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特開2024-178371バスバーアッセンブリの製造方法及びバスバーアッセンブリ用平板積層構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178371
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】バスバーアッセンブリの製造方法及びバスバーアッセンブリ用平板積層構造
(51)【国際特許分類】
   H01B 13/00 20060101AFI20241217BHJP
   H01B 5/02 20060101ALI20241217BHJP
   H01B 5/00 20060101ALI20241217BHJP
   H01R 4/58 20060101ALN20241217BHJP
【FI】
H01B13/00 515
H01B5/02 Z
H01B5/00
H01R4/58 C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024165762
(22)【出願日】2024-09-25
(62)【分割の表示】P 2020174393の分割
【原出願日】2020-10-16
(71)【出願人】
【識別番号】000175722
【氏名又は名称】サンコール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】龍見 翔太
(72)【発明者】
【氏名】足立 佑介
(57)【要約】
【課題】複数個の枠体付き平面型バスバーアッセンブリを同時に且つ歩留まり良く製造可能なバスバーアッセンブリの製造方法を提供する。
【解決手段】X方向に並列されたm個のバスバー列及びバスバー側把持片を有し、バスバー列がY方向に沿ったn個のバスバー形成領域及びバスバー側連結片を有しているバスバー用平板と、X方向に並列されたm個の枠体列及び枠体側把持片を有し、枠体列がバスバー形成領域と同一ピッチでY方向に沿ったn個の枠体形成領域及び枠体側連結片を有している枠体用平板とが重合状態で固着され、バスバー側連結片及び枠体側連結片は平面視において重合しないように互いに対して変位されており、バスバー形成領域及びバスバー側連結片の境界が枠体用平板と対向する面から反対の面へ切断され、枠体形成領域及び枠体側連結片の境界がバスバー用平板と対向する面から反対の面へ切断される。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の板厚方向一方側の上面を覆う上面側積層部を含むバスバー側絶縁層と、前記バスバー連結体と平面視同一外形状を有し且つ上下に貫通する中央孔が設けられた枠体本体及び前記枠体本体の外周面を覆う枠体側絶縁層を有する枠体とを備え、前記上面側積層部には、前記複数のバスバーの各々の上面の少なくとも一部を露出させる一又は複数の上面側開口が設けられ、前記枠体は、平面視において前記一又は複数の上面側開口が前記中央孔内に位置する状態で前記バスバー連結体の上面の周縁に前記上面側積層部を介して固着されているバスバーアッセンブリの製造方法であって、
前記バスバー連結体に対応した平面視外形状を有するバスバー形成領域を含む導電性金属製のバスバー用平板を用意する工程と、
前記バスバー形成領域に、板厚方向に貫通し且つ前記間隙と同一幅を有する一又は複数のスリットを形成して、当該バスバー形成領域を前記複数のバスバーに対応した複数のバスバー形成部位に区画するスリット形成工程と、
少なくとも前記スリット内及び前記バスバー形成領域の上面に絶縁性樹脂塗料を塗布し硬化させて前記バスバー側絶縁層を設けるバスバー側絶縁層形成工程と、
前記バスバー側絶縁層の上面側積層部にレーザー光を照射して前記一又は複数の上面側開口を設けるレーザー光照射工程と、
前記バスバー用平板を用意する工程から前記レーザー光照射工程までの処理の前又は後、若しくは、並行して行う枠体形成処理であって、前記バスバー形成領域に対応した平面視外形状を有し且つ前記中央孔に対応した貫通孔が形成された枠体形成領域を含む導電性金属製の枠体用平板を用意する工程、及び、前記枠体形成領域の外周面に絶縁性樹脂塗料を塗布し硬化させて前記枠体側絶縁層を設ける枠体側絶縁層形成工程を含む枠体形成処理と、
前記レーザー光照射工程の前又は後に、前記枠体形成処理後の前記枠体形成領域の下面を前記バスバー側絶縁層形成工程後の前記バスバー形成領域の上面に重合状態で固着させる平板固着工程と、
前記平板固着工程後において、固着状態の前記バスバー形成領域及び前記枠体形成領域を前記バスバー用平板及び前記枠体用平板から切断する切断工程とを含み、
前記バスバー用平板は、当該バスバー用平板が位置するX-Y平面の第1方向に沿って直列配置された複数の前記バスバー形成領域及び前記複数のバスバー形成領域を一体的に連結する複数のバスバー側連結片によって形成されるバスバー列を有し、
一のバスバー形成領域に形成された前記スリットは、長手方向一端側が当該一のバスバー形成領域の第1方向一方側に連接されたバスバー側連結片内へ延び且つ長手方向他端側が当該一のバスバー形成領域の第1方向他方側に連接されたバスバー側連結片内へ延びており、
前記枠体用平板は、前記バスバー列における複数のバスバー形成領域と同一ピッチで同数だけ第1方向に直列配置された複数の前記枠体形成領域及び前記複数の枠体形成領域を一体的に連結する複数の枠体側連結片によって形成される枠体列を有し、
前記バスバー側連結片及び前記枠体側連結片は、前記枠体用平板及び前記バスバー用平板を固着させた際に、平面視において重合しないように互いに対して変位されており、
前記切断工程は、前記バスバー形成領域及び前記バスバー側連結片の境界を前記枠体用平板と対向する面の側から前記枠体用平板とは反対の面の側へ向かって切断するバスバー側切断加工と、前記枠体形成領域及び前記枠体側連結片の境界を前記バスバー用平板と対向する面の側から前記バスバー用平板とは反対の面の側へ向かって切断する枠体側切断加工とを含むことを特徴とするバスバーアッセンブリの製造方法。
【請求項2】
前記バスバー側連結片は、前記バスバー列の幅方向に関し中央に配置され、
前記枠体側連結片は、前記枠体列の幅方向に関し中央を挟んだ両側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバスバーアッセンブリの製造方法。
【請求項3】
前記バスバー用平板は、当該バスバー用平板が位置するX-Y平面内において第1方向とは直交する第2方向に並列配置された複数の前記バスバー列と、前記複数のバスバー列を一体的に保持するバスバー側把持片とを有し、
前記枠体用平板は、第2方向に前記複数のバスバー列と同一ピッチで同数だけ並列配置された複数の前記枠体列と、前記複数の枠体列を一体的に保持する枠体側把持片とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバスバーアッセンブリの製造方法。
【請求項4】
導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の板厚方向一方側の上面を覆う上面側積層部を含むバスバー側絶縁層と、前記バスバー連結体と平面視同一外形状を有し且つ上下に貫通する中央孔が設けられた枠体本体及び前記枠体本体の外周面を覆う枠体側絶縁層を有する枠体とを備え、前記上面側積層部には、前記複数のバスバーの各々の上面の少なくとも一部を露出させる一又は複数の上面側開口が設けられ、前記枠体は、平面視において前記一又は複数の上面側開口が前記中央孔内に位置する状態で前記バスバー連結体の上面の周縁に前記上面側積層部を介して固着されているバスバーアッセンブリが同一平面内において複数個連結されてなるバスバーアッセンブリ用平板積層構造であって、
導電性金属製のバスバー用平板であって、前記バスバー連結体に対応した平面視外形状を有し、当該バスバー用平板が位置するX-Y平面の第1方向に沿って直列配置された複数のバスバー形成領域及び前記複数のバスバー形成領域を一体的に連結する複数のバスバー側連結片によって形成されるバスバー列を有し、前記複数のバスバー形成領域の各々は、板厚方向に貫通し且つ前記間隙と同一幅を有する一又は複数のスリットによって前記複数のバスバーに対応した複数のバスバー形成部位に区画されているバスバー用平板と、
前記スリット内に充填されて前記間隙充填部を形成する部分及び前記バスバー形成領域の上面に設けられて前記上面側積層部を形成する部分を有し、前記上面側積層部を形成する部分には前記一又は複数の上面側開口が設けられているバスバー側絶縁性塗膜と、
