IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社新潟TLOの特許一覧

<>
  • 特開-水素ガス濃度センサ 図1
  • 特開-水素ガス濃度センサ 図2
  • 特開-水素ガス濃度センサ 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178508
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】水素ガス濃度センサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/407 20060101AFI20241218BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
G01N27/407
G01N27/416 371G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096674
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】802000019
【氏名又は名称】株式会社新潟TLO
(74)【代理人】
【識別番号】240000903
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人明倫国際法律事務所
(74)【代理人】
【識別番号】230110397
【弁護士】
【氏名又は名称】田中 雅敏
(74)【代理人】
【識別番号】230128875
【弁護士】
【氏名又は名称】原 慎一郎
(74)【代理人】
【識別番号】230131945
【弁護士】
【氏名又は名称】山腰 健一
(72)【発明者】
【氏名】結城 洋司
(72)【発明者】
【氏名】原田 修治
【テーマコード(参考)】
2G004
【Fターム(参考)】
2G004BB04
2G004BC04
2G004BE22
2G004BE24
2G004BE25
2G004BE30
2G004BG09
2G004ZA01
(57)【要約】
【課題】水素ガスセンサにおける水素検出電極に対する妨害ガスの接触を抑制し、センサ機能を保持した起電力(EMF)型の水素ガス濃度センサを提供する。
【解決手段】第1電極片及び第2電極片と、これら電極片が離隔して配設された電解質と、前記第1電極片、前記第2電極片及び前記電解質を収容する容器と、を備え、前記第1電極片は、H(-)|50mol/mSO|物質試料(+)で構成したセルの標準起電力値が0.8V以上の値を示す第1電極材料を含み、前記第2電極片は、同構成でのセルでの標準起電力値が0.8V未満の値を示す第2電極材料を含み、前記容器の一端側が0.25nm~0.45nmの径の細孔を有する多孔質体で封止されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極片及び第2電極片と、これら電極片が離隔して配設された電解質と、前記第1電極片、前記第2電極片及び前記電解質を収容する容器と、を備え、
前記第1電極片は、H(-)|50mol/mSO|物質試料(+)で構成したセルの標準起電力値が0.8V以上の値を示す第1電極材料を含み、
前記第2電極片は、同構成でのセルでの標準起電力値が0.8V未満の値を示す第2電極材料を含み、
前記容器の一端側が0.25nm~0.45nmの径の細孔を有する多孔質体で封止されていることを特徴とする、水素ガス濃度センサ。
【請求項2】
前記多孔質体は膜体であることを特徴とする、請求項1に記載の水素ガス濃度センサ。
【請求項3】
前記第1電極材料は、白金、白金合金及びこれらを含む材料の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の水素ガス濃度センサ。
【請求項4】
前記第2電極材料は、タングステン、タングステン合金、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金及びこれらを含む材料の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の水素ガス濃度センサ。
【請求項5】
前記容器内に収容され、前記電解質に配設された第3電極片を備えることを特徴とする、請求項1に記載の水素ガス濃度センサ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素ガス濃度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
今後の水素エネルギー利用社会において水素爆発の危険性を払拭し安全性が高く、利便性に優れた水素エネルギー利用システムの構築が望まれる。水素ガスセンサの仕様は、大気中に漏れた水素量を瞬時に高精度で検出でき、構造がきわめて単純、信頼性が高いことが求められる。
【0003】
従来の水素ガス濃度センサは半導体型、電離型、燃焼型などの検出方法に基づいている。これらの測定原理は「示量性の物理量」である”キャリア濃度(半導体型)”、”イオン濃度(電離型)”、あるいは”反応熱(燃焼型または燃焼させてその水蒸気圧を測定する)”として間接的な検出方法で水素量を検知し、それらを電気的な量に変換してセンサとするものであった。
