(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178533
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】通信装置、基地局、制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/30 20180101AFI20241218BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20241218BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20241218BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20241218BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20241218BHJP
【FI】
H04W76/30
H04W52/02 130
H04W92/18
H04W88/04
H04W16/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096727
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】西山 幸佑
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD27
5K067DD28
5K067EE03
5K067EE10
5K067EE25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】リレーUEのリレー機能の停止に関する情報を基地局側で利用可能とする仕組みを提供する。
【解決手段】リレーUE(User Equipment)102は、基地局とリモートUEとの間の通信を中継するSidelink Relay処理部と、Sidelink Adaptation Protocol(SRAP)のPDUである、SRAP control PDUを生成するSRAP PDU生成処理部と、SRAP PDU生成処理部が生成するSRAP control PDUを送信する無線通信部とを備え、SRAP PDU生成処理部は、Sidelink中継手段による中継が行われている状況下で所定条件を満たした場合に、Sidelink Relay処理部による中継の停止に関する停止関連情報をSRAP control PDUに格納する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局とリモートUE(User Equipment)との間の通信を中継するSidelink中継手段と、
Sidelink Adaptation Protocol(SRAP)のPDU(Protocol Data Unit)である、SRAP control PDUを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成される前記SRAP control PDUを送信する送信手段とを備え、
前記生成手段は、前記Sidelink中継手段による中継が行われている状況下で所定条件を満たした場合に、前記Sidelink中継手段による中継の停止に関する停止関連情報を前記SRAP control PDUに格納する、通信装置。
【請求項2】
前記所定条件は、自装置の状態に関する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
自装置に電力を供給するバッテリの残量を検出する第1検出手段を更に備え、
前記所定条件は、前記第1検出手段により検出される前記バッテリの残量が閾値を下回る場合に満たされる、請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
自装置における所定異常を検出する第2検出手段を更に備え、
前記所定条件は、前記第2検出手段により前記所定異常が検出される場合に満たされる、請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記所定異常は、自装置のハードウェアの故障、及び、自装置に実装のソフトウェアにおけるプロセスの消失、のうちの少なくともいずれか一方を含む、請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記所定条件は、前記Sidelink中継手段に係る機能がオフされる場合に満たされる、請求項1に記載の通信装置。
【請求項7】
前記所定条件は、自装置の電源がオフ又はリセットされる場合に満たされる、請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
前記リモートUEから受信する信号の信号強度を測定する第1測定手段を更に備え、
前記所定条件は、前記信号強度が閾値を下回る場合に満たされる、請求項1に記載の通信装置。
【請求項9】
前記基地局から受信する信号の信号強度を測定する第2測定手段を更に備え、
前記所定条件は、前記信号強度が閾値を下回る場合に満たされる、請求項1に記載の通信装置。
【請求項10】
前記生成手段は、前記SRAP control PDUのD/C fieldに、「SRAP control PDU」を意味する値を格納する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項11】
前記生成手段は、前記SRAP control PDUのPDU type fieldに、前記停止関連情報を格納する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項12】
前記停止関連情報は、前記Sidelink中継手段に係る機能の停止を表す情報、前記停止までの時間を表す情報、前記停止の要因を表す情報、及び、前記停止後の再開までの時間を表す情報、のうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載の通信装置。
【請求項13】
リレーUE(User Equipment)を介してリモートUEと通信する通信手段と、
