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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017839
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】手術器具および手術支援ロボット
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/128 20060101AFI20240201BHJP
   A61B 34/35 20160101ALI20240201BHJP
【FI】
A61B17/128
A61B34/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120747
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】514063179
【氏名又は名称】株式会社メディカロイド
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100172362
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達哉
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 薫
(72)【発明者】
【氏名】栗原 元
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD13
4C160DD23
4C160MM32
4C160NN01
(57)【要約】
【課題】ロボットアームに取り付けられた手術器具により、クリップを確実に閉じることが可能な手術器具を提供する。
【解決手段】手術器具は、アーム60に取り付けられる基体410と、一方端が基体410に接続されたシャフト420と、シャフト420の他方端に設けられ、回動軸A2周りに回動して開閉する一対のジョー部材431と、を備える。一対のジョー部材431の互いに対向する面には、クリップ200を保持する溝形状の凹部4311が設けられており、ジョー部材431の凹部4311は、ジョー部材431の先端側に設けられ第1深さD1を有する第1部分431aと、第1部分431aよりもジョー部材431の回動軸A2側に設けられ第1深さD1よりも大きい第2深さD2を有する第2部分431bとを含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームに取り付けられる基体と、
一方端が前記基体に接続されたシャフトと、
前記シャフトの他方端に設けられ、回動軸周りに回動して開閉する一対のジョー部材と、を備え、
前記一対のジョー部材の互いに対向する面には、クリップを保持する溝形状の凹部が設けられており、
前記ジョー部材の前記凹部は、前記ジョー部材の先端側に設けられ第1深さを有する第1部分と、前記第1部分よりも前記ジョー部材の前記回動軸側に設けられ前記第1深さよりも大きい第2深さを有する第2部分とを含む、手術器具。
【請求項2】
前記一対のジョー部材は、中央に折り曲げ部を有し略U字形状の前記クリップを挟み込んだ状態で、閉じることにより、前記クリップを潰すように変形させ、
前記凹部の前記第2部分は、前記クリップの前記折り曲げ部に対応する位置に配置されている、請求項1に記載の手術器具。
【請求項3】
前記クリップは、前記折り曲げ部と先端部との間に屈曲部が設けられており、
前記凹部の前記第1部分は、前記クリップの前記屈曲部が当接するように、前記ジョー部材の先端側から前記回動軸側に向かって所定の長さを有して延びるように形成されている、請求項2に記載の手術器具。
【請求項4】
前記凹部の前記第2部分は、変形前の前記クリップの前記凹部の深さ方向の厚みよりも小さい前記第2深さを有している、請求項1に記載の手術器具。
【請求項5】
前記ジョー部材の前記凹部は、前記第1部分が略均一の前記第1深さを有し、前記第2部分が略均一の前記第2深さを有するように形成されている、請求項1に記載の手術器具。
【請求項6】
前記ジョー部材の前記凹部は、前記第1部分から前記第2部分に向かって、前記第1深さから前記第2深さに徐々に深さが変化して、前記第1部分および前記第2部分を接続する接続部分をさらに含む、請求項5に記載の手術器具。
【請求項7】
前記ジョー部材の前記凹部は、前記溝形状の凹部の開口端において、前記第1部分が第1幅を有し、前記凹部の開口端において、前記第2部分が前記第1幅よりも大きい第2幅を有するように形成されている、請求項1に記載の手術器具。
【請求項8】
前記ジョー部材の前記凹部は、前記ジョー部材の先端側から前記回動軸側に向う方向において、前記第1部分の長さが前記第2部分の長さよりも大きくなるように形成されている、請求項1に記載の手術器具。
【請求項9】
前記ジョー部材の前記凹部は、断面形状が略V字形状を有している、請求項1に記載の手術器具。
