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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017847
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】清掃機構、送風機
(51)【国際特許分類】
   F01P 11/06 20060101AFI20240201BHJP
   F04D 29/70 20060101ALI20240201BHJP
   A46B 5/00 20060101ALI20240201BHJP
   F01P 5/02 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F01P11/06 Z
F04D29/70 G
A46B5/00 Z
F01P5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120756
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 崇弘
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 紘和
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 圭史
【テーマコード(参考)】
3B202
3H130
【Fターム(参考)】
3B202AB30
3B202BC00
3H130AA12
3H130AB07
3H130AB26
3H130AB45
3H130AB52
3H130AC13
3H130BA45A
3H130BA45J
3H130CA02
3H130CA29
3H130DJ03X
(57)【要約】      (修正有)
【課題】冷却性能の低下を抑制しつつメンテナンス性の低下を抑えることのできる清掃機構、電動送風機を提供すること。
【解決手段】実施形態の清掃機構1は、送風機の入気口130を覆うように配設された金網132を清掃する清掃機構である。この清掃機構は、金網との間に空間を形成するカバー134と、略円盤形状を有し、カバーが形成した空間内に回転可能に配置された清掃リング10と、清掃リングにおける金網と対向する面に、金網部の面と摺動可能に配設されたブラシと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機の入気口を覆うように配設された金網を清掃する清掃機構であって、
前記金網との間に空間を形成するカバーと、
略円盤形状を有し、前記カバーが形成した空間内に移動可能に配置された清掃リングと、
前記清掃リングにおける前記金網と対向する面に、前記金網部の面と摺動可能に配設されたブラシと、
を備えた清掃機構。
【請求項2】
前記カバーは、
前記金網と平行配置され前記金網より面積の小さい平面形状の平面格子部と、
前記格子面を前記金網から略等距離の位置に保持し、前記格子面の中心に向けて傾斜して配設された支持格子部と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の清掃機構。
【請求項3】
前記清掃リングは、
外周をなす環状フレームと、
前記環状フレーム内の空間を跨ぐ棒状フレームと
を有し、
前記清掃機構は、
前記金網の前記清掃リングと対向する面上で前記清掃リングの中心から鉛直方向上方の半円内の位置に、前記棒状フレームを掛着可能に配設された突起部を備えたこと
を特徴とする請求項1記載の清掃機構。
【請求項4】
前記清掃リングは、
外周をなす環状フレームと、
前記環状フレーム内の空間を跨ぐ棒状フレームと
を有し、
前記ブラシは、前記環状フレーム及び前記棒状フレームの所定の位置において回転可能に固定されたこと
を特徴とする請求項1記載の清掃機構。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の清掃機構を備えた送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷却用送風機の入気口に設けられる清掃機構及び送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却用電動送風機は、電動機、発電機、変換装置などの電気機器を冷却するために用いられる。これらの機器を冷却する冷却構造として、送風機から外気を送り込んで強制的に冷却する強制風冷型の機器が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62-201197号公報
【特許文献2】実開平04-020820号公報
