(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178436
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】配線器具
(51)【国際特許分類】
H05K 7/14 20060101AFI20241217BHJP
H02G 3/12 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
H05K7/14 C
H02G3/12
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024168026
(22)【出願日】2024-09-27
(62)【分割の表示】P 2022551225の分割
【原出願日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】P 2020159022
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 尚儒
(72)【発明者】
【氏名】鄭 思源
(72)【発明者】
【氏名】張 榮宗
(57)【要約】 (修正有)
【課題】第1基板に実装される電子部品の配置の自由度を向上させる。
【解決手段】本開示の配線器具(100)では、第1基板(21)は、第1面(211)及び第2面(212)を有し、内側端子が第1面(211)に実装されている。第2基板(31)は、第1基板(21)に電気的に接続されており、電力変換回路(32)が実装されている。識別IC(24)は、第2面(212)に実装されており、電気機器の充電仕様を識別する。電力変換回路(32)は、コイル(322)を含む。コイル(322)は、差込方向において第1基板(21)に対して第2面(212)側に配置されている。配線器具(100)は、差込方向において識別IC(24)とコイル(322)との間に配置されており、識別IC(24)とコイル(322)とを電気的に絶縁する絶縁部材(5)を更に備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
差込式の外側端子が接続される内側端子と、
第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有し、前記内側端子が前記第1面に実装されている第1基板と、
前記第1基板に電気的に接続されており、第1電力を第2電力に変換する電力変換回路が実装されている第2基板と、
前記第2面に実装されており、前記内側端子及び前記外側端子を介して電気的に接続される電気機器の充電仕様を識別する識別ICと、を備え、
前記電力変換回路は、コイルを含み、
前記コイルは、前記内側端子に対する前記外側端子の差込方向において前記第1基板に対して前記第2面側に配置されており、
前記差込方向において前記識別ICと前記コイルとの間に配置されており、前記識別ICと前記コイルとを電気的に絶縁する絶縁部材を更に備える、
配線器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に配線器具に関し、より詳細には、差込式の外側端子が接続される内側端子を備える配線器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、USBプラグ(外側端子)が接続されるUSBソケット(内側端子)と、USBソケットが実装されている第1基板と、を備える配線器具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
特許文献1に記載のような配線器具では、第1基板に実装される電子部品の配置の自由度を向上させることが望まれている。
【0005】
本開示の目的は、第1基板に実装される電子部品の配置の自由度を向上させることが可能な配線器具を提供することにある。
【0006】
本開示の一態様に係る配線器具は、内側端子と、第1基板と、第2基板と、識別ICと、を備える。前記内側端子には、差込式の外側端子が接続される。前記第1基板は、第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有し、前記内側端子が前記第1面に実装されている。前記第2基板は、前記第1基板に電気的に接続されており、第1電力を第2電力に変換する電力変換回路が実装されている。前記識別ICは、前記第2面に実装されており、前記内側端子及び前記外側端子を介して電気的に接続される電気機器の充電仕様を識別する。前記電力変換回路は、コイルを含む。前記コイルは、前記内側端子に対する前記外側端子の差込方向において前記第1基板に対して前記第2面側に配置されている。前記配線器具は、前記差込方向において前記識別ICと前記コイルとの間に配置されており、前記識別ICと前記コイルとを電気的に絶縁する絶縁部材を更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る配線器具の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の配線器具において、カバーを取り外した状態の斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の配線器具の分解斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の配線器具が備えるハウジングの分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の配線器具が備えるボディの斜視図である。
【
図6】
図6は、同上の配線器具において、静電気防止リブの先端部が収容溝に収容されている状態を示す側面断面図である。
【
図7】
図7は、同上の配線器具において、第1押さえリブが第1基板に接している状態を示す上面断面図である。
【
図8】
図8は、同上の配線器具において、第1押さえリブが第1基板に接している状態を示す側面断面図である。
【
図9】
図9は、同上の配線器具において、第2基板がガイド部によりガイドされている状態を示す側面断面図である。
【
図10】
図10は、同上の配線器具において、第2基板及び第3基板がボディに取り付けられている状態を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、同上の配線器具において、第2押さえリブが第3基板に接している状態を示す上面断面図である。
【
図12】
図12は、同上の配線器具において、第2押さえリブが第3基板に接している状態を示す側面断面図である。
【
図13】
図13Aは、同上の配線器具が備える第1モジュールの側面図である。
図13Bは、同上の第1モジュールに含まれるコンデンサの模式図である。
【
図14】
図14は、同上の配線器具において、識別ICとコイルとの位置関係を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施形態)