【請求項10】
ロボットアームと、
前記ロボットアームに取り付けられる手術器具と、を備え、
前記手術器具は、前記ロボットアームに取り付けられる基体と、一方端が前記基体に接続されたシャフトと、前記シャフトの他方端に設けられ、回動軸周りに回動して開閉する一対のジョー部材と、を含み、
前記一対のジョー部材の互いに対向する面には、クリップを保持する溝形状の凹部が設けられており、
前記ジョー部材の前記凹部は、前記ジョー部材の先端側に設けられ第1深さを有する第1部分と、前記第1部分よりも前記ジョー部材の前記回動軸側に設けられ前記第1深さよりも大きい第2深さを有する第2部分とを含む、手術支援ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、手術器具および手術支援ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットアームに取り付けられる手術器具が知られている。たとえば、特許文献1には、ロボットアームに取り付けられる基体と、一方端が基体に接続されたシャフトと、シャフトの他方端に設けられ、回動軸周りに回動して開閉する一対のジョー部材と、を備える手術器具が開示されている。この手術器具は、クリップを保持するために、一対のジョー部材の互いに対向する面に、均一の深さの溝形状の凹部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6206903号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の手術器具では、上記したように、クリップを保持するために、一対のジョー部材の互いに対向する面に、均一の深さの溝形状の凹部が設けられている。ここで、ロボットアームに取り付けられる手術器具は、取り回し性が低下しないように、ジョー部材の長さを短くしている。このため、ジョー部材が短いので、ジョー部材の回動軸から先端部までの距離が短くなる。これにより、ジョー部材の先端を所定の距離だけ開閉する場合に、ジョー部材が長い場合と比較して、ジョー部材を開閉角度が大きくなる。このため、ジョー部材を閉じながらクリップを潰す場合に、ジョー部材の角度を大きく変化させる必要がある。つまり、ジョー部材が長い場合と比較して、ジョー部材を平行に近い角度により閉じることが困難である。その結果、一対のジョー部材を閉じることにより保持したクリップを潰す場合に、クリップの先端から折り曲げ部までを平行に潰すことが困難である。このため、回動角度を大きく変化させながら一対のジョー部材を閉じる際に、ジョー部材をある程度の角度閉じた段階において、潰されたクリップの折り曲げ部がジョー部材の回動軸側において、ジョー部材に干渉してしまう。その結果、一対のジョー部材を閉じるのを邪魔するため、一対のジョー部材をさらに閉じることが困難となる。その結果、クリップを確実に閉じることが困難である。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ロボットアームに取り付けられた手術器具により、クリップを確実に閉じることが可能な手術器具および手術支援ロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による手術器具は、ロボットアームに取り付けられる基体と、一方端が基体に接続されたシャフトと、シャフトの他方端に設けられ、回動軸周りに回動して開閉する一対のジョー部材と、を備え、一対のジョー部材の互いに対向する面には、クリップを保持する溝形状の凹部が設けられており、ジョー部材の凹部は、ジョー部材の先端側に設けられ第1深さを有する第1部分と、第1部分よりもジョー部材の回動軸側に設けられ第1深さよりも大きい第2深さを有する第2部分とを含む。
【0007】
この発明の第1の局面による手術器具では、上記のように、ジョー部材の凹部は、ジョー部材の先端側に設けられ第1深さを有する第1部分と、第1部分よりもジョー部材の回動軸側に設けられ第1深さよりも大きい第2深さを有する第2部分とを含む。これにより、一対のジョー部材を閉じてクリップを潰す際に、第1深さよりも大きい第2深さを有する第2部分に、回動軸に近いクリップの潰された折り曲げ部を逃がすことができるので、クリップの折り曲げ部が一対のジョー部材をさらに閉じるのを邪魔するのを抑制することができる。これにより、ジョー部材をさらに閉じることができるので、ロボットアームに取り付けられた手術器具により、クリップを確実に閉じることができる。また、ロボットアームに取り付けられた手術器具により、クリップを容易に潰しきることができる。
【0008】
この発明の第2の局面による手術支援ロボットは、ロボットアームと、ロボットアームに取り付けられる手術器具と、を備え、手術器具は、ロボットアームに取り付けられる基体と、一方端が基体に接続されたシャフトと、シャフトの他方端に設けられ、回動軸周りに回動して開閉する一対のジョー部材と、を含み、一対のジョー部材の互いに対向する面には、クリップを保持する溝形状の凹部が設けられており、ジョー部材の凹部は、ジョー部材の先端側に設けられ第1深さを有する第1部分と、第1部分よりもジョー部材の回動軸側に設けられ第1深さよりも大きい第2深さを有する第2部分とを含む。
