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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178393
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】情報表示装置、情報表示システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20241217BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024166319
(22)【出願日】2024-09-25
(62)【分割の表示】P 2021123472の分割
【原出願日】2021-07-28
(31)【優先権主張番号】P 2020131235
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】506305621
【氏名又は名称】ホームネットカーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】江▲崎▼ 眞一
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガソリンスタンドなどにおいて、顧客にとって有益な多様な情報を表示し、顧客への販促や勧奨などのアプローチを幅広く行う情報表示装置及び情報表示システムを提供する。
【解決手段】情報表示装置1は、施設に進入する車両を撮影する車両撮影部10と、車両撮影部10で取得した画像から自動車登録番号を認識する車番認識部20と、自動車登録番号に関する情報及び施設を利用する顧客に関する情報を記憶する表示装置記憶部30と、施設内に設けられた情報の表示が可能な情報表示部40と、外部との情報の送受信を可能とする通信インターフェース部50と、各部を制御する表示装置制御部60とを有し、表示装置制御部60は、通信インターフェース部50を介して情報提供元から提供される外部提供情報を、自動車登録番号に関する情報と、施設を利用する顧客に関する情報とに基づき、選択あるいは編集して情報表示部40に表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に進入する車両を撮影する車両撮影部と、
前記車両撮影部で取得した画像から自動車登録番号を認識する自動車登録番号認識部と、
前記自動車登録番号に関する情報、及び、該施設を利用する顧客に関する情報を記憶する表示装置記憶部と、
該施設内に設けられた情報の表示が可能な情報表示部と、
外部との情報の送受信を可能とする通信インターフェース部と、
前記車両撮影部、前記自動車登録番号認識部、前記表示装置記憶部、及び前記情報表示部を制御する表示装置制御部と
を有し、前記表示装置制御部が、前記通信インターフェース部を介して情報提供元から提供される外部提供情報を、前記自動車登録番号に関する情報と、該施設を利用する顧客に関する情報とに基づき、選択あるいは編集して前記情報表示部に表示することを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記表示装置制御部が、前記外部提供情報を、事前に、あるいはリアルタイムで、選択及び/または編集することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記施設が、車両に関連する施設であることを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記施設内の前記情報表示部への情報表示に併せて、該施設から顧客の携帯型端末に前記外部提供情報が送信されること、及び/または、該施設の従業員の所持する携帯型端末に前記外部提供情報が送信されることを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項5】
更に、前記情報表示部の内部または近傍に周辺撮影部を有することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記周辺撮影部によって撮影された人物の顔認証を行う顔認証部を有することを特徴とする請求項5に記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記周辺撮影部によって撮影された人物の顔画像からその人物の視線の方向を検知する視線検出部を有することを特徴とする請求項5に記載の情報表示装置。
【請求項8】
請求項1または請求項5に記載の情報表示装置と、
前記情報表示装置の通信インターフェース部と接続され、前記情報表示装置に情報を提供する配信サーバと
を有する情報表示システム。
【請求項9】
前記配信サーバは、
外部との情報の送受信を可能とする配信サーバ通信インターフェース部と、
配信すべき情報を記憶することができる配信サーバ記憶部と、
外部から前記配信サーバ通信インターフェース部を介して取得した情報をそのままあるいは、選択して、あるいは、編集して前記配信サーバ記憶部に記憶し、要求によって前記配信サーバ通信インターフェース部を介して配信するように制御する配信サーバ制御部と
を有することを特徴とする請求項8に記載の情報表示システム。
【請求項10】
前記配信サーバ記憶部に、顧客毎の配信情報の領域、地域に関する配信情報の領域、及び、外部情報提供元に貸与する領域を有することを特徴とする請求項9に記載の情報表示システム。
【請求項11】
前記配信サーバが取得する情報は、前記情報表示装置から送付される自動車登録番号を用いて自動車登録番号データベース、軽自動車登録番号データベース、車両カタログデータベースのいずれか1つ以上を検索して得られる情報であることを特徴とする請求項9に記載の情報表示システム。
【請求項12】
請求項4に記載の情報表示装置の前記周辺撮影部によって撮影された人物の顔認証を行う顔認証部を前記配信サーバに有することを特徴とする、請求項4に記載の情報表示装置を含む請求項8に記載の情報表示システム。
【請求項13】
請求項5に記載の情報表示装置の前記周辺撮影部によって撮影された人物の顔画像からその人物の視線の方向を検知する視線検出部を前記配信サーバに有することを特徴とする、請求項4に記載の情報表示装置を含む請求項7に記載の情報表示システム。
【請求項14】
前記配信サーバの中に、あるいは、前記配信サーバに接続されて、表示する情報に関しての分析を行う表示情報分析部を設けたことを特徴とする請求項8に記載の情報表示システム。
【請求項15】
外部との情報の送受信を可能とする配信サーバ通信インターフェース部と、
配信すべき情報を記憶することができる配信サーバ記憶部と、
外部から前記配信サーバ通信インターフェース部を介して取得した外部提供情報をそのままあるいは、選択した、あるいは、編集した配信情報として前記配信サーバ記憶部に記憶し、前記情報表示装置からの要求によって前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報表示装置に配信するように制御する配信サーバ制御部と
を有する車両に関連する施設に設けられる情報表示装置と接続される配信サーバ。
【請求項16】
前記情報表示装置に設けられた車両撮影部及び自動車番号認識部で、撮影された画像から認識された自動車登録番号を前記配信サーバ通信インターフェース部を介して受信して、前記自動車登録番号に関連する情報と該施設の顧客に関する情報とに基づき、前記配信サーバ通信インターフェース部を介して情報提供元から提供される外部提供情報を、そのままあるいは、選択して、あるいは、前記編集された配信情報として前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報表示装置に送信して前記情報表示装置に表示させることを特徴とする請求項15に記載の、車両に関連する施設に設けられる情報表示装置と接続される配信サーバ。
【請求項17】
前記情報表示装置に設けられた車両撮影で撮影された画像を配信サーバ通信インターフェース部を介して受信し、その画像から自動車登録番号を認識する自動車番号認識部を有し、認識された自動車登録番号に関連する情報と、該施設の顧客に関する情報と、前記配信サーバ通信インターフェース部を介して外部から提供される情報との少なくともひとつの情報の中から、該施設及び/または該顧客に関連する情報及び/または有益な情報をそのままあるいは、選択して、あるいは、前記編集された配信情報として前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報表示装置に送信して前記情報表示装置に表示させることを特徴とする特徴とする請求項15に記載の、車両に関連する施設に設けられる情報表示装置と接続される配信サーバ。
