(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178499
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】炊飯器、および炊飯システム
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
A47J27/00 109A
A47J27/00 103R
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096657
(22)【出願日】2023-06-13
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小池 貴和
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 紀子
(72)【発明者】
【氏名】木村 智志
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA02
4B055BA40
4B055BA42
4B055CC17
4B055CD41
4B055GA03
4B055GB27
(57)【要約】
【課題】経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コースや炊飯時間に好適な炊飯コースをユーザーに提案可能な炊飯器、および炊飯システムを提供する。
【解決手段】それぞれの炊飯コースを分ける複数の第一選択肢51を表示可能な第一画面WS1、およびそれぞれの第一選択肢51から選択された項目の組み合わせである抽出条件を満足する少なくとも1つの炊飯コースを第二選択肢52として表示可能な第二画面WS2と、を表示する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
お米をご飯に炊き上げる条件がそれぞれ設定されている複数の炊飯コースを記憶する記憶部と、
それぞれの前記炊飯コースを分ける複数の第一選択肢を表示可能な第一画面、およびそれぞれの前記第一選択肢から選択された項目の組み合わせである抽出条件を満足する少なくとも1つの前記炊飯コースを第二選択肢として表示可能な第二画面と、を表示する表示部と、
前記第二選択肢から選択された前記炊飯コースを炊飯動作に設定する設定部と、を備える炊飯器。
【請求項2】
前記第二画面は、前記複数の炊飯コースから前記抽出条件に好適な少なくとも1つの前記炊飯コースを表示する請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記第二画面は、前記複数の炊飯コースから前記抽出条件を満足する2つ以上の前記炊飯コースを表示する請求項1に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記複数の第一選択肢は、前記お米の種類の選択肢、前記お米を前記ご飯に炊き上げる炊き方の選択肢、炊き上がる前記ご飯の硬さの選択肢、および前記お米を前記ご飯に炊き上げる時間の選択肢の少なくとも2つ以上を含む請求項1に記載の炊飯器。
【請求項5】
前記抽出条件を決定する決定ボタンを備える請求項1に記載の炊飯器。
【請求項6】
前記第一画面は、ある前記第一選択肢の項目が選択された場合には、前記抽出条件に合致する前記炊飯コースが存在する範囲で他の前記第一選択肢の項目を絞り込んで表示する請求項1に記載の炊飯器。
【請求項7】
前記第一画面に表示可能な前記複数の第一選択肢の少なくとも1つを音声で受け付け、かつ前記抽出条件に不足する少なくとも1つの前記第一選択肢の項目を対話で受け付ける音声入力部を備える請求項1に記載の炊飯器。
【請求項8】
情報を機外に送信可能な炊飯器と、
前記炊飯器が送信する前記情報を受信可能な情報端末と、を備え、
前記情報端末は、
前記炊飯器がお米をご飯に炊き上げる条件がそれぞれ設定されている複数の炊飯コースを記憶する記憶部と、
それぞれの前記炊飯コースを分ける複数の第一選択肢を表示可能な第一画面、およびそれぞれの前記第一選択肢から選択された項目の組み合わせである抽出条件を満足する少なくとも1つの前記炊飯コースを第二選択肢として表示可能な第二画面と、を表示する表示部と、
前記第二選択肢から選択された前記炊飯コースを前記炊飯器の炊飯動作に設定する設定部と、を備える炊飯システム。
【請求項9】
情報を機外に送信可能な炊飯器と、
前記炊飯器が送信する前記情報を受信可能な情報端末と、を備え、
前記情報端末は、
前記炊飯器がお米をご飯に炊き上げる条件がそれぞれ設定されている複数の炊飯コースを記憶する記憶部と、
それぞれの前記炊飯コースを分ける複数の第一選択肢を音声入力可能、およびそれぞれの前記第一選択肢から選択された項目の組み合わせである抽出条件を満足する少なくとも1つの前記炊飯コースを第二選択肢として音声入力可能な音声入力部と、
前記音声入力部で受け付けられた前記炊飯コースを前記炊飯器の炊飯動作に設定する設定部と、を備える炊飯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器、および炊飯システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
炊飯器が炊飯したご飯の感想をユーザーが持った時点で、それを反映させて、設定を変更させることができる炊飯器操作方法が知られている。この方法は、ユーザーの選択に基づいて炊飯器が炊飯した時の設定情報を受け付け取り、炊飯したご飯に関するアンケートを画面に表示し、アンケートの回答に基づいて設定情報を変更し、変更した設定情報を炊飯器に送る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の炊飯器操作方法は、今回炊飯したご飯に関するアンケートの回答を次回の炊飯の設定に反映する。
【0005】
