(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178349
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】仮想的に透明な包装システム
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20241217BHJP
G09F 5/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
B65B57/00 A
G09F5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024164992
(22)【出願日】2024-09-24
(62)【分割の表示】P 2021533550の分割
【原出願日】2019-12-12
(31)【優先権主張番号】62/778,529
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON RETAIL INFORMATION SERVICES LLC
【住所又は居所原語表記】8080 Norton Parkway, Mentor, Ohio 44060 Uni-ted States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォースター,イアン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】リサイクル可能な材料で完全に製造され、また、消費者が包装容器内の食品等のアイテムを見ることができる包装システムを提供する。
【解決手段】包装システムは、完全にリサイクル可能な材料から製造された包装容器500と、包装容器500内に入れられた製品508の画像又は他の情報にリンクされるその上に配置されたコード識別子構成要素502、506と、を含む。また、コード識別子構成要素502、506にリンクされた画像は、汎用的であり得るか、又は容器内の製品508の実際の個々の画像であり得、画像は、その製造中、又は包装された際の製品508に関連し得る。画像は、タブレット、携帯電話、仮想現実ヘッドセット、提供された端末、又はその他の適切なデバイスで見ることができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイテムを収容する容器と、
前記容器上に位置するコード識別子構成要素と、
前記コード識別子構成要素を読み取るためのデバイスと、
前記デバイスに関連付けられ、前記読み取られたコード識別子構成要素に従って前記容器に収容された前記アイテムの画像を表示するように構成された表示画面であって、前記コード識別子構成要素は前記容器に収容された前記アイテムの前記画像にリンクされている、表示画面と、
を含む包装システム。
【請求項2】
前記コード識別子構成要素は、バーコードである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コード識別子構成要素は、RFIDタグである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記アイテムの前記画像は、前記容器に収容された正確なアイテムである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記容器は、リサイクル可能な材料からなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記デバイスは、電話、カメラ、スキャナ、タブレット、又はRFIDリーダーのうちのいずれかからなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
第2のコード識別子構成要素をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
リサイクル可能な材料で構成され、食品アイテムを収容する容器と、
前記容器上に位置するコード識別子構成要素であって、前記容器に収容された前記食品アイテムの画像にリンクされるコード識別子構成要素と、
前記コード識別子構成要素を読み取り、前記画像を表示するためのデバイスと、
前記デバイスに関連付けられ、前記読み取られたコード識別子構成要素に従って前記容器に収容された前記食品アイテムの画像を表示するように構成された表示画面と、
を含む包装システム。
【請求項9】
前記コード識別子構成要素は、販促品にさらにリンクされる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コード識別子構成要素は、前記食品アイテムに関連する追加情報にさらにリンクされる、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記コード識別子構成要素は、前記食品アイテムの3次元画像を表示する、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記コード識別子構成要素は、バーコードである、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記コード識別子構成要素は、RFIDタグである、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
