(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178523
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】ティーチングツール
(51)【国際特許分類】
B23K 26/035 20140101AFI20241218BHJP
B23K 26/082 20140101ALI20241218BHJP
B23K 26/70 20140101ALI20241218BHJP
【FI】
B23K26/035
B23K26/08 H
B23K26/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096708
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】314005311
【氏名又は名称】株式会社WEL-KEN
(74)【代理人】
【識別番号】100108497
【弁理士】
【氏名又は名称】小塚 敏紀
(72)【発明者】
【氏名】細田 武嗣
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168BA00
4E168CB03
4E168CB08
4E168CB11
4E168CB18
(57)【要約】
【課題】 従来より容易且つ精度よくレーザ加工ロボットの教示をすることができるティーチングツールにを提供しようとする。
【解決手段】
従来のティーチングツールに換えて、トーチボデイに脱着可能に装着できるティーチングツール本体と、トーチボデイが射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ軸体であって前記ティーチングツール本体に支持されてティーチングツール本体を基礎としてレーザ光軸に沿って一対のストローク端に挟まれた所定のストロークの範囲内で移動可能に案内されティーチングツール本体から露出し被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ先端部部材とを備えるものとした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を射出するトーチボデイとトーチボデイに脱着可能に固定されるシールドチップとを有するレーザ加工ヘッドを動かしてレーザ光を被加工物の被加工部に照射して被加工物を加工するレーザ加工ロボットを教示するためのティーチングツールであって、
トーチボデイに脱着可能に装着できるティーチングツール本体と、
トーチボデイが射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ棒状部材であって前記ティーチングツール本体に支持されてティーチングツール本体を基礎としてレーザ光軸に沿って一対のストローク端に挟まれた所定のストロークの範囲内で移動可能に案内され、ティーチングツール本体から露出し被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ先端部部材と、
前記ティーチングツール本体を基礎として前記先端部部材を先端部のある側へ突出する様に付勢する付勢機構と、
を備えることを特徴とするティーチングツール。
【請求項2】
前記先端部部材が所定ストロークの範囲内で移動するとき先端部の位置がトーチボデイの射出するレーザ光が焦点を結ぶ位置である焦点位置に一致する状態が存在し、
前記先端部部材の先端部の位置がレーザ光軸上で前記焦点位置を含み適正なレーザ加工のために許容する所定範囲の距離である加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるか否かを検知できる検知機器と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のティーチングツール。
【請求項3】
検知機器が前記先端部部材に固定される接点である検知接点とティーチングツール本体に固定される端子である検知端子と当該検知接点と当該検知端子とが導通するか否かを判断する検知回路とを有し、
前記先端部部材の先端部が前記加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるとき前記検知端子が前記検知接点に導通し、
前記先端部部材の先端部が前記加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まらないとき前記検知端子が前記検知接点に導通しない、
ことを特徴とする請求項2に記載のティーチングツール。
【請求項4】
前記検知接点が前記先端部部材に中心軸を中心として巻き付けられた円環状の導電性部材であり、
前記検知端子がティーチングツール本体に支持され前記先端部部材を挟んで中心軸に向かって押される一対の導電性部材であり、
前記検知回路が一対の検知端子が導通するか否かを判定することにより前記検知接点と前記検知端子とが導通するか否かを判断する、
ことを特徴とする請求項3に記載のティーチングツール。
【請求項5】
トーチボデーが目視用の照明光をレーザ光のレーザ光軸に沿って射出でき、
前記照明光が前記先端部部材を中心軸に沿って通過して被加工物の被加工部に照射できる、
ことを特徴とする請求項4に記載のティーチングツール。
【請求項6】
前記先端部部材が中心軸に沿って前記照明光を通過するための長穴を形成される、
ことを特徴とする請求項5に記載のティーチングツール。
【請求項7】
前記先端部部材が前記照明光を透過させる透明体である、
ことを特徴とする請求項6に記載のティーチングツール。
【請求項8】
前記先端部部材が前記ストロークの範囲内で移動して一対のストローク端のうちの先端部から離れた側のストローク端である後部ストローク端の近くにあるとき先端部の位置がトーチボデイの射出するレーザ光が焦点を結ぶ位置である焦点位置に一致する状態が存在し、
前記先端部部材の先端部の位置がレーザ光軸上で前記焦点位置を含みレーザ加工のために許容する所定範囲の距離である加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるか否かを検知する検知機器と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載のティーチングツール。
【請求項9】
検知機器が前記先端部部材の位置が前記後部ストローク端の近くにあるか否かを判定するセンサをもつ、
ことを特徴とする請求項8に記載のティーチングツール。
【請求項10】
レーザ光を射出するトーチボデイとトーチボデイに脱着可能に固定されるシールドチップとを有するレーザ加工ヘッドを動かしてレーザ光を被加工物の被加工部に照射して被加工物を加工するレーザ加工ロボットの教示のためのティーチングツールであって、
トーチボデイに脱着可能に装着できるティーチングツール本体と、
トーチボデイが射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ軸体であって前記ティーチングツール本体に支持されて、ティーチングツール本体から露出し被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ先端部部材と、
先端部部材の先端部が被加工物に当たったか否かを検知できる検知機器と、
を備え、
前記先端部部材の先端部の位置がレーザ光軸上で前記焦点位置に一致する、
ことを特徴とするティーチングツール。
【請求項11】
レーザ光を射出するトーチボデイとトーチボデイに脱着可能に固定されるシールドチップとを有するレーザ加工ヘッドを動かしてレーザ光を被加工物の被加工部に照射して被加工物を加工するレーザ加工ロボットの教示のためのティーチングツールであって、
トーチボデイに脱着可能に装着できるティーチングツール本体と、
トーチボデイが射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ軸体であって前記ティーチングツール本体に支持されて、ティーチングツール本体から露出し被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ先端部部材と、
