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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017853
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20240201BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20240201BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G09G3/20 632G
G09F9/302 C
G09G3/20 641P
G09G3/36
G09G3/20 624B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120768
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 勉
(72)【発明者】
【氏名】冨沢 一成
【テーマコード(参考)】
5C006
5C080
5C094
【Fターム(参考)】
5C006AA22
5C006BB16
5C006BC06
5C080AA06
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080FF11
5C080HH09
5C080JJ01
5C080JJ03
5C080JJ06
5C094AA02
5C094AA05
5C094BA43
5C094CA20
(57)【要約】
【課題】表示装置において、画質の向上を図ること。
【解決手段】表示装置1は、表示領域DAにおいて複数の画素のうち互いに隣接する2つの画素Pによって構成される1組の画素CPは、2つの第1副画素Sα、2つの第2副画素Sβおよび2つの第3副画素Sγによって構成され、駆動回路11は、複数の画素Pのうち一の画素Pが有する階調データを、一の画素Pと互いに隣接する他の画素Pの階調データに割り当て、他の画素Pの階調データに基づいて、他の画素Pに含まれる第1副画素Sα、第2副画素Sβおよび第3副画素Sγを駆動する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域において複数の画素を構成する複数の第1副画素、複数の第2副画素および複数の第3副画素と、
複数の前記画素それぞれが有する複数の階調データに基づいて、前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素を駆動する駆動回路と、を備え、
複数の前記画素のうち互いに隣接する2つの前記画素によって構成される1組の画素は、2つの前記第1副画素、2つの前記第2副画素および2つの前記第3副画素によって構成され、
2つの前記第1副画素のうち一方の前記第1副画素、および、2つの前記第2副画素のうち一方の前記第2副画素は、それぞれ、前記1組の画素のうち一方の前記画素に含まれ、
2つの前記第2副画素のうち他方の前記第2副画素、および、2つの前記第3副画素のうち一方の前記第3副画素は、それぞれ、前記1組の画素のうち他方の前記画素に含まれ、
2つの前記第3副画素のうち他方の前記第3副画素、および、2つの前記第1副画素のうち他方の前記第1副画素は、それぞれ、前記1組の画素のうち両方の前記画素に跨ることで両方の前記画素に含まれ、
前記駆動回路は、複数の前記画素のうち一の前記画素が有する前記階調データを、一の前記画素と互いに隣接する他の前記画素の前記階調データに割り当て、他の前記画素の前記階調データに基づいて、他の前記画素に含まれる前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素を駆動する、
表示装置。
【請求項2】
前記階調データは、第1階調データ、第2階調データおよび第3階調データを有し、
前記駆動回路は、
複数の前記画素のうち前記第1副画素と互いに隣接する前記画素の前記第1階調データ、および、前記第1副画素を含む前記画素の前記第1階調データを用いて第1副階調データを生成し、前記第1副階調データに基づいて前記第1副画素を駆動し、
複数の前記画素のうち前記第2副画素と互いに隣接する前記画素の前記第2階調データ、および、前記第2副画素を含む前記画素の前記第2階調データを用いて第2副階調データを生成し、前記第2副階調データに基づいて前記第2副画素を駆動し、
複数の前記画素のうち前記第3副画素と互いに隣接する前記画素の前記第3階調データ、および、前記第3副画素を含む前記画素の前記第3階調データを用いて第3副階調データを生成し、前記第3副階調データに基づいて前記第3副画素を駆動する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記駆動回路は、前記第1階調データを重み付けする係数を乗算した前記第1階調データを用いて前記第1副階調データを生成し、
前記第1副画素と前記画素との平面視での距離が長いほど、前記係数は小さい、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記駆動回路は、前記第1階調データを重み付けする係数を乗算した前記第1階調データを用いて、前記第1副階調データを生成し、
1つの前記第1副階調データを生成する際に用いられる複数の前記第1階調データそれぞれ乗算される複数の前記係数の合計は、1である、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記駆動回路は、前記第1階調データを重み付けする係数を乗算した前記第1階調データを用いて、前記第1副階調データを生成し、
1つの前記第1副階調データを生成する際に用いられる複数の前記第1階調データそれぞれ乗算される複数の前記係数の合計は、1と異なり、
1つの前記第1副階調データの値が所定データ値より大きい場合、前記第1副階調データを前記所定データ値とする、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記駆動回路は、前記第1階調データを重み付けする係数を乗算した前記第1階調データを用いて、前記第1副階調データを生成し、
複数の前記第1副階調データを生成する際に用いられる1つの前記第1階調データそれぞれ乗算される複数の前記係数の合計は、1である、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記駆動回路は、
前記第1階調データを重み付けする係数を乗算した前記第1階調データを用いて、前記第1副階調データを生成し、
前記第2階調データを重み付けする係数を乗算した前記第2階調データを用いて、前記第2副階調データを生成し、
前記第3階調データを重み付けする係数を乗算した前記第3階調データを用いて、前記第3副階調データを生成し、
前記1組の画素を構成する2つの前記第1副画素それぞれの平面視において、前記第1副画素の面積重心と、前記第1副画素を含む前記画素の面積重心および前記第1副画素と互いに隣接する複数の前記画素の面積重心それぞれとを結ぶ直線であり、前記第1副階調データを生成する際に用いられる複数の前記第1階調データと前記第1副階調データとの関連性を示す複数の第1仮想線、
前記1組の画素を構成する2つの前記第2副画素それぞれの平面視において、前記第2副画素の面積重心と、前記第2副画素を含む前記画素の面積重心および前記第2副画素と互いに隣接する複数の前記画素の面積重心それぞれとを結ぶ直線であり、前記第2副階調データを生成する際に用いられる複数の前記第2階調データと前記第2副階調データとの関連性を示す複数の第2仮想線、および、
前記1組の画素を構成する2つの前記第3副画素それぞれの平面視において、前記第3副画素の面積重心と、前記第3副画素を含む前記画素の面積重心および前記第3副画素と互いに隣接する複数の前記画素の面積重心それぞれとを結ぶ直線であり、前記第3副階調データを生成する際に用いられる複数の前記第3階調データと前記第3副階調データとの関連性を示す複数の第3仮想線、によって形成される仮想図形は、平面視において前記1組の画素の面積重心を通る直線を対称軸とする線対称形状であり、
前記係数は、複数の前記第1階調データと前記第1副階調データとの関連性、複数の前記第2階調データと前記第2副階調データとの関連性、および、複数の前記第3階調データと前記第3副階調データとの関連性にしたがって、前記第1仮想線、前記第2仮想線および前記第3仮想線と関連付けられ、
複数の前記第1仮想線、複数の前記第2仮想線および複数の前記第3仮想線のうち、互いに線対称の関係にある2つの直線に関連する2つの前記係数は、互いに等しい、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記駆動回路は、
前記第1階調データを重み付けする係数を乗算した複数の前記第1階調データを用いて、前記第1副階調データを生成し、
前記第2階調データを重み付けする係数を乗算した複数の前記第2階調データを用いて、前記第2副階調データを生成し、
前記第3階調データを重み付けする係数を乗算した複数の前記第3階調データを用いて、前記第3副階調データを生成し、
前記1組の画素を構成する2つの前記第1副画素それぞれの平面視において、前記第1副画素の面積重心と、前記第1副画素を含む前記画素の面積重心および前記第1副画素と互いに隣接する複数の前記画素の面積重心それぞれとを結ぶ直線であり、前記第1副階調データを生成する際に用いられる複数の前記第1階調データと前記第1副階調データとの関連性を示す複数の第1仮想線、
前記1組の画素を構成する2つの前記第2副画素それぞれの平面視において、前記第2副画素の面積重心と、前記第2副画素を含む前記画素の面積重心および前記第2副画素と互いに隣接する複数の前記画素の面積重心それぞれとを結ぶ直線であり、前記第2副階調データを生成する際に用いられる複数の前記第2階調データと前記第2副階調データとの関連性を示す複数の第2仮想線、および、
前記1組の画素を構成する2つの前記第3副画素それぞれの平面視において、前記第3副画素の面積重心と、前記第3副画素を含む前記画素の面積重心および前記第3副画素と互いに隣接する複数の前記画素の面積重心それぞれとを結ぶ直線であり、前記第3副階調データを生成する際に用いられる複数の前記第3階調データと前記第3副階調データとの関連性を示す複数の第3仮想線、によって形成される仮想図形は、平面視において前記1組の画素の面積重心を不動点とする点対称形状であり、
複数の前記係数は、複数の前記第1階調データと前記第1副階調データとの関連性、複数の前記第2階調データと前記第2副階調データとの関連性、および、複数の前記第3階調データと前記第3副階調データとの関連性にしたがって、複数の前記第1仮想線、複数の前記第2仮想線および複数の前記第3仮想線と関連付けられ、
複数の前記第1仮想線、複数の前記第2仮想線および複数の前記第3仮想線のうち、互いに点対称の関係にある2つの直線に関連する2つの前記係数は、互いに等しい、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項9】
複数の前記係数は、予め定められている所定値を分母とする分数で表され、
前記所定値は、16以上の2進数である、
請求項3から8の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記駆動回路は、
前記表示領域より外側に前記画素と互いに隣接する仮想画素を生成し、
前記仮想画素の前記階調データを、前記仮想画素と互いに隣接する前記画素の前記階調データと同じデータとし、
前記表示領域の周縁に位置する前記1組の画素に含まれる前記第1副画素の前記第1副階調データを生成する際、前記仮想画素の前記階調データが有する前記第1階調データを用いる、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項11】
複数の前記第1副画素、複数の前記第2副画素および複数の前記第3副画素は、平面視において、第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に沿って行列状に配置され、
前記第1方向に沿って、前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素がこの順に繰り返し配置され、
前記第2方向に沿って、前記第1副画素、前記第3副画素および前記第2副画素がこの順に繰り返し配置されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
複数の前記第1副画素、複数の前記第2副画素および複数の前記第3副画素は、平面視において、第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に沿って行列状に配置され、
前記第1方向に沿って、前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素がこの順に繰り返し配置され、
