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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017833
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】粒状物印刷装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/06 20060101AFI20240201BHJP
   B65G 47/44 20060101ALI20240201BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
A61J3/06 Q
B65G47/44
B41J2/01 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120740
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 尚充
(72)【発明者】
【氏名】西川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】片岡 雅人
(72)【発明者】
【氏名】賈 増言
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼畑 侑弥
【テーマコード(参考)】
2C056
3F015
4C047
【Fターム(参考)】
2C056EB13
2C056EB45
2C056EC12
2C056EC31
2C056HA27
3F015AA21
3F015EA01
4C047CC15
4C047JJ32
4C047LL10
(57)【要約】
【課題】良品と判定された粒状物同士の接触を抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】粒状物印刷装置は、粒状物を保持しつつ、搬送経路に沿って粒状物を搬送する搬送機構と、搬送機構の搬送経路上において、粒状物の表面に印刷を行う印刷部と、印刷部により印刷が行われた粒状物を、粒状物印刷装置の外部に向かって搬送する排出部と、を備え、排出部は、複数の第1搬送経路を備え、複数の粒状物を一括に搬送する場合、粒状物ごとに異なる第1搬送経路を通過させることにより、複数の粒状物を搬送する。
【選択図】図8

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状物印刷装置であって、
粒状物を保持しつつ、搬送経路に沿って前記粒状物を搬送する搬送機構と、
前記搬送機構の前記搬送経路上において、前記粒状物の表面に印刷を行う印刷部と、
前記印刷部により印刷が行われた前記粒状物を、前記粒状物印刷装置の外部に向かって搬送する排出部と、
を備え、
前記排出部は、
複数の第1搬送経路を備え、
複数の前記粒状物を一括に搬送する場合、前記粒状物ごとに異なる前記第1搬送経路を通過させることにより、複数の前記粒状物を搬送する、
粒状物印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の粒状物印刷装置であって、
前記粒状物を支持する搬送ベルトを回動させることにより、前記粒状物を外部へ搬送する排出コンベアを備え、
前記排出部は、
前記粒状物を前記排出コンベアへ供給する排出シュートであって、
前記排出コンベアは、
複数の第2搬送経路を備え、
複数の前記粒状物を一括に搬送する場合、前記第1搬送経路から供給された前記粒状物を、前記粒状物ごとに異なる前記第2搬送経路を通過させることにより、複数の前記粒状物を搬送する、
粒状物印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の粒状物印刷装置であって、
前記排出コンベアが前記粒状物を搬送する速度は、前記搬送機構が前記粒状物を搬送する速度よりも大きい、
粒状物印刷装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の粒状物印刷装置であって、
前記排出コンベアは、前記搬送機構の鉛直下方に位置し、
前記排出シュートは、鉛直方向に対して傾斜する傾斜面を備える、
粒状物印刷装置。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載の粒状物印刷装置であって、
前記排出コンベアは、
前記搬送ベルトの上方の空間を、前記粒状物の搬送方向と直交する幅方向に所定の間隔で仕切ることにより、前記複数の第2搬送経路を形成させる1または複数の仕切り部
を備える、