を備え、
トーチボデーが目視用の照明光をレーザ光のレーザ光軸に沿って射出でき、
前記照明光が前記先端部部材を通過して被加工物の被加工部に照射できる、
ことを特徴とするティーチングツール。
【請求項12】
前記先端部部材が中心軸に沿って前記照明光を通過するための前記先端部部材を貫通する長穴を形成される、
ことを特徴とする請求項11に記載のティーチングツール。
【請求項13】
前記先端部部材が中心軸に沿って前記照明光を通過するための前記先端部部材を貫通しない長穴を形成され、
前記先端部部材の少なくともに沿って長穴が形成されない箇所が前記照明光を透過させる透明体である、
ことを特徴とする請求項11に記載のティーチングツール。
【請求項14】
前記先端部部材の中心軸に沿った全ての箇所が前記照明光を透過させる透明体である、
ことを特徴とする請求項11に記載のティーチングツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はティーチングツールに係る。特に、レーザ加工ロボットを教示するためのティーチングツールに関する。
【背景技術】
【0002】
被加工物をレーザ加工するためのレーザ加工ロボットを用いることがある。
例えば、金属にレーザ光を照射して溶接するのにレーザ加工ロボットが用いられる。
例えば、多関節ロボットのエンドエフェクタにレーザ加工ヘッドを固定し、予め教示された軌跡にしたがってレーザ光を照射する様にレーザ加工ロボットを用いる。
【0003】
レーザ溶接では、レーザ加工ヘッドとしてレーザ光を射出するトーチを用いる。
トーチは、コリメータレンズと集光レンズとトーチボデイとシールドチップとで構成される。
レーザ光が、レーザ発信器により発振され、フアイバーでトーチに導光される。
集光レンズで集光されたレーザ光の焦点を被加工物の被加工部の近傍の適正位置に保ちながらレーザ加工作業をすすめる。
【0004】
捜査員が、レーザ光を照射しない状態で、エンドエフェクタに固定されたレーザ加工ヘッドを被加工部の軌跡にそって動かして、レーザ光の焦点位置を被加工物の被加工部に一致させて加工姿勢を教示(ティーチング)する。
被加工部の軌跡に沿って教示した複数の加工姿勢をレーザ加工ロボットに記憶させる。
さらに、複数の加工姿勢の間を移動する際の軌跡と速度をレーザ加工ロボットにインプットする。
その後、スタートボタンを押すと、レーザ加工ロボットは、レーザ加工ヘッドから照射されるレーザ光の焦点位置が被加工部の軌跡に沿って移動する様に、レーザ加工ロボットがエンドエフェクタに支持されたレーザ加工ヘッドを動かす。
その結果、被加工物の被加工部が軌跡に沿ってレーザ加工される。
【0005】
レーザ溶接では、集光レンズと焦点との距離である焦点距離が重要である。焦点が適正位置の範囲内に一致させることができるか否かが溶接結果に影響を与える。
レーザ溶接の場合、適正位置の範囲は被加工部の面に直交方向に+/ー数ミリの範囲である。
この適正位置の範囲を、加工許容+/-f焦点距離と呼称する。
ロボットによるレーザ溶接の場合、ティーチングポイントは加工許容+/-f焦点距離に収まる様になされる。
【0006】
ここで、レーザ加工ヘッドであるトーチから照射されるレーザ光の焦点位置はトーチの先端部から所定距離だけ離れた位置である。
レーザ加工ロボットを教示する際には、操作者がエンドエンドエフェクタを動かして、レーザ加工ヘッドの先端部から所定距離だけ離れた位置が被加工部に一致していることを目視で確認して、一致していると判断したときのレーザ加工ロボットの姿勢を加工姿勢として教示する。
【0007】
レーザ加工ロボットによるレーザ加工に必要なティーチング作業は、近年開発された協働ロボット技術により改善されている。しかし、特に金属を対象としたレーザ加工の場合には、未だ改善の余地がある。
例えば、レーザ光に特有の性質に起因するものとして、加工点の教示点(ティーチングポイント)に高精度を要求される。
また、溶接トーチの先端がワークと非接触である。すなわち、レーザ加工をする際に、焦点レンズの焦点位置とワークとの距離間隔を適正に保持することが求められ、適正な保持ができないと加工不良を生じる。
従来、適正な保持をするために、距離間隔を目視、カメラ等で確認して教示点を設定するが、熟練を要し、ティーチングの作業に時間を必要とする。
【0008】
レーザ加工ロボットは高精度に加工姿勢を再現しつつレーザ加工をおこなう。
その際に、焦点が被加工部から僅かにずれることがある。
加工許容+/-f焦点距離は、レーザ光軸上で焦点位置を含み適正なレーザ加工のために許容する所定範囲の距離である。
被加工部が加工許容+/-f焦点距離に含まれていれば、適正な加工が期待できる。
被加工部が加工許容+/-f焦点距離に含まれていないと、適正な加工が期待できない。
例えば、適正な加工がされないと、被加工部の強度が期待する程度を下回る。
例えば、適正な加工がされないと、被加工部の気密度が期待する程度を下回る。
一般に、レーザ光の焦点距離が長いと加工許容+/-f焦点距離が長くなり、レーザ光の焦点距離が短いと加工許容+/-f焦点距離が短くなる。
また、レーザ光が被加工部の軌跡から外れないようにしなければならない。
【0009】
加工姿勢を教示する際に、操作員はエンドエフェクタに固定されたレーザ加工ヘッドを集中して動かす。
また、加工姿勢を教示する際に、レーザ加工ヘッドの先端部を被加工物にぶつけてしまうことがない様にも注意しなければならない。
過去には、レーザ加工ヘッドのトーチボディのシールドチップを固定する固定部にシールドチップに換えて脱着可能に装着できるティーチングツールを用いることも検討されている。
【0010】
上述の様に、レーザ加工ロボットの教示をより容易に且つ正確にできるティーチングツールの登場を望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記の要請に鑑み、従来より容易且つ精度よくレーザ加工ロボットの教示をすることができるティーチングツールにを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係るレーザ光を射出するトーチボデイを有するレーザ加工ヘッドを動かしてレーザ光を被加工物の被加工部に照射して被加工物を加工するレーザ加工ロボットを教示するためのティーチングツールであって、トーチボデイに脱着可能に装着できるティーチングツール本体と、トーチボデイが射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ棒状部材であって前記ティーチングツール本体に支持されて被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ先端部部材と、を備える、ものとした。
【0013】
上記本発明の構成では、ティーチングツール本体は、トーチボデイに脱着可能に装着できる。先端部部材は、トーチボデイが射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ軸体であって前記ティーチングツール本体に支持されて被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ。
その結果、先端部を被加工物の被加工部に突き当ててレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットを教示できる。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係るレーザ光を射出するトーチボデイとトーチボデイに脱着可能に固定されるシールドチップとを有するレーザ加工ヘッドを動かしてレーザ光を被加工物の被加工部に照射して被加工物を加工するレーザ加工ロボットを教示するためのティーチングツールであって、トーチボデイに脱着可能に装着できるティーチングツール本体と、トーチボデイが射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ軸体であって前記ティーチングツール本体に支持されてティーチングツール本体を基礎としてレーザ光軸に沿って一対のストローク端に挟まれた所定のストロークの範囲内で移動可能に案内されティーチングツール本体から露出し被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ先端部部材と、前記ティーチングツール本体を基礎として前記先端部部材を先端部のある側へ突出する様に付勢する付勢機構と、を備えるものとした。