以下、本実施形態に係る配線器具100について、
図1~
図14を参照して説明する。
【0009】
ただし、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、下記の実施形態及び変形例に限定されない。下記の実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0010】
また、下記の実施形態等において説明する各図は、いずれも模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
(1)概要
まず、本実施形態に係る配線器具100の概要について、
図1~
図3を参照して説明する。
【0012】
本実施形態に係る配線器具100は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブル300の先端に設けられたUSBプラグ301を接続するためのUSBコンセントに適用される。配線器具100は、USBケーブル300を介して電気的に接続される電気機器200に対して電力供給、又は電気機器200が備えるバッテリの充電を行う。電気機器200は、例えば、スマートフォン、デジタルオーディオプレーヤー、又はノートパソコンである。本実施形態では一例として、電気機器200はスマートフォンであり、配線器具100は、スマートフォンが備えるバッテリの充電を行う。また、本実施形態に係る配線器具100は、例えば、建物の壁に取り付けられる屋内用の配線器具である。配線器具100が設置される建物は、例えば、戸建て住宅、集合住宅の各住戸、事務所、店舗、又は介護施設である。
【0013】
配線器具100は、配線器具100に対して電線を電気的に接続した状態で、施工面(ここでは建物の壁面)に取り付けられる。配線器具100においては、後述するカバー12の頂壁(前面)129に形成された挿通孔121aにUSBケーブル300のUSBプラグ301が差し込まれることによって、USBプラグ301が電気的に接続され、配線器具100から電気機器200への電力供給等が可能になる。ここで、配線器具100は、埋込型の配線器具であって、取付枠を用いて施工面に取り付けられる。より具体的には、配線器具100が取り付けられた取付枠を、例えば、埋込ボックスに対して固定することにより、配線器具100が施工面に取り付けられる。ここでいう埋込ボックスは、前面が開放された箱状の部材であって、施工面に形成された施工孔から前面を前方に露出させるように、壁内に設置される。
【0014】
本実施形態に係る配線器具100は、
図1~
図3に示すように、第1内側端子(内側端子)22と、第1基板21と、第2基板31と、識別IC24(
図3参照)と、を備えている。第1内側端子22には、差込式の第1外側端子(外側端子)301が接続される。第1外側端子301は、例えば、USBケーブル300の先端に設けられたUSBプラグ301である。第1内側端子22は、例えば、USBプラグ301が着脱可能に差込接続されるUSBソケット22である。
【0015】
第1基板21は、第1面211及び第1面211とは反対側の第2面212を有している。第1基板21の第1面211には、第1内側端子22が実装されている。第2基板31は、第1基板21に電気的に接続されており、第1電力を第2電力に変換する電力変換回路32(
図3参照)が実装されている。第1電力は、例えば、交流電力である。第2電力は、例えば、直流電力である。すなわち、本実施形態に係る配線器具100では、電力変換回路32は、交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータを含む。
【0016】
識別IC24は、第1基板21の第2面212に実装されている。つまり、識別IC24は、第1内側端子22が実装されている第1面211とは反対側の第2面212に実装されている。識別IC24は、第1内側端子22及び第1外側端子301を介して電気的に接続される電気機器200の充電仕様を識別する。本開示でいう「充電仕様」とは、電気機器200が備えるバッテリへの充電の仕方であって、本実施形態では一例として、識別IC24は、バッテリに対して急速充電が可能であるか否かを識別する。また、本開示でいう「急速充電」とは、より短時間で充電可能な充電をいう。配線器具100は、例えば、通常であればDC5V、1A(5W)でバッテリを充電するところ、電気機器200が急速充電に対応していればDC5V、2.4A(12W)でバッテリを充電する。これにより、通常よりも短時間でバッテリを充電することが可能となる。
【0017】
本実施形態に係る配線器具100では、上述したように、識別IC24が第1基板21の第2面212に実装されている。そのため、識別IC24が第1基板21の第1面211に実装されている場合に比べて、第1面211における電子部品の配置の自由度を向上させることが可能となる。すなわち、本実施形態に係る配線器具100によれば、第1基板21における電子部品の配置の自由度を向上させることが可能となる。
【0018】
(2)詳細
次に、本実施形態に係る配線器具100の詳細について、
図1~
図12を参照して説明する。
【0019】
本実施形態に係る配線器具100は、
図1~
図3に示すように、ハウジング1と、第1モジュール2と、第2モジュール3と、第3モジュール4と、を備えている。ハウジング1は、後述するように、第1モジュール2の第1基板21、第2モジュール3の第2基板31、及び第3モジュール4の第3基板41を収納する。
【0020】
(2.1)ハウジング
ハウジング1は、
図4及び
図5に示すように、ボディ11と、カバー12と、を備えている。ボディ11及びカバー12は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)樹脂により形成されている。ボディ11は、開口部110を有する箱状である。開口部110の形状は、第1内側端子22に対する第1外側端子301の差込方向D1から見て矩形状である。カバー12は、ボディ11の開口部110を塞ぐようにボディ11に着脱可能に取り付けられる。ボディ11とカバー12とは、ボディ11にカバー12が取り付けられることによりハウジング1内に収容空間10を形成する。
【0021】
ボディ11は、ベース13と、第1支持部111と、第2支持部112と、第1補強リブ16と、第2補強リブ17と、を備えている。
【0022】
ベース13は、
図4及び
図5に示すように、第1ボディ側壁131と、第2ボディ側壁132と、第1ボディ接続壁133と、第2ボディ接続壁134と、を有している。ベース13は、第1ボディ側壁131と第2ボディ側壁132と第1ボディ接続壁133と第2ボディ接続壁134とで、開口部110を有する直方体状に形成されている。ベース13は、カバー12と接する2つの第1接合縁135を更に有している。
【0023】
第1支持部111は、
図4及び
