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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178506
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】食器洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/39 20060101AFI20241218BHJP
   A47L 15/24 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
A47L15/39
A47L15/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096670
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】511305106
【氏名又は名称】アイカム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100180699
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 渓
(72)【発明者】
【氏名】田中 正明
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082AA01
3B082AA03
3B082AA05
(57)【要約】
【課題】 複数種類の食器を適切に洗浄する。
【解決手段】 食器洗浄装置は、使用済みの複数種類の食器を洗浄する。搬送ユニットは、種類毎に食器が収容された収容かごを搬送路に沿って搬送する。ブラシユニットは、複数種類の食器のうちの特定食器を洗浄するブラシを有しており、搬送路から退避した退避位置と搬送路内に進入した進入位置との間でブラシを移動させる。洗浄ノズルは、搬送路を搬送中の収容かごに向けて洗浄液を噴射する。搬送ユニットは、特定食器を収容した収容かごを搬送するときには、搬送路内のブラシ洗浄位置で一時的に収容かごを停止させる。また、搬送ユニットは、特定食器以外の食器を収容した収容かごを搬送するときには、この収容かごをブラシ洗浄位置で停止させずに搬送する。ブラシユニットは、収容かごがブラシ洗浄位置で停止しているとき、ブラシを退避位置から進入位置に移動させて特定食器を洗浄する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済みの複数種類の食器を洗浄する食器洗浄装置であって、
種類毎に食器が収容された収容かごを搬送路に沿って搬送する搬送ユニットと、
複数種類の食器のうちの特定食器を洗浄するブラシを有し、前記搬送路から退避した退避位置と前記搬送路内に進入した進入位置との間で前記ブラシを移動させるブラシユニットと、
前記搬送路を搬送中の前記収容かごに向けて洗浄液を噴射する洗浄ノズルと、を有し、
前記搬送ユニットは、前記特定食器を収容した収容かごを搬送するときには、前記搬送路内のブラシ洗浄位置で一時的に前記収容かごを停止させ、前記特定食器以外の食器を収容した収容かごを搬送するときには、この収容かごを前記ブラシ洗浄位置で停止させずに搬送し、
前記ブラシユニットは、前記収容かごが前記ブラシ洗浄位置で停止しているとき、前記ブラシを前記退避位置から前記進入位置に移動させて前記特定食器を洗浄することを特徴とする食器洗浄装置。
【請求項2】
前記搬送ユニットが前記特定食器以外の食器を収容した収容かごを前記搬送路に沿って搬送するとき、前記ブラシユニットは、前記ブラシを前記退避位置に停止させたままとすることを特徴とする請求項1に記載の食器洗浄装置。
【請求項3】
前記搬送ユニットによって搬送される前記収容かごが前記特定食器を収容した収容かごであるか否かを判別する判別手段を有し、
前記搬送ユニット及び前記ブラシユニットは、前記判別手段の判別結果に応じて動作することを特徴とする請求項1に記載の食器洗浄装置。
【請求項4】
前記ブラシユニットは、複数の前記ブラシを前記退避位置及び前記進入位置の間で一体的に移動させ、
前記複数のブラシは、前記収容かごにおける複数の前記特定食器の収容位置に対応した位置に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の食器洗浄装置。
【請求項5】
前記搬送ユニットは、
前記搬送路に沿って配置されており、前記収容かごに設けられた車輪をガイドするレールと、
前記収容かごに設けられたピンと係合して、前記収容かごを前記レールに沿って移動させる駆動部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の食器洗浄装置。
【請求項6】
使用済みの食器を収容した収容かごが設置される投入口と、
前記投入口に設置された前記収容かごを支持し、この収容かごを前記投入口から下降させて前記搬送ユニットに載置させる投入側昇降ユニットと、を有することを特徴とする請求項1に記載の食器洗浄装置。
【請求項7】
洗浄後の食器を収容した収容かごを払い出す払出口と、
前記搬送ユニットに載置された洗浄後の前記収容かごを支持して前記払出口に向けて上昇させる払出側昇降ユニットと、を有することを特徴とする請求項1又は6に記載の食器洗浄装置。