【0015】
上記本発明の構成では、ティーチングツール本体は、トーチボデイに脱着可能に装着できる。先端部部材は、トーチボデイが射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ軸体であって前記ティーチングツール本体に支持されて、ティーチングツール本体を基礎としてレーザ光軸に沿って一対のストローク端に挟まれた所定のストロークの範囲内で移動可能に案内され、ティーチングツール本体から露出し被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ。付勢機構は、前記ティーチングツール本体を基礎として前記先端部部材を先端部のある側へ突出する様に付勢する。
その結果、先端部を被加工物の被加工部に突き当てた際の先端部部材のティーチングツール本体を基礎としたストローク位置を参考としてレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットを教示できる。
【0016】
以下に、本発明の実施形態に係るティーチングツールを説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0017】
本発明の実施形態に係るティーチングツールは、前記先端部部材が所定ストロークの範囲内で移動するとき先端部の位置がトーチボデイの射出するレーザ光が焦点を結ぶ位置である焦点位置に一致する状態が存在し、前記先端部部材の先端部の位置がレーザ光軸上で前記焦点位置を含み適正なレーザ加工のために許容する所定範囲の距離である加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるか否かを検知できる検知機器と、を備えるものとした。
上記の実施形態の構成では、前記先端部部材が所定ストロークの範囲内で移動するとき先端部の位置がトーチボデイの射出するレーザ光が焦点を結ぶ位置である焦点位置に一致する状態が存在する。検知機器は、前記先端部部材の先端部の位置がレーザ光軸上で前記焦点位置を含み適正なレーザ加工のために許容する所定範囲の距離である加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるか否かを検知できる。
その結果、レーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときのレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よくできる。
【0018】
本発明の実施形態に係るティーチングツールは、検知機器が前記先端部部材に固定される接点である検知接点とティーチングツール本体に固定される端子である検知端子と当該検知接点と当該検知端子とが導通するか否かを判断する検知回路とを有し、前記先端部部材の先端部が前記加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるとき前記検知端子が前記検知接点に導通し、前記先端部部材の先端部が前記加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まらないとき前記検知端子が前記検知接点に導通しない。
上記の実施形態の構成では、検知機器が検知接点と検知端子と検知回路とを有する。検知接点は、前記先端部部材に固定される接点である。検知端子は、ティーチングツール本体に固定される端子である。検知回路は、当該検知接点と当該検知端子とが導通するか否かを判断する。前記先端部部材の先端部が前記加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるとき前記検知端子が前記検知接点に導通する。前記先端部部材の先端部が前記加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まらないとき前記検知端子が前記検知接点に導通しない。
その結果、検知回路の判断によりレーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときにレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よく容易にできる。
【0019】
本発明の実施形態に係るティーチングツールは、前記検知接点が前記先端部部材に中心軸を中心として巻き付けられた円環状の導電性部材であり、前記検知端子がティーチングツール本体に支持され前記先端部部材を挟んで中心軸に向かって押される一対の導電性部材であり、前記検知回路が一対の検知端子が導通するか否かを判定することにより前記検知接点と前記検知端子とが導通するか否かを判断する。
上記の実施形態の構成では、前記検知接点が前記先端部部材に中心軸を中心として巻き付けられた円環状の導電性部材である。前記検知端子がティーチングツール本体に支持され前記先端部部材を挟んで中心軸に向かって押される一対の導電性部材である。前記検知回路が一対の検知端子が導通するか否かを判定することにより前記検知接点と前記検知端子とが導通するか否かを判断する。
その結果、シンプルな構造によりレーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときを判定できる。
【0020】
本発明の実施形態に係るティーチングツールは、前記先端部部材が前記ストロークの範囲内で移動して一対のストローク端のうちの先端部から離れた側のストローク端である後部ストローク端の近くにあるとき先端部の位置がトーチボデイの射出するレーザ光が焦点を結ぶ位置である焦点位置に一致する状態が存在し、前記先端部部材の先端部の位置がレーザ光軸上で前記焦点位置を含みレーザ加工のために許容する所定範囲の距離である加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるか否かを検知する検知機器と、を備える
上記の実施形態の構成では、前記先端部部材が前記ストロークの範囲内で移動して一対のストローク端のうちの先端部から離れた側のストローク端である後部ストローク端の近くにあるとき先端部の位置がトーチボデイの射出するレーザ光が焦点を結ぶ位置である焦点位置に一致する状態が存在する。検知機器は、前記先端部部材の先端部の位置がレーザ光軸上で前記焦点位置を含みレーザ加工のために許容する所定範囲の距離である加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるか否かを検知する。
その結果、レーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときのレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よくできる。
【0021】
本発明の実施形態に係るティーチングツールは、検知機器が前記先端部部材の位置が前記後部ストローク端の近くにあるか否かを判定するセンサをもつ。
上記の実施形態の構成では、検知機器が前記先端部部材の位置が前記後部ストローク端の近くにあるか否かを判定するセンサをもつ。
その結果、レーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときのレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よくできる。
【0022】
本発明の実施形態にかかるティーチングツールは、トーチボデイ脱着可能に装着できるティーチングツール本体と、トーチボデイが射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ軸体であって前記ティーチングツール本体に支持されてティーチングツール本体から露出し被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ先端部部材と、先端部部材の先端部が被加工物に当たったか否かを検知できる検知機器と、を備え、前記先端部部材の先端部の位置がレーザ光軸上で前記焦点位置に一致する、ものとした。
