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▶ 後藤 夕希枝の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178462
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】簡単帯
(51)【国際特許分類】
   A41F 19/00 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
A41F19/00 101Z
A41F19/00 102N
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024172525
(22)【出願日】2024-10-01
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】521556059
【氏名又は名称】後藤 夕希枝
(74)【代理人】
【識別番号】100160657
【弁理士】
【氏名又は名称】上吉原 宏
(72)【発明者】
【氏名】後藤 夕希枝
(57)【要約】      (修正有)
【課題】和装の帯を一人でも容易に装着することを可能とし、時間の経過によっておこる着崩れ、又は食事後のウエストサイズの変化にも対応することが可能な簡単帯を提供する。
【解決手段】帯本体10は、前帯部11と後ろ帯部12とから成り、前帯部11は、前記連結機構20の一方の端部から前側に延びて形成され、後ろ帯部12は、前記連結機構20の他方の端部から後ろ側に延びて形成され、前記連結機構20は、前帯部11と後ろ帯部12とを連結し、前記長さ調整機構30は複数の前帯穴部31と、複数の後ろ帯穴部32と、紐状部材33により構成され、前記前帯穴部31は、前記前帯部11の前記連結機構20側と逆の端部に設けられ、前記後ろ帯穴部32は、前記後ろ帯部12の前記連結機構20側と逆の端部に設けられ、前記前帯穴部31と前記後ろ穴部32に通す前記紐状部材33によって帯本体10の長さを調整できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
和装用帯であって、
帯本体(10)と、
連結機構(20)と、
長さ調整機構(30)によって環状となり、
前記帯本体(10)は、前帯部(11)と後ろ帯部(12)とから構成され、
前記前帯部(11)は、前記連結機構(20)の一方の端部から前側に延びて形成され、
前記後ろ帯部(12)は、前記連結機構(20)の他方の端部から後ろ側に延びて形成され、
前記連結機構(20)は、前記前帯部(11)と前記後ろ帯部(12)とを連結し、
前記長さ調整機構(30)は複数の前帯穴部(31)と、複数の後ろ帯穴部(32)と、紐状部材(33)により構成され、
前記前帯穴部(31)は、前記前帯部(11)の前記連結機構(20)側と逆の端部に設けられ、
前記後ろ穴部(32)は、前記後ろ帯部(12)の前記連結機構(20)側と逆の端部に設けられ、
前記前帯穴部(31)と前記後ろ穴部(32)に通す前記紐状部材(33)によって帯本体(10)の長さを調整できる構成であることを特徴とする簡単帯(1)。
【請求項2】
前記帯本体(10)が表地(13)と裏地(14)の合わせ構成から成り、
前記表地(13)と前記裏地(14)の間に帯板(51)を備えるための帯板装着機構(50)を有したことを特徴とする請求項1に記載の簡単帯(1)。
【請求項3】
前記帯板装着機構(50)に前記帯板(51)が脱落しないための返し(52)を設けていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の簡単帯(1)。
【請求項4】
前記連結機構(20)にスライドファスナーを採用したことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の簡単帯(1)。
【請求項5】
前記長さ調整機構に前記前帯部(11)と前記後ろ帯部(12)の端部をそれぞれ連結する帯部連結部材(40)を有することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の簡単帯(1)。
【請求項6】
前記簡単帯に装着する専用飾り帯(60)を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の簡単帯(1)。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着物の帯の技術に関し、詳しくは、帯体を二つの部材に分けてファスナー等の連結部材で連結可能にすることで、複雑な帯結びを簡単且つ美しくできると供に、個人の体型や状況に応じて調節することも可能となる簡単帯の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
