(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017852
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】画像形成装置および初期化方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240201BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240201BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240201BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240201BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20240201BHJP
【FI】
B41J29/38 204
B41J29/00 Z
B41J29/42 F
B41J29/38 350
G03G21/00 388
G03G21/00 386
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120764
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】京谷 忠雄
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5L049
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB10
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HK05
2C061HK11
2C061HK14
2C061HK23
2C061HN04
2C061HN15
2C061HV14
2H270LA80
2H270LA87
2H270MF14
2H270MF15
2H270MF16
2H270MF17
2H270NB02
2H270NB04
2H270NB05
2H270NB11
2H270QB13
2H270ZC03
2H270ZC04
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】消耗品メモリの初期化を簡易に実施することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置(1)は、第1消耗品(4、20)が備える第1消耗品メモリ(22、42)には、第1寿命情報(224~225、426~428)が記憶されており、第2消耗品(4、20)が備える第2消耗品メモリ(22、42)には、第2寿命情報(224~225、426~428)が記憶されており、第1寿命情報および第2寿命情報を初期化する指示を受け付ける受付処理(S12)と、受け付けられた指示にしたがって、第1寿命情報および第2寿命情報を初期化する初期化処理(S313、S314)と、第1寿命情報が初期化されたことを示す第1初期化情報を第1消耗品メモリに書き込み、第2寿命情報が初期化されたことを示す第2初期化情報を第2消耗品メモリに書き込む書込処理(S415、S434)と、を実行する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
第1消耗品および第2消耗品が装着された本体筐体と、コントローラと、本体メモリとを備え、
前記第1消耗品が備える第1消耗品メモリには、前記第1消耗品の寿命に関する第1寿命情報が記憶されており、
前記第2消耗品が備える第2消耗品メモリには、前記第2消耗品の寿命に関する第2寿命情報が記憶されており、
前記コントローラは、
前記第1寿命情報および前記第2寿命情報を初期化する指示を受け付ける受付処理と、
受け付けられた前記指示にしたがって、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報を初期化する初期化処理と、
前記第1寿命情報が初期化されたことを表す第1初期化情報を前記第1消耗品メモリに書き込み、前記第2寿命情報が初期化されたことを表す第2初期化情報を前記第2消耗品メモリに書き込む書込処理と、を実行する、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1消耗品または前記第2消耗品は、交換部品を含む、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、ディスプレイを備え、
前記コントローラは、
前記初期化処理の対象とする前記第1消耗品および前記第2消耗品をユーザに選択させるための対象選択画面を前記ディスプレイに表示させる第1表示処理を実行し、
前記対象選択画面を介して前記初期化処理の対象とすることが選択された前記第1消耗品および前記第2消耗品に対して、前記初期化処理を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1消耗品メモリには、前記第1消耗品が、トナーカートリッジであるか、ドラムカートリッジであるかを表す第1識別情報が記憶されており、
前記コントローラは、
前記第1識別情報を取得する取得処理を実行し、
前記取得処理で取得した前記第1識別情報がトナーカートリッジであることを表している場合に、前記初期化処理にて、前記第1消耗品メモリに記憶されているトナー消費量、現像ローラ回転数、および、印刷枚数のうち少なくとも何れかを初期化し、
前記取得処理で取得した前記第1識別情報がドラムカートリッジであることを表している場合に、前記初期化処理にて、前記第1消耗品メモリに記憶されている感光ドラム回転数、および、印刷枚数のうち少なくとも何れかを初期化する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2消耗品メモリには、前記第2消耗品が、トナーカートリッジであるか、ドラムカートリッジであるかを表す第2識別情報が記憶されており、
前記コントローラは、
前記第2識別情報を取得する取得処理を実行し、
前記取得処理で取得した前記第2識別情報がトナーカートリッジであることを表している場合に、前記初期化処理にて、前記第2消耗品メモリに記憶されているトナー消費量、現像ローラ回転数、および、印刷枚数のうち少なくともいずれかを初期化し、
前記取得処理で取得した前記第2識別情報がドラムカートリッジであることを表している場合に、前記初期化処理にて、前記第2消耗品メモリに記憶されている感光ドラム回転数、および、印刷枚数のうち少なくともいずれかを初期化する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、ディスプレイを備え、
前記コントローラは、
前記指示にしたがって、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報が初期化されると印刷品質が保証されない旨の第1警告と、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報の初期化をするかしないかをユーザに選択させるための第1選択画面とを、前記ディスプレイに表示させる第2表示処理を実行し、
前記第1選択画面を介して初期化することが選択された場合に、前記初期化処理を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置は、操作部を備え、
前記コントローラは、
前記受付処理において、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報を初期化する指示を、前記操作部を介して受け付ける、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1初期化情報は、前記第1寿命情報が初期化された回数を表す初期化回数であり、
前記コントローラは、さらに、
前記第1初期化情報が表す前記第1寿命情報の前記初期化回数が、予め定められた上限回数に達しているかを判定する判定処理を実行し、
前記判定処理において、前記初期化回数が前記上限回数に達していると判定した場合に、前記初期化処理を実行しない、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1消耗品メモリには、前記第1寿命情報として、前記第1消耗品が使用された程度を特定するための第1消費情報、および、前記第1消耗品に残されている材料の量を特定するための第1残量情報の少なくともいずれかが記憶されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1消耗品は、トナーカートリッジであり、
前記第1消耗品メモリには、前記第1消費情報として印刷枚数、現像ローラ回転数、および、トナー消費量のうち少なくともいずれかが記憶されており、
前記コントローラは、
前記初期化処理において、前記第1消費情報の値をゼロにする、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1消耗品は、ドラムカートリッジであり、
前記第1消耗品メモリには、前記第1消費情報として印刷枚数、および、ドラム回転数のうち少なくともいずれかが記憶されており、
前記コントローラは、
前記初期化処理において、前記第1消費情報の値をゼロにする、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第1消耗品は、印刷材を収容するカートリッジであり、
前記本体メモリまたは前記第1消耗品メモリには、前記カートリッジの容量を示す値が記憶されており、
前記第1消耗品メモリには、前記第1残量情報として印刷材残量が記憶されており、
前記コントローラは、
前記初期化処理において、前記印刷材残量の値を、前記本体メモリまたは前記第1消耗品メモリに記憶されている前記容量を表す値に書き換える、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記本体メモリには、前記画像形成装置が、前記画像形成装置に対して契約が締結されたことを意味する契約モードであるかを表すモード情報が記憶されており、
前記コントローラは、
前記モード情報が前記契約モードを表す場合に、前記受付処理を実行しない、請求項1から8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1消耗品メモリには、前記第1消耗品が、契約が締結された画像形成装置で使用可能な契約消耗品であるか、契約が締結された画像形成装置と契約が締結されていない画像形成装置とで使用可能な通常消耗品であるかを表す第1種別情報が記憶されており、
前記コントローラは、
前記第1種別情報が契約消耗品であることを表わしている場合に、前記指示にしたがって、前記第1種別情報を前記通常消耗品に変更する変更処理をさらに実行する、請求項1から8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記画像形成装置は、ディスプレイを備え、
前記コントローラは、前記第1種別情報が契約消耗品であることを表している場合に、
前記指示にしたがって、前記第1寿命情報が初期化されると前記契約消耗品は前記通常消耗品として認識される旨の第2警告と、前記第1寿命情報の初期化をするかしないかをユーザに選択させるための第2選択画面とを、前記ディスプレイに表示させる第3表示処理を実行し、
前記第2選択画面を介して初期化することが選択された場合に、前記初期化処理を実行する、請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
第1消耗品が有する第1消耗品メモリと、第2消耗品が有する第2消耗品メモリとを初期化する初期化方法であって、
画像形成装置の本体筐体に装着された前記第1消耗品および前記第2消耗品において、前記第1消耗品メモリに記憶された前記第1消耗品の寿命に関する第1寿命情報と、前記第2消耗品メモリに記憶された前記第2消耗品の寿命に関する第2寿命情報と、を初期化する指示を、前記画像形成装置が受け付ける受付ステップと、
受け付けられた前記指示にしたがって、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報を前記画像形成装置が初期化する初期化ステップと、
前記第1寿命情報が初期化されたことを表す第1初期化情報を前記画像形成装置が前記第1消耗品メモリに書き込み、前記第2寿命情報が初期化されたことを表す第2初期化情報を前記画像形成装置が前記第2消耗品メモリに書き込む書込ステップと、を含む、初期化方法。
【請求項17】
前記第1消耗品または前記第2消耗品は、交換部品を含む、
請求項16に記載の初期化方法。
【請求項18】
前記初期化ステップで初期化の対象とする前記第1消耗品および前記第2消耗品をユーザに選択させるための対象選択画面を、前記画像形成装置が、前記画像形成装置のディスプレイに表示させる第1表示ステップを含み、
前記対象選択画面を介して前記初期化ステップで初期化の対象とすることが選択された前記第1消耗品および前記第2消耗品に対して、前記画像形成装置は、前記初期化ステップを実行する、請求項16に記載の初期化方法。
【請求項19】
前記第1消耗品メモリには、前記第1消耗品が、トナーカートリッジであるか、ドラムカートリッジであるかを表す第1識別情報が記憶されており、
前記第1消耗品メモリに記憶された前記第1識別情報を、前記画像形成装置が取得する取得ステップを含み、
前記取得ステップで取得した前記第1識別情報がトナーカートリッジであることを表している場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップにて、前記第1消耗品メモリに記憶されているトナー消費量、現像ローラ回転数、および、印刷枚数のうち少なくとも何れかを初期化し、
前記取得ステップで取得した前記第1識別情報がドラムカートリッジであることを表している場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップにて、前記第1消耗品メモリに記憶されている感光ドラム回転数、および、印刷枚数のうち少なくとも何れかを初期化する、請求項16に記載の初期化方法。
【請求項20】
前記第2消耗品メモリには、前記第2消耗品が、トナーカートリッジであるか、ドラムカートリッジであるかを表す第2識別情報が記憶されており、
前記第2消耗品メモリに記憶された前記第2識別情報を、前記画像形成装置が取得する取得ステップを含み、
前記取得ステップで取得した前記第2識別情報がトナーカートリッジであることを表している場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップにて、前記第2消耗品メモリに記憶されているトナー消費量、現像ローラ回転数、および、印刷枚数のうち少なくとも何れかを初期化し、
前記取得ステップで取得した前記第2識別情報がドラムカートリッジであることを表している場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップにて、前記第2消耗品メモリに記憶されている感光ドラム回転数、および、印刷枚数のうち少なくとも何れかを初期化する、請求項16に記載の初期化方法。
【請求項21】
前記指示にしたがって、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報が初期化されると印刷品質が保証されない旨の第1警告と、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報の初期化をするかしないかをユーザに選択させるための第1選択画面とを、前記画像形成装置が、前記画像形成装置のディスプレイに表示させる第2表示ステップを含み、
前記第1選択画面を介して初期化することが選択された場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップを実行する、請求項16に記載の初期化方法。
【請求項22】
前記受付ステップでは、前記画像形成装置は、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報を初期化する指示を、前記画像形成装置の操作部を介して受け付ける、請求項16に記載の初期化方法。
【請求項23】
前記第1初期化情報は、前記第1寿命情報が初期化された回数を表す初期化回数であり、
前記第1初期化情報が表す前記第1寿命情報の前記初期化回数が、予め定められた上限回数に達しているかを、前記画像形成装置が判定する判定ステップを含み、
前記判定ステップにおいて、前記初期化回数が前記上限回数に達していると判定した場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップを実行しない、請求項16に記載の初期化方法。
【請求項24】
前記第1消耗品メモリには、前記第1寿命情報として、前記第1消耗品が使用された程度を特定するための第1消費情報、および、前記第1消耗品に残されている材料の量を特定するための第1残量情報の少なくともいずれかが記憶されている、請求項16から23のいずれか一項に記載の初期化方法。
