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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178450
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】皮膚外用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20241217BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20241217BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20241217BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20241217BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20241217BHJP
   A61Q 19/02 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
A61K8/49
A61K8/73
A61K8/81
A61K8/34
A61K8/37
A61Q19/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024170053
(22)【出願日】2024-09-30
(62)【分割の表示】P 2020008662の分割
【原出願日】2020-01-22
(31)【優先権主張番号】P 2019008809
(32)【優先日】2019-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒木 未知瑠
(72)【発明者】
【氏名】藤田 幸恵
(72)【発明者】
【氏名】升田 景子
(72)【発明者】
【氏名】桝本 愛
(57)【要約】
【課題】着色が抑制された皮膚外用組成物を提供する。
【解決手段】(A)ニコチン酸アミド3質量%以上;(B)ヒアルロン酸、その誘導体、
それらの塩、並びに、ヘパリン類似物質からなる群より選択される2種以上;及び(C)
両親媒性化合物を含有する皮膚外用組成物を調製する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ニコチン酸アミド3質量%以上;
(B)ヒアルロン酸、その誘導体、それらの塩、並びに、ヘパリン類似物質からなる群より選択される2種以上;及び
(C)両親媒性化合物
を含有する皮膚外用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用組成物に関する。より詳細には、本発明はニコチン酸アミドを含有
する皮膚外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチン酸アミドは、ビタミン類の1つであり、これまでスキンケア領域において、血
行促進、抗炎症、セラミド合成促進等の成分として使用されている成分であり、さらに美
白、抗シワ、アンチエイジングとしての効果も有することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸アミド及びパ
ントテン酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を有効成分とする美白剤が提案さ
れている。
【0004】
また、特許文献2では、(a)ニコチン酸アミドと、(b)尿素、炭素数が2~28の
α-ヒドロキシカルボン酸化合物からなる群から選ばれる一種以上とを含有することを特
徴とする皮膚老化防止化粧料が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-217629号公報
【特許文献2】特開平10-130135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ニコチン酸アミドの多様な有効性を効果的に発揮させるべく、高濃度でニコチン酸アミ
ドを配合した処方が開発されている。しかしながら、本発明者らは、成分(A)3質量%
以上のニコチン酸アミドと、成分(B)ヒアルロン酸、その誘導体、それらの塩、並びに
、ヘパリン類似物質からなる群より選択される2種以上とが共存した場合に着色が生じて
しまうという、新規な課題を見出した。
【0007】
よって、本発明は、成分(A)3質量%以上という高濃度のニコチン酸アミドを配合し
た場合であっても、着色が抑制された皮膚外用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、
(A)ニコチン酸アミド3質量%以上;及び
(B)ヒアルロン酸、その誘導体、それらの塩、並びに、ヘパリン類似物質からなる群
より選択される2種以上に加えて、(C)両親媒性化合物を含有させることにより、着色
を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、下記に掲げる皮膚外用組成物を提供する。
項1.
(A)ニコチン酸アミド3質量%以上;
(B)ヒアルロン酸、その誘導体、それらの塩、並びに、ヘパリン類似物質からなる群
より選択される2種以上;及び
(C)両親媒性化合物を含有する皮膚外用組成物。
項2.
前記(A)成分の含有量が、3~20質量%である、項1に記載の組成物。
項3.
前記(C)成分が、下記一般式(I)で表される化合物、2-メタクリロイルオキシエ
チルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、(エイコサン二酸/テトラデカン
二酸)デカグリセリル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、コハク
酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエトキシエチル、及び、炭素数5~10のアルカンジオ
ールから選ばれる1種又は2種以上である、項1又は2に記載の組成物。
【0010】
【化1】
(式中、
Zは、水素原子、又は、炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を
除去することによって得られる残基を意味し;
AOは、3~4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し;
EOは、オキシエチレン基を意味し;
BOは、4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し;
nは、1~9を意味し;
a,b及びcは、それぞれAO、EO、BOの平均付加モル数を意味し、独立して0~
200である。但し、a、b及びcが全て0になることはない。また、nが2以上の時、
複数のa、b及びcはそれぞれ同一でも異なってもよい。Zが水素原子の時はnは1であ
る。
なお、AO及びEOは、ランダムに又はブロックの形態で付加されていてよい。)
項4.
前記(C)成分が、下記一般式(II)で表される化合物、2-メタクリロイルオキシ
エチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、(エイコサン二酸/テトラデカ
ン二酸)デカグリセリル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、コハ
ク酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエトキシエチル、及び、炭素数5~10のアルカンジ
オールから選ばれる1種又は2種以上である、請求項1又は2に記載の組成物。
【0011】
【化2】
(式中、
Zは、水素原子、又は、炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を
除去することによって得られる残基を意味し;
AOは、3~4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し;
EOは、オキシエチレン基を意味し;
nは、1~9を意味し;
a及びbは、それぞれAO、EOの平均付加モル数を意味し、独立して0~200であ
る。但し、a及びbが全て0になることはない。また、nが2以上の時、複数のa、bは
それぞれ同一でも異なってもよい。Zが水素原子の時はnは1である。
なお、AO及びEOは、ランダムに又はブロックの形態で付加されていてよい。)
項5.
前記一般式(I)及び(II)において、Zが、水素原子であるか、若しくは、炭素数
4~24のアルキルモノアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリト
ール、ペンタエリスリトール、アルキルグルコシド、ジグリセリン、キシリトール、ジペ
ンタエリスリトール、ソルビトール、イノシトール、スクロース、トレハロース、又は、
マルチトールからn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる残基である、項3
又は4に記載の組成物。
項6.
前記一般式(I)及び(II)において、Zが、水素原子であるか、若しくは、炭素数
4~24のアルキルモノアルコール、グリセリン、又は、ジグリセリンからn個のヒドロ
キシ基を除去することによって得られる残基である、項3又は4に記載の組成物。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、成分(A)3質量%以上という高濃度のニコチン酸アミドと、成分(B
)ヒアルロン酸、その誘導体、それらの塩、並びに、ヘパリン類似物質からなる群より選
択される2種以上とが共存した場合であっても、着色が抑制された皮膚外用組成物を提供
することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において、含有量の単位「質量%」は、「g/100g」と同義である。
【0014】
本発明の皮膚外用組成物は、
(A)ニコチン酸アミド3質量%以上;
(B)ヒアルロン酸、その誘導体、それらの塩、並びに、ヘパリン類似物質からなる群
より選択される2種以上;及び
(C)両親媒性化合物
を含有する皮膚外用組成物である。
【0015】
[(A)ニコチン酸アミド]
本発明の皮膚外用組成物に含まれるニコチン酸アミドは、ニコチン酸(ビタミンB
ナイアシン)のアミド化合物であり、水溶性ビタミンである。ニコチン酸は、天然物から
の抽出物であっても良いし、公知の方法によって合成した物でも良い。具体的には、第1
7改正日本薬局方に収載されているものを用いることが出来る。血行促進作用や、肌荒れ
改善作用の他、メラニン生成抑制作用や美白効果が知られている。
【0016】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対する(A)成分の含有量は、他の成
分とのバランスによって適宜設定される。(A)成分の含有量は、組成物全量に対して、
美白、アンチエイジング等の有効性を十分に付与する観点から、3質量%以上であり、好
ましくは、4質量%以上、より好ましくは、5質量%以上とすることもできる。また、(
A)成分の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、20質量%以下、より好ましく
は、15質量%以下、さらに好ましくは、10質量%以下、特に好ましくは、8質量%以
下である。(A)成分の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、3質量%~20質
量%、より好ましくは、3質量%~15質量%、さらに好ましくは、3質量%~10質量
%である、さらにより好ましくは、3質量%~8質量%である。
【0017】
[(B)ヒアルロン酸、その誘導体、それらの塩、並びに、ヘパリン類似物質からなる
群より選択される2種以上]
ヒアルロン酸は、酸性ムコ多糖類の一種であり、グルクロン酸とN-アセチルグルコサ
ミンの二糖を構成単位として含む多糖類である。ヒアルロン酸は、鶏冠や、サメの皮、臍
帯、眼球、皮膚、及び軟骨などの動物組織、ストレプトコッカス属微生物等のヒアルロン
酸生産微生物、動物細胞もしくは植物細胞の培養物から抽出、回収することができる。ま
た、市販品を購入することもできる。
【0018】
上記のよう動物組織や微生物等から抽出して得られるヒアルロン酸は一般に、平均分子
量が約100万以上といわれ、極めて高分子であることが知られている。本発明には、こ
のような高分子のヒアルロン酸を用いてもよいし、高分子ヒアルロン酸を分解して得られ
る低分子ヒアルロン酸を用いてもよい。低分子ヒアルロン酸は、高分子ヒアルロン酸を塩
酸等の酸又はアルカリの存在下で加水分解する方法、ヒアルロニダーゼなどの酵素を用い
て処理する方法、又は超音波や剪断によって物理的に切断する方法、微生物により発酵さ
せる方法等によって得ることができる。また、低分子ヒアルロン酸は、市販品を購入して
使用することもできる。本発明の皮膚外用組成物では、限定されないが、好ましくは低分
子ヒアルロン酸、4糖、6糖、8糖などのヒアルロン酸オリゴ糖、D-グルクロン酸の4
位と5位に二重結合を有している不飽和型ヒアルロン酸が用いられる。
【0019】
ヒアルロン酸の平均分子量は、本発明の効果を奏する限り、特に限定されず、例えば、
約100~500万であり得る。より一層効果的に本発明の効果を奏することができると
いう観点から、本発明のヒアルロン酸の平均分子量は、好ましくは約100~70万であ
り、より好ましくは約200~60万であり、更に好ましくは約4000~50万であり
、更により好ましくは約5000~40万であり、特に好ましくは約8000~200万
である。
【0020】
低分子ヒアルロン酸を用いた場合の平均分子量は、本発明の効果を顕著に奏する観点か
ら、好ましくは、約100~35万であり、より好ましくは約100~10万であり、更
に好ましくは約200~5万であり、更により好ましくは約200~3万であり、特に好
ましくは約500~2万である。
【0021】
本明細書において、平均分子量とは、重量平均分子量を意味する。重量平均分子量は、
公知の測定方法により求めることができる。具体的には、サイズ排除クロマトグラフィー
により測定することができる。その条件は、(カラム:TSKgel GMPWXL 7
.8mm×30cm(東ソー(株)製)、カラム温度:40℃付近の一定温度、検出器:
示差屈折率計、移動相:0.2mol/L NaCl、流量:0.3mL/分、注入量:
100μL、標準物質:プルラン標準品(STANDARD P-82、昭和電工(株)
製))である。
【0022】
ヒアルロン酸の誘導体としては、薬理学的に又は生理学的に許容される限り特に制限さ
れず、例えば、水酸基がアセチル化されたアセチル化ヒアルロン酸、水酸基が硫酸化され
た硫酸化ヒアルロン酸、カチオン化されたカチオン化ヒアルロン酸、疎水化された加水分
解ヒアルロン酸(加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル等)、架橋
型ヒアルロン酸、カルボキシメチルヒアルロン酸、ヒアルロン酸アルキレングリコール、
ヒアルロン酸シラノールおよびまたはこれらの塩などを挙げることができる。ヒアルロン
酸の誘導体としては、好ましくは、アセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒドロキシプ
ロピルトリモニウム、加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル、カル
ボキシメチルヒアルロン酸、架橋型ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ジメチルシラノール、ヒ
アルロン酸プロピレングリコールおよびまたはこれらの塩が用いられる。さらに好ましく
はアセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、架橋型ヒア
ルロン酸、ヒアルロン酸ジメチルシラノール、ヒアルロン酸プロピレングリコールおよび
またはこれらの塩が用いられる。
【0023】
ヒアルロン酸又はその誘導体の塩もまた、薬理学的に又は生理学的に許容される限り特
に制限されず、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネ
シウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウムなどの金属との塩、アンモニウム塩
、塩基性アミノ酸塩、トリエタノールアミンのようなアミン塩等などを挙げることができ
る。好ましくは、ヒアルロン酸又はその誘導体の塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、
亜鉛塩が用いられる。具体的なヒアルロン酸又はその誘導体の塩としては、例えば、ヒア
ルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸カルシウム、ヒアルロン酸マ
グネシウム、ヒアルロン酸亜鉛、ヒアルロン酸アンモニウム、ヒアルロン酸モノエタノー
ルアミン、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸カリウム、アセ
チル化ヒアルロン酸カルシウム、アセチル化ヒアルロン酸マグネシウム、アセチル化ヒア
ルロン酸亜鉛、アセチル化ヒアルロン酸アンモニウム、ヒアルロン酸クロスポリマーナト
リウム、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム等が挙げられる。
【0024】
本発明の皮膚外用組成物において、ヒアルロン酸、その誘導体、それらの塩、並びに、
ヘパリン類似物質からなる群より選択される2種以上が組み合わせて使用される。成分(
A)3質量%以上のニコチン酸アミドと、成分(B)ヒアルロン酸、その誘導体、それら
の塩、並びに、ヘパリン類似物質からなる群より選択される2種以上とを共に配合した場
合に着色が生じてしまうが、更に(C)両親媒性化合物を含有させることにより、着色が
抑制される。本発明の皮膚外用組成物は、ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸、加水
分解ヒアルロン酸、カチオン化ヒアルロン酸、架橋型ヒアルロン酸、並びに、ヘパリン類
似物質からなる群より選択される少なくとも2種以上を含有することが好ましい。
【0025】
本発明に用いるヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩は、市販のものを用いるこ
とができる。例えば、ヒアルロン酸としては、商品名「ヒアルロン酸ナトリウムHA12
N」(資生堂株式会社)平均分子量110~160万、商品名「ヒアルロン酸FCH-1
50」(キッコーマンバイオケミファ株式会社)平均分子量140~180万、商品名「
バイオヒアルロン酸ナトリウムSZE](資生堂株式会社)平均分子量110~160万
、商品名「ヒアルロン酸FCH-120」(キッコーマンバイオケミファ株式会社)平均
分子量100~140万、商品名「ヒアルロンサンHA-LQ」(キユーピー株式会社)
平均分子量85~160万、商品名「ヒアルロン酸FCH-80」(キッコーマンバイオ
ケミファ株式会社)平均分子量60~100万、商品名「ヒアルロン酸FCH-60」(
キッコーマンバイオケミファ株式会社)平均分子量50~70万、商品名「ヒアルロン酸
FCH-SU」(キッコーマンバイオケミファ株式会社)平均分子量5~11万、商品名
「ヒアルロン酸(L)」(株式会社FAPジャパン)平均分子量5万以下、商品名「ヒア
ロオリゴ」(キユーピー株式会社)平均分子量1万以下、商品名「ヒアルロン酸(SL)
」(株式会社FAPジャパン)平均分子量1万以下、商品名「マイクロヒアルロン酸FC
H」(キッコーマンバイオケミファ株式会社)平均分子量5000以下)等を挙げること
ができる。ヒアルロン酸の誘導体としては、商品名「アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム
」(資生堂株式会社)平均分子量1~10万、商品名「ヒアロベール」(キユーピー株式
会社)平均分子量50~80万、商品名「ヒアロリペア」(キユーピー株式会社)平均分
子量1万以下、商品名「ヒアルジョン」(キッコーマンバイオケミファ株式会社)、商品
名「ヒアロキャッチ」(キユーピー株式会社)平均分子量80万~120万、商品名「ヒ
アルケージシステム」(I.R.Asrl)、商品名「D.S.H.CN6」(EXSY
MOL S.A.M)等の市販品が例示できる。
【0026】
ヘパリン類似物質は、コンドロイチン多硫酸等の多硫酸化ムコ多糖の総称を意味し、ム
コ多糖を構成する単糖1分子当たり平均0.5~5分子、好ましくは平均0.6~3分子
の硫酸基を有するのが好ましい。より具体的には、ヘパリン類似物質は、ヘパリン、コン
ドロイチンポリ硫酸と呼ばれるコンドロイチン硫酸Dやコンドロイチン硫酸E等を含有す
る。
【0027】
ヘパリン類似物質は、ムコ多糖を硫酸化することにより得ることもできるし、ウシ、ブ
タ等の動物の気管支を含む内臓より水性担体を用いて抽出・精製したり、その後必要に応
じて硫酸化することによっても得ることもできる。このようなヘパリン類似物質は、医薬
化粧品原料として開発されているため、このような市販品を利用することもできる。
【0028】
本発明の皮膚外用組成物において、ヘパリン類似物質としては、日本薬局方外医薬品規
格に収戴されているものが好適に使用される。
【0029】
本発明の皮膚外用組成物において、(B)成分の組み合わせとしては、ヒアルロン酸、
その誘導体、及びそれらの塩の2種以上のうち、アセチル化ヒアルロン酸、カチオン化ヒ
アルロン酸、架橋型ヒアルロン酸又はそれらのいずれかの塩が含まれることが好ましく、
少なくともヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸
クロスポリマーナトリウム、若しくは、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムが
含まれるか、又は、少なくともアセチル化ヒアルロン酸ナトリウムが含まれ、且つヘパリ
ン類似物質と組み合わされることがさらに好ましく、少なくともヒアルロン酸ナトリウム
、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸クロスポリマーナトリウム、若しく
は、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムが含まれ、且つヘパリン類似物質と組
み合わされることが特に好ましい。
中でも、(B)成分の組み合わせとしては、アセチル化ヒアルロン酸とヒアルロン酸ナ
トリウム、アセチル化ヒアルロン酸とヒアルロン酸亜鉛、アセチル化ヒアルロン酸と低分
子ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸と低分子ヒアルロン酸亜鉛、アセチル化ヒアル
ロン酸とヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、アセチル化ヒアルロン酸と加水
分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル、アセチル化ヒアルロン酸とカル
ボキシメチルヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸と架橋型ヒアルロン酸、アセチル化
ヒアルロン酸とヒアルロン酸ジメチルシラノール、アセチル化ヒアルロン酸とヒアルロン
酸プロピレングリコール、および、アセチル化ヒアルロン酸とヘパリン類似物質の組み合
わせが好ましく、
アセチル化ヒアルロン酸とヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸とヒアル
ロン酸亜鉛、アセチル化ヒアルロン酸と低分子ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸と
低分子ヒアルロン酸亜鉛、アセチル化ヒアルロン酸とヒアルロン酸ヒドロキシプロピルト
リモニウム、アセチル化ヒアルロン酸とヒアルロン酸ジメチルシラノール、アセチル化ヒ
アルロン酸とヒアルロン酸プロピレングリコールおよびアセチル化ヒアルロン酸とヘパリ
ン類似物質の組み合わせがより好ましく、
アセチル化ヒアルロン酸とヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸と低分子
ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸とヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム
、およびアセチル化ヒアルロン酸とヘパリン類似物質の組み合わせを含むことがさらに好
ましい。
また、別の実施態様における(B)成分の組み合わせとしては、ヒアルロン酸クロスポ
リマーナトリウムとヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸クロスポリマーナトリウムと
ヒアルロン酸亜鉛、ヒアルロン酸クロスポリマーナトリウムと低分子ヒアルロン酸、ヒア
ルロン酸クロスポリマーナトリウムと低分子ヒアルロン酸亜鉛、ヒアルロン酸クロスポリ
マーナトリウムとヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、ヒアルロン酸クロスポ
リマーナトリウムと加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル、ヒアル
ロン酸クロスポリマーナトリウムとカルボキシメチルヒアルロン酸、ヒアルロン酸クロス
ポリマーナトリウムとヒアルロン酸ジメチルシラノール、ヒアルロン酸クロスポリマーナ
トリウムとヒアルロン酸プロピレングリコール、および、ヒアルロン酸クロスポリマーナ
トリウムとヘパリン類似物質の組み合わせが好ましい。
また、別の実施態様における(B)成分の組み合わせとしては、ヒアルロン酸ヒドロキ
シプロピルトリモニウムとヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルト
リモニウムとヒアルロン酸亜鉛、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムと低分子
ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムと低分子ヒアルロン酸亜鉛
、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムと架橋型ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒ
ドロキシプロピルトリモニウムと加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセ
リル、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムとカルボキシメチルヒアルロン酸、
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムとヒアルロン酸ジメチルシラノール、ヒア
ルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムとヒアルロン酸プロピレングリコール、および
、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムとヘパリン類似物質の組み合わせが好ま
しい。
また3種以上の組み合わせとしては、少なくともアセチル化ヒアルロン酸とヒアルロン
酸ナトリウムの2種、または、少なくともアセチル化ヒアルロン酸と低分子ヒアルロン酸
の2種、または、少なくともアセチル化ヒアルロン酸とヒアルロン酸ヒドロキシプロピル
トリモニウムの2種、または、少なくともアセチル化ヒアルロン酸とヒアルロン酸クロス
ポリマーナトリウムの2種、または、少なくともアセチル化ヒアルロン酸とヘパリン類似
物質の2種、または、少なくともヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムとヒアル
ロン酸ナトリウムの2種、または、少なくともヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニ
ウムと低分子ヒアルロン酸の2種、または、少なくともヒアルロン酸クロスポリマーナト
リウムとヒアルロン酸ナトリウムの2種、または、少なくともヒアルロン酸クロスポリマ
ーナトリウムと低分子ヒアルロン酸の2種を含む3種以上の組み合わせが好ましく、
アセチル化ヒアルロン酸とヒアルロン酸ナトリウムと低分子ヒアルロン酸、アセチル化
ヒアルロン酸とヒアルロン酸ナトリウムとヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム
、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムとヒアルロン酸ナトリウムと低分子ヒア
ルロン酸、ヒアルロン酸クロスポリマーナトリウムとヒアルロン酸ナトリウムと低分子ヒ
アルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸とヒアルロン酸ナトリウムとヘパリン類似物質、ヒ
アルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムとヒアルロン酸ナトリウムとヘパリン類似物
質、ヒアルロン酸クロスポリマーナトリウムとヒアルロン酸ナトリウムとヘパリン類似物
質、アセチル化ヒアルロン酸と低分子ヒアルロン酸とヒアルロン酸ヒドロキシプロピルト
リモニウム、アセチル化ヒアルロン酸と低分子ヒアルロン酸とヘパリン類似物質、ヒアル
ロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムと低分子ヒアルロン酸とヘパリン類似物質、また
は、ヒアルロン酸クロスポリマーナトリウムと低分子ヒアルロン酸とヘパリン類似物質の
組み合わせを含むことがより好ましい。
【0030】
本発明の皮膚外用組成物において、(B)成分の総含有量は、特に限定されず、他の配
合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、組成
物全量に対して、好ましくは、0.0001質量%以上、より好ましくは、0.0005
質量%以上、さらに好ましくは、0.001質量%以上、さらにより好ましくは、0.0
01質量%以上、特に好ましくは、0.001質量%以上である。
(B)成分の総含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、5質量%以下、より好ま
しくは、3質量%以下、さらに好ましくは、2質量%以下、さらにより好ましくは、1質
量%以下、特に好ましくは、0.5質量%以下である。
(B)成分の総含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.0001~5質量%
、より好ましくは0.0005~3質量%、さらに好ましくは0.001~2質量%、さ
らにより好ましくは、0.001~1質量%、特に好ましくは、0.001~0.5質量
%である。
【0031】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対する(B)成分の総含有量の比率は
特に限定されないが、(A)成分1質量部に対して、(B)成分が、好ましくは0.00
001~2質量部、より好ましくは0.0005~1質量部、さらに好ましくは0.00
1~0.1質量部である。
【0032】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対するヒアルロン酸、その誘導体、及
びそれらの塩の単独の総含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。
ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩の単独の総含有量は、組成物全量に対して
、好ましくは、0.00001質量%以上、より好ましくは、0.0001質量%以上、
さらに好ましくは、0.001質量%以上である。
ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩の単独の総含有量は、組成物全量に対して
、好ましくは、2質量%以下、より好ましくは、1質量%以下、さらに好ましくは、0.
5質量%以下である。
ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩の単独の総含有量は、組成物全量に対して
、好ましくは、0.00001~2質量%、より好ましくは、0.0001~1質量%、
さらに好ましくは、0.001~0.5質量%ある。
【0033】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対するヘパリン類似物質の単独の含有
量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。
ヘパリン類似物質の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.005質量%以
上、より好ましくは、0.001質量%以上、さらに好ましくは、0.01質量%以上、
特に好ましくは、0.1質量%以上である。
ヘパリン類似物質の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、10質量%以下、よ
り好ましくは、5質量%以下、さらに好ましくは、1質量%以下、特に好ましくは、0.