着物は日本の民族衣装として世界にも広く知られている所謂和装の一形態である。日本人はお祝い事などには着物を着る習慣があり、お宮参りや七五三、成人式、或いは結婚式など、生涯にわたって着る機会があるといえる。しかしながら、現代日本人の多くは車や電車での長時間の移動でも楽な洋服を選択する傾向が強い。また、滅多に着る機会がない着物を一人で着るということは時間もかかり、特に帯については締め方を忘れてしまいがちであり、従って、前記のようなお祝いの席で着物を着る場合には、美容室や専門の着付け師に頼むといったことが当たり前になっている。
【0003】
また、着物は日本の民族衣装でありながら、日本人でも一人で着ることができないという問題がある。また、着付けの手順として、着物や帯の文化や伝統を守るという観点から古くから伝わる伝統的な技法を未だに採用する傾向があるといえ、それぞれの流派により受け継がれてきた着方を重んじ、新しい着方を取り入れることに抵抗がある傾向があることも否めない。しかし、老若男女問わず、もっと気軽に着物を着ることができないかと考える人も多く存在し、一人で簡単に着物を着ることができる技術が求められているといえる。
【0004】
何故、着物を一人で着ることが難しいかを考えると、先ず帯結びが挙げられる。帯結びは、着物が着崩れしないようにしっかりと締めなくてはならないことと、きつく締めすぎて食事をする際に楽しく飲食ができないなどといった、相反するどちらの問題も解決する必要があるため、素人が自分で着ることをあきらめる大きな原因といえる。そして次に、お太鼓を作る際に後ろ手にする作業は非常に難しく、特に年齢を重ねた世代では、体が硬くなり、五十肩の方などではその作業は困難となる。そこで、困難となる後ろ手の作業を強いられていたお太鼓の創出を簡単に出来る帯が求められているといえる。
【0005】
そこで、従来からも種々の技術提案がなされてきた。例えば、発明の名称を「二部式帯」とする技術が開示されている(特許文献1参照)。具体的には、「帯の見栄えは、着物に対する帯本体の位置に加え、やはり着物に対する太鼓結びの位置及び姿勢が重要である。この点、特許文献1ほかに見られる従来の二部式帯は、太鼓結びの位置が先に着物に締め付けた帯本体の位置に左右され、また着物に締め付けた帯本体にぶら下げる太鼓結びの姿勢が崩れやすかった。帯本体に太鼓結びを引っ掛ける二部式帯は、着物を容易に着脱できるようにする点で有効であるが、前記のような太鼓結びの位置及び姿勢に問題があった。そこで、見栄えのよい二部式帯を提供するため、特に太鼓結びの取り扱いについて検討する。」ことを課題とし、解決手段として「着物に対して着脱自在にした太鼓結びと、前記太鼓結びに通して着物に締め付ける帯本体とからなる二部式帯において、太鼓結びは、前面に面ファスナーの一方を取り付けてあり、面ファスナーの他方を剥離容易な接着面により着物に貼り付けることを特徴とする二部式帯。」というものである。
【0006】
また、考案の名称を「フィット巻付け可能な簡易着付け和装帯」とする技術も開示されている(特許文献2参照)。具体的には、「簡易ワンタッチ的に着用できるように構成した和装帯」を課題とし、解決手段としては、「規定サイズに仕上げた和装帯であって、胴巻き部分2の該剣先部分.係止用面フアスナー4と、太鼓部分1係止部5に重ね合わせ状に係止連結してワンタッチ着用する。」という発明が公開され公知技術となっている。
【0007】
また、考案の名称を「簡単ワンタッチ着装用和装帯」とする技術も開示されている(特許文献2参照)。具体的には、「簡易的に手際よく着用することができるように構成した和装用帯。」を課題とし、解決手段としては、「規定サイズに仕立てた帯を着用状態に仮縫着して、太鼓部分2および該太鼓部分2の両側にのびる胴回り部分3を構成し、この胴回り部分3を着物の上から着用者の胴体に巻き付け、胴回り部分3の両端部に設けた帯係止手段4によってして該胴回り部分3の両端部を重ね合わせ状に係止連結して着用するようになしたもので、該帯1に、胴回り部分の長さ方向中間部分に一端を縫着連結してあり、胴回り部分の一端側3Aに向けてのびていて、一方の面にベルベット式ファスナー用起毛部7を備えた伸縮性のベルト6と、胴回り部分3の他端側3Bに設けたベルベット式ファスナー素子8とからなるフィット巻付け装着手段5を組み合わせて構成したものであって、当該フィット巻付け装着手段5の係止連結によって、帯を胴体に確実にフィットさせるようにした。」という考案が公開され公知技術となっている。