【請求項18】
施設の内部または近傍に設けられ、該施設を利用する人物の顔画像を撮影する顔画像撮影部と、
前記顔画像撮影部で取得した画像から人物の個人を認識する顔画像個人認識部と、
顔画像個人認識部で認識された該施設を利用する顧客に関する情報を記憶する表示装置記憶部と、
該施設内に設けられた情報の表示が可能な情報表示部と、
外部との情報の送受信を可能とする通信インターフェース部と、
前記顔画像撮影部、前記顔画像個人認識部、前記表示装置記憶部、前記通信インターフェース部及び前記情報表示部を制御する表示装置制御部と
を有し、前記表示装置制御部が、前記通信インターフェース部を介して情報提供元から提供される外部提供情報を、前記顔画像個人認識部で認識された顧客個人に関連する情報に基づき、選択あるいは編集して前記情報表示部に表示することを特徴とする情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にガソリンスタンドなどの車両へのエネルギー補給所に設けられる顧客への有効な情報提供を可能とする情報表示装置及び情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガソリンスタンドの経営において、顧客が給油を行う際に、従業員が、顧客に対して様々なセールス活動、あるいはプロモーションの告知などの顧客へのアプローチを行い、顧客との交流を深め、売り上げを向上させることが重要である。
【0003】
セールス活動の例としては、車検の勧誘、タイヤ交換の勧奨、洗車の勧奨、車の買い替えの情報提供、車関連のグッズの販売などが挙げられる。しかしながら、それぞれの顧客の状況に対応した、あるいは、地域や季節に応じた適切な情報を表示することは容易ではなかった。
【0004】
また従業員にとっては、顧客と対面してのセールス活動が苦手な者も多く、また、感染症が流行している際には、ソーシャルディスタンスを保つ必要があり、対面での応対が制限される場合もある。
【0005】
更に、顧客によるセルフ給油も広まっており、従業員が顧客に接する機会そのものも減少してきている。このような観点から、非対面での顧客へのアプローチを行うことができる情報表示装置あるいは情報表示システムも望まれている。
【0006】
例えば、特許文献1には、給油所の入場口から車両が入場した際に、ナンバープレートの車両情報を認識し、その車両情報に基づき顧客情報ファイルの検索を行って取得した顧客情報を各給油ステーションの給油カウンタ装置に付設された液晶ディスプレイ等に出力表示するように構成することにより、迅速に、且つ、的確な顧客サービスを行うことができる顧客管理システムの技術思想が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8-96041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術思想によれば、この情報表示は、もっぱら従業員に向けてのものであり、顧客に対して直接に情報を提供するものではなく、また、表示する情報についても、例示として、ナンバープレートから認識取得された車両番号、車両の所有者の氏名、料金の支払い方法・燃料種別、所有者のプロフィール等の個別データ(オイル交換・点検の時期等)、車両の入場時間等と列挙されているが、各給油所ごとに独自に収集した情報を主に表示しているのみで、広汎な情報源からの、顧客にとって種々の有益な情報を表示するようにはなっていないという問題がある。
【0009】
そこで、上記問題を解決するため、本発明は、主にガソリンスタンドなどの車両へのエネルギー補給所において、顧客毎の、地域独自の、あるいは外部情報提供元からの、など、顧客にとって有益な多様な情報を表示することで、顧客への販促や勧奨などのアプローチを幅広く行うことができる情報表示装置、及び、それらの情報を配信する配信サーバを含む情報表示システムを提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため、本発明の第1の態様は、情報表示装置であって、施設に進入する車両を撮影する車両撮影部と、前記車両撮影部で取得した画像から自動車登録番号を認識する自動車登録番号認識部と、前記自動車登録番号に関する情報、及び、該施設を利用する顧客に関する情報を記憶する表示装置記憶部と、該施設内に設けられた情報の表示が可能な情報表示部と、外部との情報の送受信を可能とする通信インターフェース部と、前記車両撮影部、前記自動車登録番号認識部、前記表示装置記憶部、及び前記情報表示部を制御する表示装置制御部とを有し、前記表示装置制御部が、前記通信インターフェース部を介して情報提供元から提供される外部提供情報を、前記自動車登録番号に関する情報と、該施設を利用する顧客に関する情報とに基づき、選択あるいは編集して前記情報表示部に表示することを特徴とする。
【0011】
すなわち、自動車登録番号に関する情報と、自動車登録番号に関連する顧客に関する情報とに基づき、外部情報提供元から提供される情報を、表示装置制御部で取捨選択、編集し、情報表示部に表示するため、顧客及び施設のほか、外部情報提供元にとっても効果が大きい。なお、外部の情報提供元としては、例えば、ガソリン元売り、自動車販売店、自動車用品店、一般の物販店やレストランなどである。
【0012】
情報表示部としては、ガソリンスタンドの場合、それぞれの給油機の上部に設ける表示機であることが好適で、プラズマディスプレイ、LCD、LED、VFD、映像プロジェクタなどによって文字・動画・静止画を表示するいわゆるデジタルサイネージが好ましい。
【0013】
なお、情報表示部では、静止画・動画などの画像情報のほか、スピーカーを内蔵して音声情報(アナウンスや音楽を含む)を提供するようにしてもよい。
【0014】
また、情報表示部をそれぞれの給油機の上部に設けるとしたが、給油機に内蔵する、給油機の既存表示部と共用する、複数の給油機に対して1カ所とする、給油所の事務所内に設置する、可搬にして必要の都度設置する、などの対応も可能であり、運用によっては一定の効果が得られる。
【0015】
但し、それに限定せず、可搬型のPC、タブレット、スマホなどの表示部を顧客の面前に提示するようにしてもよい。
【0016】
なお、情報表示部には、タッチパネルなどの入力手段を設けて、双方向の情報交換を可能としてもよく、そのようにすると更に詳細な情報を表示させたい場合や、従業員に説明を求めるための呼び出しなどの機能も追加できる。
【0017】
施設及び/または顧客に有益な情報(以下、有益情報とする)としては、車検時期が近付いていることの告知、車両買い替えの勧奨(推奨車種を含む)、オイル交換・タイヤ交換・洗車の勧奨、カー用品の販促などがあるが、これらに限定せず、多様な情報の提供が可能である。
【0018】
また、通信インターフェース部を介してインターネット接続などにより、外部からの情報提供を受けるようにすれば、スポンサーから提供される情報を表示することもできる。これにより、施設にとっては、広告収入を得ることが可能となる。
【0019】
同様に、インターネット接続などにより、気象情報、避難情報、地震津波情報、臨時ニュースなど緊急を要する情報を表示して、顧客に注意を促すようにしてもよい。
【0020】
表示装置制御部は、各施設ごとに設けることが好適であるが、複数の施設をまとめて単一の表示制御部によって制御するようにしてもよいし、外部のサーバなどに表示装置制御部の一部としてその機能を持たせてもよい。設備コストや運用コストが低減できる可能性もある。
【0021】
あるいは、一つの施設内に複数の表示制御部を設けて、各々がいつくかの情報表示部を制御してもよい。表示する情報を細かく設定できる、負荷分散できる、表示などの反応速度を早くできるなどのメリットが考えられる。
【0022】
なお、本発明の第1の態様においては、撮影され認識された自動車登録番号と顧客情報とに基づき、外部提供情報が、従業員が顧客と対面することなく(非対面型)、情報表示部に表示されることから、セールス活動に不得手な従業員の手を煩わせずに、顧客へのアプローチが可能となるという利点もある。
【0023】
また、新型コロナウイルス感染症などのように、対面では感染の懸念がある場合にも、非対面での外部情報の提供などの顧客へのアプローチが有効に実施できる
【0024】
