をすくい取ることができるが、「非凝集性」トイレ砂では、ペットの排泄物をすくい取ることは不可能又は非現実的である。「非凝集性」トイレ砂は、明確に区別される凝集体を形成しない。用語「脱臭剤」は、周囲の悪臭の少なくとも一部を吸着又は吸収する任意の物質を意味し、動物用トイレ内のペット用トイレ砂に添加される形態であり得る。用語「排泄」は、ペットによる排尿及び/又は排便を意味する。
【0018】
[0018]用語「動物用トイレ」は、ペット用トイレ砂を保持できる任意の装置を意味する。例えば、動物用トイレは、底壁と1つ以上の側壁とを備えた容器、及び/又はトイレ砂がその上に配置されるよう構成された任意の装置、例えばマット若しくは格子であり得る。非限定的な例として、動物用トイレは、高さが少なくとも約6インチの側壁を有する長方形の箱でよい。
【0019】
[0019]用語「メッシュ」は、篩に関するASTM E-11 U.S.A.規格の仕様によって定義される。本明細書で使用するとき、粒子の「サイズ」は、粒子の最大幅の長さを指す。
【0020】
[0020]本明細書で開示される方法及び機器並びに他の進歩は、当業者により認識されるとおり変更可能であるので、特定の方法論、手順、及び試薬に限定されるものではない。更に、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載することのみを目的とするものであり、開示又は請求の範囲を制限するものではない。
【0021】
[0021]別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語、専門用語、並びに頭字語は、本開示の分野(複数可)の当業者により、又は用語が用いられている分野(複数可)において、一般的な理解がなされている意味を有している。本明細書に記載のものと類似する又は等価の任意の組成物、方法、製品、又はその他の手法若しくは材料を使用できるが、好ましい機器、方法、製品、又はその他の手法若しくは材料を本明細書において記載する。
【0022】
[0022]本開示の一態様は、芳香剤と約0.05重量%~約5.0重量%の顆粒状悪臭吸着剤とを含む、悪臭制御用の動物用トイレ砂組成物に関する。吸着剤は、約0.4nm~約2.0nmの孔径を有し得る。吸着剤はまた、約100m/g~約1500m/gの総表面積を有し得る。顆粒状悪臭吸着剤は、悪臭を実質的に吸着し、芳香を実質的に排除し得る。2つの悪臭抑制成分である悪臭吸着剤と芳香剤との組み込み及び協調性は、消費者体験全体を向上させる。いくつかの実施形態では、吸着剤は、約100m/g~約1200m/g、約100m/g~約1100m/g、約100m/g~約1000m/g、約100m/g~約800m/g、約100m/g~約700m/g、又は約100m/g~約600m/gの総表面積を有する。いくつかの実施形態では、顆粒状悪臭吸着剤は、約2.0nm未満、約1.0nm未満、約0.8m未満、又は約0.6nm未満の孔径を有する。
【0023】
[0023]本開示のトイレ砂組成物は、人に爽快さ及び/若しくは脱臭効果を感じさせる、又は動物への誘引剤として機能するための1つ以上の芳香剤を含む。芳香剤は、動物ケアシステムの重要な部分である。芳香剤は、天然又は合成芳香剤であり得る。芳香剤組成物の非限定的な例としては、1つ以上のエステル、直鎖テルペン、環状テルペン、芳香族、アミン、アルコール、アルデヒド、ケトン、ラクトン、及びチオールが挙げられる。具体的な芳香剤化合物の非限定的な例としては、リモネン、リナロール、β-フェネチルアルコール、及びミルセンが挙げられる。
【0024】
[0024]いくつかの実施形態では、芳香剤は、約0.05重量%~約1.0重量%の量で存在する。他の実施形態では、芳香剤は、約0.05重量%~約0.4重量%の量で存在する。一実施形態では、芳香剤は、約0.2重量%又は約0.1重量%の量で存在する。
【0025】
[0025]いくつかの実施形態では、芳香剤の大部分はカプセル化されていない。例えば、芳香剤の少なくとも75%がカプセル化されていない、芳香剤の少なくとも80%がカプセル化されていない、芳香剤の少なくとも85%がカプセル化されていない、芳香剤の少なくとも90%がカプセル化されていない、又は芳香剤の少なくとも95%がカプセル化されていない。
【0026】