【0008】
上記特許文献1から特許文献3に記載の技術は、簡単に帯を締めることを可能にするという課題において共通する。しかしながら、本発明とはその課題解決のための技術的手段が相違している。即ち、特許文献1から特許文献3に記載の技術は、何れも結合手段に、面ファスナーやベルベット式ファスナーを使用しており、食事後のウエストの変化に対応させることや、着崩れなどを直すには容易とは言えず、本発明の方が技術的に優位といえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4091651号
【特許文献2】実用新案登録第3079382号
【特許文献3】実開平6-42919号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、和装の帯を一人でも容易且つ綺麗に装着することを可能とし、時間の経過によっておこる着崩れ、又は食事後のウエストサイズの変化にも対応可能な簡単帯の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、和装用帯であって、帯本体と、連結機構と、長さ調整機構によって環状となり、前記帯本体は、前帯部と後ろ帯部とから成り、前記前帯部は、前記連結機構の一方の端部から前側に延びて形成され、前記後ろ帯部は、前記連結機構の他方の端部から後ろ側に延びて形成され、前記連結機構は、前記前帯部と前記後ろ帯部とを連結し、前記長さ調整機構は複数の前帯穴部と、複数の後ろ帯穴部と、紐状部材により構成され、前記前帯穴部は、前記前帯部の前記連結機構側と逆の端部に設けられ、前記後ろ穴部は、前記後ろ帯部の前記連結機構側と逆の端部に設けられ、前記前帯穴部と前記後ろ穴部に通す前記紐状部材によって帯本体の長さを調整できる構成を採用する。
【0012】
また、本発明は、前記帯本体が表地と裏地の合わせ構成から成り、表地と裏地の間に帯板を備えるための帯板装着機構を有した構成を採用することもできる。
【0013】
また、本発明は、前記帯板装着機構に前記帯板が脱落しないための返しを備えた構成を採用することもできる。
【0014】
また、本発明は、前記連結機構にスライドファスナーを採用した構成を採用することもできる。
【0015】
また、本発明は、前記長さ調整機構に前記前帯部と前記後ろ帯部の端部をそれぞれ連結する帯部連結部材を有する構成を採用することもできる。
【0016】
また、本発明は、前記簡単帯に装着する専用飾り帯を備えた構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る簡単帯によれば、先に調整してあればファスナーを上げるだけなので、難しい帯結びを簡単に結べ、着付け師に頼らずとも楽に着脱でき、自分で和装の帯を装着できるという優れた効果を発揮するものである。
【0018】
また、本発明に係る簡単帯において、帯板装着機構を有する構成を採用した場合には帯本体に帯板を予め挿入することで帯と帯板が一体となることから、帯板の装着をする作業をしなくてもよいという優れた効果を発揮するものである。
【0019】
また、本発明に係る簡単帯において、帯板装着機構に返しを付ける構成を採用した場合には、帯本体から帯板が脱落したりズレたりしたりすることがなくなるという優れた効果を発揮する。
【0020】
また、本発明に係る簡単帯によれば、連結機構に面ファスナーやフックだと端が出たりゆがんだりするが、スライドファスナーとリボンによる調整機構を採用したことで帯に段差がなくより美しい帯結びが可能になるという優れた効果を発揮するものである。
【0021】
また、本発明に係る簡単帯において、帯の長さがリボンにより自在に調整できることから、帯を使用する個人の体型に合わせて帯の長さを簡単に調整したり、着物を着て出かけた先の食事などで帯がきつくなり、締め付けられる状態になっても長さ調整機構のリボンを緩めるだけで簡単に調整したりできるという優れた効果を発揮するものである。
【0022】
また、本発明に係る簡単帯によれば、お太鼓や飾り帯の部分を簡単に外せることから、車や電車での長時間の移動時に背中を気にして疲れてしまうということがないという優れた効果を発揮する。
【0023】