【請求項25】
前記第1消耗品は、トナーカートリッジであり、
前記第1消耗品メモリには、前記第1消費情報として印刷枚数、現像ローラ回転数、および、トナー消費量のうち少なくともいずれかが記憶されており、
前記初期化ステップでは、前記画像形成装置は、前記第1消費情報の値をゼロにする、請求項24に記載の初期化方法。
【請求項26】
前記第1消耗品は、ドラムカートリッジであり、
前記第1消耗品メモリには、前記第1消費情報として印刷枚数、および、ドラム回転数のうち少なくともいずれかが記憶されており、
前記初期化ステップでは、前記画像形成装置は、前記第1消費情報の値をゼロにする、請求項24に記載の初期化方法。
【請求項27】
前記第1消耗品は、印刷材を収容するカートリッジであり、
前記画像形成装置の本体メモリまたは前記第1消耗品メモリには、前記カートリッジの容量を示す値が記憶されており、
前記第1消耗品メモリには、前記第1残量情報として印刷材残量が記憶されており、
前記初期化ステップでは、前記画像形成装置は、前記印刷材残量の値を、前記本体メモリまたは前記第1消耗品メモリに記憶されている前記容量を表す値に書き換える、請求項24に記載の初期化方法。
【請求項28】
前記画像形成装置の本体メモリには、前記画像形成装置が、前記画像形成装置に対して契約が締結されたことを意味する契約モードであるかを表すモード情報が記憶されており、
前記モード情報が前記契約モードを表す場合に、前記画像形成装置は、前記受付ステップを実行しない、請求項16から23のいずれか一項に記載の初期化方法。
【請求項29】
前記第1消耗品メモリには、前記第1消耗品が、契約が締結された画像形成装置で使用可能な契約消耗品であるか、契約が締結された画像形成装置と契約が締結されていない画像形成装置とで使用可能な通常消耗品であるかを表す第1種別情報が記憶されており、
前記第1種別情報が契約消耗品であることを表している場合に、前記指示にしたがって、前記画像形成装置が前記第1種別情報を前記通常消耗品に変更する変更ステップ、をさらに含む、請求項16から23のいずれか一項に記載の初期化方法。
【請求項30】
前記第1種別情報が契約消耗品であることを表している場合に、前記指示にしたがって、前記第1寿命情報が初期化されると前記契約消耗品は前記通常消耗品として認識される旨の第2警告と、前記第1寿命情報の初期化をするかしないかをユーザに選択させるための第2選択画面とを、前記画像形成装置が、前記画像形成装置のディスプレイに表示させる第3表示ステップ、を含み、
前記第2選択画面を介して初期化することが選択された場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップを実行する、請求項29に記載の初期化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置および初期化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、例えば、トナーカートリッジ、ドラムカートリッジ、インクカートリッジなどの消耗品が装着される。消耗品は、消耗品メモリを有する。消耗品メモリには、消耗品の寿命に関する寿命情報などが記憶される。
【0003】
例えば、特許文献1には、インクカートリッジに搭載されたメモリの内容をリセットするためのリセットボタンが設けられたインクカートリッジが開示されている。ユーザは、リセットボタンを手動で作動させて、メモリの内容をリセットする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
消耗品のリサイクルを促進するために、ユーザが、複雑な手順を経ずに簡易に消耗品メモリを初期化できることが求められる。
【0006】
本開示は、消耗品メモリの初期化を簡易に実施することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本開示の第1の態様の画像形成装置は、画像形成装置であって、第1消耗品および第2消耗品が装着された本体筐体と、コントローラと、本体メモリとを備え、前記第1消耗品が備える第1消耗品メモリには、前記第1消耗品の寿命に関する第1寿命情報が記憶されており、前記第2消耗品が備える第2消耗品メモリには、前記第2消耗品の寿命に関する第2寿命情報が記憶されており、前記コントローラは、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報を初期化する指示を受け付ける受付処理と、受け付けられた前記指示にしたがって、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報を初期化する初期化処理と、前記第1寿命情報が初期化されたことを表す第1初期化情報を前記第1消耗品メモリに書き込み、前記第2寿命情報が初期化されたことを表す第2初期化情報を前記第2消耗品メモリに書き込む書込処理と、を実行するものである。
【0008】
第2態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記第1消耗品または前記第2消耗品は、交換部品を含むようにしてもよい。
【0009】
第3態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記画像形成装置は、ディスプレイを備え、前記コントローラは、前記初期化処理の対象とする前記第1消耗品および前記第2消耗品をユーザに選択させるための対象選択画面を前記ディスプレイに表示させる第1表示処理を実行し、前記対象選択画面を介して前記初期化処理の対象とすることが選択された前記第1消耗品および前記第2消耗品に対して、前記初期化処理を実行するようにしてもよい。
【0010】
第4の態様の画像形成装置は、第1の態様の画像形成装置であって、前記第1消耗品メモリには、前記第1消耗品が、トナーカートリッジであるか、ドラムカートリッジであるかを表す第1識別情報が記憶されており、前記コントローラは、前記第1識別情報を取得する取得処理を実行し、前記取得処理で取得した前記第1識別情報がトナーカートリッジであることを表している場合に、前記初期化処理にて、前記第1消耗品メモリに記憶されているトナー消費量、現像ローラ回転数、および、印刷枚数のうち少なくとも何れかを初期化し、前記取得処理で取得した前記第1識別情報がドラムカートリッジであることを表している場合に、前記初期化処理にて、前記第1消耗品メモリに記憶されている感光ドラム回転数、および、印刷枚数のうち少なくとも何れかを初期化するようにしてもよい。
【0011】
第5の態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記第2消耗品メモリには、前記第2消耗品が、トナーカートリッジであるか、ドラムカートリッジであるかを表す第2識別情報が記憶されており、前記コントローラは、前記第2識別情報を取得する取得処理を実行し、前記取得処理で取得した前記第2識別情報がトナーカートリッジであることを表している場合に、前記初期化処理にて、前記第2消耗品メモリに記憶されているトナー消費量、現像ローラ回転数、および、印刷枚数のうち少なくともいずれかを初期化し、前記取得処理で取得した前記第2識別情報がドラムカートリッジであることを表している場合に、前記初期化処理にて、前記第2消耗品メモリに記憶されている感光ドラム回転数、および、印刷枚数のうち少なくともいずれかを初期化するようにしてもよい。
【0012】
第6の態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記画像形成装置は、ディスプレイを備え、前記コントローラは、前記指示にしたがって、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報が初期化されると印刷品質が保証されない旨の第1警告と、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報の初期化をするかしないかをユーザに選択させるための第1選択画面とを、前記ディスプレイに表示させる第2表示処理を実行し、前記第1選択画面を介して初期化することが選択された場合に、前記初期化処理を実行するようにしてもよい。
【0013】
第7の態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記画像形成装置は、操作部を備え、前記コントローラは、前記受付処理において、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報を初期化する指示を、前記操作部を介して受け付けるようにしてもよい。
【0014】
第8の態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記第1初期化情報は、前記第1寿命情報が初期化された回数を表す初期化回数であり、前記コントローラは、さらに、前記第1初期化情報が表す前記第1寿命情報の前記初期化回数が、予め定められた上限回数に達しているかを判定する判定処理を実行し、前記判定処理において、前記初期化回数が前記上限回数に達していると判定した場合に、前記初期化処理を実行しないようにしてもよい。
【0015】
また、第1の態様の画像形成装置であって、前記第2初期化情報は、前記第2寿命情報が初期化された回数を表す初期化回数であり、前記コントローラは、さらに、前記第2初期化情報が表す前記第2寿命情報の前記初期化回数が、予め定められた上限回数に達しているかを判定する判定処理を実行し、前記判定処理において、前記初期化回数が前記上限回数に達していると判定した場合に、前記初期化処理を実行しないようにしてもよい。
【0016】
第9の態様は、第1の態様から第8の態様のいずれか1つの画像形成装置であって、前記第1消耗品メモリには、前記第1寿命情報として、前記第1消耗品が使用された程度を特定するための第1消費情報、および、前記第1消耗品に残されている材料の量を特定するための第1残量情報の少なくともいずれかが記憶されているようにしてもよい。
【0017】
また、第1の態様から第8の態様のいずれか1つの画像形成装置であって、前記第2消耗品メモリには、前記第2寿命情報として、前記第2消耗品が使用された程度を特定するための第2消費情報、および、前記第2消耗品に残されている材料の量を特定するための第2残量情報の少なくともいずれかが記憶されているようにしてもよい。
【0018】
第10の態様は、第9の態様の画像形成装置であって、前記第1消耗品は、トナーカートリッジであり、前記第1消耗品メモリには、前記第1消費情報として印刷枚数、現像ローラ回転数、および、トナー消費量のうち少なくともいずれかが記憶されており、前記コントローラは、前記初期化処理において、前記第1消費情報の値をゼロにするようにしてもよい。
【0019】
また、前記態様の画像形成装置であって、前記第2消耗品は、トナーカートリッジであり、前記第2消耗品メモリには、前記第2消費情報として印刷枚数、現像ローラ回転数、および、トナー消費量のうち少なくともいずれかが記憶されており、前記コントローラは、前記初期化処理において、前記第2消費情報の値をゼロにするようにしてもよい。
【0020】
第11の態様は、第9の態様の画像形成装置であって、前記第1消耗品は、ドラムカートリッジであり、前記第1消耗品メモリには、前記第1消費情報として印刷枚数、および、ドラム回転数のうち少なくともいずれかが記憶されており、前記コントローラは、前記初期化処理において、前記第1消費情報の値をゼロにするようにしてもよい。
【0021】
また、前記態様の画像形成装置であって、前記第2消耗品は、ドラムカートリッジであり、前記第2消耗品メモリには、前記第1消費情報として印刷枚数、および、ドラム回転数のうち少なくともいずれかが記憶されており、前記コントローラは、前記初期化処理において、前記第2消費情報の値をゼロにするようにしてもよい。
【0022】
第12の態様は、第9の態様の画像形成装置であって、前記第1消耗品は、印刷材を収容するカートリッジであり、前記本体メモリまたは前記第1消耗品メモリには、前記カートリッジの容量を示す値が記憶されており、前記第1消耗品メモリには、前記第1残量情報として印刷材残量が記憶されており、前記コントローラは、前記初期化処理において、前記印刷材残量の値を、前記本体メモリまたは前記第1消耗品メモリに記憶されている前記容量を表す値に書き換えるようにしてもよい。
【0023】
また、前記態様の画像形成装置であって、前記第2消耗品は、印刷材を収容するカートリッジであり、前記本体メモリまたは前記第2消耗品メモリには、前記カートリッジの容量を示す値が記憶されており、前記第2消耗品メモリには、前記第2残量情報として印刷材残量が記憶されており、前記コントローラは、前記初期化処理において、前記印刷材残量の値を、前記本体メモリまたは前記第2消耗品メモリに記憶されている前記容量を表す値に書き換えるようにしてもよい。
【0024】
第13の態様は、第1の態様から第8の態様のいずれか1つの画像形成装置であって、前記本体メモリには、前記画像形成装置が、前記画像形成装置に対して契約が締結されたことを意味する契約モードであるかを表すモード情報が記憶されており、前記コントローラは、前記モード情報が前記契約モードを表す場合に、前記受付処理を実行しないようにしてもよい。
【0025】
第14の態様は、第1の態様から第8の態様のいずれか1つの画像形成装置であって、前記第1消耗品メモリには、前記第1消耗品が、契約が締結された画像形成装置で使用可能な契約消耗品であるか、契約が締結された画像形成装置と契約が締結されていない画像形成装置とで使用可能な通常消耗品であるかを表す第1種別情報が記憶されており、前記コントローラは、前記第1種別情報が契約消耗品であることを表わしている場合に、前記指示にしたがって、前記第1種別情報を前記通常消耗品に変更する変更処理をさらに実行するようにしてもよい。
【0026】
第1の態様から第8の態様のいずれか1つの画像形成装置であって、前記第2消耗品メモリには、前記第2消耗品が、契約が締結された画像形成装置で使用可能な契約消耗品であるか、契約が締結された画像形成装置と契約が締結されていない画像形成装置とで使用可能な通常消耗品であるかを表す第2種別情報が記憶されており、前記コントローラは、前記第2種別情報が契約消耗品であることを表わしている場合に、前記指示にしたがって、前記第2種別情報を前記通常消耗品に変更する変更処理をさらに実行するようにしてもよい。
【0027】
第15の態様は、第14の態様の画像形成装置であって、前記画像形成装置は、ディスプレイを備え、前記コントローラは、前記第1種別情報が契約消耗品であることを表している場合に、前記指示にしたがって、前記第1寿命情報が初期化されると前記契約消耗品は前記通常消耗品として認識される旨の第2警告と、前記第1寿命情報の初期化をするかしないかをユーザに選択させるための第2選択画面とを、前記ディスプレイに表示させる第3表示処理を実行し、前記第2選択画面を介して初期化することが選択された場合に、前記初期化処理を実行するようにしてもよい。
【0028】
また、前記態様の画像形成装置であって、前記画像形成装置は、ディスプレイを備え、前記コントローラは、前記第2種別情報が契約消耗品であることを表している場合に、前記指示にしたがって、前記第2寿命情報が初期化されると前記契約消耗品は前記通常消耗品として認識される旨の第2警告と、前記第2寿命情報の初期化をするかしないかをユーザに選択させるための第2選択画面とを、前記ディスプレイに表示させる第3表示処理を実行し、前記第2選択画面を介して初期化することが選択された場合に、前記初期化処理を実行するようにしてもよい。
【0029】
上述の課題を解決するために、本開示の第16の態様の初期化方法は、第1消耗品が有する第1消耗品メモリと、第2消耗品が有する第2消耗品メモリとを初期化する初期化方法であって、画像形成装置の本体筐体に装着された前記第1消耗品および前記第2消耗品において、前記第1消耗品メモリに記憶された前記第1消耗品の寿命に関する第1寿命情報と、前記第2消耗品メモリに記憶された前記第2消耗品の寿命に関する第2寿命情報と、を初期化する指示を、前記画像形成装置が受け付ける受付ステップと、受け付けられた前記指示にしたがって、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報を前記画像形成装置が初期化する初期化ステップと、前記第1寿命情報が初期化されたことを表す第1初期化情報を前記画像形成装置が前記第1消耗品メモリに書き込み、前記第2寿命情報が初期化されたことを表す第2初期化情報を前記画像形成装置が前記第2消耗品メモリに書き込む書込ステップと、を含む。
【0030】
第17の態様は、第16の態様の初期化方法であって、前記第1消耗品または前記第2消耗品は、交換部品を含むようにしてもよい。
【0031】
第18の態様は、第16の態様の初期化方法であって、前記初期化ステップで初期化の対象とする前記第1消耗品および前記第2消耗品をユーザに選択させるための対象選択画面を、前記画像形成装置が、前記画像形成装置のディスプレイに表示させる第1表示ステップを含み、前記対象選択画面を介して前記初期化ステップで初期化の対象とすることが選択された前記第1消耗品および前記第2消耗品に対して、前記画像形成装置は、前記初期化ステップを実行するようにしてもよい。
