(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178465
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/26 20060101AFI20241217BHJP
B65H 31/08 20060101ALI20241217BHJP
B41J 15/04 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
B65H31/26
B65H31/08
B41J15/04
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024173000
(22)【出願日】2024-10-02
(62)【分割の表示】P 2020166128の分割
【原出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅井 泰之
(72)【発明者】
【氏名】野澤 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】米山 洋正
(72)【発明者】
【氏名】内田 幸太
(57)【要約】
【課題】排出される記録媒体に傷が発生することを抑制することができる記録装置を提供する。
【解決手段】記録媒体1に画像を記録する記録部400と、画像が記録された記録媒体1を排出方向に排出する排出口102が側面に開口する筐体101と、排出口102から排出された記録媒体1を受け止める柔軟性を有するシート状の受け部材120と、を有する記録装置100において、筐体101の排出口102の内側に設けられる上流側ガイド111を有し、受け部材120は、排出方向の上流側の端部120dが、上流側ガイド111とオーバーラップする位置で保持される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を記録する記録部と、
画像が記録された記録媒体を排出方向に排出する排出口が側面に開口する筐体と、
前記排出口から排出された記録媒体を受け止める柔軟性を有するシート状の受け部材と、
を有する記録装置において、
前記筐体の前記排出口の内側に設けられ、記録媒体を支持する上流側ガイド
を有し、
前記受け部材は、前記排出方向の上流側の端部が、前記上流側ガイドの下で前記排出方向において前記上流側ガイドとオーバーラップする位置で保持されることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記筐体の前記上流側ガイドよりも前記排出方向の下流側に設けられる下流側ガイドをさらに有し、
前記受け部材は、前記排出方向の上流側の端部が、前記上流側ガイドと前記下流側ガイドとの間の隙間の内側で保持されることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記隙間は、前記上流側ガイドと前記下流側ガイドとが垂直方向に離れて設けられることで形成されており、
前記受け部材の前記上流側の端部は、前記上流側ガイドの下方において前記上流側ガイドと水平方向にオーバーラップしていることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記上流側ガイドは、前記記録媒体の画像記録面とは反対側の面をガイドする上流側ガイド面を有し、
前記下流側ガイドは、前記隙間を介して前記上流側ガイド面の前記排出方向の下流側に下流側ガイド面を有し、
前記受け部材は、前記下流側ガイド面を覆う部分において、前記上流側ガイド面の前記下流側で前記反対側の面をガイドする受け部材ガイド面を有し、
前記上流側ガイド面と前記受け部材ガイド面が、前記排出方向に並ぶことを特徴とする請求項2又は3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記下流側ガイドは、前記隙間において前記受け部材を支持する支持面を有し、
前記支持面は、前記上流側ガイド面の延びる方向に対して鋭角に切り返した方向に延びるように、前記上流側ガイド面に対して傾斜した面であることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記下流側ガイドは、前記支持面を第1の支持面とし、前記第1の支持面から前記隙間の外に前記排出方向に連なって前記排出口に向かって延びて、前記受け部材を支持する第2の支持面を有し、
前記上流側ガイド面と前記第2の支持面は、互いに平行に、前記排出口に向けて水平面に対して傾斜した方向に下る面であり、
前記第1の支持面の方が、前記第2の支持面よりも、水平面となす角度が小さいことを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記受け部材の前記上流側の端部は、前記下流側ガイドに着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項2~6のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項8】
前記上流側ガイドと前記下流側ガイドとの間の前記隙間は、前記受け部材の前記上流側の端部を前記排出口を介して前記隙間の内側に対して挿抜可能とすべく、前記排出口を介
して前記側面の外側に開放されていることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
【請求項9】
前記受け部材の前記排出方向の下流側の端部を保持する第1の保持部材と、
前記受け部材の前記上流側の端部を保持し、かつ、前記下流側ガイドに着脱可能に構成された第2の保持部材と、
をさらに有することを特徴とする請求項2~8のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項10】
