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特開2024-178336再生セルロース繊維の処理方法及び処理された繊維
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178336
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】再生セルロース繊維の処理方法及び処理された繊維
(51)【国際特許分類】
   D06M 15/05 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
D06M15/05
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024164657
(22)【出願日】2024-09-21
(62)【分割の表示】P 2020010451の分割
【原出願日】2020-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】594074012
【氏名又は名称】東北整練株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146732
【弁理士】
【氏名又は名称】横島 重信
(72)【発明者】
【氏名】相田 秀美
(57)【要約】
【課題】水洗い洗濯後等の縮み量を縮小することで、寸法安定化された再生セルロース系繊維を提供することを課題とする。
【解決手段】再生セルロース原料を紡糸して得られる素繊維を含む撚糸の表面に吸着物を有する繊維であって、当該吸着物にはセルロースナノファイバーが含まれる繊維。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生セルロース原料を紡糸して得られる素繊維を含む撚糸の表面に吸着物を有する繊維であって、当該吸着物にはセルロースナノファイバーが含まれることを特徴とする繊維又は方法。
【請求項2】
セルロースナノファイバーが分散したセルロースナノファイバー分散液中に再生セルロース原料を紡糸して得られる素繊維を含む繊維を浸漬してセルロースナノファイバーを含む吸着物を吸着させるセルロースナノファイバー吸着工程と、
当該セルロースナノファイバーを含む吸着物を吸着させた繊維を乾燥させる乾燥工程を含むことを特徴とする繊維又はその処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生セルロースを紡糸等することで得られる再生セルロース繊維を寸法安定化する処理方法、及び、当該処理方法により処理された再生セルロース繊維、再生セルロース繊維を含む織編物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル、アセテートなどの再生セルロース系繊維は、独特のドレープ性や、セルロースフィラメント特有の風合や光沢、滑りやすさを有することから、婦人服地全般やストール、紳士・婦人服用の裏地の他、カーテン、手芸糸、ふろしき、かばん、履物等の幅広い用途に使用されている。また、再生セルロース系繊維が示す保温性や吸湿性を利用して肌着用途にも広く使用され、近年では、繊維表面に水分が吸着した際に生じる吸湿発熱効果を利用した機能性肌着等としての用途が拡大している。
【0003】
一方、上記再生セルロース系繊維においては、吸湿性の高さに起因して、水洗い洗濯等で水に浸けることにより吸水して膨潤し、その後の乾燥の際に繊維長が収縮するという特徴を有することが知られている。このため、再生セルロース系繊維を使用した織物は一般に水洗いが困難であり、ドライクリーニングにより洗濯が必要となる問題点を有している。
【0004】
上記、再生セルロース系繊維が示す膨潤性や、それに伴う繊維長の収縮現象は、セルロース原料から再生セルロース系繊維を製造する工程に起因して当該繊維が有する構造に由来するものと考えられている。つまり、再生セルロース系繊維の製造においては、天然のセルロース原料を二硫化炭素や銅アンモニア溶液等に溶解したものを紡糸等するため、その過程で天然のセルロースが有する結晶性が低下することが知られている。これに起因して、再生セルロース系繊維においては、これを構成するセルロース分子間に水分が浸透し易いために膨潤性を示し、また、膨潤した際に繊維内でセルロース分子の再配列を生じるために乾燥後に収縮を生じるものと考えられる。
【0005】
