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2024-178473ウイルス増殖阻害活性を有する二環性含窒素複素環誘導体およびそれらを含有する医薬組成物
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  • -ウイルス増殖阻害活性を有する二環性含窒素複素環誘導体およびそれらを含有する医薬組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178473
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】ウイルス増殖阻害活性を有する二環性含窒素複素環誘導体およびそれらを含有する医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20241218BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20241218BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241218BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20241218BHJP
   C07D 491/20 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
C07D487/04 144
A61P31/14
A61P43/00 111
A61K31/53
C07D491/20 CSP
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143644
(22)【出願日】2021-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001926
【氏名又は名称】塩野義製薬株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(74)【代理人】
【識別番号】100113789
【弁理士】
【氏名又は名称】杉田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100209598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 秀昭
(74)【代理人】
【識別番号】100219841
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 綾子
(72)【発明者】
【氏名】宇納 佑斗
(72)【発明者】
【氏名】吉田 周平
(72)【発明者】
【氏名】中原 健二
(72)【発明者】
【氏名】児嶋 栄一
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 義一
(72)【発明者】
【氏名】宮川 雅好
【テーマコード(参考)】
4C050
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050AA04
4C050AA07
4C050BB05
4C050CC07
4C050DD06
4C050EE04
4C050FF05
4C050GG03
4C050GG04
4C050HH02
4C050HH04
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086CB22
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB33
4C086ZC20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害活性を示す化合物またはその製薬上許容される塩およびそれらを含有する医薬組成物を提供する。
【解決手段】式(I):

(式中、Xは-NH-等であり、Yは=N-等であり、Zは-NR-等であり、Wは=N-等であり、Rは置換アルキル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基等であり、R2aは置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基等であり、R2bは水素原子等であり、nは1等であり、R4aは水素原子、置換もしくは非置換のアルキル等であり、R4bは水素原子等である)で示される化合物またはその製薬上許容される塩。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
破線は、結合の存在または不存在を示し;
Xは、-NR-、-CR5’-、-O-、-S-または単結合であり;
Yは、=N-または=CR-であり;
Zは、-NR-または-CR1’=であり;
Wは、=N-、-O-、-CR7’-または-NR-であり;
は、置換アルキル、置換アルケニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換のアミノまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり;
1’は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換のアミノまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり;
は、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり;
2aは、水素原子、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルケニルであり;
2bは、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
nは1または2であり;
4aは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり;
4bは、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
nが1である場合は、R2bおよびR4aは結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく;
nが1である場合は、R4aおよびR4bは結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく;
およびR5’は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
は、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
およびR7’は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
は、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルである)で示される化合物(ただし、以下の化合物:
【化2】

を除く)、またはその製薬上許容される塩。
【請求項2】
Yが=N-である、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項3】
Xが-NH-である、請求項1または2記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項4】
Zが-NR-である、請求項1~3のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項5】
Wが=N-である、請求項1~4のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項6】
が置換アルキル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である、請求項1~5のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項7】
が置換もしくは非置換の芳香族複素環式基である、請求項1~6のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項8】
が置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である、請求項1~7のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項9】
2aが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基である、請求項1~8のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項10】
2bが水素原子である、請求項1~9のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項11】
4aが水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基である、請求項1~10のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項12】
4bが水素原子である、請求項1~11のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項13】
nが1である、請求項1~12のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含有する、医薬組成物。
【請求項15】
請求項1~13のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含有する、コロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害剤。
【請求項16】
請求項1~13のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含有する、コロナウイルス増殖阻害剤。
【請求項17】
コロナウイルスが、アルファコロナウイルスおよび/またはベータコロナウイルスである、請求項16記載のコロナウイルス増殖阻害剤。
【請求項18】
コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項16記載のコロナウイルス増殖阻害剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害活性を示す化合物、およびコロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害活性を示す化合物を含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ニドウイルス目コロナウイルス科オルトコロナウイルス亜科に属するコロナウイルスは、約30キロベースのゲノムサイズを有し、既知のRNAウイルスでは最大級の一本鎖+鎖RNAウイルスである。コロナウイルスはアルファコロナウイルス属、ベータコロナウイルス属、ガンマコロナウイルス属およびデルタコロナウイルス属の4つに分類され、ヒトに感染するコロナウイルスとして、アルファコロナウイルス属の2種類(HCoV-229E、HCoV-NL63)およびベータコロナウイルス属の5種類(HCoV-HKU1、HCoV-OC43、SARS-CoV、MERS-CoV、SARS-CoV-2)の計7種類が知られている。この内、4種類(HCoV-229E、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、HCoV-OC43)は風邪の病原体であるが、残りの3種類は重症肺炎を引き起こす重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス(SARS-CoV)、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス(MERS-CoV)および新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)である。
【0003】
2019年12月に中国武漢で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は急速に国際社会に蔓延し、2020年3月11日にWHOよりパンデミックが表明された。2021年8月24日時点で確認された感染者数は2.1億人以上、死者数は440万人以上に達する(非特許文献1)。SARS-CoV-2の主な感染経路として飛沫感染、接触感染およびエアロゾル感染が報告されており、SARS-CoV-2は3時間程度エアロゾルと共に空気中を漂い続け、感染力を維持することが確認されている(非特許文献2)。潜伏期間は2~14日程度であり、発熱(87.9%)、空咳(67.7%)、倦怠感(38.1%)、痰(33.4%)等の風邪様症状が典型的である(非特許文献3)。重症例では、急性呼吸窮迫症候群や急性肺障害、間質性肺炎等による呼吸器不全が起こる。また、腎不全や肝不全などの多臓器不全も報告されている。
【0004】
既存薬のドラッグリポジショニングから、抗ウイルス薬であるレムデシビル、抗炎症薬であるデキサメタゾン、リウマチ薬であるバリシチニブがCOVID-19に対する治療薬として承認されている。また、2021年7月に、抗体カクテル療法であるロナプリーブが特例承認された。これらの薬剤についての有効性や安全性については、十分なエビデンスが得られていない。したがって、COVID-19に対する治療薬、特に経口薬の創製は急務である。
【0005】
コロナウイルスは、細胞に感染すると、2つのポリタンパク質を合成する。この2つのポリタンパク質中には、新たなウイルス粒子を作り出すための構造タンパク質、ウイルスゲノムを作る複製複合体、2つのプロテアーゼが含まれている。プロテアーゼは、ウイルスから合成されたポリタンパク質を切断し、それぞれのタンパク質を機能させるために不可欠な働きをする。2つのプロテアーゼのうち、ポリタンパク質の切断のほとんどを担うのが、3CLプロテアーゼ(メインプロテアーゼ)である(非特許文献4)。
3CLプロテアーゼを標的とした、承認済のCOVID-19治療薬は存在せず、Pfizer社がPF-00835231のPhase1試験を実施中である。また、2021年3月、Pfizer社は新型コロナウイルス感染症に対する治療薬PF-07321332のPhase1試験を開始すると発表した。PF-00835231およびPF-07321332の構造式は以下に示す通りで、本発明化合物とは化学構造が異なる(非特許文献5および9)。
PF-00835231:
【化1】

PF-07321332:
【化2】

さらに2021年7月、ハイリスク因子を持つCOVID-19患者を対象とした、PF-07321332およびリトナビル併用のPhase2/3試験が開始されることがClinicalTrials.govに掲載された(NCT04960202)。
【0006】
3CLプロテアーゼ阻害活性を有する化合物が非特許文献5~8に開示されているが、いずれの文献においても本発明に関連する化合物は記載も示唆もされていない。
Ρ2X受容体阻害作用を有する誘導体が特許文献1および2に開示されているが、3CLプロテアーゼ阻害活性および抗ウイルス効果については記載も示唆もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2018/074390号
【特許文献2】公開特許公報2019-182806号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】“COVID-19 Dashboard by the Center for Systems Science and Engineering at Johns Hopkins University”、[online]、Johns Hopkins University、[2021年2月8日検索]、インターネット<URL:https://coronavirus.jhu.edu/map.html>
【非特許文献2】The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE(2020年)、382巻、1564~1567頁
【非特許文献3】“Report of the WHO-China Joint Mission on Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)”、[online]、2020年2月28日、WHO、[2021年2月8日検索]、インターネット<URL:https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/who-china-joint-mission-on-covid-19-final-report.pdf>
【非特許文献4】Science(2003年)、300巻、1763~1767頁
【非特許文献5】“A comparative analysis of SARS-CoV-2 antivirals characterizes 3CLpro inhibitor PF-00835231 as a potential new treatment for COVID-19”、Journal of Virology、[online]、2021年2月23日、[2021年3月16日検索]、インターネット<URL: https://jvi.asm.org/content/early/2021/02/19/JVI.01819-20><doi: 10.1128/JVI.01819-20>
【非特許文献6】Cell Research(2020年)、30巻、678~692頁
【非特許文献7】Science(2020年)、368巻、409~412頁
【非特許文献8】“Potent Noncovalent Inhibitors of the Main Protease of SARS-CoV-2 from Molecular Sculpting of the Drug Perampanel Guided by Free Energy Perturbation Calculations”、ACS Central Science、[online]、2021年2月22日、[2021年3月16日検索]、インターネット<URL: https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acscentsci.1c00039><doi: 10.1021/acscentsci.1c00039>
【非特許文献9】261st Am Chem Soc (ACS) Natl Meet ・ 2021-04-05 / 2021-04-16 ・ Virtual, N/A ・ Abst 243
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、コロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害活性を有する化合物を提供することにある。好ましくは、本発明は、抗ウイルス作用、特にコロナウイルスの増殖阻害作用を有する化合物、および該化合物を含有する医薬を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下に関する。
(1)式(I):
【化3】

(式中、
破線は、結合の存在または不存在を示し;
Xは、-NR-、-CR5’-、-O-、-S-または単結合であり;
Yは、=N-または=CR-であり;
Zは、-NR-または-CR1’=であり;
Wは、=N-、-O-、-CR7’-または-NR-であり;
は、置換アルキル、置換アルケニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換のアミノまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり;
1’は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換のアミノまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり;
は、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり;
2aは、水素原子、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルケニルであり;
2bは、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
nは1または2であり;
4aは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり;
4bは、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
nが1である場合は、R2bおよびR4aは結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく;
nが1である場合は、R4aおよびR4bは結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく;
およびR5’は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
は、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
およびR7’は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり;
は、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルである)で示される化合物(ただし、以下の化合物:
【化4】