【0009】
この発明の第2の局面による手術支援ロボットでは、上記のように、ジョー部材の凹部は、ジョー部材の先端側に設けられ第1深さを有する第1部分と、第1部分よりもジョー部材の回動軸側に設けられ第1深さよりも大きい第2深さを有する第2部分とを含む。これにより、一対のジョー部材を閉じてクリップを潰す際に、第1深さよりも大きい第2深さを有する第2部分に、回動軸に近いクリップの潰された折り曲げ部を逃がすことができるので、クリップの折り曲げ部が一対のジョー部材をさらに閉じるのを邪魔するのを抑制することができる。これにより、ジョー部材をさらに閉じることができるので、ロボットアームに取り付けられた手術器具により、クリップを確実に閉じることが可能な手術支援ロボットを提供することができる。また、ロボットアームに取り付けられた手術器具により、クリップを容易に潰しきることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ロボットアームに取り付けられた手術器具により、クリップ全体を潰しきることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態による外科手術システムの構成を示す図である。
図2】一実施形態による医療用マニピュレータの構成を示す図である。
図3】一実施形態による医療用マニピュレータのロボットアームの構成を示す図である。
図4】一実施形態によるロボットアームにアダプタを介して手術器具が取り付けられた状態を示した斜視図である。
図5】一実施形態による外科手術システムの制御的な構成を示すブロック図である。
図6】一実施形態による手術器具のエンドエフェクタを示した斜視図である。
図7】一実施形態による手術器具のジョー部材を示した断面図である。
図8】一実施形態による手術器具のジョー部材を示した底面図である。
図9】一実施形態による手術器具のジョー部材の第1部分を示した断面図である。
図10】一実施形態による手術器具のジョー部材の第2部分を示した断面図である。
図11】一実施形態によるクリップを示した図である。
図12】一実施形態によるクリップを示した断面図である。
図13】一実施形態による手術器具のジョー部材によりクリップを潰す動作を説明するための図である。
図14】比較例による手術器具のジョー部材によりクリップを潰す動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1図13を参照して、本実施形態による外科手術システム100の構成について説明する。外科手術システム100は、患者側装置である医療用マニピュレータ1と、医療用マニピュレータ1を操作するための操作者側装置である遠隔操作装置2とを備えている。医療用マニピュレータ1は医療用台車3を備えており、移動可能に構成されている。遠隔操作装置2は、医療用マニピュレータ1から離間した位置に配置されており、医療用マニピュレータ1は、遠隔操作装置2により遠隔操作されるように構成されている。術者は、医療用マニピュレータ1に所望の動作を行わせるための指令を遠隔操作装置2に入力する。遠隔操作装置2は、入力された指令を医療用マニピュレータ1に送信する。医療用マニピュレータ1は、受信した指令に基づいて動作する。また、医療用マニピュレータ1は、滅菌された滅菌野である手術室内に配置されている。なお、医療用マニピュレータ1は、特許請求の範囲の「手術支援ロボット」の一例である。
【0014】
遠隔操作装置2は、たとえば、手術室の中または手術室の外に配置されている。遠隔操作装置2は、操作用マニピュレータアーム21と、操作ペダル22と、タッチパネル23と、モニタ24と、支持アーム25と、支持バー26とを含む。操作用マニピュレータアーム21は、術者が指令を入力するための操作用のハンドルを構成する。操作用マニピュレータアーム21は、手術器具4に対する操作量を受け付ける。モニタ24は、内視鏡6により撮影された画像を表示するスコープ型表示装置である。支持アーム25は、モニタ24の高さを術者の顔の高さに合わせるようにモニタ24を支持する。タッチパネル23は、支持バー26に配置されている。医療用マニピュレータ1は、モニタ24近傍に設けられた図示しないセンサにより術者の頭部を検知することにより、遠隔操作装置2による操作が可能になる。術者は、モニタ24により患部を視認しながら、操作用マニピュレータアーム21および操作ペダル22を操作する。これにより、遠隔操作装置2に指令が入力される。遠隔操作装置2に入力された指令は、医療用マニピュレータ1に送信される。
【0015】