[0026]いくつかの実施形態では、顆粒状悪臭吸着剤は、芳香剤よりも悪臭をより多く吸着する。例えば、一実施形態では、顆粒状悪臭吸着剤を含まない対照サンプルと比較して、悪臭は約25%~約60%の量で吸着され、芳香剤の吸着は40%未満である。別の実施形態では、顆粒状悪臭吸着剤を含まない対照サンプルと比較して、悪臭は約30~約60%の量で吸着され、吸着される芳香剤の量は40%未満である。一実施形態では、顆粒状悪臭吸着剤を含まない対照サンプルと比較して、悪臭は約30%~約40%の量で吸着され、芳香剤の吸着は0%に近い。いくつかの実施形態では、顆粒状悪臭吸着剤は、悪臭の少なくとも25%又は悪臭の少なくとも30%を吸着する。いくつかの実施形態では、顆粒状悪臭吸着剤は、芳香剤の少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、又は少なくとも約75%を放出する。
【0027】
[0027]いくつかの実施形態では、顆粒状悪臭吸着剤を含む動物用トイレ砂組成物では、顆粒状吸着剤を含まない対照と比較して、悪臭の知覚が少なくとも25%又は少なくとも30%低減する。いくつかの実施形態では、顆粒状悪臭吸着剤を含む動物用トイレ砂組成物では、顆粒状悪臭吸着剤を含まない対照と比較して、知覚される芳香が同程度である。いくつかの実施形態では、顆粒状悪臭吸着剤を含む動物用トイレ砂組成物では、顆粒状吸着剤を含まない対照と比較して、知覚される芳香が増加する。いくつかの実施形態では、顆粒状悪臭吸着剤を含む動物用トイレ砂組成物では、顆粒状悪臭吸着剤を含まない対照と比較して、知覚される芳香が約30%未満、約40%未満、約50%未満、又は約60%未満低減する。
【0028】
[0028]本開示のトイレ砂組成物は、顆粒状悪臭吸着剤を含む。いくつかの実施形態では、顆粒状悪臭吸着剤はモレキュラーシーブを含む。モレキュラーシーブは、分子寸法の粒子を分離する固体多孔質材料である。分子レベルの比較的均一な孔径を有する任意の材料はモレキュラーシーブとみなすことができ、ゼオライト及びカーボンモレキュラーシーブが挙げられる。モレキュラーシーブは様々な形態で入手可能であり、粉末、ペレット、メッシュ、及びビーズが挙げられる。モレキュラーシーブは、天然又は合成であり得る。ゼオライトは、火山灰中に見られる天然に生じる鉱物である。ゼオライトは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びカルシウムなどの、IA族元素及びIIA族元素の結晶性アルミノシリケートである。本開示のトイレ砂組成物では、ペレット、メッシュ、又はビーズタイプのモレキュラーシーブを使用してもよい。いくつかの実施形態では、モレキュラーシーブのサイズは、-8メッシュ~60メッシュであり得る。いくつかの実施形態では、モレキュラーシーブのペレットを穏やかに削って又は粉砕して、約-8メッシュ~約60メッシュのサイズを有する顆粒を製造する。
【0029】
[0029]いくつかの実施形態では、本開示で使用されるモレキュラーシーブは、大きな表面積及び小さい孔径を有する。いくつかの実施形態では、モレキュラーシーブは、約200m/g~約800m/gの表面積を有する。別の実施形態では、モレキュラーシーブは、約300m/g~約600m/gの表面積を有する。いくつかの実施形態では、モレキュラーシーブは、約0.2nm~約1.2nmの孔径を有する。別の実施形態では、モレキュラーシーブは、約0.3nm~約1.1nm、又は約0.4nm~約1.0nmの孔径を有する。いくつかの実施形態では、モレキュラーシーブは、約0.6nm又は約0.8nmの孔径を有する。
【0030】
[0030]いくつかの実施形態では、モレキュラーシーブは、総トイレ砂組成物に対して約0.05重量%~約5.0重量%の量で存在する。別の実施形態では、モレキュラーシーブは、約0.1重量%~約4.0重量%の量で存在する。一実施形態では、モレキュラーシーブは、約1.0重量%~約3.0重量%の量で存在する。一実施形態では、モレキュラーシーブは、約2.0重量%の量で存在する。
【0031】