第2のコード識別子構成要素をさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
前記食品アイテムの画像は、前記容器内の正確な食品アイテムである、請求項8に記載のシステム。
【請求項16】
食品アイテムが収容された容器と、
前記容器上に位置する第1のコード識別子構成要素であって、前記食品アイテムの画像にリンクされる第1のコード識別子構成要素と、
前記容器上に位置する第2のコード識別子構成要素であって、販促品にリンクされる第2のコード識別子構成要素と、
前記容器の外部に位置する前記第1及び第2のコード識別子構成要素を読み取り、前記容器に収容され前記食品アイテムおよび前記販促品の画像を表示するためのカメラおよび表示画面の組み合わせと、を含む仮想の食品包装システム。
【請求項17】
前記食品アイテムの画像は、3次元画像として表示される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1及び第2のコード識別子構成要素の少なくとも一つは、RFIDタグ又はバーコードから構成される、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年12月12日に出願された米国仮実用特許出願第62/778,529号の優先権及び利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般に、ユーザーが食品パッケージ等のようなパッケージの内容物、及び前記内容物に関する関連情報を、購入前にパッケージを物理的に開封することなく、また、パッケージの外部に透明な窓を必要とすることなく、仮想的に見ることを可能にする、仮想的に透明な包装システムに関する。本発明のシステムは、ユーザーが前記内容物の画像を含むパッケージの内容物に関する情報を検索することを可能にする、パッケージの外部に取り付けられたコード識別子構成要素を活用する。より具体的には、本発明のシステムは、通常は食品包装等の従来技術の包装に関連する透明な窓をパッケージから取り除き、パッケージの内容物に関する画像及び/又は関連情報にリンクされた2Dバーコード又は無線周波数識別(「RFID」)タグ等のコード識別子構成要素に置き換えることを可能にする。本発明のシステムは、通常は透明な窓を含む食品包装アイテムに特に適している。したがって、本明細書では、それについて具体的に言及する。しかし、本発明の態様は、これに限定されず、非食品アイテムに属するものを含む他のタイプのパッケージ及び包装にも同様に適用可能であることを認識すべきである。
【0003】
一般に、無線周波数識別は、それ自体を識別するように(RFID「タグ」又はトランスポンダとして知られる)反応装置を刺激するために、一部の場合には、タグに追加格納されたデータを提供するために、電磁エネルギーを使用することである。RFIDタグは、典型的に、アンテナに接続された、メモリ及び動作回路が形成される一般に「チップ」と呼ばれる半導体デバイスを含む。典型的に、RFIDタグは、インテロゲータ(interrogator)とも呼ばれるリーダーから受信した無線周波数の質問信号(interrogation signal)に応答して、チップメモリに格納された情報を提供するトランスポンダとして機能する。パッシブ型RFIDデバイスの場合、質問信号のエネルギーは、RFIDタグデバイスを動作させるために必要なエネルギーも提供する。
【0004】
RFIDタグは、一般に、RFIDチップを一部の形態のアンテナに接続することによって形成される。アンテナのタイプは、これを構成する方法と同様に非常に多様である。RFIDタグを作成する一つの特に有利な方法は、アンテナに結合できる2つ以上の導電体に接続されたRFIDチップを有する小型デバイスであるストラップを使用することである。導電体とアンテナとの結合は、導電接続、電界接続、磁気接続、又は結合方法の組み合わせを用いて達成することができる。
【0005】
RFIDタグは、追跡する物品に組み込まれるか、又は取り付けられ得る。タグが、接着剤、テープ、又はタグを物品に固定する他の手段を使用して物品の外部に取り付けられ得る場合もあり、RFIDタグが、例えば、包装内に含まれるか、物品の容器内に位置するか、又は衣服に縫い付けられて、物品内に挿入され得る場合もある。さらに、RFIDタグは、典型的に、チェックデジットが付いた数バイトの簡単なシリアル番号である固有の識別番号で製造される。この識別番号は、その製造時にRFIDタグ内に組み込まれる。ユーザーはこのシリアル番号/識別番号を変更することができず、製造業者は、それぞれのRFIDタグのシリアル番号が一回のみ使用されるため、固有であることを保証する。このような読み取り専用RFIDタグは、通常は、追跡する物品に永久的に取付けられ、また、一度取り付けられると、タグのシリアル番号はコンピュータデータベースにおけるホスト物品と関連付けられる。