を除く)、またはその製薬上許容される塩。
(2)Yが=N-である、上記項目(1)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(3)Xが-NH-である、上記項目(1)または(2)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(4)Zが-NR-である、上記項目(1)~(3)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(5)Wが=N-である、上記項目(1)~(4)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(6)Rが置換アルキル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である、上記項目(1)~(5)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(7)Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基である、上記項目(1)~(6)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(8)Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である、上記項目(1)~(7)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(9)R2aが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基である、上記項目(1)~(8)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(10)R2bが水素原子である、上記項目(1)~(9)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(11)R4aが水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基である、上記項目(1)~(10)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(12)R4bが水素原子である、上記項目(1)~(11)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(13)nが1である、上記項目(1)~(12)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(14)上記項目(1)~(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含有する、医薬組成物。
(15)上記項目(1)~(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含有する、コロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害剤。
(16)上記項目(1)~(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含有する、コロナウイルス増殖阻害剤。
(17)コロナウイルスが、アルファコロナウイルスおよび/またはベータコロナウイルスである、上記項目(16)記載のコロナウイルス増殖阻害剤。
(18)コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、上記項目(16)記載のコロナウイルス増殖阻害剤。
(19)上記項目(1)~(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含有する、コロナウイルス感染症の予防および/または治療のための、医薬組成物。
(20)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防および/または治療のための、上記項目(19)に記載の医薬組成物。
(21)SARS-CoV-2による感染症の予防および/または治療のための、上記項目(19)に記載の医薬組成物。
(22)上記項目(1)~(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを特徴とする、コロナウイルスの増殖阻害方法。
(23)コロナウイルスが、アルファコロナウイルスおよび/またはベータコロナウイルスである、上記項目(22)に記載の増殖阻害方法。
(24)コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、上記項目(22)に記載の増殖阻害方法。
(25)上記項目(1)~(13)のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩を投与することを特徴とする、コロナウイルス3CLプロテアーゼの関与する疾患の治療および/または予防方法。
(26)上記項目(1)~(13)のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩を投与することを特徴とする、コロナウイルス感染症の治療および/または予防方法。
(27)コロナウイルス感染症が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)である、上記項目(26)に記載の予防および/または治療方法。
(28)コロナウイルス感染症が、SARS-CoV-2による感染症である、上記項目(26)に記載の予防および/または治療方法。
(29)コロナウイルス3CLプロテアーゼの関与する疾患の治療および/または予防剤を製造するための、上記項目(1)~(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
(30)コロナウイルスの増殖阻害剤を製造するための、上記項目(1)~(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
(31)コロナウイルスが、アルファコロナウイルスおよび/またはベータコロナウイルスである、上記項目(30)に記載の使用。
(32)コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、上記項目(30)に記載の使用。
(33)コロナウイルス感染症の治療および/または予防剤を製造するための、上記項目(1)~(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
(34)コロナウイルス感染症が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)である、上記項目(33)に記載の使用。
(35)コロナウイルス感染症が、SARS-CoV-2による感染症である、上記項目(33)に記載の使用。
(36)コロナウイルス3CLプロテアーゼの関与する疾患の治療および/または予防に使用するための、上記項目(1)~(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(37)コロナウイルスの増殖阻害に使用するための、上記項目(1)~(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(38)コロナウイルスが、アルファコロナウイルスおよび/またはベータコロナウイルスである、上記項目(37)に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(39)コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、上記項目(37)に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(40)コロナウイルス感染症の治療および/または予防に使用するための、上記項目(1)~(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(41)コロナウイルス感染症が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)である、上記項目(40)に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(42)コロナウイルス感染症が、SARS-CoV-2による感染症である、上記項目(40)に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る化合物は、コロナウイルス3CLプロテアーゼに対する阻害活性を有し、コロナウイルス感染症の治療剤および/または予防剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】化合物(I-0143)の分子構造図を示す。
図2】化合物(I-0252)の分子構造図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本明細書において用いられる各用語の意味を説明する。各用語は特に断りのない限り、単独で用いられる場合も、または他の用語と組み合わせて用いられる場合も、同一の意味で用いられる。
「からなる」という用語は、構成要件のみを有することを意味する。
「含む」という用語は、構成要件に限定されず、記載されていない要素を排除しないことを意味する。
以下、本発明について実施形態を示しながら説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。
また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当上記分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0014】
「ハロゲン」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子を包含する。特にフッ素原子および塩素原子が好ましい。
【0015】
「アルキル」とは、炭素数1~15、好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~6、さらに好ましくは炭素数1~4の直鎖又は分枝状の炭化水素基を包含する。例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、n-へプチル、イソヘプチル、n-オクチル、イソオクチル、n-ノニル、n-デシル等が挙げられる。
「アルキル」の好ましい態様として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチルが挙げられる。さらに好ましい態様として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、tert-ブチルが挙げられる。
【0016】
「アルケニル」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する、炭素数2~15、好ましくは炭素数2~10、より好ましくは炭素数2~6、さらに好ましくは炭素数2~4の直鎖又は分枝状の炭化水素基を包含する。例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、プレニル、ブタジエニル、ペンテニル、イソペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、イソヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル等が挙げられる。
「アルケニル」の好ましい態様として、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニルが挙げられる。さらに好ましい態様として、エテニル、n-プロペニル、等が挙げられる。
【0017】
「アルキニル」とは、任意の位置に1以上の三重結合を有する、炭素数2~10、好ましくは炭素数2~8、さらに好ましくは炭素数2~6、さらに好ましくは炭素数2~4の直鎖又は分枝状の炭化水素基を包含する。さらに任意の位置に二重結合を有していてもよい。例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等を包含する。
「アルキニル」の好ましい態様として、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルが挙げられる。さらに好ましい態様として、エチニル、プロピニル等が挙げられる。
【0018】
「芳香族炭素環式基」とは、単環または2環以上の、環状芳香族炭化水素基を意味する。例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等が挙げられる。
「芳香族炭素環式基」の好ましい態様として、フェニルが挙げられる。
【0019】
「芳香族炭素環」とは、上記「芳香族炭素環式基」から導かれる環を意味する。
【0020】
「非芳香族炭素環式基」とは、単環または2環以上の、環状飽和炭化水素基または環状非芳香族不飽和炭化水素基を意味する。2環以上の「非芳香族炭素環式基」は、単環または2環以上の非芳香族炭素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」における環が縮合したものも包含する。
さらに、「非芳香族炭素環式基」は、以下のように架橋している基、またはスピロ環を形成する基も包含する。
【化5】

単環の非芳香族炭素環式基としては、炭素数3~16が好ましく、より好ましくは炭素数3~12、さらに好ましくは炭素数4~8である。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロヘキサジエニル等が挙げられる。
2環以上の非芳香族炭素環式基としては、炭素数8~20が好ましく、より好ましくは炭素数8~16である。例えば、インダニル、インデニル、アセナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル等が挙げられる。
【0021】
「非芳香族炭素環」とは、上記「非芳香族炭素環式基」から導かれる環を意味する。
【0022】
上記式(I)において、nが1である場合、「R2bおよびR4aが、結合する炭素原子と一緒になって形成する、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環」とは、例えば以下の環が挙げられる。
【化6】

(式中、各記号は上記と同義)
【0023】
上記式(I)において、nが1である場合、「R4aおよびR4bが、結合する炭素原子と一緒になって形成する、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環」とは、例えば以下の環が挙げられる。
【化7】

(式中、各記号は上記と同義)
【0024】
「芳香族複素環式基」とは、O、SおよびNから任意に選択される同一または異なるヘテロ原子を環内に1以上有する、単環または2環以上の、芳香族環式基を意味する。
2環以上の芳香族複素環式基は、単環または2環以上の芳香族複素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」における環が縮合したものも包含し、該結合手はいずれの環に有していても良い。
単環の芳香族複素環式基としては、5~8員が好ましく、より好ましくは5員または6員である。5員芳香族複素環式基としては、例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル等が挙げられる。6員芳香族複素環式基としては、例えば、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等が挙げられる。
2環の芳香族複素環式基としては、8~10員が好ましく、より好ましくは9員または10員である。例えば、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジル、トリアゾロピリジル、イミダゾチアゾリル、ピラジノピリダジニル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル等が挙げられる。9員芳香族複素環式基としては、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、プリニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフラニル、イミダゾピリジル、トリアゾロピリジル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル等が挙げられる。10員芳香族複素環式基としては、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プテリジニル、ピラジノピリダジニル等が挙げられる。
3環以上の芳香族複素環式基としては、13~15員が好ましい。例えば、カルバゾリル、アクリジニル、キサンテニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、ジベンゾフリル等が挙げられる。
【0025】
「芳香族複素環」とは、上記「芳香族複素環式基」から導かれる環を意味する。
【0026】
「非芳香族複素環式基」とは、O、SおよびNから任意に選択される同一または異なるヘテロ原子を環内に1以上有する、単環または2環以上の、非芳香族環式基を意味する。2環以上の非芳香族複素環式基は、単環または2環以上の非芳香族複素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」、および/または「芳香族複素環式基」におけるそれぞれの環が縮合したもの、さらに、単環または2環以上の非芳香族炭素環式基に、上記「芳香族複素環式基」における環が縮合したものも包含し、該結合手はいずれの環に有していても良い。
さらに、「非芳香族複素環式基」は、以下のように架橋している基、またはスピロ環を形成する基も包含する。
【化8】

単環の非芳香族複素環式基としては、3~8員が好ましく、より好ましくは5員または6員である。
3員非芳香族複素環式基としては、例えば、チイラニル、オキシラニル、アジリジニルが挙げられる。4員非芳香族複素環式基としては、例えば、オキセタニル、アゼチジニルが挙げられる。5員非芳香族複素環式基としては、例えば、オキサチオラニル、チアゾリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、テトラヒドロフリル、ジヒドロチアゾリル、テトラヒドロイソチアゾリル、ジオキソラニル、ジオキソリル、チオラニル等が挙げられる。6員非芳香族複素環式基としては、例えば、ジオキサニル、チアニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロオキサジニル、テトラヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ジオキサジニル、チイニル、チアジニル等が挙げられる。7員非芳香族複素環式基としては、例えば、ヘキサヒドロアゼピニル、テトラヒドロジアゼピニル、オキセパニルが挙げられる。
2環以上の非芳香族複素環式基としては、8~20員が好ましく、より好ましくは8~13員、さらに好ましくは8~10員である。例えば、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、イソクロマニル等が挙げられる。
【0027】
「非芳香族複素環」とは、上記「非芳香族複素環式基」から導かれる環を意味する。
【0028】
上記式(I)において、nが1である場合、「R2bおよびR4aが、結合する炭素原子と一緒になって形成する、置換もしくは非置換の非芳香族複素環」とは、例えば以下の環が挙げられる。
【化9】

(式中、Rは水素原子、置換もしくは非置換のアルキル等、その他の記号は前記と同義)
【0029】
上記式(I)において、nが1である場合、「R4aおよびR4bが、結合する炭素原子と一緒になって形成する、置換もしくは非置換の非芳香族複素環」とは、例えば以下の環が挙げられる。
【化10】