[0031]いくつかの実施形態では、顆粒状悪臭吸着剤は顆粒状活性炭を含む。顆粒状活性炭は、粉末活性炭に見られる粒子よりも大きい粒子から構成される。顆粒状活性炭は、典型的には、大きすぎて80-メッシュのふるいを通過できない材料として分類される。顆粒状活性炭は、様々なサイズで利用可能である。いくつかの実施形態では、顆粒状活性炭は、約-12メッシュ~約60メッシュのサイズを有する。いくつかの実施形態では、顆粒状活性炭は、約-12メッシュ~約40メッシュのサイズを有する。いくつかの実施形態では、顆粒状活性炭は、約100m/g~約1500m/g、約100m/g~約1200m/g、約100m/g~約1100m/g、約100m/g~約1000m/g、約100m/g~約800m/g、約100m/g~約700m/g、又は約100m/g~約600m/gの表面積を有する。いくつかの実施形態では、顆粒状活性炭は、約0.4nm~約2.0nmの孔径を有する。いくつかの実施形態では、顆粒状活性炭は、約2.0nm未満の孔径を有する。いくつかの実施形態では、吸着剤は、カーボンモレキュラーシーブを含む。
【0032】
[0032]いくつかの実施形態では、顆粒状活性炭は、約0.05重量%~約5.0重量%の量で存在する。別の実施形態では、顆粒状活性炭は、約0.1重量%~約4.0重量%の量で存在する。一実施形態では、顆粒状活性炭は、約1重量%~約3.0重量%の量で存在する。一実施形態では、顆粒状活性炭は、約2.0重量%の量で存在する。
【0033】
[0033]いくつかの実施形態では、トイレ砂組成物は、吸収性基材を更に含む。いくつかの実施形態では、吸収性基材は、各々が吸収性コアと吸収性コアを取り囲む別個の層とを含む吸収性顆粒を含む。
【0034】
[0034]いくつかの実施形態では、本開示の顆粒状悪臭吸着剤を含む組成物は、顆粒状悪臭吸着剤を吸収性基材と乾燥混合して、ブレンドされたトイレ砂組成物を形成することによって得ることができる。ブレンドされたトイレ砂組成物は、水分及び/又は液体を吸収すると共に、周囲環境に芳香をもたらしながら悪臭を低減する又は取り除く能力を有する。
【0035】
[0035]いくつかの実施形態では、吸収性基材は凝集剤を含み、凝集剤は、ベントナイト、グアーガム、デンプン、キサンタンガム、アラビアガム、アカシアガム、シリカゲル、及びこれらの混合物を含む。
【0036】
[0036]いくつかの実施形態では、凝集剤はベントナイトを含む。一実施形態では、ベントナイトはナトリウムベントナイトである。
【0037】
[0037]いくつかの実施形態では、吸収性基材は吸収性コアを含む吸収性顆粒を含み、吸収性コアは、粘土、膨張パーライト、石英、長石、カルシウムベントナイト、カルサイト、イライト、炭酸カルシウム、炭素、雲母、ジョージアホワイトクレイ(Georgia white clay)、ヘクトライト、ゼオライト、スメクタイト、オパール、カオリナイト、軽石、トバモライト、スレート、石膏、バーミキュライト、ハロイサイト、海泡石、泥灰岩、珪藻土、ドロマイト、アタパルジャイト、モンモリロナイト、モンテレー頁岩、フラー土、シリカ、化石化した植物材料、パーライト、パーライト微粒子、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。
【0038】
[0038]いくつかの実施形態では、吸収性基材は、抗菌剤、固着防止剤、pH制御用の剤、染料、着色剤、除塵剤、消毒剤、追加の悪臭制御剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤を更に含む。
【0039】
[0039]いくつかの実施形態では、吸収性基材は、約50kg/m~約2000kg/mの密度を有する。
【0040】
[0040]吸収性基材の非限定的な例としては、非膨潤粘土を凝塊化して、膨潤粘土などの凝集剤でコーティングされた粘土粒子にしたものが挙げられる。凝塊化プロセスで使用する非膨潤粘土は約0.3mm以下のサイズであり得、シード材料と呼ばれることもある。例示的な実施形態では、粘土粒子のサイズ範囲は約0.15mm以下である。
【0041】
[0041]1つの具体的な実施形態は、カルシウム-モンモリロナイトを含む廃棄微粒子(waste fines)の再利用を含む。カルシウム-モンモリロナイト微粒子は、水を結合剤として使用して、ピンミキサー内で凝塊化させることができる。凝塊化微粒子は、約20%~約40%の含水率を有する。別の実施形態では、微粒子は、約28%~約34%の含水率を有する。次いで、遠心コーター又は回転コーター/乾燥機システムを使用して、凝塊化微粒子を粒径約0.15mm以下のベントナイト粉末でコーティングできる。
【0042】
[0042]例示的な実施形態では、非膨潤粘土は、ピンミキサーを使用して凝塊化させることができる。凝塊化粒子に膨潤粘土を適用して、コーティングを形成できる。膨潤粘土の非限定的な例としては、ナトリウムベントナイト粉末が挙げられる。いくつかの実施形態では、膨潤粘土はグアーガムとブレンドできる。いくつかの実施形態では、コーティングは、悪臭制御剤及び抗菌剤のいずれか又は両方で更に強化され得る。