図5に示すように、支持構造20を備えている。支持構造20は、一対の突壁部14,15を含む。一対の突壁部14,15は、差込方向D1と交差する方向(一例として、ベース13の第1ボディ側壁131に沿う方向)において互いに間隔を空けて配置されている。一対の突壁部14,15の各々は、ベース13から差込方向D1に沿ってカバー12側に突出している。一対の突壁部14,15は、後述する第1モジュール2の第1基板21を支持する。すなわち、ボディ11は、差込方向D1に沿って突出しており、差込方向D1において第1基板21を支持する支持構造20を有している。また、支持構造20は、上述したように、差込方向D1と交差する方向において互いに対向する一対の突壁部14,15を含んでいる。
【0024】
より具体的には、一対の突壁部14,15の各々は、一対の突壁部14,15が並ぶ方向(差込方向D1と交差する方向)において、第1接合縁135の内側に位置している。一対の突壁部14,15のうち一方の突壁部14は、第1ボディ接続壁133に連接されており、他方の突壁部15は、第2ボディ接続壁134に連接されている。
【0025】
一対の突壁部14,15の各々における第1接合縁135から突出する部分(以下、「突出部分」ともいう)の形状は、一対の突壁部14,15が並ぶ方向から見て台形状である。突出部分の形状は、差込方向D1における第1接合縁135に近い端縁を下底、第1接合縁135から遠い端縁を上底とした場合に、上底よりも下底が長い台形状である。一対の突壁部14,15の各々は、係合溝18を有している。係合溝18は、一対の突壁部14,15が並ぶ方向から見て矩形状であり、各突壁部14,15におけるカバー12側の端縁に形成されている。一対の係合溝18は、後述する第1基板21の一対の突片213が差し込まれることにより、ボディ11に対して第1基板21を位置決めする。すなわち、一対の係合溝18は、ボディ11に対して第1基板21を位置決めする位置決め部(以下、「位置決め部18」ともいう)として機能する。要するに、一対の突壁部14,15は、一対の突壁部14,15に対して第1基板21を位置決めする位置決め部18を有している。
【0026】
突壁部15における突出部分は、下底の両側にある2つの底角が等しい等脚台形に形成されており、上底と下底とをつなぐ2つの脚は、下底に近づくほど第1ボディ側壁131及び第2ボディ側壁132に近づくように斜めに傾斜している。一方、突壁部14は、第1ボディ側壁131側の側縁にガイド部141を有している。ガイド部141は、差込方向D1に沿って形成されている。突壁部14における第2ボディ側壁132側の側縁は、一対の突壁部14,15が並ぶ方向における突壁部15の対向部分と同形状に形成されており、対応する脚は、下底に近づくほど第2ボディ側壁132に近づくように斜めに傾斜している。
【0027】
第1補強リブ16は、突壁部14の構造強度を高める機能を有している。第2補強リブ17は、突壁部15の構造強度を高める機能を有している。第1補強リブ16は、第1ボディ接続壁133における第1接合縁135からカバー12側に突出しており、突壁部14に連接されている。第2補強リブ17は、第2ボディ接続壁134における第1接合縁135からカバー12側に突出しており、突壁部15に連接されている。
【0028】
第2支持部112は、
図4及び
図5に示すように、仕切り壁136を有している。仕切り壁136は、収容空間10内に設けられている。仕切り壁136は、第1ボディ接続壁133と第2ボディ接続壁134との間において、両端が第1ボディ側壁131と第2ボディ側壁132とに接続されている。仕切り壁136により仕切られることにより、収容空間10には、2つの収納部137,138が形成されている。収納部137は、第1ボディ接続壁133に隣接しており、第2モジュール3を収納するための収納部である。すなわち、収納部137は、第2モジュール3の第2基板31を収納する第2収納部(以下、「第2収納部137」ともいう)として機能する。要するに、ボディ11は、第2基板31を収納する第2収納部137を有している。収納部138は、第2ボディ接続壁134に隣接しており、第3モジュール4を収納するための収納部である。
【0029】
第1ボディ接続壁133及び仕切り壁136には、
図4に示すように、収納部137内において互いに対向する一対の位置決め溝139が形成されている。一対の位置決め溝139の各々は、差込方向D1に沿って形成されている。本実施形態に係る配線器具100では、一対の位置決め溝139が並ぶ方向における第2基板31の両端部を一対の位置決め溝139内に差し込むことにより、第2基板31がボディ11に保持される。すなわち、ボディ11は、差込方向D1と交差し、かつ第2基板31の法線方向と交差する方向における少なくとも一端部に設けられている保持溝(位置決め溝139)を有している。
【0030】
カバー12は、
図3及び
図4に示すように、カバー本体121と、複数(本実施形態では4つ)の第1押さえリブ122と、複数(本実施形態では4つ)の第2押さえリブ123と、複数(本実施形態では2つ)の静電気防止リブ124と、一対の組立片125と、を有している。
【0031】
カバー本体121は、
図3及び
図4に示すように、第1カバー側壁126と、第2カバー側壁127と、2つのカバー接続壁128と、頂壁129と、を有している。第1カバー側壁126は、第1ボディ側壁131に対応している。第2カバー側壁127は、第2ボディ側壁132に対応している。第1カバー側壁126と第2カバー側壁127とは、差込方向D1と交差する方向において間隔を空けて配置されている。2つのカバー接続壁128は、第1ボディ接続壁133及び第2ボディ接続壁134に対応している。2つのカバー接続壁128は、第1カバー側壁126及び第2カバー側壁127とともに包囲壁を形成するように、第1カバー側壁126及び第2カバー側壁127に隣接している。頂壁129は、差込方向D1における第1カバー側壁126、第2カバー側壁127及び2つのカバー接続壁128の一端に隣接している。頂壁129は、差込方向D1から見て矩形状に形成された挿通孔121aを有している。カバー本体121は、第1カバー側壁126、第2カバー側壁127、2つのカバー接続壁128及び頂壁129により、一面が開口した直方体状に形成されている。
【0032】
カバー本体121は、
図3及び
図4に示すように、2つの第2接合縁121bを更に有している。2つの第2接合縁121bの各々は、配線器具100を組み立てた状態において、ベース13の2つの第1接合縁135のうち対応する第1接合縁135に接する。2つの第2接合縁121bの各々は、差込溝121cを有している。各差込溝121cの形状は、2つのカバー接続壁128が並ぶ方向から見て矩形状である。2つの差込溝121cのうち一方の差込溝121cには、第1補強リブ16が差し込まれ、他方の差込溝121cには、第2補強リブ17が差し込まれる。本実施形態に係る配線器具100は、第1補強リブ16、第2補強リブ17、及びこれらが差し込まれる2つの差込溝121cを備えているため、一対の突壁部14,15の構造強度を向上させることが可能であるとともに、ハウジング1の外観を向上させることも可能である。
