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特開2024-178404ピロールアミドピリドン系化合物、製造方法及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178404
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ピロールアミドピリドン系化合物、製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20241217BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20241217BHJP
   A61K 31/536 20060101ALI20241217BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
C07D471/04 104Z
C07D471/04 CSP
A61K31/437
A61K31/536
A61K31/4545
A61P1/04
A61P1/16
A61P3/10
A61P9/10
A61P11/00
A61P11/06
A61P13/02
A61P17/00
A61P17/06
A61P25/00
A61P25/02
A61P25/28
A61P25/16
A61P27/02
A61P27/16
A61P29/00
A61P31/00
A61P31/10
A61P21/04
A61P35/00
A61P35/02
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024166575
(22)【出願日】2024-09-25
(62)【分割の表示】P 2021556665の分割
【原出願日】2020-03-12
(31)【優先権主張番号】201910200772.2
(32)【優先日】2019-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911073573.6
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】520153556
【氏名又は名称】シャンハイ リンジーン バイオファーマ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ホイシン
(72)【発明者】
【氏名】パン、チエンフォン
(72)【発明者】
【氏名】マー、チンコイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】腫瘍又は炎症性疾患を治療する医薬の製造における新規BRD酵素阻害剤又は分解剤を提供する。
【解決手段】一般式Iで表されるピロールアミドピリドン化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグ、その製造方法及び製薬での使用を提供する。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式II-1で表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【化1】

R1はC1-C8アルキル又は
【化2】

であり;
L1は-(C1-C8アルキル)-又は-(C1-C6アルキル)-(CHOCHm1-(C1-C6アルキル)-であり;
m1は1、2、3又は4であり;
L2は連結結合、又は
【化3】

であり;
Wは-CH-又は-C(=O)-であり;
R2は水素であり;
R3及びR5は独立して水素であり;
R4は-L-R10であり;
Lは-(SO)-であり;
R10はC1-C6のアルキルであり;
R8、R9は独立してC1-C6アルキルである、ピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【請求項2】
m1は3である、請求項1に記載の一般式II-1で表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【請求項3】
R1がC1-C8アルキルである場合、前記C1-C8アルキルは独立してメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり;
又は、L1が-(C1-C8アルキル)-である場合、前記C1-C8アルキルはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル又はn-ヘキシルであり;
又は、L1が-(C1-C6アルキル)-(CHOCHm1-(C1-C6アルキル)-である場合、前記C1-C6アルキルは独立してメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり;
又は、m1は2又は3であり;
又は、R10はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルである、請求項1に記載の一般式II-1で表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【請求項4】
R1がC1-C8アルキルである場合、前記C1-C8アルキルは独立してメチル、エチル又はn-プロピルであり;
又は、L1が-(C1-C8アルキル)-である場合、前記C1-C8アルキルはn-ブチル、n-ペンチル又はn-ヘキシルであり;
又は、L1が-(C1-C6アルキル)-(CHOCHm1-(C1-C6アルキル)-である場合、前記C1-C6アルキルは独立してメチル、エチル又はn-プロピルであり;
又は、R10はメチル又はエチルである、請求項3に記載の一般式II-1で表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【請求項5】
-L1-L2-は
【化4】

であり;
及び/又は、
【化5】


【化6】

であり;
及び/又は、R4は
【化7】

である、請求項1に記載の一般式II-1で表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【請求項6】
R1はエチル、イソプロピル、
【化8】

であり;
及び/又は、
【化9】


【化10】

である、請求項1に記載の一般式II-1で表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【請求項7】
前記一般式II-1で表されるピロールアミドピリドン系化合物は以下の任意の構造から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の一般式II-1で表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【化11】

【化12】
【請求項8】
式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物の製造方法であって、方法1又は方法2を含み;
方法1は、溶媒の中で、塩基及び縮合試薬の存在下で、式Dで表される化合物とR1R2NHを以下に示すような縮合反応をさせ、式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物を得る工程を含み;
【化13】

方法2は溶媒の中で、塩基及び遷移金属触媒の存在下で、式A’で表される化合物及び式Bで表される化合物を以下に示すような金属触媒カップリング反応をさせ、式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物を得る工程を含む製造方法。
【化14】


(ここで、R1、R2、R3、R4、及びR5は請求項1~7のいずれか1項に定義された通りであり;X1はCHであり;X2はNHであり;
【化15】


【化16】

である。)
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項に記載の一般式II-1で表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項10】
BRD及び/又はc-Myc阻害剤、BRD及び/又はc-Mycタンパク質の活性又は発現量に関連する疾患を治療又は予防するための薬物、又は腫瘍、免疫疾患及び/又は炎症性疾患を治療又は予防する医薬の製造における請求項1~7のいずれか一項に記載の一般式II-1で表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形、又は請求項9に記載の医薬組成物の使用であって;
前記腫瘍は非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、皮膚癌、胃癌、腸癌、胆管癌、脳癌、白血病、リンパ腫、線維腫、肉腫、基底細胞癌、神経膠腫、腎臓癌、黒色腫、骨癌、甲状腺癌、鼻咽頭癌、及び膵臓癌から選択され;前記免疫疾患と炎症性疾患は独立して移植された臓器の拒絶反応、痛風、鼻炎、脱毛、アルツハイマー病、虫垂炎、アテローム性動脈硬化症、喘息、関節炎、アレルギー性皮膚炎、ベーチェット病、ヘルペス性皮膚疾患、胆嚢炎、慢性特発性血小板減少性紫斑病、慢性閉塞性肺疾患、肝硬変、変性関節疾患、皮膚炎、皮膚筋炎、湿疹、腸炎、脳炎、胃炎、腎炎、橋本甲状腺炎、肝炎、下垂体炎、炎症性腸疾患、刺激性腸症候群、川崎病、髄膜炎、多発性硬化症、心筋炎、重力筋無力症、真菌性真菌症、筋炎、腎炎、骨髄炎、膵炎、パーキンソン病、心膜炎、悪性貧血、肺炎、原発性胆汁性硬化性胆管炎、結節性多発動脈炎、乾癬、線維症、エリテマトーデス、組織移植片拒絶反応、甲状腺炎、I型糖尿病、尿道炎、ブドウ膜炎、血管炎、白斑及びワルデンストレームマクログロブリン血症から選択される使用。
【請求項11】
式D又は式Cで表される化合物。
【化17】

(ここで、R3、R4、及びR5は請求項1~7のいずれか1項に定義された通りであり;RaはC1-C6アルキルであり;X1はCHであり;X2はNHであり;
【化18】


【化19】

である。)
【請求項12】
前記式Dで表される化合物は
【化20】

であり;
及び/又は、前記式Cで表される化合物は
【化21】

であることを特徴とする、請求項11に記載の式D又は式Cで表される化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は出願日が2019年3月17日である中国特許出願201910200772.2の優先権、及び出願日が2019年11月06日である中国特許出願201911073573.6の優先権を主張する。本出願は前記中国特許出願の全文を引用する。
【0002】
本発明は、医薬品化学分野に属し、具体的に、ピロールアミドピリドン系BET-BRDシグナル経路阻害剤化合物、その製造方法及び使用に関する。
【背景技術】
【0003】
エピジェネティックな調節の異常は、腫瘍発生の重要な要因の1つである。最新の研究では、BRDタンパク質によって媒介されるエピジェネティックな異常は、癌遺伝子の過剰発現と密接に関連しており、癌細胞の成長と増殖と密接に関連していることが分かった。BRD4はBETタンパク質ファミリーのメンバーであり、その抗腫瘍の潜在的な価値のために、各大手製薬会社と科学研究機関から大きな注目を集めている。
【0004】
BETタンパク質はエピジェネティック認識タンパク質としても知られ、細胞ヒストンのエピジェネティック情報の変化を認識し、細胞分裂を刺激するシグナル等を伝達することができる。白血病を例にすると、血球のBETタンパク質遺伝子の突然変異は当該信号伝達を妨害し、病気の細胞を制御不能に分裂させ、それによって人間の組織器官に損傷を与える。BRD3/BRD4のブロモドメインコード領域とNUT(精巣の核タンパク質)遺伝子クロマチンの転座によるBRD-NUT融合プロトオンコジーンの形成は正中線癌の病因であり、現在、BRD4タンパク質が腫瘍の発症に関与しているという直接的な証拠でもある。同時に、研究により、AML、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫及びB細胞急性リンパ芽球性白血病等の造血がんのモデルでは、MYC部位でのBRD4の結合を妨げることにより、MYCを直接沈黙できることが分かった。MYCの様々な異性体は細胞増殖と生存の重要な調節因子であることが知られ、且つ、MYCは多くの癌で過剰発現する可能性がある癌遺伝子であるため、ブロモドメイン拮抗作用は、初めてMYCによる腫瘍形成を標的とする作用機会を提供した。最近、BRD4はウイルス遺伝子の転写調節にも重要な役割を果たし、且つ、ウイルス腫瘍の病因と一定の関係があることも発見した。これらの研究結果は、BRD4が様々な腫瘍と関連し、特に今まで治癒が困難な腫瘍と効果的な治療法がない腫瘍で重要な役割を果たし、それと腫瘍との関係の研究は、腫瘍治療のための新しい戦略を提供した。BRD4タンパク質のブロモドメインの小分子化合物に作用することにより、ブロモドメインとアセチル化リジンの特異的結合を妨害し、腫瘍細胞の転写調節やその他の細胞プロセスに影響を与え、腫瘍の標的療法を実現できる。
【0005】
従って、BRD4タンパク質は非常に有望な新しいエピジェネティックな標的であり、BRD4タンパク質のブロモドメインに作用する小分子阻害剤も腫瘍研究に使用される幅広い見通しがあり、且つ、それから新しい抗腫瘍薬を開発される可能性がある。報告されたBRD4タンパク質の選択的阻害剤であるJQ1とIBET151等のは、その結晶複合体が、これらの小分子阻害剤がブロモドメインのアセチル化リジン認識ポケットに結合し、それによってブロモドメインで媒介されるアセチル化調節をブロックすることを示し、いくつかの癌におけるこれらの阻害剤の治療効果は既に証明された。現在、既知のBRD4タンパク質小分子阻害剤のほとんどは構造タイプが少なく、BD1及びBD2のブロモドメインに対する選択性が十分に優れていないため、ブロモドメイン含有タンパク質の生物学的機能とそれらの抗腫瘍の可能性に関する人々の詳細な研究を制限している。それ以外に、既存のBRDタンパク質阻害剤の効果を改善し、その機序をさらに解明する必要がある。Abbvie社のABBV744はBRD4-BD2の選択的阻害剤であり、選
択制が高く、一部の白血病及び前立腺癌細胞株に対して高い殺傷効果を有している。同時に、ABBV744のADME特性をさらに最適化及び改善する必要がある。従って、非常に効果的で選択性の高い新しい小分子BRDタンパク質特異的BDドメイン阻害剤又はBRDタンパク質分解剤を見つけることはエピジェネティックな抗腫瘍研究のホットスポットである。
【発明の概要】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的問題の1つは、腫瘍又は炎症性疾患を治療する医薬の製造における新規BRD酵素阻害剤又は分解剤を提供することにある。
【0007】
上記の技術的問題を解決する方法は以下の通りである:
一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグであって、
【0008】
【化1】

【0009】
ここで:
R1は独立して水素、C1-C8アルキル、3~8員の環式炭化水素又はヘテロシクロアルキル、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル等から選択され;R2は独立して水素、C1-C6のアルキルから選択され;
【0010】
X1、X2はそれぞれ独立してCH又はNHから選択され;
【0011】
R3、R5はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C1-C6のアルキルから選択され;
【0012】
R4、R6、R7はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルケニル、アルキニル、アシルアミノ、エーテル又はチオエーテル、置換又は無置換のC1-C6のアルキル、3~8員の環式炭化水素又はヘテロシクロアルキル、5~10員のアリール又はヘテロアリール、アルコキシ、置換又は無置換のアミノ、アルキルスルホン、アルキルスルホキシド、アルキルスルホンアミド、アルキルスルフィンアミド、ウレア、スルホニルウレア、スルフィンウレア等から選択され;
【0013】
或いは、R6及びR7の間は炭素原子又はヘテロ原子を介して3~8員の飽和、不飽和又は部分的に不飽和環系を形成し得る。
【0014】
前記任意の基上の一つ又は複数の水素原子は、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ又はシクロアミノ、シアノ、ニトロ、スルホン又はスルホニル、C1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、C1-C8アルコキシ又はアルキルチオ、C1-C8アルキルアミノ、アルケニル、アルキニル、アシル又はスルホニル、ウレア又はスルホニルウレア、5~8員アリール又はヘテロアリールを含むがこれらに限定されない置換基で置換され;ここで、前記ヘテロアリールはN、O、P又はSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、前記ヘテロシクロアルキルはN、O、P又はSから選択される1~3個のヘテロ原子を含み、前記環系はスピロ環、架橋環、縮合環、縮合環等の飽和又は部分的に不飽和の環系を含む。
【0015】
更なる実施の態様において、一般式Iで表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグは、好ましくは、一般式(II)で表される化合物であり:
【0016】
【化2】

【0017】
ここで、R8、R9は独立して水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、3~8員のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルから選択され、或いは、R8及びR9は炭素原子又はヘテロ原子を介して、相互の間に3~8員の飽和、不飽和又は部分的不飽和の環系を形成し;R10は水素、C1-C10アルキル、3~10員のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、5~10員のアリール又はヘテロアリールから選択され;LはO、S、NH等から選択され;更に、R1、R2、R3、R4、R5、R6は前記に定義された通りである。
【0018】
より更なる実施の態様において、一般式(1)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグであって、その特徴は:
【0019】
R1は好ましくは、置換又は無置換のC2-C8のアルキル、置換又は無置換の3~8員のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルから選択され;R2は好ましくは、水素、C1-C6のアルキルから選択され;或いは、R1とR2の間には4~8員の窒素含有複素環を形成し;更に好ましくは、置換又は無置換のエチル、エトキシエチル等から選択され;
【0020】
R3、R5、R6はそれぞれ独立して水素、フッ素、C1-C6のアルキルから選択され;
【0021】
R4は好ましくは、C1-C6のスルホニル、C1-C6のスルホニルアミド、C1-C6員のスルフィン、C1-C6のスルフィンアミド、C1-C6のスルホンイミド、C1-C6の置換アルキルから選択され;
【0022】
R8及びR9はそれぞれ独立して水素、C1-C3のアルキルから選択され、又は相互の間に3~6員の環係を形成し;
【0023】
R10は好ましくは、水素、C1-C8のアルキル、3~8員のシクロアルキル及びヘテロシクロアルキル、5~8員のアリール及びヘテロアリールから選択され;より好ましくは、
【0024】
【化3】