粒状物印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状物に印刷を行う粒状物印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、錠剤や錠菓などの粒状物の表面に印刷を行う印刷装置が知られている。従来の印刷装置については、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1の印刷装置は、複数の錠剤をコンベアで搬送しつつ、各錠剤の表面に、インクジェット方式で画像を印刷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-041062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の印刷装置では、良品と判定された錠剤9は、吸着ベルト42の吸着孔421から、良品排出口114および良品シュート111の内部を通って良品排出コンベア112へ落下する。良品排出コンベア112へ落下した複数の錠剤9は、搬送ベルト116に載置されつつ、錠剤印刷装置1の外部へ搬出される。
【0005】
特許文献1の印刷装置では、複数の錠剤9が一括に良品排出口114から排出される場合、錠剤9同士が接触することにより、錠剤9に付されたインクが他の錠剤9に移るおそれがあった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、良品と判定された粒状物同士の接触を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、粒状物印刷装置であって、粒状物を保持しつつ、搬送経路に沿って前記粒状物を搬送する搬送機構と、前記搬送機構の前記搬送経路上において、前記粒状物の表面に印刷を行う印刷部と、前記印刷部により印刷が行われた前記粒状物を、前記粒状物印刷装置の外部に向かって搬送する排出部と、を備え、前記排出部は、複数の第1搬送経路を備え、複数の前記粒状物を一括に搬送する場合、前記粒状物ごとに異なる前記第1搬送経路を通過させることにより、複数の前記粒状物を搬送する。
【0008】
本願の第2発明は、第1発明の粒状物印刷装置であって、前記粒状物を支持する搬送ベルトを回動させることにより、前記粒状物を外部へ搬送する排出コンベアを備え、前記排出部は、前記粒状物を前記排出コンベアへ供給する排出シュートであって、前記排出コンベアは、複数の第2搬送経路を備え、複数の前記粒状物を一括に搬送する場合、前記第1搬送経路から供給された前記粒状物を、前記粒状物ごとに異なる前記第2搬送経路を通過させることにより、複数の前記粒状物を搬送する。
【0009】
本願の第3発明は、第2発明の粒状物印刷装置であって、前記排出コンベアが前記粒状物を搬送する速度は、前記搬送機構が前記粒状物を搬送する速度よりも大きい。
【0010】
本願の第4発明は、第2発明または第3発明の粒状物印刷装置であって、前記排出コンベアは、前記搬送機構の鉛直下方に位置し、前記排出シュートは、鉛直方向に対して傾斜する傾斜面を備える。
【0011】
本願の第5発明は、第2発明または第3発明の粒状物印刷装置であって、前記排出コンベアは、前記搬送ベルトの上方の空間を、前記粒状物の搬送方向と直交する幅方向に所定の間隔で仕切ることにより、前記複数の第2搬送経路を形成させる1または複数の仕切り部を備える。
【発明の効果】
【0012】
本願の第1発明~第5発明によれば、良品と判定された粒状物同士の接触を抑制することができる。
【0013】
特に、本願の第2発明によれば、良品と判定された粒状物同士の接触を、さらに抑制することができる。
【0014】
特に、本願の第3発明によれば、同じ第2搬送経路を通過する粒状物同士の接触を、抑制することができる。
【0015】
特に、本願の第4発明によれば、粒状物が排出シュートに落下する際に粒状物に加わる衝撃を軽減することで、粒状物の損傷の発生を抑制することができる。
【0016】
特に、本願の第5発明によれば、搬送ベルトの上方の空間を、複数の第2搬送経路とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】錠剤印刷装置の構成を示した図である。
図2】搬送コンベアの部分斜視図である。
図3】1つのヘッドの下面図である。
図4】錠剤印刷装置の制御ブロック図である。
図5】制御部において実現される機能を、概念的に示したブロック図である。
図6】錠剤印刷装置の部分側面図である。
図7】錠剤印刷装置の部分断面図である。
図8図6のA-A断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
<1.錠剤印刷装置の全体構成>
図1は、錠剤印刷装置1の構成を示した図である。この錠剤印刷装置1は、粒状物である複数の錠剤9を搬送しながら、各錠剤9の表裏両面に、製品名、製品コード、会社名、ロゴマーク等の画像を印刷する装置である。錠剤9は、素錠(裸錠)であってもよく、あるいは、糖衣錠、フィルムコーティング錠(FC錠)等のコーティング錠であってもよい。また、錠剤9は、硬カプセル剤および軟カプセル剤を含むカプセル剤であってもよい。また、本発明における「粒状物」は、医薬品としての錠剤に限らず、健康食品としての錠剤や、ラムネ等の錠菓であってもよい。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の錠剤印刷装置1は、供給機構10、第1ドラム15、第2ドラム20、搬送コンベア25、第1カメラ30、印刷部35、第2カメラ40、乾燥機構45、反転機構50、不良品排出機構60、良品排出機構70、および制御部100を備える。