上記の実施形態の構成では、ティーチングツール本体と、は、トーチボデイに脱着可能に装着できる先端部部材は、トーチボデイが射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ軸体であって前記ティーチングツール本体に支持されてティーチングツール本体から露出し被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ。検知機器は、先端部部材の先端部が被加工物に当たったか否かを検知できる。前記先端部部材の先端部の位置がレーザ光軸上で前記焦点位置に一致する。
その結果、レーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときのレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よくできる。
【0023】
本発明の実施形態に係るティーチングツールは、トーチボデーが目視用の照明光をレーザ光のレーザ光軸に沿って射出でき、前記照明光が前記先端部部材を中心軸に沿って通過して被加工物の被加工部に照射できる。
上記の実施形態の構成では、トーチボデーが目視用の照明光をレーザ光のレーザ光軸に沿って射出できる。前記照明光が前記先端部部材を中心軸に沿って通過して被加工物の被加工部に照射できる。
その結果、照明光が被加工物の被加工部に当たって、ティーチングツール本体を動かして先端部を被加工部に当てる作業が容易になる。
【0024】
本発明の実施形態に係るティーチングツールは、前記先端部部材が中心軸に沿って前記照明光を通過するための前記先端部部材を貫通する長穴を形成される。
上記の実施形態の構成では、前記先端部部材が中心軸に沿って前記照明光を通過するための前記先端部部材を貫通する長穴を形成される。
その結果、前記照明光が前記先端部部材を長穴を通過して被加工物の被加工部に照射できる。
【0025】
本発明の実施形態に係るティーチングツールは、前記先端部部材が中心軸に沿って前記照明光を通過するための前記先端部部材を貫通しない長穴を形成され、前記先端部部材の少なくともに沿って長穴が形成されない箇所が前記照明光を透過させる透明体である。
上記の実施形態の構成では、前記先端部部材が中心軸に沿って前記照明光を通過するための前記先端部部材を貫通しない長穴を形成される。前記先端部部材の少なくともに沿って長穴が形成されない箇所が前記照明光を透過させる透明体である。
その結果、前記照明光が前記先端部部材を長穴を通過して被加工物の被加工部に照射できる。
【0026】
本発明の実施形態に係るティーチングツールは、前記先端部部材の中心軸に沿った全ての箇所が前記照明光を透過させる透明体である。
上記の実施形態の構成では、前記先端部部材の中心軸に沿った全ての箇所が前記照明光を透過させる透明体である。
その結果、前記照明光が前記先端部部材を長穴を通過して被加工物の被加工部に照射できる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明に係るティーチングツールは、その構成により、以下の効果を有する。
トーチボデイに装着できるティーチングツール本体に支持されて被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ先端部部材が、トーチボデイが射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ軸体である様にしたので、先端部を被加工物の被加工部に突き当てた際の先端部部材のティーチングツール本体を基礎としたストローク位置を参考としてレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示をできる。
トーチボデイに装着できるティーチングツール本体に支持されてティーチングツール本体を基礎としてレーザ光軸に沿って一対のストローク端に挟まれた所定のストロークの範囲内で移動可能に案内されティーチングツール本体から露出し被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ先端部部材が、トーチボデイが射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ軸体である様にしたので、先端部を被加工物の被加工部に突き当てて先端部部材のティーチングツール本体を基礎としたストローク位置を参考としてレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示をできる。
先端部部材の先端部を被加工物の被加工部に突き当てて所定ストロークの範囲内で移動させ、検知機器が前記先端部部材の先端部の位置が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるか否かを検知する様にできるので、レーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときのレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よくできる。
前記先端部部材の先端部が前記加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるとき前記検知端子が前記検知接点に導通し、前記先端部部材の先端部が前記加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まらないとき前記検知端子が前記検知接点に導通ぜす、検知回路が当該検知接点と当該検知端子とが導通するか否かを判断する様にしたので、検知回路の判断によりレーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときにレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よく容易にできる。
前記先端部部材に中心軸を中心として巻き付けられた円環状の導電性部材にティーチングツール本体に支持され前記先端部部材を挟んで中心軸に向かって押される一対の導電性部材が接触しているか否かを、一対の検知端子が導通するか否かにより判定し、前記検知接点と前記検知端子とが導通するか否かを判断する様にしたので、シンプルな構造によりレーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときを判定できる。
先端部部材の先端部を被加工物の被加工部に突き当てて所定ストロークの範囲内で移動させ先端部部材が後部ストローク端の近くにあるとき、検知機器が前記先端部部材の先端部の位置が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるか否かを検知する様にしたので、レーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときのレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よくできる。
検知機器が前記先端部部材の位置が前記後部ストローク端の近くにあるか否かを判定するセンサをもつ様にしたので、レーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときのレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よくできる。
先端部部材の先端部を被加工物の被加工部に突き当てて、前記先端部部材の先端部の位置がレーザ光軸上で前記焦点位置に略一致し、検知機器が前記先端部部材の先端部が被加工物に当接したか否かを検知する様にしたので、レーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときのレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よくできる。