【特許文献3】特開2016-098800公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各種電気機器を冷却する電動送風機は、一般に、羽根車およびそれを駆動する電動機を有している。電動機が羽根車を回転させて電動送風機の入気口から外気を取り入れ、排気口から冷却対象機器へ向けて通風する。電動送風機の入気口には、外部からの異物の侵入を防止するため、例えば金網のような防護機構が設けられている。
【0005】
電動送風機を稼働させると、塵埃が入気口の金網に付着し堆積していく。塵埃の堆積は電動送風機の冷却性能を低下させる原因となるから、定期的に金網を清掃する必要がある。
【0006】
ここで、金網の目を粗くすれば、塵埃の付着や堆積による金網の詰まりを低減し、電動送風機の冷却性能低下を免れ、入気口の金網清掃周期を延長することができる。しかし、電動送風機の排気口から塵埃をそのまま送り出すことになるから、排気口に設けられた金網に塵埃が堆積して冷却対象機器への供給風量が低下し、狙った冷却効果が得られないことになる。また電動送風機の内部や冷却対象機器が汚損されメンテナンス性が低下することが考えられる。
【0007】
本発明の実施形態は、かかる課題を解決するためになされたもので、送風機の入気口の詰まりを防止し、送風機内への大きな塵埃の侵入を防ぎ、冷却性能の低下を抑制しつつ、メンテナンス性の低下を抑えることのできる清掃機構、電動送風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の清掃機構は、送風機の入気口を覆うように配設された金網を清掃する清掃機構である。この清掃機構は、金網との間に空間を形成するカバーと、略円盤形状を有し、カバーが形成した空間内に回転可能に配置された清掃リングと、清掃リングにおける金網と対向する面に、金網部の面と摺動可能に配設されたブラシと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電動送風機の構成を示す概要図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る清掃機構の断面を示す断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る清掃機構の正面構成を示す正面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る清掃機構の清掃リングの構成を示す平面図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係るブラシ部を示す平面図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係るブラシ部の変形例を示す図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係る清掃機構の断面を示す断面図である。
図8】本発明の第3の実施形態に係る清掃機構の断面を示す断面図である。
図9】本発明の第3の実施形態に係る清掃機構の正面構成を示す正面図である。
図10A】本発明の第3の実施形態に係る清掃機構の動作を示す正面図である。
図10B】本発明の第3の実施形態に係る清掃機構の動作を示す正面図である。
図10C】本発明の第3の実施形態に係る清掃機構の動作を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
実施形態に係る清掃機構は、例えば、電動機を冷却する送風機における空気の入気口や排出口に配設された金網部に、清掃リングを収容したカバーを設置したものである。清掃リングは、金網部とカバーとに挟まれた空間内部に移動可能に配置される。清掃リングは、環状に形成された環状フレームと、環状フレーム内の空間部分に渡された棒状フレームとが組み合わされて構成される。環状フレームおよび棒状フレームには、ブラシが配設される。
【0011】
清掃リングはカバー内部において固定されておらず、電動機や送風機の振動を受けて加振され、金網部に付着した塵埃をブラシがこすって除去することができる。すなわち、清掃リングがカバー内を移動することでブラシに対向する金網部の塵埃清掃機能を実現する。
【0012】
清掃リングは、金網部およびカバーに囲まれた空間内を移動することで金網部全体を清掃する。そのため、清掃リングは、円盤状の外径を有することが好ましい。
【0013】
実施形態のブラシは、清掃リングの環状フレームや棒状フレームから着脱可能な構成とすることができる。かかる構成により、高いメンテナンス性を担保することができる。
【0014】