【0021】
供給機構10は、錠剤印刷装置1に投入された複数の錠剤9を、第1ドラム15へ供給する機構である。本実施形態の供給機構10は、ボウルフィーダ11、第1シュート12、供給コンベア13、および第2シュート14を有する。
【0022】
ボウルフィーダ11は、複数の錠剤9を受ける円盤状のトラフ110を有する。ボウルフィーダ11は、トラフ110を振動させることにより、複数の錠剤9を移動させて、第1シュート12へ供給する。第1シュート12は、トラフ110と供給コンベア13との間で、円弧状に延びている。第1シュート12は、複数の供給路を有する。ボウルフィーダ11は、第1シュート12の各供給路へ錠剤9を供給する。これにより、多数の錠剤9が複数の列に整列される。すなわち、搬送方向に並ぶ錠剤9の列が、幅方向(搬送方向に対して直交する方向)に複数形成される。そして、整列後の錠剤9が、第1シュート12から供給コンベア13へ供給される。なお、図1では、1つの列の錠剤9のみが示されている。
【0023】
供給コンベア13は、第1シュート12から第2シュート14へ、錠剤9を搬送する機構である。供給コンベア13は、2つのプーリ131と、2つのプーリ131に架け渡された環状の供給ベルト132とを有する。2つのプーリ131の一方は、モータ(図示省略)から得られる動力により回転する。これにより、供給ベルト132が、図1中の矢印の方向に回動する。他方のプーリ131は、供給ベルト132の回動に伴い従動回転する。また、供給ベルト132の上部には、錠剤9の列の境界に沿って延びる仕切プレートが設けられている。第1シュート12から供給される錠剤9は、仕切プレートによって複数の列に整列された状態を維持しつつ、供給ベルト132の回動により、搬送方向の下流側へ搬送される。
【0024】
第2シュート14は、供給コンベア13と第1ドラム15との間で、直線状に延びている。第2シュート14は、複数の水平な供給路を有する。供給コンベア13から供給される複数の錠剤9は、第2シュート14の各供給路へ供給される。第2シュート14内の錠剤9は、供給コンベア13により搬送される後続の錠剤9に押されることによって、搬送方向の下流側へ搬送される。そして、第2シュート14の搬送方向下流側の端部から第1ドラム15へ、錠剤9が供給される。
【0025】
第1ドラム15は、第2シュート14から供給される複数の錠剤9を、搬送方向に一定の間隔をあけて保持しつつ搬送する機構である。第1ドラム15は、幅方向と平行な第1軸O1を中心とする略円筒状の外周面を有する。また、第1ドラム15には、図示を省略したモータが接続されている。モータを駆動させると、第1ドラム15は、第1軸O1を中心として、図1中の矢印の方向へ回転する。第1ドラム15は、その上端部付近の第1受渡位置P1から、第2ドラム20に近接する第2受渡位置P2まで、錠剤9を搬送する。
【0026】
図1に示すように、第1ドラム15は、ドラム本体16と、保持リング17とを有する。ドラム本体16は、第1軸O1を中心とする円筒状の外周面を有する。ドラム本体16は、例えば、ステンレス等の金属により形成される。保持リング17は、ドラム本体16の外周面に装着される。具体的には、複数の保持リング17が、錠剤9の列のそれぞれに対応する幅方向の位置に配置される。保持リング17は、例えば、ポリアセタール等の樹脂により形成される。
【0027】
各保持リング17の外周面は、複数の凹状のポケット18を有する。複数のポケット18は、第1軸O1を中心とする周方向に、一定の間隔で設けられている。また、保持リング17は、各ポケット18の底部に、錠剤9を吸着するための吸着孔19を有する。吸着孔19は、保持リング17を貫通する貫通孔である。
【0028】
第1ドラム15は、図示を省略した吸引機構と接続されている。吸引機構を動作させると、第1受渡位置P1と第2受渡位置P2との間の角度範囲に位置する第1ドラム15の内部空間から、気体が吸い出される。これにより、当該内部空間が、大気圧よりも低い負圧となる。また、当該内部空間と連通する吸着孔19にも、負圧が生じる。第2シュート14から供給される複数の錠剤9は、この負圧によって、保持リング17の吸着孔19に、吸着保持される。
【0029】
第2シュート14から供給される錠剤9は、1つずつポケット18に収容されて、吸着孔19に吸着保持される。このとき、錠剤9は、押圧機構141に押圧されることにより、保持リング17のポケット18へ誘い込まれる。その結果、複数の錠剤9の搬送方向の間隔が、ポケット18の間隔に応じた所定の間隔となる。各錠剤9は、ポケット18内の吸着孔19に吸着保持されつつ、第1ドラム15の回転によって、第1受渡位置P1から第2受渡位置P2まで搬送される。そして、錠剤9が第2受渡位置P2を通過すると、上記の負圧に保たれた内部空間の角度範囲から外れることによって、錠剤9の吸着が解除される。これにより、第1ドラム15から第2ドラム20へ、錠剤9が受け渡される。