【0004】
検出時間を短縮化する水素ガス濃度センサとしては、例えば、互いに水素に対する化学ポテンシャルが異なる材料からなる第1の電極及び第2の電極と、これらの電極と接触する電解質とを備え、これら電極間に発生する起電力値に基づいて水素ガスを検出する起電力(EMF)型水素ガスセンサが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4035848号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の当該水素ガスセンサにおいて、水素検出電極の表面は化学反応を促進する性質があり、その性質は表面の電子構造で説明される。すなわち、出願の必要性で記したセンサ機能を妨害するガスと接触しないことが求められる。この目的を達成すべく、水素選択透過性薄膜(Pd薄膜)を用いることが考えられるが、Pd薄膜中に固溶した水素の放出に時間を要することから、上述したEMF型水素ガス濃度センサと比較し、水素ガスに対する応答性に時間を要する課題があった。
【0007】
本発明は、水素ガスセンサにおける水素検出電極に対する妨害ガスの接触を抑制し、センサ機能を保持したEMF型の水素ガス濃度センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明は、
第1電極片及び第2電極片と、これら電極片が離隔して配設された電解質と、前記第1電極片、前記第2電極片及び前記電解質を収容する容器と、を備え、
前記第1電極片は、H(-)|50mol/mSO|物質試料(+)で構成したセルの標準起電力値が0.8V以上の値を示す第1電極材料を含み、
前記第2電極片は、同構成でのセルでの標準起電力値が0.8V未満の値を示す第2電極材料を含み、
前記容器の一端側が0.25nm~0.45nmの径の細孔を有する多孔質体で封止されていることを特徴とする、水素ガス濃度センサに関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水素ガス濃度センサを構成する容器の一端側が0.25nm~0.45nmの径の細孔を有する多孔質体で封止されている。この多孔質体は、二酸化炭素(CO)等の妨害ガスは透過せず、水素ガスは透過する。したがって、容器内には二酸化炭素(CO)等の妨害ガスが侵入せずに、水素ガスのみが選択的に導入され、水素検出電極に到達するようになる。したがって、第1電極片及び第2電極片の特性と相伴って、水素ガスセンサにおける水素検出電極に対する妨害ガスの接触を抑制し、センサ機能を保持したEMF型の水素ガス濃度センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態における水素ガス濃度センサの概略構成図である。
図2】実施例における水素ガス濃度センサの、第1電極片として白金線を用いた場合の水素ガス濃度とEMF値を示すグラフである。
図3】妨害ガス(COガス)のEMF値を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態における水素ガス濃度センサの概略構成図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の水素ガス濃度センサ10は、線状の第1電極片11及び線状の第2電極片12と、これら電極片が離隔して配設された電解質14と、第1電極片11,第2電極片12及び電解質14とを収容する、容器15とを備えている。
【0013】
容器15の一端側は0.25nm~0.45nm、好ましくは0.29nm~0.33nmの径の細孔を有する多孔質体16で封止されている。なお、この細孔径は多孔質体16を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した際の、10個の細孔径の平均の値である。また、容器15の当該一端側は、測定したい系の中に挿入し配設されているものである。多孔質体16は、例えば、アルミナ、ゼオライト等の微多孔性のセラミックフィルター、その他、微多孔性の金属フィルター及び高分子フィルターの膜体で構成することができるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
また、本実施形態の水素ガス濃度センサ10は、環境温度に依存して検出感度が変化するので、当該環境温度による影響を除去すべく、線状の温度補償用第3電極片13が配設されている。この第3電極片13も電解質14に対して、第1電極片11及び第2電極片12と離隔するようにして配設されている。
【0015】
また、第1電極片11、第2電極片12及び第3電極片13は、水素ガス濃度の検出に伴う起電力を測定すべく、容器15の密閉部と反対側の容器15の後端開口部より、容器15の外方に延在するようにして配設されている。
【0016】
第1電極片11は、水素ガスに対する検出電極として機能し、水素ガスと接触することによって、(原子状)水素の化学ポテンシャルが大きく変化する。第2電極片12は、水素ガスに対する基準電極として機能し、水素ガスと接触することによって、その化学ポテンシャルがほとんど変化しないか、変化するとしても極微小である。