【0043】
[0043]一実施形態では、非膨潤粘土は、スクリュー押出機を使用してピンミキサーに供給される。水分(例えば水)を結合剤として添加する。粘土及び水分は、ピンミキサーに入るとケーキ様物質となる。ピンミキサーは、ケーキを破壊する一連のピンを有するシャフトを備えており、結果として、シェーカースクリーンを使用してケーキ様物質から分離される小さな球状粒子が形成される。グアーガムと水、又はデンプンと水を含む結合剤を使用する工程を含む、他の方法が考えられる。
【0044】
[0044]別の実施形態では、非膨潤粘土とベントナイトとのブレンドを利用し、水を結合剤として、ピンミキシングプロセスによって粒子を製造する。更に別の実施形態は、ナトリウムベントナイトを利用し、水を結合剤として、ピンミキサープロセスを使用して約0.25mm~約3mmサイズの粒子を製造する。上記の方法のいずれかによって作製した凝塊化粒子は、凝集能力を向上させるため、遠心コーター又は回転コーター/乾燥機システムを使用して、約0.15mm以下のベントナイト粉末でコーティングできる。
【0045】
[0045]代替的実施形態では、非膨潤粘土粒子の外表面を凝集剤でコーティングする方法としては、流動床乾燥機、半連続式遠心コーター(semi-continuous centrifugal coater)又は回転コーティング及び乾燥システムのうちの少なくとも1つを利用することが挙げられる。回転システムでは、粘土粒子及び凝集剤をドラム内で混転して、約60秒間混合する。次に、トイレ砂をドラムから取り出してドラムを華氏約300度~華氏約400度まで加熱し、トイレ砂をドラムに戻して含水率が約8%になるまで乾燥させる。
【0046】
[0046]得られたコーティングされたトイレ砂は、典型的には、含水率が約5%~約15%であり、-8~50メッシュサイズの範囲である。いくつかの実施形態では、含水率は約8%である。
【0047】
[0047]一実施形態では、ベントナイトコーティングは、コーティングされた粒子の約20重量%~約40重量%である。代替的実施形態では、ベントナイトコーティングは、コーティングされた粒子の約25重量%~約35重量%である。更なる代替的実施形態では、ベントナイトコーティングは、コーティングされた粒子の約30重量%である。
【0048】
[0048]トイレ砂を製造するための代替的な方法では、凝塊化微粒子を流動床に配置し、ベントナイトコーティングを低濃度溶液で噴霧する。
【0049】
[0049]上述の組成物及び方法から得られるトイレ砂は、凝集相互作用が生じる粒子表面に活性凝集剤が維持されるため、優れた凝集特性を有する。更に、上記コーティングプロセスの結果として凝塊化粒子の周囲に殻が形成されるため、本トイレ砂はその他既知の凝集性トイレ砂よりも粉塵含有量が低く、結果としてトラッキングが起こりにくくなる。更に、本明細書に記載されるトイレ砂は動物用トイレに付着する可能性が低いため、本トイレ砂は、既知の凝集性トイレ砂よりも動物用トイレからの除去が容易である。
【0050】
[0050]本開示の別の態様では、本組成物は、比較的低密度の吸収性顆粒を含む吸収性基材を更に含む。比較的低密度の吸収性顆粒は、パーライトと凝集剤を含む粒子外表面のコーティングとを含む、非凝塊化粒子であり得る。一実施形態では、凝集剤はベントナイトを含む。
【0051】
[0051]いくつかの実施形態では、低密度の吸収性顆粒は、膨張パーライトと、粒子外表面のコーティングとから本質的になる粒子を含む。一実施形態では、コーティングは、ベントナイトを含む凝集剤を含む。別の実施形態では、凝集剤は、ナトリウムベントナイト及びグアーガムを含む。
【0052】
[0052]いくつかの実施形態では、パーライト又は膨張パーライトのコーティングを構成する凝集剤は、ベントナイト、グアーガム、デンプン、キサンタンガム、アラビアガム、アカシアガム、シリカゲル、及び他の鉱物、並びにこれらの混合物であり得る。
【0053】