前記バスバー形成領域に対応した平面視外形状を有し、前記バスバー列における複数のバスバー形成領域と同一ピッチで第1方向に直列配置された複数の枠体形成領域及び前記複数の枠体形成領域を一体的に連結する複数の枠体側連結片によって形成される枠体列を有する導電性金属製の枠体用平板であって、前記複数の枠体形成領域の各々には、前記中央孔を形成する貫通孔が設けられている枠体用平板と、
前記枠体形成領域の外周面に設けられて前記枠体側絶縁層を形成する枠体側絶縁性塗膜とを備え、
一のバスバー形成領域に形成された前記スリットは、長手方向一端側が当該一のバスバー形成領域の第1方向一方側に連接されたバスバー側連結片内へ延び且つ長手方向他端側が当該一のバスバー形成領域の第1方向他方側に連接されたバスバー側連結片内へ延びており、
前記バスバー側絶縁性塗膜が設けられた前記バスバー形成領域に前記枠体側絶縁性塗膜が設けられた前記枠体形成領域が重合されるように前記バスバー用平板及び前記枠体用平板が固着されており、
前記バスバー側連結片及び前記枠体側連結片は、前記枠体用平板及び前記バスバー用平板の固着状態において、平面視において重合しないように互いに対して変位されていることを特徴とするバスバーアッセンブリ用平板積層構造。
【請求項5】
前記バスバー側連結片は、前記バスバー列の幅方向に関し中央に配置され、
前記枠体側連結片は、前記枠体列の幅方向に関し中央を挟んだ両側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のバスバーアッセンブリ用平板積層構造。
【請求項6】
前記バスバー用平板は、当該バスバー用平板が位置するX-Y平面において第1方向と直交する第2方向に並列配置された複数の前記バスバー列と、前記複数のバスバー列を一体的に保持するバスバー側把持片とを有し、
前記枠体用平板は、前記複数のバスバー列と同一ピッチで第2方向に並列配置された複数の前記枠体列と、前記複数の枠体列を一体的に保持する枠体側把持片とを有していることを特徴とする請求項4又は5に記載のバスバーアッセンブリ用平板積層構造。
【請求項7】
前記バスバー側絶縁性塗膜は、さらに、前記バスバー形成領域の下面に設けられて前記バスバー連結体の板厚方向他方側の下面を覆う下面側積層部を形成する部分、及び、前記バスバー形成領域の側面に設けられて前記バスバー連結体の側面を覆う側面側積層部を形成する部分を有し、
前記下面側積層部を形成する部分には、前記複数のバスバーの各々の下面の少なくとも一部を露出させる一又は複数の下面側開口が設けられていることを特徴とする請求項4から6の何れかに記載のバスバーアッセンブリ用平板積層構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバスバーが電気的には絶縁状態で且つ機械的には連結されてなるバスバーアッセンブリの製造方法及びバスバーアッセンブリ用平板積層構造に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに対して電気的には絶縁状態で且つ機械的には連結されている複数のバスバーを備えたバスバーアッセンブリが提案され、種々の分野において利用されている。
【0003】
例えば、一の平板状バスバーと他の平板状バスバーとが互いに対して平行状態で上下に積層されてなる積層型のバスバーアッセンブリが提案されている(下記特許文献1及び2参照)。
【0004】
前記積層型バスバーアッセンブリは、一の平板状バスバーの対向平面と他の平板状バスバーの対向平面とが絶縁層を挟んで全面的に対向配置されている為、絶縁性に関する信頼性を十分には確保し難いという問題がある。
特に、上下方向に関し小型化を図る為に前記一の平板状バスバーと前記他の平板状バスバーとの間の絶縁層の厚みを薄くすると、両バスバー間にリーク電流が流れる恐れがある。
【0005】
前記積層型バスバーアッセンブリの問題点を解決する為に、本願出願人は、導電性金属平板の第1及び第2バスバーが同一平面内で並列配置されている平面型バスバーアッセンブリに関する出願を行い、特許を受けている(下記特許文献3及び4参照)。
【0006】
図17に、前記平板型バスバーアッセンブリ500にLED等の半導体素子110が装着されてなる半導体モジュール600の縦断面図を示す。
【0007】
図17に示すように、前記平面側バスバーアッセンブリ500は、導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に間隙519が存する状態で同一平面内に配置された複数の第1及び第2バスバー510(1)、510(2)と、前記間隙519内に充填された間隙充填部529及び前記間隙充填部529によって連結されてなるバスバー連結体の板厚方向一方側の上面を覆うように前記間隙充填部529から一体的に延びる上面側積層部521を含むバスバー側絶縁層520と、前記バスバー連結体と平面視同一外形状を有し且つ上下に貫通する中央孔523が設けられた枠体本体531及び前記枠体本体531の外周面を覆う枠体側絶縁層540を有する枠体530とを備えている。
【0008】
前記平面型バスバーアッセンブリ500においては、前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)の一方が陽極として作用し、他方が陰極として作用する。
【0009】
前記上面側積層部521には、前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)の各々の上面の少なくとも一部を露出させる第1及び第2上面側開口522(1)、522(2)が設けられている。
【0010】
前記第1バスバー510(1)の上面のうち前記第1上面側開口522(1)を介して露出する部分が前記第1バスバー510(1)の上面側接続部を形成し、前記第2バスバー510(2)の上面のうち前記第2上面側開口522(2)を介して露出する部分が前記第2バスバー510(2)の上面側接続部を形成している。
【0011】
前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)の一方の上面側接続部に前記半導体素子110における一対の電極層111、112の一方が電気的に接続状態で装着され、前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)の他方の上面側接続部に前記半導体素子110における他方の電極層がワイヤ120等の電気接続部材を介して電気的に接続されている。
【0012】
即ち、前記半導体素子110は、素子本体115と、前記素子本体115の厚み方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された上側電極層111及び下側電極層112とを有しており、下側電極層112が前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)の一方(図17においては前記第1バスバー510(1))における上面側接続部に、例えば、メッキ層(図示せず)を介して機械的且つ電気的に接続され、且つ、前記上側電極層111が前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)の他方(図17においては前記第2バスバー510(2))の上面側接続部にワイヤ120を介して電気的に接続される。
【0013】
なお、図示の形態においては、前記バスバー側絶縁層520は、さらに、前記バスバー連結体の板厚方向他方側の下面を覆う下面側積層部523及び前記バスバー連結体の側面を覆う側面側積層部525を有しており、前記下面側積層部523には、前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)の各々の下面の少なくとも一部を露出させる第1及び第2下面側開口524(1)、524(2)が設けられている。
【0014】
前記第1バスバー510(1)の下面のうち前記第1下面側開口524(1)を介して露出する部分が前記第1バスバー510(1)の下面側接続部を形成し、前記第2バスバー510(2)の下面のうち前記第2下面側開口524(2)を介して露出する部分が前記第2バスバー510(2)の下面側接続部を形成している。
【0015】
前記枠体530は、前記半導体素子110及び前記ワイヤ120を保護する封止樹脂体130の流出及び脱離を防止する為の部材であり、平面視において前記第1及び第2上面側開口522(1)、522(2)が前記中央孔535内に位置する状態で前記バスバー連結体の上面の周縁に固着されている。
【0016】
即ち、前記封止樹脂体130は、前記半導体素子110及びワイヤ120を囲繞するように前記バスバー連結体の上面に絶縁性樹脂を流し込んで硬化させることによって形成されるが、前記枠体530は、前記絶縁性樹脂が硬化前に流れ出ることを防止すると共に、硬化後に前記封止樹脂体130が前記バスバーアッセンブリ500から脱離することを防止する。