【0025】
であり、ここで、Rdは水素、ハロゲン、シアノ、スルホニル、スルフィン、C1-C3のアルキル又はアルコキシから選択され、且つ、Rdとベンゼン環又はシクロヘキサン環又はもう一つのRd置換基の間に、3~8員の飽和又は部分的不飽和の環系を形成し得;n=0~5であり、好ましくは2、3から選択され。
【0026】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0027】
【化4】

【0028】
ここで、X1はCHであり;X2はNHであり;
【0029】
R1は水素、C1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキル、3~8員のヘテロシクロアルキル、3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキル、3~8員のヘ
テロシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキル又は
【0030】
【化5】

【0031】
であり;前記3~8員のヘテロシクロアルキル及び3~8員のヘテロシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルにおける3~8員のヘテロシクロアルキルにおいて、ヘテロ原子はN、O、S、-S(=O)-及び-S(=O)-の中の一つ又は複数から選択され、ヘテロ原子の数は1、2又は3個であり;前記C1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキル、3~8員のヘテロシクロアルキル、3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキル、3~8員のヘテロシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキル及び
【0032】
【化6】

【0033】
は一つ又は複数の置換基で任意に置換され、前記置換基は独立して:ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、=O、C1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-、C1-C6アルキル-(SO)-及び
【0034】
【化7】

【0035】
から選択され;置換基が複数である場合、同じでも異なってもよく;
【0036】
Ra及びRbは独立して水素又はC1-C8アルキルであり;
【0037】
L1は連結結合、-(C1-C8アルキル)-、-(C2-C6アルキニル)-、又は-(C1-C6アルキル)-(CHOCHm1-(C1-C6アルキル)-であり;
【0038】
m1は1、2、3又は4であり;
【0039】
L2は連結結合、-O-、
【0040】
【化8】

【0041】
であり;
【0042】
Wは-CH-又は-C(=O)-であり;
【0043】
R2は水素又はC1-C6のアルキルであり;
【0044】
或いは、R1及びR2は連結され、連結されたNと一緒に:3~8員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数のハロゲンで置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成し;前記3~8員のヘテロシクロアルキル及び一つ又は複数のハロゲンで置換された3~8員のヘテロシクロアルキルのヘテロ原子は前記のN以外に、更にN、O、S、-S(=O)-及び-S(=O)-から選択される0~2個のヘテロ原子を含み;置換基が複数である場合、同じでも異なってもよく;
【0045】
R3及びR5は独立して水素、ハロゲン又はC1-C6のアルキルであり;
【0046】
R4、R6及びR7は独立して水素又は-L-R10であり;
【0047】
Lは独立して連結結合、-O-、-(SO)-又は-(SO)-NH-であり(-NH-(SO)-を含む);
【0048】
R10は独立してC1-C6のアルキル、6~10員のアリール、一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C6のアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールであり;前記一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C6のアルキル及び一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールにおける置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシ、シアノ又はC1-C6のアルキルであり;置換基が複数である場合、同じでも異なってもよく;
【0049】
或いは、R6及びR7は連結され、連結された炭素原子と一緒に:6員のヘテロシクロ
アルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された6員のヘテロシクロアルキルを形成し、前記6員のヘテロシクロアルキルにおけるヘテロ原子はN、O、S、-S(=O)-及び-S(=O)-の中から選択され一つ又は複数であり、ヘテロ原子の数は1、2又は3個であり;前記置換基は独立してC1-C6のアルキル又は=Oであり;置換基が複数である場合、同じでも異なってもよい。
【0050】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0051】
R1はC1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキル、3~8員のヘテロシクロアルキル、3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキル又は
【0052】
【化9】

【0053】
であり、例えば、C1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキル又は
【0054】
【化10】

【0055】
である。
【0056】
本発明の幾つかの実施の態様において、一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0057】
R1はC1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキル、3~8員のヘテロシクロアルキル又は3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルであり;例えば、C1-C8アルキル又は3~8員のシクロアルキルである。
【0058】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0059】
R1は
【0060】
【化11】

【0061】
である。
【0062】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0063】
m1は3である。
【0064】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0065】
L2は連結結合、
【0066】
【化12】

【0067】
である。
【0068】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0069】
R2は水素である。
【0070】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0071】
R1及びR2は連結され、連結されたNと一緒に:3~8員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数のハロゲンで置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0072】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0073】
R3は水素である。
【0074】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0075】
R5は水素である。
【0076】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0077】
R6は水素である。
【0078】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0079】
Lは独立して連結結合、-O-又は-(SO)-であり、例えば、連結結合又は-(SO)-である。
【0080】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0081】
Lは独立して-O-である。
【0082】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0083】
R10は独立してC1-C6のアルキル、一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C6のアルキルである。
【0084】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0085】
R10は独立して6~10員のアリール、又は一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールである。
【0086】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0087】
R4は水素又は-L-R10であり、例えば、-L-R10であり、又、例えばLは連結結合又は-(SO)-であり、及び/又は、R10はC1-C6のアルキル、一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C6のアルキルである。
【0088】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0089】
R7は水素又は-L-R10であり、例えば、-L-R10であり、又、例えば、Lは-O-であり、及び/又は、R10は6~10員のアリール、又は一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールである。
【0090】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通り
であり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0091】
R6及びR7は連結され、連結された炭素原子と一緒に:6員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された6員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0092】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0093】
R1において、前記置換基は独立して:ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、=O、C1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-及びC1-C6アルキル-(SO)-から選択され;例えば、ハロゲン、シアノ、C1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-及びC1-C6アルキル-(SO)-である。
【0094】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0095】
R1がC1-C8アルキルであり、前記C1-C8アルキルが一つ又は複数の置換で置換された場合、前記置換基はハロゲン、シアノ、C1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-和C1-C6アルキル-(SO)-から選択される。
【0096】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0097】
R1が3~8員のシクロアルキル、3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルであり、前記3~8員のシクロアルキル及び3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルが独立して一つ又は複数の置換で置換された場合、前記置換基はハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-及びC1-C6アルキル-(SO)-から選択され;例えば、ハロゲン、C1-C6アルキル又はヒドロキシであり、又、例えばハロゲンである。
【0098】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0099】
R1が3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルであり、前記3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルが一つ又は複数の置換で置換された場合、前記置換基はハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-及びC1-C6アルキル-(SO)-から選択され;例えば、ハロゲン又
はヒドロキシであり、又、例えばハロゲンである。
【0100】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0101】
【化13】

【0102】
ここで、X1はCHであり;X2はNHであり;
【0103】
R1はC1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキル、3~8員のヘテロシクロアルキル、3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキル、又は
【0104】
【化14】

【0105】
であり;前記3~8員のヘテロシクロアルキルにおいて、ヘテロ原子はN、O、S、-S(=O)-及び-S(=O)-の中の一つ又は複数から選択され、ヘテロ原子の数は1、2又は3個であり;前記C1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキル、3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキル及び
【0106】
【化15】

【0107】
は一つ又は複数の置換基で任意に置換され、前記置換基は独立して:ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、=O、C1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-及びC1-C6アルキル-(SO)-から選択され;置換基が複数である場合、同じでも異なってもよく;
【0108】
L1は連結結合、-(C1-C8アルキル)-、-(C2-C6アルキニル)-、-(C1-C6アルキル)-(CHOCHm1-(C1-C6アルキル)-であり;
【0109】
m1は1、2、3又は4であり;
【0110】
L2は連結結合、
【0111】
【化16】

【0112】
であり;
【0113】
Wは-CH-又は-C(=O)-であり;
【0114】
R2は水素であり;
【0115】
或いは、R1及びR2は連結され、連結されたNと一緒に:3~8員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数のハロゲンで置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成し;前記3~8員のヘテロシクロアルキル及び一つ又は複数のハロゲンで置換された3~8員のヘテロシクロアルキルのヘテロ原子は前記のN以外に、更にN、O、S、-S(=O)-及び-S(=O)-から選択される0~2個のヘテロ原子を含み;置換基が複数である場合、同じでも異なってもよく;
【0116】
R3及びR5は独立して水素、ハロゲン又はC1-C6のアルキルであり;
【0117】
R6は水素であり;
【0118】
R4及びR7は独立して水素、-L-R10であり;
【0119】
Lは連結結合、-O-又は-(SO)-であり;
【0120】
R10は独立してC1-C6のアルキル、6~10員のアリール、一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C6のアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールであり;前記一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C6のアルキル及び一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールにおける置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシ、シアノ又はC1-C6のアルキルであり;置換基が複数である場合、同じでも異なってもよく;
【0121】
或いは、R6及びR7は連結され、連結された炭素原子と一緒に:6員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された6員のヘテロシクロアルキルを形成し、前記置換基はC1-C6のアルキル又は=Oである。
【0122】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0123】
X1はCHであり;X2はNHであり;
【0124】
R1はC1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキルであり;前記C1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキルは一つ又は複数の置換基で任意に置換され;
【0125】
R2、R3、R5及びR6は独立して水素であり;
【0126】
R4及びR7は独立して水素又は-L-R10であり;
【0127】
或いは、R6及びR7は連結され、連結された炭素原子と一緒に:6員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された6員のヘテロシクロアルキルを形成し、前記置換基はC1-C6のアルキル又は=Oであり;
【0128】
好ましくは、
R4はC1-C6のアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C6のアルキルであり;
【0129】
R7は-L-R10であり;Lは-O-であり;R10は6~10員のアリール、又は一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールである。
【0130】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0131】
X1はCHであり;X2はNHであり;
【0132】
R1はC1-C8アルキル又は
【0133】
【化17】

【0134】
であり;
【0135】
R2、R3、R5及びR6は独立して水素であり;
【0136】
R4及びR7は独立して水素又は-L-R10であり;
【0137】
或いは、R6及びR7は連結され、連結された炭素原子と一緒に:6員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された6員のヘテロシクロアルキルを形成し、前記置換基はC1-C6のアルキル又は=Oであり;
【0138】
好ましくは、R1は
【0139】
【化18】

【0140】
であり;
【0141】
R4は-L-R10であり;Lは連結結合又は-(SO)-であり;R10はC1-C6のアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C6のアルキルであり;
【0142】
R7は-L-R10であり;Lは-O-であり;R10は6~10員のアリール、又は一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールであり;
【0143】
或いは、R6及びR7は連結され、連結された炭素原子と一緒に:6員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された6員のヘテロシクロアルキルを形成し、前記置換基はC1-C6のアルキル又は=Oであり;
【0144】
より好ましくは、L1は連結結合であり;
【0145】
L2は
【0146】
【化19】

【0147】
である。
【0148】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0149】
R1がC1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキル又は3~8員のヘテロシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルである場合、前記C1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキル及び3~8員のヘテロシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルにおけるC1-C8アルキルは独立してC1-C4アルキルであり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり;又、例えば、メチル、エチル又はイソプロピルである。
【0150】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0151】
R1が3~8員のシクロアルキル又は3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルである場合、前記3~8員のシクロアルキル及び3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルにおける3~8員のシクロアルキルは独立して3~6員のシクロアルキルであり、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルであり;又、例えば、シクロプロピル、シクロブチル又はシクロペンチルである。
【0152】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0153】
R1が3~8員のヘテロシクロアルキル又は3~8員のヘテロシクロアルキルで置換さ
れたC1-C8アルキルである場合、前記3~8員のヘテロシクロアルキル及び3~8員のヘテロシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルにおける3~8員のヘテロシクロアルキルは独立して3~6員のヘテロシクロアルキルであり、ここで、ヘテロ原子はN、O及びSの中の一つ又は複数から選択され、ヘテロ原子の数は1又は2個であり;例えば、
【0154】
【化20】

【0155】
である。
【0156】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0157】
R1における前記置換基がC1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-又はC1-C6アルキル-(SO)-である場合、前記C1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-及びC1-C6アルキル-(SO)-におけるC1-C6アルキルは独立してC-Cアルキルであり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり;又、例えば、メチル又はエチルである。
【0158】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0159】
Ra及び/又はRbが独立してC1-C8アルキルである場合、前記C1-C8アルキルは独立してC1-C6アルキルであり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル又はn-ヘキシルであり;又、例えば、メチルである。
【0160】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0161】
L1が-(C1-C8アルキル)-である場合、前記C1-C8アルキルはC1-C6アルキルであり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル又はn-ヘキシルであり
;又、例えば、n-ブチル、n-ペンチル又はn-ヘキシルである。
【0162】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0163】
L1が-(C2-C6アルキニル)-である場合、前記C2-C6アルキニルはエチニル、プロプ-1-イニル、
【0164】
【化21】

【0165】
ブト-1-イニル
【0166】
【化22】

【0167】
又はペント-4-イニル
【0168】
【化23】

【0169】
であり、又、例えば、
【0170】
【化24】

【0171】
である。ここで、a端はL2との連結を表す。
【0172】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0173】
L1が-(C1-C6アルキル)-(CHOCHm1-(C1-C6アルキル)-である場合、前記C1-C6アルキルは独立してC-Cアルキルであり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり;又、例えば、メチル、エチル又はn-プロピルである。
【0174】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0175】
m1は2又は3である。
【0176】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0177】
R2がC1-C6のアルキルである場合、前記C1-C6のアルキルはC1-C4アルキルであり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり;又、例えば、メチル、エチル又はイソプロピルである。
【0178】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0179】
R1及びR2が連結され、連結されたNと一緒に:3~8員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数のハロゲンで置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する場
合、前記3~8員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数のハロゲンで置換された3~8員のヘテロシクロアルキルにおける3~8員のヘテロシクロアルキルは独立して3~6員のヘテロシクロアルキルであり、ここで、ヘテロ原子は前記Nであり;例えば、
【0180】
【化25】

【0181】
である。
【0182】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0183】
R10が独立してC1-C6のアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C6のアルキルである場合、前記C1-C6のアルキルは独立してC1-C4アルキルであり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり;又、例えば、メチル又はエチルである。
【0184】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0185】
R10が独立して6~10員のアリール、又は一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールである場合、前記6~10員のアリール、又は一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールにおける6~10員のアリールは独立してフェニル又はナフチルである。
【0186】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0187】
R10における前記置換基がC1-C6のアルキルである場合、前記置換基は独立してC1-C4アルキルであり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり;又、例えば、メチル又はエチルである。
【0188】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0189】
R6及びR7が連結され、連結された炭素原子と一緒に:6員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された6員のヘテロシクロアルキルを形成する場合、前記6員のヘテロシクロアルキル、一つ又は複数の置換基で置換された6員のヘテロシクロアルキルにおける6員のヘテロシクロアルキルは独立して
【0190】
【化26】