【0032】
第19の態様は、第16の態様の初期化方法であって、前記第1消耗品メモリには、前記第1消耗品が、トナーカートリッジであるか、ドラムカートリッジであるかを表す第1識別情報が記憶されており、前記第1消耗品メモリに記憶された前記第1識別情報を、前記画像形成装置が取得する取得ステップを含み、前記取得ステップで取得した前記第1識別情報がトナーカートリッジであることを表している場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップにて、前記第1消耗品メモリに記憶されているトナー消費量、現像ローラ回転数、および、印刷枚数のうち少なくとも何れかを初期化し、前記取得ステップで取得した前記第1識別情報がドラムカートリッジであることを表している場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップにて、前記第1消耗品メモリに記憶されている感光ドラム回転数、および、印刷枚数のうち少なくとも何れかを初期化するようにしてもよい。
【0033】
第20の態様は、第16の態様の初期化方法であって、前記第2消耗品メモリには、前記第2消耗品が、トナーカートリッジであるか、ドラムカートリッジであるかを表す第2識別情報が記憶されており、前記第2消耗品メモリに記憶された前記第2識別情報を、前記画像形成装置が取得する取得ステップを含み、前記取得ステップで取得した前記第2識別情報がトナーカートリッジであることを表している場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップにて、前記第2消耗品メモリに記憶されているトナー消費量、現像ローラ回転数、および、印刷枚数のうち少なくとも何れかを初期化し、前記取得ステップで取得した前記第2識別情報がドラムカートリッジであることを表している場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップにて、前記第2消耗品メモリに記憶されている感光ドラム回転数、および、印刷枚数のうち少なくとも何れかを初期化するようにしてもよい。
【0034】
第21の態様は、第16の態様の初期化方法であって、前記指示にしたがって、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報が初期化されると印刷品質が保証されない旨の第1警告と、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報の初期化をするかしないかをユーザに選択させるための第1選択画面とを、前記画像形成装置が、前記画像形成装置のディスプレイに表示させる第2表示ステップを含み、前記第1選択画面を介して初期化することが選択された場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップを実行するようにしてもよい。
【0035】
第22の態様は、第16の態様の初期化方法であって、前記受付ステップでは、前記画像形成装置は、前記第1寿命情報および前記第2寿命情報を初期化する指示を、前記画像形成装置の操作部を介して受け付けるようにしてもよい。
【0036】
第23の態様は、第16の態様の初期化方法であって、前記第1初期化情報は、前記第1寿命情報が初期化された回数を表す初期化回数であり、前記第1初期化情報が表す前記第1寿命情報の前記初期化回数が、予め定められた上限回数に達しているかを、前記画像形成装置が判定する判定ステップを含み、前記判定ステップにおいて、前記初期化回数が前記上限回数に達していると判定した場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップを実行しないようにしてもよい。
【0037】
第24の態様は、第16の態様から第23の態様のいずれか1つの初期化方法であって、前記第1消耗品メモリには、前記第1寿命情報として、前記第1消耗品が使用された程度を特定するための第1消費情報、および、前記第1消耗品に残されている材料の量を特定するための第1残量情報の少なくともいずれかが記憶されているようにしてもよい。
【0038】
第25の態様は、第24の態様の初期化方法であって、前記第1消耗品は、トナーカートリッジであり、前記第1消耗品メモリには、前記第1消費情報として印刷枚数、現像ローラ回転数、および、トナー消費量のうち少なくともいずれかが記憶されており、前記初期化ステップでは、前記画像形成装置は、前記第1消費情報の値をゼロにするようにしてもよい。
【0039】
第26の態様は、第24の態様の初期化方法であって、前記第1消耗品は、ドラムカートリッジであり、前記第1消耗品メモリには、前記第1消費情報として印刷枚数、および、ドラム回転数のうち少なくともいずれかが記憶されており、前記初期化ステップでは、前記画像形成装置は、前記第1消費情報の値をゼロにするようにしてもよい。
【0040】
第27の態様は、第24の態様の初期化方法であって、前記第1消耗品は、印刷材を収容するカートリッジであり、前記画像形成装置の本体メモリまたは前記第1消耗品メモリには、前記カートリッジの容量を示す値が記憶されており、前記第1消耗品メモリには、前記第1残量情報として印刷材残量が記憶されており、前記初期化ステップでは、前記画像形成装置は、前記印刷材残量の値を、前記本体メモリまたは前記第1消耗品メモリに記憶されている前記容量を表す値に書き換えるようにしてもよい。
【0041】
第28の態様は、第16の態様から第23の態様のいずれか1つの初期化方法であって、前記画像形成装置の本体メモリには、前記画像形成装置が、前記画像形成装置に対して契約が締結されたことを意味する契約モードであるかを表すモード情報が記憶されており、前記モード情報が前記契約モードを表す場合に、前記画像形成装置は、前記受付ステップを実行しないようにしてもよい。
【0042】
第29の態様は、第16の態様から第23の態様のいずれか1つの初期化方法であって、前記第1消耗品メモリには、前記第1消耗品が、契約が締結された画像形成装置で使用可能な契約消耗品であるか、契約が締結された画像形成装置と契約が締結されていない画像形成装置とで使用可能な通常消耗品であるかを表す第1種別情報が記憶されており、前記種別情報が契約消耗品であることを表している場合に、前記指示にしたがって、前記画像形成装置が前記種別情報を前記通常消耗品に変更する変更ステップ、をさらに含むようにしてもよい。
【0043】
第30の態様は、第29の態様の初期化方法であって、前記第1種別情報が契約消耗品であることを表している場合に、前記指示にしたがって、前記第1寿命情報が初期化されると前記契約消耗品は前記通常消耗品として認識される旨の第2警告と、前記第1寿命情報の初期化をするかしないかをユーザに選択させるための第2選択画面とを、前記画像形成装置が、前記画像形成装置のディスプレイに表示させる第3表示ステップ、を含み、前記第2選択画面を介して初期化することが選択された場合に、前記画像形成装置は、前記初期化ステップを実行するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0044】
第1の態様の画像形成装置によれば、ユーザは、画像形成装置を用いて、第1消耗品の第1消耗品メモリおよび第2消耗品の第2消耗品メモリの初期化を簡易に実施することができる。従って、ユーザは、画像形成装置を用いて、複数の消耗品メモリの初期化を一度の指示で簡易に実施することができる。
【0045】
第2の態様の画像形成装置によれば、ユーザは、画像形成装置を用いて、交換部品の第1消耗品メモリまたは第2消耗品メモリの初期化を簡易に実施することができる。従って、ユーザは、画像形成装置を用いて、複数の消耗品と複数の交換部品との初期化を一度の指示で簡易に実施することができる。
【0046】
第3の態様の画像形成装置によれば、ユーザは、ディスプレイに表示された対象選択画面から第1消耗品および第2消耗品を選択することによって、第1消耗品の第1消耗品メモリおよび第2消耗品の第2消耗品メモリの初期化を簡易に実施することができる。従って、ユーザは、対象選択画面から一度に複数の消耗品を選択することによって、選択した複数の消耗品の消耗品メモリの初期化を簡易に実施することが可能となる。
【0047】
第4の態様の画像形成装置によれば、ユーザは、第1消耗品がトナーカートリッジであるか、ドラムカートリッジであるかに応じて、第1消耗品メモリに記憶されている異なる第1寿命情報の初期化を簡易に実施することができる。
【0048】
第5の態様の画像形成装置によれば、ユーザは、第2消耗品がトナーカートリッジであるか、ドラムカートリッジであるかに応じて、第2消耗品メモリに記憶されている異なる第2寿命情報の初期化を簡易に実施することができる。
【0049】
第6の態様の画像形成装置によれば、ユーザは、第1消耗品および第2消耗品のリサイクル品において印刷品質が保証されないことを理解した上で、画像形成装置を用いて、第1消耗品メモリおよび第2消耗品メモリの初期化を実施することができる。
【0050】
第7の態様の画像形成装置によれば、ユーザは、操作部を介して、画像形成装置に対して、第1消耗品メモリおよび第2消耗品メモリの初期化を簡易に指示することができる。
【0051】
第8の態様の画像形成装置によれば、許容されている初期化回数を超えて、第1消耗品メモリが初期化されることを禁止するので、許容されているリサイクル回数を超えて第1消耗品がリサイクルされることを防止できる。
【0052】
第9の態様の画像形成装置によれば、第1消耗品メモリに記憶されている第1消費情報および第1残量情報の少なくともいずれかの初期化を簡易に実施することができる。
【0053】
第10の態様の画像形成装置によれば、リサイクルする第1消耗品がトナーカートリッジである場合は、印刷枚数、現像ローラ回転数、および、トナー消費量などの、トナーカートリッジの寿命を把握するための消費情報が適正に初期化される。そのため、リサイクル前の消費情報が残っているためにリサイクル後のトナーカートリッジの寿命を適切に把握できないといった不都合を回避することができる。
【0054】
第11の態様の画像形成装置によれば、リサイクルする第1消耗品がドラムカートリッジである場合は、印刷枚数、および、ドラム回転数などの、ドラムカートリッジの寿命を把握するための消費情報が適正に初期化される。そのため、リサイクル前の消費情報が残っているためにリサイクル後のドラムカートリッジの寿命を適切に把握できないといった不都合を回避することができる。
【0055】
第12の態様の画像形成装置によれば、リサイクルする第1消耗品がトナーカートリッジまたはインクカートリッジの場合は、残量情報、具体的には、印刷のたびに消費される印刷材の残量が適正に初期化される。そのため、リサイクル前の残量情報(印刷材残量)が残っているために、リサイクル後のトナーカートリッジまたはインクカートリッジの寿命を適切に把握できないといった不都合を回避することができる。
【0056】
第13の態様の画像形成装置によれば、契約が締結された画像形成装置において、第1消耗品メモリに記憶される第1寿命情報および第2消耗品メモリに記憶される第2寿命情報が初期化されることを禁止できる。
【0057】
第14の態様の画像形成装置によれば、第1消耗品が契約消耗品である場合は、第1消耗品が契約消耗品としてリサイクルされることを防止しつつ、通常消耗品としてリサイクルされることを促進することができる。
【0058】
第15の態様の画像形成装置によれば、ユーザは、契約消耗品である第1消耗品を初期化すると、契約消耗品である第1消耗品は、リサイクル後、通常消耗品として取り扱われることを理解することができる。その後、ユーザは、第1消耗品が通常消耗品として取り扱われることを理解した上で、画像形成装置を用いて、第1消耗品メモリの初期化を実施することができる。
【0059】
なお、第16の態様~第30の態様の初期化方法のそれぞれについては、これらの態様に係る初期化方法に対応する、第1の態様~第15の態様のいずれかの画像形成装置と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】本開示の実施形態における画像形成システムの概要を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態における画像形成装置の概略図である。
【
図3】ドラムカートリッジおよびトナーカートリッジを含む画像形成装置の要部構成を示す図である。
【
図4】本体メモリに記憶されている使用履歴情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】トナーメモリに記憶されているトナーカートリッジ情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】ドラムメモリに記憶されているドラムカートリッジ情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】リサイクル準備フェーズにおいて画像形成装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図7の待機画面を表示する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図7の初期化が可能か否かをチェックする処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】
図7の初期化する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】
図10のトナーカートリッジ情報を初期化する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】
図10のドラムカートリッジ情報を初期化する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】初期化対象を選択する対象選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
〔実施形態1〕
以下、本開示の実施形態について図を参照しつつ説明する。本実施形態では、一例として、画像形成装置がレーザープリンタであり、画像形成とは、印刷である場合について説明する。しかしながら、画像形成装置は、レーザープリンタ以外のプリンタであってもよい。例えば、画像形成装置1は、インクジェットプリンタであってもよい。
【0062】
<画像形成システムの概要>
図1は、本開示の実施形態における画像形成システム100の概要を示す図である。画像形成システム100では、事業者とユーザとの間で締結された契約に基づいて、事業者からユーザの画像形成装置1に対し、印刷サービスが提供される。以下では、契約に基づいて提供される定額印刷サービスを契約サービスと称する。そして、提供された契約サービスを利用して画像形成装置1が実行する印刷を、契約と無関係に実行される通常の印刷と区別して、契約印刷と称する。契約と無関係に実行される通常の印刷は、以下では、通常印刷と称する。
【0063】
図1に示すように、画像形成システム100は、複数の画像形成装置1と、サーバ8と、ユーザ端末9とを含んで構成される。ユーザが利用する画像形成装置1は、通常印刷を実行する装置として機能するが、後述するように、契約サービスの利用が許可されると、画像形成装置1は、契約印刷を実行する装置として機能することができる。事業者が利用するサーバ8は、契約が締結されて、契約サービスの利用が許可された画像形成装置1を管理するための装置である。以下では、契約が締結されて、契約サービスの利用が許可された画像形成装置1を契約機と称する。
【0064】
ユーザが利用するユーザ端末9は、サーバ8と通信して、契約の締結、解除、および、その他の手続を実行するための装置である。ユーザ端末9としては、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン等、標準的な通信機能を備えた情報処理端末が採用され得る。画像形成システム100を構成する各装置は、インターネットなどの通信ネットワークを介して、互いに通信することができる。
【0065】
図1に示す複数の画像形成装置1は、同一のユーザによって購入された画像形成装置であってもよいし、他のユーザによって購入された画像形成装置であってもよい。
【0066】
複数の画像形成装置1のそれぞれは、ユーザが事業者と契約することによって、契約専用の消耗品または交換部品を使用することができる画像形成装置である。契約は、一例として、契約サービスを提供する事業者と、ユーザとの間で、契約サービスの利用期間、利用料金、上限枚数などが取り決められた上で、事業者がユーザに契約サービスを提供することを双方が了承することである。すなわち、本実施形態の画像形成装置1は、契約サービスの契約が締結された後、締結された契約の内容に基づく印刷である契約印刷を実行することが可能になる画像形成装置である。
【0067】