しかしながら、次回に炊飯するお米の種類、炊飯時間、ご飯の硬さ、および炊き方は、必ずしも今回炊飯時と同じとは限らない。なお、ここで言うお米の種類とは、銘柄の異同、またはおよび玄米、ぶつき米、白米のように精米加減の異なる米を含んだ概念である。
【0006】
ところで、近年の炊飯器は、千から二千を超える多数の炊飯コースから択一的に選択する炊飯コースでお米をご飯に炊き上げることができる。それら多数の炊飯コースは、例えばお米の種類、炊き方、炊き上がるご飯の硬さ、および炊飯時間について相互に異なる炊飯条件を有している。換言すると、それぞれの炊飯コースは、炊飯器のユーザーの嗜好や、お米の種類、炊飯時間によって好適に適用可能な炊飯条件を異にする。
【0007】
そのため、炊飯器のユーザーが経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コースを的確に探し出すこと、また炊飯時間に好適な炊飯コースを的確に探し出すことは、容易ではなかった。
【0008】
そこで、本発明は、経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コースや炊飯時間に好適な炊飯コースをユーザーに提案可能な炊飯器、および炊飯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る炊飯器は、お米をご飯に炊き上げる条件がそれぞれ設定されている複数の炊飯コースを記憶する記憶部と、それぞれの前記炊飯コースを分ける複数の第一選択肢を表示可能な第一画面、およびそれぞれの前記第一選択肢から選択された項目の組み合わせである抽出条件を満足する少なくとも1つの前記炊飯コースを第二選択肢として表示可能な第二画面と、を表示する表示部と、前記第二選択肢から選択された前記炊飯コースを炊飯動作に設定する設定部と、を備えている。
【0010】
また、前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る炊飯システムは、情報を機外に送信可能な炊飯器と、前記炊飯器が送信する前記情報を受信可能な情報端末と、を備え、前記情報端末は、前記炊飯器がお米をご飯に炊き上げる条件がそれぞれ設定されている複数の炊飯コースを記憶する記憶部と、それぞれの前記炊飯コースを分ける複数の第一選択肢を表示可能な第一画面、およびそれぞれの前記第一選択肢から選択された項目の組み合わせである抽出条件を満足する少なくとも1つの前記炊飯コースを第二選択肢として表示可能な第二画面と、を表示する表示部と、前記第二選択肢から選択された前記炊飯コースを前記炊飯器の炊飯動作に設定する設定部と、備えている。
【0011】
さらに、前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る炊飯システムは、情報を機外に送信可能な炊飯器と、前記炊飯器が送信する前記情報を受信可能な情報端末と、を備え、前記情報端末は、前記炊飯器がお米をご飯に炊き上げる条件がそれぞれ設定されている複数の炊飯コースを記憶する記憶部と、それぞれの前記炊飯コースを分ける複数の第一選択肢を音声入力可能、およびそれぞれの前記第一選択肢から選択された項目の組み合わせである抽出条件を満足する少なくとも1つの前記炊飯コースを第二選択肢として音声入力可能な音声入力部と、前記音声入力部で受け付けられた前記炊飯コースを前記炊飯器の炊飯動作に設定する設定部と、備えている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る加熱調理システムのブロック図。
【
図2】本発明の実施形態に係る加熱調理器の一例の斜視図。
【
図3】本発明の実施形態に係る情報端末の一例の正面図。
【
図4】本発明の実施形態に係る情報端末の表示部に表示される第一画面の一例を表す図。
【
図5】本発明の実施形態に係る情報端末の表示部に表示される第二画面の一例を表す図。
【
図6】本発明の実施形態に係る炊飯器の炊飯器の複数の炊飯メニューを分ける選択肢の第一例を示す表。
【
図7】本発明の実施形態に係る炊飯器の炊飯器の複数の炊飯メニューを分ける選択肢の第二例を示す表。
【
図8】本発明の実施形態に係る炊飯器の炊飯器の複数の炊飯メニューを分ける選択肢の第三例を示す表。
【
図9】本発明の実施形態に係る炊飯器の炊飯器の複数の炊飯メニューを分ける選択肢の第四例を示す表。
【
図10】本発明の実施形態に係る炊飯器の炊飯メニューのデータベースの一例を示す表の第一部。
【
図11】本発明の実施形態に係る炊飯器の炊飯メニューのデータベースの一例を示す表の第二部。
【
図12】本発明の実施形態に係る炊飯器の炊飯メニューのデータベースの一例を示す表の第三部。
【
図13】本発明の実施形態に係る炊飯器の炊飯メニューのデータベースの一例を示す表の第四部。
【
図14】本発明の実施形態に係る炊飯器の炊飯メニューの抽出結果の第一例を示す表。
【
図15】本発明の実施形態に係る炊飯器の炊飯メニューの抽出結果の第二例を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る加熱調理システムについて
図1から
図15を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には同一の符号が付されている。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る加熱調理システムのブロック図である。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る炊飯システム1は、お米と水とを炊飯してご飯を炊き上げる炊飯器2と、炊飯器2の操作に利用される少なくとも1つの情報端末3と、を備えている。炊飯器2と情報端末3との間の通信は、NFC(Near Field Communication)およびBluetoothなどの近距離無線通信により直接的に接続されるものであっても良いし、家庭内の無線ローカルエリアネットワーク(無線LAN)を介して直接的に接続されるものであっても良い。
