(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178501
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】基板支持方法および基板支持装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
H05K13/04 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096661
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒田 聖弥
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 亮
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC04
5E353CC05
5E353CC12
5E353EE62
5E353GG31
5E353GG32
5E353GG34
5E353KK01
5E353MM04
5E353MM08
5E353QQ01
(57)【要約】
【課題】基板の下面の部品と部品の間の狭い箇所を支持することが可能であるとともに、部品が装着されていない領域を少ない本数の支持ピンで支持することができる基板支持方法および基板支持装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ベース部61と、基板KBを支持する複数の支持ピン62から成る支持ピン群62Gとを備える。支持ピン62には、当接面62Tのサイズが第1のサイズである第1種支持ピン62aと当接面62Tのサイズが第1種支持ピン62aよりも大きい第2のサイズである第2種支持ピン62bの2種が用意されており、第1種支持ピン62aと第2種支持ピン62bの双方を用いて基板KBを支持する第1の基板支持法と、第2種支持ピン62bのみを用いて基板KBを支持する第2の基板支持法のうちの一方を選択し、その選択した方の基板支持法により基板KBを支持する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、前記ベース部に着脱自在に取り付けられて上端の当接面を基板の下面に当接させることで前記基板を支持する複数の支持ピンと、を備えた基板支持装置による基板支持方法であって、
前記支持ピンには、前記当接面のサイズが第1のサイズである第1種支持ピンと前記当接面のサイズが前記第1種支持ピンよりも大きい第2のサイズである第2種支持ピンの2種が用意されており、
前記第1種支持ピンと前記第2種支持ピンの双方を用いて前記基板を支持する第1の基板支持法と、前記第2種支持ピンのみを用いて前記基板を支持する第2の基板支持法のうちの一方を選択し、その選択した方の前記基板支持法により前記基板を支持する、基板支持方法。
【請求項2】
前記第1の基板支持法と前記第2の基板支持法のいずれを選択して前記基板を支持するかを、支持対象とする前記基板の下面における装着物の装着状況に基づいて行う、請求項1に記載の基板支持方法。
【請求項3】
前記基板の下面に装着物が装着されている場合には前記第1の基板支持法を選択し、前記基板の下面に装着物が装着されていない場合には前記第2の基板支持法を選択する、請求項2に記載の基板支持方法。
【請求項4】
平面視において前記基板の外側にはみ出して位置する前記第1種支持ピンの前記当接面の一部または前記第2種支持ピンの前記当接面の一部によって前記基板の下面の縁部を支持する、請求項1~3のいずれかに記載の基板支持方法。
【請求項5】
ベース部と、前記ベース部に着脱自在に取り付けられて上端の当接面を基板の下面に当接させることで前記基板を支持する複数の支持ピンと、を備えた基板支持装置であって、
前記支持ピンには、前記当接面のサイズが第1のサイズである第1種支持ピンと前記当接面のサイズが前記第1種支持ピンよりも大きい第2のサイズである第2種支持ピンの2種が用意されており、
前記第1種支持ピンと前記第2種支持ピンの2種の前記支持ピンから構成される第1の支持ピン群と、前記第2種支持ピンの1種のみの前記支持ピンから構成される第2の支持ピン群とのうちから選択された一方が前記支持ピン群として前記ベース部に取り付けられる、基板支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース部に取り付けられた複数の支持ピンによって基板の下面を支持する基板支持方法および基板支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に半田等のペーストを印刷する印刷装置や基板に部品を装着する部品装着装置のように基板の上面に作業を施す作業装置は、所定の作業位置において基板の下面を支持する基板支持装置を備えている。基板支持装置は一般に、ベース部と、ベース部に着脱自在に取り付けられる複数の支持ピンを備えており、複数の支持ピンそれぞれの上端の当接面を基板の下面に当接させることで基板を支持するようになっている。