前記第2方向に沿って前記第1副画素と前記第3副画素とが交互に並ぶ第1列、前記第2方向に沿って前記第2副画素と前記第1副画素とが交互に並ぶ第2列、および、前記第2方向に沿って前記第3副画素と前記第2副画素とが交互に並ぶ第3列が、この順に前記第1方向に沿って繰り返し配置されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1副画素の色は、赤であり、
前記第2副画素の色は、緑であり、
前記第3副画素の色は、青である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
表示領域において複数の画素を構成する複数の第1副画素、複数の第2副画素および複数の第3副画素と、
複数の前記画素それぞれが有する複数の階調データに基づいて、前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素を駆動する駆動回路と、を備え、
複数の前記画素のうち互いに隣接する2つの前記画素によって構成される1組の画素は、3つの前記第1副画素、2つの前記第2副画素および1つの前記第3副画素によって構成され、
3つの前記第1副画素のうち第1の前記第1副画素、および、2つの前記第2副画素のうち一方の前記第2副画素は、それぞれ、前記1組の画素のうち一方の前記画素に含まれ、
3つの前記第1副画素のうち第2の前記第1副画素、および、2つの前記第2副画素のうち他方の前記第2副画素は、それぞれ、前記1組の画素のうち他方の前記画素に含まれ、
3つの前記第1副画素のうち第3の前記第1副画素、および、1つの前記第3副画素は、それぞれ、前記1組の画素のうち両方の前記画素に跨ることで両方の前記画素に含まれ、
前記駆動回路は、複数の前記画素のうち一の前記画素が有する前記階調データを、一の前記画素と互いに隣接する他の前記画素の前記階調データに割り当て、他の前記画素の前記階調データに基づいて、他の前記画素に含まれる前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素を駆動する、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~3には、表示領域に複数の副画素を有し、画像信号をレンダリング処理して表示領域に画像を表示することにより、表示品質を向上できる表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-097371号公報
【特許文献2】特開2018-101140号公報
【特許文献3】特開2019-095513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示装置においては、高精細度化が進んでいるとともに、画質の向上の要望がある。
【0005】
本開示は、表示装置において、画質の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の表示装置は、表示領域において複数の画素を構成する複数の第1副画素、複数の第2副画素および複数の第3副画素と、複数の前記画素それぞれが有する複数の階調データに基づいて、前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素を駆動する駆動回路と、を備え、複数の前記画素のうち互いに隣接する2つの前記画素によって構成される1組の画素は、2つの前記第1副画素、2つの前記第2副画素および2つの前記第3副画素によって構成され、2つの前記第1副画素のうち一方の前記第1副画素、および、2つの前記第2副画素のうち一方の前記第2副画素は、それぞれ、前記1組の画素のうち一方の前記画素に含まれ、2つの前記第2副画素のうち他方の前記第2副画素、および、2つの前記第3副画素のうち一方の前記第3副画素は、それぞれ、前記1組の画素のうち他方の前記画素に含まれ、2つの前記第3副画素のうち他方の前記第3副画素、および、2つの前記第1副画素のうち他方の前記第1副画素は、それぞれ、前記1組の画素のうち両方の前記画素に跨ることで両方の前記画素に含まれ、複数の前記画素のうち一の前記画素が有する前記階調データを、一の前記画素と互いに隣接する他の前記画素の前記階調データに割り当て、他の前記画素の前記階調データに基づいて、他の前記画素に含まれる前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素を駆動する。
【0007】
また、本開示の表示装置は、表示領域において複数の画素を構成する複数の第1副画素、複数の第2副画素および複数の第3副画素と、複数の前記画素それぞれが有する複数の階調データに基づいて、前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素を駆動する駆動回路と、を備え、複数の前記画素のうち互いに隣接する2つの前記画素によって構成される1組の画素は、3つの前記第1副画素、2つの前記第2副画素および1つの前記第3副画素によって構成され、3つの前記第1副画素のうち第1の前記第1副画素、および、2つの前記第2副画素のうち一方の前記第2副画素は、それぞれ、前記1組の画素のうち一方の前記画素に含まれ、3つの前記第1副画素のうち第2の前記第1副画素、および、2つの前記第2副画素のうち他方の前記第2副画素は、それぞれ、前記1組の画素のうち他方の前記画素に含まれ、3つの前記第1副画素のうち第3の前記第1副画素、および、1つの前記第3副画素は、それぞれ、前記1組の画素のうち両方の前記画素に跨ることで両方の前記画素に含まれ、前記駆動回路は、複数の前記画素のうち一の前記画素が有する前記階調データを、一の前記画素と互いに隣接する他の前記画素の前記階調データに割り当て、他の前記画素の前記階調データに基づいて、他の前記画素に含まれる前記第1副画素、前記第2副画素および前記第3副画素を駆動する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の第1実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。
図2図2は、表示パネルの回路構成を示す図である。
図3A図3Aは、表示パネルの断面図である。
図3B図3Bは、第1実施形態の変形例に係る表示パネルの断面図である。
図4図4は、表示パネルの平面視を示す図である。
図5図5は、1群の画素のうち1組の画素に対して実行されるレンダリング処理における画素と副画素との関連性を示す図である。
図6図6は、1群の画素のうち他の1組の画素に対して実行されるレンダリング処理における画素と副画素とのを示す図である。
図7図7は、1群の画素のうち他の1組の画素に対して実行されるレンダリング処理における画素と副画素とのを示す図である。
図8図8は、レンダリング処理における画素と第1副画素との関連性を示す図である。
図9図9は、1組の画素における複数の第1仮想線、複数の第2仮想線および複数の第3仮想線によって形成される仮想図形を示す図である。
図10図10は、仮想画素を示す図である。
図11図11は、第2実施形態に係る表示装置における表示パネルの平面視を示す図である。
図12図12は、第2実施形態における1組の画素に対して実行されるレンダリング処理における画素と副画素との関連性を示す図である。
図13図13は、第2実施形態に係るレンダリング処理における画素と第1副画素との関連性を示す図である。
図14図14は、第2実施形態の第2変形例に係る1組の画素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0010】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
図面で示すX方向およびY方向は、表示装置に含まれる基板の主面に平行な方向に相当する。X方向の+X側、-X側、Y方向の+Y側、-Y側は、表示装置1の側方に相当する。Z方向は、表示装置1の厚み方向に相当し、Z方向の+Z側は、表示装置1において画像が表示される前面側に相当し、Z方向の-Z側は、表示装置1の背面側に相当する。また、本明細書において、「平面視」は、+Z側から-Z側に向かって表示装置1を見ることである。なお、X、Y、Zの方向は一例であって、本開示はこれらの方向に限定されない。また、X方向は、「第1方向」に相当する。Y方向は、「第2方向」に相当する。
【0012】
<第1実施形態>
図1は、本開示の第1実施形態に係る表示装置1の構成を示す図である。表示装置1は、フレキシブル配線基板2を介して電気的に接続されている外部装置3から出力される画像信号に基づいて画像を表示する。表示装置1は、表示パネル10および照明装置20を備えている。
【0013】
表示パネル10は、透過型の液晶ディスプレイである。なお、表示パネル10は、例えば、有機ELディスプレイおよび無機ELディスプレイでもよい。表示パネル10の前面は、画像が表示される表示領域DAを有している。表示パネル10は、表示領域DAにおいてX方向およびY方向に沿って行列状に配置されている複数の副画素Sを有している。副画素Sの詳細は、後述する。
【0014】
照明装置20は、表示パネル10の背面側に配置され、表示パネル10に向けて光を出射する。照明装置20は、例えば、複数の発光ダイオードによって構成されている。
【0015】
図2は、表示パネル10の回路構成を示す図である。表示パネル10は、駆動回路11、ならびに、複数の副画素Sそれぞれが有するスイッチング素子SW、副画素電極PE、共通電極CE、液晶容量LC、および、保持容量CSを備えている。
【0016】
駆動回路11は、複数の副画素Sを駆動する。駆動回路11は、信号処理回路11a、信号出力回路11b、および、走査回路11cを備えている。
【0017】
信号処理回路11aは、外部装置3から送信される画像信号に基づいて、複数の副画素信号を生成し(詳細は後述する)、生成した複数の副画素信号を信号出力回路11bに出力する。また、信号処理回路11aは、信号出力回路11bの動作と走査回路11cの動作とを同期させるクロック信号を信号出力回路11bおよび走査回路11cに出力する。
【0018】
信号出力回路11bは、複数の副画素信号それぞれを対応する副画素Sに出力する。信号出力回路11bと複数の副画素Sとは、Y方向に沿って延びる複数の信号線Lbを介して電気的に接続されている。
【0019】
走査回路11cは、信号出力回路11bによる副画素信号の出力と同期して、複数の副画素Sを走査する。走査回路11cと複数の副画素Sとは、X方向に沿って延びる複数の走査線Lcを介して電気的に接続されている。
【0020】
スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成されている。スイッチング素子SWにおいて、ソース電極と信号線Lbとが電気的に接続され、ゲート電極と走査線Lcとが電気的に接続されている。
【0021】
副画素電極PEは、スイッチング素子SWのドレイン電極に接続されている。共通電極CEは、複数の走査線Lcに対応して複数配置されている。副画素電極PEおよび共通電極CEは、透光性を有する。
【0022】
液晶容量LCは、副画素電極PEと共通電極CEとの間にある後述する液晶層13の液晶材料の容量成分である。保持容量CSは、共通電極CEと同電位の電極と、副画素電極PEと同電位の電極との間に配置されている。
【0023】
図3Aは、表示パネル10の断面図である。副画素Sは、第1基板12、液晶層13、および、第2基板14をさらに備えている。第1基板12、液晶層13、および、第2基板14は、それぞれ透光性を有し、Z方向に沿って-Z側から+Z側に向けて、この順に配置されている。
【0024】
第1基板12は、平面視矩形状であり、複数の副画素Sに対して1つ設けられている。第1基板12には、駆動回路11を構成するICチップTiが配置されている(図1)。
【0025】
第1基板12の+Z側の主面12aには、カラーフィルタCFおよび信号線Lbが配置されている。カラーフィルタCFは、平面視矩形状であり、複数の副画素Sそれぞれに1つずつ配置されている。
【0026】
カラーフィルタCFは、透光性を有し、透過させる光のスペクトルのピークが予め定めされている。スペクトルのピークは、互いに異なる3つの色に対応する3つのスペクトルのピークのいずれかである。3つの色は、赤、緑、および青であるが、色の個数および種類がこれに限定されないことは言うまでもない。以下、カラーフィルタCFが透過させる光のスペクトルのピークに対応する色を、カラーフィルタCFの色と称する。
【0027】
信号線Lbは、X方向において互いに隣接する2つの副画素SのカラーフィルタCFの間に配置されている。信号線Lbは、X方向において互いに隣接する2つの副画素Sの境界と重なる位置にある。なお、主面12aには、Y方向において互いに隣接する2つの副画素SのカラーフィルタCFの間に走査線Lcが配置されている。
【0028】
また、第1基板12には、カラーフィルタCFおよび信号線Lbの+Z側に、絶縁層IL1を介して、副画素電極PEが配置されている。副画素電極PEは、Z方向において、カラーフィルタCFと重畳している。
【0029】
さらに、第1基板12には、副画素電極PEの+Z側に、絶縁層IL2を介して、遮光膜SMおよび共通電極CEが配置されている。
【0030】