【0030】
第2ドラム20は、第1ドラム15から受け渡される錠剤9を、搬送コンベア25まで搬送する機構である。第2ドラム20は、幅方向と平行な第2軸O2を中心とする略円筒状の外周面を有する。本実施形態では、第1ドラム15の外径と、第2ドラム20の外径とが、略同一である。ただし、第1ドラム15の外径と、第2ドラム20の外径とは、相違していてもよい。第2ドラム20には、図示を省略したモータが接続されている。モータを駆動させると、第2ドラム20は、第2軸O2を中心として、第1ドラム15とは反対の向きに回転する。第2ドラム20は、第1ドラム15に近接する第2受渡位置P2から、搬送コンベア25に近接する第3受渡位置P3まで、錠剤9を搬送する。第3受渡位置P3の高さは、第1受渡位置P1および第2受渡位置P2の高さよりも高い。
【0031】
図1に示すように、第2ドラム20は、ドラム本体21と、保持リング22とを有する。ドラム本体21は、第2軸O2を中心とする円筒状の外周面を有する。ドラム本体21は、例えば、ステンレス等の金属により形成される。保持リング22は、ドラム本体21の外周面に装着される。具体的には、複数の保持リング22が、錠剤9の列のそれぞれに対応する幅方向の位置に配置される。保持リング22は、例えば、シリコーン等の樹脂により形成される。
【0032】
各保持リング22は、複数の吸着孔24を有する。吸着孔24は、保持リング22を貫通する貫通孔である。また、第2ドラム20は、図示を省略した吸引機構と接続されている。吸引機構を動作させると、第2受渡位置P2と第3受渡位置P3との間の角度範囲に位置する第2ドラム20の内部空間から、気体が吸い出される。これにより、当該内部空間が、大気圧よりも低い負圧となる。また、当該内部空間と連通する吸着孔24にも、負圧が生じる。第1ドラム15から受け渡される複数の錠剤9は、この負圧によって、保持リング22の吸着孔24に吸着保持される。
【0033】
吸着孔24に吸着保持された錠剤9は、第2ドラム20の回転によって、第2受渡位置P2から第3受渡位置P3まで搬送される。そして、錠剤9が第3受渡位置P3を通過すると、上記の負圧に保たれた内部空間の角度範囲から外れることによって、錠剤9の吸着が解除される。これにより、第2ドラム20から搬送コンベア25へ、錠剤9が受け渡される。
【0034】
このように、本実施形態では、供給機構10から供給される複数の錠剤9を、第1ドラム15および第2ドラム20の2つのドラムを介して、搬送コンベア25へ搬送する。第1ドラム15は、複数の錠剤9を、搬送方向に間隔をあけた状態で保持する。第2ドラム20は、その搬送方向の間隔を保ちながら、搬送コンベア25へ錠剤9を搬送する。その際、第1ドラム15と第2ドラム20とで、錠剤9の搬送の向き(回転の向き)が反転する。これにより、搬送コンベア25の動作の向きに合わせて、第2ドラム20から搬送コンベア25へ、錠剤9を送ることができる。
【0035】
搬送コンベア25は、第2ドラム20から受け渡される複数の錠剤9を、吸着保持しつつ搬送する機構である。搬送コンベア25は、一対のプーリ26と、一対のプーリ26の間に架け渡された環状の搬送ベルト27とを有する。一対のプーリ26の一方は、図示を省略したモータから得られる動力により回転する。これにより、搬送ベルト27が、図1中の矢印の方向に回動する。一対のプーリ26の他方は、搬送ベルト27の回動に伴い従動回転する。なお、搬送コンベア25は、本発明の「搬送機構」に相当する。
【0036】
図2は、搬送コンベア25の部分斜視図である。図2に示すように、搬送ベルト27には、複数の吸着孔29が形成されている。複数の吸着孔29は、搬送方向および幅方向に間隔をあけて配列されている。各吸着孔29は、搬送ベルト27を貫通する貫通孔である。また、搬送コンベア25は、搬送ベルト27の内側の空間から気体を吸い出す吸引機構(図示省略)を有する。吸引機構を動作させると、搬送ベルト27の内側の空間が、大気圧よりも低い負圧となる。複数の錠剤9は、当該負圧によって、吸着孔29に1つずつ吸着保持される。
【0037】
このように、複数の錠剤9は、搬送ベルト27の表面に、搬送方向および幅方向に整列した状態で保持される。そして、搬送コンベア25は、搬送ベルト27を回動させることによって、複数の錠剤9を、環状の搬送経路に沿って搬送する。後述する4つのヘッド36の下方では、複数の錠剤9は、搬送ベルト27の上面に保持されつつ、水平方向に搬送される。また、後述する不良品排出機構60および良品排出機構70の上方では、複数の錠剤9は、搬送ベルト27の下面に保持されつつ、水平方向に搬送される。
【0038】