【0017】
前記特許文献4には、前記枠体付き平面型バスバーアッセンブリ500を効率よく製造し得る製造方法(以下、従来の製造方法という)が記載されている。
以下、従来の製造方法について説明する。
【0018】
従来の製造方法は、導電性金属製のバスバー用平板550を用意する工程を有している。
図18に、前記バスバー用平板550の平面図を示す。
【0019】
図18に示すように、前記バスバー用平板550は、当該バスバー用平板550が位置するX-Y平面の第1方向(下記図18においてはY方向)に沿ったバスバー列555を有している。
【0020】
前記バスバー列555は、前記バスバー連結体に対応した平面視外形状を有し、X-Y平面の第1方向に沿って直列配置された複数(図示の形態においては5個)のバスバー形成領域560と、前記複数のバスバー形成領域560を一体的に連結する複数(図示の形態においては6個)のバスバー側連結片570とを有している。
【0021】
従来の製造方法は、スリット形成工程を有している。
前記スリット形成工程は、前記バスバー形成領域560に、板厚方向に貫通し且つ前記間隙519と同一幅を有するスリット569を形成して、当該バスバー形成領域560を前記複数のバスバー510(1)、510(2)に対応した複数のバスバー形成部位565(1)、565(2)に区画するように構成されている。
なお、図18は、前記スリット形成工程後の状態を示している。
【0022】
図18に示すように、前記スリット形成工程において一のバスバー形成領域560に形成された前記スリット569は、長手方向一端側が当該一のバスバー形成領域の前記第1方向(図示の形態においてはY方向)の一方側(例えば、図18において下方側)に連接されたバスバー側連結片570内へ延び且つ長手方向他端側が当該一のバスバー形成領域560の第1方向の他方側(例えば、図18において上方側)に連接されたバスバー側連結片570内へ延びている。
【0023】
従来の製造方法は、さらに、前記スリット569内及び前記バスバー形成領域560の外周面に絶縁性樹脂塗料を塗布し硬化させて前記バスバー側絶縁層520を設けるバスバー側絶縁層形成工程を備えている。
図19に、前記バスバー側絶縁層形成工程後の前記バスバー用平板550の平面図を示す。
【0024】
従来の製造方法は、さらに、前記バスバー側絶縁層520の上面側積層部521にレーザー光を照射して前記第1及び第2上面側開口522(1)、522(2)を形成し且つ下面側積層部523にレーザー光を照射して前記第1及び第2下面側開口524(1)、524(2)を形成するレーザー光照射工程を備えている。
図20(a)及び(b)に、それぞれ、前記レーザー光照射工程後の前記バスバー用平板550の平面図及び底面図を示す。
【0025】
従来の製造方法は、前記バスバー用平板550に対する加工とは別に、前記枠体530を形成する枠体形成処理を有している。
【0026】
詳しくは、前記枠体形成処理は、導電性金属製の枠体用平板650を用意する工程を有している。
図21に、前記枠体用平板650の平面図を示す。
【0027】
図21に示すように、前記枠体用平板650は、前記バスバー列555と同一方向(X-Y平面のY方向)に沿った枠体列655を有している。
【0028】
前記枠体列655は、前記バスバー形成領域560に対応した平面視外形状を有し且つ前記中央孔35に対応した貫通孔665が形成された複数(図示の形態においては5個)の枠体形成領域660と、前記複数の枠体形成領域660を一体的に連結する複数(図示の形態においては6個)の枠体側連結片670とを有している。
【0029】
前記枠体形成処理は、さらに、前記枠体形成領域660の外周面に絶縁性樹脂塗料を塗布し硬化させて前記枠体側絶縁層540を設ける枠体側絶縁層形成工程を有している。
図22に、前記枠体側絶縁層形成工程後の前記枠体用平板650の平面図を示す。
【0030】
従来の製造方法は、さらに、前記枠体形成処理後の前記枠体形成領域660の下面を前記バスバー側絶縁層形成工程後の前記バスバー形成領域560の上面に重合状態で固着させる平板固着工程を有している。
図23に、前記平板固着工程後の前記バスバー用平板550及び前記枠体用平板650の平面図を示す。
【0031】
従来の製造方法は、さらに、前記平板固着工程後において、固着状態の前記バスバー形成領域560及び前記枠体形成領域660を前記バスバー用平板550及び前記枠体用平板650から切断する切断工程を有している。
【0032】
かかる構成の従来の製造方法は、同時に複数個の前記枠体付きの平面型バスバーアッセンブリ500を製造できる点において有用であるが、改善の余地があった。
【0033】
従来の製造方法においては、図23に示すように、前記バスバー形成領域560及び前記枠体形成領域660が重合されるように前記バスバー用平板550及び前記枠体用平板650を固着させた際に、前記バスバー用連結片570及び前記枠体用連結片670も互いに対して重合されている。
【0034】
この場合、前記枠体形成領域660及び前記枠体側連結片670の境界D1と前記バスバー形成領域560及び前記バスバー側連結片570の境界D2とは平面視において同一位置に位置される。
【0035】
従って、従来の製造方法における前記切断工程においては、前記枠体形成領域660を前記枠体用平板650から切り離す切断加工と前記バスバー形成領域560を前記バスバー用平板550から切り離す切断加工とは平面視同一位置での一度の切断加工として行われることになる。
【0036】
図24(a)及び(b)に、図23におけるXXIV-XXIV線に沿った拡大断面図を示す。
図24(a)及び(b)は、それぞれ、切断前の状態、及び、切断後の状態を示している。
なお、図24(a)及び(b)中の符号180は、ダイヤモンドブレード等の切断部材を示し、符号190は、前記バスバー用平板550及び前記枠体用平板650を固定すると共に、前記切断部材180のガイドが設けられた保持部材である。
【0037】
図24(b)に示すように、平面視同一位置に位置されている、前記枠体形成領域660及び前記枠体側連結片670の境界D1と前記バスバー形成領域560及び前記バスバー側連結片570の境界D2とを、一度の切断加工によって切断した場合には、前記バスバー用平板550及び前記枠体用平板650のうち切断方向上流側に位置する一方の平板(図24(a)及び(b)においては前記枠体用平板650)に生じた「バリ」680が、直下に位置する他方の平板(図24(a)及び(b)においては前記バスバー用平板550)の絶縁層を損傷させ、場合によっては、切断方向下流側に位置する平板(図24(a)及び(b)においては前記バスバー用平板550)に接触する事態が生じ得る。このような事態が生じると、製品としては使用できず、不良品となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】特許第4432913号公報
【特許文献2】特許第6487769号公報
【特許文献3】特許第6637002号公報
【特許文献4】特許第6637003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0039】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、複数個の枠体付きの平面型バスバーアッセンブリを同時に且つ歩留まり良く製造できるバスバーアッセンブリの製造方法法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0040】