【0006】
現在は、食品アイテム等のアイテムは、消費者が購入前にパッケージの内容物を見ることができるようにする透明な窓を有するパッケージングで販売されるのが一般的である。このようにして、消費者は、パッケージ又は容器の内容物の少なくとも一部を物理的に開封しなくても調べることができる。残念ながら、前記タイプの従来技術のパッケージ及び容器に関して多くの制限及び欠点がある。例えば、このようなパッケージ上の窓は、典型的に、いくつかの形態がリサイクルが困難なプラスチックで製造される。また、リサイクルが困難なパッケージングの構成要素の存在は、リサイクルの前に2つの材料を分離する必要があるため、パッケージングの残りの構成要素(例えば、段ボール又はその他のリサイクル可能な材料)のリサイクルを困難にする可能性があり、実用的ではなく、コストが高くなり得る。パッケージ全体をリサイクルできることが好ましいため、簡単にリサイクル可能な同じ材料でパッケージ全体を製造するとともに、消費者が購入前にパッケージを物理的に開封することなくパッケージの内容物の少なくとも一部を見ることができようにすることも好ましい。
【0007】
食品若しくは食品関連アイテムが入っているようなパッケージ又は容器に透明なプラスチック窓を組み込むことに関する現在の別の限界として、前記パッケージ及び/又は容器の製造に関連する製造コストの増加がある。より具体的に、一例として、別のプラスチック窓が組み込まれている段ボールパッケージ又は容器を製造することは、前記プラスチック窓のない単一の段ボール容器又はパッケージを製造するよりもコスト及び時間がかかる。残念ながら、前記プラスチック窓のない単一の段ボールパッケージは、消費者がパッケージを購入する前にパッケージを物理的に開封しなくてもパッケージの内容物を見る機会を与えない。
【0008】
したがって、当技術分野では、消費者が購入前に前記パッケージ又は容器を物理的に開封しなくても、前記パッケージの内容物に加えて、内容物に関する関連情報を見ることができるようにする、完全にリサイクル可能な材料から食品アイテム等のアイテム用のパッケージを製造する必要性が長い間存在してきた。本発明は、パッケージで透明な窓の必要性をなくし、これをコード識別子構成要素に置き換える、新規の仮想的に透明な包装システムを開示する。パッケージの内容物の画像だけでなく、前記の内容物に関する関連情報が1つ以上のコード識別子構成要素にリンクされ得る。このようにして、消費者はスマートフォン、バーコードリーダー、RFIDスキャナ等の電子デバイスでコード識別子構成要素を簡単にスキャンし、食品アイテム等のパッケージの内容物の画像及び関連情報を購入前にパッケージ又は容器を物理的に開封しなくても見ることができる。また、透明な窓の必要性がなくなったため、容器又はパッケージは、単一の容易にリサイクル可能な材料(例えば、段ボール等)から製造することができ、したがって、その一部はリサイクルが困難又は非実用的であり得る複数の異なる材料から製造された、従来技術のパッケージ及び容器に典型的に関連する上述の限界を克服することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以下は、開示された技術革新の一部態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された要約を提示する。この要約は、集約的な概要ではなく、主要/重要な要素を特定したり、その範囲を説明するためのものではない。この唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明の冒頭として、一部の概念を簡略化した形式で提示することである。
【0010】
本明細書に開示及び請求される主題は、その一態様において、完全にリサイクル可能な材料から製造され、別の透明な窓の必要性及びそれに関連する制限をなくし、また、消費者が購入前にパッケージ又は容器を物理的に開封しなくてもパッケージ又は容器内の内容物を見ることができるようにする、仮想的に透明な包装システムを含む。より具体的には、仮想的に透明な包装システムは、段ボール等のリサイクル可能な材料から完全に製造された包装容器と、包装容器の内容物に関する画像及び/又は関連情報にリンクされるコード識別子構成要素と、を含む。しかし、本発明は、一部がリサイクル可能な材料及び/若しくは部分的にリサイクル可能な材料から製造された包装容器を含んでもよい。例えば、包装容器は、少なくとも一つのリサイクル可能な材料及び少なくとも一つの部分的にリサイクル可能な材料で構成され得る。本発明の一実施形態は、段ボール及び/若しくはコーンスターチ、又はこれら2つの組み合わせで部分的に製造された包装容器で構成され得る。さらに別の実施形態において、包装容器は、少なくとも一つのリサイクル可能な材料、少なくとも一つの部分的にリサイクル可能な材料、及び少なくとも一つのリサイクル不可能な材料で構成されるように製造され得る。