遮光膜SMは、遮光性を有し、複数の副画素Sを区画する。つまり、遮光膜SMは、X方向およびY方向において互いに隣接する複数の副画素Sの境界と重なる位置にある。また、遮光膜SMは、Z方向において、信号線Lbおよび走査線Lcと重畳する。
【0031】
共通電極CEは、遮光膜SMの+Z側に積層されるとともに、スリットSLを有し、互いに隣り合う2つの副画素電極PEに跨るように配置されている。このように、共通電極CEと副画素電極PEは、第1基板12に配置されている。つまり、表示パネル10は、横電界方式の液晶ディスプレイである。
【0032】
液晶層13は、複数の液晶分子LMを含んで構成されている。液晶層13は、Z方向において、2つの配向膜ALの間にある。液晶分子LMの向きは、2つの配向膜ALによって規制される。
【0033】
第2基板14は、平面視矩形状であり、複数の副画素Sに対して1つ設けられている。
【0034】
また、表示パネル10は、第1基板12の背面側に配置されている第1偏光板15、および、第2基板14の前面側に配置されている第2偏光板16をさらに備えている。
【0035】
第1偏光板15は、Z方向と直交する透過軸を有している。第2偏光板16は、第1偏光板15の透過軸およびZ方向と直交する透過軸を有している。
【0036】
なお、表示パネル10は、図3Bに示すように構成されてもよい。図3Bは、第1実施形態の変形例に係る表示パネル110の断面図である。本変形例に係る表示パネル110は、上記の表示パネル10と同様に、第1基板112、液晶層113、第2基板114、第1偏光板115、および、第2偏光板116を備えている。
【0037】
第1基板112の主面112aには、共通電極CEが配置されている。また、共通電極CEの前面には絶縁層ILが配置され、さらに、副画素電極PE、および、配向膜ALがさらに配置されている。副画素電極PEは、絶縁層ILと配向膜ALとの間に配置されている。
【0038】
また、第2基板114の背面には、遮光膜SM、カラーフィルタCF、および、配向膜ALが配置されている。遮光膜SMおよびカラーフィルタCFは、第2基板114と配向膜ALとの間に配置されている。なお、図3Bにおいて、信号線Lbおよび走査線Lcの図示は省略されている。
【0039】
次に、表示パネル10の動作について説明する。はじめに、表示パネル10がノーマリブラック方式であり、表示領域DAに黒色が表示される場合について説明する。この場合、駆動回路11は、副画素Sを駆動せず、液晶層13に電界が発生していない。これにより、液晶分子LMの向きが配向膜ALによって規制されている。
【0040】
表示パネル10の背面側から照明装置20からの光が第1偏光板15に入射する。第1偏光板15を透過した光は、第1偏光板15の透過軸と平行な偏光軸を有する直線偏光である。第1偏光板15を透過した光は、第1基板12を透過し、液晶層13に入射する。
【0041】
液晶分子LMの向きが配向膜ALによって規制されている場合、液晶層13において、光の偏光軸は回転しない。液晶層13を透過した光は、第2基板14を透過して、第2偏光板16に入射する。
【0042】
液晶層13および第2基板14を透過した光の偏光軸と第2偏光板16の透過軸とが直交しており、液晶層13を透過した光は、第2偏光板16を透過しない。つまり、液晶分子LMの向きが配向膜ALによって規制されている場合、照明装置20からの光は副画素Sを透過しない。これにより、表示領域DAは、黒色が表示される。
【0043】
次に、表示領域DAに画像が表示される場合の表示パネル10の動作について説明する。この場合、信号処理回路11aによって生成される副画素信号が信号出力回路11bを介して複数の副画素Sに出力される。副画素信号は、後述するように副画素Sの階調を示す副階調データを含んでいる。
【0044】
走査回路11cによって副画素Sが走査されることで、スイッチング素子SWが操作され、副画素電極PEに副画素信号が送信される。これにより、共通電極CEと副画素電極PEとの間に電位差、ひいては、液晶層13に電界が発生することで、液晶分子LMの向きが変化する。液晶分子LMの向きは、副階調データに応じた向きである。これにより、液晶層13において、光の偏光軸の向きは、副階調データに応じて変化する。液晶層13を透過した光において、第2偏光板16の偏光軸に対して偏光軸が直交していない光は、第2偏光板16を透過する。
【0045】
第2偏光板16を透過した光の輝度は、副階調データに応じた輝度である。このように、副画素信号によって液晶分子LMの向きが調整されることで、液晶層13の透光率すなわち液晶層13を透過する光の輝度が調整される。また、第1基板12においてカラーフィルタCFを透過した光は、カラーフィルタCFの色に相当する色を有する。つまり、第2偏光板16を透過した光は、カラーフィルタCFの色に相当する色を有し、輝度が調整されている。
【0046】
複数の副画素Sそれぞれにおいて、カラーフィルタCFの色すなわち第2偏光板16を透過する光の色は、副画素Sの色に相当する。また、複数の副画素Sそれぞれにおいて、階調データに応じて第2偏光板16を透過する光の輝度が調整される。これにより、画像信号に基づく画像が表示領域DAに表示される。なお、表示パネル10は、ノーマリホワイト方式でもよい。
【0047】
次に、表示領域DAにおける複数の副画素Sの配列について、図4を用いて説明する。図4は、表示パネル10の平面視を示す図である。図4に示す複数の副画素Sは、カラーフィルタCFおよび遮光膜SMによって示されている。平面視において、複数の副画素Sは遮光膜SMによって区画されており、カラーフィルタCFは矩形状である。
【0048】
複数の副画素Sの形状は、互いに同じ平面視矩形状である。具体的には、X方向長さよりY方向長さが長い平面視長方形状である。なお、複数の副画素Sの形状が平面視長方形状に限定されないことは、言うまでもない。複数の副画素Sは、表示領域DAにX方向およびY方向に沿って行列状に配置されている。
【0049】
複数の副画素Sは、複数の第1副画素Sα、複数の第2副画素Sβおよび複数の第3副画素Sγを有している。第1副画素Sα、第2副画素Sβおよび第3副画素Sγにおいて、カラーフィルタCFの色すなわち副画素Sの色が互いと異なる。第1副画素Sαの色は、赤である。第2副画素Sβの色は、緑である。第3副画素Sγの色は、青である。なお、副画素Sの色がこれに限定されないことは言うまでもなく、第1副画素Sαの色、第2副画素Sβの色、および、第3副画素Sγの色が互いに異なればよい。また、図4において、かっこ内にある符号は、副画素Sの色を示しており、「R」は赤色、「G」は緑色、および、「B」は青色である。第1副画素Sα、第2副画素Sβおよび第3副画素Sγを区別せずに共通する事項を説明するときは、単に、「副画素S」と称する場合がある。
【0050】
複数の第1副画素Sα、複数の第2副画素Sβおよび複数の第3副画素Sγは、図4に示す配置で配列されている。図4に示す副画素Sの配列を、SQy2配列と称する。具体的に、SQy2配列では、平面視において、X方向に沿って、第1副画素Sα、第2副画素Sβおよび第3副画素Sγがこの順に繰り返し配置されており、Y方向に沿って、第1副画素Sα、第3副画素Sγおよび第2副画素Sβがこの順に繰り返し配置されている。
【0051】
また、図4に示す太線は、外部装置3から出力される画像信号に対応する画素Pを示している。画素Pは、太線で囲まれた平面視矩形状である。具体的には、画素Pは、平面視正方形状である。なお、画素Pが平面視正方形状に限定されないことは、言うまでもない。表示領域DAにおいて、複数の画素Pは、X方向およびY方向に沿って行列状に並ぶ。
【0052】
また、複数の画素Pのうち互いに隣接する2つの画素Pは、6つの副画素Sによって構成されている。具体的には、Y方向で互いに隣接する2つの画素Pによって構成される1組の画素CPにおいて、6つの副画素Sは、Y方向に沿う3つ行とX方向に沿う2つの列とによって構成される行列状に配置されている。以下、1組の画素CPにおいて、3つの行のうち最も+Y側に位置する行を1行目とし、1行目から-Y側に向かうにしたがって、2行目および3行目とする。また、1組の画素CPにおいて、2つの列のうち最も-X側に位置する列を1列目とし、1列目から+X側の列を2列目とする。
【0053】
1組の画素CPは、2つの第1副画素Sα、2つの第2副画素Sβ、および、2つの第3副画素Sγによって構成されている。複数の副画素Sが上記のようにSQy2配列によって配列されていることで、2つの第1副画素Sα、2つの第2副画素Sβ、および、2つの第3副画素Sγの配置が互いに異なる3つの1組の画素CP1,CP2,CP3がある。なお、1組の画素CP1,CP2,CP3を区別せずに共通する事項を説明するときは、単に「1組の画素CP」と称する場合がある。
【0054】
例えば、図4に示す最も+Y側かつ最も-X側に位置する1組の画素CP1において、2つの第1副画素Sαのうち+Y側に位置する一方の第1副画素Sα、および、2つの第2副画素Sβのうち+Y側に位置する一方の第2副画素Sβは、それぞれ、+Y側に位置する一方の画素CP1aに含まれる。具体的には、一方の第1副画素Sαは、1行目かつ1列目に位置し、一方の画素CP1aに含まれる。一方の第2副画素Sβは、1行目かつ2列目に位置し、一方の画素CP1aに含まれる。
【0055】
また、その1組の画素CP1において、2つの第2副画素Sβのうち-Y側に位置する他方の第2副画素Sβ、および、2つの第3副画素Sγのうち-Y側に位置する一方の第3副画素Sγは、それぞれ、1組の画素CP1のうち-Y側に位置する他方の画素CP1bに含まれる。具体的には、他方の第2副画素Sβは、3行目かつ1列目に位置し、他方の画素CP1bに含まれる。一方の第3副画素Sγは、3行目かつ2列目に位置し、他方の画素CP1bに含まれる。
【0056】
さらに、その1組の画素CP1において、2つの第3副画素Sγのうち+Y側に位置する他方の第3副画素Sγ、および、2つの第1副画素Sαのうち-Y側に位置する他方の第1副画素Sαは、それぞれ、1組の画素CP1のうち両方の画素CP1a,CP1bに跨ることで両方の画素CP1a,CP1bに含まれる。具体的には、他方の第3副画素Sγは、2行目かつ1列目に位置し、両方の画素CP1a,CP1bに含まれる。他方の第1副画素Sαは、2行目かつ2列目に位置し、両方の画素CP1a,CP1bに含まれる。
【0057】
また、他方の第3副画素Sγおよび他方の第1副画素Sαそれぞれにおいて、一方の画素CP1aに含まれている分の面積と、他方の画素CP1bに含まれている分の面積とは、平面視で等しい。つまり、他方の第3副画素Sγおよび他方の第1副画素Sαは、それぞれ、1組の画素CP1を構成する2つの画素CP1a,CP1bに平面視で等分されている。
【0058】
また、上記の1組の画素CP1の+X側で1組の画素CP1と隣接している1組の画素CP2では、上記の1組の画素CP1の第1副画素Sαが第3副画素Sγに置き換わっており、1組の画素CP1の第2副画素Sβが第1副画素Sαに置き換わっており、1組の画素CP1の第3副画素Sγが第2副画素Sβに置き換わっている。
【0059】
さらに、1組の画素CP2の+X側で1組の画素CP2と隣接している1組の画素CP3では、上記の1組の画素CP1の第1副画素Sαが第2副画素Sβに置き換わっており、1組の画素CP1の第2副画素Sβが第3副画素Sγに置き換わっており、1組の画素CP1の第3副画素Sγが第1副画素Sαに置き換わっている。
【0060】
この3つの1組の画素CP1,CP2,CP3の集まりを、1群の画素GPを称する。表示領域DAにおいて、この1群の画素GPが、X方向およびY方向に沿って行列状に並んでいる。このように、6つの副画素Sによって2つの画素P(つまり1組の画素CP)が構成される場合、色が互いに異なる3つの副画素がストライプ状に配列されて1つの画素が構成される場合と比べ、副画素Sの平面視の形状が正方形に近づくことで、画像の高精細度化を図ることができる。
【0061】
次に、駆動回路11が画像信号に基づいて副画素信号を生成する処理について説明する。画像信号は、複数の画素Pに対応して複数送信される。これにより、複数の画素Pは、それぞれ、画像信号が有する色データおよび階調データを有する。
【0062】
色データは、互いに異なる色を有する第1色データ、第2色データおよび第3色データを有している。第1色データの色は、第1副画素Sαの色と同じである。第2色データの色は、第2副画素Sβの色と同じである。第3色データの色は、第3副画素Sγの色と同じである。つまり、複数の画素Pは、それぞれ、色が互いに異なる3つの色データを有する。
【0063】
階調データは、第1色データに対応する第1階調データ、第2色データに対応する第2階調データ、および、第3色データに対応する第3階調データを有している。つまり、複数の画素Pは、それぞれ、3つの色データに対応する3つの階調データを有している。
【0064】
駆動回路11は、複数の画素Pに送信される階調データから、複数の副画素Sそれぞれについて、副画素Sの階調を示す副階調データを生成する。例えば、駆動回路11は、1組の画素CPに送信される2つの画像信号から、その1組の画素CPを構成する6つの副画素Sの副階調データを生成することができる。
【0065】