画像形成システム100では、事業者からユーザに提供される契約サービスにおいて、下記(1)および(2)のタイミングは異なっていてもよい。
【0068】
(1)サーバ8が、画像形成装置1を契約が締結された契約機として認識するタイミング
(2)サーバ8が、画像形成装置1において契約サービスの利用が開始されたとみなすタイミング
すなわち、契約サービスにおいて、サーバ8が画像形成装置1を「契約機ではあるが、まだ契約サービスの利用は開始されていない」と認識することがあってもよい。
【0069】
なお、(1)の「サーバ8が画像形成装置1を契約機として認識する」ことは、画像形成装置1が、契約が締結されていないことを意味する非契約モードから、契約が締結されたことを意味する契約モードへと状態を移行させたことをトリガに実行されてもよい。
【0070】
また、(2)において「契約サービスの利用が開始されたとみなす」ことは、あくまで、「契約サービスの利用が某日時より開始された」ということをサーバ8が認識したことを意味する。したがって、サーバ8が契約サービスの利用が開始されたとみなすタイミングは、画像形成装置1が実際に契約印刷を実行したタイミングと一致しなくてもよい。
【0071】
以下では、特段の記載が無い限り、契約サービスは有料のサービスであることとする。そして、(1)のタイミングは、サーバ8が画像形成装置1を契約機として認識したタイミングであって、課金開始のトリガとはならず、(2)のタイミングが、課金開始のタイミングであるとする。
【0072】
他の例では、上述の(1)のタイミングと(2)のタイミングとはほぼ同時であってもよい。一例として、契約サービス専用であって、契約印刷に使用されるカートリッジ(消耗品)が装着されたことをトリガとして、上述の(1)および(2)が起こってもよい。以下では、契約印刷に使用される契約サービス専用のカートリッジを契約カートリッジと称する。例えば、画像形成装置1は、装着された契約カートリッジのカートリッジメモリから所定の情報を読み出し、所定の情報をサーバ8に送信する。所定の情報を画像形成装置1から受信したサーバ8は、画像形成装置1を契約機として認識するとともに、画像形成装置1において契約サービスの利用が開始されたとみなす。
【0073】
なお、画像形成装置1には、ディスプレイやランプなどの表示部と、ボタンなどの操作部とが設けられている。また、ディスプレイは、タッチパネルと一体に構成されることにより、操作部として機能するように構成されてもよい。
【0074】
<画像形成装置1の構造概要>
図2は、画像形成装置1の概略図である。
図3は、ドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4を含む画像形成装置1およびサーバ8の内部構造を示す図である。
【0075】
図2に示すように、画像形成装置1は、本体筐体10と、カバー11とから構成される。なお、画像形成装置1には、図示されていないが、ディスプレイやランプなどの表示部と、ボタンなどの入力部とが設けられていてもよい。また、ディスプレイは、タッチパネルと一体に構成されることにより、入力部として機能するように構成されてもよい。
【0076】
(本体筐体10)
画像形成装置1の本体筐体10には、トナーカートリッジ4が装着される。詳しくは後述するが、トナーカートリッジ4は、ドラムカートリッジ20に装着されることで、ドラムカートリッジ20と一体となる。つまり、トナーカートリッジ4は、ドラムカートリッジ20に装着された状態で、ドラムカートリッジ20と共に、本体筐体10へ装着される。これにより、ドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4を含む画像形成装置1が実現する。
【0077】
なお、本実施形態の画像形成装置1では、印刷を行うために4個のトナーカートリッジ4の装着が必要であることとする。すなわち、本実施形態の画像形成装置1は、4個のドラムカートリッジ20と、4個のトナーカートリッジ4が装着可能に構成されている。しかしながら、画像形成装置1に装着されるドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4の個数は、
図2の例に限定されない。例えば、画像形成装置1は、1個のドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4が装着可能なモノクロプリンタであってもよい。
【0078】
トナーカートリッジ4は、画像形成装置1が印刷の際に消費するトナーを含んでいる。すなわち、トナーカートリッジ4は画像形成装置1にとっての消耗品である。また、ドラムカートリッジ20は、画像形成装置1の印刷の際に用いる感光体ドラム21を含んでいる。ドラムカートリッジ20も、画像形成装置1にとっての消耗品の一例である。また、ドラムカートリッジ20は、トナーカートリッジ4と共に使われる交換部品の一例である。
【0079】
本体筐体10は、例えば矩形の箱状である。4つのドラムカートリッジ20、4つのトナーカートリッジ4、転写ベルト70、コントローラ61、本体メモリ62、通信部63、操作部64およびディスプレイ65は、本体筐体10に収容される。なお、操作部64がハードウェアボタンである場合、操作部64の押下面は、ユーザが操作できるように本体筐体10の外表面に設けられてもよい。また、ディスプレイ65の表示面は、ユーザが表示された情報を視認できるように本体筐体10の外表面に設けられてもよい。
【0080】
本体筐体10は、4つのカートリッジ保持部13を有する。カートリッジ保持部13は、凹状に形成されており、開口を有する。ドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4は、カートリッジ保持部13のそれぞれに保持されることで本体筐体10に装着される。
【0081】
(カバー11)
画像形成装置1のカバー11には、各ドラムカートリッジ20に対応した光源ユニット50が備えられている。つまり、画像形成装置1は、4つの光源ユニット50を備える。カバー11は、
図2において実線で示す開口10Aを開ける開位置と、
図2において二点鎖線で示す開口10Aを閉じる閉位置との間で、第1方向に延びる回動軸11Aを中心に回動可能(移動可能)である。カバー11の回動によって、本体筐体10の上端に設けられた開口10Aが開閉される。
【0082】
なお、「第1方向」とは、トナーカートリッジにおける現像ローラの回転中心軸(現像軸)が延びる方向を示す。カバー11が開位置に配置されたときには、カートリッジ保持部13のそれぞれの開口が開放される。カバー11が閉位置に配置されたときには、カートリッジ保持部13のそれぞれの開口が、カバー11により覆われる。
【0083】
本体筐体10には、開口10Aに閉センサ12が設けられている。閉センサ12は、コントローラ61に電気的に接続されている。閉センサ12は、カバー11が開口10Aを閉じる閉位置にあることを検知するセンサである。コントローラ61は、閉センサ12からカバー11が閉位置にあることを検知する信号が入力されている場合は、カバー11が閉位置にあると判定する。一方、コントローラ61は、閉センサ12からカバー11が閉位置にあることを検知する信号が入力されていない場合は、カバー11が開放されていると判定する。閉センサ12は、例えば、接触型のセンサであってもよいし、光学型のセンサであってもよい。
【0084】
(トナーカートリッジ4)
トナーカートリッジ4は、現像ローラ41と、印刷材の一例としての現像剤(例えばトナー)とを収容可能なカートリッジ筐体を有する。カートリッジ筐体は、本体筐体10に装着可能である。4つのトナーカートリッジ4は、画像形成を行うために使用される材料として、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)の現像剤を収容する。現像剤は、使用に伴って消費される材料である。現像ローラ41は、第1方向に延びる円筒状の部材であり、第1方向に延びる現像軸を中心に回転可能である。トナーカートリッジ4がドラムカートリッジ20に装着されると、感光体ドラム21の外周面は、現像ローラ41の外周面と接触する。
【0085】
また、トナーカートリッジ4は、
図3に示すように、トナーメモリ42(第1消耗品メモリまたは第2消耗品メモリ)を有する。トナーメモリ42は、トナーカートリッジ4の第1方向における一方側の外表面に配置される。トナーメモリ42は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリ、例えば、フラッシュROM(Read Only Memory)またはEEPROM(登録商標,Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。
【0086】
トナーメモリ42は、トナーカートリッジ4に関する情報であるトナーカートリッジ情報420を記憶する。トナーカートリッジ情報420のデータ構造については、
図5を参照して後述する。
【0087】
(ドラムカートリッジ20)
ドラムカートリッジ20は、本体筐体10に装着可能なカートリッジ筐体を有している。カートリッジ筐体は、画像形成を行うために使用される部品として、感光体ドラム21を含む。ドラムカートリッジ20は、使用に伴って、感光体ドラム21の表面の磨耗などの劣化が生じるために交換が必要となる交換部品である。感光体ドラム21は、第1方向に延びる円筒状の感光体である。感光体ドラム21は、第1方向に延びるドラム軸を中心に回転可能である。感光体ドラム21の外周面は、感光材料に覆われている。
【0088】
従って、トナーカートリッジ4は第1消耗品または第2消耗品の一例である。また、ドラムカートリッジ20は、第1消耗品または第2消耗品の一例である。また、ドラムカートリッジ20は、交換部品の一例である。
【0089】
また、ドラムカートリッジ20は、ドラムメモリ22(第1消耗品メモリまたは第2消耗品メモリ)を有していてもよい。ドラムメモリ22は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。ドラムメモリ22は、例えばフラッシュROMまたはEEPROM(登録商標)である。
【0090】
ドラムメモリ22は、
図3に示すように、ドラムカートリッジ20に関する情報であるドラムカートリッジ情報220を記憶する。ドラムカートリッジ情報220のデータ構造については、
図6を参照して後述する。
【0091】
<カートリッジの装着と印刷機構>
図2に示すように、ドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4は、カバー11が開位置に配置された状態で、本体筐体10に装着される。この状態で、ドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4は、開口10Aからカートリッジ保持部13に挿入される。
【0092】
4つの光源ユニット50は、カバー11の内表面に取り付けられている。光源ユニット50は、本体筐体10にドラムカートリッジ20が装着されて、カバー11が閉位置にある状態で、感光体ドラム21の表面と向かい合って配置されている。また、光源ユニット50は、第1方向に配列された複数の光源を有する。光源は、感光体ドラム21の外周面に、光を照射可能である。光源は、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)である。
【0093】
光源ユニット50は、コントローラ61と電気的に接続されている。コントローラ61は、入力された画像データに応じて、光源ユニット50の複数の光源を発光させる。光源は、感光体ドラム21の外周面に向けて光を照射する。その結果、感光体ドラム21の外周面の感光材料が、画像データに応じて露光される。
【0094】
転写ベルト70は、感光体ドラムの表面にある現像剤(例えば、トナー)を、印刷用紙へ転写する部品である。転写ベルト70は、使用に伴って、表面の磨耗などの劣化が生じるために交換が必要となる交換部品である。転写ベルト70は、感光体ドラム21と接触可能なベルトであって、環状(無端帯)である。感光体ドラム21の外周面は、転写ベルト70の外周面と接触可能である。印刷処理時には、印刷用紙が、転写ベルト70と感光体ドラム21との間へ搬送される。
【0095】
転写ベルト70は、駆動ローラ71と従動ローラ72との間に掛け渡されている。駆動ローラ71は、転写ベルト70を駆動する。コントローラ61は、駆動ローラ71を回転させる。従動ローラ72は、駆動ローラ71の駆動に伴う転写ベルト70の移動に従い、回転する。
【0096】
<本体筐体の内部構造>
コントローラ61は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)を有する。コントローラ61は、画像形成装置1の本体筐体10に設けられた、本体メモリ62および通信部63と電気的に接続されている。
図3には示されていないが、操作部64およびディスプレイ65もまたコントローラ61と電気的に接続されている。コントローラ61は、種々の動作を実行することによって、画像形成装置1に印刷に関連する各種処理を行わせる。
【0097】
なお、コントローラ61は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えてもよい。この場合、本体メモリ62に、画像形成装置の制御方法を実現する制御プログラムが保存され、プロセッサが制御プログラムにしたがって動作することによって、コントローラ61が画像形成装置1に各種処理を行わせてもよい。
【0098】
また、コントローラ61は、制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な、本体メモリ62などの記録媒体を備えていてもよい。記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、制御プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを利用してもよい。また、制御プログラムは、制御プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、制御プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0099】
図3に示すように、画像形成装置1は、コネクタ101およびコネクタ102を有する。ドラムカートリッジ20が
図2に示すカートリッジ保持部13に挿入された状態で、コネクタ101がドラムメモリ22と電気的に接続されることより、コントローラ61がドラムカートリッジ20のドラムメモリ22と通信可能になる。すなわち、コントローラ61は、ドラムメモリ22からの情報の読出処理と、ドラムメモリ22への情報の書込処理(書き換え処理を含む)とを実行することが可能となる。
【0100】
また、トナーカートリッジ4が本体筐体10に装着された状態で、コネクタ102がトナーメモリ42と電気的に接続されることより、コントローラ61がトナーカートリッジ4のトナーメモリ42と通信可能になる。すなわち、コントローラ61は、トナーメモリ42からの情報の読出処理と、トナーメモリ42への情報の書込処理(書き換え処理を含む)とを実行することが可能となる。
【0101】
本体メモリ62は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。本体メモリ62は、例えばフラッシュROMまたはEEPROM(登録商標)である。本体メモリ62は、1つ以上の記憶領域を有し、各領域には、一例として、以下の各種情報が記憶されている。
【0102】
カートリッジ情報621は、画像形成装置1に装着されるカートリッジに関する情報である。具体的には、カートリッジ情報621は、各色のトナーカートリッジ4のトナーメモリ42から読み出されるトナーカートリッジ情報420を、トナーカートリッジ4ごとに識別できるように含んでいる。また、カートリッジ情報621は、ドラムカートリッジ20のドラムメモリ22から読み出されるドラムカートリッジ情報220を、ドラムカートリッジ20ごとに識別できるように含んでいる。
【0103】
トナーカートリッジ情報420は、一例として、トナーカートリッジ4の寿命と関連する第1寿命情報を含む。ドラムカートリッジ情報220は、一例として、ドラムカートリッジ20の寿命と関連する第2寿命情報を含む。カートリッジ情報621として記憶されるトナーカートリッジ情報420およびドラムカートリッジ情報220のデータ構造の詳細については、
図5および
図6を参照して後述する。
【0104】
本実施形態では、各カートリッジのメモリから読み出されたカートリッジ情報(ドラムカートリッジ情報220およびトナーカートリッジ情報420)は、コントローラ61が、カートリッジの状態を正確に判定するために参照される。コントローラ61は、カートリッジの状態を正確に把握することにより、カートリッジが適正にリサイクルされるために、カートリッジ情報を適正に初期化することができる。
【0105】