【0016】
また、炊飯システム1は、炊飯器2と、情報端末3と、炊飯器2と情報端末3との間の通信を確立するサーバー5と、炊飯器2と情報端末3との間の通信を確立するための情報を記憶する記憶装置6と、を備えていても良い。
【0017】
炊飯器2、情報端末3、サーバー5および記憶装置6のそれぞれは、電気通信網11によりネットワークNWへ通信可能に接続されている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、またはその他の公衆回線や専用回線などの通信回線を状況に応じて利用する。
【0018】
電気通信網11は、外部通信網12と、構内通信網13と、外部通信網12と構内通信網13との間で情報を中継する中継機15と、を含んでいる。
【0019】
外部通信網12は、ネットワークNWを含んでいる。中継機15、サーバー5、および情報端末3は、公衆電話網や携帯電話網などを介してネットワークNWに接続されている。炊飯システム1は、インターネットを介在させることによって、炊飯器2と情報端末3との間の簡便な通信環境を、ユーザーに提供する。
【0020】
構内通信網13は、中継機15を含む無線または有線の電気通信網で、いわゆるイントラネットである。また、炊飯器2は、構内通信網13に通信可能に接続されている。
【0021】
炊飯器2は、ユーザーの住居内に設置される中継機15(例えば、無線ルーターおよびモデム)を介して、サーバー5と双方向通信する。
【0022】
サーバー5は、炊飯器2を管理する。例えば、サーバー5は、炊飯器2の機器登録、炊飯器2の動作状況、および炊飯器2の状態を含む炊飯器2に係る情報を管理する。サーバー5は、例えばクラウドサーバーであり、1つまたは複数のサーバー装置で構成される。また、サーバー5は、ネットワークNWを介して、炊飯器2と情報端末3との間に双方向に情報を通信可能な通信回線を確立する。なお、サーバー5は、ネットワークNW中のルーターに含まれる情報処理部など、エッジコンピューティングやフォグコンピューティングを行う情報処理部を含んでもよい。サーバー5は、クラウドサーバーに限定されず、ユーザーの住居にあるコンピューターでもよく、例えば無線ルーターなどの家庭内ルーターでもよい。
【0023】
なお、説明の便宜のため「炊飯器2の機器登録、炊飯器2の動作状況、および炊飯器2の状態を含む炊飯器2に係る情報」を以下「炊飯器情報」という。
【0024】
サーバー5は、ネットワークNWを介して多数の炊飯器2と通信し、それぞれの炊飯器2に識別子を付与している。炊飯システム1は、サーバー5が提供する識別子によって、情報端末3と炊飯器2との間に双方向通信を確立する。
【0025】
情報端末3は、炊飯器2の状態を確認したり、炊飯器2を操作するために炊飯システム1のユーザーが使用したりする端末装置である。情報端末3は、例えば、スマートフォンやタブレット端末装置のような携帯端末装置である。情報端末3は、携帯端末装置に限定されず、パーソナルコンピューターやスマートスピーカーのような携帯に適さない、住居内に常設される端末装置であっても良い。情報端末3は、近距離無線通信を介したり、中継機15を介したりして炊飯器2と直接的に双方向通信する。また、情報端末3は、公衆無線回線や携帯電話回線を介したり、中継機15を介したりしてサーバー5と双方向通信することもできる。
【0026】
スマートフォンやタブレット端末装置のような情報端末3は、サーバー5を介し、または介すことなく炊飯器情報を取得して炊飯器2の状態を情報端末3の画面に出力する。また、スマートフォンやタブレット端末装置のような情報端末3は、ユーザーの操作に応じた処理を連携済みの炊飯器2に実行させる。スマートスピーカーは、話者が特定の言葉を発したことを検出すると、それを契機にその後の話者の質問および要求を自然言語処理によって識別し、識別した内容に応じた反応、応答を音声に変換して出力したり、識別した内容に応じた処理を連携済みの炊飯器2に実行させたりする。同様の自然言語処置機能は、スマートフォンのような携帯可能な情報端末3に搭載されていても良いし、炊飯器2に搭載されていても良い。
【0027】
炊飯システム1は、炊飯器2が機外へ送信する炊飯器情報を情報端末3が受信可能な状態で提供する。炊飯システム1は、情報端末3が機外へ送信する指令を住居内の炊飯器2で受信可能な状態で提供しても良い。つまり、炊飯システム1は、外出先で情報端末3から住居内の炊飯器2を操作可能な環境を提供する。炊飯システム1のユーザーは、例えば、自宅を不在にしている外出中に、炊飯器2の現在の状態を確認することができる。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に係る加熱調理器の一例の斜視図である。
【0029】
図2に示すように、本実施形態に係る炊飯器2は、上方へ開放された鍋収容部を有する矩形状の本体22と、鍋収容部に収容される鍋と、本体22の上面に覆い被さって鍋収容部を開閉可能に閉じる蓋体23と、蓋体23を本体22に開閉可能に支持するヒンジ部25と、操作されると鍋収容部を閉じる蓋体23と本体22とのロックを解除する蓋開操作部26と、鍋で発生する蒸気を本体22外へ放出する蒸気口27と、出力装置としての表示部28と、入力装置としての操作部29と、炊飯器情報を含む種々の情報を送受信可能な通信部31と、鍋に投入されたお米と水とを炊飯してご飯を炊き上げる炊飯動作を制御する炊飯制御部32と、を備えている。
【0030】
本体22の形状は、実質的に矩形状である。本体22は、正面、背面、左側面、右側面、上面、および底面の六面を有している。本体22の上面は、開口を有している。
【0031】
蓋体23は、炊飯器2の平面視において本体22を覆い隠す。蓋体23の形状は、本体22よりも高さの低い(上下方向における厚みの薄い)矩形状である。蓋体23は、正面、背面、左側面、右側面、上面、および底面の六面を有している。蓋体23の上面は、実質的に平坦である。