前記リレーUEから、Sidelink Adaptation Protocol(SRAP)のPDUである、SRAP control PDUを受信する受信手段と、
前記リレーUEを介する中継の停止に関する停止関連情報が格納されたSRAP control PDUを前記受信手段により受信した場合に、前記停止関連情報に基づいて、前記通信手段に係る通信制御を実行する制御手段とを備える、基地局。
【請求項14】
前記制御手段は、前記SRAP control PDUのD/C fieldに、「SRAP control PDU」を意味する値が格納されている場合に、前記SRAP control PDUのPDU type fieldに格納されている前記停止関連情報に基づいて、前記通信制御を実行する、請求項13に記載の基地局。
【請求項15】
前記通信制御は、前記停止関連情報に基づいて、前記リモートUEに対して、前記リレーUEを介する間接パスから、別のパスへの切替を指示することを含む、請求項13に記載の基地局。
【請求項16】
前記停止関連情報は、前記リレーUEを介してリモートUEへ中継を行う機能の停止を表す情報、前記停止までの時間を表す情報、前記停止の要因を表す情報、及び、前記停止後の再開までの時間を表す情報、のうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項15に記載の基地局。
【請求項17】
前記通信制御は、前記停止までの時間を表す情報に基づいて、前記停止までの時間内に、前記切替を指示することを含む、請求項16に記載の基地局。
【請求項18】
前記通信制御は、前記停止後の再開までの時間を表す情報に基づいて、切替後の前記別のパスから前記間接パスへの切替を指示することを含む、請求項16に記載の基地局。
【請求項19】
通信を制御する制御方法であって、
基地局とリモートUE(User Equipment)との間の通信を中継する中継工程と、
Sidelink Adaptation Protocol(SRAP)のPDUである、SRAP control PDUを生成する生成工程と、
前記生成工程により生成される前記SRAP control PDUを送信する送信工程とを有し、
前記生成工程は、前記中継工程による中継が行われている状況下で所定条件を満たした場合に、前記中継工程による中継の停止に関する停止関連情報を前記SRAP control PDUに格納することを含む、制御方法。
【請求項20】
コンピュータに、
基地局とリモートUE(User Equipment)との間の通信を中継する中継工程と、
Sidelink Adaptation Protocol(SRAP)のPDUである、SRAP control PDUを生成する生成工程と、
前記生成工程により生成される前記SRAP control PDUを送信する送信工程とを実行させ、
前記生成工程は、前記中継工程による中継が行われている状況下で所定条件を満たした場合に、前記中継工程による中継の停止に関する停止関連情報を前記SRAP control PDUに格納することを含む、プログラム。
【請求項21】
リレーUE(User Equipment)を介してリモートUEと通信する通信工程と、
前記リレーUEから、Sidelink Adaptation Protocol(SRAP)のPDUである、SRAP control PDUを受信する受信工程と、
前記リレーUEを介する中継の停止に関する停止関連情報が格納されたSRAP control PDUを前記受信工程により受信した場合に、前記停止関連情報に基づいて、前記通信工程に係る通信制御を実行する制御工程とを備える、制御方法。
【請求項22】
コンピュータに、
リレーUE(User Equipment)を介してリモートUEと通信する通信工程と、
前記リレーUEから、Sidelink Adaptation Protocol(SRAP)のPDUである、SRAP control PDUを受信する受信工程と、
前記リレーUEを介する中継の停止に関する停止関連情報が格納されたSRAP control PDUを前記受信工程により受信した場合に、前記停止関連情報に基づいて、前記通信工程に係る通信制御を実行する制御工程と、を実行させるプログラム。
【請求項23】
基地局とリモートUE(User Equipment)との間の通信を中継するSidelink中継手段と、
前記Sidelink中継手段による中継が行われている状況下で所定条件を満たした場合に、前記Sidelink中継手段による中継の停止に関する停止関連情報を前記基地局に通知する通知手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、基地局、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3GPP(3rd Generation Partnership Project)(登録商標)のLTE(Long Term Evolution)や次世代(NR:New Radio)の仕様の策定が進められている。この中で、Sidelink通信と呼ばれる標準仕様が策定されている。この仕様は移動通信網(コアネットワーク)を介さずに、装置間でPC5と呼ばれるインターフェースを用いて直接無線通信を実現する。
【0003】
さらに、3GPPでは中継装置(リレーUE)を介してSidelink通信を中継するSidelinkリレー機能によりSidelinkの通信可能範囲を拡張する仕様の策定が進められている。Sidelinkリレー機能を通じて基地局と接続する機能を有する通信端末(リモートUE)が、間接パスからの切り替える手段が規定されている。すなわち、リレーUEを介して基地局に接続する通信(間接パス)から、基地局との直接通信(直接パス)にサービスを切断することなく切り替える手段と、直接パスから間接パスにサービスを切断することなく切り替える手段とが規定されている。
【0004】
特許文献1ではリモートUEが、間接パスから直接パスにサービスを切断することなく切り替える手段が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2022/0377822号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