医療用台車3には、医療用マニピュレータ1の動作を制御する制御部31と、医療用マニピュレータ1の動作を制御するためのプログラムなどが記憶される記憶部32とが設けられている。そして、遠隔操作装置2に入力された指令に基づいて、医療用台車3の制御部31は、医療用マニピュレータ1の動作を制御する。図5に示すように、制御部31は、アーム制御部31aと、ポジショナ制御部31bとを含んでいる。
【0016】
また、医療用台車3には、入力装置33が設けられている。入力装置33は、主に施術前に手術の準備を行うために、ポジショナ40、アームベース50、および、複数のアーム60の移動や姿勢の変更の操作を受け付けるように構成されている。
【0017】
図1および図2に示す医療用マニピュレータ1は、手術室内に配置されている。医療用マニピュレータ1は、医療用台車3と、ポジショナ40と、アームベース50と、複数のアーム60とを備えている。アームベース50は、ポジショナ40の先端に取り付けられている。アームベース50は、比較的長い棒形状(長尺形状)を有する。また、複数のアーム60は、各々のアーム60の根元部が、アームベース50に取り付けられている。複数のアーム60は、折り畳まれた姿勢(収納姿勢)をとることが可能に構成されている。アームベース50と、複数のアーム60とは、滅菌ドレープにより覆われて使用される。なお、アーム60は、特許請求の範囲の「ロボットアーム」の一例である。
【0018】
ポジショナ40は、たとえば、7軸多関節ロボットにより構成されている。また、ポジショナ40は、医療用台車3上に配置されている。ポジショナ40は、アームベース50を移動させる。具体的には、ポジショナ40は、アームベース50の位置を3次元に移動させるように構成されている。
【0019】
また、ポジショナ40は、ベース部41と、ベース部41に連結された複数のリンク部42とを含む。複数のリンク部42同士は、関節部43により連結されている。
【0020】
図1に示すように、複数のアーム60の各々の先端には、手術器具4が取り付けられている。手術器具4は、たとえば、取り換え可能なインストゥルメント、内視鏡6などを含む。
【0021】
次に、アーム60の構成について詳細に説明する。
【0022】
図3に示すように、アーム60は、アーム部61(ベース部62、リンク部63、関節部64)と、アーム部61の先端に設けられる並進移動機構部70とを含む。アーム60は、アーム60の根元側(アームベース50)に対して先端側を3次元に移動させるように構成されている。アーム60は8自由度を有している。なお、複数のアーム60は、互いに同様の構成を有する。
【0023】
並進移動機構部70は、アーム部61の先端側に設けられるとともに手術器具4が取り付けられている。また、並進移動機構部70は、手術器具4を患者Pに挿入する方向に並進移動させる。また、並進移動機構部70は、手術器具4をアーム部61に対して相対的に並進移動させるように構成されている。具体的には、並進移動機構部70には、手術器具4を保持するホルダ71が設けられている。ホルダ71には、サーボモータM2(図5参照)が収容されている。サーボモータM2は、手術器具4に設けられた回転体を回転させるように構成されている。手術器具4の回転体が回転されることにより、鉗子が動作される。
【0024】
アーム部61は、7軸多関節ロボットアームから構成されている。また、アーム部61は、アーム部61をアームベース50に取り付けるためのベース部62と、ベース部62に連結された複数のリンク部63とを含む。複数のリンク部63同士は、関節部64により連結されている。
【0025】
並進移動機構部70は、ホルダ71をY方向に沿って並進移動させることにより、ホルダ71に取り付けられた手術器具4をY方向(シャフト420が延びる方向)に沿って並進移動させるように構成されている。具体的には、並進移動機構部70は、アーム部61の先端に接続される基端側リンク部72と、先端側リンク部73と、基端側リンク部72と先端側リンク部73との間に設けられる連結リンク部74とを含む。また、ホルダ71は、先端側リンク部73に設けられている。
【0026】
そして、並進移動機構部70の連結リンク部74は、基端側リンク部72に対して、先端側リンク部73を、Y方向に沿って相対的に移動させる倍速機構として構成されている。また、基端側リンク部72に対して先端側リンク部73がY方向に沿って相対的に移動されることにより、ホルダ71に取り付けられた手術器具4が、Y方向に沿って並進移動するように構成されている。また、アーム部61の先端は、基端側リンク部72を、Y方向に直交するX方向を軸として回動させるように基端側リンク部72に接続されている。
【0027】