【0191】
である。b端はベンゼン環との並列連結を表す。
【0192】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0193】
R6及びR7が連結され、連結された炭素原子と一緒に:6員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された6員のヘテロシクロアルキルを形成し、前記置換基がC1-C6のアルキルである場合、前記C1-C6のアルキルはC1-C4アルキルであり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり、又、例えば、メチル又はエチルである。
【0194】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0195】
L1は
【0196】
【化27】

【0197】
である。
【0198】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0199】
-L1-L2-は
【0200】
【化28】

【0201】
である。
【0202】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通り
である)、
【0203】
【化29】

【0204】
【0205】
【化30】

【0206】
であり、例えば、
【0207】
【化31】

【0208】
である。
【0209】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0210】
R1がC1-C8アルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C8アルキ
ルである場合、例えば、エチル、イソプロピル、
【0211】
【化32】

【0212】
である。
【0213】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0214】
R1が3~8員のシクロアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された3~8員のシクロアルキルである場合、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、
【0215】
【化33】

【0216】
である。
【0217】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0218】
R1が3~8員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された3~8員のヘテロシクロアルキルである場合、例えば、
【0219】
【化34】

【0220】
である。
【0221】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0222】
R1が3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルである場合、例えば、
【0223】
【化35】

【0224】
である。
【0225】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0226】
R1が
【0227】
【化36】

【0228】
又は一つ又は複数の置換基で置換された
【0229】
【化37】

【0230】
である場合、例えば、
【0231】
【化38】

【0232】
である。
【0233】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0234】
R1及びR2が連結され、連結されたNと一緒に:3~8員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数のハロゲンで置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する場
合、
【0235】
【化39】

【0236】
【0237】
【化40】

【0238】
である。
【0239】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0240】
R4は-L-R10であり、Lは独立して連結結合であり、及び/又は、R10は独立してC1-C6のアルキル、一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C6のアルキルである場合、例えば、
【0241】
【化41】

【0242】
である。
【0243】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0244】
R4は-L-R10であり、Lは独立して-(SO)-であり、及び/又は、R10は独立してC1-C6のアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C6のアルキルである場合、例えば、
【0245】
【化42】

【0246】
である。
【0247】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0248】
R4は-L-R10であり、Lは独立して-(SO)-NH-であり、及び/又は、R10は独立してC1-C6のアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C6のアルキルである場合、例えば、
【0249】
【化43】

【0250】
である。
【0251】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0252】
R10は独立して一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールである場合、例えば、
【0253】
【化44】

【0254】
である。
【0255】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0256】
R7が-O-R10である場合、例えば、
【0257】
【化45】

【0258】
である。
【0259】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通り
である)、前記式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物は式II-1又はII-2で表される通りであり:
【0260】
【化46】

【0261】
ここで、R1、R2、R3、R4、R5、R6、L及びR10は前記に定義された通りであり;R8及びR9は独立してC1-C6のアルキル(定義は:R6及びR7と連結され、連結された炭素原子と一緒に:6員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された6員のヘテロシクロアルキルを形成し、前記置換基はC1-C6のアルキル)であり;
【0262】
好ましくは、前記式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物は式II-1’又はII-2’で表される通りであり:
【0263】
【化47】

【0264】
ここで、R1、R2、R4、R8、R9は前記に定義された通りであり;
【0265】
式II-1’において、R10はC1-C6のアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換されたC1-C6のアルキルであり;
【0266】
II-2’において、R10は6~10員のアリール、又は一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールである。
【0267】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0268】
R6とR7が連結され、連結された炭素原子と一緒に:6員のヘテロシクロアルキル、又は一つ又は複数の置換基で置換された6員のヘテロシクロアルキルを形成する場合、
【0269】
【化48】

【0270】
【0271】
【化49】

【0272】
である。
【0273】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0274】
【化50】

【0275】
【0276】
【化51】

【0277】
である場合、例えば、
【0278】
【化52】

【0279】
である。
【0280】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0281】
【化53】

【0282】
【0283】
【化54】

【0284】
である場合、例えば、
【0285】
【化55】

【0286】
である。
【0287】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの幾つかの基の定義は以下の通りであり(定義されていない基の定義は本出願の任意の一つの実施の態様に記載された通りである)、
【0288】
前記式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物は以下の構造から選択される:
【0289】
【化56】

【0290】
【化57】

【0291】
式Iで表される化合物の製造方法であって、前記方法はスキームa~cを含み:
a)一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物を金属触媒カップリング反応により一般式(C)の化合物に変換させ;及び
b)一般式(C)で表される化合物を塩基性条件下で、中間体である一般式(D)で表される化合物に加水分解させ;及び
c)中間体である一般式(D)で表される化合物を縮合試薬の条件下でR1R2NHと縮合させて、一般式(I)の化合物を得;
【0292】
【化58】

【0293】
前記各基の定義は前記に記載された通りであり;
【0294】
好ましくは、前記工程a)、b)、c)はそれぞれ溶媒の中で行われ、且つ、前記溶媒は:水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、N-メチルピロリドン、ジメチルスルフィン、テトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリ
ル、N、N-ジメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミド、ジオキサン、又はそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0295】
好ましくは、前記遷移金属触媒は:トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd(dba))、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、酢酸パラジウムトリフェニルホスフィン、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムクロリド、ビス(トリ-o-ベンジルホスフィン)パラジウムクロリド、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンパラジウムジクロリド、又はそれらの組み合わせからなる群より選択され;触媒リガンドは:トリ-tert-ブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィンテトラフルオロボレート、トリ-n-ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ-p-ベンジルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ-o-ベンジルホスフィン又はそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0296】
好ましくは、前記無機塩基は:水素化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、tert-ブトキシドカリウム、tert-ブトキシドナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、又はそれらの組み合わせからなる群より選択され;前記有機塩基は:ピリジン、トリエチルアミン、N、N-ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、リチウムヘキサメチルジシリリド、ナトリウムヘキサメチルジシリリド、ジメチルピリジン又はそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0297】
本発明はまた、前記式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物の製造方法を提供し、それは方法1又は方法2を含み;
【0298】
方法1は、溶媒の中で、塩基及び縮合試薬の存在下で、式Dで表される化合物とR1R2NHを以下に示すような縮合反応をさせ、式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物を得る工程を含み;
【0299】
【化59】

【0300】
方法2は、溶媒の中で、塩基及び遷移金属触媒の存在下で、式A’で表される化合物及び式Bで表される化合物を以下に示すような金属触媒カップリング反応をさせ、式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物を得る工程を含み;
【0301】
【化60】

【0302】
ここで、X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は前記に定義された通りである。
【0303】
本発明のある実施の態様において、前記方法1は更に、溶媒の中で、塩基及び遷移金属触媒の存在下で、式Aで表される化合物及び式Bで表される化合物を以下に示すような金属触媒カップリング反応をさせ、式Cで表される化合物を得る工程を含み得る;
【0304】
【化61】

【0305】
ここで、X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は前記に定義された通りである。
【0306】
前記製造方法において、前記縮合反応の操作及び条件は、当技術分野のこのタイプの反応における従来の操作及び条件を参照できる。
【0307】
本発明のある実施の態様において、前記方法1は、更に、溶媒の中で、塩基の存在下で、式Cで表される化合物を以下に示すような加水分解反応をさせ、式Dで表される化合物得る工程を含み得;
【0308】
【化62】

【0309】
ここで、X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は前記に定義された通りであり;RaはC1-C6アルキル(好ましくは、C1-C4アルキルであり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり;又、例えば、メチル、エチル又はイソプロピルである)である。
【0310】
前記加水分解反応の操作及び条件は、当技術分野のこのタイプの反応における従来の操作及び条件を参照できる。
【0311】
本発明のある実施の態様において、前記方法1は更に、溶媒の中で、塩基及び遷移金属触媒の存在下で、式Aで表される化合物及び式Bで表される化合物を以下に示すような金属触媒カップリング反応をさせ、式Cで表される化合物得る工程を含み得;
【0312】
【化63】

【0313】
ここで、X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びRaは前記に定義された通りである。
【0314】
前記金属触媒カップリング反応の操作及び条件は、当技術分野のこのタイプの反応における従来の操作及び条件を参照できる。本発明は、好ましくは、以下の通りである:
【0315】
前記金属触媒カップリング反応において、前記遷移金属触媒は:トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd(dba))、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(Pd(PPh)、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、酢酸パラジウムトリフェニルホスフィン、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムクロリド、ビス(トリ-o-ベンジルホスフィンパラジウムクロリド、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンパラジウムジクロリド、又はそれらの組み合わせからなる群より選択され;前記触媒リガンドは:トリ-tert-ブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィンテトラフルオロボレート、トリ-n-ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ-p-ベンジルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ-o-ベンジルホスフィン又はそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0316】
前記縮合反応、加水分解反応、金属触媒カップリング反応はそれぞれ溶媒の中で行い、且つ、前記溶媒は:水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、N-メチルピロリドン、ジメチルスルフィン、テトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジオキサン又はそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0317】
ここで、前記縮合反応において、前記溶媒は好ましくは、アミド系溶媒(例えば、N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、又はそれらの組み合わせ)である。
【0318】
ここで、前記加水分解反応において、前記溶媒は好ましくは、水及びアルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコールの1つ又は複数)である。
【0319】
前記金属触媒カップリング反応において、前記溶媒は好ましくは、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコールの1つ又は複数)、アミド系溶媒(例えば、N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、又はそれらの組み合わせ)である。
【0320】
前記縮合反応、加水分解反応、金属触媒カップリング反応において、前記塩基は無機塩基及び/又は有機塩基であり得、前記無機塩基は、水素化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、tert-ブトキシドカリウム、tert-ブトキシドナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、又はそれらの組み合わせから選択され;前記有機塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、ジメチルピリジン又はそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0321】
本発明は式D、式C、式A、式A’で表される化合物を提供し、
【0322】
【化64】

【0323】
ここで、X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びRaは前記に定義された通りである。
【0324】
在本発明のある実施の態様において、前記式Dで表される化合物は以下の任意の構造から選択される:
【0325】
【化65】