図2に示すように、本実施形態の搬送ベルト27の表面は、反転機構50による反転前の錠剤9を保持する第1領域A1と、反転後の錠剤9を保持する第2領域A2とを有する。第1領域A1と第2領域A2とは、幅方向に隣接する。本実施形態では、第1領域A1および第2領域A2に、複数の吸着孔29が、幅方向に3列ずつ設けられる。上述した供給機構10、第1ドラム15、および第2ドラム20により供給される錠剤9は、第1領域A1の吸着孔29に吸着保持される。また、両面に印刷がされた複数の錠剤9は、第2領域A2の吸着孔29から、不良品排出機構60または良品排出機構70へ排出される。
【0039】
第1カメラ30は、印刷前の錠剤9を撮影するための処理部である。第1カメラ30は、上述した第3受渡位置P3よりも搬送経路の下流側かつ印刷部35よりも搬送経路の上流側に位置する。また、第1カメラ30は、第1領域A1と第2領域A2の双方に跨がって、幅方向に延びる。第1カメラ30には、例えば、CCDやCMOS等の撮像素子が幅方向に配列されたラインセンサが用いられる。第1カメラ30は、搬送ベルト27により搬送される複数の錠剤9を撮影する。撮影により取得された画像は、第1カメラ30から後述する制御部100へ送信される。制御部100は、第1カメラ30から得られた画像に基づいて、各吸着孔29における錠剤9の有無、錠剤9の位置、および錠剤9の姿勢を検出する。また、制御部100は、第1カメラ30から得られた画像に基づいて、各錠剤9に欠け等の欠陥が無いかどうかの検査も行う。
【0040】
印刷部35は、搬送ベルト27により搬送される錠剤9の表面に、インクジェット方式で画像を印刷する処理部である。図1に示すように、本実施形態の印刷部35は、4つのヘッド36を有する。4つのヘッド36は、搬送ベルト27の上方に位置し、錠剤9の搬送方向に沿って、一列に配置されている。各ヘッド36は、第1領域A1と第2領域A2の双方に跨がって、幅方向に延びる。4つのヘッド36は、錠剤9に向けて、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)のインク滴を吐出する。すると、これらの各色により形成される単色画像の重ね合わせによって、錠剤9の表面に、多色画像が記録される。なお、各ヘッド36から吐出されるインクには、日本薬局方、食品衛生法等で認可された原料により製造された可食性インクが使用される。
【0041】
図3は、1つのヘッド36の下面図である。図3には、搬送ベルト27と、搬送ベルト27に保持された複数の錠剤9とが、二点鎖線で示されている。図3中に拡大して示したように、ヘッド36の下面には、インク滴を吐出可能な複数のノズル37が設けられている。本実施形態では、ヘッド36の下面に、複数のノズル37が、搬送方向および幅方向に二次元的に配列されている。各ノズル37は、幅方向に位置をずらして配列されている。このように、複数のノズル37を二次元的に配置すれば、各ノズル37の幅方向の位置を、互いに接近させることができる。ただし、複数のノズル37は、幅方向に沿って一列に配列されていてもよい。
【0042】
ノズル37からのインク滴の吐出方式には、例えば、ピエゾ素子に電圧を加えて変形させることにより、ノズル37内のインクを加圧して吐出する、いわゆるピエゾ方式が用いられる。ただし、インク滴の吐出方式は、ヒータに通電してノズル37内のインクを加熱膨張させることにより吐出する、いわゆるサーマル方式であってもよい。
【0043】
第2カメラ40は、印刷後の錠剤9を撮影するための処理部である。第2カメラ40は、印刷部35よりも搬送経路の下流側かつ乾燥機構45よりも搬送経路の上流側に位置する。また、第2カメラ40は、第1領域A1と第2領域A2の双方に跨がって、幅方向に延びる。第2カメラ40には、例えば、CCDやCMOS等の撮像素子が幅方向に配列されたラインセンサが用いられる。第2カメラ40は、搬送ベルト27により搬送される複数の錠剤9を撮影する。撮影により取得された画像は、第2カメラ40から後述する制御部100へ送信される。制御部100は、第2カメラ40から得られた画像に基づいて、錠剤9に印刷された画像の良否を検査する。
【0044】
乾燥機構45は、錠剤9に付着したインクを乾燥させる機構である。乾燥機構45は、第2カメラ40よりも搬送経路の下流側かつ後述する反転機構50、不良品排出機構60、および良品排出機構70よりも搬送経路の上流側に位置する。また、乾燥機構45は、第1領域A1と第2領域A2の双方に跨がって、幅方向に延びる。乾燥機構45には、例えば、搬送ベルト27により搬送される錠剤9へ向けて、加熱された気体(熱風)を吹き付ける、熱風供給機構が用いられる。錠剤9に付着したインクは、熱風により乾燥して、錠剤9の表面または裏面に定着する。
【0045】
反転機構50は、搬送ベルト27により搬送される錠剤9の表裏を反転させるとともに、第1領域A1から第2領域A2へ錠剤9を移動させる機構である。反転機構50は、乾燥機構45よりも搬送経路の下流側に位置する。反転機構50は、幅方向に並んだ一対の傾斜ドラム51を、複数組有する。各傾斜ドラム51は、円錐状の保持面を有する。一対の傾斜ドラム51のうち、一方の傾斜ドラム51は、第1領域A1において搬送される錠剤9を、保持面に吸着しつつ回転し、当該錠剤9を他方の傾斜ドラム51へ受け渡す。他方の傾斜ドラム51は、一方の傾斜ドラム51から受け取った錠剤9を、保持面に吸着しつつ回転し、当該錠剤9を第2領域A2へ受け渡す。これにより、錠剤9の表裏が反転するとともに、第1領域A1から第2領域A2へ錠剤9が移動する。