もちろん、外部提供情報に関して、顧客からの呼び出しがあったり、顧客が極めて有望な見込み客であったりした場合は、従業員が出向いて行って、対面のアプローチを行い、更に詳しい説明を行い、成約に近づけることを排除するものではない。
【0025】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の情報表示装置であって、前記表示装置制御部が、前記外部提供情報を、事前に、あるいはリアルタイムで、選択及び/または編集することを特徴としてもよい。
【0026】
ここで、事前とは、当該車両が初めて施設に来訪した場合や、車検などを当該施設で実施した場合などに、それらに関連する情報を、従業員から表示装置制御部に入力させることによって、あるいは通信インターフェース部を介して外部からの情報の提供を受けて、表示装置制御部が、次回来訪時などに適切な情報を編集しておくようにするものである。
【0027】
また、リアルタイムとは、車番認識結果に基づき、短時間で編集・選択しうる情報を表示するようにするものである。
【0028】
なお、これらの表示装置制御部で行うとした編集機能は、本発明の情報表示装置が外部のサーバなどと接続される場合には、サーバ側にある制御部を、表示装置制御部として機能させてもよい。
【0029】
また、本発明の第3の態様は、第1の態様の情報表示装置であって、前記施設が、車両に関連する施設であることを特徴としてもよい。
【0030】
ここで車両に関連する施設とは、ガソリンスタンド、電気自動車用充電所、水素ステーション(水素スタンド)などのエネルギー補給所を想定しているが、それに限定されず、車両が立ち寄る場所、例えば、レンタカー営業所、駐車場、有料道路インターチェンジ・パーキングエリア・サービスエリア、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ショッピングモール、カー用品販売店、DIY店舗、自動車教習所、レストラン、喫茶店、などであってもよい。
【0031】
このようにすると、車番に関連して、このような施設利用者が必要とする情報を的確に表示することができる。
【0032】
また、本発明の第4の態様は、第1の態様の情報表示装置であって、該施設内の前記情報表示部への情報表示に併せて、該施設から顧客の携帯型端末に前記外部提供情報が送信されること、及び/または、該施設の従業員の所持する携帯型端末に前記外部提供情報が送信されることを特徴としてもよい。
【0033】
ここで、顧客の携帯型端末への送信とは、例えば、施設と顧客との間で、LINE(登録商標)による会員登録がなされていて、顧客のスマートホンなどに情報を提供する場合や、単に、ショートメールなどでメールを送信する場合などを含んでおり、時期的には、施設への来訪時ではなく、それ以前に来訪を促すように送信するのが好ましい。
【0034】
また、施設への来訪時に表示すれば、情報表示部への表示に併せて、顧客の携帯型端末にも情報が送られるため、印象が強くなり、一過性の表示ではなく、施設を退去した後もそれらの有益情報を顧客に活用させることも可能となる。
【0035】
また、従業員の携帯端末に外部提供情報が送信されれば、情報表示部に表示された情報と併せて、顧客への強力なアプローチが可能となる。
【0036】
なお、携帯型端末としては、スマートホンに限定せず、各種の携帯電話、タブレット端末。可搬のPCなどであってもよい。また、従業員の携帯型端末としては、上記のもののほか、腕時計(ウオッチ)型などの身体装着端末であってもよい。
【0037】
また、本発明の第5の態様は、第1の態様の情報表示装置であって、
更に、前記情報表示部の内部または近傍に周辺撮影部を有することを特徴としてもよい。
【0038】
このようにすると、例えばガソリンスタンドでのセルフ給油中の顧客の顔画像や身体画像、同乗者の状況、車両の状態(傷の有無と程度、汚れ具合、タイヤの摩耗度など)などの情報を取得することができ、外部提供情報の提供の際の取捨選択などに活用することができる。
【0039】
また、本発明の第6の態様は、第5の態様の情報表示装置であって、
前記周辺撮影部によって撮影された人物の顔認証を行う顔認証部を有することを特徴としてもよい。
【0040】
すなわち、先に述べた撮影部によって撮影された顧客または同乗者などの顔画像から、顔認証を行い個人を特定することが可能となる。
【0041】
このようにすると、特定された個人に対する適切な外部提供情報などの情報を情報表示部に表示することが可能となり、販促や宣伝活動を効果的に行うことが可能となる
【0042】
また、本発明の第7の態様は、第5の態様の情報表示装置であって、
前記周辺撮影部によって撮影された人物の顔画像からその人物の視線の方向を検知する視線検出部を有することを特徴としてもよい。
【0043】
視線検出(あるいは視線推定)は、ユーザーがどこを見ているのか判断するための技術であり、種々の方式が実用化されている。
【0044】
視線検出部を設けると、表示された情報のどの部分を注視しているか、また、その時間の長短などから、表示する情報への関心の度合いが把握でき(表示情報関心度合い把握機能)、これによって、表示される外部提供情報の提供元に対して、宣伝効果を加味した情報提供費(広告費)を請求する(課金する)ことも可能となり、外部情報提供元にとってはどのような情報あるいは商品、サービスに興味があるのかを知ることができ、適切なマーケティング戦略を立てることも可能となる。
【0045】
次に、本発明の第8の態様は、情報表示システムであって、第1の態様または第5の態様の情報表示装置と、前記情報表示装置の通信インターフェース部と接続され、前記情報表示装置に情報を提供する配信サーバとを有することを特徴としてもよい。
【0046】
配信サーバは、複数の情報表示装置に対して1個所設置することが好適であるが、更に複数の配信サーバを連携するようにしてもよい。
【0047】
このようにすると、配信サーバを設けることで、多数の情報表示装置に対して、効率よく、多様な情報の提供を行うことができるほか、情報を配信することによる収益を得るようにすることもできるなど、システムとして広く活用することが可能となる。
【0048】
次に、本発明の第9の態様は、第8の態様の情報表示システムであって、前記配信サーバは、外部との情報の送受信を可能とする配信サーバ通信インターフェース部と、配信すべき情報を記憶することができる配信サーバ記憶部と、外部から前記配信サーバ通信インターフェース部を介して取得した情報をそのままあるいは、選択して、あるいは、編集して前記配信サーバ記憶部に記憶し、要求によって前記配信サーバ通信インターフェース部を介して配信するように制御する配信サーバ制御部とを有することを特徴としてもよい。
【0049】
このような構成とすると、表示すべき情報の外部からの取得、記憶が可能となり、特に、配信サーバ制御部によって、取得した情報をそのまま、あるいは選択・編集などの加工を行なうなどして、適切な情報を情報表示装置に配信することができる。
【0050】
更に、本発明の第10の態様は、第9の態様の情報表示システムであって、
前記配信サーバ記憶部に、顧客毎の配信情報の領域、地域に関する配信情報の領域、及び、外部情報提供元に貸与する領域を有することを特徴としてもよい。
【0051】
このようにすると、関連する情報を、所定の領域に配信やメンテナンスしやすいように記憶できる。更に、外部情報提供元に貸与する領域については、外部情報提供元が独自に使用できるように構成することができ、外部情報提供元にも便利になり、かつ、配信サーバの運営者にとって、大きな収益源になる可能性がある。
【0052】
更に、本発明の第11の態様は、第9の態様の情報表示システムであって、
前記配信サーバが取得する情報は、前記情報表示装置から送付される自動車登録番号を用いて自動車登録番号データベース、軽自動車登録番号データベース、車両カタログデータベースのいずれか1つ以上を検索して得られる情報であることを特徴としてもよい。
【0053】
ここで、自動車検査登録情報協会の保有する自動車登録番号データベース、あるいは、軽自動車検査協会の保有する軽自動車登録番号データベースから、自動車登録番号によって、車名、型式、登録年月日、排気量、車検証交付日などの情報を入手することができる。
【0054】
それらの情報は、施設への来訪時に活用するとともに、それらの情報を情報表示装置の表示装置記憶部、または配信サーバの配信サーバ記憶部に記憶しておき、顧客が施設に再来訪した際には、記憶したデータから検索し、利用するようにすることが好ましい。
【0055】
次に、本発明の第12の態様は、第5の態様の情報表示装置を含む第8の態様の情報表示システムであって、前記情報表示装置の前記周辺撮影部によって撮影された人物の顔認証を行う顔認証部を前記配信サーバに有することを特徴としてもよい。