【0326】
在本発明のある実施の態様において、前記式Cで表される化合物は以下の任意の構造から選択される:
【0327】
【化66】

【0328】
在本発明のある実施の態様において、前記式Aで表される化合物は
【0329】
【化67】

【0330】
である。
【0331】
在本発明のある実施の態様において、前記式A’で表される化合物は
【0332】
【化68】

【0333】
である。
【0334】
本発明のもう一つの目的は腫瘍又は炎症性疾患を治療又は予防する医薬又はその組成物を提供することにある。前記目的を実現するための技術的方法は以下の通りである:
【0335】
腫瘍又は炎症性疾患を治療する医薬組成物であって、それは前記式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグ、及び薬学的に許容される担体からなる。
【0336】
本発明のもう一つの目的は前記化合物の使用を提供することにある。前記目的を実現するための技術的方法は以下の通りである:
【0337】
BRD、c-Myc等のタンパク質の活性又は発現量に関連する疾患、特に、腫瘍、免疫疾患及び炎症性疾患を治療するための薬物の製造における前記一般式(I)で表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグの使用である。前記腫瘍は独立して非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、皮膚癌、胃癌、腸癌、胆管癌、脳癌、白血病、リンパ腫、線維腫、肉腫、基底細胞癌、神経膠腫、腎臓癌、黒色腫、骨癌、甲状腺癌、鼻咽頭癌、膵臓癌等から選択される。前記免疫疾患と炎症性疾患は独立して移植された臓器の拒絶反応、痛風、鼻炎、脱毛、アルツハイマー病、虫垂炎、アテローム性動脈硬化症、喘息、関節炎、アレルギー性皮膚炎、ベーチェット病、ヘルペス性皮膚疾患、胆嚢炎、慢性特発性血小板減少性紫斑病、慢性閉塞性肺疾患、肝肝硬変、変性関節疾患、皮膚炎、皮膚筋炎、湿疹、腸炎、脳炎、胃炎、腎炎、橋本甲状腺炎、肝炎、下垂体炎、炎症性腸疾患、刺激性腸症候群、川崎病、髄膜炎、多発性硬化症、心筋炎、重力筋無力症、真菌性真菌症、筋炎、腎炎、骨髄炎、膵炎、パーキンソン病、心膜炎、悪性貧血、肺炎、原発性胆汁性硬化性胆管炎、結節性多発動脈炎、乾癬、線維症、エリテマトーデス、組織移植片拒絶反応、甲状腺炎、I型糖尿病、尿道炎、ブドウ膜炎、血管炎、白斑及びワルデンストレームマクログロブリン血症等から選択される。
【0338】
本発明は、一般式(I)の構造を有するピロールアミドピリドン系化合物に関し、様々な腫瘍細胞を阻害でき、特に、白血病、前立腺がん等のBRD/c-Myc等のシグナル伝達経路の異常に関連する腫瘍を効果的に殺すことができ、新しい作用機序を持つ治療薬である。
【0339】
本発明は更に医薬組成物を提供し、それは、前記式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグ、及び薬学的に許容される担体を含む。前記式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグは治療有効量である。
【0340】
本発明は、更に、BRD及び/又はc-Myc阻害剤の製造における式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグ、又は前記医薬組成物の使用を提供する。
【0341】
本発明は、更に、BRD及び/又はc-Mycタンパク質の活性又は発現量に関連する疾患を治療又は予防するための薬物の製造における式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグ、又は前記医薬組成物の使用を提供する。
【0342】
前記式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグ、又は前記医薬組成物は様々な腫瘍細胞を阻害でき、特に、白血病、前立腺がん等のBRD/c-Myc等のシグナル伝達経路の異常に関連する腫瘍を効果的に殺すことができる。
【0343】
本発明は、更に、医薬の製造における、前記式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグ、又は前記医薬組成物の使用を提供する。前記医薬は腫瘍及び/又は炎症性疾患を治療及び/又は予防する医薬である。
【0344】
本発明は、更に、腫瘍及び/又は炎症性疾患を治療する方法を提供し、それは、患者に治療有効量の前記式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、結晶多形又はプロドラッグ、又は前記医薬組成物を投与することを含む。
【0345】
前記腫瘍は独立して、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、皮膚癌、胃癌、腸癌、胆管癌、脳癌、白血病、リンパ腫、線維腫、肉腫、基底細胞癌、神経膠腫、腎臓癌、黒色腫、骨癌、甲状腺癌、鼻咽頭癌、膵臓癌等から選択される。前記免疫疾患と炎症性疾患は独立して移植された臓器の拒絶反応、痛風、鼻炎、脱毛、アルツハイマー病、虫垂炎、アテローム性動脈硬化症、喘息、関節炎、アレルギー性皮膚炎、ベーチェット病、ヘルペス性皮膚疾患、胆嚢炎、慢性特発性血小板減少性紫斑病、慢性閉塞性肺疾患、肝硬変、変性関節疾患、皮膚炎、皮膚筋炎、湿疹、腸炎、脳炎、胃炎、腎炎、橋本甲状腺炎、肝炎、下垂体炎、炎症性腸疾患、刺激性腸症候群、川崎病、髄膜炎、多発性硬化症、心筋炎、重力筋無力症、真菌性真菌症、筋炎、腎炎、骨髄炎、膵炎、パーキンソン病、心膜炎、悪性貧血、肺炎、原発性胆汁性硬化性胆管炎、結節性多発動脈炎、乾癬、線維症、エリテマトーデス、組織移植片拒絶反応、甲状腺炎、I型糖尿病、尿道炎、ブドウ膜炎、血管炎、白斑及びワルデンストレームマクログロブリン血症から選択される。
【0346】
本発明の範囲内で、本発明の前記技術的特徴及び以下(例えば実施例等)に具体的に説
明する技術的特徴を互いに組み合わせて、新規又は好ましい技術的解決策を形成することもできることを理解されたい。スペースの制限のため、ここでは贅言しない。
【0347】
当技術分野の常識に違反しないことに基づいて、前記好ましい条件を任意に組み合わせて、本発明の好ましい実施形態を得ることができる。
【0348】
本発明で使用される試薬及び原材料はすべて市販されている。
【0349】
本発明の積極的な進歩的効果は:本発明で提供される式Iで表される構造の特徴を有するピロールアミドピリドン系化合物は、様々な腫瘍細胞を阻害でき、特に、白血病、前立腺癌等のBRD/c-Myc等のシグナル伝達経路の異常に関連する腫瘍を効果的に殺すことができ、新しい作用機序を持つ治療薬である。
【発明を実施するための形態】
【0350】
本発明者らは長期間詳細な研究の結果、式Iで表される構造を有する新規な化合物を製造し、それが良好なBRD酵素阻害又は分解活性を有することを発見し、且つ、前記化合物が非常に低濃度(<10nmol/Lまで低くなる可能性がある)で、BRD酵素に対して特異的阻害又は分解する効果を生み出し、BRD/c-MYc関連細胞増殖に対する阻害活性は非常に優れ、BRD/c-Myc突然変異又は発現量の異常によって引き起こされる腫瘍等の関連疾患の治療に使用できる。前記発見に基づいて、発明者は本発明を完成させた。
【0351】
用語
別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての科学用語は、請求項のカテゴリーが属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。特に明記しない限り、本明細書全文に引用されているすべての特許、特許出願、公開資料は、参照によりその全体が本文に組み込まれている。
【0352】
上記簡単な説明及び以下の詳細な説明は、例示及び解釈のみであり、本発明のカテゴリーを限定するものではないことを理解されたい。本願において、特に明記しない限り、単数形の使用には複数形が含まれる。明細書に明確に説明しない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される単数形は、言及された事項の複数形を含むことに留意しなければならない。また、特に明記しない限り、「又は」、「或いは」は「及び/又は」を意味することにも注意する必要がある。更に、「含む」という用語、及び「含有(する)」、「包含(する)」等の他の形式は限定的なものではない。
【0353】
参考文献で(Carey and Sundberg “ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4TH ED.” Vols. A (2000) and B (2001), Plenum Press, New Yorkを含む)、標準化学用語に関する定義を見つけることができる。特に明記しない限り、質量分析、NMR、IR、及びUV/VIS分光法及び薬理学的方法等、当技術分野の技術範囲内の従来方法が使用される。具体的に定義されない限り、本明細書で分析化学、有機合成化学、及び医薬と薬物化学に関連する説明で使用される用語は、当技術分野で知られているものである。標準的な技術は、化学合成、化学分析、医薬品の調製、製剤化と送達、及び患者の治療に使用できる。例えば、製造業者のキットに関する使用説明、或いは、当技術分野で知られている方法又は本発明における説明によって、反応を行う及び精製を実行することができる。上記の技術及び方法は、一般に、本明細書で引用及び議論されるいくつかの概要的な及びより具体的な参考文献の説明に基づいて、当技術分野で周知の従来方法に従って実施することができる。本明細書において、基及びそれらの置換基は、安定な構造部分及び化合物を提供するために当業者により選択され得る。
【0354】
置換基が左から右に書かれた従来の化学式で記述される場合、当該置換基には、構造式が右から左に書かれたときに得られる化学的に等価な置換基も含まれる。例えば、-CHO-は-OCH-と同等である。
【0355】
本明細書に使用されるセクションの見出しは、文章を組織する目的のためだけのものであり、前記主題を限定するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、文章、書籍、操作マニュアルと論文を含むがこれらに限定されない、本願で引用されたすべての文献又は文献文書の一部は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0356】
本明細書で定義される特定の化学基の前には、その基に存在する炭素原子の総数を示す簡略記号が付いている。例えば、C1-6アルキルは、合計1~6個の炭素原子を有する以下に定義されるアルキル基を指す。簡略記号における炭素原子の総数には、その基の置換基に存在する可能性がある炭素は含まれない。
【0357】
前述内容以外、本願の明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、特に明記しない限り、以下の用語は以下に示す意味を有する。
【0358】
本願において、「ハロゲン」という用語はフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指し;「ヒドロキシ」とは、-OHを指し;「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシ(-OH)で置換された、以下に定義されるアルキルを指し;「カルボニル」は、-C(=O)-を指し;「ニトロ」は-NOを指し;「シアノ」は-CNを指し;「アミノ」は-NHを指し;「置換アミノ」とは、例えばモノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミド、アラルキルアミノ、ヘテロアラルキルアミノ等の1つ又は2つのアルキル、アルキルカルボニル、アラルキル、ヘテロアラルキルで置換されたアミノ基を指し;「カルボキシ」は-COOHを指す。
【0359】
本願において、基又は他の基の一部として(例えば、ハロゲン置換アルキル基等の基で使用される)、「アルキル」という用語は、炭素原子及び水素原子のみから構成されており、不飽和結合を含まなく、例えば1~12個(好ましくは1~8個、より好ましくは1~6個)の炭素原子を有し、且つ単結合を介して分子の残り部分に結合する直鎖又は分岐炭化水素鎖基を意味する。アルキルの例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、ヘプチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、オクチル、ノニル及びデシル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0360】
本願において、基又は別の基の一部として、「アルケニル」という用語は、炭素原子及び水素原子のみから構成されており、少なくとも1つの二重結合を含んでおり、例えば2~14個(好ましくは2~10個、好ましくは2~6個)の炭素原子を有し、且つ単結合を介して分子の残り部分に結合する直鎖又は分岐炭化水素鎖基を意味し、例えば、ビニル、プロペニル、アリル、ブト-1-エニル、ブト-2-エニル、ペント-1-エニル、ペント-1,4-ジエニル等であるが、これらに限定されない。
【0361】
本願では、基又は別の基の一部として、「アルキニル」という用語は、炭素及び水素原子のみ構成されており、少なくとも1つの三重結合と、必要に応じて1つ又は複数の二重結合を含み、例えば2~14個(好ましくは2~10個、より好ましくは2~6個)の炭素原子を有し、且つ単結合を介して分子の残り部分に結合する直鎖又は分岐炭化水素鎖基を意味する。例えば、エチニル、プロプ-1-イニル、ブト-1-イニル、ペント-1-エン-4-イニル等であるが、これらに限定されない。
【0362】
本願において、基又は別の基の一部として、「シクロアルキル」という用語は、炭素原子と水素原子のみから構成される安定な非芳香族単環式又は多環式炭化水素基を意味し、それが縮合環系、架橋環系又はスピロ環系を含んでもよく、3~15個の炭素原子、好ましくは3~10個の炭素原子、より好ましくは3~8個の炭素原子を有し、且つそれが飽和又は不飽和であり、いずれの適切な炭素原子を介して単結合によって分子の残り部分に結合する。本明細書で特に明記しない限り、シクロアルキル基の炭素原子は任意に酸化されてもよい。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1H-インデニル、2,3-ジヒドロインデニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフチル、5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフチル、8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプテン-6-イル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-ベンゾシクロオクテニル、フルオレニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル、ビシクロ[3.2.1]オクテニル、アダマンチル、オクタヒドロ-4,7-メチレン-1H-インデニル及びオクタヒドロ-2,5-メチレン-シクロペンタジエニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0363】
本願において、基又は別の基の一部として、「複素環基」という用語は、2~14個の炭素原子と、窒素、リン、酸素、及び硫黄から選択される1~6個のヘテロ原子からなる安定した3~20員の非芳香族環状基を意味する。本明細書で特に明記しない限り、複素環基は単環式、二環式、三環式、又はそれ以上の環系であり得、縮合環系、架橋環系、又はスピロ環系を含み得;その複素環基における窒素、炭素又は硫黄原子は任意に酸化されてもよく;窒素原子は任意に四級化されてもよく;且つ複素環基は部分的又は完全に飽和されてもよい。複素環基は、炭素原子又はヘテロ原子を介して、単結合によって分子の残り部分に結合することができる。縮合環含有複素環基において、分子の残り部分への結合点が非芳香族環原子であるという条件下で、1つ又は複数の環は以下に定義されるアリール又はヘテロアリール基であり得る。本発明の目的から見れば、複素環基は、好ましくは、窒素、酸素及び硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を含む安定な4~11員の非芳香族単環、二環、架橋又はスピロ環基であり、より好ましくは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を含む安定な4~8員の非芳香族単環、二環、架橋、又はスピロ環基である。複素環基の例には、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、2,7-ジアザ-スピロ[3.5]ノナン-7-イル、2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、アザシクロブチル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、チオラニル、テトラヒドロフラニル、オキサジニル、ジオキソシクロペンチル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、キナジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ジヒドロインドリル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、ピロリジニル、ピラゾリジノニル、フタルイミド等が含まれるが、これらに限定されない。
【0364】
本願において、基又は別の基の一部として、「アリール」という用語は、6~18個の炭素原子(好ましくは6~10個の炭素原子)を有する共役炭化水素環系基を意味する。本発明の目的から見れば、アリール基は単環式、二環式、三環式又はそれ以上の環系であり得、アリール基が芳香環上の原子を介した単結合によって分子の残り部分に接続するという条件下で、アリール基は、上記で定義されたシクロアルキル又は複素環基と縮合していてもよい。アリールの例には、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントリル
、フルオレニル、2,3-ジヒドロ-1H-イソインドリル、2-ベンゾオキサゾリノン、2H-1,4-ベンゾオキサジン-3(4H)-オン-7-イル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0365】
本願において、「アリールアルキル」という用語は、上記で定義されたアリール基で置換された上記で定義されたアルキル基を指す。
【0366】
本願において、基又は別の基の一部として、「ヘテロアリール」という用語は、環内に1~15個の炭素原子(好ましくは1~10個の炭素原子)及び窒素、酸素及び硫黄から選択される1~6個のヘテロ原子を有する5~16員の共役環系基を意味する。本明細書で特に明記しない限り、ヘテロアリール基は単環式、二環式、三環式、又はそれ以上の環系であり得、ヘテロアリール基が芳香環上の原子を介した単結合によって分子の残り部分に接続するという条件下で、ヘテロアリール基は上記で定義されたシクロアルキル又は複素環基と縮合していてもよい。ヘテロアリールにおける窒素、炭素又は硫黄原子は任意に酸化されてもよく;窒素原子は任意に四級化されてもよい。本発明の目的から見れば、ヘテロアリール基は、好ましくは、窒素、酸素及び硫黄から選択される1~5個のヘテロ原子を含む安定な5~12員の芳香族基であり、より好ましくは窒素、酸素及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を含む安定な5~10員の芳香族基、又は窒素、酸素及び硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を含む安定な5~6員の芳香族基である。ヘテロアリールの例には、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、インドリル、フラニル、ピロリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、インダジニル、イソインドリル、インダゾリル、イソインダゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、ジアゾナフチル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナジニル、イソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、オキサトリアゾリル、シンノリニル、キナゾリニル、フェニルチオ、インドリジニル、o-ジアザフェナントリル、イソオキサゾリル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チエニル、ナフトピリジル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン、イミダゾール[1,2-a]ピリジン、イミダゾール[1,2-b]ピリダジン、イミダゾール[1,2-a]ピラジン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0367】
本願において、「ヘテロアリールアルキル」という用語は、前記で定義されたヘテロアリール基で置換された上記で定義されたアルキル基を指す。
【0368】
本願において、「任意の」又は「任意に」は、その後に記載される事象又は状態が発生する可能性があるが、必ずしも起こらないことを意味し、且つ、その記載は、事象又は状態が生じる例及び事象又は状態が生じない例を含むことを意味する。例えば、「任意で置換されたアリール」は、アリール基が置換又は非置換であることを意味し、且つ、当該説明には置換アリール基と非置換アリール基の両方が含まれる。
【0369】
本明細書で使用される「部分」、「構造部分」、「化学部分」、「基」及び「化学基」という用語は、分子内の特定の断片又は官能基を指す。化学部分は一般に、分子に埋め込まれている又は分子に結合している化学実体と見なされる。
【0370】
「立体異性体」とは、同じ原子構成から同じ結合で結合されているが、三次元構造が異なる化合物を指す。本発明は、様々な立体異性体及びそれらの混合物を包含する。
【0371】
本発明の化合物がオレフィン二重結合を含む場合、本発明の化合物は、特に明記しない限り、E-及びZ-幾何異性体を含むことを意図する。
【0372】
「互変異性体」とは、分子のある原子から同じ分子の別の原子へのプロトンの移動によって形成される異性体を指す。本発明の化合物のすべての互変異性形態も本発明の範囲内に含まれる。
【0373】
本発明の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩に、1つ又は複数のキラル炭素原子を含む可能性があり、且つ、それによって、エナンチオマー、ジアステレオマー及び他の立体異性体が生じることができる。各キラル炭素原子は、立体化学に基づいて(R)-又は(S)-として定義できる。本発明は、すべての可能な異性体、及びそれらのラセミ体及び光学的に純粋な形態を含むことを主旨している。本発明の化合物の調製において、原料又は中間体として、ラセミ体、ジアステレオマー又はエナンチオマーを選択することができる。光学活性異性体は、不斉合成又はキラル試薬を使用して調製することができ、又は結晶化やキラルクロマトグラフィー等の従来手法を使用して分割することもできる。
【0374】
個々の異性体の調製/単離のための従来の技術には、適切な光学的に純粋な前駆体からの不斉合成、又はキラル高速液体クロマトグラフィー等を使用してラセミ体(或いは、塩又は誘導体のラセミ体)を分割することが含まれ、例えば、Gerald Gubitz
and Martin G. Schmid (Eds.), Chiral Separations, Methods and Protocols, Methods
in Molecular Biology, Vol. 243, 2004;A.M. Stalcup, Chiral Separations, Annu. Rev. Anal. Chem. 3:341-63, 2010;Fumiss et al. (eds.), VOGEL’S ENCYCLOPEDIA OF PRACTICAL ORGANIC CHEMISTRY 5.sup.TH ED., Longman Scientific and Technical Ltd., Essex, 1991, 809-816; Heller, Acc. Chem. Res. 1990, 23, 128を参照されたい。
【0375】
本願において、用語「薬学的に許容される塩」には、薬学的に許容される酸付加塩及び薬学的に許容される塩基付加塩が含まれる。
【0376】
「薬学的に許容される酸付加塩」とは、無機酸又は有機酸と形成された、他の副作用を持たせずに遊離塩基の生物学的有効性を保持できる塩を指す。無機酸塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等が含まれるが、これらに限定されない;有機酸塩には、ギ酸塩、酢酸塩、2,2-ジクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ウンデシレン酸塩、グリコレート、グルコン酸塩、乳酸塩、セバケート、アジピン酸塩、グルタル酸塩、マロン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、ケイ皮酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、ピログルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩、4-アミノサリチル酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩等が含まれるが、これらに限定されない。これらの塩は、当該分野の既存方法によって調製することができる。
【0377】
「薬学的に許容される塩基付加塩」とは、無機塩基又は有機塩基と形成された、他の副作用を持たせずに遊離酸の生物学的有効性を保持できる塩を指す。無機塩基に由来する塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄
、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩等が含まれるが、これらに限定されない。好ましい無機塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩である。有機塩基に由来する塩には、次の塩が含まれるが、これらに限定されなく:第一級、第二級及び第三級アミン;天然置換アミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂を含む置換アミン;例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルコサミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂等。好ましい有機塩基には、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、及びカフェインが含まれる。これらの塩は、当該分野で既存方法によって調製され得る。
【0378】
「結晶多形」とは、固体状態で2つ又は2つ以上の異なる分子配列の存在により、本発明のある化合物から生成される異なる固体結晶相を指す。本発明のある化合物には、2つ以上の結晶形態が存在すし得、本発明は、様々な結晶形態及びそれらの混合物を含むことを意図する。
【0379】
一般に、結晶化により、本発明の化合物の溶媒和物が生成される。本発明で使用される「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物の1つ又は複数の分子及び1つ又は複数の溶媒分子を含む凝集体を指す。溶媒は水であってもよく、この場合の溶媒和物は水和物である。或いは、溶媒は有機溶媒であってもよい。従って、本発明の化合物は、一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物等を含む水和物、並びにそれに対応する溶媒和形態として存在し得る。本発明の化合物は、真の溶媒和物を形成することができるが、場合によっては、不確実な水のみ、又は水と部分の不確実な溶媒の混合物のみを保持することも可能である。本発明の化合物は、溶媒中で反応することができ、或いは、溶媒から沈殿又は結晶化により析出されることができる。本発明の化合物の溶媒和物も本発明の範囲内に含まれる。
【0380】
本発明は、前述の化合物のプロドラッグも含む。本願において、「プロドラッグ」という用語は、生理学的条件下又は溶媒分解により、本発明の生物学的に活性な化合物に変換できる化合物を意味する。従って、「プロドラッグ」という用語は、本発明の化合物の薬学的に許容される代謝前駆体を指す。必要な個体に投与される場合、プロドラッグは不活性のものであり得るが、体内で本発明の活性化合物に変換される。プロドラッグは通常、例えば血中での加水分解により、体内で急速に変換して本発明の親化合物を生成する。プロドラッグ化合物は、典型的には、哺乳類生物における溶解性、組織適合性、又は 徐放性の利点を提供する。プロドラッグには、既知のアミノ保護基とカルボキシ保護基が含まれる。具体的なプロドラッグ調製方法は、Saulnier, M. G., et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 1994, 4, 1985-1990;Greenwald, R. B., et al., J. Med. Chem. 2000, 43, 475を参照されたい。
【0381】
本願において、「医薬組成物」とは、本発明の化合物と生物学的に活性な化合物を哺乳動物(例えば、ヒト)に送達するために当技術分野で一般に認められている媒体との製剤を指す。当該媒体は、薬学的に許容される担体を含む。医薬組成物の目的は、生物体の投与を促進し、活性成分の吸収を有利にし、そして生物学的活性を発揮することである。
【0382】
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、本発明の化合物の生物学的活性又は特性に影響を与えない物質(担体又は希釈剤等)を指し、且つ比較的無毒であ
り、すなわち、有害な生物学的反応を引き起こしたり、組成物に含まれる成分のいずれかと有害な方式で相互作用したりすることなく、当該物質を個体に投与することができる。
【0383】
本願において、「薬学的に許容される担体」には、ヒト又は家畜の使用に許容されるとして関連政府当局により承認されたアジュバント、担体、賦形剤、滑剤、甘味料、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、矯味剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒又は乳化剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0384】
本発明に記載の「腫瘍」及び「細胞増殖関連疾患」には、白血病、胃腸道間質腫瘍、組織球性リンパ腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膵がん、肺扁平上皮がん、肺腺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、皮膚がん、上皮がん、子宮頸がん、卵巣がん、腸がん、鼻咽頭がん、脳がん、骨がん、食道がん、メラノーマ、腎臓がん、口腔がん等の病気が含まれるが、これらに限定されない。
【0385】
本明細書で使用される「予防的」、「予防」、及び「防ぐ」という用語は、患者が疾患又は障害の発生又は悪化を低減させる可能性を含む。
【0386】
本明細書で使用される「治療」という用語及び他の類似する同義語には、以下の意味が含まれる:
(i)特に哺乳動物が疾患又は病症にかかりやすいが、疾患又は病症を有すると診断されていない場合、当該哺乳動物における疾患又は病症の発生を防ぐ;
(ii)疾患又は病症を抑制する、すなわち、その発症を抑制する;
(iii)疾患又は病症を緩和する、つまり、当該疾患又は病症の状態を退行させる;又は
(iv)疾患又は病症によって引き起こされる症状を軽減する。
【0387】
本明細書で使用される「有効量」、「治療有効量」又は「医薬有効量」という用語は、投与後に、治療される疾患又は病症の1つ又は複数の症状をある程度緩和するのに十分な少なくとも1つの薬剤又は化合物の量を指す。その結果は兆候、症状又は原因の軽減及び/又は緩和、或いは生体系におけるその他の希望変化いずれであり得る。例えば、治療に使用するための「有効量」は、有意な臨床的病症緩和効果を提供するのに必要である、本明細書に開示されている化合物を含む組成物の量である。例えば用量漸増試験等の技術を使用して、いずれの個体症例に適した有効量を測定することができる。
【0388】
本明細書で使用される「服用する」、「投与する」、「投薬する」等の用語は、化合物又は組成物を生物学的効果のために所望の部位に送達できる方法を指す。これらの方法には、経口経路、十二指腸経路、非経口注射(静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、動脈内注射又は注入を含む)、局所投与、及び直腸投与が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書に記載の化合物及び方法に使用できる応用技術に精通しており、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics, current ed.; Pergamon; and Remington’s, Pharmaceutical Sciences (current edition), Mack Publishing Co., Easton, Paにおいて議論された応用技術。好ましい実施形態では、本明細書で論じられる化合物及び組成物は経口で投与される。
【0389】
本明細書で使用される「医薬の組み合わせ」、「薬物併用」、「併用投与」、「他の治療を施す」、「他の治療薬を投与する」等は、複数の活性成分を混合する又は組み合わせることによって得られる薬物治療を指し、活性成分の固定及び非固定の組み合わせが含まれる。「固定の組み合わせ」という用語は、単一実体又は単一投薬量の形態で、本明細書
に記載の少なくとも1つの化合物及び少なくとも1つの相乗的製剤を同時に患者に投与することを意味する。「非固定の組み合わせ」という用語は、別個実体の形態で、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物及び少なくとも1つの相乗的製剤を患者へ同時に投与、併用、又は可変間隔で順序的に投与することを示す。これらは、カクテル療法にも適用され、例えば、3つ又は3つ以上の活性成分を投与すること。
【0390】
当業者は以下に記載される方法では、中間体の官能基が適切な保護基によって保護される必要があるかもしれないことを理解すべきである。そのような官能基には、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト及びカルボン酸が含まれる。適切なヒドロキシ保護基には、トリアルキルシリル又はジアリールアルキルシリル(例えば、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル又はトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジル等が含まれる。アミノ、フルオレニル及びグアニジノの適切な保護基には、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル等が含まれる。適切なチオール保護基には、-C(O)-R’’(ここでR’’はアルキル、アリール、又はアラルキルである)、p-メトキシベンジル、トリチル等が含まれる。適切なカルボキシ保護基には、アルキル、アリール又はアラルキルエステル類が含まれる。
【0391】
保護基は、当業者に知られる方法及び本明細書に記載されている標準的な技術に従って導入及び除去することができる。保護基の使用は、Greene, T. W.とP. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic
Synthesis, (1999), 4th Ed., Wileyに詳述されている。保護基はポリマー樹脂であってもよい。
【0392】
当業者は、当技術分野で使用される慣習により、本出願の基の構造を説明する式で使用される
【0393】
【化69】