5質量%以下である。
ヘパリン類似物質の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.005~10質
量%、より好ましくは、0.001~5質量%、さらに好ましくは、0.01~1質量%
、特に好ましくは、0.1~1質量%である。
【0034】
[(C)両親媒性成分]
両親媒性成分とは、一つの分子内に親水基と疎水基(親油基)の両方が存在し、その結
果、水相と油相(有機相)のいずれにも親和性がある化合物全般を指す。
【0035】
このような両親媒性成分としては、特に限定されないが、例えば、アルキレンオキシド
誘導体、ホスホリルコリン含有重合体、二価カルボン酸エステル、炭素数5~10のアル
カンジオール、ヒドロキシエチルウレア等が挙げられる。本発明の(C)成分としては、
これらの化合物のいずれか単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。(C
)成分を、(A)成分及び(B)成分とともに配合させることにより、高濃度のニコチン
酸アミドを配合した場合であっても、着色が抑制された皮膚外用組成物を提供することが
可能となる。
【0036】
(C)成分は、好ましくは、下記一般式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体、
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、(エ
イコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエ
トキシジグリコール、コハク酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエトキシエチル、及び、炭
素数5~10のアルカンジオールから選ばれる1種又は2種以上である。
【0037】
【化3】
(式中、
Zは、水素原子、又は、炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を
除去することによって得られる残基を意味し;
AOは、3~4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し;
EOは、オキシエチレン基を意味し;
BOは、4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し;
nは、1~9を意味し;
a,b及びcは、それぞれAO、EO、BOの平均付加モル数を意味し、独立して0~
200である。但し、a、b及びcが全て0になることはない。また、nが2以上の時、
複数のa、b及びcはそれぞれ同一でも異なってもよい。Zが水素原子の時はnは1であ
る。
なお、AO及びEOは、ランダムに又はブロックの形態で付加されていてよい。)
【0038】
着色が抑制された皮膚外用組成物を提供する観点から、前記アルキレンオキシド誘導体
としては、下記一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
【0039】
【化4】
(式中、
Zは、水素原子、又は、炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を
除去することによって得られる残基を意味し;
AOは、3~4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し;
EOは、オキシエチレン基を意味し;
nは、1~9を意味し;
a及びbは、それぞれAO、EOの平均付加モル数を意味し、独立して0~200であ
る。但し、a及びbが全て0になることはない。また、nが2以上の時、複数のa、bは
それぞれ同一でも異なってもよい。Zが水素原子の時はnは1である。
なお、AO及びEOは、ランダムに又はブロックの形態で付加されていてよい。)
【0040】
本発明に使用されるアルキレンオキシド誘導体は、特定のアルキレングリコールの重合
体(Zが水素原子の場合)か、あるいは特定のヒドロキシ化合物(Zに対応)に特定のア
ルキレンオキシド基(一般式(I)及び(II)におけるZを除く部分に対応)を付加し
てなる化合物(Zが炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を除去す
ることによって得られる基である場合)である。
【0041】
本発明に使用されるアルキレンオキシド誘導体において、着色が抑制された皮膚外用組
成物を提供する観点から、AOは炭素数3~4のオキシアルキレン基であり、例として、
オキシプロピレン基、オキシブチレン基(オキシn-ブチレン基、オキシイソブチレン基
、オキシt-ブチレン基)、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基等が挙げら
れる。AOは、好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、さらに好ましくは
オキシプロピレン基である。
【0042】
本発明に使用されるアルキレンオキシド誘導体において、BOは炭素数4のオキシアル
キレン基であり、例としてはオキシブチレン基(オキシn-ブチレン基、オキシイソブチ
レン基、オキシt-ブチレン基)、オキシテトラメチレン基等が挙げられる。好ましくは
オキシブチレン基である。
【0043】
本発明に使用されるアルキレンオキシド誘導体において、a,b,cは、それぞれ独立
して0~200である。a,bは、それぞれ独立して、好ましくは、1~100であり、
より好ましくは、2~70であり、さらに好ましくは、2~50であり、特に好ましくは
2~20である。cは、好ましくは、2~150である。また、別の実施態様において、
cは、好ましくは、0.5~100であり、より好ましくは、0.8~50であり、更に
好ましくは、1~30である。
【0044】
化学式(I)において、AO、EO、BOの各モノマー単位の合計数であるa+b+c
は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、
更に好ましくは10以上である。また、a+b+cは、本発明の効果を顕著に奏する観点
から、好ましくは400以下、より好ましくは300以下、更に好ましくは250以下、
特に好ましくは200以下である。
【0045】
化学式(II)において、AO、EOの各モノマー単位の合計数であるa+bは、本発
明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ま
しくは10以上である。また、a+bは、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好まし
くは300以下、より好ましくは250以下、更に好ましくは200以下、特に好ましく
は150以下である。
【0046】
前記式(I)及び(II)において、着色が抑制された皮膚外用組成物を提供する観点
から、Zは、水素原子であるか、若しくは、炭素数4~24のアルキルモノアルコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アルキ
ルグルコシド、ジグリセリン、キシリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、
イノシトール、スクロース、トレハロース、又は、マルチトールからn個のヒドロキシ基
を除去することによって得られる残基である、すなわちこれらのアルコール化合物に由来
する残基であることが好ましく、水素原子であるか、若しくは、炭素数4~24のアルキ
ルモノアルコール、グリセリン(アルキレンオキシド基が付加され得るヒドロキシ基は3
個)、炭素数1~24のアルキルグルコシド(アルキレンオキシド基が付加され得るヒド
ロキシ基は4個)、ジグリセリン(アルキレンオキシド基が付加され得るヒドロキシ基は
4個)又はソルビトール(アルキレンオキシド基が付加され得るヒドロキシ基は6個)か
らn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる残基であることがより好ましく、
水素原子であるか、若しくは、炭素数4~24のアルキルモノアルコール、グリセリン、
ジグリセリンからn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる残基であることが
さらに好ましく、炭素数4~24のアルキルモノアルコール、グリセリン、ジグリセリン
からn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる残基であることがさらに好まし
い。
【0047】
化学式(I)又は(II)において、Zが炭素数4~24のアルキルモノアルコールの
場合は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、中でもブチルアルコール、テトラデシル
テトラアルコール、セタノール、ステアリルアルコールが好ましく、ブチルアルコール、
テトラデシルテトラアルコールが特に好ましい。
【0048】
化学式(I)又は(II)において、Zがアルキルグルコシドの場合は、本発明の効果
を顕著に奏する観点から、中でも炭素数1~24のアルキルグルコシドが好ましく、炭素
数1~16のアルキルグルコシドがより好ましく、炭素数1~10のアルキルグルコシド
がさらにより好ましく、炭素数1~5のアルキルグルコシドが特に好ましい。
【0049】
このようなアルキレンオキシド誘導体は、公知の方法で合成することができる。例えば
、炭素数1~30のヒドロキシ化合物に、エチレンオキシド、及び、炭素数3~4のアル
キレンオキシドを付加重合した後に、炭素数4のアルキレンオキシドを反応させることに
よって得られる。なお、炭素数1~30のヒドロキシ化合物にエチレンオキシド、及び、
炭素数3~4のアルキレンオキシドを付加重合する段階においては、エチレンオキシドと
アルキレンオキシドとをランダム重合してもよく、又は、ブロック重合してもよい。付加
反応には、アルカリ触媒、相関移動触媒、ルイス酸触媒等を用いることができる。一般的
には、水酸化カリウムなどのアルカリ触媒を用いることが好ましい。
【0050】
このようなアルキレンオキシド誘導体の分子量は、本発明の効果を奏する限り限定はさ
れないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは、120以上であり、より
好ましくは、200以上であり、さらに好ましくは、300以上であり、特に好ましくは
、400以上である。
【0051】
アルキレンオキシド誘導体の性状は、本発明の効果を奏する限り限定はされないが、前
記式(I)及び(II)において、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは、
25℃で半固形状(ペースト状を含む)~液体状である成分であることが好ましい。
【0052】
また、このようなアルキレンオキシド誘導体は、例えば、ポリオキシアルキレングリセ
リルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビット、ポリオキシアルキレンエリスリトールエ
ーテル、ポリオキシアルキレンペンタエリスリトールエーテル、ポリオキシアルキレンジ
グリセリルエーテル、ポリオキシアルキレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピ
レングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアル
キレンキシリトール、ポリオキシアルキレンジペンタエリスリトール、ポリオキシアルキ
レンイノシトール、ポリオキシアルキレンスクロースエーテル、ポリオキシアルキレント
レハロースエーテル、ポリオキシアルキレンマルチトールエーテル等があげられる。
中でも、アルキレンオキシド誘導体は、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリ
オキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセ
リルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリル
エーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコ
シド、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルグルコシ
ド、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
アルキルエーテル、ポリオキシプロピレンソルビット、ポリオキシエチレンソルビット、
ポリオキシプロピレンエリスリトールエーテル、ポリオキシエチレンエリスリトールエー
テル、ポリオキシエチレンペンタエリスリトールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレンエリスリトールエーテル、ポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエー
テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエーテル、ポリオ
キシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレントリメ
チロールプロパン、ポリオキシプロピレントリメチロールプロパン、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレンポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンキシリトール、ポリオキシプロ
ピレンアルキレンキシリトール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンキシリトール
、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジペンタエリスリトール、ポリオキシエチレ
ンジペンタエリスリトール、ポリオキシプロピレジペンタエリスリトール、ポリオキシエ
チレンイノシトール、ポリオキシプロピレンイノシトール、ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレンイノシトール、ポリオキシエチレンスクロースエーテル、ポリオキシプロピ
レンスクロースエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンスクロースエーテル
、ポリオキシエチレントレハロースエーテル、ポリオキシプロピレントレハロースエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントレハロースエーテル、ポリオキシエチレ
ンマルチトールエーテル、ポリオキシプロピレンマルチトールエーテル、および、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンエーテルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、
ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルグル
コシド、ポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレ
ンソルビット、ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンペンタエリスリトールエーテル、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキ
シプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチ
ロールプロパン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレングリコール、および、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ングリコールから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、
ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルグ
ルコシド、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルグル
コシド、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレ
ンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリコール、および、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましく、
ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
グリセリルエーテルが特に好ましい。
【0053】
これらのアルキレンオキシド誘導体は、ユニルーブ50MB-26(ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンブチルエーテル(17E.O.)( 17P.O.))、ユニルーブ5
0MB-168(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル(37E.O
.)( 38P.O.))、ソルビュールGS-01(ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レンデシルテトラデシルエーテル(24E.O.)(30P.O.))、ユニオールHS-1
600D(PPG-25ソルビトール)、プロノン#208(PEG/PPG-150/3
5コポリマー)、プロノン#124P(ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレ
ン(20)グリコール)、プロノン#184R(ポリオキシエチレン(26)ポリオキシ
プロピレン(30)グリコール)、ユニオールD-2000(PPG-34)、マクビオ
ブライドMG10E(ポリオキシエチレンメチルグルコシド(10E.O.))、マクビ
オブライドMG-20E(ポリオキシエチレンメチルグルコシド(20E.O.))、マ
クビオブライドMG-10P(ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(10P.O.)
、マクビオブライドMG-20P(ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(20P.O
.))、ウィルブライドMG2070(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレンメチルグルコシト)、ユニルーブ5TP-300KB(PEG-5-/PP
G-65ペンタエリスリチル);ユニルーブ50TG-32(ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリセリルエーテル(24E.O.)( 24P.O.))、ウィルブライド
S-753(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ
ーテル(3B.O.) (8E.O.)( 5P.O.))、ユニオックスG-1200(グリセ
レス-26)(以上、日油株式会社製);SY-DP14(PPG-14ポリグリセリル
-2エーテル)、SY-DP9(PPG-9ジグリセリル)(以上、阪本薬品工業株式会
社製);ニューポールGP-1000(PPG-16グリセリルエーテル)、ニューポー
ルSP-750(PPG-10ソルビトール)、ニューポールPE-68(PEG/PP
G-160/30コポリマー)、ニューポールPE-78(PEG/PPG-150/3
5コポリマー)(以上、三洋化成株式会社製);エマルゲンPP-290(PEG/PP
G-160/30コポリマー、花王株式会社製);GlucamE-10(ポリオキシエ
チレンメチルグルコシド(10E.O.))、GlucamP-10(ポリオキシプロピ
レンメチルグルコシド(10E.O.))、GlucamP-20(ポリオキシプロピレ
ンメチルグルコシド(20E.O.))(以上、Lubrizol製);SG-DTD6
30(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(30E.