【0032】
ヒンジ部25は、本体22と蓋体23とを開閉可能に連結する。ヒンジ部25は、本体22の背部の上部と蓋体23の背部の底部とを連結している。また、ヒンジ部25は、蓋体23を開く方向へばね力を蓄えるねじりばねを備えている。
【0033】
蓋開操作部26は、蓋体23の上面前半部に配置されている。蓋開操作部26を押すことで本体22と蓋体23とのロックが解除される。本体22と蓋体23との噛み合いが解除されると、蓋体23は、ヒンジ部25のねじりばねが蓄えるばね力によってヒンジ部25の軸を中心に回転して開く。
【0034】
蒸気口27は、蓋体23の上面後半部に設けられている。蒸気口27は、炊飯器2内の被炊飯物から発生する蒸気を炊飯器2の外部に排出する。
【0035】
表示部28は、炊飯器2に関する種々の情報を表示するディスプレイである。
【0036】
操作部29は、表示部28の上方に配置されている。操作部29は、加熱調理の開始、加熱調理の予約時間設定、および調理コ-スの選択などの操作を受け付ける。操作部29の真下には、操作や表示に関わる制御を行なう制御回路板が配置されている。
【0037】
操作部29は、例えば複数のキー要素を含むタッチセンサーである。それぞれのキー要素は、例えば導電性ポリマーを用いた透明電極部と、制御回路板に接続される接点部と、透明電極部と接点部とを繋ぐパターン配線と、を備えている。表示部28の何れかの箇所に指先を押さえつける、接する、または近づけることで、その箇所の真上に配置されるキー要素が操作される。
【0038】
なお、操作部29は、表示部28の側方に物理的なボタンを用いたスイッチを設置してもよい。
【0039】
また、本発明の実施形態に係る炊飯器2は、お米をご飯に炊き上げる炊飯条件がそれぞれ設定されている複数の炊飯コースを記憶する記憶部33を備えている。炊飯条件は、例えばお米の種類、お米をご飯に炊き上げる炊き方、お米を炊き上がるご飯の硬さ、およびお米をご飯に炊き上げる炊飯時間である。それぞれの炊飯コースは、それら炊飯条件を少なくとも2つ以上含んでいる。炊飯器2のユーザーは、お米の種類、炊き方、硬さ、炊飯時間などの炊飯条件を操作部29で選択可能である。
【0040】
そして、炊飯器2は、操作部29の操作によって設定された炊飯コースに基づいて、炊飯の待機、お米と水との加熱、ご飯の保温、炊飯の予約待機などを実行する。
【0041】
炊飯器2の状態は、例えば何も処理を行わずに待機している「待機中」と、お米を水に余分にひたす「ひたし追加中」と、米と水とを炊飯してご飯に炊き上げる「炊飯中」と、ご飯の温度を維持している「保温中」と、所定の設定時間に炊飯を開始するまで待機している「予約中」と、を含んでいる。炊飯器2が実行している、待機中、ひたし追加中、炊飯中、保温中、予約中のいずれかの状態が、炊飯器2の現在の状態である。
【0042】
図3は、本発明の実施形態に係る情報端末の一例の正面図である。
【0043】
図3に示すように、本発明の実施形態に係る情報端末3の一例は、スマートフォンである。情報端末3は、例えば、出力装置としての表示部41と、ユーザーの入力を受け付ける入力装置42と、炊飯器情報を含む種々の情報を送受信可能な通信部43と、表示部41の表示内容を制御する表示制御部45と、を備えている。
【0044】
表示部41は、種々の情報を表示可能なディスプレイである。
【0045】
入力装置42は、例えば表示部41に重ねて設けられたタッチパネルである。また、入力装置42は、音声入力を受け付ける音声入力部46であっても良い。
【0046】
通信部43は、近距離無線通信を介して炊飯器2と通信可能である。通信部43は、中継機15を介して、または直接にネットワークNWに接続される。通信部43は、ネットワークNWを介して炊飯器2、およびサーバー5と通信可能であっても良い。
【0047】
表示制御部45は、例えば、通信部43が受信する種々の情報に基づいて、背景や文字列等の複数の要素を表示部41に表示させる。また、表示制御部45は、通信部43が受信する要素が配置された画像を生成し、その画像を表示部41に表示させてもよい。説明の便宜上、「通信部43が受信する種々の情報に基づいて、表示制御部45が表示部41に表示させる背景や文字列等の複数の要素」を、以下「表示要素」と呼ぶ。
【0048】
情報端末3は、インストールされたプログラムPを実行することで、表示部41の表示機能、入力装置42の入力機能、通信部43の通信機能、および表示制御部45の表示制御機能を実現する。以下、
図4から
図15で説明する機能を情報端末3に実現させるためのプログラムPを「管理アプリAS」と称する。
【0049】
記憶装置6は、各種情報を記憶する。サーバー5は、記憶装置6に記憶された情報を参照可能である。すなわち、サーバー5は、記憶装置6に対して所定の要求を送信することで、その応答として目的の情報を受信することができる。記憶装置6に記憶される情報については、例えば炊飯器情報、加熱工程等がある。
【0050】
ところで、お米の種類は、例えば60種類以上の米の銘柄、および玄米、ぶつき米、白米のように精米加減の異なる米を含んでいる。それら多数のお米の種類に対して炊き方の設定数、選択可能な硬さの設定数、炊飯時間の設定数などの選択可能な設定数を掛け合わせた数が、炊飯コースの数量である。その炊飯コースの総数は、二千を超える場合がある。つまり、炊飯器2の記憶部33は、二千を超える多数の炊飯コースを記憶する場合があり、炊飯器2は、それら多数の炊飯コースから択一的に選択される炊飯コースでお米をご飯に炊き上げる。
【0051】
炊飯器2のユーザーにとって、経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コースをそのように多数の炊飯コースから的確に探し出すこと、また炊飯時間に好適な炊飯コースをそのように多数の炊飯コースから的確に探し出すことは、容易ではない。