【0046】
供給機構10から第1ドラム15および第2ドラム20を介して搬送コンベア25へ搬送された錠剤9は、まず、搬送ベルト27の第1領域A1に保持される。そして、錠剤印刷装置1は、第1領域A1に錠剤9を保持しつつ搬送し、錠剤9の一方の面に対して、第1カメラ30による撮影、印刷部35による印刷、第2カメラ40による撮影、および乾燥機構45による乾燥、の各処理を行う。続いて、反転機構50が、錠剤9の表裏を反転されるとともに、第1領域A1から第2領域A2へ錠剤9を移動させる。その後、錠剤印刷装置1は、第2領域A2に錠剤9を保持しつつ搬送し、錠剤9の他方の面に対して、第1カメラ30による撮影、印刷部35による印刷、第2カメラ40による撮影、および乾燥機構45による乾燥、の各処理を行う。
【0047】
不良品排出機構60は、不良品と判定された錠剤9を、搬送ベルト27から排出する機構である。不良品排出機構60は、不良品回収箱61および第1ブロー機構62を備える。不良品回収箱61は、搬送ベルト27の外側(下側)に配置される。第1ブロー機構62は、搬送ベルト27の内側(上側)に配置される。不良品回収箱61と第1ブロー機構62とは、搬送ベルト27を介して上下方向に対向する。
【0048】
第1ブロー機構62は、搬送ベルト27の吸着孔29へ向けて、加圧された気体を吹き付ける機構である。第1ブロー機構62は、制御部100からの指令に従って、搬送ベルト27の複数の吸着孔29のうち、不良品と判定された錠剤9を保持する吸着孔29のみに、気体を吹き付ける。これにより、当該吸着孔29における錠剤9の吸着が解除される。その結果、不良品と判定された錠剤9が、搬送ベルト27から落下し、不良品回収箱61へ回収される。
【0049】
良品排出機構70は、良品と判定された錠剤9を、搬送ベルト27から排出する機構である。良品排出機構70の詳細な構成については、後述する。
【0050】
制御部100は、錠剤印刷装置1内の各部を動作制御するための手段である。図4は、錠剤印刷装置1の制御ブロック図である。図4中に概念的に示したように、制御部100は、CPU等のプロセッサ101、RAM等のメモリ102、およびハードディスクドライブ等の記憶部103を有するコンピュータにより構成される。記憶部103内には、錠剤9の搬送および印刷処理を実行するためのコンピュータプログラムCPが、記憶されている。
【0051】
また、図4に示すように、制御部100は、上述したボウルフィーダ11、供給コンベア13、第1ドラム15、第2ドラム20、搬送コンベア25、第1カメラ30、印刷部35、第2カメラ40、乾燥機構45、反転機構50、不良品排出機構60の第1ブロー機構62、後述する良品排出機構70の第2ブロー機構72と、それぞれ電気的に接続されている。
【0052】
制御部100は、記憶部103に記憶されたコンピュータプログラムCPやデータをメモリ102に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムCPに基づいて、プロセッサ101が演算処理を行うことにより、上記の各部を動作制御する。これにより、複数の錠剤9の搬送と、各錠剤9に対する印刷処理とが進行する。
【0053】
図5は、制御部100において実現される機能を、概念的に示したブロック図である。図5に示すように、制御部100は、検査部104を有する。検査部104の各機能は、上述したプロセッサ101が、コンピュータプログラムCPに従って動作することにより、実現される。検査部104は、第1カメラ30および第2カメラ40から得られる画像に基づいて、各錠剤9の良否を判定する。すなわち、検査部104は、搬送コンベア25により搬送される複数の錠剤9を、良品と不良品とに判別する。制御部100は、検査部104の判別結果に基づいて、第1ブロー機構62および第2ブロー機構72を制御する。
【0054】
<2.良品排出機構70の構成について>
続いて、良品排出機構70のより詳細な構成について、説明する。図6は、錠剤印刷装置1の部分側面図である。図7は、錠剤印刷装置1の部分断面図である。図8は、図6のA-A断面を示す断面図である。
【0055】
良品排出機構70は、検査部104により良品と判定された錠剤9を、錠剤9を排出する排出位置P4において、搬送ベルト27から排出するための機構である。良品排出機構70は、良品排出シュート71、第2ブロー機構72、良品排出コンベア73、良品排出口74を有する。良品排出シュート71は、搬送ベルト27の外側(下側)に配置される。第2ブロー機構72は、搬送ベルト27の内側(上側)に配置される。良品排出シュート71と第2ブロー機構72とは、搬送ベルト27を介して、上下方向に対向する。
【0056】