前記第2の保持部材は、前記排出方向と直交する幅方向の両端に、係合部を有し、
前記下流側ガイドは、前記係合部が係合する被係合部を有し、
前記受け部材は、前記係合部と前記被係合部の係脱によって、前記下流側ガイドに着脱されることを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
【請求項11】
前記第2の保持部材は、前記幅方向の両端に、前記受け部材の前記下流側ガイドに対する着脱の際にユーザが把持するための持ち手部を有し、
前記持ち手部は、前記排出口の内側において前記隙間の外に露出していることを特徴とする請求項10に記載の記録装置。
【請求項12】
前記第2の保持部材は、前記下流側ガイドに係合したときに前記上流側ガイドと前記下流側ガイドとの間の隙間の内側に位置する第1保持部と、前記隙間の外側の前記下流側ガイドのガイド面に沿って延びる第2保持部と、を有し、
前記受け部材は、前記上流側の部分が、前記第1保持部と前記第2保持部を囲み、かつ前記第2保持部と前記下流側ガイドの前記ガイド面との間で挟まれるように、前記第2の保持部材に取り付けられることを特徴とする請求項9~11のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項13】
前記受け部材の前記上流側の端部が前記上流側ガイドと前記下流側ガイドとの間の隙間から取り外された際において、前記隙間を塞ぐ遮蔽部材をさらに有することを特徴とする請求項2~12のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項14】
前記排出口の下方において前記側面の一部を開閉する開閉部材をさらに有し、
前記下流側ガイドは、前記開閉部材と一体に設けられていることを特徴とする請求項2~13のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項15】
前記開閉部材は、前記記録部で画像が記録される前の記録媒体を収容する収容部を前記筐体の外部に露出させるためのカバー部材であることを特徴とする請求項14に記載の記録装置。
【請求項16】
前記受け部材は、前記排出方向の上流側の端部における、前記排出方向と直交する幅方向の両端に、係合部を有し、
前記下流側ガイドは、前記係合部が係合する被係合部を有し、
前記受け部材は、前記係合部が前記被係合部に係合することで、前記上流側の端部が前記下流側ガイドに保持されることを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項17】
前記係合部は、ループ状のヒモ部であり、
前記被係合部は、前記ヒモ部を引っかけることが可能なフック形状部であることを特徴とする請求項16に記載の記録装置。
【請求項18】
前記排出口の下方において前記側面の一部を開閉する開閉部材をさらに有し、
前記下流側ガイドは、前記開閉部材と一体に設けられており、
前記開閉部材が開いた状態において、前記下流側ガイドの前記被係合部が前記筐体の外部に露出し、
前記開閉部材が閉じた状態において、前記受け部材の前記上流側の端部が、前記上流側ガイドと前記下流側ガイドとの間の隙間の内側で保持される状態となることを特徴とする請求項17に記載の記録装置。
【請求項19】
前記受け部材の前記幅方向の両端において前記ヒモ部が前記フック形状部に引っかかる位置の間の距離は、前記下流側ガイドの前記幅方向の両端において前記フック形状部が前記ヒモ部を受ける位置の間の距離よりも短いことを特徴とする請求項18に記載の記録装置。
【請求項20】
前記開閉部材は、閉じた状態において、前記受け部材よりも前記幅方向の外側に、ユーザが前記開閉部材を開く際に指をかけるための凹部を有することを特徴とする請求項18又は19に記載の記録装置。
【請求項21】
前記開閉部材よりも下方において前記側面の一部を開閉する第2の開閉部材をさらに有し、
前記第2の開閉部材は、前記係合部が係合可能な第2の被係合部を有し、
前記第2の開閉部材が開いた状態において、前記第2の被係合部が前記筐体の外部に露出し、
前記第2の開閉部材が閉じた状態において、前記受け部材の前記上流側の端部が、前記第2の開閉部材の内側で保持される状態となることを特徴とする請求項18~20のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項22】
前記開閉部材は、前記記録部で画像が記録される前の記録媒体を収容する収容部を前記筐体の外部に露出させるためのカバー部材であることを特徴とする請求項18~21のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項23】
記録媒体に画像を記録する記録部と、
画像が記録された記録媒体を排出方向に排出する排出口が側面に開口する筐体と、
前記筐体の前記排出口の内側に設けられる、前記記録媒体をガイドするガイドと、
前記排出口から排出された記録媒体を受け止める柔軟性を有するシート状の受け部材と、
を有する記録装置において、
前記受け部材の前記排出方向における上流側の端部を保持する保持部材を有し、
前記保持部材は、前記排出方向と直交する幅方向の両端に、係合部を有し、
前記ガイドは、前記幅方向の両端に、前記係合部が係合する被係合部を有し、
前記被係合部は、前記幅方向において、前記記録部による画像の記録が可能な記録媒体の最大幅よりも外側に配置され、かつ、前記排出方向において、前記ガイドの両端よりも内側に配置されることを特徴とする記録装置。
【請求項24】
前記ガイドは、前記幅方向の両端において、前記被係合部よりも前記幅方向の外側に、前記排出方向の下流に向かうにつれて前記幅方向の外側に向かう方向に延びる斜面を有することを特徴とする請求項23に記載の記録装置。
【請求項25】
前記係合部は、フック形状部であり、
前記被係合部は、前記フック形状部が係合可能な凸形状部であり、前記ガイドにおける前記記録媒体のガイド面よりも下側に配置されていることを特徴とする請求項23又は24に記載の記録装置。