実施形態の清掃機構は、清掃リングがカバー内を移動することでブラシが金網部表面上を摺動し、清掃機能を発揮する。カバーは、清掃リングが金網部表面から離脱しないように保持する構造であればよい。そこで、カバーをなす環状フレームや棒状フレームの構成は、送風機の入気や排気を妨げることの無いように設けられる。例えば、棒状フレームの本数は、適宜調整することができる。すなわち、実施形態の清掃機構は、金網部の目のサイズを変更せず大きな塵埃を機器内に取り入れない構造を維持しつつ、金網部に付着した塵埃を除去して送風機の冷却性能低下を抑制し、金網清掃作業の低減を図ることができる。
【0015】
(第1の実施形態の構成)
以下、図1ないし図3を参照して、第1の実施形態に係る清掃機構について詳細に説明する。図1に示す例では、清掃機構1は、図示しない電動機などを冷却する電動送風機100の入気口130を清掃する形態を示している。
【0016】
図1に示すように、電動送風機100は、電動機110と、電動機により駆動される送風機構(図示せず)を収容するケーシング120と、送風機構に空気を取り込む入気口130と、送風機構により生成された気流を排出する排気口140を有している。図1に示す例は、ケーシング120に収容されたシロッコファンを電動機110が回転させ、入気口130から入気した空気を排気口130に排出するタイプのシロッコ型電動送風機である。しかし、この実施形態の清掃機構1を適用する電動送風機は、シロッコ型電動送風機に限定されない。例えば軸流型電動送風機に適用することもできる。すなわち、入気口から空気を取り込み排気口から空気を排出する形態の送風機であれば、諸々の形態の電動送風機に適用することができる。電動送風機100は、入気口130から空気を取り入れて排出口140から空気を排出する。そのため、実施形態の清掃機構1は、入気口130の空気取り入れ面に配設された金網部を覆うように配設される。
【0017】
図2に示すように、第1の実施形態の電動送風機100では、入気口130の空気取り入れ面が金網部132で覆われている。図2に示す金網部132は円筒状の籠を形成しているが、これには限定されない。入気口130の空気取り入れ面を平面上の金網部により覆う形態をとってもよい。金網部132は、電動送風機100の中に塵埃が取り込まれないよう入気口130防護する。実施形態の清掃機構1は、カバー134と、カバー134および金網部132の間に形成される空間に配設された清掃リング10とを有している。
【0018】
図2に示すように、カバー134は、金網部132の表面との間に空間を形成する。図2および図3に示すように、カバー134は、中心から放射状に延びた平面格子部134aと、平面格子部134aを金網部132の表面から等距離となる位置に保持する支持格子部134bを有している。図2に示す例では、支持格子部134bの一端は金網部132の平面と垂直に固定され、他端は平面格子部134aと接続している。すなわち、カバー134と金網部132の平面とがなす空間は、略円柱状の形状を有している。清掃リング10は、この略円柱状形状の空間に配置されている。
【0019】
図4に示すように、清掃リング10は、環状に形成された環状フレーム12と、環状フレーム12の内側を跨ぐように配設された棒状の棒状フレーム14とを有し、全体として円盤形状を有している。図4に示す例では、二本の棒状フレーム14が十字状に固定され、環状フレーム12内の空間を占めるように配設されている。棒状フレーム14は、十字をなす二本(四本)には限定されない。カバー134がなす空間内を移動可能であれば二本(四本)以上であってもよい。
【0020】
環状フレーム12および棒状フレーム14には、その全体にわたって複数のブラシ16が配設されている。特に、棒状フレーム14には、隙間がなくなるよう密接にブラシ16を配設することが望ましい。金網部132上の塵埃の除去漏れを抑えるためである。
【0021】
図5に示すように、ブラシ16は、複数のブラシ材16aを互いに異なる方向となるように配置し、環状フレーム12や棒状フレーム14に固定される。ブラシ16は、清掃リング10の一方の面に配設され、清掃リング10は、ブラシ16が金網部132に対向するように配置される。
【0022】
ブラシ16は、環状フレーム12や棒状フレーム14に着脱可能に固定してもよい。固定方法は、着脱可能な方法であればどのような方法でもよい。これにより、ブラシ16を交換するメンテナンスを容易に実現できる。
【0023】
図6は、第1の実施形態に係るブラシ16の変形例を示している。第1の実施形態に係るブラシ16は、図6に示すブラシ17の形態をとってもよい。ブラシ17は、筒状の支持部材17bを中心に、複数のブラシ材17aが互いに異なる方向に伸びるように構成されている。支持部材17bは、その中空部分に環状フレーム12や棒状フレーム14が通される。すなわち、変形例に係るブラシ17は、環状フレーム12や棒状フレーム14を中心に、支持部材17bおよびブラシ材17aが回転可能に構成されている。かかる構成により、金網部132の接触面上を摺動する複数のブラシ材17aの端部の位置が変わりやすくなり、清掃性能の向上を図ることができる。