O.)(6P.O.))、SG-DTD620(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
デシルテトラデシルエーテル(20E.O.)(6P.O.))、PEN4612(ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(12E.O.)(6P.O
.))、PBC-34(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(20E
.O.)(4P.O.))、SG-G2424(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
グリセリルエーテル(24E.O.)( 24P.O.))(以上、日光ケミカルズ株式会社
製)、ジプロピレングリコール(DPG)(以上、ADEKA社製)等の名称で市販され
ている。
アルキレンオキシド誘導体の市販品としては、本発明の効果を顕著に奏する観点から、
ユニルーブ50MB-26、ユニルーブ50MB-168、ソルビュールGS-01、プ
ロノン#208、プロノン#124P、プロノン#184R、ユニオールD-2000、
マクビオブライドMG-10E、マクビオブライドMG-20E、マクビオブライドMG
-10P、マクビオブライドMG-20P、ウィルブライドMG2070、ユニルーブ5
TP-300KB、ユニルーブ50TG-32、ウィルブライドS-753、ユニオック
スG-1200、SY-DP14、SY-DP9、ニューポールGP-1000、ニュー
ポールPE-68、ニューポールPE-78、エマルゲンPP-290、SG-DTD6
30、SG-DTD620、および、ジプロピレングリコールからなる群から選ばれる1
種以上であることが好ましく、
ユニルーブ50MB-26、ユニルーブ50MB-168、ソルビュールGS-01、
プロノン#208、プロノン#124P、プロノン#184R、マクビオブライドMG-
10P、マクビオブライドMG-20P、ウィルブライドMG2070、ウィルブライド
S-753、ユニルーブ50TG-32、SY-DP14、SY-DP9、ニューポール
PE-68、ニューポールPE-78、エマルゲンPP-290、SG-DTD630、
および、SG-DTD620からなる群から選ばれる1種以上であることがより好ましい
【0054】
本発明においてアルキレンオキシド誘導体は、1種を単独で使用してもよく、また2種
以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0055】
ホスホリルコリン含有重合体は、ホスホリルコリンを含有する有機化合物をモノマーと
して含むポリマー全般を指す。特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点か
ら、中でも、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを含むモノマーを重合さ
せて得られるポリマーである、2-メタクロイルオキシホスホリルコリン含有重合体が好
ましい。中でも、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチ
ル共重合体(ポリクオタニウムー51)、及びポリメタクリロイルオキシエチルホスホリ
ルコリンからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、2-メタクリロイルオキ
シエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体がより好ましい。ホスホリルコ
リン含有重合体の市販品としては、Lipidure-PMB(2-メタクリロイルオキ
シエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液、ポリクオタニウム-51)
、及びLipidure-HM(ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)(
いずれも日油(株)製)からなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、Lipi
dure-PMB(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブ
チル共重合体液)がより好ましい
【0056】
二価カルボン酸エステルは、二価のカルボン酸とグリコール、グリコールエーテル等の
ヒドロキシ基で縮合したエステルであり、特に限定されないが、例えば、Neosolu
e-Aqua・Neosolue-AquaS((エイコサン二酸/テトラデカン二酸)
ポリグリセリル-10)、Neosolue-Aqulio(シクロヘキサンジカルボン
酸ビスエトキシジグリコール)(いずれも日本精化(株)製)、1,4-シクロヘキサン
ジカルボン酸ビス(トリエチレングリコールモノエチルエーテル)、アジピン酸ビス(ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル)、アジピン酸ビス(トリエチレングリコールモノエ
チルエーテル)、及びコハク酸ジエトキシエチル(CRODAMOL DES)、コハク
酸ジエチルヘキシル(CRODAMOL OSU)(いずれもクローダジャパン(株)製
)が挙げられ、中でもNeosolue-Aqua・Neosolue-AquaS((
エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10)、Neosolue-Aq
ulio(シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール)、コハク酸ジエトキ
シエチル(CRODAMOL DES)、コハク酸ジエチルヘキシル(CRODAMOL
OSU)が好ましく、Neosolue-Aqua・Neosolue-AquaS(
(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10)、Neosolue-A
qulio(シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール)がより好ましく、
Neosolue-Aqulio(シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコー
ル)がさらにより好ましい。
【0057】
アルカンジオールは、本発明の効果を顕著に奏する観点から、炭素数が、好ましくは5
~10、より好ましくは5~8、更に好ましくは5~6である。例えば、1,2-ペンタ
ンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオールが好ましく、1,2
-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオールがより好ましく、1,2-ペンタンジオ
ールが更に好ましい。また、市販品としては、特に限定されないが、HYDROLITE
(シムライズ(株)製)、KMO-6(大阪有機化学工業製)が利用できる。
【0058】
本発明において、(C)成分としては、上記のアルキレンオキシド誘導体のほか、2-
メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、(エイコ
サン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキ
シジグリコール、コハク酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエトキシエチル、炭素数5~1
0のアルカンジオールが好ましく、上記のアルキレンオキシド誘導体のほかに2-メタク
リロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、(エイコサン二
酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグ
リコール、1,2ペンタンジオール、1,2ヘキサンジオール、又は、1,2オクタンジ
オールがより好ましく、上記のアルキレンオキシド誘導体のほかに2-メタクリロイルオ
キシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、(エイコサン二酸/テトラ
デカン二酸)デカグリセリル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、
1,2ペンタンジオール、1,2ヘキサンジオールがさらにより好ましい。上記の(C)
成分は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよ
い。
【0059】
本発明の皮膚外用組成物において、(C)成分の総含有量は、特に限定されず、(B)
成分の種類、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、本発明の効果を顕著に奏
する観点から、組成物全量に対して、好ましくは、0.001質量%以上、より好ましく
は、0.005質量%以上、さらに好ましくは、0.01質量%以上、さらにより好まし
くは、0.05質量%以上、最も好ましくは、0.1質量%以上である。
(C)成分の総含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、20質量%以下、より好
ましくは、15質量%以下、さらに好ましくは、12質量%以下、さらにより好ましくは
、10質量%以下、最も好ましくは、8質量%以下である。
(C)成分の総含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.001~20質量%
、より好ましくは0.005~15質量%、さらに好ましくは0.01~12質量%、さ
らにより好ましくは、0.05~10質量%、最も好ましくは、0.1~8質量%である
【0060】
本発明の皮膚外用組成物において、(B)成分に対する(C)成分の総含有量の比率は
特に限定されないが、(B)成分1質量部に対して、(C)成分が、好ましくは0.01
~50000質量部、より好ましくは0.05~10000質量部、さらに好ましくは0
.1~5000質量部である。
【0061】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対するアルキレンオキシド誘導体の単
独の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。
アルキレンオキシド誘導体の単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.
01質量%以上、より好ましくは、0.1質量%以上、さらに好ましくは、1質量%以上
である。
アルキレンオキシド誘導体の単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、15
質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、さらに好ましくは、8質量%以下である

アルキレンオキシド誘導体の単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.
01~15質量%であり、より好ましくは、0.1~10質量%であり、さらに好ましく
は、1~8質量%である。
【0062】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対する(エイコサン二酸/テトラデカ
ン二酸)デカグリセリルの単独の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない

(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリルの単独の含有量は、組成物全量
に対して、好ましくは、0.001質量%以上、より好ましくは、0.005質量%以上
、さらに好ましくは、0.01質量%以上、さらにより好ましくは、0.05質量%以上
である。
(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリルの単独の含有量は、組成物全量
に対して、好ましくは、15質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、さらに好ま
しくは、8質量%以下、さらにより好ましくは、5質量%である。
(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリルの単独の含有量は、組成物全量
に対して、好ましくは、0.001~15質量%、より好ましくは、0.005~10質
量%、さらに好ましくは、0.01~8質量%、さらにより好ましくは、0.05質量%
~5質量%である。
【0063】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対するシクロヘキサンジカルボン酸ビ
スエトキシジグリコールの単独の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない

シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの単独の含有量は、組成物全量
に対して、好ましくは、0.001質量%以上、より好ましくは、0.005質量%以上
、さらに好ましくは、0.01質量%以上、さらにより好ましくは、0.05質量%以上
である。
シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの単独の含有量は、組成物全量
に対して、好ましくは、15質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、さらに好ま
しくは、8質量%以下、さらにより好ましくは、5質量%である。
シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの単独の含有量は、組成物全量
に対して、好ましくは、0.001~15質量%、より好ましくは、0.005~10質
量%、さらに好ましくは、0.01~8質量%、さらにより好ましくは、0.05質量%
~5質量%である。
【0064】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対する2-メタクリロイルオキシエチ
ルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体の単独の含有量は、本発明の効果を奏
する限り特に限定されない。
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体の単
独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.0001質量%以上、より好まし
くは、0.001質量%以上、さらに好ましくは、0.005質量%以上、さらにより好
ましくは、0.01質量%以上である。
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体の単
独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、2質量%以下、より好ましくは、1質
量%以下、さらに好ましくは、0.5質量%以下、さらにより好ましくは、0.2質量%
以下である。
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体の単
独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.0001~2質量%、より好まし
くは、0.001~1質量%、さらに好ましくは、0.005~0.5質量%、さらによ
り好ましくは、0.01質量%~0.2質量%である。
【0065】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対する炭素数5~10のアルカンジオ
ールの単独の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。
炭素数5~10のアルカンジオールの単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましく
は、0.0001質量%以上、より好ましくは、0.001質量%以上、さらに好ましく
は、0.01質量%以上、さらにより好ましくは、0.1質量%以上である。
炭素数5~10のアルカンジオールの単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましく
は、10質量%以下、より好ましくは、7質量%以下、さらに好ましくは、5質量%以下
、さらにより好ましくは、3質量%以下である。
炭素数5~10のアルカンジオールの単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましく
は、0.0001~10質量%、より好ましくは、0.001~7質量%、さらに好まし
くは、0.01~5質量%、さらにより好ましくは、0.1質量%~3質量%である。
【0066】
本発明の皮膚外用組成物は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、さらに、コンドロ
イチン硫酸及び/又はその塩を含有することが好ましい。
コンドロイチン硫酸は、D-グルクロン酸とN-アセチル-D-ガラクトサミンの2つ
の糖が反復する糖鎖に硫酸が結合した構造を有するグリコサミノグリカンの1種である。
【0067】
本発明に使用されるコンドロイチン硫酸としては、薬理学的に又は生理学的に許容され
る限り、その由来については、特に制限されず、例えば、哺乳動物や魚類の軟骨(サケ軟
骨等)などに由来するものなどが使用され得る。
【0068】
コンドロイチン硫酸の塩としては、薬理学的に又は生理学的に許容されるものであれば
、特に制限されない。コンドロイチン硫酸の塩として、具体的には、有機酸との塩[例え
ば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステア
リン酸塩など)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩など)、オキシカルボン
酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩など)、有機スルホン酸
塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩など)など]、無機酸との
塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩など)、有機塩基との塩
(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペ
ラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との
塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類
金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]等が挙げられる
【0069】
これらのコンドロイチン硫酸及び/又はその塩は、1種単独で使用してもよく、また2
種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。本発明の効果を顕著に奏する観点から、コ
ンドロイチン硫酸及び/又はその塩としては、コンドロイチン硫酸の無機塩基との塩が好
ましく、コンドロイチン硫酸のアルカリ金属塩がより好ましく、コンドロイチン硫酸ナト
リウム、コンドロイチン硫酸カリウム、デルマタン硫酸ナトリウム、及び、デルマタン硫
酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましく、コンドロイチン硫
酸ナトリウム及び/又はコンドロイチン硫酸カリウムが特に好ましい。なお、コンドロイ
チン硫酸はコンドロイチン硫酸エステルともいい、コンドロイチン硫酸ナトリウムはコン
ドロイチン硫酸エステルナトリウムともいう。
【0070】
本発明の皮膚外用組成物において、組成物全量に対するコンドロイチン硫酸及び/又は
その塩の総含有量は、好ましくは、0.0001~10質量%、より好ましくは0.00
05~7質量%、さらに好ましくは0.001~5質量%、さらにより好ましくは、0.