前記目的を達成するために、本発明は、導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の板厚方向一方側の上面を覆う上面側積層部を含むバスバー側絶縁層と、前記バスバー連結体と平面視同一外形状を有し且つ上下に貫通する中央孔が設けられた枠体本体及び前記枠体本体の外周面を覆う枠体側絶縁層を有する枠体とを備え、前記上面側積層部には、前記複数のバスバーの各々の上面の少なくとも一部を露出させる一又は複数の上面側開口が設けられ、前記枠体は、平面視において前記一又は複数の上面側開口が前記中央孔内に位置する状態で前記バスバー連結体の上面の周縁に前記上面側積層部を介して固着されているバスバーアッセンブリの製造方法であって、前記バスバー連結体に対応した平面視外形状を有するバスバー形成領域を含む導電性金属製のバスバー用平板を用意する工程と、前記バスバー形成領域に、板厚方向に貫通し且つ前記間隙と同一幅を有する一又は複数のスリットを形成して、当該バスバー形成領域を前記複数のバスバーに対応した複数のバスバー形成部位に区画するスリット形成工程と、少なくとも前記スリット内及び前記バスバー形成領域の上面に絶縁性樹脂塗料を塗布し硬化させて前記バスバー側絶縁層を設けるバスバー側絶縁層形成工程と、前記バスバー側絶縁層の上面側積層部にレーザー光を照射して前記一又は複数の上面側開口を設けるレーザー光照射工程と、前記バスバー用平板を用意する工程から前記レーザー光照射工程までの処理の前又は後、若しくは、並行して行う枠体形成処理であって、前記バスバー形成領域に対応した平面視外形状を有し且つ前記中央孔に対応した貫通孔が形成された枠体形成領域を含む導電性金属製の枠体用平板を用意する工程、及び、前記枠体形成領域の外周面に絶縁性樹脂塗料を塗布し硬化させて前記枠体側絶縁層を設ける枠体側絶縁層形成工程を含む枠体形成処理と、前記レーザー光照射工程の前又は後に、前記枠体形成処理後の前記枠体形成領域の下面を前記バスバー側絶縁層形成工程後の前記バスバー形成領域の上面に重合状態で固着させる平板固着工程と、前記平板固着工程後において、固着状態の前記バスバー形成領域及び前記枠体形成領域を前記バスバー用平板及び前記枠体用平板から切断する切断工程とを含み、前記バスバー用平板は、当該バスバー用平板が位置するX-Y平面の第1方向に沿って直列配置された複数の前記バスバー形成領域及び前記複数のバスバー形成領域を一体的に連結する複数のバスバー側連結片によって形成されるバスバー列を有し、一のバスバー形成領域に形成された前記スリットは、長手方向一端側が当該一のバスバー形成領域の第1方向一方側に連接されたバスバー側連結片内へ延び且つ長手方向他端側が当該一のバスバー形成領域の第1方向他方側に連接されたバスバー側連結片内へ延びており、前記枠体用平板は、前記バスバー列における複数のバスバー形成領域と同一ピッチで同数だけ第1方向に直列配置された複数の前記枠体形成領域及び前記複数の枠体形成領域を一体的に連結する複数の枠体側連結片によって形成される枠体列を有し、前記バスバー側連結片及び前記枠体側連結片は、前記枠体用平板及び前記バスバー用平板を固着させた際に、平面視において重合しないように互いに対して変位されており、前記切断工程は、前記バスバー形成領域及び前記バスバー側連結片の境界を前記枠体用平板と対向する面の側から前記枠体用平板とは反対の面の側へ向かって切断するバスバー側切断加工と、前記枠体形成領域及び前記枠体側連結片の境界を前記バスバー用平板と対向する面の側から前記バスバー用平板とは反対の面の側へ向かって切断する枠体側切断加工とを含むバスバーアッセンブリの製造方法を提供する。
【0041】
好ましくは、前記バスバー側連結片は、前記バスバー列の幅方向に関し中央に配置され、前記枠体側連結片は、前記枠体列の幅方向に関し中央を挟んだ両側に配置される。
【0042】
好ましくは、前記バスバー用平板は、当該バスバー用平板が位置するX-Y平面内において第1方向とは直交する第2方向に並列配置された複数の前記バスバー列と、前記複数のバスバー列を一体的に保持するバスバー側把持片とを有し、前記枠体用平板は、第2方向に前記複数のバスバー列と同一ピッチで同数だけ並列配置された複数の前記枠体列と、前記複数の枠体列を一体的に保持する枠体側把持片とを有するものとされる。
【0043】
また、本発明は、導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の板厚方向一方側の上面を覆う上面側積層部を含むバスバー側絶縁層と、前記バスバー連結体と平面視同一外形状を有し且つ上下に貫通する中央孔が設けられた枠体本体及び前記枠体本体の外周面を覆う枠体側絶縁層を有する枠体とを備え、前記上面側積層部には、前記複数のバスバーの各々の上面の少なくとも一部を露出させる一又は複数の上面側開口が設けられ、前記枠体は、平面視において前記一又は複数の上面側開口が前記中央孔内に位置する状態で前記バスバー連結体の上面の周縁に前記上面側積層部を介して固着されているバスバーアッセンブリが同一平面内において複数個連結されてなるバスバーアッセンブリ用平板積層構造であって、導電性金属製のバスバー用平板であって、前記バスバー連結体に対応した平面視外形状を有し、当該バスバー用平板が位置するX-Y平面の第1方向に沿って直列配置された複数のバスバー形成領域及び前記複数のバスバー形成領域を一体的に連結する複数のバスバー側連結片によって形成されるバスバー列を有し、前記複数のバスバー形成領域の各々は、板厚方向に貫通し且つ前記間隙と同一幅を有する一又は複数のスリットによって前記複数のバスバーに対応した複数のバスバー形成部位に区画されているバスバー用平板と、前記スリット内に充填されて前記間隙充填部を形成する部分及び前記バスバー形成領域の上面に設けられて前記上面側積層部を形成する部分を有し、前記上面側積層部を形成する部分には前記一又は複数の上面側開口が設けられているバスバー側絶縁性塗膜と、前記バスバー形成領域に対応した平面視外形状を有し、前記バスバー列における複数のバスバー形成領域と同一ピッチで第1方向に直列配置された複数の枠体形成領域及び前記複数の枠体形成領域を一体的に連結する複数の枠体側連結片によって形成される枠体列を有する導電性金属製の枠体用平板であって、前記複数の枠体形成領域の各々には、前記中央孔を形成する貫通孔が設けられている枠体用平板と、前記枠体形成領域の外周面に設けられて前記枠体側絶縁層を形成する枠体側絶縁性塗膜とを備え、一のバスバー形成領域に形成された前記スリットは、長手方向一端側が当該一のバスバー形成領域の第1方向一方側に連接されたバスバー側連結片内へ延び且つ長手方向他端側が当該一のバスバー形成領域の第1方向他方側に連接されたバスバー側連結片内へ延びており、前記バスバー側絶縁性塗膜が設けられた前記バスバー形成領域に前記枠体側絶縁性塗膜が設けられた前記枠体形成領域が重合されるように前記バスバー用平板及び前記枠体用平板が固着されており、前記バスバー側連結片及び前記枠体側連結片は、前記枠体用平板及び前記バスバー用平板の固着状態において、平面視において重合しないように互いに対して変位されているバスバーアッセンブリ用平板積層構造を提供する。
【0044】
好ましくは、前記バスバー側連結片は、前記バスバー列の幅方向に関し中央に配置され、前記枠体側連結片は、前記枠体列の幅方向に関し中央を挟んだ両側に配置される。
【0045】
好ましくは、前記バスバー用平板は、当該バスバー用平板が位置するX-Y平面において第1方向と直交する第2方向に並列配置された複数の前記バスバー列と、前記複数のバスバー列を一体的に保持するバスバー側把持片とを有し、前記枠体用平板は、前記複数のバスバー列と同一ピッチで第2方向に並列配置された複数の前記枠体列と、前記複数の枠体列を一体的に保持する枠体側把持片とを有するものとされる。
【0046】
好ましくは、前記バスバー側絶縁性塗膜は、さらに、前記バスバー形成領域の下面に設けられて前記バスバー連結体の板厚方向他方側の下面を覆う下面側積層部を形成する部分、及び、前記バスバー形成領域の側面に設けられて前記バスバー連結体の側面を覆う側面側積層部を形成する部分を有するものとされ、前記下面側積層部を形成する部分には、前記複数のバスバーの各々の下面の少なくとも一部を露出させる一又は複数の下面側開口が設けられる。
【発明の効果】
【0047】
本発明に係るバスバーアッセンブリの製造方法によれば、複数個の枠体付きの平面型バスバーアッセンブリを同時に且つ歩留まり良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1(a)は、本発明の実施の形態1に係る製造方法によって製造されたバスバーアッセンブリにLED等の半導体素子が装着されてなる半導体モジュールの平面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるI(b)-I(b)線に沿った断面図である。
図2図2は、前記実施の形態1に係る製造方法において用いられるバスバー用平板の平面図であり、前記製造方法におけるスリット形成工程後の状態を示している。
図3図3は、前記実施の形態1に係る製造方法におけるバスバー側絶縁層形成工程後の前記バスバー用平板の平面図である。
図4図4は、前記実施の形態1に係る製造方法におけるレーザー光照射工程後の前記バスバー用平板の平面図である。
図5図5は、前記実施の形態1に係る製造方法におけるレーザー光照射工程後の前記バスバー用平板の底面図である。
図6図6は、前記実施の形態1に係る製造方法において用いられる枠体用平板の平面図である。
図7図7は、前記実施の形態1に係る製造方法における枠体側絶縁層形成工程後の前記枠体用平板の平面図である。
図8図8は、前記実施の形態1に係る製造方法における平板固着工程後の前記バスバー用平板及び前記枠体用平板の平面図である。
図9図9は、図8におけるIX部拡大図である。