【0056】
これは、先に説明した周辺撮影部を含む情報表示装置に内蔵するとした顔認証部を、配信サーバ側に設けたものである。
【0057】
このようにすると、顔認証を配信サーバ側で、一括で行うことができるため、各々の表示装置の構成が簡素化されることや、顔認証情報が配信サーバで一元的に管理できるなどの利点がある。
【0058】
次に、本発明の第13の態様は、第5の態様の情報表示装置を含む第8の態様の情報表示システムであって、前記情報表示装置の前記周辺撮影部によって撮影された人物の顔画像からその人物の視線の方向を検知する視線検出部を前記配信サーバに有することを特徴としてもよい。
【0059】
これは、先に説明した周辺撮影部を含む情報表示装置に内蔵するとした視線検出部を配信サーバ側に設けたものである。
【0060】
このようにすると、視線検出処理を配信サーバ側で、一括で行うことができるため、各々の表示装置の構成が簡素化されることや、視線検出結果情報が配信サーバで一元的に管理できるなどの利点がある。
【0061】
次に、本発明の第14の態様は、第8の態様の情報表示システムであって、
前記配信サーバの中に、あるいは、前記配信サーバに接続されて、表示する情報に関しての分析を行う表示情報分析部を設けたことを特徴としてもよい。
【0062】
ここで、表示情報分析部は、個々の情報表示装置及び情報表示システムからの多量のデータ、いわゆるビッグデータを統合して管理することを目的とする。
【0063】
そこでは、従来からの統計分析技術やAI技術なども活用して、施設の顧客の性向を把握するようにしてもよい。例えば、顧客の所有している車種とその車種の顧客が好んで購入する物品との関係とか、外部情報提供元(スポンサー)からの宣伝による効果(情報表示部での顧客の注視個所や時間、顧客の年齢層・性別、宣伝を行った地域などから、販売数量の増加への寄与を判断するなど)などを算出してもよい。
【0064】
これらについては、得られる情報が有効であれば、相応の対価を得ることができ、経済的メリットも大きい。
【0065】
次に、本発明の第15の態様は、車両に関連する施設に設けられる情報表示装置と接続される配信サーバであって、外部との情報の送受信を可能とする配信サーバ通信インターフェース部と、配信すべき情報を記憶することができる配信サーバ記憶部と、外部から前記配信サーバ通信インターフェース部を介して取得した外部提供情報をそのままあるいは、選択した、あるいは、編集した配信情報として前記配信サーバ記憶部に記憶し、前記情報表示装置からの要求によって前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報表示装置に配信するように制御する配信サーバ制御部とを有することを特徴としてもよい。
【0066】
この態様は、車両に関連する施設に設けられる情報表示装置として第1の態様に示されたものに限定せず、どのような情報表示装置であってもよいとしたものであり、配信サーバを広汎に利用することができる。
【0067】
次に、本発明の第16の態様は、第15の態様の、車両に関連する施設に設けられる情報表示装置と接続される配信サーバであって、前記情報表示装置に設けられた車両撮影部及び自動車番号認識部で、撮影された画像から認識された自動車登録番号を前記配信サーバ通信インターフェース部を介して受信して、前記自動車登録番号に関連する情報と該施設の顧客に関する情報とに基づき、前記配信サーバ通信インターフェース部を介して情報提供元から提供される外部提供情報を、そのままあるいは、選択して、あるいは、前記編集された配信情報として前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報表示装置に送信して前記情報表示装置に表示させることを特徴とする。
【0068】
このようにすると、車両撮影部及び自動車番号認識部を有する情報表示装置であればどのような装置であってもよく、認識された自動車登録番号に紐づけられる有益な情報などを情報表示装置に提供して表示させることができ、情報表示装置側の構成が簡略化できる。
【0069】
次に、本発明の第17の態様は、第15の態様の、車両に関連する施設に設けられる情報表示装置と接続される配信サーバであって、
前記情報表示装置に設けられた車両撮影で撮影された画像を配信サーバ通信インターフェース部を介して受信し、その画像から自動車登録番号を認識する自動車番号認識部を有し、認識された自動車登録番号に関連する情報と該施設の顧客に関する情報とに基づき、前記配信サーバ通信インターフェース部を介して情報提供元から提供される外部提供情報を、そのままあるいは、選択して、あるいは、前記編集された配信情報として前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報表示装置に送信して前記情報表示装置に表示させることを特徴とする。
【0070】
このようにすると、自動車番号認識部も配信サーバ側に有することになるため、更に情報表示装置側が簡略化された構成となり、情報表示装置の導入が容易になる。
【0071】
次に、本発明の第18の態様は、情報表示装置であって、施設の内部または近傍に設けられ、該施設を利用する人物の顔画像を撮影する顔画像撮影部と、前記顔画像撮影部で取得した画像から人物の個人を認識する顔画像個人認識部と、顔画像個人認識部で認識された該施設を利用する顧客に関する情報を記憶する表示装置記憶部と、該施設内に設けられた情報の表示が可能な情報表示部と、外部との情報の送受信を可能とする通信インターフェース部と、前記顔画像撮影部、前記顔画像個人認識部、前記表示装置記憶部、前記通信インターフェース部及び前記情報表示部を制御する表示装置制御部とを有し、前記表示装置制御部が、前記通信インターフェース部を介して情報提供元から提供される外部提供情報を、前記顔画像個人認識部で認識された顧客個人に関連する情報に基づき、選択あるいは編集して前記情報表示部に表示することを特徴とする。
【0072】
これまでは、自動車登録番号に関連する情報を表示することとしていたが、この態様では、自動車登録番号がなくても、顔認証技術によって個人を特定することができれば、その個人に対して有益な情報を表示することを可能とするものであり、幅広い活用の可能性を有する。
【0073】
なお、該当する施設としては、車両に必ずしも関連しない、例えば、小規模店舗、映画館、劇場、鉄道駅、バスターミナル、旅行会社、病院・歯科医院、理美容院などに拡大してもよい。
【発明の効果】
【0074】
本発明に係る情報表示装置及び情報表示システムでは、特に、ガソリンスタンドなどの施設において、情報表示部に有効な情報を表示することで、顧客への販促や勧奨などのアプローチを行うことができる。
【0075】
更に、情報表示部に撮影部を設けることによって、顧客の顔認証も含め、大量の情報を収集することができ、それらを活用することで、顧客に有効な情報を提供するとともに、施設側にも、大きな利益が生ずる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1】本発明の一実施形態に係る情報表示システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報表示装置の構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報表示装置の車両撮影部を示す平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る情報表示装置の情報表示部を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る情報表示システムの配信サーバの構成図である。
図6】本発明の一実施形態の情報表示装置の運用の説明のフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態の装置の追加の運用を説明するフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態のシステムの運用を説明するフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態の情報表示装置で表示される情報の例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態の装置で表示される情報の例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態の装置で表示される情報の例を示す図である。