【0033】
複数の第1押さえリブ122及び複数の第2押さえリブ123は、
図4に示すように、第1カバー側壁126及び第2カバー側壁127の内表面に形成されている。さらに、複数の第2押さえリブ123の各々は、差込方向D1に沿ってボディ11側に突出しており、先端部が第2接合縁121bよりもボディ11側に位置している。複数の第2押さえリブ123は、配線器具100を組み立てた状態において、後述する第3モジュール4の第3基板41に接している(
図11参照)。
【0034】
より具体的には、複数の第1押さえリブ122及び複数の第2押さえリブ123の各々は、差込方向D1における一端がカバー本体121の頂壁129につながっており、差込方向D1に沿って延びた棒状に形成されている。さらに、複数の第2押さえリブ123は、上述したように、先端部がカバー本体121の第2接合縁121bよりもボディ11側に突出している。
【0035】
複数の静電気防止リブ124は、
図4に示すように、第1カバー側壁126の内表面に形成されている。複数の静電気防止リブ124の各々は、差込方向D1における一端がカバー本体121の頂壁129につながっており、差込方向D1に沿ってボディ11側に突出している。また、複数の静電気防止リブ124の各々は、先端部がカバー本体121の第2接合縁121bよりもボディ11側に突出している。複数の静電気防止リブ124の各々は、
図6に示すように、配線器具100を組み立てた状態において、ボディ11の第1ボディ側壁131に設けられた収容溝131aに収容される。
【0036】
本実施形態に係る配線器具100では、静電気防止リブ124と収容溝131aとを設けることにより、第1ボディ側壁131と第1カバー側壁126との接合箇所において、第1ボディ側壁131の最も高い部分と静電気防止リブ124の最も低い部分とが面一にならないようにすることが可能となる。これにより、第1ボディ側壁131と第1カバー側壁126との間で静電気を伝わりにくくすることが可能となる。その結果、配線器具100内にある電子部品への静電気の影響を低減することが可能となる。また、配線器具100を組み立てる際に、静電気防止リブ124の位置と収容溝131aの位置とを合わせる必要があり、ポカヨケの効果も期待できる。
【0037】
一対の組立片125は、
図3及び
図4に示すように、第1カバー側壁126及び第2カバー側壁127におけるボディ11側の端縁からボディ11側に突出している。一対の組立片125の各々の形状は、第1カバー側壁126と第2カバー側壁127とが並ぶ方向から見て矩形状である。一対の組立片125の各々は、2つの組立孔125aを有している。
【0038】
一方、ベース13の第1ボディ側壁131及び第2ボディ側壁132の各々には、
図3及び
図4に示すように、一対の組立片125のうち対応する組立片125に設けられた2つの組立孔125aに嵌まり込む2つの突起19が設けられている。そして、配線器具100を組み立てた状態では、各組立片125の2つの組立孔125aに、対応する2つの突起19が嵌まり込むことにより、カバー12とボディ11とを一体的に結合させることが可能となる(
図1参照)。
【0039】
(2.2)第1モジュール
第1モジュール2は、
図2及び
図3に示すように、第1基板21と、第1内側端子22と、を備えている。第1基板21は、例えば、ガラス・エポキシ樹脂からなるプリント配線板である。第1基板21の形状は、差込方向D1から見て一方向に長い矩形状である。第1基板21は、第1面211、及び第1面211とは反対側の第2面212を有している。第1基板21は、第1基板21の法線方向(第1面211と第2面212とが並ぶ方向)が差込方向D1に沿うように収容空間10内に収容されている。すなわち、第1基板21の法線方向は、第1内側端子22に対する第1外側端子301の差込方向D1に沿う方向である。第1基板21は、第1支持部111(一対の突壁部14,15)により支持されている。したがって、第1基板21は、配線器具100を組み立てた状態では、カバー12のカバー本体121内に収納される。つまり、カバー12は、第1基板21を収納する第1収納部120(
図4参照)を有している。
【0040】
第1内側端子22は、上述したように、例えば、USBソケット22である。第1内側端子22は、第1基板21の第1面211に実装されている。第1内側端子22は、配線器具100を組み立てた状態において、カバー12の挿通孔121aに臨んでいる。したがって、USBケーブル300の第1外側端子301を、挿通孔121aを通して第1内側端子22に接続することが可能となる。
【0041】
第1基板21は、一対の突片213を更に有している。一対の突片213は、第1基板21の長手方向の両端に設けられている。第1基板21は、一対の突壁部14,15に設けられた一対の係合溝18に一対の突片213が嵌まり込むことにより、差込方向D1と直交する平面内において位置決めされる。また、配線器具100を組み立てた状態において、カバー12に設けられた複数の第1押さえリブ122が第1基板21の第1面211に接しており(
図7及び
図8参照)、第1支持部111(一対の突壁部14,15)と複数の押さえリブ122とで、差込方向D1において第1基板21が位置決めされる。
【0042】
また、第1基板21には、
図7に示すように、複数の凹部214が設けられている。配線器具100を組み立てた状態では、カバー12に設けられた複数の第2押さえリブ123が複数の凹部214に差し込まれる。これにより、第1基板21は、差込方向D1と直交する平面内において位置決めされる。
【0043】
また、第1基板21の第1面211には、
図2及び
図3に示すように、複数のコンデンサ23が実装されている。さらに、第1基板21の第2面212には、識別IC24が実装されている。すなわち、識別IC24は、第1内側端子22が実装されている第1面211とは反対側の第2面212に実装されている。識別IC24は、第1内側端子22及び第1外側端子301を介して電気的に接続される電気機器200の充電仕様を識別する。より具体的には、識別IC24は、USBケーブル300を介して電気的に接続された電気機器200から識別情報を取得し、この識別情報に基づいて電気機器200が急速充電に対応可能な機器であるか否かを識別する。本実施形態では、識別情報は、電気機器200が急速充電に対応可能な機器であるか否かを示す情報を含む。識別IC24は、電気機器200が急速充電に対応可能な機器であれば、電気機器200が備えるバッテリを、例えば、DC5V、2.4A(12W)で充電する。また、識別IC24は、電気機器200が急速充電に非対応であれば、電気機器200が備えるバッテリを、例えば、DC5V、1A(5W)で充電する。なお、第1基板21の第1面211に実装されている第1内側端子22と複数のコンデンサ23の位置関係については、「(4)第1内側端子とコンデンサの位置関係」の欄で説明する。