図10図10(a)は、図9におけるX(a)-X(a)線に沿った断面図であり、前記実施の形態1に係る製造方法における切断工程の枠体側切断加工を行っている状態を示している。図10(b)は、図9におけるX(b)-X(b)線に沿った断面図であり、前記切断工程のバスバー側切断加工を行っている状態を示している。
図11図11は、本発明の実施の形態2に係る製造方法において用いられるバスバー用平板の平面図であり、前記製造方法におけるスリット形成工程後の状態を示している。
図12図12は、前記実施の形態2に係る製造方法において用いられる枠体用平板の平面図である。
図13図13は、前記実施の形態2に係る製造方法における平板固着工程後の前記バスバー用平板及び前記枠体用平板の平面図である。
図14図14は、図13におけるXIV部拡大図である。
図15図15(a)は、図14におけるXV(a)-XV(a)線に沿った断面図であり、前記実施の形態2に係る製造方法における切断工程の枠体側切断加工を行っている状態を示している。図15(b)は、図14におけるX(b)-X(b)線に沿った断面図であり、前記切断工程のバスバー側切断加工を行っている状態を示している。
図16図16は、前記実施の形態2の変形例に係る製造方法において用いられるバスバー用平板及び枠体用平板の平板固着工程後の平面図である。
図17図17は、平板型バスバーアッセンブリにLED等の半導体素子が装着されてなる半導体モジュールの縦断面図である。
図18図18は、従来の製造方法において用いられるバスバー用平板の平面図であり、前記製造方法におけるスリット形成工程後の状態を示している。
図19図19は、従来の製造方法におけるバスバー側絶縁層形成工程後の前記バスバー用平板の平面図である。
図20図20(a)及び(b)は、それぞれ、従来の製造方法におけるレーザー光照射工程後の前記バスバー用平板の平面図及び底面図である。
図21図21は、従来の製造方法において用いられる枠体用平板の平面図である。
図22図22は、従来の製造方法における枠体側絶縁層形成工程後の前記枠体用平板の平面図である。
図23図23は、従来の製造方法における平板固着工程後の前記バスバー用平板及び前記枠体用平板の平面図である。
図24図24(a)及び(b)は、図23におけるXXIV-XXIV線に沿った拡大断面図であり、それぞれ、切断前の状態、及び、切断後の状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0049】
実施の形態1
以下、本発明に係るバスバーアッセンブリの製造方法の一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1(a)及び(b)に、それぞれ、本実施の形態に係る製造方法によって製造されたバスバーアッセンブリ1にLED等の半導体素子110が装着されてなる半導体モジュール101の平面図及び図1(a)におけるI(b)-I(b)線に沿った断面図を示す。
【0050】
図1(a)及び(b)に示すように、前記バスバーアッセンブリ1は、導電性平板状部材によって形成され、対向する側面15の間に間隙19が存する状態で同一平面内に並列配置された複数のバスバー10と、前記間隙19内に充填された間隙充填部29及び前記複数のバスバー10が前記間隙充填部29によって連結されてなるバスバー連結体の上面を覆う上面側積層部21を含むバスバー側絶縁層20と、前記バスバー連結体と平面視同一外形状を有し且つ上下に貫通する中央孔35が設けられた枠体本体31及び前記枠体本体31の外周面を覆う枠体側絶縁層40を有する枠体30とを備えている。
【0051】
前記バスバー10は、Cu等の導電性金属によって形成される。
本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ1は、前記複数のバスバー10として、第1及び第2バスバー10(1)、10(2)の2つのバスバーを有している。
当然ながら、前記複数のバスバー10として、3つ以上のバスバーを有することも可能である。
【0052】
前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2)の各々は、厚み方向一方側及び他方側をそれぞれ向く上面11及び下面12と、前記上面11及び下面13を連結する側面15とを有しており、隣接するバスバー10の側面15が前記間隙19を介して対向されている。
【0053】
前記バスバー側絶縁層20は、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の耐熱性及び絶縁性を有する絶縁性樹脂塗膜によって形成され、好ましくは、好適には、インシュリード(登録商標)を用いて形成される。
【0054】
前記上面側積層部21には、前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2)の各々の上面の少なくとも一部を露出させる一又は複数の上面側開口22(1)、22(2)が設けられている。
【0055】
図1(a)及び(b)に示すように、本実施の形態においては、前記上面側積層部21には、前記複数のバスバー10(前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2))の上面11の一部をそれぞれ露出させる複数の上面側開口(第1及び第2上面側開口22(1)、22(2))が設けられている。
【0056】
これに代えて、前記上面側積層部21に、前記複数のバスバー10(前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2))の上面11の一部を一体的に露出させる単一の上面側開口を設けることも可能である。
【0057】
前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2)の上面11のうち、前記上面側開口(本実施の形態においては前記第1及び第2上面側開口22(1)、22(2))を介して露出する部分は、上面側接続部12を形成している。
【0058】
前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2)の一方(例えば、前記第1バスバー10(1))の上面側接続部12には、前記半導体素子110における一対の電極層の一方が電気的に接続状態で装着され、前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2)の他方(例えば、前記第2バスバー10(2))の上面側接続部12には前記半導体素子110における一対の電極層の他方がワイヤ等の電気接続部材120を介して電気的に接続される。
【0059】
即ち、前記半導体素子110は、厚み方向一方側の上面及び厚み方向他方側の下面にそれぞれ上側電極層111及び下側電極層112を有し、前記上側電極層111及び下側電極層112の間に素子本体115を有している。
【0060】
前記半導体モジュール101においては、前記半導体素子110の前記下側電極層112が前記第1バスバー10(1)の前記上面側接続部12に電気的に接続状態で固着され、且つ、上側電極層111が前記第2バスバー10(2)の前記上面側接続部12にワイヤ120を介して電気的に接続されている。
【0061】
前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2)の一方は陽極及び陰極の一方(例えば、陽極)である第1電極として作用し、前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2)の他方は陽極及び陰極の他方(例えば、陰極)である第2電極として作用する。
【0062】
前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2)の各々の下面13は少なくとも一部が露出されて、下面側接続部14を形成している。
【0063】
本実施の形態においては、図1(b)に示すように、前記バスバー側絶縁層20は、前記バスバー連結体の下面を覆う下面側積層部23を有しており、前記下面側積層部23には、前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2)の下面13の一部をそれぞれ露出させる第1及び第2下面側開口24(1)、24(2)が設けられている。
【0064】
これに代えて、前記下面側積層部23に、前記複数のバスバー10(前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2))の下面13の一部を一体的に露出させる単一の下面側開口を設けることも可能である。
【0065】
前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2)の下面13のうち、前記下面側開口(本実施の形態においては前記第1及び第2下面側開口24(1)、24(2))を介して露出する部分が、前記下面側接続部14を形成している。