(式中、Rは置換もしくは非置換のアルキル等、その他の記号は前記と同義)
【0030】
「トリアルキルシリル」とは、上記「アルキル」3個がケイ素原子に結合している基を意味する。3個のアルキル基は同一でも異なっていてもよい。例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル等が挙げられる。
【0031】
本明細書中、「置換基群αで置換されていてもよい」とは、「置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよい」ことを意味する。置換基群β、γおよびγ’についても同様である。
【0032】
「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」、「置換アルキルオキシ」、「置換アルケニルオキシ」、「置換アルキニルオキシ」、「置換アルキルカルボニルオキシ」、「置換アルケニルカルボニルオキシ」、「置換アルキニルカルボニルオキシ」、「置換アルキルカルボニル」、「置換アルケニルカルボニル」、「置換アルキニルカルボニル」、「置換アルキルオキシカルボニル」、「置換アルケニルオキシカルボニル」、「置換アルキニルオキシカルボニル」、「置換アルキルスルファニル」、「置換アルケニルスルファニル」、「置換アルキニルスルファニル」、「置換アルキルスルフィニル」、「置換アルケニルスルフィニル」、「置換アルキニルスルフィニル」、「置換アルキルスルホニル」、「置換アルケニルスルホニル」、「置換アルキニルスルホニル」等の置換基としては、次の置換基群Aが挙げられる。任意の位置の炭素原子が次の置換基群Aから選択される1以上の基と結合していてもよい。
置換基群A:ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ホルミル、ホルミルオキシ、スルファニル、スルフィノ、スルホ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、ヒドラジノ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、ペンタフルオロチオ、トリアルキルシリル、
置換基群αで置換されていてもよいアルキルオキシ、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルオキシ、置換基群αで置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルカルボニルオキシ、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルカルボニルオキシ、置換基群αで置換されていてもよいアルキルカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルオキシカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルオキシカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルオキシカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルスルファニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルスルファニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルスルファニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルスルフィニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルスルフィニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルスルフィニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルスルホニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルスルホニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルスルホニル、
置換基群βで置換されていてもよいアミノ、置換基群βで置換されていてもよいイミノ、置換基群βで置換されていてもよいカルバモイル、置換基群βで置換されていてもよいスルファモイル、
置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環式基、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環式基、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環式基、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環式基、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環オキシ、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環オキシ、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環オキシ、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環オキシ、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環カルボニルオキシ、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環カルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環カルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環カルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環カルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環オキシカルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環オキシカルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環オキシカルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環アルキルオキシ、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環アルキルオキシ、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環アルキルオキシ、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環アルキルオキシ、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環スルファニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環スルファニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環スルファニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環スルファニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環スルフィニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環スルフィニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環スルフィニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環スルフィニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環スルホニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環スルホニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環スルホニルおよび置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環スルホニル。
【0033】
置換基群α:ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、スルファニル、およびシアノ。
【0034】
置換基群β:ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、置換基群αで置換されていてもよいアルキル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルスルファニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルスルファニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルスルファニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルスルフィニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルスルフィニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルスルフィニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルスルホニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルスルホニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルスルホニル、
置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環式基、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環式基、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環式基、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環式基、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環アルキル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環アルキル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環アルキル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環アルキル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環カルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環カルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環カルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環カルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環オキシカルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環オキシカルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環オキシカルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環スルファニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環スルファニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環スルファニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環スルファニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環スルフィニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環スルフィニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環スルフィニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環スルフィニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環スルホニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環スルホニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環スルホニルおよび置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環スルホニル。
【0035】
置換基群γ:置換基群α、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、アルケニルカルボニルおよびアルキニルカルボニル。
【0036】
置換基群γ’:置換基群γおよびオキソ。
【0037】
「置換芳香族炭素環式基」、「置換芳香族複素環式基」、「置換芳香族炭素環オキシ」、「置換芳香族複素環オキシ」、「置換芳香族炭素環カルボニルオキシ」、「置換芳香族複素環カルボニルオキシ」、「置換芳香族炭素環カルボニル」、「置換芳香族複素環カルボニル」、「置換芳香族炭素環オキシカルボニル」、「置換芳香族複素環オキシカルボニル」、「置換芳香族炭素環スルファニル」、「置換芳香族複素環スルファニル」、「置換芳香族炭素環スルフィニル」、「置換芳香族複素環スルフィニル」、「置換芳香族炭素環スルホニル」および「置換芳香族複素環スルホニル」等の「芳香族炭素環」および「芳香族複素環」の環上の置換基としては、次の置換基群Bが挙げられる。環上の任意の位置の原子が次の置換基群Bから選択される1以上の基と結合していてもよい。
置換基群B:ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ホルミル、ホルミルオキシ、スルファニル、スルフィノ、スルホ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、ヒドラジノ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、ペンタフルオロチオ、トリアルキルシリル、
置換基群αで置換されていてもよいアルキル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルオキシ、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルオキシ、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルオキシ、置換基群αで置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルカルボニルオキシ、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルカルボニルオキシ、置換基群αで置換されていてもよいアルキルカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルオキシカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルオキシカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルオキシカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルスルファニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルスルファニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルスルファニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルスルフィニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルスルフィニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルスルフィニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルスルホニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルスルホニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルスルホニル、
置換基群βで置換されていてもよいアミノ、置換基群βで置換されていてもよいイミノ、置換基群βで置換されていてもよいカルバモイル、置換基群βで置換されていてもよいスルファモイル、
置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環式基、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環式基、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環式基、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環式基、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環オキシ、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環オキシ、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環オキシ、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環オキシ、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環カルボニルオキシ、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環カルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環カルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環カルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環カルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環オキシカルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環オキシカルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環オキシカルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環アルキル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環アルキル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環アルキル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環アルキル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環アルキルオキシ、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環アルキルオキシ、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環アルキルオキシ、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環アルキルオキシ、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環アルキルオキシアルキル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環アルキルオキシアルキル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環アルキルオキシアルキル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環スルファニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環スルファニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環スルファニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環スルファニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環スルフィニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環スルフィニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環スルフィニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環スルフィニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環スルホニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環スルホニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環スルホニルおよび置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環スルホニル。
【0038】
「置換非芳香族炭素環式基」、「置換非芳香族複素環式基」、「置換非芳香族炭素環オキシ」、「置換非芳香族複素環オキシ」、「置換非芳香族炭素環カルボニルオキシ」、「置換非芳香族複素環カルボニルオキシ」、「置換非芳香族炭素環カルボニル」、「置換非芳香族複素環カルボニル」、「置換非芳香族炭素環オキシカルボニル」、「置換非芳香族複素環オキシカルボニル」、「置換非芳香族炭素環スルファニル」、「置換非芳香族複素環スルファニル」、「置換非芳香族炭素環スルフィニル」、「置換非芳香族複素環スルフィニル」、「置換非芳香族炭素環スルホニル」、「置換非芳香族複素環スルホニル」、「R2bおよびR4aが、結合する炭素原子と一緒になって形成する置換もしくは非置換の非芳香族炭素環」、「R4aおよびR4bが、結合する炭素原子と一緒になって形成する置換もしくは非置換の非芳香族炭素環」、「R2bおよびR4aが、結合する炭素原子と一緒になって形成する置換もしくは非置換の非芳香族複素環」および「R4aおよびR4bが、結合する炭素原子と一緒になって形成する置換もしくは非置換の非芳香族複素環」の「非芳香族炭素環」および「非芳香族複素環」の環上の置換基としては、次の置換基群Cが挙げられる。環上の任意の位置の原子が次の置換基群Cから選択される1以上の基と結合していてもよい。
置換基群C:置換基群Bおよびオキソ。
【0039】
「非芳香族炭素環」および「非芳香族複素環」が「オキソ」で置換されている場合、以下のように炭素原子上の2個の水素原子が置換されている環を意味する。
【化11】
【0040】
「置換アミノ」、「置換イミノ」、「置換カルバモイル」および「置換スルファモイル」の置換基としては、次の置換基群Dが挙げられる。置換基群Dから選択される1または2の基で置換されていてもよい。
置換基群D:ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、置換基群αで置換されていてもよいアルキル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルカルボニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルスルファニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルスルファニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルスルファニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルスルフィニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルスルフィニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルスルフィニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキルスルホニル、置換基群αで置換されていてもよいアルケニルスルホニル、置換基群αで置換されていてもよいアルキニルスルホニル、
置換基群βで置換されていてもよいアミノ、置換基群βで置換されていてもよいイミノ、置換基群βで置換されていてもよいカルバモイル、置換基群βで置換されていてもよいスルファモイル、
置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環式基、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環式基、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環式基、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環式基、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環アルキル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環アルキル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環アルキル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環アルキル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環カルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環カルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環カルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環カルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環オキシカルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環オキシカルボニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環オキシカルボニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環スルファニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環スルファニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環スルファニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環スルファニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環スルフィニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環スルフィニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環スルフィニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環スルフィニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族炭素環スルホニル、置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族炭素環スルホニル、置換基群γで置換されていてもよい芳香族複素環スルホニルおよび置換基群γ’で置換されていてもよい非芳香族複素環スルホニル。
【0041】
における「置換アルキル」の置換基としては、例えば、
置換もしくは非置換の芳香族複素環式基;
置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
における「置換アルキル」の置換基としては、例えば、
置換芳香族複素環式基(置換基:アルキルオキシ、アルキル)もしくは非置換芳香族複素環式基;
置換非芳香族複素環式基(置換基:オキソ)もしくは非置換非芳香族複素環式基;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
【0042】
における「置換もしくは非置換の芳香族複素環式基」の置換基としては、例えば、
置換もしくは非置換のアルキル;
ハロゲン;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
における「置換もしくは非置換の芳香族複素環式基」の置換基としては、例えば、
非置換アルキル;ハロゲン;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
【0043】
における「置換もしくは非置換の芳香族複素環式基」の置換基としては、例えば、
置換もしくは非置換のアルキル;
置換もしくは非置換のアミノ;
ハロゲン;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
における「置換もしくは非置換の芳香族複素環式基」の置換基としては、例えば、
置換アルキル(置換基:ハロゲン、非芳香族炭素環式基)もしくは非置換アルキル;
置換アミノ(置換基:アルキル)もしくは非置換アミノ;
ハロゲン;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
【0044】
における「置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基」の置換基としては、例えば、
ハロゲン;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
【0045】
における「置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基」の置換基としては、例えば、
置換もしくは非置換のアルキルオキシ;
ハロゲン;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
における「置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基」の置換基としては、例えば、
非置換アルキルオキシ;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
【0046】
2aにおける「置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基」の置換基としては、例えば、
ハロゲン;
シアノ;
置換もしくは非置換のアルキル;
置換もしくは非置換のアルキルオキシ;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
2aにおける「置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基」の置換基としては、例えば、
ハロゲン;
シアノ;
置換(置換基:アルキルで置換された芳香族複素環式基、ハロゲンで置換された芳香族炭素環式基、ハロゲンで置換された芳香族炭素環オキシ)アルキルもしくは非置換アルキル;
置換(置換基:ハロゲンで置換された芳香族炭素環式基)アルキルオキシもしくは非置換アルキルオキシ;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
【0047】
2aにおける「置換もしくは非置換のアルキル」の置換基としては、例えば、
ハロゲン;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
【0048】
4aにおける「置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基」の置換基としては、例えば、
ハロゲン;
置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
4aにおける「置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基」の置換基としては、例えば、
ハロゲン;
非置換芳香族炭素環オキシ;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
【0049】
4aにおける「置換もしくは非置換のアルキル」の置換基としては、例えば、
置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基;
置換もしくは非置換のアミノ;
ハロゲン;
置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基;
置換もしくは非置換のアルキルオキシ;
置換もしくは非置換の芳香族複素環式基;
シアノ;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
4aにおける「置換もしくは非置換のアルキル」の置換基としては、例えば、
置換芳香族炭素環式基(置換基:シアノ、ハロゲン)もしくは非置換芳香族炭素環式基;
置換アミノ(置換基:アルキル)もしくは非置換アミノ;
ハロゲン;
非置換非芳香族炭素環式基;
置換アルキルオキシ(置換基:ハロゲンで置換された芳香族炭素環式基)もしくは非置換アルキルオキシ;
非置換芳香族複素環式基;
シアノ;
が挙げられる。これらから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
【0050】
式(I):
【化12】