それぞれのリサイクル可能な材料及び/又は部分的にリサイクル可能な材料の存在量は、メーカーの裁量によって決定される。例えば、一実施形態において、包装容器は、0%~50%のリサイクル可能な材料と、0%~50%のリサイクル不可能な材料と、を含んで製造され得る。さらに別の実施形態において、包装容器は、0%~50%の少なくとも一つのリサイクル可能な材料と、0%~50%の別のリサイクル可能な材料と、を含んで製造され得る。しかし、様々な材料の存在割合は、潜在的な可能性の一部の例にすぎない。パッケージ容器は、別のリサイクル可能な及び/又は部分的にリサイクル可能な材料と組み合わせた場合、50%以上、又は50%未満の任意の所定のリサイクル可能な及び/又は部分的にリサイクル可能な材料を含み得ることがさらに認識される。さらに、包装容器の組成は、平均以上のグリーンスコア(green score)を有し得る。グリーンスコアは、次のように計算できる:グリーンスコア=(A%×Ar)+(B%×Br)+(C%×Cr)、ここで、A%+B%+C%=100であり、Ar、Br及びCrはリサイクル又は廃棄のしやすさに基づくスコアである。
【0011】
コード識別子構成要素は、2Dバーコード又はRFIDタグが好ましい。また、コード識別子構成要素にリンクされた画像は、汎用的であるか、又は特別なパッケージの特定の内容物の画像であり得、また、画像は、内容物の製造中、又はパッケージ内に置かれる際の内容物に関連し得る。画像は、携帯電話、仮想現実ヘッドセット、提供された端末、又は他の適切なデバイス等の電子デバイスを使用して、消費者又は他のユーザーが見ることができる。
【0012】
さらに別の実施形態において、包装容器は、2つ以上の2Dバーコード及び/又はRFIDタグを有し得る。少なくとも一つの2Dバーコード及び/又はRFIDタグは、パッケージ/物の表面に位置し、パッケージ/物の3Dモデルにリンクされ得る。このようなリンクは、包装容器/物の材料のマッピング、つまり、与えられたパッケージ/物のどこにどの材料が位置しているかをマッピングできるようにする。これにより、2Dバーコード及び/又はRFIDタグを使用して、自動分解ツール、例えばレーザーカッター又はミルを物に対して向きを合わせて、特定の材料の領域を切断/ミーリングすることにより、これらを分離する。例えば、カッターは、透明な窓を有する波形の領域を識別し、それを切断し、次に、他の材料から離れるようにエアジェットを使用することができる。また、2Dバーコード及び/又はRFIDタグは、与えられたパッケージ/物上の特定の色にリンクする場合もある。2Dバーコード及び/又はRFIDタグを特定の色にリンクすることにより、コンベヤベルトで異なる色の材料(多色のプラスチック、紙、段ボールなど)の分離を可能にする。
【0013】
本発明の代替的な実施形態において、消費者が、購入前にパッケージを物理的に開封しなくても、パッケージ又は容器の内容物を見ることができるように、表示画面とカメラの組み合わせを使用することができ、ここで、消費者は、カメラの透視窓の下にパッケージ又は容器を提示して、パッケージ又は容器の内部を見ることができる。ビューは、2次元又は3次元にすることができ、また、パッケージ又は容器の内容物に関する追加情報、例えば、パッケージ内に入っている食品製品に関する栄養情報、内容物の使用説明書、「最適な品質期限(best used by)」又はその他製品の有効期限情報などを消費者に提供することもできる。製品及びその関連情報のビューに加えて、消費者が考慮するマーケティングの割引、クーポン、又は代替製品の選択のような、仮想若しくは実際の特価品又は販促品がパッケージ又は容器の内部に含まれ得る。
【0014】
上述及び関連する目的を達成するために、開示された技術革新の所定の例示的な態様が、以下の説明及び添付の図面に関連して本明細書に記載されている。しかし、これらの態様は、本明細書に開示された原理が採用でき、また、すべてのこれらの態様及びその同等物を含むように意図する様々な方法の一部のみを示す。他の利点及び新たな特徴は、図面と併せて考慮すると、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】購入前に包装容器を物理的に開封しなくても、包装容器の内容物を見るための透明な窓を備えた、従来技術の食品包装容器などの包装容器の正面斜視図である。
【
図2】開示されたアーキテクチャによる、包装容器内に入っている食品アイテムの画像にリンクされるコード識別子構成要素を含む食品包装容器の正面斜視図である。
【
図3】開示されたアーキテクチャによる、包装容器内に入っている食品アイテムの代替ビューにリンクされたさらなるコード識別子構成要素と、前記コード識別子構成要素と通信する電子デバイスと、をさらに含む食品包装容器の正面斜視図である。
【
図4】開示されたアーキテクチャによる、消費者及び表示画面とカメラの組み合わせによるビューイングのためにコード識別子構成要素がその上に位置する食品包装容器の側面斜視図である。
【