パス切替の判断は、主にリモートUEとリレーUE間の信号強度や、リモートUEと基地局間の信号強度に応じて実施しており、リレーUE内の都合が考慮されていない。リレーUE内の都合としては、例えば、リレーUEのバッテリ残量や、一部プロセスの消失によるフェールソフト機能等がありうる。現状、リレーUE内の都合でリレー機能が継続できない場合、その旨を基地局に伝える仕組みが存在しない。この場合、リレーUEのリレー機能が突然停止してしまうと、基地局への再接続のシーケンスが走ることになり、サービス継続性が低下するおそれがある。
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも1つを鑑みなされたものである。本発明の1つの側面としては、リレーUEのリレー機能の停止に関する情報を基地局側で利用可能とする仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの側面としての基地局は、リレーUE(User Equipment)を介してリモートUEと通信する通信手段と、
前記リレーUEから、Sidelink Adaptation Protocol(SRAP)のPDUである、SRAP control PDUを受信する受信手段と、
前記リレーUEを介する中継の停止に関する停止関連情報が格納されたSRAP control PDUが前記受信手段により受信した場合に、前記停止関連情報に基づいて、前記通信手段に係る通信制御を実行する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の1つの側面によれば、リレーUEのリレー機能の停止に関する情報を基地局側で利用可能とする仕組みを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態における通信装置の構成を示す図である。
【
図2】本実施形態における基地局の機能構成例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態におけるリレーUEの機能構成例を示すブロック図である。
【
図4】第一の実施形態におけるリレー機能継続不可通知の構成の一例を示す図である。
【
図5】第一の実施形態におけるリレー機能継続不可通知の構成の一例を示す図である。
【
図6】第一の実施形態における通信装置間のフローチャートである。
【
図7】第二の実施形態におけるリレー機能継続不可通知の構成の一例を示す図である。
【
図8】第二の実施形態における通信装置間のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら各実施形態について詳細に説明する。添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する場合がある。
<実施形態1>
図1は、本実施形態に係るシステムの構成例を示す図である。
図1において、UE A(101)とUE B(102)は、基地局103の通信エリア104内にある。
【0012】
なお、本実施形態では、UE(User Equipment)とは、Sidelinkリレー通信に対応した端末を想定している。具体的には、UEがスマートフォン等であることを想定しているがこれに限定されるものではない。例えば、タブレット端末やPC等の通信端末や、スマートウォッチやヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブル端末、自動車に設置されるカーナビゲーション装置などであってもよい。
【0013】
図1では、UE A(101)は、リモートUEとして動作しており、Sidelinkリレー通信を利用して基地局103と通信する。UE B(102)は、リレーUEとして動作しており、Sidelinkリレー機能を使ってUE A(101)と基地局103の通信を中継する。即ち、UE A(101)はUE B(102)との間接パス上で基地局とデータを送受信中である。
【0014】
図2は、本実施形態における基地局103の機能構成例を示すブロック図である。
【0015】
なお、以下の
図2(後出の
図3も同様)で説明される機能ブロックの一部又は全部は、同様の機能を果たす他の機能ブロックと置き換えられてもよいし、一部の機能ブロックが省略されてもよい。また、新たな機能ブロックが追加されてもよい。また、以下の説明で示される1つの機能ブロックが複数の機能ブロックに分割されてもよいし、複数の機能ブロックが1つの機能ブロックに統合されてもよい。
【0016】
図2に示す例では、基地局103は、制御部201、記憶部202、UE管理部203、パス切替処理部204、SRAP PDU生成処理部205、SRAP PDU解析処理部206、及び無線通信部207を含む。
【0017】
制御部201は基地局103の動作を制御する。制御部201は、例えば、CPUやMPU等の1以上のプロセッサにより構成され、記憶部202であるRAMに読みだされた制御プログラムを実行することにより通信装置の全体を制御する。なお、後述するフローチャートで説明する制御部201が行う各処理は、ASICやFPGA等のハードウェア回路を用いて実現することもできる。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語であり、FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略語である。また、ハードウェア回路と、CPUやMPU等のプロセッサとを協働することで、後述するフローチャートで説明する処理を実現することもできる。
【0018】
記憶部202は制御部201が制御に使う情報や通信に関わる情報を保存する。記憶部202は、主記憶部及び補助記憶部を含んでよい。主記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などである。主記憶部は、制御部201が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存してよい。補助記憶部は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶してよい。例えば、不揮発性の記憶領域に記憶された制御プログラムはRAM(Random Access Memory)に展開され、制御部201を構成するプロセッサにより実行される。このように、制御部201及び記憶部202は、所謂コンピュータとして機能してよい。