で示される化合物における実施形態として、例えば、式(I’):
【化13】

(式中、R、R2a、RおよびR4aは、上記(1)と同義)で示される化合物が挙げられる。R、R2a、RおよびR4aの好ましい態様を以下に示す。式(I’)で示される化合物としては、以下に示される具体例のすべての組み合わせの態様が例示される。
【0051】
は、置換アルキル、置換アルケニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換のアミノまたは置換もしくは非置換のカルバモイルが挙げられる(以下、A-1とする)。
は、置換アルキル、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基が挙げられる(以下、A-2とする)。
は、置換アルキルが挙げられる(以下、A-3とする)。
は、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基が挙げられる(以下、A-4とする)。
は、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基が挙げられる(以下、A-5とする)。
は、置換基群a(置換基群a:置換もしくは非置換の芳香族複素環式基;および、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基)から選択される1以上の置換基で置換されたアルキルもしくは非置換アルキル、または、置換基群b(置換基群b:置換もしくは非置換のアルキル;および、ハロゲン)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族複素環式基もしくは非置換芳香族複素環式基が挙げられる(以下、A-6とする)。
は、置換基群a’(置換基群a’:置換芳香族複素環式基(置換基:アルキルオキシ、アルキル)もしくは非置換芳香族複素環式基;および、置換非芳香族複素環式基(置換基:オキソ)もしくは非置換非芳香族複素環式基)から選択される1以上の置換基で置換されたアルキルもしくは非置換アルキル、または、置換基群b’(置換基群b’:非置換アルキルおよびハロゲン)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族複素環式基もしくは非置換芳香族複素環式基が挙げられる(以下、A-7とする)。
は、置換基群a(置換基群a:置換もしくは非置換の芳香族複素環式基;および、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基)から選択される1以上の置換基で置換されたアルキルもしくは非置換アルキルが挙げられる(以下、A-8とする)。
は、置換基群b(置換基群b:置換もしくは非置換のアルキル;および、ハロゲン)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族複素環式基もしくは非置換芳香族複素環式基が挙げられる(以下、A-9とする)。
は、置換基群a’(置換基群a’:置換芳香族複素環式基(置換基:アルキルオキシ、アルキル)もしくは非置換芳香族複素環式基;および、置換非芳香族複素環式基(置換基:オキソ)もしくは非置換非芳香族複素環式基)から選択される1以上の置換基で置換されたアルキルもしくは非置換アルキルが挙げられる(以下、A-10とする)。
は、置換基群b’(置換基群b’:非置換アルキルおよびハロゲン)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族複素環式基もしくは非置換芳香族複素環式基が挙げられる(以下、A-11とする)。
は、ハロゲンで置換された芳香族複素環式基が挙げられる(以下、A-12とする)。
は、ハロゲンで置換された6員芳香族複素環式基が挙げられる(以下、A-13とする)。
【0052】
2aは、水素原子、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルケニルが挙げられる(以下、B-1とする)。
2aは、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、B-2とする)。
2aは、置換基群c(置換基群c:ハロゲン;シアノ;置換もしくは非置換のアルキル;および、置換もしくは非置換のアルキルオキシ)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族炭素環式基または非置換芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、B-3とする)。
2aは、置換基群c’(置換基群c’:ハロゲン;シアノ;置換アルキル(置換基:アルキルで置換された芳香族複素環式基、ハロゲンで置換された芳香族炭素環式基、ハロゲンで置換された芳香族炭素環オキシ)もしくは非置換アルキル;および、置換アルキルオキシ(置換基:ハロゲンで置換された芳香族炭素環式基)もしくは非置換アルキルオキシ)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族炭素環式基または非置換芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、B-4とする)。
2aは、ハロゲンで置換された芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、B-5とする)。
2aは、2以上のハロゲンで置換された芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、B-6とする)。
2aは、2以上のハロゲン;および、置換アルキル(置換基:アルキルで置換された芳香族複素環式基、ハロゲンで置換された芳香族炭素環式基、ハロゲンで置換された芳香族炭素環オキシ)もしくは非置換アルキル;で置換された芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、B-7とする)。
2aは、3以上のハロゲンで置換された芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、B-8とする)。
2aは、ハロゲンおよびシアノで置換された芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、B-9とする)。
【0053】
は、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、C-1とする)。
は、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基が挙げられる(以下、C-2とする)。
は、置換基群d(置換基群d:置換もしくは非置換のアルキル;置換もしくは非置換のアミノ;および、ハロゲン)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族複素環式基または非置換芳香族複素環式基が挙げられる(以下、C-3とする)。
は、置換基群d’(置換基群d’:置換アルキル(置換基:ハロゲン、非芳香族炭素環式基)もしくは非置換アルキル;置換アミノ(置換基:アルキル)もしくは非置換アミノ;および、ハロゲン)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族複素環式基または非置換芳香族複素環式基が挙げられる(以下、C-4とする)。
は、アルキルおよびハロゲンで置換された芳香族複素環式基または非置換芳香族複素環式基が挙げられる(以下、C-5とする)。
は、アルキルおよびハロゲンで置換された芳香族複素環式基が挙げられる(以下、C-6とする)。
は、非置換アルキルおよびハロゲンで置換された芳香族複素環式基または非置換芳香族複素環式基が挙げられる(以下、C-7とする)。
は、非置換アルキルおよびハロゲンで置換された芳香族複素環式基が挙げられる(以下、C-8とする)。
は、非置換アルキルおよびハロゲンで置換された9員芳香族複素環式基または非置換9員芳香族複素環式基が挙げられる(以下、C-9とする)。
は、非置換アルキルおよびハロゲンで置換された9員芳香族複素環式基が挙げられる(以下、C-10とする)。
は、非置換アルキルおよびハロゲンで置換されたインダゾリルが挙げられる(以下、C-11とする)。
は、式:
【化14】

(式中、R3aは、水素原子またはハロゲンであり;
3bは、置換もしくは非置換のアルキルである)で示される基が挙げられる(以下、C-12とする)。
は、式:
【化15】

(式中、R3aは、ハロゲンであり;
3bは、置換アルキル(置換基:ハロゲンまたは非芳香族炭素環式基)もしくは非置換アルキルである)で示される基が挙げられる(以下、C-13とする)。
は、式:
【化16】

(式中、R3aは、ハロゲンであり;
3bは、ハロゲンで置換されたアルキルもしくは非置換アルキルである)で示される基が挙げられる(以下、C-14とする)。
【0054】
4aは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基が挙げられる(以下、D-1とする)。
4aは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、D-2とする)。
4aは、水素原子、置換基群e(置換基群e:ハロゲン;および、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族炭素環式基もしくは非置換芳香族炭素環式基、または、置換基群f(置換基群f:置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基;置換もしくは非置換のアミノ;ハロゲン;置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基;置換もしくは非置換のアルキルオキシ;置換もしくは非置換の芳香族複素環式基;および、シアノ)から選択される1以上の置換基で置換されたアルキルもしくは非置換アルキルが挙げられる(以下、D-3とする)。
4aは、水素原子、置換基群e’(置換基群e’:ハロゲンおよび非置換芳香族炭素環オキシ)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族炭素環式基もしくは非置換芳香族炭素環式基、または、置換基群f’(置換基群f’:置換芳香族炭素環式基(置換基:シアノ、ハロゲン)もしくは非置換芳香族炭素環式基;置換アミノ(置換基:アルキル)もしくは非置換アミノ;ハロゲン;非置換非芳香族炭素環式基;置換アルキルオキシ(置換基:ハロゲンで置換された芳香族炭素環式基)もしくは非置換アルキルオキシ;非置換芳香族複素環式基;および、シアノ)から選択される1以上の置換基で置換されたアルキルもしくは非置換アルキルが挙げられる(以下、D-4とする)。
4aは、水素原子、または、置換基群e(置換基群e:ハロゲン;および、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族炭素環式基もしくは非置換芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、D-5とする)。
4aは、水素原子、または、置換基群e’(置換基群e’:ハロゲンおよび非置換芳香族炭素環オキシ)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族炭素環式基もしくは非置換芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、D-6とする)。
4aは、水素原子、または、置換基群f(置換基群f:置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基;置換もしくは非置換のアミノ;ハロゲン;置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基;置換もしくは非置換のアルキルオキシ;置換もしくは非置換の芳香族複素環式基;および、シアノ)から選択される1以上の置換基で置換されたアルキルもしくは非置換アルキルが挙げられる(以下、D-7とする)。
4aは、水素原子、または、置換基群f’(置換基群f’:置換芳香族炭素環式基(置換基:シアノ、ハロゲン)もしくは非置換芳香族炭素環式基;置換アミノ(置換基:アルキル)もしくは非置換アミノ;ハロゲン;非置換非芳香族炭素環式基;置換アルキルオキシ(置換基:ハロゲンで置換された芳香族炭素環式基)もしくは非置換アルキルオキシ;非置換芳香族複素環式基;および、シアノ)から選択される1以上の置換基で置換されたアルキルもしくは非置換アルキルが挙げられる(以下、D-8とする)。
4aは、水素原子が挙げられる(以下、D-9とする)。
4aは、置換基群e(置換基群e:ハロゲン;および、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族炭素環式基もしくは非置換芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、D-10とする)。
4aは、置換基群f(置換基群f:置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基;置換もしくは非置換のアミノ;ハロゲン;置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基;置換もしくは非置換のアルキルオキシ;置換もしくは非置換の芳香族複素環式基;および、シアノ)から選択される1以上の置換基で置換されたアルキルもしくは非置換アルキルが挙げられる(以下、D-11とする)。
4aは、置換基群e’(置換基群e’:ハロゲンおよび非置換芳香族炭素環オキシ)から選択される1以上の置換基で置換された芳香族炭素環式基もしくは非置換芳香族炭素環式基が挙げられる(以下、D-12とする)。
4aは、置換基群f’(置換基群f’:置換芳香族炭素環式基(置換基:シアノ、ハロゲン)もしくは非置換芳香族炭素環式基;置換アミノ(置換基:アルキル)もしくは非置換アミノ;ハロゲン;非置換非芳香族炭素環式基;置換アルキルオキシ(置換基:ハロゲンで置換された芳香族炭素環式基)もしくは非置換アルキルオキシ;非置換芳香族複素環式基;および、シアノ)から選択される1以上の置換基で置換されたアルキルもしくは非置換アルキルが挙げられる(以下、D-13とする)。
4aは、非置換アルキルが挙げられる。(以下、D-14とする)。
4aは、置換芳香族炭素環式基(置換基:シアノ、ハロゲン)もしくは非置換芳香族炭素環式基で置換されたアルキルが挙げられる(以下、D-15とする)。
4aは、置換アミノ(置換基:アルキル)もしくは非置換アミノで置換されたアルキルが挙げられる(以下、D-16とする)。
4aは、ハロゲンで置換されたアルキルが挙げられる(以下、D-17とする)。
4aは、非置換非芳香族炭素環式基で置換されたアルキルが挙げられる(以下、D-18とする)。
4aは、置換アルキルオキシ(置換基:ハロゲンで置換された芳香族炭素環式基)もしくは非置換アルキルオキシで置換されたアルキルが挙げられる(以下、D-19とする)。
4aは、非置換アルキルオキシで置換されたアルキルが挙げられる(以下、D-20とする)。
4aは、非置換芳香族複素環式基で置換されたアルキルが挙げられる(以下、D-21とする)。
4aは、シアノで置換されたアルキルが挙げられる(以下、D-22とする)。
【0055】
式(I):
【化17】