また、本発明に係る簡単帯において、体に巻き付ける帯本体と背中に位置する飾り帯の部分が二つのそれぞれ別の部材に分かれていることから、難しい飾り帯の結びも本来の後ろ手に結ぶ必要がなく、事前に飾り帯を締めることが可能となるため、より簡単に帯の装着が可能となるという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る簡単帯の基本構成を説明する基本構成説明図である。
図2】本発明に係る簡単帯を展開した展開図である。
図3】本発明に係る簡単帯の調整機構を説明する調整機構説明図である。
図4】本発明に係る簡単帯の使用状態を説明する使用状態説明図である。
図5】本発明に係る簡単帯の使用状態を説明する使用状態説明装着図である。
図6】本発明に係る簡単帯の帯板装着機構を説明する帯板装着機構説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係る簡単帯は、本発明は、和装用帯であって、帯本体と、連結機構と、長さ調整機構によって環状となり、前記帯本体は、前帯部と後ろ帯部とから成り、前帯部は、前記連結機構の一方の端部から前側に延びて形成され、後ろ帯部は、前記連結機構の他方の端部から後ろ側に延びて形成され、前記連結機構は、前帯部と後ろ帯部とを連結し、前記長さ調整機構は複数の前帯穴部と、複数の後ろ帯穴部と、紐状部材により構成され、前記前帯穴部は、前記前帯部の前記連結機構側と逆の端部に設けられ、前記後ろ穴部は、前記後ろ帯部の前記連結機構側と逆の端部に設けられ、前記前帯穴部と前記後ろ穴部に通す前記紐状部材によって帯本体の長さを調整できることを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて各構成を説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
【0026】
図1は、本発明に係る簡単帯の基本構成を説明する基本構成説明図であり、図1(a)は、基本構成説明図の前帯部11と連結機構20の配置を示し、図1(b)は、前帯部11と後ろ帯部12と連結機構20と長さ調整機構30によって連結されている状態を示し、図1(c)は、帯部10が連結している状態で帯本体10を側面から見た状態を示している。
【0027】
帯本体10は、本発明に係る簡単帯において、胴体に巻く帯の部分であり、大まかには前帯部11と後ろ帯部12の二つの部材から成るものである。
【0028】
前帯部11は、二つの部材から成る帯本体10の内、前記連結機構20から前側に延びて長さ調整機構30までを形成する部分である。
【0029】
後ろ帯部12は、二つの部材から成る帯本体10の内、前記連結機構20から後ろ側に延びて長さ調整機構30までを形成する部分である。
【0030】
連結機構20は、前帯部11と後ろ帯部12とを連結するための部材であり、係る連結のための部材として面ファスナーやフックなど様々なものが考えられるが、面ファスナーやフックだとファスナーの受け部材が表面に出てしまったり、連結箇所に段差ができてしまうという短所があり、連結箇所をより美しく見せるためにはスライドファスナーを採用することが好ましい。
【0031】
長さ調整機構30は、帯本体10の帯の長さを、使用する個人のサイズに合わせて調整をすることができる機構であり、前帯部11と後ろ帯部12の端部に設けられた複数の穴に紐部材33を交互に通すことで帯本体10の長さを自在に調整できるものである。なお、係る長さ調整機構30を設けたことにより、面ファスナーのように連結する機構に長さを調整する機能を持たなくても良くなり、結合手段としてスライドファスナーの採用を可能としたものである。
【0032】
前帯穴部31は、前帯部11の連結機構20側と逆の端部に複数設けられ、帯本体10の長さを調整するために紐状部材33を通す穴である。なお、図面には特に示していないが、係る穴部にハトメを備えることが望ましい。
【0033】
後ろ帯穴部32は、後ろ帯部12の連結機構20側と逆の端部に設けられ、帯本体10の長さを調整するために紐状部材33を通す穴である。なお、前帯穴部31と同様に、図面には特に示していないが、係る後ろ帯穴部32にはハトメを備えることが望ましい。
【0034】
紐状部材33は、前記前帯穴部31と前記後ろ穴部32に通して帯本体10の長さを調整する長さ調整機構30を構成する部材である。なお、紐状部材33の種類については特に限定されるものではなく、組紐や平紐等が考えられ、特にサテンコード等の所謂リボンに段差が生じないため好適である。
【0035】
帯部連結部材40は、長さ調整機構30の内側に位置し、前帯部11と後ろ帯部12を繋ぐことで、帯10本体の形状を安定させるものであると供に、係る帯部連結部材40は長さ調整機構30による最大長さを規制する役割を有するものである。