図12】本発明の別の実施形態に係る情報表示装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態にかかる情報表示装置及び情報表示システムについて説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0078】

<情報表示装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る情報表示システムの構成図であり、図2は本発明の一実施形態に係る情報表示装置の構成図であり、図3は本発明の一実施形態に係る情報表示装置の車両撮影部を示す平面図であり、図4は本発明の一実施形態に係る情報表示装置の情報表示部を示す斜視図である。
【0079】
まず、情報表示装置の構成を説明する。ある施設(例えばガソリンスタンドSS)に設置される情報表示装置1は、施設に進入する車両を撮影する車両撮影部10、車両撮影部10で取得した画像から自動車登録番号(車番)を認識する自動車登録番号認識部20、自動車登録番号に関する情報、及び、この施設を利用する顧客に関する情報などを記憶する表示装置記憶部30、種々の有益な情報を顧客に対して表示する情報表示部40、外部との通信のインターフェースを行う通信インターフェース部50,上記各部を接続し装置全体を制御する表示装置制御部60を有する。
【0080】
ここで、表示装置制御部60は、施設(例えばガソリンスタンドSS)に1台設けられ、ハードウエアとしては、CPUを内蔵したパソコンやサーバによって構成されることが好適であり、図示しない入力部・出力部・表示部などを備えていてもよい。
【0081】
なお、表示装置制御部60として、施設に1台設けるとしたが、更に、各々の情報表示部40にローカルな制御部を設けて機能を分散するようにしてもよい。
【0082】
表示装置記憶部30は、表示装置制御部60のPCの一部として含まれるものでもよいが、大量のデータを記憶する場合には専用のハードウエアを設けることが望ましい。
【0083】
表示装置記憶部30には、顧客に関する情報、例えば、施設におけるPOSシステム、給油カード、ポイントカード、クレジットカードなどで収集される、ガソリンやその他の物品の販売情報、従業員が入力する追加情報などが含まれるが、これに限定せず、幅広い情報を記憶しておき、顧客が再来訪した際に、取り出せるようにしておく。
【0084】
なお、従業員が入力する情報としては、当該車両が初めて来店した場合や、車検を当該店で実施した場合などに、それらに関連する情報などであり、それらを図示しない入力部から表示装置制御部60に入力させることによって、表示装置制御部60が、次回来店時などに適切な情報を編集して表示できるようにしておく。
【0085】
また、情報表示装置1が後述するような外部のサーバと接続されている場合は、従業員が入力した情報などは、サーバ側に送信され、サーバ側の制御部において記憶している顧客情報や車番情報を利用して、表示すべき情報の編集、例えば、最近、車検を実施した顧客には「車検のご利用ありがとうございました。」のような情報を作成するなどして、情報表示装置1へ送信して情報表示装置1で表示するようにすることもできる。
【0086】
このように外部のサーバなどの制御部を用いる場合も、その制御部は、情報表示装置1の表示装置制御部60の一部であるとみなすこともできる。
【0087】
これらの情報は、自動車登録番号認識部20によって認識された自動車登録番号に関する情報と紐づけて記憶されることが望ましい。紐づけの方法としては、来訪時のPOS情報と、当該車両の情報とを自動で関連付けたり、従業員の入力によって関連付けることが可能である。
【0088】
また、後述するように外部のデータベースから自動車登録番号に関連する情報を入手することも可能であり、それらも併せて表示装置記憶部30に記憶しておくことが好ましい。
【0089】
車両撮影部10は、施設の上部の梁(または、柱、壁など)に取り付けられるデジタルカメラであることが好適であり、図3に示すように車両CAに給油を行う各々の給油機RDの車両CAの前面を撮影できる位置に設置され、自動車登録番号をはっきり撮影できるようにすることが好ましい。
【0090】
なお、車両撮影部10の個所数は、例えば全ての車両が通過する場所がある場合はその場所に1個所設置することで対応できる場合もあり、逆に車両の前後方向が定まらない場合は更に設置個所数を増やすこともあり得る。
【0091】
自動車登録番号認識部20は、広範に利用されているソフトウエアであって、表示装置制御部60に内蔵されることが好適である。
【0092】
情報表示部40は図4に示すように、施設がガソリンスタンドの場合、給油機RDごとに、給油機RDの上方に設置されることが好適であり、ハードウエアとしてはLCD(液晶)ディスプレイが好適であり、その横幅(給油機の正面側)は、ほぼ給油機正面の幅か、やや小さめが好適であるが、寸法は限定されない。
【0093】
なお、給油機RDの中に設置できるスペースがある場合、例えば図4の(40)で示す位置に設置が可能であれば、設置してもよく、更に、給油機RD内部に埋め込むことが可能であればそのようにしてもよく、あるいは、給油作業のために用いられる表示部と共用するようにしてもよい。
【0094】
更に、周辺撮影部41を情報表示部40の中あるいは近傍に設け、表示装置制御部60と接続する。周辺撮影部41は外付けのデジタルカメラでもよいが、図4に示すように情報表示部40の内部に小型のレンズを埋め込めば、目立たずに周辺の撮影が可能となる。
【0095】
更に、顔認証部70を設けて、周辺撮影部41で撮影された画像の中の顧客の顔画像から顧客を特定するようにしてもよい。顔認証部70は、既に実用化されているあるいは今後実用化される、表示装置制御部60に内蔵されるソフトウエアであることが好適である。
【0096】
更に、視線検出部80を設けて周辺撮影部41によって撮影された人物の顔画像からその人物の視線の方向を検知するようにしてもよい。
【0097】
視線検出(あるいは視線推定)は、ユーザーがどこを見ているのか判断するために、目の動きを検出(推定)するものであり、その目の動きは、目の「動かない部分(基準点)」と「動く部分(動点)」を見つけた後で、基準点に対する動点の位置に基づいて、視線を検出する方法である。この場合、赤外線ライトとカメラとが一体となったものを用いることが多い。
【0098】
あるいは、通常のカメラ画像から、顔認証技術の中核である顔特徴点検出技術を用いることで、視線の方向を検出あるいは推定する技術も開発されている。
【0099】
このような既に開発された、あるいは今後開発される視線検出技術をソフトウエアとして情報表示装置1に組み込むようにする。
【0100】
更に、視線検出部80には、検出結果に基づき、表示された情報のどの部分を注視しているか、また、その時間の長短などから、表示する情報への関心の度合いを把握する表示情報関心度合い把握部(表示情報関心度合い把握機能)を有していることが望ましい。
【0101】
また、スピーカー42を情報表示部40の中あるいは近傍に設け、表示装置制御部60と接続するようにしてもよい。それによって、表示される情報に対応した音声情報を提供することができる。
【0102】
また、マイク43を情報表示部40の中あるいは近傍に設け、表示装置制御部60と接続するようにしてもよい。それによって、表示された情報に対する音声による応答や、従業員などとの対話などを行うこともできる。なお、スピーカー42とマイク43は共用することも可能である。
【0103】
更に、入力手段44を情報表示部の表面または近傍に設けてもよい。入力手段としては情報表示部40の表面に載置するタッチパネルが好適であるが、それに限定せず、スイッチボタン、キーボード、マウスなどの情報入力可能な手段であればどのようなものでもよい。
【0104】
スピーカー42、マイク43、入力手段44を設ける場合は、目的に応じて、性能・寸法・価格などを勘案し、市場に出回っている商品を選択すればよい。
【0105】
更に、情報表示装置1は、顧客の所持するスマートホンに代表される携帯型端末90と接続されてもよい。この接続は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、その中でも特にLINE(登録商標)で行われることが好適であり、顧客が当該施設の会員登録されていると、有益な情報を、施設側から顧客へ提供することができる。
【0106】