また、図1に示すように、複数のアーム60のうちの一つのアーム60(たとえば、アーム60b)には内視鏡6が取り付けられ、残りのアーム60(たとえば、アーム60a、60cおよび60d)には、内視鏡6以外の手術器具4が取り付けられる。具体的には、手術において、4つのアーム60のうちの1つのアーム60に内視鏡6が取り付けられ、3つのアーム60に内視鏡6以外の手術器具4(鉗子など)が取り付けられる。そして、内視鏡6が取り付けられているアーム60に対して、内視鏡6が取り付けられた状態でピボット位置が教示される。また、内視鏡6以外の手術器具4が取り付けられるアーム60に対して、図示しないピボット位置教示器具が取り付けられた状態でピボット位置が教示される。なお、内視鏡6は、互いに隣り合うように配置されている4つのアーム60のうちの、中央に配置される2つのアーム60(アーム60bおよび60c)のうちのいずれかに取り付けられる。すなわち、ピボット位置は、複数のアーム60毎に個別に設定される。
【0028】
図3に示すように、手術器具4は、外科手術システム100のアーム60のホルダ71に着脱可能に接続される。具体的には、図4に示すように、手術器具4は、アーム60にアダプタ500を介して取り外し可能に接続される。アダプタ500は、アーム60を覆うための滅菌処理されたドレープ600をホルダ71との間に挟み込むためのドレープアダプタである。
【0029】
図4に示すように、手術器具4は、基体410と、シャフト420と、エンドエフェクタ430とを備えている。基体410は、アーム60に取り付けられる。具体的には、基体410は、アーム60にアダプタ500を介して取り付けられる。また、基体410内には、エンドエフェクタ430を動作させるための被駆動ユニットが設けられている。基体410の被駆動ユニットには、複数の回転体が設けられている。回転体が、アダプタ500を介してアーム60に設けられた駆動部により回転されることにより、エンドエフェクタ430が動作する。
【0030】
シャフト420は、一方端が基体410に接続されている。また、シャフト420内には、被駆動ユニットの駆動をエンドエフェクタ430に伝達するためのワイヤが設けられている。エンドエフェクタ430は、シャフト420の他方端に設けられている。エンドエフェクタ430は、図6に示すように、一対のジョー部材431と、一対のジョー部材431を支持する支持部材432とを有している。一対のジョー部材431は、回動軸A2周りに回動して開閉する。また、一対のジョー部材431は、回動軸A2周りに回動可能に支持部材432に支持されている。支持部材432は、回動軸A1周りに回動可能にシャフト420に接続されている。
【0031】
図5に示すように、アーム60には、アーム部61の複数の関節部64に対応するように、複数のサーボモータM1と、エンコーダE1と、減速機(図示せず)とが設けられている。エンコーダE1は、サーボモータM1の回転角を検出するように構成されている。減速機は、サーボモータM1の回転を減速させてトルクを増大させるように構成されている。
【0032】
また、図5に示すように、並進移動機構部70には、手術器具4の被駆動ユニットに設けられた回転体を回転させるためのサーボモータM2と、手術器具4を並進移動させるためのサーボモータM3と、エンコーダE2およびエンコーダE3と、減速機(図示せず)とが設けられている。エンコーダE2およびエンコーダE3は、それぞれ、サーボモータM2およびサーボモータM3の回転角を検出するように構成されている。減速機は、サーボモータM2およびサーボモータM3の回転を減速させてトルクを増大させるように構成されている。サーボモータM1、M2およびM3は、アーム制御部31aにより制御される。
【0033】
また、ポジショナ40には、ポジショナ40の複数の関節部43に対応するように、複数のサーボモータM4と、エンコーダE4と、減速機(図示せず)とが設けられている。エンコーダE4は、サーボモータM4の回転角を検出するように構成されている。減速機は、サーボモータM4の回転を減速させてトルクを増大させるように構成されている。
【0034】
また、医療用台車3には、医療用台車3の複数の図示しない前輪の各々を駆動するサーボモータM5と、エンコーダE5と、図示しない減速機とブレーキが設けられている。減速機は、サーボモータM5の回転を減速させてトルクを増大させるように構成されている。また、医療用台車3の操作ハンドル34には、ポテンショメータが設けられており、操作ハンドル34のスロットルの捻りに応じてポテンショメータで検出した回転角に基づき、前輪のサーボモータM5は駆動される。また、医療用台車3の図示しない後輪は、双輪形式であり、操作ハンドル34の左右の回動に基づき、後輪は操舵される。サーボモータM4およびM5は、ポジショナ制御部31bにより制御される。
【0035】
ここで、本実施形態では、手術器具4は、図7および図8に示すように、一対のジョー部材431の互いに対向する面にクリップ200(図9参照)を保持する溝形状の凹部4311が設けられたクリップアプライアである。溝形状の凹部4311は、ジョー部材431の先端側に設けられ第1深さD1を有する第1部分431aと、第1部分431aよりもジョー部材431の回動軸A2側に設けられ第1深さD1よりも大きい第2深さD2を有する第2部分431bとを含んでいる。
【0036】