【0036】
図2は、本発明に係る簡単帯1を展開した状態で、前帯部11と後ろ帯部12と連結機構20と長さ調整機構30の配置構成を示している。左から連結機構20、後ろ帯部12、長さ調整機構30、前帯部11、連結機構20である。
【0037】
図3は、本発明に係る簡単帯の長さ調整機構30を説明する長さ調整機構説明図であり、前帯穴部31と後ろ帯穴部32を交差するように紐状部材33で連結しながら帯本体10の長さを調整していることを示している。紐状部材33の通し方については図面に示したアンダーラップに限定されるものではなく、オーバーラップ、シングル、或いはパラレルなど、特に限定されるものではない。
【0038】
図4は、本発明に係る簡単帯の使用状態を説明する使用状態説明図であり、図4(a)は、帯本体10に飾り帯60を装着した状態を前から見た場合の使用状態を示し、図4(b)は、帯本体10に飾り帯60を装着した状態を後ろから見た場合の使用状態を示し、図4(c)は、帯本体10に飾り帯60を装着した状態を上方から見た場合の使用状態を示している。
【0039】
飾り帯60は、所謂お太鼓の部分である。通常は好みの帯の結び方をして創出する部分であるが、本発明に係る簡単帯1では、予めお太鼓の部分が二重太鼓等に作られており、飾り帯60の背に当たる部分の帯を少なくとも二枚以上の合わせ構成にして、係る合わせ構成によってできる隙間に帯本体10の端辺を差し込み挿通させることで、飾り帯60を装着できる構成としたものである。簡単に脱着できるため、図6に示した袋帯の代表的な帯結びである二重太鼓のみならず、銀座結びや角出し、或いはアレンジ結びなど、シーンに応じたコーディネートを楽しむことができる。
【0040】
図5は、本発明に係る簡単帯1の帯板装着機構50を説明する帯板装着機構説明図であり、表地13と裏地14との間にできる隙間に帯板51を挟み込んで保持することが可能であり、返し52によって帯び板51の脱落やズレを防止するという構成を示している。
【0041】
図6は、本発明に係る簡単帯1の使用状態を説明する別の使用状態説明図であり、着物を着て本発明に係る簡単帯を装着している後ろ向きの使用状態を示している。
【0042】
帯板装着機構50は、帯本体10に帯板51を装着する際に収まりよく装着できる機構であって、帯本体10が表地13と裏地14で構成されているため、表地13と裏地14の間に挟む構成になっているものである。
【0043】
表地13は、帯本体10に帯板51を備えるための帯板装着機構50を構成する部材であって、裏地14との間に帯板51を挟むためのものである。
【0044】
裏地14は、帯本体10に帯板51を備えるための帯板装着機構50を構成する部材であって、表地13との間に帯板51を挟むためのものである。
【0045】
帯板51は、帯締めを用いて帯を締めたときに帯にしわが寄らないようにするための部材である。帯板51は、帯板装着機構50により表地13と裏地14との間に挟まれるため外部から見えるものではないが、サイズや素材を使い分けることで、美しい着姿と快適な着付けにつながるものである。前板となる帯板51は、帯に生じるシワを防いでビシッと格好よく見せる役割を果たし、後板となる帯板51は、飾り結びを美しく見せつつ、腰高に支えてくれる役割を果たすものである。
【0046】
返し52は、帯板装着機構50の部材であって、表地13と裏地14で構成されている帯板装着機構50に返し52を設けることで、帯板51がはみ出したりせず、収まりが良くなり、帯板51が脱落しないための部材である。
【0047】
帯留め61は、帯を締める時に飾り帯60と帯本体10を共に締め付けることで帯の定位置に着付けるための紐のことである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係る簡単帯によれば、難しい和装の着付けを自分で簡単に着ることができ、着付けしてから時間が経過して着崩れが発生しても簡単に帯の乱れを整えることが可能でることから、日本の伝統である和装を多くの方々が楽しめるようになり、日本のみならず世界中に日本の文化を広く知ってもらえることから織物業を通して産業上の利用可能性は高いものといえる。
【符号の説明】
【0049】
1 簡単帯
10 帯本体
11 前帯部
12 後ろ帯部
13 表地
14 裏地
20 連結機構
30 長さ調整機構
31 前帯穴部
32 後ろ帯穴部穴部
33 紐状部材
40 帯部連結部材
50 帯板装着機構
51 帯板
52 返し
60 飾り帯
61 帯留め

図1
図2
図3
図4
図5
図6