【0024】
なお、環状フレーム12や棒状フレーム14上におけるブラシ17の位置は固定されることが望ましい。これは、例えば環状フレーム12や棒状フレーム14上のブラシ17の固定位置にフランジや突起を形成し、支持部材17bが環状フレーム12や棒状フレーム14上に固定することで実現できる。
【0025】
実施形態の清掃機構および送風機を備えた電動機が車両などに搭載された場合、車両の移動により清掃機構に振動が加わる。この振動は、清掃機構1の清掃リング10をカバー134内で振動させる。清掃リング10がカバー134内で振動すると、清掃リング10に配設されたブラシ16が金網部132の表面を摺動する。かかる動作によって微小な塵埃が金網部132に目詰まりが発生することを防ぐことができる。
【0026】
また、実施形態のブラシ16は、複数の異なる方向に固定されたブラシ部材16aを有するので、鳥の羽のような比較的大きな塵埃はブラシ部材16aによりからめとることができる。
【0027】
清掃機構に与えられる振動は、車両の運転時には常時発生する。そのため、電動機の稼働中、すなわち送風機の稼働中は、金網部132表面の清掃を継続することができる。これは、金網部132の清掃に要する作業時間の削減と電動送風機100の冷却性能の低下抑制の両立を図ることを可能にする。
【0028】
(第2の実施形態の構成)
続いて、図7を参照して、第2の実施形態に係る清掃機構について詳細に説明する。図7に示す実施形態では、清掃機構2において清掃リング10を収容するカバー135は、第1の実施形態におけるカバー134と形態が相違する。以下の説明において、第1の実施形態と共通する構成については共通する符号を付して示し、共通する説明を省略する。
【0029】
図7に示すように、第2の実施形態の電動送風機100においても、入気口130の吸気面が金網部132で覆われている。図2に示す金網部132は円筒状の籠を形成しているが、これには限定されない。入気口130の空気取り入れ面を平面上の金網部により覆う形態をとってもよい。金網部132は、電動送風機100の中に塵埃が取り込まれないよう入気口130防護する。実施形態の清掃機構1は、カバー135と、カバー135および金網部132の間に形成される空間に配設された清掃リング10とを有している。
【0030】
図7に示すように、カバー135は、金網部132の表面との間に空間を形成する。カバー135は、中心から放射状に延びた平面格子部135aと、平面格子部135aを金網部132の表面から等距離となる位置に保持する支持格子部135bを有している。ここで、平面格子部135aがなす面の面積は、金網部132の清掃リング10と対向する面の面積よりも小さくなっている。すなわち、カバー135は、金網部132の面から離間するに従って窄まった円錐台形状を有している。
【0031】
図7に示す例では、支持格子部135bの一端は金網部132の面と所定の角度をなして支持格子部135bが金網部132の中心に向くように固定されている。支持格子部135bの他端は、平面格子部135aと接続している。すなわち、カバー135と金網部132の面とがなす空間は、略円錐台形状を有している。清掃リング10は、この略円柱状形状の空間に配置されている。
【0032】
図7に示すように、金網部132の面(カバー135がなす円錐台形状の底面)が水平ではなく略鉛直方向に配置される場合、カバー135が円錐台形状を有しているから、清掃リング10は常に金網部132の面に寄せられた位置に留まる。すなわち、カバー135をなす支持格子部135bが水平面に対して金網部132に向けて傾斜するので、清掃リング10が金網部132に向けて移動しやすい状態となる。
【0033】
これにより、特段の支持手段がなくとも清掃リング10と被清掃面たる金網部132とが接触した状態とすることができる。ブラシ16と金網部132の接触機会が増加することで、清掃性能の向上を図ることができる。
【0034】
(第3の実施形態の構成)
続いて、図8を参照して、第3の実施形態に係る清掃機構について詳細に説明する。図8に示す例では、清掃機構3は、第1の実施形態の清掃機構1の構成に加えて、清掃リング10を回転させる突起部をさらに備えている。以下の説明において、第1の実施形態と共通する構成については共通する符号を付して示し、共通する説明を省略する。
【0035】