この場合、支持ピンの当接面は基板の下面に装着された部品(装着物)を避けて基板の下面に直接当接するようにベース部上に配置される(例えば、下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の基板支持装置における支持ピンは通常は1種であり、その当接面の大きさは、基板の下面に装着された部品と部品の間の狭い箇所をも支持できるように、非常に小さいサイズのものであった。このため基板の下面の部品が装着されていない領域を支持する場合には非常に多くの支持ピンが必要になるという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は、基板の下面の部品と部品の間の狭い箇所を支持することが可能であるとともに、部品が装着されていない領域を少ない本数の支持ピンで支持することができる基板支持方法および基板支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の基板支持方法は、ベース部と、前記ベース部に着脱自在に取り付けられて上端の当接面を基板の下面に当接させることで前記基板を支持する複数の支持ピンと、を備えた基板支持装置による基板支持方法であって、前記支持ピンには、前記当接面のサイズが第1のサイズである第1種支持ピンと前記当接面のサイズが前記第1種支持ピンよりも大きい第2のサイズである第2種支持ピンの2種が用意されており、前記第1種支持ピンと前記第2種支持ピンの双方を用いて前記基板を支持する第1の基板支持法と、前記第2種支持ピンのみを用いて前記基板を支持する第2の基板支持法のうちの一方を選択し、その選択した方の前記基板支持法により前記基板を支持する。
【0007】
本発明の基板支持装置は、ベース部と、前記ベース部に着脱自在に取り付けられて上端の当接面を基板の下面に当接させることで前記基板を支持する複数の支持ピンと、を備えた基板支持装置であって、前記支持ピンには、前記当接面のサイズが第1のサイズである第1種支持ピンと前記当接面のサイズが前記第1種支持ピンよりも大きい第2のサイズである第2種支持ピンの2種が用意されており、前記第1種支持ピンと前記第2種支持ピンの2種の前記支持ピンから構成される第1の支持ピン群と、前記第2種支持ピンの1種のみの前記支持ピンから構成される第2の支持ピン群とのうちから選択された一方が前記支持ピン群として前記ベース部に取り付けられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板の下面の部品と部品の間の狭い箇所を支持することが可能であるとともに、部品が装着されていない領域を少ない本数の支持ピンで支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態における基板支持方法が実施される作業装置の一例である印刷装置の側面図
【
図2】本発明の一実施の形態における印刷装置が備える基板支持装置としての基板支持ユニットの斜視図
【
図3】本発明の一実施の形態における印刷装置が備える基板支持ユニットの斜視図
【
図4】本発明の一実施の形態における印刷装置が備える(a)第1種支持ピンの斜視図(b)第2種支持ピンの斜視図
【
図5】本発明の一実施の形態における印刷装置が備える(a)第1種支持ピンと第2種支持ピンの双方を用いて基板を支持した状態を示す側面図(b)第2の支持ピンのみを用いて基板を支持した状態を示す側面図
【
図6】本発明の一実施の形態における印刷装置が備える(a)第1種支持ピンと第2種支持ピンの双方を用いて基板を支持した状態を示す平面図(b)第2種支持ピンのみを用いて基板を支持した状態を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の基板支持方法が実施される作業装置の一例としての印刷装置1を示している。印刷装置1は上流工程側から供給された基板KBを搬入し、その基板KBの表面に設けられた複数の電極(図示せず)のそれぞれに半田等のペーストPstを印刷して下流工程側に搬出する装置である。ここでは説明の便宜上、基板KBの搬送方向(
図1の紙面に垂直な方向)をX方向、X方向と水平面内で直交する方向(
図1の左右方向)をY方向、上下方向をZ方向とする。
【0011】
図1において、印刷装置1は基台11上に移動ステージ12を備えている。移動ステージ12の上方にはマスク13が設置されている。マスク13の上方には印刷ヘッド14がY方向に移動自在に設けられている。移動ステージ12とマスク13の間にはカメラ15がXY面内に移動自在に設けられている。
【0012】
図1において、移動ステージ12は一対のコンベア21、保持部22および保持部移動機構23を備えている。一対のコンベア21はマスク13の下方に位置しており、基板KBをX方向に搬送する。保持部22は基板支持ユニット31と一対のクランパ32を備えている。基板支持ユニット31は基板支持装置として機能するものであり、一対のコンベア21によって搬入された基板KBを下方から支持する。一対のクランパ32は一対のコンベア21の上方に位置しており、基板支持ユニット31により下面が支持された基板KBを側方からクランプする。このように保持部22は基板支持ユニット31によって基板KBの下面を支持し、一対のクランパ32によって基板KBの側面をクランプすることで基板KBを保持する。