で示される化合物における実施形態として、例えば、式(I’’):
【化18】

(式中、R、R2a、RおよびR4aは、上記(1)と同義)で示される化合物が挙げられる。R、R2a、RおよびR4aの好ましい態様を以下に示す。式(I’’)で示される化合物としては、以下に示される具体例のすべての組み合わせの態様が例示される。
【0056】
は、上記(A-1)、(A-2)、(A-3)、(A-4)、(A-5)、(A-6)、(A-7)、(A-8)、(A-9)、(A-10)、(A-11)、(A-12)または(A-13)が挙げられる。
【0057】
2aは、上記(B-1)、(B-2)、(B-3)、(B-4)、(B-5)、(B-6)、(B-7)、(B-8)または(B-9)が挙げられる。
【0058】
は、上記(C-1)、(C-2)、(C-3)、(C-4)、(C-5)、(C-6)、(C-7)、(C-8)、(C-9)、(C-10)、(C-11)、(C-12)、(C-13)または(C-14)が挙げられる。
【0059】
4aは、上記(D-1)、(D-2)、(D-3)、(D-4)、(D-5)、(D-6)、(D-7)、(D-8)、(D-9)、(D-10)、(D-11)、(D-12)、(D-13)、(D-14)、(D-15)、(D-16)、(D-17)、(D-18)、(D-19)、(D-20)、(D-21)または(D-22)が挙げられる。
【0060】
式(I’)および式(I’’)で示される化合物における実施形態として、以下の組み合わせが挙げられる。
(a1)
は、(A-3)または(A-4)であり;
2aは、(B-5)であり;
は、(C-14)であり;
4aは、(D-9)、(D-14)または(D-20)である。
(a2)
は、(A-10)または(A-11)であり;
2aは、(B-5)であり;
は、(C-14)であり;
4aは、(D-9)、(D-14)または(D-20)である。
(b1)
は、(A-3)または(A-4)であり;
2aは、(B-5)であり;
は、(C-10)であり;
4aは、(D-9)、(D-14)または(D-20)である。
(b2)
は、(A-10)または(A-11)であり;
2aは、(B-5)であり;
は、(C-10)であり;
4aは、(D-9)、(D-14)または(D-20)である。
【0061】
式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物は、特定の異性体に限定するものではなく、全ての可能な異性体(例えば、ケト-エノール異性体、イミン-エナミン異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体、回転異性体等)、ラセミ体またはそれらの混合物を含む。例えば、式(I)においてYが=N-であり、Xが-NR-であり、Rが水素原子である化合物は、以下のような互変異性体を包含する。
【化19】

式(I’)および式(I’’)についても同様である。
【化20】

例えば、式(I)においてYが=CR-であり、Rが水素原子であり、XがNHである化合物は、以下のような互変異性体を包含する。
【化21】
【0062】
式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物の一つ以上の水素、炭素および/または他の原子は、それぞれ水素、炭素および/または他の原子の同位体で置換され得る。そのような同位体の例としては、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、123Iおよび36Clのように、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素が包含される。式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物は、そのような同位体で置換された化合物も包含する。該同位体で置換された化合物は、医薬品としても有用であり、式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物のすべての放射性標識体を包含する。また該「放射性標識体」を製造するための「放射性標識化方法」も本発明に包含され、該「放射性標識体」は、代謝薬物動態研究、結合アッセイにおける研究および/または診断のツールとして有用である。
【0063】
式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物の放射性標識体は、当該技術分野で周知の方法で調製できる。例えば、式(I)、式(I’)および式(I’’)で示されるトリチウム標識化合物は、トリチウムを用いた触媒的脱ハロゲン化反応によって、式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される特定の化合物にトリチウムを導入することで調製できる。この方法は、適切な触媒、例えばPd/Cの存在下、塩基の存在下または非存在下で、式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物が適切にハロゲン置換された前駆体とトリチウムガスとを反応させることを包含する。トリチウム標識化合物を調製するための他の適切な方法は、“Isotopes in the Physical and Biomedical Sciences,Vol.1,Labeled Compounds (Part A),Chapter 6 (1987年)”を参照することができる。14C-標識化合物は、14C炭素を有する原料を用いることによって調製できる。
【0064】
式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物の製薬上許容される塩としては、例えば、式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物と、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム等)、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄等)、アンモニア、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等)およびアミノ酸との塩、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等)との塩が挙げられる。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
【0065】
本発明の式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物またはその製薬上許容される塩は、溶媒和物(例えば、水和物等)、共結晶および/または結晶多形を形成する場合があり、本発明はそのような各種の溶媒和物、共結晶および結晶多形も包含する。「溶媒和物」は、式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物に対し、任意の数の溶媒分子(例えば、水分子等)と配位していてもよい。式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物またはその製薬上許容される塩を、大気中に放置することにより、水分を吸収し、吸着水が付着する場合や、水和物を形成する場合がある。また、式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物またはその製薬上許容される塩を、再結晶することで結晶多形を形成する場合がある。「共結晶」は、式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物または塩とカウンター分子が同一結晶格子内に存在することを意味し、任意の数のカウンター分子を含んでいても良い。
【0066】
本発明の式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物またはその製薬上許容される塩は、プロドラッグを形成する場合があり、本発明はそのような各種のプロドラッグも包含する。プロドラッグは、化学的又は代謝的に分解できる基を有する本発明化合物の誘導体であり、加溶媒分解により又は生理学的条件下でインビボにおいて薬学的に活性な本発明化合物となる化合物である。プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素的に酸化、還元、加水分解等を受けて式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物に変換される化合物、胃酸等により加水分解されて式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物に変換される化合物等を包含する。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法および製造する方法は、例えば“Design of Prodrugs, Elsevier, Amsterdam, 1985”に記載されている。プロドラッグは、それ自身が活性を有する場合がある。
【0067】
式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物またはその製薬上許容される塩がヒドロキシル基を有する場合は、例えば、ヒドロキシル基を有する化合物と適当なアシルハライド、適当な酸無水物、適当なスルホニルクロライド、適当なスルホニルアンハイドライド及びミックスドアンハイドライドとを反応させることにより或いは縮合剤を用いて反応させることにより製造されるアシルオキシ誘導体やスルホニルオキシ誘導体のようなプロドラッグが例示される。例えば、CHCOO-、CCOO-、tert-BuCOO-、C1531COO-、PhCOO-、(m-NaOOCPh)COO-、NaOOCCHCHCOO-、CHCH(NH)COO-、CHN(CHCOO-、CHSO-、CHCHSO-、CFSO-、CHFSO-、CFCHSO-、p-CHO-PhSO-、PhSO-、p-CHPhSO-が挙げられる。
【0068】
本発明に係る化合物は、コロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害活性を有するため、コロナウイルス3CLプロテアーゼが関与する疾患の治療および/または予防剤として有用である。本発明において「治療剤および/または予防剤」という場合、症状改善剤も包含する。コロナウイルス3CLプロテアーゼが関与する疾患としては、ウイルス感染症が挙げられ、好ましくはコロナウイルス感染症が挙げられる。
一つの態様として、コロナウイルスとしては、ヒトに感染するコロナウイルスが挙げられる。ヒトに感染するコロナウイルスとしては、HCoV-229E、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、HCoV-OC43、SARS-CoV、MERS-CoV、および/またはSARS-CoV-2が挙げられる。
一つの態様として、コロナウイルスとしては、アルファコロナウイルスおよび/またはベータコロナウイルス、より好ましくはベータコロナウイルスが挙げられる。
一つの態様として、アルファコロナウイルスとしては、HCoV-229EおよびHCoV-NL63が挙げられる。特に好ましくは、HCoV-229Eが挙げられる。
一つの態様として、ベータコロナウイルスとしては、HCoV-HKU1、HCoV-OC43、SARS-CoV、MERS-CoV、および/またはSARS-CoV-2が挙げられる。好ましくはHCoV-OC43またはSARS-CoV-2、特に好ましくはSARS-CoV-2が挙げられる。
一つの態様として、ベータコロナウイルスとしては、ベータコロナウイルスA系統(β-coronavirus lineage A)、ベータコロナウイルスB系統(β-coronavirus lineage B)、およびベータコロナウイルスC系統(β-coronavirus lineage C)が挙げられる。より好ましくは、ベータコロナウイルスA系統(β-coronavirus lineage A)、およびベータコロナウイルスB系統(β-coronavirus lineage B)、特に好ましくはベータコロナウイルスB系統(β-coronavirus lineage B)が挙げられる。
ベータコロナウイルスA系統(β-coronavirus lineage A)としては、例えばHCoV-HKU1およびHCoV-OC43、好ましくは、HCoV-OC43が挙げられる。ベータコロナウイルスB系統(β-coronavirus lineage B)としては、例えばSARS-CoVおよびSARS-CoV-2、好ましくはSARS-CoV-2が挙げられる。ベータコロナウイルスC系統(β-coronavirus lineage B)としては、好ましくはMERS-CoVが挙げられる。
一つの態様として、コロナウイルスとしては、HCoV-229E、HCoV-OC43、および/またはSARS-CoV-2、特に好ましくはSARS-CoV-2が挙げられる。
コロナウイルス感染症としては、HCoV-229E、HCoV-NL63、HCoV-OC43、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoV、および/またはSARS-CoV-2による感染症が挙げられる。好ましくは、HCoV-229E、HCoV-OC43、および/またはSARS-CoV-2による感染症、特に好ましくは、SARS-CoV-2による感染症が挙げられる。
コロナウイルス感染症としては、特に好ましくは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が挙げられる。
【0069】
(本発明の化合物の製造法)
本発明に係る式(I)、式(I’)および式(I’’)で示される化合物は、例えば、下記に示す一般的合成法によって製造することができる。抽出、精製等は、通常の有機化学の実験で行う処理を行えばよい。
本発明の化合物は、当該分野において公知の手法を参考にしながら製造することができる。例えば、WO2018/074390およびWO2012/020749を参考にして製造することができる。
【0070】
(A法)Zが-NR-であり、Wが=N-である場合
【化22】

(式中、各記号は前期と同義である。)
(第1工程)
WO2012/020749記載の合成法に従い、化合物(A-1)と化合物(A-2)を反応させることにより、化合物(A-3)を製造することができる。
(第2工程)
WO2018/074390記載の合成法に従い、化合物(A-3)を塩基、窒化塩化りん三量体存在下、化合物(A-4)と反応させることにより化合物(A-5)を製造することができる。
(第3工程)
WO2018/074390記載の合成法に従い、化合物(A-5)を塩基存在下、トリメチルアミン塩酸塩、メタンスルホニルクロリドと適当な溶媒中で反応させることにより化合物(I-A)を製造することができる。
得られた所望の化合物(I-A)は、要すれば常法(例、カラムクロマトグラフィー、再結晶など)により精製、およびキラルカラムを用いたSFC分取(液化炭酸-メタノール(またはエタノール等))により光学分割することができる。または、キラルな化合物(A-4)を用いて、キラルな化合物(I-A)を製造することができる。
【0071】
(B法)Zが-CR1’=であり、R1’が置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基である場合
【化23】