【0019】
記憶部202は、所定のプログラムを格納する記録媒体を含んでもよい。この記録媒体に格納されたプログラムは、ドライブ装置等を介してインストールされ、インストールされた所定のプログラムは、制御部201により実行可能とされてもよい。記録媒体は、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。例えば、記録媒体は、CD(Compact Disc)-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する記録媒体であってよい。また、記録媒体は、ROMや、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。なお、記録媒体には、搬送波は含まれない。
【0020】
UE管理部203は基地局エリア内のUE情報を管理する。UE管理部203は配下UEのIDや配下UEから報告された測定結果(後述のUuリンクの信号強度等)を含むUE情報を管理する。
【0021】
パス切替処理部204はUE管理部203で管理されているUE情報に基づき、管理下のUEを間接パスもしくは直接パスのどちらで接続させるかを判断する。
【0022】
SRAP PDU生成処理部205はパス切替の指示に使用するメッセージを生成する。本実施形態では、SRAP PDU生成処理部205は、Sidelink Adaptation Protocol(SRAP)で用いられるPDU(SRAP PDU)を生成する。SRAPは、NR(New Radio) Sidelink relay機能で用いられるプロトコルである。
【0023】
SRAP PDU解析処理部206は配下のリレーUE(以下、「配下リレーUE」とも称する)から受信したSRAP PDUを解析する。
【0024】
なお、UE管理部203、パス切替処理部204及び/又はSRAP PDU生成処理部205に相当する機能は、制御部201によって実現されるソフトウェアモジュールとして実現するようにしてもよい。
【0025】
無線通信部207は配下UEとの無線通信で情報を送受信する。例えば、無線通信部207は、SRAP PDU生成処理部205で生成したメッセージの送信処理や、配下UEからのSRAP PDUの受信処理、その他必要な無線信号の受信処理等を行う。
【0026】
図3は、本実施形態におけるリレーUE(102)の機能構成例を示すブロック図である。
【0027】
図3示す例では、リレーUE(102)は、制御部301、記憶部302、信号強度測定部303、Sidelink Relay処理部304、SRAP PDU生成処理部305、SRAP PDU解析処理部306、及び無線通信部307を含む。
【0028】
制御部301はリレーUE(102)の動作を制御する。制御部301は、例えば、CPUやMPU等の1以上のプロセッサにより構成され、記憶部302であるRAMに読みだされた制御プログラムを実行することにより通信装置の全体を制御する。なお、後述するフローチャートで説明する制御部301が行う各処理は、ASICやFPGA等のハードウェア回路を用いて実現することもできる。また、ハードウェア回路と、CPUやMPU等のプロセッサとを協働することで、後述するフローチャートで説明する処理を実現することもできる。
【0029】
記憶部302は制御部301が制御に使う情報や通信に関わる情報を保存する。
【0030】
信号強度測定部303は、リレーUE(102)から見た「リモートUE間(PC5リンク)の信号強度」、及び「基地局間(Uuリンク)の信号強度」を測定する。
【0031】
Sidelink Relay処理部304は、リモートUEとSidelink接続する。これにより、Sidelink Relay処理部304は、リレーUEのNR Sidelink relay機能を介してリモートUEと基地局103との通信を中継すること(即ち間接パス)を可能にする。なお、以下では、NR Sidelink relay機能を、単にSidelink relay機能とも称する。
【0032】
SRAP PDU生成処理部305は、上述した基地局103のSRAP PDU生成処理部205と同様、SRAP PDUの生成部である。本実施形態では、SRAP PDU生成処理部305は、リレーUEが自身のNR Sidelink relay機能が継続できないと判断した際に、リレー機能継続不可を基地局103に通知するためのPDU(停止関連情報の一例)を生成する。リレー機能継続不可を基地局103に通知するためのPDUの詳細は、
図4を参照して後述する。
【0033】
SRAP PDU解析処理部306は、リモートUE及び基地局103から受信したSRAP PDUを解析する。
【0034】
無線通信部307は、リモートUE及び基地局103と無線通信で情報を送受信する。無線通信部307は、SRAP PDU生成処理部305で生成したSRAP PDUの送信処理や、リモートUE及び基地局103からのSRAP PDUの受信処理、その他必要な無線通信の受信処理等を行う。
【0035】
図4は、リレー機能継続不可を示すPDUの構成例を示す。
【0036】
SRAPにおけるPDUは、D/Cフィールド(D/C field)401の1ビット上で0値である場合には、当該PDUがデータである(即ち、SRAP DATA PDU)こと、を示す。また、SRAPにおけるPDUは、D/Cフィールド401の1ビット上で1値である場合には、当該PDUが制御メッセージ(即ち、SRAP Control PDU)であることを示す。リレー機能継続不可を示すPDUでは、D/Cフィールド401に1値が設定される。本実施形態では、D/Cフィールド401がSRAP Control PDUを示す値である場合に、PDUタイプフィールド402を4ビット、Reservedフィールド403を3ビット、それぞれ追加した構成とする。また、D/Cフィールド401がSRAP Control PDUを示す値である場合に、Reservedフィールド403以降のフィールドをオプションフィールドとして構成する。
【0037】
PDUタイプフィールド402は、PDUがSRAP Control PDUである場合に、リレー機能継続不可であるか否かを示す。本実施形態においては、PDUタイプフィールド402が0000値の場合、「リレー機能継続不可」を示す。なお、0000値は一例であり、他のPDUタイプの値と重複しない値であれば、他の値であってもよい。