トーチボデーがレーザ光のレーザ光軸に沿って射出した目視用の照明光が前記先端部部材を中心軸に沿って通過して被加工物の被加工部に照射できる様にしたので、照明光が被加工物の被加工部に当たって、ティーチングツール本体を動かして先端部を被加工部に当てる作業が容易になる。
トーチボデーが照射した照明光が先端部部材に形成される長穴を通過して被加工物の被火口部に照射される様にしたので、前記照明光が前記先端部部材を長穴を通過して被加工物の被加工部に照射できる。
トーチボデーが照射した照明光が先端部部材に貫通しない様に形成された長穴と透明体とを通過して被加工物の被火口部に照射される様にしたので、前記照明光が前記先端部部材を長穴を通過して被加工物の被加工部に照射できる。
前記先端部部材の中心軸に沿った全ての箇所が前記照明光を透過させる透明体である様にしたので、前記照明光が前記先端部部材を長穴を通過して被加工物の被加工部に照射できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施形態に係るレーザ加工システムの概念図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態に係るティーチングツール本体の構造図その1である。
【
図3】本発明の第一の実施形態に係るティーチングツール本体のA-A断面図である。
【
図4】本発明の第一の実施形態に係るティーチングツール本体の構造図その2である。
【
図5】本発明の第一の実施形態に係るティーチングツール本体の構造図その3である。
【
図6】本発明の第二の実施形態に係るティーチングツール本体の構造図である。
【
図7】本発明の第三の実施形態に係るティーチングツール本体の構造図である。
【
図8】本発明の第四の実施形態に係るティーチングツール本体の構造図である。
【
図9】本発明の第一、第二の実施形態に係るティーチングツールの運用説明図である。
【
図10】本発明の第三、第四の実施形態に係るティーチングツールの運用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための形態を、説明する。
最初に、レーザ加工システムとティーチングツール100との関係を、図を基に、説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るレーザ加工システムの概念図である。
説明の便宜上、レーザ加工がレーザ溶接であるとして、説明する。
【0030】
レーザ加工システムは、レーザ加工ロボット30とロボットコントローラ40とトーチとレーザ光発振器60とティーチングツール100とで構成される。
【0031】
レーザ加工ロボットは、トーチボデイ50を有するレーザ加工ヘッドを動かしてレーザ光を被加工物の被加工部に照射して被加工物を加工する。
レーザ加工ロボット30は、エンドエフェクタ31によりトーチを支持し、ロボットコントローラ40による制御によりトーチの位置と姿勢とを制御する。
トーチは、トーチボデイ50とシールドチップ51とコリメータレンズ52と集光レンズ53とで構成される。
トーチは、トーチボデイ50とシールドチップ51とコリメータレンズ52と集光レンズ53と照明光射出器54とで構成されてもよい。
【0032】
ロボットコントローラ40は、レーザ加工ロボット30を制御する制御装置である。
ロボットコントローラ40は、トーチボデイ50の位置と姿勢が教示された複数のテーチングポイントに沿って連続的に変化する様に、ロボットレーザ加工ロボット30を制御する。
隣り合った一対のティーチングポイントの間の位置と姿勢は、別途指定される軌跡、速度等に従って算出される。
【0033】
トーチボデイ50は、トーチの基本構造であって、シールドチップ51とコリメータレンズ52と集光レンズ53を保持する。
トーチボデイ50は、トーチの基本構造であって、シールドチップ51とコリメータレンズ52と集光レンズ53と照明光射出器54を保持してもよい。
シールドチップ51は、シールドガスを案内する構造であって、トーチボデイ50に脱着加工に支持される。
コリメータレンズ52は、光ファイバーにより案内されたレーザ光を集光レンズ53に導く光学要素である。
集光レンズ53は、レーザ光を焦点に集光させる光学要素である。
集光レンズ53から焦点までの距離を焦点距離Hと呼ぶ。
レーザ光は、焦点で一点に集中し、レーザ光軸に沿って焦点の前後で僅かに広がる。
レーザ光軸上で焦点Fの位置を含み適正なレーザ加工のために許容する所定範囲の距離を加工許容+/-f焦点距離Lと呼称する。
【0034】
照明光射出器54は、可視光である照明光を射出する光学機器である。
レーザ光の光軸と照明光の光軸は、シールドチップの内部で一致する。
【0035】
レーザ光発振器60は、レーザ光を発振する機器である。レーザ光発振器60が発振したレーザ光はファイバーケーブルに導かれてトーチに案内される。
【0036】
ティーチングツール100は、レーザ加工ロボットを教示するためのツールである。
以下に、本発明の第一乃至第三の実施形態にかかるティーチングツール100を、図を基に、各々に説明する。
【0037】
最初に、本発明の第一の実施形態にかかるティーチングツール100その1乃至その3を、図を基に、説明する。
図2は、本発明の第一の実施形態に係るティーチングツール本体の構造図その1である。
図3は、本発明の第一の実施形態に係るティーチングツール本体のA-A断面図である。
図4は、本発明の第一の実施形態に係るティーチングツール本体の構造図その2である。
図5は、本発明の第一の実施形態に係るティーチングツール本体の構造図その3である。
本発明の第一の実施形態に係るティーチングツール本体の構造図その1乃至その3は、先端部部材120の照明光を通過させる構造が異なるのみで、その他の構造は同じなので、
図2、
図3を基に同じ部分を説明する。
【0038】
ティーチングツール100は、ティーチングツール本体110と先端部部材120とを備える。
ティーチングツール100は、ティーチングツール本体110と先端部部材120と付勢機構130とを備えてもよい。
ティーチングツール100は、ティーチングツール本体110と先端部部材120と付勢機構130と検知機器140とを備えてもよい。
【0039】
ティーチングツール本体110は、トーチボデイ50に脱着可能に装着できる部材である。
ティーチングツール本体110は、トーチボデイ50のシールドチップ51を固定する固定部にシールドチップ51に換えて脱着可能に装着できてもよい。
【0040】
先端部部材120は、トーチボデイ50が射出するレーザ光のレーザ光軸Xに一致する中心軸をもつ棒状部材であって、ティーチングツール本体110に支持されて、ティーチングツール本体110を基礎としてレーザ光軸Xに沿って一対のストローク端に挟まれた所定のストロークSの範囲内で移動可能に案内され、ティーチングツール本体110から露出し被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ部材である。
所定のストロークSは、前部ストローク端Sfと後部ストローク端Sbとに挟まれる。
先端部部材120は、ティーチングツール本体110にレーザ光軸Xに沿って形成される長穴Xにレーザ光軸Xに沿って移動自在に案内される。
先端部部材120は、ティーチングツール本体110に設けられる一対のストロークエンド部材111f、111bによりレーザ光軸Xに沿って一対のストローク端に挟まれた所定のストロークSの範囲内に収まる。
前部ストロークエンド部材111fは、ストロークの先端部の側のストロークエンド部材である。
先端部部材120の先端部が前部ストロークエンド部材111fに当たるとき、先端部部材120は前部ストローク端Sfに位置する。
後部ストロークエンド部材111bは、ストロークの先端部の反対側のストロークエンド部材である。
先端部部材120の先端部が後部ストロークエンド部材111bに当たるとき、前部部材120は後部ストローク端Sbに位置する。
所定のストロークSは、加工許容+/ーf焦点距離Lより大きな距離である。
【0041】
先端部部材120が所定のストロークSの範囲内で移動するとき、先端部の位置がトーチボデイの射出するレーザ光が焦点を結ぶ位置である焦点Fの位置に一致する状態が存在する。