図5】開示されたアーキテクチャによる、販促品又はプロモーションにリンクされるさらなるコード識別子構成要素を含む食品包装容器の正面斜視図である。
【
図6】開示されたアーキテクチャによる、食品アイテムのビューを同様のアイテムのビューに置き換えるコード識別子構成要素を含む食品包装容器の正面斜視図である。
【
図7】開示されたアーキテクチャによる、感熱性製品が入り、その上にコード識別子構成要素を含む食品包装容器の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して本技術革新が説明され、ここで同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指すために使用される。以下の説明では、説明の目的で、それに対する完全な理解を提供するために、数多くの特定の詳細が提示される。しかし、これらの具体的な詳細がなくても技術革新が実行できるということは明らかである。他の例では、周知の構造及びデバイスは、説明を容易にするためにブロック図の形で示される。
【0017】
一実施形態において、本発明は、完全にリサイクル可能な材料から製造され、別の透明な窓の必要性及びそれに関連する制限を排除する、食品包装システムのような仮想的に透明な包装システムを開示する。本発明の独自の仮想的に透明な包装システムは、消費者が購入前に前記容器又はパッケージを物理的に開封しなくても、パッケージ又は容器内に入れられたアイテムを見ることができるようにする。本発明の仮想的に透明な包装システムは、特に、食品包装アイテムに適しており、したがって、本明細書は、これについて具体的に言及する。しかし、本発明の態様は、制限はないが、非食品アイテムに属するものを含む他のタイプのパッケージ及び包装にも同様に実施できることを認識しなければならない。
【0018】
より具体的に、食品包装システムは、段ボール等のリサイクル可能な材料から完全に製造された食品包装容器と、製品画像及び/又は製品関連情報にリンクされるコード識別子構成要素と、を含む。コード識別子構成要素は、2次元(2D)バーコード又はRFIDタグが好ましい。また、コード識別子構成要素にリンクされた画像は、汎用的であるか、又は容器内の正確な製品の特定の個別の画像であり得、画像は、製品の製造中、又は前記容器に包装される際の製品に関連し得る。画像は、タブレット、携帯電話、仮想現実ヘッドセット、提供された端末、又は他の適切なデバイスで見ることができる。
【0019】
さらに、表示画面とカメラの組み合わせを独自の包装システムの内容物を見るために使用することができ、ここで、消費者は、カメラの透視窓の下又は前方に包装システムを提示して、包装システムの内容物又は関連情報を見ることができる。ビューは、2次元又は3次元とすることができ、また、栄養情報、有効期限情報、製品説明書などのパッケージ、又は容器の内容物に関する追加情報を提供することもできる。また、内容物のビューに加えて、仮想、特価品又は販促品、例えば、消費者が考慮するマーケティングの割引、クーポン、又は他の代替製品がパッケージと共に含まれ得る。
【0020】
まず
図1を参照すると、
図1は、食品アイテム又は他の適切な包装されたアイテム102が入っている従来技術の食品包装箱、カートン又は他の容器100、及び購入前に容器100を物理的に開封しなくても、食品包装容器100の内部の食品アイテム102を見るための透明な窓104の例の正面斜視図を示す。残念ながら、このような従来技術のパッケージ及び容器100は、多くの制限を受ける。
【0021】
より具体的に、従来技術のパッケージ又は容器100は、典型的に、当技術分野で公知のように、段ボール又は任意の他の適切なリサイクル可能な材料で製造され、透明な窓104は、当技術分野で公知のように、一部の形態のプラスチック又は任意の他の適切な透明材料で製造される。明らかに、使用後に容器100をリサイクルできることが好ましい。しかし、前述のように、透明な窓104は、消費者が購入前に前記容器100を開封することなく容器100内の食品アイテム102を見ることができるが、透明な窓104のプラスチック材料の存在は、消費者が容器100又はより容易にリサイクルできる容器100の一部(例えば、段ボール部分)をリサイクルすることを困難にしたり、非実用的にしたりする。
【0022】
したがって、本発明の仮想的に透明な包装システムの一実施形態の基本概念は、完全にリサイクル可能な材料で製造される容器又はパッケージを提供することであり、ここで、透明な窓は取り除かれ、一つ以上のコード識別子構成要素に置き換えられる。以下でより詳細に説明するように、コード識別子構成要素は、2Dバーコード、RFIDのタグ、又は当技術分野で公知の任意の他の適切なコードであり、パッケージ又は容器の内容物に関する画像又は他の関連情報にリンクされる。このようにして、消費者は、購入前に物理的に開封しなくてもパッケージ又は容器の内容物の少なくとも一部を調べることができ、容器又はパッケージを使用した後、簡単かつ効率的にリサイクルすることができる。
【0023】
