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  • 特開-ブッシング 図1
  • 特開-ブッシング 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178518
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】ブッシング
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/04 20060101AFI20241218BHJP
   H01F 27/36 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
H01F27/04 B
H01F27/36 121
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096698
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120444
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】柳瀬 博雅
(72)【発明者】
【氏名】小薗 秀明
(72)【発明者】
【氏名】華表 宏隆
(72)【発明者】
【氏名】田中 克征
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 禎弥
【テーマコード(参考)】
5E058
5E059
【Fターム(参考)】
5E058CC43
5E058CC45
5E059JM08
(57)【要約】
【課題】電界緩和シールドの高電界化を抑制できるようにすること。
【解決手段】ブッシング(10)は、仕切壁(1)に形成された開口(2)に貫通して装着される。ブッシングは、仕切壁の厚さ方向に延出する中心導体(11)と、中心導体の外周に形成されて開口に挿入される第1絶縁部(13)と、第1絶縁部に埋設され、且つ、中心導体を囲う位置に設けられる電界緩和シールド(20)と、仕切壁の厚さ方向にて、仕切壁の上面(1a)側で第1絶縁部の外周を囲って設けられる第2絶縁部(14)とを備えている。電界緩和シールドは、中心軸方向が中心導体の延出方向に平行な筒状に設けられるシールド本体(21)を備えている。シールド本体の中心軸方向一端側となる上端側は、該中心軸方向に直交する方向にて、中心導体と第2絶縁部とで挟まれる位置に設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切壁に形成された開口に貫通して装着されるブッシングであって、
前記仕切壁の厚さ方向に延出する中心導体と、
前記中心導体の外周に形成されて前記開口に挿入される第1絶縁部と、
前記第1絶縁部に埋設され、且つ、前記中心導体を囲う位置に設けられる電界緩和シールドと、
前記仕切壁の厚さ方向にて、前記仕切壁の一方の主面側で前記第1絶縁部の外周を囲って設けられる第2絶縁部と、を備え、
前記電界緩和シールドは、中心軸方向が前記中心導体の延出方向に平行な筒状に設けられるシールド本体を備え、
前記シールド本体の中心軸方向一端側は、該中心軸方向に直交する方向にて、前記中心導体と前記第2絶縁部とで挟まれる位置に設けられることを特徴とするブッシング。
【請求項2】
前記第1絶縁部は、前記仕切壁の一方の主面側に配置される部分を形成する第1形成部と、
前記仕切壁の他方の主面側に配置される部分を形成する第2形成部と、を備え、
前記第1形成部及び前記第2形成部は、前記仕切壁から離れるに従って縮径する形状にそれぞれ形成され、
前記シールド本体は、中心軸方向他端側から一端側に向かって縮径する形状に設けられることを特徴とする請求項1に記載のブッシング。
【請求項3】
前記シールド本体は、板状体によって形成される筒本体と、
前記筒本体の周方向及び中心軸方向に亘って形成される複数の穴とを備えていることを特徴とする請求項2に記載のブッシング。
【請求項4】
前記シールド本体は、板状体によって形成される筒本体と、
前記筒本体の周方向に並んで形成される複数のスリットとを備えていることを特徴とする請求項2に記載のブッシング。
【請求項5】
前記第2絶縁部は、筒状に形成され、
前記第2絶縁部の外周側には、接地電位となる接地層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のブッシング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁物に電界緩和シールドを埋設したブッシングに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、開閉器や変圧器等の外箱に固定されるブッシングを開示している。かかるブッシングは、主回路導体、シールド及び絶縁媒体であるエポキシ樹脂より構成される。シールドは、主回路導体を被うよう円筒形をなす導体で、エポキシ樹脂の内部に位置決めされる。