【0052】
そこで、情報端末3は、それぞれの炊飯コースを分ける複数の第一選択肢51を表示可能な第一画面WS1と、それぞれの第一選択肢51から選択された項目の組み合わせである抽出条件を満足する少なくとも1つの炊飯コースを第二選択肢52として表示可能な第二画面WS2と、を表示する表示部41を備えている。表示制御部45は、第二選択肢52から選択された炊飯コースを炊飯器2の炊飯動作に設定する設定部として機能する。
【0053】
なお、情報端末3は、複数の炊飯コースから抽出条件を満足する少なくとも1つの炊飯コースを抽出できるよう、炊飯器2の記憶部33が記憶する複数の炊飯コースに係る情報、いわゆるデータベースを記憶装置6に記憶していることが好ましい。
【0054】
図4は、本発明の実施形態に係る情報端末の表示部に表示される第一画面の一例を表す図である。
【0055】
図4に示すように、本発明の実施形態に係る情報端末3は、表示部41に複数の表示要素61を含む第一画面WS1を表示させる表示機能を有している。それぞれの表示要素61は、それぞれの炊飯コースを分けるそれぞれの第一選択肢51を表現している。
【0056】
複数の表示要素61は、例えば、第一画面WS1の上から順に、「お米」を文字列で表示する第一標題文字列71と、お米の種類の選択肢を選択メニュー(ドロップダウンリスト、プルダウンメニュー)の形式で表示する米種類選択肢72と、「時間」を文字列で表示する第二標題文字列73と、お米をご飯に炊き上げる炊飯時間の選択肢をスライダーバーの形式で表示する炊飯時間選択肢74と、「硬さ」を文字列で表示する第三標題文字列75と、炊き上がるご飯の硬さの選択肢をスライダーバーの形式で表示する硬さ選択肢76と、「炊き方」を文字列で表示する第四標題文字列77と、お米をご飯に炊き上げる炊き方の選択肢を選択メニューの形式で表示する炊き方選択肢78と、を含んでいる。
【0057】
米種類選択肢72、炊飯時間選択肢74、硬さ選択肢76、および炊き方選択肢78のそれぞれは、第一選択肢51である。それぞれの選択肢72、74、76、78から選択された項目の組み合わせは、複数の炊飯メニューから少なくとも1つの炊飯メニューを抽出するための抽出条件である。
【0058】
米種類選択肢72は、「指定なし」を初期値とし、「∨」アイコンを操作することで選択メニューを展開する。展開された選択メニューは、「白米(銘柄おまかせ)」、「無洗米(銘柄おまかせ)」、「玄米」、「雑穀米」、「麦ご飯」のようなお米の種類に係る選択肢、およびあきたこまち、コシヒカリ、ゆめぴりかに代表される種々の銘柄に係る選択肢をリスト状に表示する。
【0059】
炊飯時間選択肢74は、スライダー74aをスライダーバーに沿って移動させることで例えば最短20分、最長60分を選択可能に表示する。炊飯時間選択肢74は、例えば10分刻みの離散値で表示される。炊飯時間選択肢74は、1分刻みの連続値であっても良いし、5分刻みの離散値であっても良い。
【0060】
硬さ選択肢76は、スライダー76aをスライダーバーに沿って移動させることで例えば炊き上がるご飯の硬さが最も硬い選択肢から最も柔らかい選択肢を選択可能に表示する。選択肢は、少なくとも「かため」と「やわらか」との二値を含み、例えば「もちもち」、「おすすめ」、「しゃっきり」を中間値とする5段階の選択肢を有していても良い。
【0061】
炊き方選択肢78は、「指定なし」を初期値とし、「∨」アイコンを操作することで選択メニューを展開する。展開された選択メニューは、「かまど名人」、「甘み炊き」、「そくうま」、「早炊き」、「ねらい炊き」に代表される種々の炊き方に係る選択肢をリスト状に表示する。
【0062】
スライダーバーで表示される選択肢74、76は、ユーザーに直感的な操作性を提供できるよう、最小値から最大値までの間を等間隔に選択可能であることが好ましい。また、スライダーバー上でそれぞれのスライダー74a、76aを配置可能な位置の数は、それぞれの選択肢74、76の項目数と同じであっても良いし、それぞれの選択肢74、76の項目数よりも多くても良い。スライダー74a、76aを配置可能な位置の数が選択肢74、76の項目数よりも多い場合には、スライダー74a、76aは、隣り合って並ぶ項目の中間値、または隣り合って並ぶ項目の論理和を選択することと同意であるものとする。
【0063】
また、複数の表示要素61は、第一画面WS1の下縁右端部に配置されて「検索」を文字列で表示する決定ボタン79を含んでいる。決定ボタン79は、選択肢72、74、76、78から選択された項目の組み合わせである抽出条件を確定させる。抽出条件が確定されると、表示制御部45は、記憶装置6が記憶する複数の炊飯コースから抽出条件を満足する少なくとも1つの炊飯コースを抽出し、表示部41の表示を第一画面WS1から第二画面WS2へ遷移させる。
【0064】
図5は、本発明の実施形態に係る情報端末の表示部に表示される第二画面の一例を表す図である。
【0065】
図5に示すように、本発明の実施形態に係る情報端末3は、表示部41に複数の表示要素81を含む第二画面WS2を表示させる表示機能を有している。少なくとも1つの表示要素81は、第一選択肢51から選択された項目の組み合わせである抽出条件を満足する少なくとも1つの炊飯コースを第二選択肢52として表現する。
【0066】
例えば、米種類選択肢72から選択された項目が「銘柄おまかせ」であり、炊飯時間選択肢74から選択された項目が「30分」であり、硬さ選択肢76から選択された項目が「おすすめ」であり、炊き方選択肢78から選択された項目が「ねらい炊き」である場合に抽出される炊飯コースが、「銘柄おまかせ、ねらい炊き30分、おすすめ」のように識別される炊飯コースの場合には、表示要素81は、「銘柄おまかせ、ねらい炊き、おすすめ、30分」のように文字列が表示されたボタンとして表示される。
【0067】