【請求項8】
前記特定食器はコップであり、
前記ブラシは、前記進入位置において、前記コップの内壁面を洗浄する第1サブブラシと、前記コップの外壁面を洗浄する第2サブブラシとを有することを特徴とする請求項1に記載の食器洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の食器を洗浄する食器洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の自動食器ブラシ洗浄装置では、コンベアで間欠的に運ばれる使用済の食器の内面をブラッシングする洗浄ブラシと、食器の外面をブラッシングする回転洗浄ブラシと、温水を噴射する洗浄ノズルパイプとを設けている。ここで、洗浄ブラシは昇降手段に接続されており、昇降手段は、コンベアの下方の位置と、コンベアで運ばれる食器に接触する位置との間で洗浄ブラシを移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3068761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、同一種類の食器を洗浄することを前提としており、複数種類の食器を洗浄することは想定していない。本発明の目的は、複数種類の食器を適切に洗浄することができる食器洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、使用済みの複数種類の食器を洗浄する食器洗浄装置であり、搬送ユニット、ブラシユニット及び洗浄ノズルを有する。搬送ユニットは、種類毎に食器が収容された収容かごを搬送路に沿って搬送する。ブラシユニットは、複数種類の食器のうちの特定食器を洗浄するブラシを有しており、搬送路から退避した退避位置と搬送路内に進入した進入位置との間でブラシを移動させる。洗浄ノズルは、搬送路を搬送中の収容かごに向けて洗浄液を噴射する。
【0006】
搬送ユニットは、特定食器を収容した収容かごを搬送するときには、搬送路内のブラシ洗浄位置で一時的に収容かごを停止させる。また、搬送ユニットは、特定食器以外の食器を収容した収容かごを搬送するときには、この収容かごをブラシ洗浄位置で停止させずに搬送する。ブラシユニットは、収容かごがブラシ洗浄位置で停止しているとき、ブラシを退避位置から進入位置に移動させて特定食器を洗浄する。ここで、搬送ユニットが特定食器以外の食器を収容した収容かごを搬送路に沿って搬送するとき、ブラシユニットは、ブラシを退避位置に停止させたままとすることができる。
【0007】
食器洗浄装置には、搬送ユニットによって搬送される収容かごが特定食器を収容した収容かごであるか否かを判別する判別手段を設けることができる。搬送ユニット及びブラシユニットは、判別手段の判別結果に応じて動作することができる。
【0008】
ブラシユニットは、複数のブラシを退避位置及び進入位置の間で一体的に移動させることができる。ここで、複数のブラシは、収容かごにおける複数の特定食器の収容位置に対応した位置に配置することができる。搬送ユニットは、レール及び駆動部によって構成することができる。レールは、搬送路に沿って配置されており、収容かごに設けられた車輪をガイドする。駆動部は、収容かごに設けられたピンと係合して、収容かごをレールに沿って移動させる。
【0009】
食器洗浄装置には、投入口及び投入側昇降ユニットを設けることができる。投入口では、使用済みの食器を収容した収容かごが設置される。投入側昇降ユニットは、投入口に設置された収容かごを支持し、この収容かごを投入口から下降させて搬送ユニットに載置させる。一方、食器洗浄装置には、払出口及び払出側昇降ユニットを設けることができる。払出口では、洗浄後の食器を収容した収容かごが払い出される。払出側昇降ユニットは、搬送ユニットに載置された洗浄後の収容かごを支持して払出口に向けて上昇させる。
【0010】
特定食器としては、コップを用いることができる。ここで、ブラシは、第1サブブラシ及び第2サブブラシで構成することができる。ブラシが進入位置にあるとき、第1サブブラシはコップの内壁面を洗浄し、第2サブブラシはコップの外壁面を洗浄する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、食器の種類に応じて食器の洗浄方法を切り替えている。すなわち、特定食器については、洗浄ノズルからの洗浄液の噴射とブラシによる洗浄を行い、特定食器以外の食器については、洗浄ノズルからの洗浄液の噴射による洗浄を行っている。これにより、複数種類の食器を適切に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】食器洗浄装置の外観図である。
図2】食器洗浄装置の内部構造を示す概略図である。
図3】搬送ユニットの構造を示す概略図であって、収容かごが洗浄前待機位置にあるときの図である。
図4】搬送ユニットの構造を示す概略図であって、収容かごが洗浄後待機位置にあるときの図である。
図5】投入側昇降ユニット及び払出側昇降ユニットの構造を示す概略図であって、収容かごが投入口や払出口に設置されているときの図である。
図6】投入側昇降ユニット及び払出側昇降ユニットの構造を示す概略図であって、収容かごが洗浄前待機位置や洗浄後待機位置にあるときの図である。
図7】ブラシユニットの構造を示す概略図であって、ブラシが退避位置にあるときの図である。