上記問題点を解消するため、従来から各種の改善策が提案されている。例えば、特許文献1には、長鎖炭化水素系化合物を再生セルロース繊維等の表面に設けることで、洗濯等に起因する織物のダメージを抑制する方法が記載されている。また、特許文献2には、アミノ変性シリコーンによって再生セルロース繊維等の表面をコーティングすることで、水洗い洗濯を可能とする方法が記載されている。一方、特許文献3には、再生セルロース系繊維に対して、セルロース分子中の水酸基と反応する所定の架橋剤を適用して、セルロース分子間および分子間に架橋構造を形成することで、繊維内でのセルロース分子の再配列を抑制して水洗い洗濯等による縮み等を抑制する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-6808号公報
【特許文献2】特開2012-1830号公報
【特許文献3】特開2005-113333号公報
【特許文献4】特開2008-1728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記再生セルロース系繊維が有する問題点を改善し、特に再生セルロース系繊維を含む織編物における水洗い洗濯後の縮み量を縮小して寸法安定化するための新規な処理方法を提供することを課題とする。また、当該方法によって処理された再生セルロース系繊維、及び当該再生セルロース系繊維を含む織編物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供するものである。
(1)再生セルロース原料を紡糸して得られる素繊維を含む撚糸の表面に吸着物を有する繊維であって、当該吸着物にはセルロースナノファイバーが含まれる繊維。
(2)セルロースナノファイバーが分散したセルロースナノファイバー分散液中に再生セルロース原料を紡糸して得られる素繊維を含む繊維を浸漬してセルロースナノファイバーを含む吸着物を吸着させるセルロースナノファイバー吸着工程と、当該セルロースナノファイバーを含む吸着物を吸着させた繊維を乾燥させる乾燥工程を含む繊維の処理方法。
また、本発明は更に以下の手段を含むものである。
(3)セルロースナノファイバーの重量割合が0.01wt%以上である上記の繊維。
(4)上記吸着物には更に樹脂が含まれる上記の繊維。
(5)上記の繊維を含む織編物。
(6)セルロースナノファイバー分散液が樹脂成分を含む上記の処理方法。
(7)上記乾燥工程の後に、更に樹脂成分を含む溶液中に再生セルロース繊維を浸漬する樹脂吸着工程を含む上記の処理方法。
(8)上記繊維が織編物に加工されたものである上記の処理方法
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、再生セルロース繊維の寸法安定化が図られ、再生セルロース繊維や、再生セルロース繊維を含む織編物を水洗い洗濯した後の縮み量を縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】CNF分散液中からCNFを析出させた状態の一例を示す写真である。
図1B】再生セルロース繊維の防縮処理を行った後のCNF分散液中からCNFを析出させた状態の一例を示す写真である。
図2A】CNFを吸着したキュプラ繊維のSEM像である。
図2B】キュプラ繊維のSEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明が適用される繊維として、いわゆる再生セルロース繊維と称される繊維に対して本発明が望ましく適用される。本発明における再生セルロースとは、天然セルロースに比べて高い吸湿性を示すセルロース及びセルロース誘導体であって、天然セルロース(セルロースI)を二硫化炭素や銅アンモニア溶液等の所定の溶剤に溶解した後に再析出させてなる水和セルロース(セルロースII)や、その過程で一定の化学的改変を生じさせたセルロース誘導体も含むものとする。また、天然セルロースを溶解しないものであっても、アルカリ処理等によって水和セルロースとされたものも含むものとする。
【0012】
上記再生セルロースとして、例えば、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル、フォルチザン、マーセル化綿、アセテート等が挙げられる。また、本発明において再生セルロース繊維とは、上記再生セルロース原料を紡糸等して得られる素繊維、及び、当該素繊維のみを撚糸し、又は、他の原料からなる繊維と混紡して得られる繊維を意味するものとする。また、本発明において織編物とは織物、編み物、不織布等の布地状にされたもの、及び、当該布地を縫製等してなる成形体を意味する。
【0013】
本発明は再生セルロース繊維、及び、再生セルロース繊維を含む織編物に広く適用可能であり、本発明に係る処理を行うことにより、水洗い洗濯等の際の織編物の収縮を抑制することができ、また再生セルロース繊維の部分的な収縮等に伴う織編物における“シボ”の発生を抑制することが可能となる。なお、本明細書において、再生セルロース繊維等と記載する場合には、上記再生セルロース繊維と共に、当該再生セルロース繊維を含む織編物を意味するものとする。