図5に二点鎖線で示すように、抽出結果である第二選択肢52が複数あって第二画面WS2に納まりきらない場合には、第二画面WS2は、右端部にスクロールバーを適宜表示し、一度に画面表示する第二選択肢52の数量を限定して、それぞれの第二選択肢52の視認性を確保することが好ましい。
【0068】
また、複数の表示要素81は、例えば、第二画面WS2の上縁に、「お探しの炊飯メニュー」を文字列で表示する第五標題文字列91と、第二画面WS2の下縁右端部に配置されて「戻る」を文字列で表示する戻るボタン92を含んでいる。戻るボタン92は、第二選択肢52が選択される以前であれば、表示部41の表示を第二画面WS2から第一画面WS1へ遷移させる。
【0069】
次いで、炊飯メニューの抽出動作について、具体例を説明する。
【0070】
図6から
図9は、本発明の実施形態に係る炊飯器の複数の炊飯メニューを分ける選択肢の第一例から第四例を示す表である。
【0071】
図6に示すように、米種類選択肢72は、「指定なし」、「銘柄おまかせ」、「銘柄A」、「銘柄B」、「銘柄C」、「玄米」の6項目を含むものとする。「指定なし」は、実質的に全指定、全選択と同意である。
【0072】
図7に示すように、炊飯時間選択肢74は、最短の「20分」から最長の「75分」を5分刻みに分けた12項目を含むものとする。
【0073】
図8に示すように、硬さ選択肢76は、「やわらか」、「もちもち」、「おすすめ」、「しゃっきり」、「かため」の5項目を含むものとする。
【0074】
図9に示すように、炊き方選択肢78は、「指定なし」、「かまど名人」、「甘み炊き」、「そくうま」、「早炊き」、「ねらい炊き」の6項目を含むものとする。「指定なし」は、実質的に全指定、全選択と同意である。
【0075】
図10から
図13は、本発明の実施形態に係る炊飯器の炊飯メニューのデータベースの一例を示す表である。本来、
図10から
図13は、1つのテーブルとして記載すべきところ、出願様式の制約から米種類選択肢72毎に第一部から第四部のように4つの表に分けて記載した。また、
図10から
図13は、総数121のレコードを有しているが、読みやすさの便宜のため、一部のカラムについて同一のデータを保持するフィールドを纏めて記載した。
【0076】
図10から
図13に示すように、複数の炊飯メニューの総数は、複数の選択肢72、74、76、78の項目数を掛け合わせた1500メニューより少ない121メニューであるものとする。これは、「そくうま」、「早炊き」のような炊き方の場合に、硬さ選択肢76を「おすすめ」に限定することが好ましかったり、炊き方によって炊飯時間選択肢74の選択範囲を狭めることが好ましかったり、銘柄によって「ねらい炊き」可能な炊飯時間選択肢74の選択範囲および硬さ選択肢76の選択範囲を狭めることが好ましかったり、お米の種類「玄米」のように炊き方、硬さ、炊飯時間に選択肢がなかったりすることに起因する。
【0077】
図10から
図13のカラム名(フィールド名)について、「番号」は、それぞれのレコードを識別する通し番号である。米種類選択肢72は、
図10から
図13のカラム名「お米」を正規化したテーブルに相当する。炊き方選択肢78は、
図10から
図13のカラム名「炊き方」を正規化したテーブルに相当する。硬さ選択肢76は、
図10から
図13のカラム名「硬さ」を正規化したテーブルに相当する。炊飯時間選択肢74は、
図10から
図13のカラム名「時間」を正規化したテーブルに相当する。また、
図10から
図13に記載の「-」は、データがないことを意味している。
【0078】
図14は、本発明の実施形態に係る炊飯器の炊飯メニューの抽出結果の第一例を示す表である。
【0079】
図14は、米種類選択肢72に「指定なし」、炊飯時間選択肢74に「35分」、つまり「30分」と「40分」との間、硬さ選択肢76に「かため」と「おすすめ」との間、炊き方選択肢78に「指定なし」を選択した場合の、炊飯メニューの抽出結果の一例である。抽出される炊飯メニューは121メニューのうち23メニューである。それら抽出条件は、第一画面WS1で選択され、決定ボタン79で確定される。
【0080】
なお、炊飯時間選択肢74は、選択された項目、この場合「35分」に加えて、選択された項目±5分以内の選択肢、この場合「30分」、「35分」、および「40分」を論理和(アンド条件)で指定したものとする。また、硬さ選択肢76の選択肢である「かため」と「おすすめ」との間は、「かため」と「おすすめ」とを論理和(アンド条件)で指定することと同意である。それら選択肢74、76で選択された項目を拡張することは、ユーザーの嗜好に合致しそうな炊飯メニューの選択肢、つまり第二選択肢52を一定程度の数量に限定しつつも、広範に提示して炊飯メニューの選択の幅を広げることに資する。
【0081】
図14に示すように、本実施形態に係る炊飯システム1は、抽出条件が確定されると炊飯メニューの抽出結果の23メニューを第二画面WS2の表示要素81として第二選択肢52をリスト表示する。
【0082】
図15は、本発明の実施形態に係る炊飯器の炊飯メニューの抽出結果の第二例を示す表である。
【0083】
図15は、米種類選択肢72に「銘柄A」、炊飯時間選択肢74に「35分」、つまり「30分」と「40分」との間、硬さ選択肢76に「かため」と「おすすめ」との間、炊き方選択肢78に「指定なし」を選択した場合の、炊飯メニューの抽出結果の一例である。換言すると、抽出結果の第二例は、第一例の抽出条件に米種類選択肢72の項目「銘柄A」を加えた抽出条件による抽出の結果である。抽出される炊飯メニューは121メニューのうち6メニューである。第二例の抽出条件は、第一画面WS1で選択され、決定ボタン79で確定される。
【0084】
図15に示すように、本実施形態に係る炊飯システム1は、抽出条件が確定されると炊飯メニューの抽出結果の6メニューを第二画面WS2の表示要素81として第二選択肢52をリスト表示する。
【0085】