図8】ブラシユニットの構造を示す概略図であって、ブラシが進入位置にあるときの図である。
図9】ブラシを上方から見たときの図である。
図10】収容かごの外観図である。
図11】食器が収容された収容かごの外観図である。
図12】収容かごの外観図である。
図13】食器が収容された収容かごの外観図である。
図14】収容かごの外観図である。
図15】食器が収容された収容かごの外観図である。
図16】使用済みの食器が収容された収容かごの搬送処理及び洗浄処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(食器洗浄装置1)
図1は、本実施形態である食器洗浄装置1の外観を示す斜視図である。食器洗浄装置1の上面には、投入口1a及び払出口1bが設けられている。投入口1aには、使用済みの複数の食器が収容された収容かごが投入される。食器洗浄装置1の内部では、複数の食器が収容かごに収容された状態において、複数の食器が洗浄される。払出口1bからは、洗浄された複数の食器が収容された収容かごが払い出される。
【0014】
投入口1aの周囲には、上方に向かって突出する一対の立壁1c,1dが設けられており、一対の立壁1c,1dは、投入口1aを含む平面内において互いに直交する方向に配置されている。具体的には、立壁1cは、投入口1aに対して食器洗浄装置1の背面側に配置されており、立壁1dは、投入口1aに対して払出口1bの側に配置されている。収容かごを立壁1c,1dに接触させることにより、収容かごを位置決めさせた状態で投入口1aに投入しやすくなる。
【0015】
図2は、食器洗浄装置1の内部構造を示す概略図である。以下、食器洗浄装置1の内部構造について説明する。
【0016】
投入口1aの下方には、収容かごを支持する複数のストッパ11が配置されており、作業者は、使用済みの複数の食器が収容された収容かごを投入口1aに投入すると、複数のストッパ11によって収容かごが支持される。ここで、投入口1aでは、複数の収容かごを上下方向に積み重ねることができ、収容かごを支持する位置と収容かごから退避する位置との間でストッパ11を動作させることにより、最も下方に位置する収容かごだけを食器洗浄装置1の内部に取り込むことができる。
【0017】
払出口1bの下方には、収容かごを支持する複数のストッパ12が配置されている。洗浄済みの複数の食器が収容された収容かごは払出口1bに向かって上昇するが、ストッパ12が配置された位置まで収容かごが上昇すると、ストッパ12によって収容かごが支持される。これにより、作業者は、ストッパ12によって支持された収容かごを食器洗浄装置1から取り出すことができる。ここで、収容かごを支持する位置と収容かごから退避する位置との間でストッパ12を動作させることにより、洗浄後の収容かごを下方から順に積み重ねることができる。
【0018】
食器洗浄装置1の内部には、複数の食器が収容された収容かごに向けて洗浄液を噴射する複数の洗浄ノズル13が配置されている。一部の洗浄ノズル13は、収容かごの搬送路の上方に配置されており、収容かごに収容された食器に対して上方から洗浄液を噴射する。他の洗浄ノズル13は、収容かごの搬送路の下方に配置されており、収容かごに収容された食器に対して下方から洗浄液を噴射する。洗浄ノズル13から噴射された洗浄液は、食器洗浄装置1の下部から排出することができる。
【0019】
食器洗浄装置1の内部には、搬送ユニット20と、投入側昇降ユニット30と、払出側昇降ユニット40と、ブラシユニット50とが配置されている。以下、各ユニット20~50について具体的に説明する。
【0020】
(搬送ユニット20)
搬送ユニット20の構造について、図3及び図4を用いて説明する。図3は、使用済みの複数の食器を収容した収容かごが洗浄前待機位置にあるときの図であり、図4は、洗浄済みの複数の食器を収容した収容かごが洗浄後待機位置にあるときの図である。なお、図3及び図4では、投入側昇降ユニット30及び払出側昇降ユニット40を省略している。洗浄前待機位置は、投入口1aから下降した収容かご60を搬送ユニット20が受け取る位置であって、食器の洗浄を行う前に収容かご60を待機させる位置である。洗浄後待機位置は、払出口1bに向けて収容かご60を上昇させるために、食器の洗浄を行った直後に収容かご60を待機させる位置である。
【0021】
搬送ユニット20は、洗浄前待機位置から洗浄後待機位置まで、複数の食器が収容された収容かご60を所定方向(図2の左右方向)に移動させる。搬送ユニット20は、駆動モータ21と、動力伝達機構22と、一対のブラケット23と、駆動ネジ24と、ガイドバー25と、移動体26と、一対のレール27とを有する。
【0022】
駆動モータ21の出力軸には動力伝達機構22が接続されており、動力伝達機構22には駆動ネジ24の一端部が接続されている。これにより、駆動モータ21の回転力は、動力伝達機構22を介して駆動ネジ24に伝達され、駆動ネジ24が回転する。なお、駆動モータ21は、コントローラ(不図示)からの駆動信号を受けて動作する。
【0023】
駆動ネジ24の両端部は、食器洗浄装置1の内部で固定された一対のブラケット23によって回転可能に支持されており、駆動ネジ24は、移動体26に形成された第1貫通孔を貫通している。ここで、駆動ネジ24の外周面に形成されたネジ部は、第1貫通孔の内周面に形成されたネジ部と係合している。一方、ガイドバー25の両端部は、一対のブラケット23に固定されており、ガイドバー25は、移動体26に形成された第2貫通孔を貫通している。