以下では、「カートリッジをリサイクル」するとは、カートリッジの構成要素のうち、交換が必要となった部品のみを交換または補充することにより、カートリッジを印刷の使用に適した状態へと復元することを指す。すなわち、カートリッジのリサイクルは、消費された材料を補充することだけでなく、劣化した交換部品を新しいものに交換することも含む。以下では、材料の補充または部品の交換などによってリサイクルされたカートリッジ(消耗品)を、リサイクルカートリッジ(リサイクル品)と称する。
【0106】
装置ID622は、画像形成装置1を識別するための識別情報である。装置ID622とは、例えば画像形成装置1のシリアルナンバーである。
【0107】
モード情報623は、画像形成装置1の動作モードを示す情報である。本実施形態では、一例として、「契約モード」と、「非契約モード」との2種類のモードが定義される。「契約モード」は、画像形成装置1が画像形成システム100上で、契約が締結された契約機として動作することを意味する。「非契約モード」は、画像形成装置1が契約機ではなく、契約が締結されていない通常の画像形成装置として動作することを意味する。
【0108】
画像形成装置1の出荷時において、本体メモリ62には、デフォルトで非契約モードに対応する値を表すモード情報623が記憶されている。サーバ8は、契約を結んだユーザの画像形成装置1に、契約モードに移行することを指示する契約移行指示を含んだリクエストを送信する。コントローラ61は、サーバ8からのリクエストにしたがって、モード情報623を、非契約モードから契約モードへと変更する。本実施形態では、一例として、このようにコントローラ61が、モード情報623の値を、非契約モードから契約モードへと変更することを、「契約モードへの移行」と呼ぶ。
【0109】
使用履歴情報624は、画像形成装置1において、リサイクルカートリッジを使用した履歴を表す情報である。使用履歴情報624は、一例として、画像形成装置1に装着されたリサイクルカートリッジの本数を示す情報であってもよい。他の例では、使用履歴情報624は、リサイクルカートリッジのカートリッジIDと、リサイクル回数との組合せを保持するテーブルであってもよい。さらに他の例では、使用履歴情報624は、リサイクルカートリッジが1度でも装着されたことがあるか、1度も装着されたことがないかを示すフラグであってもよい。
【0110】
図4は、本体メモリ62に記憶されている、上述のテーブルとしての使用履歴情報624のデータ構造の一例を示す図である。カートリッジIDとは、画像形成装置1に装着されたリサイクルカートリッジを一意に識別する識別情報である。リサイクル回数とは、リサイクルカートリッジが装着された時点において、装着されたリサイクルカートリッジがこれまでリサイクルされた回数を示す情報である。
【0111】
例えば、画像形成装置1に装着されたリサイクルカートリッジがトナーカートリッジ4の場合には、コントローラ61は、トナーメモリ42に記憶される後述のトナーID421(
図5参照)を読み出し、カートリッジIDとして使用履歴情報624に記憶する。コントローラ61は、トナーID421の一例として「TON0001」を使用履歴情報624に記憶する。「TON」は、トナーカートリッジ4であることを表わしている。「0001」は、トナーカートリッジ4に固有のシリアルナンバーである。また、コントローラ61は、トナーメモリ42に記憶される後述のリサイクル回数429(
図5参照)を読み出し、リサイクル回数として使用履歴情報624に記憶する。
【0112】
また、例えば、画像形成装置1に装着されたリサイクルカートリッジがドラムカートリッジ20の場合は、コントローラ61は、ドラムメモリ22に記憶される後述のドラムID221(
図6参照)を読み出し、カートリッジIDとして使用履歴情報624に記憶する。コントローラ61は、ドラムID221の一例として「DRM0056」を使用履歴情報624に記憶する。「DRM」は、ドラムカートリッジ20であることを表わしている。「0056」は、ドラムカートリッジ20に固有のシリアルナンバーである。また、コントローラ61は、ドラムメモリ22に記憶される後述のリサイクル回数226(
図6参照)を読み出し、リサイクル回数として使用履歴情報624に記憶する。
【0113】
コントローラ61は、
図4に示す使用履歴情報624を参照することにより、画像形成装置1においてリサイクルカートリッジが装着された本数をカウントするにあたり、カートリッジIDだけでなくリサイクル回数も区別してカウントすることができる。つまり、コントローラ61は、同一のカートリッジIDを持つ1本のカートリッジについて、リサイクル回数が1回目のときの装着と、リサイクル回数が2回目のときの装着とを、区別してカウントすることができる。
【0114】
上限情報625は、カートリッジに許容されているリサイクルの回数の上限を表す情報である。本実施形態では、上限情報625が含むリサイクルの上限回数を超えて、カートリッジがリサイクルされることは禁止される。例えば、コントローラ61は、カートリッジのリサイクル回数と上限情報625とを比較して、リサイクル回数に達しているカートリッジについては、リサイクルのためのカートリッジ情報の初期化を行わないように制御することができる。従って、上限情報625は、トナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20とのそれぞれのリサイクルの上限回数を含んでいる。
【0115】
第1枚数カウンタ626は、画像形成装置1における印刷枚数の累計である。第2枚数カウンタ627は、画像形成装置1において契約サービスを利用して印刷した印刷物の枚数を示す。第2枚数カウンタ627は、画像形成装置1が非契約モードから契約モードに移行する度に0にカウントリセットされてもよいし、今まで画像形成装置1において契約サービスを利用して印刷した印刷物の枚数の累計であってもよい。以降、特段の記載がない限り、第2枚数カウンタ627の値は、今まで契約印刷として印刷した枚数の累計であることとする。
【0116】
仕様情報628は、画像形成装置1の仕様を表す情報である。本実施形態では、一例として、画像形成装置1および消耗品は、これらが使用される国の事情に適合する仕様にて製造されている。画像形成装置1および消耗品には、例えば、「EU(欧州)」向け、「US(米国)」向け、「JP(日本)」向けの3つの仕様がある。仕様情報628は、上述のいずれかの仕様を示す。
【0117】
本体メモリ62は、上述した情報の他に、例えば、画像形成装置1における累計印刷枚数を記憶するための領域、画像形成装置1において発生しているエラー状態を記憶するための領域などを有していてもよい。
【0118】
通信部63は、例えばインターネットなどの通信ネットワークを介して、画像形成装置1とサーバ8との通信を行う。通信部63は、サーバ8から受信したリクエストをコントローラ61に出力する。一例として、「リクエスト」とは、契約に関連して実施される処理において、サーバ8から送信される各種の要求、指示、問合せなどを指す。通信部63は、コントローラ61が、上述のリクエストに応答して演算し、出力した結果を、「レスポンス」としてサーバ8に返信する。
【0119】
本実施形態では、通信部63によるレスポンスの返信は省略されてもよい。例えば、リクエストが、画像形成装置1内の各種の設定を変更する指示である場合、コントローラ61は指示にしたがって画像形成装置1内の各種の設定を変更する。しかし、設定が変更された旨の通知を通信部63を介してサーバ8に返信することは省略されてもよい。
【0120】
<サーバの構成>
サーバ8は、サーバ通信部83と、サーバメモリ82と、サーバ制御部81(制御部)を備えている。サーバ通信部83は、サーバ8と画像形成装置1との通信を行う通信インタフェースである。サーバ通信部83は、サーバ制御部81から入力されたリクエストを画像形成装置1に送信する。サーバ通信部83は、送信したリクエストに応じて画像形成装置1から送られてきたレスポンスを受信し、サーバ制御部81に出力する。
【0121】
また、サーバ通信部83は、画像形成装置1のユーザが操作するユーザ端末9と通信ネットワークを介して通信し、ユーザ端末9との間で情報を送受信する。本実施形態では、サーバ通信部83は、ユーザ端末9との間で、契約締結のために必要な各種情報を送受信する。
【0122】
サーバメモリ82は、サーバ8の動作に必要なデータを記憶する記憶装置である。サーバメモリ82は、画像形成システム100において提供される契約サービスに加入する画像形成装置1ごとに装置情報821を記憶する。装置情報は、例えば、装置ID622、契約フラグ、契約上限枚数、画像形成装置1の型番、製造年月日等を含んでいてもよい。
【0123】
装置ID622は、サーバ8が画像形成装置1を一意に識別するための識別情報である。契約フラグは、画像形成装置1が契約モードに移行したか否か、すなわち、契約機として認識済みであるか否かを表す情報である。契約上限枚数は、画像形成装置1が、契約で定められた所定の期間において契約印刷可能な上限の枚数を示す。
【0124】
サーバ制御部81は、サーバ8を統括的に制御するCPUである。サーバ制御部81は所定のタイミングで、画像形成装置1にリクエストを作成し、作成したリクエストをサーバ通信部83に出力する。
【0125】
また、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して画像形成装置1から受信したレスポンスに基づいて、サーバメモリ82に装置情報を新規に記憶させたり、既に記憶されている装置情報を更新したりする。
【0126】
<カートリッジ情報のデータ構造>
(トナーカートリッジ情報)
図5は、トナーメモリ42に記憶されているトナーカートリッジ情報420のデータ構造の一例を示す図である。トナーカートリッジ情報420は、一例として、トナーID421、容量情報422、色情報423、仕様情報424、種別情報425(第1種別情報)、第1寿命情報、および、第1初期化情報を含んでいる。
【0127】
第1寿命情報は、消耗品の寿命に関する情報である。一例として、第1寿命情報は、消耗品が使用された程度を特定するための消費情報、および、消耗品に残されている材料の量を特定するための残量情報、の少なくともいずれか1つを含む。限定されないが、例えば、印刷枚数、ドットカウント、印刷材消費量、現像ローラ回転数、および、ドラム回転数などは、第1消費情報の一例である。限定されないが、例えば、トナー残量およびインク残量などの印刷材残量は、第1残量情報の一例である。
【0128】
トナーカートリッジ4のトナーカートリッジ情報420は、第1寿命情報の一例として、印刷枚数426、現像ローラ回転数427およびトナー残量428(印刷材残量)などを含んでいる。他の例では、第1寿命情報として、ドットカウントが含まれていてもよい。第1初期化情報は、消耗品メモリに記憶されている情報の少なくとも一部が、ユーザの指示にしたがって初期化されたか否かを示す情報であり、一例として、リサイクル回数429である。リサイクル回数429は、トナーメモリ42がリサイクルのために初期化された回数を表す。
【0129】
以上で挙げられた各種情報は、トナーカートリッジ情報420の一例に過ぎない。画像形成システム100が構築される環境または事情などに応じて、他の情報が追加されてもよいし、上述の各種情報の一部が適宜省略されてもよい。
【0130】
トナーID421は、トナーカートリッジ4を一意に識別するための識別情報(第1識別情報)である。一例として、トナーID421は、トナーカートリッジ4であることを表わす「TON」と、トナーカートリッジ4に固有のシリアルナンバーとで構成される(
図4参照)。
【0131】
容量情報422は、トナーカートリッジ4が収容可能な印刷材の容量を表す情報である。本実施形態では、一例として、トナーカートリッジ4には、4段階の容量が設定され得る。より具体的には、トナーカートリッジ4に設定できる容量は、少ないものから順に、「少容量」、「標準容量」、「大容量」、「超大容量」の4段階であり、容量情報422は、上述のいずれかの容量を表す。
【0132】
色情報423は、トナーカートリッジ4が収容している印刷材の色を表す情報である。本実施形態では、一例として、トナーカートリッジ4には、「C(シアン)」、「M(マゼンタ)」、「Y(イエロー)」および「BK(ブラック)」の4色がある。色情報423は、上述のいずれかの色を表す。
【0133】
仕様情報424は、トナーカートリッジ4の仕様を表す情報である。画像形成装置1の本体と同様に、トナーカートリッジ4にも、「EU(欧州)」向け、「US(米国)」向け、「JP(日本)」向けの3つの仕様がある。仕様情報424は、上述のいずれかの仕様を表す。
【0134】
種別情報425(第1種別情報)は、トナーカートリッジ4の種別を表す情報である。本実施形態では、トナーカートリッジ4の種別として、少なくとも、「契約」および「市販」の2種類が設定され得る。種別情報425は、上述のいずれかの種別を表す。
【0135】
契約カートリッジのトナーメモリ42には、種別「契約」を表す種別情報425が記憶される。画像形成装置1は、契約カートリッジを装着している間、契約印刷を実行することができる。例えば、契約カートリッジは、事業者から、画像形成装置1について契約を結んだユーザに対して供給される。
【0136】
家電量販店または通販サイトなどから購入可能な市販のトナーカートリッジ4のトナーメモリ42には、種別「市販」を表す種別情報425が記憶される。以下では、この種別のトナーカートリッジ4を、市販カートリッジ(通常消耗品)と称し、契約カートリッジ(契約消耗品)と区別する。市販カートリッジは、画像形成装置1のメーカによって製造された、いわゆる純正品であってもよいし、メーカ以外の第3者パーティによって製造された、いわゆるサード品であってもよい。
【0137】
印刷枚数426(第1寿命情報、第1消費情報)は、トナーカートリッジ4が画像形成装置1に装着されてから画像形成装置1において印刷された用紙の枚数を表す情報である。
【0138】
現像ローラ回転数427(第1寿命情報、第1消費情報)は、トナーカートリッジ4が画像形成装置1に装着されてから、印刷の実行に伴って生じたトナーカートリッジ4における現像ローラ41の回転数を表す情報である。
【0139】
トナー残量428(第1寿命情報、第1残量情報)は、トナーカートリッジ4のトナーの残量を表す情報である。トナー残量428は、一例として、満杯から空までの複数の段階に対応する値で構成されていてもよい。例えば、トナー残量428は、「FULL」~「EMPTY」等の文字列であってもよいし、「100%」~「0%」などの数値であってもよいし、文字列と数値を組み合わせた情報であってもよい。
【0140】
トナー残量428の初期値は、容量情報422に対応する容量の満杯の量に相当する。一例として、使用に伴ってトナーが消費されると、不図示のセンサがトナーカートリッジ4を光学的に計測してもよい。コントローラ61は、上述の計測により得られたトナー残量をトナー残量428としてトナーメモリ42に書き込んでもよい。
【0141】
他の例では、コントローラ61は、トナーカートリッジ4から吐出されて消費されたトナー消費量を監視し、トナーメモリ42に記憶されている容量情報422と監視していたトナー消費量とに基づいてトナー残量を算出してもよい。コントローラ61は、算出したトナー残量をトナー残量428としてトナーメモリ42に書き込んでもよい。
【0142】
リサイクル回数429(第1初期化情報)は、トナーカートリッジ4のトナーメモリ42に記憶されている情報の少なくとも一部が、ユーザの指示にしたがって初期化された回数(初期化回数)を表す情報である。本実施形態では、ユーザの指示に基づくトナーメモリ42内の情報の初期化は、リサイクル1回につき1回実行される。
【0143】
従って、上述のトナーメモリ42における「初期化された回数」は、トナーカートリッジ4のリサイクル回数を意味する。リサイクル回数429が、1未満の値を表している場合、トナーカートリッジ4が1度もリサイクルされていないことを意味する。リサイクル回数429が、1以上の値を表している場合、トナーカートリッジ4がリサイクルカートリッジであることを意味する。
【0144】
(ドラムカートリッジ情報)
図6は、ドラムメモリ22に記憶されているドラムカートリッジ情報220のデータ構造の一例を示す図である。ドラムカートリッジ情報220は、一例として、ドラムID221、仕様情報222、種別情報223(第2種別情報)、第2寿命情報、および、第2初期化情報を含んでいる。
【0145】
ドラムカートリッジ20のドラムカートリッジ情報220は、第2寿命情報の一例として、印刷枚数224およびドラム回転数225などを含んでいる。第2初期化情報は、トナーカートリッジ4と同様に、一例として、リサイクル回数226である。
【0146】
以上で挙げられた各種情報は、ドラムカートリッジ情報220の一例に過ぎない。画像形成システム100が構築される環境または事情などに応じて、他の情報が追加されてもよいし、上述の各種情報の一部が適宜省略されてもよい。
【0147】
ドラムID221は、ドラムカートリッジ20を一意に識別するための識別情報(第2識別情報)である。一例として、ドラムID221は、ドラムカートリッジ20であることを表わす「DRM」と、ドラムカートリッジ20に固有のシリアルナンバーとで構成される(