図2は、食品アイテム(図示せず)又は当技術分野で公知の他の適切に包装されたアイテムが入っている食品包装容器200の正面斜視図を示す。より具体的に、食品包装容器200は、段ボール又は当技術分野で公知の任意の他の適切且つ容易にリサイクル可能な材料等のリサイクル可能な材料で完全に製造されるか、又は製造され得る。重要なのは、本発明の食品包装容器200が、容器200の内容物を見るための透明な窓を含まないことである。したがって、本発明の食品包装容器200は、従来技術の容器100の制限を受けず、食品包装容器200全体は、不要になったら消費者が容易にリサイクルすることができる。
【0024】
食品包装容器200は、食品アイテム等のアイテムを収容、格納、及び/又は運搬するための当技術分野で公知の任意の適切な容器であり得る。また、容器200は、本発明の全体的な概念に影響を与えることなく、当技術分野で公知の任意の適切なサイズ、形状、及び/又は構成とすることができる。当業者は、
図2に示される容器200の形状、サイズ、及び構成が単に例示目的であり、また、容器200の他の多くの形状及びサイズが本開示内容の範囲内にあることを理解するであろう。容器200の寸法(すなわち、長さ、幅、及び高さ)は優れた性能のための重要な設計パラメータであるが、容器200は、使用中に最適な性能を保証する任意の形状又はサイズであり得る。
【0025】
さらに、食品包装容器200は、少なくとも1つのコード識別子構成要素202を含むが、2つ以上のコード識別子構成要素202が製造者、消費者又は他のユーザーのニーズ及び/又は要求に応じて、容器200と共に利用することができる。コード識別子構成要素202は、典型的には、2Dバーコード又はRFIDタグ、例えばNFC(近距離無線通信)若しくはUHF(超高周波)デバイス、又は当技術分野で公知の任意の他の適切なコード識別子である。コード識別子構成要素202は、食品包装容器200の内容物の画像及び/又は関連情報にリンクされて、消費者がコード識別子構成要素202をスキャンすると、容器の内容物の画像又はそれに関連する情報がタブレット、携帯電話、仮想現実ヘッドセット、提供された端末、又はその他の適切なデバイス等の電子デバイスに仮想的に表示される。
【0026】
具体的には、食品包装容器200の内容物の仮想画像は、容器200にどのタイプのケーキが実際に入っているかに関係なく常に同じケーキの写真等、汎用的なものであり得る。あるいは、仮想画像は、容器200に含まれる正確なデザイナーケーキの写真等の特定の画像であり得、ここで前記特定の画像は、容器200内の食品アイテムの包装作業の一部として撮影することができる。
【0027】
さらに、仮想画像は、製品内容物の製造中、又は食料品店若しくは肉屋で用意される肉製品等の製品内容物が容器200内に入れられる際の製品内容物に関連し得る。仮想画像は、タブレット、携帯電話、仮想現実ヘッドセット、又は当技術分野で公知の他の適切なデバイスで見ることができ、ユーザーに提示される製品内容物のビューは、従来技術の容器100に関連付けられた透明な窓104を介してアクセス可能なビューに制限されない。例えば、コード識別子構成要素202によって視覚装置に提供されるビューは、製品内容物の2次元又は3次元画像であり得、及び/又はビューは、栄養情報、製品説明書、有効期限などのような製品内容物又はその任意の部分に関する追加情報を提供することができる。また、ビューは、仮想若しくは実際の特価品又は販促品、リンクされたマーケティング、クーポン、割引、又は当技術分野で公知の製品内容物に関連する任意の他の適切な情報を提供することができる。
【0028】
図3は、本発明の代替的な実施形態を示し、食品包装容器300内に位置した食品アイテム又は製品306に関連する2つ以上のコード識別子構成要素を有する食品包装容器300の正面斜視図である。より具体的に、
図3に示される本発明の実施形態は、第1のコード識別子構成要素302、及び製品306の別のビューを生成するために使用され得る第2のコード識別子構成要素304を開示する。第1のコード識別子構成要素302は、容器300内部の製品306の固有若しくは実際のビュー又は写真であるか、又は容器300内部に入れられた特定の製品306を必ずしも示すものではなく、関連製品の汎用的なビューを開示するような、固有又は汎用の識別子であり得る。また、第2のコード識別子構成要素304は、製品306が容器300内で回転するにつれて変更され得る製品306の別のビューを生成することもできる。したがって、2つ以上のコード識別子構成要素の追加は、購入前に容器300を物理的に開封しなくても、製品306を3次元的に見られるようにする。よって、2つ以上のコード識別子構成要素を追加すると、製品306の固有又は汎用の別のビュー、又は他の関連製品情報が提供される。次に、画像310は、タブレット、携帯電話、仮想現実ヘッドセット、又は当技術分野で公知の他の適切なデバイス等の電子デバイス308で見ることができる。重要なのは、消費者に提示される製品306のビュー(又は画像310)が、従来技術の包装100の透明な窓104を介してユーザーがアクセスできる1つの特定のビューに制限されないことである。