前記下面側接続部14は、対応するバスバー10(1)、10(2)を外部に電気的に接続する為の外部用接続端子として作用する。
【0066】
なお、本実施の形態においては、前記バスバー側絶縁層20は、前記間隙充填部29、前記上面側積層部21及び前記下面側積層部23に加えて、さらに、前記バスバー連結体の側面を覆う側面側積層部25を一体的に有している。
【0067】
前記枠体30は、前記上面側接続部12に搭載される前記半導体素子110及び前記ワイヤ120を保護する封止樹脂体130を保持する。
【0068】
詳しくは、前記枠体30は、平面視において前記一又は複数の上面側開口(本実施の形態においては前記第1及び第2上面側開口22(1)、22(2))が前記中央孔35内に位置する状態で前記バスバー連結体の上面の周縁に前記上面側積層部21を介して固着されている。
【0069】
前記枠体本体31は、導電性金属部材(好ましくは前記バスバー10と同一部材)によって形成される。
【0070】
前記枠体側絶縁層40は、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の耐熱性及び絶縁性を有する絶縁性樹脂塗膜によって形成され、好ましくは、好適には、インシュリード(登録商標)を用いて形成される。
【0071】
前記封止樹脂層130は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の透明絶縁性樹脂材料によって形成される。
【0072】
詳しくは、前記封止樹脂層130を形成する絶縁性樹脂材料が、前記半導体素子110及び前記ワイヤ120を囲繞するように、前記枠体30によって画される収容空間内に流し込まれる。
前記枠体30は、前記絶縁性樹脂材料が硬化前に流れ出ること、及び、硬化後の前記封止樹脂層130が前記バスバーアッセンブリ1から脱離することを防止する。
【0073】
以下、本実施の形態に係るバスバーアッセンブリ1の製造方法について説明する。
【0074】
前記製造方法は、導電性金属製のバスバー用平板200Aを用意する工程を備えている。
図2に、前記バスバー用平板200Aの平面図を示す。
なお、図2は、下記スリット形成工程後の状態を示している。
【0075】
前記バスバー用平板200Aは、前記バスバー側絶縁層20によって複数のバスバー10(本実施の形態においては前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2))が連結されてなる前記バスバー連結体に対応した平面視外形状の複数のバスバーアッセンブリ形成領域210を有している。
【0076】
前記バスバーアッセンブリ形成領域210は、前記バスバー用平板200Aが位置するX-Y平面の第1方向(本実施の形態においてはY方向)の長さが前記バスバーアッセンブリ1の前記間隙19に平行な方向に沿った長さと同一とされ、且つ、前記X-Y平面内において第1方向とは直交する第2方向(本実施の形態においてはX方向長さ)が前記バスバーアッセンブリ1の前記間隙19の幅方向に沿った長さと同一とされている。
【0077】
図2に示すように、本実施の形態においては、前記バスバー用平板200Aは、X-Y平面のX方向に並列配置されたm個(mは2以上の整数、図示の形態においてはm=3)のバスバー列205A(本実施の形態においては第1~第3バスバー列205A(1)~(3))と、前記m個のバスバー列205Aを一体的に保持するバスバー側把持片207とを有している。
【0078】
前記各バスバー列205A(1)~(3)は、X-Y平面のY方向に沿って直列配置されたn個(nは2以上の整数、図示の形態においてはn=5)の前記バスバー形成領域210と、前記n個のバスバー形成領域210を一体的に連結する複数(n+1個)のバスバー側連結片230Aとを有している。
【0079】
即ち、本実施の形態においては、前記バスバー用平板200Aは、矩形状に配置されたm×n個(図示の形態においては3×5=15個)の前記バスバー形成領域210を有している。
【0080】
本実施の形態においては、前記バスバー側把持片207は、前記バスバー列205A(本実施の形態においては第1~第3バスバー列205A(1)~(3))の長手方向一方側及び他方側に配置された第1及び第2バスバー側把持片207(1)、207(2)を有している。
そして、前記複数のバスバー側連結片230Aのうち、前記バスバー列205Aの長手方向一方側の最外方に位置するバスバー側連結片230A(1)が前記第1バスバー側把持片207(1)に連結され、且つ、前記バスバー列205Aの長手方向他方側の最外方に位置するバスバー側連結片230A(2)が前記第2バスバー把持片207(2)に連結されている。
【0081】
図2に示すように、前記第1及び第2バスバー側把持片207(1)、207(2)には位置合わせ孔208が形成されている。
【0082】
前記製造方法は、さらに、前記バスバー形成領域210に、板厚方向に貫通し且つ前記間隙19と同一幅を有する一又は複数のスリット219を形成して、当該バスバー形成領域210を前記複数のバスバー10に対応した複数のバスバー形成部位220に区画するスリット形成工程を有している。
【0083】
前述の通り、本実施の形態においては、前記バスバーアッセンブリ1は、前記複数のバスバー10として前記第1及び第2バスバー10(1)、10(2)を有しており、従って、図2に示すように、前記スリット形成工程は、前記バスバー形成領域210に1つのスリット219を形成して、前記バスバー形成領域210を第1及び第2バスバー形成部位220(1)、220(2)に区画するように構成されている。
【0084】
一のバスバー形成領域210に形成された前記スリット219は、長手方向一端側が当該一のバスバー形成領域210のY方向一方側に連接されたバスバー側連結片230A内へ延び且つ長手方向他端側が当該一のバスバー形成領域210のY方向他方側に連接されたバスバー側連結片230A内へ延びている。
【0085】
即ち、前記スリット219の長手方向長さが、バスバー列205Aの長手方向に沿った前記バスバー形成領域210の長さよりも大とされつつ、前記スリット形成工程後の状態において、第1及び第2バスバー形成部位220(1)、220(2)が、バスバー列205Aの長手方向に関し当該バスバーアッセンブリ形成領域210の両側に位置する一対のバスバー側連結片230Aを介して、互いに対して繋がった状態に維持されるように構成されている。
斯かる構成を備えることにより、前記スリット219(前記間隙19)を精度良く形成することができる。
【0086】
前記製造方法は、さらに、少なくとも前記スリット219内及び前記バスバー形成領域210の上面に絶縁性樹脂塗料を塗布し硬化させて前記バスバー側絶縁層20を設けるバスバー側絶縁層形成工程を有している。
図3に、前記バスバー側絶縁層形成工程後の前記バスバー用平板200Aの平面図を示す。
【0087】
前記バスバー側絶縁層形成工程における絶縁性樹脂塗料の塗布は、例えば、電着塗装、静電粉体塗装又はスプレー塗装によって行うことができる。
【0088】
前述の通り、前記バスバーアッセンブリ1においては、前記バスバー側絶縁層20は、前記間隙充填部29及び前記上面側積層部21に加えて、前記下面側積層部23及び前記側面積層部25を有している。
【0089】
従って、前記バスバー側絶縁層形成工程は、前記スリット219内及び前記バスバー形成領域210の上面に加えて、前記バスバー形成領域210の下面及び側面へも絶縁性樹脂塗料を塗布するように構成されている。
【0090】
前記製造方法は、さらに、前記バスバー側絶縁層20の上面側積層部21にレーザー光を照射して前記一又は複数の上面側開口22(本実施の形態においては前記第1及び第2上面側開口22(1)、22(2))を設けるレーザー光照射工程を有している。
図4に、前記レーザー光照射工程後の前記バスバー用平板200Aの平面図を示す。
【0091】
前述の通り、前記バスバーアッセンブリ1においては、前記下面側積層部23に前記第1及び第2下面側開口24(1)、24(2)が設けられている。
【0092】
従って、前記レーザー光照射工程は、前記第1及び第2上面側開口22(1)、22(2)を形成する為の前記上面側積層部21へのレーザー光照射に加えて、前記第1及び第2下面側開口24(1)、24(2)を形成する為に前記下面側積層部23へもレーザー光を照射するように構成されている。
図5に、前記下面側積層部23へレーザー光を照射して前記第1及び第2下面側開口24(1)、24(2)を形成した後の前記バスバー用平板200Aの底面図を示す。
【0093】
前記製造方法は、前記バスバー用平板200Aを用意する工程から前記レーザー光照射工程までの処理の前又は後、若しくは、並行して行う枠体形成処理を有している。