以上のように、本実施形態に係る炊飯システム1は、膨大な炊飯メニューを第一画面WS1で選択される抽出条件に絞り込み、抽出条件で絞り込まれた2つ以上の炊飯メニューを第二画面WS2に表示してユーザーに提示する。つまり、第二画面WS2は、複数の炊飯コースから抽出条件に好適な少なくとも1つの炊飯コースを表示する。
【0086】
第二画面WS2に表示される少なくとも1つの炊飯メニューによって、炊飯システム1のユーザーは、経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コースを的確かつ容易に探し出すこと、また炊飯時間に好適な炊飯コースを的確かつ容易に探し出すことができる。
【0087】
本実施形態に係る炊飯システム1は、抽出条件で絞り込まれた少なくとも1つの炊飯メニューを第二画面WS2に表示してユーザーに提示しても良い。例えば、米種類選択肢72に「銘柄A」、炊飯時間選択肢74に「35分」、硬さ選択肢76に「おすすめ」、炊き方選択肢78に「指定なし」を選択した場合には、抽出される炊飯メニューは2つであって、それら2つの炊飯メニューは、炊き方に「そくうま」と「ねらい炊き」との違いを有する。この場合の炊飯時間選択肢74および硬さ選択肢76は、抽出結果の第一例、および第二例のように複数の項目の論理和ではなく、選択された項目それ自体が抽出条件に含まれている。
【0088】
そのような場合には、炊飯システム1は、第二画面WS2に表示する炊飯コースをいずれか一方、例えば「ねらい炊き」に絞っても良い。また、炊飯システム1は、抽出される炊飯メニューが数メニューから十数メニューある場合であっても、第二画面WS2に表示する炊飯コースをいずれか1つに絞っても良い。抽出条件を満たす複数のメニューから単一の炊飯メニューに絞り込むための条件は、例えば通し番号が最も小さいレコードであっても良いし、その他の方法によっても良い。そうすることで、炊飯システム1のユーザーは、経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コースを迷うことなく的確に選択すること、また炊飯時間に好適な炊飯コースを迷うことなく的確に選択することができる。
【0089】
さらに、第一画面WS1は、ある第一選択肢51の項目が選択された場合には、抽出条件に合致する炊飯コースが存在する範囲で他の第一選択肢51の項目を絞り込んで表示することが好ましい。
【0090】
例えば、米種類選択肢72に「玄米」を選択した場合、
図13のカラム名「時間」に対応する炊飯時間選択肢74、
図13のカラム名「硬さ」に対応する硬さ選択肢76、および
図13のカラム名「炊き方」に対応する炊き方選択肢78は、存在しない。そこで、第一画面WS1は、炊飯時間選択肢74、硬さ選択肢76、および炊き方選択肢78を非表示にする、または一時的に操作、選択できない状態、いわゆるグレーアウトにすることで選択の余地のある項目を絞り込む。また、例えば、米種類選択肢72に「銘柄A」、炊飯時間選択肢74に「35分」を選択した場合、炊き方選択肢78を選択の余地のある「ねらい炊き」、および「そくうま」に絞り込み、硬さ選択肢76を選択の余地のある「おすすめ」、「もちもち」、および「しゃっきり」に絞り込んで表示する。そのような炊飯システム1は、第一画面WS1の決定ボタン79を都度、操作して抽出条件を確定し、第二画面WS2へ遷移する以前に複数の第一選択肢51の選択可能な項目を絞り込む。そうすることで、炊飯システム1は、複数の画面WS1、WS2の往来の煩わしさをユーザーに与えることなく、経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コース、また炊飯時間に好適な炊飯コースを極めて容易に探索することができる。
【0091】
以上のように、炊飯システム1は、情報端末3の表示部41に第一選択肢51を有する第一画面WS1を表示し、情報端末3の表示部41に第二選択肢52を有する第二画面WS2を表示することで、経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コースや炊飯時間に好適な炊飯コースをユーザーに提案できる。
【0092】
また、炊飯器2は、表示部28に第一選択肢51を有する第一画面WS1を表示し、第二選択肢52を有する第二画面WS2を表示することで、情報端末3を介することなく、経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コースや炊飯時間に好適な炊飯コースをユーザーに直接的に提案することもできる。その場合には、炊飯制御部32は、第二選択肢52から選択された炊飯コースを炊飯器2の炊飯動作に設定する設定部として機能する。
【0093】
さらに、炊飯システム1は、スマートスピーカーのように一般的に表示部41を有していない情報端末3の場合には、音声入力部46で第一画面WS1に表示可能な複数の第一選択肢51の少なくとも1つを音声で受け付け、かつ抽出条件に不足する少なくとも1つの第一選択肢51の項目を対話で受け付ければ良い。
【0094】
情報端末3は、例えば、話者としてのユーザーが特定の言葉を発したことを検出すると、それを契機にその後のユーザーの要求を自然言語処理によって識別する。具体的には「炊飯器の炊飯メニューを提案して下さい。」とユーザーが情報端末3に要求すると、情報端末3は、先ず「お米の種類を教えて下さい。」とユーザーに質問する。そうすると、ユーザーは、米種類選択肢72から選択可能な項目、つまりお米の種類、例えば「銘柄A」を情報端末3に応答する。そうすることで米種類選択肢72は「銘柄A」に選択される。このとき、ユーザーは、米種類選択肢72から選択可能な項目を情報端末3に質問しても良い。そうすると、情報端末3は、「お米の選択肢は、指定なし、銘柄おまかせ、銘柄A、銘柄B、銘柄C、玄米です。」のように選択可能な項目を列挙する。ユーザーは、同様の手順で炊き方、硬さ、時間を必要に応じて対話形式で情報端末3に音声入力して炊飯メニューの抽出条件を確定させる。そうすると、情報端末3は、音声で「炊飯メニューの候補は○○です。」のように、経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コースや炊飯時間に好適な炊飯コースをユーザーに直接的に提案する。