[0053]ナトリウムベントナイトが凝集性層として又は凝集性層中に使用される場合、ナトリウムベントナイトはナトリウムの割合(%)が高いベントナイト粘土を指すが、カルシウムベントナイトをはじめとする他の粘土又は鉱物をもまた含有し得ることを理解すべきである。ナトリウムベントナイトは、採掘作業により直接供給することができる(天然ナトリウムベントナイト)、又はイオン交換プロセスによるカルシウムベントナイトの変換から得ることができる。ナトリウムベントナイトが凝集剤として又は凝集剤中に使用される場合、ベントナイトの嵩密度は、典型的には、約600~約1125kg/mの範囲である。いくつかの実施形態では、ナトリウムベントナイトの密度は、約600kg/m、約700kg/m、約800kg/m、約900kg/m、1000kg/m、又は約1100kg/mである。
【0054】
[0054]一実施形態では、ナトリウムベントナイト中の水分の割合は約6%~約7%である。
【0055】
[0055]ベントナイトは、0.2mm以下のサイズの粉末又は「微粒子」として提供され得る。例示的な実施形態では、ナトリウムベントナイト粒子のサイズは約0.15mm以下である。
【0056】
[0056]本明細書に記載される低密度のコーティングされた吸収性顆粒には、様々な粒径を使用することができる。いくつかの実施形態では、粒子は、約-8~+30メッシュ(米国標準ふるい)の膨張パーライトのサイズを有する。別の実施形態では、膨張パーライトの粒径は、約-6~+40メッシュである。いくつかの実施形態では、膨張パーライト粒子は、サイズ範囲内で均一には分布しない。
【0057】
[0057]典型的には、コーティングプロセスを促進するために少なくともいくらかの水分が存在するが、低密度の吸収性顆粒の含水率は比較的低い。一実施形態では、低密度のコーティングされたトイレ砂における膨張パーライトの含水率は0%~3%である。別の実施形態では、含水率は約0.5%である。
【0058】
[0058]概して、本開示によるトイレ砂組成物の調製方法は、パーライト及び/又は膨張パーライトを凝集剤でコーティングする工程を含む。一実施形態では、所定サイズの粒子を選択するためにパーライトをスクリーニングする。例えば、膨張パーライトをスクリーニングして、50メッシュの米国標準ふるいより小さい粒子を取り除いてもよい。いくつかの実施形態では、パーライトをスクリーニングして、40メッシュの米国標準ふるいよりも小さい、又は30メッシュの米国標準ふるいよりも小さい粒子を取り除く。
【0059】
[0059]パーライト粒子をエンロービングマシン内に配置し、粒子を撹拌して微粒子の低減を補助することで、粉塵の軽減を促進できる。一実施形態では、エンローバーに入れる前又は入れる際に膨張パーライト粒子を秤量し、粒子に水を噴霧する。一般に、添加する水の量は、エンローバー内の膨張パーライト粒子の重量に応じる。いくつかの実施形態では、添加する水の重量は、膨張パーライトの重量の約20%~約90%である。別の実施形態では、添加する水の重量は、膨張パーライトの重量の約50%~約85%である。1つの特定の実施形態では、添加する水の重量は、膨張パーライト粒子の重量の約65%である。
【0060】
[0060]パーライト粒子は、コーター中で凝集剤(例えば、ナトリウムベントナイト)でコーティングされる。一例として、遠心コーティング法を用いることができる。例えば、1バッチ分のパーライト粒子を体積により計量してフィードベルト上へ供給し、コーターを回転させながら当該コーター内に供給する。パーライト粒子は、コーターのチャンバー内を回転方向に転がる。任意選択のプレコンディショニング工程では、コーティング前にパーライト粒子を一定時間(例えば、30~60秒)コーター内でスピンさせる。
【0061】
[0061]コーターをスピンさせながら、コーターに水を添加できる。添加する水は、コーターに添加する凝集剤の重量に基づいて添加してもよい。添加する水の重量は、典型的には、凝集剤の重量のおよそ10~100%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%)である。一実施形態では、例えば、添加する水の重量は、凝集剤の重量のおよそ10~60%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、又は60%)である。別の実施形態では、例えば、添加する水の重量は、凝集剤の重量のおよそ10~40%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、又は40%)である。代替的に、水の添加は、エンローバー又はエンローバー及びコーターの両方において発生し得る。
【0062】