【0014】
再生セルロース繊維等のうちで、特に全繊維重量に対して再生セルロース成分を1wt%以上の割合で含む再生セルロース繊維等においては、本発明に係る防縮処理方法による処理によって有効な効果を生じることができる。また、再生セルロース成分を10wt%以上、30wt%以上、或いは50wt%以上の割合で含む再生セルロース繊維等や、再生セルロース成分を70wt%以上、90wt%以上含むことで実質的に再生セルロースから構成される繊維や織編物においては、本発明に係る処理方法によって処理を行うことで、水洗い洗濯等により含水させた際の再生セルロース繊維の膨潤が軽減されることにより、その後に乾燥させた際の収縮を有効に軽減することが可能となる。
【0015】
本発明に係る再生セルロース繊維、及び当該再生セルロース繊維を含む織編物は、その繊維表面にセルロースナノファイバー(以下、「CNF」と記載することがある。)を含む吸着物が吸着していることを特徴とする。
【0016】
上記CNFは、植物の細胞壁等に含まれる高結晶性のセルロース分子の束であるセルロースミクロフィブリルを各種の処理方法によって取り出した微細なセルロース繊維の総称である(例えば、特許文献4等を参照。)。CNFは、典型的には平均繊維径が2~150nm程度、アスペクト比(繊維長/繊維径)が100~10000程度であり、再生セルロースの素繊維(直径が10μm程度)と比較しても非常に微細な繊維状の物質であり、且つ、単位断面積当りの強度が鋼鉄以上であるとも言われる強靱な繊維状のセルロースである。
【0017】
本発明に係る再生セルロース繊維等において、未処理の再生セルロース繊維と比較して寸法安定性が改善される機構は必ずしも明らかではない。一方、実施例において示すように、本発明に係る防縮処理方法によって処理された再生セルロース繊維においては、微細な繊維状のCNF、或いは当該CNFが繊維状に集合したCNFの集合物が再生セルロース繊維に吸着した構造を有することが観察される。このことから、強靱なCNFが再生セルロース繊維に絡み付いて吸着することによって再生セルロース繊維を物理的に拘束し、再生セルロース繊維が吸水して膨潤する際に、その繊維径の増加等を阻害する結果として耐膨潤性が改善されるものと推察される。また、当該CNFによる物理的拘束によって再生セルロース繊維内でのセルロース分子の再配列が妨げられることによって、乾燥後の収縮が抑制されるものと考えられる。
【0018】
本発明で使用するCNFは、水溶液等の分散媒に分散可能なものであれば、セルロース原料からCNFを得る際のCNFの製造方法等によらず特に制限無く使用することができる。例えば、セルロース繊維を機械的に解繊して製造されたCNFや、セルロース繊維を酸加水分解やアルカリ処理することによって製造されたCNFであって、粉末状の形態で市販されているCNFや、水分散液などの形態で市販されているCNFを使用して、これを適宜の濃度で含む分散液としたものを処理液として使用することができる。
【0019】
本発明に係る防縮処理方法によりCNFが再生セルロース繊維に吸着することにより、当該CNFが再生セルロース繊維の吸水による体積増加を制限することでその膨潤を抑制すると考えられ、微量のCNFが再生セルロース繊維に吸着することによっても本発明に係る効果を生じることができる。一方、再生セルロース繊維を基準として、0.01wt%以上のCNFが繊維の表面に吸着して被覆されることにより、再生セルロース繊維表面でのCNF間の間隔が小さくなり、再生セルロース繊維が含水した際の膨潤を有効に抑制することが可能となる。また、0.05wt%或いは0.1wt%以上の割合でCNFを吸着させて繊維を被覆することにより、繊維の膨潤性を顕著に改善することが可能となる。更に、再生セルロース繊維に対して0.5wt%或いは1.0wt%以上のCNFを吸着させることで、実質的に再生セルロース繊維の表面の全面をCNFで被覆することが可能である。
【0020】
また、繊維の膨潤性の改善の点では被覆するCNFの量に上限はないが、過剰な量のCNFを再生セルロース繊維に吸着して被覆することで繊維の柔軟性が損なわれる、いわゆる“紙化”を生じる傾向が見られる。このため、CNFを被覆する再生セルロース繊維の風合いを維持する点からは、吸着するCNFの量を、繊維を基準にして5wt%以下にすることが望ましい。
【0021】
一般に使用される再生セルロース繊維の素繊維の直径が10μm程度であることを考慮すると、例えば、繊維に対して0.1wt%程度のCNFで繊維を被覆した際の当該CNFの被覆層の平均厚さは2.5nm程度であると見積もられる。当該値は通常知られるCNFの直径未満の値であることから、当該量のCNFは再生セルロース繊維の表面の全面を覆うのでなく、所定の間隔をおいてランダムに吸着するものと考えられる。つまり、本発明に係る方法で処理された繊維表面は必ずしもCNFによって全面が覆われる必要はなく、繊維が含水した際に、膨潤により体積増加を抑制可能な程度の密度でCNFが繊維表面に吸着することにより、膨潤性を改善することが可能である。