これにより、一対のジョー部材431を閉じてクリップ200を潰す際に、第1深さD1よりも大きい第2深さD2を有する第2部分431bに、回動軸A2に近いクリップ200の潰された折り曲げ部220を逃がすことができるので、クリップ200の折り曲げ部220が一対のジョー部材431をさらに閉じるのを邪魔するのを抑制することができる。これにより、ジョー部材431をさらに閉じることができるので、アーム60に取り付けられた手術器具4により、クリップ200を確実に閉じることができる。また、アーム60に取り付けられた手術器具4により、クリップ200を容易に潰しきることができる。
【0037】
たとえば、クリップ200の厚み(長さC2)が約0.38mmである場合、第1深さD1は、0.26mm以上0.30mm以下である。また、第2深さD2は、0.31mm以上0.34mm以下である。第2深さD2が0.35mm以上である場合、クリップ200の折り曲げ部220を潰しきれずに折り曲げ部220に開きが生じてしまう。また、第2深さD2が0.30mm未満である場合、第2部分431bに折り曲げ部220を逃がしきれずに、ジョー部材431を最後まで閉じることができない。これにより、クリップ200の折り曲げ部220と先端部210との間に開きが生じてしまう。
【0038】
一対のジョー部材431により挟みこんで潰されるクリップ200は、図11に示すように、潰される前において、略U字形状を有している。具体的には、クリップ200は、一対の先端部210と、一対の先端部210の間の中央に配置された折り曲げ部220と、先端部210と折り曲げ部220との間に配置された屈曲部230とを有している。また、クリップ200は、先端部210から屈曲部230までの長さが長さC1である。また、図12に示すように、クリップ200は、断面形状が略三角形形状を有しており、厚みが長さC2である。
【0039】
また、一対のジョー部材431は、中央に折り曲げ部220を有する略U字形状のクリップ200(図11参照)を挟み込んだ状態で、閉じることにより、クリップ200を潰すように変形させる。凹部4311の第2部分431bは、クリップ200の折り曲げ部220に対応する位置に配置されている。これにより、略U字形状のクリップ200の折り曲げ部220を潰した際に、大きい第2深さD2を有する第2部分431bに、潰した折り曲げ部220を確実に配置することができる。
【0040】
また、ジョー部材431の凹部4311は、第1部分431aから第2部分431bに向かって、第1深さD1から第2深さD2に徐々に深さが変化して、第1部分431aおよび第2部分431bを接続する接続部分431cを含んでいる。これにより、第1部分431aと第2部分431bとの間の接続部分431cで段差による角ができないので、角によりクリップ200が損傷するのを抑制することができる。
【0041】
また、凹部4311の第1部分431aは、クリップ200の屈曲部230が当接するように、ジョー部材431の先端側から回動軸側に向かって所定の長さを有して延びるように形成されている。具体的には、図7に示すように、第1部分431aは、先端側から回動軸側に向う方向(X方向)の長さが長さL1である。長さL1は、クリップ200の先端部210から屈曲部230までの長さC1よりも大きい。たとえば、クリップ200における長さC1が約1.7mmである場合、ジョー部材431の第1部分431aの長さL1は、クリップ200の取付誤差(たとえば、±0.5mm)を考慮して2.7mmである。これにより、クリップ200の屈曲部230を、第1部分431aにおいて当接させることができるので、クリップ200の屈曲部230を、比較的小さい第1深さD1の第1部分431aにおいて、確実に潰すことができる。
【0042】
また、凹部4311の第2部分431bは、変形前のクリップ200の凹部4311の深さ方向の厚みよりも小さい第2深さD2を有している。つまり、第2深さD2は、クリップ200の厚み(長さC2)よりも小さい。これにより、第2部分431bの深さを過度に大きくすることがないので、第2部分431bによりクリップ200の折り曲げ部220を潰しきれなくなるのを抑制することができる。
【0043】
また、ジョー部材431の凹部4311は、第1部分431aが略均一の第1深さD1を有し、第2部分431bが略均一の第2深さD2を有するように形成されている。これにより、略均一の第1深さD1の第1部分431aにより、クリップ200の先端を均一に潰すことができる。また、略均一の第2深さD2の第2部分431bにより、クリップ200の折り曲げ部220を均一に潰すことができる。
【0044】
また、図8図10に示すように、ジョー部材431の凹部4311は、凹部4311の開口端において、第1部分431aが第1幅W1を有し、溝形状の凹部4311の開口端において、第2部分431bが第1幅W1よりも大きい第2幅W2を有するように形成されている。これにより、第2幅W2を大きくして第2部分431bの容積を大きくすることができるので、潰した折り曲げ部220を第2部分431bにおいて確実に逃がすことができる。