【0017】
第1電極片11は、相対的に化学ポテンシャルの高い第1電極材料から構成することができ、具体的にはH(-)|50mol/mSO|物質試料(+)で構成したセルの標準起電力値が0.8V以上の値を示す第1電極材料を含む。
【0018】
上述した材料としては、白金、白金合金等の、相対的に水素ガスに対する吸着活性度の高い材料を挙げることができる。第1電極片11は、これら材料自身から構成することもできるが、これらの材料を所定の基体上に担持させて用いることができる。但し、本発明の範疇を逸脱せず、水素ガスに対する検出電極として機能する限り、任意の態様で使用することができる。
【0019】
また、上述した材料として、パラジウム、パラジウム合金等の、相対的に水素ガスに対する吸着活性度の高い材料から構成することもできる。上記同様に、第1電極片11は、これら材料自身から構成することもできるが、これらの材料を所定の基体上に担持させて用いることができる。但し、本発明の範疇を逸脱せず、水素ガスに対する検出電極として機能する限り、任意の態様で使用することができる。
【0020】
なお、第1電極片11を白金系の材料から構成した場合は、水素分子を解離することから、第1電極片11に吸着した水素ガスの離脱が早く、燃料電池の制御用センサや医療薬液等に溶存する水素ガス濃度センサなど、応答性の早い水素ガス濃度センサの検出電極として適している。
【0021】
一方、第1電極片11をパラジウム系の材料から構成した場合は、水素分圧に応じた水素量を固溶するが、固溶水素は抜けづらいという性質があり、水素ガス検出後の回復に時間を要する。したがって、第1電極片11をパラジウム系の材料から構成した場合、当該第1電極片11はメモリ機能を有するので、例えばトランスオイルの劣化を確認するのに適した検出電極として適用できる。但し、EMF型の水素ガス濃度センサの水素検出電極としては不向きである。
【0022】
第2電極片12は、相対的に化学ポテンシャルの低い材料から構成することができ、具体的には、H(-)|50mol/mSO|物質試料(+)で構成したセルの標準起電力値が0.8V未満の値を示す第2電極材料を含む。
【0023】
上述した材料としては、タングステン、タングステン合金、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金及び有機導電材料などの、相対的に水素ガスに対する吸着活性度合いの低い材料を挙げることができる。但し、本発明の範疇を逸脱せず、水素ガスに対する基準電極として機能する限り、任意の態様で使用することができる。
【0024】
なお、第3電極片13は、温度補償用の電極片であり、水素ガス濃度センサ10の環境温度、すなわち検出電極である第1電極片11の環境温度変化を相殺するために配設されているものであるので、第1電極片11と同じ材料から構成することが好ましい。
【0025】
また、電解質14は、燐タングステン酸などの、第1電極片11及び第2電極片12との密着性に優れた電解質から構成することができる。電解質14は、燐タングステン酸などの電解質材料に加えてグラスウールなどの構造補強材を含むことができる。この場合、電解質14の強度を増大させることができるとともに、第1電極片11及び第2電極片12との密着性をさらに増大させることができる。
【0026】
容器15は、第1電極片11及び第2電極片12との絶縁を担保すべく、ガラスや樹脂、セラミックス等から構成することが好ましい。
【0027】
なお、容器15を金属等の電気伝導性の材料から構成した場合は、第1電極片11を樹脂やセラミック被覆等して容器15と絶縁することが好ましい。
【0028】
本実施形態の水素ガス濃度センサ10によれば、第1電極片11及び第2電極片12と、これら電極片が離隔して配設された電解質14と、第1電極片11、第2電極片12及び電解質14を収容する容器15と、を備え、第1電極片11は、H(-)|50mol/mSO|物質試料(+)で構成したセルの標準起電力値が0.8V以上の値を示す第1電極材料を含み、第2電極片12は、同構成でのセルでの標準起電力値が0.8V未満の値を示す第2電極材料を含み、容器の一端側が0.25nm~0.45nmの径の細孔を有する多孔質体で封止されている。
【0029】
多孔質体16は、二酸化炭素(CO)等の妨害ガスは透過せず、水素ガスは透過する。したがって、容器15内には二酸化炭素(CO)等の妨害ガスが侵入せずに、水素ガスのみが選択に導入され、水素検出電極、すなわち第1電極片11に到達するようになる。したがって、第1電極片11及び第2電極片12の特性と相伴って、水素ガスセンサにおける水素検出電極に対する妨害ガスの接触を抑制し、センサ機能を保持したEMF型の水素ガス濃度センサ10を提供することができる。
【0030】
なお、本実施形態の水素ガス濃度センサ10の水素濃度は、第1電極片11及び第2電極片12間に発生する起電力によって検出することになるが、当該起電力は以下の関係式に基づいて生成される。
【0031】
【数1】
ここで、Fはファラデー定数、EはEMF値、