【0022】
具体的には、繊維表面の10%以上の面積にCNFが吸着して被覆することで再生セルロース繊維の膨潤性の改善に効果を生じ、30%以上、あるいは50%以上の面積にCNFが吸着することによって顕著な膨潤性の改善効果を生じることができる。また、CNFによって実質的に再生セルロース繊維の全面が覆われ、更に、複層のCNFによって再生セルロース繊維の全面が覆われるような形態においても、顕著な膨潤性の改善効果を生じることができる。再生セルロース繊維の表面に吸着したCNFは、例えば、走査型電子顕微鏡等によって観察することが可能であり、再生セルロース繊維の被覆率等を評価することが可能である。
【0023】
再生セルロース繊維に対するCNFの吸着処理は、適宜の割合でCNFが分散したCNF分散液中に再生セルロース繊維等を浸漬してCNFを再生セルロース繊維等に含浸して吸着させるCNF吸着工程の後、当該再生セルロース繊維等を乾燥させる乾燥工程を行うことにより行うことができる。また、当該乾燥工程の後に、再生セルロース繊維等を所定の形状に維持した状態で150~200℃程度でセット処理(形状安定化処理)を行うことにより、表面にCNFが吸着した再生セルロース繊維等に初期形状を付与することができる。
【0024】
上記再生セルロース繊維等に対してCNFを吸着させる処理は、例えば、紡績を行う前の再生セルロース繊維の単繊維や、精練や漂白を経た再生セルロース繊維に対してCNFを吸着してもよく、当該繊維を用いて得られた織編物に対してCNFを吸着してもよい。
【0025】
また、本発明に係る処理方法は、CNFが分散した分散液中に再生セルロース繊維等を浸漬してCNFを再生セルロース繊維等に含浸・吸着させるものであり、繊維製品の染色工程と類似するものであることから、繊維物又は織編物に対して行う染色等の工程の一部として行うことが可能である。つまり、本発明に係る効果を阻害しない範囲で、染色工程にある繊維物又は織編物に対して、染色する前又は後の繊維物又は織編物にCNFを吸着させてもよく、染料などにCNFを混合して染色と同時に再生セルロース繊維等にCNFを吸着させてもよい。
【0026】
また、再生セルロース繊維等に各種の特性を付与するために行われる樹脂を用いた加工と、本発明に係るCNFを用いる処理を併用することも可能である。つまり、本発明に係るCNF処理を行った再生セルロース繊維等に樹脂加工を行うことや、CNFを含む分散液に樹脂成分等を混合した処理液を用いてCNF処理と樹脂加工を同時に行うこと、及び、樹脂加工を行った再生セルロース繊維等に対して本発明に係るCNF処理を行う等、樹脂を用いる加工との各種の組合せが可能である。
【0027】
再生セルロース繊維等に対してCNFを吸着する手段として、例えば、染料を溶解させた浴中に繊維を浸漬させて繊維に染料を吸尽させる、いわゆる浸染に分類される手段を適宜使用することが可能であり、当該浴としてCNFの分散液を使用することにより容易にCNFを吸着することができる。例えば、CNFを含む分散液中に再生セルロース繊維等を浸漬した状態で容器内に密閉し、120℃程度まで加熱して高温高圧下に保持する浸染高圧加工によれば、分散液中に含まれるCNFを効率的に再生セルロース繊維等に吸着することが可能である。
【0028】
また、再生セルロース繊維を含む織編物の染色後などに仕上げ工程として実施されるパディング加工工程等において、CNFを含む処理液に再生セルロース繊維を含む織編物を浸漬してCNFを吸着させ、その後にロールによる脱水、乾燥、熱処理(キュア)工程等により再生セルロース繊維等にCNFを吸着してもよい。
【0029】
また、単に再生セルロース繊維等をCNF分散液中に浸漬させて繊維の表面にCNFを吸着させた後、乾燥や加熱処理を行うことによってもCNFを再生セルロース繊維表面に吸着可能であり、防縮効果を生じることができる。その他、スプレー法、コーティング法、プリント法等を利用してCNFを再生セルロース繊維表面に吸着させることも可能である。
また、特に再生セルロース繊維を含む織編物に対してCNF吸着処理を行うことで、織編物内に存在する繊維の交錯箇所にもCNFが吸着し、繊維間で生じるズレが抑制されることが期待され、より効果的に防縮効果等を生じることができる。
【0030】