【0042】
先端部部材120は、電気的絶縁体でできていてもよい。
先端部部材120は、電気的絶縁体でできた表面を持っていてもよい。
【0043】
先端部部材120は、トーチボデイ50が射出するレーザ光のレーザ光軸Xに一致する中心軸をもつ円柱状部材であってもよい。
先端部部材120は、照明光が先端部部材120を中心軸に沿って通過して被加工物の被加工部に照射できる様になっていてもよい。
例えば、先端部部材120が中心軸に沿って貫通する長穴Xを形成される。
先端部部材120は照明光が先端部部材120を中心軸に沿って通過して被加工物の被加工部に照射できる様になっていなくても、本実施例の構成による効果を減ずるものでないが、このような構成にすることにより被加工部に照射される照明光を目視して先端部部材120の先端部を被加工部に誘導しやすくなる。
【0044】
付勢機構130は、ティーチングツール本体110を基礎として、先端部部材120を先端部のある側へ突出する様に付勢する。
例えば、付勢機構130は、つるまきばねである。
つるまきばねは、ティーチングツール本体110を基礎として、先端部部材120を先端部のある側へ押す。
外力が先端部に作用しないとき、付勢部材130に押されて、先端部部材120は前部ストロークエンド部材111fに当たり、所定のストロークSの先端部のある側に位置する。
【0045】
検知機器140は、先端部部材120の先端部の位置が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるか否かを検知できる機器である。
加工許容+/-f焦点距離は、レーザ光軸上で焦点位置を含み適正なレーザ加工のために許容する所定範囲の距離である。
検知機器140が、先端部部材120の先端部の位置が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まると判断するときON信号またはOFF信号の一方の信号を出力する。
検知機器140が、先端部部材120の先端部の位置が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まらないと判断するときON信号またはOFF信号の他方の信号を出力する。
ON信号またはOFF信号が出力されるとき、音響を発してもよい。
【0046】
例えば、検知機器140は、検知接点141と検知端子142と検知回路143とで構成される。
検知接点141は、先端部部材120に固定される接点である。
検知端子142は、ティーチングツール本体110に固定される端子である
検知回路143は、検知接点141と当該検知端子142とが導通するか否かを判断する。
先端部部材120の先端部が加工許容+/-f焦点距離Lの範囲内に収まるとき検知端子142が検知接点141に導通する。
先端部部材120の先端部が加工許容+/-f焦点距離Lの範囲内に収まらないとき検知端子142が検知接点141に導通しない。
【0047】
例えば、検知接点141が先端部部材120に中心軸を中心として巻き付けられた円環状の導電性部材である。
円環状の導電性部材の中心軸にそった長さを検知距離Mと呼称する。
検知端子142が、ティーチングツール本体110に支持され先端部部材120を挟んで中心軸に向かって押される一対の導電性部材である。
検知回路143が、一対の検知端子142が導通するか否かを判定することにより検知接点141と検知端子143とが導通するか否かを判断する。
検知接点141の中心軸に沿った高さである検知距離が加工許容+/-f焦点距離より短い。
【0048】
検知端子142が検知接点141に点接触する場合、検知距離Mは加工許容+/ーf焦点距離Lに一致するか、または加工許容+/ーf焦点距離Lより短い。
【0049】
先端部部材120の先端部が被加工物の被加工部に当接し、検知端子142が検知接点141に導通する場合、先端部部材120の先端部が加工許容+/-f焦点距離Lの範囲内に収まると判断できる。
先端部部材120の先端部が被加工物の被加工部に当接し、検知端子142が検知接点141に導通しない場合、先端部部材120の先端部が加工許容+/-f焦点距離Lの範囲内に収まらないと判断できる。
【0050】
次に、本発明の第一の実施形態にかかるティーチングツールのその2を、図を基に、説明する。
図4は、本発明の第一の実施形態に係るティーチングツール本体の構造図その2である。
説明の容易のため、ティーチングツールのその1と同じ構造の説明を省略し、異なる構造のみを説明する。
【0051】
先端部部材120は、トーチボデイ50が射出するレーザ光のレーザ光軸Xに一致する中心軸をもつ円柱状部材であってもよい。
先端部部材120は、照明光が先端部部材120を中心軸に沿って通過して被加工物の被加工部に照射できる様になっている。
先端部部材120が中心軸に沿って照明光を透過する透明素材でできている。
【0052】
次に、本発明の第一の実施形態にかかるティーチングツールのその3を、図を基に、説明する。
図5は、本発明の第一の実施形態に係るティーチングツール本体の構造図その3である。
説明の容易のため、ティーチングツールのその1と同じ構造の説明を省略し、異なる構造のみを説明する。
【0053】
先端部部材120は、トーチボデイ50が射出するレーザ光のレーザ光軸Xに一致する中心軸をもつ円柱状部材であってもよい。
先端部部材120は、照明光が先端部部材120を中心軸に沿って通過して被加工物の被加工部に照射できる様になっている。
中心軸に沿って照明光を通過するための先端部部材を貫通しない長穴Xを形成され、少なくとも照明光が貫通しない残りの部分は照明光を透過する透明素材でできている。
【0054】
次に、本発明の第二の実施形態にかかるティーチングツールを、図を基に、説明する。
図6は、本発明の第二の実施形態にかかるティーチングツールの概念図である。
説明の容易のため、本発明の第一のティーチングツールと同じ構造の説明を省略し、異なる構造のみを説明する。
【0055】
先端部部材120が所定のストロークSの範囲内で移動して一対のストローク端のうちの先端部から離れた側のストローク端である後部ストローク端Sbの近くにあるとき先端部の位置がトーチボデイの射出するレーザ光が焦点を結ぶ位置である焦点位置に一致する状態が存在する。
検知機器140は、先端部部材120の先端部の位置がレーザ光軸上で焦点位置を含みレーザ加工のために許容する所定範囲の距離である加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるか否かを検知する機器である。
【0056】
検知機器140は、センサ144と検知回路143とをもつ。
センサ144は、先端部部材の位置が後部ストローク端の近くにあるか否かを判定する電気要素である。
例えば、センサ144の電気要素は、先端部部材の位置が後部ストローク端Sbの近くにあるときON信号を出力し、先端部部材の位置が後部ストローク端Sdの近くにないときOFF信号を出力する。
例えば、電気要素は圧電素子である。
例えば、電気要素は近接センサである。
【0057】
先端部部材120の構造は、本発明の第一の実施形態にかかるティーチングツールその1乃至その3のうちの一つの先端部部材120の構造と同じである。
【0058】
次に、本発明の第三の実施形態にかかるティーチングツールを、図を基に、説明する。
図7は、本発明の第三の実施形態にかかるティーチングツールの概念図である。
説明の容易のため、本発明の第一のティーチングツールと同じ構造の説明を省略し、異なる構造のみを説明する。
【0059】
本発明の第三の実施形態にかかるティーチングツールは、ティーチングツール本体110と先端部部材120と検知機器140とを備える。
ティーチングツール本体110の主要構造は、第一の実施形態にかかるティーチングツールのものと同じなので、説明を省略する。
先端部部材120は、トーチボデイ50が射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ軸体であってティーチングツール本体に支持されて、ティーチングツール本体110から露出し被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ部材である。