005~3質量%、最も好ましくは、0.01~1質量%である。
【0071】
[その他の成分]
本発明の皮膚外用組成物には、前述した各必須成分に加えて、他の有用な作用を付加す
るため、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、DNA損傷の予防及び/又は修復作用を有する成
分、美白成分、抗炎症成分、清涼化剤、有機酸、抗糖化成分、抗菌成分、細胞賦活化成分
、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分、保湿成分、多価アルコール、角質柔軟成分、ビ
タミン類、血行促進成分、皮脂吸着成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘
導体等の各種成分を、1種または2種以上組み合わせて配合してもよい。これらの各成分
としては、医薬品、医薬部外品、化粧品分野などにおいて使用され得るものであれば特に
制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。また、以下の複数の成分に
該当するものは、それらのうちの任意の効能の成分として添加できるものとする。
【0072】
前記紫外線散乱剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、
酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、含水ケイ
酸等の無機化合物や、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカや
タルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチ
レン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコーン油や脂肪酸アルミニウ
ム塩、アルキルチタネート等で処理したもの等が挙げられる。中でも、酸化亜鉛、酸化チ
タン、酸化鉄等の無機化合物や、これらの無機化合物を水酸化アルミニウム、含水ケイ酸
、マイカやタルク等の無機粉体やシリコーン油で被覆したものが好ましい。紫外線散乱成
分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、
本発明の皮膚外用組成物の全量に対して例えば約0.001~35質量%、好ましくは約
0.1~25質量%である。
【0073】
前記紫外線吸収剤としては、限定はされないが、好ましくは、サリチル酸系紫外線吸収
剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、安息香酸エステル誘導
体紫外線吸収剤、トリアジン誘導体紫外線吸収剤、ベンザルマロナート誘導体紫外線吸収
剤、オクトクリレン系紫外線吸収剤、イミダゾ-ルスルホン酸誘導体紫外線吸収剤、ベン
ゾフェノン誘導体紫外線吸収剤等であり得る。
【0074】
詳細には、紫外線吸収剤として、サリチル酸-2-エチルヘキシル、サリチル酸ホモメン
チル、又はサリチル酸エチレングリコール等のサリチル酸系紫外線吸収剤;ジパラメトキ
シケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル;パラジヒドロキシプロピル安息香酸エ
チル、又はパラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;4-t
ert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系紫外線吸収剤
;2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル等
の安息香酸エステル誘導体紫外線吸収剤;ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジ
ンプロピオン酸2-エチルヘキシル;2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾ
-ル-2イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール];2,4-ビス-
[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフ
ェニル)-1,3,5-トリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-
トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン
等のトリアジン誘導体;ジメチコジエチルベンザルマロネート等のベンザルマロナート誘
導体紫外線吸収剤;2-シアノ-3,3-ジフェニルプロパ-2-エン酸2-エチルヘキシルエ
ステル等のオクトクリレン紫外線吸収剤;2-フェニルベンゾイミダゾ-ル-5-スルホン酸
、フェニルジベンゾイミダゾ-ルテトラスルホン酸二ナトリウム等のイミダゾ-ルスルホン
酸誘導体紫外線吸収剤;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-
メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びその塩、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェ
ノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、又はテトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフ
ェノン誘導体紫外線吸収剤が挙げられる。
【0075】
本発明において、限定はされないが、このような紫外線吸収剤としては、パラメトキシ
ケイ皮酸2-エチルヘキシル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタ
ン、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエス
テル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル
、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾ-ル-2イル)-4-(1,1
,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘ
キシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,
3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル
)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、2-シ
アノ-3,3-ジフェニルプロパ-2-エン酸2-エチルヘキシルエステル、2-フェニ
ルベンゾイミダゾ-ル-5-スルホン酸が好ましく、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘ
キシル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、2-[4-(ジエ
チルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4-ビス-
[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メ
トキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘ
キシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、2-フェニルベンゾイ
ミダゾ-ル-5-スルホン酸がより好ましく、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル
、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステ
ル、2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニ
ル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[
4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジンがさ
らにより好ましい。
【0076】
紫外線吸収剤は、市販されている製品を用いるか、又は合成して用いることができる。
【0077】
市販されている製品としては、限定はされないが、Parsol EHS (DSMニ
ュートリションジャパン社製)、ESCALOL 587(アシュランドジャパン社製)
、EusolexOS(Merk社製)、Parsol HMS (DSMニュートリシ
ョンジャパン社製)、Uvinul MC80(BASF社製)、Parsol MCX
(DSMニュートリションジャパン社製)、Parsol 1789(DSMニュートリ
ションジャパン社製)、ユビナールA Plus Granular、ソフトシェードD
H、Tinosorb M(BASF社製)、Milestab 360、Mixxim
BB/100、Tinosorb S(BASF社製)、Uvasorb HEB、ユ
ビナール T150(BASF社製)、Heliosun OTZ(O’Laughli
n Industries 社製)、Parsol SLX(DSMニュートリションジ
ャパン社製)、Parsol 340(DSMニュートリションジャパン社製)、エスカ
ロール597(アシュランドジャパン社製)、Parsol HS(DSMニュートリシ
ョンジャパン社製)、Eusolex232(Merk社製)、NeoHeliopan
AP(ハーマン&レイマー社製)、ユビナールM40、エスカロール567アシュランド
ジャパン社製)、ユビナールMS40(BASF社製)、EESORB107(シプロ化
成社製)、SEESORB100(シプロ化成社製)、SEESORB106(シプロ化
成社製)を挙げることができる
【0078】
本発明の皮膚外用組成物において、紫外線吸収剤の総含有量は、組成物の全量に対して
、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは、3質量%以上、さらに好ましくは、6質
量%以上、特に好ましくは、7質量%以上である。また、紫外線吸収剤の総含有量は、組
成物の全量に対して、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、15質量%以下、
さらに好ましくは、10質量%以下である。また、紫外線吸収剤の総含有量は、組成物の
全量に対して、好ましくは、1~20質量%、より好ましくは3~15質量%、さらに好
ましくは、5~10質量%、特に好ましくは、7~10質量%である。
【0079】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対する紫外線吸収剤の総含有量の比率
は特に限定されないが、(A)成分1質量部に対して、紫外線吸収剤が、好ましくは、0
.6~2質量部、より好ましくは、1~2質量部、さらに好ましくは、1.4~2質量部
である。
【0080】
また、これらの紫外線散乱剤や紫外線吸収剤は、別の成分に複合化、担持、カプセル化
されていてもよく、それらの組み合わせは特に限定されない。
【0081】
DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分としては、例えば、動物(例えば
、アルテミア)に由来する成分;植物(例えば、キャッツクロー)に由来する成分;DN
A、DNA塩、RNA、RNA塩等の核酸成分が挙げられる。DNAの損傷の予防及び/
又は修復作用を有する成分の含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できる
が、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.001~3質量%、好まし
くは、約0.01~1質量%である。動物成分や植物成分を用いる場合の含有量は、エキ
スなどの抽出物換算で、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは、約0.0
0001~0.1質量%、より好ましくは約0.0001~0.01質量%である。
【0082】
美白成分としては、例えば、プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン
酸;トラネキサム酸;ルシノール;カモミラET;ハイドロキノン、4-メトキシサリチ
ル酸カリウム塩;リノール酸及びその誘導体;アスコルビン酸とその塩、アスコルビン酸
誘導体等のビタミンC類(アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リ
ン酸エステルマグネシウム、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、2-O-エチル
アスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、イソステ
アリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、ジパルミチン酸L-アスコルビル、パルミチン
酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコ
ルビン酸、アルキルグリセリルアスコルビン酸など)、ビタミンA又はその誘導体、パン
トテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。更に、美白作用を有する植物成
分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アー
モンド、アロエ、アセロラ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ
、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、コメ、コメハイガ、オ
リザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハ
クヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、
ヨクイニン、アセンヤク、カキ(Diospyros kaki)、キウイ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲン
ジン、セージ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、タイム、チョウジ、チン
ピ、カンゾウ、カミツレ、プルーン、シモツケソウ、ムラサキシキブ、ソウズク、グレー
ブフルーツ、トゲナシ、レモン、キウイ、マツ、ニーム、アーティチョーク、スギナ、オ
オバク、メマツヨイグサ、ビルベリー、ヒメフウロ、アッケシソウ、セイヨウシロヤナギ
、ユキノシタ、ツボクサ、ローズマリー、ラベンダー、サンシュユ等に由来する成分が挙
げられる。これらの植物成分を本発明の皮膚外用組成物に用いる場合、植物成分の形態は
特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油などの態様で使用すること
ができる。なお、前記植物成分中に記載の括弧内は、その植物の学名、別名または生薬名
である。
本発明において、特に限定はされないが、このような美白成分としては、プラセンタ;
アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;トラネキサム酸;ルシノール;カモミラ
ET;ハイドロキノン;4-メトキシサリチル酸カリウム塩;リノール酸及びその誘導体
;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウ
ム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコル
ビル、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸
グルコシド、ビタミンA油;イリス、アーモンド、アロエ、アセロラ、エイジツ、オウゴ
ン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クロレラ、コメ、コメハ
イガ、オリザノール、コメヌカ、シソ、シャクヤク、ソウハクヒ、ダイズ、茶、トウキン
センカ、ハマメリス、ボタンピ、ヨクイニン、キウイ、セージ、パセリ、ヒイラギ、ホッ
プ、タイム、チョウジ、チンピ、カンゾウ、カミツレ、プルーン、シモツケソウ、ムラサ
キシキブ、ソウズク、グレーブフルーツ、トゲナシ、レモン、キウイ、マツ、ニーム、ア
ーティチョーク、スギナ、オオバク、メマツヨイグサ、ビルベリー、ヒメフウロ、アッケ
シソウ、セイヨウシロヤナギ、ユキノシタ、ツボクサ、ローズマリー、ラベンダー、サン
シュユより抽出される抽出物から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、
プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;フィチン酸;トラネキサム酸;ハイドロキノン;
アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム
、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビ
ル、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グ
ルコシド、ビタミンA油;イリス根エキス、アーモンド油、アロエベラエキス、アセロラ
エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、
海藻エキス、カッコンエキス、カミツレエキス、シャクヤクエキス、ソウハクヒエキス、
ダイズエキス、チャエキス、シロチャエキス、トウキンセンカ、ハマメリス、ヨクイニン
、ハトムギエキス、ホップエキス、プルーン抽出液、カンゾウエキス、油溶性カンゾウエ
キス、シモツケソウエキス、ムラサキシキブエキス、アルピニアカツマダイ種子エキス、
グレーブフルーツエキス、イザヨイバラエキス、レモンエキス、キウイエキス、マツエキ
ス、ニーム葉エキス、アーティチョークエキス、スギナエキス、オオバクエキス、メマツ
ヨイグサエキス、月見草油、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、アッケシソウエキ
ス、セイヨウシロヤナギエキス、ツボクサエキス、サンシュユ果実エキスから選ばれる1
種又は2種以上がさらに好ましい。
【0083】
本発明の皮膚外用組成物に以上説明した美白成分を配合する場合、その含有量は、皮膚
への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全量に対して、例えば
、約0.0003~10質量%、好ましくは、約0.01~5質量%である。植物エキス
を用いる場合の含有量は、エキスなどの抽出物換算で、皮膚外用組成物の全量に対して、
例えば、約0.00001~20質量%、好ましくは、約0.0001~15質量%、よ
り好ましくは、0.001~10量%である。
【0084】
抗炎症成分としては、例えば、アラントイン、カラミン、トラネキサム酸、グリチルリ
チン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリ
チルリチン酸モノアンモニウムなど)、グリチルレチン酸若しくはその誘導体又はそれら
の塩(例えば、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリルなど)、酸化亜鉛、アミ
ノカプロン酸、アズレン及びその誘導体(例えば、グアイアズレン、アズレンなど)、酢
酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタ
シン、サリチル酸又はその誘導体、ステロイド類若しくはその誘導体又はそれらの塩(例
えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン)、ウフェナマート、ブフェキサマク、イブプ
ロフェンピコノール、サリチル酸グリコール、植物(例えば、コンフリー、オウレン、ド
クダミ)に由来する成分、等が挙げられる。好ましくは、アラントイン、トラネキサム酸
、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルレチン酸
、グリチルレチン酸ステアリル、アミノカプロン酸、アズレン及びその誘導体又はドクダ
ミエキスから選ばれる1種又は2種以上であり、さらに好ましくは、アラントイン、トラ
ネキサム酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸、アミノカプロン酸から選
ばれる1種又は2種以上である。抗炎症成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使
用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例え
ば、約0.0003~10質量%、好ましくは、約0.01~5質量%である。
【0085】
抗菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、
アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導
体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリク
ロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエ
タノール、塩酸アルキルジアミノグリシン、塩化セチルピリジニウム、ピロクトオラミン
、ミコナゾール若しくはその塩、クロロブタノール、エチルヘキシルグリセリン、ブチル
カルバミン酸ヨウ化プロピニル、カプリルヒドロキサム酸、フェネチルアルコール、メチ
ルイソチアゾリノン、ソルビン酸、β-グリチルレチン酸、植物(例えば、クララ、ロー
ズマリー、クワ、ユーカリなど)に由来する成分等が挙げられる。好ましくは、サリチル
酸、塩化ベンザルコニウム、エタノール、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸、イソプロピ
ルメチルフェノール、パラベン、フェノキシエタノール、塩化セチルピリジニウム、クロ
ロブタノール、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、カプ
リルヒドロキサム酸、ソルビン酸、β-グリチルレチン酸から選ばれる1種又は2種以上
が好ましい。抗菌成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して
適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~
10質量%、好ましくは、約0.01~5質量%である。
【0086】
清涼化剤としては、例えば、メントール及びその誘導体、カンフル、ボルネオール、ゲ
ラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール等のテルペン類(これら
はd体、l体又はdl体のいずれでもよい。);ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミ
ント油、クールミント油、スペアミント油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、ローズ
油、テレビン油等の精油等が挙げられる。中でもl-メントール、メンチルグリセリルエ
ーテル、乳酸メンチル、メンチル3-ヒドロキシブチレート、メントキシプロパンジオー
ル、カンフル、ユーカリ油、ペパーミント油、ハッカ油との組み合わせが好ましい。
【0087】
有機酸としては、例えば、グルコン酸、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、ク
エン酸、グルタミン酸、コハク酸、シュウ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、プロピ
オン酸、リンゴ酸、サリチル酸、グリコール酸、フィチン酸、酒石酸、酢酸、乳酸、パン
トテン酸、グリチルレチン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、安息香酸、アジピン酸、グ
ルタミン酸、アゼライン酸及びこれらの塩が挙げられる。塩としては、例えば、硫酸、塩
酸又はリン酸等の鉱酸の塩、マレイン酸又はメタンスルホン酸等の有機酸の塩、ナトリウ
ム又はカリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、塩基性アミ
ノ酸塩、トリエタノールアミンのようなアミン塩等が挙げられる。中でもグルコン酸、ク
エン酸、グルタミン酸、コハク酸、リンゴ酸、サリチル酸、グリコール酸、フィチン酸、
酒石酸、乳酸、グリチルレチン酸及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上との組み
合わせがより好ましい。
【0088】
抗糖化成分としては、例えば、ブドレジャアキシラリス葉エキス、ウメ果実エキス、エ
ーデルワイスエキス等の植物エキス、月見草油、アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出
物、L-アルギニン、L-リジン、加水分解カゼイン、加水分解性タンニン、カルノシン
等が挙げられる。
【0089】
細胞賦活化成分としては、例えば、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ
酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸ピロロキ
ノリンキノン類などのビタミン類;グルコン酸、フィチン酸、グリコール酸、乳酸などの
α-ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号、
植物(たとえば、ダイズ芽、ビルベリー葉など)に由来する成分、等が挙げられる。細胞
賦活化成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択で
きるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%
、好ましくは、約0.001~5質量%である。
【0090】
収斂成分としては、例えば、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミ
ニウム、アラントインアルミニウム塩、パラフェノールスルホン酸亜鉛、塩基性乳酸アル
ミニウム亜鉛、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸
、乳酸、コハク酸などの有機酸を挙げることができる。収斂成分を配合する場合、その含
有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の
全量に対して、例えば、約0.0003~20質量%、好ましくは、約0.01~10質
量%である。
【0091】
抗酸化成分としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトル
エン、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、アス
コルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、
グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、
チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリン、植物エキス(スイカズラ花エ
キスなど)等が挙げられる。抗酸化成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感
や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して例えば約0
.00001~10質量%、好ましくは約0.0001~5質量%、より好ましくは0.
001~5質量%である。
【0092】
老化防止成分としては、例えば、加水分解大豆タンパク、レチノイド(レチノール、レ
チノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴ
シン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N-メチル-L-セリン、メバロノラクトン、ペプチド類
(カプロオイルテトラペプチド-3、オリゴペプチド-24など)等が挙げられる。中で
も、加水分解大豆タンパク、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、カ
プロオイルテトラペプチド-3、オリゴペプチド-24が好ましい。老化防止成分を配合
する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の
皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%、好ましくは、約
0.01~5質量%である。
【0093】
保湿成分としては、例えば、アラニン、セリン、アスパラギン酸、グリシン、プロリン
、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン、アルギニンなどのアミノ酸及びその誘
導体;グリセリン、1,3-ブタンジオールなどの多価アルコール;ソルビトール、キシ
リトール、エリスリトール、マルトース・ショ糖縮合物(グルコオリゴ糖)、グリセリル
グルコシドなどの糖アルコール;グリコシルトレハロース、トレハロース;セラミド、グ
ルコシルセラミド、コレステロール、フィトステロール、コレステロール誘導体、フィト
ステロール誘導体、;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;乳酸、乳酸ナトリウム
、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分;コラーゲン、エラスチ
ン、ケラチン、キチン、キトサン等とそれらの加水分解物;ヒドロキシエチルウレア;植
物(たとえば、カミツレ、ハマメリス、チャ、シソ、グレープフルーツ、アマチャヅルな
ど)に由来する成分、等が挙げられる。中でも、グリシン、アルギニン、グリセリン、1
,3-ブタンジオール、グリコシルトレハロース、セラミド、グルコシルセラミド、コレ
ステロール、コレステロール誘導体、フィトステロール誘導体、水素添加レシチン、乳酸
、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素、;コラーゲン、エラスチン
、ケラチン、ヒドロキシエチルウレアから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせが好
ましい。保湿成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜
選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.001~20質
量%、好ましくは、約0.01~10質量%である。
【0094】
多価アルコールとしては、炭素数2~4又は11以上のジオール、ヒドロキシ基3個以
上を有する多価アルコール等が挙げられ、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリ
セリン、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、イソプレングリコール、1、3-ブチレングリコール、が挙げられる。
中でもグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール
から選ばれる1種又は2種以上との組み合わせが好ましい。多価アルコールを配合する場
合、その含有量は、皮膚への使用感や保湿効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮
膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.1~20質量%、好ましくは、約0.5~
15質量%である。
【0095】
角質柔軟成分としては、例えば、ラノリン、尿素、フィチン酸、乳酸、乳酸塩、グリコ
ール酸、サリチル酸、リンゴ酸、クエン酸、フルーツ酸、フィチン酸、尿素、イオウ等が
挙げられる。中でも、乳酸、乳酸ナトリウム、グリコール酸、サリチル酸、フィチン酸、
クエンとの組み合わせが好ましい。角質柔軟成分を配合する場合、その含有量は、皮膚へ
の使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、
例えば、0.0001~50質量%、好ましくは、約0.001~50質量%、より好ま
しくは、約0.01~25質量%である。
【0096】
ビタミン類としては、例えば、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール
、プロピオン酸レチノール、リノール酸レチノール等のレチノール誘導体、レチナール、
レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d
-δ-トコフェリルレチノエート、α-トコフェリルレチノエート、β-トコフェリルレ
チノエート等のビタミンA類;β-カロテン、α-カロテン、γ-カロテン、δ-カロテ
ン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン等のプロビタミンA類
;dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-
トコフェロールカルシウム、δ-トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、酢酸dl
-α-トコフェロール、リノール酸トコフェロール、(リノール酸/オレイン酸)トコフ
ェロール、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム等のビタミンE類;リボフラ
ビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸
エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’-リン酸エステルナトリ
ウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸メチル、
ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、などの上記(A)成分以外のニコチン酸類;ステアリ
ン酸アスコルビル、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、ジパルミチン酸L
-アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2-ヘキシルデカン酸ア
スコルビル)、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、アスコルビン酸、アスコ
ルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウ
ム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、2-O-
エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、グリセリルアスコルビン酸、ビ
スグリセリルアスコルビン酸、アルキルグリセリルアスコルビン酸、などのビタミンC類
;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミン
D類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;チアミン、及びそれらの塩(例
えば、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンニリン酸塩、)等のビタ
ミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’-リン酸
ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒドロキ
ソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイル
グルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコ
ール(パンテノール)、D-パンテテイン、D-パンテチン、補酵素A、パントテニルエ
チルエーテル、パンテテインスルホン酸カルシウム等のパントテン酸類;ビオチン、ビオ
シチン等のビオチン類;そのほか、カルニチン、フェルラ酸、α-リポ酸、オロット酸、
γ-オリザノール、ピロロキノリンキノン、ヘスペリジン及びグルコシルヘルペリジン、
ユビキノン、およびこれらの塩等のビタミン様作用因子等が挙げられる。中でもビタミン
B類、ビタミンC類、ビタミンE類、ビタミンA類、ビタミン様作用因子との組み合わせ
が好ましく、特に塩酸ピリドキシン、パントテニルアルコール(パンテノール)、リボフ
ラビン、シアノコバラミン、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、3-O-エチ
ルアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エ
ステルマグネシウム、酢酸dl-α-トコフェロール、アスコルビン酸パルミチン酸エス
テル、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、レチノール、パルミチン酸レチノール
、プロピオン酸レチノール、酢酸レチノール、ピロロキノリンキノン又はその塩、ユビキ
ノン、γ-オリザノールから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせがより好ましい。
ビタミン類を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択で
きるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.001~30質量%、
好ましくは、約0.01~25質量%、より好ましくは、約0.01~20質量%である
【0097】
血行促進成分としては、例えば、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ
、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カ
ロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウ
ネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、
ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ
、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、
クルミ、トウモロコシ)に由来する成分;酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸ト
コフェロール、グルコシルヘスペリジン、ヘスペリジンが挙げられる。血行促進成分を配
合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明
の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.00001~10質量%、好ましくは
、0.0001~5質量%、より好ましくは、約0.001~5質量%である。植物由来
成分を用いる場合の含有量は、エキスなどの抽出物換算で、皮膚外用組成物の全量に対し
て、例えば、約0.00001~20質量%、好ましくは、約0.0001~15質量%
、より好ましくは、0.001~10質量%である。
【0098】
皮脂吸着成分としては、例えば、タルク、マイカ、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、
ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。なかでも、好ましくは、マイカ、ヒドロキシアパタ
イト、及び、酸化亜鉛であり、特に好ましくはマイカである。皮脂吸着成分を配合する場
合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外
用組成物の全量に対して、例えば、約0.001~35質量%、好ましくは、約0.1~
25質量%である。
【0099】
ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン
、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、サクシニル化アテロコラーゲン、
ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コ
ラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペ
プチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、
加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分
解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチ
ド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パ
ルミトイルテトラペプチド等)等が挙げられる。中でもケラチン分解ペプチド、加水分解
ケラチン、魚由来コラーゲンエラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプ
チド、加水分解コラーゲン、サクシニル化アテロコラーゲン、エラスチン分解ペプチド、
加水分解シルク、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、から選ばれる1種又は2種
以上との組み合わせがより好ましい。ペプチド又はその誘導体を配合する場合、その含有
量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全
量に対して、例えば、約0.0001~35質量%、好ましくは、約0.001~10質
量%である。
【0100】
アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリ
ン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニル
アラニン、β-アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アス
パラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒ
スチジン、トレオニン、チロシン、タウリン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ-β-ヒドロ
キシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン、イプシロンアミノカプロン酸、トリプ
トファン、オルニチン、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、ジラウロイル
グルタミン酸リシン及びその塩、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチル
ドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル
)等が挙げられる。またこれらアミノ酸又はその誘導体は、水和物等の溶媒和物であって
もよく、更にd体、l体、dl体の何れであってもよい。中でもl体のアミノ酸又はその
誘導体から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0101】
また本発明の皮膚外用組成物には、前記各成分に加えてその用途あるいは剤形に応じて
、医薬品、医薬部外品、又は化粧品などの分野に通常使用される成分を適宜配合してもよ
い。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、基剤又は担体、界面活性剤
、増粘剤、酸化防止剤、保存剤、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減
剤、着色剤、分散剤、香料等の添加剤を配合することができる。なお、これらの成分は1
種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。またこれらの含
有量は、従来公知の範囲から本発明の効果を損なわない範囲で、適宜決定することができ
る。さらに、以下の複数の成分に該当するものは、それらのうちの任意の機能の成分とし
て添加できるものとする。
【0102】
基剤又は担体としては、水などの水系基剤;流動パラフィン、流動イソパラフィン、ス
クワラン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリブテン、ポリエ
チレン末、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α-オレフィンオリ
ゴマー、軽質流動パラフィン、軽質イソ流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシ
ロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニル
ポリシロキサン等のフェニル変性シリコーン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環