本発明に係る処理方法においてCNFを分散させる分散媒は、処理される再生セルロース繊維等を特に害しない範囲で適宜の分散媒を使用することができる。CNFの分散液として、水溶液中にCNFを分散したCNF含有水溶液が市販されており、当該CNF含有水溶液を適宜に希釈する等して得られるCNF水分散液を使用して本発明に係る処理を行うことが可能である。一方、例えば、一般のドライクリーニング等で使用されるような、再生セルロース繊維等に対する攻撃性の低い有機溶剤を使用して、当該溶剤中にCNFを分散させた分散液を用いて本発明に係る処理を行うことで、当該処理中に生じる再生セルロース繊維等の含水による膨潤を防止できる点で好ましい。
【0031】
本発明に係る処理方法においては、処理後の再生セルロース繊維等に吸着するCNFの量を考慮して、使用するCNF分散液中のCNFの量(濃度)を決定することが望ましい。
上記浸染加工によりCNFを再生セルロース繊維等に吸着する場合には、CNF分散液中のCNFのほぼ全量を再生セルロース繊維等に吸着することが可能であるため、処理に係る再生セルロース繊維等の量と、目標とするCNF吸着量に応じた量のCNFを分散させた処理液を用いることができる。
【0032】
また、CNFを含む処理液に対して、所定の条件で再生セルロース繊維等を浸漬して、その後に脱水などを行うパディング加工等によりCNFを再生セルロース繊維等に吸着する場合には、処理後の再生セルロース繊維等に所望のCNF量が吸着するように、処理液中のCNF濃度等を決定することが望ましい。
例示的には、0.001%程度以上のCNFが存在する処理液中に再生セルロース繊維等を浸染し、又は当該処理液を用いてパディング加工を行うことで、再生セルロース繊維等に対して膨潤性の低下や、水洗い洗濯後の収縮量の低下等を生じさせることが可能である。
【0033】
CNFが分散した分散液中に再生セルロース繊維等を浸漬することで、再生セルロース繊維等に接触したCNF、或いはその繊維状の集合物が当該繊維の表面に絡み付いて付着すると共に、主に両者が同一の分子構造を有することに起因して再生セルロース繊維表面にCNFが良好に吸着するものと考えられる。そして、強度の高いCNFが吸着することで、その後の再生セルロース繊維の膨潤等による形態変化が抑制されるものと推察され、その結果として水洗い洗濯等を行った際の収縮等が抑制されものと考えられる。
【0034】
本発明に係る再生セルロース繊維等の防縮処理においては、当該再生セルロース繊維等の所望の風合いを付与したり、撥水性を付与する等の目的に応じて、CNFを吸着した再生セルロース繊維等に対して適宜の樹脂成分を更に被覆することも可能である。また、予め樹脂成分等と混合したCNFを用いて再生セルロース繊維等に被覆処理を行うことも可能である。特に、CNFの吸着に加えて樹脂成分等による被覆を行うことにより、再生セルロース繊維を含む織編物の引裂き強度を向上することができる。
【0035】
上記使用される樹脂成分として、主に再生セルロース繊維表面の疎水化を目的とする樹脂成分としては、フッ素系,パラフィンワックス系等が挙げられる。また、一般的にセルロース系繊維の防シワや防縮を目的として用いられているグリオキザール樹脂を使用することで、繊維やCNFに含まれるセルロース分子間での架橋反応を生じることが期待され、本発明に係るCNF処理の効果を更に高める点で好ましい。
【0036】
CNFの吸着を目的として再生セルロース繊維等を浸漬するCNF分散液には、CNFによる吸着処理を容易にする等の目的に応じて、適宜の薬剤等を混合して用いることができる。例えば、CNF分散液中においてCNFを良好に分散させる目的で、各種の分散剤を用いることができる。分散剤としては各種の界面活性剤として機能する高分子や、オレンジオイル等が挙げられる。
【0037】
また、CNF分散液においては、CNFの再生セルロース繊維への付着を促す目的で、修飾する繊維の種類等に応じて酸性度を調整することが有効である。酸性度の調整のために使用する薬剤としては、アルカリ化の目的で水酸化ナトリウムやソーダ灰等、酸性化の目的でシュウ酸、酢酸、リンゴ酸等を用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【実施例0038】
[実施例1]
以下の方法でキュプラからなる布地(44T/24F 2330T/M)に対して、布地を構成する繊維表面にCNFを吸着させるための処理を行った。
CNFによる繊維表面の吸着処理は、第一工業製薬(株)製のCNF含有水溶液(レオクリスタ I-2SP。CNF含有率;2.2wt%。以下、「原液1」ということがある。)に対して、原液1の2wt%に相当する量の分散剤(明成化学工業製、アルコゾールGL)を加えた後、各処理に使用する処理液(300ml)に含まれるCNF固形分重量が表1に記載の量になるように工業用水で希釈したものを処理液として用いた。なお、以下に説明するように、各処理液には10gの布地を浸漬するため、各実施例における布地に対するCNFの重量比は表1右欄に示す値となる。
【0039】