【0038】
なお、本実施形態では、「リレー機能継続不可」に対応する値を含むSRAP Control PDUが、停止関連情報の一例であるものとして例示しているがこれに限定されるものではない。リレーが継続できない/リレーとしての動作を継続しないこと等を示すものであればよい。また、例えば、中継のためのラジオリンクに関する問題が発生したことを示すrelay RLF(Radio Link Failure)等に対応する値をSRAP Control PDUを停止関連情報とすることもできる。言い換えると、本実施形態の停止関連情報は、基地局に対して通信の中断が発生しうることを伝達できるといった作用を引き起こす情報あれば、如何様にも変形可能である。即ち、上記の具体例は、当該停止関連情報の単なる一例であり、実際の名称やその情報を通知する具体的なフォーマットは上述の具体例に限定されるものではない旨念のため付記する。
【0039】
Reservedフィールド403は、使用されないフィールドである。
【0040】
オプションフィールド1(符号404で指示)は、付加情報を格納するフィールドであり、PDUの2オクテット目以降のフィールドを使用する。本実施形態では、付加情報としてリレーUEが継続できるリレー機能の残り時間を格納するものとする。なお、これは一例であり、他の適切な構成であってもよい。例えば、前述のリレー機能継続残り時間に加えて、リレーUEがリレー機能を継続できない理由を示すフィールドを追加してもよい。
【0041】
図5は、リレー機能継続不可を示すPDUであって、リレーUEがリレー機能を継続できない理由を追加したPDUの構成例を示す図である。
図5では、
図4に示されるフォーマットに加えてオプションフィールド2(符号504で指示)を追加している。オプションフィールド2にはリレー機能を継続できない理由を示す値が格納される。リレー機能を継続できない理由については後述する。
【0042】
【0043】
図6は、本実施形態における、リレーUEによるリレー機能継続不可の通知と、当該通知を受けた基地局103による、間接パスから直接パスの切替を判断するフローチャートの一例である。フローチャートに示される処理は、基地局103においては制御部201が記憶部202に記憶されている制御プログラムを実行することで、情報の演算および加工並びに各ハードウェアの制御を実行することにより実現され得る。また、UE B(102)においては、制御部301が記憶部302に記憶されている制御プログラムを実行することで、情報の演算および加工並びに各ハードウェアの制御を実行することにより実現され得る。
【0044】
本実施形態において、リレーUEであるUE B(102)はSidelink Relay処理部304を使用し、中継を行っている。すなわち、UE B(102)は、リモートUEであるUE A(101)と基地局103とを間接パスでユーザーデータ(ストリーミングデータなど)の通信を中継している(S601)。
【0045】
UE B(102)の制御部301は、自端末のリレー機能の継続が不可能であるか否かを判断する(S602)。そして、UE B(102)の制御部301は、自端末のリレー機能の継続が不可能であると判断した場合、Sidelink Relay処理部304にリレー機能継続不可を通知する。ここで、制御部301は、所定条件が満たされた場合に、自端末のリレー機能の継続が不可能であると判断してよい。この場合、所定条件は、リレーUEの状態(機器状態や通信状態)に関する条件であってよい。例えば、以下の条件(1)から条件(7)のうちの、いずれか1つが満たされた場合に、自端末のリレー機能の継続が不可能であると判断してよい。
条件(1) 自端末のバッテリ残量が閾値を下回った場合。
条件(2) ハードウェア故障を検出した場合。
条件(3) 一部のプロセス(例えば、信号強度測定部303を実現するために動作しているプロセス等)が消失した場合。
条件(4) ユーザ又はユーザーアプリケーションによるNR Sidelink Relay機能のオフ制御が実行された場合。
条件(5) ユーザによる電源オフもしくは電源リセット制御が実行された場合。
条件(6) PC5リンクの信号強度が閾値を下回った場合。
条件(7) Uuリンクの信号強度が閾値を下回った場合。
【0046】
あるいは、制御部301は、以上の条件(1)から条件(7)のうちの、2つ以上の任意の組み合わせが満たされた場合に、自端末のリレー機能の継続が不可能であると判断してよい。また、以上の条件(1)から条件(7)のうちの、条件(1)等は、予測を含む態様で判定されてもよい。例えば、条件(1)に関して、自端末のバッテリ残量が閾値を下回るものの、現在充電中である場合や、短時間後に充電予定がある場合など、条件(1)は満たされないと判定されてもよい。また、条件(1)に関して、自端末のバッテリ残量は、バッテリが通信用以外の用途(例えば移動用)にも利用されている場合に、通信用に利用可能なバッテリ残量だけに関してよい。
【0047】
また、他の実施形態では、以上の条件(1)から条件(7)に加えて、以下の条件(8)が判定されてもよい。
条件(8) 端末(自機)の温度が上限温度を上回った場合。
【0048】
Sidelink Relay処理部304は、制御部301の通知を受けて、SRAP PDU生成処理部305を通して前述のリレー機能継続不可を示すSRAP control PDUを作成する(S603)。以降、前述のリレー機能継続不可を示すSRAP control PDUを、リレー機能継続不可通知と呼称する場合がある。ここで、SRAP PDU生成処理部305は、オプションフィールド1(404)に、制御部301が算出したリレー機能停止までの時間を格納する。本実施形態では、オプションフィールドを2byteとし、0~65535を格納する。単位は秒とし、算出不可(N/A)の場合は0を格納するものとする(S604)。また、オプションとして、オプションフィールド2 504を追加し、前述の条件(1)~条件(8)に対応する値を格納してもよい。本実施形態では、下記の値を設定できるものとする。この場合、基地局103側において、リレーUEにおけるリレー機能を停止する理由を把握できる。
0 バッテリ残量低下(条件(1)が満たされた場合に設定する)