【請求項26】
前記保持部材は、前記係合部と前記被係合部の係合により、前記ガイドに対する、前記排出方向の位置と、鉛直方向の位置と、がそれぞれ規定されることを特徴とする請求項23~25のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項27】
前記保持部材は、前記幅方向の両端に、前記ガイドに対する着脱の際にユーザが把持するための持ち手部を有し、
前記持ち手部は、前記係合部と一体に構成されていることを特徴とする請求項23~26のいずれか1項に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の記録媒体を画像の記録後に収容するための収容装置を備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体として画像が記録(プリント)されたシートを収容するシート収容部を備えた記録装置が従来より知られている。特許文献1には、画像記録部に給紙される画像未記録のシートがロール状に収容される収容部を備える装置構成において、該収容部を覆うロールカバーの前方に、排紙収容部(バスケット)を設けた装置構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の装置は、ロールカバーがシートパス面となるため、カールしやすいシートがロールカバー上で丸まることで印字面(画像記録面)がロールカバーと接触して傷がついてしまう場合があり、この傷防止が課題である。
【0005】
本発明は、排出される記録媒体に傷が発生することを抑制することができる記録装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の記録装置は、
記録媒体に画像を記録する記録部と、
画像が記録された記録媒体を排出方向に排出する排出口が側面に開口する筐体と、
前記排出口から排出された記録媒体を受け止める柔軟性を有するシート状の受け部材と、
を有する記録装置において、
前記筐体の前記排出口の内側に設けられ、記録媒体を支持する上流側ガイド
を有し、
前記受け部材は、前記排出方向の上流側の端部が、前記上流側ガイドの下で前記排出方向において前記上流側ガイドとオーバーラップする位置で保持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、排出される記録媒体に傷が発生することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1に係る記録装置の構成説明図である。
【
図2】本発明の実施形態1のシート収容装置の構成説明図である。
【
図3】本発明の実施形態1の第2の保持部材の斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態1の第2の保持部材の構成説明図である。
【
図5】本発明の実施形態1の上下段排紙ガイドの別構成の説明図である。
【
図6】本発明の実施形態1のバスケットの装着構成の説明図である。
【
図7】本発明の実施形態2のロールカバーの構成説明図である。
【
図8】本発明の実施形態2のシート収容装置の構成説明図である。
【
図9】本発明の実施形態2のシート収容装置の構成説明図である。
【
図10】本発明の実施形態2のロールカバーを開ける時の操作の説明図である。
【
図11】本発明の実施形態2のロールカバーのロック構成の説明図である。
【
図12】本発明の実施形態2のバスケット取り付けの別構成の説明図である。
【
図13】本発明の実施形態1のバスケット装着構成の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0010】
(実施形態1)
図1~
図6を参照して、本発明の実施形態1に係る記録装置について説明する。本実施形態の記録装置は、記録媒体としてのシートを供給するためのシート供給装置と、そのシートに画像を記録する記録部と、シートを装置前面部に排紙する排紙部と、を備えたインクジェットプリント装置である。なお、本実施形態の記録装置は、インク等の液体を記録媒体上に吐出する液体吐出方式の記録装置であるが、画像記録方式の種類は特定のものに限定されるものではなく、例えば電子写真方式の記録装置についても本発明は適用可能である。
【0011】
図1(a)、
図1(b)は、シート状の記録媒体としてのシート1をロール状に巻回したロールシートが2本セットすることが可能な記録装置(以下、プリント装置)100の概略構成を示す斜視図であり、
図1(b)は前面排紙中の様子を示している。上下に配備されたシート供給装置200にセットされた2本のロールシートから選択的に引き出されたシート1に画像がプリントされる。プリントが完了したシート1はプリント装置前面部に設けられた前面排紙ガイド部110から排紙される。ユーザは、操作パネル2に備わる各種のスイッチなどを用いて、シート1のサイズ指定、オンライン/オフラインの切り換え、プリント装置100に対する各種コマンドなどを入力することができる。
【0012】
図1(c)は、プリント装置100の要部の前面排紙中の概略断面図(
図1(b)のA-A断面)である。2本のロールRに対応する2つのシート供給装置200が上下に配備されている。供給装置200によってロールRから引き出されたシート1は、シート搬送部(搬送機構)300によって、シート搬送経路に沿って画像をプリント可能な画像記録部(以下、プリント部)400に搬送される。プリント部400は、インクジェット式のプリントヘッド18からインクを吐出することによって、シート1に画像をプリントする。プリントヘッド18は、電気熱変換素子(ヒータ)やピエゾ素子などの吐出エネルギー発生素子を用いて、吐出口からインクを吐出する。プリントヘッド18はインクジェット方式のみに限定されず、またプリント部400のプリント方式も限定されず、例えば、シリアルスキャン方式あるいはフルライン方式などであってもよい。シリアルスキャン方式の場合には、シート1の搬送動作と、シート1の搬送方向と交差する方向におけるプリントヘッド18の走査と、を伴って画像をプリントする。フルライン方式の場合には、シート1の搬送方向と交差する方向に延在する長尺なプリントヘッド18を用い、シート1を連続的に搬送しつつ画像をプリントする。