特許文献1にて、シールドを接地することにより、外箱やブッシング内部及び外部の電界緩和を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-326319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなブッシングにあっては、シールドの端部にて高電界化する傾向があり、該端部の電界を緩和するには、筒状に形成されるシールドの径寸法を大きくし、主回路導体との距離を長くする構造が考えられる。ところが、かかる構造では、シールドの端部がエポキシ樹脂の沿面に接近し、該沿面が高電界化し、電界緩和を十分に達成できなくなる、という問題がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、電界緩和シールドの高電界化を抑制することができるブッシングを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における一態様のブッシングは、仕切壁に形成された開口に貫通して装着されるブッシングであって、前記仕切壁の厚さ方向に延出する中心導体と、前記中心導体の外周に形成されて前記開口に挿入される第1絶縁部と、前記第1絶縁部に埋設され、且つ、前記中心導体を囲う位置に設けられる電界緩和シールドと、前記仕切壁の厚さ方向にて、前記仕切壁の一方の主面側で前記第1絶縁部の外周を囲って設けられる第2絶縁部と、を備え、前記電界緩和シールドは、中心軸方向が前記中心導体の延出方向に平行な筒状に設けられるシールド本体を備え、前記シールド本体の中心軸方向一端側は、該中心軸方向に直交する方向にて、前記中心導体と前記第2絶縁部とで挟まれる位置に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、中心導体周りに第1絶縁部及び第2絶縁部を設け、シールド本体の一端側が第1絶縁部に埋設されつつ第2絶縁部で覆われるようになる。これにより、第1絶縁部及び第2絶縁部の両方によってシールド本体の一端側の電界を低下可能となり、電界緩和シールドにおける高電界化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係るブッシング及びその周辺構造の概略縦断面図である。
図2図2A及び図2Bは、電界緩和シールドの一例を模式的に示した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係るブッシングについて、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。また、以下の説明において、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」は、図1及び図2を基準として用いる。但し、以下の実施の形態での各構成の向きは、一例にすぎず、任意の向きに変更することができる。
【0010】
図1は、実施の形態に係るブッシング及びその周辺構造の概略縦断面図である。図1に示すように、ブッシング10は、開閉装置や変圧器等の電力機器(不図示)にて、筐体や隔壁等を構成する仕切壁1に形成された開口2に貫通して装着される。
【0011】
仕切壁1は、厚さ方向が上下方向となる金属板により構成され、接地電位または接地電位より若干高電位とされる。仕切壁1は、上下方向両側の形成面となる上面1a及び下面1bを主面として形成している。開口2は、上下方向から見た場合、円形に形成される。
【0012】
ブッシング10は、上下方向(仕切壁1の厚さ方向)に延出する中心導体11と、中心導体11の外周に形成される第1絶縁部13と、第1絶縁部13の上半部における外周を囲って設けられる第2絶縁部14とを備えている。中心導体11は、概略円柱状に形成され、図1中上下両端に高圧導体(不図示)の端部がねじ構造等を介して連結される。
【0013】
第1絶縁部13は、エポキシ樹脂等の絶縁性を有する樹脂により注型成形等によって成形される。第1絶縁部13は、開口2の内部に挿入される中間形成部16と、中間形成部16の上部に連なって上方に延出する第1形成部17と、中間形成部16の下部に連なって下方に延出する第2形成部18とを備えている。
【0014】
中間形成部16は、開口2の内径寸法に比べて若干小さい外径寸法の円板状に形成される。図1のように断面視したときに、中間形成部16及び第1形成部17の境界位置が入隅状に形成され、中間形成部16及び第2形成部18の境界位置が入隅状に形成される。よって、中間形成部16の上面と第2形成部18の上面との間に段差が形成される。
【0015】
第1形成部17は、第1絶縁部13にて仕切壁1の上面1a側(一方の主面側)に配置される部分を形成している。第1形成部17は、仕切壁1から離れるに従って次第に縮径する円錐台形状に形成されている。よって、第1形成部17の外周面はテーパ面により形成される。第1形成部17の下端側は、中間形成部16の外径寸法に比べて小さい外径寸法に形成されている。
【0016】
第2形成部18は、第1絶縁部13にて仕切壁1の下面1b側(他方の主面側)に配置される部分を形成している。第2形成部18は、仕切壁1の下面1bに上面が接触するフランジ部18aと、フランジ部18aの下端から下方に向かう(仕切壁1から離れる)に従って次第に縮径する紡錘形状に形成される紡錘部18bとを備えた形状に設けられる。