図4参照)。
【0148】
仕様情報222は、ドラムカートリッジ20の仕様を表す情報である。画像形成装置1およびトナーカートリッジ4と同様に、ドラムカートリッジ20にも、「EU(欧州)」向け、「US(米国)」向け、「JP(日本)」向けの3つの仕様がある。仕様情報222は、上述のいずれかの仕様を表す。
【0149】
種別情報223(第2種別情報)は、ドラムカートリッジ20の種別を表す情報である。トナーカートリッジ4と同様に、ドラムカートリッジ20にも、種別として、少なくとも、「契約」および「市販」の2種類が設定され得る。種別情報223は、上述のいずれかの種別を表す。
【0150】
印刷枚数224(第2寿命情報、第2消費情報)は、ドラムカートリッジ20が画像形成装置1に装着されてから画像形成装置1において印刷された用紙の枚数を表す情報である。
【0151】
ドラム回転数225(第2寿命情報、第2消費情報)は、ドラムカートリッジ20が画像形成装置1に装着されてから、印刷の実行に伴って生じたドラムカートリッジ20における感光体ドラム21の回転数を表す情報である。
【0152】
リサイクル回数226(第2初期化情報)は、ドラムカートリッジ20のドラムメモリ22に記憶されている情報の少なくとも一部が、ユーザの指示にしたがって初期化された回数(初期化回数)を表す情報である。ユーザの指示に基づくドラムメモリ22内の情報の初期化は、リサイクル1回ごとに1回実行される。したがって、上述の、ドラムメモリ22における「初期化された回数」は、そのまま、ドラムカートリッジ20のリサイクル回数を表す。リサイクル回数226が、1未満の値を表している場合、ドラムカートリッジ20が1度もリサイクルされていないことを意味する。リサイクル回数226が、1以上の値を表している場合、ドラムカートリッジ20がリサイクルカートリッジであることを意味する。
【0153】
次に、画像形成装置1のコントローラ61がリサイクル準備フェーズにおいて実行する処理の流れについて
図7~
図13に基づいて説明する。リサイクル準備フェーズでは、コントローラ61は、ユーザの指示に従って選択された複数の消耗品のそれぞれの消耗品メモリに記憶されているカートリッジ情報を初期化するために必要な各種の処理を実行する。
【0154】
<リサイクル準備フェーズの処理フロー>
図7は、リサイクル準備フェーズにおいて画像形成装置1によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示す一連の処理は、コントローラ61によって実行される。コントローラ61は、ディスプレイ65に待機画面と、対象選択画面と、を表示させる。
【0155】
図7に示すように、ステップS11では、コントローラ61は、ディスプレイ65に待機画面を表示させる。待機画面は、例えば、画像形成装置1が印刷待機中に表示される画面である。待機画面は、例えば、画像形成装置1の電源が投入されたとき、または、スリープ状態から復帰したときなどに表示され得る。待機画面は、さまざまな動作を画像形成装置1に実行させるためのユーザインタフェース部品(以下、UI部品)を含む。
【0156】
UI部品は、例えば、ユーザが操作部64を操作することにより選択することができるソフトウェアボタンとして構成されてもよい。一例として、待機画面には、トナーメモリ42に記憶されているトナーカートリッジ情報420と、ドラムメモリ22に記憶されているドラムカートリッジ情報220とから所望するカートリッジ情報を初期化することを指示する第1UI部品が含まれている。なお、ステップS11の詳細な処理の流れは、別図を参照しながら後に詳述する。
【0157】
ステップS12(受付処理、受付ステップ)では、コントローラ61は、トナーカートリッジ情報420とドラムカートリッジ情報220とから所望するカートリッジ情報の初期化がユーザによって指示されたことを検知する。例えば、コントローラ61は、待機画面中の第1UI部品が選択された状態で、「決定」を意味するハードウェアボタンである操作部64が押されたことを検知してもよい。あるいは、コントローラ61は、タッチパネルとしてディスプレイ65と一体に構成された操作部64を介して、第1UI部品がタッチ操作されたことを検知してもよい。コントローラ61は、上述のようにして、ユーザによって所望するカートリッジ情報の初期化が指示されたことを検知するとS12のYESからステップS13に処理を進める。
【0158】
なお、図示は省略するが、待機画面において、他の動作を指示する他のUI部品が選択された場合には、コントローラ61は、S12のNOから、指示にしたがった動作を実行するステップに進む。例えば、画像形成装置1の設定を変更するための設定ボタンをユーザが操作した場合、コントローラ61は、ディスプレイ65に設定画面を表示させる処理に進むようにしてもよい。また、ディスプレイ65に表示された印刷設定から所定の給紙トレイ(手差トレイなど)を選択したのち、印刷実行のボタンを操作した場合、コントローラ61は、指示された印刷を実行するように処理を進めてもよい。
【0159】
ステップS13(第1表示処理、第1表示ステップ)では、コントローラ61は、ディスプレイ65に対象選択画面を表示させる。対象選択画面は、ユーザに初期化するトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20とを選択させる表示を含む。
【0160】
ここで、対象選択画面の一例について
図13に基づいて説明する。
図13は、初期化対象を選択する対象選択画面の一例を示す図である。なお、この図では、操作部64は、ディスプレイ65の画面上に一体的に配置されたタッチパネルによって構成されている。
【0161】
図13に示すように、コントローラ61は、画面の上端に「初期化対象を選択してください。」と表示させる。コントローラ61は、ユーザに初期化するトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20との選択を促す。また、コントローラ61は、4色のトナーカートリッジ4と、4色のドラムカートリッジ20と、を全て初期化する対象として選択できる「ALL」ボタン91を上方に表示させてもよい。
【0162】
また、コントローラ61は、「ALL」ボタン91の下側に、4色のトナーカートリッジ4を全て初期化する対象として選択できる「Toner ALL」ボタン92を表示させてもよい。また、コントローラ61は、「Toner ALL」ボタン92の右横に、4色のドラムカートリッジ20を全て初期化する対象として選択できる「Drum ALL」ボタン93を表示させてもよい。
【0163】
また、コントローラ61は、ディスプレイ65の中央部から下側に、「C(シアン)」、「M(マゼンタ)」、「Y(イエロー)」および「BK(ブラック)」の各トナーカートリッジ4および各ドラムカートリッジ20を自由な組み合わせで個別に選択できる四角ボタン95を表示させてもよい。なお、
図13に示すように、四角ボタン95は、複数選択が可能となるように構成されてもよい。
【0164】
また、コントローラ61は、四角ボタン95の下側に、初期化対象を決定する旨を入力する「OK」ボタン96を表示させてもよい。また、コントローラ61は、「OK」ボタン96の右横に、初期化対象の選択を中止する旨を入力する「キャンセル」ボタン97を表示させてもよい。なお、上述の「ALL」ボタン91、「Toner ALL」ボタン92、「Drum ALL」ボタン93、四角ボタン95、「OK」ボタン96および「キャンセル」ボタン97の配置はこれに限るものではない。
【0165】
次に、ステップS14では、コントローラ61は、対象選択画面を介してトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20との初期化する初期化対象が選択されたことを検知する。例えば、対象選択画面にて、「Toner Y」の四角ボタン95と、「Toner M」の四角ボタン95とが押下されると、コントローラ61は、「Toner Y」の四角ボタン95と、「Toner M」の四角ボタン95とが押下されたことを検知する。そして、コントローラ61は、「OK」ボタン96が押下されたことを検知した場合は、イエローのトナーカートリッジ4(第1消耗品)とマゼンダのトナーカートリッジ4(第2消耗品)とが初期化対象として選択されたことを検知する。
【0166】
また、例えば、コントローラ61は、対象選択画面にて「Toner Y」の四角ボタン95と、「Drum Y」の四角ボタン95とが押下されると、「Toner Y」の四角ボタン95と、「Drum Y」の四角ボタン95とが押下されたことを検知する。そして、コントローラ61は、「OK」ボタン96が押下されたことを検知した場合は、イエローのトナーカートリッジ4(第1消耗品)とイエローのドラムカートリッジ20(第2消耗品)とが初期化対象として選択されたことを検知する。
【0167】
また、例えば、コントローラ61は、対象選択画面にて「ALL」ボタン91が押下されると、「ALL」ボタン91が押下されたことを検知する。そして、コントローラ61は、「OK」ボタン96が押下されたことを検知した場合は、4色のトナーカートリッジ4と4色のドラムカートリッジ20との全てが初期化対象として選択されたことを検知する。
【0168】
そして、コントローラ61は、上述のように初期化する初期化対象が選択されたことを検知すると、初期化対象として選択されたトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20とを所定の順序で本体メモリ62に記憶する。例えば、対象選択画面にて「ALL」ボタン91、「Toner ALL」ボタン92、「Drum ALL」ボタン93のうちのいずれかが押下された場合は、コントローラ61は、トナーカートリッジ4を所定の色順で記憶する。その後、コントローラ61は、ドラムカートリッジ20を所定の色順で本体メモリ62に記憶する。
【0169】
また、例えば、対象選択画面にて、複数の四角ボタン95が押下された場合は、コントローラ61は、複数の四角ボタン95が押下された順にトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20を本体メモリ62に記憶する。なお、対象選択画面にて、複数の四角ボタン95が押下された場合の本体メモリ62への記憶順はこれに限るものではない。その後、コントローラ61は、S14のYESからS15に処理を進める。
【0170】
一方、コントローラ61は、「キャンセル」ボタン97が押下されたことを検知した場合は、初期化対象の選択が中止されたと判定し、S14のNOに進み、一連の処理を終了する。コントローラ61は、S14のNOからS11に戻って待機画面をディスプレイ65に表示させてもよい。
【0171】
ステップS15(第2表示処理、第2表示ステップ)では、コントローラ61は、ディスプレイ65に初期化選択画面(第1選択画面)を表示させる。初期化選択画面は、トナーカートリッジ情報420の第1寿命情報とドラムカートリッジ情報220の第2寿命情報が初期化されると印刷品質が保証されない旨をユーザに説明するための第1警告を含む。
【0172】
さらに、初期化選択画面は、トナーカートリッジ情報420の第1寿命情報とドラムカートリッジ情報220の第2寿命情報のそれぞれを初期化するかしないかをユーザに選択させるための第2UI部品を含む。一例として、第2UI部品は、「初期化する」のボタンと、「初期化しない」のボタンのいずれか一方のボタンをユーザが選択できるように構成されている。
【0173】
「初期化する」のボタンは、第1寿命情報および第2寿命情報の初期化をユーザが希望することを意味する。「初期化しない」のボタンは、第1寿命情報および第2寿命情報の初期化をユーザが希望しないことを意味する。ユーザの選択操作は、ハードウェアボタンおよびソフトウェアボタンのいずれを介して実施されてもよい。
【0174】
ステップS16では、コントローラ61は、第2UI部品のうち、「初期化する」のボタン、または、「初期化しない」のボタンのいずれか一方のボタンが選択されたのかを判定する。コントローラ61は、「初期化する」のボタンが選択されたと判定した場合、S16のYESからS17に処理を進める。一方、コントローラ61は、「初期化しない」のボタンが選択されたと判定した場合、S16のNOに進み、一連の処理を終了する。コントローラ61は、S16のNOからS11に戻って待機画面をディスプレイ65に表示させてもよい。
【0175】
ユーザが「初期化する」のボタンを選択したということは、ユーザは、第1警告の内容に同意し、その上で、リサイクルのためにトナーカートリッジ情報420とドラムカートリッジ情報220とを初期化することを希望するということを意味する。本実施形態では、ユーザが第1警告の内容に同意したことにより、トナーカートリッジ情報420とドラムカートリッジ情報220との初期化が許可される。
【0176】
ステップS17では、コントローラ61は、ステップS14で初期化対象として本体メモリ62に1番目に記憶したトナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20の初期化が可能か否かをチェックする。
【0177】
具体的には、トナーカートリッジ4が1番目に記憶されている場合は、コントローラ61は、1番目のトナーカートリッジ4と通信する。そして、コントローラ61は、現時点で最新のトナーカートリッジ情報420を読み出し、トナーカートリッジ4がリサイクルの要件を満たしているか否かをチェックする。トナーカートリッジ4がリサイクルの要件を満たしている場合に、トナーカートリッジ情報420の初期化が許可される。
【0178】
また、ドラムカートリッジ20が1番目に記憶されている場合は、コントローラ61は、1番目のドラムカートリッジ20と通信する。そして、コントローラ61は、現時点で最新のドラムカートリッジ情報220を読み出し、ドラムカートリッジ20がリサイクルの要件を満たしているか否かをチェックする。ドラムカートリッジ20がリサイクルの要件を満たしている場合に、ドラムカートリッジ情報220の初期化が許可される。なお、ステップS17の詳細な処理の流れは、別図を参照しながら後に詳述する。
【0179】
ステップS18では、コントローラ61は、上述のステップS17のチェックの過程でエラーが検出されたか否かを判定する。エラーが検出されなかった場合、コントローラ61は、トナーカートリッジ情報420またはドラムカートリッジ情報220の初期化が可能であると判断して、S18のNOからS19に処理を進める。一方、エラーが検出された場合、コントローラ61は、トナーカートリッジ情報420またはドラムカートリッジ情報220の初期化はできないと判断して、S18のYESからS23に処理を進める。
【0180】
ステップS19では、コントローラ61は、ステップS14で初期化対象として本体メモリ62に記憶したトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20との全部について、カートリッジ情報の初期化が可能か否かのチェックを完了したかを判定する。カートリッジ情報は、トナーカートリッジ情報420またはドラムカートリッジ情報220である。そして、初期化対象としてのトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20との全部について、チェックを完了していないと判定した場合は(S19:NO)、コントローラ61は、次の順番のトナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20を選択する。そして、コントローラ61は、S17の処理に進む。
【0181】
一方、初期化対象として選択されたトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20との全部について、カートリッジ情報の初期化が可能か否かのチェックを完了したと判定した場合は、コントローラ61は、S19のYESからS20の処理に進む。
【0182】
ステップS20(初期化処理、初期化ステップ)では、コントローラ61は、ステップS14で初期化対象として本体メモリ62に1番目に記憶したトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20のカートリッジ情報を初期化する。
【0183】
具体的には、トナーカートリッジ4が1番目に記憶されている場合は、コントローラ61は、1番目のトナーカートリッジ4のトナーメモリ42に記憶されているトナーカートリッジ情報420を初期化する。また、ドラムカートリッジ20が1番目に記憶されている場合は、コントローラ61は、1番目のドラムカートリッジ20のドラムメモリ22に記憶されているドラムカートリッジ情報220を初期化する。なお、ステップS20の詳細な処理の流れは、別図を参照しながら後に詳述する。
【0184】