具体的には、1組の画素CPに2つの画像信号が送信されることで、1組の画素CPは、2つの第1色データ、2つの第2色データおよび2つの第3色データ、ならびに、2つの第1階調データ、2つの第2階調データおよび2つの第3階調データを有している。また、上記のように、1組の画素CPは、2つの第1副画素Sα、2つの第2副画素Sβおよび2つの第3副画素Sγによって構成されている。
【0066】
よって、駆動回路11は、2つの第1階調データ、2つの第2階調データおよび2つの第3階調データを、2つの第1副画素Sα、2つの第2副画素Sβおよび2つの第3副画素Sγに、色を対応させて単に振り分けることで、2つの第1副階調データ、2つの第2副階調データおよび2つの第3副階調データを生成することができる。
【0067】
しかしながら、このように生成された副画素信号によって表示される画像には、いわゆるジャギーが発生して、画質が劣化する場合がある。そこで、駆動回路11が複数の画素Pの階調データを用いて1つの副画素信号を生成するレンダリング処理を行うことで画質の向上を図る。
【0068】
次に、駆動回路11が1組の画素CPを構成する6つの副画素Sの副画素信号を生成する際のレンダリング処理について説明する。図5は、1群の画素GPのうち1組の画素CP1に対して実行されるレンダリング処理における画素Pと副画素Sとの関連性を示す図である。
【0069】
図5は、1群の画素GPのうち1組の画素CP1を構成する2つの画素P、および、1組の画素CP1と隣接する複数(10個)の画素Pの合計12個の画素Pを示している。図5に示す12個の画素Pは、X方向に沿う4つの行とY方向に沿う3つの列とで構成される行列状に配置されている。
【0070】
以下、12個の画素Pにおいて、4つの行のうち最も+Y側に位置する行を1行目とし、1行目から-Y側に向かうにしたがって、2行目、3行目および4行目とする。また、12個の画素Pにおいて、3つの列のうち最も-X側に位置する列を1列目とし、1列目から+X側に向かうにしたがって2列目および3列目とする。
【0071】
説明の便宜上、画素Pの符号に、その画素Pの行列の位置を示す2桁の番号を付けて説明する。2桁の番号において、1桁目は列番号を示し、2桁目は行番号を示す。例えば、3行目かつ1列目の画素Pは「画素P31」であり、2行目かつ3列目の画素Pは「画素P23」である。
【0072】
また、図5に示す点Gは、12個の画素Pそれぞれの平面視での面積重心である。また、点Gに付けられている番号は、対応する画素Pにおける行列の位置を示す。例えば、画素P31の面積重心は「点G31」であり、画素P23の面積重心は「点G23」である。なお、第1実施形態において、画素Pは平面視正方形状であるため、平面視において、画素Pの面積重心は、画素Pの対角線の交点であり、画素Pの中心に相当する。
【0073】
また、図5に示す1組の画素CP1において、2つの第1副画素Sα、2つの第2副画素Sβ、および、2つの第3副画素Sγが、上記のように、Y方向に沿う3つ行とX方向に沿う2つの列とによって構成される行列状に配置される。
【0074】
説明の便宜上、副画素Sの符号に、その副画素Sの行列の位置を示す2桁の番号を付けて説明する。2桁の番号において、1桁目は列番号を示し、2桁目は行番号を示す。例えば、1行目かつ1列目の第1副画素Sαは「第1副画素Sα11」であり、1行目かつ2列目の第2副画素Sβは「第2副画素Sβ12」である。また、2行目かつ1列目の第3副画素Sγは「第3副画素Sγ21」であり、2行目かつ2列目の第1副画素Sαは「第1副画素Sα22」である。さらに、3行目かつ1列目の第2副画素Sβは「第2副画素Sβ31」であり、3行目かつ2列目の第3副画素Sγは「第3副画素Sγ32」である。
【0075】
また、図5に示す点gは、6つの副画素Sそれぞれの平面視での面積重心である。また、点gに付けられている番号は、対応する副画素Sにおける行列の位置を示す。例えば、第3副画素Sγ12の面積重心は「点g12」であり、第3副画素Sγ31の面積重心は「点g31」である。なお、第1実施形態において、副画素Sは平面視矩形状であるため、平面視において、副画素Sの面積重心は、副画素Sの対角線の交点であり、副画素Sの中心に相当する。
【0076】
駆動回路11は、第1副画素Sαを駆動する副画素信号に含まれる第1副階調データを生成する。第1副階調データは、複数の画素Pの階調データのうち第1副画素Sαの色と同じ色を有する第1色データに対応する第1階調データを用いて生成される。具体的には、第1副階調データは、複数の副画素Sのうち第1副画素Sαと互いに隣接する画素Pの第1階調データ、および、第1副画素Sαを含む画素Pの第1階調データを用いて生成される。
【0077】
具体的には、第1副画素Sα11と互いに隣接する画素Pは、画素P11、画素P12および画素P21である。また、第1副画素Sα11を含む画素Pは、画素P22である。つまり、第1副画素Sα11の第1副階調データは、画素P11、画素P12、画素P21および画素P22それぞれが有する第1階調データを用いて生成される。このように、第1副画素Sα11の第1副階調データと、画素P11、画素P12、画素P21および画素P22それぞれが有する第1階調データとは、第1副階調データの生成において関連性を有している。
【0078】
図5には、この関連性を実線にて示す第1仮想線が示されている。第1仮想線は、第1副画素Sαの面積重心と画素Pの面積重心とを結ぶ直線であり、第1副階調データを生成する際に用いられる複数の第1階調データと第1副階調データとの関連性を示す。
【0079】
具体的には、第1仮想線α11は、点g11と点G11とを結ぶ直線であり、第1副画素Sα11の第1副階調データの生成に画素P11の第1階調データが用いられることを示す。第1仮想線α12は、点g11と点G12とを結ぶ直線であり、第1副画素Sα11の第1副階調データの生成に画素P12の第1階調データが用いられることを示す。
【0080】
第1仮想線α13は、点g11と点G21とを結ぶ直線であり、第1副画素Sα11の第1副階調データの生成に画素P21の第1階調データが用いられることを示す。第1仮想線α14は、点g11と点G22とを結ぶ直線であり、第1副画素Sα11の第1副階調データの生成に画素P22の第1階調データが用いられることを示す。
【0081】
また、第1副画素Sα22と互いに隣接する画素Pは、画素P23および画素P33である。そして、第1副画素Sα22を含む画素Pは、画素P22および画素P32である。つまり、第1副画素Sα22の第1副階調データは、画素P23、画素P33、画素P22および画素P32それぞれが有する第1階調データを用いて生成される。
【0082】
そして、第1仮想線α41は、点g22と点G22とを結ぶ直線であり、第1副画素Sα22の第1副階調データの生成に画素P22の第1階調データが用いられることを示す。第1仮想線α42は、点g22と点G23とを結ぶ直線であり、第1副画素Sα22の第1副階調データの生成に画素P23の第1階調データが用いられることを示す。
【0083】
第1仮想線α43は、点g22と点G32とを結ぶ直線であり、第1副画素Sα22の第1副階調データの生成に画素P32の第1階調データが用いられることを示す。第1仮想線α44は、点g22と点G33とを結ぶ直線であり、第1副画素Sα22の第1副階調データの生成に画素P33の第1階調データが用いられることを示す。なお、第1仮想線は、第1副画素Sαの面積重心以外の点(例えば、-Y側の辺の中心点)と画素Pの面積重心以外の点(例えば、-Y側の辺の中心点)とを結ぶ直線でもよい。
【0084】
また、駆動回路11は、第2副画素Sβを駆動する副画素信号に含まれる第2副階調データを生成する。第2副階調データは、複数の画素Pの階調データのうち第2副画素Sβの色と同じ色を有する第2色データに対応する第2階調データを用いて生成される。具体的には、第2副階調データは、複数の副画素Sのうち第2副画素Sβと互いに隣接する画素Pの第2階調データ、および、第2副画素Sβを含む画素Pの第2階調データを用いて生成される。
【0085】
具体的には、第2副画素Sβ12と互いに隣接する画素Pは、画素P12、画素P13および画素P23である。また、第2副画素Sβ12を含む画素Pは、画素P22である。つまり、第2副画素Sβ12の第2副階調データは、画素P12、画素P13、画素P23および画素P22それぞれが有する第2階調データを用いて生成される。このように、第2副画素Sβ12の第2副階調データと、画素P12、画素P13、画素P23および画素P22それぞれが有する第2階調データとは、第2副階調データの生成において関連性を有している。
【0086】
図5には、この関連性を破線にて示す第2仮想線が示されている。第2仮想線は、第2副画素Sβの面積重心と画素Pの面積重心とを結ぶ直線であり、第2副階調データを生成する際に用いられる複数の第2階調データと第2副階調データとの関連性を示す。
【0087】
具体的には、第2仮想線β21は、点g12と点G12とを結ぶ直線であり、第2副画素Sβ12の第2副階調データの生成に画素P12の第2階調データが用いられることを示す。第2仮想線β22は、点g12と点G13とを結ぶ直線であり、第2副画素Sβ12の第2副階調データの生成に画素P13の第2階調データが用いられることを示す。
【0088】
第2仮想線β23は、点g12と点G22とを結ぶ直線であり、第2副画素Sβ12の第2副階調データの生成に画素P22の第2階調データが用いられることを示す。第2仮想線β24は、点g12と点G23とを結ぶ直線であり、第2副画素Sβ12の第2副階調データの生成に画素P22の第2階調データが用いられることを示す。
【0089】
また、第2副画素Sβ31と互いに隣接する画素Pは、画素P31、画素P41および画素P42である。また、第2副画素Sβ31を含む画素Pは、画素P32である。つまり、第2副画素Sβ31の第2副階調データは、画素P31、画素P41、画素P42および画素P32それぞれが有する第2階調データを用いて生成される。
【0090】
そして、第2仮想線β51は、点g31と点G31とを結ぶ直線であり、第2副画素Sβ31の第2副階調データの生成に画素P31の第2階調データが用いられることを示す。第2仮想線β52は、点g31と点G32とを結ぶ直線であり、第2副画素Sβ31の第2副階調データの生成に画素P32の第2階調データが用いられることを示す。
【0091】
第2仮想線β53は、点g31と点G41とを結ぶ直線であり、第2副画素Sβ31の第2副階調データの生成に画素P41の第2階調データが用いられることを示す。第2仮想線β54は、点g31と点G42とを結ぶ直線であり、第2副画素Sβ31の第2副階調データの生成に画素P42の第2階調データが用いられることを示す。なお、第2仮想線は、第2副画素Sβの面積重心以外の点(例えば、-Y側の辺の中心点)と画素Pの面積重心以外の点(例えば、-Y側の辺の中心点)とを結ぶ直線でもよい。
【0092】
また、駆動回路11は、第3副画素Sγを駆動する副画素信号に含まれる第3副階調データを生成する。第3副階調データは、複数の画素Pの階調データのうち第3副画素Sγの色と同じ色を有する第3色データに対応する第3階調データを用いて生成される。具体的には、第3副階調データは、複数の副画素Sのうち第3副画素Sγと互いに隣接する画素Pの第3階調データ、および、第3副画素Sγを含む画素Pの第3階調データを用いて生成される。
【0093】
具体的には、第3副画素Sγ21と互いに隣接する画素Pは、画素P21および画素P31である。そして、第3副画素Sγ21を含む画素Pは、画素P22および画素P32である。つまり、第3副画素Sγ21の第3副階調データは、画素P21、画素P31、画素P22および画素P32それぞれが有する第3階調データを用いて生成される。このように、第3副画素Sγ21の第3副階調データと、画素P21、画素P31、画素P22および画素P32それぞれが有する第3階調データとは、第3副階調データの生成において関連性を有している。
【0094】
図5には、この関連性を一点鎖線にて示す第3仮想線が示されている。第3仮想線は、第3副画素Sγの面積重心と画素Pの面積重心とを結ぶ直線であり、第3副階調データを生成する際に用いられる複数の第3階調データと第3副階調データとの関連性を示す。
【0095】
具体的には、第3仮想線γ31は、点g21と点G21とを結ぶ直線であり、第3副画素Sγ21の第3副階調データの生成に画素P21の第3階調データが用いられることを示す。第3仮想線γ32は、点g21と点G22とを結ぶ直線であり、第3副画素Sγ21の第2副階調データの生成に画素P22の第3階調データが用いられることを示す。
【0096】
第3仮想線γ33は、点g21と点G31とを結ぶ直線であり、第3副画素Sγ21の第2副階調データの生成に画素P31の第3階調データが用いられることを示す。第3仮想線γ34は、点g21と点G32とを結ぶ直線であり、第3副画素Sγ21の第3副階調データの生成に画素P32の第3階調データが用いられることを示す。
【0097】
また、第3副画素Sγ32と互いに隣接する画素Pは、画素P33、画素P42および画素P43である。また、第3副画素Sγ32を含む画素Pは、画素P32である。つまり、第3副画素Sγ32の第3副階調データは、画素P33、画素P42、画素P43および画素P32それぞれが有する第3階調データを用いて生成される。