先端部部材120の先端部の位置がレーザ光軸上で焦点位置に略一致する。
先端部部材120は、ティーチングツール本体を基礎としてレーザ光軸に沿って一対のストローク端に挟まれた所定のストロークの範囲内で移動可能に案内されてもよい。
例えば、先端部部材120は、ティーチングツール本体を基礎としてレーザ光軸に沿って僅かのストロークの範囲内で移動可能に案内される。
【0060】
検知機器140は、先端部部材120の先端部が被加工物に当たったか否かを検知できる機器である。
検知機器140は、先端部部材120に軸力が発生したことを検知できるセンサ145であってもよい。
例えば、センサ145は、ティーチングツール本体110と先端部部材120とに挟まれる圧電素子である。
先端部部材120に軸力が発生したとき、センサ145に電圧が発生する。
検知機器140は、センサ145に電圧が発生しないとき、先端部部材120の先端部が被加工物に当たたないことを検知できる。
検知機器140は、センサ145に電圧が発生したとき、先端部部材120の先端部が被加工物に当たってることを検知できる。
【0061】
次に、本発明の第四の実施形態にかかるティーチングツールを、図を基に、説明する。
図8は、本発明の第四の実施形態にかかるティーチングツールの概念図である。
説明の容易のため、本発明の第一のティーチングツールと同じ構造の説明を省略し、異なる構造のみを説明する。
先端部部材120は、トーチボデイが射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ棒状部材であってティーチングツール本体に支持されて、ティーチングツール本体110から露出し被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ部材である。
先端部部材120は、ティーチングツール本体110に固定されてもよい。
先端部部材120は、ティーチングツール本体を基礎としてレーザ光軸に沿って僅かのストロークの範囲内で移動可能に案内される様に支持されてもよい。
僅かのストロークは、加工許容+/ーf焦点距離より短い。
先端部部材120のその他の構造は、本発明の第一の実施形態にかかるティーチングツールその1乃至その3のうちの一つの先端部部材120の構造と同じである。
先端部部材120が照明光が先端部部材120を中心軸に沿って通過して被加工物の被加工部に照射できる様になっている構成にすることにより被加工部に照射される照明光を目視して先端部部材120の先端部を被加工部に誘導しやすくなる。
【0062】
次に、本発明の第一、第二の実施形態にかかるティーチングツールを用いてレーザ加工ロボットを教示する手順を、図を基に、説明する。
図9は、本発明の第一、第二の実施形態に係るティーチングツールの運用説明図である。
多関節協働ロボットによる例で溶接トーチは
図9のロボットアーム先端に取り付けられる。
トーチの先端部に本発明のティーチングツールを取り付ける。
例えば、トーチの先端からシールドチップを外し、トーチボデイ50のシールドチップを固定する固定部にティーチングツール100を取り付ける。
【0063】
ロボットは通常ティーチング時に各軸がフリーとなり自由、且つ容易に人力で移動可能範囲内に動かすことが出来る様になっている。
ロボットコントローラ40をティーチングモードにした後、作業者はトーチを持ち、目標とする位置にティーチングツール100の先端部を被加工部の上に移動させ、その位置でトーチを上下させる。
先端部が被加工部に接触し先端部の側へ移動すると、先端部部材120がティーチングツール本体110に案内されて所定のストローク内で後部ストローク端Sbの側へ移動する。
【0064】
照明光を発生させると、レーザ光軸に中心軸を一致する照明光が先端部部材を通過して、被加工部に照射される。
作業員は照明光が被加工部に照射するのを視認できるので、ティーチングツール100の先端部を被加工部に近づけるのが容易になる。
【0065】
先端部部材120の先端部が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるとき、検知端子142が検知接点141に導通する。検知機器140は、検知端子142が検知接点141に導通すると、先端部部材120の先端部の位置が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まると判断する。
例えば、先端部部材120の先端部が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるとき、一対の検知端子142が検知接点141に接触し、一対の検知端子142が導通する。
検知機器は、一対の検知端子142が導通するとき、検知接点と検知端子とが導通すると判断し、先端部部材120の先端部が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まると判断する。
【0066】
検知機器140が先端部部材の先端部が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まると判断すると、ON信号をロボットコントローラ40に出力し、音響を発する。
ロボットコントローラ40は検知機器140からON信号を受信すると、そのときの位置、姿勢をティーチングポイントのデータとして記録する。
溶接線に沿って並ぶ複数のティーチングポイント毎に、ティーチングツールの取り付けられたトーチを動かして、ロボットコントローラ40にティーチングポイントでの位置、姿勢をティーチングポイントのデータとして記録させる。
溶接線に沿って隣あったティーチングポイントの間の軌跡のデータと速度をロボットコントローラ40に入力する。
【0067】
トーチからティーチングツールを取り外し、シールドチップ51を取り付ける。
ロボットコントローラ40を溶接モードにして、スタートボタンを押す。
ロボットコントローラ40は、レーザ光を発振させて、レーザ光をトーチに導き、教示さっれた複数のティーチングポイントをたどって指定された軌跡と速度に従って、トーチが動くようにレーザ加工ロボットを制御する。
その結果、被加工物の加工が完了する。
【0068】
レーザ光とロボットを組み合わせて行われる加工作業は、レーザ特有の性質から制限される狭い加工条件で行われる。
本願発明にかかるティーチングツールを用いると、少量・多品種の加工をする場合にティーチングを容易に行え、熟練度の低い作業員でもティーチングに要する時間を短くできる。
【0069】
次に、本発明の第三、第四の実施形態にかかるティーチングツールを用いてレーザ加工ロボットを教示する手順を、図を基に、説明する。
図10は、本発明の第三、第四の実施形態に係るティーチングツールの運用説明図である。
多関節協働ロボットによる例で溶接トーチは
図10のロボットアーム先端に取り付けられる。
トーチの先端部に本発明のティーチングツールを取り付ける。
例えば、トーチの先端からシールドチップを外し、トーチボデイ50のシールドチップを固定する固定部にティーチングツールが取り付ける。
【0070】
ロボットは通常ティーチング時に各軸がフリーとなり自由、且つ容易に人力で移動可能範囲内に動かすことが出来る様になっている。
ロボットコントローラ40をティーチングモードにした後、作業者はトーチを持ち、目標とする位置にティーチングツール100の先端部を被加工部の上に移動させ、その位置でトーチを上下させる。先端部が被加工部に接触する。
【0071】
照明光を発生させると、レーザ光軸に中心軸を一致する照明光が先端部部材を通過して、被加工部に照射される。
作業員は照明光が被加工部に照射するのを視認できるので、ティーチングツール100の先端部を被加工部に近づけるのが容易になる。
【0072】
第三の実施形態にかかるティーチングツールを用いる場合、検知機器が先端部部材の先端部が被加工物に当たると判断する。
第四の実施形態に係るティーチングツールを用いる場合、作業員が先端部部材の先端部が被加工物に当たると判断する。
【0073】
検知機器140または作業員が先端部部材の先端部が被加工物に当たると判断すると、ON信号をロボットコントローラ40に出力し、音響を発する。