【0094】
前記枠体形成処理は、前記バスバー形成領域210に対応した平面視外形状を有し且つ前記中央孔35に対応した貫通孔315が形成された枠体形成領域310を含む導電性金属製の枠体用平板300Aを用意する工程を有している。
図6に、前記枠体用平板300Aの平面図を示す。
【0095】
図6に示すように、前記枠体用平板300Aは、n個の枠体列305A(本実施の形態においては第1~第5枠体列305A(1)~(5))と、前記n個の枠体列305Aを一体的に保持する枠体側把持片307とを有している。
前記n個の枠体列305Aは、前記バスバー列205Aにおける前記n個(本実施の形態においてはn=5)の前記バスバー形成領域210と同一ピッチで、当該枠体用平板300Aが位置するX-Y平面のY方向に並列配置されている。
【0096】
前記n個の枠体列305Aの各々は、m個(本実施の形態においてはm=3)の前記バスバー列205A(本実施の形態においては前記第1~第3バスバー列205A(1)~(3))と同一ピッチで、当該枠体用平板300Aが位置するX-Y平面のX方向に沿って直列配置されたm個の前記枠体形成領域310と、前記m個の枠体形成領域310を一体的に連結する複数(m+1個)の枠体側連結片330Aとを有している。
【0097】
即ち、前記バスバー用平板200Aにおける複数(本実施の形態においては15個)の前記バスバー形成領域210と前記枠体用平板300Aにおける複数(本実施の形態においては15個)の前記枠体形成領域310とはX-Y平面内の位置に関し(即ち、平面視において)同一位置に位置されている一方で、前記複数のバスバー側連結片230Aと前記複数の枠体側連結片330AとはX-Y平面内の位置に関し変位されている。
【0098】
前記枠体側連結片307は、平面視において前記第1及び第2バスバー側把持片207(1)、207(2)と同一位置に位置された第1及び第2枠体側把持片307(1)、307(2)を有している。
【0099】
詳しくは、図6に示すように、前記枠体用平板300Aには、前記n個の枠体列305A(本実施の形態においては第1~第5枠体列305A(1)~(5))の長手方向(X方向)一端側同士を連結した状態でY方向に延びる第1中間片309(1)と、前記n個の枠体列305Aの長手方向(X方向)他端側同士を連結した状態でY方向に延びる第2中間片309(2)とが設けられている。
【0100】
その上で、前記第1枠体側把持片307(1)は、前記第1及び第2中間片309(1)、309(2)の長手方向(Y方向)一端側同士を連結した状態で前記第1バスバー側把持片207(1)と平面視同一位置に位置され、前記第2枠体側把持片307(2)は、前記第1及び第2中間片309(2)の長手方向(Y方向)他端側同士を連結した状態で前記第2バスバー側把持片207(2)と平面視同一位置に位置されている。
【0101】
図6に示すように、前記第1及び第2枠体側把持片307(1)、307(2)には、平面視において前記第1及び第2バスバー側把持片207(1)、207(2)の位置合わせ孔208と同一位置に位置された位置合わせ孔308が形成されている。
【0102】
前記枠体形成処理は、さらに、前記枠体形成領域310の外周面に絶縁性樹脂塗料を塗布し硬化させて前記枠体側絶縁層40を設ける枠体側絶縁層形成工程を有している。
図7に、前記枠体側絶縁層形成工程後の前記枠体用平板300Aの平面図を示す。
【0103】
前記枠体側絶縁層形成工程における絶縁性樹脂塗料の塗布は、例えば、電着塗装、静電粉体塗装又はスプレー塗装によって行うことができる。
【0104】
前記製造方法は、さらに、前記枠体形成処理後の前記枠体形成領域310の下面を前記バスバー側絶縁層形成工程後の前記バスバー形成領域210の上面に重合状態で固着させる平板固着工程を有している。
図8に、前記平板固着工程後の前記バスバー用平板200A及び前記枠体用平板300Aの平面図(即ち、前記バスバー用平板200Aに前記枠体用平板300Aが固着されてなるバスバーアッセンブリ用平板積層構造の平面図)を示す。
【0105】
前記バスバー用平板200A及び前記枠体用平板300Aの固着は、例えば、前記位置合わせ孔208、308を利用して前記両平板200A、300Aの位置合わせを行った状態で、絶縁性接着剤によって行うことができる。
若しくは、前記接着剤に代えて又は加えて、前記バスバー側絶縁層20を形成する絶縁性樹脂塗膜又は前記枠体側絶縁層40を形成する絶縁性樹脂塗膜の硬化作用を利用して行うことも可能である。
【0106】
即ち、前記バスバー側絶縁層20を形成する絶縁性樹脂塗膜及び前記枠体側絶縁層40を形成する絶縁性樹脂塗膜の一方が半硬化状態の際に前記両平板200A、300Aを重合状態で圧着させ、当該半硬化状態の絶縁性樹脂塗膜を硬化させることにより、前記両平板200A、300Aを固着させることができる。
【0107】
なお、前記レーザー光照射工程は、前記バスバー側絶縁層20が完全硬化された後に行われるが、前記レーザー光照射工程及び前記平板固着工程の順番は任意とすることができる。
【0108】
即ち、前記レーザー光照射工程を前記平板固着工程の前に行う場合には、前記バスバー側絶縁層20が完全硬化された状態の前記バスバー用平板200Aに対して前記レーザー光照射工程を行い、その後に、前記バスバー用平板200A及び及び前記枠体用平板300Aを絶縁性接着剤によって固着させることができる。
【0109】
若しくは、前記バスバー側絶縁層20が完全硬化された状態の前記バスバー用平板200Aに対して前記レーザー光照射工程を行う一方で、前記レーザー光照射工程後の前記バスバー用平板200Aと前記枠体側絶縁層40が半硬化状態とされている前記枠体用平板300Aとを圧着させることことで前記両平板200A、300Aを固着させることができる。この際、前記枠体側絶縁層40の硬化作用に加えて、絶縁性接着剤を用いることも可能である。
【0110】
前記レーザー光照射工程を前記平板固着工程の後に行う場合には、前記レーザー光照射工程の前に、前記バスバー側絶縁層20が完全硬化された状態の前記バスバー用平板200Aと前記枠体側絶縁層40が完全硬化された状態の前記枠体用平板300Aとを絶縁性接着剤によって固着させることができる。
【0111】
若しくは、絶縁性接着剤に代えて又は加えて、前記バスバー側絶縁層20及び前記枠体側絶縁層40の少なくとも一方が半硬化状態に際に前記両平板200A、300Aを圧着させて、半硬化状態の絶縁層の硬化作用を利用して、前記両平板200A、300Aを固着させることができる。この際、半硬化状態の絶縁層の硬化作用に加えて、絶縁性接着剤を用いることも可能である。
【0112】
そして、前記両平板200A、300Aが固着され且つ前記バスバー側絶縁層20が完全硬化された後に、前記レーザー光照射工程が行われる。
【0113】
前記製造方法は、さらに、前記平板固着工程後において、固着状態の前記バスバー形成領域210及び前記枠体形成領域310を前記バスバー用平板200A及び前記枠体用平板300Aから切断する切断工程を有している。
【0114】
前記切断加工は、回転又は非回転のダイシングブレードを用いる方法等、種々の切断方法によって行うことができる。
【0115】
図9に、図8におけるIX部拡大図を示す。
図8及び図9に示すように、前記切断工程は、前記枠体形成領域310及び前記枠体側連結片330Aの境界C1を切断して、前記枠体形成領域310を前記枠体用平板300Aから切り離す枠体側切断加工と、前記バスバー形成領域210及び前記バスバー側連結片230Aの境界C2を切断して前記バスバー形成領域210を前記バスバー用平板200Aから切り離すバスバー側切断加工とを有している。
【0116】
図10(a)に、図9におけるX(a)-X(a)線に沿った断面図であって、前記枠体側切断加工を行っている状態の断面図を示す。
図10(b)に、図9におけるX(b)-X(b)線に沿った断面図であって、前記バスバー側切断加工を行っている状態の断面図を示す。
なお、図10(a)及び(b)中の符号180は、ダイヤモンドブレード等の切断部材を示し、符号190は、前記バスバー用平板200A及び前記枠体用平板300Aを固定すると共に、前記切断部材180のガイドが設けられた保持部材である。
【0117】
図10(a)に示すように、前記枠体側切断加工は、前記枠体形成領域310及び前記枠体側連結片330Aの境界C1を、前記枠体用平板300Aの板厚方向他方側の下面から板厚方向一方側の上面へ向かって(即ち、前記バスバー用平板200Aと対向する面の側から前記バスバー用平板200Aとは反対側の面へ向かって)切断するように構成されている。
【0118】