また、従業員が所持するスマートホンなどの従業員の携帯型端末91とも接続されていてもよい。この端末には、情報表示部40に表示するのと同様の内容を表示することができ、それ以外に従業員専用の情報を付加することもできる。
【0107】
<情報表示システムの構成>
次に、情報表示システム100、特にその中の配信サーバ110の構成について説明する。
【0108】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報表示システムの構成図であり、図5は本発明の一実施形態に係る情報表示システムの配信サーバの構成図である。
【0109】
情報表示システム100は、複数の施設に設置される情報表示装置1と、情報表示装置1の通信インターフェース部50と接続され、情報表示装置1に情報を提供する配信サーバ110とを有する。
【0110】
配信サーバ110は、複数の情報表示装置1に対して1個所設置することが好適であるが、複数の配信サーバ101を連携するように設けてもよい。
【0111】
配信サーバ110は、外部との情報の送受信を可能とする配信サーバ通信インターフェース部111、配信すべき情報を記憶することができる配信サーバ記憶部112、配信サーバへの入力を実行する配信サーバ入力部113、配信サーバ110からの出力を実行する配信サーバ出力部114、配信サーバ110における情報の表示を行う配信サーバ表示部115、上記各部を接続し配信サーバ110全体を制御する配信サーバ制御部116を有する。
【0112】
これらのハードウエア構成は、一般的なサーバ用のコンピュータ機器を用いればよいが、特に高性能を必要とする部分については専用機器を用いてもよい。また、それらの機器は1個所に設置される場合のほか、クラウドコンピューティングとして分散して設置されてもよい。
【0113】
配信サーバ通信インターフェース部111は各施設の情報表示装置1の通信インターフェース部50と接続されて、情報の送受信を行う。
【0114】
更に、配信サーバ110の外部に、配信サーバ通信インターフェース部111に接続される各種のデータベースがある。
【0115】
代表的なものとしては、自動車検査登録情報協会の保有する自動車登録番号データベースDB1、軽自動車検査協会の保有する軽自動車登録番号データベースDB2、あるいは、各社の車両カタログを集約した車両カタログデータベースDB3があり、その他にも車両に関連する情報のデータベースがあり、それらに接続するようにしてもよい。
【0116】
特に、自動車登録番号データベースDB1、軽自動車登録番号データベースDB2からは、自動車登録番号によって、車名、型式、登録年月日、排気量、車検証交付日などの情報を入手することができる。
【0117】
また、車両カタログデータベースDB3には、登録された車両について、グレード、スペック、タイヤサイズ、交換部品・部材の適合型番などの情報が入手できる。
【0118】
これらのデータベースから入手した情報は、配信サーバ記憶部112に記憶されるほか、配信サーバ通信インターフェース部111を介して、情報を必要としている施設の情報表示装置1の表示装置記憶部30へも転送し、記憶させることができる。
【0119】
なお、配信サーバ記憶部112には、配信すべき情報を記憶する領域として、顧客毎の情報領域112a、地域情報領域112b、情報提供元への貸与領域112cに分けられていることが好適であり、それぞれに該当する情報が記憶される。
【0120】
なお、領域の分割は、物理的な記憶装置の領域の分割だけでなく、識別コードやヘッダなどを付して分類してあってもよい。
【0121】
また、表示情報分析部120が配信サーバ110の中に設けられている。これは、情報表示装置1に表示するために、複数の情報表示装置1及び種々のデータベースから収集した多量のデータ、いわゆるビッグデータを管理し、分析することを目的とする。
【0122】
この表示情報分析部120は、従来からの統計分析技術、近年のAI技術などを組み合わせたソフトウエアで、配信サーバ制御部116に組み込まれることが好適であるが、配信サーバ110の外部に別途設けてもよい。
【0123】
なお、この表示情報分析部120は、配信サーバ110内に設けるとしたが、小規模であれば各情報表示装置1に分散して設けるようにしてもよい。
【0124】
また、これまでの説明で、おのおのの情報表示装置1に設けるとした、車両撮影部10、自動車登録番号認識部20、表示装置記憶部30、周辺撮影部41、顔認証部70、視線検出部80などに関して、その機能及び制御の全部または一部を配信サーバ110側に設ける、あるいは属するようにしてもよく、通信インターフェースを介しておのおのの情報表示装置1がそれらの機能を利用するようにしてもよい。
【0125】
このようにすると、おのおのの情報表示装置1の構成が簡略化され、低コストでの運用が可能となる
【0126】
<情報表示装置の運用>
次に、情報表示装置1の運用について説明する。図6は本発明の一実施形態の情報表示装置の運用の説明のフローチャートである。
【0127】
施設としてはガソリンスタンドSSを想定し、給油機RDが複数台設置されている。
【0128】
車両に乗った顧客がSSに到来し、いずれかの給油機RDに停車する。すると、車両前方で上方に設けられた車両撮影部10が、車両及びナンバープレートを撮影する。(ステップS11)
【0129】
次に、撮影されたナンバープレートの画像から自動車登録番号認識部20が自動車登録番号(車番)を読み取る。(ステップS12)
【0130】
読み取られた車番は、表示装置制御部60が表示装置記憶部30に記憶されているかどうか(過去に来訪した履歴があるかどうか)を検索する。(ステップS13)
【0131】
その結果、履歴があれば、関連する情報を表示装置記憶部30から抽出する。(ステップS14)
【0132】
また、履歴がない場合は、通信インターフェース部50を介して、外部(例えば後述する配信サーバ110など)に情報の照会を行う。
【0133】
情報表示装置1に記憶されている、または、外部に照会して得られる、その車番に関する情報は、表示装置制御部60で取捨選択、編集され、情報表示部に表示される。(ステップS16)
【0134】
ここで、表示される情報としては、先に述べたような、車番に関連した、車検時期が近付いていることの告知、車両買い替えの勧奨(推奨車種を含む)、オイル交換・タイヤ交換・洗車の勧奨、カー用品の販促などがあるが、これらに限定せず、情報表示装置1の中に記憶されている、あるいは外部から配信される、地域イベント情報や、気象情報、あるいは外部のスポンサーから提供される広告情報など、多様な情報を表示する。
【0135】
次に、情報表示装置1の追加の運用について説明する。図7は本発明の一実施形態の情報表示装置の運用の説明のフローチャートである。
【0136】
情報表示部40に内蔵された周辺撮影部41が給油機RDの周辺を撮影する。それには、セルフ給油の場合に、給油作業を行っている車両の乗員(運転手など)の全体、及び顔の画像が撮影される。(ステップS21)
【0137】
特に、顔の画像に関して、顔認証部70が撮影された画像の中から顔画像を検出する。(ステップ22)
【0138】
次に、顔認証部70が検出された顔画像を表示装置記憶部30から検索する。(ステップ23)
【0139】
その顔画像が表示装置記憶部30に記憶されている場合は、表示装置制御部60が検索された顔画像から個人を特定し、これまでに来訪したことがある顧客であるので関連する情報が蓄積されているため、それらの情報を表示装置記憶部30から抽出する。(ステップ24)
【0140】
一方、その顔画像が表示装置記憶部30に記憶されていない場合は、表示装置制御部60が検出された顔画像を通信インターフェース部50を介して外部に照会し、個人を特定させ、関連する情報を取得する。(ステップS26)
【0141】
次に、表示装置制御部60が抽出あるいは取得された、特定個人に関連する情報を情報表示部40に表示する。(ステップS27)
【0142】
このようにすると、顔認証で特定された個人に関連する情報が表示できるので、効果的なセールスや顧客にとって有益な情報の提供が可能となる。
【0143】
なお、視線検出部80が周辺撮影部41で撮影された人物の顔画像から、その人物の視線の方向を検知するようにしてもよい。特に、情報表示部40に情報が表示されている場合に、その情報の注視している部分、注視している時間帯・時間の長さなどを検出する。
【0144】
表示装置制御部60は、それらの結果から、どの情報に興味があったのかなどを、その人物の属性(性別・年齢など)と併せて集計するようにすれば、表示した情報の有益性が把握できる。