状シリコーン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルトリメチコン、ジメチコノ
ール、ジメチコノールクロスポリマー、カプリリルメチコン等のアルキル変性シリコーン
、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン
、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキル
ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコー
ン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分
岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シ
リコーン、シリコーンレジンのようなシリコ-ン油;セタノール、セトステアリルアルコ
ール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステア
リルアルコール、フィトステロール、コレステロールのような高級アルコール;イソステ
アリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びベヘン酸のよ
うな高級脂肪酸;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;;ポリビニルブ
チラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエ
ステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソ
プロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、アジピン酸ジイソプロピル、
オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、セバシ
ン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデ
シル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソ
トリデシル、乳酸セチル,イソステアリン酸イソステアリル、12-ヒドロキシステアリ
ル酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、マカデミアナ
ッツ脂肪酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、パルミチン酸デキストリン、ス
テアリン酸イヌリン、水素添加ホホバ油、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール
、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ
メリト酸トリ2-エチルヘキシル、トリメリト酸トリトリデシル、トリ-2-エチルヘキ
シル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ
-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン
、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリ
セリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、オ
レイン酸オレイル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、クエン酸
トリエチル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステア
リル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、トリポリヒドロキシス
テアリン酸ジペンタエリスリチル、トリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グ
リセリルのようなエステル類;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、
綿ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;アボガド油、アマニ油、ツバキ油、マカ
デミアナッツ油、ククイナッツ油、ヘーゼルナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、サ
フラワー油、キョウニン油、シナモン油、ホホバ油、ブドウ種子油、ヒマワリ油、アーモ
ンド油、シア脂、サザンカ油、ナタネ油、ゴマ油、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パー
ム油、パーム核油、モクロウ核油、モクロウ、小麦胚芽油、米胚芽油、米ヌカ油、綿実油
、大豆油、落花生油、茶実油、月見草油、シア脂等の油脂;デキストリン、マルトデキス
トリンのような多糖類;カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリ
マー等のビニル系高分子;エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール;;ソ
ルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトールなどの糖アルコール;水等が
挙げられる。これらの成分から選ばれる基剤又は担体としては、1種単独で用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。またそれらの使用量は当業者に公知の範囲から適宜選択
される。本発明の皮膚外用組成物が水を含有する場合、その含有量は、水の量は、化粧料
の形態によって異なり、特に限定されない。本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例
えば、水の量は、好ましくは5~99質量%、より好ましくは、8~95質量%、さらに
好ましくは10~90質量%である。
【0103】
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノステ
アレート、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、ソルビタンモノオ
レエート、ソルビタンモノイソステアレート及びソルビタンモノラウレート、オリーブ油
脂肪酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(
20)ソルビタン、モノラウリル酸ポリオキシエチレン(80)ソルビタン、モノステア
リン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(2
0)ソルビタン、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等のポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステ
アレート、及びグリセリンモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル;モノイソス
テアリルグリセリルエーテルやモノミリスチルグリセリルエーテル等のグリセリンアルキ
ルエーテル;ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグ
リセリルデカイソステアレート、及びジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリ
ン脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂
肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等
の硬化ヒマシ油誘導体;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル等のポリオキシ
エチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(20)フィトステロール、ポ
リオキシエチレン(30)フィトステロール、ポリオキシエチレン(25)フィトスタノ
ール、ポリオキシエチレン(30)コレスタノール等のポリオキシエチレンステロール・
水素添加ステロール;ショ糖脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンアルキル(又はアル
ケニル)エーテル硫酸塩、エーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、N-アシ
ルアミノ酸塩、アシル化タウレート;ステアリルアミン、オレイルアミンなどのアミン類
;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG-9ポリジメチ
ルシロキシエチルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンなどの
シリコーン系界面活性剤あるいはレシチン、水素添加レシチン、サポニン、サーファクチ
ンナトリウム、コレステロール、胆汁酸などの天然由来の界面活性剤等を例示することが
できる。
【0104】
増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
メチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系増粘剤、メチルセルロース、エ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース系増粘剤、グァーガム、スクレロチウ
ムガム、タマリンドガム、キサンタンガム、ジェランガム、デキストラン、ペクチン、プ
ルラン、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、アクリル酸メタクリル
酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ベントナイト、デキストリン脂肪酸エ
ステル、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、アルギン酸ナトリウム、アル
ギン酸プロピレングリコールエステル、ポリエチレングリコール、マクロゴール、(アク
リル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロ
イルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー等が挙げられる。中
でも、キサンタンガム、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カル
ボキシビニルポリマー、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、(アクリル酸
ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジ
メチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーが好ましい。
【0105】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソ
ール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、トコフ
ェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、L-シ
ステイン塩酸塩、コエンザイムQ10等のユビキノン類、セサミン等のリグナン、クルク
ミン、カプサイシン、ジンゲロール、レスベラトロール、アントシアニン、シアニジン、
ビルベリーエキスおよびこれらの類縁体もしくは誘導体等が挙げられる。
【0106】
保存剤又は防腐剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、
デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロ
ピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロ
ピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール
、ベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビン酸およびその塩、グルコン酸クロル
ヘキシジン、メチルイソチアゾリノン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、カプリル
ヒドロキサム酸、フェネチルアルコール、エチルヘキシルグリセリン、カプリン酸グリセ
リル、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。防腐剤・保存剤を配合する場合、
その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組
成物の全量に対して、例えば、約0.001質量%~5質量%、好ましくは、約0.01
~1質量%である。
【0107】
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリ
ウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基
(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソ
プロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)等が挙げられる。
【0108】
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミ
ン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA-2Naなど)
、カリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、メタリン酸等が挙げられる
。中でも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
【0109】
安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン
、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
【0110】
刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン等が
挙げられる。
【0111】
[pH]
本発明の皮膚外用組成物は、通常pH2.0~9.0の物性を備えていればよいが、皮
膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくは、pH3
.0~8.5、より好ましくは、pH4.0~8.0、さらに好ましくは、pH4.5~
7.5、さらにより好ましくは、pH5.0~7.5である。
【0112】
[皮膚外用組成物の製造方法]
本発明の皮膚外用組成物の製造方法は特に制限されず、上記(A)~(C)成分の他、
前記のその他の成分等を適宜選択、配合して、常法により、必要により乳化を行って、製
造することができる。
【0113】
[性状・製剤]
本発明の皮膚外用組成物の性状は、特に限定されず、液体状、流動状、又は半固形状と
することができる。また製剤形態としては、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、
乳液、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、不織布に薬液を含
浸させたシート剤、ミスト剤などの製剤とすることができる。中でも、乳剤、クリーム剤
、乳液、軟膏剤、ゲル剤、ローション剤、シート剤が好適であり、クリーム剤、乳液、ゲ
ル剤、ローション剤、シート剤が特に好適である。なお、乳剤やクリーム剤、軟膏剤のよ
うに、油性基剤と水性基剤とを含む場合は、W/O型でもO/W型でもよいが、本発明の
皮膚外用組成物の適度な増粘性を確保する観点、及び使用感(べたつき、のび、しっとり
感等)の観点からO/W型がより好ましい。
【0114】
[使用用途]
医薬部外品又は化粧品用の外用組成物とする場合の用途としては具体的には、例えば、
化粧水、乳液、ジェル、クリーム、美容液、日焼け止め用化粧料、パック、マスク、オー
ルインワンジェル、ハンドクリーム、ボディローション、及びボディークリームのような
基礎化粧料;並びに洗顔料、ハンドソープ、メイク落とし、ボディーシャンプー、シャン
プー、リンス、及びトリートメントのような洗浄用化粧料、ファンデーション、化粧下地
等のフェイスメイクアップ用化粧料、リップクリーム、リップライナー、リップジェル等
の口唇化粧料;毛髪用のヘアリンス、ヘアートリートメント、ヘアコンディショナー、ヘ
アジェル、ヘアムース、ヘアミスト、ヘアローション、スタイリング剤のような毛髪用化
粧料などが挙げられる。これらの中でも皮膚用の外用組成物が特に好ましい。すなわち、
本発明の外用組成物は、医薬品、医薬部外品、又は化粧品用の皮膚外用組成物とすること
ができる。皮膚外用組成物の製剤形態は、本発明の外用組成物の場合と同じである。また
、使用可能な基剤又は担体、添加剤、及び有効成分、並びにそれらの好ましいものは、本
発明の外用組成物の場合と同じである。
【0115】
[容器]
本発明の皮膚外用組成物は、使用目的及び用途に応じ、適宜選択した形状、材質の容器
に収容し、使用することができる。具体的な容器としては、例えば、スプレータイプ、ボ
トルタイプ、チューブタイプ、ジャータイプ、スポイドタイプ、ディスペンサ-タイプ、
スティックタイプ、パウチ袋、及びチアパックなどを例示できる。本発明の皮膚外用組成
物は、着色が抑制される本願発明の効果により、外観の観点で、容器の色、容器の透明性
、形状、デザインに関して設計の自由度を高めることができる。例えば、経時的な着色が
見られる組成物については、不透明の容器の選択や、着色の程度・色味に対応した容器色
の選択が必要となるところ、本発明の皮膚外用組成物では、例えば、透明容器や、白色等
の着色が見られる組成物では避けられる容器色を選択することが可能となる。ここで、透
明容器とは、無色透明容器及び有色透明容器の双方が含まれる。また、本発明の皮膚外用
組成物は、着色が抑制される本願発明の効果により、組成物が広範囲に視認されやすいジ
ャータイプ等の容器剤形にも好ましく用いられ得る。
【0116】
また、容器の材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチ
レン(HDPE、LDPE、LLDPE等)、ABS樹脂、エチレンビニルアルコール樹
脂、ポリスチレン、ガラス、及び金属(アルミ等)などを例示できる。また、これらの材
料は、強度、柔軟性、耐候性、又は成分の安定性等を考慮し、各種コーティング処理を行
ったり、これらの材料を例えば混合するなどして組み合わせたり、積層したりして、容器
材料として用いることができる。コーティングの材質としては、エポキシ樹脂、ポリアミ
ドイミドなどを例示できる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン(HDPE、LDP
E、LLDPE等)、エチレンビニルアルコール樹脂、金属(アルミ等)を用いることが
好ましい。
【0117】
[使用方法等]
本発明の皮膚外用組成物は、ニコチン酸アミドの生理活性を期待して、血行促進、抗炎
症、セラミド合成促進の目的で、好適に使用できる。さらに美白、抗シワ、アンチエージ
ングの効果も期待でき、美白剤、日焼け止め剤などを含めて、多機能な製剤として有用で
ある。本発明の皮膚外用組成物は、用途などに応じて1日あたり1回から数回に分けて、
公知あるいは慣用されている用法・用量にて使用することができる。
【0118】
[着色抑制方法]
別の実施態様において、本発明は、(A)ニコチン酸アミドを含む皮膚外用組成物の着
色抑制方法を提供することも可能である。(A)ニコチン酸アミド;(B)ヒアルロン酸
、その誘導体、それらの塩、並びに、ヘパリン類似物質からなる群より選択される2種以
上;及び(C)両親媒性化合物を含有する皮膚外用組成物とすることにより、皮膚外用組
成物の着色抑制を達成することができる。上記の方法において、(A)~(C)成分やそ
の他の任意成分、性状、剤型、用途等については、上記の組成物の記載に準じる。
【0119】
本明細書において「着色」とは、例えば、本発明の皮膚外用組成物がどのような形態で
あっても、色差計、吸光光度計などの機器によって検知し得る色づきのことをいう。目視
し得る色づきでもよいが、目視によっては検知し難い程度の色づきもここでは着色という
。例えば、本発明の皮膚外用組成物を水性組成物として調製した場合、無色透明であるこ
とが好ましいが、熱安定性に関する加速試験により、経時的に、黄色に変色する。着色抑
制とはそのような着色を防止すること、遅延させること、および減少させることをいう。
本明細書では、着色抑制とは、(A)成分及び(B)成分を同濃度含有する組成物を対照
として、(A)~(C)成分を含有する組成物の経時的変化に由来する着色を色差計(コ
ニカミノルタ社製)で検知し、b値の変化、すなわちΔb値を比較することにより、
その着色の程度を検知できるレベルで改善することをいう。
【0120】
別の実施態様において、限定はされないが、(A)ニコチン酸アミド5質量%以上;(
B)ヒアルロン酸、その誘導体、それらの塩、並びに、ヘパリン類似物質からなる群より
選択される1種以上;及び(C)両親媒性化合物を含有する皮膚外用組成物を提供するこ
とも可能である。後述の実施例において、成分(A)5質量%以上のニコチン酸アミドを
配合する場合には、共存させる成分(B)が1種であっても、着色が生じてしまうという
、上述とは異なる課題が見出されている。この場合の成分(B)としては、少なくともア
セチル化ヒアルロン酸及び/又はその塩が含まれることが好ましい。本課題に対しても(
C)両親媒性化合物をさせることにより着色抑制の効果を奏することが可能である。他に
含有させることができる成分(B)、(C)成分やその他の任意成分や含有量、性状、剤
型、用途等については、上記の組成物の記載に準じる。
【実施例0121】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。
【0122】
実施例において使用した成分は、下記の通りである。各表中の数値は、成分名に記載の
成分自体の含有量である。
【0123】
ポリオキシエチレンメチルグルコシド:マクビオブライドMG-10E(日油株式会社
製)
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(10P.O.):マクビオブライドMG-1
0P(日油株式会社製)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル(17E.O.)(17P.