【0024】
駆動ネジ24を回転させると、駆動ネジ24のネジ部及び第1貫通孔のネジ部の噛み合いによって、移動体26を駆動ネジ24の長手方向に沿って移動させることができる。ここで、移動体26の第2貫通孔にはガイドバー25が係合しているため、移動体26が駆動ネジ24の軸回りに回転することを阻止し、駆動ネジ24の長手方向にのみ移動体26を移動させることができる。駆動ネジ24を正回転させると、洗浄前待機位置から洗浄後待機位置に移動体26を移動させることができ、駆動ネジ24を逆回転させると、洗浄後待機位置から洗浄前待機位置に移動体26を移動させることができる。
【0025】
移動体26の上端には支持部26aが設けられており、支持部26aは、収容かご60に設けられたピン61を支持する。また、収容かご60には車輪62が設けられており、車輪62はレール27と係合して、レール27に沿って移動可能である。図3及び図4には、収容かご60の一方の面に設けられた一対の車輪62を示しているが、収容かご60の反対側の面にも一対の車輪(不図示)が設けられている。収容かご60の両側に配置された車輪62と係合するように一対のレール27が配置されており、各レール27は、収容かご60の搬送方向(図3図4の左右方向)に延びている。
【0026】
移動体26の支持部26aが収容かご60のピン61を支持した状態において、移動体26が駆動ネジ24に沿って移動すると、収容かご60を一対のレール27に沿って移動させることができる。これにより、収容かご60を洗浄前待機位置(図3)から矢印D1の方向に移動させて洗浄後待機位置(図4)まで移動させることができる。ここで、駆動モータ21の駆動を制御することにより、駆動ネジ24の長手方向における移動体26の位置を制御することができる。
【0027】
収容かご60を洗浄後待機位置(図4)まで移動させ、収容かご60を払出口1bに払い出した後、駆動モータ21は、駆動ネジ24を逆回転させることにより、移動体26を図4の矢印D2の方向に移動させて洗浄後待機位置(図4)から洗浄前待機位置(図3)に戻す。これにより、移動体26は、洗浄前待機位置において、別の収容かご60を受け取ることができる。
【0028】
(投入側昇降ユニット30及び払出側昇降ユニット40)
次に、投入側昇降ユニット30及び払出側昇降ユニット40の構造について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、投入側昇降ユニット30及び払出側昇降ユニット40のそれぞれが上昇状態にあるときの図であり、図6は、投入側昇降ユニット30及び払出側昇降ユニット40のそれぞれが下降状態にあるときの図である。ここで、投入側昇降ユニット30及び払出側昇降ユニット40は、互いに独立して動作する。なお、図5及び図6では、搬送ユニット20を省略している。
【0029】
投入側昇降ユニット30は、電動シリンダ31と、駆動アーム32と、ガイド部材33と、リフタ34とを有する。電動シリンダ31は、コントローラ(不図示)からの駆動信号を受けて動作する。電動シリンダ31は、上下方向に移動可能なロッド31aを有しており、ロッド31aの先端部には駆動アーム32の基端部が接続されている。ここで、ロッド31aの先端部及び駆動アーム32の基端部は、軸部32aを介して回転可能に接続されている。
【0030】
駆動アーム32は軸部32bを中心として回転可能であり、駆動アーム32の先端部32cはU字状に形成されている。ガイド部材33は、上下方向に延びるガイド穴33aを有しており、ガイド部材33の内部には、上下方向に移動可能なリフタ34が収容されている。リフタ34にはガイドピン34aが設けられており、ガイドピン34aは、ガイド穴33aを貫通してガイド部材33の外部に突出している。ガイドピン34aには駆動アーム32の先端部32cが係合している。
【0031】
投入側昇降ユニット30が上昇状態(図5)にあるとき、リフタ34の上端部は、投入口1aに設置された収容かご60を支持する。ここで、投入口1aでは、複数のストッパ11によって収容かご60が支持されており、この収容かご60に対してリフタ34の上端部が接触することにより、リフタ34によって収容かご60が支持される。
【0032】
図5に示す状態において、電動シリンダ31を駆動してロッド31aを上方に移動させると、駆動アーム32は、軸部32bを中心として反時計方向に回転する。そして、駆動アーム32の先端部32cは、ガイドピン34aをガイド穴33aに沿って下方に移動させることにより、リフタ34を矢印D3の方向に移動させる。
【0033】
リフタ34を矢印D3の方向に移動させることにより、リフタ34の上端部によって支持されている収容かご60が下方に移動し、図6に示す状態となる。収容かご60を下方に移動させるときには、ストッパ11が収容かご60から離れる。図6では搬送ユニット20を省略しているが、投入側昇降ユニット30によって収容かご60を図6に示す位置まで下降させたときには、図3に示すように、収容かご60のピン61が移動体26の支持部26aによって支持されるとともに、収容かご60の車輪62がレール27に接触する。これにより、収容かご60は洗浄前待機位置(図3)に載置される。
【0034】