【数2】
はそれぞれ金属、水素ガスに対する原子状の水素の電気化学ポテンシャルである。端子〔I〕、〔II〕は同種の銅線のため電子の電気化学ポテンシャルは、
【数3】
となる。また、静電ポテンシャルφと起電力Eとの関係
【数4】
を用いた。ここで、φIは第1の電極の静電ポテンシャルを表し、φIIは第2の電極の静電ポテンシャルを表す。
なお、第3電極片13による温度補償は、
【数5】
(ε:吸着エネルギー、k:ボルツマン定数、T:温度、n:水素濃度)
で表され、このE値を上述のEMF値から差し引くことにより実行することができる。但し、水素濃度が1%を超えるような濃度(nが0.01以上)の場合は、上記E値は極めて小さい値となるので、温度補償は考慮する必要はなく、第3電極片13自体も省略することができる。
【0032】
なお、本願は、上記実施形態に鑑み、以下の発明をも包含する。
〔1〕第1電極片及び第2電極片と、これら電極片が離隔して配設された電解質と、前記第1電極片、前記第2電極片及び前記電解質を収容する容器と、を備え、
前記第1電極片は、H(-)|50mol/mSO|物質試料(+)で構成したセルの標準起電力値が0.8V以上の値を示す第1電極材料を含み、
前記第2電極片は、同構成でのセルでの標準起電力値が0.8V未満の値を示す第2電極材料を含み、
前記容器の一端側が0.25nm~0.45nmの径の細孔を有する多孔質体で封止されていることを特徴とする、水素ガス濃度センサ。
〔2〕前記多孔質体は膜体であることを特徴とする、〔1〕に記載の水素ガス濃度センサ。
〔3〕前記第1電極材料は、白金、白金合金及びこれらを含む材料の少なくとも1つを含むことを特徴とする、〔1〕又は〔2〕に記載の水素ガス濃度センサ。
〔4〕前記第2電極材料は、タングステン、タングステン合金、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金及びこれらを含む材料の少なくとも1つを含むことを特徴とする、〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の水素ガス濃度センサ。
〔5〕前記容器内に収容され、前記電解質に配設された第3電極片を備えることを特徴とする、〔1〕ないし〔4〕のいずれかに記載の水素ガス濃度センサ。
【実施例0033】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0034】
図1に示す水素ガス濃度センサ10を準備し、簡易的に水素ガスの検出試験を実施した。なお、第1電極片11は直径0.2mmの白金線を使用し、第2電極片12は直径0.2mmのタングステン線を使用した。また、簡略化のために第3電極片13は省略した。
【0035】
次いで、第1電極片11及び第2電極片12を燐タングステン酸セシウムからなる電解質14に0.2mmの間隔をあけて配設し、さらに、第1電極片11,第2電極片12及び電解質14を、直径6mm及び長さ25mmのガラス管15内に収納して配設し、当該ガラス管15の一端部に細孔径0.3nmのアルミナ膜16を配設し、当該アルミナ膜16でガラス管15を封止した。なお、封止に際しては、ガラス管15のアルミナ膜16部分をシリコンチューブで覆い、当該アルミナ膜16がガラス管15の内壁面に圧接して密封するようにした。
【0036】
図2は、第1電極片として白金線を用いた場合の水素ガス濃度とEMF値を示すグラフであり、図3は、妨害ガス(COガス)のEMF値を示すグラフである。
【0037】
なお、水素ガス濃度はガラス容器15が挿入できるような開口が形成された密閉容器内に水素ガスを充填して容器内の水素濃度を調整し、検出起電力はガラス管15の後端開口部において計測した。
【0038】
図2に示すように、第1電極片11として白金線を用いた場合は、水素ガスを検出することにより、水素ガス濃度が温度20℃で水素濃度を0~50体積%に変化する間に、検出電圧が約0.5Vから約―0.5Vまで減少するが、水素ガスとの接触を遮断すると、直ちに起電力が回復して約0.5Vにまで回復することが分かる。すなわち、水素ガスの離脱が早く、応答性の早い水素ガス濃度センサの検出電極として適していることが分かる。また、第1電極片11として白金線を用いた測定は、EMF型水素センサの特徴であるセンサの自発起電力の値はエレクトロメーターによりガラス管15の後端開口部において計測した。
【0039】
一方、図3に示すように、妨害ガス(COガス)は妨害ガス濃度が20体積%を超えると、アルミナ膜16による妨害ガスの遮蔽効果は若干劣るものの、5体積%から20体積%の間では十分高い妨害ガスの遮蔽効果を奏することがわかる。
【0040】
したがって、本発明の水素ガス濃度センサ10は、水素検出電極に対する妨害ガスの接触を抑制し、センサ機能を保持したEMF型の水素ガス濃度センサを提供することができることがわかる。
【0041】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
10 水素ガス濃度センサ
11 第1電極片
12 第2電極片
13 第3電極片
14 電解質
15 容器
16 多孔質体
図1
図2
図3