【0098】
そして、第3仮想線γ61は、点g32と点G32とを結ぶ直線であり、第3副画素Sγ32の第3副階調データの生成に画素P32の第3階調データが用いられることを示す。第3仮想線γ62は、点g32と点G33とを結ぶ直線であり、第3副画素Sγ32の第3副階調データの生成に画素P33の第3階調データが用いられることを示す。
【0099】
第3仮想線γ63は、点g32と点G42とを結ぶ直線であり、第3副画素Sγ32の第3副階調データの生成に画素P42の第3階調データが用いられることを示す。第3仮想線γ64は、点g32と点G43とを結ぶ直線であり、第3副画素Sγ32の第3副階調データの生成に画素P43の第3階調データが用いられることを示す。なお、第3仮想線は、第3副画素Sγの面積重心以外の点(例えば、-Y側の辺の中心点)と画素Pの面積重心以外の点(例えば、-Y側の辺の中心点)とを結ぶ直線でもよい。以下、第1仮想線、第2仮想線および第3仮想線について区別せずに共通する事項を説明するときは、単に仮想線と称する場合がある。
【0100】
なお、図5において、1群の画素GPのうち1組の画素CP1に対して実行されるレンダリング処理における画素Pと副画素Sとの関連性を示したが、1群の画素GPのうち他の2つの1組の画素CP2,CP3においても、同様に画素Pと副画素Sとの関連性を有する。
【0101】
図6は、1群の画素GPのうち他の1組の画素CP2に対して実行されるレンダリング処理における画素Pと副画素Sとのを示す図である。図6は、1群の画素GPのうち1組の画素CP2を構成する2つの画素P、および、1組の画素CP2と隣接する複数(10個)の画素Pの合計12個の画素Pを示している。
【0102】
1組の画素CP1と1組の画素CP2との間で、6つの副画素Sの位置関係が上記のように置き換わっている。よって、1組の画素CP1および1組の画素CP2において、第1仮想線、第2仮想線および第3仮想線によって形成される仮想図形は、互いに同じ形状となる。しかしながら、1組の画素CP2は、1組の画素CP1の第1仮想線が第3仮想線に、1組の画素CP1の第2仮想線が第1仮想線に、および、1組の画素CP1の第3仮想線が第2仮想線に置き換わっている。よって、1組の画素CP1および1組の画素CP2において、互いに同じ位置にある仮想線の符号に付けられている番号が互いに同じとなるが、仮想線の種類が互いに異なる。
【0103】
例えば、図5に示す第1仮想線α11に対応する図6に示す仮想図形の仮想線は、第3仮想線γ11である。また、図5に示す仮想図形の第3仮想線γ63に対応する図6に示す仮想図形の仮想線は、第2仮想線β63である。
【0104】
図7は、1群の画素GPのうち他の1組の画素CP3に対して実行されるレンダリング処理における画素Pと副画素Sとのを示す図である。図7は、1群の画素GPのうち1組の画素CP3を構成する2つの画素P、および、1組の画素CP3と隣接する複数(10個)の画素Pの合計12個の画素Pを示している。
【0105】
1組の画素CP1と1組の画素CP3との間で、6つの副画素Sの位置関係が上記のように置き換わっている。よって、1組の画素CP1および1組の画素CP3において、第1仮想線、第2仮想線および第3仮想線によって形成される仮想図形は、互いに同じ形状となる。しかしながら、1組の画素CP3は、1組の画素CP1の第1仮想線が第2仮想線に、1組の画素CP1の第2仮想線が第3仮想線に、および、1組の画素CP1の第3仮想線が第1仮想線に置き換わっている。よって、1組の画素CP1および1組の画素CP3において、互いに同じ位置にある仮想線の符号に付けられている番号が互いに同じとなるが、仮想線の種類が互いに異なる。
【0106】
例えば、図5に示す第1仮想線α11に対応する図7に示す仮想図形の仮想線は、第2仮想線β11である。また、図5に示す仮想図形の第3仮想線γ63に対応する図7に示す仮想図形の仮想線は、第1仮想線α63である。
【0107】
つまり、1群の画素GPを構成する3つの1組の画素CPそれぞれにおける複数の仮想線において、互いに同じ位置にある仮想線の符号に付けられている番号は互いに同じであるが、互いに同じ位置にある仮想線の種類は互いに異なる。
【0108】
このように、第1副階調データ、第2副階調データおよび第3副階調データの生成において、1群の画素GPを構成する3つの1組の画素CPそれぞれにおいて、6つの副画素Sと複数の画素Pとが関連性を有する。そして、1つの第1副画素Sαの第1副階調データの生成には、その1つの第1副画素Sαに関連する複数の画素Pの第1階調データが用いられる。また、1つの第2副画素Sβの第2副階調データの生成には、その1つの第2副画素Sβに関連する複数の画素Pの第2階調データが用いられる。さらに、1つの第3副画素Sγの第3副階調データの生成には、その1つの第3副画素Sγに関連する複数の画素Pの第3階調データが用いられる。
【0109】
換言すると、1つの画素Pの第1階調データは、その1つの画素Pに関連する複数の第1副画素Sαの第1副階調データの生成に用いられる。また、1つの画素Pの第2階調データは、その1つの画素Pに関連する複数の第2副画素Sβの第2副階調データの生成に用いられる。さらに、1つの画素Pの第3階調データは、その1つの画素Pに関連する複数の第3副画素Sγの第3副階調データの生成に用いられる。
【0110】
図8は、レンダリング処理における画素Pと第1副画素Sαとの関連性を示す図である。具体的には、図8は、1つの画素Pの第1階調データは、その1つの画素Pに関連する複数の第1副画素Sαの第1副階調データの生成に用いられることを示している。
【0111】
具体的には、複数の画素Pそれぞれにおいて、画素Pの第1階調データは、その画素Pと互いに隣接する第1副画素Sαの第1副階調データ、および、その画素Pに含まれる第1副画素Sαの第1副階調データの生成に用いられる。なお、図8に示す第1仮想線の番号は、第1仮想線に対応する第1副画素Sαを含む1組の画素CPにおける第1仮想線の番号である。
【0112】
例えば、1群の画素GP1の1組の画素CP1で+Y側に位置する一方の画素CP1aの第1階調データは、一方の画素CP1aを構成する2つの第1副画素Sα11,Sα22の第1副階調データの生成に用いられる。また、一方の画素CP1aの第1階調データは、他の1群の画素GP2の1組の画素CP3に含まれる第1副画素Sα32の第1副階調データ、および、他の1群の画素GP3の1組の画素CP2に含まれる第1副画素Sα31の第1副階調データの生成に用いられる。
【0113】
なお、図8では、1つの画素Pの第1階調データは、その1つの画素Pに関連する複数の第1副画素Sαの第1副階調データの生成に用いられることを示したが、同様に、1つの画素Pの第2階調データは、その1つの画素Pに関連する複数の第2副画素Sβの第2副階調データの生成に用いられる。同様に、1つの画素Pの第3階調データは、その1つの画素Pに関連する複数の第3副画素Sγの第3副階調データの生成に用いられる。
【0114】
図9は、1組の画素CPにおける複数の第1仮想線、複数の第2仮想線および複数の第3仮想線によって形成される仮想図形を示す図である。図9は、1組の画素CP1の仮想図形を示している。
【0115】
上記のように、複数の画素Pは互いに同じ平面視正方形状であり、複数の副画素Sは互いに同じ矩形状である。また、1組の画素CPにおいて、2つの画素Pに跨っている副画素S、つまり、1組の画素CPに含まれる2行目の2つの副画素Sは、それぞれ、等分されている。
【0116】
よって、1組の画素CPにおける複数の第1仮想線、複数の第2仮想線および複数の第3仮想線によって形成される仮想図形は、平面視において、1組の画素CPの面積重心である点Hを通る2つの直線L1,L2それぞれを対称軸とする線対称形状である。
【0117】
具体的には、仮想図形において、直線L1は、点Hを通り、Y方向に沿って延びている。なお、直線L1は、点G12、点G22、点G32および点G42を通る。また、直線L2は、1組の画素CPの点Hを通り、X方向に沿って延びている。なお、直線L2は、点G21および点G22を通る。さらに、2つの直線L1,L2は、点Hで互いに直交している。よって、1組の画素CPの仮想図形は、1組の画素CPの面積重心である点Hを不動点とする点対称形状である。
【0118】
また、駆動回路11は、第1階調データを重み付けする係数を乗算した第1階調データを用いて第1副階調データを生成する。第1階調データを重み付けする係数は、複数の階調データと第1階調データとの関連性にしたがって、第1仮想線と関連付けられている。そして、駆動回路11は、第2階調データを重み付けする係数を乗算した第2階調データを用いて第2副階調データを生成する。第2階調データを重み付けする係数は、複数の階調データと第2階調データとの関連性にしたがって、第2仮想線と関連付けられている。さらに、駆動回路11は、第3階調データを重み付けする係数を乗算した第3階調データを用いて第3副階調データを生成する。第3階調データを重み付けする係数は、複数の階調データと第3階調データとの関連性にしたがって、第3仮想線と関連付けられている。
【0119】
説明の便宜上、階調データを重み付けする係数に、仮想線の符号に付けられている2桁の番号と同じ2桁の番号を付け、図9において、仮想線の符号の近傍に、その仮想線に関連する係数の符号をかっこ付けして示す。
【0120】
例えば、第1副画素Sα11の第1副階調データの生成に画素P11の第1階調データが用いられることを示す第1仮想線α11には、画素P11の第1階調データを重み付けする係数K11が関連付けられる。第1副画素Sα11の第1副階調データの生成に画素P12の第1階調データが用いられることを示す第1仮想線α12には、画素P12の第1階調データを重み付けする係数K12が関連付けられる。
【0121】
そして、第1副画素Sα11の第1副階調データの生成に画素P21の第1階調データが用いられることを示す第1仮想線α13には、画素P21の第1階調データを重み付けする係数K13が関連付けられる。第1副画素Sα11の第1副階調データの生成に画素P22の第1階調データが用いられることを示す第1仮想線α14には、画素P22の第1階調データを重み付けする係数K14が関連付けられる。
【0122】
また、第1副画素Sαと画素Pとの平面視での距離が長いほど、係数は小さく定められる。具体的には、第1副画素Sαの面積重心と画素Pの面積重心との平面視での距離が長いほど、係数は小さく定められる。つまり、第1仮想線の長さが長いほど、第1仮想線に関連付けられている係数が小さい。
【0123】
例えば、図9に示すように、画素Pの1辺の長さを「a」とすると、点G11から画素Pの一辺までの距離は、(1/2)×aである。また、点g11から点g11の-X側の画素Pの1辺までの距離は、(1/4)×aである。さらに、点g11から点g11の+Y側の画素Pの1辺までの距離は、(1/3)×aである。
【0124】
よって、第1仮想線α11の長さ、第1仮想線α12の長さ、第1仮想線α13の長さ、および、第1仮想線α14の長さは、1.12×a、0.87×a、0.77×a、および、0.3aであり、この順に小さくなる。したがって、係数は、仮想線の長さの逆数に基づいて定めることで、関連付けられている仮想線が長いほど小さくなる。つまり、係数K11と、係数K12と、係数K13と、係数K14との比率を、およそ(1/1.12):(1/0.87):(1/0.77):(1/0.3)とする。
【0125】
また、上記のように、1つの第1階調データが複数の第1副階調データの生成に用いられるため、係数は、第1階調データを複数の第1副階調データに適切に分配する値に定められる。つまり、係数は、予め定められている所定値を分母とする分数で表される。
【0126】
所定値は、2進数で定められる。第1階調データは、2進数で定められているからである。また、係数が第1階調データを適切に分配するために、所定値は、16以上の2進数に定められる。第1実施形態では、所定値は、駆動回路11による計算時間が比較的短い16であるが、この値に限定されないことは言うまでもない。
【0127】
さらに、1つの第1副階調データを生成する際に用いられる複数の第1階調データそれぞれ乗算される複数の係数の合計は、1に定められる。例えば、図9において、係数K11と、係数K12と、係数K13と、係数K14との合計は、1に定められる。
【0128】
したがって、係数K11と、係数K12と、係数K13と、係数K14との比率がおよそ上記の比率であり、係数K11、係数K12、係数K13および係数K14それぞれの分母が16であり、かつ、係数K11と、係数K12と、係数K13と、係数K14との合計を1となるようにする。つまり、係数K11、係数K12、係数K13および係数K14は、2.14/16、2.76/16、3.12/16、7.98/16となる。
【0129】
さらに、上記の係数K11、係数K12、係数K13および係数K14の分子において、少数点以下の数値の切り上げまたは切り下げなどをする端数処理が行われることで、係数K11、係数K12、係数K13および係数K14は、2/16、3/16、3/16、および、8/16と定められる。これにより、分子が整数になり、係数が駆動回路11で扱い易い値となる。なお、上記の端数処理は、行われなくてもよい。