【0394】
は、対応する基が当該のポイントを介して化合物の他のフラグメント、基に接続されることを指すことが理解できる。
【0395】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明は記載される実施例の範囲に限定されるものではない。以下の実施例において、条件が明確に記載されていない実験方法ついて、通常、従来の方法及び条件に従って、又は製品の仕様に従って選択される。
【0396】
【化70】

【0397】
工程1:化合物1(4g、18.6mmol)及びアジ化エチルアセテート(5.97g、46.3mmol)を無水エタノール(200mL)に溶解させ、それにナトリウムエトキシド(3.14g、46.2mmol)を添加し、室温で一晩反応させた。反応溶液に冷水を添加し、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物2(1.8g、白色の固体)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ8.60(d、J=2.0Hz、1H)、8.13(d、J=2.4Hz、1H)、7.10(s、1H)、4.39(q、J=7.2Hz、2H)、3.97(s、3H)、1.41(t、J=7.2Hz、3H)。
【0398】
工程2:化合物2(1.8g、5.5mmol)をトルエン(100mL)に溶解させ、135℃に加熱して一晩反応させた。反応溶液を濃縮して乾燥させ、粗成生物3(1.5g、黄色の固体)を得、直接次の反応に使用した。LC-MS:m/z297.0[M-H]
【0399】
工程3:化合物3(1.0g、粗生成物)をN,N-ジメチルホルムアミドDMF(15mL)に溶解させ、順次に炭酸カリウム(922mg、6.68mmol)及び2-(2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリドSEMCl(665mg、4.0mmol)に添加し、室温で一晩反応させた。飽和塩化アンモニウム溶液を添加し、酢酸エチルで抽出し、有機相を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物4(0.6g、無色のオイル状物)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ8.11(s、1H)、7.51(s、1H)、6.45(s、2H)、4.45(q、J=7.2Hz、2H)、4.14(s、3H)、3.60(t、J=8.0Hz、2H)、1.48(t、J=7.2Hz、3H)、0.95(t、J=8.0Hz、2H)、0.01(s、9H)。
【0400】
工程4:化合物4(0.6g、1.4mmol)をアセトニトリル(30mL)に溶解させ、ヨウ化ナトリウム(315mg、2.1mmol)及びトリメチルクロロシランTMSCl(227mg、2.1mmol)を添加し、室温で1時間反応させた後、65℃に加熱して3時間反応させた。反応溶液を濃縮し、チオ硫酸ナトリウム溶液を添加し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を濃縮して化合物5(0.5g、白色の固体)を得た。LC-MS:m/z415.1[M+H]
【0401】
工程5:化合物5(0.5g、1.2mmol)をDMF(20mL)に溶解させ、順次に炭酸セシウム(782mg、2.4mmol)及びヨウ化メチル(256mg、1.8mmol)を添加し、室温で一晩反応させた。飽和塩化アンモニウム溶液を添加し、ジ
クロロメタンで抽出し、有機相を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物6(320mg、白色の固体)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.70(s、1H)、7.39(s、1H)、6.37(s、2H)、4.40(q、J=7.2Hz、2H)、3.64(s、3H)、3.60(t、J=8.0Hz、2H)、1.44(t、J=7.2Hz、3H)、0.94(t、J=8.0Hz、2H)、0.01(s、9H)。
【0402】
工程6:化合物6(320mg、0.75mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(2mL)を添加し、室温で5時間反応させた。反応溶液を濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を濃縮して中間体A(200mg、白色の固体)を得た。LC-MS:m/z299.0/301.0[M+H]/[M+H+2]
【0403】
【化71】

【0404】
工程1:化合物1(3.8g、16.8mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(50mL)に溶解させ、0℃に冷却させ、バッチで水素化ナトリウム(鉱物油の中で60%、1.0g、24mmol)を添加した。添加完了後、続いて30分間攪拌し、その後、p-トルエンスルホニルクロリド(4.8g、25mmol)を添加し、室温で一晩攪拌した。氷水(200mL)を添加して反応をクエンチングさせ、析出した固体を濾過して化合物2(5.0g、黄色の固体)を得た。H NMR(DMSO-d6、400MHz):δ8.18(d、J=3.6Hz、1H)、8.00(s、1H)、7.86(d、J=8.4Hz、2H)、7.46(d、J=8.4Hz、2H)、6.81(d、J=3.6Hz、1H).3.82(s、3H)、2.39(s、3H)。LC-MS:m/z380.9[M+H]
【0405】
工程2:化合物2(380mg,1.0mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、ドライアイスアセトン浴で-70℃に冷却させた。リチウムジイソプロピルアミドLDA(2M、1mL、2.0mmol)を滴下し、続いて30分間攪拌し、-50℃でクロロギ酸エチル(162mg、1.5mmol)を滴下し、-50℃を維持させながら2時間反応させた。飽和塩化アンモニウム溶液で反応をクエンチングさせ、酢酸エチルで抽出し、有機相を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をメタノールでスラリー化させて化合物3(400mg、黄色の固体)を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ8.26(d、J=8.4Hz、2H)、7.99(s、1H)、7.38(d、J=8.4Hz、2H)、7.08(s、1H)、4.48(q、J=6.8Hz、2H)、3.91(s、3H)、2.47(s、3H)、1.45(t、J=6.8Hz、3H)。LC-MS:m/z453.0[M+H]
【0406】
工程3:化合物3(1.3g,2.9mmol)、ヨウ化ナトリウム(645mg、4.3mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解させ、室温でトリメチルクロロシラン(465mg、4.3mmol)を添加し、1時間攪拌した後、0.2mLの水を添加し、70℃に昇温させて2時間反応させた。室温に冷却させた後、濾過し、濾液を濃縮して化合物4(1.3g、粗生成物、黄色の固体)を得た。H NMR(CDCl、4
00MHz):δ8.32(d、J=8.4Hz、2H)、7.42(s、1H)、7.38(d、J=8.0Hz、2H)、6.99(s、1H)、4.48(q、J=7.2Hz、2H)、2.45(s、3H)、1.45(t、J=7.2Hz、3H).LC-MS:m/z438.9[M+H]
【0407】
工程4:化合物4(1.3g、粗生成物)をDMF(5mL)に溶解させ、炭酸セシウム(1.3g、3.9mmol)及びヨウ化メチル(550mg、3.9mmol)を添加した。室温で一晩攪拌した後、水を添加し、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥させ、濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して中間体B(1.2g、白色の固体)を得た。H NMR(CDCl、400MHz):δ8.48(d、J=8.0Hz、2H)、7.39(d、J=8.4Hz、2H)、7.26(s、1H)、6.88(s、1H)、4.46(q、J=7.2Hz、2H)、3.56(s、3H).2.45(s、3H)、1.44(t、J=7.2Hz、3H)。LC-MS:m/z453.0[M+H]
【0408】
実施例の製造
【0409】
実施例1:N-エチル-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0410】
【化72】