【0013】
保持部移動機構23は、基板支持ユニット31が載置される移動テーブル23TをXY面内方向、Z方向およびZ方向に沿った軸(Z軸)回り方向に回転させる。これにより保持部22により保持された基板KBをマスク13に対して相対移動させることができる。
【0014】
図1において、マスク13はXY平面に広がった矩形形状を有している。本実施の形態では、マスク13は金属製の板状部材から構成されており、四辺が枠部材13Wによって支持されている。マスク13の中央部にはパターン孔(図示せず)が基板KBの電極の配置に対応した配置で形成されている。
【0015】
図1において、印刷ヘッド14は、スキージベース41と2つのスキージ42を備えている。スキージベース41はX方向に延びたビーム状の部材から成り、2つのスキージ42はスキージベース41の下方を昇降自在に設けられている。2つのスキージ42はそれぞれX方向に延びた「へら」状の部材から成り、Y方向に対向して配置されている。スキージベース41の上面にはスキージ昇降部43が設けられている。スキージ昇降部43は、2つのスキージ42をスキージベース41に対して個別に昇降させる。
【0016】
スキージベース41は印刷ヘッド移動機構44(
図1)によってY方向に移動される。スキージ昇降部43によって一方のスキージ42を下降させ、下端をマスク13に当接させた状態でスキージベース41をY方向に移動させると、そのスキージ42によって、マスク13上に供給されたペーストPstがマスク13上で掻き寄せられる。
【0017】
図1において、マスク13の下方にはXYテーブルから成るカメラ移動機構51が設けられている。カメラ移動機構51はカメラ15をXY面内で移動させる。カメラ15は上方と下方の双方を撮像することができ、保持部22に保持された基板KBを上方から撮像し、マスク13を下方から撮像する。
【0018】
印刷装置1が印刷作業を行う場合には、先ず、印刷装置1の外部から供給された基板KBをコンベア21によって受け取って所定の作業位置まで搬入する。基板KBが作業位置に位置したらその基板KBを保持部22によって保持する(
図1)。
【0019】
保持部22によって基板KBを保持したら、カメラ15を水平方向に移動させてマスク13と基板KBをそれぞれ撮像し、マスク13と基板KBの相対位置を求める。マスク13と基板KBの相対位置を求めたら保持部移動機構23が作動し、基板KBの電極のパターンとマスク13のパターン孔とが上下に重なるように、基板KBをマスク13に接触させる。
【0020】
基板KBがマスク13に接触したらスキージ昇降部43が作動して、2つのスキージ42のうちの一方をマスク13の上面に当接させる。一方のスキージ42がマスク13の上面に当接したら印刷ヘッド移動機構44がスキージベース41をY方向に移動させ、マスク13上に供給されたペーストPstをスキージ42によって掻き寄せる。これによりマスク13のパターン孔を通じて基板KBの各電極にペーストPstが塗布される。
【0021】
基板KBの各電極にペーストPstが塗布されたら、スキージ昇降部43が作動してマスク13に当接していたスキージ42を上昇させるとともに、保持部移動機構23が作動して保持部22を下降させ、基板KBをマスク13から分離(版離れ)させる。これにより基板KBへのペーストPstの印刷が終了し、コンベア21が作動して基板KBを印刷装置1の外部に搬出する。
【0022】
このような印刷装置1における基板支持装置としての基板支持ユニット31は、
図2および
図3に示すように、ベース部61と、複数の支持ピン62から成る支持ピン群62Gを備えている。ベース部61は上面が平面形状を有しており、その全体あるいは少なくとも上面を含む一定領域の部分が磁性体から構成されている。
【0023】
図4(a),(b)に示すように、各支持ピン62は、基部71と、基部71から上方に延びた支持部72を備えている。基部71と支持部72はそれぞれ円柱形 状を有しており、支持部72の半径(「支持部半径DS」と称する)は基部71の半径(「基部半径DK」と称する)よりも小さい寸法となっている。
【0024】
図4(a),(b)において、支持ピン62の基部71内の底面付近には磁石73が設けられている。このため各支持ピン62は、基部71の底面をベース部61の上面に接触させることによって(磁石73と磁性体とが引き合うことを利用して)、ベース部61の上面の任意の位置に取り付けることが可能である(
図3)。
【0025】
図4(a),(b)において、各支持ピン62の支持部72の上端は、基板KBの下面と当接する当接面62Tとなっている。本実施の形態では、支持部72は円柱状であるので、当接面62Tは円形状となっている。
【0026】
本実施の形態では、支持ピン62には、当接面62Tのサイズ(ここでは支持部半径DS)が第1のサイズ「D1」である第1種支持ピン62a(