図10(b)に示すように、前記バスバー側切断加工は、前記バスバー形成領域210及び前記バスバー用連結片230Aの境界C2を、前記バスバー用平板200Aの板厚方向一方側の上面から板厚方向他方側の下面へ向かって(即ち、前記枠体用平板300Aと対向する面の側から前記枠体用平板300Aとは反対側の面へ向かって)切断するように構成されている。
【0119】
斯かる構成によれば、前記枠体側切断加工によって「バリ」185が生じたとしても、この「バリ」185が前記バスバー用基板200Aに対して影響を及ぼすことはない。
同様に、前記バスバー側切断加工によって「バリ」187が生じたとしても、この「バリ」187が前記枠体用基板300Aに対して影響を及ぼすことはない。
【0120】
従って、本実施の形態に係る製造方法によれば、複数個の枠体付きの平面型バスバーアッセンブリ1を同時に且つ歩留まり良く製造することができる。
【0121】
実施の形態2
以下、本発明に係るバスバーアッセンブリの製造方法の他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0122】
図11及び図12に、それぞれ、本実施の形態に係る製造方法において用いられるバスバー用平板200B及び枠体用平板300Bの平面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0123】
本実施の形態に係る製造方法は、前記バスバー用平板200A及び前記枠体用平板300Aがバスバー用平板200B及び枠体用平板300Bに変更されている点においてのみ、前記実施の形態1に係る製造方法と異なっている。
【0124】
図11に示すように、前記バスバー用平板200Bは、当該バスバー用平板200Bが位置するX-Y平面の第1方向(本実施の形態においてはY方向)に沿って直列配置された複数(図示の形態においては5個)の前記バスバー形成領域210と前記複数のバスバー形成領域210を一体的に連結する複数(図示の形態においては5+1=6個)のバスバー側連結片230Bとを含むバスバー列205Bを有している。
【0125】
図12に示すように、前記枠体用平板300Bは、前記バスバー列205Bにおける複数のバスバー形成領域210と同一ピッチで同数(本実施の形態においては5個)だけ同一方向(即ち、X-Y平面の第1方向(本実施の形態においてはY方向))に沿って直列配置された複数の前記枠体形成領域310と前記複数の枠体形成領域310を一体的に連結する複数(図示の形態においては5+1=6個)の枠体側連結片330Bとを含む枠体列305Bを有している。
【0126】
即ち、前記実施の形態1においては、図2及び図6等に示すように、前記バスバー列205Aの長手方向(即ち、前記バスバー列205Aにおける複数のバスバー形成領域210の配列方向)と前記枠体列305Aの長手方向(即ち、前記枠体列305Aにおける複数の枠体形成領域310の配列方向)とが直交されている。
【0127】
これに対し、本実施の形態においては、前記バスバー列205Bの長手方向(即ち、前記バスバー列205Bにおける複数のバスバー形成領域210の配列方向)と前記枠体列305Bの長手方向(即ち、前記枠体列305Bにおける複数の枠体形成領域310の配列方向)とが同一方向(本実施の形態においてはX-Y平面のY方向)とされている。
【0128】
図13に、平板固着工程後の前記バスバー用平板200B及び前記枠体用平板300Bの平面図(即ち、前記バスバー用平板200Bに前記枠体用平板300Bが固着されてなるバスバーアッセンブリ用平板積層構造の平面図)を示す。
図11図13に示すように、本実施の形態においては、前記バスバー側連結片230B及び前記枠体側連結片330Bは、前記枠体用平板300B及び前記バスバー用平板200Bを固着させた際に、平面視において互いに対して重合しないように変位されている。
【0129】
本実施の形態においては、前記バスバー側連結片230Bは、前記バスバー列205Bの幅方向(本実施の形態においてはX方向)に関し中央に配置されており、前記枠体側連結片330Bは、前記枠体列305Bの幅方向(本実施の形態においてはX方向)に関し中央を挟んだ両側に配置されている。
【0130】
図14に、図13におけるXIV部拡大図を示す。
図13及び図14に示すように、本実施の形態においては、前記バスバー形成領域210及び前記バスバー用連結片230Bの境界C2と前記枠体形成領域310及び前記枠体側連結片330Bの境界C1とは、前記バスバー列205B及び前記枠体列305Bの長手方向に関しては同一位置でありながら、前記バスバー列205B及び前記枠体列305Bの幅方向に関しては変位されている。
【0131】
図15(a)に、図14におけるXV(a)-XV(a)線に沿った断面図であって、前記枠体側切断加工を行っている状態の断面図を示す。
図15(b)に、図14におけるX(b)-X(b)線に沿った断面図であって、前記バスバー側切断加工を行っている状態の断面図を示す。
【0132】
図15(a)に示すように、前記実施の形態1におけると同様に、本実施の形態においても、前記枠体側切断加工は、前記枠体形成領域310及び前記枠体側連結片330Bの境界C1を、前記枠体用平板300Bの板厚方向他方側の下面から板厚方向一方側の上面へ向かって(即ち、前記バスバー用平板200Bと対向する面の側から前記バスバー用平板200Bとは反対側の面へ向かって)切断するように構成されている。
【0133】
図15(b)に示すように、前記実施の形態1におけると同様に、本実施の形態においても、前記バスバー側切断加工は、前記バスバー形成領域210及び前記バスバー用連結片230Bの境界C2を、前記バスバー用平板200Bの板厚方向一方側の上面から板厚方向他方側の下面へ向かって(即ち、前記枠体用平板300Bと対向する面の側から前記枠体用平板300Bとは反対側の面へ向かって)切断するように構成されている。
【0134】
かかる構成の本実施の形態に係る製造方法においても、前記実施の形態1におけると同様の効果を得ることができる。
【0135】
なお、本実施の形態においては、前記バスバー用平板200Bは単一の前記バスバー列205Bを有し、前記枠体用平板300Bは単一の前記枠体列305Bを有しているが、複数の前記バスバー列205Bを有するバスバー用平板200C及び複数の前記バスバー列205Bと同数の前記枠体列305Bを有する枠体用平板300Cを用いるように変形することも可能である。
【0136】
図16に、本実施の形態の変形例に係る製造方法において用いられるバスバー用平板及び枠体用平板の平板固着工程後の平面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1及び2におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0137】
図16に示すように、前記変形例においては、前記バスバー用平板200Cは、当該バスバー用平板200Cが位置するX-Y平面内において前記第1方向とは直交する第2方向(即ち、X方向)に並列配置された複数の前記バスバー列205B(図示の形態においては第1~第3バスバー列205B(1)~205B(3))を有している。
【0138】
そして、前記枠体用平板300Cは、当該枠体用平板300Cが位置するX-Y平面内において前記第1方向とは直交する第2方向(即ち、X方向)に並列配置された複数の前記バスバー列305B(図示の形態においては第1~第3バスバー列305B(1)~305B(3))を有している。
【符号の説明】
【0139】
1 バスバーアッセンブリ
10(1)~(2) 第1及び第2バスバー
11 上面
12 上面側接続部
13 下面
14 下面側接続部
15 側面
19 間隙
20 バスバー側絶縁層
21 上面側積層部
22(1)~(2) 第1及び第2上面側開口
23 下面側積層部
24(1)~(2) 第1及び第2下面側開口
25 側面側積層部
29 間隙充填部
30 枠体
31 枠体本体
35 中央孔
40 枠体側絶縁層
200A、200B バスバー用平板
205A(1)~(3)、205B(1)~(3) バスバー列
207 バスバー側把持片
208 位置合わせ孔
210 バスバーアッセンブリ形成領域
219 スリット
220(1)~(2) 第1及び第2バスバー形成部位
230A、230B バスバー側連結片
300A、300B 枠体用平板
305A(1)~(5)、305B(1)~(3) 枠体列
307 枠体側把持片
308 位置合わせ孔
310 枠体形成領域
330A、330B 枠体側連結片
C1 枠体形成領域及び前記枠体側連結片の境界
C2 バスバー形成領域及びバスバー側連結片の境界
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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