【0013】
プリント部400へ導かれたシート1は、搬送ローラ対14によって搬送方向F1へ搬送される。プリントヘッド18の搬送方向F1の下流側には、順番に、カッター21と、前面排紙ガイド部110が配置されている。シート1は、前面排紙ガイド部110の上部を通ってプリント装置前面に排紙される。プリント終了後、カッター21によってカット
されたシート1は、その自重によって排紙され、プリンタ下部から引き出し可能な前面排紙収容部29へ収容される。プリント装置100は、筐体101の装置前面側の側面101aに排出口102が開口している。前面排紙収容部29は、排出口102から排出されたシート1を受け止めるように、排出口102の下方に配置されている。
【0014】
図2も用いて、前面排紙収容部29について詳細に説明していく。
図2は、実施形態1のシート収容装置の構成説明図であり、(a)は斜視図、(b)はバスケット布120の構成説明図、(c)、(d)は、バスケット布120の保持構成の説明図、(e)は、シート収容装置の別構成図である。
図2(a)は、
図1(b)の状態からプリント装置100の一部を不図示にした図である。前面排紙収容部29は、柔軟性を有するシート状の受け部材としてのポリエステルのシート部材(以下、バスケット布)120と、バスケット布120を支持する第1の保持部材130及び第2保持部材140と、を備える。第1の保持部材130は、鉛直方向において、排出口102より下方かつ、水平方向において、排出口102が設けられた側面101aから所定の距離だけ離れた位置において、バスケット布120のシート1排出方向下流側の端部(端辺)を支持する。第1の保持部材130が側面101aから離される距離は、排出されたシート1を適切に受け止めることができるように適宜設定されるものであり、排出されるシート1の長さや材質等、枚数等応じて異なるようにしてよい。第2の保持部材140は、第1の保持部材130に対しプリント装置100に近い側で支持するように構成されている。詳細は後述する。
【0015】
前面排紙収容部29は、さらに、装置本体のシート供給装置200の下方の最下段において前面側にスライド可能に構成された引き出し部150と、第1の保持部材130を引き出し部150に対して支持するサイドロッド131と、を有する。サイドロッド131は、第1の保持部材130の両端と引き出し部150と連結するとともに、引き出し部150に対して、
図2(a)に示す立設状態から、先端側(第1の保持部材130側)を装置背面側に向かって寝かせるように回動可能に軸支されている。引き出し部150は、レール160によりプリント装置100に対して
図2(a)の状態から矢印C方向(前面側から背面側に向かう方向)に移動可能に構成されている。引き出し部150は、前面排紙収容部29の収容部として、倒された状態の第1の保持部材130及びサイドロッド131や、プリント装置100から取り外されて折り畳んだり丸めた収容態勢のバスケット布120を収容可能に構成されている。したがって、バスケット布120を使用しない場合には、前面排紙収容部29は、各種構成を引き出し部150に収めてプリント装置100の下段内部に収納可能である。
【0016】
図2(b)、
図2(c)は、バスケット布120の構成を示している。このバスケット布120は、第1の保持部材130と第2の保持部材140に対して着脱可能な構成である。本実施例のバスケット布120は、面ファスナー121をシート1幅方向に少なくとも1つ以上設けて、ユーザが設置先でバスケット布120を2つの保持部材に1周させて面ファスナー121を結合させる構成である。すなわち、パイプ状、軸状の第1の保持部材130に対しては、バスケット布120の一方の端辺側を、第1の保持部材130の外周を囲むように折り返し、該一方の先端近傍において、シート受容面の裏面同士を面ファスナー121で結合させる。また、詳細は後述するが、長尺板状の第2の保持部材140に対しては、バスケット布120の他方の端辺側を、第2の保持部材140の外周を囲むように折り返し、該他方の先端近傍において、シート受容面の裏面同士を面ファスナー121で結合させる。
【0017】
ここではバスケット布120に面ファスナーを設けているがこの例に限らず、第2の保持部材140を例にするとシート1のガイド面の反対側にバスケット布120側と対となる面ファスナー121を配置してもよい(
図2(d))。本構成はシート供給装置200の2段構成のため、その最下部を利用し前面排紙収容部29を設け第1の保持部材130
も収納可能としたがこの構成に限らない。
【0018】
図2(e)に示すように、プリンタ装置が上段の1段ローラ仕様の場合には、引き出し部150を用いずにプリンタ装置100内の下段ローラのあったスペースに、サイドロッド131がプリンタ装置100内外に回動可能にした構成にしてもよい。
【0019】
図3を用いて、第2の保持部材140の構成について述べる。第2の保持部材140は、両端にバスケット布120の位置を決める位置決め部材141を有している。この2つの位置決め部材141は、プリント装置100に着脱可能な構成となっている。着脱可能とすることでバスケット布120を使用しない時は、取り外して別の場所に移動することができる。
【0020】
図4(a)~
図4(d)、
図13を用いて、プリント装置100に第2の保持部材140を装着した際のガイド構成について説明する。