(式中、Halはハロゲンであり、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、C1-C3アルキルであるか、または一緒になって置換もしくは非置換の非芳香族環を形成し、その他の記号は前記と同義である。)
(第1工程)
WO2018/074390記載の合成法に従い、化合物(B-1)にハロゲン化試薬を適当な溶媒中で反応させることにより、化合物(B-2)を製造することができる。
(第2工程)
WO2018/074390記載の合成法に従い、化合物(B-2)を金属触媒および塩基存在下、ボロン酸またはボロン酸エステル(B-3)と適当な溶媒中で反応させることにより、化合物(I-B)を製造することができる。
得られた所望の化合物(I-B)は、要すれば常法(例、カラムクロマトグラフィー、再結晶など)により精製、およびキラルカラムを用いたSFC分取(液化炭酸-メタノール(またはエタノール等))により光学分割することができる。
【0072】
本発明に係る化合物は、コロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害活性を有するため、ウイルス感染症の治療および/または予防剤として有用である。
さらに本発明化合物は、医薬としての有用性を備えており、好ましくは、下記のいずれか、または複数の優れた特徴を有している。
a)CYP酵素(例えば、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4等)に対する阻害作用が弱い。
b)高いバイオアベイラビリティー、適度なクリアランス等良好な薬物動態を示す。
c)代謝安定性が高い。
d)CYP酵素(例えば、CYP3A4)に対し、本明細書に記載する測定条件の濃度範囲内で不可逆的阻害作用を示さない。
e)変異原性を有さない。
f)心血管系のリスクが低い。
g)高い溶解性を示す。
h)タンパク質非結合率(fu値)が高い。
i)高いコロナウイルス3CLプロテアーゼ選択性を有している。
j)高いコロナウイルス増殖阻害活性を有している。例えば、ヒト血清(HS)またはヒト血清アルブミン(HSA)添加下において、高いコロナウイルス増殖阻害活性を有している。
コロナウイルス増殖阻害剤としては、例えば後述のCPE抑制効果確認試験(SARS-CoV-2)において、例えばEC50が10μM以下、好ましくは1μM以下、より好ましくは100nM以下である態様が挙げられる。
【0073】
本発明の医薬組成物は、経口的、非経口的のいずれの方法でも投与することができる。非経口投与の方法としては、経皮、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、経粘膜、吸入、経鼻、点眼、点耳、膣内投与等が挙げられる。
【0074】
経口投与の場合は常法に従って、内用固形製剤(例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、フィルム剤等)、内用液剤(例えば、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、シロップ剤、リモナーデ剤、酒精剤、芳香水剤、エキス剤、煎剤、チンキ剤等)等の通常用いられるいずれの剤型に調製して投与すればよい。錠剤は、糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶性コーティング錠、徐放錠、トローチ錠、舌下錠、バッカル錠、チュアブル錠または口腔内崩壊錠であってもよく、散剤および顆粒剤はドライシロップであってもよく、カプセル剤は、ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤または徐放性カプセル剤であってもよい。
【0075】
非経口投与の場合は、注射剤、点滴剤、外用剤(例えば、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、エアゾール剤、吸入剤、ローション剤、注入剤、塗布剤、含嗽剤、浣腸剤、軟膏剤、硬膏剤、ゼリー剤、クリーム剤、貼付剤、パップ剤、外用散剤、坐剤等)等の通常用いられるいずれの剤型でも好適に投与することができる。注射剤は、O/W、W/O、O/W/O、W/O/W型等のエマルジョンであってもよい。
【0076】
本発明化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の各種医薬用添加剤を必要に応じて混合し、医薬組成物とすることができる。さらに、該医薬組成物は、本発明化合物の有効量、剤型および/または各種医薬用添加剤を適宜変更することにより、小児用、高齢者用、重症患者用または手術用の医薬組成物とすることもできる。例えば、小児用医薬組成物は、新生児(出生後4週未満)、乳児(出生後4週~1歳未満)幼児(1歳以上7歳未満)、小児(7歳以上15歳未満)若しくは15歳~18歳の患者に投与されうる。例えば、高齢者用医薬組成物は、65歳以上の患者に投与されうる。
【0077】
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の年齢、体重、疾病の種類や程度、投与経路等を考慮した上で設定することが望ましいが、経口投与する場合、通常0.05~200mg/kg/日であり、好ましくは0.1~100mg/kg/日の範囲内である。非経口投与の場合には投与経路により大きく異なるが、通常0.005~200mg/kg/日であり、好ましくは0.01~100mg/kg/日の範囲内である。これを1日1回~数回に分けて投与すれば良い。
【0078】
本発明化合物は、該化合物の作用の増強または該化合物の投与量の低減等を目的として、例えば、他の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬(該治療薬としては、承認を受けた薬剤、および開発中または今後開発される薬剤を含む)(以下、併用薬剤と称する)と組み合わせて用いてもよい。この際、本発明化合物と併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。さらに、本発明化合物と併用薬剤とは、それぞれの活性成分を含む2種類以上の製剤として投与されてもよいし、それらの活性成分を含む単一の製剤として投与されてもよい。
【0079】
併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01~100重量部用いればよい。
【実施例0080】
以下に実施例および参考例、ならびに試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0081】
また、本明細書中で用いる略語は以下の意味を表す。
CDI:カルボニルジイミダゾール
DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン
DIEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
FBS:ウシ胎児血清
HCCP:ヘキサクロロシクロトリホスファゼン
MEM:イーグル最小必須培地
SFC:超臨界流体クロマトグラフィー
mM:mmol/L
μM:μmol/L
nM:nmol/L
【0082】
(化合物の同定方法)
各実施例で得られたNMR分析は400MHzで行い、DMSO-d、CDClを用いて測定した。また、NMRデータを示す場合は、測定した全てのピークを記載していない場合が存在する。
明細書中にRTとあるのは、LC/MS:液体クロマトグラフィー/質量分析でのリテンションタイムを表し、以下の条件で測定した。
(測定条件1)
カラム:ACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18 (1.7μm i.d.2.1x50mm) (Waters)
流速:0.8mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジエント:3.5分間で5%-100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行った後、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
(測定条件2)
カラム:Shim-pack XR-ODS (2.2μm、i.d.3.0x50mm) (Shimadzu)
流速:1.6mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジエント:3分間で10%-100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
なお、明細書中、MS(m/z)との記載は、質量分析で観測された値を示す。
【0083】
(化合物の分取方法)
(SFC分取)
カラム:IA (20x250mm)(日本分光)
流速:20mL/分
UV検出波長:220nm
移動相:[A]は二酸化炭素、[B]はエタノール
[A]:[B]= 30:70
グラジエント:なし
【0084】
(単結晶構造解析の測定と解析方法)
単結晶構造解析の測定条件および解析方法を以下に示す。
(装置)
リガク社製 XtaLAB P200 MM007
(測定条件)
測定温度:25℃
使用波長:CuKα線(λ=1.5418Å)
ソフト:CrysAlisPro 1.171.39.46e (Rigaku Oxford Diffraction, 2018)
(データ処理)
ソフト:CrysAlisPro 1.171.39.46e (Rigaku Oxford Diffraction, 2018)
データはローレンツ及び偏光補正、吸収補正を行った。
(結晶構造解析)
直接法プログラムShelXT(Sheldrick, G.M.,2015)を用いて位相決定を行い、精密化はShelXL(Sheldrick, G.M.,2015)を用いて、full-matrix最小二乗法を実施した。非水素原子の温度因子はすべて異方性で精密化を行った。水素原子はShelXLのデフォルトパラメータを用いて計算により導入し、riding atomとして取り扱った。全ての水素原子は、等方性パラメーターで精密化を行った。R1 (I>2.00s(I))は0.0470および0.0444であり、最終の差フーリエから電子密度の欠如も誤置もないことを確認した。
図1および図2の作図にはPLUTON(Spek,1991)/ORTEP(Johnson,1976)を使用した。
【0085】
(参考例1)化合物2の合成
【化24】

工程1 化合物1の合成
3-クロロ-5-フルオロベンズアルデヒド(3.00g、18.9mmol)、ニトロメタン(30.7mL、568mmol)およびトリエチルアミン(13.1mL、95.0mmol)を混合し、室温で24時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチルおよび2mol/L塩酸水溶液を加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾別し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物1(3.80g、17.3mmol、収率92%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=220、RT=1.72min、LC/MS測定条件1
【0086】
工程2 化合物2の合成
化合物1(100mg、0.455mmol)にメタノール(5mL)を加え、0℃に冷却した。反応溶液に、塩化ニッケル(II)六水和物(108mg、0.455mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(86.0mg、2.28mmol)を加え、0℃で5分間攪拌した。反応完了後、反応溶液に水を加えた。生じた不溶物を濾別し、ろ液を酢酸エチルで洗浄した。溶媒を濃縮し、酢酸エチルとクロロホルムで洗浄後、アミノカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチルおよびクロロホルム/メタノール)で精製し、化合物2(60.0mg、0.316mmol、収率70%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=190、RT=0.81min、LC/MS測定条件1
【0087】
(参考例2)化合物6の合成
【化25】

工程1 化合物3の合成
窒素雰囲気下、亜鉛(1.30g、19.9mmol)、THF(10mL)および1,2-ジブロモエタン(0.0170mL、0.199mmol)を混合し、30分間加熱還流した。反応溶液を室温まで冷却し、3-フルオロベンジルブロミド(0.977mL、7.97mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応溶液に、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0.102g、0.199mmol)および2-ブロモ-4,5-ジフルオロ安息香酸メチル(1.00g、3.98mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応溶液に1mol/L塩酸水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物3(1.18g、4.21mmol、収率100%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=281、RT=2.76min、LC/MS測定条件1
【0088】
工程2 化合物4の合成
化合物3(300mg、1.070mmol)、THF(3mL)、メタノール(3mL)および1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(3211μL、3.21mmol)を混合し、室温で1.5時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、得られた残渣に1mol/Lの塩酸水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。溶媒を減圧留去し、化合物4(282mg、1.06mmol、収率99%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=267、RT=2.29min、LC/MS測定条件1
【0089】
工程3 化合物5の合成
化合物4(282mg、1.06mmol)、1,1’-カルボニルジイミダゾール(206mg、1.27mmol)およびTHF(2.8mL)を混合し、1時間加熱還流し、室温まで冷却した(反応溶液Aとする)。
別の反応容器中で、カリウムtert-ブトキシド(179mg、1.59mmol)およびTHF(2.8mL)を混合し、ニトロメタン(344μL、6.36mmol)をゆっくり添加した。反応溶液を室温で1時間攪拌し、上記の反応溶液Aを室温でゆっくり添加した。反応溶液を室温で1時間攪拌後、50℃で1.5時間攪拌した。反応溶液に1mol/L塩酸水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物5(315mg、1.02mmol、収率96%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=310、RT=2.56min、LC/MS測定条件1
【0090】
工程4 化合物6の合成
化合物5(100mg、0.323mmol)、メタノール(2mL)およびパラジウム-炭素(68.8mg、0.032mmol)を混合し、水素雰囲気下(1気圧)、室温で1.5時間攪拌した。不要物をセライトろ過し、メタノールで洗浄した。溶液に水素化ホウ素ナトリウム(36.7mg、0.970mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応溶液に水およびクロロホルムを加え、有機層を分離して濃縮した。残渣をアミノカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、クロロホルム/メタノール)で精製し、化合物6(53.5mg、0.190mmol、収率59%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=280、RT=1.75min、LC/MS測定条件1
【0091】
(参考例3)化合物10の合成
【化26】