1 故障(ハードウェア要因) (条件(2)が満たされた場合に設定する)
2 故障(ソフトウェア要因) (条件(3)が満たされた場合に設定する)
3 サイドリンクリレー機能オフ (条件(4)が満たされた場合に設定する)
4 電源オフまたは電源リセット (条件(5)が満たされた場合に設定する)
5 PC5リンク信号強度低下 (条件(6)が満たされた場合に設定する)
6 Uuリンク信号強度低下 (条件(7)が満たされた場合に設定する)
7 端末温度上昇 (条件(8)が満たされた場合に設定する)
Sidelink Relay処理部304は、無線通信部307を通して、基地局103にリレー機能継続不可通知を送出する(S605)。制御部301は、S604で算出したリレー機能停止までの時間が経過した場合、Sidelink Relay処理部304の機能を停止する。算出不可の場合は、初期値として設定した時間(例えば60秒)を満了した場合にSidelink Relay処理部304の機能を停止する(S606)。なお、変形例では、所定時間が経過する前にSidelink Relay処理部304の機能を停止してもよい。
【0049】
基地局103における無線通信部207がSRAP PDUを受け取ると、SRAP PDU解析処理部206は、受信したSRAP PDUの内容を解析する(S607)。解析により、D/Cフィールド401が「SRAP Control PDU」を示す値、かつ、PDUタイプフィールド402が「リレー機能継続不可」を示すか否かを判定する(S608)。そして、D/Cフィールド401が「SRAP Control PDU」を示す値、かつ、PDUタイプフィールド402が「リレー機能継続不可」を示す場合(即ち、前述の「リレー機能継続不可通知」)、S609に進む。S609では、SRAP PDU解析処理部206は、SRAP PDUがリレー機能継続不可通知と判断する。そして、SRAP PDU解析処理部206は、オプションフィールド1(404)に格納されている値をリレー機能停止までの時間であると解釈して値を取得する。制御部201は、SRAP PDU解析処理部206が解析した結果を元に、UE B(102)がリレー機能の継続が困難であると判断する。この場合、制御部201は、パス切替処理部204に、リレー機能停止までの時間内(N/Aの場合は即時)にUE A(101)のパスの切替を行うよう要求する。パス切替処理部204は、UE A(101)を間接パスから直接パスに切替を行う。受信したSRAP PDUがリレー機能継続不可通知でない場合、その他のSRAP PDUに対応する処理を実施する(S610)。
【0050】
以上のフローにより、UE B(102)及び基地局103は、UE B(102)がリレー継続が不可能な場合に、UE A(101)における間接パスから直接パスへの切替をサービスを切断させることなく行うことが可能となる。
【0051】
このようにして、本実施形態によれば、リレーUE(102)のリレー機能の停止に関する情報(リレー機能継続不可通知)を基地局103側で取得可能とする仕組みを提供できる。その結果、基地局103は、リレー機能継続不可通知に基づいて、UE A(101)における間接パスから直接パスへの切替を、UE A(101)におけるサービスを維持しつつ実現できる。
【0052】
また、本実施形態によれば、リレーUE(102)は、リレー機能停止までの時間情報をリレー機能継続不可通知に含めることができる。この場合、基地局103は、かかる時間情報に基づいて、適切なタイミングでUE A(101)における間接パスから直接パスへの切替を実現できる。
<第二の実施形態>
第二の実施形態における通信装置の構成(
図1)、通信装置の機能構成(
図2、
図3)は第一の実施形態と同様である。
【0053】
第一の実施形態では、リレーUEにおけるNR Sidelink Relay機能が継続できない場合に、基地局103がリモートUEに対して、サービスを切断させることなくパス切替を実施できる例を説明した。第二の実施形態では、リレーUEのNR Sidelink Relay機能が中断される場合の例を説明する。例えば、リレーUEにて、CPU使用率やネットワーク帯域が占有されるようなプログラムが実行された場合で、当該プログラムが完了するまではNR Sidelink Relay機能が使用不可となる場合である。かかるプログラムは、例えばスループット測定用アプリケーション等であるが、これに限られない。
【0054】
本実施形態では、第2の所定条件として、リレーUEが自身のNR Sidelink relay機能を中断する場合に、NR Sidelink relay機能を中断することで停止する。具体的には、SRAP PDU生成処理部305はリレーUEが自身のNR Sidelink relay機能を中断する場合に、リレー機能中断を基地局に通知するためのPDUを生成する。リレー機能中断を示すPDU(停止関連情報の一例)の構成例を
図7に示す。
【0055】
D/Cフィールド401が1値、即ちSRAP Control PDUを示す値であり、以降にPDUタイプフィールド402が4ビット、Reservedフィールド403が3ビット続く。そして、以降にオプションフィールドが続く構成は
図4及び
図5と同じである。
【0056】
本実施形態では、PDUタイプフィールド402が0001値の場合、「リレー機能中断」を示す。このSRAP Control PDUを、以降「リレー機能中断通知」と呼称する。リレー機能中断通知は、オプションフィールド1 704を4byte、オプションフィールド2 705を2byte設定する。
【0057】
オプションフィールド1 704には、リレー中断の予定時間を格納する。4byte中に設定できる値は、
図7中における706の通り、MSB0~6ビット目が年を意味し、2023年を0として127(2150年)まで格納できてよい。続く7~10ビット目までは月を意味し、値1~12を格納できてよい。11~15ビットは日を意味し、値1~31を格納できる。16~20ビット目は時間を意味し、値0-23が格納できてよい。21~26ビット目は分を意味し、値0~59が格納できてよい。最後に27~31ビット目は秒を意味し、2秒単位で値0~29を指定できてよい。
【0058】
オプションフィールド2 705には、中断後のリレー機能の復旧時間を格納する。本実施形態では、1~65535秒を設定可能とする。
【0059】