搬送ユニット20が収容かご60を搬送した後、下降状態(図6)にある投入側昇降ユニット30では、電動シリンダ31を駆動してロッド31aを下方に移動させることにより、駆動アーム32は、軸部32bを中心として時計方向に回転する。そして、駆動アーム32の先端部32cは、ガイドピン34aをガイド穴33aに沿って上方に移動させることにより、リフタ34を矢印D5の方向に移動させる。これにより、投入側昇降ユニット30は、図5に示す状態に戻る。
【0035】
払出側昇降ユニット40は、電動シリンダ41と、駆動アーム42と、ガイド部材43と、リフタ44とを有する。電動シリンダ31は、コントローラ(不図示)からの駆動信号を受けて動作する。電動シリンダ41は、上下方向に移動可能なロッド41aを有しており、ロッド41aの先端部には駆動アーム42の基端部が接続されている。ここで、ロッド41aの先端部及び駆動アーム42の基端部は、軸部42aを介して回転可能に接続されている。
【0036】
駆動アーム42は軸部42bを中心として回転可能であり、駆動アーム42の先端部42cはU字状に形成されている。ガイド部材43は、上下方向に延びるガイド穴43aを有しており、ガイド部材43の内部には、上下方向に移動可能なリフタ44が収容されている。リフタ44にはガイドピン44aが設けられており、ガイドピン44aは、ガイド穴43aを貫通してガイド部材43の外部に突出している。ガイドピン44aには駆動アーム42の先端部42cが係合している。
【0037】
図6では搬送ユニット20を省略しているが、収容かご60が洗浄後待機位置(図4)に移動したときには、リフタ44の上端部によって収容かご60を支持することができる。具体的には、図6に示す状態において、電動シリンダ41を駆動してロッド41aを下方に移動させると、駆動アーム42は、軸部42bを中心として反時計方向に回転する。そして、駆動アーム42の先端部42cは、ガイドピン44aをガイド穴43aに沿って上方に移動させることにより、リフタ44を矢印D6の方向に移動させる。これにより、リフタ44の上端部が収容かご60に接触して収容かご60を支持する。
【0038】
ロッド41aを更に下方に移動させると、リフタ44が更に上方に移動することになり、リフタ44の上端部によって支持された収容かご60を払出口1bまで上昇させることができる。図5に示す状態では、払出口1bに設けられた複数のストッパ12によって収容かご60が支持されており、作業者は、洗浄された食器を収容した収容かご60を払出口1bから取り出すことができる。
【0039】
払出側昇降ユニット40が図5に示す状態にあるとき、電動シリンダ41を駆動してロッド41aを上方に移動させることにより、駆動アーム42は、軸部42bを中心として時計方向に回転する。そして、駆動アーム42の先端部42cは、ガイドピン44aをガイド穴43aに沿って下方に移動させることにより、リフタ44を矢印D4の方向に移動させる。これにより、払出側昇降ユニット40は、図6に示す状態に戻る。
【0040】
(ブラシユニット50)
次に、ブラシユニット50の構造について、図7から図9を用いて説明する。ここで、図7は、ブラシユニット50が退避状態にあるときの図であり、図8は、ブラシユニット50が進入状態にあるときの図であり、図9はブラシの上面図である。
【0041】
ブラシユニット50は、電動シリンダ51と、ブラシ駆動ユニット52と、複数のブラシ53とを有する。電動シリンダ31は、コントローラ(不図示)からの駆動信号を受けて動作する。電動シリンダ51は、上下方向に移動可能なロッド51aを有しており、ロッド51aの先端部にはブラシ駆動ユニット52が接続されている。ブラシ駆動ユニット52の上面には、ブラシ53の総数と同数の回転軸52aが設けられており、各回転軸52aの先端部にはブラシ53が接続されている。ブラシ駆動ユニット52の内部にはモータ(不図示)が配置されており、モータの動力を各回転軸52aに伝達して各回転軸52aを回転させることにより、回転軸52aの軸回りにブラシ53を回転させることができる。
【0042】
ブラシユニット50が退避状態にあるときには、図7に示すように、複数のブラシ53がレール27よりも下方に位置している。これにより、収容かご60は、ブラシ53と干渉することなく、レール27に沿って搬送される。
【0043】
図7に示す状態において、電動シリンダ51を駆動してロッド51aを上方に移動させると、ブラシ駆動ユニット52が矢印D7に示す方向に移動して複数のブラシ53がレール27よりも上方に移動する。これにより、ブラシユニット50は図8に示す状態となる。図8に示す状態において、電動シリンダ51を駆動してロッド51aを下方に移動させると、ブラシ駆動ユニット52が矢印D8に示す方向に移動して複数のブラシ53がレール27よりも下方に移動する。これにより、ブラシユニット50は図7に示す状態に戻る。
【0044】
搬送ユニット20がブラシユニット50に対応した位置(以下、「ブラシ洗浄位置」という)に収容かご60を停止させた後、ブラシユニット50を退避状態(図7)から進入状態(図8)に動作させることにより、収容かご60に収容された食器をブラシ53によって洗浄することができる。以下、ブラシ53の構造と、ブラシ53による食器の洗浄について説明する。
【0045】