【0029】
図4は、本発明のさらなる代替的な実施形態を示し、端末402によって読み取られる食品包装容器400の側面斜視図である。典型的には、端末402は、食品製品408が内部にあり、その上にコード識別子412がある食品包装容器400の内容物を見るために表示画面404及びカメラ406、又は任意の他の適切な構成要素を備える。カメラ406によって、また、消費者や他のユーザーによって都合よく見られるように食品包装容器400を位置するのに、当技術分野で公知の棚又は他の適切な構成要素を使用することができる。例えば、ユーザー410は、食品包装容器400を表示画面404の後ろであるが、カメラ406を考慮して棚の上に配置することができる。次に、カメラ406は、食品包装容器400の写真を撮影し、コード識別子構成要素412を読み取るために使用することができる。その後、食品包装容器400に入れられた食品製品408の画像が選択され、表示画面404上でユーザー410に提供される。また、当業者は、カメラ406がバーコードスキャナ、RFIDリーダー、又は当技術分野で公知の任意の他の読み取りシステム又はスキャン技術でもあり得ることを理解するであろう。
【0030】
上述のように、ユーザー410に提示された画像は、容器400内にどのタイプのケーキが実際にあるかに関係なく常に同じであるケーキの写真等、汎用的であり得る。対照的に、画像は、容器400内に実際に入っている食品製品408の包装作業の一部として撮影された特定のものであり得る。さらに、画像は、食品製品408の製造中、又は食品製品408が容器400内に包装される際の食品製品408に関連し得る。また、ユーザー410に提示された食品製品408のビューは、従来技術の容器100の透明な窓104を介してユーザー410がアクセスできる1つの特定のビューに制限されない。例えば、コード識別子構成要素412によって視覚装置に提供されるビューは、製品408の2次元又は3次元画像であり得、又はビューは、食品製品408に関するさらなる栄養情報を提供することができ、及び/又は仮想若しくは実際の特価品又は販促品、リンクされたマーケティング、割引、又は当技術分野で公知の食品製品408に関連する任意の他の適切な情報を提供することができる。
【0031】
図5は、本発明のさらなる代替的な実施形態を示す。より具体的には、
図5は、食品製品508が内部に含まれる食品包装容器500の正面斜視図であり、ここで食品包装容器500は、第1のコード識別子構成要素502、販促品504、及び第2のコード識別子構成要素506を含む。販促品504は、食品包装容器500に含まれる任意の実際若しくは仮想の値引き又はアイテムであり得る。例えば、販促品504は、マーケティング、クーポン、割引等、又は当技術分野で公知の任意の他の適切な販促品若しくはプロモーションにリンクすることができる。販促品504は実際のもので、食品包装容器500(外部又は内部)に物理的に取り付けられていたり、食品包装容器500内に位置するか、又は販促品504は仮想のもので、ここで第2のコード識別子構成要素506が値引きにリンクされ、タブレット、携帯電話、仮想現実ヘッドセット、又は当技術分野で公知の他の適切なデバイス等の電子デバイスで販促品504を見ることができる。
【0032】
第1のコード識別子構成要素502及び第2のコード識別子構成要素506は、典型的には、NFC(近距離無線通信)若しくはUHF(超高周波)デバイス、又は当技術分野で公知の任意の他の適切なコード識別子等の2Dバーコード若しくはRFIDタグである。第1及び第2のコード識別子構成要素502、506の一方又は両方は、ユーザーが第1及び/又は第2のコード識別子構成要素502、506をスキャンする際に、容器500内に入れられた製品又は食品製品508の画像がデバイス上に仮想的に表示されるか、又は販促品若しくはプロモーションがデバイス上に表示されるように、食品製品508に関係のある、若しくは関連のある食品製品508の画像及び/又は情報を含み得る。具体的には、食品製品508の画像は、容器500内に実際にどのタイプのケーキがあるかに関係なく常に同じ汎用的なケーキの写真等、汎用的なものであり得る。対照的に、画像は、容器500内に実際に入っている特定の食品アイテム508の包装作業の一部としてイメージが撮影された特定のものであり得る。
【0033】
さらに、画像は、食品製品508の製造中、又は食料品店若しくは肉屋で販売のために用意された肉製品等の食品製品508が容器500内に包装される際の食品製品508に関連し得る。画像は、タブレット、携帯電話、仮想現実ヘッドセット、又は販売視聴システムのポイント等の当技術分野で公知の他の適切なデバイスを使用して、消費者が見ることができる。重要なのは、消費者(図示せず)に提示される食品製品104のビューが、従来技術の容器100の透明な窓104を介してアクセスできる1つの特定のビューに制限されないことである。例えば、第1及び/又は第2のコード識別子構成要素502、506によって視覚装置に提供されるビューは、食品製品508の2次元又は3次元画像であり得、及び/又はビューは、栄養情報、調理説明書及び/又は推奨事項、「販売期限(best buy)」若しくは有効期限の情報、又は消費者に役に立ち得る任意のその他の情報など、食品製品508に関する追加情報を提供することができる。ビューはまた、消費者に、仮想若しくは実際の特価品又は販促品、リンクされたマーケティング、割引、又は当技術分野で公知の食品製品に関連若しくは非関連の任意の他の適切な情報を提供することができる。