【0060】
図8は、本実施形態における、リレーUEによるリレー機能中断通知の通知と、通知を受けた基地局による、間接パスから直接パスの切替を判断するフローチャートの一例である。
【0061】
第二の実施形態において、リレーUEであるUE B(102)はSidelink Relay処理部304を使用して中継を行っている。すなわち、UE B(102)は、リモートUEであるUE A(101)と基地局103とを間接パスでユーザーデータ(ストリーミングデータなど)の通信を中継している(S801)。
【0062】
UE B(102)の制御部301は、自端末のリレー機能の中断が必要であるか否かを判断する(S802)。自端末のリレー機能の中断が必要であることを判断した場合、Sidelink Relay処理部304にリレー機能中断を通知すべく、S803以降の処理に進む。
【0063】
Sidelink Relay処理部304は、制御部301の通知を受けて、SRAP PDU生成処理部305を通して前述のリレー機能中断を示すPDU(以降、リレー機能中断通知と呼称する)を作成する(S803)。ここで、SRAP PDU生成処理部305は、オプションフィールド1 704に、制御部301が算出したリレー機能中断までの時間を格納する。また、オプションフィールド2 705に、制御部301が算出したリレー機能の復旧時間を格納する(S804)。
【0064】
Sidelink Relay処理部304は、無線通信部307を通して、基地局103にリレー機能中断通知を送出する(S805)。
【0065】
制御部301は、S804で算出したリレー中断時間に到達した場合、Sidelink Relay処理部304の機能を停止する。中断時間からS804で算出した復旧時間が経過すると、制御部301はSidelink Relay処理部304を再開する(S806)。
【0066】
基地局103における無線通信部207がSRAP PDUを受け取ると、SRAP PDU解析処理部206は、受信したSRAP PDUの内容を解析する(S807)。
【0067】
ついで、SRAP PDU解析処理部206は、D/Cフィールド401が「SRAP Control PDU」を示す値、かつ、PDUタイプフィールド402が「リレー機能継続不可」を示すか否かを判断する(S808)。D/Cフィールド401が「SRAP Control PDU」を示す値、かつ、PDUタイプフィールド402が「リレー機能継続不可」を示す場合(即ち、前述の「リレー機能継続不可通知」)、次のとおりである。SRAP PDU解析処理部206は、SRAP PDUがリレー機能継続不可通知(
図4、
図5)であると判断し、第一の実施形態における
図6のSTEP1によりS609に処理を進める(S809)。
【0068】
D/Cフィールド401が「SRAP Control PDU」を示す値、かつ、PDUタイプフィールド402が「リレー機能中断」を示す場合(即ち、前述の「リレー機能中断通知」)、次のとおりである。SRAP PDU解析処理部206は、SRAP PDUがリレー機能中断通知であると判断し、オプションフィールド1 704に格納されている値をリレー機能中断までの時間であると解釈して値を取得する。また、オプションフィールド2 705に格納されている値をリレー機能が中断されてから復旧する時間と解釈して値を取得する。
【0069】
制御部201は、SRAP PDU解析処理部206が解析した結果を元に、UE B(102)がリレー機能を中断すること認識し、パス切替処理部204に、リレー機能中断までの時間内にUE A(101)のパスの切替を行うよう要求する。パス切替処理部204は、UE A(101)を間接パスから直接パスに切替を行う(S811、S812)。受信したSRAP PDUがリレー機能中断通知でない場合、その他のSRAP PDUに対応する処理を実施する(S813)。
【0070】
制御部201は、S810にて取得したUE B(102)のリレー機能復旧時間が経過後、S812で切り替えたUE A(101)との信号強度と、UE B(102)との信号強度をUE管理部203から取得して比較を行う。UE B(102)との信号強度がUE Aとの信号強度より大きい場合は、元の間接パス(即ち、
図1に示すシステム構成)への切替を判断し、パス切替処理部204にパス切替を実行させる(S814、S815、S816)。
【0071】
以上のフローにより、UE B(102)及び基地局103は、UE B(102)がリレー継続を中断する場合に、UE A(101)を間接パスから直接パスに切り替える際、サービスを切断させることなく行うことが可能となる。
【0072】
なお、本実施形態では、基地局103においては、リレー機能継続不可通知とリレー機能中断通知の双方が受信される可能性を考慮している。しかしながら、リレー機能継続不可通知とリレー機能中断通知のうちの、リレー機能中断通知だけが利用される構成も可能である。この場合、
図8に示すフローにおいて、S808及びS809が省略されてよい。
【0073】
以上、各実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施形態の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0074】
例えば、上述した実施形態では、リレー機能継続不可通知やリレー機能中断通知に基づいて、間接パスから直接パスの切替を行うが、これに限られない。例えば、リレー機能継続不可通知やリレー機能中断通知に基づいて、間接パスから、他のリレーUEを利用した他の間接パスへの切替を実現してもよい。例えば、UE A(101)と基地局103間の信号強度が、UE A(101)と他のUE(UE B(102)以外のUE)間の信号強度よりも低い場合、当該他のUEを介する間接パスへの切替を実現してもよい。
【0075】
また、上述した実施形態において、SRAPに代えて、基地局とリレーUE間のRRCコネクションを利用して、リレー機能継続不可及びリー機能中断不可をgNBに通知する方法が利用されてもよい。
【0076】
なお、以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0077】
[付記1]
基地局とリモートUE(User Equipment)との間の通信を中継するSidelink中継手段と、