ブラシ53は、図8図9に示すように、第1サブブラシ53a及び第2サブブラシ53bを有しており、第1サブブラシ53a及び第2サブブラシ53bは、台座53cに固定されている。台座53cは、ブラシ駆動ユニット52の回転軸52aに接続されており、回転軸52aが回転することにより台座53cが回転する。ここで、第1サブブラシ53a及び回転軸52aは同軸上(図9に示す回転軸AXL)に配置されており、第1サブブラシ53a及び第2サブブラシ53bは回転軸AXLの周りで回転する。
【0046】
ブラシ53は、コップ(食器の一種)を洗浄するために用いられる。図10は、コップを収容するための収容かご60Aを示す斜視図であり、図11は、収容かご60Aに複数のコップC1を収容した状態を示す図である。収容かご60Aは、コップだけを収容するために用いられる。
【0047】
図10に示すように、収容かご60Aはベースフレーム63を有しており、ベースフレーム63の2つの側面のそれぞれには、上述したように、ピン61及び一対の車輪62が設けられている。ベースフレーム63の4つの角部には、上下方向に延びる支柱64が設けられており、これらの支柱64には、ベースフレーム63の外縁に沿って形成された補助フレーム65が固定されている。収容かご60Aでは、各支柱64の上端部に補助フレーム65が固定されている。
【0048】
ベースフレーム63の内側には、所定方向に並んで配置された複数の第1支持フレーム66が配置されており、各第1支持フレーム66の両端部は、ベースフレーム63の内側面に固定されている。各第1支持フレーム66には、所定の間隔を空けて配置された複数の第2支持フレーム67が固定されている。図11に示すように、コップC1を逆さまにしてコップC1の内側に第2支持フレーム67が位置するように、コップC1を収容かご60Aに収容することができる。ここで、コップC1の開口部は、第1支持フレーム66によって支持される。
【0049】
複数のコップC1が収容された収容かご60Aをブラシユニット50に対応した位置に停止させた状態において、ブラシユニット50を退避状態(図7)から進入状態(図8)に動作させると、各ブラシ53は各コップC1に接触する。ここで、ブラシ53は、収容かご60Aのうち、隣り合う2つの第1支持フレーム66の間に形成されたスペースを通過してコップC1に接触する。また、複数のブラシ53は、ブラシ駆動ユニット52において、収容かご60Aにおける複数のコップC1の収容位置に対応した位置に配置されている。これにより、各ブラシ53を各コップC1に接触させることができる。
【0050】
上述したように、収容かご60Aにおける各コップC1の収容位置を予め決めておくことにより、複数のブラシ53を配置する位置を決めることができる。また、作業者がコップC1を収容かご60Aに収容するときには、各コップC1が所望の収容位置に配置されるように、第2支持フレーム67を設ける位置や第2支持フレーム67の形状を適宜決めることができる。
【0051】
ブラシ53がコップC1に接触するとき、第1サブブラシ53aはコップC1の内側に進入してコップC1の内壁面と接触し、第2サブブラシ53bはコップC1の外壁面と接触する。そして、第1サブブラシ53a及び第2サブブラシ53bの間には、コップC1の一部が位置する。
【0052】
ブラシ53をコップC1に接触させた後、ブラシ53を回転軸AXL(図9)の周りで回転させると、第1サブブラシ53aがコップC1の内壁面を摺動するとともに、第2サブブラシ53bがコップC1の外壁面を摺動する。これにより、コップC1の内壁面や外壁面に付着した汚れを取り除くことができる。
【0053】
食器洗浄装置1では、コップC1とは異なる種類の食器も洗浄することができる。図12から図15には、他の種類の食器を収容する収容かご(一例)を示す。図12及び図13に示す収容かご60Bは、矩形状の皿(食器の一種)C2を収容するために用いられ、図14及び図15に示す収容かご60Cは、円形状の皿(食器の一種)C3を収容するために用いられる。本実施形態では、食器の種類(コップC1や皿C2,C3)に応じた収容かご60(収容かご60A~60C)が用いられる。
【0054】
図12に示す収容かご60Bは、図10に示す収容かご60Aと基本的な構造は同じであり、収容かご60Bでは、収容かご60Aの部品と共通する機能を有する部品については、同一の符号を用いている。収容かご60Aと比べて、収容かご60Bでは、支柱64に対して3つの補助フレーム65を固定しており、3つの補助フレーム65は所定の間隔を空けて配置されている。
【0055】
収容かご60Bの第2支持フレーム67は、皿C2を直立させた状態で支持するために用いられ、複数の第2支持フレーム67は、第1支持フレーム66の長手方向において所定の間隔を空けて配置されている。第2支持フレーム67は、互いに異なる2つの第1支持フレーム66に固定されている。すなわち、第2支持フレーム67の一端は、一方の第1支持フレーム66に固定されており、第2支持フレーム67の他端は、他方の第1支持フレーム66に固定されている。
【0056】
図14に示す収容かご60Cは、図10に示す収容かご60Aと基本的な構造は同じであり、収容かご60Cでは、収容かご60Aの部品と共通する機能を有する部品については、同一の符号を用いている。収容かご60Aと比べて、収容かご60Cでは、支柱64に対して3つの補助フレーム65を固定しており、3つの補助フレーム65は所定の間隔を空けて配置されている。
【0057】