図4(a)は、第2の保持部材140が装着される前の装着部(排紙ガイド部110)周辺の構成を示す斜視図である。
図4(b)は、第2の保持部材140が装着される前の装着部の模式的側断面図ある。
図4(c)は、第2の保持部材140装着時の装着部の部分斜視図である。
図4(d)は、第2の保持部材140の模式的断面図である。
図13は、バスケット布120及び第2の保持部材140が排紙ガイド部110に装着された状態を示す模式的断面図である。なお、
図4(a)~
図4(d)では、説明の便宜のため、バスケット布120の図示を省略しているが、実際には、上述したように第2の保持部材140はバスケット布120にくるまれた状態となっている。
【0021】
前述の前面排紙ガイド部110は、上流排紙ガイド(上流側ガイド)111と下流排紙ガイド(下流側ガイド)112、そして第2の保持部材140と、で構成されており、排出口102の内側に設けられ、排出口102に向けて記録済みシート1をガイドする。上流排紙ガイド111の下面と下流排紙ガイド112との位置関係は、水平方向でオーバーラップ(破線D)し且つ鉛直方向(垂直方向)に空間Eが形成されるように配置されている。すなわち、下流排紙ガイド112は上流排紙ガイド111の下方に位置し、両者を鉛直方向に見たときに一部が互いに重なる配置となっている。また、上流排紙ガイド111と下流排紙ガイド112は、鉛直方向に所定の距離だけ離れており、両者の間に形成されるその隙間により空間Eが形成されている。
【0022】
その下流排紙ガイド112は、水平方向で上流排紙ガイド111とオーバーラップしているが、排紙ガイド部の全域が水平ではなく排紙方向で水平に対して所定角度で下る傾斜形状(傾斜面)112aを有している。すなわち、
図13に示すように、下流排紙ガイド112の上流排紙ガイド111との間の隙間から外側の部分には、排出口に向かって水平面に対して傾斜した方向に下って延びる傾斜面112aが形成されている。傾斜面112aは、バスケット布120がプリント装置100に取り付けられる際には、バスケット布120のシート排出方向上流側の端部120d近傍(第2の保持部材140)を支持する支持面となる。また、傾斜面112aは、バスケット120が使用されない場合は、シート1の画像記録面とは反対側の面をガイドするガイド面となる。この場合、傾斜面112aは、上流排紙ガイド111のガイド面(上流側ガイド面)111bに対し、シート1の排出方向に上記隙間を介して並ぶ下流側ガイド面を形成する。傾斜面112aは、本実施例では17度の傾斜形状をしているが、特定の角度に限定されるものではなく、装置の仕様やシートの種類等に応じて適宜設定されるものである。
【0023】
また、
図13に示すように、下流排紙ガイド112において上流排紙ガイド111との間に上記隙間を形成する対向面112bは、傾斜面(第2の支持面)112aと共に、バスケット布120のシート排出方向上流側の端部120d近傍(第2の保持部材140)
を支持する支持面(第1の支持面)となる。対向面112bは、傾斜面112a及び上流排紙ガイド111のガイド面111bが延びる方向(シートガイド方向)に対して、鋭角に切り返した方向に延びるように、傾斜面112a及びガイド面111bに対して傾斜した面である。かかる対向面112bにより、上流排紙ガイド111と下流排紙ガイド112との間の隙間は、シート1の排出経路(搬送経路)に対して、シート1の排出方向とは略逆方向に空間Eが延びていくような構成となる。かかる構成により、シート1の先端が隙間(空間E)に入り込んでバスケット布120に引っかかるようなこと(ジャムの発生)が防止される。本実施例では、対向面112bが水平方向に延びる面となっているが、シート1先端の上記引っ掛かりの抑制を図ることができるのであれば、水平方向に対して角度を有していてもよい。本実施例の装置構成においては、対向面112bが水平面となす角度の方が、傾斜面112a及びガイド面111bが水平面となす角度よりも小さくすることが好ましい。ただし、シート1の排出方向が水平面に対してなす角度との兼ね合いになるため、この限りではない。例えば、本実施例では、傾斜面112aとガイド面111bが互いに平行に構成されているが、両者の間に角度が付く場合には、傾斜面112aと対向面112bとが平行となる(単一の面を形成)するような場合もあり得る。
【0024】
図4(c)(
図1(b)のF-F断面)に示すように、バスケット布120は、空間Eに第2の保持部材140を挿入した状態でプリント装置100に装着する第1セットポジションを持つ。この時に、第2の保持部材140も空間Eと傾斜形状112aに倣うように矢印方向G断面視で水平面140aと傾斜面140bから成る断面形状をし、排紙方向の上流側と下流側それぞれの長手方向にヘム曲げ部140cを持つ。この構成にすることで省スペースと強度の両立ができる。
図13に示すように、バスケット布120は、シート排出方向の上流側の端部が、第2の保持部材140をくるむように取り付けられて保持されている。バスケット布120のうち、第2の保持部材140において空間Eの内側に位置する水平面140aを含む部分(第1保持部)を囲む部分は、空間Eを介して上流排紙ガイド111(の下面)と対向する対向面120cを形成する部分と、第1保持部と下流排紙ガイド112の対向面112bとの間で挟まれる部分と、を含む。また、バスケット布120のうち、傾斜面140bを含む部分(第2保持部)を囲む部分は、シート1の排出をガイドするガイド面(受け部材ガイド面)120bを形成する部分と、第2保持部と下流排紙ガイド112の傾斜面112aとの間で挟まれる部分と、を含む。この第1セットポジションであれば、第2の保持部材140の水平面140aは、上流排紙ガイド111の下側で且つ水平方向にオーバーラップしているため、上述したようにカールしたシート1が矢印K方向に排紙されてもバスケット布120に引っ掛かることを防止できる。
【0025】