処理は、各処理液(300ml)に布地(10g)を浸漬した状態で金属製の容器内に密封して120℃に加熱して30分間保持することにより行った(浸染高圧加工)。当該処理の間、布地は約2気圧程度の圧力に維持されるものと考えられる。また、表1中の「比較例1」については、工業用水を用いた以外は、同様に120℃に30分間保持する処理を行った。上記処理を行った各布地は、その後に室内で乾燥した後、整形された状態で170℃の熱風で約60秒間のセット(形態安定化処理)を行い、以下の各評価に使用した。
【0040】
【表1】
【0041】
上記浸染高圧加工において、処理液に含まれるCNFが繊維表面へ吸着する際の吸着性を確認するため、以下の評価を行った。上記実施例1-4で使用した処理液と同様の処理液(900ml)を準備し、14Vで30分間の電解処理を行うことで当該処理液中に分散して溶解するCNFを析出させた。また、上記実施例1-4に相当する布地の吸着処理を行った後の処理液(900ml)に対して同様に電解処理を行うことで当該処理液中に残留するCNFを析出させた。
【0042】
図1A,Bには、上記処理前後の処理液から析出したCNFの様子を示す写真を示す。図1A,Bに示すように、処理に使用した後の処理液に残留するCNFの量(図1B)は、処理前のCNF量(図1A)と比べて僅かであり、上記処理によって処理液中に含まれるCNFの大部分が布地に吸着等して処理液中から除かれることが示された。
【0043】
図2A,Bには、上記処理(実施例1-4)の前後の布地に含まれる繊維表面のSEM像を示す。図2Bに示すように、CNFを含まない水中で処理を行った布地の繊維表面においては、キュプラ繊維が紡糸された際に形成される特有の表面性状が維持されることが観察された。一方、図2Aに示すように、CNFを含む処理液中で処理を行った布地の繊維表面は、上記キュプラ繊維の表面性状とは異なる性状を有することが観察された。
【0044】
当該CNFを含む処理液中で処理を行った繊維の表面性状は、処理液中に含まれるCNFがキュプラ繊維の表面にランダムに吸着して一体化し、キュプラ繊維の表面にネットワーク状の被膜を形成しているものと理解された。また、繊維と平行に観察される筋は、湿潤下でCNFが吸着した繊維が乾燥して体積収縮する際に、CNFが吸着した表面が繊維内部に追従できないために生じた皺であると推察された。
【0045】
キュプラとCNFは共にセルロースを主成分として同程度の密度を有することを考慮すれば、例えば、キュプラに対して0.1~0.5wt%のCNFが均一に吸着した際には、キュプラ繊維の半径が0.05~0.25%程度の割合で増加し、当該増加分がキュプラ繊維表面のCNF層の平均厚さに相当する。そして、図2A,Bに示すような半径が5μm程度であるキュプラ繊維に対して0.1~0.5wt%のCNFが付着した際のCNF層の平均厚さは2.5~12.5nm程度であると見積もられる。一方、当該見積もられる平均厚さは、使用したCNFの直径(3~10nm程度)に対応する値であることから、上記の程度の量のCNFは再生セルロース繊維表面に均一に吸着して皮膜を形成しておらず、再生セルロース繊維表面に所定の間隔をおいてCNFが吸着しているものと推察される。
つまり、以下に示すような再生セルロース繊維表面にCNFを吸着することで生じる効果を得るためには、必ずしもCNFが繊維表面に隙間無く吸着して皮膜を形成する必要はなく、繊維表面の一部を覆う程度にCNFが吸着することによって、繊維の膨潤や、その後の乾燥の際の収縮の程度を軽減可能であると考えられる。
【0046】
上記CNFを用いた処理を行った各布地について、以下に説明する方法で水中に浸漬して湿潤させ、その後に乾燥させる間に生じる収縮の程度等を評価した。評価は、10cmの間隔でマーキング(2箇所)を行った各布地を12時間程度、室温で工業用水に浸漬して十分に含水させた後、上記マーキング間の間隔を測定することで湿潤時の寸法変化を評価した。次に、各布地を室内で自然乾燥させて、乾燥後の上記マーキング間の間隔を測定することで乾燥後の寸法変化を評価した。
【0047】
表2には、上記評価の結果を示す。表2中で、湿潤時収縮、乾燥後収縮は、それぞれ上記湿潤時と乾燥後のマーキング間の間隔を10cmで除した百分率を示し、「+(プラス)」は膨張を示し、「-(マイナス)」は収縮を示す。表2に示すように、CNF処理をしない布地(比較例1)と比較して、上記でCNF処理を行った各布地を湿潤した際に生じる膨張の程度が低いことが観察された。また、湿潤後に乾燥させた後の寸法変化において、CNF処理をしない布地(比較例1)では明らかな寸法の縮小が観察されるのに対して、本発明に係るCNF処理を行った布地においては実質的な寸法の変化が観察されなかった。
【0048】
【表2】
【0049】