ステップS21では、コントローラ61は、上述のステップS20の初期化の過程でエラーが検出されたか否かを判定する。エラーが検出されなかった場合、コントローラ61は、トナーカートリッジ情報420またはドラムカートリッジ情報220の初期化に成功したと判断して、S21のNOからS22に処理を進める。一方、エラーが検出された場合、コントローラ61は、トナーカートリッジ情報420またはドラムカートリッジ情報220の初期化に失敗したと判断して、S21のYESからS23に処理を進める。
【0185】
ステップS22では、コントローラ61は、ステップS14で初期化対象として本体メモリ62に記憶したトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20との全部について、初期化を完了したかを判定する。そして、初期化対象としてのトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20との全部について、初期化を完了していないと判定した場合は(S22:NO)、コントローラ61は、次の順番のトナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20を選択する。そして、コントローラ61は、S20の処理に進む。
【0186】
一方、コントローラ61は、ステップS14で初期化対象として本体メモリ62に記憶したトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20との全部について、初期化を完了したと判定した場合は、S22のYESに進み、一連の処理を終了する。コントローラ61は、初期化に成功した後、初期化に成功したことをユーザに通知するための初期化成功画面をディスプレイ65に表示させてもよい。
【0187】
ステップS23では、コントローラ61は、トナーカートリッジ情報420とドラムカートリッジ情報220が初期化されていないことをユーザに通知するためのエラー画面をディスプレイ65に表示させる。コントローラ61は、S18のYESを契機に表示させる第1エラー画面と、S21のYESを契機に表示させる第2エラー画面とで、表示内容を異ならせてもよい。
【0188】
例えば、第1エラー画面には、トナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20がリサイクルの要件を満たさないために初期化ができない旨のメッセージが含まれていてもよい。また、例えば、第2エラー画面には、トナーメモリ42またはドラムメモリ22に対する書き込み動作が正常に終了しなかったことを通知するメッセージが含まれていてもよい。また、第2エラー画面には、トナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20の装着状況を確認するように促すメッセージが含まれていてもよい。
【0189】
また、例えば、第2エラー画面では、トナーメモリ42またはドラムメモリ22に対する書込み動作が正常に終了しなかった理由、例えば「カバーが閉じられています。」や「イエローのトナーカートリッジとの通信不良」等を表示させてもよい。
【0190】
<待機画面を表示する処理>
図8は、
図7に示すステップS11に対応する、待機画面を表示する処理の流れを示すフローチャートである。
【0191】
ステップS111では、コントローラ61は、待機画面を表示する処理のトリガとなるイベント、例えば、電源が投入されたことなどを検知する。コントローラ61は、トリガを検知すると、S111のYESからS112に処理を進める。
【0192】
ステップS112では、コントローラ61は、本体メモリ62に記憶されているモード情報623を読み出す。モード情報623は、画像形成装置1が契約モードであるか非契約モードであるかを表す情報であり、モード情報623によって、画像形成装置1が契約機であるか否かが判明する。
【0193】
ステップS113では、コントローラ61は、モード情報623が契約モードを表しているか、非契約モードを表しているかを判定する。モード情報623が非契約モードを表している場合、すなわち、画像形成装置1が契約機でない場合、コントローラ61は、S113のYESからS114に処理を進める。モード情報623が契約モードを表している場合、すなわち、画像形成装置1が契約機である場合、コントローラ61は、S113のNOからS115に処理を進める。
【0194】
ステップS114では、コントローラ61は、契約機でない画像形成装置1を用いて、カートリッジ情報を初期化できるように、待機画面をディスプレイ65に表示させる。具体的には、コントローラ61は、カートリッジ情報を初期化することを指示するメニューボタンが表示されている待機画面をディスプレイ65に表示させる。例えば、コントローラ61は、ユーザに初期化するトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20とを選択させる対象選択画面(
図4参照)をディスプレイ65に表示させる。
【0195】
ステップS115では、コントローラ61は、契約機である画像形成装置1を用いて、カートリッジ情報が初期化できないように、待機画面をディスプレイ65に表示させる。具体的には、コントローラ61は、カートリッジ情報を初期化することを指示するメニューボタンが表示されていない、または、選択できないように表示されている待機画面をディスプレイ65に表示させる。すなわち、契約機においては、コントローラ61は、トナーカートリッジ4のトナーメモリ42とドラムカートリッジ20のドラムメモリ22との初期化の指示を受け付けないように構成されている。
【0196】
以上の方法によれば、契約機でない画像形成装置1において、第1消耗品メモリと第2消耗品メモリとの初期化を簡易に実施することが可能となり、リサイクルの促進に貢献することができる。例えば、トナーカートリッジ4のトナーメモリ42(第1消耗品メモリまたは第2消耗品メモリ)、および、ドラムカートリッジ20のドラムメモリ22(第1消耗品メモリまたは第2消耗品メモリ)の初期化を簡易に実行することができる。
【0197】
また、黄色のトナーカートリッジ4のトナーメモリ42(第1消耗品メモリまたは第2消耗品メモリ)、および、黒色のトナーカートリッジ4のトナーメモリ42(第1消耗品メモリまたは第2消耗品メモリ)の初期化を簡易に実行することができる。
【0198】
従って、ユーザは、契約機でない画像形成装置1を用いて、複数のトナーメモリ42とドラムメモリ22との初期化を一度の指示で簡易に実施することができる。一方で、契約機においては、契約カートリッジとしてリサイクルカートリッジが活用されることを防止する。これにより、契約が締結された画像形成装置1において印刷品質が保証されない事態を回避することができる。すなわち、印刷品質が保証されているという、サブスクリプションサービスの付加価値が損なわれない。
【0199】
<初期化が可能か否かをチェックする処理>
図9は、
図7に示すステップS17に対応する、初期化が可能か否かをチェックする処理の流れを示すフローチャートである。
【0200】
ステップS211では、コントローラ61は、閉センサ12を介して、カバー11が開放状態であるかを判定する。具体的には、コントローラ61は、閉センサ12からカバー11が閉位置にあることを検知する信号が入力されていないかを判定する。そして、コントローラ61は、閉センサ12からカバー11が閉位置にあることを検知する信号が入力されている場合は、カバー11が閉じられていると判定し、S211のNOから後述のS221に処理を進める。一方、コントローラ61は、閉センサ12からカバー11が閉位置にあることを検知する信号が入力されていない場合は、カバー11が開放状態であると判定し、S211のYESからS212に処理を進める。
【0201】
ステップS212では、コントローラ61は、ステップS17で初期化の対象となっているトナーカートリッジ4のトナーメモリ42またはドラムカートリッジ20のドラムメモリ22との通信を試みる。コントローラ61は、トナーメモリ42またはドラムカートリッジ20と通信ができない、例えば、トナーメモリ42またはドラムカートリッジ20の情報を読み出せないと判断した場合、S212のNOから後述のS221へ処理を進める。一方、コントローラ61は、トナーメモリ42またはドラムカートリッジ20との通信が可能であると判断した場合、S212のYESからS213へ処理を進める。
【0202】
ステップS213では、コントローラ61は、ステップS17で初期化の対象となっているトナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20の認証を行う。トナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20の認証方法は特に限定されない。
【0203】
例えば、トナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20の型番が画像形成装置1の型番に対応している型番である場合、コントローラ61は、トナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20の認証に成功したと判定してよい。一方、トナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20の型番が画像形成装置1の型番に対応していない型番である場合、コントローラ61は、トナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20の認証に失敗したと判定してよい。
【0204】
コントローラ61は、トナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20を認証できた場合には、S213のYESからS214へ処理を進める。一方、コントローラ61は、トナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20を認証できなかった場合には、S213のNOから後述のS221へ処理を進める。他の例では、コントローラ61は、S213の処理を省略してもよい。
【0205】
ステップS214では、コントローラ61は、トナーカートリッジ4がステップS17で初期化の対象となっている場合は、トナーメモリ42から仕様情報424を読み出す。また、コントローラ61は、ドラムカートリッジ20がステップS17で初期化の対象となっている場合は、ドラムメモリ22から仕様情報222を読み出す。
【0206】
ステップS215では、コントローラ61は、読み出した仕様情報424または仕様情報222が、本体メモリ62に記憶されている画像形成装置1の仕様情報628と一致するか否かを判定する。コントローラ61は、2つの仕様情報が一致する場合には、S215のYESからS216へ処理を進める。一方、コントローラ61は、2つの仕様情報が一致しない場合には、S215のNOから後述のS221へ処理を進める。他の例では、コントローラ61は、S214およびS215の処理を省略してもよい。
【0207】
ステップS216では、コントローラ61は、トナーカートリッジ4がステップS17で初期化の対象となっている場合は、トナーメモリ42から種別情報425を読み出す。また、コントローラ61は、ドラムカートリッジ20がステップS17で初期化の対象となっている場合は、ドラムメモリ22から種別情報223を読み出す。
【0208】
ステップS217では、コントローラ61は、読み出した種別情報425または種別情報223が、種別「契約」を示すか、種別「市販」を示すかを判定する。コントローラ61は、種別情報425または種別情報223が種別「契約」を示す場合、S217のYESからS218に処理を進める。コントローラ61は、種別情報425または種別情報223が「市販」を示す場合、S217のNOからS219に処理を進める。
【0209】
ステップS218(第3表示処理、第3表示ステップ)では、コントローラ61は、ユーザが、契約カートリッジであるトナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20が、市販カートリッジとしてリサイクルされることに同意したか否かを判定する。
【0210】
一例として、コントローラ61は、ディスプレイ65に、契約カートリッジに関する初期化選択画面(第2選択画面)を表示させる。初期化選択画面は、契約カートリッジが初期化されると、その後、契約カートリッジが市販カートリッジとして認識される旨をユーザに説明するための第2警告を含む。つまり、契約カートリッジのトナーカートリッジ情報420またはドラムカートリッジ情報220、特に、第1寿命情報および第2寿命情報のそれぞれが初期化されると、その後、市販カートリッジとして認識される旨をユーザに説明するための第2警告を含む。
【0211】
さらに、初期化選択画面は、寿命情報を含むトナーカートリッジ情報420またはドラムカートリッジ情報220の初期化をするかしないかをユーザに選択させるための第2UI部品を含む。上述したとおり、第2UI部品は、「初期化する」のボタンと、「初期化しない」のボタンのいずれか一方のボタンをユーザが選択できるように構成されている。「初期化する」に対応するボタンは、第1寿命情報および第2寿命情報の初期化をユーザが希望することを意味する。「初期化しない」に対応するボタンは、第1寿命情報および第2寿命情報の初期化をユーザが希望しないことを意味する。
【0212】
上述の例では、コントローラ61は、「初期化する」に対応するボタンが選択された場合に、ユーザが、契約カートリッジが市販カートリッジとしてリサイクルされることに同意したと判定する。この場合、コントローラ61は、S218のYESからS219に処理を進める。
【0213】
一方、コントローラ61は、「初期化しない」に対応するボタンが選択された場合に、ユーザが、同意しなかったと判定する。この場合、コントローラ61は、S218のNOから後述のS221に処理を進める。
【0214】
S219では、コントローラ61は、トナーカートリッジ4がステップS17で初期化の対象となっている場合は、トナーメモリ42からリサイクル回数429を読み出す。また、コントローラ61は、ドラムカートリッジ20がステップS17で初期化の対象となっている場合は、ドラムメモリ22からリサイクル回数226を読み出す。
【0215】
ステップS220(判定処理、判定ステップ)では、コントローラ61は、読み出したリサイクル回数429(初期化回数)またはリサイクル回数226(初期化回数)と、本体メモリ62に記憶されている上限情報625(上限回数)とを比較する。つまり、コントローラ61は、読み出したリサイクル回数429またはリサイクル回数226が、上限情報625によって示される上限回数に達しているか否かをチェックする。
【0216】
読み出したリサイクル回数429またはリサイクル回数226が上限回数以上である場合、コントローラ61は、S220のYESからS221へ処理を進める。すなわち、リサイクルの上限回数を超過して、トナーカートリッジ情報420またはドラムカートリッジ情報220を初期化することは禁止される。一方、読み出したリサイクル回数429またはリサイクル回数226が上限回数未満である場合、コントローラ61は、S220のNOからS222へ処理を進める。
【0217】
ステップS221では、コントローラ61は、エラーを出力し、ステップS17で初期化の対象となっているトナーカートリッジ4のトナーカートリッジ情報420またはドラムカートリッジ20のドラムカートリッジ情報220の初期化を許可しない。
【0218】
ステップS222では、コントローラ61は、ステップS17で初期化の対象となっているトナーカートリッジ4またはドラムカートリッジ20がリサイクルの要件を満たしていると判断する。そして、コントローラ61は、ステップS17で初期化の対象となっているトナーカートリッジ4のトナーカートリッジ情報420またはドラムカートリッジ20のドラムカートリッジ情報220を初期化することを許可する。
【0219】
<カートリッジ情報を初期化する処理>
図10は、
図7に示すステップS20に対応する、初期化する処理の流れを示すフローチャートである。
【0220】
ステップS311では、コントローラ61は、トナーカートリッジ4がステップS20で初期化の対象となっている場合は、トナーメモリ42からトナーID421(第1識別情報)を読み出す。また、コントローラ61は、ドラムカートリッジ20がステップS20で初期化の対象となっている場合は、ドラムメモリ22からドラムID221(第2識別情報)を読み出す。
【0221】
ステップS312では、コントローラ61は、読み出したトナーID421またはドラムID221に、トナーカートリッジ4であることを表わす「TON」が含まれているかを判定する。そして、コントローラ61は、読み出したトナーID421またはドラムID221にトナーカートリッジ4であることを表わす「TON」が含まれていると判定した場合は、トナーカートリッジ4がステップS20で初期化の対象となっていると判断する。そして、コントローラ61は、S312のYESからS313へ処理を進める。
【0222】