収容かご60Cの第2支持フレーム67は、皿C3を直立させた状態で支持するために用いられ、複数の第2支持フレーム67は、第1支持フレーム66の長手方向において所定の間隔を空けて配置されている。第2支持フレーム67は、互いに異なる2つの第1支持フレーム66に固定されている。すなわち、第2支持フレーム67の一端は、一方の第1支持フレーム66に固定されており、第2支持フレーム67の他端は、他方の第1支持フレーム66に固定されている。
【0058】
皿C2を収容した収容かご60Bを洗浄したり、皿C3を収容した収容かご60Cを洗浄したりするとき、ブラシユニット50は退避状態(図7)のままとなる。そして、収容かご60B,60Cは、搬送ユニット20によって一対のレール27に沿って搬送され、搬送中の収容かご60B,60Cに対して洗浄ノズル13から洗浄液が噴射されることにより、皿C2,C3が洗浄される。
【0059】
ブラシユニット50の駆動は、収容かご60に収容される食器の種類(すなわち、収容かご60A~60C)を判別することによって制御される。上述したように、コップC1を収容した収容かご60Aを洗浄するときには、ブラシユニット50を退避状態(図7)から進入状態(図8)に動作させ、皿C2,C3を収容した収容かご60B,60Cを洗浄するときには、ブラシユニット50を退避状態(図7)に維持する。
【0060】
(収容かご60の識別)
上述したようにブラシユニット50の駆動を制御するためには、収容かご60Aと収容かご60B,60Cとを区別できればよい。そして、収容かご60Aを識別したときには、ブラシユニット50を退避状態(図7)及び進入状態(図8)の間で動作させる。一方、収容かご60Aを識別しないとき、言い換えれば、収容かご60B,60Cを識別したときには、ブラシユニット50を退避状態(図7)に維持する。
【0061】
収容かご60Aを識別する手段としては、以下に例示する3つの識別手段が挙げられる。ただし、以下に説明する手段に限られるものではなく、公知の手段を適宜採用して、収容かご60Aを識別できればよい。
【0062】
第1の識別手段としては、センサを用いることができる。センサとしては、コード情報(一次元コードや二次元コード)などの識別情報を読み取る読取センサや、検出光を照射する投光素子と、検出光を受光する受光素子を備えた光学センサが挙げられる。
【0063】
読取センサを用いる場合には、収容かご60に収容される食器の種類を特定する識別情報を収容かご60に設けておき、この識別情報を読取センサによって読み取ることにより、収容かご60に収容された食器の種類を特定することができる。ここで、識別情報を収容かご60に直接印刷等したり、識別情報が印刷されたシールを収容かご60に貼り付けたりすることができる。識別情報の読み取りは、搬送ユニット20によって収容かご60を搬送する前に行えばよい。
【0064】
光学センサを用いる場合には、収容かご60に収容される食器の種類に応じて、受光素子における検出光の受光状態を異ならせることにより、収容かご60に収容された食器の種類を特定することができる。具体的には、検出光を遮蔽する遮光部を収容かご60に設けるようにし、収容かご60に収容される食器の種類(具体的には、収容かご60A~60C)に応じて遮光部の形状を異ならせておくことにより、受光素子における検出光の受光状態を異ならせることができる。そして、検出光の受光状態に基づいて、この受光状態に対応する食器の種類を特定することができる。
【0065】
一方、検出光を遮蔽する代わりに、収容かご60に収容される食器の種類に応じて、検出光の反射状態を異ならせることにより、受光素子における検出光の受光状態を異ならせることもできる。具体的には、検出光を反射する反射部を収容かご60に設けるようにし、収容かご60に収容される食器の種類に応じて、反射部の位置を異ならせることができる。そして、反射部の位置毎に光学センサを設けておけば、各光学センサにおける検出光の受光状態に基づいて、収容かご60に収容された食器の種類を特定することができる。
【0066】
第2の識別手段としては、スイッチを用いることができる。収容かご60に収容される食器の種類に応じて、収容かご60の一部の形状を異ならせておき、収容かご60A~60Cのうち、収容かご60Aだけをスイッチに接触させることにより、収容かご60Aを識別することができる。収容かご60の形状を異ならせる例としては、収容かご60Aのピン61の長さを収容かご60B,60Cのピン61の長さよりも長くすることができる。そして、収容かご60Aのピン61だけが接触する位置にスイッチを配置しておけば、スイッチの出力に基づいて、収容かご60Aを識別することができる。
【0067】
第3の識別手段としては、収容かご60Aが投入口1aに設置されていることを示す情報を入力するための入力部を食器洗浄装置1に設けることができる。作業者は、収容かご60Aを投入口1aに設置したときに入力部を操作すれば、入力部の出力信号に基づいて、収容かご60Aを識別することができる。ここで、入力部としては、タッチパネルやボタンなどを用いることができる。
【0068】
(搬送ユニット20及びブラシユニット50の駆動制御)