図4(a))と、当接面62Tのサイズが第1のサイズよりも大きい第2のサイズ「D2」である第2種支持ピン62b(
図4(b))の2種が用意されている。
図4(a),(b)に示すように、支持ピン62の高さHT(基部71の底面から支持部72の上端の当接面62Tまでの間のZ方向の距離)は、支持ピン62の種類によらず(第1種支持ピン62a、第2種支持ピン62bとも)高さ「H0」になっている(HT=H0)。
【0027】
ベース部61に取り付けられる支持ピン群62Gとしては、第1種支持ピン62aと第2種支持ピン62bの2種の支持ピン62から構成される第1の支持ピン群G1(
図5(a)、
図6(a))と、第2種支持ピン62bの1種のみの支持ピン62から構成される第2の支持ピン群G2(
図5(b)、
図6(b))のうちの一方を選択することが可能である。すなわち、第1の支持ピン群G1と第2の支持ピン群G2のうちから選択した一方を支持ピン群62Gとしてベース部61に取り付けることができるようになっている。これにより本実施の形態では、第1種支持ピン62aと第2種支持ピン62bの双方(2種)を混合して用いて基板KBを支持する基板支持法(第1の基板支持法)と、第2種支持ピン62bのみ(1種)を用いて基板KBを支持する基板支持法(第2の基板支持法)のうちの一方を選択し、その選択した方の基板支持法により基板KBを支持することができるようになっている。
【0028】
本実施の形態では、上記第1の基板支持法と第2の基板支持法のいずれを選択して基板KBを支持するか、すなわち第1の支持ピン群G1と第2の支持ピン群G2のうちのいずれをベース部61に取り付けるかの選択を、支持対象とする基板KBの下面における部品BHの装着状況(基板KBの下面における部品BHの有無等)に基づいて行う。例えば、基板KBの下面に部品BHが装着されている場合には第1の支持ピン群G1をベース部61に取り付ける(第1種支持ピン62aと第2種支持ピン62bで基板KBを支持する)ようにし、基板KBの下面に部品BHが装着されていない場合には第2の支持ピン群G2をベース部61に取り付ける(第2種支持ピン62bのみで基板KBを支持する)ようにする。
【0029】
選択した支持ピン群62Gをベース部61に取り付ける作業は、作業者が手作業で行う。各支持ピン62を自動でベース部61に取り付ける装置が準備されているのであれば、その装置によって支持ピン群62Gをベース部61に取り付けるようにしてもよい。
【0030】
図5(a)および
図6(a)に示すように、下面に部品BHが装着されている基板KBを支持する場合には第1の支持法が選択(すなわち第1の支持ピン群G1が選択)され、第1種支持ピン62aと第2種支持ピン62bとの双方(2種)によって基板KBを支持するようにする。第1の支持ピン群G1によって基板KBを支持する場合には、基板KBの下面の部品BHと部品BHの間の狭い箇所を当接面62Tのサイズ(支持部半径DS)が相対的に小さい第1種支持ピン62aによって支持し、部品BHが密集していない箇所においては当接面62Tのサイズが相対的に大きい第2種支持ピン62bによって支持するようにする。
【0031】
一方、
図5(b)および
図6(b)に示すように、下面に部品BHが装着されていない基板KBを支持する場合には、第2の支持法が選択(すなわち第2の支持ピン群G2が選択)され、第2種支持ピン62bのみ(1種)によって基板KBが支持される。第2の支持ピン群G2によって基板KBを支持する場合には、基板KBの下面の任意の箇所を、当接面62Tのサイズが(第1種支持ピン62aに対して)相対的に大きい第2種支持ピン62bによって支持する。
【0032】
このように本実施の形態における基板支持装置である基板支持ユニット31には、基板KBを支持する支持ピン62として、当接面62Tのサイズが第1のサイズである第1種支持ピン62aと、当接面62Tのサイズが第1種支持ピン62aよりも大きい第2のサイズである第2種支持ピン62bとが予め用意されており、第1種支持ピン62aと第2種支持ピン62bの双方を混合して用いて基板KBを支持する第1の支持法と、第2種支持ピン62bのみを用いて基板KBを支持する第2の基板支持法のうちの一方を選択し、その選択した方の基板支持法により基板KBを支持するようになっている。本実施の形態に即していえば、第1種支持ピン62aと第2種支持ピン62bの2種の支持ピン62から構成される第1の支持ピン群G1と、第2種支持ピン62bの1種のみの支持ピン62から構成される第2の支持ピン群G2とのうちから選択された一方が支持ピン群62Gとしてベース部61に取り付けられるようになっている。
【0033】
このため、支持対象とする基板KBの下面における部品BHの装着状況(例えば基板KBの下面における部品BHの有無)に応じた基板KBの支持が可能であり、例えば、下面に部品BHが装着されている基板KBを支持する場合には、当接面62Tのサイズが相対的に小さい第1種支持ピン62aと第1種支持ピン62aよりも当接面62Tサイズが相対的に大きい第2種支持ピン62bとを混合して用いる第1の基板支持法を選択し、部品BHと部品BHの間の狭い領域は第1種支持ピン62aによって支持し、部品BHと部品BHの間の広い領域は第2種支持ピン62bによって支持することにより、基板KBの下面の部品BHと部品BHの間の狭い箇所を確実に支持しつつ、部品BHが装着されていない領域については少ない本数の支持ピン62で支持することができる。