第2ブロー機構72は、搬送ベルト27の吸着孔29へ向けて、加圧された気体を吹き付ける機構である。第2ブロー機構72は、搬送ベルト27の全ての吸着孔29に、気体を吹き付ける。これにより、全ての吸着孔29における錠剤9の吸着が解除される。その結果、不良品排出機構60で排出されなかった錠剤9(すなわち良品の錠剤9)が、搬送ベルト27から落下し、良品排出シュート71へ排出される。
【0057】
良品排出シュート71は、第2ブロー機構72により搬送ベルト27から排出された錠剤9を、良品排出コンベア73へ搬送する。良品排出シュート71は、筒形状を有する。なお、良品排出シュート71は、本発明の「排出部」に相当する。良品排出シュート71は、分割部711、傾斜面712、および排出口713を備える。
【0058】
分割部711は、プレート状の部材であり、良品排出シュート71の内部空間を、幅方向に所定の間隔で分割する。本実施形態では、良品排出シュート71は、2つの分割部711(第1分割部711Aおよび第2分割部711B)を備える。なお、分割部711の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。図8に示すように、第1分割部711Aおよび第2分割部711Bは、良品排出シュート71の内部空間を、複数の経路S11、S12、S13に分割する。なお、経路S11~S13は、本発明の「第1搬送経路」に相当する。
【0059】
図8に示すように、各経路S11~S13の位置は、第2領域A2に設けられた各列の吸着孔29A~29Cの位置と、幅方向においてそれぞれ一致する。そのため、吸着孔29A~29Cにそれぞれ保持される錠剤9A~9Cは、排出位置P4において、経路S11~S13へそれぞれ落下する。すなわち、排出位置P4において一括に排出される錠剤9A~9Cは、錠剤ごとに異なる経路S11~S13を通過する。これにより、排出位置P4において一括に排出される錠剤9A~9Cが、互いに接触することを抑制することができる。
【0060】
傾斜面712は、経路S11~S13に跨るように設けられる。図7に示すように、傾斜面712は、鉛直方向に対して所定の角度で傾斜している。また、傾斜面712は、その中途部において傾斜角度が変化する。経路S11~S13に落下した錠剤9A~9Cは、傾斜面712を滑るようにして排出口713まで搬送され、良品排出コンベア73へ供給される。これにより、錠剤9が良品排出シュート71に落下する際に錠剤9に加わる衝撃を軽減することで、錠剤9の損傷を抑制することができる。
【0061】
良品排出コンベア73は、良品排出シュート71から供給された錠剤9を支持する搬送ベルト732を回動させることにより、錠剤9を錠剤印刷装置1の外部へと搬送する。良品排出コンベア73は、搬送ベルト27および良品排出シュート71の鉛直下方に位置する。なお、良品排出コンベア73は、本発明の「排出コンベア」に相当する。良品排出コンベア73は、一対のプーリ731、搬送ベルト732、仕切り部733、およびカバー734を備える。
【0062】
カバー734は、良品排出シュート71と搬送ベルト732との間に位置し、搬送ベルト732の上方を覆う。図7に示すように、カバー734は、貫通孔735を備える。貫通孔735は、良品排出シュート71の排出口713と位置が重なるように設けられている。そのため、良品排出シュート71から良品排出コンベア73へ供給された錠剤9は、貫通孔735を通過し、搬送ベルト732へ載置される。
【0063】
一対のプーリ731の一方は、図示を省略したモータから得られる動力により回転する。これにより、搬送ベルト732が、図7中の矢印の方向に回動する。また、一対のプーリ731の他方は、搬送ベルト732の回動に伴い従動回転する。これにより、搬送ベルト732に載置された錠剤9は、搬送ベルト732とともに搬送方向に移動する。
【0064】
仕切り部733は、プレート状の部材であり、カバー734から搬送ベルト732に向かって、カバー734に対して垂直方向に延びる。なお、仕切り部733の形状は、プレート状に限定されない。本実施形態では、良品排出コンベア73は、2つの仕切り部733(第1仕切り部733Aおよび第2仕切り部733B)を備える。なお、仕切り部733の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。第1仕切り部733Aおよび第2仕切り部733Bは、搬送ベルト732の上方においてカバー734に覆われた空間を、幅方向に所定の間隔で仕切る。これにより、搬送ベルト732の上方においてカバー734に覆われた空間は、複数の空間に仕切られる。これにより、複数の経路S21、S22、S23が形成される。なお、経路S21~S23は、本発明の「第2搬送経路」に相当する。
【0065】
また、第1仕切り部733Aおよび第2仕切り部733Bは、搬送ベルト732と接触しない位置に設けられる。そのため、第1仕切り部733Aおよび第2仕切り部733Bが、搬送ベルト732の回動動作に干渉することはなく、互いに接触して摩耗することもない。
【0066】