次に、搬送ユニット20及びブラシユニット50の駆動制御について、図16に示すフローチャートを用いて説明する。図16に示す処理は、食器洗浄装置1に設けられたコントローラ(不図示)によって実行される。なお、以下の説明では、1つのコントローラによって食器洗浄装置1の動作を制御するようにしているが、この制御を複数のコントローラに分散させることもできる。図16に示す処理は、投入側昇降ユニット30によって、投入口1aに設置された収容かご60を下降させて洗浄前待機位置に載置したときに開始される。
【0069】
ステップS101において、コントローラは、洗浄前待機位置(図3)にある収容かご60が使用済みのコップC1を収容した収容かご60Aであるか否かを判別する。この判別方法としては、上述した識別手段を用いることができる。収容かご60Aが洗浄前待機位置にあるときにはステップS102の処理に進み、収容かご60A以外の収容かご60(具体的には、収容かご60B,60C)が洗浄前待機位置にあるときにはステップS109の処理に進む。
【0070】
ステップS102において、コントローラは、洗浄ノズル13からの洗浄液の噴射を開始させる。ステップS103において、コントローラは搬送ユニット20(具体的には、駆動モータ21)を駆動することにより、収容かご60Aの搬送を開始させる。これにより、収容かご60Aは、洗浄前待機位置(図3)から洗浄後待機位置(図4)に向けて搬送される。
【0071】
ステップ104において、コントローラは、ブラシ洗浄位置において、収容かご60Aの搬送を一時的に停止させる。ここで、ブラシユニット50は退避状態(図7)にあり、収容かご60Aはブラシ53の上方に位置する。ステップS105において、コントローラは、ブラシユニット50を駆動することにより、収容かご60Aに収容されたコップC1を洗浄する。具体的には、ブラシユニット50が退避状態から進入状態に変化することにより、ブラシ53がコップC1に接触してコップC1の内壁面及び外壁面を洗浄する。
【0072】
ステップS106において、コントローラは、搬送ユニット20を駆動することにより、ブラシ洗浄位置に停止していた収容かご60Aの搬送を再開させる。ステップS107において、コントローラは、搬送ユニット20の駆動を制御することにより、洗浄後待機位置で収容かご60Aを停止させる。ステップS108において、コントローラは、洗浄ノズル13からの洗浄液の噴射を終了させる。洗浄後待機位置に停止した収容かご60Aは、払出側昇降ユニット40によって、洗浄後待機位置から払出口1bに移動する。
【0073】
ステップS109において、コントローラは、洗浄ノズル13からの洗浄液の噴射を開始させる。ステップS110において、コントローラは搬送ユニット20を駆動することにより、収容かご60B,60Cの搬送を開始させる。これにより、収容かご60B,60Cは、洗浄前待機位置(図3)から洗浄後待機位置(図4)に向けて搬送される。ステップS110の処理を行った後は、ステップS107の処理に進む。
【0074】
ステップS109からステップS107までの処理では、ブラシユニット50が退避状態(図7)に維持されており、収容かご60B,60Cは、ブラシ洗浄位置で停止することなく、洗浄前待機位置(図3)から洗浄後待機位置(図4)に移動する。収容かご60B,60Cには、食器C2,C3が直立した状態で収容されているため、搬送路の上下に配置された洗浄ノズル13から洗浄液を噴射させることにより、食器C2,C3を洗浄することができる。
【0075】
なお、ステップS102,S109の処理(洗浄液の噴射開始)や、ステップS108の処理(洗浄液の噴射終了)を行うタイミングは、図16に示すフローチャートで説明したタイミングに限るものではなく、適宜決めることができる。すなわち、洗浄液によって、収容かご60に収容された食器を洗浄できればよい。
【0076】
また、収容かご60B,60Cは、洗浄前待機位置(図3)から洗浄後待機位置(図4)までの搬送路上で一時的に停止させることもできる。具体的には、洗浄ノズル13から噴射された洗浄液が収容かご60B,60Cに到達する位置において、収容かご60B,60Cを一時的に停止させることができる。ここで、収容かご60B,60Cを一時的に停止させる位置は、上述した点を考慮して適宜決めることができ、収容かご60Aを一時的に停止させるブラシ洗浄位置に限るものではない。収容かご60B,60Cに収容された皿C2,C3に付着した汚れによっては、収容かご60B,60Cを一時的に停止させて洗浄ノズル13から洗浄液を噴射し続けることにより、皿C2,C3に付着した汚れを取り除きやすくなる。
【0077】
本実施形態では、コップC1を洗浄するためのブラシ53を用いているが、ブラシ53の構造は、洗浄対象となる食器の種類に応じて適宜変更することができる。すなわち、ブラシ53の構造としては、特定の食器を洗浄できるような構造とすることができる。また、本実施形態では、コップC1を洗浄するためにブラシユニット50を動作させているが、コップC1以外の特定の食器を洗浄するためにブラシユニット50を動作させることができる。
【符号の説明】
【0078】
1:食器洗浄装置、1a:投入口、1b:払出口、13:洗浄ノズル、
20:搬送ユニット、26:移動体、27:レール、30:投入側昇降ユニット、
40:払出側昇降ユニット、50:ブラシユニット、53:ブラシ、
53a:第1サブブラシ、53b:第2サブブラシ、
60,60A,60B,60C:収容かご、61:ピン、62:車輪、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16