【0017】
フランジ部18aは、開口2の内径寸法に比べて大きい外径寸法の概略円板状に形成され、開口2を閉塞するよう設けられる。フランジ部18aは、開口2を閉塞した状態でボルト止め等により固定され、仕切壁1を挟む上下それぞれの空間の間での気密性を維持する。紡錘部18bの上端側における外形寸法は、フランジ部18aの外径寸法に比べて小さく、開口2の内径寸法に比べて若干大きく、第1形成部17の下端側の外径寸法に比べて大きく形成されている。
【0018】
第2絶縁部14は、仕切壁1の上面1a側に設けられ、第1絶縁部13における第1形成部17を内部に受容する円筒状に形成される。第2絶縁部14の上端は、第1絶縁部13の上端を概ね同一となる上下位置に設けられ、第2絶縁部14の下端は、第1絶縁部13の下端より若干上方に位置し、仕切壁1の上面1aとの間に隙間を介して配設される。
【0019】
第2絶縁部14の内周面は、第1絶縁部13における第1形成部17の外周面に応じたテーパ面状に形成され、第1形成部17の外周面に密着して面接触するように設けられる。第2絶縁部14は、絶縁性を有する樹脂により形成され、例えば、第1絶縁部13とは異なる樹脂となるシリコーン樹脂等により形成される。第2絶縁部14の外周側には、接地電位となる接地層19が形成されている。第2絶縁部14及び接地層19が設けられることで、第2絶縁部14(接地層19)の沿面や仕切壁1より上方の気相部における電界が緩和される。
【0020】
本実施の形態のブッシング10にあっては、第1絶縁部13に埋設される電界緩和シールド20を更に備えている。電界緩和シールド20は、中心導体11を囲う位置に設けられ、且つ、開口2を上下方向に挿通する位置に設けられる。
【0021】
電界緩和シールド20は、中心導体11よりも低い電位であればよく、不図示の接続構造によって仕切壁1に電気的に接続され、仕切壁1と同電位の接地電位とされる。これにより、開口2の内周縁と、その近傍の第1絶縁部13の表面との間で電界が集中することを緩和している。なお、接地層19においても、電界緩和シールド20と同様にして接地電位に設定することができる。
【0022】
電界緩和シールド20は、中心軸方向が上下方向(中心導体11の延出方向)に平行な筒状に設けられるシールド本体21を備えている。シールド本体21は、中心導体11と同一の中心軸を有する円錐台に沿う形状に設けられる。更に述べると、シールド本体21は、下端側(中心軸方向他端側)から上端側(中心軸方向一端側)に向かって縮径する形状に設けられる。
【0023】
シールド本体21の上端は、第1形成部17に埋設され、且つ、第2絶縁部14の下端位置より上方に配設されている。よって、シールド本体21の上端側は、上下方向(中心軸方向)に直交する方向(図1では左右方向)にて、中心導体11と第2絶縁部14とで挟まれる位置に設けられる。シールド本体21の下端は、第2形成部18に埋設され、且つ、上下方向にて、フランジ部18a及び紡錘部18bの境界位置付近に配設されている。
【0024】
また、電界緩和シールド20は、シールド本体21の上下方向両側にそれぞれ設けられる端部形成体22を更に備えている。端部形成体22は、中心軸方向から見て、円形となってループ状に形成される。端部形成体22及びシールド本体21は、銅やアルミニウム等の金属材によって構成される。
【0025】
続いて、電界緩和シールド20におけるシールド本体21の構成について、図2を参照して以下に説明する。図2A及び図2Bは、電界緩和シールドの一例を模式的に示した縦断面図である。
【0026】
上記実施の形態にて、電界緩和シールド20は、図2A及び図2Bに示すシールド本体21を採用することができる。図2Aに示すシールド本体21は、板状体によって円錐台のテーパ面に沿う形状に形成される筒本体21aと、筒本体21aに形成される複数の穴21bとを備えている。複数の穴21bは、筒本体21aの周方向(シールド本体21の中心軸を中心とする回転方向)及び上下方向(シールド本体21の中心軸方向)に亘って満遍なく形成されている。
【0027】
図2Bに示すシールド本体21は、図2Aの筒本体21aと同様に形成される筒本体21cと、筒本体21cに形成される複数のスリット21dとを備えている。各スリット21dは、長孔状に開口して形成され、長手方向が筒本体21cにおける円錐台の母線の延出方向に向けられる。複数のスリット21dは、筒本体21cの周方向に並んで形成される。
【0028】
図2A及び図2Bに示すシールド本体21は、穴21bやスリット21dを形成することで、第1絶縁部13を形成する樹脂とシールド本体21との密着性を高めることができる。これにより、第1絶縁部13とシールド本体21との界面周辺に電界集中することを抑制でき、絶縁性能の劣化を回避することができる。
【0029】
ここで、図2A及び図2Bに示すシールド本体21の製造方法としては、筒本体21a、21cを形成する板状体に穴21bやスリット21dに応じた穴明け加工を行うことが例示できる。或いは、積層した金属粉末にレーザを照射して溶融凝固させ、それを積層することにより製造方法も例示できる。上述の各シールド本体21は、金網を用いた従来構造に比べ、曲げ強度が高めて第1絶縁部13を製造する際の注型時の樹脂の流れによる変形を容易に防ぐことができ、製造の容易化を図ることができる。