【0411】
工程1:中間体A(100mg、0.34mmol)をエタノール(10mL)に溶解させ、水(5mL)及び水酸化ナトリウム(53mg、1.32mmol)を添加し、80℃に加熱して4時間反応させた。反応溶液を濃縮して大部分のエタノールを除去し、少量の水を添加し、希塩酸でpH値を3~4に調節し、凍結乾燥させて、7-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸(90mg、白色の固体)を得た。H NMR(400MHz、DMSO_d6):δ13.13(brs、1H)、12.39(s、1H)、7.87(s、1H)、7.20(s、1H)、3.46(s、3H)。
【0412】
工程2:7-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸(90mg、0.33mmol)をDMF(5mL)に溶解させ、順次にエチルアミンの塩酸塩(54mg、0.67mmol)及びN,N-イソプロピルエチルジアミンDIEA(213mg、1.65mmol)を添加し、更に、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートHATU(250mg、0.66mmol)を添加し、室温で一晩反応させた。飽和塩化アンモニウム溶液を添加し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して7-ブロモ-N-エチル-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド(50mg、白色の固体)を得た。LC-MS:m/z298.0[M+H]
【0413】
工程3:7-ブロモ-N-エチル-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド(40mg、0.13mmol)及び(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)ボロン酸(51mg、0.16mmol)をDMF(10mL)に溶解させ、順次に炭酸セシウム(131mg、0.40mmol)及び1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリドPd(dppf)Cl(20mg、0.027mmol)を添加し、窒素ガスの保護下で、100℃に加熱して一晩反応させた。室温に冷却させた後、飽和塩化アンモニウム溶液を添加し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を濃縮し残留物を分取クロマトグラフィーで精製して化合物N-エチル-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド(15mg、白色の固体)を得た。LC-MS(M+H)492.2。H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ10.85(s、1H)、8.36(t、J=5.6Hz、1H)、7.50(d、J=2.4Hz、1H)、7.46(s、1H)、7.37(dd、J=2.4、8.8Hz、1H)、7.27(s、1H)、6.97(d、J=9.2Hz、2H)、6.32(d、J=8.8Hz、1H)、4.98(s、1H)、3.54(s、3H)、3.22-3.27(m、2H)、2.03(s、6H)、1.45(s、6H)、1.10(t、J=7.2Hz、3H)。
【0414】
実施例2:N-エチル-5-メチル-4-オキソ-7-(2,2,4-トリメチル-6-(メチルスルホニル)-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-8-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0415】
【化73】

【0416】
窒素ガスの保護下で、8-ブロモ-2,2,4-トリメチル-6-(メチルスルホニル)-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(35mg、0.1mmol)をDMF(3mL)に溶解させ、ビス(ピナコラート)ジボロン(51mg、0.2mmol)を添加し、炭酸セシウム(98mg0.3mmol)及びPd(dppf)Cl(7mg、0.01mmol)を添加し、110℃に昇温させ、2時間攪拌した後、7-ブロモ-N-エチル-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド(30mg、0.1mmol)を添加し、続いて一晩攪拌した。室温に冷却させ、水を添加し、ジクロロメタンDCMで抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、分取クロマトグラフィーで精製してN-エチル-5-メチル-4-オキソ-7-(2,2,4-トリメチル-6-(メチルスルホニル)-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-8-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド(3.6mg
、白色の固体)を得た。LC-MS(M+H)487.1。H-NMR(CDCl、400MHz):δ11.29(br、1H)、7.74(d、J=2.0Hz、1H)、7.53(d、J=2.0Hz、1H)、7.09-7.12(m,2H)、6.72(s、1H)、3.75(s、3H)、3.53(q、J=7.2Hz、2H)、3.48(s、3H)、3.14(s、3H)、1.47(s、6H)、1.26(t、J=7.2Hz、3H)。
【0417】
実施例3:N-(5-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)ペント-4-イン-1-イル)-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0418】
【化74】

【0419】
工程1:中間体A(500mg、1.68mmol)及び2-(4-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキソボラン-2-イル)フェニル)プロパン-2-オールをDMF(10mL)に溶解させ、炭酸セシウムCsCO(1.6g、4.91mmol)及びPd(dppf)Cl(245mg、0.33mmol)を添加し、窒素ガスの保護下で、100℃に昇温させ、一晩攪拌した。直接濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロール[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸エチル(420mg、白色の固体)を得た。LC-MS:m/z493.5[M+H]
【0420】
工程2:水酸化ナトリウムNaOH(136mg、1.68mmol)を7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸エチル(420mg、0.85mmol)のエタノール/水(10mL、体積比は1:1)溶液に添加した。室温で一晩反応させた。エタノールの大部分をスピンオフし、水を添加して希釈し、pHを酸性に調整し、酢酸エチルで抽出し、有機相を乾燥させ、濃縮して7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸(230mg、白色の固体)を得た。LC-MS:m/z465.3[M+H]
【0421】
工程3:7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸(28mg、0.060mmol)及び3-(4-(5-アミノペント-1-イン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの塩酸塩(18mg、0.050mmol)をDCM(2mL)に溶解させ、DIEA(36mg、0.28mmol)及び1-n-プロピルリン酸無水物TP(88mg,0.28mmol)を添加し、室温で2時間攪
拌して反応させた。直接濃縮し、残留物を中性分取クロマトグラフィーで精製してN-(5-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)ペント-4-イン-1-イル)-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド(3mg、白色の固体)を得た。LC-MS(M+H)772.6。H-NMR(CDCl、400MHz):δ9.57(s、1H)、8.63(s、1H)、7.71(d、J=6.4Hz、1H)、7.63(s、1H)、7.23-7.52(m、4H)、6.76(d、J=8.8Hz、2H)、6.41(d、J=8.8Hz、1H)、5.17(brs、1H)、4.25-4.60(m、2H)、3.55-3.72(m、5H)、2.79(brs、2H)、2.57(brs、2H)、1.96-2.17(m、10H)、1.61(s、6H)。
【0422】
実施例4:N-(5-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)ペンチル)-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0423】
【化75】

【0424】
3-(4-(5-アミノペンチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを原材料とし、工程は実施例3と同じであった。LC-MS(M+H)776.6。H-NMR(CDCl、400MHz):δ9.67(s、1H)、9.49(s、1H)、7.72(d、J=7.2Hz、1H)、7.58(d、J=2.0Hz、1H)、7.51(s、1H)、7.26-7.45(m、4H)、6.78(d、J=8.8Hz、2H)、6.57(t、J=5.6Hz、1H)、6.44(d、J=8.4Hz、1H)、5.27-5.35(m、1H)、4.50(d、J=15.6Hz、1H)、4.28(d、J=16.0Hz、1H)、3.60-3.72(m、5H)、3.10-3.15(m、1H)、2.83-2.87(m、2H)、2.71-2.76(m、1H)、2.53-2.58(m、1H)、2.04-2.35(m、11H)、1.48-1.60(m、8H)。
【0425】
実施例5:N-(4-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキソ)アセトアミド)ブチル)-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0426】
【化76】

【0427】
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキソ)アセトアミドを原材料とし、工程は実施例3と同じであった。LC-MS(M+H)849.5。H-NMR(CDCl、400MHz):δ9.87(brs、1H)、9.53(s、1H)、7.53-7.75(m、4H)、7.20-7.33(m、3H)、6.85(brs、1H)、6.77(d、J=8.8Hz、2H)、6.42(d、J=8.4Hz、1H)、4.93-4.98(m、1H)、4.61-4.66(m、2H)、3.68(s、3H)、3.34-3.57(m、4H)、2.68-2.86(m、3H)、2.30-2.34(m、1H)、1.90-2.15(m、8H)、1.49-1.60(m、8H)。
【0428】
実施例6:N-(3-(2-(2-(3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)プロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0429】
【化77】

【0430】
4-((3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンの塩酸塩を原材料とし、工程は実施例3と同じであった。LC-MS(M+H)923.7。H-NMR(CDCl、400MHz):δ9.47(brs、1H)、8
.72(s、1H)、7.56(d、J=2.0Hz、1H)、7.43(t、J=8.0Hz、1H)、7.23-7.34(m、2H)、7.04(d、J=7.2Hz、1H)、6.87(d、J=8.4Hz、1H)、6.77(d、J=8.8Hz、2H)、6.41-6.45(m、2H)、4.87-4.91(m、1H)、3.48-3.79(m、17H)、3.34-3.36(m、2H)、2.70-2.88(m、3H)、2.26(br s、1H)、2.10(s、6H)、1.81-1.89(m、4H)、1.59(s、6H)。
【0431】
実施例7:N-(2-(2-(2-(3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)-3-オキソ-n-プロポキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-5-メチル-4-オキソ-7-(2,2,4-トリメチル-6-(メチルスルホニル))-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-8-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0432】
【化78】

【0433】
工程1:窒素ガスの保護下で、8-ブロモ-2,2,4-トリメチル-6-(メチルスルホニル)-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(0.77g、2.2mmol)をDMF(20mL)に溶解させ、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.1g、4.4mmol)、炭酸セシウム(2.1g,6.4mmol)及びPd(dppf)Cl(160mg,0.22mmol)を添加し、110℃に昇温させ2時間攪拌した後、中間体A(1.0g、2.2mmol)を添加し、続いて一晩攪拌した。室温に冷却させ、水を添加し、DCMで抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して5-メチル-4-オキソ-7-(2,2,4-トリメチル-6-(メチルスルホニル)-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-8-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸エチル(212mg、白色の固体)を得た。LC-MS:m/z642.2[M-H]
【0434】
工程2:水酸化ナトリウム(27mg、0.67mmol)を工程1で得られた生成物(212mg、0.33mmol)のエタノール/水(10mL、体積比は1:1)の溶液に添加した。室温で一晩反応させた。エタノールの大部分をスピンオフし、水を添加して希釈し、pHを酸性に調節し、酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥させ、濃縮して5-メチル-4-オキソ-7-(2,2,4-トリメチル-6-(メチルスルホニル)-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-8-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸(130mg、白色の固体)を得た。LC-MS:m/z460.2[M+H]
【0435】
工程3:工程2で得られた生成物(46mg、0.10mmol)及び3-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)プロピオンアミド(48mg、0.10mmol)をDCM(2mL)に溶解させ、DIEA(26mg、0.
20mmol)及びTP(63mg、0.20mmol)を添加し、室温で2時間攪拌して反応させた。直接濃縮し、残留物を中性分取クロマトグラフィーで精製してN-(2-(2-(2-(3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)-3-オキソ-n-プロポキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-5-メチル-4-オキソ-7-(2,2,4-トリメチル-6-(メチルスルホニル))-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-8-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド(5mg、白色の固体)を得た。LC-MS(M+H)918.3。
【0436】
実施例8:N-(6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)n-ヘキシル)-6-メチル-7-オキシ-4-(2,2,4-トリメチル-6-(メチルスルホニル)-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-8-イル)-6,7-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0437】
【化79】

【0438】
4-(6-アミノ-n-ヘキシル)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンを原材料とし、工程は実施例7と同じであった。LC-MS(M+H)799.3。
【0439】
実施例9:7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-N-(2-メトキシエチル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0440】
【化80】

【0441】
工程1:中間体A(700mg、2.35mmol)、2-(4-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオ
キサボロラン-2-イル)フェニル)プロパン-2-オール(1.1g、2.75mmol)、炭酸セシウム(2.3g、7.06mmol)、Pd(dppf)Cl(400mg、0.55mmol)をDMF(15mL)に溶解させ、窒素ガスで10分間置換し、窒素ガスの保護下で100℃に加熱して一晩反応させた。室温に冷却させ、濾過し、濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸エチル(753mg、白色の固体)を得た。LC-MS:m/z493.4[M-H]
【0442】
工程2:7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸エチル(753mg、1.53mmol)をエタノール(30mL)に溶解させ、NaOH(183mg、4.59mmol)の水溶液(6mL)を添加し、一晩室温に置いた。濃縮し、ジクロロメタン及び水を添加して溶解させ、1Mの塩酸でpHを7に調節し、振とうし、有機層を分離し、濃縮して7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレート(590mg、淡黄色の固体)を得た。LC-MS:m/z465.4[M+H]
【0443】
工程3:7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロプ-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸(80mg、0.17mmol)をDMF(3mL)に溶解させ、HATU(99mg、0.26mmol)及びDIEA(66mg、0.51mmol)を添加し、室温で5分間攪拌し、2-メトキシエチルアミン(20mg、0.26mmol)を添加し、室温で2時間反応させた。濾過し、濾液を分取クロマトグラフィーで精製して7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロプ-2-イル)フェニル)-N-(2-メトキシエチル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド(26.9mg、白色の固体)を得た。LC-MS(M+H)522.0。H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ10.95(s、1H)、8.47(t、J=5.2Hz、1H)、7.51(d、J=2.4Hz、1H)、7.46(s、1H)、7.38(dd、J=2.4、8.4Hz、1H)、7.29(d、J=2.0Hz、1H)、6.97(d、J=8.8Hz、2H)、6.33(d、J=8.8Hz、1H)、4.98(s、1H)、3.55(s、3H)、3.38-3.44(m、4H)、3.27(s、3H)、2.04(s、6H)、1.46(s、6H)。
【0444】
実施例10:7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-N-(2-(メチルスルホニル)エチル)-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0445】
【化81】