【0145】
この際に、外部の情報提供元から提供された情報であれば、情報元に対し、それらの情報の有益性に関するデータをフィードバックし、課金することもできる。
【0146】
<情報表示システムの運用>
次に、情報表示装置1及び配信サーバ110を含む情報表示システム100の運用について説明する。図8は本発明の一実施形態の情報表示装置の運用の説明のフローチャートである。
【0147】
まず、配信サーバ110が情報表示装置1からの、新規顧客の車番についての照会を受ける。(ステップS51)
【0148】
配信サーバ制御部116は、配信サーバ記憶部112の中にその車番に関する情報があるかどうかを検索する。(ステップ52)
【0149】
検索の結果、情報がある場合は、配信サーバ制御部116がその車番に関連する情報を抽出する。(ステップS53)
【0150】
その車番に関する情報がない場合は、配信サーバ制御部116は、外部のデータベースに照会を行い、情報を取得する。(ステップS54)
【0151】
データベースとしては、自動車登録番号データベースDB1または軽自動車登録番号データベースDB2が好適であり、これらを検索して必要な情報を収集する。
【0152】
収集できる情報としては、車番をキーとして、車名、型式、登録年月日、排気量、車検証交付日などの情報が得られる。
【0153】
更に、車名・型式などが判明すれば、車両カタログ情報データベースDB3から、その車両に関する種々の情報を広範囲に収集することができる。
【0154】
このようにして車番に関連して取得された情報を、配信サーバ制御部116が、そのまま、あるいは取捨選択したり、編集したりして、情報表示装置1へと配信する。(ステップS55)
【0155】
なお、配信サーバ制御部116では、車番に関連して取得した情報が配信サーバ記憶部112の中の顧客毎の情報領域112aに記憶され、再度の照会に役立てられることになる。
【0156】
また、情報表示装置1あるいは配信サーバ入力部113などで収集あるいは作成された地域情報、例えば、地域のお祭りなどのイベントの情報、地域に所在する公共機関や店舗などからの情報、道路や鉄道の交通情報が、配信サーバ記憶部112の地域情報領域112bに保管され、配信に供される。
【0157】
更に、外部の情報提供元、例えば、ガソリン元売り、自動車販売店、自動車用品店、一般の物販店やレストランなどが、配信の契約(配信日時、配信時間、配信回数、料金など)に基づき、提供する情報は、配信サーバ記憶部112の情報提供元への貸与領域112cに保管され、配信に供される。
【0158】
これらの地域情報や情報提供元からの情報については、表示する時間帯(午前中、夕方など)、曜日(日曜日のみなど)、期間(10月1日から10月15日までなど)を限定し、効率のよい情報提供を行うようにしたり、その結果に基づき情報提供元に課金をするようにしたりしてもよい。
【0159】
なお、これまでに説明した、表示される情報は、文字情報や静止画であってもよいし、動画であってもよい。また、情報の例の記憶先は、これまでの説明とは異なる領域に保管されてもよい。
【0160】
図9から図11は、本発明の一実施形態の情報表示装置で表示される情報の例を示す図であり、図9は顧客毎の情報として、配信サーバ110から配信される、あるいは、情報表示装置1に記憶されている顧客毎の情報をそのまま、あるいは編集し、その車両の車検時期のお知らせと予約の勧奨をするものである。
【0161】
図10は、地域情報として、配信サーバ110から配信される、あるいは、情報表示装置1に記憶されている情報をそのまま、あるいは編集し、最近のご近所の催しの予定を表示するものである。
【0162】
図11は、情報提供元からの情報であって、配信サーバ110の配信サーバ記憶部112の情報提供元への貸与領域112cに保管されているものを原則的にそのまま配信するものである。なお編集を加えることもあってもよい。
【0163】
これらの情報は、領域に属する情報毎に、別の画面として説明したが、同一画面を分割して表示するようにしてもよく、あるいは同一の領域の情報を、複数、同一画面に表示するようにしてもよい。
【0164】
また、画像とともに、情報の一部として、音声や音楽をスピーカー42から流すようにしてもよく、その情報に関する質問や問いかけに関する回答をマイク43から返答させるようにしてもよく、入力手段44から顧客または従業員の必要とする応答を入力させるようにしてもよい。
【0165】
また、顧客の携帯型端末90に、情報表示部40に表示するのと同じ、あるいはそれを元にしてアレンジした情報を転送し、表示させるようにしてもよい。更に、従業員の携帯型端末91にも同様の情報を表示させ、販促や宣伝に活用してもよい。
【0166】
なお、配信サーバ110の追加の運用として、配信サーバ110が収集した多量のデータを、表示情報分析部120で分析するようにしてもよい。
【0167】
ここで、表示情報分析部120は、個々の情報表示装置及び情報表示システムからの多量のデータ、いわゆるビッグデータを統合して管理するものであって、従来からの統計分析技術やAI技術なども活用して、施設の顧客の性向を把握するようにする。
【0168】
例えば、顧客の所有している車種とその車種の顧客が好んで購入する物品との関係とか、スポンサーからの宣伝による効果(情報表示部での顧客の注視個所や時間、顧客の年齢層・性別、宣伝を行った地域などから、販売数量の増加への寄与を判断するなど)などを算出してもよい。
【0169】
これらの分析結果については、施設運営者、元売り会社、自動車販売店、自動車用品販売店などに、その情報の有用性に応じて、有償で提供し(課金し)、収益を上げることもできる。
【0170】
なお、これまでの説明では、情報表示装置は、第1の態様に記載のものと限定していたが、情報表示装置については限定をなくし、技術的な特徴のある配信サーバを本発明の1つとしてもよい。
【0171】
すなわち、配信サーバ110は、外部との情報の送受信を可能とする配信サーバ通信インターフェース部111、配信すべき情報を記憶することができる配信サーバ記憶部112、配信サーバへの入力を実行する配信サーバ入力部113、配信サーバ110からの出力を実行する配信サーバ出力部114、配信サーバ110における情報の表示を行う配信サーバ表示部115、上記各部を接続し配信サーバ110全体を制御する配信サーバ制御部116を有する。
【0172】
ここで、配信サーバ110は、外部から配信サーバ通信インターフェース部111を介して取得した情報をそのままあるいは、選択して、あるいは、編集された配信情報として配信サーバ記憶部112に記憶し、要求によって配信サーバ通信インターフェース部111を介して情報表示が可能な装置に配信するように配信サーバ制御部116が制御する。
【0173】
ここで、情報表示が可能な装置は、第1の態様に記載されたものに限定されず、既存の給油機に備えられた給油の際に必要となる既存の装置であって、その表示部を共用するようにしてもよく、あるいは、その他の用途で設けられている、情報を表示できる装置であればどのようなものでもよい。
【0174】
また、これまでの説明では、自動車登録番号の認識やそれに関連する情報の編集などは、情報表示装置1においてなされるとしたが、配信サーバ110が情報を表示できる装置から、認識された自動車登録番号を受領して、それと関連する情報を編集などして、情報を表示できる装置に配信するようにしてもよい。
【0175】
更に、これまでの説明では、自動車登録番号認識部は情報表示装置1に設けるとしたが、自動車登録番号認識部を配信サーバ110側に設けてもよい。
【0176】
配信サーバ110が自動車登録番号を認識し、その結果に基づいてそれと関連する情報を編集などして、情報を表示できる装置に配信するようにしてもよい。
【0177】
次に、本発明の別の実施形態につき説明する。この実施形態は、これまでの実施形態に記載した解決すべき課題に加えて、あるいはそれに代えて、以下のような課題の解決にも寄与することができる。
【0178】
解決すべき課題は、車両に関連する施設であるガソリンスタンド、電気自動車用充電所、水素ステーション(水素スタンド)などのエネルギー補給所において、適正なエネルギー補給(例えば、給油)が行われるかどうかを判断すること、また、適正でない場合には、必要に応じて情報表示装置に注意や警告の文言を表示し、あるいは音声で警告し、更に、顧客の端末などに同様の文言を送信するなどの対応が可能な、情報表示装置、情報表示システムを提供することである。
【0179】