【0030】
図1に戻り、上記実施の形態のようなブッシング10においては、電界緩和シールド20の上端部及び下端部にて電界が集中する傾向がある。よって、電界緩和シールド20を用いたブッシング10にあっては、電界緩和シールド20の上下両端部の電界を緩和することが重要となる。
【0031】
電界緩和シールド20の上端部の電界を緩和するため、本実施の形態では、第2絶縁部14を設けている。更に、本実施の形態では、シールド本体21の上端部が左右方向(径方向)にて中心導体11と第2絶縁部14とにより挟まれて配置される。これにより、シールド本体21の上端部から左右方向外側に向かう方向にて、第2絶縁部14の厚さ分の絶縁部分を配置した状態となる。
【0032】
従って、シールド本体21の上端部近傍にて、気相部に対する絶縁部分(第1絶縁部13及び第2絶縁部14)の沿面に電界が集中することを抑制できる。よって、第1絶縁部13に電界緩和シールド20を埋設可能な製造条件を満たしつつ、シールド本体21の上端部の径寸法をできるだけ大きく設定することが可能となる。これにより、シールド本体21の上端部と中心導体11との距離を長くでき、該上端部の電界を緩和することができる。
【0033】
ここで、第1絶縁部13における電界緩和シールド20の上端部の位置での左右方向(径方向)の長さについて、図1に示す長さL1、L2を用いて説明する。長さL1は、電界緩和シールド20における上方の端部形成体22(上端部)の外周位置と、中心導体11の外周位置との間の長さとされる。長さL2は、電界緩和シールド20における上方の端部形成体22(上端部)の外周位置と、第1絶縁部13の外周位置との間の長さとされる。本実施の形態では、長さL1を100%とした場合の長さL2を百分率で表すと、10%以上20%以下に設定される。該百分率が10%未満となると、長さL2が小さくなり過ぎて第1絶縁部13の成形等が困難になり、該百分率が20%を超えると、端部形成体22が中心導体11に接近して電界の緩和効果を十分得ることが難しくなる。
【0034】
また、本実施の形態では、シールド本体21が円錐台に沿う形状に設けられ、下端部の方が上端部より大きい径寸法に形成されている。第1絶縁部13にあっては、シールド本体21の下端部が埋設される第2形成部18の方が、上方の第1形成部17に比べて大径となるので、シールド本体21の下端部と中心導体11との距離を長くしつつ、該下端部周辺の第2形成部18の厚さを確保できる。よって、シールド本体21の下端部においても、中心導体11との距離を長くして該下端部の電界を緩和でき、該下端部が第2形成部18の沿面に接近して高電界化することを回避できる。なお、シールド本体21の下端部の径寸法は、中間形成部16及び第1形成部17の境界の入隅部と、シールド本体21との間の距離に加え、第1絶縁部13の製造条件を考慮して設定される。
【0035】
以上のように、上記実施の形態によれば、シールド本体21の上端側及び下端側の電界を低下させることが可能となり、電界緩和シールド20における高電界化を抑制することができる。
【0036】
なお、本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【0037】
上記実施の形態では、図2Aの穴21bや図2Bのスリット21dは、図示した形状に限定されるものでなく、種々の変更が可能である。例えば、図2Aの穴21bは円形に代えて方形や多角形、楕円形としてもよく、図2Bのスリット21dは長円形状としたり、長手方向にも複数並べて形成してもよい。
【0038】
また、図2A及び図2Bにおける端部形成体22の断面形状や、端部形成体22とシールド本体21との接続部分の形態は、電界集中を緩和できるよう適宜変更してもよい。
【0039】
また、第2絶縁部14の外周の接地層19は、省略してもよいが、接地層19を設けることで第2絶縁部14における沿面の高電界化をより良く抑制することができる。
【0040】
また、シールド本体21は、上記実施の形態にて円錐台に沿う形状としたが、円筒状に形成してもよい。但し、円錐台に沿う形状にシールド本体21を形成することで、シールド本体21の下端部と中心導体11との距離を長くして電界を緩和可能となる。
【0041】
また、中心導体11は、電界緩和シールド20で囲まれる領域にて括れた形状としてもよい。
【0042】
また、中間形成部16は、外周面がテーパ面となる円錐台形状に変更してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 :仕切壁
1a :上面(一方の主面)
1b :下面(他方の主面)
2 :開口
10 :ブッシング
11 :中心導体
13 :第1絶縁部
14 :第2絶縁部
17 :第1形成部
18 :第2形成部
19 :接地層
20 :電界緩和シールド
21 :シールド本体
21a :筒本体
21b :穴
21c :筒本体
21d :スリット
図1
図2