以下に説明する方法で、上記CNFを用いた処理の有無によるキュプラ繊維の膨潤挙動の違いについて評価した。評価は、CNF処理をしていないもの(比較例1)と、CNF処理を行ったもの(実施例1-4)について、偏光顕微鏡(ニコン製ECLIPSE LOV100N POL。クロスニコル下での透過観察。)を用いて、それぞれ乾燥状態と水中に6時間浸漬した後のキュプラ繊維径を測定することで行った。
【0050】
表3には、上記評価の結果を示す。表3に示すように、CNF処理をしない布地(比較例1)では、繊維の断面積が150%程度になるまで吸水による膨潤が生じるのに対して、本発明に係るCNF処理を行った布地(実施例1-4)においては膨潤の程度が120%程度に抑制されることが示された。表3に示すようにCNF処理を行うことで繊維の膨潤の程度が抑制される理由として、繊維表面に絡みついた強靱なCNFによって繊維が拘束されて、含水による一定程度以上の膨張が困難になることが挙げられる。
【0051】
【表3】
【0052】
上記CNFを用いた処理を行った各布地について、JIS L 1096 D法(ペンジュラム法)に従って、乾燥状態と湿潤状態での引裂き強度を測定した。表4には、当該引裂き強度の測定結果を示す。表4に示すように、上記CNF処理を行った布地においては、乾燥時と湿潤時のいずれにおいても実質的な引裂き強度の変化が観察されなかった。
【0053】
【表4】
[実施例2]
【0054】
以下の方法でキュプラからなる布地(84T/90F 1630T/M)に対して、布地を構成する繊維表面にCNFを吸着するための処理を行った。
CNFによる繊維表面の吸着処理は、日本製紙(株)製のCNF含有水溶液(セレンピア。CNF含有率;1.0wt%。「原液2」ということがある。)に、当該原液2に対して2wt%に相当する量の分散剤(明成化学工業製、アルコゾールGL)を加えた後、CNF固形分の重量割合が表5に示す条件になるように工業用水で希釈したものを処理液として用いた。また、表5中の「比較例2」については、工業用水を処理液として用いた。
【0055】
処理は、パディング処理装置を使用して上記布地を各処理液に浸漬した後、ウェットピックアップが100重量%となるようにロールで絞り、次に乾燥させた後、170℃の熱風で約60秒間のセット(形態安定化処理)を行い、以下の各評価に使用した。
【0056】
【表5】
【0057】
上記CNFを用いた処理を行った各布地について、実施例1と同様に、水中に浸漬して湿潤させ、その後に乾燥させる間に生じる収縮の程度等を評価した。表6には、上記評価の結果を示す。
表6に示すように、比較例2は湿潤時の膨張と乾燥後の収縮が顕著であるのに対して、CNFを用いた処理を行った実施例2-1~5では寸法変化が抑制されていることが観察された。
【0058】
【表6】
【0059】
実施例1と同様に、上記CNFを用いた処理の有無によるキュプラ繊維の膨潤挙動の違いについて評価した。表7には、上記評価の結果を示す。表7に示すように、CNF処理をしない布地(比較例2)では、繊維の断面積が170%程度になるまで吸水による膨潤が生じるのに対して、本発明に係るCNF処理を行った布地(実施例2-5)においては膨潤の程度が116%程度に抑制されることが示された。
【0060】
【表7】
【0061】
上記CNFを用いた処理を行った各布地について、実施例1と同様に、乾燥状態と湿潤状態での引裂き強度を測定した。表8には、当該引裂き強度の測定結果を示す。表8に示すように、上記CNF処理を行った布地においては、乾燥時と湿潤時のいずれにおいても実質的な引裂き強度の変化が観察されなかった。
【0062】
【表8】
[実施例3]
【0063】
以下の方法で、ベンベルグ(120デニール)に対して、ポリエステル糸(100デニール)により縦横に格子柄を織り込んだ布地(ポリエステルの比率は約35%)に対して、布地を構成する繊維表面に対して、予め樹脂成分と混合したCNFを被覆する処理を行った。ベンベルグは再生セルロース繊維であって水洗い洗濯等によって収縮する傾向を示すのに対して、ポリエステルは合成繊維であって水洗い洗濯等によっては実質的な収縮を生じない繊維である。
【0064】
処理液は、CNF源として実施例2で使用した原液2を使用し、樹脂成分としてのグリオキザール樹脂(DIC(株)製、ベッカミンN-80)、同(DIC(株)製、ベッカミンM-3)と触媒(DIC(株)製、キャタリスト376)、及び分散剤(明成化学工業製、ペトロックスP-200)を表9に示す割合になるように工業用水と混合したものを使用した。上記布地をパディング処理装置を使用して上記処理液に浸漬した後、ウェットピックアップが100重量%となるようにロールで絞り、次に乾燥させた後、整形された状態で170℃の熱風で約60秒間のセットを行い評価に用いた。評価は、上記処理をした布地と未処理の布地について、それぞれ40℃における手洗い試験、及び、100℃で10分間の煮沸(ボイル試験)を行い、その後に乾燥させた後の収縮率を評価することで行った。