【0044】
(2.3)第2モジュール
第2モジュール3は、
図3に示すように、第2基板31を備えている。第2基板31は、第1基板21と同様、例えば、ガラス・エポキシ樹脂からなるプリント配線板である。第2基板31は、第1部分311と、第2部分312と、を含む。第1部分311の形状は、差込方向D1と交差する方向(第2基板31の法線方向)から見て差込方向D1に長い矩形状である。第2部分312の形状は、第2基板31の法線方向から見て第1部分311の幅方向に沿って長い矩形状である。したがって、第2基板31の形状は、第2基板31の法線方向から見てL字状である。
【0045】
第2基板31は、第1モジュール2の第1基板21に電気的に接続されている。より具体的には、第2基板31は、接続端子(図示せず)を介して第1基板21に電気的に接続されている。第2基板31は、第2基板31の法線方向が第1基板21の法線方向と直交(交差)するように収容空間10内に収容されている。すなわち、第2基板31の法線方向は、差込方向D1と交差する方向である。第2基板31は、第1部分311がガイド部141に沿ってベース13内に案内されることにより収容空間10内に収容される。第2基板31は、収容空間10内に収容された状態では、第1部分311が収納部137内に位置し、第2部分312が収納部138内に位置している。また、第2基板31は、収容空間10内に収容された状態では、ベース13の第1ボディ側壁131に沿って配置されている。
【0046】
本開示において「直交」は、厳密に90度で交わる状態だけでなく、ある程度の誤差の範囲内で略直交する状態も含む意味である。つまり、第1基板21と第2基板31との間の角度は、90度に対してある程度の誤差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。本実施形態では一例として、第1基板21と第2基板31との間の角度は90度である。
【0047】
第2基板31は、ベース13の第1ボディ接続壁133に設けられた位置決め溝139、及び仕切り壁136に設けられた位置決め溝139に対して、第2基板31の第1部分311の端縁がそれぞれ差し込まれることにより、ベース13に対して位置決めされる。ここにおいて、一対の位置決め溝139の各々の幅は、一対の位置決め溝139に対して第2基板31を差し込みやすいように、第2基板31の厚さよりも大きくなっている(
図9参照)。
【0048】
また、第2基板31の第1部分311には、第1電力を第2電力に変換する電力変換回路32が実装されている。本実施形態では、電力変換回路32は、AC/DCコンバータを含み、ケーブル400(
図1参照)を介して供給される交流電力(第1電力)を直流電力(第2電力)に変換する。電力変換回路32は、複数のコンデンサ321と、コイル322と、を含んでいる。複数のコンデンサ321及びコイル322は、差込方向D1においてコイル322がカバー12側、複数のコンデンサ321がボディ11側となるように、第2基板31の第1部分311に実装されている。なお、識別IC24とコイル322の位置関係については、「(5)識別ICとコイルの位置関係」の欄で説明する。
【0049】
(2.4)第3モジュール
第3モジュール4は、
図3に示すように、第3基板41と、一対の第2内側端子42と、を備えている。第3基板41は、第1基板21と同様、例えば、ガラス・エポキシ樹脂からなるプリント配線板である。第3基板41の形状は、差込方向D1から見て矩形状である。第3基板41は、第2モジュール3の第2基板31に電気的に接続されている。より具体的には、第3基板41は、接続部材6を介して第2基板31に電気的に接続されている。接続部材6は、一対のリード線61,62を含んでいる。すなわち、接続部材6は、導電性を有し、かつ可撓性を有する部材である。要するに、第2基板31と第3基板41とは、導電性を有し、かつ可撓性を有する接続部材6を介して電気的に接続されている。
【0050】
上述したように、第1基板21と第2基板31とは接続端子(図示せず)により接続されている。そのため、第1内側端子22に第1外側端子301を接続する際に第1基板21に加えられる応力が第2基板31に伝達される可能性がある。一方で、第2基板31と第3基板41とは可撓性を有する接続部材6により接続されており、接続部材6が変形することにより第2基板31に伝達された応力を吸収できるため、第3基板41への応力の影響を低減することが可能となる。
【0051】
第3基板41は、第2支持部112の仕切り壁136により支持されており、ベース13の収納部138内に収納されている。第3基板41の法線方向は、差込方向D1に沿った方向である。すなわち、第3基板41の法線方向は、第1基板21の法線方向と同じ方向である。
【0052】
第3基板41は、
図10に示すように、第2支持部112により下側から支持されている。また、第3基板41は、
図11及び
図12に示すように、複数の第2押さえリブ123により上側から押されている。このように、第3基板41は、第2支持部112及び複数の第2押さえリブ123により差込方向D1において位置決めされる。
【0053】
本実施形態では、
図10に示すように、第2モジュール3の第2基板31の第2部分312が仕切り壁136を越えて第3基板41側に延びており、差込方向D1において第1基板21と第3基板41との間に位置している。
【0054】
一対の第2内側端子42は、第1内側端子22とは異なる端子である。一対の第2内側端子42は、第3基板41に実装されている。一対の第2内側端子42の各々は、例えば、銅合金からなる板金を曲げ加工することによりU字状に形成された端子金具である。一対の第2内側端子42は、一対の第2外側端子401が接続されるように構成されている。一対の第2外側端子401は、第1外側端子301とは異なる端子である。一対の第2外側端子401の各々は、例えば、ケーブル400の芯線である。本実施形態に係る配線器具100では、一対の第2内側端子42の各々に対して一対の第2外側端子401のうち対応する第2外側端子401を差し込むことにより、第2内側端子42と第2外側端子401とを接続することが可能となる。
【0055】
第3モジュール4は、解除釦43を更に備えている(
図14参照)。解除釦43は、一対の第2内側端子42と一対の第2外側端子401との接続を解除するための釦である。すなわち、一対の第2内側端子42と一対の第2外側端子401とが接続されている状態で解除釦43を操作することにより、一対の第2内側端子42から一対の第2外側端子401を取り外すことが可能となる。
【0056】
(2.5)絶縁部材
本実施形態に係る配線器具100は、
図3に示すように、複数の絶縁部材5,7,8を更に備えている。
【0057】