【0446】
2-メチルスルホニルエチルアミンを原材料とし、工程は実施例9と同じであった。LC-MS(M+H)570.0。H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ11.01(d、J=1.6Hz、1H)、8.66(t、J=5.6Hz、1H)、7.48(d、J=2.4Hz、1H)、7.46(s、1H)、7.36(dd、J=2.4、8.4Hz、1H)、7.29(d、J=2.0Hz、1H)、6.97(d、J=9.2Hz、2H)、6.31(d、J=8.4Hz、1H)、4.97(s、1H)、3.62-3.67(m、2H)、3.54(s、3H)、3.33-3.37(m、2H)、3.02(s、3H)、2.04(s、6H)、1.45(s、6H)。
【0447】
実施例11:N-(2,2-ジフルオロエチル)-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0448】
【化82】

【0449】
2,2-ジフルオロエチルアミンを原材料とし、工程は実施例9と同じであった。LC-MS(M+H)528.0。H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ11.09(s、1H)、8.73(t、J=5.6Hz、1H)、7.50(d、J=2.
0Hz、1H)、7.47(s、1H)、7.35-7.38(m、2H)、6.96(d、J=9.2Hz、2H)、6.32(d、J=8.4Hz、1H)、5.95-6.23(m、1H)、4.98(s、1H)、3.61-3.71(m、2H)、3.55(s、3H)、2.03(s、6H)、1.45(s、6H)。
【0450】
実施例12:N-(シクロプロピルメチル)-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0451】
【化83】

【0452】
シクロプロピルメチルアミンを原材料とし、工程は実施例9と同じであった。LC-MS(M+H)518.0。H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ10.93(s、1H)、8.47(t、J=5.6Hz、1H)、7.50(d、J=2.0Hz、1H)、7.46(s、1H)、7.37(dd、J=2.4、8.8Hz、1H)、7.29(d、J=1.6Hz、1H)、6.97(d、J=9.2Hz、2H)、6.33(d、J=8.8Hz、1H)、5.00(s、1H)、3.55(s、3H)、3.12(d、J=6.0Hz、2H)、2.04(s、6H)、1.45(s、6H)、0.81-0.86(m、1H)、0.40-0.45(m、2H)、0.18-0.22(m、2H)。
【0453】
実施例13:7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-N-イソプロピル-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0454】
【化84】

【0455】
イソプロピルアミンを原材料とし、工程は実施例9と同じであった。LC-MS(M+H)506.0。H-NMR(DMSO-d6、400MHz):δ10.90(s、1H)、8.17(d、J=7.6Hz、1H)、7.51(d、J=2.0Hz、1H)、7.47(s、1H)、7.38(dd、J=2.0、8.4Hz、1H)、7.28(d、J=2.0Hz、1H)、6.98(d、J=9.2Hz、2H)、6.33(d、J=8.8Hz、1H)、5.02(s、1H)、4.01-4.07(m、1H)、3.51(s、3H)、2.03(s、6H)、1.45(s、6H)、1.14(d、J=6.8Hz、6H)。
【0456】
実施例14:7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0457】
【化85】

【0458】
2,2,2-トリフルオロエチルアミンを原材料とし、工程は実施例9と同じであった。LC-MS(M+H)546.0。H-NMR(DMSO-d6/DO、400MHz):δ7.50(d、J=2.4Hz、2H)、7.36-7.41(m、2H)、6.97(d、J=9.2Hz、2H)、6.33(d、J=8.4Hz、1H)、4.07-4.11(m、2H)、3.56(s、3H)、2.02(s、6H)、1.46(s、6H)。
【0459】
実施例15:N-(シアノメチル)-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0460】
【化86】

【0461】
2-アミノアセトニトリルを原材料とし、工程は実施例9と同じであった。LC-MS(M+H)503.0。H-NMR(CDOD、400MHz):δ7.60(d、J=2.4Hz、1H)、7.50(s、1H)、7.40-7.42(m、2H)、6.82(d、J=8.8Hz、2H)、6.43(d、J=8.4Hz、1H)、4.32(s、2H)、3.70(s、3H)、2.07(s、6H)、1.56(s、6H)。
【0462】
実施例16:N-シクロプロピル-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0463】
【化87】

【0464】
シクロプロピルアミンを原材料とし、工程は実施例9と同じであった。LC-MS(M+H)504.0。H-NMR(CDOD、400MHz):δ7.60(d、J=2.4Hz、1H)、7.48(s、1H)、7.41(dd、J=2.4、8.8Hz、1H)、7.35(s、1H)、6.83(d、J=8.8Hz、2H)、6.44(d、J=8.8Hz、1H)、3.69(s、3H)、2.79-2.82(m、1H)、2.08(s、6H)、1.56(s、6H)、0.77-0.80(m、2H)、0.60-0.64(m、2H)。
【0465】
実施例17:2-(アゼチジン-1-カルボニル)-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-1,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン
【0466】
【化88】

【0467】
アゼチジンを原材料とし、工程は実施例9と同じであった。LC-MS(M+H)504.0。H-NMR(CDOD、400MHz):δ7.60(d、J=2.4Hz、1H)、7.51(s、1H)、7.41(dd、J=2.4、8.4Hz、1H)、7.14(s、1H)、6.83(d、J=8.8Hz、2H)、6.43(d、J=8.8Hz、1H)、4.61(t、J=7.6Hz、2H)、4.20(t、J=7.6
Hz、2H)、3.70(s、3H)、2.41-2.47(m、2H)、2.08(s、6H)、1.56(s、6H)。
【0468】
実施例18:N-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0469】
【化89】

【0470】
3,3-ジフルオロシクロブチルアミンを原材料とし、工程は実施例9と同じであった。LC-MS(M+H)554.0。H-NMR(CDOD、400MHz):δ7.60(d、J=2.0Hz、1H)、7.49(s、1H)、7.39-7.43(m、2H)、6.83(d、J=9.2Hz、2H)、6.44(d、J=8.8Hz、1H)、4.30-4.35(m、1H)、3.70(s、3H)、2.92-3.01(m、2H)、2.66-2.74(m、2H)、2.07(s、6H)、1.56(s、6H)。
【0471】
実施例19:2-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-カルボニル)-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-1,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン
【0472】
【化90】

【0473】
3,3-ジフルオロアゼチジンを原材料とし、工程は実施例9と同じであった。LC-MS(M+H)540.0。H-NMR(CDOD、400MHz):δ7.60(d、J=2.0Hz、1H)、7.52(s、1H)、7.41(dd、J=2.4、8.8Hz、1H)、7.16(s、1H)、6.83(d、J=8.8Hz、2H)、6.43(d、J=8.8Hz、1H)、4.40-5.00(m、4H)、3.70(s、3H)、2.08(s、6H)、1.56(s、6H)。
【0474】
実施例20:N-(1,3-ジフルオロプロピル-2-イル)-7-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-アミド
【0475】
【化91】

【0476】
1,3-ジフルオロプロピル-2-アミンの塩酸塩を原材料とし、工程は実施例9と同じであった。LC-MS(M+H)542.0。
【0477】
比較化合物1:N-エチル-4-(2-(4-フルオロ-2,6-ジメチルフェノキシ)-5-(2-ヒドロキシプロピル-2-イル)フェニル)-6-メチル-7-オキソ-
6,7-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-2-アミド
【0478】
【化92】

【0479】
中間体Bを原材料とし、特許WO2017177955A1の実施例の合成方法により製造して比較化合物1を得た。LC-MS(M+H)492.1。H-NMR(CDCl、400MHz):δ10.89(s、1H)、7.59(s、1H)、7.17(s、1H)、6.76-6.78(m、4H)、6.40(d、J=8.8Hz、1H)、5.46(bs、1H)、3.73(s、3H)、3.48-3.51(m、2H)、2.07(s、6H)、1.61(s、6H)、1.25(t、J=7.8Hz、3H)。
【0480】
試験例1:BRD4AlphaScreenの検出
【0481】
(1)ReactionBiologyCorp.(RBC)社の試薬キット要件に従って1×Assay bufferを製造した。(2)化合物濃度勾配の製造:試験化合物の検出の最終濃度は、いずれも10μMから始まり、3倍で10個濃度に希釈し、各濃度に対してシングルウェル試験を設定した。陽性対照化合物(+)-JQ-1の検出の最終濃度は、1μMから始まり、3倍で10個濃度に希釈し、各濃度に対してダブルウェル試験を設定した。384ウェルソースプレートで対応する1000倍の最終濃度の溶液に勾配希釈し、次にEcho550で20nLの溶液を384ウェル反応プレートに移して検出した。20nLの100%のDMSOをMaxウェルに移し、20nLの最高濃度の陽性化合物をMinウェルに移した。(3)1×反応溶液で4×タンパク質溶液を製造した。(4)5μLの4×タンパク質溶液を各ウェルに添加し、1000rpmで1分間遠心分離し、室温で15分間培養した。(5)1×反応溶液で4×ポリペプチド溶液を製造した。(6)反応プレートの各ウェルに5μLの4×ポリペプチド溶液添加し、1000rpmで1分間遠心分離した。(7)10μLの検出溶液添加し、1000rpmで60秒間遠心分離し、穏やかに振とうして混合し、室温で60分間培養した。(8)EnVisionでデータを読み取った。(9)分析ソフトウェアGraphPad Prism5で投与量効果曲線をフィッティングしてタンパク質結合阻害に対する化合物のIC50値を得た(具体的なデータは表1を参照できる)。
【0482】
【表1】

【0483】
結果:本発明によって提供される実施例1~実施例20は、BRD4-BD2に対する阻害活性IC50値がいずれも10nM未満であり、ほとんどの実施例の阻害活性IC50値が1nM未満であり、比較化合物1より強い阻害活性を示した;BRD4-BD1に対する幾つかの実施例の阻害活性も比較化合物より強い阻害活性を示した;同時に、本発明の実施例化合物は、BRD4-BD2に対する相対的選択性を維持し、選択性倍数は、10倍から400倍以上になった。
【0484】
試験例2:MV4-11細胞の増殖に対する実施例化合物の阻害活性の試験
【0485】
具体的な実験ステップ:1)0日目:96ウェルプレートに細胞を接種し、トリプシンで細胞を消化させ、細胞培養培地に懸濁させ、自動細胞カウンターによって細胞密度を検出し、細胞を培地で適切な密度に希釈し、96ウェルプレートに100μLの細胞懸濁液を添加し、細胞のない培地を対照ウェルとして使用し、37℃、5%COの細胞インキュベーターで一晩培養した。2)1日目:薬物を添加して細胞試験化合物を処理し、合計8個濃度を試験し、3倍希釈し、10μMは試験化合物の開始濃度であった。具体的なステップ:200x化合物母液を製造し、培地で最終濃度が3xになるまで希釈し、直ちに3μLの200x化合物を197μLの培地に添加し、96ウェルプレートの細胞にウェル当たり50μLの希釈した化合物を添加し、37℃、5%COのインキュベーターに入れて72時間培養した;3)4日目:細胞生存率の検出は96ウェル細胞プレートを最初に室温に平衡化させ、40μLのCellTiter-Glo(登録商標)試薬を各ウェルに添加し、シェーカーで2分間混合して細胞を完全に溶解させ、室温で10分間培養して発光シグナルを安定させ、発光値をEnvisionマイクロプレートリーダーで読み取った;4)GraphPad Prism 5.0ソフトウェアでデータ処理を実行してデータを分析し、非線形S曲線回帰を使用してデータを適合させて投与量-効果曲線を取得し、これによってIC50値を計算した。阻害率%=(DMSO処理細胞ウェル-化合物処理細胞ウェル)/(DMSO処理細胞ウェル-無細胞培地ウェル)x100。IC50値は、マイクロプレートリーダーのソフトウェアを使用して4パラメーター回帰法で得られた(具体的なデータは表2を参照)。
【0486】
【表2】

【0487】
結果:MV4-11細胞増殖に対する本発明で提供される実施例1~実施例20の阻害活性は、IC50値はいずれも500nM未満であり、いくつかの実施例化合物の阻害活性のIC50値は10nM未満でもあり、比較化合物より強い細胞増殖阻害活性を示した。
【0488】
試験例3:異なる酵素に対する実施例化合物の阻害活性の試験
【0489】
試験例1と類似のBRD AlfaScreening法及びキナーゼ阻害剤の従来の試験方法で、本発明のいくつかの実施例化合物が、例えば、BRD2 BD1/2,BRD3 BD1/2及びBRD-T BD1/2酵素、HDAC、EZH2、LSD1、G9a等のような様々なBRD、及び例えば、EGFR、VEGFR、PDGFR、FGFR、RET,MET,Src,Lyn、Syk、MEK、CDK、RAF等の様々なタンパク質キナーゼに対する阻害活性を試験し、例えば、実施例1、11、18等の幾つかの実施例化合物は良好なBRD-BD2選択性及びキナーゼ標的選択性を示し、選択性は100倍を超えた。
【0490】
試験例4:異なる細胞株の増殖に対する実施例化合物の阻害活性の試験
【0491】
試験例2及び文献と類似した方法でLNCAP(+R1881)、SKM-1、22RV1、DU145、MOLM13、MDA-PCA-2b、KASUMI 1、THP-1、KG-1、IEC6、H1299等の異なる細胞株に対するいくつかの実施例化合物の増殖阻害活性を試験した。実施例1、実施例11、実施例18等の幾つかの実施例は、ほとんどのAML細胞株及び前立腺癌細胞株に対してより良好な増殖阻害活性を示し、阻害活性IC50はいずれも1000nM未満であり、例えば、LNCAP、SKM-1、MOLM13、KASUMI 1、THP-1、KG-1等の一部の細胞株では100nM未満でもあった;IEC6及びH1299細胞株に対する増殖阻害活性IC50は1000nMを超え、細胞増殖阻害の高い選択性を示した。
【0492】
試験例5:幾つかの実施例化合物のADME試験
【0493】
(1)代謝安定性試験:150μLの肝ミクロソーム(最終濃度は0.5mg/mLである)を代謝安定性培養に供し、系にはNADPH(最終濃度は1mMである)、1μMの試験化合物及び陽性対照ミダゾール又は陰性対照アテノロールを含み、それぞれ0分、5分、10分、及び30分でチニダゾールを含むアセトニトリルで反応を終了させ、10
分間ボルテックスし、15000rmpで10分間遠心分離し、50μLの上清を96ウェルプレートに取ってサンプリングした。元の薬物の相対減少を測定することで化合物の代謝安定性を計算した(具体的なデータは表3を参照)。
【0494】
(2)直接抑制試験(DI試験):100μLのヒト肝ミクロソーム系(最終濃度は0.2mg/mL)を直接阻害培養に供し、系にはNADPH(最終濃度は1mMである)、10μMの化合物、陽性阻害剤cocktail(ケトコナゾール10μM、キニジン10μM、スルファピラゾール100μM、α-ナフトフラボン10μM、トラニルシプロミン1000μM)、陰性対照(0.1%のDMSOのBPS)及び混合プローブ基質(ミダゾラム10μM、テストステロン100μM、デキストロメトルファン10μM、ジクロフェナク20μM、フェナセチン100μM、メフェニトイン100μM)を含み、20分間の培養した後、反応を停止した。代謝物の相対的産生量を測定することで酵素活性を計算した。
【0495】
【表3】