【0065】
【表9】
【0066】
表10には、上記手洗い試験とボイル試験を行った後の収縮率を示す。収縮率の算出は、予め10cmの間隔で設けたマーキング間の距離を測定することで行った。表10に示すように、未処理の布では手洗いによって約5%程度、ボイル試験では約10%程度の収縮を生じるのに対して、CNF処理を行った布地においては当該収縮が顕著に抑制された。収縮率が高い未処理の布地においては、実質的に収縮を生じないポリエステル糸が布地から盛り上がることでシボ立ちを生じることが観察された。
【0067】
【表10】
[実施例4]
【0068】
以下の方法でキュプラからなる布地(経糸:56T/60 2000S。緯糸:84T90 1630SZ)に対して、布地を構成する繊維表面に対して以下のCNFを吸着する処理を行った場合と、更に樹脂加工を行った場合の引裂き強度について検討した。
【0069】
CNFの吸着処理:実施例1-1と同一の条件で、上記布地に対してCNFを被覆する浸染高圧加工を行い、その後に乾燥し、170℃の熱風で約60秒間のセットを行った(実施例4-1)。
樹脂加工処理:上記CNFの吸着処理を行った布地(実施例4-1)に対して、更にグリオキザール樹脂(DIC(株)製、ベッカミンN-80;1wt%,ベッカミンM-3;1wt%)と触媒(DIC(株)製、キャタリスト376;0.5wt%)、原液1に由来するCNFを0.5wt%含有する処理液を用いてパディング処理を行い、ウェットピックアップが100重量%となるようにロールで絞り、乾燥させた後、上記と同様のセット処理を行った(実施例4-2)。
【0070】
表11には、上記実施例4-1,4-2について、実施例1と同様の方法で測定した引裂き強度(乾燥時)を、未処理の布地(比較例4)と対比して示す。表11に示すように、CNFの吸着処理を行った布地に対して、更に樹脂加工を行うことで、引裂き強度が向上することが観察された。
【0071】
【表11】
[実施例5]
【0072】
予め樹脂成分と混合したCNFを用いて布地(繊維)にCNFを吸着する際の手段として、浸染高圧加工及びパディング加工を用いた際の効果の違いを検証するために、以下に示す方法により、経糸:ジアセテート(AC:75d S800T/M)、緯糸:キュプラ(Cu:SB 60/-)、混率AC70%/Cu30%の布地(田中商会 TNK-471-A)を用いて検討を行った。
【0073】
浸染高圧加工は、CNF源として実施例1で使用した原液1に対して、樹脂成分としてグリオキザール樹脂(DIC(株)製、ベッカミンN-80)、同(DIC(株)製、ベッカミンM-3)、触媒(DIC(株)製、キャタリスト376)を表12に示す割合で混合し、工業用水を加えて300mlにしたものを処理液として使用した。処理は、当該処理液(300ml)に布地(10g)を浸漬した状態で金属製の容器内に密封して100℃に加熱して、20分間保持することにより行った(浸染高圧加工)。処理後の布を室温乾燥し、その後に170℃の熱風で60秒間のセットを行った(実施例5-1)。また、比較のため、処理液として工業用水を用いた以外は、上記と同様に処理したサンプルを準備した(比較例5)。
【0074】
【表12】
【0075】
また、パディング加工は、CNF源として実施例1で使用した原液1を用いて、グリオキザール樹脂(DIC(株)製、ベッカミンN-80)、グリオキザール樹脂(DIC(株)製、ベッカミンM-3)、触媒成分(DIC(株)製、キャタリスト376)を表13に示す割合になるように工業用水と混合したものを処理液として使用して行った。なお、実施例5-1における水熱処理が繊維に及ぼす影響を除外するために、サンプルとして上記比較例5で得られた布地に対してパディング加工を行った(実施例5-2)。
【0076】
【表13】
【0077】
表14には、上記実施例5-1,2と比較例5について、実施例1と同様の方法で、乾燥状態での引裂き強度を測定した結果を示す。表14に示すように、処理後の引裂き強度の点からは、パディング加工によりCNF処理を行った際に、引裂き強度の向上効果が高いことが示された。当該結果は、CNFを繊維に被覆する際の処理方法に応じて、繊維に対してCNFが吸着する形態や、樹脂の状態等が変化することに起因するものと推察された。
【0078】
【表14】
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明により再生セルロース繊維等に対してCNF等を吸着することにより、水洗い洗濯等を行った際の再生セルロース繊維等の収縮を抑制することができる。
図1A
図1B
図2A
図2B