工程1 化合物8の合成
2-ブロモ-1,4-ジクロロベンゼン(7.76g、34.4mmol)およびTHF(24mL)を混合し、氷-アセトン浴中で冷却した。反応溶液にイソプロピルマグネシウムクロリド 塩化リチウム錯体(1.3M THF溶液、26.4mL、34.4mmol)を-60℃以下で滴下し、-78℃で5分間攪拌した。反応溶液を氷浴下、0℃で30分間攪拌した。化合物7(3.00g、13.75mmol)およびTHF(21mL)を混合し、反応溶液に0℃で加えた。反応溶液を0℃で10分間攪拌し、室温で20時間攪拌した。氷浴下、反応溶液に10%クエン酸水溶液(30mL)を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物8(2.28g、7.50mmol、収率55%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=304、RT=2.20min、LC/MS測定条件1
【0092】
工程2 化合物9の合成
窒素雰囲気下、化合物8(4.08g、13.41mmol)、THF(20mL)およびメタノール(20mL)を混合した。氷浴下、反応溶液に水素化ホウ素ナトリウム(1.02g、26.8mmol)を少しずつ加えた。反応溶液を0℃で2時間攪拌し、アセトン(5mL)を加えた。反応溶液を0℃で10分間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を加え、室温で水(20mL)を加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物9(3.84g、12.5mmol、収率94%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=306、RT=2.02min、LC/MS測定条件1
【0093】
工程3 化合物10の合成
化合物9(3.84g、12.54mmol)をジクロロメタン(31mL)に溶解した。反応溶液に4mol/L塩酸・1,4-ジオキサン溶液(15.7mL、62.7mmol)を室温で加え、反応溶液を室温で3時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、イソプロピルエーテルを加え、残渣をろ過して乾燥し、化合物10(2.94g、12.12mmol、収率97%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=206、RT=0.76min、LC/MS測定条件1
【0094】
(参考例4)化合物19の合成
【化27】

工程1 化合物17の合成
1-ブロモ-5-クロロ-2,4-ジフルオロベンゼン(27.3g、104mmol)およびTHF(55mL)を混合し、氷-塩化ナトリウム浴中で冷却した。反応溶液にイソプロピルマグネシウムクロリド(2mol/L THF溶液、161mL、323mmol)を10℃以下で滴下し、-10℃で45分間攪拌した。化合物16(27.3g、104mmol)およびTHF(273mL)を混合し、反応溶液に滴下した。反応溶液を室温で3時間攪拌し、室温で終夜静置した。氷浴下、反応溶液に10%クエン酸水溶液(400mL)を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物17(36.6g、105mmol、収率100%)を得た。
H NMR(CDCl)δ:1.46(9H,s),3.25(3H,s),3.69-3.76(2H,m),5.18(1H,t,J=4.0Hz),5.63(1H,d,J =7.7Hz),7.01(1H,dd,J=10.2,8.4Hz),7.98(1H,t,J=7.7Hz).
【0095】
工程2 化合物18の合成
窒素雰囲気下、化合物17(37.5g、107mmol)およびTHF(375mL)を混合し、ドライアイス-アセトン浴中で冷却した。氷浴下、反応溶液に水素化ジイソブチルアルミニウム(1.02mol/L ヘキサン溶液、210mL、214mmol)を-10℃以下で滴下し、-10℃で15分間攪拌した。氷浴下、反応溶液に飽和ロッシェル塩水溶液(650mL)、酢酸エチルを加え、室温で1時間攪拌し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物18(33.8g、96mmol、収率90%)を得た。
H NMR(CDCl)δ:1.43(9H,s),3.34(3H,s),3.49(2H,d,J=2.4Hz),4.01 (1H,d,J =2.5Hz),4.20(1H,d,J=7.0Hz),5.08(1H,dd,J=7.2,4.7Hz),5.22(1H,d,J=6.1Hz),6.89(1H,t,J=9.2Hz),7.54(1H,t, J=7.8Hz).
【0096】
工程3 化合物19の合成
化合物18(33.8g、96mmol)と塩酸(4mol/L メタノール溶液、135mL、540mmol)を混合し、反応溶液を室温で30分攪拌した。ヘキサン(270mL)を加え、室温で10分間攪拌後、残渣をろ過して乾燥し、化合物19(24.0g、83mmol、収率87%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=251[M+H]、RT=1.12min、LC/MS測定条件1
【実施例0097】
化合物(I-0076)および化合物(I-0064)の合成
【化28】

工程1 化合物11の合成
窒素雰囲気下、5-クロロピリジン-3-アミン(18.9g、147mmol)をアセトニトリル(208mL)に溶解した。クロロギ酸フェニル(19.5mL、155mmol)をアセトニトリル(19mL)に溶解し、氷浴下で反応溶液に滴下した。反応溶液を室温で3時間攪拌し、氷浴で冷却した。沈殿物をろ過および乾燥し、化合物11(38.1g、134mmol、収率91%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=249、RT=1.98min、LC/MS測定条件1
【0098】
工程2 化合物12の合成
化合物11(30.7g、108mmol)、ジメチルアセトアミド(307mL)および1H-ピラゾール-1-カルボキシアミジン塩酸塩(15.8g、108mmol)を室温で混合した。反応溶液にDBU(40.6mL、269mmol)を滴下し、80℃で45分間攪拌した。反応溶液を氷浴で冷却し、CDI(34.9g、215mmol)およびDBU(32.5mL、215mmol)を加えた。反応溶液を氷浴下で3時間攪拌し、氷水(300mL)に注いだ。反応溶液に6mol/L塩酸水溶液を滴下し、反応溶液に水(600mL)およびジイソプロピルエーテル(200mL)を加え、沈殿物をろ過した。残渣を水およびジイソプロピルエーテルで洗浄、乾燥し、化合物12(26.0g、89.0mmol、収率83%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=291、RT=1.13min、LC/MS測定条件1
【0099】
工程3 化合物13の合成
化合物12(6.71g、20.5mmol)、tert-アミルアルコール(34mL)、2,2-ジメチル酪酸(31.5mL、252mmol)、トリエチルアミン(5.69mL、41.0mmol)および6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-アミン(3.91g、21.5mmol)を混合し、反応溶液を120℃で6時間攪拌した。反応溶液を室温に冷却し、酢酸エチルを加えた。沈殿物をろ過し、残渣を酢酸エチルで洗浄、乾燥し、化合物13(6.00g、14.8mmol、収率72%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=404、RT=1.31min、LC/MS測定条件1
【0100】
工程4 化合物14の合成
化合物13(0.45g、1.11mmol)およびアセトニトリル(14mL)を混合した。反応溶液にHCCP(0.464g、1.34mmol)およびDIEA(0.253mL、1.45mmol)を加え、室温で攪拌した。反応溶液に化合物10(0.351g、1.45mmol)およびDIEA(0.582mL、3.33mmol)を加えた。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)に注ぎ、20分間攪拌し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。残渣をアミノカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、化合物14(0.545g、0.923mmol、収率83%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=590、RT=1.78min、LC/MS測定条件1
【0101】
工程5 化合物15(化合物I-0076および化合物I-0064のラセミ混合物)の合成
氷冷下、DMF(3mL)にメタンスルホニルクロリド(0.432mL、5.54mmol)およびN、N、N’、N’-テトラメチル-1、3-プロパンジアミン(0.721mL、5.54)を加え、0℃で5分間攪拌した。続いて、氷冷下化合物14(0.545g、0.923mmol)のDMF(3mL)溶液を加え、0℃で5分間攪拌後、室温で1時間攪拌した。別途調整したメタンスルホニルクロリド(0.432mL、5.54mmol)およびN、N、N’、N’-テトラメチル-1、3-プロパンジアミン(0.721mL、5.54)のDMF(2mL)溶液を加え、室温で2時間15分攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を加え、5分間攪拌し、水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。残渣をアミノカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、化合物15(0.117g、0.204mmol、収率22%)を得た。
LC/MS(ESI):m/z=575、RT=2.04min、LC/MS測定条件1
1H-NMR(CDCl3)δ:3.68-3.77(m,1H),4.20(s,3H), 4.54-4.60(m,1H),5.86-5.94(m,1H),7.04-7.52(m,4H),7.78(d,J=9.0Hz,1H),7.84(s,1H),7.67-7.94(m,1H),8.60-8.68(m,2H).
【0102】
工程6 化合物(I-0076)および化合物(I-0064)の分離精製
工程5で得られた化合物15を上記SFC分取の方法により精製し、化合物(I-0076、42.1mg、0.073mmol)および化合物(I-0064、45.2mg、0.079mmol)を得た。
化合物(I-0076):保持時間 11.8分
化合物(I-0064):保持時間 4.9分
【0103】
上記一般的合成法および実施例に記載の方法に準じて、以下の化合物を合成した。構造および物性(LC/MSデータ)を以下の表に示す。
なお、構造式中、「くさび形」および「破線」は立体配置を示す。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】
【表4】
【0108】
【表5】
【0109】
【表6】
【0110】
【表7】
【0111】
【表8】
【0112】
【表9】
【0113】
【表10】
【0114】
【表11】
【0115】
【表12】
【0116】
【表13】
【0117】
【表14】
【0118】
【表15】
【0119】
【表16】
【0120】
【表17】
【0121】
【表18】
【0122】
【表19】
【0123】
【表20】
【0124】
【表21】
【0125】
【表22】
【0126】
【表23】
【0127】
【表24】
【0128】
【表25】
【0129】
【表26】
【0130】
【表27】
【0131】
【表28】
【0132】
【表29】
【0133】
【表30】
【0134】
【表31】
【0135】
【表32】
【0136】
【表33】
【0137】
【表34】
【0138】
【表35】
【0139】
【表36】
【0140】
【表37】
【0141】
【表38】
【0142】
【表39】
【0143】
【表40】
【0144】
【表41】
【0145】
【表42】
【0146】
【表43】
【0147】
【表44】
【0148】
【表45】
【0149】
【表46】
【0150】
【表47】
【0151】
【表48】
【0152】
【表49】
【0153】
【表50】
【0154】
【表51】
【0155】
【表52】
【0156】
【表53】
【0157】
【表54】
【0158】
【表55】
【0159】
【表56】
【0160】
【表57】
【0161】
【表58】
【0162】
【表59】
【0163】
【表60】
【0164】
【表61】
【0165】
【表62】
【0166】
【表63】
【0167】
【表64】
【0168】
【表65】
【0169】
【表66】
【0170】
【表67】
【0171】
【表68】
【0172】
【表69】
【0173】
【表70】
【0174】
【表71】
【0175】
【表72】
【0176】
【表73】
【0177】
【表74】
【0178】
【表75】
【0179】
【表76】
【0180】
【表77】
【0181】
【表78】
【0182】
【表79】
【0183】
【表80】
【0184】
【表81】
【0185】
【表82】
【0186】
【表83】
【0187】
【表84】
【0188】
【表85】
【0189】
【表86】
【0190】
【表87】
【0191】
【表88】
【0192】
【表89】
【0193】
【表90】
【0194】
【表91】
【0195】
【表92】
【0196】
【表93】
【0197】
【表94】
【0198】
【表95】
【0199】
【表96】
【0200】
【表97】
【0201】
ここで、R2aおよびR2bにおける立体配置を決定するために、代表化合物として化合物(I-0143)の単結晶構造解析を行った。
上記に記載した、本発明の化合物の製造法、参考例1~4および実施例1と同様にして、化合物(I-0143)を合成した。
化合物をエタノールに溶解し、貧溶媒として水を用いて蒸気拡散法にて結晶を作成した。
【0202】
化合物(I-0143)の単結晶構造解析の結果を以下に示す。
結晶学的データを表98に示す。
【表98】
【0203】
また、非水素原子の原子座標を表99~表100に示す。ここで、U(eq)とは、等価等方性温度因子を意味する。
【表99】