絶縁部材5は、例えば、ポリカーボネート(polycarbonate)により形成された絶縁シートである。絶縁部材5は、差込方向D1と交差する方向から見た形状がL字状である。絶縁部材5は、
図13Aに示すように、第1部分51と、第2部分52と、を含んでいる。第1部分51は、第1基板21の第1面211に対して直交するように配置されている。また、第1部分51は、配線器具100を組み立てた状態において、第1基板21の第1面211に実装されている複数の電子部品(第1内側端子22を含む)とカバー12の第1カバー側壁126との間に配置されている。第1部分51は、複数の電子部品に対する外部からの静電気、雷サージ等を抑制する。第2部分52は、第1基板21の第2面212と平行になるように配置されている。また、第2部分52は、配線器具100を組み立てた状態において、第1基板21の第2面212に実装されている識別IC24と、第2基板31に実装されているコイル322と、の間に配置されている(
図14参照)。第2部分52は、識別IC24に対するコイル322からのノイズを抑制(低減)する。
【0058】
絶縁部材7は、絶縁部材5と同様、例えば、ポリカーボネートにより形成された絶縁シートである。絶縁部材7は、差込方向D1と交差する方向から見た形状がU字状である。絶縁部材7は、配線器具100を組み立てた状態において第1基板21と第3基板41との間に配置されている。絶縁部材7は、第3基板41に対する外部からの静電気、雷サージ等を抑制する。
【0059】
絶縁部材8は、絶縁部材5と同様、例えば、ポリカーボネートにより形成された絶縁シートである。絶縁部材8は、差込方向D1と交差する方向(第1基板21の法線方向)から見た形状が差込方向D1に長い矩形状である。絶縁部材8は、配線器具100を組み立てた状態において第2基板31とボディ11の第1ボディ側壁131との間に配置されている。絶縁部材8は、第2基板31に対する外部からの静電気、雷サージ等を抑制する。
【0060】
(3)配線器具の組立方法
次に、本実施形態に係る配線器具100の組立方法について説明する。
【0061】
まず、第1モジュール2の第1基板21と第2モジュール3の第2基板31とを接続端子により電気的に接続する。また、第2モジュール3の第2基板31と第3モジュール4の第3基板41とを接続部材6により電気的に接続する。この場合において、第2基板31と第3基板41との接続は、第1基板21と第2基板31とを接続する前であってもよいし、後であってもよい。
【0062】
次に、第1モジュール2、第2モジュール3及び第3モジュール4を収容空間10内に収容する。この際、突壁部14の側縁に設けられたガイド部141により第2モジュール3の第2基板31が案内されるので、ボディ11内に第2モジュール3を収納しやすい。さらに、第2モジュール3に対して第1モジュール2及び第3モジュール4を接続しているので、第1モジュール2及び第3モジュール4についてもボディ11内に収納しやすい。
【0063】
最後に、第1モジュール2、第2モジュール3及び第3モジュール4を収納させたボディ11の開口部110を塞ぐように、ボディ11にカバー12を取り付ける。このとき、カバー12の各組立片125に設けられた2つの組立孔125aに、ボディ11の対応する2つの突起19が嵌まり込む。これにより、本実施形態に係る配線器具100の組み立てが完了する。
【0064】
(4)第1内側端子とコンデンサの位置関係
次に、第1基板21の第1面211における第1内側端子22とコンデンサ23との位置関係について、
図13A及び
図13Bを参照して説明する。
【0065】
第1内側端子22は、上述したように、第1基板21の第1面211に実装されている。差込方向D1における第1内側端子22の長さは、
図13Aに示すように、L2である。一方、一の方向におけるコンデンサ23の長さは、
図13Bに示すように、L1である。ここで、一の方向におけるコンデンサ23の長さL1は、第1基板21の第1面211にコンデンサ23を実装した状態でのコンデンサ23の本体部分の長さと、第1面211から露出する端子部分の長さとの合計である(
図13B参照)。すなわち、一の方向におけるコンデンサ23の長さL1は、差込方向D1における第1内側端子22の長さL2よりも長い。したがって、コンデンサ23の一の方向が第1基板21の法線方向と平行になるように、第1基板21の第1面211にコンデンサ23を実装した場合、第1面211からのコンデンサ23の高さが、第1面211からの第1内側端子22の高さH2(
図13A参照)よりも高くなる。その結果、差込方向D1において配線器具100が大型化する可能性がある。ここにおいて、一の方向は、コンデンサ23の長手方向(
図13Bの左右方向)である。
【0066】
これに対して、本実施形態に係る配線器具100では、コンデンサ23は、
図13Aに示すように、コンデンサ23の一の方向が第1基板21の第1面211に沿うように第1基板21の第1面211に実装されている。これにより、第1面211からのコンデンサ23の高さH1は、
図13Aに示すように、第1面211からの第1内側端子22の高さH2よりも低くなる。その結果、差込方向D1における配線器具100の大型化を抑制することが可能となる。ここにおいて、第1内側端子22は、
図13Aに示すように、差込方向D1が一の方向(
図13Aの左右方向)と交差するように第1基板21の第1面211に実装されている。
【0067】
(5)識別ICとコイルの位置関係
次に、識別IC24とコイル322の位置関係について、
図14を参照して説明する。
【0068】
識別IC24は、上述したように、第1基板21の第2面212に実装されている。コイル322は、上述したように、第2基板31の第1部分311の一面(ボディ11の第2ボディ側壁132との対向面)に実装されている。さらに、第1基板21の法線方向は、差込方向D1に沿った方向であり、第2基板31の法線方向は、差込方向D1と交差する方向(一例として、ベース13の第1ボディ接続壁133に沿う方向)である。すなわち、第1基板21と第2基板31とは、
図14に示すように、第1基板21の法線方向と第2基板31の法線方向とが交差するように配置されている。
【0069】
コイル322は、
図14に示すように、差込方向D1において、第1基板21に対して第2面212側に配置されている。また、本実施形態に係る配線器具100では、
図14に示すように、識別IC24とコイル322とが差込方向D1に並んでいる。そのため、コイル322にて発生するノイズが識別IC24に影響を与える可能性があるが、本実施形態では、識別IC24とコイル322との間に絶縁部材5が設けられているため、識別IC24へのノイズの影響を低減することが可能となる。すなわち、本実施形態に係る配線器具100は、絶縁部材5を更に備えている。絶縁部材5は、差込方向D1において識別IC24とコイル322との間に配置されており、識別IC24とコイル322とを電気的に絶縁する。
【0070】
(6)効果