【0034】
また、下面に部品BHが装着されていない基板KBを支持する場合には、当接面62Tのサイズの小さい第1種支持ピン62aを用いる必要は特にないので第2の基板支持法を選択し、当接面62Tのサイズが大きい第2種支持ピン62bのみで、基板KBの下面の全体を支持することができ、これにより少ない本数の支持ピン62で基板KBを支持することができる。
【0035】
図2および
図6(a),(b)は、基板KBの下面の縁部FC(クランパ32によってクランパされるY方向に対向する縁部ではなくX方向に対向する縁部)の一部を、第2種支持ピン62bの当接面62Tの一部によって支持した状態を示している。このとき基板KBの下面の縁部FCを支持する第2種支持ピン62bは、平面視において基板KBの外側にはみ出して位置した状態となる。このように平面視において基板KBの外側にはみ出して位置する第2種支持ピン62bの当接面62Tの一部によって基板KBの下面の縁部FCを支持するようにすれば、同じ箇所を第1種支持ピン62aの当接面62Tの全体によって支持する場合よりも広い面積で安定的に支持することができる。なお、ここでは基板KBの下面の縁部FCの一部を、相対的に当接面62Tの大きい方の支持ピン62である第2種支持ピン62bによって支持する例を示しているが、状況によっては相対的に当接面62Tの小さい方向の支持ピン62である第1種支持ピン62aによって支持するようにしてもよい。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態における基板支持方法は、ベース部61に着脱自在に取り付けられて上端の当接面62Tを基板KBの下面に当接させることで基板KBを支持する複数の支持ピン62として、当接面62Tのサイズが第1のサイズである第1種支持ピン62aと当接面62Tのサイズが第1種支持ピンよりも大きい第2のサイズである第2種支持ピンの2種が用意されており、第1種支持ピン62aと第2種支持ピン62bの双方を用いて基板KBを支持する第1の基板支持法と、第2種支持ピン62bのみを用いて基板KBを支持する第2の基板支持法のうちの一方を選択し、その選択した方の基板支持法により基板KBを支持するようになっている。このため、第1の基板支持法と第2の基板支持法のいずれを選択して基板KBを支持するかを、支持対象とする基板KBの下面における部品BHの装着状況等(例えば基板KBの下面における部品BHの有無)に基づいて行うことで、基板KBの下面の部品BHと部品BHの間の狭い箇所を支持ピン62(第1種支持ピン62a)で確実に支持しつつ、部品BHが装着されていない領域については少ない本数の支持ピン62(第2種支持ピン62b)で支持することができる。
【0037】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、第1の基板支持法と第2の基板支持法のいずれを選択して基板KBを支持するかを選択する基準となる「基板KBの下面における装着物(部品BH)の装着状況」として、「基板KBの下面における装着物(有無)」としていたが、「基板KBの下面における装着物の装着状況」は「基板KBの下面における装着物の有無」に限られず、基板KBの装着された装着物の密集度や個数等を基準としてもよい。
【0038】
また、上述の実施の形態では、支持ピン62の当接面62Tは円形状であったが、当接面62Tは円形状に限られず、矩形や楕円形状等の他の形状であってもよい。また、支持ピン62は基部71に設けられた磁石73にとベース部61の磁性体部分とが磁力によって引き合うことでベース部61に取り付けられるようになっていたが、ベース部61の上面にマトリクス状に配置されて形成された複数のピン挿入穴に選択的に挿入されることでベース部61に取り付けられるようになっていてもよい。また、本発明の基板支持方法および基板支持装置(上述の実施の形態では基板支持ユニット31)が適用される作業装置は印刷装置に限られず、他の装置(例えば基板KBに部品BHを装着する部品装着装置等)であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
基板の下面の部品と部品の間の狭い箇所を支持することが可能であるとともに、部品が装着されていない領域を少ない本数の支持ピンで支持することができる基板支持方法および基板支持装置を提供する。
【符号の説明】
【0040】
1 印刷装置
31 基板支持ユニット(基板支持装置)
61 ベース部
62 支持ピン
62T 当接面
62a 第1種支持ピン
62b 第2種支持ピン
62G 支持ピン群
71 基部
72 支持部
73 磁石
G1 第1の支持ピン群
G2 第2の支持ピン群
DK 基部半径
DS 支持部半径
Pst ペースト
KB 基板
FC 縁部
BH 部品(装着物)