【0130】
また、第1副画素Sα22についても、上記の第1副画素Sα11と同様に、係数K41、係数K42、係数K43および係数K44が定められる。
【0131】
第1仮想線α41の長さ、第1仮想線α42の長さ、第1仮想線α43の長さ、および、第1仮想線α44の長さは、0.9×a、0.56×a、0.9×a、および、0.56aである。よって、係数K41と、係数K42と、係数K43と、係数K44との比率を、およそ(1/0.9):(1/0.56):(1/0.9):(1/0.56)とする。
【0132】
また、係数K41、係数K42、係数K43および係数K44それぞれの分母が16であり、係数K41と、係数K42と、係数K43と、係数K44との合計を1とし、かつ、端数処理によって係数を駆動回路11で扱い易い値とする。よって、係数K41、係数K42、係数K43および係数K44は、3/16、5/16、3/16、および、5/16と定められる。
【0133】
また、上記のように、図9に示す仮想図形は、点対称形状である。よって、複数の仮想線のうち点対称の関係にある2つの仮想線の長さは、互いに等しい。さらに、仮想図形は、2つの直線L1,L2それぞれを対称軸とする線対称形状である。よって、複数の仮想線のうち線対称の関係にある2つの仮想線の長さは、互いに等しい。
【0134】
具体的には、第1仮想線α11、第2仮想線β22、第2仮想線β53、および、第3仮想線γ64それぞれの長さは、互いに等しい。また、第1仮想線α12、第2仮想線β21、第2仮想線β54、および、第3仮想線γ63それぞれの長さは、互いに等しい。さらに、第1仮想線α13、第2仮想線β24、第2仮想線β51、および、第3仮想線γ62それぞれの長さは、互いに等しい。
【0135】
そして、第1仮想線α14、第2仮想線β23、第2仮想線β52、および、第3仮想線γ61それぞれの長さは、互いに等しい。また、第3仮想線γ31、第1仮想線α44、第3仮想線γ33、および、第1仮想線α42それぞれの長さは、互いに等しい。さらに、第3仮想線γ32、第1仮想線α43、第3仮想線γ34、および、第1仮想線α41それぞれの長さは、互いに等しい。
【0136】
本第1実施形態において、複数の仮想線のうち2つの直線L1,L2を対称軸として線対称の関係にある2つの仮想線、および、複数の仮想線のうち点対称の関係にある2つの仮想線に関連する係数の値を互いに等しくする場合、1組の画素CPにおいて、仮想線に関連付けられる係数の値は、表1に示すように定められる。表1には、仮想線の符号、並びに、その仮想線と関連する係数の符号および値が示されている。
【0137】
具体的には、本第1実施形態において、24つある係数のうち、6つの係数の値、具体的には、係数K11,K12,K13,K14,K31,K32それぞれの係数の値を上記のように距離に基づいて定める。そして、係数K11,K12,K13,K14,K31,K32それぞれの仮想線と互いに等しい長さの仮想線に対応する係数の値を、係数K11,K12,K13,K14,K31,K32それぞれの係数の値と等しい値としている。
【0138】
【表1】
【0139】
表1のように係数の値を定める場合、互いに点対称または線対称の関係にある複数の仮想線に対応する複数の係数それぞれに、互いに異なる値が定められる場合と比べて、表示装置1において、係数の値を記憶する記憶領域を少なくすることができる。なお、本第1実施形態においては、2つの仮想線において長さの差が比較的小さい場合、その2つの仮想線に対応する係数の値は、互いに等しい値に定められている。例えば、長さの差が比較的小さい第1仮想線α12および第1仮想線α13に関連する係数K12および係数K13において、互いの係数の値は等しい。よって、表示装置1において、複数の係数を記憶する記憶領域をさらに少なくすることができる。なお、互いに点対称または線対称の関係にある複数の仮想線に対応する複数の係数は、互いに異なる値でもよい。
【0140】
駆動回路11は、1つの第1副画素Sαに関連する複数の画素Pの第1階調データそれぞれに関連する係数を乗算することで得られる複数の値の合計を、その1つの第1副画素Sαの第1副階調データとして生成する。つまり、第1副画素Sα11の第1副画素データは、式(1)の行列式で表すことができ、第1副画素Sα22の第1副画素データは式(2)の行列式で表すことができる。
【0141】
【数1】
【0142】
式(1)において、「S11α」は、第1副画素Sα11の第1副階調データであり、「P11α」は、画素P11の第1階調データであり、「P12α」は、画素P12の第1階調データであり、「P21α」は、画素P21の第1階調データであり、「P22α」は、画素P22の第1階調データである。
【0143】
【数2】
【0144】
式(2)において、「S22α」は、第1副画素Sα22の第1副階調データであり、「P22α」は、画素P22の第1階調データであり、「P23α」は、画素P23の第1階調データであり、「P32α」は、画素P32の第1階調データであり、「P33α」は、画素P33の第1階調データである。
【0145】
また、駆動回路11は、表示領域DAの周縁に位置する1組の画素CPにおいて、第1副階調データを生成する際、表示領域DAより外側に仮想画素VPを生成する。
【0146】
図10は、仮想画素VPを示す図である。仮想画素VPは、表示領域DAより外側において、表示領域DA内の画素Pと互いに隣接し、表示領域DA内の画素Pとともに、行列状に配置される。駆動回路11は、仮想画素VPの階調データを、仮想画素VPと互いに隣接する表示領域DA内の画素Pの階調データと同じデータとする。
【0147】
そして、駆動回路11は、表示領域DAの周縁に位置する1組の画素CPに含まれる第1副画素Sαの第1副階調データを生成する際、仮想画素VPの階調データが有する第1階調データを用いる。これにより、表示領域DAの周縁に位置する1組の画素CPにおいても、駆動回路11は、式(1)および式(2)を用いて、第1副階調データを生成することができる。
【0148】
また、上記の第1副階調データが生成される場合と同様に、1組の画素CP1における第2副階調データおよび第3副階調データそれぞれが生成される。
【0149】
つまり、駆動回路11は、第2階調データを重み付けする係数を乗算した第2階調データを用いて、第2副階調データを生成する。具体的には、駆動回路11は、1つの第2副画素Sβに関連する複数の画素Pの第2階調データそれぞれに関連する係数を乗算することで得られる複数の値の合計を、その1つの第2副画素Sβの第2副階調データとして生成する。第2副画素Sβ12の第2副階調データは、式(3)の行列式で表すことができ、第2副画素Sβ31の第2副階調データは、式(4)の行列式で表すことができる。
【0150】
【数3】
【0151】
式(3)において、「S12β」は、第2副画素Sβ12の第2副階調データであり、「P12β」は、画素P12の第2階調データであり、「P13β」は、画素P13の第2階調データであり、「P22β」は、画素P22の第2階調データであり、「P23β」は、画素P23の第2階調データである。
【0152】
【数4】
【0153】
式(4)において、「S31β」は、第2副画素Sβ31の第2副階調データであり、「P31β」は、画素P31の第2階調データであり、「P32β」は、画素P32の第2階調データであり、「P41β」は、画素P41の第2階調データであり、「P42β」は、画素P42の第2階調データである。
【0154】
また、駆動回路11は、第3階調データを重み付けする係数を乗算した第3階調データを用いて、第3副階調データを生成する。具体的には、駆動回路11は、1つの第3副画素Sγに関連する複数の画素Pの第3階調データそれぞれに関連する係数を乗算することで得られる複数の値の合計を、その1つの第3副画素Sγの第3副階調データとして生成する。第3副画素Sγ21の第3副階調データは、式(5)の行列式で表すことができ、第3副画素Sγ32の第3副階調データは、式(6)の行列式で表すことができる。
【0155】
【数5】
【0156】
式(5)において、「S21γ」は、第3副画素Sγ21の第3副階調データであり、「P21γ」は、画素P21の第3階調データであり、「P22γ」は、画素P22の第3階調データであり、「P31γ」は、画素P31の第3階調データであり、「P32γ」は、画素P32の第3階調データである。
【0157】
【数6】
【0158】
式(6)において、「S32γ」は、第3副画素Sγ32の第3副階調データであり、「P32γ」は、画素P32の第3階調データであり、「P33γ」は、画素P33の第3階調データであり、「P42γ」は、画素P42の第3階調データであり、「P43γ」は、画素P43の第3階調データである。
【0159】
以上、図2に示す1群の画素GPを構成する3つの1組の画素CPのうち、図5に示す1組の画素CP1におけるレンダリング処理について説明した。さらに、図6に示す1組の画素CP2においても、上記の1組の画素CP1と同様に、レンダリング処理が実行される。
【0160】
図6に示す1組の画素CP2おいて、複数の仮想線によって形成される仮想図形は、上記のように、図9に示す仮想図形と互いに同じ形状であり、図9に示す仮想図形から仮想線の種類が置き換わっている。よって、図6に示す1組の画素CP2の仮想図形と図9に示す仮想図形において、互いに同じ位置にある仮想線の符号に付けられている番号は互いに同じであるが、互いに同じ位置にある仮想線の種類は互いに異なる。例えば、図9に示す仮想図形の第1仮想線α11に対応する図6に示す仮想図形の仮想線は、第3仮想線γ11である。
【0161】
一方、仮想線の種類に関わらず、仮想図形における仮想線の位置すなわち仮想線の符号に付けられている番号に基づいて、仮想線と係数が関連付けられる。例えば、図6に示す仮想図形の第3仮想線γ11には、係数K11が関連付けられる。つまり、図6に示す仮想線の位置と係数との関係は、図9に示す仮想線の位置と係数との関係と同じである。
【0162】
よって、図6に示す1組の画素CP2において、仮想線に関連付けられる係数は、表2に示すように定められる。表2の係数の値は、表1の係数の値と同じである。
【0163】
【表2】
【0164】
さらに、図6に示す1組の画素CP2において、第3副画素Sγ11の第3副画素データは、式(7)の行列式で表すことができ、第3副画素Sγ22の第3副画素データは式(8)の行列式で表すことができる。
【0165】
【数7】
【0166】
式(7)において、「S11γ」は、第3副画素Sγ11の第3副階調データであり、「P11γ」は、画素P11の第3階調データであり、「P12γ」は、画素P12の第3階調データであり、「P21γ」は、画素P21の第3階調データであり、「P22γ」は、画素P22の第3階調データである。
【0167】
【数8】
【0168】
式(8)において、「S22γ」は、第3副画素Sγ22の第3副階調データであり、「P22γ」は、画素P22の第3階調データであり、「P23γ」は、画素P23の第3階調データであり、「P32γ」は、画素P32の第3階調データであり、「P33γ」は、画素P33の第3階調データである。
【0169】
また、図6に示す1組の画素CP2において、第1副画素Sα12の第1副階調データは、式(9)の行列式で表すことができ、第1副画素Sα31の第1副階調データは、式(10)の行列式で表すことができる。
【0170】
【数9】
【0171】
式(9)において、「S12α」は、第1副画素Sα12の第1副階調データであり、「P12α」は、画素P12の第1階調データであり、「P13α」は、画素P13の第1階調データであり、「P22α」は、画素P22の第1階調データであり、「P23α」は、画素P23の第1階調データである。
【0172】
【数10】
【0173】
式(10)において、「S31α」は、第1副画素Sα31の第1副階調データであり、「P31α」は、画素P31の第1階調データであり、「P32α」は、画素P32の第1階調データであり、「P41α」は、画素P41の第1階調データであり、「P42α」は、画素P42の第1階調データである。
【0174】
さらに、図6に示す1組の画素CP2において、第2副画素Sβ21の第2副階調データは、式(11)の行列式で表すことができ、第2副画素Sβ32の第2副階調データは、式(12)の行列式で表すことができる。
【0175】
【数11】
【0176】
式(11)において、「S21β」は、第2副画素Sβ21の第2副階調データであり、「P21β」は、画素P21の第2階調データであり、「P22β」は、画素P22の第2階調データであり、「P31β」は、画素P31の第2階調データであり、「P32β」は、画素P32の第2階調データである。
【0177】
【数12】
【0178】
式(12)において、「S32β」は、第2副画素Sβ32の第2副階調データであり、「P32β」は、画素P32の第2階調データであり、「P33β」は、画素P33の第2階調データであり、「P42β」は、画素P42の第2階調データであり、「P43β」は、画素P43の第2階調データである。