以上の構成により、バスケット布120のシート搬送方向上流側の端部120dは、上流排紙ガイド111の下でシート搬送方向において、上流排紙ガイド111とオーバーラップする位置で保持される構成となる。さらには、上流排紙ガイド111と下流排紙ガイド112との間の隙間の内側で保持される構成となる。上流排紙ガイド111と下流排紙ガイド112との間の隙間は、バスケット布120の端部120dを排出口102を介して上記隙間の内側に対して挿抜可能となるように、排出口102を介して装置筐体101の側面101aの外側に開放されている。バスケット布120の下流排紙ガイド112に対する着脱(バスネット布120の端部120dの上記隙間における保持)は、後述する第2の保持部材140と下流排紙ガイド112との間の係合部と被係合部の係脱によって実現される。
【0026】
第2の保持部材140が係合する後述の被係合部は、記録媒体収容部を筐体外部に露出させるカバー部材(開閉部材)としての上段ロールカバー201に取り付けられている。そのため、バスケット布120が第1のセットポジションの状態で上段ロールカバー201は開閉可能である。従って、バスケット布120を外さなくてもロール紙の交換は可能である。また、第1セットポジションではバスケット布120がプリント装置100の前
面を覆うため、カールしたシート1がロールカバー201と接触することによる傷やインク汚れを防止できる。
【0027】
尚、
図4(a)に示す通り、シート1の排出方向と直交する幅方向におけるバスケット布120の幅Wfは、プリント装置仕様におけるシート1の最大幅Wp、すなわち、本実施例のプリント装置において画像記録が可能なシート1の最大幅よりも大きい。第1セットポジションにおいては、プリント装置仕様における最大幅のシートを排紙した場合でも、
図1(b)のようにシート1がバスケット布120の幅方向にはみ出ることがない。さらに、バスケット布120の幅Wfは、後述の両端のユーザ操作部(持ち手部)141bよりも内側に収まる大きさのため、シート1の幅は必然的に係合部としてのフック部(フック形状部)141aよりも内側に収まる。
【0028】
本構成では、バスケット布120を使用しないときには、第2の保持部材140を外しても上流排紙ガイド111と下流排紙ガイド112水平方向のオーバーラップが保たれているためそのまま排紙ガイドとして使用できるがこの構成に限らない。
図5は、上下段排紙ガイドの別構成の説明図である。
図5に示すように第2の保持部材140を挿入するスペースHは常に開ける必要はなく、
図5(a)に示すように、上流排紙ガイド111から下方にスペースH(隙間)を塞ぐように突出する遮蔽部材としての遮蔽物111aを設け、この遮蔽物111aをシートに押し込まれないバネ付勢力で回動可能に付勢してもよい。この場合、バスケット布120との併用を可能とすべく、バスケット布120を使用する際は、下流排紙ガイド112に装着されたバスケット布120又は第2の保持部材140に押し退かされることで、バネ付勢力に抗して退避位置に回動するように構成してもよい。また、
図5(b)のように上流排紙ガイド111と下流排紙ガイド112を一体化して上段ロールカバー201に取り付けてもよい。
【0029】
図6(a)、
図6(b)、
図6(c)を用いて第2の保持部材140の両端に設けられた下流排紙ガイド112と係合する位置決め部材141の詳細な説明をする。
図6(a)は、プリント装置側の係合部の部分斜視図であり、下流排紙ガイド112の幅方向左右の端部近傍をそれぞれ示す。
図6(b)は、第2の保持部材140側の係合部の部分斜視図であり、第2の保持部材140側の幅方向左右の端部近傍をそれぞれ示す。
図6(c)は、第2の保持部材140がプリント装置側の係合部に係合した状態を示す部分斜視図であり、幅方向左右の端部近傍をそれぞれ示す。第2の保持部材140の位置決め部材141は、第1のセットポジションでは仕様の最大シート幅の外側でプリント装置100と係合する構成で、下流排紙ガイド112の被係合部114は、下流排紙ガイド112の排紙方向長さの内側(排出方向における両端よりも内側)に配されている。この構成であればユーザからの視認性もよくアクセスもしやすい。また、被係合部114の外側には排紙方向に進むに従いシート幅方向に大きくなる斜面114aが形成されている。これはユーザが位置決め部材140を装着する際のガイドの役割をしている。位置決め部材141には、被係合部114と係合するための係合部としてのフック部(フック形状部)141aが形成されている。被係合部114には、フック部141aが係合可能な凸形状部である凸部114bが、被係合部114における排紙ガイド面よりも低い位置に設けられている。フック部141aを被係合部114にある排紙ガイド面より低い位置で同材料の凸部114bに係合させることで第2の保持部材140を下流排紙ガイド112に装着することができる。この位置決め部材140と被係合部114の係合により、第2の保持部材140の下流排紙ガイド112に対する、シート排出方向の位置と、鉛直方向の位置と、がそれぞれ規定されることになる。
【0030】
さらに装着時、ユーザが第2の保持部材140(バスケット布120)を把持するための持ち手部としてのユーザ操作部141bを、フック部141a上部に設けた。ユーザ操作部141bは、筐体101の排出口102の内側において上流排紙ガイド111と下流
排紙ガイド112との間の隙間の外に露出している。これはフック位置を認識しやすくしていると同時に、第2の保持部材140が、上流排紙ガイド111と下流排紙ガイド112との空間Eからプリント装置100内側への脱落防止も兼ねている。第2の保持部材140と両端の位置決め部材141を含めた長手方向の全長は、プリント下部に設けた引き出し可能な引き出し部150のシート幅方向の内側面間の距離より小さく構成されている。したがって、バスケット布120を使用しないときは第1の保持部材130と同様に引き出しに収納可能である。