図8に示すように、第1仕切り部733Aは、良品排出シュート71の第1分割部711Aと、幅方向において同じ位置に設けられる。同様に、第2仕切り部733Bは、第2分割部711Bと、幅方向において同じ位置に設けられる。すなわち、良品排出コンベア73の経路S21~S23は、それぞれ、良品排出シュート71の経路S11~S13と連通している。これにより、良品排出シュート71の各経路S11~S13から良品排出コンベア73へそれぞれ供給された錠剤9A~9Cは、錠剤ごとに異なる経路S21~S23へ供給される。具体的には、経路S11を通過した錠剤9Aは、経路S21へ供給される。経路S12を通過した錠剤9Bは、経路S22へ供給される。経路S13を通過した錠剤9Cは、経路S23へ供給される。これにより、錠剤9A~9Cは、互いに接触することなく、良品排出コンベア73により錠剤印刷装置1の外部へと搬送される。
【0067】
なお、第1分割部711Aと第1仕切り部733Aとは、幅方向において同じ位置に設けられていなくてもよい。また、第2分割部711Bと第2仕切り部733Bとは、幅方向において同じ位置に設けられていなくてもよい。各分割部711A、711B、および各仕切り部733A、733Bの位置は、錠剤9A~9Cが互いに接触することなく、S11~S13からS21~S23へそれぞれ供給可能である限りにおいて、変更することができる。
【0068】
良品排出コンベア73により搬送される錠剤9は、搬送ベルト732が回動する際に錠剤9に働く慣性力等により、搬送ベルト732上を移動することがある。この時、搬送方向における錠剤9同士の距離が小さいと、同じ経路S21~S23において搬送される錠剤9同士が、接触する可能性がある。この問題を解決するために、良品排出コンベア73による錠剤9の搬送速度は、搬送コンベア25による錠剤9の搬送速度より、大きくなっている。これにより、同じ経路S21~S23を通過する錠剤9間の、搬送方向における距離が大きくなる。したがって、錠剤9同士の接触を抑制することができる。
【0069】
経路S21~S23においてそれぞれ搬送される錠剤9A~9Cは、良品排出口74において合流し、錠剤印刷装置1の外部へと排出される。錠剤9A~9Cに付されたインクは、良品排出シュート71および良品排出コンベア73により搬送される間に、自然乾燥される。そのため、良品排出口74において錠剤9同士が互いに接触したとしても、錠剤9に付されたインクが他の錠剤9に移ることはない。
【0070】
以上のように、この錠剤印刷装置1では、良品と判定された複数の錠剤9を、搬送コンベア25から一括に排出する際に、錠剤9ごとに異なる経路S11~S13を通過させる。これにより、良品と判定された錠剤9同士の接触を抑制することができる。したがって、錠剤9に付されたインクが他の錠剤9に移ることを抑制できる。また、最終的な検品において不良とされる錠剤の量を減らすことができるため、医薬資源の廃棄量を抑制できる。
【0071】
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0072】
上記の実施形態では、印刷部35に、4つのヘッド36が設けられていた。しかしながら、印刷部35に含まれるヘッド36の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0073】
上記の実施形態では、排出位置P4において搬送ベルト27から排出された錠剤9は、良品排出シュート71を経て良品排出コンベア73へ供給されていた。しかしながら、良品排出シュート71を設けず、排出位置P4において、搬送ベルト27から良品排出コンベア73へ錠剤9を直接供給してもよい。この場合、良品排出コンベア73が、本発明の「排出部」に相当し、経路S21~S23が、本発明の「第1搬送経路」に相当する。
【0074】
上記の実施形態では、仕切り部733は、カバー734から、搬送ベルト732に向かって、カバー734に対して垂直方向に延びていた。しかしながら、仕切り部733は、搬送ベルト732の表面に設けられていてもよい。例えば、仕切り部733として、搬送ベルト732の表面に搬送方向に並ぶ複数の突起を設けることによって、経路S21~S23を仕切ってもよい。
【0075】
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に取捨選択してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 :錠剤印刷装置
9 :錠剤
10 :供給機構
20 :第2ドラム
25 :搬送コンベア
30 :第1カメラ
35 :印刷部
40 :第2カメラ
45 :乾燥機構
50 :反転機構
60 :不良品排出機構
70 :良品排出機構
71 :良品排出シュート
72 :第2ブロー機構
73 :良品排出コンベア
74 :良品排出口
100 :制御部
711 :分割部
712 :傾斜面
733 :仕切り部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8