【表100】
【0204】
次に、水素原子の原子座標を表101に示す。ここで、U(eq)とは、等価等方性温度因子を意味する。また、表101の水素原子の番号は、結合している非水素原子の番号に関連して付けた。
【表101】
【0205】
さらに、原子間角度(単位:度)を表102~表103に示す。
【表102】
【0206】
【表103】
【0207】
化合物(I-0143)の分子構造図を図1に示す。
なお、表99~表100および表102~表103における非水素原子の番号は、それぞれ図1に記載された番号に対応している。
【0208】
図1に示される通り、化合物(I-0143)は、R2aに相当する基がS配置であることが示唆された。
また、化合物(I-0143)および化合物(I-0143)の光学異性体である化合物(I-0140)の下記試験例2の結果は、以下の通りであった。
化合物(I-0143):0.0011μM
化合物(I-0140):2.2μM
2aに相当する基がS配置である化合物(I-0143)がより高活性値を示していた。
ここで、本明細書中において、R2aおよびR2bにおける立体配置が異なる光学異性体が存在する場合、試験例2の活性値がより高活性を示した化合物のR2aに相当する基をS配置と同定し、もう一方の光学異性体をR配置と同定し、表1~表97に示した。
【0209】
次に、R2aおよびR2b、ならびに、R4aおよびR4bにおける立体配置を決定するために、代表化合物として化合物(I-0252)の単結晶構造解析を行った。
上記に記載した、本発明の化合物の製造法、参考例1~4および実施例1と同様にして、化合物(I-0252)を合成した。
化合物を酢酸メチルに溶解し、貧溶媒としてヘキサンを用いて蒸気拡散法にて結晶を作成した。
【0210】
化合物(I-0252)の単結晶構造解析の結果を以下に示す。
結晶学的データを表104に示す。
【表104】
【0211】
また、非水素原子の原子座標を表105~表106に示す。ここで、U(eq)とは、等価等方性温度因子を意味する。
【表105】

【表106】
【0212】
次に、水素原子の原子座標を表107に示す。ここで、U(eq)とは、等価等方性温度因子を意味する。また、表107の水素原子の番号は、結合している非水素原子の番号に関連して付けた。
【表107】
【0213】
さらに、原子間角度(単位:度)を表108~表109に示す。
【表108】

【表109】
【0214】
化合物(I-0252)の分子構造図を図2に示す。
なお、表105~表106および表108~表109における非水素原子の番号は、それぞれ図1に記載された番号に対応している。
【0215】
図2に示される通り、化合物(I-0252)は、R2aに相当する基がS配置であることが示唆された。
ここで、本明細書中において、R2aおよびR2b、ならびに、R4aおよびR4bにおける立体配置が異なる異性体が存在する場合、試験例2の活性値がより高活性を示した化合物のR2aに相当する基をS配置と同定し、もう一方の異性体をR配置として同定し、表1~表97に示した。
【0216】
以下に、本発明化合物の生物試験例を記載する。
本発明に係る式(I)で示される化合物は、コロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害作用を有し、コロナウイルス3CLプロテアーゼを阻害するものであればよい。
具体的には、以下に記載する評価方法において、IC50は50μM以下が好ましく、より好ましくは、1μM以下、さらにより好ましくは100nM以下である。
【0217】
試験例1:human TMPRSS2発現Vero E6細胞(Vero E6/TMPRSS2細胞)を用いたCytopathic effect(CPE)抑制効果確認試験
<操作手順>
・被験試料の希釈、分注
予め被験試料をDMSOで適度な濃度に希釈し、2~5倍段階希釈系列を作製後、384ウェルプレートに分注する。
・細胞およびSARS-CoV-2の希釈、分注
VeroE6/TMPRSS2細胞(JCRB1819、5×10cells/well)とSARS-CoV-2(100TCID50/well)を培地(MEM、2%FBS、ペニシリン-ストレプトマイシン)で混合し、被験試料が入ったウェルに分注した後、COインキュベーターで3日間培養する。
・CellTiter-Glo(登録商標)2.0の分注および発光シグナルの測定
3日間培養したプレートを室温に戻した後、CellTiter-Glo(登録商標)2.0を各ウェルに分注し、プレートミキサーで混和する。一定時間置いた後、プレートリーダーで発光シグナル(Lum)を測定する。
【0218】
<各測定項目値の算出>
・50% SARS-CoV-2感染細胞死阻害濃度(EC50)算出
xを化合物濃度の対数値、yを%Efficacyとしたとき、以下のLogistic回帰式で阻害曲線を近似し、y=50(%)を代入したときのxの値をEC50として算出する。

y = min + (max - min)/{1 + (X50/x) ^Hill}

%Efficacy = {(Sample - virus control) / (cell control - virus control)} * 100%
cell control: the average of Lum of cell control wells
virus control: the average of Lum of virus control wells

min:y軸下限値、max:y軸上限値、X50:変曲点のx座標、Hill:minとmaxの中間点でのカーブの傾き
【0219】
本発明化合物を本質的に上記のとおり試験した。結果を以下の表に示す。
なお、EC50値は、1μM未満を「A」、1μM以上10μM未満を「B」とする。
(結果)
化合物I-0007:0.06μM
化合物I-0026:0.05μM
化合物I-0029:2.5μM
化合物I-0031:1.1μM
化合物I-0044:0.25μM
化合物I-0045:0.13μM
化合物I-0076:0.025μM
化合物I-0129:0.12μM
化合物I-0149:1.3μM
化合物I-0159:0.68μM
化合物I-0202:6.7μM
化合物I-0205:0.052μM
化合物I-0222:0.76μM
化合物I-0315:1.9μM
化合物I-0337:0.47μM
【0220】
【表110】
【0221】
【表111】
【0222】
試験例2:SARS-CoV-2 3CLプロテアーゼに対する阻害活性試験
<材料>
・市販のRecombinant SARS-CoV-2 3CL Protease
・市販の基質ペプチド
Dabcyl-Lys-Thr-Ser-Ala-Val-Leu-Gln-Ser-Gly-Phe-Arg-Lys-Met-Glu(Edans)-NH2
・Internal Standardペプチド
Dabcyl-Lys-Thr-Ser-Ala-Val-Leu(13C6,15N)-Gln
Dabcyl-Lys-Thr-Ser-Ala-Val-Leu(13C6,15N)-Glnは、文献(Atherton, E.; Sheppard, R. C.、“In Solid Phase Peptide Synthesis, A Practical Approach”、IRL Press at Oxford University Pres、1989.およびBioorg. Med. Chem.、5巻、9号、1997年、1883-1891頁、等)を参考に合成できる。以下に一例を示す。
Rinkアミド樹脂を用いて、Fmoc固相合成によって、H-Lys-Thr-Ser-Ala-Val-Leu(13C6,15N)-Glu(resin)-OαOtBu(Lys側鎖はBoc保護、Thr側鎖はtert-ブチル基で保護、Ser側鎖はtert-ブチル基で保護、GluのC末端OHはtert-ブチル基で保護されており、Glu側鎖のカルボン酸を樹脂に縮合)を合成する。N末端Dabcyl基の修飾は4-ジメチルアミノアゾベンゼン-4’-カルボン酸(Dabcyl-OH)をEDC/HOBTを用いて樹脂上で縮合する。最終脱保護、および樹脂からの切り出しはTFA/EDT=95:5で処理することで行う。その後、逆相HPLCによって精製する。
・RapidFire Cartridge C4 typeA
<操作手順>
・アッセイバッファーの調製
本試験では、20mM Tris-HCl、100mM 塩化ナトリウム、1mM EDTA、10mM DTT、0.01% BSAからなるアッセイバッファーを使用する。IC50値が10nM以下の化合物については、20mM Tris-HCl、1mM EDTA、10mM DTT、0.01% BSAからなるアッセイバッファーを使用する。
・被験試料の希釈、分注
予め被験試料をDMSOで適度な濃度に希釈し、2~5倍段階希釈系列を作製後、384ウェルプレートに分注する。
・酵素と基質の添加、酵素反応
準備した化合物プレートに、8μMの基質、及び6または0.6nMの酵素溶液を添加し、室温で3~5時間インキュベーションを行う。その後、反応停止液(0.067μM Internal Standard、0.1% ギ酸、10または25% アセトニトリル)を加え酵素反応を停止させる。
・反応産物の測定
反応完了したプレートはRapidFire System 360及び質量分析器(Agilent、6550 iFunnel Q-TOF)、またはRapid Fire System 365及び質量分析器(Agilent、 6495C Triple Quadrupole)を用いて測定する。測定時の移動相としてA溶液(75% イソプロパノール、15% アセトニトリル、5mM ギ酸アンモニウム)とB溶液(0.01% トリフルオロ酢酸、0.09% ギ酸)を用いる。
質量分析器によって検出された反応産物は、RapidFire Integratorまたは同等の解析が可能なプログラムを用いて算出しProduct area値とする。また、同時に検出されたInternal Standardも算出しInternal Standard area値とする。
<各測定項目値の算出>
・P/ISの算出
前項目で得られたarea値を下記の式によって計算し、P/ISを算出する。
P/IS= Product area値/ Internal Standard area値
・50% SARS-CoV-2 3CLプロテアーゼ阻害濃度(IC50)算出
xを化合物濃度の対数値、yを%Inhibitionとしたとき、以下のLogistic回帰式で阻害曲線を近似し、y=50(%)を代入したときのxの値をIC50として算出する。

y = min + (max - min)/{1 + (X50/x) ^Hill}

%Inhibition = {1-(Sample - Control(-)) / Control(+)-Control(-))} * 100

Control(-):the average of P/IS of enzyme inhibited condition wells
Control(+):the average of P/IS of DMSO control wells
min:y軸下限値、max:y軸上限値、X50:変曲点のx座標、Hill:minとmaxの中間点でのカーブの傾き
【0223】
本発明化合物を本質的に上記のとおり試験した。結果を以下の表に示す。
なお、IC50値は、0.1μM未満を「A」、0.1μM以上1μM未満を「B」、1μM以上10μM未満を「C」とする。
(結果)
化合物I-0003:0.014μM
化合物I-0007:0.0015μM
化合物I-0026:0.0083μM
化合物I-0029:0.0022μM
化合物I-0031:0.0081μM
化合物I-0044:0.0085μM
化合物I-0045:0.0077μM
化合物I-0052:1μM
化合物I-0055:0.89μM
化合物I-0076:0.00099μM
化合物I-0104:9.3μM
化合物I-0107:0.4μM
化合物I-0115:1.8μM
化合物I-0129:0.0049μM
化合物I-0149:0.084μM
化合物I-0159:0.036μM
化合物I-0168:0.0039μM
化合物I-0202:0.33μM
化合物I-0205:0.0034μM
化合物I-0222:0.032μM
化合物I-0315:0.2μM
化合物I-0337:0.05μM
【0224】
【表112】
【0225】
【表113】
【0226】
【表114】
【0227】
以下に示す製剤例は例示にすぎないものであり、発明の範囲を何ら限定することを意図するものではない。
本発明の化合物は、任意の従来の経路により、特に、経腸、例えば、経口で、例えば、錠剤またはカプセル剤の形態で、または非経口で、例えば注射液剤または懸濁剤の形態で、局所で、例えば、ローション剤、ゲル剤、軟膏剤またはクリーム剤の形態で、または経鼻形態または座剤形態で医薬組成物として投与することができる。少なくとも1種の薬学的に許容される担体または希釈剤と一緒にして、遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の本発明の化合物を含む医薬組成物は、従来の方法で、混合、造粒またはコーティング法によって製造することができる。例えば、経口用組成物としては、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等および有効成分等を含有する錠剤、顆粒剤、カプセル剤とすることができる。また、注射用組成物としては、溶液剤または懸濁剤とすることができ、滅菌されていてもよく、また、保存剤、安定化剤、緩衝化剤等を含有してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0228】
本発明に係る化合物は、コロナウイルス3CLプロテアーゼに対する阻害作用を有し、コロナウイルス3CLプロテアーゼが関与する疾患または状態の治療剤および/または予防剤として有用であると考えられる。
図1
図2