Sidelink Adaptation Protocol(SRAP)のPDU(Protocol Data Unit)である、SRAP control PDUを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成される前記SRAP control PDUを送信する送信手段とを備え、
前記生成手段は、前記Sidelink中継手段による中継が行われている状況下で所定条件を満たした場合に、前記Sidelink中継手段による中継の停止に関する停止関連情報を前記SRAP control PDUに格納する、通信装置。
【0078】
[付記2]
前記所定条件は、自装置の状態に関する、付記1に記載の通信装置。
【0079】
[付記3]
自装置に電力を供給するバッテリの残量を検出する第1検出手段を更に備え、
前記所定条件は、前記第1検出手段により検出される前記バッテリの残量が閾値を下回る場合に満たされる、付記1又は2に記載の通信装置。
【0080】
[付記4]
自装置における所定異常を検出する第2検出手段を更に備え、
前記所定条件は、前記第2検出手段により前記所定異常が検出される場合に満たされる、付記1から3のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0081】
[付記5]
前記所定異常は、自装置のハードウェアの故障、及び、自装置に実装のソフトウェアにおけるプロセスの消失、のうちの少なくともいずれか一方を含む、付記4に記載の通信装置。
【0082】
[付記6]
前記所定条件は、前記Sidelink中継手段に係る機能がオフされる場合に満たされる、付記1から5のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0083】
[付記7]
前記所定条件は、自装置の電源がオフ又はリセットされる場合に満たされる、付記1から6のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0084】
[付記8]
前記リモートUEから受信する信号の信号強度を測定する第1測定手段を更に備え、
前記所定条件は、前記信号強度が閾値を下回る場合に満たされる、付記1から7のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0085】
[付記9]
前記基地局から受信する信号の信号強度を測定する第2測定手段を更に備え、
前記所定条件は、前記信号強度が閾値を下回る場合に満たされる、付記1から8のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0086】
[付記10]
前記生成手段は、前記SRAP control PDUのD/C fieldに、「SRAP control PDU」を意味する値を格納する、付記1から9のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0087】
[付記11]
前記生成手段は、前記SRAP control PDUのPDU type fieldに、前記停止関連情報を格納する、付記1から10のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0088】
[付記12]
前記停止関連情報は、前記Sidelink中継手段に係る機能の停止を表す情報、前記停止までの時間を表す情報、前記停止の要因を表す情報、及び、前記停止後の再開までの時間を表す情報、のうちの少なくともいずれか1つを含む、付記1から11のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【0089】
[付記13]
リレーUE(User Equipment)を介してリモートUEと通信する通信手段と、
前記リレーUEから、Sidelink Adaptation Protocol(SRAP)のPDUである、SRAP control PDUを受信する受信手段と、
前記リレーUEを介する中継の停止に関する停止関連情報が格納されたSRAP control PDUを前記受信手段により受信した場合に、前記停止関連情報に基づいて、前記通信手段に係る通信制御を実行する制御手段とを備える、基地局。
【0090】
[付記14]
前記制御手段は、前記SRAP control PDUのD/C fieldに、「SRAP control PDU」を意味する値が格納されている場合に、前記SRAP control PDUのPDU type fieldに格納されている前記停止関連情報に基づいて、前記通信制御を実行する、付記13に記載の基地局。
【0091】
[付記15]
前記通信制御は、前記停止関連情報に基づいて、前記リモートUEに対して、前記リレーUEを介する間接パスから、別のパスへの切替を指示することを含む、付記13に記載の基地局。
【0092】
[付記16]
前記停止関連情報は、前記Sidelink中継手段に係る機能の停止を表す情報、前記停止までの時間を表す情報、前記停止の要因を表す情報、及び、前記停止後の再開までの時間を表す情報、のうちの少なくともいずれか1つを含む、付記15に記載の基地局。
【0093】
[付記17]
前記通信制御は、前記停止までの時間を表す情報に基づいて、前記停止までの時間内に、前記切替を指示することを含む、付記16に記載の基地局。
【0094】
[付記18]
前記通信制御は、前記停止後の再開までの時間を表す情報に基づいて、切替後の前記別のパスから前記間接パスへの切替を指示することを含む、付記16又は17に記載の基地局。
【符号の説明】
【0095】
101 UE A
102 UE B(通信装置の一例)
103 基地局
104 基地局の通信エリア
201 制御部(制御手段の一例)
202 記憶部
203 UE管理部
204 パス切替処理部(制御手段の一例)
205 PDU生成処理部
206 PDU解析処理部
207 無線通信部(通信手段及び受信手段の一例)
301 制御部(第1検出手段及び第2検出手段の一例)
302 記憶部
303 信号強度測定部(第1測定手段及び第2測定手段の一例)
304 Sidelink Relay処理部(Sidelink中継手段の一例)
305 PDU生成処理部(生成手段の一例)
306 PDU解析処理部
307 無線通信部(送信手段の一例)