図8に示すように、第3の実施形態の電動送風機においても、入気口130の空気取り入れ面が金網部132で覆われている。図8に示す金網部132は円筒状の籠を形成しているが、これには限定されない。入気口130の空気取り入れ面を平面上の金網部により覆う形態をとってもよい。実施形態の清掃機構3は、カバー134と、カバー134および金網部132の間に形成される空間に配設された清掃リング10とを有している。
【0036】
図8に示すように、カバー134は、金網部132の表面との間に空間を形成する。図8に示すように、カバー134は、中心から放射状に延びた平面格子部134aと、平面格子部134aを金網部132の表面から等距離となる位置に保持する支持格子部134bを有している。図8に示す例では、支持格子部134bの一端は金網部132の平面と垂直に固定され、他端は平面格子部134aと接続している。すなわち、カバー134と金網部132の平面とがなす空間は、略円柱状の形状を有している。清掃リング10は、この略円柱状形状の空間に配置されている。カバー134の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0037】
図9は、説明のためカバー134の構成を省略し清掃リング10の面方向を直接示している。図8及び図9に示すように、この実施形態の清掃機構3では、金網部132の面上に固定された突起部136が配設されている。図8及び図9に示す例では、突起部136は、金網部132の面上であって、清掃リング10の中心より鉛直方向上方かつ棒状フレーム14と環状フレーム12との交点の内側に対応する位置に固定されている。すなわち、突起部136は、金網部132の清掃リング10と対向する面上で、清掃リング10の中心から鉛直方向上方の半円内の位置に、棒状フレーム14を掛着可能に配設されている。
【0038】
図8及び9に示す例では、突起部136は、清掃リング10の中心と交わる略水平線上から同じく中心と交わる鉛直線上にかけて、清掃リング10の中心から等距離の位置に複数配設されている。図9に示す例では、突起部136は清掃リング10の中心から鉛直方向左上方の位置に配設されているが、これには限定されない。突起部136は、清掃リング10の中心から鉛直方向右上方の位置に配設されてもよい。この場合、清掃リング10の回転方向が逆向きとなる。
【0039】
図8に示すように、突起部136は、カバー134をなす平面格子部134aの面と金網部132の面との間の距離の中心よりも平面格子部134aに寄った位置まで延伸されている。かかる構成により、カバー134がなす空間に配置される清掃リング10の棒状フレーム14が突起部136に引っ掛けることができる。すなわち、清掃リング10は、棒状フレーム14が突起部136に引っ掛かることで、カバー134内の空間において回転することができる。
【0040】
また、図8に示すように、実施形態の突起部136は、金網部132の面の垂直断面において略三角形形状を有しており、その先端部は上方に向けて傾けた形状を有している。かかる構成により、清掃リング10の棒状フレーム14は、突起部136に引っ掛かって上方への移動を促すことができる。
【0041】
この実施形態の電動送風機における清掃機構3によれば、機器の振動により清掃リング10が振動すると、清掃リング10の棒状フレーム14が突起部136に引っ掛かり、清掃リング10が回転する。かかる動作により、ブラシ16が金網部132の面上を摺動して金網部132の面上の塵埃を除去することができる。
【0042】
この実施形態の突起部136は、清掃リング10の中心から略等距離の位置に配設されるので、清掃リング10がスムーズに回転することができる。
【0043】
図10Aないし図10Cは、清掃リング10の回転動作を示している。図10Aに示す状態を初期段階とすると、電動送風機の振動により清掃リング10が回転して図10Bの状態となる。さらに、電動送付機の振動により清掃リング10が回転して図10Cの状態となる。すなわち、清掃リング10が徐々に回転動作し、ブラシ16が金網部132の面上を摺動して面上を清掃する。
【0044】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、ブラシ16の個数は、電動送風機おける入気口130の入気を妨げず、十分なレベルの風量を確保するために適宜調整してもよい。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1…清掃機構、10…清掃リング、12…環状フレーム、14…棒状フレーム、16…ブラシ、100…電動送風機、110…電動機、120…ケーシング、130…入気口、132…金網部、134,135…カバー、140…排気口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C