[0062]凝集剤(例えば、ナトリウムベントナイト)を計量してコーター内に供給する。一般に、コーターに添加する凝集剤の量は、パーライト粒子の体積に基づく。一実施形態では、例えば、膨張パーライト1立方フィート当たり、約5~約45ポンド(例えば、5ポンド、10ポンド、12ポンド、14ポンド、20ポンド、30ポンド、35ポンド、40ポンド、又は45ポンド)のナトリウムベントナイトを添加する。別の実施形態では、例えば、膨張パーライト1立方フィート当たり、約20~約35ポンド(例えば、20ポンド、25ポンド、30ポンド、又は35ポンド)のナトリウムベントナイトを添加する。更に別の実施形態では、膨張パーライト1立方フィート当たり、約20~約30ポンド(例えば、20ポンド、25ポンド、27ポンド、29ポンド、又は30ポンド)のナトリウムベントナイトを添加する。1つの特定の実施形態では、膨張パーライト1立方フィート当たり、およそ30ポンドのナトリウムベントナイトを添加する。
【0063】
[0063]ベントナイト系凝集剤に加えて又はその代わりに、グアーガムなどの他のコーティング材料をコーターに含めてもよい。このような材料は、ベントナイトと共に混合物として添加してもよい、又は別個の工程で添加してもよい。ベントナイト(又は他のコーティング材料)を計量してコーターのチャンバー内に供給した際、ベントナイトは湿った状態でスピンしている膨張パーライトと組み合わさり、膨張パーライト上にコーティングが形成される。
【0064】
[0064]コーティングされたパーライト(例えば、膨張パーライト)粒子を、任意選択的に、更に水と接触させる(例えば、水を霧吹きする又は噴霧する)ことができる。一般に、添加する水は、コーター内の凝集剤の重量に基づいて添加する。例示的な実施形態では、添加する水の重量は、凝集剤の重量の約1~約5%(例えば、1%、2%、3%、4%、又は5%)である。別の例示的な実施形態では、添加する水の重量は、凝集剤の重量の約5~約10%(例えば、5%、6%、7%、8%、9%、又は10%)である。更なる例示的な実施形態では、添加する水の重量は、凝集剤の重量の約1~約3%(例えば、1%、2%、又は3%)である。1つの特定の実施形態では、添加する水の重量は、凝集剤の重量のおよそ2%である。別の特定の実施形態では、添加する水の重量は、凝集剤の重量のおよそ5%である。別の特定の実施形態では、添加する水の重量は、凝集剤の重量のおよそ9%である。
【0065】
[0065]代替的実施形態では、コーティング後に特定の目標含水率を達成するのに適切な量で水を添加してもよい。一実施形態では、例えば、約20~約40%(例えば、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、又は40%)の目標含水率を達成するのに適切な量で水を添加する。別の実施形態では、例えば、約25~約30%の目標含水率を達成するのに適切な量で水を添加する。一実施形態では、パーライト粒子をベントナイトでコーティングするために回転システムを利用する。
【0066】
[0066]コーティングされた粒子を乾燥機に移す。乾燥では、コーティングを実質的に除去することなく、又は最終製品を実質的に損傷させることなく、コーティングされた粒子から水分を除去する。流動床乾燥機は、特定の実施形態で利用される。典型的には、コーティングされた粒子を、約1.5%~約20%の範囲の含水率を有するように乾燥させる。一実施形態では、例えば、コーティングされた粒子を、約5%~約15%(例えば、約5%、約7%、約9%、約11%、約13%、又は約15%)の範囲の含水率まで乾燥させる。別の実施形態では、例えば、コーティングされた粒子を、約7%~約10%(例えば、約7%、約8%、約9%、又は約10%)の範囲の含水率まで乾燥させる。1つの特定の実施形態では、例えば、コーティングされたトイレ砂製品の最終的な含水率は、およそ10%である。別の特定の実施形態では、コーティングされた粒子を、コーティングした粒子の外観が比較的均一になるのに十分な水分量まで乾燥する。
【0067】
[0067]別のスクリーニングプロセスを使用できる。振動スクリーナーを使用して、約8のメッシュサイズよりも大きく、約40のメッシュサイズよりも小さいコーティングされた膨張パーライト粒子を除去してもよい。スクリーニングプロセスで分離した、任意の過剰にコーティングされた膨張パーライトは、例えば、粉砕して他のトイレ砂製品に添加してもよい、又は他の悪臭若しくは水分制御製品に使用してもよい。