本実施形態に係る配線器具100は、上述したように、第1内側端子(内側端子)22と、第1基板21と、第2基板31と、識別IC24と、を備える。第1内側端子22は、差込式の第1外側端子(外側端子)301が接続される。第1基板21は、第1面211及び第1面211とは反対側の第2面212を有し、第1内側端子22が第1面211に実装されている。第2基板31は、第1基板21に電気的に接続されており、第1電力を第2電力に変換する電力変換回路32が実装されている。識別IC24は、第2面212に実装されており、第1内側端子22及び第1外側端子301を介して電気的に接続される電気機器200の充電仕様を識別する。
【0071】
本実施形態に係る配線器具100では、識別IC24が第1基板21の第2面212に実装されている。そのため、識別IC24が第1基板21の第1面211に実装されている場合に比べて、第1面211における電子部品の配置の自由度を向上させることが可能となる。これにより、
図2及び
図3に示すように、第1基板21の第1面211に対してコンデンサ23を横向き(コンデンサ23の長手方向(一の方向)が第1面211に沿う向き)に実装することが可能となり、コンデンサ23の低背化が可能となる。
【0072】
さらに、コンデンサ23のような背の高い電子部品を第1基板21の第2面212に実装した場合には、コンデンサ23とコイル322との干渉を避けるために、差込方向D1において第1基板21と第2基板31との間隔を大きくする必要がある。これに対して、本実施形態のように、コンデンサ23のような背の高い電子部品を第1基板21の第1面211に実装することにより、差込方向D1において第1基板21と第2基板31との間隔を小さくすることが可能となる。
【0073】
(7)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0074】
上述の実施形態では、4つの第1押さえリブ122が設けられているが、第1押さえリブ122の個数は4つに限らず、1つ、2つ又は3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。また、上述の実施形態では、4つの第2押さえリブ123が設けられているが、第2押さえリブ123の個数は4つに限らず、1つ、2つ又は3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。さらに、上述の実施形態では、第1押さえリブ122の個数と第2押さえリブ123の個数とが同じであるが、異なっていてもよい。
【0075】
上述の実施形態では、2つの静電気防止リブ124が設けられているが、静電気防止リブ124の個数は2つに限らず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0076】
上述の実施形態では、第1内側端子22がUSBソケットであるが、これに限らない。第1内側端子22は、例えば、HDMI(登録商標、High-Definition Multimedia Interface)端子、VGA(登録商標、Video Graphics Array)端子、及びLAN(登録商標、Local Area Network)端子のいずれかであってもよい。
【0077】
上述の実施形態では、差込方向D1と交差し、かつ第2基板31の法線方向と交差する方向における両端部に位置決め溝139(保持溝)が設けられているが、これに限らない。位置決め溝139は、差込方向D1と交差し、かつ第2基板31の法線方向と交差する方向における少なくとも一端部に設けられていればよい。
【0078】
上述の実施形態では、電力変換回路32がAC/DCコンバータを含んでいるが、電力変換回路32は、例えば、DC/DCコンバータを含んでいてもよい。この場合、電力変換回路32は、ケーブル400を介して供給される第1直流電力を第2直流電力に変換する。
【0079】
上述の実施形態では、2つのコンデンサ23が第1基板21の第1面211に実装されているが、これに限らない。第1面211に実装されているコンデンサ23の個数は、例えば、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。すなわち、本実施形態に係る配線器具100は、第1面211に実装されている少なくとも1つのコンデンサ23を備えていればよい。
【0080】
上述の実施形態では、
図14に示すように、識別IC24とコイル322とが差込方向D1に並んでいるが、識別IC24とコイル322とは差込方向D1に並んでいなくてもよい。すなわち、識別IC24とコイル322とは、差込方向D1と交差する方向(
図14の左右方向)にずれていてもよい。この場合においても、識別IC24とコイル322との間に絶縁部材5を設けることにより、コイル322で発生するノイズによる識別IC24への影響を低減することが可能となる。
【0081】
上述の実施形態では、絶縁部材5の材料がポリカーボネートであるが、これに限らない。絶縁部材5の材料は、ポリカーボネートと同等の電気絶縁性能を有していればよく他の材料であってもよい。また、絶縁部材7,8についても同様である。
【0082】
上述の実施形態では、電気機器200からの識別情報が急速充電に対応可能であるか否かを示す情報を含んでいるが、識別情報は、例えば、電気機器200が配線器具100に適合するか否かを示す情報を含んでいてもよい。電気機器200が配線器具100に適合することを示す情報が識別情報に含まれている場合、配線器具100は、電気機器200に対して電力供給を行う。一方、電気機器200が配線器具100に適合しないことを示す情報が識別情報に含まれている場合、配線器具100は、電気機器200に対して電力供給を行わない。
【0083】
上述の実施形態では、接続部材6が一対のリード線61,62を含んでいるが、これに限らない。接続部材6は、導電性を有し、かつ可撓性を有していればよく、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)を含んでいてもよい。この場合においても、第1基板21から第2基板31に伝達された応力をフレキシブルプリント基板により吸収できるため、上記応力が第3基板41に伝達されることを抑制することが可能となる。
【0084】
(態様)
以上説明した実施形態及び変形例等から以下の態様が開示されている。
【0085】
第1の態様に係る配線器具(100)は、内側端子(22)と、第1基板(21)と、第2基板(31)と、識別IC(24)と、を備える。内側端子(22)は、差込式の外側端子(301)が接続される。第1基板(21)は、第1面(211)及び第1面(211)とは反対側の第2面(212)を有し、内側端子(22)が第1面(211)に実装されている。第2基板(31)は、第1基板(21)に電気的に接続されており、第1電力を第2電力に変換する電力変換回路(32)が実装されている。識別IC(24)は、第2面(212)に実装されており、内側端子(22)及び外側端子(301)を介して電気的に接続される電気機器(200)の充電仕様を識別する。