【0031】
従来の装置構成は、ロールカバーがシートパス面となるため、カールしやすいシートがロールカバー上で丸まることで印字面(画像記録面)がロールカバーと接触して傷がついてしまう場合があった。さらに、従来の装置構成では、排紙収容部の取り付け(使用可能状態への形態変化)にロールカバーの開閉が必要となり、ユーザに排紙収容部の取り付け以外の作業を強いてしまうため、この操作性においても課題であった。これに対し、本実施形態によれば、ロールカバーを覆うようにバスケット布が設置されるので、排出される記録媒体に傷が発生することを抑制することができる。また、ロールカバーを閉じた状態のまま、すなわち、ロールカバーを開閉させる操作を要することなく、排紙収容部(バスケット)の取り付けを行うことができ、ユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0032】
(実施形態2)
図7(a)、
図7(b)を用いて、実施形態2の説明をしていく。機能が同じところは第1の実施形態と同じ番号を用いる。下流排紙ガイド112はロールカバー201に取り付けられている。
図7(a)は、ロールカバー201の斜視図(左右両端については部分的に拡大して示す図)であり、ロールカバー201が開いた状態を示している。下流排紙ガイド112は、シート幅方向の両端に被係合部214を有し、フック形状部としての凸部214bが形成されている。この凸部214bは、ロールカバー201が開状態でプリント装置外に開放するように構成することで視認性をよくしている。そして、
図7(b)に示すように、バスケット布120の両端に取り付けられたループ状のヒモ(ヒモ部)120aを、凸部214bにフックとして引掛けることで保持可能となる。
図7(b)は、ロールカバー201にバスケット布120が取り付けられた状態(ロールカバー201は開いた状態のまま)の斜視図である。ロールカバー201が閉じられると、バスケット布120のシート排出方向上流側の端部120dは、上流排紙ガイド111と下流排紙ガイド112との間の隙間の内側で保持される状態となる。
【0033】
このバスケット布120の両端のループ状のヒモ120aの引掛け部間の距離は、凸部214bのループ状のヒモ120a受け面間の距離より短く設定している。バスケット120のシート幅方向にテンションを加えることでバスケット120の中央部の弛みによるシートの引っ掛かりを防ぐことができる。また、この構成に限らず、
図12(a)に示すようにループ状のヒモ120aに面ファスナー121を付けてヒモ間の距離を調整可能にしてもよい。さらに
図12(b)に示すように凸部214bを凸方向にバネ600で付勢して、この付勢力によりバスケット120のシート幅方向のテンションを調整可能にしてもよい。
【0034】
図8(a)は、実施形態2の前面排紙収容部29にシート1が排紙されている過程のプリント装置100の部分断面図、
図8(b)、
図8(c)は、
図8(a)の排紙口付近の拡大図である。ここでは主に
図8(b)、
図8(c)を用いて説明する。図のように上段ロールカバー201が閉じた状態では、被係合部214の凸部214bは、下流排紙ガイド112の傾斜形状112aよりもプリント装置100内に配置するように構成している。そして、この凸部214bにフックとしてバスケット布120のループ状のヒモ120aを取り付けることで、下流排紙ガイド112のシートパス面(傾斜面112a)が、バスケット布120で覆われる。また、水平方向でバスケット布120と上流排紙ガイド1
11がオーバーラップ(
図8(b)の破線)する第2セットポジションを持つ。この構成であれば、排紙のシートパスがバスケット120で覆われているため、シートが丸まって印字面と接触することによる傷を防止できる。
【0035】
図9(a)、
図9(b)は、本構成におけるロール交換時のバスケット120の状態を説明するシート収容装置の模式的部分断面図である。
図9(a)に示すように、上段ロールカバー201にバスケット120を取り付けた場合には、バスケット布120が上段ロールカバー201、下段ロールカバー202を覆うことになる。そのため、カールしやすいシート1の上段ロールカバー201への接触による傷やインク汚れを防止するのに有効である。ロール交換換時にはバスケット120を取り付けたまま上段ロールを交換可能である。次に、
図9(b)に示すように、第2の開閉部材としての下段ロールカバー202にバスケット120を取り付けた場合には、バスケット布120が下段ロールカバー202のみ覆うためカールしにくいシートの使用に適している。ロール交換時にはバスケット120を取り付けたまま下段ロール交換可能であるうえ、上段ロールもアクセスが容易のため用途により使い分けができる。
【0036】
図10を用いて、上段ロールカバー構成の詳細を説明する。
図10は、上段ロールカバーを開ける時の操作構成を説明する図であり、幅方向(左右方向)両端部をそれぞれ拡大した図を(a)(b)として示している。尚、下段ロールカバーも同様の構成であるため説明は省く。まず
図10に示すように、バスケット120のシート幅方向の両外側の被係合部214とプリント装置100との間には凹部114cが構成されている。この構成であればバスケット120があってもこれら凹部114cに指を引掛けて上段ロールカバー201を開けることができる。
【0037】
図11(a)、(b)を用いて、上段ロールカバー201の詳細な構成を説明する。
図11(a)は、上段ロールカバー201が開いた状態の部分斜視図である。
図11(b)は、上段ロールカバー201が閉じた状態で
図11(a)の左右方向(幅方向)の左側から見たときの部分斜視図である。
図11(a)において、上段ロールカバー201には回動中心201a(対向側は不図示)を持ち、この回転中心201aとは反対側の端部に前述の凹部114cが形成され、さらにシート幅方向には補強梁115が取り付けられている。補強梁115は、下流排紙ガイド112の幅方向の一端から他端にかけて延びるように組み付けられている。この構成において、