【0068】
[0068]様々な添加剤を、動物用トイレ砂組成物に任意選択的に適用してもよい。添加剤としては、例えば、悪臭制御剤、芳香剤、抗菌剤、固着防止剤、pH制御用の剤、着色用の粉末、染料、着色剤及び/若しくは着色された粒子、除塵剤、消毒剤、又はこれらの組み合わせが挙げられ得る。一実施形態では、例えば、コーティングされた粒子の少なくとも一部を着色剤で更にコーティングする。本発明のコーティングされたトイレ砂製品の様々な特徴は、既存のトイレ砂製品と比較して著しい改善を示す。
【0069】
[0069]例として、低密度のコーティングされたトイレ砂製品の密度は、他のトイレ砂製品と比べて比較的小さい。典型的には、例えば、コーティングされたトイレ砂製品の密度は約200~約600kg/mである。一実施形態では、コーティングされたトイレ砂製品の密度は、約300~約500kg/m(例えば、300kg/m、350kg/m、400kg/m、450kg/m、又は500kg/m)である。別の実施形態では、コーティングされたトイレ砂製品の密度は、約350~約450kg/m(例えば、350kg/m、400kg/m、450kg/m)である。1つの特定の実施形態では、コーティングされたトイレ砂製品の密度は、およそ350kg/mである。別の特定の実施形態では、コーティングされたトイレ砂製品の密度は、およそ400kg/mである。別の特定の実施形態では、コーティングされたトイレ砂製品の密度は、およそ450kg/mである。
【0070】
[0070]一般に、パーライト粒子を凝集剤で実質的にコーティングする。一実施形態では、例えば、粒子を75%超コーティングする。他の実施形態では、例えば、粒子を85%超、95%超、又は99%超コーティングする。好ましくは、コーティング材料は、粒子を完全に取り囲む又はエンローブする。いくつかの実施形態では、主として膨張パーライトから構成される凝塊化粒子もまた使用できる。
【0071】
[0071]本開示の別の態様は、周囲環境によい香りをもたらしながら、動物用トイレ砂におけるの悪臭を低減する又は取り除くための方法に関する。本方法は、悪臭を、芳香剤と約0.05重量パーセント~約5.0重量%の顆粒状悪臭吸着剤とを含む組成物と接触させる工程を含む。顆粒状悪臭吸着剤は、約0.4nm~約2.0nmの孔径及び約100m/g~約1500m/gの総表面積を有する。
【0072】
[0072]いくつかの実施形態では、本方法は、総表面積が約100m/g~約1200m/g、約100m/g~約1100m/g、約100m/g~約1000m/g、約100m/g~約800m/g、約100m/g~約700m/g、又は約100m/g~約600m/gである顆粒状悪臭吸着剤を含む。
【0073】
[実施例]
実施例1
[0073]ベースのトイレ砂に加えて様々な量及びタイプの吸着性材料を含有する、一連のトイレ砂サンプルを調製した。ベースのトイレ砂は、非凝集性コアとナトリウムベントナイトを含む凝集性外部層とを含む、香り付きの設計したトイレ砂であった。
【0074】
[0074]表1は、以下の実施例で使用する吸着性材料の特性を詳述したものである。活性炭A及び活性炭Bは市販品であった。アルミノシリケートモレキュラーシーブC及びアルミノシリケートモレキュラーシーブDは、市販の直径1/16インチの押出ペレットであった。アルミノシリケートモレキュラーシーブC及びアルミノシリケートモレキュラーシーブDを穏やかに粉砕して、約-8~約60メッシュのメッシュサイズを有する顆粒状モレキュラーシーブを製造した。
【0075】
【表1】
【0076】
[0075]表2(試験1及び試験2)の粉末活性炭を含有するトイレ砂サンプルは、粉末活性炭を非凝集性コアとナトリウムベントナイトを含む凝集性外部層との間の層として組み込むことで調製した。典型的なサンプル調製では、1.14gの高粘度カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)を、均一な透明溶液が形成されるまで、激しく撹拌しながらブレンダー中の568gの水に徐々に添加した。次いで、68.1gのココナッツベースの活性炭粉末を、均一なカーボンスラリー又は懸濁液が形成されるまで、激しく撹拌しながらCMC溶液に徐々に添加した。次に、約500RPMで回転している回転コーティング機内に1.25lbsの膨張パーライトコアを添加し、次いで調製したカーボンスラリー又は懸濁液を添加し、続いて3.75lbsの乾燥したナトリウムベントナイト粉末を添加した。その後、調製したトイレ砂材料を、流動床乾燥機内で含水率が6~12%になるまで乾燥させ、-8~30米国メッシュサイズの大きさに製造した。このトイレ砂サンプル中の炭素含有量は、3重量%であった。