【0034】
図6は、本発明のさらなる代替的な実施形態、及びその上に含まれるコード識別子構成要素602とその中に入れられた食品製品660とを含む食品包装容器600の正面斜視図を開示している。上述のように、コード識別子構成要素602は、典型的には、NFC(近距離無線通信)若しくはUHF(超高周波)デバイスなどの2Dバーコード又はRFIDタグ、又は当技術分野で公知の任意の他の適切なコード識別子である。コード識別子構成要素602は、食品包装容器600内に入れられた食品製品606の汎用的又は特定の画像及び/又はこれに関連若しくは非関連の追加情報を消費者に提示するように、バーコードスキャナ、RFIDリーダー、タブレット、携帯電話、又は他の適切なスキャンデバイス等の電子デバイスでスキャンされ得る。あるいは、コード識別子構成要素602がスキャンされる際の消費者に提示される画像は、食品製品606自体ではなく、食品包装容器600内の食品製品606と同様の質量又はその他の特徴のアイテム604の画像であり得る。言い換えれば、消費者に表示される画像は、同様の質量又はその他の特徴を有する代替的且つ高価なアイテムの画像であり、消費者は、所望の製品のさまざまな代替品から選択することができる。
【0035】
図7は、本発明のさらに別の代替的な実施形態、及び感熱性製品704を収容し、コード識別子構成要素702を含む食品包装容器700の正面斜視図を示している。上述のように、コード識別子構成要素702は、典型的には、NFC(近距離無線通信)若しくはUHF(超高周波)デバイス等の2Dバーコード又はRFIDタグ、又は当技術分野で公知の任意の他の適切なコード識別子である。コード識別子構成要素702は、食品包装容器700の内容物及び/又は内容物に関連若しくは非関連の他の有用な情報をユーザーに提示するためにスキャンされる。このようにして、コード識別子構成要素702は、典型的には、従来技術の容器100に関連する透明な窓104(及びそれに関連する様々な制限)を取り除いて、購入前に食品包装容器700を物理的に開封しなくても、容器700の内容物を見ることができる。
【0036】
したがって、コード識別子構成要素702は、ユーザーがコード識別子構成要素702をスキャンすると、容器700内の感熱性製品704の画像がデバイスに仮想的に表示されるように、感熱性製品704の画像にリンクされる。具体的に、画像は、容器700内にどのタイプのケーキが実際に入っているかに関係なく常に同じケーキの写真など、汎用的なものであり得る。対照的に、画像は、容器700内の感熱性製品704の包装作業の一部として画像が撮影された特定のものであり得る。さらに、画像は、感熱性製品704の製造中、又は製品が容器700内に包装された際の感熱性製品704に関連し得る。画像は、タブレット、携帯電話、仮想現実ヘッドセット、又は当技術分野で公知の他の適切なデバイスで見ることができる。ユーザーに提示される感熱性製品704のビューは、従来技術の包装装置の透明な窓を介してアクセスできる1つの特定のビューに制限されない。
【0037】
例えば、コード識別子構成要素702によって視覚装置に提供されるビューは、感熱性製品704の2次元又は3次元画像であり得、又はビューは、製品又は製品の一部に関するさらなる栄養情報を提供することができ、及び/又は仮想若しくは実際の特価品又は販促品、リンクされたマーケティング、割引、又は当技術分野で公知の製品704に関連する任意の他の適切な情報を提供することができる。したがって、透明な窓の除去は、食品包装容器700が感熱性製品704又は任意の他の適切な感度の製品等、特定の製品を保護するために保護材料で製造できるようにする。保護材料は、環境的に持続可能な澱粉発泡体若しくは紙等、又は当技術分野で公知の任意の他の適切な保護材料を含むことができる。
【0038】
上述したものは、請求された主題の例を含む。もちろん、請求された主題を説明する目的で、構成要素又は方法論のすべての可能な組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者は、請求された主題の多くのさらなる組み合わせ及び置換が可能であることを認めることができる。したがって、請求された主題は、添付の特許請求の範囲の思想及び範囲内にあるそのようなすべての変更、修正、及び変化を含むことを意図する。さらに、用語「含む(include)」が詳細な説明又は特許請求の範囲で使用される場合に、このような用語は、「含む(comprising)」が請求項で移行語として使用される場合に解釈される際に、用語「含む(comprising)」と同様の方法で包括することを意図する。