【0095】
なお、抽出条件を特定する際の音声入力の順序は、ユーザーと情報端末3との対話によって適宜に変更できることが好ましい。例えば、情報端末3が「お米の種類を教えて下さい。」とユーザーに質問された際に、ユーザーから「先に炊飯時間を決めたいです。」と応答することで、音声入力の順序が変更される。
【0096】
また、炊飯器2は、音声入力部46およびスピーカーを備え、かつスマートスピーカーのように、話者が特定の言葉を発したことを検出すると、それを契機にその後の話者の質問および要求を自然言語処理によって識別し、識別した内容に応じた反応、応答を音声に変換して出力したり、識別した内容に応じた処理を実行させたりする機能を炊飯制御部32に内蔵していても良い。その場合には、炊飯制御部32は、第二選択肢52から選択された炊飯コースを炊飯器2の炊飯動作に設定する設定部として機能する。
【0097】
以上のように構成される本実施形態に係る炊飯システム1および炊飯器2は、それぞれの炊飯コースを分ける複数の第一選択肢51を表示可能な第一画面WS1と、それぞれの第一選択肢51から選択された項目の組み合わせである抽出条件を満足する少なくとも1つの炊飯コースを第二選択肢52として表示可能な第二画面WS2と、を表示し、第二画面WS2から選択された炊飯コースを炊飯動作に設定する。そのため、炊飯システム1および炊飯器2は、経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コースや炊飯時間に好適な炊飯コースをユーザーに提案できる。
【0098】
また、本実施形態に係る炊飯システム1および炊飯器2は、複数の炊飯コースから抽出条件に好適な少なくとも1つの炊飯コースを第二画面WS2に表示しても良い。そうすることで、炊飯システム1および炊飯器2は、迷いなく選択可能な炊飯コースをユーザーに提案できる。
【0099】
さらに、本実施形態に係る炊飯システム1および炊飯器2は、複数の炊飯コースから抽出条件を満足する2つ以上の炊飯コースを第二画面WS2に表示しても良い。そうすることで、炊飯システム1および炊飯器2は、ユーザーの嗜好に合致しそうな炊飯メニューの第二選択肢52を一定程度の数量に限定しつつも、広範に提示して炊飯メニューの選択の幅を広げてユーザーに提案できる。
【0100】
また、本実施形態に係る炊飯システム1および炊飯器2は、米種類選択肢72、炊飯時間選択肢74、硬さ選択肢76、および炊き方選択肢78の少なくとも2つ以上を含む複数の第一選択肢51を第一画面WS1に表示する。そのため、炊飯システム1および炊飯器2は、経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コースや炊飯時間に好適な炊飯コースを多数の炊飯メニューから容易な操作で絞り込むことが可能なインタフェースをユーザーに提示できる。
【0101】
さらに、本実施形態に係る炊飯システム1および炊飯器2は、抽出条件を決定する決定ボタン79を備えている。そのため、炊飯システム1および炊飯器2は、第一画面WS1における抽出条件の確定と、第二画面WS2における炊飯コースの提案とをユーザーに明示的に提示することができる。
【0102】
また、本実施形態に係る炊飯システム1および炊飯器2は、ある第一選択肢51の項目が選択された場合には、抽出条件に合致する炊飯コースが存在する範囲で他の第一選択肢51の項目を絞り込んで第一画面WS1を表示する。そのため、炊飯システム1および炊飯器2は、複数の画面WS1、WS2の往来の煩わしさをユーザーに与えることなく、経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コース、また炊飯時間に好適な炊飯コースの探索範囲を好適に提示できる。
【0103】
さらに、本実施形態に係る炊飯システム1および炊飯器2は、第一画面WS1に表示可能な複数の第一選択肢51の少なくとも1つを音声で受け付け、かつ抽出条件に不足する少なくとも1つの第一選択肢51の項目を対話で受け付ける音声入力部46を備えていても良い。そのような炊飯システム1および炊飯器2は、炊飯器2、スマートフォンのような携帯可能な情報端末3、およびスマートスピーカーのような据え置き型の情報端末3のいずれからでもユーザーとの自然な対話によって経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コース、また炊飯時間に好適な炊飯コースを好適に提示できる。
【0104】
したがって、本発明に係る炊飯システム1、経験や実績に頼ることなく嗜好に適う炊飯コースや炊飯時間に好適な炊飯コースをユーザーに提案できる。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
1…炊飯システム、2…炊飯器、3…情報端末、5…サーバー、6…記憶装置、11…電気通信網、12…外部通信網、13…構内通信網、15…中継機、22…本体、23…蓋体、25…ヒンジ部、26…蓋開操作部、27…蒸気口、28…表示部、29…操作部、31…通信部、32…炊飯制御部、33…記憶部、41…表示部、42…入力装置、43…通信部、45…表示制御部、46…音声入力部、51…第一選択肢、52…第二選択肢、61…表示要素、71…第一標題文字列、72…米種類選択肢、73…第二標題文字列、74…炊飯時間選択肢、74a…スライダー、75…第三標題文字列、76…硬さ選択肢、76a…スライダー、77…第四標題文字列、78…炊き方選択肢、79…決定ボタン、81…表示要素、91…第五標題文字列、92…戻るボタン。