ロボットコントローラ40は検知機器140からON信号を受信すると、そのときの位置、姿勢をティーチングポイントのデータとして記録する。
溶接線に沿って並ぶ複数のティーチングポイント毎に、ティーチングツールの取り付けられたトーチを動かして、ロボットコントローラ40にティーチングポイントでの位置、姿勢をティーチングポイントのデータとして記録させる。
溶接線に沿って隣あったティーチングポイントの間の軌跡のデータと速度をロボットコントローラ40に入力する。
【0074】
トーチからティーチングツールを取り外し、シールドチップ51を取り付ける。
ロボットコントローラ40を溶接モードにして、スタートボタンを押す。
ロボットコントローラ40は、レーザ光を発振させて、レーザ光をトーチに導き、教示さっれた複数のティーチングポイントをたどって指定された軌跡と速度に従って、トーチが動くようにレーザ加工ロボットを制御する。
その結果、被加工物の加工が完了する。
【0075】
レーザ光とロボットを組み合わせて行われる加工作業は、レーザ特有の性質から制限される狭い加工条件で行われる。
本願発明にかかるティーチングツールを用いると、少量・多品種の加工をする場合にティーチングを容易に行え、熟練度の低い作業員でもティーチングに要する時間を短くできる。
【0076】
上述のとおり、本発明の実施形態に係るティーチングツールを用いれば、以下の効果を有する。
トーチボデイ50に装着できるティーチングツール本体110に支持されて被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ先端部部材120が、トーチボデイ50が射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ軸体である様にしたので、先端部を被加工物の被加工部に突き当ててレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットを教示できる。
トーチボデイ50に装着できるティーチングツール本体110に支持されてティーチングツール本体110を基礎としてレーザ光軸に沿って一対のストローク端に挟まれた所定のストロークの範囲内で移動可能に案内されティーチングツール本体110から露出し被加工物の被加工部に当接可能な先端部をもつ先端部部材120が、トーチボデイ50が射出するレーザ光のレーザ光軸に一致する中心軸をもつ軸体である様にしたので、先端部を被加工物の被加工部に突き当てた際の先端部部材120のティーチングツール本体110を基礎としたストローク位置を参考としてレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットを教示できる。
先端部部材120の先端部を被加工物の被加工部に突き当てて所定ストロークの範囲内で移動させ、検知機器が先端部部材120の先端部の位置が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるか否かを検知する様にできるので、レーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときのレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よくできる。
先端部部材120の先端部が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるとき検知端子が検知接点に導通し、先端部部材120の先端部が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まらないとき検知端子が検知接点に導通ぜす、検知回路が当該検知接点と当該検知端子とが導通するか否かを判断する様にしたので、
検知回路の判断によりレーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときにレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よく容易にできる。
先端部部材120に中心軸を中心として巻き付けられた円環状の導電性部材にティーチングツール本体110に支持され先端部部材120を挟んで中心軸に向かって押される一対の導電性部材が接触しているか否かを、一対の検知端子が導通するか否かにより判定し、検知接点と検知端子とが導通するか否かを判断する様にしたので、シンプルな構造によりレーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときを判定できる。
先端部部材120の先端部を被加工物の被加工部に突き当てて所定ストロークの範囲内で移動させ先端部部材120が後部ストローク端の近くにあるとき、検知機器が先端部部材120の先端部の位置が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるか否かを検知する様にしたので、レーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときのレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よくできる。
検知機器が先端部部材120の位置が後部ストローク端の近くにあるか否かを判定するセンサをもつ様にしたので、レーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときのレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よくできる。
先端部部材120の先端部を被加工物の被加工部に突き当てて、先端部部材120の先端部の位置がレーザ光軸上で焦点位置に略一致し、検知機器が先端部部材120の先端部が被加工物に当接したか否かを検知する様にしたので、レーザ光の焦点が加工許容+/-f焦点距離の範囲内に収まるときのレーザ加工ロボットの姿勢を記録することでレーザ加工ロボットの教示を精度よくできる。
トーチボデーがレーザ光のレーザ光軸に沿って射出した目視用の照明光が先端部部材120を中心軸に沿って通過して被加工物の被加工部に照射できる様にしたので、照明光が被加工物の被加工部に当たって、ティーチングツール本体110を動かして先端部を被加工部に当てる作業が容易になる。
トーチボデーが照射した照明光が先端部部材120に形成される長穴Xを通過して被加工物の被火口部に照射される様にしたので、照明光が先端部部材120を長穴Xを通過して被加工物の被加工部に照射できる。
トーチボデーが照射した照明光が先端部部材120に貫通しない様に形成された長穴Xと透明体とを通過して被加工物の被火口部に照射される様にしたので、照明光が先端部部材120を長穴Xを通過して被加工物の被加工部に照射できる。
先端部部材120の中心軸に沿った箇所が照明光を透過させる透明体である様にしたので、照明光が先端部部材120を長穴Xを通過して被加工物の被加工部に照射できる。
【0077】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
【符号の説明】
【0078】
F 焦点
H 焦点距離
L 加工許容+/ーf焦点距離
M 検知距離
S 所定のストローク
Sf 前部ストローク端
Sb 後部ストローク端
X レーザ光軸
W 長穴
20 被加工物
30 レーザ加工ロボット
31 エンドエフェクタ
40 ロボットコントローラ
50 トーチボデイ
51 シールドチップ
52 コリメータレンズ
53 集光レンズ
54 照明光射出器
60 レーザ光発振器
100 ティーチングツール
110 ティーチングツール本体
111f 前部ストロークエンド部材
111b 後部ストロークエンド部材
120 先端部部材
130 付勢機構
140 検知機器
141 検知接点
142 検知端子
143 検知回路
144 センサ
145 センサ(圧電素子)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0079】
【特許文献1】特開2023-014518号
【特許文献2】特開2011-255473号
【特許文献3】特開2004-074190号
【特許文献4】特開2002-001554号