【0086】
この態様によれば、第1基板(21)の第1面(211)に識別IC(24)を実装する場合に比べて、第1面(211)における電子部品の配置の自由度を向上させることが可能となる。
【0087】
第2の態様に係る配線器具(100)は、第1の態様において、ハウジング(1)を更に備える。ハウジング(1)は、第1基板(21)及び第2基板(31)を収納する。ハウジング(1)は、ボディ(11)と、カバー(12)と、を含む。ボディ(11)は、開口部(110)を有する箱状である。カバー(12)は、開口部(110)を塞ぐようにボディ(11)に取り付けられる。ボディ(11)は、支持構造(20)を有する。支持構造(20)は、内側端子(22)に対する外側端子(301)の差込方向(D1)に沿って突出しており、差込方向(D1)において第1基板(21)を支持する。
【0088】
この態様によれば、支持構造(20)により第1基板(21)を支持することが可能となる。
【0089】
第3の態様に係る配線器具(100)では、第2の態様において、支持構造(20)は、差込方向(D1)と交差する方向において互いに対向する一対の突壁部(14,15)を含む。一対の突壁部(14,15)は、位置決め部(18)を有する。位置決め部(18)は、一対の突壁部(14,15)に対して第1基板(21)を位置決めする。
【0090】
この態様によれば、位置決め部(18)により一対の突壁部(14,15)に対して第1基板(21)を位置決めすることが可能となる。
【0091】
第4の態様に係る配線器具(100)では、第2又は第3の態様において、ボディ(11)は、保持溝(139)を有する。保持溝(139)は、差込方向(D1)と交差し、かつ第2基板(31)の法線方向と交差する方向における少なくとも一端部に設けられている。保持溝(139)は、差込方向(D1)に沿って形成されている。第2基板(31)は、差込方向(D1)と交差し、かつ第2基板(31)の法線方向と交差する方向における少なくとも一端部を保持溝(139)に差し込むことによりボディ(11)に保持される。
【0092】
この態様によれば、保持溝(139)により第2基板(31)をボディ(11)に保持させることが可能となる。
【0093】
第5の態様に係る配線器具(100)では、第2~第4の態様のいずれか1つにおいて、カバー(12)は、第1基板(21)を収納する第1収納部(120)を有する。ボディ(11)は、第2基板(31)を収納する第2収納部(137)を有する。
【0094】
この態様によれば、第1基板(21)及び第2基板(31)をハウジング(1)内に収納することが可能となる。
【0095】
第6の態様に係る配線器具(100)では、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、電力変換回路(32)は、コイル(322)を含む。コイル(322)は、内側端子(22)に対する外側端子(301)の差込方向(D1)において第1基板(21)に対して第2面(212)側に配置されている。配線器具(100)は、絶縁部材(5)を更に備える。絶縁部材(5)は、差込方向(D1)において識別IC(24)とコイル(322)との間に配置されており、識別IC(24)とコイル(322)とを電気的に絶縁する。
【0096】
この態様によれば、識別IC(24)に対するコイル(322)のノイズの影響を低減することが可能となる。
【0097】
第7の態様に係る配線器具(100)は、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、第2内側端子(42)と、第3基板(41)と、を更に備える。第2内側端子(42)は、内側端子(22)としての第1内側端子(22)とは異なる端子である。第3基板(41)には、第2内側端子(42)が実装されている。第2内側端子(42)は、第2外側端子(401)が接続されるように構成されている。第2外側端子(401)は、外側端子(301)としての第1外側端子(301)とは異なる端子である。第2基板(31)と第3基板(41)とは、導電性を有し、かつ可撓性を有する接続部材(6)を介して電気的に接続されている。
【0098】
この態様によれば、第1内側端子(22)に第1外側端子(301)を接続する際に第1基板(21)から第2基板(31)に伝わる応力を第3基板(41)に伝わりにくくすることが可能となる。
【0099】
第8の態様に係る配線器具(100)は、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、少なくとも1つのコンデンサ(23)を更に備える。コンデンサ(23)は、第1面(211)に実装されている。一の方向におけるコンデンサ(23)の長さ(L1)は、内側端子(22)に対する外側端子(301)の差込方向(D1)における内側端子(22)の長さ(L2)よりも長い。コンデンサ(23)は、一の方向が第1面(211)に沿うように第1面(211)に実装されている。内側端子(22)は、差込方向(D1)が一の方向と交差するように第1面(211)に実装されている。第1面(211)からのコンデンサ(23)の高さ(H1)は、第1面(211)からの内側端子(22)の高さ(H2)よりも低い。
【0100】
この態様によれば、一の方向が第1面(211)の法線方向と平行になるようにコンデンサ(23)を第1面(211)に実装する場合に比べて、第1基板(21)の低背化を図ることが可能となる。
【0101】
第9の態様に係る配線器具(100)では、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、第1基板(21)の法線方向は、内側端子(22)に対する外側端子(301)の差込方向(D1)に沿う方向である。第2基板(31)の法線方向は、差込方向(D1)と交差する方向である。
【0102】
この態様によれば、第2基板(31)の法線方向が差込方向(D1)に沿う方向となるように第2基板(31)を配置する場合に比べて、差込方向(D1)からの平面視で小型化を図ることが可能となる。
【0103】
第2~第9の態様に係る構成については、配線器具(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 ハウジング
5 絶縁部材
6 接続部材
11 ボディ
12 カバー
14,15 突壁部
18 係合溝(位置決め部)
20 支持構造
21 第1基板
22 第1内側端子(内側端子)
23 コンデンサ
24 識別IC
31 第2基板
32 電力変換回路
41 第3基板
42 第2内側端子
100 配線器具
110 開口部
120 第1収納部
137 収納部(第2収納部)
139 位置決め溝(保持溝)
200 電気機器
211 第1面
212 第2面
301 第1外側端子(外側端子)
322 コイル
401 第2外側端子
D1 差込方向
H1,H2 高さ
L1,L2 長さ