【0179】
以上、図2に示す1群の画素GPを構成する3つの1組の画素CPのうち、図5,6に示す1組の画素CP1,CP2におけるレンダリング処理について説明した。さらに、図7に示す1組の画素CP3においても、上記の1組の画素CP1,CP2と同様に、レンダリング処理が実行される。
【0180】
図7に示す1組の画素CP3おいて、複数の仮想線によって形成される仮想図形は、上記のように、図9に示す仮想図形と互いに同じ形状であり、図9に示す仮想図形から仮想線の種類が置き換わっている。よって、図7に示す1組の画素CP3の仮想図形と図9に示す仮想図形において、互いに同じ位置にある仮想線の符号に付けられている番号は互いに同じであるが、互いに同じ位置にある仮想線の種類は互いに異なる。例えば、図9に示す仮想図形の第1仮想線α11に対応する図7に示す仮想図形の仮想線は、第2仮想線β11である。
【0181】
一方、仮想線の種類に関わらず、仮想図形における仮想線の位置すなわち仮想線の符号に付けられている番号に基づいて、仮想線と係数が関連付けられる。例えば、図7に示す仮想図形の第2仮想線β11には、係数K11が関連付けられる。つまり、図7に示す仮想線の位置と係数との関係は、図9に示す仮想線の位置と係数との関係と同じである。
【0182】
よって、図7に示す1組の画素CP3において、仮想線に関連付けられる係数は、表3に示すように定められる。表3の係数の値は、表1の係数の値と同じである。
【0183】
【表3】
【0184】
さらに、図7に示す1組の画素CP3において、第2副画素Sβ11の第2副画素データは、式(13)の行列式で表すことができ、第2副画素Sβ22の第2副画素データは式(14)の行列式で表すことができる。
【0185】
【数13】
【0186】
式(13)において、「S11β」は、第2副画素Sβ11の第2副階調データであり、「P11β」は、画素P11の第2階調データであり、「P12β」は、画素P12の第2階調データであり、「P21β」は、画素P21の第2階調データであり、「P22β」は、画素P22の第2階調データである。
【0187】
【数14】
【0188】
式(14)において、「S22β」は、第2副画素Sβ22の第2副階調データであり、「P22β」は、画素P22の第2階調データであり、「P23β」は、画素P23の第2階調データであり、「P32β」は、画素P32の第2階調データであり、「P33β」は、画素P33の第2階調データである。
【0189】
また、図7に示す1組の画素CP3において、第3副画素Sγ12の第3副階調データは、式(15)の行列式で表すことができ、第3副画素Sγ31の第2副階調データは、式(16)の行列式で表すことができる。
【0190】
【数15】
【0191】
式(15)において、「S12γ」は、第3副画素Sγ12の第3副階調データであり、「P12γ」は、画素P12の第3階調データであり、「P13γ」は、画素P13の第3階調データであり、「P22γ」は、画素P22の第3階調データであり、「P23γ」は、画素P23の第3階調データである。
【0192】
【数16】
【0193】
式(16)において、「S31γ」は、第3副画素Sγ31の第3副階調データであり、「P31γ」は、画素P31の第3階調データであり、「P32γ」は、画素P32の第3階調データであり、「P41γ」は、画素P41の第3階調データであり、「P42γ」は、画素P42の第3階調データである。
【0194】
さらに、図7に示す1組の画素CP3において、第1副画素Sα21の第1副階調データは、式(17)の行列式で表すことができ、第1副画素Sα32の第1副階調データは、式(18)の行列式で表すことができる。
【0195】
【数17】
【0196】
式(17)において、「S21α」は、第1副画素Sα21の第1副階調データであり、「P21α」は、画素P21の第1階調データであり、「P22α」は、画素P22の第1階調データであり、「P31α」は、画素P31の第1階調データであり、「P32α」は、画素P32の第1階調データである。
【0197】
【数18】
【0198】
式(18)において、「S32α」は、第1副画素Sα32の第3副階調データであり、「P32α」は、画素P32の第1階調データであり、「P33α」は、画素P33の第1階調データであり、「P42α」は、画素P42の第1階調データであり、「P43α」は、画素P43の第1階調データである。
【0199】
そして、駆動回路11は、第1副画素データに基づいて副画素信号を生成し、上記のように第1副画素Sαを駆動する。また、駆動回路11は、第2副画素データに基づいて副画素信号を生成し、上記のように第2副画素Sβを駆動する。さらに、駆動回路11は、第3副画素データに基づいて副画素信号を生成し、上記のように第3副画素Sγを駆動する。
【0200】
このように、駆動回路11は、複数の画素Pそれぞれが有する複数の階調データに基づいて、第1副画素Sα、第2副画素Sβおよび第3副画素Sγを駆動する。また、駆動回路11は、複数の画素Pのうち一の画素Pが有する階調データを、その一の画素Pと互いに隣接する他の画素Pの階調データに割り当て、他の画素Pの階調データに基づいて、他の画素Pに含まれる第1副画素Sα、第2副画素Sβおよび第3副画素Sγを駆動する。上記のレンダリング処理が実行されて生成された副画素信号によって表示される画像には、いわゆるジャギーの発生が抑制されており、画質の向上を図ることができる。
【0201】
なお、表4に示すように、複数の第1副階調データそれぞれを生成する際に用いられる1つの第1階調データに乗算される複数の係数の合計は、1と異なる。例えば、図8において、1群の画素GP4における1組の画素CP3における+Y側にある一方の画素CP3aにおいて、第1仮想線α14、α64,α53,α41と関連する係数K14と、係数K64と、係数K53と、係数K41との合計は、表4に示すように、14/16であり、1と異なる。
【0202】
【表4】
【0203】
表4において、「CP3b」は、図8に示す1群の画素GP4の1組の画素CP3における-Y側にある一方の画素を示す。「CP1a」および「CP1b」は、図8に示す1群の画素GP1の1組の画素CP1において、+Y側にある一方の画素、および、-Y側にある他方の画素を示す。また、「CP2a」および「CP2b」は、図8に示す1群の画素GP1の1組の画素CP3において、+Y側にある一方の画素、および、-Y側にある他方の画素を示す。
【0204】
また、表4に示す上記の内容と同様に、複数の第2副階調データそれぞれを生成する際に用いられる1つの第2階調データに乗算される複数の係数の合計は、1と異なる。また、複数の第3副階調データそれぞれを生成する際に用いられる1つの第3階調データに乗算される複数の係数の合計は、1と異なる。
【0205】
<第1実施形態の第1変形例>
次に、第1実施形態の第1変形例に係る表示装置1について、主として上記の第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0206】
第1実施形態の第1変形例では、1組の画素CP1において、係数の値が、上記の第1実施形態の係数の値と異なる。具体的には、表5に示すように、係数K11,K14,K22,K23,K31,K32,K33,K42,K43,K44,K52,K53,K61,K64の値が上記の第1実施形態の係数の値と異なる。
【0207】
【表5】
【0208】
表5のように係数の値が定められることにより、図9に示す仮想図形を構成する複数の仮想線のうち点Hを不動点とする点対称の関係にある2つの仮想線に関連する係数の値は、互いに等しい。一方、図9に示す仮想図形を構成する複数の仮想線のうち2つの直線L1,L2と対称軸とする線対称の関係にある2つの仮想線に関連する係数の値は、互いに等しい場合もあるし、異なる場合もある。
【0209】
また、表6に示すように、複数の第1副階調データそれぞれを生成する際に用いられる1つの第1階調データに乗算される複数の係数の合計が1となるように、係数の値が定められている。これにより、レンダリング処理において、複数の画素Pの階調データを複数の第1副階調データに適切に分配することができる。なお、表6に示す内容と同様に、複数の第2副階調データそれぞれを生成する際に用いられる1つの第2階調データに乗算される複数の係数の合計は1である。また、複数の第3副階調データそれぞれを生成する際に用いられる1つの第3階調データに乗算される複数の係数の合計は1である。
【0210】
【表6】
【0211】
なお、本第1変形例の1組の画素CP2,CP3においても、本第1変形例の1組の画素CP1と同様に、上記の第1実施形態の1組の画素CP2,CP3と係数の値が異なる。
【0212】
<第1実施形態の第2変形例>
次に、第1実施形態の第2変形例に係る表示装置1について、主として上記の第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0213】
第1実施形態の第2変形例では、1組の画素CP1において、係数の値が、上記の第1実施形態の係数の値と異なる。具体的には、表7に示すように、係数K13,K14,K23,K24,K51,K52,K61,K62の値が上記の第1実施形態の係数の値と異なる。
【0214】
【表7】
【0215】
表7のように係数の値が定められることにより、図9に示す仮想図形を構成する複数の仮想線のうち点Hを不動点とする点対称の関係にある2つの仮想線に関連する係数の値は、互いに等しい。一方、図9に示す仮想図形を構成する複数の仮想線のうち2つの直線L1,L2を対称軸とする線対称の関係にある2つの仮想線に関連する係数の値は、互いに等しい。
【0216】
また、表8に示すように、複数の第1副階調データそれぞれを生成する際に用いられる1つの第1階調データに乗算される複数の係数の合計が1となるように係数の値が定められている。これにより、レンダリング処理において、複数の画素Pの階調データを複数の第1副階調データに適切に分配することができる。
【0217】
【表8】
【0218】
なお、本第2変形例の1組の画素CP2,CP3においても、本第2変形例の1組の画素CP1と同様に、上記の第1実施形態の1組の画素CP2,CP3と係数の値が異なる。
【0219】
<第1実施形態の第3変形例>
次に、第1実施形態の第3変形例に係る表示装置1について、主として上記の第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0220】
第1実施形態の第3変形例では、1組の画素CP1において、係数の値が、上記の第1実施形態の係数の値と異なる。具体的には、表9に示すように、係数K11,K12,K13,K21,K22,K24,K32,K34,K41,K43,K51,K53,K54,K62,K63,K64の値が上記の第1実施形態の係数の値と異なる。
【0221】
【表9】
【0222】
表9のように係数の値が定められることにより、図9に示す仮想図形を構成する複数の仮想線のうち点Hを不動点とする点対称の関係にある2つの仮想線に関連する係数の値は、互いに等しい。一方、図9に示す仮想図形を構成する複数の仮想線のうち2つの直線と対称軸とする線対称の関係にある2つの仮想線に関連する係数の値は、互いに等しい。
【0223】
しかしながら、1つの第1副階調データを生成する際に用いられる複数の第1階調データそれぞれ乗算される複数の係数の合計は、1と異なる。例えば、表9において、係数K11と、係数K12と、係数K13と、係数K14との合計は、15/16である。
【0224】
また、表9において、係数K11と、係数K12と、係数K13と、係数K14との合計は、18/16である。これにより、第1副階調データの値が所定データ値より大きい場合、第1副階調データの値を所定データ値とする。所定データ値は、予め定められて表示装置1の記憶領域に記憶されている第1副階調データの最大値であり、例えば、255である。なお、この場合、第1副階調データの値を所定データ値より小さい値としてもよい。
【0225】
また、表10に示すように、複数の第1副階調データそれぞれを生成する際に用いられる1つの第1階調データに乗算される複数の係数の合計が1となるように、係数の値が定められている。これにより、レンダリング処理において、複数の画素Pの階調データを複数の第1副階調データに適切に分配することができる。
【0226】
【表10】
【0227】
なお、本第3変形例の1組の画素CP2,CP3においても、本第3変形例の1組の画素CP1と同様に、上記の第1実施形態の1組の画素CP2,CP3と係数の値が異なる。
【0228】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る表示装置1について、主として上記の第1実施形態と異なる部分について説明する。第2実施形態の表示装置1は、表示領域DAにおける複数の副画素Sの配列が、上記の第1実施形態の表示装置1と異なっている。
【0229】
図11は、第2実施形態に係る表示装置1における表示パネル10の平面視を示す図である。図11に示す複数の副画素Sは、カラーフィルタCFおよび遮光膜SMによって示されている。複数の第1副画素Sα、複数の第2副画素Sβおよび複数の第3副画素Sγは、平面視において、X方向およびY方向に沿って行列状に配置されている。