【0077】
[0076]表2(試験3、試験4、及び試験5)の顆粒状活性炭を含有するトイレ砂サンプルは、顆粒状活性炭を摂氏120°度で4時間乾燥させて室温まで冷却した後、乾燥した顆粒状活性炭を凝集性トイレ砂と均一に混合することにより調製した。
【0078】
上記のように調製したトイレ砂サンプル中の芳香剤は、0.15重量%の量で存在した。試験1及び試験2に関しては、芳香剤を液体として約0.15重量%の最終濃度まで添加し、混合して1週間平衡させた。試験3、試験4、及び試験5に関しては、市販の香り付きのトイレ砂を購入して使用した。
【0079】
実施例2
[0077]上記のように調製した顆粒状又は粉末吸着剤を含有する香り付きトイレ砂サンプル、及び追加の顆粒状又は粉末吸着剤を含有しない対照サンプルを、悪臭を制御する能力及びよい香りを維持する能力について試験した。各サンプルを、ネコの尿及び/又はネコの糞便で処理した。5日後、排泄物の塊をトイレ砂から取り出し、糞便、尿、アンモニア、及び芳香に関連する香りの識別において訓練を受けた官能パネルが、業界で認められている方法論を利用して、各サンプルを0~100のスケールで評価した。結果を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】
[0078]粉末活性炭吸着剤を含有するトイレ砂サンプルでは、対照と比較して、芳香強度が58%以上減少した。対照的に、顆粒状活性炭を含有する3つのトイレ砂サンプルのうちの2つでは、芳香強度がそこまで減少しなかった。粉末吸着剤を含有するトイレ砂サンプルでは、悪臭強度が対照と比較して著しく増加した。一方、顆粒状悪臭吸着剤を含有するトイレ砂サンプルでは悪臭が減少し、場合によっては50%も減少した。
【0082】
実施例3
[0079]顆粒状モレキュラーシーブを含有するトイレ砂サンプルは、モレキュラーシーブ顆粒を香り付き凝集性トイレ砂と均一に混合することで調製した。組成物中の水分量は、約6重量%~約12重量%であった。芳香量は約0.15重量%であった。
【0083】
[0080]上記のように調製したモレキュラーシーブを含有するトイレ砂サンプル、及び追加の吸着剤を含有しない対照サンプルを、悪臭を制御する能力及びよい香りを維持する能力について試験した。各サンプルを、ネコの尿及び/又はネコの糞便で処理した。5日後、排泄物の塊をトイレ砂から取り出し、糞便、尿、アンモニア、芳香に関連する香りの識別において訓練を受けた官能パネルが、業界で認められている方法論を利用して、各塊を0~100のスケールで評価した。結果を表3に示す。同じ実験計画法を用いて実験を繰り返した。結果を表4に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
[0081]顆粒状モレキュラーシーブを含有する各サンプルでは、悪臭が30%超低減した。モレキュラーシーブCを含有する2つのサンプルでは、知覚される芳香が約31%未満低減し、顆粒状モレキュラーシーブDを含有する2つのサンプルでは、知覚される芳香が増加した。
【0087】
[0082]本明細書に記載される実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかであることは理解されるべきである。かかる変更及び改変は、本発明の主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なわずに、行うことができる。それゆえ、そのような変更及び改変は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
【0088】
[0083]更に、そのような変更及び改変が本開示の範囲内に含まれることが意図されているので、したがって、本実施形態は上記の方法論又は構成の厳密な詳細に限定されるものではない。更に、特に明記しない限り、「第1の」、「第2の」などの用語のいかなる使用も、いかなる順序又は重要性を示すものではなく、むしろ、「第1の」、「第2」などの用語は、単に1つの要素を別の要素と区別するために使用される。
【外国語明細書】