【0496】
ラット、マウス、イヌの肝臓ミクロソームの代謝に対する実施例化合物1、11、18の安定性は比較化合物1と比較して、様々な属のミクロソーム安定性が有意に改善され、特にマウス及びイヌのミクロソーム安定性は比較化合物1より大幅に改善された;又、主な代謝酵素CYP1A2、2C8、2C19、3A4等に対する実施例1、18の阻害IC50はいずれも15μMを超え、高い創薬可能性を示した。
【0497】
試験例6:ラット及びマウスにおける実施例化合物の生体内薬物動態パラメータの試験
【0498】
6匹のオスSPFグレードSDラット又はBalb cマウス(上海B&K実験動物)をそれぞれ2つの群に分け、試験化合物を適切な溶液又は懸濁液に製造した;1つの群は静脈内投与し、1つの群は経口投与した。頸静脈穿刺により採血し、各サンプルを約0.2mL/時点で採取し、ヘパリンナトリウムで抗凝固し、採血時点は、投与前及び投与後の、5、15及び30分、1、2、4、6、8及び24時間であり;血液サンプルは採取した後、氷上に置き、遠心分離して血漿を分離し(遠心分離条件:8000rpm/分、6分間、2~8℃)、収集した血漿は分析する前に-80℃で保存した。血漿サンプルはLC-MS/MSで分析した。
【0499】
薬物の血中薬物濃度データにより、薬物動態計算ソフトウェアWinNonlin5.2の非コンパートメントモデルを使用して、試験物の薬物動態パラメーターであるAUC0-t、AUC0-∞、MRT0-∞、Cmax、Tmax、T1/2及びV等のパラメータと平均値及び標準偏差を計算した。また、バイオアベイラビリティ(F)は、以下の式で算出した。
【0500】
【数1】

【0501】
濃度が定量下限よりも低いサンプルの場合、薬物動態パラメータを計算するときは、Cmaxに達する前にサンプリングしたサンプルをゼロとして計算し、Cmaxに達した後、サンプリングしたサンプルを定量不能(BLQ)として計算した。
【0502】
結果:本発明の幾つかの実施例化合物は良好な生体内薬物動態特性を有し、例えば、実施例1、実施例18は5mg/kgの投与量でマウスに胃内投与された場合、PKパラメーターは優れていて、Cmaxはいずれも1.5uM以上であり、T1/2は3時間を超え、AUC(hr*nM)は5000を超えた。マウスに対する実施例化合物1、18の生物学的利用能はいずれも40%を超え、比較化合物1の生物学的利用能より優れていた(マウスの体内における比較化合物1の生物学的利用能は25%である)。実施例1、実施例18は10mg/kgの投与量でビーグル犬に胃内投与された場合、PKパラメーターは優れていて、Cmaxはいずれも2.0uM以上であり、T1/2は2時間を超え、AUC(hr*nM)は15000を超えた。
【0503】
試験例7:ヌードマウスMV4-11移植腫瘍に対する実施例化合物の増殖阻害に関する試験
【0504】
活発な成長段階にある腫瘍組織を約1.5mmを取り、無菌条件下でヌードマウスの右脇に皮下接種した。ヌードマウス皮下移植腫瘍の直径をノギスで測定し、平均腫瘍体積が130mmになったときに動物を無作為で群を分けた。実施例化合物又は比較化合物1(使用のために1%のTween80を含む注射用水で必要な濃度に製造した)を3週間連続して毎日所定の用量で経口投与し、溶媒対照群に同量の溶媒を与えた。実験全過程を通じて、移植された腫瘍の直径を週に2回測定し、同時にマウスの体重を測定した。腫瘍体積(tumor volume、TV)の計算式は:TV=1/2×a×bであり、ここでaとbはそれぞれ長さと幅を表す。測定結果に基づいて相対腫瘍体積(relative tumor volume、RTV)を計算し、計算式は:RTV=Vt/V0である。ここで、V0はケージ投与時(即ち、d0)測定された腫瘍体積であり、Vtは各測定時の腫瘍体積であった。抗腫瘍活性の評価指標は、1)相対腫瘍増殖率T/C(%)、計算式は:T/C(%)=(TRTV/CRTV)×100%であり、TRTV:治療群のRTV;CRTV:陰性対照群RTV;2)腫瘍体積増殖阻害率GI%、計算式は:GI%=[1-(TVt-TV0)/(CVt-CT0)]×100%であり、TVtは治療群の毎回測定された腫瘍体積であり;TV0は治療群のケージ投与されたとき測定された腫瘍体積であり;CVtは対照群の毎回測定された腫瘍体積であり;CV0は対照群のケージ投与されたとき測定された腫瘍体積である;3)腫瘍重量阻害率、計算式は:腫瘍重量阻害率%=(W-W)/Wc×100%であり、Wは対照群の腫瘍重量であり、Wは治療群の腫瘍重量であった。
【0505】
結果:本発明の幾つかの実施例化合物は、動物体内において優れた抗腫瘍効果を示し、例えば、実施例1、実施例18は、10mg/kg~30mg/kgのような低投与量で、1日1回、21日間の継続的胃内投与された場合、良好な腫瘍増殖を阻害する効果を示
し、そのT/C比は40%未満であり;例えば50mg/kg~100mg/kgのような高投与量では、腫瘍抑制効果は有意であり、且つ、実験動物はいずれもよく許容できた。同じ投与量で、実施例化合物1、18は、ヌードマウス移植腫瘍の成長に対する阻害効果は有意であり、阻害効果は、比較化合物1よりも優れていた(15mpkの投与量で、実施例1及び実施例18の腫瘍阻害率は82%であったが、比較化合物1の抑制阻害率は約60%であった)。
【0506】
本発明で言及されたすべての文書は、各文書が参照により個別的に引用されて参照されるように、参照により本出願に引用される。さらに、本発明の前記教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更又は修正を加えることができ、これらの同等の形態もまた、本出願の添付の請求の範囲に属する。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【化1】

(ここで:
X1はCHであり;X2はNHであり;
R1はC1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキル、3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキル、又は
【化2】

であり;前記C1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキル、3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキル、及び
【化3】

は一つ又は複数の置換基で任意に置換され、前記置換基は独立して:ハロゲン、シアノ、C1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-、及びC1-C6アルキル-(SO )-から選択され;置換基が複数である場合、同じでも異なってもよく;
L1は-(C1-C8アルキル)-、-(C2-C6アルケニル)-、又は-(C1-C6アルキル)-(CH OCH m1 -(C1-C6アルキル)-であり;
m1は1、2、3又は4であり;
L2は連結結合、
【化4】

であり;
Wは-CH -又は-C(=O)-であり;
R2は水素であり;
R3及びR5は独立して水素であり;
R4は
【化5】

であり;
R6及びR7は独立して水素又は-L-R10であり;
Lは-O-であり;
R10はC1-C6のアルキル、6~10員のアリール、又は一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールであり;前記一つ又は複数の置換基で置換された6~10員のアリールにおける置換基は独立してハロゲン又はC1-C6のアルキルであり;置換基が複数である場合、同じでも異なってもよい。)
【請求項2】
m1は3であり;
及び/又は、R6は水素であり;
及び/又は、R7は-L-R10であり;
及び/又は、R1が3~8員のシクロアルキル、又は3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルであり、前記3~8員のシクロアルキル及び3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルが独立して一つ又は複数の置換基で置換された場合、前記置換基はハロゲン及びC1-C6アルキルから選択される、請求項1に記載の一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【請求項3】
前記一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物は以下のスキーム1又はスキーム2であることを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形:
スキーム1:X1はCHであり;X2はNHであり;
R1はC1-C8アルキル又は3~8員のシクロアルキルであり;前記C1-C8アルキル、3~8員のシクロアルキルは任意に一つ又は複数の置換基で置換され;
R2、R3、R5及びR6は独立して水素であり;
R4は
【化6】

であり;
R7は-L-R10である;
スキーム2:X1はCHであり;X2はNHであり;
R1は独立してC1-C8アルキル又は
【化7】

であり;
R2、R3、R5及びR6は独立して水素であり;
R4は
【化8】

であり;
R7は-L-R10である。
【請求項4】
R1がC1-C8アルキル又は3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルである場合、前記C1-C8アルキル及び3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルにおけるC1-C8アルキルは独立してメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり;
及び/又は、R1が3~8員のシクロアルキル又は3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルである場合、前記3~8員のシクロアルキル及び3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルにおける3~8員のシクロアルキルは独立してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであり;
及び/又は、R1における前記置換基がC1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-又はC1-C6アルキル-(SO )-である場合、前記C1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-及びC1-C6アルキル-(SO )-のC1-C6アルキルは独立してメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり;
及び/又は、L1が-(C1-C8アルキル)-である場合、前記C1-C8アルキルはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル又はn-ヘキシルであり;
及び/又は、L1が-(C2-C6アルキニル)-である場合、前記C2-C6アルキニルはエチニル、
【化9】

であり;
及び/又は、L1が-(C1-C6アルキル)-(CH OCH m1 -(C1-C6アルキル)-である場合、前記C1-C6アルキルは独立してメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであり;
及び/又は、m1は2又は3であり;
及び/又は、R10が独立してC1-C6のアルキルである場合、前記C1-C6のアルキルは独立してメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであることを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【請求項5】
R1がC1-C8アルキル又は3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルである場合、前記C1-C8アルキル及び3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルにおけるC1-C8アルキルは独立してメチル、エチル又はイソプロピルであり;
及び/又は、R1が3~8員のシクロアルキル又は3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルである場合、前記3~8員のシクロアルキル及び3~8員のシクロアルキルで置換されたC1-C8アルキルにおける3~8員のシクロアルキルは独立してシクロプロピル又はシクロブチルであり;
及び/又は、R1における前記置換基がC1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-又はC1-C6アルキル-(SO )-である場合、前記C1-C6アルキル、C1-C6アルキル-O-及びC1-C6アルキル-(SO )-のC1-C6アルキルは独立してメチル又はエチルであり;
及び/又は、L1が-(C1-C8アルキル)-である場合、前記C1-C8アルキルはn-ブチル、n-ペンチル又はn-ヘキシルであり;
及び/又は、L1が-(C2-C6アルキニル)-である場合、前記C2-C6アルキニルは
【化10】

であり;
及び/又は、L1が-(C1-C6アルキル)-(CH OCH m1 -(C1-C6アルキル)-である場合、前記C1-C6アルキルは独立してメチル、エチル又はn-プロピルであり;
及び/又は、R10が独立してC1-C6のアルキルである場合、前記C1-C6のアルキルは独立してメチル又はエチルであり;
及び/又は、R10における前記置換基がC1-C6のアルキルである場合、前記置換基はメチル又はエチルであることを特徴とする、請求項4に記載の一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【請求項6】
-L1-L2-は
【化11】

であり;
及び/又は、
【化12】


【化13】

であり;
及び/又は、R7は
【化14】

であることを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【請求項7】
一般式Iで表される前記ピロールアミドピリドン系化合物が下記一般式II-2で示される、請求項1に記載の一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【化15】

(ここで、R1、R2、R3、R4、R5、R6、L及びR10は請求項1で前記定義された通りである。)
【請求項8】
R1はエチル、イソプロピル、
【化16】

シクロプロピル、シクロペンチル、
【化17】

であり;
及び/又は、
【化18】


【化19】

である場合、
【化20】


【化21】

であることを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【請求項9】
前記一般式Iで表されピロールアミドピリドン系化合物は以下の任意の構造から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形。
【化22】

【化23】
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物の製造方法であって、方法1又は方法2を含み;
方法1は、溶媒の中で、塩基及び縮合試薬の存在下で、式Dで表される化合物とR1R2NHを以下に示すような縮合反応をさせ、一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物を得る工程を含み;
【化24】

方法2は溶媒の中で、塩基及び遷移金属触媒の存在下で、式A’で表される化合物及び式Bで表される化合物を以下に示すような金属触媒カップリング反応をさせ、一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物を得る工程を含む製造方法。
【化25】

(ここで、X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は請求項1~9のいずれか1項に定義された通りである。)
【請求項11】
請求項1~9のいずれか一項に記載の一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項12】
BRD又はc-Myc阻害剤、BRD又はc-Mycタンパク質の活性又は発現量に関連する疾患を治療又は予防するための薬物、又は腫瘍、免疫疾患又は炎症性疾患を治療又は予防する医薬の製造における請求項1~9のいずれか一項に記載の一般式Iで表されるピロールアミドピリドン系化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、又は結晶多形、又は請求項11に記載の医薬組成物の使用であって;
前記腫瘍は非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、皮膚癌、胃癌、腸癌、胆管癌、脳癌、白血病、リンパ腫、線維腫、肉腫、基底細胞癌、神経膠腫、腎臓癌、黒色腫、骨癌、甲状腺癌、鼻咽頭癌、及び膵臓癌から選択され;前記免疫疾患と炎症性疾患は独立して移植された臓器の拒絶反応、痛風、鼻炎、脱毛、アルツハイマー病、虫垂炎、アテローム性動脈硬化症、喘息、関節炎、アレルギー性皮膚炎、ベーチェット病、ヘルペス性皮膚疾患、胆嚢炎、慢性特発性血小板減少性紫斑病、慢性閉塞性肺疾患、肝肝硬変、変性関節疾患、皮膚炎、皮膚筋炎、湿疹、腸炎、脳炎、胃炎、腎炎、橋本甲状腺炎、肝炎、下垂体炎、炎症性腸疾患、刺激性腸症候群、川崎病、髄膜炎、多発性硬化症、心筋炎、重力筋無力症、真菌性真菌症、筋炎、腎炎、骨髄炎、膵炎、パーキンソン病、心膜炎、悪性貧血、肺炎、原発性胆汁性硬化性胆管炎、結節性多発動脈炎、乾癬、線維症、エリテマトーデス、組織移植片拒絶反応、甲状腺炎、I型糖尿病、尿道炎、ブドウ膜炎、血管炎、白斑及びワルデンストレームマクログロブリン血症から選択される使用。
【請求項13】
式D又は式Cで表される化合物。
【化26】

(ここで、X1、X2、R3、R4、R5、R6及びR7は請求項1~9のいずれか1項に定義された通りであり;RaはC1-C6アルキルである。)
【請求項14】
前記式Dで表される化合物は以下の構造である:
【化27】

及び/又は、前記式Cで表される化合物は以下の構造である:
【化28】

ことを特徴とする、請求項13に記載の式D又は式Cで表される化合物。