【0230】
図11に示す副画素Sの配列を、Delta2配列と称する。具体的に、Delta2配列では、X方向に沿って、第1副画素Sα、第2副画素Sβおよび第3副画素Sγがこの順に繰り返し配置されている。また、Y方向に沿って第1副画素Sαと第3副画素Sγとが交互に並ぶ第1列、Y方向に沿って第2副画素Sβと第1副画素Sαとが交互に並ぶ第2列、および、Y方向に沿って第3副画素Sγと第2副画素Sβとが交互に並ぶ第3列が、この順にX方向に沿って繰り返し配置されている。
【0231】
また、本第2実施形態において、1組の画素CPは、上記の第1実施形態と同様に、Y方向で互いに隣接する2つの画素Pで構成されており、1組の画素CPは、6つの副画素によって構成されている。しかしながら、本第2実施形態において、複数の副画素Sの配列が上記の第1実施形態と異なることで、1組の画素CPを構成する6つの副画素Sの種類が、上記の第1実施形態と異なる。
【0232】
図11に示す1群の画素GPを構成する3つの1組の画素CP1,CP2,CP3において、1組の画素CP1は、3つの第1副画素Sα、2つの第2副画素Sβおよび1つの第3副画素Sγによって構成される。
【0233】
具体的には、1組の画素CP1において、3つの第1副画素Sαのうち1行目かつ1列目に位置する第1副画素Sα(第1の第1副画素Sα)、および、2つの第2副画素Sβのうち1行目かつ2列目に位置する一方の第2副画素Sβは、それぞれ、1組の画素CP1のうち+Y側に位置する一方の画素CP1aに含まれる。
【0234】
また、その1組の画素CP1において、3つの第1副画素Sαのうち3行目かつ1列目に位置する第1副画素Sα(第2の第1副画素Sα)、および、2つの第2副画素Sβのうち3行目かつ2列目に位置する他方の第2副画素Sβは、それぞれ、1組の画素CP1のうち-Y側に位置する他方の画素CP1bに含まれる。
【0235】
さらに、その1組の画素CP1において、3つの第1副画素Sαのうち2行目かつ2列目に位置する第1副画素Sα(第3の第1副画素Sα)、および、2行目かつ1列目に位置する1つの第3副画素Sγは、それぞれ、1組の画素CP1のうち両方の画素CP1a,CP1bに跨ることで両方の画素CP1a,CP1bに含まれる。
【0236】
また、1組の画素CP1の+X側で1組の画素CP1と隣接している1組の画素CP2では、1組の画素CP1の第1副画素Sαが第3副画素Sγに置き換わっており、1組の画素CP1の第2副画素Sβが第1副画素Sαに置き換わっており、1組の画素CP1の第3副画素Sγが第2副画素Sβに置き換わっている。つまり、1組の画素CP2は、3つの第3副画素Sγ、2つの第1副画素Sαおよび1つの第2副画素Sβによって構成される。
【0237】
さらに、1組の画素CP2の+X側で1組の画素CP2と隣接している1組の画素CP3では、1組の画素CP1の第1副画素Sαが第2副画素Sβに置き換わっており、1組の画素CP1の第2副画素Sβが第3副画素Sγに置き換わっており、1組の画素CP1の第3副画素Sγが第1副画素Sαに置き換わっている。つまり、1組の画素CP3は、3つの第2副画素Sβ、2つの第3副画素Sγおよび1つの第1副画素Sαによって構成される。
【0238】
図12は、第2実施形態における1組の画素CP1に対して実行されるレンダリング処理における画素Pと副画素Sとの関連性を示す図である。図12に示す1組の画素CP1は、上記の第1実施形態における図5に示す1組の画素CP1と比べて、上記のように複数の副画素Sの配列が異なっている。
【0239】
本第2実施形態においても、上記の第1実施形態と同様のレンダリング処理が行われる。また、本第2実施形態において、複数の副画素Sの配列が上記の第1実施形態の配列と異なるが、副画素Sと画素Pとの相対的な位置関係は同じである。よって、図12に示す1組の画素CP1において、第1仮想線、第2仮想線および第3仮想線によって形成される仮想図形は、図9に示す上記の第1実施形態の仮想図形と同じ形状となる。
【0240】
しかしながら、本第2実施形態の複数の副画素Sの配列が、上記の第1実施形態の配列と異なることで、本第2実施形態の仮想図形を構成する仮想線と、上記の第1実施形態の仮想図形を構成する仮想線において、互いに同じ位置にある仮想線の符号に付けられている番号は同じであるが、互いに同じ位置にある仮想線の種類は同じ場合もあるし、異なる場合もある。
【0241】
例えば、第2実施形態の1組の画素CP1において、係数は、表11のように定められる。なお、表11において、複数の仮想線のうち線対称の関係にある2つの仮想線、および、点対称の関係にある2つの仮想線に関連する係数の値は、互いに等しい。また、1つの第1副階調データを生成する際に用いられる複数の第1階調データに乗算される複数の係数の合計は、1である。
【0242】
【表11】
【0243】
図13は、第2実施形態に係るレンダリング処理における画素Pと第1副画素Sαとの関連性を示す図である。本第2実施形態の複数の副画素Sの配列が、上記の第1実施形態の配列と異なることで、図13に示す本第2実施形態に係る関連性は、図8に示す上記の第1実施形態に係る関連性と異なる。例えば、1組の画素CP1における-Y側に位置する画素Pの第1階調データは、5つの第1副画素Sαの第1副画素データの生成に用いられる。
【0244】
また、表12に示すように、複数の第1副階調データそれぞれを生成する際に用いられる1つの第1階調データに乗算される複数の係数の合計は、1となる。
【0245】
【表12】
【0246】
また、本第2実施形態の1組の画素CP1において、第1副画素Sα11の第1副画素データは、式(19)の行列式で表すことができ、第1副画素Sα22の第1副画素データは、式(20)の行列式で表すことができる。また、第1副画素Sα31の第1副画素データは、式(21)の行列式で表すことができる。
【0247】
【数19】
【0248】
【数20】
【0249】
【数21】
【0250】
また、本第2実施形態の1組の画素CP1において、第2副画素Sβ12の第2副画素データは、式(22)の行列式で表すことができ、第2副画素Sβ32の第2副画素データは、式(23)の行列式で表すことができる。
【0251】
【数22】
【0252】
【数23】
【0253】
同様に、本第2実施形態の1組の画素CP1において、第3副画素Sγ21の第3副画素データは、式(24)の行列式で表すことができる。
【0254】
【数24】
【0255】
なお、1群の画素GPのうち他の1組の画素CP2,CP3においては、上記の1組の画素CPからの第1副画素Sα、第2副画素Sβおよび第3副画素Sγの置き換えに対応して、表11、および、式(19),(20),(21),(22),(23),(24)を変更することで、第1副画素データ、第2副画素データおよび第3副画素データを生成することができる。
【0256】
<第2実施形態の第1変形例>
次に、第2実施形態の第1変形例に係る表示装置1について、主として上記の第2実施形態と異なる部分について説明する。
【0257】
第2実施形態の第1変形例において、1組の画素CP1において、係数の値が、上記の第1実施形態の係数の値と異なる。具体的には、表13に示すように、係数K12,K14,K21,K23,K33,K34,K41,K42,K52,K54,K61,K63の値が上記の第1実施形態の係数の値と異なる。
【0258】
【表13】
【0259】
表13のように係数の値が定められることにより、図12に示す仮想図形を構成する複数の仮想線のうち点Hを不動点とする点対称の関係にある2つの仮想線に関連する係数の値は、互いに等しい。一方、図12に示す仮想図形を構成する複数の仮想線のうち2つの直線L1,L2と対称軸とする線対称の関係にある2つの仮想線に関連する係数の値は、互いに等しい場合もあるし、異なる場合もある。
【0260】
また、表14に示すように、複数の第1副階調データそれぞれを生成する際に用いられる1つの第1階調データに乗算される複数の係数の合計は、1となる場合もあるし、1と異なる場合もある。
【0261】
【表14】
【0262】
<第2実施形態の第2変形例>
次に、本第2実施形態の第2変形例に係る表示装置1について、主として上記の第2実施形態と異なる部分について説明する。第2実施形態の表示装置1は、1組の画素CPを構成する2つの画素Pの配置が、上記の第2実施形態の配置と異なっている。
【0263】
図14は、第2実施形態の第2変形例に係る1組の画素Pを示す図である。本第2変形例の1組の画素CP13は、X方向で互いに隣接する2つの画素Pで構成されている。
【0264】
また、本第2変形例の1組の画素CP13は、2つの第1副画素Sα、2つの第2副画素Sβおよび2つの第3副画素Sγによって構成される。本第2変形例の1組の画素CP13の構成は、上記の第1実施形態の1組の画素CP3の構成を、平面視において、直線L2を対称軸として反転させて、さらに、点Hを中心に90°回転させたものと同じ構成である。
【0265】
具体的には、2つの第1副画素Sαのうち-X側に位置する一方の第1副画素Sα、および、2つの第3副画素Sγのうち-X側に位置する一方の第3副画素Sγは、それぞれ、1組の画素CP13のうち-X側に位置する一方の画素Pに含まれる。
【0266】
また、2つの第2副画素Sβのうち+X側に位置する一方の第2副画素Sβ、および、2つの第3副画素Sγのうち+X側に位置する他方の第3副画素Sγは、それぞれ、1組の画素CP13のうち+X側に位置する他方の画素Pに含まれる。
【0267】
さらに、2つの第2副画素Sβのうち-X側に位置する他方の第2副画素Sβ、および、2つの第1副画素Sαのうち+X側に位置する他方の第1副画素Sαは、それぞれ、1組の画素CP13のうち両方の画素Pに跨ることで両方の画素Pに含まれる。
【0268】
また、本第2変形例の1組の画素CP13において、上記の第1実施形態と同様にレンダリング処理を行う。つまり、駆動回路11は、複数の画素Pのうち第1副画素Sαと互いに隣接する画素Pの第1階調データ、および、第1副画素Sαを含む画素Pの第1階調データを用いて第1副階調データを生成し、第1副階調データに基づいて第1副画素Sαを駆動する。
【0269】
また、駆動回路11は、複数の画素Pのうち第2副画素Sβと互いに隣接する画素Pの第2階調データ、および、第2副画素Sβを含む画素Pの第2階調データを用いて第2副階調データを生成し、第2副階調データに基づいて第2副画素Sβを駆動する。さらに、駆動回路11は、複数の画素Pのうち第3副画素Sγと互いに隣接する画素Pの第3階調データ、および、第3副画素Sγを含む画素Pの第3階調データを用いて第3副階調データを生成し、第3副階調データに基づいて第3副画素Sγを駆動する。
【0270】
さらに、駆動回路11は、上記の第1実施形態と同様に、階調データを重み付けする係数を用いて第1副階調データ、第2副階調データおよび第3副階調データを生成する。また、係数の値は、上記の第1実施形態と同様に、複数の仮想線と関連付けて定められる。
【0271】
また、本第2変形例の表示領域DAにおいて、この1組の画素CP13がX方向およびY方向それぞれに沿って行列状に並んでいる。つまり、本第2変形例において、1組の画素CPの種類は、1つであり、1組の画素CP13のみである。よって、上記の第1実施形態および第2実施形態のように、1組の画素CPの種類が3つある場合と比べて、第1副画素データ、第2副画素データおよび第3副画素データを表す行列式の数を1/3にすることができる。したがって、表示装置1の記憶領域をさらに小さくすることができる。
【0272】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
【0273】
例えば、上記の表示パネル10は、複数の副画素電極PEと対向するように共通電極CEが第2基板14に配置される縦電界方式の液晶ディスプレイでもよい。また、表示パネル10は、反射型の液晶ディスプレイでもよい。
【0274】
また、複数の副画素は、互いに直交するX方向およびY方向に沿って配列されているが、互いに交差しており、なす角が鋭角である2直線それぞれに沿って配列されてもよい。
【0275】
また、係数は、画素Pと副画素Sとの距離以外のもの(例えば階調データの値)によって重み付けされてもよい。また、駆動回路11は、係数を用いずに、すなわち、重み付けしない階調データを用いて副階調データを生成してもよい。
【0276】
また、係数を定めるにあたり、第1副画素Sαと画素Pとの距離は、面積重心同士の距離であるが、任意の点(例えば-Y側の辺の中心点)同士の距離でもよい。
【0277】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本開示によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0278】
1 表示装置
10 表示パネル
11 駆動回路
DA 表示領域
P 画素
S 副画素
Sα 第1副画素
Sβ 第2副画素
Sγ 第3副画素
VP 仮想画素
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14