図11(b)に示すように、凹部114cが補強梁115領域内に形成されて剛性が保たれているため指で上段ロールカバー201を開けることができる。
【0038】
また、
図11(b)において上段ロールカバー201の回動中心201aの反対側には、プリント装置100内に取り付けられたロックホルダー502と、このロックホルダー502に取り付けられたロック部材500を有している。これらの部品で上段ロールカバー201が開かないようにロックしている。このロック構成を
図11(c)で詳細に説明する。ロック部材500はロックホルダー502内に組み込まれたロックバネ501により矢印P方向に付勢されている。そのため、上段ロールカバー201を
図11(b)の矢印(閉)方向に回動させ、補強梁の曲げ部115aの領域内にあるロック部材の頂点500aを乗り越えることでロック状態にすることができる。この構成であれば補強梁の曲げ部115aで直接ロックさせることができるため指で上段ロールカバー201を開けることができる。
【符号の説明】
【0039】
1…シート、29…前面排紙収容部、100…プリント装置、110…前面排紙ガイド部、111…上流排紙ガイド、112…下流排紙ガイド、112a…傾斜形状、114…係合部、120…バスケット布、130…第1の保持部材、140…第2の保持部材、1
40a…水平面、140b…傾斜面、140c…ヘム曲げ部、141…位置決め部材、141a…フック部、141b…操作部、201…上段ロールカバー
【手続補正書】
【提出日】2024-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールシートに巻回された記録媒体をセットするセット部と、
前記セット部にセットされた前記ロールシートから供給された前記記録媒体に画像を記録する記録部と、
排出方向において前記記録部に記録された前記記録媒体をガイドするガイドと、
第1端部と第2端部を有し、前記ガイドによってガイドされた記録媒体を受け止める受け部材と、
鉛直方向に対して前記ガイドと前記セット部の間に設けられ、前記受け部材の前記第1端部側を保持する保持部と、
前記保持部が前記受け部材の前記第1端部側を保持し、前記受け部材の前記第2端部側を移動することで前記記録媒体を受ける第1位置と、前記受け部材が前記記録媒体を受けず、前記受け部材の少なくとも一部が装置本体に収容される第2位置と、の間をスライドするスライド部と、
を有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記受け部材は、可撓性を有するシート部材であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記ガイドの少なくとも一部が、前記排出方向において下流側に向かって下方に傾斜した傾斜面を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記鉛直方向に見て、前記受け部材の前記第1端部側は前記ガイドとオーバーラップすることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項5】
前記スライド部はレールに沿ってスライドすることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項6】
前記記録媒体の幅方向における前記受け部材の幅は、前記セット部にセットされた前記ロールシートの最大幅よりも広いことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項7】
前記保持部は、前記第1端部側で前記受け部材にくるまれていることを特徴とする請求
項1に記載の記録装置。
【請求項8】
前記受け部材の前記第2端部側を保持する第2保持部をさらに有し、
前記第2保持部は、前記スライド部によって移動されることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項9】
前記鉛直方向において、前記第2保持部の位置は前記保持部の位置よりも低いことを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【請求項10】
前記セット部の下方に設けられ、ロールシートに巻回された記録媒体をセットする第2セット部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項11】
前記スライド部が前記第1位置にある場合に、前記受け部材の前記第2端部は、前記排出方向において前記受け部材の前記受け部材の前記第1端部より下流に配置されることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項12】
前記鉛直方向において、前記セット部は前記ガイドの下方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の記録装置は、
ロールシートに巻回された記録媒体をセットするセット部と、
前記セット部にセットされた前記ロールシートから供給された前記記録媒体に画像を記録する記録部と、
排出方向において前記記録部に記録された前記記録媒体をガイドするガイドと、
第1端部と第2端部を有し、前記ガイドによってガイドされた記録媒体を受け止める受け部材と、
鉛直方向において前記ガイドと前記セット部の間に設けられ、前記受け部材の前記第1端部側を保持する保持部と、
前記保持部が前記受け部材の前記第1端部側を保持し、前記受け部材の前記第2端部側を移動することで前記記録媒体を受ける第1位置と、前記受け部材が前記記録媒体を受けず、前記受け部材の少なくとも一部が装置本体に収容される第2位置と、の間をスライドするスライド部と、
を有することを特徴とする。