【0045】
また、図9および図10に示すように、ジョー部材431の凹部4311(第1部分431a、第2部分431b)は、断面形状が略V字形状を有している。これにより、断面形状が三角形形状のクリップ200を略V字形状の凹部4311によりガタツキなく保持することができる。
【0046】
また、ジョー部材431の凹部4311は、ジョー部材431の先端側から回動軸側に向う方向(X方向)において、第1部分431aの長さが第2部分431bの長さよりも大きくなるように形成されている。具体的には、図7に示すように、第1部分431aは、先端側から回動軸側に向う方向(X方向)の長さが長さL1である。また、第2部分431bは、X方向の長さが長さL2である。長さL1は、長さL2よりも大きい。これにより、長さが大きい第1部分431aにより、クリップ200を容易に均一に潰すことができる。
【0047】
図13(A)に示すように、クリップ200は、一対のジョー部材431を開いた状態で、一対のジョー部材431に挟まれるようにセットされる。クリップ200は、先端部210がジョー部材431の先端位置にくるようにセットされる。図13(B)に示すように、一対のジョー部材431が閉じられると、一対のジョー部材431に保持されているクリップ200が潰れていく。図13(C)に示すように、一対のジョー部材431をさらに閉じる。この場合、潰れた折り曲げ部220は、大きい第2深さD2を有する第2部分431bに逃げるため、ジョー部材431をさらに閉じることが可能である。また、クリップ200が先端部210から折り曲げ部220まで潰れ切って折り曲げられる。
【0048】
一方、図14に示す比較例によるジョー部材700では、本実施形態と異なり、溝形状の凹部701は、略均一の深さを有している。つまり、ジョー部材700の凹部701は、先端から回動軸側まで、略均一の深さを有している。図14(A)に示すように、クリップ200は、一対のジョー部材700を開いた状態で、一対のジョー部材700に挟まれるようにセットされる。クリップ200は、先端部210がジョー部材431の先端位置にくるようにセットされる。図14(B)に示すように、一対のジョー部材700が閉じられると、一対のジョー部材700に保持されているクリップ200が潰れていく。図14(C)に示すように、一対のジョー部材700をさらに閉じようとした場合、潰れた折り曲げ部220が、凹部701において、ジョー部材700に干渉する。このため、ジョー部材700をさらに閉じることができなくなる。この場合、クリップ200は、屈曲部230辺りにおいて、間隔があいてしまう。このため、クリップ200を閉じきることができない。
【0049】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0050】
本実施形態では、上記のように、ジョー部材431の凹部4311は、ジョー部材431の先端側に設けられ第1深さD1を有する第1部分431aと、第1部分431aのジョー部材431の回動軸A2側に設けられ第1深さD1よりも大きい第2深さD2を有する第2部分431bとを含む。これにより、一対のジョー部材431を閉じてクリップ200を潰す際に、第1深さD1よりも大きい第2深さD2を有する第2部分431bに、回動軸A2に近いクリップ200の潰された折り曲げ部220を逃がすことができるので、クリップ200の折り曲げ部220が一対のジョー部材431をさらに閉じるのを邪魔するのを抑制することができる。これにより、ジョー部材431をさらに閉じることができるので、アーム60に取り付けられた手術器具4により、クリップ200を確実に閉じることができる。また、アーム60に取り付けられた手術器具4により、クリップ200を容易に潰しきることができる。
【0051】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0052】
たとえば、ジョー部材の溝形状の凹部は、断面形状が略V字形状に形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ジョー部材の溝形状の凹部は、断面形状が略矩形形状でもよいし、半円形状であってもよいし、多角形形状であってもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、手術器具に1つずつクリップをセットする構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、手術器具に複数のクリップをセットして、順次クリップを使用する構成でもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、アームが4つ設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、アームの数は、少なくとも1つ以上設けられていれば他の任意の数であってもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、アームおよびポジショナが7軸多関節ロボットから構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、アームおよびポジショナが7軸多関節ロボット以外の軸構成(例えば、6軸や8軸)の多関節ロボットなどから構成されていてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、医療用マニピュレータが、医療用台車と、ポジショナと、アームベースと、アームとを備えている例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、医療用台車と、ポジショナと、アームベースは必ずしも必要なく、医療用マニピュレータがアームだけで構成されてもよい。
【0057】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【0058】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0059】
(項目1)
ロボットアームに取り付けられる基体と、
一方端が前記基体に接続されたシャフトと、
前記シャフトの他方端に設けられ、回動軸周りに回動して開閉する一対のジョー部材と、を備え、
前記一対のジョー部材の互いに対向する面には、クリップを保持する溝形状の凹部が設けられており、
前記ジョー部材の前記凹部は、前記ジョー部材の先端側に設けられ第1深さを有する第1部分と、前記第1部分よりも前記ジョー部材の前記回動軸側に設けられ前記第1深さよりも大きい第2深さを有する第2部分とを含む、手術器具。
【0060】
(項目2)
前記一対のジョー部材は、中央に折り曲げ部を有し略U字形状の前記クリップを挟み込んだ状態で、閉じることにより、前記クリップを潰すように変形させ、
前記凹部の前記第2部分は、前記クリップの前記折り曲げ部に対応する位置に配置されている、項目1に記載の手術器具。
【0061】
(項目3)
前記クリップは、前記折り曲げ部と先端部との間に屈曲部が設けられており、
前記凹部の前記第1部分は、前記クリップの前記屈曲部が当接するように、前記ジョー部材の先端側から前記回動軸側に向かって所定の長さを有して延びるように形成されている、項目2に記載の手術器具。
【0062】
(項目4)
前記凹部の前記第2部分は、変形前の前記クリップの前記凹部の深さ方向の厚みよりも小さい前記第2深さを有している、項目1~3のいずれか1項に記載の手術器具。
【0063】
(項目5)
前記ジョー部材の前記凹部は、前記第1部分が略均一の前記第1深さを有し、前記第2部分が略均一の前記第2深さを有するように形成されている、項目1~4のいずれか1項に記載の手術器具。
【0064】
(項目6)
前記ジョー部材の前記凹部は、前記第1部分から前記第2部分に向かって、前記第1深さから前記第2深さに徐々に深さが変化して、前記第1部分および前記第2部分を接続する接続部分をさらに含む、項目5に記載の手術器具。
【0065】
(項目7)
前記ジョー部材の前記凹部は、前記溝形状の凹部の開口端において、前記第1部分が第1幅を有し、前記凹部の開口端において、前記第2部分が前記第1幅よりも大きい第2幅を有するように形成されている、項目1~6のいずれか1項に記載の手術器具。
【0066】
(項目8)
前記ジョー部材の前記凹部は、前記ジョー部材の先端側から前記回動軸側に向う方向において、前記第1部分の長さが前記第2部分の長さよりも大きくなるように形成されている、項目1~7のいずれか1項に記載の手術器具。
【0067】
(項目9)
前記ジョー部材の前記凹部は、断面形状が略V字形状を有している、項目1~8のいずれか1項に記載の手術器具。
【0068】
(項目10)
ロボットアームと、
前記ロボットアームに取り付けられる手術器具と、を備え、
前記手術器具は、前記ロボットアームに取り付けられる基体と、一方端が前記基体に接続されたシャフトと、前記シャフトの他方端に設けられ、回動軸周りに回動して開閉する一対のジョー部材と、を含み、
前記一対のジョー部材の互いに対向する面には、クリップを保持する溝形状の凹部が設けられており、
前記ジョー部材の前記凹部は、前記ジョー部材の先端側に設けられ第1深さを有する第1部分と、前記第1部分よりも前記ジョー部材の前記回動軸側に設けられ前記第1深さよりも大きい第2深さを有する第2部分とを含む、手術支援ロボット。
【符号の説明】
【0069】
1 医療用マニピュレータ(手術支援ロボット)
4 手術器具
60 アーム(ロボットアーム)
200 クリップ
210 先端部
220 折り曲げ部
230 屈曲部
410 基体
420 シャフト
431 ジョー部材
431a 第1部分
431b 第2部分
431c 接続部分
4311 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14