O.):ユニルーブ50MB-26(日油株式会社製)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(24E.O.)(24
P.O.):ユニルーブ50TG-32(日油株式会社製)
ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメチルグルコシド:ウィ
ルブライドMG2070(日油株式会社製)
ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3
B.O)(8E.O)(5P.O):ウィルブライドS-753(日油株式会社製)
ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル:SY-DP14(阪本薬品工業株式会社
製)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(19E.O.)(21P.O.
):プロノン#124P(日油株式会社製)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(26E.O.)(30P.O.
):プロノン#184R(日油株式会社製)
シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール:Neosolue aqul
io(日本精化株式会社製)
(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル:Neosolue-Aqua
S(日本精化株式会社製)
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体:L
ipidure-PMB(BG)(日油株式会社製)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(24E.O)
(13P.O):ソルビュール GS-01(日油株式会社製)
ポリオキシプロピレンソルビット(25P.O.):ユニオールHS-1600D(日
油株式会社製)
【0124】
[試験例1 熱安定性試験]
常法により下記表1~表3に示す組成にて各種成分を混合してサンプルを調製した後、
そのサンプルを20mLガラスバイアルにとり、60℃に設定した恒温槽にて1週間加温
した。1週間後、目視および分光測色計にて着色の変化(外観変化及び色差変化)を評価
した。
【0125】
(評価方法)
着色外観変化の評価基準は以下の通りである。
透明ガラスバイアルに充填した各サンプルについて、4℃の恒温槽に1週間保管してお
いたものを基準として、60℃の恒温槽に1週間保管(加速試験)したものを、目視で着
色の違いを判定した。
【0126】
(目視着色判定基準)
◎ 変化なし
○ ほぼ着色なし
× 着色あり
【0127】
また、分光測色計による色差のより詳しい評価方法は以下の通りである。
透明ガラスバイアルに充填した各サンプルについて、4℃の恒温槽に1週間保管してお
いたものを基準として、60℃の恒温槽に1週間保管(加速試験)したものを、色差計(
CM3500d:コニカミノルタ社製)で測定した。
【0128】
(評価方法)
分光測色計(CM3500d:コニカミノルタ社製)を用いて、b値によって熱試験
後の製剤の着色を評価した。具体的には、各実施例の加速試験後のb値、および、4℃
の恒温槽に1週間保管しておいた各実施例に対応する基準サンプルのb値を測定し、各
実施例において、加速試験後のサンプルと、対応する基準サンプルとのb値の差(Δb
値=加速試験後のサンプルのb値-基準サンプルのb値)を算出して評価した。
値は透明感を示す指標として利用されている。このためΔb値が大きいほど製剤
の着色の抑制効果を発揮していることを表す。b値およびΔb値の結果を表1~表3
に併せて示す。
【0129】
(色差判定基準)
◎ Δb 0.4未満
○ Δb 0.4以上0.5未満
× Δb 0.5以上
【0130】
【表1】
【0131】
【表2】
【0132】
【表3】
【0133】
表1に示す通り、成分(B)を配合しただけでは着色は生じなかったが(比較例1)、
成分(A)3質量%以上のニコチン酸アミドと、成分(B)ヒアルロン酸及びその塩、並
びにその誘導体から選ばれる2種以上とを共に配合した場合には着色が生じてしまうとい
う、新規な課題が見出された(比較例2)。一方、表2及び表3に示す通り、各実施例に
おいて、さらに(C)両親媒性化合物を含有させた場合には、経時的な着色が抑制される
ことが認められた。
【0134】
[試験例2 熱安定性試験]
常法により下記表4~表6に示す組成にて各種成分を混合してサンプルを調製した後、
そのサンプルを20mLガラスバイアルにとり、60℃に設定した恒温槽にて1週間加温
した。1週間後、目視および分光測色計にて着色の変化(外観変化及び色差変化)を評価
した。評価方法は、試験例1の場合と同様である。
【0135】
[着色抑制度]
試験例1の評価方法に加えて、課題が発生した比較例におけるΔb値を基準として、
C成分を添加したことによるΔb値への影響を下記式により着色抑制度を算出して評価
した。

着色抑制度=(課題が発生した比較例のΔb値-各実施例のΔb値)/各実施例の
Δb値×100

実施例2-1~実施例2-10では、着色抑制度算出の基準として比較例2-1におけ
るΔb値を用いた。
【0136】
(着色抑制度判定基準)
◎ 着色抑制度 30%以上
○ 着色抑制度 10%以上30%未満
△ 着色抑制度 4%以上10%未満
【0137】
【表4】
【0138】
【表5】
【0139】
【表6】
【0140】
表4に示す通り、成分(B)を配合しただけでは着色は生じなかったが(比較例1)、
成分(A)5質量%以上のニコチン酸アミドと、成分(B)ヒアルロン酸、その誘導体、
及び、その塩から選ばれる2種以上とを共に配合した場合には着色が生じてしまうという
、新規な課題が見出された(比較例2-1)。一方、表5及び表6に示す通り、各実施例
において、さらに(C)両親媒性化合物を含有させた場合には、経時的な着色が抑制され
ることが認められた。また、成分(A)5質量%以上のニコチン酸アミドを配合する場合
には、共存させる成分(B)がアセチル化ヒアルロン酸ナトリウム1種であっても、着色
が生じてしまうという、上記とは異なる新規な課題が見出された(比較例2-4)。成分
(A)5質量%以上のニコチン酸アミドを配合する場合における課題に対しても、実施例
2-1~実施例2-10で用いた(C)両親媒性化合物を含有させた場合には、経時的な
着色が抑制されることが認められた。
【0141】
[試験例3 熱安定性試験]
常法により下記表7~表8に示す組成にて各種成分を混合してサンプルを調製した後、
そのサンプルを20mLガラスバイアルにとり、60℃に設定した恒温槽にて1週間加温
した。1週間後、目視および分光測色計にて着色の変化(外観変化及び色差変化)を評価
した。評価方法は、試験例2の場合と同様である。実施例3-1~実施例3-5では、着
色抑制度算出の基準として比較例3-2におけるΔb値を用いた。
【0142】
【表7】
【0143】
【表8】
【0144】
表7に示す通り、成分(B)を配合しただけでは着色は生じなかったが(比較例3-1
)、成分(A)5質量%以上のニコチン酸アミドと、成分(B)ヒアルロン酸、その誘導
体、及び、その塩から選ばれる2種以上とを共に配合した場合には着色が生じてしまうと
いう、新規な課題が見出された(比較例3-2)。一方、表8に示す通り、各実施例にお
いて、さらに(C)両親媒性化合物を含有させた場合には、経時的な着色が抑制されるこ
とが認められた。
【0145】
[試験例4 熱安定性試験]
常法により下記表9~表10に示す組成にて各種成分を混合してサンプルを調製した後
、そのサンプルを20mLガラスバイアルにとり、60℃に設定した恒温槽にて1週間加
温した。1週間後、目視および分光測色計にて着色の変化(外観変化及び色差変化)を評
価した。評価方法は、試験例2の場合と同様である。実施例4-1~実施例4-3では、
着色抑制度算出の基準として比較例4-2におけるΔb値を用いた。
【0146】
【表9】
【0147】
【表10】
【0148】
表9に示す通り、成分(B)を配合しただけでは着色は生じなかったが(比較例4-1
)、成分(A)5質量%以上のニコチン酸アミドと、成分(B)ヒアルロン酸、その誘導
体、及び、その塩から選ばれる2種以上とを共に配合した場合には着色が生じてしまうと
いう、新規な課題が見出された(比較例4-2)。一方、表10に示す通り、各実施例に
おいて、さらに(C)両親媒性化合物を含有させた場合には、経時的な着色が抑制される
ことが認められた。
【0149】
[試験例5 熱安定性試験]
常法により下記表11~表13に示す組成にて各種成分を混合してサンプルを調製した
後、そのサンプルを20mLガラスバイアルにとり、60℃に設定した恒温槽にて1週間
加温した。1週間後、目視および分光測色計にて着色の変化(外観変化及び色差変化)を
評価した。評価方法は、試験例2の場合と同様である。実施例5-1~実施例5-12で
は、着色抑制度算出の基準として比較例5-2におけるΔb値を用いた。
【0150】
【表11】
【0151】
【表12】
【0152】
【表13】
【0153】
表11に示す通り、成分(B)を配合しただけでは着色は生じなかったが(比較例5-
1)、成分(A)3質量%以上のニコチン酸アミドと、成分(B)ヒアルロン酸、その誘
導体、それらの塩、並びに、ヘパリン類似物質からなる群より選択される2種以上とを共
に配合した場合には着色が生じてしまうという、新規な課題が見出された(比較例5-2
)。一方、表12~表13に示す通り、各実施例において、さらに(C)両親媒性化合物
を含有させた場合には、経時的な着色が抑制されることが認められた。
【0154】
[製剤例]
下記の表14~表39に示す処方に基づいて、本発明の皮膚外用組成物(製剤例1~2
6)を調製した。
【0155】
【表14】
【0156】
【表15】
【0157】
【表16】
【0158】
【表17】
【0159】
【表18】
【0160】
【表19】
【0161】
【表20】
【0162】
【表21】
【0163】
【表22】
【0164】
【表23】
【0165】
【表24】
【0166】
【表25】
【0167】
【表26】
【0168】
【表27】
【0169】
【表28】
【0170】
【表29】
【0171】
【表30】
【0172】
【表31】
【0173】
【表32】
【0174】
【表33】
【0175】
【表34】
【0176】
【表35】
【0177】
【表36】
【0178】
【表37】
【0179】
【表38】
【0180】
【表39】
【0181】
いずれの製剤例においても、着色が抑制された皮膚外用組成物が得られた。また、使用
感も優れた良好な皮膚外用組成物であった。