一方、コントローラ61は、読み出したトナーID421またはドラムID221にトナーカートリッジ4であることを表わす「TON」が含まれていないと判定した場合は、トナーカートリッジ4がステップS20で初期化の対象となっていないと判断する。つまり、コントローラ61は、ドラムカートリッジ20がステップS20で初期化の対象となっていると判断し、S312のNOからS314へ処理を進める。
【0223】
ステップS313(初期化処理、初期化ステップ)では、コントローラ61は、ステップS20で初期化の対象となっているトナーカートリッジ4のトナーメモリ42に記憶されているトナーカートリッジ情報420を初期化した後、S315へ処理を進める。なお、ステップS313の詳細な処理の流れは、別図を参照しながら後に詳述する。
【0224】
ステップS314(初期化処理、初期化ステップ)では、コントローラ61は、ステップS20で初期化の対象となっているドラムカートリッジ20のドラムメモリ22に記憶されているドラムカートリッジ情報220を初期化した後、S315へ処理を進める。なお、ステップS314の詳細な処理の流れは、別図を参照しながら後に詳述する。
【0225】
ステップS315では、コントローラ61は、トナーカートリッジ4がステップS20で初期化の対象となっている場合は、トナーメモリ42からの読み出し動作およびトナーメモリ42への書き込み動作に成功したか否かを判定する。すべての読み出し動作および書き込み動作に成功した場合、コントローラ61は、S315のYESに進み、一連の初期化する処理を終了する。一方、上述のいずれかのステップで読み出し動作または書き込み動作に失敗した場合には、コントローラ61は、S315のNOからS316へ処理を進める。
【0226】
また、コントローラ61は、ドラムカートリッジ20がステップS20で初期化の対象となっている場合は、ドラムメモリ22からの読み出し動作およびドラムメモリ22への書き込み動作に成功したか否かを判定する。すべての読み出し動作および書き込み動作に成功した場合、コントローラ61は、S315のYESに進み、一連の初期化する処理を終了する。一方、上述のいずれかのステップで読み出し動作または書き込み動作に失敗した場合には、コントローラ61は、S315のNOからS316へ処理を進める。
【0227】
ステップS316では、コントローラ61は、トナーカートリッジ情報420またはドラムカートリッジ情報220を初期化することができなかったために、エラーを出力する。
【0228】
<トナーカートリッジ情報420を初期化する処理>
図11は、
図10に示すステップS313に対応する、トナーカートリッジ情報420を初期化する処理の流れを示すフローチャートである。
【0229】
ステップS411(初期化処理、初期化ステップ)では、コントローラ61は、トナーメモリ42に記憶されている印刷枚数426を初期化する。具体的には、コントローラ61は、所定の枚数までカウントアップされた印刷枚数426をゼロにする。
【0230】
ステップS412(初期化処理、初期化ステップ)では、コントローラ61は、トナーメモリ42に記憶されている現像ローラ回転数427を初期化する。具体的には、コントローラ61は、所定の回転数までカウントアップされた現像ローラ回転数427をゼロにする。
【0231】
ステップS413(初期化処理、初期化ステップ)では、コントローラ61は、トナーメモリ42に記憶されているトナー残量428を初期化する。具体的には、コントローラ61は、トナーの消費に伴って値が減らされたトナー残量428を、初期値に戻す。すなわち、コントローラ61は、トナー残量428を、「FULL」、「100%」等の容量のFULL値(カートリッジの容量を示す値)に戻す。それぞれの容量に対応するFULL値は、本体メモリ62に予め記憶されていてもよいし、トナーメモリ42に予め記憶されていてもよい。
【0232】
ステップS414(変更処理、変更ステップ)では、コントローラ61は、トナーメモリ42に記憶されている種別情報425を変更する。具体的には、コントローラ61は、トナーカートリッジ4がリサイクル後に契約カートリッジではなく市販カートリッジとして認識されるように、種別情報425を「契約」から「市販」へと変更する。
【0233】
なお、コントローラ61は、
図9に示すチェックする処理において、ステップS218のYESを経由した場合に、上述のステップS414の処理を実行する。ステップS218のYESを経由していない場合には、上述のステップS414の処理は省略される。
【0234】
ステップS415(書込処理、書込ステップ)では、コントローラ61は、トナーメモリ42に記憶されているリサイクル回数429を1インクリメントして更新した後、トナーカートリッジ情報420を初期化する処理を終了する。
【0235】
<ドラムカートリッジ情報220を初期化する処理>
図12は、
図10に示すステップS314に対応する、ドラムカートリッジ情報220を初期化する処理の流れを示すフローチャートである。
【0236】
ステップS431(初期化処理、初期化ステップ)では、コントローラ61は、ドラムメモリ22に記憶されている印刷枚数224を初期化する。具体的には、コントローラ61は、所定の枚数までカウントアップされた印刷枚数224をゼロにする。
【0237】
ステップS432(初期化処理、初期化ステップ)では、コントローラ61は、ドラムメモリ22に記憶されているドラム回転数225を初期化する。具体的には、コントローラ61は、所定の回転数までカウントアップされたドラム回転数225をゼロにする。
【0238】
ステップS433(変更処理、変更ステップ)では、コントローラ61は、ドラムメモリ22に記憶されている種別情報223を変更する。具体的には、コントローラ61は、ドラムカートリッジ20がリサイクル後に契約カートリッジではなく市販カートリッジとして認識されるように、種別情報223を「契約」から「市販」へと変更する。
【0239】
なお、コントローラ61は、
図9に示すチェックする処理において、ステップS218のYESを経由した場合に、上述のステップS433の処理を実行する。ステップS218のYESを経由していない場合には、S433は省略される。
【0240】
ステップS434(書込処理、書込ステップ)では、コントローラ61は、ドラムメモリ22に記憶されているリサイクル回数226を1インクリメントして更新した後、ドラムカートリッジ情報220を初期化する処理を終了する。
【0241】
[変形例]
[変形例1]
例えば、
図7のステップS17~ステップS19において、ステップS18の処理で、コントローラ61は、エラーが検出されたトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20だけについて、ステップS23の処理を実行するようにしてもよい。つまり、コントローラ61は、エラーが検出されたトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20だけについて、初期化されていないことをユーザに通知するエラー画面をディスプレイ65に表示させるようにしてもよい。
【0242】
また、コントローラ61は、エラー画面にて、エラーが検出されたトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20はどのカートリッジであるか、例えば「イエローのトナーカートリッジ」等を表示させるようにしてもよい。また、リサイクル要件を満たさない理由、例えば、「リサイクル回数が上限回数を超えている」や、「仕様情報が純正品の仕様情報と一致しない」等を表示させるようにしてもよい。
【0243】
そして、ステップS18の処理で、コントローラ61は、エラーが検出されなかったトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20については、初期化を許可して、
図7のステップS20~ステップS23の処理を実行するようにしてもよい。
【0244】
[変形例2]
例えば、
図7のステップS20~ステップS22において、ステップS21の処理で、コントローラ61は、読み出し動作や書込み動作にエラーが検出されたトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20だけについて、ステップS23の処理を実行してもよい。また、コントローラ61は、エラー画面にて、初期化を行えなかったトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20はどのカートリッジであるか、例えば「イエローのトナーカートリッジ」等を表示させるようにしてもよい。
【0245】
そして、コントローラ61は、エラーが検出されなかったトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20については、初期化に成功したことをユーザに通知するための初期化成功画面をディスプレイ65に表示させてもよい。
【0246】
[変形例3]
例えば、コントローラ61は、トナーメモリ42とドラムメモリ22との全てについて、各コネクタ101、102を介して同時に通信することができるように構成してもよい。この場合には、
図7のステップS17において、コントローラ61は、ステップS14で本体メモリ62に記憶したトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20の初期化が可能か否かを同時にチェックするようにしてもよい。また、
図7のステップS20において、コントローラ61は、ステップS17で初期化が許可されたトナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20の初期化を同時に実行するようにしてもよい。
【0247】
[変形例4]
実施形態1の現像ローラ41は、実施形態1で説明した機能を実現できるのであれば、トナーカートリッジ4に設けられていてもよいし、ドラムカートリッジ20に設けられていてもよい。また、実施形態1では、トナーカートリッジ4はドラムカートリッジ20に取り付けられた状態で、ドラムカートリッジ20とともにカートリッジ保持部13の開口部分に挿入されることとした。すなわち、実施形態1では、トナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20は別個のカートリッジであった。しかしながら、トナーカートリッジ4とドラムカートリッジ20は1個のカートリッジとして一体に構成されていてもよい。
【0248】
[変形例5]
画像形成装置1は、インクジェットプリンタであってもよい。画像形成装置1がインクジェットプリンタである場合、画像形成装置1のカートリッジ保持部13には、実施形態1において説明したドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4ではなく、インクカートリッジが装着される。なお、画像形成装置1に装着されるインクカートリッジの個数は、特に限定されない。例えば、画像形成装置1には、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの4色それぞれに対応する、合計4個のインクカートリッジが装着されてもよい。
【0249】
インクカートリッジは、印刷材であるインクが充填されたカートリッジ筐体と、インクカートリッジ情報が記憶されているインクメモリと、を含む。インクカートリッジ情報は、例えば、インクIDと、容量情報と、色情報と、仕様情報と、種別情報と、印刷枚数(第1寿命情報)と、インク残量(第1寿命情報)と、リサイクル回数と、を含む。
【0250】
インクIDはインクカートリッジの識別情報であり、実施形態1のトナーID421に代えてインクカートリッジ情報に含まれる情報である。インク残量はインクカートリッジ内のインクの残量を示す情報であり、実施形態1のトナー残量428に代えてインクカートリッジ情報に含まれる情報である。容量情報、色情報、仕様情報、種別情報、印刷枚数、および、リサイクル回数はそれぞれ、実施形態1のトナーカートリッジ情報420における同名の情報に相当する情報である。また、実施形態1のトナーカートリッジ情報420における「トナー」が「インク」に、「トナーカートリッジ」が「インクカートリッジ」に置き換わったものである。
【0251】
なお、インクカートリッジのカートリッジ筐体には、インクを撹拌するためのアジテータが備えられていてもよい。アジテータは、インクカートリッジが画像形成装置1に装着された状態のとき、コントローラ61からの指示に応じて動作する。
【0252】
画像形成装置1がインクジェットプリンタである場合でも、実施形態1で説明した各フローチャートに示される各処理の流れは同様である。具体的には、画像形成装置1がインクジェットプリンタである場合、実施形態1の「トナーカートリッジ4」、「トナーメモリ42」をそれぞれ、インクカートリッジ、インクメモリに読み替えればよい。また、実施形態1の「トナーカートリッジ情報420」をインクカートリッジ情報に読み替えればよい。
【0253】
また、実施形態1のトナーカートリッジ情報420に含まれる各種情報はそれぞれ、インクカートリッジ情報において相当する情報に読み替えればよい。なお、現像ローラ回転数427はインクカートリッジ情報に含まれないため、本変形例の場合、画像形成装置1は、現像ローラ回転数427に係る各種処理は省いてもよい。本変形例の画像形成装置1は実施形態1の画像形成装置1と同様の効果を奏する。
【0254】
[変形例6]
画像形成装置1の印刷機材は紙に限られない。例えば、印刷基材はテープであってもよい。印刷基材がテープである場合、画像形成装置1にはテープを供給するテープカセットが装着される。画像形成装置1は、テープカセットから搬送されるテープに対し印刷を行う。なお、この場合、画像形成装置1はレーザープリンタであってもよいし、インクジェットプリンタであってもよい。
【0255】
[変形例7]
また、画像形成装置1は、スキャナまたはファクシミリなどの他の機能を併せて備えるMFP(Multi Function Printer)であってもよい。画像形成装置1がMFPである場合でも、画像形成装置1は、実施形態1で説明した各種処理を実施形態1の画像形成装置1と同様に実行してよい。本変形例の画像形成装置1は実施形態1の画像形成装置1と同様の効果を奏する。
【0256】
〔ソフトウェアによる実現例〕
画像形成装置1の機能は、画像形成装置1としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、画像形成装置1の各制御ブロック(特にコントローラ61)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0257】
この場合、画像形成装置1は、上述のプログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。上述の制御装置と記憶装置とにより上述のプログラムを実行することにより、上述の各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0258】
プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。上述の記録媒体は、画像形成装置1が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して画像形成装置1に供給されてもよい。
【0259】
また、上述の制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上述の制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上述の制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0260】
また、上述の実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上述の制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0261】
〔付記事項〕
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0262】
1 画像形成装置、4 トナーカートリッジ(消耗品)、10 本体筐体、11 カバー、20 ドラムカートリッジ(消耗品)、22 ドラムメモリ(消耗品メモリ)、42 トナーメモリ(消耗品メモリ)、61 コントローラ、62 本体メモリ、64 操作部、65 ディスプレイ、100 画像形成システム、220 ドラムカートリッジ情報(カートリッジ情報)、221 ドラムID、222 仕様情報、223 種別情報、224 印刷枚数(第2寿命情報、消費情報)、225 ドラム回転数(第2寿命情報、第2消費情報)、226 リサイクル回数(第2初期化情報)、420 トナーカートリッジ情報(カートリッジ情報)、421 トナーID、424 仕様情報、425 種別情報、426 印刷枚数(第1寿命情報、消費情報)、427 現像ローラ回転数(第1寿命情報、第1消費情報)、428 トナー残量(第1寿命情報、第1残量情報)、429 リサイクル回数(第1初期化情報)、623 モード情報、624 使用履歴情報、625 上限情報(上限回数)