この実施形態は次のように構成される。これまでに説明した情報表示装置1は、エネルギー補強所(例えばガソリンスタンドSS)に設置され、施設に進入する車両を撮影する車両撮影部10、車両撮影部10で取得した画像から自動車登録番号(車番)を認識する自動車登録番号認識部20、自動車登録番号に関する情報、及び、この施設を利用する顧客に関する情報などを記憶する表示装置記憶部30、種々の有益な情報を顧客に対して表示する情報表示部40、外部との通信のインターフェースを行う通信インターフェース部50,上記各部を接続し装置全体を制御する表示装置制御部60を有する。
【0180】
また、周辺撮影部41を情報表示部40の中あるいは近傍に設け、表示装置制御部60と接続するようにしてもよい。
【0181】
更に、自動車登録番号認識部20にて認識された自動車登録番号に関する情報として情報表示装置記憶部30に記憶された情報、あるいは、通信インターフェース部50を介して外部から入手する情報のいずれか一つの情報に含まれる適正エネルギー補給情報と、実際のエネルギー補給時に取得する実エネルギー補給情報とからエネルギー補給が適正になされているかどうかを判断する適正エネルギー補給判断部(図示せず)を有する。
【0182】
適正エネルギー補給情報としては、自動車登録番号に関する情報として、補給すべき油種(レギュラー・ハイオク・軽油など)を有している場合は、それを用いることが好適であるが、それ以外にも、自動車登録番号に関連して車種が把握できる場合には、それによって給油すべき油種を把握してもよい。
【0183】
実際のエネルギー補給時に取得する実エネルギー補給情報としては、給油機RDと接続することによって、顧客によって選択された油種の情報、あるいは顧客が使用している給油ノズルの情報が好適である。
【0184】
ここで、情報表示装置1の一部である車両撮影部10によって撮影された画像からこれらの実エネルギー補給情報を取得することも可能である。
【0185】
また、周辺撮影部41を有する場合には、実エネルギー補給情報を、周辺撮影部41で撮影した画像を解析することによって取得することができる。
【0186】
すなわち、周辺撮影部41で、給油時の給油ノズルの色や形状を撮影し、それに基づき給油しようとしている、あるいは給油中の油種を把握することができる。
【0187】
また、自動車への給油でなく、容器への給油であった場合は、その容器の色、材質、寸法、表示内容などを、車両撮影部10または周辺撮影部41で撮影した画像から把握することができ、それによって、法律上から許容されるものか、あるいは不適正なものかを判断することが可能となる。
【0188】
更には、器物損壊や窃盗などの犯罪行為や、暴力行為、テロ行為などが周辺撮影部41の画像から把握された場合にも不適正エネルギー補給と同様の対応をしてもよい。
【0189】
適正エネルギー補給判断部は、これらの適正エネルギー補給情報と実エネルギー補給情報とを比較することで、エネルギー補給が適正であるかどうかを判断する。
【0190】
なお、不適正なエネルギー補給の例としては、給油所における油種の間違いのほか、自動車以外の容器への給油が発見された場合には、法律違反や危険性の観点から、不適正エネルギー補給と判断してもよい。
【0191】
不適正エネルギー補給がなされようとしている、あるいは既になされていると判断された場合には、情報表示装置制御部が、予め準備されている注意文言、あるいは警告文言を情報表示部に表示することが好適であり、それによって、顧客が給油の開始をしない、あるいは、途中で中止するなどの行動を促すことができる。
【0192】
更に、情報表示装置にスピーカーを内蔵している場合には、音声情報として、注意文言あるいは警告文言を発するようにしてもよい。強く注意喚起が行われる。
【0193】
更に、顧客の携帯型端末と接続可能な場合は、給油前、給油中以外にも、給油後にも不適正給油である旨の連絡を、LINE(登録商標)、メール、通話などの手段により行ってもよい。早期に問題の解消ができ、トラブルの発生を防止できる。
【0194】
また、施設の従業員の保有する携帯型端末や施設内のモニターに、不適正給油である旨の通知(音声・画面)を行ってもよい。特に、有人対応が可能な状況(時間帯など)であれば、即時の対応ができる。
【0195】
また、このような状況の場合に、警備会社や警察に、自動的に通報がなされるようにしてもよい。
【0196】
なお、これまでは、情報表示装置1において不適正エネルギー補給の対応を行うとしたが、この対応に関する情報表示装置1の機能の一部または全部を、配信サーバ110側で保持し、エネルギー補給が適正になされているかどうかの判断を配信サーバ110にて行わせるようにしてもよい。
【0197】
このように、各々の情報表示装置1に設けた機能部分の一部またはすべてを配信サーバ110が保有することで、情報表示装置1の構成が簡略化される。
【0198】
また、配信サーバ110側に一部またはすべての機能を有することで、広汎な外部のデータベースの利用や、蓄積された適正あるいは不適正なエネルギー補給情報の活用などが可能となる。
【0199】
次に、本発明の更に別の実施形態について説明する。図12は本発明の別の実施形態に係る情報表示装置の構成図である。
【0200】
情報表示装置1000は、情報を表示するディスプレイなどの情報表示部1010、外部との通信のインターフェースを行う通信インターフェース部1020、情報・データ・プログラムなどを記憶する表示装置記憶部1030、この装置の利用者の顔画像を撮影する顔画像撮影部1040、撮影された顔画像の個人認識を行う顔画像個人認識部1050、この装置への情報などの入力を行わせる情報装置入力部1060、この装置からの情報の出力を行わせる表示装置出力部1070、この装置の各部を制御する表示装置制御部1080などから構成される。
【0201】
これらの機能部分は、ハードウエアとしては、PCまたはサーバで構成されることが好適であるが、専用ユニットでもよく、あるいは、一部、例えば情報表示部1010を独立して大型の表示にするなどしてもよい。
【0202】
また、各部を分散してクラウドコンピューティングのように遠隔で設けてもよく、あるいは、いくつかの部分を統合したり、分離したり、削除したりしてもよい。
【0203】
これまでの実施形態では、自動車登録番号に関連する情報を表示することとしていたが、この実施形態では、自動車登録番号に代えて、顔認証技術によって個人を特定し、その個人に対して有益な情報を表示するものである。
【0204】
次に、この実施形態の運用の例を説明する。
例えば、化粧品店において、顔画像撮影部1040が顔画像を撮影し、顔画像個人認識部1050が表示装置記憶部1030あるいは通信インターフェース部1020を介して外部に照会するなどして個人の特定を行い、履歴がある場合はそれも参照して、その個人に合った化粧品を推奨するなどが可能である。その際に、顔画像に化粧品を使用した際の状況を表示するようにすれば、なお、顧客へのアピール効果は大きくなる。
【0205】
同様の運用は、美容院における髪型の選択、服飾店におけるドレスの選択などが想定され、多方面に活用が可能である。
【0206】
また、顔画像から個人が認識できれば、その個人に関する蓄積された情報、例えば、誕生日の情報に基づくお祝いメッセージの表示や、推奨商品の表示などが可能となる。
【0207】
すなわち、レコメンドによるONE TO ONEマーケッティングが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0208】
本発明の情報表示装置及び情報表示システムは、主に、ガソリンスタンドなど車両に関係する施設に設けられ、施設管理者、利用顧客、情報提供元など、多方面に大きな利用価値を提供するものであるから、大いに産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0209】
1 情報表示装置
10 車両撮影部
20 車番認識部
30 表示装置記憶部
40 情報表示部
41 周辺撮影部
50 通信インターフェース部
60 表示装置制御部
70 顔認証部
80 視線検出部
90 顧客の携帯型端末
91 従業員の携帯型端末
100 情報表示システム
110 配信サーバ
112 配信サーバ記憶部
116 配信サーバ制御部
120 表示情報分析部
1000 情報表示装置
1010 情報表示部
1040 顔画像撮影部
1050 顔画像個人認識部
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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図12